(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-19
(54)【発明の名称】電気的アクティブアセンブリおよびそれを含む衣類アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A41D 13/002 20060101AFI20220412BHJP
A47C 7/74 20060101ALI20220412BHJP
A41D 13/00 20060101ALI20220412BHJP
A41D 13/05 20060101ALI20220412BHJP
A41D 13/08 20060101ALI20220412BHJP
A41D 13/06 20060101ALI20220412BHJP
A61F 7/00 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
A41D13/002
A47C7/74 D
A41D13/00 102
A41D13/05 143
A41D13/08 101
A41D13/06
A41D13/05 118
A61F7/00 300
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021536217
(86)(22)【出願日】2018-12-24
(85)【翻訳文提出日】2021-08-12
(86)【国際出願番号】 IB2018001609
(87)【国際公開番号】W WO2020136386
(87)【国際公開日】2020-07-02
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519434156
【氏名又は名称】クリム8
(74)【代理人】
【識別番号】100139723
【氏名又は名称】樋口 洋
(72)【発明者】
【氏名】ゲリテ,ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】ミゲ,フローリアン
(72)【発明者】
【氏名】ムエット,ピエール
【テーマコード(参考)】
3B011
3B084
4C099
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AA05
3B011AA06
3B011AA12
3B011AA14
3B011AA15
3B011AC01
3B011AC18
3B084JE02
3B084JF03
4C099AA05
4C099JA01
4C099NA05
(57)【要約】
本発明は、熱、冷気または相対湿度のような物理的効果を生成するための電気的アクティブアセンブリ、および、上記の電気的アクティブアセンブリを含む、衣類アセンブリのようなテキスタイルアセンブリに関し、ユーザの体の温度または湿度を調節するためのシステムに適用される。電気的アセンブリは、第1のテキスタイルサポート;上記の物理的効果を生成し、電源に接続されるために適合され、上記の第1のテキスタイルサポート上またはその内部に位置する、第1の能動素子1;温度または湿度のような物理的情報に関するデータを感知し、電源に接続されるために適合され、上記の第1のテキスタイルサポート上またはその内部に位置する、第1のセンサ2;および第1の能動素子および第1のセンサに接続され、上記の第1のテキスタイルサポート上またはその内部に位置する、第1の制御ユニット3を備え、上記の第1のセンサにより感知されるデータに応じて、上記の第1の能動素子の第1の制御ユニットによるアクティブ化/非アクティブ化が可能となる。電気的アセンブリはまた、上記の第1のテキスタイルサポートと別個の第2のテキスタイルサポート;上記の物理的効果を生成し、電源に接続されるために適合され、上記の第2のテキスタイルサポート上またはその内部に位置する、第2の能動素子4;物理的情報に関するデータを感知し、電源に接続されるために適合され、上記の第2のテキスタイルサポート上またはその内部に位置する、第2のセンサ5;および第2の能動素子および第2のセンサに接続され、上記の第2のテキスタイルサポート上またはその内部に位置する、第2の制御ユニット6を備え、上記の第2のセンサにより感知されるデータに応じて、上記の第2の能動素子の第2の制御ユニットによるアクティブ化/非アクティブ化が可能となる。第1の制御ユニットは、第2の能動素子および第2のセンサに接続され、前記第2のセンサおよび/または前記第1のセンサによって感知されたデータに応じて、前記第1の制御ユニットによる前記第2の能動素子のアクティブ化/非アクティブ化を可能にする、および/または、前記第2の制御ユニットは、前記第1の能動素子および前記第1のセンサに接続され、前記第1のセンサおよび/または前記第2のセンサによって感知されたデータに応じて、前記第2の制御ユニットによる前記第1の能動素子のアクティブ化/非アクティブ化を可能にする。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱、冷気または相対湿度のような少なくとも1つの物理的効果を生成するための電気的アクティブアセンブリであって、
-第1のテキスタイルサポート;
-前記物理的効果を生成し、電源に接続されるために適合され、前記第1のテキスタイルサポート上またはその内部に位置する、第1の能動素子(1);
-温度または湿度のような物理的情報に関するデータを感知し、電源に接続されるために適合され、前記第1のテキスタイルサポート上またはその内部に位置する、第1のセンサ(2);および
-前記第1の能動素子(1)および前記第1のセンサ(2)に接続され、前記第1のテキスタイルサポート上またはその内部に位置する、第1の制御ユニット(3)
を備え、
前記第1のセンサ(2)により感知されるデータに応じて、前記第1の能動素子(1)の前記第1の制御ユニット(3)によるアクティブ化/非アクティブ化が可能となり、
前記電気的アセンブリはさらに、
-前記第1のテキスタイルサポートと別個の第2のテキスタイルサポート;
-前記物理的効果を生成し、電源に接続されるために適合され、前記第2のテキスタイルサポート上またはその内部に位置する、第2の能動素子(4);
-物理的情報に関するデータを感知し、電源に接続されるために適合され、前記第2のテキスタイルサポート上またはその内部に位置する、第2のセンサ(5);および
-前記第2の能動素子(4)および前記第2のセンサ(5)に接続され、前記第2のテキスタイルサポート上またはその内部に位置する、第2の制御ユニット(6)
を備え、
前記第2のセンサ(5)により感知されるデータに応じて、前記第2の能動素子(4)の前記第2の制御ユニット(6)によるアクティブ化/非アクティブ化が可能となり、
前記第1の制御ユニット(3)は、前記第2の能動素子(4)および前記第2のセンサ(5)に接続され、前記第2のセンサ(5)および/または前記第1のセンサ(2)によって感知されたデータに応じて、前記第1の制御ユニット(3)による前記第2の能動素子(4)のアクティブ化/非アクティブ化を可能にする、および/または、前記第2の制御ユニット(6)は、前記第1の能動素子(1)および前記第1のセンサ(2)に接続され、前記第1のセンサ(2)および/または前記第2のセンサ(5)によって感知されたデータに応じて、前記第2の制御ユニット(6)による前記第1の能動素子(1)のアクティブ化/非アクティブ化を可能にする
ことを特徴とする、電気的アクティブアセンブリ。
【請求項2】
前記第2の能動素子(4)および前記第2のセンサ(5)は、それぞれの直接接続点(10、11)を介して前記第1の制御ユニット(3)に直接接続されており、前記第2のセンサ(5)によって感知され対応する接続点(10)を介して前記第1の制御ユニット(3)によって受信されたデータ、および/または、前記第1のセンサ(2)によって感知され前記第1または第2の制御ユニット(3、6)によって受信されたデータに応じて、対応する接続点(11)を介して前記第1の制御ユニット(3)による前記第2の能動素子(4)の直接のアクティブ化/非アクティブ化が可能となることを特徴とする、請求項1に記載の電気的アクティブアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の能動素子(1)および前記第1のセンサ(2)は、それぞれの直接接続点(14、13)を介して前記第2の制御ユニット(6)に直接接続されており、前記第1のセンサ(2)によって感知され対応する接続点(13)を介して前記第2の制御ユニット(6)によって受信されたデータ、および/または、前記第2のセンサ(5)によって感知され前記第1または第2の制御ユニット(3、6)によって受信されたデータに応じて、対応する接続点(14)を介して前記第2の制御ユニット(6)による前記第1の能動素子(1)の直接のアクティブ化/非アクティブ化が可能となることを特徴とする、請求項1または2に記載の電気的アクティブアセンブリ。
【請求項4】
前記第2の制御ユニット(6)は、前記第1の制御ユニット(1)と接続することができ、前記第1のセンサ(2)によって感知され前記第1の制御ユニット(3)を介して前記第2の制御ユニット(6)によって受信されたデータ、および/または、前記第2のセンサ(5)によって感知され前記第2の制御ユニット(6)によって受信されたデータに応じて、前記第1の制御ユニット(3)を介して前記第2の制御ユニット(6)による前記第1の能動素子(1)のアクティブ化/非アクティブ化が可能となることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の電気的アクティブアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の制御ユニット(3)は、前記第2の制御ユニット(6)と接続することができ、前記第2のセンサ(5)によって感知され前記第2の制御ユニット(6)を介して前記第1の制御ユニット(3)によって受信されたデータ、および/または、前記第1のセンサ(2)によって感知され前記第1の制御ユニット(3)によって受信されたデータに応じて、前記第2の制御ユニット(6)を介して前記第1の制御ユニット(3)による前記第2の能動素子(4)のアクティブ化/非アクティブ化が可能となることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の電気的アクティブアセンブリ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の電気的アクティブアセンブリを備えるテキスタイルアセンブリ。
【請求項7】
第1のテキスタイル要素および該第1のテキスタイル要素とは別個の第2のテキスタイル要素を含み、第1のテキスタイルサポートは前記第1のテキスタイル要素の一部であり、第2のテキスタイルサポートは前記第2のテキスタイル要素の一部であることを特徴とする、請求項6に記載のテキスタイルアセンブリ。
【請求項8】
前記第1および第2のテキスタイル要素の一方は、体の第1の部位に着用されるテキスタイル要素であり、前記第1および第2のテキスタイル要素の他方は、前記第1の部位とは異なる体の第2の部位に着用されるテキスタイル要素であることを特徴とする、請求項7に記載のテキスタイルアセンブリ。
【請求項9】
前記体はユーザの体であり、前記第1および第2のテキスタイル要素は、第1および第2の衣類であり、前記第1および第2の衣類の一方は、胸などのユーザの体の第1の部位に着用される衣類であり、前記第1および第2の衣類の他方は、頭、足、手、脚などの前記第1の部位とは異なるユーザの体の第2の部分に着用される衣類であることを特徴とする、請求項8に記載のテキスタイルアセンブリ。
【請求項10】
前記第1および第2のテキスタイル要素は、体の同じ部位に着用されるテキスタイル要素であることを特徴とする、請求項7に記載のテキスタイルアセンブリ。
【請求項11】
前記体はユーザの体であり、前記第1および第2のテキスタイル要素は、第1および第2の衣類であり、前記第1および第2の衣類は、胸などのユーザの体の同じ部位に着用される衣類であることを特徴とする、請求項10に記載のテキスタイルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱、冷気または湿度などの物理的効果を生じるための電気的アクティブアセンブリに関し、体の一部、特にユーザの体の一部の温度または湿度を調節するための温度調節システムを特定用途とする。
【0002】
本発明はまた、上記の電気的アクティブアセンブリを含む、衣類アセンブリなどのテキスタイルアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
熱的快適性は、人の体内の温度と体の表面の温度によって決まる。人の深部体温は一般に37℃であり、また人の平均皮膚温度は一般に33℃である。例えば、風が強くなったり特別に日照りの日など、環境が変化した場合、あるいは人が涼しい場所に移動した場合、人は温度感覚で不快になる。一般的な状況では、温度感覚での不快感は、核心温度の変化ではなく、ユーザの皮膚温度が変化したときにユーザに感じられる。
【0004】
衣類に使用される従来の化学または電気加熱システムは、比較的高レベルで簡単に熱を供給することができる。現在利用可能なほとんどのデバイスは、ユーザが手動で調整できる加熱パッド付きのウェアラブル衣服(wearable garments)からなる。少なくともいくつかのデバイスでは、加熱パッドは等しい熱出力を生成し、すべての加熱パッドが作動して熱を提供する。既存の製品は、多くの場合、かさばり、重く、手動操作が必要であり、その作動範囲が限られている。
【0005】
体の同じ部位にシャツとジャケットのような2つを重ねるためでも体の異なる部位に手袋とシャツのような2つを身につけるためでも、2つがそれぞれ独自の電熱システムを含む場合、ユーザが2つの衣服を身につけようとすると、ユーザは、両方の設定を別々に調整しなければならず、両者の動作は互いに独立している。これによって、システムの効率のためにユーザの体の1つの部位の周りでユーザの体の他の部位に対応して何が起こっているかを考慮することができない。これによってまた、システムの効率のために衣服の一方の周りで衣服の他方に対応して何が起こっているかを考慮することができない。
【0006】
これに加えて、2つの衣服のうちの1つにおける電気システムの1つが機能しない場合、ユーザは、電気システムを修理するかまたは新しい衣服を購入しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は、他の問題の中でもとりわけ上記の問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のために、本発明は、局所的な物理的効果のアクティブな調節のための構成要素を実施する2つの独立したテキスタイルサポートを備え、交差調節を可能にする、電気的アセンブリを提案する。
【0009】
第1の態様によれば、本発明の対象は、熱、冷気または相対湿度のような少なくとも1つの物理的効果を生成するための電気的アクティブアセンブリであり、
-第1のテキスタイルサポート;
-上記の物理的効果を生成し、電源に接続されるために適合され、上記の第1のテキスタイルサポート上またはその内部に位置する、第1の能動素子;
-温度または湿度のような物理的情報に関するデータを感知し、電源に接続されるために適合され、上記の第1のテキスタイルサポート上またはその内部に位置する、第1のセンサ;および
-第1の能動素子および第1のセンサに接続され、上記の第1のテキスタイルサポート上またはその内部に位置する、第1の制御ユニット
を備え、
上記の第1のセンサにより感知されるデータに応じて、上記の第1の能動素子の第1の制御ユニットによるアクティブ化/非アクティブ化が可能となる。
【0010】
電気的アセンブリはさらに、
-上記の第1のテキスタイルサポートと別個の第2のテキスタイルサポート;
-上記の物理的効果を生成し、電源に接続されるために適合され、上記の第2のテキスタイルサポート上またはその内部に位置する、第2の能動素子;
-物理的情報に関するデータを感知し、電源に接続されるために適合され、上記の第2のテキスタイルサポート上またはその内部に位置する、第2のセンサ;および
-第2の能動素子および第2のセンサに接続され、上記の第2のテキスタイルサポート上またはその内部に位置する、第2の制御ユニット
を備え、
上記の第2のセンサにより感知されるデータに応じて、上記の第2の能動素子の第2の制御ユニットによるアクティブ化/非アクティブ化が可能となる。
【0011】
第1の制御ユニットは、第2の能動素子および第2のセンサに接続され、前記第2のセンサおよび/または前記第1のセンサによって感知されたデータに応じて、前記第1の制御ユニットによる前記第2の能動素子のアクティブ化/非アクティブ化を可能にする、および/または、前記第2の制御ユニットは、前記第1の能動素子および前記第1のセンサに接続され、前記第1のセンサおよび/または前記第2のセンサによって感知されたデータに応じて、前記第2の制御ユニットによる前記第1の能動素子のアクティブ化/非アクティブ化を可能にする。
【0012】
いくつかの実施形態では、電気的アクティブアセンブリは、単独でまたは任意の技術的に可能な組合せに従って、以下の特徴の1つまたは複数をさらに備える:
-前記第2の能動素子および前記第2のセンサは、それぞれの直接接続点を介して前記第1の制御ユニットに直接接続されており、前記第2のセンサによって感知され対応する接続点を介して前記第1の制御ユニットによって受信されたデータ、および/または、前記第1のセンサによって感知され前記第1または第2の制御ユニットによって受信されたデータに応じて、対応する接続点を介して前記第1の制御ユニットによる前記第2の能動素子の直接のアクティブ化/非アクティブ化が可能となる;
-前記第1の能動素子および前記第1のセンサは、それぞれの直接接続点を介して前記第2の制御ユニットに直接接続されており、前記第1のセンサによって感知され対応する接続点を介して前記第2の制御ユニットによって受信されたデータ、および/または、前記第2のセンサによって感知され前記第1または第2の制御ユニットによって受信されたデータに応じて、対応する接続点を介して前記第2の制御ユニットによる前記第1の能動素子の直接のアクティブ化/非アクティブ化が可能となる;
-前記第2の制御ユニットは、前記第1の制御ユニットと接続することができ、前記第1のセンサによって感知され前記第1の制御ユニットを介して前記第2の制御ユニットによって受信されたデータ、および/または、前記第2のセンサによって感知され前記第2の制御ユニットによって受信されたデータに応じて、前記第1の制御ユニットを介して前記第2の制御ユニットによる前記第1の能動素子のアクティブ化/非アクティブ化が可能となる;
-前記第1の制御ユニットは、前記第2の制御ユニットと接続することができ、前記第2のセンサによって感知され前記第2の制御ユニットを介して前記第1の制御ユニットによって受信されたデータ、および/または、前記第1のセンサによって感知され前記第1の制御ユニットによって受信されたデータに応じて、前記第2の制御ユニットを介して前記第1の制御ユニットによる前記第2の能動素子のアクティブ化/非アクティブ化が可能となる。
【0013】
第2の態様によれば、本発明の対象はまた、上記に提示されたような電気的アクティブアセンブリを含む、人間または動物のユーザが着用する衣類アセンブリなどのテキスタイルアセンブリである。
【0014】
いくつかの実施形態では、テキスタイルアセンブリは、単独でまたは任意の技術的に可能な組合せに従って、以下の特徴の1つまたは複数をさらに備える:
-テキスタイルアセンブリは、第1のテキスタイル要素および第1のテキスタイル要素とは別個の第2のテキスタイル要素を含み、第1のテキスタイルサポートは第1のテキスタイル要素の一部であり、第2のテキスタイルサポートは第2のテキスタイル要素の一部である;
-前記第1および第2のテキスタイル要素の一方は、体の第1の部位に着用されるテキスタイル要素であり、前記第1および第2のテキスタイル要素の他方は、前記第1の部位とは異なる体の第2の部位に着用されるテキスタイル要素である;
-前記体はユーザの体であり、前記第1および第2のテキスタイル要素は、第1および第2の衣類であり、前記第1および第2の衣類の一方は、胸などのユーザの体の第1の部位に着用される衣類であり、前記第1および第2の衣類の他方は、頭、足、手、脚などの前記第1の部位とは異なるユーザの体の第2の部分に着用される衣類である;
-前記第1および第2のテキスタイル要素は、体の同じ部位に着用されるテキスタイル要素である;
-前記体はユーザの体であり、前記第1および第2のテキスタイル要素は、第1および第2の衣類であり、前記第1および第2の衣類は、胸などのユーザの体の同じ部位に着用される衣類である。
【0015】
そのような電気的アクティブアセンブリ、およびそれに対応するテキスタイルアセンブリは、他の利点に加えて、2つの局所的アクティブ相関システム間の交差調節を可能にする。これにより、ユーザは、対応する2つの衣類を着用する際に、体の2つの異なる部位または体の同じ部位において、効率的で微細な物理的効果のアクティブ調節機能を備えたテキスタイルアセンブリを着用することができる。
【0016】
本発明およびその利点は、例としておよび例示のみを目的として与えられる以下の説明を参照することによって、および以下に列挙する添付の図面を参照することによって、よりよく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に従った、電気的アクティブアセンブリの第1の実施例を示す。
【
図2】本発明に従った、電気的アクティブアセンブリの第2の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1および2の2つの実施例において、本発明の電気的アクティブアセンブリは、熱を生成することを目的とする。
【0019】
しかしながら、本発明は、冷気または相対湿度のような、熱以外の他の物理的効果を生成するための電気的アクティブアセンブリにまで及ぶことが理解されたい。
【0020】
電気的アクティブアセンブリは、テキスタイルアセンブリに組み込むことができる。このようなテキスタイルアセンブリは、好ましくは、第1のテキスタイル要素および第1のテキスタイル要素とは別個の第2のテキスタイル要素を含む。
【0021】
電気的アクティブアセンブリは、第1および第2のテキスタイルサポートを含み、それぞれが、本明細書でさらに説明するように、複数の構成要素を含む。第1のテキスタイルサポートは、第1のテキスタイル要素の一部であり、第2のテキスタイルサポートは、第2のテキスタイル要素の一部である。
【0022】
図1および2では、第1のテキスタイルサポート内またはその上に組み込まれた構成要素の一部が最も左側の部分に示されており、第2のテキスタイルサポート内またはその上に組み込まれた構成要素の一部が最も右側の部分に示されており、インターフェース12によって分離されている。
【0023】
特定の実施形態では、第1および第2のテキスタイル要素の一方は、体の第1の部位に着用されるテキスタイル要素であり、第1および第2のテキスタイル要素の他方は、第1の部分とは別個の体の第2の部位に着用されるテキスタイル要素である。
【0024】
体は、生きているかどうかに関わらず、任意の種類の体でもよい。生きている体を扱う場合は、人間または動物の体でもよい。人間の体、またはユーザの体の具体的なケースでは、第1および第2のテキスタイル要素は、それぞれ第1および第2の衣類である。
【0025】
第1および第2の衣類の一方は、ユーザの体の第1の部位に着用される衣類である。これは、例えば、胸でもよい。そして、衣類はTシャツまたはジャケットでもよい。
【0026】
第1および第2の衣類の他方は、ユーザの体の第1の部位とは別個の第2の部分に着用される衣類である。これは、例えば、頭、足、手、脚でもよい。そして、衣類は、帽子、キャップまたはビーニー帽、靴下または靴、手袋、ズボンまたはズボンの脚でもよい。
【0027】
第1および第2のテキスタイル要素が体の2つの別個の部位に着用されるテキスタイル要素である上述の実施形態に代わるものとして、第1および第2のテキスタイル要素は、体の同じ部位に着用されるテキスタイル要素とすることができる。
【0028】
ここでも、体は生きているかどうかに関わらず、任意の種類の体でもよい。生きている体を扱う場合、人間または動物の体でもよい。人間の体、またはユーザの体の具体的なケースでは、第1および第2のテキスタイル要素は、それぞれ第1および第2の衣類である。
【0029】
第1および第2のテキスタイル要素は、いずれもユーザの体の同じ部位、例えば胸に着用される第1および第2の衣類である。例えば、第1の衣類はTシャツでもよく、第2の衣類はジャケットでもよい。
【0030】
第1および第2のサポートは、それぞれ物理的効果を生成するよう適合された第1および第2の能動素子1、4を含んでいる、すなわち、説明した実施例では、熱を生成するよう適合された第1および第2の能動加熱素子1、4を含んでいる。
【0031】
これらの第1および第2の能動加熱素子1、4のそれぞれは、電源に接続され、それぞれ第1および第2のテキスタイルサポート上またはその内部に配置されるよう構成される。
【0032】
電源は、外部電源、または電気的アクティブアセンブリに内蔵された内部電源でもよい。電源との接続は、有線接続または無線接続でもよい。
【0033】
第1および第2のサポートはまた、物理的な情報に関連するデータを検知するように適合された第1および第2のセンサ2、5をそれぞれ含んでおり、説明した実施例では温度センサである。
【0034】
これらの第1および第2のセンサ2、5はそれぞれ、電源に接続されるように構成され、それぞれ第1および第2のテキスタイルサポート上またはその内部に配置される。
【0035】
第1および第2のサポートはまた、それぞれ第1および第2のテキスタイルサポート上またはその内部に配置される第1および第2の制御ユニット3、6をそれぞれ含んでいる。
【0036】
第1の制御ユニット3は、第1の加熱素子1および第1の温度センサ2に接続され、第2の制御ユニット6は、第2の加熱素子4および第2の温度センサ5に接続されている。
【0037】
第1の制御ユニット3は、第1の温度センサ2によって感知されたデータに応じて第1の加熱素子1をアクティブ化/非アクティブ化するように構成されており、第2の制御ユニット6は、第2の温度センサ5によって感知されたデータに応じて第2の加熱素子4をアクティブ化/非アクティブ化するように構成されている。
【0038】
第1の制御ユニット3はまた、第2の加熱素子4および第2の温度センサ5に接続されており、第2の温度センサ5および/または第1の温度センサ2によって感知されたデータに応じて、第2の加熱素子4をアクティブ化/非アクティブ化するように構成されている。
【0039】
あるいは、または組み合わせて、第2の制御ユニット6はまた、第1の加熱素子1および第1の温度センサ2に接続されており、第1の温度センサ2および/または第2の温度センサ5によって感知されたデータに応じて、第1の加熱素子1をアクティブ化/非アクティブ化するように構成されている。
【0040】
したがって、これにより、テキスタイルサポートの一方のセンサおよび能動素子を、他方のテキスタイルサポートの制御ユニットにより制御することができる。
【0041】
制御は、
図1に示すように間接的でも、
図2に示すように直接的でも、両方の組合せでもよい。
【0042】
図1の実施例に見られるように、第2の制御ユニット6は、インターフェース12上の接続点を介して第1の制御ユニット1と接続されている。第2の制御ユニット6は、第1の温度センサ2によって感知され第1の制御ユニット3を介して第2の制御ユニット6によって受信されたデータ、および/または、第2のセンサ5によって感知され第2の制御ユニット6によって受信されたデータに応じて、第1の制御ユニット3を介して第1の加熱素子1をアクティブ化/非アクティブ化するように構成されている。
【0043】
上述したような電気的アセンブリへの適用を考えてみると、最も左側の部分は、Tシャツの一部である第1のテキスタイルサポート内またはその上に組み込まれた電気的アセンブリの部分に対応し、最も右側の部分は、手袋の一部である第2のテキスタイルサポート内またはその上に組み込まれた電気的アセンブリの部分に対応している。
【0044】
これらの電気的アセンブリの各部分は、2つの別個の独立した温度調節システムとして、互いに独立して動作することができる。したがって、Tシャツを着用せずに手袋を着用することができ、対応する温度調節システムが、ユーザの手に熱を供給するように動作する。
【0045】
また、Tシャツを手袋なしで着用することができ、対応する温度調節システムはユーザの胸に熱を供給するように動作する。しかしながら、Tシャツと手袋がユーザにより一緒に着用されている場合には、2つの対応する温度調節システムが相互に作用することも可能である。
【0046】
第1の制御ユニット3および第2の制御ユニット6は、無線で(例えばブルートゥース(登録商標)または赤外線タイプの通信を介して)、または有線接続で、インターフェース12のレベルでの接続で、または任意のタイプのコネクタ(例えばスナップボタンコネクタ)を使用して一方または他方の制御ユニット3、6上で直接、互いに通信することができる。
【0047】
あるいは、または
図1に示されるように組み合わせて、第1の制御ユニット3は、第2の制御ユニット6と接続され、第2の温度センサ5によって感知され第2の制御ユニット6を介して第1の制御ユニット3によって受信されたデータ、および/または、第1の温度センサ2によって感知され第1の制御ユニット3によって受信されたデータに応じて、第2の制御ユニット6を介して第2の加熱素子4をアクティブ化/非アクティブ化するように構成されている。
【0048】
第2の代替的なまたは組み合わせた実施形態では、
図2の実施例に見られるように、第2の加熱素子4および第2の温度センサ5は、インターフェース12上でそれぞれの直接接続点10、11を介して第1の制御ユニット3に直接接続されている。第1の制御ユニットは、第2の温度センサ5によって感知され対応する接続点10を介して第1の制御ユニット3によって受信されたデータ、および/または、第1の温度センサ2によって感知され第1または第2の制御ユニット3、6によって受信されたデータに応じて、対応する接続点11を介して第2の加熱素子4を直接的にアクティブ化/非アクティブ化するように構成されている。
【0049】
あるいは、または
図2に示されるように組み合わせて、第1の加熱素子1および第1の温度センサ2は、インターフェース12上でそれぞれの直接接続点14、13を介して第2の制御ユニット6に直接接続されている。第2の制御ユニット6は、第1の温度センサ2によって感知され対応する接続点13を介して第2の制御ユニット6によって受信されたデータ、および/または、第2の温度センサ5によって感知され第1または第2の制御ユニット3、6によって受信されたデータに応じて、対応する接続点14を介して第1の加熱素子1を直接的にアクティブ化/非アクティブ化するように構成されている。
【0050】
上述したような電気的アセンブリへの適用を再度考えてみると、最も左側の部分は、Tシャツの一部である第1のテキスタイルサポート内またはその上に組み込まれた電気的アセンブリの部分に対応し、最も右側の部分は、手袋の一部である第2のテキスタイルサポート内またはその上に組み込まれた電気的アセンブリの部分に対応している。
【0051】
この実施例では、インターフェース12のレベルで、例えばスナップボタンコネクタなどの任意のタイプのコネクタ10、11、13、14を使用して、手袋をTシャツに物理的に接続することができる。電気的アセンブリの2つの部分のそれぞれは、独自の制御ユニット3、6を保持しており、Tシャツに対応する制御ユニット3が手袋に対応する制御ユニット6を引き受けることができる、および/または、手袋に対応する制御ユニット6がTシャツに対応する制御ユニット3を引き受けることができる。これは、制御ユニット3、6のうちの1つが故障した場合、および/または、これらの制御ユニット3、6のうちの1つのエネルギーが低い場合に、特に有用である。
【0052】
ユーザデバイス7、8は、入出力インターフェースとしてユーザが使用することができる。好ましくは、システムの両方の部分に同じユーザデバイスが使用されるが、各部分に2つの別個のユーザデバイス7、8が用いられてもよい。
【0053】
ユーザデバイス7、8は、スマートフォンやタブレットなどのポータブルデバイスであり、少なくともプロセッサ、メモリ、およびユーザインターフェースを含む。好ましくは、無線通信プロトコルとして、例えばブルートゥースや赤外線などを用いて受信および送信の通信を行う低エネルギー無線機器である。
【0054】
おそらく、上述の電源は、ユーザデバイス7、8の電源であってもよい。
【0055】
制御ユニット3、6のそれぞれは、少なくとも、電子的なコマンドを処理することができるプロセッサやマイクロプロセッサなどの論理ユニット、メモリユニット、およびパワーユニットを含む。パワーユニットは電力を生成し、パワーユニットは好ましくは充電式電池を含む。プロセッサ、メモリユニット、およびパワーユニットは、好ましくはケーシング内に配置される。
【0056】
これらの制御ユニット3、6は、マイクロコントローラでもよい、すなわち、単一のチップまたは集積回路上にすべての構成要素を含む。それらの論理ユニットは、非一時的なコンピュータ可読メモリユニットのような対応するメモリユニットに格納されたコマンドを実行することができる。
【0057】
プロセッサは、好ましくは、集積回路の形態である。メモリユニットは、ROMおよびRAMを含む。電源ユニットは、ケーシング内に配置されプロセッサと通信する1つまたは複数の充電式電池を含む。制御ユニット3、6はまた、記載された様々な構成要素および適切なインターフェース回路を接続するための他の必須電子部品を含む。
【0058】
制御ユニット3、6はさらに、通信モジュールを含む。通信モジュールは、ブルートゥースモジュールのような低エネルギー無線システムである。通信モジュールは、プロセッサと有線または無線で通信し、制御ユニット3、6がユーザデバイス7、8と通信することを可能にする。
【0059】
ユーザデバイス7、8上で実行可能なローカルアプリケーションは、ユーザデバイス7、8と制御ユニット3、6との間の通信を可能にする。このアプリケーションはまた、ユーザがインターフェースにアクセスすることを可能にし、インターフェースによってユーザは、例えばユーザプロファイル情報を入力し、さらに、制御ユニット3、6の動作モードを変更することが可能となる。
【0060】
ユーザデバイス7、8は、クラウド9と名付けられた遠隔記憶手段9と接続することができる。制御ユニット3、6とユーザデバイス7、8との間の通信は、ユーザパラメータを入力するために、システムの最初の電源投入時にのみ必要となる。これらのパラメータは、ユーザデバイス7、8によってクラウド9に送信され記憶される。
【0061】
ユーザデバイス7、8を使用しない場合、制御ユニット3、6は、適切なインターフェースまたはリモートコントロールを介して、そのようなユーザパラメータを直接入力し、キャリブレーションに進むことができるように構成される。
【0062】
さらに、センサ2、5が感知した情報に応じて、能動素子1、4を制御するための制御ロジックの全部または一部は、ユーザデバイス7、8またはクラウド9に配置されてもよい。このような場合、システムの良好な動作は、ユーザデバイス7、8の電池、およびクラウド9との通信のためのネットワークカバレッジにも依存する。
【0063】
制御ユニット3、6は、電力供給ラインに沿って加熱素子1、4にアクティブ化信号を供給するように構成されている。アクティブ化信号は、好ましくは、パルス幅変調(PWM)電力信号である。制御ユニット3、6は、PWMモジュールを含む。このPWMモジュールは、プロセッサに組み込まれるか、またはプロセッサおよび電源ユニットに接続されてもよい。PWMモジュールは、PWM信号を生成し、電力供給ラインに沿って当該信号を適切な発熱素子に送信する。PWM信号は、電源ユニットからの電力を節約する。
【0064】
さらに、センサ2、5が感知した情報に応じて、能動素子1、4を制御するための制御ロジックの全部または一部は、ユーザデバイス7、8および/またはクラウド9に配置されてもよい。この場合、ユーザデバイス7、8および/またはクラウド9の対応する部分は、機能的に制御ユニット3、6の一部である。また、このような場合、システムの良好な動作は、ユーザデバイス7、8の電池、およびクラウド9との通信のためのネットワークのカバレッジにも依存する。
【0065】
以上の説明は、本発明の特定の実施形態についてなされたが、本発明は、例示のみを目的として記載されたこれらの実施形態に限定されるものではない。
【国際調査報告】