(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-15
(54)【発明の名称】粉体と液体の混合装置のロータ及び粉体と液体の混合装置
(51)【国際特許分類】
B01F 27/60 20220101AFI20220408BHJP
B01F 23/50 20220101ALI20220408BHJP
【FI】
B01F7/02 D
B01F3/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021539589
(86)(22)【出願日】2020-01-14
(85)【翻訳文提出日】2021-07-06
(86)【国際出願番号】 EP2020050824
(87)【国際公開番号】W WO2020156805
(87)【国際公開日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】102019102583.4
(32)【優先日】2019-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521297602
【氏名又は名称】イーストラル ゲーエムベーハー マシーネンバオ ウント プロセステヒニーク
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】ヴェーバー、ベルント
【テーマコード(参考)】
4G035
4G078
【Fターム(参考)】
4G035AB46
4G035AE13
4G078AA17
4G078BA01
4G078CA01
4G078CA08
4G078DA21
4G078EA08
4G078EA10
(57)【要約】
【課題】格別に効率的な混合挙動を有する粉体と液体の混合装置及びそのロータの提供。
【解決手段】粉体と液体の混合装置のためのロータ。該ロータは中央領域に設けられたシャフト受容部(117)を備えて構成された支持構造体(203、406)と、軸方向に延伸する複数の剪断ブレード(124)を有し、該剪断ブレード(124)は該支持構造体(203、406)に形成されかつ該シャフト受容部(117)から半径方向に所定の距離をなして配置されており及び軸方向において該支持構造体(203、406)から離隔するよう延伸している。剪断ブレード(124)は該支持構造体(203、406)の中央領域の方向において夫々延伸する2つの側壁(227、230)を有する。少なくとも幾つかの剪断ブレード(124)は半径方向内方に向かって互いに接近するよう延伸する鋭角をなすよう配向された複数の側壁(227、230)を備えて楔形に構成されている。楔形剪断ブレード(124)は半径方向内方を指向するその前端部(233)が前記シャフト受容部(117)から逸れるよう配設されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体と液体の混合装置のためのロータであって、
該ロータは、中央領域に設けられたシャフト受容部(117)を備えて構成された支持構造体(203、406)と、軸方向に延伸する複数の剪断ブレード(124)を有し、該剪断ブレード(124)は、該支持構造体(203、406)に形成されかつ該シャフト受容部(117)から半径方向に所定の距離をなして配置されており、及び、軸方向において該支持構造体(203、406)から離隔するよう延伸しており、
剪断ブレード(124)は、該支持構造体(203、406)の中央領域の方向において夫々延伸する2つの側壁(227、230)を有し、
少なくとも幾つかの[少なくとも2つの]剪断ブレード(124)は、半径方向内方に向かって互いに接近するよう延伸する鋭角をなすよう配向された複数の側壁(227、230)を備えて楔形に構成されており、
楔形剪断ブレード(124)は、半径方向内方を指向するその前端部(233)が前記シャフト受容部(117)から逸れるよう、配設されていること
を特徴とするロータ。
【請求項2】
請求項1に記載のロータにおいて、
前記楔形剪断ブレード(124)の複数の側壁(227、230)は、互いに接近するよう延伸して結合し、前端部として前記中央領域の方向を指向する前縁(233)を形成すること
を特徴とするロータ。
【請求項3】
請求項2に記載のロータにおいて、
前記楔形剪断ブレード(124)においては、粉体と液体を混合する際の流動方向に対し前側の側壁(227)は、流動方向に対し後側の側壁(230)よりもよりフラットに配向されていること
を特徴とするロータ。
【請求項4】
請求項1~3の何れかに記載のロータにおいて、
少なくとも幾つかの[少なくとも2つの]楔形剪断ブレード(124)においては、前記支持構造体(203、406)への後側の側壁(230)の移行領域は丸みが付けられていること
を特徴とするロータ。
【請求項5】
請求項1~4の何れかに記載のロータにおいて、
前記支持構造体(203、406)は、前記楔形剪断ブレード(124)の領域に、半径方向内方にカラー状の凹形状をなす(einkragend)縁部切欠部(218)[液体流出切欠部(206)]を有すること
を特徴とするロータ。
【請求項6】
請求項5に記載のロータにおいて、
前記縁部切欠部(218)[液体流出切欠部(206)]の側縁部間に複数の楔形剪断ブレード(124)が設けられていること
を特徴とするロータ。
【請求項7】
請求項1~6の何れかに記載のロータにおいて、
前記支持構造体(203、406)には、前記楔形剪断ブレード(124)とは反対の側に複数の結合ウェブ(212)が形成されていること、
該支持構造体(203、406)の反対側にある該結合ウェブ(212)の端部には、半径方向において該支持構造体(203、406)を超えて延伸するアウターブレード支持プレート(215)が形成されていること、及び、
該アウターブレード支持プレート(215)に形成された複数のアウターブレード(127)が設けられていること
を特徴とするロータ。
【請求項8】
請求項7に記載のロータにおいて、
前記結合ウェブ(212)と前記アウターブレード(127)は半径方向に互いに対向するよう配置されていること
を特徴とするロータ。
【請求項9】
請求項8に記載のロータにおいて、
結合ウェブ(212)と楔形剪断ブレード(124)は軸方向において互いに繋がっていること
を特徴とするロータ。
【請求項10】
請求項7に記載のロータにおいて、
前記結合ウェブ(212)と前記アウターブレード(127)は周方向において互いに対しずらされて配置されていること、及び、結合ウェブ(212)と楔形剪断ブレード(124)は軸方向において互いに繋がっていること
を特徴とするロータ。
【請求項11】
粉体と液体を混合するための装置であって、
該装置は、リング状壁部材(112)を備えて構成されたステータ(106)と請求項1~10の何れかに記載のロータを有し、
該ロータ(109)の楔形剪断ブレード(124)は該ステータ(106)のリング状壁部材(112)の半径方向内方に配置されていること
を特徴とする装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置において、
粉体と液体の供給は、支持構造体(203、406)の複数の異なる側で行われること
を特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部(前置部)に応じた粉体と液体の混合装置のためのロータに関する。
【0002】
本発明は、更に、そのようなロータを有する、粉体と液体の混合装置に関する。
【背景技術】
【0003】
この種のロータは及びこの種の装置はEP3069786A1から既知である。既知のロータは、支持構造体として、中心部に設けられたシャフト受容部を備えて構成された支持ディスクを使用する。更に、軸方向に延伸し実質的に直方体の形状に構成された複数の剪断ブレードが設けられており、該剪断ブレードは支持ディスクに形成され、シャフト受容部から半径方向に所定の距離を隔てて配置されており、軸方向において支持ディスクから離隔するよう延伸している。剪断ブレードは、中央領域の方向に延伸する2つの側壁を有する。剪断ブレードは、混合を促進するために、高い剪断力の生成に役立つ。
【0004】
DE29608713U1から、台形の形状に構成され冠の形状に配置された複数のアタッチメント(Ansaetze)を有するロータを備えた分散装置が既知である。剪断面を最適化するために、アタッチメントの寸法及び開孔角を可変にすることが提案されている。
【0005】
EP2403632B1は、ロータとステータを有する粉砕分散装置であって、これらのロータとステータの処理面が鋭角をなして対向配置されたものを記載している。
【0006】
US1862906Aからは、撹拌装置に、角度をなして配置された複数の歯状要素を有する撹拌ブレードを設けることが既知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】EP3069786A1
【特許文献2】DE29608713U1
【特許文献3】EP2403632B1
【特許文献4】US1862906A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、格別に効率的(効果的)な混合挙動を有する冒頭に記載したタイプのロータ及びそのようなロータを備えた装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、冒頭に記載したタイプのロータが本発明に応じ請求項1の特徴部の特徴を有することによって解決される。
【0010】
この課題は、本発明に応じた装置が請求項11の特徴部の特徴を有することによって解決される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
【0012】
楔形に構成された剪断ブレード(複数)において(夫々の)複数の(2つの)側壁が、シャフト受容部の方向において互いに接近するように鋭角をなすよう配向されていること、楔形剪断ブレード(複数)がシャフト受容部から逸れる向きに配向(逸れるよう構成)されて(angestellt)いること、及び、ロータの規定通りの運転時に、これらの剪断ブレードの前端部が流動方向において前方に(先頭に)位置することによって、一方では楔形剪断ブレードにおける良好な混合挙動のために、半径方向内方において、とりわけシャープな前縁(フロントエッジ)として構成されている顕著な(ausgepraegt)剪断領域が形成され、他方では可及的に妨害のない連続運転のために、流動方向において後方に位置する側壁の妨害的な(障害になる)積着又は付着を回避又は少なくとも抑制する後流(Hinterstroemung)が生じる。
【0013】
本発明の目的に適する更なる形態は従属請求項の対象である。
【0014】
本発明の目的に適する更なる形態及び利点は図面を参照した本発明の以下の実施例の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に応じたロータの一実施例を有する本発明に応じた装置の一実施例の部分分解斜視図。
【
図4】本発明に応じたロータの更なる一実施例の斜視図。
【
図5】本発明に応じたロータの更なる一実施例の斜視図。
【実施例】
【0016】
図1は、本発明に応じた粉体と液体の混合装置の一実施例を部分分解斜視図で示す。
図1に示した実施例は処理室ハウジング103を備えて構成されており、処理室ハウジング103内には、定置のステータ106が当該処理室ハウジング103(の内周面)に対向して配置されており、かつ、回転可能なロータ109がステータ106に対向して配置されている。
【0017】
ステータ106は、全体的に(周方向に:umfaenglich)閉じられたシリンダ形状に構成されたリング状壁部材112を有し、リング状壁部材112は混合物貫流開口(複数)115を備えて構成されている。
【0018】
ロータ109は、中央部に位置するシャフト受容部117の領域に配されたロータ固定ネジ118を介して、動力駆動可能な駆動シャフト121に結合されている。ロータ109は、半径方向内方に位置する複数の剪断ブレード124と、半径方向外方に位置する複数のアウターブレード127を有する。これらのブレードは、それぞれほぼ軸方向に延伸しかつそれらの間にリング状壁部材受容ギャップ130が形成されている。該ギャップには、ステータ106とロータ109が規定通りに配置されたとき、リング状壁部材112が嵌め込まれている。
【0019】
更に、駆動シャフト121が部分的に液体供給室ハウジング133によって取り囲まれていることを
図1から見出すことができる。液体供給室ハウジング133は処理室ハウジング103に密封的にフランジで固定されており、かつ、半径方向に配向された液体供給連結管136を備えて構成されている。液体供給連結管136を
図1に不図示の液体供給輸送管に連結すると、液体は、剪断ブレード124(が位置する側)と反対の側で、処理室ハウジング103へ供給可能になる。
【0020】
液体供給室ハウジング133(が位置する側)と反対の側では、処理室ハウジング103に、処理室蓋139がフランジで固定されている。処理室蓋139は、軸方向に配向された粉体供給連結管142を備えて構成されている。粉体供給連結管142が
図1に不図示の粉体供給輸送管に接続されると、剪断ブレード124に指向された側において、処理室ハウジング103に粉体が供給可能になる。
【0021】
処理室ハウジング103は、また、半径方向に配向された混合物流出連結管145を有し、処理室ハウジング103内でステータ106とロータ109の協働の下で生成される粉体と液体の混合物が、混合物流出連結管145を介して、
図1に不図示の混合物流出輸送管へ供給可能になる。
【0022】
図2は、本発明に応じたロータ109の一実施例を斜視図で示す。このロータ109は、本発明に応じた装置において、とりわけ
図1に示した相応の実施例において、使用可能である。本発明に応じたロータ109の
図2に示した実施例は、
図1に関連して既に説明した要素(複数)に加えて、支持構造体として、実質的に円形の支持ディスク203を有する。支持ディスク203の中央領域にはロータ固定ネジ118が配されており、半径方向外方には剪断ブレード(複数)124が形成されている(angeformt)。剪断ブレード124は軸方向において支持ディスク203から離隔するよう延伸(突出)している。
【0023】
支持ディスク203はその半径方向外方(外周部)に半径方向内方に延伸する複数の液体流出切欠部(凹部)206を有する。液体流出切欠部(複数)(即ち、縁部切欠部)206は夫々同じ角度範囲にわたって延在し、支持ディスク203の周にわたって規則的に(一定間隔で)分散配置されている。液体流出切欠部206と液体流出切欠部206の間には、夫々1つのアウターブレード127に対向して位置する半径方向突出部209がある。
【0024】
半径方向突出部(複数)209の領域では、剪断ブレード(複数)124とは反対の側に、軸方向に延伸する結合ウェブ(Verbindungsstege)(複数)212が支持ディスク203に形成されており、これらの結合ウェブ212の支持ディスクから離隔する側の端部(複数)にはアウターブレード支持プレート215が(一体的に)形成されている(angeformt)。アウターブレード支持プレート215は、円環の形態を有し、支持ディスク203に対向し軸方向に平行にシフトされた(1つの)(平)面に配されており、そのため、隣り合う結合ウェブ212間には夫々1つの液体貫流チャンネル218が形成されている。
【0025】
アウターブレード支持プレート215はアウターブレード(複数)127を担持し、アウターブレード127は、実質的に直方体の形状に構成され、その長辺が半径方向において延伸し、軸方向においてはアウターブレード支持プレート215から、支持ディスク203の反対側に位置する剪断ブレード124の上面221に位置する(対応する)(平
)面まで延伸(突出)する。
【0026】
剪断ブレード(複数)124は、本発明に応じたこの実施例では、夫々、鋭角三角形の形状の楔の基本形態で構成されており、この楔の先端領域は半径方向内方を指向している。この場合、各楔形剪断ブレード124の半径方向外方を指向する終端壁(Abschlusswand)224は、支持ディスク203の外周に対応する半径で丸められる(円周状外周面をなす)よう形成されている。そのような剪断ブレード124の各々の側壁227、230は平面的に形成されており、かつ、鋭角的に互いに接近して結合し、前端部としての、軸方向に延伸するシャープな(鋭い)前縁(フロントエッジ)233を形成する。
【0027】
図2から明らかなように、実線の矢印236で示されたロータ109の規定通りの回転方向Rにおいて、前縁233が、主成分が破線の矢印239で示され回転方向(矢印)Rに或る半径方向成分だけ追加された(外方に示された)(回転方向(矢印)Rと)反対方向の混合時の流動方向(矢印)Fに関して、その前方に(先頭に)位置するよう、楔形剪断ブレード124は半径方向に対して配向・調整されて(angestellt)いる。
【0028】
かくして、流体力学的にリーサイド(Leeseite:風下側ないし下流側)に即ち主流動方向を基準として背面側に位置する後側側壁230に対する効果的な後流(Hinterstroemung)が層流成分(複数)を伴って生成し、そのため、後側側壁230における妨害的な積着及び付着の危険が低下する。
【0029】
後側側壁230における妨害的な積着及び付着の危険の更なる低下のために、及び、混合プロセスを実行する際の粉体と液体の混合物をリング状壁部材112の方向へ効果的(効率的)に方向転換するために、流動方向Fに関して前側の側壁227が流動方向Fに関して後側の側壁230よりも前縁233を通過する直径線に対しよりフラットになるよう(より傾斜が小さくなるよう)構成されていると目的に適する。
【0030】
積着耐性及び付着に対する抵抗性を更に改善するために、後側側壁230から支持ディスク203への移行(部)は移行領域242において(角に)丸みが付けられるよう構成されている。
【0031】
図2に示した実施例では、楔形剪断ブレード124は、(隣り合う)結合ウェブ212と結合ウェブ212の間に位置し、従って、周方向において(隣り合う)アウターブレード127とアウターブレード127の間に位置し、半径方向外方に液体貫流チャンネル218を超えて液体流出切欠部206内へと突出する。かくして、ロータの回転方向Rにおいてアウターブレード127の後側に楔形剪断ブレード124が位置することによって、比較的大きな粉体吸引速度が得られる。
【0032】
図3は、本発明に応じたロータ109の
図2に示した実施例を平面図で示す。
図3から分かるように、楔形に構成された剪断ブレード124はその前縁233が回転方向R(の向き)へかつ流動方向Fに向かって前方に(先頭に)位置するよう構成(配向)されて(angestellt)おり、そのため、流動方向Fに関し後側に位置する側壁230は、シャフト受容部117と前縁233を通過し一点鎖線303によって示された支持ディスク203の直径線Dに対し相対的に大きな角度α、例えば直角をなすよう配向(構成)されており、他方、流動方向Fに関し前側に位置する側壁227は、角度αに対しより小さな角度βで支持ディスク203のこの直径線Dに対し斜めに、従って、流動方向Fに対してよりフラットになる(より平行に近くなる)よう構成(配向)されている。
【0033】
かくして、前側側壁227において、粉体と液体の混合のために、ステータ106のリング状壁部材112は混合物貫流開口115を貫流するための半径方向外方への効果的(効率的)な方向転換が生じ、従って、極めて有効(効率的)な混合挙動が得られると共に、他方では、後側側壁230に沿った流れは、この領域における積着及び付着の回避ないし抑制に役立つ少なからぬ層流成分を有する。
【0034】
図4は、本発明に応じたロータ109の更なる一実施例を斜視図で示す。本発明に応じたロータ109の
図2及び
図3に示した実施例と本発明に応じたロータ109の
図4に示した実施例において、互いに対応する構成要素には同じ図面参照符号が付されており、以下において詳細な説明は繰り返されていない。本発明に応じたロータ109の
図4に示した実施例では、本発明に応じたロータ109の
図2及び
図3に示した実施例と比べると、半径方向外方に設けられた液体流出切欠部(複数)206は、軸方向において駆動シャフト121の側から支持アーム406として構成された支持構造体の他方の側へ直接的な液体貫流領域403が形成される(移行する)につれて、半径方向内方に深くなるよう形成されている。
【0035】
かくして、本発明に応じたロータ109の
図2及び
図3を用いて説明した実施例と比べて増大された液体貫流レート(量ないし速度)が得られる。
【0036】
図5は、本発明に応じたロータ109の更なる一実施例を斜視図で示す。本発明に応じたロータ109の
図2、
図3及び
図4を用いて説明した実施例と本発明に応じたロータ109の
図5を用いて説明する実施例において、互いに対応する構成要素には同じ図面参照符号が付されており、従って以下において詳細には説明されていない。
【0037】
本発明に応じたロータ109の
図5を用いて説明する実施例は、本発明に応じたロータ109の
図4を用いて説明した実施例と比べると、楔形剪断ブレード124が半径方向においてアウターブレード127と直接対向するほどにまで変形されている。かくして、本発明に応じたロータ109の
図4を用いて説明した実施例と比べると、本発明に応じたロータ109の
図5を用いて説明した実施例は剪断作用(効果)はさらに増大されている。
【0038】
本発明に応じたロータ109の
図2~
図5を用いて説明した実施では、剪断ブレード124とアウターブレード127(の個数)の比は1:2である。これは、多くの使用条件について、粉体と液体の良好な混合(物)を生成する。尤も、特定の使用条件に対しては、楔形剪断ブレード124とアウターブレード127(の個数)の比を他のもの(1:2以外)にすることも可能であると理解すべきである。
【0039】
【符号の説明】
【0040】
106 ステータ
109 ロータ
112 リング状壁部材
117 シャフト受容部
124 剪断ブレード
127 アウターブレード
203 支持構造体
206 液体流出切欠部
212 結合ウェブ
215 アウターブレード支持プレート
227、230 側壁
233 前端部
【手続補正書】
【提出日】2020-08-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体と液体の混合装置のためのロータであって、
該ロータは、中央領域に設けられたシャフト受容部(117)を備えて構成された支持構造体(203、406)と、軸方向に延伸する複数の剪断ブレード(124)を有し、該剪断ブレード(124)は、該支持構造体(203、406)に形成されかつ該シャフト受容部(117)から半径方向に所定の距離をなして配置されており、及び、軸方向において該支持構造体(203、406)から離隔するよう延伸しており、
少なくとも幾つかの[少なくとも2つの]剪断ブレード(124)は、該支持構造体(203、406)の中央領域の方向において夫々延伸する
複数の側壁(227、230)を有し、
該複数の側壁(227、230)
は半径方向内方に向かって互いに接近するよう延伸しかつ鋭角をなすよう配向され楔形に構成されており、
楔形剪断ブレード(124)は、半径方向内方を指向するその前端部(233)が前記シャフト受容部(117)から逸れるよう配設されて
おり、
剪断ブレード(124)は、平面的な2つの側壁(227、230)を有する鋭角三角形の形状の楔の基本形態で構成されており、該2つの側壁(227、230)は、鋭角的に互いに接近して結合し、前端部として、前記中央領域の方向を指向し軸方向に延伸するシャープな前縁(233)を形成し、
各剪断ブレード(124)の半径方向外方を指向する終端壁(224)は支持ディスク(203)の外周に対応する半径で丸められるよう形成されており、
楔形剪断ブレード(124)は、前縁(233)がロータ(109)の規定通りの回転方向Rにおいて混合時の反対方向の流動方向(F)に関して前方に位置するよう、半径方向に対して配設されていること
を特徴とするロータ。
【請求項2】
請求項
1に記載のロータにおいて、
前記楔形剪断ブレード(124)においては、粉体と液体を混合する際の流動方向に対し前側の側壁(227)は、流動方向に対し後側の側壁(230)よりもよりフラットに配向されていること
を特徴とするロータ。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載のロータにおいて、
少なくとも幾つかの[少なくとも2つの]楔形剪断ブレード(124)においては、前記支持構造体(203、406)への後側の側壁(230)の移行領域は丸みが付けられていること
を特徴とするロータ。
【請求項4】
請求項1~
3の何れかに記載のロータにおいて、
前記支持構造体(203、406)は、前記楔形剪断ブレード(124)の領域に、半径方向内方にカラー状の凹形状をなす(einkragend)縁部切欠部(218)[液体流出切欠部(206)]を有すること
を特徴とするロータ。
【請求項5】
請求項
4に記載のロータにおいて、
前記縁部切欠部(218)[液体流出切欠部(206)]の側縁部間に複数の楔形剪断ブレード(124)が設けられていること
を特徴とするロータ。
【請求項6】
請求項1~
5の何れかに記載のロータにおいて、
前記支持構造体(203、406)には、前記楔形剪断ブレード(124)とは反対の側に複数の結合ウェブ(212)が形成されていること、
該支持構造体(203、406)の反対側にある該結合ウェブ(212)の端部には、半径方向において該支持構造体(203、406)を超えて延伸するアウターブレード支持プレート(215)が形成されていること、及び、
該アウターブレード支持プレート(215)に形成された複数のアウターブレード(127)が設けられていること
を特徴とするロータ。
【請求項7】
請求項
6に記載のロータにおいて、
前記結合ウェブ(212)と前記アウターブレード(127)は半径方向に互いに対向するよう配置されていること
を特徴とするロータ。
【請求項8】
請求項
7に記載のロータにおいて、
結合ウェブ(212)と楔形剪断ブレード(124)は軸方向において互いに繋がっていること
を特徴とするロータ。
【請求項9】
請求項
6に記載のロータにおいて、
前記結合ウェブ(212)と前記アウターブレード(127)は周方向において互いに対しずらされて配置されていること、及び、結合ウェブ(212)と楔形剪断ブレード(124)は軸方向において互いに繋がっていること
を特徴とするロータ。
【請求項10】
粉体と液体を混合するための装置であって、
該装置は、リング状壁部材(112)を備えて構成されたステータ(106)と請求項1~
9の何れかに記載のロータを有し、
該ロータ(109)の楔形剪断ブレード(124)は該ステータ(106)のリング状壁部材(112)の半径方向内方に配置されていること
を特徴とする装置。
【請求項11】
請求項
10に記載の装置において、
粉体と液体の供給は、支持構造体(203、406)の複数の異なる側で行われること
を特徴とする装置。
【国際調査報告】