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特表2022-522268ポンピングシステム及び流体搬送装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-15
(54)【発明の名称】ポンピングシステム及び流体搬送装置
(51)【国際特許分類】
   F04B 9/113 20060101AFI20220408BHJP
   F16K 11/065 20060101ALI20220408BHJP
【FI】
F04B9/113
F16K11/065 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021543314
(86)(22)【出願日】2019-01-24
(85)【翻訳文提出日】2021-08-17
(86)【国際出願番号】 FR2019050159
(87)【国際公開番号】W WO2020152402
(87)【国際公開日】2020-07-30
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521325606
【氏名又は名称】ビニョン、ピエール
(71)【出願人】
【識別番号】521325617
【氏名又は名称】ワン-ホイ、アルマン
(71)【出願人】
【識別番号】521325628
【氏名又は名称】バウワー、アントン
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビニョン、ピエール
(72)【発明者】
【氏名】ワン-ホイ、アルマン
(72)【発明者】
【氏名】バウワー、アントン
【テーマコード(参考)】
3H067
3H075
【Fターム(参考)】
3H067AA14
3H067BB02
3H067BB12
3H067CC02
3H067CC44
3H067DD02
3H067DD12
3H067DD33
3H067FF11
3H067GG13
3H067GG21
3H075AA06
3H075BB03
3H075BB14
3H075BB17
3H075CC02
3H075CC10
3H075DA08
3H075DA15
3H075DB10
3H075DB42
3H075DB44
(57)【要約】
本発明は、主に、2つの位置の間で遮断部材(70~73)を作動させるように構成されたポンピングシステム(1)の第1および第2の入口(E1、E2;E1a、E2a)および第1および第2の出口(S1、S2; S1a、S2a)を遮断するための4つの移動遮断部材(70~73)と、第1の流体分配サイクルに関連する第1の配置と第2の流体分配サイクルに関連する第2の配置との間で交互に分配装置を作動させることができる、2つの位置の間で少なくとも1つのトリガ(8、9)とを含む、交互分配装置(7)を含む、ポンピングシステム(1)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧された流体の搬送のためのポンピングシステム(1、1a)であって、
内部に加圧された作動流体の作用を受けて第1及び第2の端部(P1、P2)間で駆動筐体(2、2a)の長手軸(X)に沿って摺動するように構成された駆動ピストン(13、13a)が配置され、前記駆動ピストン(13、13a)が前記駆動筐体(2、2a)を第1の駆動チャンバ(3)と第2の駆動チャンバ(4)とに分離する、前記駆動筐体(2、2a)と、
搬送流体を受け入れ排出するための入口(50、60; 50a、60a)と出口(51、61; 51a、61a)とをそれぞれ備える第1の増倍チャンバ(5)及び第2の増倍チャンバ(6)と、
前記駆動ピストン(13、13a)に接続され、前記第1の増倍チャンバ(5、5a)内を摺動するように構成され、第1の増倍ピストン(52、52a)の摺動により、前記第1の増倍チャンバ(5、5a)の前記出口(51、51a)での前記搬送流体の圧力が前記第1の増倍チャンバ(5、5a)の前記入口(50、50a)での前記搬送流体の圧力よりも大きくなるように前記第1の増倍チャンバ(5、5a)内の前記搬送流体の圧力を確実にする、前記第1の増倍ピストン(52、52a)と、
前記駆動ピストン(13、13a)に接続され、前記第2の増倍チャンバ(62、62a)内を摺動するように構成され、第2の増倍ピストン(62、62a)の摺動により、前記第2の増倍チャンバ(6、6a)の前記出口(51、51a)での前記搬送流体の圧力が前記第2の増倍チャンバ(6、6a)の前記入口(60、60a)での圧力よりも大きくなるように、前記第2の増倍チャンバ(6、6a)内の前記搬送流体の圧力を確実にする、前記第2の増倍ピストン(62、62a)と、
前記駆動筐体(2、2a)内の前記作動流体の循環方向を交互に切替える交互流体分配装置と、を備え、
前記ポンピングシステム(1、1a)は、第1の分配サイクルの間に、前記第2の駆動チャンバ(4、4a)から前記第1の駆動チャンバ(3、3a)及び第1の流体出口(S1、S1a)へそれぞれ前記作動流体を受け入れ及び排出するため開口する流体の第1の入口(E1、E1a)と、第2の分配サイクルの間に、前記第1の駆動チャンバ(3、3a)から前記第2の駆動チャンバ(4、4a)及び第2の流体出口(S2、S2a)へそれぞれ前記作動流体を受け入れ及び排出するため開口する流体の第2の入口(E2、E2a)と、を備え、
前記交互分配装置は、前記ポンピングシステム(1、1a)の前記第1及び前記第2の入口(E1、E2; E1a)の4つの可動遮断部材(70-73; 70a-73a)を含む少なくとも1つの遮断装置(7)と、閉位置と開位置との2つの間で前記遮断部材(70-73; 70a-73a)をそれぞれ作動させるように構成されたすくなくとも1つのトリガ(8、9; 8a、9a)と、を備え、
前記駆動ピストン(13、13a)がその第2の端部(P2)まで移動し、前記可動部材(71、72; 71a、72a)の2つが前記第2の入口(E2、E2a)及び前記第2の出口(S2、S2a)をそれぞれ遮断し、前記可動部材(70、73; 70a、73a)の他の2つが前記第1の入口(E1、E1a)及び前記第1の出口(S1、S1a)をそれぞれ開口して作動流体の挿入と排出を確保する、前記第1の分配サイクルに関連付けられる第1の配置と、
駆動ピストン(13、13a)がその第1の端部(P1)まで移動し、前記可動部材(70、73; 70a、73a)の2つが前記第1の入口(E1、E1a)及び前記第1の出口(S1、S1a)をそれぞれ遮断し、前記可動部材(71、72; 71a、72a)の他の2つが前記第2の入口(E2、E2a)及び前記第2の出口(S2、S2a)をそれぞれ開口して作動流体の挿入と排出を確保する、前記第2の分配サイクルに関連付けられる第2の配置と、の間で、前記交互分配装置が作動されることができる、
ことを特徴とする、ポンピングシステム(1、1a)。
【請求項2】
前記トリガ(8、9; 8a、9a)は、少なくとも前記駆動ピストン(13、13a)がその端部(P1、P2)のうちの1つにあるときに、前記駆動ピストン(13、13a)によって作動されるように構成される、ことを特徴とする、請求項1に記載のポンピングシステム(1、1a)。
【請求項3】
前記交互分配装置が、
前記駆動ピストン(13、13a)がその第1の端部(P1)に到達したときに、前記交互分配装置をその第1の配置に入れるように構成された第1のトリガ(8、8a)と、
前記駆動ピストン(13、13a)がその第2の端部(P2)に到達したときに、交互分配装置をその第2の配置に入れるように構成された第2のトリガ(9、9a)と、
を備える、ことを特徴とする、請求項1または2に記載のポンピングシステム(1、1a)。
【請求項4】
前記遮断装置(7)の前記可動遮断部材(70、73; 70a、73a)は、それぞれ閉位置と開位置との少なくとも2つの位置の間で移動可能なナイフゲートバルブから構成される、ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のポンピングシステム(1、1a)。
【請求項5】
前記2つのトリガ(8、9; 8a、9a)は、前記駆動筐体の短手軸(Y)に対して前記駆動筐体(2、2a)の両側に配置され、それぞれのトリガ(8、9; 8a、9a)は、前記駆動ピストン(13、13a)によって作動可能なロッド(80、90)を備え、前記可動部材(70-73; 70a-73a)に接続された作動部材(10、11; 10a、11a)の静止位置と作動位置との間を移動可能であり、それらを作動させるように構成される、ことを特徴とする、請求項3または4に記載のポンピングシステム(1、1a)。
【請求項6】
前記交互分配装置が、
前記駆動筐体(2、2a)の同じ側に配置された流体の前記第1及び前記第2の入口(E1、E2; E1a、E2a)のナイフゲートバルブ(70、71; 70a、71a)を同時に作動させるように構成された第1の作動部材(10、10a)であって、前記バルブ(70、71; 70a、71a)は、その閉位置または開位置のうちの1つに向かう前記バルブ(70、71; 70a、71a)のうちの1つの駆動が、他の前記バルブ(70、71; 70a、71a)を反対の位置に駆動するように長手方向に相互接続されている前記第1の作動部材(10、10a)と、
前記駆動筐体(2、2a)の同じ側に配置された流体の前記第1及び前記第2の出口(S1、S2; S1a、S2a)の前記ナイフゲートバルブ(72、73; 72a、73a)を作動させるように構成された第2の作動部材(11、11a)であって、前記バルブ(72、73; 72a、73a)は、その閉位置または開位置に向かう前記バルブ(72、73; 72a、73a)のうちの1つの駆動が、他の前記バルブ(72、73; 72a、73a)を反対の位置に駆動するように長手方向に相互接続されている前記第2の作動部材(11、11a)と、を備える、
ことを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載のポンピングシステム(1、1a)。
【請求項7】
各作動部材(10、11)は、前記第1(8)及び前記第2の(9)トリガにそれぞれ接続された2つの空気入口(101、103; 111、113)を含む圧縮チャンバ内の可動ピストン(103、113)を備え、各トリガ(8、9)は、それぞれのロッド(80、90)に機械的に接続され、それぞれの作動部材(10、11)のピストン(103、113)の静止位置と作動位置との間で圧縮チャンバ(83、93)内で移動可能なピストン(84、94)を備え、前記トリガ(8、9)の前記圧縮チャンバ(83、93)は、それぞれ前記第1及び前記第2の作動部材(10、11)に接続された2つの出口(81、82; 91、92)を備える、ことを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載のポンピングシステム(1)。
【請求項8】
各トリガ(8、9; 8a、9a)が、前記可動遮断部材(70~73;70a~73a)の位置を保持する保持手段(46)を備える、ことを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載のポンピングシステム(1、1a)。
【請求項9】
各トリガ(8、9)の前記ロッド(80、90)は、前記ロッド(80、90)をその静止位置に戻す戻し手段(44)を備える、ことを特徴とする、請求項5~8のいずれか1項に記載のポンピングシステム(1、1a)。
【請求項10】
前記第1及び第2の増倍チャンバ(5、6; 5a、6a)の前記増倍ピストン(52、62; 52a; 62a)は、第1及び第2のシャフト(12、12´;12a、12a´)のそれぞれの第1の端部に配置され、前記第1及び前記第2のシャフト(12、12´;12a、12a´)のそれぞれの第2の端部が、自在継手(14、14´)又は可撓性接続部を介して前記駆動ピストン(13、13a)に接続されている、ことを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載のポンピングシステム(1、1a)。
【請求項11】
前記駆動筐体(2)は、略円筒形状であり、数バール以上の流体圧力に抵抗するように配置されたドーム状の端部(22、23)を備える、ことを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載のポンピングシステム(1)。
【請求項12】
管の入口(144)における流体圧力が前記管の出口(145)における流体圧力よりも小さくなるように水体に浸漬されたベンチュリ管(140)と、前記ベンチュリ管(140)の前記入口(144)及び前記出口(145)において層流を導いて生成するように配置された少なくとも1つの樋型の構造(146、147)と、前記ポンピングシステム(1、1a)の流体の前記第1及び前記第2の入口(E1、E2; E1a、E2a)が前記ベンチュリ管(140)の前記入口(144)に接続され、前記ポンピングシステム(1、1a)の流体の前記第1及び前記第2の出口(S1、S2; S1a、S2a)が前記ベンチュリ管(140)の前記出口(145)に接続されるように配置された請求項1~11のいずれか1項に記載のポンピングシステム(1、1a)と、を備え、河川の流れ(C)を前記水体(FL)に含む、流体搬送装置(128)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、流体を搬送するためのシステムに関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、低高度ゾーンから高高度ゾーンへ水などの流体を搬送するためのポンピングシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
水資源のない山間部や台地への給水は、これらの地域の住民にとって大きな問題となっている。
【0004】
したがって、高度数百メートルの領域に水を供給するためには、燃焼エンジンまたは電気エンジンによって駆動される搬送ポンプが使用されることが知られている。これらの搬送ポンプにより、低高度の第1の領域に位置する水を、より高い高度の第2の領域に搬送することが可能になる。しかしながら、このような搬送ポンプはエネルギー効率が良いが、それらを設置し使用することは大きなコストを生じる。
【0005】
電動ポンプの代替として、油圧ラムが使用されることが知られている。なぜなら、それらを設置することは、より安価であり、メンテナンスをほとんど必要としないからである。
【0006】
油圧ラムの原理は、ある速度で柱内を流れる流体がバルブによって急に遮断されたときに生じる過圧である「ウォーターハンマー」と呼ばれる現象を利用したものである。過圧によって、初期柱の高さよりもはるかに高い一定量の流体を上昇させることが可能になる。
【0007】
しかし、油圧ラムの使用は、必ずしも満足できるものではなく、「ウォーターハンマー」によって発生するノイズ、設置中に複雑な調整を行う必要性、またはそうでなければ、電動ポンプに関して限られた搬送高さだけでなく、弱く不安定な流量を調整する必要性のようないくつかの欠点を有する。
【0008】
これらの欠点を克服するために、設置及びメンテナンスのコストを制限しながら良好なエネルギー効率の両方を得ることを可能にする異なる解決策を開発するために、研究が行われてきた。
【0009】
これらの解決策の中で、特にフランス特許出願公開FR 3039596 A1号公報に記載されているハイドロメカニカルポンプが提案されている。
【0010】
図1に図示されるように、そのようなハイドロメカニカルポンプ1000は、内部に駆動ピストン220が摺動するエンジンチャンバ280を備える。駆動ピストン220は、エンジンチャンバ280の両側に配置された第1の増倍チャンバ300内及び第2の増倍チャンバ320内に延びる中央シャフト340に堅固に接続されている。第1の増倍チャンバ300および第2の増倍チャンバ320は、それぞれ、流体を収容し、圧力下の流体を排出するための入口400、360および出口420、380を有する。
【0011】
さらに、ポンプ1000は、駆動ピストン220を横切って加圧された流体を分配する方向を交互に切替えるための装置を含む。流体の搬送方向を交互に切替えるための装置は、分配チャンバ200内で摺動する分配搬送部340、460、480、500を含み、これにより、エンジンチャンバ280と連通する流入および搬送ダクトのアレイ520、540、560、680、600、620、ならびに増倍チャンバ300、320の入口400、360を密封および/または係合解除する。
【0012】
流入および搬送ダクト520、540、560、680、600、620のネットワークによるエンジンチャンバ280内への加圧された流体の導入によって、駆動ピストン220は、エンジンチャンバ1080、280内で摺動し、したがって、増倍チャンバ300、360内の中央シャフト340を摺動させる。増倍チャンバ300、360内の中央シャフト340の摺動により、増倍チャンバ300、360のうちの1つの内部に存在する流体の圧縮が確実になり、これにより、加圧された流体が、前記増倍チャンバ300、360の出口360、380を通って排出される。
【0013】
分配チャンバ200の分配搬送部340、460、480、500は、エンジンチャンバ280内の駆動ピストン220の位置に応じてフィードバックによって、機械的に、または油圧的に制御されるアクチュエータによって移動される。分配チャンバ200内の分配搬送部340、460、480、500の移動は、エンジンチャンバ280内の加圧された流体の循環方向の反転を提供する。
【0014】
この原理により、ポンプ1000は、非常に少ないエネルギーで自律的に動作し、高高度領域での搬送のための流体の十分な加圧を確実にすることができる。
【0015】
しかしながら、そのようなポンプ1000は、特に、その動作条件に関して欠点を有する。
【0016】
実際、特に、流体圧力が大きくなると、分配搬送部によって、流入ダクト520、540、560、680、600、620の完全な密封を確保することは困難である。実際、流体の搬送圧力は制限されたままである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、高流体圧力での信頼性を高め、従って十分に高い流体搬送圧力を生成するポンピングシステムを提供することであり、これにより、特に、搬送される流体を取り扱うための使用を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この目的のために、本発明は、加圧された流体の搬送のためのポンピングシステムに関し、ポンピングシステムは、内部に加圧された作動流体の作用を受けて第1及び第2の端部間で駆動筐体の長手軸に沿って摺動するように構成された駆動ピストンが配置され、前記駆動ピストンが前記駆動筐体を第1の駆動チャンバと第2の駆動チャンバとに分離する、前記駆動筐体と、搬送流体を受け入れ排出するための入口と出口とをそれぞれ備える第1の増倍チャンバ及び第2の増倍チャンバと、前記駆動ピストンに接続され、前記第1の増倍チャンバ内を摺動するように構成され、第1の増倍ピストンの摺動により、前記第1の増倍チャンバの前記出口での前記搬送流体の圧力が前記第1の増倍チャンバの前記入口での前記搬送流体の圧力よりも大きくなるように前記第1の増倍チャンバ内の前記搬送流体の圧力を確実にする、前記第1の増倍ピストンと、前記駆動ピストンに接続され、前記第2の増倍チャンバ内を摺動するように構成され、第2の増倍ピストンの摺動により、前記第2の増倍チャンバの前記出口での前記搬送流体の圧力が前記第2の増倍チャンバの前記入口での圧力よりも大きくなるように、前記第2の増倍チャンバ内の前記搬送流体の圧力を確実にする、前記第2の増倍ピストンと、前記駆動筐体内の前記作動流体の循環方向を交互に切替える交互流体分配装置と、を備え、前記ポンピングシステムは、第1の分配サイクルの間に、前記第2の駆動チャンバから前記第1の駆動チャンバ及び第1の流体出口へそれぞれ前記作動流体を受け入れ及び排出するため開口する流体の第1の入口と、第2の分配サイクルの間に、前記第1の駆動チャンバから前記第2の駆動チャンバ及び第2の流体出口へそれぞれ前記作動流体を受け入れ及び排出するため開口する流体の第2の入口と、をさらに備え、前記交互分配装置は、前記ポンピングシステムの前記第1及び前記第2の入口の4つの可動遮断部材を含む少なくとも1つの遮断装置と、閉位置と開位置との2つの間で前記遮断部材をそれぞれ作動させるように構成されたすくなくとも1つのトリガと、を備え、前記駆動ピストンがその第2の端部まで移動し、前記可動部材の2つが前記第2の入口及び前記第2の出口をそれぞれ遮断し、前記可動部材の他の2つが前記第1の入口及び前記第1の出口をそれぞれ開口して作動流体の挿入と排出を確保する、前記第1の分配サイクルに関連付けられる第1の配置と、駆動ピストンがその第1の端部まで移動し、前記可動部材の2つが前記第1の入口及び前記第1の出口をそれぞれ遮断し、前記可動部材の他の2つが前記第2の入口及び前記第2の出口をそれぞれ開口して作動流体の挿入と排出を確保する、前記第2の分配サイクルに関連付けられる第2の配置との間で前記交互分配装置が作動されることができる。
【0019】
また、本発明のポンピングシステムは、個々に、またはすべての可能な技術的組合せに従って考慮される以下の任意の特徴を含んでもよい。ポンピングシステムは、前記交互分配装置が、前記駆動ピストンがその第1の端部に到達したときに、前記交互分配装置をその第1の配置に入れるように構成された第1のトリガと、前記駆動ピストンがその第2の端部に到達したときに、交互分配装置をその第2の配置に入れるように構成された第2のトリガとを備える。前記遮断装置の前記可動遮断部材は、それぞれ閉位置と開位置との少なくとも2つの位置の間で移動可能なナイフゲートバルブから構成される。前記2つのトリガは、前記筐体の短手軸に対して前記駆動筐体の両側に配置され、それぞれのトリガは、前記駆動ピストンによって作動可能なロッドを備え、前記可動部材に接続された作動部材の静止位置と作動位置との間を移動可能であり、それらを作動させるように構成される。前記交互分配装置は、前記駆動筐体の同じ側に配置された流体の前記第1及び前記第2の入口のナイフゲートバルブを同時に作動させるように構成された第1の作動部材であって、前記バルブは、その閉位置または開位置のうちの1つに向かう前記バルブのうちの1つの駆動が、他の前記バルブを反対の位置に駆動するように長手方向に相互接続されている前記第1の作動部材と、前記駆動筐体の同じ側に配置された流体の前記第1及び前記第2の出口の前記ナイフゲートバルブを作動させるように構成された第2の作動部材であって、前記バルブは、その閉位置または開位置に向かう前記バルブのうちの1つの駆動が、他の前記バルブを反対の位置に駆動するように長手方向に相互接続されている前記第2の作動部材と、を備える。各作動部材は、前記第1及び前記第2のトリガにそれぞれ接続された2つの空気入口を含む圧縮チャンバ内の可動ピストンを備え、各トリガは、それぞれのロッドに機械的に接続され、それぞれの作動部材のピストンの静止位置と作動位置との間で圧縮チャンバ内で移動可能なピストンを備え、前記トリガの前記圧縮チャンバは、それぞれ前記第1及び前記第2の作動部材に接続された2つの出口を備える。各トリガが、前記可動遮断部材の位置を保持する保持手段を備える。各トリガの前記ロッドは、前記ロッドをその静止位置に戻す戻し手段を備える。前記第1及び第2の増倍チャンバの前記増倍ピストンは、第1及び第2のシャフトのそれぞれの第1の端部に配置され、前記第1及び前記第2のシャフトのそれぞれの第2の端部が、自在継手又は可撓性接続部を介して前記駆動ピストンに接続されている。前記駆動筐体は、略円筒形状であり、数バール以上の流体圧力に抵抗するように配置されたドーム状の端部を備える。
【0020】
また、本発明は、管の入口における流体圧力が前記管の出口における流体圧力よりも小さくなるように水体に浸漬されたベンチュリ管と、前記ベンチュリ管の前記入口及び前記出口において層流を導いて生成するように配置された少なくとも1つの樋型の構造と、前記ポンピングシステムの流体の前記第1及び前記第2の入口が前記ベンチュリ管の前記入口に接続され、前記ポンピングシステムの流体の前記第1及び前記第2の出口が前記ベンチュリ管の前記出口に接続されるように配置され、河川の流れを前記水体に含む、前述のいずれかに記載のポンピングシステムに関する。
【0021】
本発明の他の特徴および利点は、以下に限定されるものではないが、以下を含む添付図面を参照して以下に与えられる説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】従来技術によるハイドロメカニカルポンプの断面図である。
図2】第1の実施形態によるポンピングシステムの断面図である。
図3】トリガを示す、図1のポンピングシステムの詳細な断面図である。
図4】第2の実施形態によるポンピングシステムの断面図である。
図5図4に示す矢印Vによる図である。
図6】本発明のポンピングシステムを備える搬送システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
最初に図において特記すると、それらが現れる図形が何であれ、またこれらの要素の表現形態が何であれ、同じ参照符号が同じ要素を示す。同様に、要素が、図の1つにおいて具体的に参照されない場合、それらの参照は、別の図を参照することによって容易に検索することができる。
【0024】
また、図は、本質的に本発明の主題の2つの実施例を表すが、本発明の定義に合致する他の実施例が存在する可能性があることも明記される。
【0025】
本発明のポンピングシステム1、1は、静圧または動圧柱の駆動力を使用して、水などの流体の搬送の技術分野における特定の用途を見つける。したがって、ポンピングシステム1、1は、低地点と呼ばれる低高度に位置する領域から、高地点と呼ばれる高高度に位置する領域へ、この流体を搬送することを可能にする。このようにして、ポンピングシステム1、1は、再生可能エネルギーによって駆動される。
【0026】
ポンピングシステム1、1aは、さらに、流速の低い河川FLに特別に適合された搬送装置128に一体化されてもよい。
【0027】
記載の結果、本発明のポンピングシステム1、1aは、「ポンプ」と称されることになり、「搬送流体」は、前記ポンプ1、1a内で高所まで搬送されることを意図した流体であると理解され、最後に、「作動流体」は、作動を可能にするために、ポンプ1、1a内で循環する流体を示すことになるが、この作動流体は、ポンプ1、1aによって高所まで搬送されることを意図したものではない。
【0028】
ここで、図2および図3を参照して、第1の実施形態におけるポンプ1について説明する。
【0029】
ポンプ1は、好ましくは、長手軸Xに沿って延びる略円筒形状を有する駆動筐体2を備え、該駆動筐体2は、シールドタイプのシールド22、23によってこれらの軸方向の端部で閉じられている。好ましくは、図2に示すように、これらの2つのシールド22、23は、駆動筐体2内を移動する作動流体によって加えられる圧力により良好に耐えるようにドーム状にされている。駆動筐体2は、このようにして円筒壁15によって形成され、その端部はドーム状の壁22、23によって閉じられる。
【0030】
駆動筐体2は、更に、圧力柱の圧力の少なくとも3倍に等しい流体圧力に耐えることを意図した金属材料又は複合材料で作られている。
【0031】
ドーム状のシールド22、23および駆動チャンバ2の円筒部15は、環状のフランジ160~163によって一緒に接続される。4つの環状のフランジ160~163が図2に示されている。2つのフランジ160、163がそれぞれドーム状のシールド22、23の円形断面の端部に固定され、2つのフランジ161、162がそれぞれ円筒部15の両端部に固定されている。最後に、筐体2の構造を補強するために、環状のフランジ160~163は、さらに、駆動筐体2の円筒部15の対向するフランジ160~163を接続するタイロッド17によって互いに接続される。好ましくは、これらのタイロッド17は金属材料からなる。
【0032】
駆動筐体2は、短手軸Yに対向する作動流体の第1および第2の入口E1、E2、ならびに短手軸Yに対向する作動流体の第1および第2の出口S1、S2を備えており、これらの入口E1、E2および出口S1、S2は、筐体2の円筒壁15内に設けられている。さらに、入口E1、E2および出口S1、S2は、それぞれ、長手軸Xに対して駆動筐体2の対向する端部に設けられる。
【0033】
ポンプ1は、駆動チャンバ2の内側に配置され、圧力をかけられた作動流体の影響を受けて、第1および第2の端部P1、P2の間で長手軸Xに沿って摺動するように構成された駆動ピストン13を備える。
【0034】
したがって、駆動ピストン13は、第1および第2の駆動チャンバに駆動筐体2を分離し、第1および第2の作動流体の入口E1、E2は、それぞれ第1および第2の駆動チャンバ3、4に開口し、一方、作動流体は、流体の第2および第1の出口S2、S1によって、第1および第2の駆動チャンバ3、4からそれぞれ排出される。
【0035】
作動流体が駆動ピストン13に圧力を加えるためには、第1および第2の流体の入口E1、E2における流体圧力が、流体の第1および第2の出口S1、S2における流体圧力よりも交互に高くなることが必要である。流体の入口E1、E2と流体の出口S1、S2との間のこの圧力差は、前述の圧力柱と等しい。この圧測定柱は、静的または動的にすることができる。
【0036】
静圧柱は、高さが、流体の入口E1、E2が少なくとも1つの第1のダクト(図6の参照符号129)によって流体的に接続される高度と、流体の出口S1、S2が少なくとも1つの第2のダクト(図6の参照符号130)によって流体的に接続される高度との間の差によって表される水柱である。典型的には、第2のダクト130は、低高度ゾーンに位置する水に接続され、一方、第1のダクトは、より高い高度に位置する水に接続され、この高度の差は、駆動ピストン13を動かすことができる水柱を生成するのに十分である。
【0037】
静圧柱は、急斜面に沿って流れる山岳流において特に実現可能である。
【0038】
水路が緩やかな斜面に沿って流れる場合には、駆動ピストン13を摺動させるのに十分な強さの静圧柱を作ることが困難であったり、さらには不可能であったりすることがある。したがって、この場合、動圧柱を生成する必要がある。これについては、図6に示す搬送装置28に関連づけて、さらに説明に沿って対処する。
【0039】
本発明のポンプ1、1aの1つの利点は、特に、所望の作動流体圧力に従って、圧力柱の高さ(静的または動的)を適応させる可能性にある。所望の作動流体圧力に応じて、駆動ピストン13、駆動筐体2およびポンプ1の他の要素の寸法を適応させることが意図されており、選択された使用に十分な搬送流体圧力を得るために、また、選択された使用に必要な、例えば、浄水ステーション内のナノ濾過膜による水の濾過、または、特に海水の淡水化を可能にする逆浸透濾過法を実施することが可能である。
【0040】
これらの濾過方法(ナノ濾過および逆浸透)は、従来、作動に多量のエネルギーを必要とする。本発明に係るポンプ1、1aは、再生可能エネルギーを用いて作動することにより、非再生可能エネルギー、特に化石エネルギーの使用を回避することが可能となる。
【0041】
駆動ピストン13の第1の端部P1又はその第2の端部P2への移動は、駆動筐体2内を循環する作動流体分配サイクルに依存する。
【0042】
実際、第1の分配サイクルによれば、作動流体は、第1の流体の入口E1の開口部から第1の駆動チャンバ3内に駆動筐体2内を循環し、第2の駆動チャンバ4から流体の第1の出口S1によって排出される。この第1の分配サイクルの間、作動流体の圧力下で、駆動ピストン13は、次いで、その第2の端部P2に向かって移動する。
【0043】
第2の分配サイクルによれば、作動流体は、流体の第2の入口E2の開口部から第2の駆動チャンバ4内に駆動筐体2内を循環し、第1の駆動チャンバ3から流体の第2の出口S2によって排出される。この第2の分配サイクルの間、作動流体の圧力下で、駆動ピストン13は、次いで、その第1の端部P1に向かって移動する。
【0044】
これらの分配サイクルおよび特にそれらの交互の切替えが可能となるためには、少なくとも1つの決定されたシーケンスに従って、交互分配システムを用いて、流体の入口E1、E2および流体の出口S1、S2の閉鎖および開口を制御する必要がある。この点は、以下でさらに議論される。
【0045】
有利には、例えばポリテトラフルオロエチレン製のシール(図示せず)を駆動ピストン13の周囲に取り付けて、一方の駆動チャンバ3から他方の駆動チャンバ4への作動流体の通路を防止する。
【0046】
ポンプは、駆動筐体2の両側に同軸上に配置された第1および第2の増倍チャンバ5、6を備える。したがって、各駆動チャンバ5、6は、フランジ18、20を介してそれぞれのドーム状のシールド22、23に堅固に接続されている。第1の増倍チャンバ5は第1の駆動チャンバ3に隣接しており、第2の増倍チャンバ6は第2の駆動チャンバ4に隣接している。有利には、増倍チャンバ5、6は円筒形である。
【0047】
各増倍チャンバ5、6は、その長手軸に沿って、すなわち長手軸Xに沿って、該チャンバ内を摺動するように構成された増倍ピストン52、62を備える。各増倍チャンバ5、6の増倍ピストンは、シャフト12、12′の端部に堅固に接続されており、前記シャフトは、その反対側の端部において、例えば可撓性接続部又は自在継手14、14′を介して、駆動ピストン13に非堅固に接続されている。それぞれのフランジ18、20に堅固に接続された各増倍チャンバ5、6の端壁54、64と同様に、増倍チャンバ5、6を駆動筐体2に堅固に接続するフランジ18、20は、それぞれのシャフト12、12′を収容するボア穴を有する。有利には、フランジ18、20上のボア穴、及び増倍チャンバ5、6のそれぞれの端壁は、駆動筐体2と増倍チャンバ5、6との間の流体の漏れを避けるために、それぞれのシャフト12、12′の周囲に設けられた密封されたベアリング(図示せず)を各々備える。
【0048】
有利には、例えばポリテトラフルオロエチレンからなるシール(図示せず)が、増倍チャンバ5、6の各増倍ピストン52、62の周囲に取り付けられる。
【0049】
駆動ピストン13は、第1および第2の増倍チャンバ5、6のピストン52、62とそれぞれ一体になった2つのシャフト12、12′に接続されており、この駆動ピストン13は、作動流体の圧力を受けて、増倍チャンバ5、6の増倍ピストン5、6を移動させることを可能にするが、以下にさらに規定するように、この増倍チャンバ5、6からの水の搬送を可能にする。
【0050】
第1の増倍チャンバ5は、第1の入口50および第1の出口である流体出口51を備え、第2の増倍チャンバ6は、第2の入口60および第2の出口である流体出口61を備える。第1の搬送流体注入口50、60は、好ましくは、駆動筐体2内への作動流体の流入を可能にする第1のダクト129に接続されるが、別の流体源、特にポンプ1に接続された浄化ステーションからの流出物に接続することもできる。
【0051】
各増倍チャンバ5、6について、ピストン52、62と端壁53、63との間で構成される増倍チャンバ5、6の部分を充填又は空にするために、各増倍チャンバ5、6の端壁53、63上に入口50、60及び出口51、61を設けるのが好ましい。好ましくは、排出流体の入口50、60および出口51、61は、逆止バルブ、例えばボールバルブ55、65を含む。
【0052】
さらに、各増倍チャンバ5、6の増倍ピストン52、62の移動を可能にするために、各増倍チャンバ5、6に対する空気入口24、26および出口25、27を、好ましくは、各フランジ18、20の近傍の各チャンバ5、6の円筒壁56、66に形成する必要がある。実際、各増倍チャンバ5、6の増倍ピストン52、62と端壁54、64との間に含まれる増倍チャンバの部分には、ガス、特に、空気が充填されている。空気入口24、26および出口25、27は、それぞれの増倍ピストン52、62の移動中の過圧および不足圧を回避することを可能にし、前記ピストン52、62の非拘束移動を可能にする。
【0053】
したがって、第2の増倍チャンバ6のそれぞれの第1の増倍チャンバ5のピストン52、62が駆動筐体2に向かって移動し、ガスがそれぞれの増倍5、6からそれぞれの空気出口25、27および搬送液が、それぞれ第1の入口50を介してこの筐体5、6に入り、それぞれ第2の入口60を介して、それぞれ、各増倍チャンバ5、6の端壁53、63に提供される。
【0054】
逆に、第1の増倍チャンバ5のピストン52、62、それぞれ第2の増倍チャンバ6が駆動筐体2から離れて搬送流体を搬送するとき、ガスはそれぞれの空気入口24、26を通ってそれぞれの増倍チャンバ5、6に入り、搬送流体はそれぞれの増倍チャンバ5、6の端壁53、63に設けられた第1の出口51、それぞれの第2の出口61を通ってこのチャンバ5、6から出る。
【0055】
図2に示すように、増倍チャンバ5、6の断面積は、駆動筐体2の円筒壁15の断面積よりも小さい。したがって、各増倍チャンバ5、6の出口51、61での流体圧力は、駆動ピストン13に作用する作動流体圧力よりもはるかに高い。増倍チャンバ5、6の出口51、61におけるこの高い流体圧により、流体は、その高度が圧力柱のそれよりも高い高所で搬送されることが可能になる。
【0056】
増倍チャンバ5、6および駆動筐体2のそれぞれの2つの断面間の比は、所望の使用に応じて選択される。一例として、ナノ膜濾過プロセスの実施を可能にするためには、15~20バールのオーダーの搬送流体圧力を得ることが必要であり、一方、逆浸透プロセスを実施するためには、50~80バールの搬送流体圧力が必要である。
【0057】
従って、駆動筐体2及び駆動ピストン13の寸法は、水圧柱に従って選択されることになり、2つの部分の間の比は、所望の使用に応じて選択されることになる。さらに、この寸法決めのために、移動流体の機械的エネルギーを消散する摩擦によって生じる負荷の損失も考慮される。最後に、駆動ピストン13の推進力は、増倍ピストン52、62によって生成される搬送または圧縮仕事によって生成される反対の力が駆動ピストン13の推進力を打ち消し、これが、最後に、駆動筐体2内の駆動ピストン13の摺動を可能にするために、考慮されるべきである。
【0058】
本発明のポンピングシステム1、1aの設計は、所望のゲージ柱に応じて適合させることができ、このような大型のポンプ1、1aを設計することが考えられ、平均的な都市の人口換算の消費を表す数万立方メートル/日の圧力下での水の生産を可能にする。
【0059】
図2を参照し、本発明によれば、ここで、交互分配装置について説明する。
【0060】
交互分配装置は、作動流体の第1および第2の入口E1、E2および作動流体の第1および第2の出口S1、S2にそれぞれ設けられた4つの遮断部材70~73を備える遮断装置7を備える。
【0061】
各遮断部材70~73は、閉位置と開位置との間で移動可能なナイフ仕切バルブで構成される。駆動筐体2の入口E1、E2のバルブ70、71は、例えばケーブルまたは接続ロッド28によって長手方向に互いに接続され、その結果、一方のバルブ70、71をその閉位置または開位置の一方に向かって駆動することによって、他方のバルブ70、71を反対の位置に駆動する。同様に、駆動筐体の出口S1、S2のバルブ72、73は、例えばケーブル又は接続ロッド29によって互いに長手方向に接続される。好ましくは、各ナイフ仕切バルブ70~73は、ゲートリーフ(図4の参照番号700、710、720および730)、すなわち、貫通孔を備えており、この貫通孔は、前記バルブ70~73が開位置にあるときに考えられる入口E1、E2または出口S1、S2と整列している。
【0062】
このタイプのバルブ70~73は、そのゲートリーフ700、71、720、730が、開位置にある流体の流れを垂直に通過し、流体の静圧または動圧に対してより良好な抵抗を有する。
【0063】
遮断装置7は、第1および第2の作動部材10、11を備える。第1の作動部材10は、駆動筐体2の第1および第2の入口E1、E2のバルブ70、71を同時に作動させるように構成され、一方、第2の作動部材11は、駆動筐体2の第1および第2の出口S1、S2のバルブ72、73を同時に作動させるように構成される。
【0064】
第1の作動部材10と、第2の作動部材11とは、それぞれ、第1及び第2の、その端部で閉鎖された円筒状の作動チャンバとを備え、第1の作動ピストン103及び第2の作動ピストン113はそれぞれ摺動する。最後に、各作動部材10、11は、それぞれの作動部材10、11の両端部の近傍で、作動チャンバの円筒壁上に設けられた第1の101、102および第2の111、112の空気入口を備える。
【0065】
第1の作動部材10のために、作動ピストン103は、問題の2つのナイフゲートバルブ70、71の間の長手リンク28に剛性的に接続され、それにより、作動部材の第1の空気入口101に向かうピストン103の動きが、駆動筐体2の第1の入口E1の閉鎖および駆動筐体2の第2の入口E2の開口を同時に誘発する。
【0066】
第2の遮断部材1のために、作動ピストン113は、当該2つのナイフゲートバルブ72、73の間の長手方向リンク29に堅固に接続され、その結果、作動部材11の第1の空気入口112に向かってピストン113が動くことによって、駆動筐体2の第1の出口S1の遮断と、駆動筐体2の第2の出口S2の開口とが同時に誘発される。
【0067】
最後に、交互分配装置は、第1および第2の作動部材10、11を作動させるように構成された第1および第2のトリガ8、9を備える。
【0068】
トリガ8、9は、短手軸Yに対して駆動筐体2の両側に設けられ、この目的のために設けられたフランジ19、21を介して、それぞれドーム状のシールド22、23に堅固に接続されている。各トリガ8、9は、トリガピストン84、94が、静止位置とトリガ位置との間で圧縮チャンバ83、93の長手軸に沿ってスライドするように配置された空気の圧縮チャンバ83、93を備えている。各トリガ8、9の圧縮チャンバ83、93は、作動部材10、11の空気入口101、102、111、112に接続された、好ましくは空気用の2つの出口81、82、91、92をさらに備える。最後に、圧縮チャンバ83、93は、チャンバ83、93の円筒壁に設けられた通気口を形成する少なくとも一つの排気口(図3の参照文献121、121´)を備え、ピストン84、94が移動するときに、該チャンバ83、93と外部との間で空気の循環を可能にする。これは、ピストン84、94の動きに対する過圧および機械的対抗力の発生を防止する。
【0069】
第1のトリガ8の空気出口81、82は、第1および第2の作動部材10、11の第1の空気入口101、112にそれぞれ接続されている。第2のトリガ9の空気出口91、92は、第1および第2の作動部材の第2の空気入口102、111にそれぞれ接続されている。
【0070】
したがって、交互分配装置の作動を生じさせるために、第1のトリガ8のピストン83がそのトリガ位置に向かって動くと、作動部材10、11のピストン103、113の作動が誘起され、そのピストン103、113が動き、駆動筐体2の第2の入口E2および第2の出口S2と、駆動筐体2の第1の入口E1および第1の出口S1とが閉じる。したがって、交互分配装置は、第1の分配サイクルに関連するその第1の配置にある。第2のトリガ9のピストン93がそのトリガ位置に向かって動くと、作動部材10、11のピストン103、113の作動が誘発され、前記ピストン103、113は動き、駆動筐体2の第1の入口E1および第1の出口S1を遮断し、駆動筐体2の第2の入口E2および第2の出口S2を開放させる。したがって、交互分配装置は、第2の分配サイクルに関連するその第2の配置にある。
【0071】
各トリガ8、9は、駆動ピストン13によって作動可能なロッド80、90を更に含み、前記ロッド80、90は、それぞれのトリガ8、9が非作動である静止位置と、作動部材10、11の作動位置との間で移動可能である。駆動ピストン13がその作動位置に向かってロッド80、90の動きを誘起すると、関連するトリガ8、9のピストン83、93、84、94が次いでそのトリガ位置に移動する。
【0072】
したがって、交互分配装置が第1の作動流体分配サイクルに関連するその第1の配置にあるとき、駆動筐体2の第1の入口E1および第1の出口S1のバルブ70、73は、その開位置にある一方、駆動筐体2の第2の入口E2および第2の出口S2のバルブ71、72は、その閉位置にある。駆動筐体2内の作動流体圧力は、次いで、その第2の端部P2に向かう駆動ピストン13の動きを誘導する。次いで、搬送流体は、第2の増倍チャンバ6を出る。
【0073】
駆動ピストン13が第2の端部P2に到達すると、第2のトリガ9のロッド90を作動させ、これにより、空気圧チャンバ93内の第2のトリガ9のピストン94がそのトリガ位置に向かって搬送されることを誘導する。加圧された空気は、2つの作動部材10、11の第2の空気入口102、111に送られ、これは、前記作動部材のピストン103、113の動きを誘発し、ナイフゲートバルブ70~73を駆動筐体2の第1の入口E1および第1の出口S1のそれらの閉位置に向かって移動させ、駆動筐体2の第2の入口E2および第2の出口S2の開位置に向かって移動させる。
【0074】
次いで、交互分配装置は、第2の作動流体分配サイクルに関連するその第2の配置にある。次いで、筐体2内の作動流体圧力は、駆動ピストン13の第1の端部P1に向かう動きを誘起する。次いで、搬送流体は、第1の増倍チャンバ5から出る。
【0075】
駆動ピストン13がこの第1の端部P1に到達すると、第1のトリガ8のロッド80を作動させ、これは空気圧チャンバ83内の前記第1のトリガ8のピストン84のそのトリガ位置に向かう動きを誘発する。加圧された空気は、2つの作動部材10、11の第1の空気入口101、112に送られ、これは、前記作動部材のピストンの動きを誘導し、ナイフゲートバルブ70~73を駆動筐体2の第2の入口E2、および出口S2のそれらの閉位置および駆動筐体2の第1の入口E1および第1の出口S1の開位置に移動させる。
【0076】
次いで、交互分配装置は、第1の作動流体分配サイクルに関連するその第1の配置にあり、次いで、サイクルの交替が再開される。
【0077】
したがって、トリガ8、9および遮断装置7によって、交互分配装置は、第1の流体分配サイクルに関連する第1の配置と、第2の流体分配サイクルに関連する第2の配置との間で作動され得る。
【0078】
図3を参照して、ここで、トリガ8、9について説明する。
【0079】
トリガ8、9は、平行体31を備え、その端壁310は、上述のフランジを介して駆動筐体2に堅固に接続されている。あるいは、図3に示すように、この平行体は、駆動筐体2のシールド22、23に直接ボルト32止めされている。シールド22、23又はフランジは、ロッド80、90を駆動筐体2内に配置することができるように、ボア孔を備える。
【0080】
ロッドの第1の自由端は、駆動ピストン13と接触するように意図されたスカート42を備える。さらに、ロッド80、90は、その静止位置に向かう戻し手段44を備え、この戻し手段44は、例えば、ロッド80、90の周囲に同軸に取り付けられたコイルばねによって形成され、その端部は、駆動筐体2のシールド22、23およびスカート42によって形成された肩部表面に耐える。
【0081】
最後に、ロッド80、90は、その自由端で、ロッド80、90の軸に直交して両側に延びるプレート形状ガイド43を構成する。
【0082】
トリガ8、9は、ロッド80、90の両側に平行な平行体31に平行に設けられた2つのプレート39、39′からなる。2つのプレート39、39′の間の距離は、ガイド43の長さ未満である。したがって、各プレート39、39′は、ガイド43の自由端を収容し、ロッド80、90がその静止位置と作動位置との間で摺動できるようにするために、その端部40、41; 40′、41′の間に設けられた少なくとも1つの長手方向スロット42、42′′を備える。したがって、2つのプレートはスライド39、39′を形成する。さらに、スライドの第1の端部40、40´は、平行体31の端壁310に堅固に接続されている。
【0083】
トリガ8、9は、ロッド80、90の両側において、(図3に示される)静止位置とロック解除位置との間に、平行体31内で長手方向に移動可能に取り付けられた2つのロック解除要素34、34′を備える。各ロック解除要素34、34′は板状であり、平行体31の長手方向壁の1つとスライド39、39′の1つとの間で摺動可能である。各ロック解除要素34、34′は、ガイド43の自由端を収容し、ロッド80、90の長手方向の移動を可能にするための長手方向のスロット37、37′を更に含む。
【0084】
さらに、トリガ8、9は、その静止位置にあるロック解除要素34、34′の戻し手段38、38′を含み、即ち、圧縮チャンバ83、93に堅固に接続された平行体31の端壁から離れた位置にある。これらの戻し手段38、38′は、例えば、コイルばねである。ロック解除位置において、ロック解除要素34、34′は、したがって、ばね38、38′が圧縮状態にあるので、前述の端壁に最も近い。
【0085】
トリガ8、9のロッド80、90のガイド43は、ロック解除要素34、34´をそれらのロック解除位置に移動させるように構成されている。実際、ロッド80、90がその作動位置に移動すると、ガイド43は、それぞれのロック解除要素34、34′の第1の自由端35、35′に圧力を作用させ、ロック解除要素34、34′をそれらのロック解除位置に誘導する。
【0086】
トリガ8、9は、好ましくは、スライド39、39′と摺動接触するようにロッド80、90の周囲に取り付けられた平行パイプ形状を有する駆動要素45を更に含む。この駆動要素45は、非作動位置(図2に示される)とトリガ位置との間で移動可能である。この駆動要素45は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)タイプの減摩材料、または他のもので、減摩材料で覆われた金属で作られている。
【0087】
非作動位置では、駆動要素45は、駆動筐体2のシールド22、23のそれぞれに押し付けられるか、または必要に応じて、トリガ8、9を駆動筐体2に接続するフランジに押し付けられる。トリガ位置では、駆動要素45は、シールド22、23または前述のフランジから遠い位置にある。
【0088】
トリガ8、9は、駆動要素45に強固に接続され、ロッド80、90の両側で長手方向に延びる2つのピン33、33′を備える。これらのピン33、33′は、ガイド43に設けられたボア孔を通過して平行体31の端壁に入り、トリガ8、9の圧縮チャンバ83、93に開口する。これらのピン33、33′の自由端は、トリガ8、9の空気圧ピストン84、94に堅固に接続されている。従って、駆動要素45のトリガ位置への移動は、空気圧ピストン84、94をそのトリガ位置に移動させる。
【0089】
トリガ8、9は、そのトリガ位置に向かう駆動要素45の戻し部材120をさらに備える。この戻し部材は、例えば、ロッド80、90の周囲に同軸に取り付けられたコイルばねであり、その端部はそれぞれ駆動要素45及びガイド43に堅固に接続されている。
【0090】
従って、その非作動位置において、ロッド80、90がそのトリガ位置に移動するとき、ガイド43は戻しバネ120に張力を与え、それは次いで膨張され、駆動要素45をそのトリガ位置にもたらそうとする。駆動要素45が、バネ120の張力にもかかわらず、その非作動位置に保持されることを可能にするために、トリガ8、9は、図3を参照してここで説明する保持手段46を含む。
【0091】
保持手段46は、駆動要素45の横方向面上の枢動点49、49′の周りに枢着されたタブによって形成された少なくとも2つの保持部47、47′を含み、前記面は、横方向軸Yに平行な面内に延在する。各保持部47、47´は、前述の側面と反対側の第1の自由端部470、470´と、駆動要素45から離れ、スライド39、39´に向かって延びる第2の自由端部471、471´とを含む。
【0092】
図2に示されるように)保持部47、47′の第1の自由端470、470′は、所謂開位置にある前記保持部の戻し部材100によって相互接続され、この戻し部材は、例えば、バネであり、その間の保持部47、47′の第1の自由端470、470に向かって、またその間の保持部の第2の自由端471、471′から離れるように第1の自由端をもたらす張力を及ぼす。
【0093】
保持手段46の間隔位置において、各保持部47、47′の第2の自由端471、471′からなる部分は、各スライド39、39′に設けられたハウジング内に設けられている。さらに、各保持部47、47′の第2の自由端部471、471′は、各スライド39、39′の土台を形成する自由端部41、41′に対して耐える。過度には、保持部47、47′の自由端471、471は、ロック解除要素34、34′のスロット37、37′に収容される。このようにして、開位置において、保持部47、47′は、駆動要素45をその非作動位置にブロックする。
【0094】
トリガ8、9のロッド80、90がそのトリガ位置に移動し、ロック解除要素34、34′をそれらのロック解除位置にスライドさせると、第1の自由端部35、35′に対向する、前記ロック解除要素34、34′の第2の自由端部36、36′は、保持部47の第2の自由端部471、471′に耐える。これにより、保持部47、47´は、第2の自由端471、471´から互いに近接して旋回し、移動する。スライド39、39′の摺動止め41、41′に沿った保持部47、47′の第2の自由端471、471′の摺動を容易にするために、保持部47、47′の各第2の自由端471、471′はベアリング48、48′を含む。好ましくは、摺動止め41、41′及びロック解除要素の第2の自由端36、36′は、ベアリング410、410′、420、420′をも含む。
【0095】
指数47、47´が第2の自由端470、471´の間の十分に閉位置に到達すると、もはや摺動止め41、41´に対して軸受ではなくなり、これは、それぞれの戻しばね120の効果の下で、非作動位置からそのトリガ位置へと急激に摺動する駆動要素45の解放をもたらす。これは、ピン33、33´の摺動と、圧縮チャンバ83、93内のトリガ8、9のピストン84、94の静止位置からトリガ位置への付随的な移動とを直接誘発する。
【0096】
したがって、交互分配装置が第1の作動流体分配サイクルに関連するその第1の配置にあるとき、その第2の端部P2に移動する駆動ピストン13は、第2のトリガ9のロッド90をそのトリガ位置に向かって移動させる。これにより、保持部47、47′が一緒になる位置に向かって解放され、駆動要素45がそのトリガ位置に向かって急激に摺動することが誘発される。同時に、トリガ9のピストン94は、そのトリガ位置に移動する。次に、第2の作動流体分配サイクルに関連するその第2の配置において、ナイフゲートバルブ70~73の搬送を駆動する作動部材10、1の作動に続いて、交互分配装置が見出される。
【0097】
駆動ピストン13は、その第1の端部P1に移動することにより、それぞれの戻し手段44により移動する第2のトリガ9のロッド90をその静止位置に解放する。同様に、ロック解除要素34、34′は、戻し部材38、38′の効果の下で、それらの静止位置に向かってスライドする。
【0098】
ロッド90の移動と同時に、ガイド43は、駆動要素45の戻しバネ120に圧縮力を作用させ、それは、駆動要素45の動きをその非作動位置に誘起し、次いで、保持部47、47′のその開位置への移動を誘起し、保持部47、47′の第2の自由端471、471′がこの目的のために設けられたスライド39、39′のハウジング内に収容されると直ちに、駆動要素45をその非作動位置に阻止する。
【0099】
駆動ピストン13は、その第1の端部P1に到達し、第2のトリガ9と同様に作動される第1のトリガ8のロッド80を作動させる。
【0100】
次いで、交互分配装置は、第1の作動流体分配サイクルに関連するその第1の配置にあり、次いで、サイクルの交替が始まる。
【0101】
図4および図5を参照して、次に、第2の実施形態によるポンピングシステム1aを説明する。
【0102】
この第2の実施の形態における駆動筐体2aは、シールド22a、23aが好ましくは平面壁ことが類似するが、同様の形状を有する。
【0103】
この第2の実施形態における主な相違は、この場合、駆動筐体2aの短手軸Yのいずれかの側に駆動筐体2aのシールド22a、23aに配置された2つの傾斜レバー部材である作動部材10a、11aにある。
【0104】
図5を参照すると、各傾斜レバー10a、11aは、略長円形状の主要部分を備え、2つの平行な直線状アーム121、121′が、それぞれの増倍チャンバ5a、6aのいずれかの側に、短手軸Yを含む平面内に延在している。傾斜レバー10a、11aの2つのアーム121、121′は、2つの湾曲アーム122、122′によって、その対向端で互いに接続されている。
【0105】
各直線状アーム121、121′は、前記アーム121、121′の中央部において、前記シールド22a、23aに対して垂直に延びる直線状の接続要素124、124′を介して前記駆動筐体2aの各シールド22a、23aに回動可能に接続されている。
【0106】
各湾曲アーム122、122´は、湾曲アーム122、122´の凸部の中央部から延びる突起部123、123´を備え、傾斜レバー10a、11の主平面において、この突起の自由端は、直進接続要素125、125´;126、126´(図4を参照)に枢動可能に接続され、ナイフゲートバルブ70a~73aに堅固に接続され、前記接続要素125、125´;126、126´´は、ケーブルの延長部にあるか、またはそれらの間の2つのナイフゲートバルブ70a~73aの接続を確実にする接続ロッド28a、29aの延長部にある。
【0107】
このように、各傾斜レバー10a、11は、それぞれのシールド22a、23aに枢着接続され、2つの反対側の突起123、123´によって、4つのナイフゲートバルブ70a~73aにも、ケーブルまたは接続ロッド28a、29aを介して接続されている。傾斜レバー10a、11aは、したがって、ナイフゲートバルブ70a~73aを第1の流体分配サイクルに対応する位置に移動させる第1の位置と、ナイフゲートバルブ70a~73aを第2の流体分配サイクルに対応する位置に移動させる第2の位置との間で回動可能である。
【0108】
好ましくは、傾斜レバー10a、11aの枢動は、それぞれのトリガ8a、9aによって作動される。このトリガ8a、9aの構造は、圧縮チャンバを備えていない点、および駆動要素45aが、それぞれのチルトレバー10a、11aに、例えば、湾曲したアーム122′のうちの1つに堅固に接続された接続ロッド127によって接続されている点で、わずかに異なる。
【0109】
図4の実施形態では、第1の傾斜レバー10aは、その湾曲したアーム122′の1つによって第1のトリガ8aに接続され、一方、第2の傾斜レバー11aは、その湾曲したアーム122′の1つによって第2のトリガ9aに接続される。
【0110】
交互分配装置が、第2の分配モードに関連するその配置にあるとき、すなわち、ナイフゲートバルブ70a~73aは、駆動筐体2aの第1の入口E1aおよび第1の出口S1aのそれらの閉位置、ならびに駆動筐体2aの第2の入口E2aおよび第2の出口S2aのそれらの開位置にあり、駆動ピストン13aは、その第1の端部に向かって移動する。
【0111】
この第1の端部において、駆動ピストン13aは、第1のトリガ8aを作動させる。これは、接続ロッド127を介して、第1の傾斜レバー10aの枢動を作動させる駆動要素45aの動きを誘発する。これにより、ナイフゲートバルブ70a~73aは、駆動筐体2aの第2の入口E2aおよび第2の出口S2aを遮断するため、および駆動筐体2aの第1の入口E1aおよび第1の出口S1aを開放するために、それらの位置に移動する。交互分配装置は、第1の分配サイクルに関連するその配置であり、駆動ピストン13aは、次いで、その第2の端部に向かって移動する。
【0112】
この第2の端部において、駆動ピストン13aは、第2のトリガ9aを作動させる。これは、リンク127を介して、第2の傾斜レバー11aの傾斜を作動させる駆動要素45aの動きを誘導する。これにより、ナイフゲートバルブ70a~73aは、駆動筐体2aの第1の入口E1aおよび第1の出口S1aを遮断するため、ならびに駆動筐体2aの第2の入口E2aおよび第2の出口S2aを開放するために、それらの位置に移動する。交互分配装置は、第2の分配サイクルに関連するその配置であり、駆動ピストン13aは、次いで、その第1の端部に移動する。その後、サイクルの交替が再開される。
【0113】
あるいは、傾斜レバー10a、11aは、増倍チャンバの空気出口25、27に接続されてもよく、傾斜レバー10a、11aは、次いで、関連する増倍ピストンの移動によって生成される圧縮空気によって作動される。この圧縮空気は、それぞれのトリガ8a、9a上に配置されたバルブ(図示せず)に導かれる。駆動要素45の作用により、このバルブが開かれ、圧縮空気がそれぞれの傾斜レバー10a、11aを作動させることができる。さらに、トリガ8a、9aの接続ロッド127は、傾斜レバー10a、11aをそれらの反対の位置に向かって旋回させる反対のトリガ8a、9aをトリガするときに静止位置に戻すことができるように伸縮自在である。
【0114】
図6を参照して、次に、本発明による搬送装置128を説明する。
【0115】
本装置128は、緩斜面に沿って流れる緩流河川での使用を見出す。
【0116】
実際、このタイプの河川では、ポンプ1、1aの入口から通常数キロメートル離れた非常に上流で流体を捕捉する必要があるため、ポンプ1、1aの作動を可能にするのに十分な高さの静圧柱を生成することは非常に困難または不可能である。以下、本明細書の残りの部分では、「河川」という用語を使用する。
【0117】
搬送装置128は、動圧柱を作成することを可能にし、駆動ピストン13、13aの配送およびポンプ1、1aの動作を確実にするのに十分な流体圧力を生成する。
【0118】
装置128は、円筒ダクト143に頭から尾に取り付けられた第1の円錐台形ダクト141および第2の円錐台形ダクト142によって形成されたベンチュリ管140を備える。第1および第2の円錐台形ダクト141、142の小さな基部は、したがって、円筒ダクト143のそれぞれの端部に堅固に接続されている。第1の円錐台形ダクト141の大きな基部は、ベンチュリ管140の入口144として画定され、第2の円錐台形ダクト142の大きな基部は、ベンチュリ管140の出口145として画定される。
【0119】
ベンチュリ管は、流れCに平行な河川FL内に配置され、その結果、河川FLの水は、第1の円錐台形ダクト141を介してベンチュリ管140に入り、第2の円錐台形ダクト142を介して出て行く。
【0120】
ベンチュリ管140内にベンチュリ効果を発生させるために、第1の円錐台形ダクト141の大きな基部の断面は、円筒ダクト143の断面よりも大きい。したがって、ベンチュリ管140の入口流体圧力144は、円筒ダクト143内の流体圧力よりも大きく、円筒ダクト143内の前記流体圧力は、ナノ濾過プロセスを実施することを可能にするのに十分であり、すなわち、15バールから20バールの間、または逆浸透、すなわち、50バールから80バールの間である。
【0121】
さらに、最適なベンチュリ効果を生成するために、円筒ダクト143の軸線と各ダクト141、142の円錐台壁との交差する任意の線との間に形成される角度は、6度である。
【0122】
ポンプ1、1aの第1及び第2の入口E1、E2;E1a、E2aに接続された第1のダクト129は、ベンチュリ管140の入口144で流体を捕捉し、一方、ポンプ1、1aの第1及び第2の出口S1、S2;S1a、S2aに接続された第2のダクト130は、円筒ダクト143で循環する水と流体連通している。したがって、入口E1、E2、E1a、E2aと、ポンプ1、1aの出口S1、S2; S1a、S2aとの間の圧力差は、ベンチュリ管140の入口144の流体圧力と円筒ダクト143内の流体圧力との間の差から生じる動圧柱と等しい。上述したベンチュリ管の構造条件により、生成される動圧柱は、逆浸透プロセスを実施する使用において駆動ピストン13、13aの移動およびポンプ1、1aの動作を可能にするのに十分である。
【0123】
最後に、増倍チャンバ5、6; 5a、6aの端壁に配置された流体注入口50、60; 50a、60は、第2の円錐台形ダクト142の自由端において、ベンチュリ管140の出口145と流体連通している。
【0124】
有利には、ベンチュリ管140の入口144における動圧をさらに増加させるために、河川の一部の流れをベンチュリ管140の入口144に流すために、樋型の組積構造146がバンクに設けられる。これにより、ベンチュリ管140の入口144における層流がより多くなり、渦または他の乱流の形成が回避される。さらに、これにより、ベンチュリ管140の入口144における流体速度、したがって流体の動圧をさらに増加させることが可能になる。
【0125】
好ましくは、搬送装置128は、ベンチュリ管140の出口に設けられた樋型の第2の組積構造147を備える。この構造147によって、ベンチュリ管140の出口145での流れを徐々に遅くし、河川FLの流速まで徐々に速度を遅くすることが可能になる。これにより、ベンチュリ管140の出口145での乱流の形成が回避される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2020-11-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧された流体の搬送のためのポンピングシステム(1、1a)であって、
内部に加圧された作動流体の作用を受けて第1及び第2の端部(P1、P2)間で駆動筐体(2、2a)の長手軸(X)に沿って摺動するように構成された駆動ピストン(13、13a)が配置され、前記駆動ピストン(13、13a)が前記駆動筐体(2、2a)を第1の駆動チャンバ(3)と第2の駆動チャンバ(4)とに分離する、前記駆動筐体(2、2a)と、
搬送流体を受け入れ排出するための入口(50、60; 50a、60a)と出口(51、61; 51a、61a)とをそれぞれ備える第1の増倍チャンバ(5)及び第2の増倍チャンバ(6)と、
前記駆動ピストン(13、13a)に接続され、前記第1の増倍チャンバ(5、5a)内を摺動するように構成され、第1の増倍ピストン(52、52a)の摺動により、前記第1の増倍チャンバ(5、5a)の前記出口(51、51a)での前記搬送流体の圧力が前記第1の増倍チャンバ(5、5a)の前記入口(50、50a)での前記搬送流体の圧力よりも大きくなるように前記第1の増倍チャンバ(5、5a)内の前記搬送流体の圧力を確実にする、前記第1の増倍ピストン(52、52a)と、
前記駆動ピストン(13、13a)に接続され、前記第2の増倍チャンバ(62、62a)内を摺動するように構成され、第2の増倍ピストン(62、62a)の摺動により、前記第2の増倍チャンバ(6、6a)の前記出口(51、51a)での前記搬送流体の圧力が前記第2の増倍チャンバ(6、6a)の前記入口(60、60a)での圧力よりも大きくなるように、前記第2の増倍チャンバ(6、6a)内の前記搬送流体の圧力を確実にする、前記第2の増倍ピストン(62、62a)と、
前記駆動筐体(2、2a)内の前記作動流体の循環方向を交互に切替える交互流体分配装置と、を備え、
前記ポンピングシステム(1、1a)は、第1の分配サイクルの間に、前記第2の駆動チャンバ(4、4a)から前記第1の駆動チャンバ(3、3a)及び第1の流体出口(S1、S1a)へそれぞれ前記作動流体を受け入れ及び排出するため開口する流体の第1の入口(E1、E1a)と、第2の分配サイクルの間に、前記第1の駆動チャンバ(3、3a)から前記第2の駆動チャンバ(4、4a)及び第2の流体出口(S2、S2a)へそれぞれ前記作動流体を受け入れ及び排出するため開口する流体の第2の入口(E2、E2a)と、をさらに備え、
前記交互分配装置は、前記ポンピングシステム(1、1a)の前記第1及び前記第2の入口(E1、E2; E1a)の4つの可動遮断部材(70-73; 70a-73a)を含む少なくとも1つの遮断装置(7)と、閉位置と開位置との2つの間で前記遮断部材(70-73; 70a-73a)をそれぞれ作動させるように構成されたすくなくとも1つのトリガ(8、9; 8a、9a)と、を備え、
前記駆動ピストン(13、13a)がその第2の端部(P2)まで移動し、前記可動部材(71、72; 71a、72a)の2つが前記第2の入口(E2、E2a)及び前記第2の出口(S2、S2a)をそれぞれ遮断し、前記可動部材(70、73; 70a、73a)の他の2つが前記第1の入口(E1、E1a)及び前記第1の出口(S1、S1a)をそれぞれ開口して作動流体の挿入と排出を確保する、前記第1の分配サイクルに関連付けられる第1の配置と、
駆動ピストン(13、13a)がその第1の端部(P1)まで移動し、前記可動部材(70、73; 70a、73a)の2つが前記第1の入口(E1、E1a)及び前記第1の出口(S1、S1a)をそれぞれ遮断し、前記可動部材(71、72; 71a、72a)の他の2つが前記第2の入口(E2、E2a)及び前記第2の出口(S2、S2a)をそれぞれ開口して作動流体の挿入と排出を確保する、前記第2の分配サイクルに関連付けられる第2の配置と、の間で、前記交互分配装置が作動されることができ
前記遮断装置(7)の前記可動遮断部材(70、73; 70a、73a)は、それぞれ閉位置と開位置との少なくとも2つの位置の間で移動可能なナイフゲートバルブから構成される、
ンピングシステム(1、1a)。
【請求項2】
前記トリガ(8、9; 8a、9a)は、少なくとも前記駆動ピストン(13、13a)がその端部(P1、P2)のうちの1つにあるときに、前記駆動ピストン(13、13a)によって作動されるように構成される、ことを特徴とする、請求項1に記載のポンピングシステム(1、1a)。
【請求項3】
前記交互分配装置が、
前記駆動ピストン(13、13a)がその第1の端部(P1)に到達したときに、前記交互分配装置をその第1の配置に入れるように構成された第1のトリガ(8、8a)と、
前記駆動ピストン(13、13a)がその第2の端部(P2)に到達したときに、交互分配装置をその第2の配置に入れるように構成された第2のトリガ(9、9a)と、
を備える、ことを特徴とする、請求項1または2に記載のポンピングシステム(1、1a)
【請求項4】
記2つのトリガ(8、9; 8a、9a)は、前記駆動筐体の短手軸(Y)に対して前記駆動筐体(2、2a)の両側に配置され、それぞれのトリガ(8、9; 8a、9a)は、前記駆動ピストン(13、13a)によって作動可能なロッド(80、90)を備え、前記可動部材(70-73; 70a-73a)に接続された作動部材(10、11; 10a、11a)の静止位置と作動位置との間を移動可能であり、それらを作動させるように構成される、ことを特徴とする、請求項に記載のポンピングシステム(1、1a)
【請求項5】
記交互分配装置が、
前記駆動筐体(2、2a)の同じ側に配置された流体の前記第1及び前記第2の入口(E1、E2; E1a、E2a)のナイフゲートバルブ(70、71; 70a、71a)を同時に作動させるように構成された第1の作動部材(10、10a)であって、前記バルブ(70、71; 70a、71a)は、その閉位置または開位置のうちの1つに向かう前記バルブ(70、71; 70a、71a)のうちの1つの駆動が、他の前記バルブ(70、71; 70a、71a)を反対の位置に駆動するように長手方向に相互接続されている前記第1の作動部材(10、10a)と、
前記駆動筐体(2、2a)の同じ側に配置された流体の前記第1及び前記第2の出口(S1、S2; S1a、S2a)の前記ナイフゲートバルブ(72、73; 72a、73a)を作動させるように構成された第2の作動部材(11、11a)であって、前記バルブ(72、73; 72a、73a)は、その閉位置または開位置に向かう前記バルブ(72、73; 72a、73a)のうちの1つの駆動が、他の前記バルブ(72、73; 72a、73a)を反対の位置に駆動するように長手方向に相互接続されている前記第2の作動部材(11、11a)と、を備える、
ことを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載のポンピングシステム(1、1a)
【請求項6】
作動部材(10、11)は、前記第1(8)及び前記第2の(9)トリガにそれぞれ接続された2つの空気入口(101、103; 111、113)を含む圧縮チャンバ内の可動ピストン(103、113)を備え、各トリガ(8、9)は、それぞれのロッド(80、90)に機械的に接続され、それぞれの作動部材(10、11)のピストン(103、113)の静止位置と作動位置との間で圧縮チャンバ(83、93)内で移動可能なピストン(84、94)を備え、前記トリガ(8、9)の前記圧縮チャンバ(83、93)は、それぞれ前記第1及び前記第2の作動部材(10、11)に接続された2つの出口(81、82; 91、92)を備える、ことを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載のポンピングシステム(1)
【請求項7】
トリガ(8、9; 8a、9a)が、前記可動遮断部材(70~73;70a~73a)の位置を保持する保持手段(46)を備える、ことを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載のポンピングシステム(1、1a)
【請求項8】
トリガ(8、9)の前記ロッド(80、90)は、前記ロッド(80、90)をその静止位置に戻す戻し手段(44)を備える、ことを特徴とする、請求項4~7のいずれか1項に記載のポンピングシステム(1、1a)
【請求項9】
記第1及び第2の増倍チャンバ(5、6; 5a、6a)の前記増倍ピストン(52、62; 52a; 62a)は、第1及び第2のシャフト(12、12´;12a、12a´)のそれぞれの第1の端部に配置され、前記第1及び前記第2のシャフト(12、12´;12a、12a´)のそれぞれの第2の端部が、自在継手(14、14´)又は可撓性接続部を介して前記駆動ピストン(13、13a)に接続されている、ことを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載のポンピングシステム(1、1a)
【請求項10】
記駆動筐体(2)は、略円筒形状であり、数バール以上の流体圧力に抵抗するように配置されたドーム状の端部(22、23)を備える、ことを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載のポンピングシステム(1)
【請求項11】
の入口(144)における流体圧力が前記管の出口(145)における流体圧力よりも小さくなるように水体に浸漬されたベンチュリ管(140)と、前記ベンチュリ管(140)の前記入口(144)及び前記出口(145)において層流を導いて生成するように配置された少なくとも1つの樋型の構造(146、147)と、前記ポンピングシステム(1、1a)の流体の前記第1及び前記第2の入口(E1、E2; E1a、E2a)が前記ベンチュリ管(140)の前記入口(144)に接続され、前記ポンピングシステム(1、1a)の流体の前記第1及び前記第2の出口(S1、S2; S1a、S2a)が前記ベンチュリ管(140)の前記出口(145)に接続されるように配置された請求項1~10のいずれか1項に記載のポンピングシステム(1、1a)と、を備え、河川の流れ(C)を前記水体(FL)に含む、流体搬送装置(128)。
【国際調査報告】