(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-18
(54)【発明の名称】ディスペンサのモニタリングシステムとその手法
(51)【国際特許分類】
A47K 5/12 20060101AFI20220411BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20220411BHJP
【FI】
A47K5/12
B65D83/00 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020563633
(86)(22)【出願日】2019-05-16
(85)【翻訳文提出日】2020-11-10
(86)【国際出願番号】 IB2019054078
(87)【国際公開番号】W WO2019220397
(87)【国際公開日】2019-11-21
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518185347
【氏名又は名称】ワテリオ エルティーデイー
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【氏名又は名称】庄司 晃
(72)【発明者】
【氏名】ベントコウスキー,ヤコフ
【テーマコード(参考)】
3E014
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PB03
3E014PB08
3E014PB09
3E014PC02
3E014PC03
3E014PD12
3E014PE14
3E014PE16
3E014PE30
3E014PF10
(57)【要約】
本発明はディスペンサシステムである。このディスペンサシステムには液体を貯蔵するための容器で、所定の容量が定められているもの、容器内部の液体に関する様々な情報や命令を格納するメモリ、容器に取り付けるディスペンサー用のポンプで、容器から任意の容量を排出させることができるもの、容器から液体が排出されたことを検出するように構成されたセンサー、審査やメモリと通信を行うプロセッサからなるものである。このプロセッサはセンサーから受信した信号に基づき、メモリに格納された命令を処理して、容器から排出する液体の量を決定するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下から構成されるディスペンサシステム:
液体を貯蔵するのに適した容器で、所定の容量が決められているもの、
液体の容器に関する様々な情報や命令を格納するメモリ、
容器に付属するディスペンサ用のポンプで、液体の容器から任意の量を排出することができるもの、
液体の容器から液体が排出されたことを検知するように構成されたセンサー、
こうしたセンサー及びメモリと通信を行うプロセッサで、センサーから受け取った信号をもとにメモリに格納してある命令を処理して、容器から排出する液体の量を決定するもの。
【請求項2】
請求項1に記載のディスペンサシステムであって、排出された液体の量と容器に入れておいた液体の量をプロセッサが比較することで容器内部の現在の液体量を計算するもの。
【請求項3】
請求項1に記載のディスペンサシステムであって、プロセッサがメモリに格納した命令を処理し、信号を送信する際に利用する通信装置を備えたもの
【請求項4】
請求項3に記載のディスペンサシステムであって、通信装置を通じてプロセッサからの信号を受け取るように設定された出力装置を備えるもの
【請求項5】
請求項4に記載のディスペンサシステムであって、当該信号が容器内部の液体の補充に関する命令を含むもの。
【請求項6】
請求項5に記載のディスペンサシステムであって、プロセッサがセンサーから信号を受け取ってから所定の時間を測定するように構成されているもので、所定の時間が経過すると出力装置から信号を出力するもの。
【請求項7】
請求項6に記載のディスペンサシステムであって、所定の時間が経過した際の出力装置からの信号が、音声、視覚、触覚のいずれかであるか、この組み合わせであるもの。
【請求項8】
請求項4に記載のディスペンサシステムであって、 メモリユニット、センサー、プロセッサ、通信装置に電力を供給するバッテリーが備え付けられているもの。
【請求項9】
液体の容器、ディスペンサ用のポンプを備えたディスペンサシステムの補助システムであって、以下から構成されるもの:
液体の容器に関する様々な情報や命令を格納するメモリ、
液体の容器から液体が排出されたことを検知するように構成されたセンサー、
こうしたセンサー及びメモリと通信を行うプロセッサで、センサーから受け取った信号をもとにメモリに格納してある命令を処理して、容器から排出する液体の量を決定するもの。
【請求項10】
請求項9に記載の補助システムであって、 排出された液体の量と容器に入れておいた液体の量をプロセッサが比較することで容器内部の現在の液体量を計算するもの。
【請求項11】
請求項9に記載の補助システムであって、プロセッサがメモリに格納した命令を処理し、信号を送信する際に利用する通信装置を備えたもの
【請求項12】
請求項11に記載の補助システムであって、 通信装置を通じてプロセッサからの信号を受け取るように設定された出力装置を備えるもの。
【請求項13】
請求項12に記載の補助システムであって、 当該信号が容器内部の液体の補充に関する命令を含むもの。
【請求項14】
請求項13に記載の補助システムであって、 プロセッサがセンサーから信号を受け取ってから所定の時間を測定するように構成されているもので、所定の時間が経過すると出力装置から信号を出力するもの。
【請求項15】
請求項14に記載の補助システムであって、 所定の時間が経過した際の出力装置からの信号が、音声、視覚、触覚のいずれかであるか、この組み合わせであるもの。
【請求項16】
請求項12に記載の補助システムであって、メモリユニット、センサー、プロセッサ、通信装置に電力を供給するバッテリーが備え付けられているもの。
【請求項17】
ディスペンサシステムの操作手法であって、以下の手法からなるもの:
センサーにより容器からの液体の排出を検知するもの、
プロセッサにより容器から排出される液体の量を計算するとともに、排出されてからの所定時間を計算するもの、
通信装置を通じて容器から排出された液体の量を計算して出力装置と通信を行うもの。
【請求項18】
請求項17に記載の手法であって、排出された液体の量と容器に入れておいた液体の量を比較することで容器内部の現在の液体量を計算するもの。
【請求項19】
請求項18に記載の手法であって、通信装置を介して容器内部に残っている液体の量を通信するとともに、液体の利用に関するログを生成するもの。
【請求項20】
請求項17に記載の手法であって、容器から液体が排出されてから所定の時間で出力を行うように構成されたもの。
【請求項21】
請求項9に記載の補助システムであって、ディスペンサシステムの上にクリップで止められるように構成したもの。
【請求項22】
請求項9に記載の補助システムであって、補助システムの上にクリップでとめることができるもの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に液体のディスペンサシステムに属するものであり、より具体的には排出する定量をモニタリングするためのポンプ付きディスペンサである。
【背景技術】
【0002】
頻繁に手を洗う事は個人の衛生状態にとって非常に重要である。実際に米国の疾病予防管理センターでは手を洗うことが病気を防ぐ最も重要なことの1つだと述べている。しかしながら、知識の欠如や、悪い習慣や、面倒に感じることにより多くの人が十分に手洗いを行っていない。
【0003】
頻繁に手を洗うことの重要性と、それをなかなか実現できないという現実から、様々な手洗いシステムが開発されてきた。センサーを使ったハンズフリーの石鹸のディスペンサがこの分野では知られている。これは、赤外線や静電容量型近接センサーなどによりユーザの体を検知して石鹸を排出するシステムである。
【0004】
さらにセンサーからの信号に応じてディスペンサから石鹸の排出を行うコントローラーもこの分野では知られている。しかしながらこうした既存の製品はいずれも容器から排出される分量をモニタリングするものでは無い。排出量をモニタリングすることにより、中身の正確な使用量や、再注文や、自動再注文や、中身の補充などに関する情報を取得することができる。
【0005】
ここには、容器にシステムを取り付けることにより、排出された中身の分量をモニタリングすることに対するニーズがある。さらに通信システムを使用した通知方法により、容器付近で使用を促すニーズもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
先行技術が持つデメリットに鑑みると、本発明の目的は先行技術のメリットを全て含みつつ、それらのデメリットを克服するためのディスペンサシステムを構築することであると言える。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態の一つとして、ディスペンサシステムを提供する。本ディスペンサシステムには液体を貯蔵できる容器が含まれる。この容器はあらかじめ容量が決められている。本ディスペンサシステムにはメモリユニットが取り付けられており、容器内部にある液体の分量に関する情報や、それに関する様々な命令を記憶している。また本ディスペンサシステムには容器から定量排出するためのポンプも含まれる。このポンプにより、任意の分量を容器から排出させることができる。さらに本ディスペンサシステムには、容器からの排出を検出するセンサーが備えられている。さらに、このセンサーは人がポンプを圧迫した場合や、ポンプが作動した場合にそれを検知する。本ディスペンサシステムには、センサーやメモリと通信するためのプロセッサが含まれる。このプロセッサはセンサーから信号を受け取ると、メモリに記録されている一連の命令を実行させ、容器から排出する液体の量を決定する。
【0008】
ある実施形態においては、排出された液体の量と容器に入れておいた液体の量をプロセッサが比較することで現在の液体量を計算するように設定されているものもある
【0009】
別の実施形態においては、本ディスペンサシステムに通信ユニットを備え、メモリユニットに格納されている命令を通信ユニットを通じてプロセッサが命令するものもある。
【0010】
また別の実施形態においては、本ディスペンサシステムに出力装置を備え、通信ユニット等を介してプロセッサからの信号を受け取るものもある。
【0011】
別の実施形態においては、当該信号に容器に液体を補充するための命令を含むものもある。
【0012】
また別の実施形態においては、プロセッサがセンサーから信号を受け取ってから所定の時間を測定するように構成されているものもあり、所定の時間が経過すると出力装置から信号を出力するものがある。
【0013】
また別の実施形態においては、所定の時間が経過した際の出力装置からの信号が、音声、視覚、触覚のいずれかであるか、この組み合わせであるものがある
【0014】
また別の実施形態においては、本ディスペンサシステムにバッテリーが備えられ、メモリユニット、センサー、プロセッサ、通信ユニットに電力を供給するものがある。さらにメモリユニットは、ポンプの使用、使用量、出力装置からの通知、ログの記録にも利用することができる。ログは通信ユニットを通じて送ることができる。
【0015】
また別の実施形態においては、ディスペンサシステムの補助のシステムを備えたものもある。このディスペンサのポンプには、メモリユニットが備えられており、容器内部の液体に関する情報や、様々な命令が格納されている。このポンプにはセンサーが備え付けられており、容器から液体が排出されたことを検知する。このポンプにはセンサーやメモリと通信を行うプロセッサが備え付けられている。センサーからの信号を受信したプロセッサは、メモリに格納されている命令を実行して、容器から排出された液体の量を測定する
【0016】
また別の実施形態においては、プロセッサが備え付けられており、排出された液体の量と容器に入れておいた液体の量をプロセッサが比較することで現在の液体量を計算するように設定されているものがある。また別の形態においては、プロセッサが最後に容器に補充した時期を計算するように設定されたものもある。
【0017】
また別の実施形態においては、ディスペンサのポンプに通信ユニットを備えているものもある。ここではプロセッサがメモリに格納されている一連の命令を処理して、通信ユニットに信号を送る。
【0018】
また別の実施形態においては、ディスペンサのポンプに出力装置を備えているものがあり、通信ユニットを介してプロセッサからの信号を受け取るように設定されているものがある。
【0019】
また別の実施形態においては、プロセッサの信号が液体の補充に関する指示を含むものがある。
【0020】
また別の実施形態においては、センサーから信号受け取ったプロセッサが時間を計測し、所定の時間に出力ユニットを通じて出力を行うものもある
【0021】
また別の実施形態においては、所定の時間が経過した際の出力装置からの出力が、音声、視覚、触覚のいずれかであるか、この組み合わせであるものがある。
【0022】
また別の実施形態においては、ディスペンサのポンプにバッテリーが備え付けられており、メモリユニット、センサー、プロセッサ、通信装置に電力を供給するものがある。
【0023】
本発明の別の側面としては、ディスペンサシステムから液体を定量排出するための手法がある。この手法は、容器から中身の液体を排出したことをセンサーを通じて検知するものである。また、容器から排出された液体の量をプロセッサにより計算するとともに、排出からの経過時間をプロセッサが計算する。また、通信装置を通じて、容器から出力装置に排出された液体の量を計算する。
【0024】
また別の実施形態においては、排出された液体の量と容器の所定量を比較することで現在の液体量を計算するように設定されているものがある。
【0025】
また別の実施形態においては、通信装置を通じて、容器内部に残された液体の量を通信するものもある。
【0026】
また別の実施形態においては、容器から中身の液体が定量排出されてから所定の時間を経過後に出力を行うものもある。
【0027】
本発明の新規性に伴うこうした様々な側面については、本請求で特に指摘する部分でもあり、本発明の一部を構成するものである。本発明や、その動作上の利点、さらに使用することにより達成される特定の目的をよりよく理解していただくために、本発明の例示である実施形態についての添付の図面や説明をご参照いただきたい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明の利点と特徴については、以下の詳細や、特許請求の範囲とともに、添付の図面をご参照いただくことでよりよく理解していただけるであろう。ここで類似の要素については同様の記号で記す。
【0029】
【
図1】
図1 は、本発明の実施形態における、ディスペンサシステムの透視図である。
【0030】
【
図2】
図2は、本発明の実施形態における、ディスペンサシステムに統合された電子パーツのダイヤグラムである。
【0031】
【
図3】
図3は、本発明の実施形態における、ディスペンサシステムの透視図である。
【0032】
【
図3A】
図3Aは、本発明の実施形態における、クリップを備えたディスペンサシステムの透視図である
【0033】
【
図4】
図4は、 本発明の実施形態におけるディスペンサシステムを操作するダイヤグラムである
【0034】
参照番号は添付の図面全体を通じて、同様の要素については同じ記号を割り当てている。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明をよりよく理解するために、上記の図面に関連して、添付の特許請求の範囲を含む以下の詳細な説明を参照していただきたい。本発明は、例示的な実施形態に関連して説明するが、これは請求の範囲を特定の形態に限定することを意図するものではない。本発明と同等のものや、様々なバリエーションが考えられる事は承知しているが、この特許請求の範囲では本発明の本質から離れない範囲において、それらも網羅するものである。また、本明細書で使用される表現および用語は、単に説明を目的としたものであり、限定する意図はないことに留意をいただきたい。本明細書における「含む」、「構成する」、「備える」といった用語は、その後に記載されるものやその同等物などを含むという意味である。
【0036】
本明細書における「a」や「an」は(訳者注*原文の単数複数についての記載)、数を制限することを意図したものではなく、言及したものが少なくとも一つ存在することを意味するものである。
【0037】
本発明はディスペンサシステムである。本ディスペンサシステムには所定の容量が定められた液体を貯蔵する容器、液体を貯蔵する容器に関する複数の命令や情報を格納するメモリが備えられている。また、本容器にはディスペンサ用のポンプが備え付けられており、任意の容量を容器から定量排出することができる。また、人がディスペンサのポンプを圧迫したり、ポンプが作動した場合にそれを検知するセンサー、そしてそのセンサーやメモリと通信を行うプロセッサが含まれる。プロセッサはセンサーからの信号を受信した際に、メモリに格納された命令を処理して、容器の中身を排出する量を決定する。
【0038】
また別の実施形態においては、本ディスペンサシステムには、液体を貯蔵する容器、ディスペンサ用のポンプ、そしてこのディスペンサポンプにクリップで取り付ける電子システムがある。この電子システムにはプロセッサ、センサー、メモリ、通信機器が備えられている。
【0039】
本発明では液体を貯蔵する容器を備えたディスペンサシステムの補助システムも提供するものである。このディスペンサシステムには、液体を貯蔵する容器に関する複数の命令や情報を格納するメモリ、容器から液体が排出されたことを検知するセンサー、センサーやメモリと通信をするプロセッサが含まれている。プロセッサはセンサーからの信号を受信した際に、メモリに格納された命令を処理して、容器の中身を排出する量を決定する。
【0040】
図1は、ディスペンサシステム100の透視図である。本ディスペンサシステム100には、液体の容器102と、ディスペンサ用のポンプ104が含まれている。この液体の容器102には、石鹸、消毒剤、保湿剤等を貯蔵することができるがこれに限るものではない。またこの液体の容器102には所定の容量が決められている。この所定の容量を貯蔵するために所定の形状をとっている。頭部の例で言えば、液体の容器102は円柱状である。もちろんこの図に限るものではなく、液体の貯蔵に適した形状であれば構わない。
【0041】
本液体の容器102は、ユーザの要望に応じて、使い捨てでも詰め替え型のものでも良く、また携帯できるものでも、そうでないものでも構わない。この図の例のように、プラスチック製も考えられる。それ以外にも、ガラス、金属、樹脂なども考えられ、この点に一切の制限は無い。この液体の容器102の一端には、ネジ部が設けられている(この図では明示していない)。このネジ部が、ディスペンサ用のポンプ104を受け止める仕組みになっている。ディスペンサ用のポンプ204は液体の容器102に結合され、容器の中身を排出するように構成される。この図の例ではディスペンサ用のポンプ104は手動式である。それ以外にもディスペンサ用のポンプ204は自動または半自動で稼働するものがあり、手動に限定するものではない。
【0042】
ディスペンサ用のポンプ104には、首の部分、ポンプ部材(図には示していない)、注ぎ口106 が備えられている。首の部分は、液体の容器のねじ部分に結合される。 ポンプ部材は、首の部分を通って流体容器内に延びる。またポンプ部材の一端は液体の容器102内にあり、他端は注ぎ口106に結合されている。注ぎ口106は押したり、離したりすることで、液体の容器102の中身を排出するように構成される。
【0043】
図1および2では、ディスペンサシステム100には、補助システム200が備えられている。ある実施形態では、この補助システム200はスマート電子チップであり、注ぎ口106の上に配置される。この補助システム200は注ぎ口106と一体のものも可能である。この補助システム200 は液体の容器202から排出された液体の量を検知するように構成される。
図3Aに示す通り、この例では補助システム200はクリップで留めるタイプであり、注ぎ口106の上部に取り付けることができる。
【0044】
補助システム200には、メモリユニット202、センサー204、プロセッサ206、出力装置208、バッテリー210、通信装置212を備える。メモリユニット202は、液体の容器102に貯蔵される中身の液体に関する情報や命令を格納する。ある実施形態においては、液体の容器102に貯蔵される中身の液体に関する情報とは、液体の容器102に最初に投入された液体の量または液体の容器102の容量に関するものである。
【0045】
センサー204は液体の容器102から液体が排出された場合にこれを検知するように構成される。またこのセンサー204はこうした検知の際に信号を発するように構成される。ある実施形態においてはセンサー204はユーザーが注ぎ口106を押した瞬間シグナルを送信するように構成するものがある。このセンサー204は、タッチセンサー、圧力センサー、電気スイッチ、ひずみゲージなどのセンサーで定量排出することが考えられるがこれに限定されるものではない
【0046】
バッテリー210は、補助システム200に電力を供給するように構成される。ある実施形態においてはバッテリー210は充電式の電池で、メモリユニット202、センサー204、プロセッサ206、出力装置208に電力を供給するように構成される。
【0047】
プロセッサ206はセンサー204 やメモリ202と通信を行う。プロセッサ206はセンサー206から信号を受け取ると、メモリ202に格納してある命令を処理して、液体の容器102から排出する液体の量を決定する。ある実施形態においては、プロセッサ206が液体の容器102の内部の分量を計算するために、最初に液体の容器102に投入された量と、そこから排出された量を比較するものがある
【0048】
さらに、プロセッサ206によりセンサー204から信号を受け取る時間を測定するように構成されているものもあり、所定の時間が経過すると出力装置208から信号を出力するものがある。ある実施形態においては、プロセッサは206が出力装置208に出力させたあとの所要時間は10秒である。または、プロセッサ206が出力装置208に出力させた後の所要時間を10秒以上にすることもでき、例えば1時間でも構わない。これによりユーザに手を洗うように促すことができる。
【0049】
したがって、メモリ202やセンサー206からの情報に従ってプロセッサ206 は液体の容器102に残っている量や、容器102から排出された量を追跡する。
【0050】
またプロセッサは206 は計算に基づいた信号を通信装置212や出力装置208に送るように構成される。通信装置212はプロセッサ206からの信号を受信し、処理したデータを通信ネットワークを通じて通信するように構成される。通信装置212は、Bluetooth登録商標、Wi-Fi、 NFC装置、セルラー通信を含むが、これに限定するものではない。プロセッサ206から送信される信号には、液体の容器102に液体を補充する指示も含む。
【0051】
ある実施形態においては、通信装置212 はプロセッサ206からの信号をうけるとオンラインショッピングポータルと接続し、液体が完全になくなる前に再注文を行う。別の実施形態においては通信装置212 はプロセッサ206からの信号を受けると、スマートフォンなどのユーザのデバイスと通信を行い、液体が完全になくなる前にユーザが自分で容器の中身を購入できるようにうながすものもある。通信装置212は製品の販売元と通信を行うことで販売元からユーザに対して様々なオファーや再注文等のやりとりを行うことができる。
【0052】
さらに、プロセッサ206は、通信ユニット212を使って、ソフトウェアアプリケーションと通信することができる。これにより製品の使用パターンをユーザに送ることができる。ポンプを使用するようにユーザに促すこともできる。ユーザはこの使用状況に関するデータを表示して分析することも可能である。
【0053】
出力ユニット208は、プロセッサ206からの入力情報を受け取り、受け取った情報をもとに信号を出力する。出力ユニット208は、LED、スピーカー、バイブレーターなどが考えられるがこれに限定するものでは無い。出力装置からの出力としては、音声、視覚、触覚によるものが考えられ、この組み合わせも考えられる。例えば、出力装置208 はプロセッサ206から命令を受け取ると光を点滅させ、一定時間ユーザに製品の使用を促すことができる。製品の使用を促している間に、一定時間、音を鳴らしたり、音楽を流すこともできる。
【0054】
図4では、本発明の実施形態における、ディスペンサシステム300の操作方法が示されている。本手法300は、310において、センサーを通じて液体の容器から液体が排出されたことを検出することが含まれる。本手法300は、320において、プロセッサにより、排出された液体の量を計算したり、液体の排出からの経過時間を計算することを含む。本手法300は、330において、通信装置を通じて、容器から排出された液体の量を出力装置に送ることを含む。
【0055】
本手法300は、排出された液体の量と容器に入れておいた液体の量を比較することで容器内部に残っている液体量を計算するように設定することも含む。また本手法300は、容器から液体が排出されて一定の時間が経過すると出力を行うことも含む。
【0056】
以上から、本ディスペンサシステム100とその補助システム200は、既存の技術に勝るメリットや改善点を提供するものである。特に本発明は様々なメリットがあり、例えばユーザに衛生状態の維持を促すことができる。本発明はソープディスペンサなどに取り付けることが可能であり、定期的な手洗い用ユーザに奨励することが可能である。さらに、本発明は所定の時間手洗いをする(10秒など)ことをユーザに促すことができ、しかも正確な量の石鹸を提供することができる。さらに本発明は通信ネットワークを通じて通信を行うことができることから、様々な関連データをユーザに提供することができる。
【0057】
本発明に関して説明した実施形態は、説明の目的で例示したものである。そのため網羅的であるわけではなく、また本発明を一定の形態に限定することを意図するものではなく、また様々なバリエーションも当然考えられる。ここで紹介した実施形態は、本発明の原理をよりよく説明し、同業者に対して本発明の最も良い利用方法を紹介するとともに、利用に関して様々なバリエーションを想起させるためのものである。様々な同等の働きをするバリエーションが考えられる事は承知しているが、そうしたバリエーションも本発明の本質に反しない限り本特許請求の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0058】
100:ディスペンサシステム
102:液体の容器
104:ディスペンサ用のポンプ
204:ディスペンサ用のポンプ
106:注ぎ口
200:補助システム
202:液体の容器
202:メモリユニット
204:センサー
206:プロセッサ
208:出力装置
210:バッテリー
212:通信装置
212:通信ユニット
300:ディスペンサシステム
300:操作方法
310:センサーを通じて液体の容器から液体が排出されたことを検出する
320:プロセッサにより、排出された液体の量を計算したり、液体の排出からの経過時間を計算する。
330:通信装置を通じて、容器から排出された液体の量を出力装置に送る。
【国際調査報告】