(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-18
(54)【発明の名称】カテーテルおよびチューブイントロデューサ
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20220411BHJP
A61B 1/01 20060101ALI20220411BHJP
【FI】
A61M25/06 554
A61B1/01 511
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021517122
(86)(22)【出願日】2019-05-30
(85)【翻訳文提出日】2020-11-30
(86)【国際出願番号】 IB2019054502
(87)【国際公開番号】W WO2019229703
(87)【国際公開日】2019-12-05
(32)【優先日】2019-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520471416
【氏名又は名称】パットコム メディカル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】シュミッツ,クリストフ
【テーマコード(参考)】
4C161
4C267
【Fターム(参考)】
4C161AA01
4C161AA04
4C161AA07
4C161AA13
4C161BB00
4C161GG24
4C267AA15
4C267BB04
4C267BB11
4C267BB12
4C267BB13
4C267BB26
4C267BB31
4C267BB40
4C267BB62
4C267CC20
4C267EE03
4C267HH08
4C267HH14
(57)【要約】
概して本発明はカテーテル、内視鏡、および同様の医療デバイスを、食道内圧測定、食道pH試験、および経鼻栄養チューブの配置などの処置中に臓器および体腔に導入するように設計されたチューブ導入デバイスに関する。イントロデューサデバイス(100)は、第1の本体部分(101)と、第2の本体部分(102)と、医療デバイスを受け入れるように適合された内部チャンバとを有する細長い管状本体を有し、第1の本体部分は第2の本体部分より柔軟であり、デバイスの管状本体は、イントロデューサデバイスを医療デバイスから切り離せるように、少なくとも部分的に2つの実質的に半円形の半分に分離可能であるように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い管状本体であって、前記管状本体の第1の本体部分の端部に形成された第1の開口部から前記管状本体の第2の本体部分の端部に形成された第2の開口部まで延びる内部チャンバを画定する内面を有する実質的に円形の壁を有し、前記内部チャンバは医療デバイスを受け入れるように適合され、前記第1の本体部分は前記第2の本体部分よりも柔軟である細長い管状本体を備える、イントロデューサデバイス。
【請求項2】
前記第2の本体部分は前記第2の開口部が前記第1の開口部よりも大きな直径を有するように円錐形状を有する、請求項1に記載のイントロデューサデバイス。
【請求項3】
前記管状本体が、少なくとも部分的に2つの実質的に半円形の半分に分離可能であるように構成される、請求項1に記載のイントロデューサデバイス。
【請求項4】
前記細長い管状本体の前記円形の壁が、前記半円形の半分を定めかつその分離をもたらす分離要素を備えて構成される、請求項3に記載のイントロデューサデバイス。
【請求項5】
前記第1および第2の本体部分が同じ材料で形成される、請求項1に記載のイントロデューサデバイス。
【請求項6】
前記第2の本体部分が、前記第1の本体部分よりも多い材料層で形成される、請求項5に記載のイントロデューサデバイス。
【請求項7】
前記第1の本体部分が、前記第2の本体部分と異なる材料から形成される、請求項1に記載のイントロデューサデバイス。
【請求項8】
前記管状本体が、前記イントロデューサデバイスに挿入される前記医療デバイスよりも低い摩擦係数を有する外面を有する、請求項1に記載のイントロデューサデバイス。
【請求項9】
前記医療デバイスが内視鏡である、請求項1に記載のイントロデューサデバイス。
【請求項10】
前記管状本体のかなりの部分が、前記イントロデューサデバイスが実質的に管状の体管を通って移動することを可能にするように十分に細い外径を有する、請求項1に記載のイントロデューサデバイス。
【請求項11】
細長い管状本体であって、前記管状本体の第1の本体部分の端部に形成された第1の開口部から前記管状本体の第2の本体部分の端部に形成された第2の開口部まで延びる内部チャンバを画定する内面を有する実質的に円形の壁を有し、前記内部チャンバは医療デバイスを受け入れるように適合され、前記第1の本体部分は前記第2の本体部分よりも柔軟であり、前記管状本体は、少なくとも部分的に2つの実質的に半円形の半分に分離可能であるように構成される細長い管状本体を備える、イントロデューサデバイス。
【請求項12】
前記第2の本体部分は前記第2の開口部が前記第1の開口部よりも大きな直径を有するように円錐形状を有する、請求項11に記載のイントロデューサデバイス。
【請求項13】
前記細長い管状本体の前記円形の壁が、前記半円形の半分を定めかつその分離をもたらす分離要素を備えて構成される、請求項11に記載のイントロデューサデバイス。
【請求項14】
前記第1および第2の本体部分が同じ材料で形成される、請求項11に記載のイントロデューサデバイス。
【請求項15】
前記第2の本体部分が、前記第1の本体部分よりも多い材料層で形成される、請求項14に記載のイントロデューサデバイス。
【請求項16】
前記第1の本体部分が、前記第2の本体部分と異なる材料から形成される、請求項11に記載のイントロデューサデバイス。
【請求項17】
前記管状本体が、前記イントロデューサデバイスに挿入される前記医療デバイスよりも低い摩擦係数を有する外面を有する、請求項11に記載のイントロデューサデバイス。
【請求項18】
前記医療デバイスが内視鏡である、請求項11に記載のイントロデューサデバイス。
【請求項19】
前記管状本体のかなりの部分が、前記イントロデューサデバイスが実質的に管状の体管を通って移動することを可能にするように十分に細い外径を有する、請求項11に記載のイントロデューサデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年5月22日に出願された米国非仮特許出願第16/420,019号の利益を主張し、これは2018年6月1日に出願された米国仮特許出願第62/679,490号の利益を主張し、それらの開示内容全体は、参照により完全な形で本明細書に組み込まれる。
【0002】
概して本発明は医療デバイスおよび医療デバイスを使用する方法に関する。具体的には、本発明は、カテーテル、内視鏡、および同様の医療デバイスを、食道内圧測定、食道pH試験、および経鼻栄養チューブの配置などの処置中に臓器および体腔に導入するように設計されたチューブ導入デバイスならびにその使用法に関する。
【背景技術】
【0003】
体内使用のために多くの医療デバイスが開発されてきた。一般に、細長い管状デバイスが、患者の解剖学的構造内での可能な治療のために、そこを通る進路誘導を促すために使用される。カテーテル、プローブ、チューブおよび同様のものなど、様々な細長い管状の医療デバイスが開発されているが、それらには利点と欠点がある。従来のカテーテルおよび同様の管状デバイス、およびそのようなデバイスの配置処置によって突きつけられる固有の欠点は、配置プロセス中の視覚化の欠如である。カテーテルまたは同様の管状デバイスが配置されている場所を見ることができないと、患者は、カテーテルおよび同様のチューブを口、鼻腔、または食道に挿入する必要がある様々な処置中に不必要なレベルの不快感を経験する可能性がある。
【0004】
したがって、カテーテル、食道プローブ、チューブおよび同様の医療デバイスなど、視覚化機能を備えていない可能性のある医療デバイスの体の内腔および臓器への安定した挿入を促し、様々な体内処置中の患者の不快感を軽減する、内視鏡などの目視検査医療デバイスおよび他の医療デバイスの両方と適合性のあるイントロデューサデバイスが当技術分野において必要とされている。以下の本発明の概要を通じて、本発明のこれらおよび他の特徴および利点が説明され、当業者に明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、医療デバイスならびにその製造方法および使用方法である。いくつかの実施形態では、イントロデューサデバイスは、主に、内視鏡、プローブ、カテーテル、およびチューブなどの医療デバイスの外側部分と係合可能な細長い管状部材を含む。
【0006】
本発明の実施形態によれば、イントロデューサデバイスは、管状本体の第1の本体部分の端部に形成された第1の開口部から管状本体の第2の本体部分の端部に形成された第2の開口部まで延びる内部チャンバを画定する内面を有する実質的に円形の壁を有する細長い管状本体を含み、ここで、内部チャンバは医療デバイスを受け入れるように適合され、第1の本体部分は第2の部分よりも柔軟である。
【0007】
本発明の実施形態によれば、細長い管状本体は、少なくとも部分的に2つの実質的に半円形の半分に分離可能であるように構成され得る。
【0008】
この書かれた明細書に付随するのは、本発明の例示的な実施形態の図面の集合である。当業者は、これらが単なる例示的な実施形態であり、追加の代替の実施形態が存在し得、それらは本明細書に記載される本発明の趣旨の範囲内に依然として存在し得ることを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態による、イントロデューサデバイスの正面斜視図を示している。
【
図2】本発明の一実施形態による、イントロデューサデバイスの側面図を示している。
【
図3】本発明の一実施形態による、イントロデューサデバイスの断面図を示している。
【
図4A】本発明の一実施形態による、イントロデューサデバイスの使用を示す図であり、ここで、視覚化されている中で患者の体内にイントロデューサデバイスを挿入するために鼻咽頭鏡が利用されている。
【
図4B】本発明の一実施形態による、イントロデューサデバイスの使用を示す図であり、ここでイントロデューサデバイスは患者の体内に配置されている。
【
図4C】本発明の一実施形態による、イントロデューサデバイスの使用を示す図であり、ここで第2の医療デバイス、すなわちマノメトリープローブが、患者の体内に入るためにイントロデューサデバイスに挿入されている。
【
図4D】本発明の一実施形態による、イントロデューサデバイスの使用を示す図であり、ここでイントロデューサデバイスは患者の体内から取り除かれ、第2の医療デバイス、すなわち、マノメトリープローブは患者の体内でその一般的な位置を維持する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
概して本発明は内視鏡、カテーテル、チューブ、食道プローブおよび同様の医療デバイスの外側部分と係合可能な、細長い管状本体から構成されたイントロデューサデバイスに関する。
【0011】
内視鏡、カテーテル、および同様の細長い管状デバイスは、患者の内臓および血管を検査するために、医師および外科医などの医療専門家によって行われる医療処置中に利用される。内臓上で視覚化、検査、および/または処置を行うために口や鼻腔などの天然の体の開口部を利用する内視鏡処置には、食道胃十二指腸内視鏡検査(EGD)、気管支鏡検査、小腸内視鏡検査、喉頭鏡検査、および鼻咽頭鏡検査が含まれる。
【0012】
食道pH試験、食道内圧測定、および経鼻栄養チューブの植込みなど、天然の体の開口部を利用する様々な医療処置は、患者の口または鼻腔への細長い管状デバイスの挿入を必要とし、内視鏡の視覚化補助なしで実行される。これらおよび同様の処置は、カテーテルまたは同様の細長い管状デバイスを患者の口、鼻腔、または食道に挿入することを伴う。所与の処置のプロトコルに従って口または鼻腔を介して挿入されると、そのような処置中に利用される医療デバイスは、医師を含む医療専門家が、食道および胃を含む胃腸(GI)管などの臓器および内腔上で検査、治療、および/または処置を行うことを可能にする。
【0013】
従来、医療デバイスを患者の口腔または鼻腔あるいは食道に挿入する必要がある処置中、医師は、デバイスの正確な位置を視覚化する能力も知る能力もなしに、患者の鼻腔または口の中にカテーテルまたは同様の医療デバイスを配置し、医師は、デバイスが患者の体の障壁、例えば、挿入が患者の鼻を通して行われる処置では咽頭後壁に到達するまで、管状デバイスを継続的に挿入する。このプロセスは、視覚化を提供する内視鏡を使用せずに実行されるため、デバイスが患者の咽頭内にあると医師が信じるまで、デバイスは操作される必要がある。医師は、患者の咽頭に沿った医療デバイスの正確な位置を知ることなく、医師がデバイスを前方に押している間、デバイスを飲み込むための複数の試みを開始するように患者に求める。デバイスが最終的に飲み込まれるまで、複数回の飲み込みの試みが開始され、デバイスが患者の食道に挿入される。内視鏡も医療デバイスの位置を視覚化する能力もなしにこの処置に着手すると、カテーテル、食道プローブ、チューブ、または同様の医療デバイスを口または鼻腔から食道に挿入するプロセスは、これらのものなど検査および処置を遵守する必要のある医療を受けている患者にとって不快になり、時には耐えられないものとなる。さらに、医療デバイスが患者の食道ではなく患者の気管に誤って挿入される可能性があるため、機能的な視覚化なしに医療デバイスを配置しようとすると、患者にとって危険な処置になる可能性がある。したがって、本発明の実施形態によるイントロデューサデバイスは、視覚化機能を有する内視鏡などの医療デバイス、およびカテーテル、マノメトリープローブおよび同様のプローブまたは細長い医療デバイスまたはこれらの一部および他の医療デバイスと結合して、医療デバイスを挿入する前の視覚化を可能にし、そのような医療デバイスを口または鼻を通して食道に簡単かつ快適に挿入することを可能にするために必要である。
【0014】
本発明の一態様は、視覚化能力を有する内視鏡デバイスと、視覚化能力を欠く医療デバイスを含む他の医療デバイスの両方と結合するように構成されたイントロデューサデバイスを提供することである。例えば、イントロデューサデバイスは、内視鏡と結合して、医師が挿入プロセスを視覚化しながら、イントロデューサデバイスおよび内視鏡を患者の食道に挿入することを可能にし得る。イントロデューサデバイスと内視鏡が食道に所望の程度まで挿入されると、医師は、イントロデューサデバイス内から内視鏡を後退させ、第2の医療デバイス、例えば、視覚化能力を欠く医療デバイスを、患者の解剖学的構造内に位置する食道などの所望の臓器および内腔上で検査、治療、または伝導試験を実行するためにイントロデューサデバイスに挿入することができる。
【0015】
概して本発明の実施形態は、1つの点で、鼻または口を介して食道へ内視鏡または同様の視覚化デバイスを挿入する間の視覚化を可能にし、第2の点で、イントロデューサデバイスの位置を維持しながら内視鏡の後退を可能にし、視覚化により所望の体腔または臓器に配置されたイントロデューサデバイスを介して第2の医療デバイスを所望の体腔に導入することを可能にする、内視鏡および他の医療デバイスの両方の外側部分と係合可能な細長い管状部材を含むイントロデューサデバイスに関する。
【0016】
イントロデューサの様々な実施形態は、イントロデューサおよび他の医療デバイスの両方の食道への導入を、患者にとってより快適で許容できるようにするように設計されている。さらに、イントロデューサの新しい構造により、従来の体内医療デバイスを患者が飲み込むためにこれまで必要だった、失敗に終わる痛みを伴う飲み込みの試みの数が減少される。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態によれば、イントロデューサの第1の本体部分は、実質的に柔軟で弾性のある材料から構成され得、第2の本体部分は、実質的に剛性の材料から構成され得る。いくつかの実施形態では、第1および第2の本体部分は同じ材料で形成され、第1の本体部分は1つの材料層から形成され、第2の本体部分はいくつかの材料層から形成され、第2の本体部分を第1の本体部分よりも剛性にする。本発明のいくつかの実施形態では、イントロデューサデバイスの第1の本体部分およびイントロデューサデバイスの第2の本体部分は、集合的に単一の連続した実質的に中空のチューブを形成し、それによって、イントロデューサデバイスの第1の本体部分に形成された第1の開口部と、イントロデューサデバイスの第2の本体部分に形成された第2の開口部とを提供する。好ましい実施形態では、イントロデューサデバイスの第1の本体部分は、最初に患者に挿入されるイントロデューサデバイスの部分であり、したがって、患者内の最も内側にあるイントロデューサデバイスの部分であるように構成される。逆に、イントロデューサデバイスの第2の本体部分は、一般に、最初に医療デバイスを受け入れ、常に患者の外部に留まるイントロデューサデバイスの部分であるように構成される。
【0018】
本発明の一実施形態では、イントロデューサデバイスの第1および第2の本体部分の両方が、内視鏡および他の医療デバイスとの係合を促し、様々な体内処置中に医療デバイスを臓器または体腔に導入する。他の実施形態では、第1または第2の本体部分のいずれか一方のみが、内視鏡および他の医療デバイスと係合して、様々な体内処置中に内視鏡および医療デバイスを臓器または体腔に導入する。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態によれば、イントロデューサデバイスの第1の本体部分は、イントロデューサデバイスと食道などの臓器および管腔との流体係合を促すために弾性で柔軟な材料から形成され、それを通して内視鏡、カテーテル、マノメトリープローブ、チューブ、または他の医療デバイスなどの医療デバイスあるいは医療デバイスの一部が移動するように意図され、それにより患者の快適性が向上し、挿入プロセス中のデバイスのスムーズで安定した係合が促される。さらに、イントロデューサデバイスの第1の本体部分を形成する弾性で柔軟な材料により、内視鏡の関節機能を利用してデバイスを配置することが可能になる。いくつかの実施形態では、内視鏡によって与えられる関節力を使用して、イントロデューサデバイスの第1の本体部分の先端を所望の方向に曲げて、イントロデューサデバイスの配置をさらに容易にすることができる。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、イントロデューサデバイスは、第1および第2の本体部分の両方の対向する側壁に沿って分離要素を含み得、イントロデューサを2つの実質的に半円形の半分に分離可能にする。本発明の実施形態によれば、分離要素はスリットであり得る。いくつかの実施形態では、分離要素は溝であり得る。いくつかの実施形態では、分離要素は、ミシン目であり得る。いくつかの実施形態では、分離要素は波形の線であり得る。いくつかの実施形態では、分離要素は、イントロデューサデバイスを形成するために使用される同じまたは類似の材料の実質的に薄い層であり得る。いくつかの実施形態では、イントロデューサデバイスの第1の本体部分のみが、その対向する側壁に沿って分離要素を含み、第1の本体部分を2つの実質的に半円形の半分に分離可能にする。いくつかの実施形態では、イントロデューサデバイスの第2の本体部分のみが、その対向する側壁に沿って分離要素を含み、第2の本体部分を2つの実質的に半円形の半分に分離可能にする。いずれの実施形態においても、分離要素は、医療デバイスからのイントロデューサデバイスの切り離しを支援し、その結果、医療デバイスが患者内に維持されている間に、医療デバイスの上からイントロデューサデバイスを取り外すことができ、この際、医療デバイスを取り外す必要はなく、その変位を引き起こすこともない。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、イントロデューサデバイスの外面は、内視鏡または他の医療デバイスよりも低い摩擦係数を有する材料で構成され、医療デバイスを患者に挿入する従来の処置に関連する不快感の量を低減する。いくつかの実施形態では、第1の本体部分の端部の開口部は、イントロデューサデバイスが体腔に挿入されたときの患者の不快感を軽減するために丸みを帯びている、または湾曲している。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、イントロデューサデバイスの第2の開口部は、患者の鼻腔へのイントロデューサデバイスの挿入を支援するための円錐形プロファイルを有するフレア端部を含む。いくつかの実施形態では、円錐形プロファイルは、ノッチまたはインデントを含む。イントロデューサデバイスが、患者の鼻腔を通して体内に導入するように意図された医療デバイスと組み合わせて使用される状況では、フレアまたは円錐形プロファイルにより、イントロデューサデバイスが必要以上に鼻通路に挿入されることが防止される。例えば、患者の鼻腔を通して導入することを意図された鼻咽頭鏡または同様の内視鏡、およびイントロデューサデバイスは、イントロデューサデバイスのフレア端部が鼻通路の遠位端に配置されるまで、可能な限り前に進められる。内視鏡に結合されたイントロデューサデバイスがフレア端部によって許可される範囲まで前に進められると、内視鏡はイントロデューサデバイス内から後退され、第2の医療デバイスがイントロデューサデバイスの開口部を通して患者に挿入され得る。
【0023】
本発明の実施形態によれば、イントロデューサデバイスの第2の開口部のフレアは、イントロデューサデバイスを保持するように構成されたホルダに取り付けられ得る。別の実施形態では、ホルダは、イントロデューサデバイスの所望の体腔への挿入を容易にする。
【0024】
図1~4に目を向けると、本発明の一実施形態による医療デバイスが示されている。
図1~3に示されるように、イントロデューサデバイス100は、第1の本体部分101および第2の本体部分102を備える。第1の本体部分101は、第2の本体部分102よりも長さが長い場合がある。
図1に示されるように、第1の本体部分101および第2の本体部分102は、集合的に単一の連続した実質的に中空のチューブを形成し、第1の本体部分101の端部に形成された第1の開口部103と、第2の本体部分102の端部に形成された第2の開口部104とを備える。いくつかの実施形態では、第1の本体部分101は、柔軟で弾性のある材料で形成され、第2の本体部分102は、実質的に剛性の材料で形成される。いくつかの実施形態では、第1および第2の本体部分101および102は同じ材料で形成され、第1の本体部分101は材料の1つの材料層から形成され、第2の本体部分102はいくつかの材料層から形成され、第2の本体部分102を第1の本体部分101よりも剛性にする。いくつかの実施形態では、イントロデューサデバイス100の第2の本体部分102の第2の開口部104は、フレア端部を含み得る。いくつかの実施形態では、イントロデューサデバイスの少なくとも一部は、ポリ塩化ビニル(PVC)材料から形成されている。いくつかの実施形態では、イントロデューサデバイスの少なくとも一部は、ポリカーボネート(PC)材料から形成されている。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態によれば、第1の本体部分101は、最初に患者に挿入されるイントロデューサデバイス100の部分であり、したがって、患者の最も内側にあるイントロデューサデバイス100の部分であるように構成される。逆に、イントロデューサデバイス100の第2の本体部分102は、一般に、最初に医療デバイスを受け入れ、常に患者の外部に留まるイントロデューサデバイス100の部分であるように構成される。
【0026】
本発明の一実施形態では、イントロデューサデバイス101の第1の本体部分101および第2の本体部分102の両方が、第1の例において内視鏡などの医療デバイスおよび第2の例においてチューブ、プローブ、およびカテーテルなどの他の医療デバイスの導入のために内視鏡、チューブ、プローブ、カテーテルおよび同様のものなどの医療デバイスとの係合を促して、様々な体内処置中にこれらの医療デバイスを臓器または体腔に導入する。他の実施形態では、第1の本体部分101または第2の本体部分102のいずれか一方のみが、様々な体内処置中に、選択された医療デバイスおよびイントロデューサデバイス100を臓器または体腔に導入するためにそれら医療デバイスと係合する。いくつかの実施形態では、イントロデューサデバイス100は、内視鏡または他の医療デバイスのプローブまたはチューブよりも長さが長い。いくつかの実施形態では、イントロデューサデバイス100は、内視鏡または他の医療デバイスのプローブまたはチューブよりも長さが短い。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、イントロデューサデバイスは、第1の本体部分101および第2の本体部分102の両方の対向する側壁に沿って分離要素105を含み得、イントロデューサデバイス100を2つの実質的に半円形の半分に分離可能にする。本発明の実施形態によれば、分離要素105はスリットであり得る。いくつかの実施形態では、分離要素105は溝であり得る。いくつかの実施形態では、分離要素105は、ミシン目であり得る。いくつかの実施形態では、分離要素105は、波形の線であり得る。いくつかの実施形態では、分離要素105は、イントロデューサデバイス100を作製するために使用される同じまたは類似の材料の実質的に薄い層であり得る。いくつかの実施形態では、イントロデューサデバイス100の第1の本体部分101のみが、その対向する側壁に沿って分離要素105を含み、第1の本体部分101を2つの実質的に半円形の半分に分離可能にする。いくつかの実施形態では、イントロデューサデバイス100の第2の本体部分102のみが、その対向する側壁に沿って分離要素105を含み、第2の本体部分102を2つの実質的に半円形の半分に分離可能にする。いかなる実施形態においても、分離要素105は、医療デバイスからのイントロデューサデバイス100の切り離しを支援し、その結果、医療デバイスが患者内に維持されている間に医療デバイスの上からイントロデューサデバイス100を取り外すことができ、この際医療デバイスを取り外す必要はなく、その変位を引き起こすこともない。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、イントロデューサデバイス100の外面は、内視鏡などの医療デバイスよりも低い摩擦係数を有する材料で構成され、医療デバイスを患者に挿入する従来の処置に関連する不快感の量を低減する。
【0029】
本発明の例示的な実施形態によれば、イントロデューサデバイス100の第2の開口部104は、フレア端部106を有し得る。いくつかの実施形態では、フレア端部106は、患者の鼻腔へのイントロデューサの挿入を支援するための円錐形プロファイルを有する。いくつかの実施形態では、円錐形プロファイルは、ノッチまたは窪みを有し得る。イントロデューサデバイス100が、患者の鼻腔を通して体内に導入するように意図された医療デバイスと組み合わせて使用される状況では、フレアまたは円錐形プロファイルにより、イントロデューサデバイスが必要以上に鼻通路に挿入されることが防止される。例えば、患者の鼻腔を通して導入することを意図された鼻咽頭鏡または同様の内視鏡、およびイントロデューサデバイス100は、イントロデューサデバイス100のフレア端部が鼻通路の遠位端に配置されるまで、可能な限り前に進められる。内視鏡に結合されたイントロデューサデバイス100がフレア端部によって許可される範囲まで前に進められると、内視鏡はイントロデューサデバイス100内から後退され、チューブ、カテーテルまたは他のプローブなどの第2の医療デバイスがイントロデューサデバイス100を通して患者に挿入され得る。
【0030】
いくつかの実施形態によれば、イントロデューサデバイス101の第2の開口部104のフレアは、イントロデューサデバイス101を保持するように作られたホルダに取り付けられる。いくつかの実施形態では、ホルダはイントロデューサデバイスの所望の体腔への挿入を容易にする。
【0031】
図4Aに示されるように、イントロデューサデバイス100は、内視鏡をイントロデューサデバイス100の中へ、それを通して挿入することによって利用することができる。イントロデューサデバイス100は、医療デバイスのプローブよりも長さが短い場合があり、その結果、それらデバイスが互いに結合されている場合、プローブの端部はデバイス100によって覆われない。内視鏡をオンにして、ビデオイメージングや光生成などのデバイスの視覚化プロトコルをアクティブにすることができる。次に、イントロデューサデバイス100に結合された内視鏡を体内に挿入することができる。イントロデューサデバイス100は、挿入プロセス中に必要に応じて曲がり得る。例えば、イントロデューサデバイス100が患者の鼻を通して挿入されている場合、イントロデューサデバイス100は、内視鏡とともに患者の鼻の中を移動し、患者の喉を通って患者の食道を下って移動し続けるために曲がる。イントロデューサデバイス100は、医療専門家が必要なまたは望む範囲まで身体に挿入することができる。
図4Bに示されるように、内視鏡はイントロデューサデバイス100から切り離されて取り除かれ得る一方、イントロデューサデバイス100はそれを患者の体内の一般的な位置に維持する。
【0032】
図4Cに示されるように、内視鏡の支援のもとイントロデューサデバイス100を設置した後、第2の医療デバイスのプローブを、イントロデューサデバイス100を介して体に容易に挿入することができる。
図4Dに示されるように、医療専門家によって決定されるように医療デバイスが適切な位置に配置されると、イントロデューサデバイス100は、イントロデューサデバイス100を医療デバイスから離れるように滑らせて体の外に出すことによって体から取り除くことができる一方、医療デバイスは体内でその一般的な位置を維持する。イントロデューサデバイス100が体の外部に置かれると、イントロデューサデバイス100の対向する側壁に設けられたイントロデューサデバイス100の分離要素105をスライスすることによってイントロデューサデバイス100を2つの実質的に半円形の半分に分割することによって、イントロデューサデバイス100を医療デバイスの周囲から切り離し、取り除くことができる。
【0033】
本発明の実施形態によれば、イントロデューサデバイス100は、実質的に円形の壁を有する細長い管状本体を備え、内部チャンバを画定するその内面は管状本体の第1の本体部分101の端部に形成された第1の開口部103から、管状本体の第2の本体部分102の端部に形成された第2の開口部104まで延び、ここで内部チャンバは医療デバイスを受け入れるように適合され、第1の本体部分は第2の部分よりも柔軟である。いくつかの実施形態では、細長い管状本体は、少なくとも部分的に2つの実質的に半円形の半分に分離可能であるように構成され得る。
【0034】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記載することのみを目的としており、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連するリストされたアイテムの1つまたは複数のありとあらゆる組み合わせを含む。さらに、本明細書で使用される場合、「含む、備える(comprises)」および/または「含む、備える(comprising)」という用語は、記載された特徴、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことはさらに理解されるだろう。
【0035】
複数の実施形態が開示されているが、本発明のさらに他の実施形態は、この詳細な記載から当業者に明らかになるであろう。本発明は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な明白な態様において無数の修正を行うことができる。したがって、図面および記載は、本質的に例示的なものと見なされるべきであり、限定的なものではない。
【国際調査報告】