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特表2022-522288静電容量型隔膜真空計内の電子機器及び高温度センサ間の熱障壁
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-15
(54)【発明の名称】静電容量型隔膜真空計内の電子機器及び高温度センサ間の熱障壁
(51)【国際特許分類】
   G01L 19/14 20060101AFI20220408BHJP
   G01L 9/12 20060101ALI20220408BHJP
【FI】
G01L19/14
G01L9/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021549950
(86)(22)【出願日】2020-02-25
(85)【翻訳文提出日】2021-10-26
(86)【国際出願番号】 US2020019688
(87)【国際公開番号】W WO2020176495
(87)【国際公開日】2020-09-03
(31)【優先権主張番号】62/810,798
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501356112
【氏名又は名称】スミトモ (エスエイチアイ) クライオジェニックス オブ アメリカ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Sumitomo(SHI)Cryogenics of America,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100192212
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 貴明
(74)【代理人】
【識別番号】100200001
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 明彦
(72)【発明者】
【氏名】ダットレン,マット
(72)【発明者】
【氏名】ラスティン,カート
【テーマコード(参考)】
2F055
【Fターム(参考)】
2F055AA39
2F055BB01
2F055CC02
2F055DD01
2F055EE25
2F055FF11
2F055GG25
2F055HH11
(57)【要約】
静電容量型隔膜真空計(CDG)は圧力測定ユニットの圧力検出部に配置される。隔膜真空計は、隔膜真空計のダイアフラム上の汚染の蓄積を減少する為に選択された温度に隔膜真空計を維持するように加熱される。圧力検出部は、熱障壁の第1の取付境界面に接続される。熱障壁の第2の取付境界面は、電子機器部に接続される。熱障壁は、第1の取付境界面及び第2の取付境界面を機械的に相互接続する複数の支柱を含む。支柱は、圧力検出部から電子機器部を片持ち支持する為に十分な大きさとなるように選択された寸法を有する。支柱の寸法は、第2の取付境界面を選択された最大温度より低い温度に維持する為に、第1の取付境界面から第2の取付境界面への熱伝達を減少する為に十分な小ささになるように選択される。
【選択図】 図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の温度で動作する静電容量型隔膜真空計(CDG)及び第2の温度で動作する電子機器筐体を相互接続する熱障壁筐体であって、前記第1の温度は前記第2の温度よりも高く、前記熱障壁筐体が、
前記静電容量型隔膜真空計を囲む側壁と、
前記静電容量型隔膜真空計と機械的に係合するように構成された第1の壁と、
前記第1の壁から間隔をあけて配置され、前記電子機器筐体と係合するように構成された第2の壁と、
複数の支柱を含み、前記第1の壁及び前記第2の壁を相互接続する中間熱抑制及び換気部と、
を含むことを特徴とする熱障壁筐体。
【請求項2】
前記第1の壁は中央貫通孔を有し、前記複数の支柱のそれぞれは、前記中央貫通孔から伸びている各々の支柱半径方向線に沿って配置されることを特徴とする請求項1に記載の熱障壁筐体。
【請求項3】
前記第1の壁は中央貫通孔を有し、前記複数の支柱のそれぞれは、前記中央貫通孔を中心とする第1の円に沿って配置されることを特徴とする請求項1に記載の熱障壁筐体。
【請求項4】
前記複数の支柱は前記第1の壁及び前記第2の壁に接続されることを特徴とする請求項1に記載の熱障壁筐体。
【請求項5】
さらに、前記第1の壁及び前記第2の壁に接続された中央相互接続支柱を含み、前記中央相互接続支柱内に中央貫通孔が形成されることを特徴とする請求項1に記載の熱障壁筐体。
【請求項6】
前記中間熱抑制及び換気部は前記第1の壁及び前記第2の壁の間の総容積を有し、前記複数の支柱は支柱総容積を有し、前記支柱総容積は、前記総容積の約15%~約25%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の熱障壁筐体。
【請求項7】
測定する圧力の供給源に接続可能であり、第1の温度で動作する静電容量型隔膜真空計(CDG)と、
前記静電容量型隔膜真空計に電気的に接続された電子機器を囲んでおり、前記第1の温度より低い第2の温度で動作する電子機器筐体と、
前記静電容量型隔膜真空計を収容し、前記静電容量型隔膜真空計及び前記電子機器筐体を相互接続する熱障壁筐体と、
を含む圧力検出システムであって、
前記熱障壁筐体が、
前記静電容量型隔膜真空計を囲む側壁と、
前記静電容量型隔膜真空計と機械的に係合するように構成された第1の壁と、
前記第1の壁から間隔をあけて配置され、前記電子機器筐体と係合するように構成された第2の壁と、
複数の支柱を含み、前記第1の壁及び前記第2の壁を相互接続する中間熱抑制及び換気部と、
を含むことを特徴とする圧力検出システム。
【請求項8】
前記第1の壁は中央貫通孔を有し、前記複数の支柱のそれぞれは、前記中央貫通孔から伸びている各々の支柱半径方向線に沿って配置されることを特徴とする請求項7に記載の圧力検出システム。
【請求項9】
前記第1の壁は中央貫通孔を有し、前記複数の支柱のそれぞれは、前記中央貫通孔を中心とする第1の円に沿って配置されることを特徴とする請求項7に記載の圧力検出システム。
【請求項10】
前記複数の支柱は前記第1の壁及び前記第2の壁に接続されることを特徴とする請求項7に記載の圧力検出システム。
【請求項11】
さらに、前記第1の壁及び前記第2の壁に接続された中央相互接続支柱を含み、前記中央相互接続支柱内に中央貫通孔が形成されることを特徴とする請求項7に記載の圧力検出システム。
【請求項12】
前記中間熱抑制及び換気部は前記第1の壁及び前記第2の壁の間の総容積を有し、前記複数の支柱は支柱総容積を有し、前記支柱総容積は、前記総容積の約15%~約25%の範囲であることを特徴とする請求項7に記載の圧力検出システム。
【請求項13】
さらに、前記静電容量型隔膜真空計を囲む炉筐体を含むことを特徴とする請求項7に記載の圧力検出システム。
【請求項14】
さらに、前記熱障壁筐体の前記側壁と前記炉筐体の間の空間を埋める断熱層を含むことを特徴とする請求項7に記載の圧力検出システム。
【請求項15】
第1の温度で動作する静電容量型隔膜真空計(CDG)及び第2の温度で動作する電子機器筐体を相互接続する熱障壁であって、前記第1の温度は前記第2の温度よりも高く、前記熱障壁が、
前記静電容量型隔膜真空計と機械的に係合するように構成された第1の取付境界面と、
前記第1の取付境界面から間隔をあけて配置され、前記電子機器筐体と係合するように構成された第2の取付境界面と、
複数の支柱を含み、前記第1の取付境界面及び前記第2の取付境界面を相互接続する中間熱抑制及び換気部と、
を含むことを特徴とする熱障壁。
【請求項16】
前記中間熱抑制及び換気部は前記第1の取付境界面及び前記第2の取付境界面の間の総容積を有し、前記複数の支柱は支柱総容積を有し、前記支柱総容積は、前記総容積の約15%~約50%の範囲であることを特徴とする請求項15に記載の熱障壁。
【請求項17】
前記支柱総容積は、前記総容積の約40%であることを特徴とする請求項16に記載の熱障壁。
【請求項18】
前記複数の支柱が、
隣接する外側相互接続支柱の間に換気口を提供する為に間隔をあけて配置されている複数の外側相互接続支柱と、
空気流が前記中間熱抑制及び換気部を通ることを可能にする為に、前記換気口から間隔をあけて配置され、そして、互いに間隔をあけて配置された複数の内側相互接続支柱と、
を含むことを特徴とする請求項15に記載の熱障壁。
【請求項19】
前記複数の支柱がさらに中央相互接続支柱を含み、前記中央相互接続支柱が、前記第1の取付境界面から前記第2の取付境界面まで伸びている貫通孔を囲んでいることを特徴とする請求項18に記載の熱障壁。
【請求項20】
前記第1の取付境界面及び前記第2の取付境界面のそれぞれは、各々の中央貫通孔を有し、
前記複数の外側相互接続支柱のそれぞれは、前記中央貫通孔から伸びている各々の外側相互接続支柱半径方向線に沿って配置され、
前記複数の内側相互接続支柱のそれぞれは、前記中央貫通孔から伸びている各々の内側相互接続支柱半径方向線に沿って配置され、
前記各々の内側相互接続支柱半径方向線は、各々の第1の外側相互接続支柱半径方向線及び第2の外側相互接続支柱半径方向線の間に、実質的に等角度で配置されることを特徴とする請求項18に記載の熱障壁。
【請求項21】
前記第1の取付境界面及び前記第2の取付境界面のそれぞれは、各々の中央貫通孔を有し、
前記複数の外側相互接続支柱のそれぞれは、前記中央貫通孔を中心とする第1の円に沿って配置され、前記第1の円は第1の半径を有し、
前記複数の内側相互接続支柱のそれぞれは、前記中央貫通孔を中心とする第2の円に沿って配置され、前記第2の円は第2の半径を有し、前記第2の半径は前記第1の半径よりも小さいことを特徴とする請求項18に記載の熱障壁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2019年2月26日に出願された米国仮特許出願62/810,798の優先権を主張するものであり、この出願は参照されることにより、本出願に援用される。
【0002】
本発明は、ダイアフラムのたわみに基づいて圧力を測定する静電容量型隔膜真空計の分野に属する。
【背景技術】
【0003】
絶対静電容量型隔膜真空計(absolute capacitance diaphragm gauges)(CDG)は、ダイアフラムのたわみに関連する静電容量の変化を検出して圧力を測定し、ここで、ダイアフラムの一方の側(圧力側)は、測定する圧力にさらされ、ダイアフラムの他方の側は、参照空洞の密閉前に超高真空(例えば、10-9トル(0.0000001333パスカル)未満)が形成された密閉参照真空空洞にさらされる。
【0004】
静電容量型隔膜真空計は、ダイアフラムと参照真空空洞内に収容された1以上の固定電極の間の静電容量を測定する。ダイアフラムの圧力側の圧力が参照真空空洞内の圧力よりも高い場合、ダイアフラムは固定電極(又は複数の電極)の方向にたわみ、測定される静電容量を増加させる。ダイアフラムの圧力側の圧力が減少すると、ダイアフラムの両側の圧力差が減少し、ダイアフラムは参照真空空洞内の固定電極から離れ、それにより、測定される静電容量が減少する。
【0005】
静電容量型隔膜真空計は、基板上に材料の薄膜又は厚膜が蒸着された真空室内の圧力を測定する為に一般的に使用される。一般的な使用例は、半導体装置製造中のシリコンウェーハ表面上への材料蒸着中の圧力を測定することである。静電容量型隔膜真空計は、複数のガスを利用する真空蒸着工程において非常に有用である。なぜなら、静電容量型隔膜真空計は、非常に正確であり、ガス組成とは関係なく絶対圧力を測定することができるからである。残念ながら、真空蒸着が通常実施される圧力状態で動作可能である隔膜真空計の特性が、静電容量型隔膜真空計をダイアフラムの表面上への道を見つける被覆又は任意の形の汚染に対して非常に敏感にする。
【0006】
ダイアフラムの汚染又は被覆は、静電容量型隔膜真空計の正確性及び感度に悪影響を与え、結果として静電容量型隔膜真空計の零点をシフトすることもある。他のいくつかの良く起こり得る現象も静電容量型隔膜真空計の感度、正確性及び零点に影響を与える。静電容量型隔膜真空計は、半導体ウェーハ処理等の工程においてより頻繁に使用されており、そのいくつかは真空測定における出力シフトに非常に敏感である。ダイアフラムの汚染又は被覆が静電容量型隔膜真空計の正確性及び再現性に与える影響は、工程結果及び工程歩溜に影響を与えるほど重大であると知られている。ダイアフラムの汚染の原因の1つは、ダイアフラムのようなより冷たい金属面と付着及び反応する傾向がより高くなるガス状副産物の凝縮である。その結果、静電容量型隔膜真空計の使用者は、凝縮を減少又は除去する為にダイアフラムの温度を上昇することにより、ダイアフラムの汚染及び被覆の機会を低減することを試みている。この技術は長く使用され、良い効果を有するが、この技術はダイアフラムの汚染及び被覆の発生を除去できていない。ここで、ダイアフラムの最大温度は、ダイアフラムからの容量性信号を処理する為に使用される電子機器により限定されている。なぜなら、電子機器は、ダイアフラムの近くに配置される必要があり、電子機器は加熱されたダイアフラムから熱エネルギーを受けるので、電子機器の温度が上昇するからである。上昇した温度は、電子機器の正確性に悪影響を与え、電子機器内に組み込まれている感熱性の要素の信頼性にも影響を与える。
【0007】
電子機器から熱を能動的に除去する為に技術が使用され、又は、加熱されたダイアフラムから電子機器を受動的に断熱する為に技術が使用されるが、既知の技術は、ダイアフラム及び電子機器間の最大加熱差(maximum heat differential)により限定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
静電容量型隔膜真空計の改良の必要性が存在し、それにより、電子機器はダイアフラムに近接したまま、そして、電子機器及び熱にさらされる静電容量型隔膜真空計の外表面を受け入れ可能な安全な最大絶対値(maximum magnitude)に維持したまま、ダイアフラムを以前に実行可能であった温度よりも高い温度で加熱することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これらの利点及び他の利点は、例えば、第1の温度で動作している静電容量型隔膜真空計及び第2の温度で動作している電子機器筐体を相互接続する熱障壁筐体により提供され、ここで、第1の温度は第2の温度よりも高い。熱障壁筐体は、静電容量型隔膜真空計を囲む側壁と、静電容量型隔膜真空計を機械的に係合するように構成された第1の壁と、電子機器筐体を係合するように構成された第2の壁と、第1の壁及び第2の壁を相互接続する中間熱抑制及び換気部(intermediate thermal restriction and ventilation portion)と、を含む。第2の壁は、第1の壁から間隔をあけて配置される。中間熱抑制及び換気部は、複数の支柱を含む。
【0010】
第1の壁は、中央貫通孔を有し、各支柱は、中央貫通孔から伸びている各々の支柱半径方向線に沿って配置される。代替的に、各支柱は、中央貫通孔を中心とする第1の円に沿って配置される。支柱は、第1の壁及び第2の壁に接続される。熱障壁筐体は、第1の壁及び第2の壁に接続された中央相互接続支柱をさらに含む。中央貫通孔は、中央相互接続支柱内に形成される。中間熱抑制及び換気部は、第1の壁及び第2の壁間の総容積を有し、複数の支柱は、支柱総容積を有し、支柱総容積は、総容積の約15%から約25%の範囲である。
【0011】
これらの利点及び他の利点は、例えば、第1の温度で動作する静電容量型隔膜真空計と、第2の温度で動作する電子機器筐体と、静電容量型隔膜真空計を収容して静電容量型隔膜真空計を電子機器筐体と相互接続する熱障壁筐体と、を含む圧力検出システムにより提供される。静電容量型隔膜真空計は、測定される圧力の供給源と接続することができ、電子機器筐体は、静電容量型隔膜真空計と電気的に接続された電子機器を囲む。第1の温度は第2の温度よりも高い。熱障壁筐体は、静電容量型隔膜真空計を囲む側壁と、静電容量型隔膜真空計を機械的に係合するように構成された第1の壁と、電子機器筐体を係合するように構成された第2の壁と、第1の壁及び第2の壁を相互接続する中間熱抑制及び換気部と、を含む。第2の壁は、第1の壁から間隔をあけて配置される。中間熱抑制及び換気部は、複数の支柱を含む。
【0012】
これらの利点及び他の利点は、例えば、第1の温度で動作している静電容量型隔膜真空計及び第2の温度で動作している電子機器筐体を相互接続する熱障壁により提供され、ここで、第1の温度は第2の温度よりも高い。熱障壁は、静電容量型隔膜真空計を機械的に係合するように構成された第1の取付境界面と、電子機器筐体を係合するように構成された第2の取付境界面と、第1の取付境界面及び第2の取付境界面を相互接続する中間熱抑制及び換気部と、を含む。第2の取付境界面は、第1の取付境界面から間隔をあけて配置される。中間熱抑制及び換気部は、複数の支柱を含む。
【0013】
中間熱抑制及び換気部は、第1の取付境界面及び第2の取付境界面の間の総容積を有し、複数の支柱は支柱総容積を有し、支柱総容積は、総容積の約30%から約50%の範囲である。支柱総容積は総容積の約40%である。複数の支柱は、複数の外側相互接続支柱と、複数の内側相互接続支柱と、を含む。複数の外側相互接続支柱は、隣接する外側相互接続支柱間に換気口を提供する為に間隔をあけて配置される。複数の内側相互接続支柱は、空気流が中間熱抑制及び換気部を通ることを可能にする為に、換気口から間隔をあけて配置され、そして、互いに間隔をあけて配置される。複数の支柱はさらに、中央相互接続支柱を含む。中央相互接続支柱は、第1の取付境界面から第2の取付境界面に伸びている貫通孔を囲む。第1の取付境界面及び第2の取付境界面のそれぞれは、各々の中央貫通孔を有し、各外側相互接続支柱は、中央貫通孔から伸びている各々の外側相互接続支柱半径方向線に沿って配置される。各内側相互接続支柱半径方向線は、各々の第1の外側相互接続支柱半径方向線及び第2の外側相互接続支柱半径方向線の間に実質的に等角度に配置される。第1の取付境界面及び第2の取付境界面のそれぞれは、各々の中央貫通孔を有し、各外側相互接続支柱は、中央貫通孔を中心とする第1の円に沿って配置され、第1の円は第1の半径を有し、各内側相互接続支柱は、中央貫通孔を中心とする第2の円に沿って配置される。第2の円は、第1の半径よりも小さい第2の半径を有する。
【0014】
本発明の実施形態は、以下の図面を参照することにより理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】圧力検出ユニットの近位端上の圧力ポート側から見た、圧力源に接続可能な慣習的な圧力検出ユニットの斜視図である。
図2図1の方位から180度回転され、圧力検出ユニットの遠位端側から見た、図1の慣習的な圧力検出ユニットの斜視図である。
図3図2の線3-3に沿った、図1及び2の慣習的な圧力検出ユニットの断面図である。
図4】近位のセンサ部から切り離された遠位の電子機器部を示す、図1及び2の慣習的な圧力検出ユニットの分解図である。
図5】圧力検出ユニットの近位端上の圧力ポート側から見た、圧力源に接続可能な改良された圧力検出ユニットの斜視図である。
図6図5の方位から180度回転され、圧力検出ユニットの遠位端側から見た、圧力源に接続可能な改良された圧力検出ユニットの斜視図である。
図7図6の線7-7に沿った、図5の改良された圧力検出ユニットの断面図である。
図8図5及び6の改良された圧力検出ユニットの遠位の電子機器部の分解斜視図であり、さらに、熱障壁の遠位部を遠位の電子機器部に取り付ける前の熱障壁を示す図である。
図9】改良された圧力検出ユニットの遠位の電子機器部及び取り付けられた熱障壁の分解斜視図であり、さらに、近位のセンサ部を熱障壁の近位部に取り付ける前の近位のセンサ部を示す図である。
図10】熱障壁の近位面側から見た、熱障壁の斜視図である。
図11】熱障壁の遠位面側から見た、熱障壁の斜視図である。
図12図10の線12-12に沿った、図10及び11の熱障壁の下部の断面平面図である。
図13図10及び11の熱障壁の平面図である。
図14図10の線14-14に沿った、図10及び11の熱障壁の右側部分の断面図である。
図15】熱障壁の略中間部から熱障壁の近位部までの、図11の線15-15に沿った、図10及び11の熱障壁の断面斜視図であり、相互接続支柱の近位部が熱障壁の中間熱抑制及び換気部を形成していることを示す図である。
図16】熱障壁の略中間部から熱障壁の遠位部までの、図11の線16-16に沿った、図10及び11の熱障壁の断面斜視図であり、相互接続支柱の遠位部が熱障壁の中間熱抑制及び換気部を形成していることを示す図である。
図17】熱障壁筐体の実施形態の斜視図である。
図18図17の線17-17に沿った、熱障壁筐体の実施形態の断面図である。
図19A】熱障壁筐体の上部の斜視図である。
図19B】熱障壁筐体の下部の斜視図である。
図20A図17の線18-18に沿った、熱障壁筐体の断面図である。
図20B図17の線18-18に沿った、熱障壁筐体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1及び2はそれぞれ、慣習的な静電容量型隔膜真空計(CDG)圧力測定ユニット100の前方及び後方斜視図である。ユニットは、一般的に円筒形の外殻110を含む。前面アンカープレート112が、外殻の前方(近位端)近くの外殻に取り付けられる。後面プレート114が、外殻の後方(遠位端)近くの外殻に取り付けられる。
【0017】
圧力ポート120が、前面アンカープレート112から近位方向に伸びている。圧力ポートは、測定する圧力の(不図示の)供給源に取り外し可能に取り付け可能である。図示されている圧力ポートは、圧力源に関連する(不図示の)接合継手の外側雄ネジと係合可能な内側ネジを有する六角形の雌継手を含む。例えば、圧力ポートは、半導体製造に使用される装置にガスを提供するシステムに接続することができる。
【0018】
後面プレート114は、第1のコネクタ130及び第2のコネクタ132を支持する。図示されている実施形態において、第1のコネクタは、(不図示の)他の装置が圧力測定ユニット100と通信することを可能にする慣習的な25ピンDサブコネクタである。第1のコネクタは、15ピンコネクタ又は他の適切なコネクタでもよい。第1のコネクタは、圧力測定ユニットにより測定された圧力を表す、0~10ボルトの範囲を有するアナログ出力信号を提供する。第1のコネクタ130は、一対の取付ネジ134により後面プレート114に取り付けられる。図示されている実施形態において、第2のコネクタ132は、慣習的なUSB(ユニバーサルシリアルバス)コネクタであり、第2のコネクタも圧力測定ユニットから/への通信を提供する為に使用される。例えば、USBコネクタは、圧力測定ユニット内の電子機器へのユーザインタフェースを提供する。
【0019】
後面プレートは、第1の発光ダイオード(LED)140、第2のLED142、及び第3のLED144も支持する。3つのLEDは、圧力測定ユニット100の動作状態の視覚的表示を提供する。図示されている実施形態において、第1のLEDは、圧力測定ユニットの電源がオンになっていることを示す為に発光し、第2のLEDは、圧力測定ユニットが名目動作温度に達したことを示す為に発光し、そして、第3のLEDは、圧力測定ユニットが適切に0になったことを示す為に発光する。後面プレートは、第1の埋込型押しボタンスイッチ146及び第2の埋込型押しボタンスイッチ148へのアクセスを提供する。第1のスイッチは、手動で圧力測定ユニットを0にする為に、針又は他の細長い物体により係合可能である。第2のスイッチは、手動で圧力測定ユニットをリセットする為に係合可能である。
【0020】
図3の断面図及び図4の部分的分解図に図示されているように、圧力測定ユニットは、2つの区別される部分を含む。前(近位)部200は、ここではセンサ部と呼ばれ、また、高温部とも呼ばれる。後(遠位)部202は、ここでは電子機器部と呼ばれ、また、低温部とも呼ばれる。
【0021】
前部200は、入口管212を介して圧力ポート120と接続される静電容量型隔膜真空計(CDG)210を含む。入口管は、断熱アダプタ214により支持されている。断熱アダプタは、前面アンカープレート112に固定される。隔膜真空計は、図3に簡略化した形で図示されている。隔膜真空計は、固定電極222から間隔をあけて配置されている薄いダイアフラム220を有する。ダイアフラム及び電極は、支持構造(又は隔膜真空計ハウジング)224により支持されている。ダイアフラム及び電極は、静電容量型隔膜真空計210から遠位方向に伸びている同軸の導体226に電気的に接続する。ダイアフラム及び固定電極から同軸の導体への電気的接続は図3には図示されていない。基本的に、同軸の導体は、薄いダイアフラム及び固定電極の間の静電容量の変化に応答して変化する信号を通信する。静電容量の変化は、入口管を介して投入されるガスから薄いダイアフラムの表面に加えられる圧力の変化により引き起こされる。圧力を測定する為に静電容量の変化を処理する様々な技術が知られており、ここでは説明しない。
【0022】
静電容量型隔膜真空計210は、一般的に円筒形の高温炉筐体250により囲まれている。高温炉筐体の近位端は、第1(近位)の高温炉カバー252に固定されている。第1の高温炉カバー内の中央開口は、入口管212に圧入される。高温炉筐体の遠位端は、第2(遠位)の高温炉カバー256に固定されている。同軸の導体226は、静電容量型隔膜真空計210から第2の高温炉カバーの中央開口258を通って遠位方向に伸びている。
【0023】
高温炉筐体250は、高温炉筐体の内面上に配置された(不図示の)発熱体を含む。発熱体は、(不図示の)電気導体から電力を受信し、静電容量型隔膜真空計210を第1の選択高温度(例えば、200℃より上)に維持する為に十分な熱を生成する。上述のように、隔膜真空計を高温度に加熱することは、隔膜真空計のダイアフラム上への汚染物の蒸着を減少する。高温炉筐体は、高温炉筐体の温度を判定する為に監視される(不図示の)温度センサを含み、それにより、高温炉を第1の選択高温度に維持するように発熱体を制御することができる。
【0024】
高温炉筐体250は、中温炉筐体260により囲まれている。中温炉筐体の近位端は、第1(近位)の中温炉カバー262に固定されている。第1の中温炉筐体の中央開口は、入口管212に圧入される。断熱アダプタ214は、第1の中温炉カバーに固定されている。中温炉筐体の遠位端は、第2(遠位)の中温炉カバー264に固定されている。同軸の導体226が、静電容量型隔膜真空計210から遠位の中温炉カバーの中央開口266を通って遠位方向に伸びている。
【0025】
中温炉筐体260は、中温炉筐体の内面上に配置された(不図示の)発熱体を含む。発熱体は、(不図示の)電気導体から電力を受信し、中温炉の空洞を第1の選択高温度よりも低い第2の選択高温度(例えば、70℃前後)に維持する為に十分な熱を生成する。中温炉筐体は、中温炉筐体の温度を判定する為に監視される(不図示の)温度センサを含み、それにより、中温炉を第2の選択高温度に維持するように発熱体を制御することができる。
【0026】
図示されている実施形態において、圧力測定ユニット100の後部(電子機器部)202は、4つの一般的に円形のプリント回路基板(PCB)を含み、4つのプリント回路基板は、第1の(入出力)プリント回路基板300、第2の(電力供給)プリント回路基板302、第3の(デジタル信号処理(DSP))プリント回路基板304、及び第4の(アナログ)プリント回路基板306を含む。4つのプリント回路基板は、図3及び4に図示されているように機械的に積み重ねられ、慣習的な相互接続装置により、電気的に相互接続される。4つのプリント回路基板は、複数のプリント回路基板相互接続スタンドオフにより、間隔の空いた安定した固定関係に維持される。
【0027】
入出力プリント回路基板300は、プリント回路基板の積み重ねの遠位端に配置される。入出力プリント回路基板は、第1のコネクタ130及び第2のコネクタ132に電気接続を提供する電子回路を支持する入力/出力プリント回路基板である。入出力プリント回路基板はまた、3つのLED140、142、144に選択的に電力を供給し、圧力測定ユニットの動作状態の視覚的に知覚可能な表示を提供する為にLEDを選択的に点灯させる。入出力プリント回路基板はまた、2つの押しボタンスイッチ146、148の起動を感知する。入出力プリント回路基板は、他のプリント回路基板と第1及び第2のコネクタの間の通信を中継する。
【0028】
第2の(電力供給)プリント回路基板302は、電力供給電子機器を支持する。電力供給電子機器は、入出力プリント回路基板300を介して第1のコネクタ130から受信した入力電力を他のプリント回路基板上の電子回路の動作に必要な電圧に変換する。
【0029】
第3の(デジタル信号処理)プリント回路基板304は、デジタル信号処理電子機器を支持する。第4の(アナログ)プリント回路基板306は、同軸の導体226を介して静電容量型隔膜真空計210からアナログ信号を受信し、アナログ信号をバッファリングする。アナログプリント回路基板306は、バッファリングされたアナログ信号をデジタル信号処理プリント回路基板に提供する。デジタル信号処理プリント回路基板は、アナログ信号をデジタル化し、デジタル化された信号にデジタル信号処理アルゴリズムを実行し、静電容量型隔膜真空計210内の薄いダイアフラム220に加えられた圧力を表すデータを生成する。アナログプリント回路基板はまた、高温炉250及び中温炉260内の発熱体を制御する為に電圧を生成する。アナログプリント回路基板は、2つの炉内の温度センサから信号を受信する。デジタル信号処理プリント回路基板は、炉の温度を第1及び第2の選択温度に維持する為に発熱体を制御する。
【0030】
さらに図3及び4に図示されているように、アナログプリント回路基板306は、(不図示の)発熱体及び(不図示の)温度センサを有する電子機器炉筐体320により囲まれている。デジタル信号処理プリント回路基板は、電子機器炉筐体の発熱体を制御し、動作温度の変化により引き起こされるアナログプリント回路基板上のアナログ回路の動作の変化を減少又は除去するように、アナログ回路を実質的に一定の安定した温度(例えば、70℃)に維持する。図3の断面図に図示されているように、後部202が前部200に接続されると、中温炉カバー262は電子機器炉筐体の近位端を実質的に閉鎖する。アナログプリント回路基板306は、後部202を前部200に接続する複数の前後部相互接続スタンドオフ322により、中温炉カバーに機械的に接続される。
【0031】
プリント回路基板300、302、304、306は、後部(電子機器部)202の遠位端から始まるように記載されているが、後部202は、前部200の遠位端に前後部相互接続スタンドオフ322の近位端を最初に取り付けることにより、近位端から組み立て始められる。その後、アナログ(第4の)プリント回路基板306は、3つのプリント回路基板相互接続スタンドオフ310の第1の組の近位端により、前後部相互接続スタンドオフの遠位端に取り付けられる。アナログプリント回路基板はまた、同軸の導体226及び前部からの(不図示の)他の相互接続導線に電気的に接続される。電子機器炉筐体320は、アナログプリント回路基板に被せて配置されている。その後、デジタル信号処理(第3の)プリント回路基板304は、プリント回路基板相互接続スタンドオフの第1の組の遠位端に係合する3つのプリント回路基板相互接続スタンドオフの第2の組により、アナログプリント回路基板に機械的に取り付けられる。デジタル信号処理プリント回路基板はまた、電子機器炉筐体の一部を通過する複数のプリント回路基板相互接続要素330により、アナログプリント回路基板に電気的に接続される。その後、電力供給(第2の)プリント回路基板302は、プリント回路基板相互接続スタンドオフの第2の組の遠位端に係合する3つのプリント回路基板相互接続スタンドオフの第3の組により、デジタル信号処理プリント回路基板に接続される。電力供給プリント回路基板はまた、プリント回路基板相互接続要素330と同様の(不図示の)複数のプリント回路基板相互接続要素により、デジタル信号処理プリント回路基板に電気的に接続される。その後、入出力(第1の)プリント回路基板300は、プリント回路基板相互接続スタンドオフの第3の組の遠位端に取り付けられる。入出力プリント回路基板はまた、プリント回路基板相互接続要素330と同様の(不図示の)複数のプリント回路基板相互接続要素により、電力供給プリント回路基板に電気的に接続される。第1のコネクタ130及び第2のコネクタ132は、入出力プリント回路基板の遠位面から伸びており、入出力プリント回路基板に電気的に接続される。
【0032】
上述のように、円筒形の外殻110は、後面プレート114及び前面アンカープレート112に固定され、また、後部及び前部を結合する。したがって、前後部は、固定された機械的関係に共に維持される。
【0033】
図3及び4に図示されているように、前部(圧力センサ部)200及び後部(電子機器部)202は、機械的及び熱的に密に結合している。高温炉250の(不図示の)断熱包囲部は、中温炉を高温炉内の静電容量型隔膜真空計210の温度よりも低い温度に維持することができるように、高温炉から中温炉260への熱伝達を部分的に抑制する。中間炉の(不図示の)追加断熱包囲部は、アナログプリント回路基板306を中間炉の温度よりも低い温度に維持することができるように、中間炉から電子機器炉筐体320への熱伝達を部分的に抑制する。図1~4の慣習的な圧力測定ユニット100の断熱の為の限られた空間及び要素全体の小さな寸法により、隔膜真空計の典型的な最大温度は約80℃から100℃の範囲であり、その間、アナログプリント回路基板の温度は約70℃以下に維持される。上述のように、慣習的な圧力測定ユニットは一般的に、アナログプリント回路基板の最大許容温度を超過することなく、この隔膜真空計の最大温度範囲を超えることはできない。さらに、プリント回路基板の温度を上昇することは、操作者により触れられる円筒形の外殻110の最大安全温度を超過することになる。
【0034】
図5~16には、加熱された静電容量型隔膜真空計から電子機器への熱伝達を実質的に減少する、本開示の発明の圧力測定ユニット500の実施形態が図示されている。圧力測定ユニットは、前(近位)部510及び後(遠位)部512を含む。前部510は、高温部又はセンサ部とも呼ばれる。後部512は、上述のように電子機器を収容する。図示されている実施形態において、後部512は、前述の後部202と同じ又は実質的に同じ要素を含むが、後部202とは異なる特徴を有し、後部の対応する要素の番号は、本開示の発明の圧力測定ユニット500に持ち越されている。改良された圧力測定ユニットの前部は、図1~4に記載の静電容量型隔膜真空計210及び他の関連要素及び特徴を含む。前述の前部とは異なる前部510の特徴は以下に記載される。
【0035】
図1~4の前述の圧力測定ユニット100の2つの直接相互接続された前部200及び後部202とは違い、改良された圧力測定システム500の前部510及び後部512は、図5及び6に図示されているように、互いに間隔をあけて配置されている。前部及び後部は、慣習的な実施形態に図示されていたように、円筒形の外部カバーにより相互接続はされていない。むしろ前部は前部円筒形外部カバー514により囲まれており、そして、後部は後部円筒形外部カバー516により囲まれている。図示されている実施形態において、前部円筒形外部カバーは、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の硬質で耐熱性の熱可塑性材料を含む。後部円筒形外部カバーもポリエーテルエーテルケトンを含むことができるが、他の材料(例えば、金属)を使用することもできる。
【0036】
図7を参照して、前部510及び後部512は、熱障壁520により機械的に相互接続される。熱障壁は、第1の表面(近位面)522及び第2の表面(遠位面)524の間に伸びている。第1及び第2の表面は円形である。1つの実施形態において、図示されている実施形態の熱障壁は、多数の供給源から市販されている、例えば、ポリエーテルエーテルケトン等の硬質で耐熱性の熱可塑性材料を含む。他の実施形態において、熱障壁は、耐熱性を有する高強度の非晶質ポリマーである、ポリエーテルイミド(PEI)を含むことができる。例えば、ポリエーテルイミドは、サウジアラビアのSABIC社によりUltem(登録商標)PEIとして市販されている。他の実施形態において、熱障壁は、多数の供給源から市販されている、ポリスルホン(PSU)を含むことができる。
【0037】
図8~14を参照して、熱障壁520は、近位取付部530、中間熱抑制及び換気部540、及び遠位取付部550を含む。近位取付部530は円盤形状である。近位取付部530は、熱障壁の第1の表面522から近位取付部の遠位面532まで伸びており、第1の選択距離D1(図12参照)を定義している。図示されている実施形態において、第1の距離D1は約6mmである。近位取付部の外周面534及び熱障壁の第1の表面は、互いに約81mmの外径を有する。以下に記載されているように、近位取付部530は、前部510に接続する第1の取付境界面とみなすこともできる。
【0038】
熱障壁520の中間熱抑制及び換気部540は、近位取付部530の遠位面532の近位境界から、図示されている実施形態において約11mmである第2の選択距離D2にわたって伸びている。中間熱抑制及び換気部の構造は、以下に詳細に記載されている。
【0039】
熱障壁520の段になった円盤状遠位取付部550は、中間熱抑制及び換気部540の遠位境界を形成する近位面552を有する。遠位取付部は、近位面から熱障壁の第2の表面524まで第3の選択距離D3にわたって伸びている。第3の距離D3は、図示されている実施形態において約11mmである。
【0040】
遠位取付部550の第1の(遠位)段は、第1の外周面554を有し、図示されている実施形態において、第1の外周面は、熱障壁520の第2の表面524から約6mm伸びている。第1の外周面は、第2の表面の直径に相当する直径を有し、図示されている実施形態において、第1の外周面の直径は約75mmである。遠位取付部の第2の段は、第1の段から中間熱抑制及び換気部540まで伸びている。第2の段は第2の外周面556を有し、図示されている実施形態において、第2の外周面は、遠位取付部の第1の段から中間熱抑制及び換気部まで約5mm伸びている。第2の外周面は、図示されている実施形態において、約80mmの直径を有する。以下に記載されているように、遠位取付部550は、後部512に結合する第2の取付境界面とみなすこともできる。
【0041】
熱障壁520は、熱障壁の中心又は中心近くに配置された中央円筒形貫通孔560を含む。図7の断面図に図示されているように、貫通孔560は、同軸の導体が熱障壁を通過することを可能にする。貫通孔は、以下に記載されているように、熱障壁を介して前部510が後部512に取り付けられた時に、(不図示の)加熱制御導体及び(不図示の)温度センサ導体がアナログプリント回路基板306から前部510へ接続の為に伸びることを可能にする。熱障壁は、アナログプリント回路基板306から前部510内の(以下に記載の)炉内の(不図示の)加熱要素への(不図示の)電力導線を収容する(不図示の)他の孔も有することができる。
【0042】
図7の断面図に図示されているように、後部(電子機器部)512は、慣習的な実施形態においては後部を前部に直接接続する為に使用されていた3つの相互接続スタンドオフ322の外側ネジ部を介して、熱障壁520の第2の表面524に固定されている。図示されている実施形態において、アナログプリント回路基板306、電子機器炉320、デジタル信号処理プリント回路基板304、電力供給プリント回路基板302、入出力プリント回路基板300、及び後面プレート114は、その後、上述のように、順次に互いに取り付けられる。
【0043】
後部512を組み立てた後に、後部内の電子機器炉筐体320がさらに、第1の円筒形外周面554において熱障壁520と係合する(1つが図7に図示されている)3つのネジ570により、熱障壁520の遠位取付部550の第1の円筒形外周面554に固定される。図示されている実施形態において、3つのネジは、熱障壁の第1の外周面に間隔をあけて配置されている。熱障壁に電子機器炉筐体及びスタンドオフを固定した後に、後部円筒形外部カバー516の遠位部は、(1つが図7に図示されている)3つのネジ572により、後部の後面プレート114に固定される。後部円筒形外部カバーの近位部は、(1つが図7に図示されている)3つのネジ574により、熱障壁の第2の外周面556において熱障壁に固定される。第2の外周面のより大きな直径が、外部カバーを電子機器炉筐体上に取り付けることを可能にする。3組の取付具が、後部を熱障壁に対して安定して固定された機械的関係に維持する。
【0044】
上述のように、前部510は静電容量型隔膜真空計210を含む。図7の断面図に図示されているように、静電容量型隔膜真空計は、上述のように、薄いダイアフラム220及び固定電極222を含む。同軸の導体226は、静電容量型隔膜真空計の遠位端から伸びている。ここでも、同軸の導体及びダイアフラム及び固定電極の間の電気的接続は図示されていない。静電容量型隔膜真空計は、入口管600の遠位端に固定されている。入口管の近位端は、上述のように、入口ポート120に固定されている。
【0045】
静電容量型隔膜真空計210は、一般的に円筒形の高温炉筐体(又は炉筐体)610内に配置されている。高温炉筐体の遠位端612は、中央開口614を除いて閉鎖されている。同軸の導体226は、静電容量型隔膜真空計から中央開口を通って伸びている。高温炉筐体の近位端は、複数のネジ618(例えば、1つが図7に図示されている3つのネジ)により、近位端カバー616に固定されている。近位端カバーの中央開口には入口管が圧入され、高温炉筐体内の静電容量型隔膜真空計と固定関係になるように、高温炉筐体を支持する。
【0046】
円盤状アダプタ支持構造630にも入口管600が圧入される。アダプタ支持構造は、高温炉筐体610の近位端カバーの近くに、第1の選択支持構造間隔距離だけ、間隔をあけて配置されている。断熱アダプタ640は、入口管上に配置され、アダプタ支持構造630から、第2の選択支持構造間隔距離だけ、間隔をあけて配置された遠位面を有する。断熱アダプタは、第1の最大直径を有する遠位基部642を含む。断熱アダプタの第2の中間部644は、第1の直径よりも小さな第2の直径を有する。断熱アダプタの第3の近位部646は、第2の直径よりも小さな第3の直径を有する。断熱アダプタの中間部は、前部円筒形外部カバー514の開口648を通って伸びている。断熱アダプタの遠位基部は、第1の複数のアダプタネジ650(例えば、1つが図7に図示されている3つのネジ)により、アダプタ支持構造に固定されている。断熱アダプタの遠位基部は、第2の複数のアダプタネジ652(例えば、1つが図7に図示されている3つのネジ)により、前部円筒形外部カバーにも固定されている。
【0047】
図1~4に記載の実施形態とは違い、本開示の発明の圧力測定ユニット500の図示されている実施形態は、中温炉筐体を含んでいない。むしろ、高温炉筐体610の円筒形の外殻は、近位端702及び遠位端704を有する厚い円筒形断熱層700により囲まれている。図示されている実施形態において、円筒形断熱層は、例えば、カリフォルニア州プレザントンのBoyd社により市販されている高密度化されたポリイミド発泡体である、高密度化されたSolimide(登録商標)発泡体等の断熱材料の層を含む。材料は、予備成形された形状(例えば、円筒形及び円盤)で入手可能な高温ガスケット材料であり、取り付ける為に切断することができる。材料はまた、ぴったり嵌まる位置に押し込まれることを可能にする十分な弾性コンプライアンスを有している。材料は、低い熱伝導性(例えば、空気の熱伝導性の約1.4倍)を有する。低い熱伝導性及び同様の機械的特性を有する他の材料を使用することもできる。
【0048】
円筒形断熱層の内表面は、円筒形高温炉筐体610の周りにぴったりはまる大きさである。円筒形断熱層の外径は、前部円筒形外部カバー514内にぴったりはまる大きさである。例えば、図示されている実施形態において、円筒形断熱層700は、約81mmの外径を有し、約60mmの内径を有し、近位端702から遠位端704まで約67mmの長さを有する。図7に図示されているように、熱障壁520が前部510に取り付けられると、円筒形断熱層700の遠位端は、熱障壁520の近位面522に対して配置される。
【0049】
第1の円盤状断熱層710は、円筒形断熱層700内に円筒形断熱層の遠位端に隣接して配置される。図示されている実施形態において、第1の円盤状断熱層710は、約60mmの外径を有し、近位端から遠位端まで約5mmの厚さを有する。第1の円盤状断熱層710は、同軸の導体226が通過することを可能にする中央開口712を有する。第1の円盤状断熱層710の遠位面714は、一般的に円筒形断熱層の遠位端と同一平面上に配置され、熱障壁520の近位面522に対して配置される。図7に図示されているように、熱障壁520が前部510に取り付けられると、第1の円盤状断熱層の近位面716は、高温炉筐体610の遠位端612に隣接して配置される。図示されている実施形態において、第1の円盤状断熱層は、上述の高密度化されたSolimide(登録商標)発泡体を含む。低い熱伝導性及び同様の機械的特性を有する他の材料を使用することもできる。
【0050】
第2の円盤状断熱層720は、円筒形断熱層700内に、高温炉筐体610の近位端カバー616及びアダプタ支持構造630の間に配置される。第2の円盤状断熱層720は、約60mmの外径を有し、近位端から遠位端まで約7mmの厚さを有する。第2の円盤状断熱層720は、入口管の外径を収容する大きさ、図示されている実施形態においては約13mm、の中央開口を有する。図示されている実施形態において、第2の円盤状断熱層は、上述の高密度化されたSolimide(登録商標)発泡体を含む。低い熱伝導性及び同様の機械的特性を有する他の材料を使用することもできる。
【0051】
第3の円盤状断熱層730は、アダプタ支持構造630及び断熱アダプタ640の遠位面の間に配置される。第3の円盤状断熱層730は、約60mmの外径を有し、近位端から遠位端まで約2mmの厚さを有する。第3の円盤状断熱層730は、入口管の外径を収容する大きさの中央開口を有する。断熱アダプタがアダプタ支持構造に固定されると、第3の円盤状断熱層はアダプタ支持構造及び断熱アダプタの間に固定される。図示されている実施形態において、第3の円盤状断熱層は、上述の高密度化されたSolimide(登録商標)発泡体を含む。低い熱伝導性及び同様の機械的特性を有する他の材料を使用することもできる。
【0052】
第1の環状断熱層740は、断熱アダプタ640の遠位基部642の周りに配置される。第1の環状断熱層は、断熱アダプタの遠位基部の厚さに相当する約4mmの厚さを有する。第1の環状断熱層740は、約60mmの外径を有し、断熱アダプタの遠位基部の外径に相当する約45mmの内径を有する。図示されている実施形態において、第1の環状断熱層は、上述の高密度化されたSolimide(登録商標)発泡体を含む。低い熱伝導性及び同様の機械的特性を有する他の材料を使用することもできる。
【0053】
第2の環状断熱層750は、断熱アダプタ640の中間部644の第1部分の周りに配置される。第2の環状断熱層750は、断熱アダプタの中間部の厚さの約1/2に相当する約4mmの厚さを有する。第2の環状断熱層は、円筒形断熱層700の外径に相当する約81mmの外径を有し、上述のように、第2の環状断熱層の外径は、前部円筒形外部カバー514の内径に相当する。したがって、第2の環状断熱層の外側遠位部は、円筒形断熱層700の近位端702に対して配置される。第2の環状断熱層750は、断熱アダプタの中間部の外径に相当する約32mmの内径を有する。断熱アダプタが前部円筒形外部カバーの近位端に固定されると、第2の環状断熱層の内側部分は、前部円筒形外部カバーの近位端及び断熱アダプタの基部の間に固定される。図示されている実施形態において、第2の環状断熱層は、上述の高密度化されたSolimide(登録商標)発泡体を含む。低い熱伝導性及び同様の機械的特性を有する他の材料を使用することもできる。
【0054】
上述のように、前部510の要素を組み立てた後に、同軸ケーブル226の遠位端及び(不図示の)他の導体は、後部512のアナログプリント回路基板306に接続される。その後、前部円筒形外部カバー514の遠位端は、(例えば、1つが図7に図示されている)3つのネジ770により、熱障壁520の近位取付部530の外周面534に固定される。円筒形断熱層700の遠位端704及び第1の円盤状断熱層710の遠位面714は、熱障壁の第1の表面722に対して配置される。以下により詳細に記載されているように、熱障壁は、前部及び後部を確実に機械的に相互接続し、また、以下により詳細に記載されているように、より高温の前部から後部を断熱する。
【0055】
熱障壁520は図10~16により詳細に記載されている。上述のように、熱障壁は第1の表面(近位面)522から第2の表面(遠位面)524まで伸びている。熱障壁は、第1の表面から熱抑制及び換気部540の近位境界まで伸びている近位取付部530を有する。熱障壁は、熱抑制及び換気部の遠位境界から伸びている遠位取付部550を有する。近位及び遠位取付部の特徴は上述されている。
【0056】
熱抑制及び換気部540は、少なくとも3つの機能を提供する。熱抑制及び換気部は、熱障壁520の近位取付部530及び遠位取付部550を相互接続し、それにより、2つの取付部間に機械的継続性を提供する。熱障壁により提供された機械的継続性が前部(センサ部)510及び後部(電子機器部)512を相互接続し、それにより、前後部は互いに固定関係にしっかりと維持される。以下にさらに記載されているように、熱抑制及び換気部540は、近位取付部530から遠位取付部550への熱経路の断面領域を減少し、それにより、センサ部510から電子機器部512への熱エネルギーの流れを減少する。熱抑制及び換気部540はまた、熱抑制及び換気部から熱エネルギーを除去する気流を許容し、それにより、遠位取付部及び遠位取付部に取り付けられた電子機器部に達する熱エネルギーの量をさらに減少させる。
【0057】
図10、11及び13に図示されているように、熱障壁520の熱抑制及び換気部540は、熱障壁の周囲に均等に分配された複数の空気入口/出口(換気口)800を含む。図示されている実施形態において、熱障壁は、中心から約36度で間隔をあけて配置されている10個の換気口を含む。換気口は、近位取付部530及び遠位取付部550を相互接続する、対応する複数の外側相互接続支柱810により形成される。各外側相互接続支柱は、近位取付部530の遠位面532から遠位取付部550の近位面552まで伸びている。
【0058】
図15及び16の断面斜視図に図示されているように、各外側相互接続支柱810は、2つの円周方向側部及び2つの半径方向側部により定義されるアーチ状の断面形状を有する。図15に図示されているように、各外側相互接続支柱は、近位取付部530の遠位面532の中心から約32mmの半径を有する円周に沿って配置されたアーチ状の内表面812を有する。各外側相互接続支柱は、近位取付部530の遠位面532の中心から約36mmの半径を有する円周に沿って配置されたアーチ状の外表面814を有する。アーチ状の外表面は、近位取付部530の外周面534から約5mm内側に配置されている。各外側相互接続支柱は、アーチ状の内表面812及びアーチ状の外表面814の間に約4mmの半径方向厚さを有する。アーチ状の内表面812及びアーチ状の外表面814は、外側相互接続支柱810の第1の半径方向面816及び第2の半径方向面818の間に約16度の角度を占めている。したがって、外側相互接続支柱の1つの第1の半径方向面は、隣接する外側相互接続支柱の第2の半径方向面から約20度の間隔をあけて配置されている。
【0059】
さらに、図15に図示されているように、各外側相互接続支柱810のアーチ状の内表面812は、近位取付部530の遠位面532に対してフィレットを付けられる。図示されている実施形態において、各内表面フィレットは約1mmの半径を有する。第1の半径方向面816及び第2の半径方向面818のそれぞれも、近位取付部530の遠位面532に対してフィレットを付けられる。図示されている実施形態において、各半径方向面のフィレットは約1mmの半径を有する。図示されている実施形態において、各外側相互接続支柱810のアーチ状の外表面814は、近位取付部530の遠位面532に対してフィレットを付けられていない。
【0060】
各外側相互接続支柱810は、近位取付部530の遠位面532及び遠位取付部550の近位面552の両方に対して垂直に伸びている。したがって、図16の断面斜視図に図示されているように、各外側相互接続支柱810のアーチ状の内表面812はまた、遠位取付部550の近位面552の中心から約32mmの半径を有する円周に沿って配置されている。各外側相互接続支柱810のアーチ状の外表面814はまた、遠位取付部550の近位面552の中心から約36mmの半径を有する円周に沿って配置されている。遠位取付部550の第2の(近位)外周面556は近位取付部530の外周面534よりも小さな直径を有するので、アーチ状の外表面は近位取付部530の外周面534から約4mm内側に配置されている。
【0061】
さらに、図16に図示されているように、各外側相互接続支柱810のアーチ状の内表面812及びアーチ状の外表面814は、遠位取付部550の近位面552に対してフィレットを付けられる。図示されている実施形態において、各内表面フィレットは約2mmの半径を有する。図示されている実施形態において、各外表面フィレットは約5mmの半径を有する。第1の半径方向面816及び第2の半径方向面818のそれぞれも、遠位取付部550の近位面552に対してフィレットを付けられる。図示されている実施形態において、各半径方向面のフィレットは約5mmの半径を有する。
【0062】
熱障壁520の中間熱抑制及び換気部540はさらに、中央相互接続支柱840を含む。図示されている実施形態において、中央相互接続支柱840は、中央貫通孔560と同心的に配置される。図15及び16の断面斜視図に図示されているように、中央相互接続支柱は、貫通孔から壁の厚さだけ間隔をあけて配置されている外表面542を有する。図示されている実施形態において、貫通孔は約5mmの直径を有し、外表面542は約10mmの直径を有する。したがって、壁の厚さは約2.5mmである。中央相互接続支柱の外表面は、図15に図示されているように、近位取付部530の遠位面532に対してフィレットを付けられ、図16に図示されているように、遠位取付部550の近位面552に対してもフィレットを付けられる。図示されている実施形態において、両方のフィレットは約5mmの共通の半径を有する。したがって、中央相互接続支柱の短い中間部の外表面のみが約10mmの外径を維持している。
【0063】
中央相互接続支柱840は、複数の内側相互接続支柱860により囲まれている。各内側相互接続支柱は、約5mmの基部直径を有し、近位取付部530の遠位面532から遠位取付部550の近位面552まで伸びている。各内側相互接続支柱の中心は、中央相互接続支柱の中心から約20mmの位置に配置されている。図示されている実施形態において、10個の内側相互接続支柱が、約36度で等角度に間隔をあけて配置されている。図15及び16に図示されているように、各内側相互接続支柱は、隣接する外側相互接続支柱810の間に実質的に等角度に配置された半径方向線に沿って配置されている。各内側相互接続支柱が換気口800のそれぞれ1つと実質的に半径方向に直線状に揃えられる。他の実施形態において、後部(電子機器部)512の片持ち荷重(cantilevered load)をさらに分配する為に、それぞれ小さな直径を有する追加の内側相互接続支柱を使用することもできる。
【0064】
図示されている実施形態において、内側相互接続支柱860のそれぞれは、近位取付部530の遠位面532及び遠位取付部550の近位面552に対してフィレットを付けられる。図示されている実施形態において、各フィレットは約5mmの半径を有する。
【0065】
図12、14、15及び16の断面図において、熱障壁520は硬質のポリエーテルエーテルケトン材料として図示されているが、熱障壁は、例えばハチの巣状等の、インフィル材料パターンに好ましくは構成される。ハチの巣状フィルパターンは、熱障壁全体の重量を減少し、材料費を減少し、前部510から後部512への熱障壁を通した熱伝達を減少する為に選択される。例えば、1つの実施形態において、ハチの巣状フィルパターンは、約20%の充填量を有するように選択される。図示されている実施形態において、ハチの巣状フィルパターンは、付加製造(例えば、3Dプリント)により達成される。選択された充填量は、後部の片持ち荷重を支持する構造強度及び熱伝達減少の間のトレードオフである。
【0066】
上述のように、熱障壁520は、改良された圧力測定ユニット500の前部(センサ部)510及び後部(電子機器部)512の間の機械的相互接続構造として機能する。測定する圧力を有する(不図示の)システムに接続されると、改良された圧力測定ユニットは、システムの接合ネジ付き継手上にねじ込まれる圧力ポート120により支持される。前部、熱障壁及び後部の複合体が接合継手により支持される。入口管212水平方向に配向されるように改良された圧力測定ユニットが取り付けられると、複合体は接合継手上に力のモーメントを加える。改良された圧力測定ユニット500の後部512により加えられたモーメントは、前部及び後部の間に配置された熱障壁の追加された長さにより、慣習的な圧力検出ユニット100の後部202の対応するモーメントよりも大きい。近位面522及び遠位面532の間の熱障壁の厚さを実用的な限り小さくすることは、接合継手に対する後部のモーメントを減少する。
【0067】
前部510から後部512に熱障壁520を介して伝わる熱エネルギーの量は、障壁材料の熱伝導性に部分的に依存する。例えば、ポリエーテルエーテルケトンは、約0.25W/m・Kの熱伝導性を有する。ポリスルフォン(PSU)は、約0.26W/m・Kの熱伝導性を有する。ポリエーテルイミドは、約0.22W/m・K及び約0.12W/m・Kの間の熱伝導性を有する。
【0068】
前部510から後部512に熱障壁520を介して伝わる熱エネルギーの量は、熱経路長さを決定する前後部間の熱障壁の厚さに部分的に依存する。増加された厚さは、熱エネルギーの伝達を減少するが、増加した厚さは、上述のように、後部のモーメントも増加する。したがって、熱障壁の厚さを増加することは、後部のモーメントの許容可能な大きさにより限定される。熱障壁の厚さは、圧力ポート120から後面プレート114までの圧力測定ユニット500の全長によっても限定される。図示されている実施形態においては、11mmの厚さが、後部により加えられるモーメントを過度に増加することのない、前後部間の許容可能な距離を提供する。
【0069】
前部510から後部512に熱障壁520を介して伝わる熱エネルギーの量は、熱エネルギーが伝わる材料の面積に部分的に依存する。上述のように、熱障壁は、前部に取り付けられるように構成された近位取付部530を有し、そして、後部に取り付けられるように構成された遠位取付部550を有する。図示されている実施形態において、熱障壁520の近位取付部530は、約81mmの外径を有する。熱障壁520の遠位取付部550は、約75mmの最小外径を有する。したがって、熱障壁520の遠位取付部550の第2の表面524は、約4415mmの断面積を有する。熱障壁が近位取付部及び遠位取付部間に継続する中実材料であった場合、熱障壁は、不必要な大量の熱エネルギーを前部から後部へ伝達する。
【0070】
熱障壁520の中間熱抑制及び換気部540を、複数の外側相互接続支柱810,中央相互接続支柱840、及び複数の内側相互接続支柱860を含む部分的に開放されている構造に構成することにより、中間熱抑制及び換気部の効果的な面積を近位及び遠位取付部の面積に対してかなり減少する。例えば、各々の相互接続支柱のフィレットが計算を簡略化する為に無視した場合、10個の外側相互接続支柱810のそれぞれは約37mmの断面積を有し、中央相互接続支柱840は約61mmの断面積を有し、10個の内側相互接続支柱860のそれぞれは約20mmの断面積を有する。したがって、支柱の総断面積は約631mmであり、熱障壁の第2の表面の断面積の約14.3%である。熱障壁のポリエーテルエーテルケトン材料を通して伝達されるエネルギーは、断面積に直接比例する。したがって、中実材料の代わりに支柱を有する中間熱抑制及び換気部を構成することにより、熱伝達は約85%減少される。
【0071】
支柱810、840、860にフィレットを追加することは効果的な断面積を追加することになるが、増加される断面積は中実のポリエーテルエーテルケトン材料の断面積よりは実質的に小さい断面積に維持される。フィレットを有する支柱の効果的な断面積は容易には計算できないが、フィレットを有する支柱の総容積は約6792mmであると計算することができる。したがって、フィレットを有する支柱の容積は、フィレットのない支柱の容積の約2.75倍である。比較すると、中実の中間熱抑制及び換気部の容積は約47105mmである。したがって、フィレットのない支柱の容積は、中実の中間熱抑制及び換気部の容積の約14.4%である。対照的に、フィレットを有する支柱の容積は、中実の中間熱抑制及び換気部の容積の約40%である。支柱総容積が中実の中間熱抑制及び換気部の容積の30%~50%であれば、後部512への熱エネルギー伝達に十分な障壁を提供することができ、また、後部への十分な構造支持を提供することができる。一般的に、支柱総容積は、中間熱抑制及び換気部の容積の約15%~50%の範囲であることができる。
【0072】
熱障壁520全体をハチの巣状又は他の減少された容積のインフィルを使用して構成することにより、熱伝達はさらに減少される。例えば、容積の約20%のハチの巣状インフィルにより、中実の材料に比べて熱伝達は約80%減少する。したがって、中間熱抑制及び換気部540の支柱構造及び熱障壁全体のハチの巣状フィルの組み合わせは、改良された圧力検出ユニット500の前部510から後部512への熱伝達に大幅な減少を提供する。さらに、上述のように、前部及び後部間の強固な機械的相互接続を維持したまま、減少された熱伝達が提供される。
【0073】
上述の伝導熱伝達の減少は、中間熱抑制及び換気部540の部分的に開放されている構成により、さらに減少される。換気口800は、周囲空気が、一対の隣接する外側相互接続支柱810の間から、中間熱抑制及び換気部内に流入することを可能にする。移動する空気は外側相互接続支柱から熱を吸収する。移動する空気は、中間熱抑制及び換気部を通り、複数の内側相互接続支柱860及び中央相互接続支柱840を通過して支柱から熱を吸収する。加熱された空気は、他の換気口を介して、中間熱抑制及び換気部から出ていく。空気流による熱の除去は、熱障壁の近位取付部530から遠位取付部550への熱伝達をさらに減少する。
【0074】
図示されている実施形態において、熱障壁520は、熱障壁520の近位面522の温度が約130℃である場合でも、熱障壁520の遠位面524の温度を約50℃以下に維持する為に効果的である。これらの条件において、高温炉筐体610内の隔膜真空計ハウジング224の温度は、250℃~300℃の高温である。
【0075】
本開示の発明の熱障壁は、静電容量型隔膜真空計及び以下の工程で第2の温度で動作する電子機器筐体の間に提供される。静電容量型隔膜真空計に機械的に係合するように構成された寸法及び形状を有する第1の取付境界面が提供される。電子機器筐体に係合するように構成された寸法及び形状を有する第2の取付境界面が提供される。第2の取付境界面は、第1の取付境界面から間隔をあけて配置されている。第1の取付境界面及び第2の取付境界面は、複数の支柱により相互接続されている。各支柱は、第1の取付境界面に機械的及び熱的に接続された第1の端部を有する。各支柱は、第2の取付境界面に機械的及び熱的に接続された第2の端部を有する。
【0076】
図17、18、19A及び19Bを参照すると、熱障壁の他の実施形態が図示されている。この実施形態の熱障壁構造は、熱障壁筐体の発泡体として形成され、熱可塑性の熱障壁が筐体と1つの部品として均質化されている。図17は、熱障壁筐体の実施形態の斜視図であり、図18は、図17の線17-17に沿った熱障壁筐体の実施形態の断面図である。圧力測定ユニット900は、熱障壁筐体910及び後部円筒形外部カバー920を含む。後部円筒形外部カバー920は、静電容量型隔膜真空計210から信号を受信して圧力ポート120に接続された外部供給源の圧力を測定する上述の電子機器を収容する。図示されている実施形態において、後部は、上述の後部202及び502と同じ又は実質的に同じ要素を含むが、後部202及び502とは異なる特徴を有し、後部の対応する要素の番号は、本開示の発明の実施形態の圧力測定ユニット900に持ち越されている。熱障壁筐体910は、静電容量型隔膜真空計210及び他の関連要素を収容する。熱障壁筐体910は、静電容量型隔膜真空計210及び他の関連要素を囲む円筒形側壁911、円筒形側壁911により定義される筐体の底を形成する第1の壁912、及び第1の壁912から間隔をあけて配置された第2の壁913を含む。熱障壁筐体910はさらに、第1の壁912及び第2の壁913を相互接続する中間熱抑制及び換気部914を含む。中間熱抑制及び換気部914は、複数の支柱915(主支柱又は第1の支柱)を含む。
【0077】
図19A及び19Bを参照すると、熱障壁筐体910の上部及び下部の斜視図が図示されている。図19Aは、熱障壁筐体910の上部930を示し、図19Bは、熱障壁筐体910の下部931を示す。上部930及び下部931は、互いに組み合わされて熱障壁筐体910を形成する。熱障壁筐体は、「クラムシェル」組み立て法を使用し、均質化された熱可塑性センサハウジング/電子機器熱障壁が中心軸に沿って切断されて2つの部分を形成し、その後、2つの部分を互いにねじ付けしてセンサを覆っている。このことは、センサは組み立て技術者に露出したまま、全てのヒータ、抵抗温度検出器(RTD)、及びセンサの導線が熱障壁筐体を通って外に出ることができるので、組み立ての助けになる。熱障壁筐体910は、中央貫通孔560が形成された中央相互接続支柱916、及び第2の貫通孔918が形成された1以上の第2の相互接続支柱917(第2の支柱)を含むことができる。第1の壁912及び第2の壁913は、中央相互接続支柱916及び第2の相互接続支柱917により接続される。中央貫通孔560及び第2の貫通孔918は、第1及び第2の壁を通って形成される。実施形態において、同軸の導体226は、中央貫通孔560を通って、静電容量型隔膜真空計210から外部カバー920により囲まれた電子機器まで伸びており、ヒータ、抵抗温度検出器、及びセンサの導線は、第2の支柱917内に形成された第2の貫通孔を通って、静電容量型隔膜真空計210から電子機器まで伸びている。このことは、外部カバー920により囲まれた電子機器内に配置されたアナログプリント回路基板又はデジタル信号処理プリント回路基板のいずれかに容易に接合する位置まで導線を外に出す為になされる。他の実施形態において、同軸の導体226及びヒータ、抵抗温度検出器、及びセンサの導線は、電子機器内の要素の配置により、中央貫通孔560又は他の第2の貫通孔918を通って伸びている。図19A及び19Bに図示されているように、中央貫通孔560及び第2の貫通孔918は、熱障壁筐体の上部又は下部に形成されることができ、又は、代替的に、中央貫通孔及び第2の貫通孔は、熱障壁筐体の上部及び下部の両方に形成されることができる。
【0078】
図20A及び20Bを参照すると、図17の線18-18に沿った熱障壁筐体の断面図が図示されている。支柱915は第1の壁912に配置されている。実施形態において、各支柱は、中央貫通孔560を中心とする第1の円940に沿って配置される(図20A)。他の実施形態において、支柱は、中央貫通孔560から伸びている各支柱半径方向線941に沿って配置される(図20B)。しかしながら、支柱の配置は、これらの構成に限定されず、静電容量型隔膜真空計からの熱伝達を効果的に減少する為に異なる構成に配置することもできる。支柱915は、第1の壁912及び第2の壁913の両方に接続される。しかしながら、支柱は、第1の壁912及び第2の壁913の一方に接続されてもよい。例えば、支柱915は、第1の壁912に形成されて第2の壁913に向かって伸びているが、支柱915及び第2の壁913の間に隙間を形成することにより、支柱915は第2の壁913に接続されなくてもよい。図20A及び20Bには、第2の支柱917及び第2の支柱内に形成された第2の貫通孔918も図示されている。説明の目的から、図20A及び20Bには、垂直線に沿って配置された3つの第2の支柱が図示されているが、第2の支柱の数は3つに限定されない。垂直線は、上部930及び下部931が互いに接合されて熱障壁筐体の完全体を形成する部分(又は領域)を示している。さらに、第2の支柱は、電子機器内の要素の配置により異なる位置に配置されてもよい。
【0079】
上述のように、中間熱抑制及び換気部914は、対流冷却気流の為の十分な空間を含む。側壁、第1の壁、第2の壁、及び中間熱抑制及び換気部は、1つの部品として一体に形成され、支柱は、図15及び16に図示されている実施形態の支柱よりも細く形成される。その結果、熱障壁筐体910は、電子機器への伝導(及びより大きな空隙を介した対流)熱伝達をさらに減少する。支柱915の総断面積は、図15及び16に図示されている実施形態の支柱の総断面積の約50%である。中間熱抑制及び換気部914は、第1の壁及び第2の壁の間の総容積を有する。総容積は、支柱の容積、第1及び第2の壁の間の空間、及び他の要素を含む。複数の支柱915は、支柱総容積を有する。熱障壁筐体910の細い支柱915により、支柱総容積は、中間熱抑制及び換気部914の総容積の約15%~約25%の範囲であり、電子機器への熱伝達を効果的に減少する。
【0080】
発明の詳細な説明は、説明の目的で記載されている。したがって、新規で有用な発明の特定の実施形態が記載されているが、そのような参照は、特許請求の範囲に記載されている、本発明の範囲の限定を意図しているものではない。
【符号の説明】
【0081】
100 圧力測定ユニット、圧力検出ユニット
110 円筒形の外殻
112 前面アンカープレート
114 後面プレート
120 圧力ポート、入口ポート
130 第1のコネクタ
132 第2のコネクタ
134 一対の取付ネジ
140 第1のLED
142 第2のLED
144 第3のLED
146 第1の埋込型押しボタンスイッチ
148 第2の埋込型押しボタンスイッチ
200 前部、圧力センサ部
202 後部、電子機器部
210 静電容量型隔膜真空計
212 入口管
214 断熱アダプタ
220 ダイアフラム
222 固定電極
224 隔膜真空計ハウジング、支持構造
226 同軸の導体
250 高温炉筐体、高温炉
252 第1の高温炉カバー
256 第2の高温炉カバー
260 中温炉筐体、中温炉
262 第1の中温炉カバー
264 第2の中温炉カバー
266 中央開口
300 入出力プリント回路基板
302 電力供給プリント回路基板
304 デジタル信号処理プリント回路基板
306 アナログプリント回路基板
310 プリント回路基板相互接続スタンドオフ
320 電子機器炉筐体
322 前後部相互接続スタンドオフ
330 プリント回路基板相互接続要素
500 圧力測定ユニット、圧力検出ユニット
510 前部、センサ部
512 後部、電子機器部
514 前部円筒形外部カバー
516 後部円筒形外部カバー
520 熱障壁
522 第1の表面、近位面
524 第2の表面、遠位面
530 近位取付部
532 530の遠位面
534 530の外周面
540 中間熱抑制及び換気部
550 遠位取付部
552 550の近位面
554 550の第1の外周面
556 550の第2の外周面
560 中央貫通孔
570 ネジ
572 ネジ
574 ネジ
600 入口管
610 高温炉筐体
612 610の遠位端
614 中央開口
616 610の近位端カバー
618 ネジ
630 円盤状アダプタ支持構造
640 断熱アダプタ
642 遠位基部
644 中間部
646 近位部
648 514の開口
650 アダプタネジ
652 アダプタネジ
700 円筒形断熱層
702 700の近位端
704 700の遠位端
710 第1の円盤状断熱層
712 中央開口
714 710の遠位面
716 710の近位面
720 第2の円盤状断熱層
730 第3の円盤状断熱層
740 第1の環状断熱層
750 第2の環状断熱層
770 ネジ
800 換気口
810 外側相互接続支柱
812 810のアーチ状の内表面
814 810のアーチ状の外表面
816 810の第1の半径方向面
818 810の第2の半径方向面
840 中央相互接続支柱
860 内側相互接続支柱
900 圧力測定ユニット
910 熱障壁筐体
911 円筒形側壁
912 第1の壁
913 第2の壁
914 中間熱抑制及び換気部
915 支柱
916 中央相互接続支柱
917 第2の相互接続支柱
918 第2の貫通孔
920 後部円筒形外部カバー
930 910の上部
931 910の下部
940 第1の円
941 支柱半径方向線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図20A
図20B
【手続補正書】
【提出日】2021-10-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の温度で動作する静電容量型隔膜真空計(CDG)及び第2の温度で動作する電子機器筐体を相互接続する熱障壁筐体であって、前記第1の温度は前記第2の温度よりも高く、前記熱障壁筐体が、
前記静電容量型隔膜真空計を囲む側壁と、
前記静電容量型隔膜真空計と機械的に係合するように構成された第1の壁と、
前記第1の壁から間隔をあけて配置され、前記電子機器筐体と係合するように構成された第2の壁と、
前記第1の壁及び前記第2の壁に接続された中央相互接続支柱と、
前記中央相互接続支柱を囲む複数の支柱を含み、前記第1の壁及び前記第2の壁を相互接続する中間熱抑制及び換気部と、
を含み、
前記中央相互接続支柱は、前記静電容量型隔膜真空計から伸びている同軸の導体が内部に配置される中央貫通孔を定義し、
前記同軸の導体を介して、前記電子機器筐体内の電子機器及び前記静電容量型隔膜真空計の間で信号が送信されることを特徴とする熱障壁筐体。
【請求項2】
前記第1の壁は中央貫通孔を有し、前記複数の支柱のそれぞれは、前記中央貫通孔から伸びている各々の支柱半径方向線に沿って配置されることを特徴とする請求項1に記載の熱障壁筐体。
【請求項3】
前記第1の壁は中央貫通孔を有し、前記複数の支柱のそれぞれは、前記中央貫通孔を中心とする第1の円に沿って配置されることを特徴とする請求項1に記載の熱障壁筐体。
【請求項4】
前記複数の支柱は前記第1の壁及び前記第2の壁に接続されることを特徴とする請求項1に記載の熱障壁筐体。
【請求項5】
前記中間熱抑制及び換気部は前記第1の壁及び前記第2の壁の間の総容積を有し、前記複数の支柱は支柱総容積を有し、前記支柱総容積は、前記総容積の約15%~約25%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の熱障壁筐体。
【請求項6】
測定する圧力の供給源に接続可能であり、第1の温度で動作する静電容量型隔膜真空計(CDG)と、
前記静電容量型隔膜真空計に電気的に接続された電子機器を囲んでおり、前記第1の温度より低い第2の温度で動作する電子機器筐体と、
前記静電容量型隔膜真空計を収容し、前記静電容量型隔膜真空計及び前記電子機器筐体を相互接続する熱障壁筐体と、
を含む圧力検出システムであって、
前記熱障壁筐体が、
前記静電容量型隔膜真空計を囲む側壁と、
前記静電容量型隔膜真空計と機械的に係合するように構成された第1の壁と、
前記第1の壁から間隔をあけて配置され、前記電子機器筐体と係合するように構成された第2の壁と、
前記第1の壁及び前記第2の壁に接続された中央相互接続支柱と、
前記中央相互接続支柱を囲む複数の支柱を含み、前記第1の壁及び前記第2の壁を相互接続する中間熱抑制及び換気部と、
を含み、
前記中央相互接続支柱は、前記静電容量型隔膜真空計から伸びている同軸の導体が内部に配置される中央貫通孔を定義し、
前記同軸の導体を介して、前記電子機器筐体に囲まれた電子機器及び前記静電容量型隔膜真空計の間で信号が送信されることを特徴とする圧力検出システム。
【請求項7】
前記第1の壁は中央貫通孔を有し、前記複数の支柱のそれぞれは、前記中央貫通孔から伸びている各々の支柱半径方向線に沿って配置されることを特徴とする請求項に記載の圧力検出システム。
【請求項8】
前記第1の壁は中央貫通孔を有し、前記複数の支柱のそれぞれは、前記中央貫通孔を中心とする第1の円に沿って配置されることを特徴とする請求項に記載の圧力検出システム。
【請求項9】
前記複数の支柱は前記第1の壁及び前記第2の壁に接続されることを特徴とする請求項に記載の圧力検出システム。
【請求項10】
前記中間熱抑制及び換気部は前記第1の壁及び前記第2の壁の間の総容積を有し、前記複数の支柱は支柱総容積を有し、前記支柱総容積は、前記総容積の約15%~約25%の範囲であることを特徴とする請求項に記載の圧力検出システム。
【請求項11】
さらに、前記静電容量型隔膜真空計を囲む炉筐体を含むことを特徴とする請求項に記載の圧力検出システム。
【請求項12】
さらに、前記熱障壁筐体の前記側壁と前記炉筐体の間の空間を埋める断熱層を含むことを特徴とする請求項11に記載の圧力検出システム。
【請求項13】
第1の温度で動作する静電容量型隔膜真空計(CDG)及び第2の温度で動作する電子機器筐体を相互接続する熱障壁であって、前記第1の温度は前記第2の温度よりも高く、前記熱障壁が、
前記静電容量型隔膜真空計と機械的に係合するように構成された第1の取付境界面と、
前記第1の取付境界面から間隔をあけて配置され、前記電子機器筐体と係合するように構成された第2の取付境界面と、
前記第1の取付境界面及び前記第2の取付境界面に接続された中央相互接続支柱と、
前記中央相互接続支柱を囲む複数の支柱を含み、前記第1の取付境界面及び前記第2の取付境界面を相互接続する中間熱抑制及び換気部と、
を含み、
前記中央相互接続支柱は、前記静電容量型隔膜真空計から伸びている同軸の導体が内部に配置される中央貫通孔を定義し、
前記同軸の導体を介して、前記電子機器筐体内の電子機器及び前記静電容量型隔膜真空計の間で信号が送信されることを特徴とする熱障壁。
【請求項14】
前記中間熱抑制及び換気部は前記第1の取付境界面及び前記第2の取付境界面の間の総容積を有し、前記複数の支柱は支柱総容積を有し、前記支柱総容積は、前記総容積の約15%~約50%の範囲であることを特徴とする請求項13に記載の熱障壁。
【請求項15】
前記支柱総容積は、前記総容積の約40%であることを特徴とする請求項14に記載の熱障壁。
【請求項16】
前記複数の支柱が、
隣接する外側相互接続支柱の間に換気口を提供する為に間隔をあけて配置されている複数の外側相互接続支柱と、
空気流が前記中間熱抑制及び換気部を通ることを可能にする為に、前記換気口から間隔をあけて配置され、そして、互いに間隔をあけて配置された複数の内側相互接続支柱と、
を含むことを特徴とする請求項13に記載の熱障壁。
【請求項17】
前記第1の取付境界面及び前記第2の取付境界面のそれぞれは、各々の中央貫通孔を有し、
前記複数の外側相互接続支柱のそれぞれは、前記中央貫通孔から伸びている各々の外側相互接続支柱半径方向線に沿って配置され、
前記複数の内側相互接続支柱のそれぞれは、前記中央貫通孔から伸びている各々の内側相互接続支柱半径方向線に沿って配置され、
前記各々の内側相互接続支柱半径方向線は、各々の第1の外側相互接続支柱半径方向線及び第2の外側相互接続支柱半径方向線の間に、実質的に等角度で配置されることを特徴とする請求項16に記載の熱障壁。
【請求項18】
前記第1の取付境界面及び前記第2の取付境界面のそれぞれは、各々の中央貫通孔を有し、
前記複数の外側相互接続支柱のそれぞれは、前記中央貫通孔を中心とする第1の円に沿って配置され、前記第1の円は第1の半径を有し、
前記複数の内側相互接続支柱のそれぞれは、前記中央貫通孔を中心とする第2の円に沿って配置され、前記第2の円は第2の半径を有し、前記第2の半径は前記第1の半径よりも小さいことを特徴とする請求項16に記載の熱障壁。
【請求項19】
さらに、前記中央相互接続支柱から間隔をあけて配置された1以上の第2の相互接続支柱を含み、前記1以上の第2の相互接続支柱は、1以上のヒータ、抵抗温度検出器(RTD)及びセンサの為に、前記静電容量型隔膜真空計から前記電子機器筐体内の電子機器まで伸びている導線が内部に配置される各々の第2の貫通孔を定義することを特徴とする請求項1に記載の熱障壁筐体。
【請求項20】
さらに、前記中央相互接続支柱から間隔をあけて配置された1以上の第2の相互接続支柱を含み、前記1以上の第2の相互接続支柱は、1以上のヒータ、抵抗温度検出器(RTD)及びセンサの為に、前記静電容量型隔膜真空計から前記電子機器筐体に囲まれた電子機器まで伸びている導線が内部に配置される各々の第2の貫通孔を定義することを特徴とする請求項6に記載の圧力検出システム。
【国際調査報告】