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特表2022-522396改良されたフラッシュバック応答を伴うカテーテル挿入デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-19
(54)【発明の名称】改良されたフラッシュバック応答を伴うカテーテル挿入デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20220412BHJP
【FI】
A61M25/06 580
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021537778
(86)(22)【出願日】2020-03-06
(85)【翻訳文提出日】2021-08-03
(86)【国際出願番号】 US2020021485
(87)【国際公開番号】W WO2020181229
(87)【国際公開日】2020-09-10
(31)【優先権主張番号】62/815,066
(32)【優先日】2019-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】307048044
【氏名又は名称】スミス メディカル エーエスディー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】エブナー, ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】フェリシト, キャスリン
(72)【発明者】
【氏名】チェダ, ハーシュ
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA22
4C267AA23
4C267BB02
4C267BB03
4C267BB05
4C267BB10
4C267BB11
4C267BB12
4C267BB20
4C267BB24
4C267BB31
4C267BB39
4C267BB40
4C267CC08
4C267GG02
4C267GG03
4C267GG21
4C267HH08
4C267HH11
(57)【要約】
種々の実施形態では、改善されたフラッシュバック応答および深部静脈アクセスのための使用を提供する、改良されたカテーテル挿入デバイスが、説明される。種々の実施形態では、改善されたフラッシュバック応答は、第1のものが、血管の中へのカニューレの挿入を示し、第2のものが、血管の中へのカテーテルの挿入を示す、2つの別個かつ明確に異なるフラッシュ事象を含む。2つのフラッシュ応答は、カニューレの中の視認窓と、遠位開口部におけるカニューレの外側表面上の平坦なレリーフ部分等とを含む、カニューレ上に提供される特徴の組み合わせによって、可能にされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル挿入デバイスであって、
カテーテルハブから遠位端まで遠位に延在するカテーテルを備えるカテーテルハブであって、前記カテーテルは、外側表面と、前記カテーテルを通る流体通路を画定する内側表面とを有し、前記カテーテルハブは、内部空洞と、その中に含有される隔壁とを備える、カテーテルハブと、
前記隔壁および前記カテーテルを通して軸方向に移動可能なカニューレであって、前記カニューレは、外側表面と、前記カニューレを通る中心ボアを画定する内側表面と、鋭的遠位先端において遠位に終端する傾斜部の形状における遠位開口部とを有する、カニューレと、
前記カニューレ内の視認窓であって、前記視認窓は、前記中心ボアへと通した前記カニューレ内の開窓と、前記開窓にわたってフィットする透明シール部材とを備え、前記開窓は、前記カニューレの外側表面上に、前記開窓の軸長を画定する近位縁と、遠位縁とを有する、視認窓と
を備え、
前記カニューレはさらに、その中にフィットされる前記透明シール部材が、前記カニューレの中に存在する流体で充填することが可能な視認カプセルを提供するように、前記開窓を囲繞するより狭い直径部分を備え、
環状空間が、前記カニューレが前記カテーテルの流体通路内にあるとき、前記カテーテルの内側表面と前記カニューレの外側表面との間に存在する、カテーテル挿入デバイス。
【請求項2】
前記透明シール部材は、透明フィルム、透明挿入体、透明スリーブ、または透明カバーから選択される、請求項1に記載のカテーテル挿入デバイス。
【請求項3】
前記透明シール部材は、前記より狭い直径部分に実質的に類似する寸法を有するガラスまたはプラスチックスリーブを備え、前記カニューレの外径は、前記視認カプセルにわたって実質的に一定のままである、請求項1に記載のカテーテル挿入デバイス。
【請求項4】
前記開窓の近位縁は、約10mm~約50mmの距離Dだけ前記鋭的遠位先端から離間される、請求項1に記載のカテーテル挿入デバイス。
【請求項5】
前記カテーテルの遠位端は、前記カニューレの遠位開口部が、前記カテーテルの前記遠位開口部を越えて遠位に延在するとき、円周方向シールが、前記カテーテルの遠位端において、前記カテーテルの内側表面と前記カニューレの外側表面との間に存在するように、テーパ状である、請求項1に記載のカテーテル挿入デバイス。
【請求項6】
前記カニューレはさらに、前記カニューレの遠位開口部の近位にある位置から発端する長さDだけ前記カニューレ上の近位に延在し、前記シール下に、血液が前記環状空間の中に近位に流動するための流体経路を提供する平坦なレリーフ部分を備える、請求項5に記載のカテーテル挿入デバイス。
【請求項7】
前記平坦なレリーフ部分の長さDは、前記カニューレ開窓の場所およびサイズに適応するように約10mm~約50mmである、請求項6に記載のカテーテル挿入デバイス。
【請求項8】
カテーテル挿入デバイスであって、
カテーテルハブから遠位端まで遠位に延在するカテーテルを備えるカテーテルハブであって、前記カテーテルは、外側表面と、前記カテーテルを通る流体通路を画定する内側表面とを有し、前記カテーテルハブは、内部空洞と、その中に含有される隔壁とを備える、カテーテルハブと、
前記隔壁および前記カテーテルを通して軸方向に移動可能なカニューレであって、前記カニューレは、外側表面と、前記カニューレを通る中心ボアを画定する内側表面と、長さDを有し、鋭的遠位先端において遠位に終端する傾斜部の形状における遠位開口部とを有する、カニューレと、
前記カニューレの壁を通して前記カニューレの中心ボアの中に半径方向に配置される開窓であって、前記開窓は、前記カニューレの外側表面上に、前記開窓の軸長を画定する近位縁と、遠位縁とを有する、開窓と
を備え、
環状空間が、前記カニューレが前記カテーテルの流体通路内にあるとき、前記カテーテルの内側表面と前記カニューレの外側表面との間に存在し、
前記カニューレの鋭的遠位先端と前記開窓の近位縁との間の距離Dは、隔壁長を上回り、
前記カニューレの鋭的遠位先端と前記開窓の遠位縁との間の距離Dは、隔壁長を下回る、
カテーテル挿入デバイス。
【請求項9】
距離Dが、前記隔壁長の150%以下のままであるように、前記Dは、前記隔壁長の150%以下であり、Dは、Dを上回る、請求項8に記載のカテーテル挿入デバイス。
【請求項10】
前記隔壁は、自己シール隔壁を含む、請求項8に記載のカテーテル挿入デバイス。
【請求項11】
前記カテーテルの遠位端は、前記カニューレの遠位開口部が、前記カテーテルの前記遠位開口部を越えて遠位に延在するとき、円周方向シールが、前記カテーテルの遠位端において、前記カテーテルの内側表面と前記カニューレの外側表面との間に存在するように、テーパ状である、請求項8に記載のカテーテル挿入デバイス。
【請求項12】
前記カニューレはさらに、前記カニューレの遠位開口部の近位にある位置から発端する長さDだけ前記カニューレ上の近位に延在し、前記シール下に、血液が前記環状空間の中に近位に流動するための流体経路を提供する平坦なレリーフ部分を備える、請求項11に記載のカテーテル挿入デバイス。
【請求項13】
前記カニューレはさらに、前記平坦なレリーフ部分の近位端と前記開窓の遠位縁との間に位置付けられ、前記環状空間内の前記カニューレの外側表面と前記カテーテルの内側表面との間にシールを提供する円周方向に拡大された部分を備える、請求項12に記載のカテーテル挿入デバイス。
【請求項14】
点滴方法であって、
血管の中にカニューレを挿入するステップであって、前記カニューレは、外側表面と、前記カニューレを通る中心ボアを画定する内側表面と、遠位開口部と、前記中心ボアへと通した前記カニューレ内の開窓と、前記開窓にわたってフィットする透明シール部材とを備える、視認窓とを有する、ステップと、
前記カニューレの視認窓の中で血液のフラッシュを観察し、前記血管の中への前記カニューレの遠位開口部の挿入を確認するステップと、
前記カニューレに対して前記カテーテルを遠位に移動することによって、前記血管の中にカテーテルの遠位端を挿入するステップであって、前記カテーテルは、カテーテルハブから前記遠位端まで遠位に延在し、前記カテーテルは、外側表面と、前記カテーテルを通る流体通路を画定する内側表面とを有し、前記カテーテルハブは、内部空洞と、その中に含有される隔壁とを備え、前記カテーテルは、前記カニューレにわたって同軸方向に配列され、前記カニューレの外側表面と前記カテーテルの内側表面との間に環状空間を提供する、ステップと、
前記環状空間の中の血液のフラッシュを観察し、前記血管の中への前記カテーテルの遠位端の挿入を確認するステップと
を含み、
平坦なレリーフ部分が、前記カニューレの遠位端上に含まれ、前記レリーフ部分は、前記カテーテルの遠位端における前記カテーテルの内側表面と前記カニューレの外側表面との間に存在するシール下に流体経路を提供し、前記カテーテルの先端が前記血管に進入すると、血液が前記血管から前記環状空間の中に流入することを可能にする、方法。
【請求項15】
前記平坦なレリーフ部分は、前記カニューレの遠位開口部の近位にある位置から発端する長さDだけ前記カニューレ上の近位に延在し、Dは、約10mm~約50mmである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記カテーテルの遠位端は、前記シールを提供するようにテーパ状である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記カニューレはさらに、その中にフィットされる前記透明シール部材が、前記カニューレの中に存在する流体で充填することが可能な視認カプセルを提供し、前記血管の中への前記カニューレの遠位開口部の挿入の視覚確認を提供するように、前記開窓を囲繞するより狭い直径部分を備える、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記血管は、深部静脈である、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その開示が、あらゆる目的のために、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2019年3月7日に出願され、「Catheter Insertion Device with Improved Flashback Response」と題された、米国仮特許出願第62/815,066号の優先権および利益を主張する。
【0002】
本開示は、概して、静脈内(IV)カテーテルに関し、より具体的には、深部静脈アクセスの間の改良された血液フラッシュバック(flashback)応答を提供する、カテーテル挿入デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
末梢静脈カテーテルに関する臨床的証拠は、(統合された拡張セットを伴う)閉鎖系カテーテルの採用が、合併症を低減させ、カテーテル留置を延長し、処置のコストを削減し得ることを示している。臨床医が、閉鎖系カテーテルを採用する際、新しいデバイスが、末梢IVカテーテル(PIVC)挿入の成功に関連して有用であることが公知である、特徴と、機能とを含むことが望ましい。
【0004】
1つのそのような特徴は、血管進入の早期のインジケーションである。PIVCは、フラッシュチャンバを含み得るが、血液がカニューレ長を通して、フラッシュチャンバの中に流入するために時間がかかる。本理由のために、PIVCは、今日では、カテーテル管内への進入のより早期のインジケーションを提供する、より遠位に配向されるフラッシュバック特徴を含み得る。
【0005】
本機能性を提供するための一般的な方法は、カニューレの壁を通して窓または開窓を生成し、血液がフラッシュチャンバの中で可視の状態になる前に、これを可視化することである。直観的に、カニューレ開窓とカニューレの遠位開口部との間の距離は、最速のフラッシュバック応答を提供するように最小限にされる。加えて、カニューレ開窓は、カニューレの遠位開口部に近接して位置付けられ、特に、カニューレがカテーテルから、血液制御シールまたは自己シール隔壁を通して引抜されるとき、血液漏出の尤度を低減させ得る。しかしながら、カテーテルが皮膚下の深部に挿入されるとき、カニューレ開窓内のフラッシュ(flash)を見ることが困難であり得るため、臨床医が、IVを深部静脈の中、または肥満患者の体内に設置するとき、カニューレ開窓の遠位設置は、難題を生じさせる。
【0006】
したがって、フラッシュバック応答の速度、血液漏出のリスク、および深部静脈アクセスのためのフラッシュバック応答の近位可視性を平衡させる、新しいカテーテルデバイスの継続的な必要性が、存在し続ける。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の種々の実施形態では、カテーテル挿入デバイスは、フラッシュチャンバ内で可視のフラッシュから別個である、2つの連続的かつ可視のフラッシュバック応答を提供するために、組み合わせにおいて動作する、遠位に配向される特徴を有する、カニューレを備える。血管の中へのカニューレ傾斜部の進入に応じた、第1のフラッシュバック応答、および血管の中へのカテーテルの進入に応じた、第2のフラッシュバック応答である。これらの特徴は、付加的なフラッシュチャンバの有無にかかわらず、デバイスに適用され得る。カテーテル挿入デバイスは、血液制御シールを有する閉鎖系カテーテルおよび開放系カテーテルの両方と併用可能である。
【0008】
種々の実施形態では、カテーテル挿入デバイスは、カテーテルハブから遠位端まで遠位に延在するカテーテルを備える、カテーテルハブであって、カテーテルは、外側表面と、カテーテルを通る流体通路を画定する内側表面とを有し、カテーテルハブは、内部空洞と、その中に含有される、隔壁とを備える、カテーテルハブと、隔壁およびカテーテルを通して軸方向に移動可能なカニューレであって、カニューレは、外側表面と、カニューレを通る中心ボアを画定する内側表面と、鋭的遠位先端において遠位に終端する、傾斜部の形状における、遠位開口部とを有する、カニューレと、カニューレ内の視認窓であって、視認窓は、中心ボアへと通したカニューレ内の開窓と、開窓にわたってフィットする、透明シール部材とを備え、開窓は、カニューレの外側表面上に、開窓の軸長を画定する、近位縁と、遠位縁とを有する、視認窓とを備え、環状空間が、カニューレがカテーテルの流体通路内にあるとき、カテーテルの内側表面とカニューレの外側表面との間に存在する。
【0009】
種々の実施形態では、透明シール部材は、透明フィルム、透明挿入体、透明スリーブ、または透明カバーから選択される。
【0010】
種々の実施形態では、カニューレはさらに、その中にフィットされる透明シール部材が、カニューレの中に存在する流体で充填することが可能な視認カプセルを提供するように、開窓を囲繞する、より狭い直径部分を備える。
【0011】
種々の実施形態では、透明シール部材は、より狭い直径部分に実質的に類似する寸法を有する、ガラスまたはプラスチックスリーブを備え、カニューレの外径は、視認カプセルにわたって実質的に一定のままである。
【0012】
種々の実施形態では、開窓の近位縁は、約10mm~約50mmの距離Dだけ鋭的遠位先端から離間される。
【0013】
種々の実施形態では、カテーテルの遠位端は、カニューレの遠位開口部が、カテーテルの遠位開口部を越えて遠位に延在するとき、円周方向シールが、カテーテルの遠位端において、カテーテルの内側表面とカニューレの外側表面との間に存在するように、テーパ状である。
【0014】
種々の実施形態では、カニューレはさらに、カニューレの遠位開口部の近位にある位置から発端する、長さDだけカニューレ上の近位に延在し、シール下に、血液が環状空間の中に近位に流動するための流体経路を提供する、平坦なレリーフ部分を備える。
【0015】
種々の実施形態では、平坦なレリーフ部分の長さDは、カニューレ開窓の場所およびサイズに適応するように約10mm~約50mmである。
【0016】
種々の実施形態では、カテーテル挿入デバイスは、カテーテルハブから遠位端まで遠位に延在するカテーテルを備える、カテーテルハブであって、カテーテルは、外側表面と、カテーテルを通る流体通路を画定する内側表面とを有し、カテーテルハブは、内部空洞と、その中に含有される、隔壁とを備える、カテーテルハブと、隔壁およびカテーテルを通して軸方向に移動可能なカニューレであって、カニューレは、外側表面と、カニューレを通る中心ボアを画定する内側表面と、長さDを有し、鋭的遠位先端において遠位に終端する傾斜部の形状における、遠位開口部とを有する、カニューレと、カニューレの壁を通してカニューレの中心ボアの中に半径方向に配置される、開窓であって、開窓は、カニューレの外側表面上に、開窓の軸長を画定する、近位縁と、遠位縁とを有する、開窓とを備え、環状空間が、カニューレがカテーテルの流体通路内にあるとき、カテーテルの内側表面とカニューレの外側表面との間に存在し、カニューレの鋭的遠位先端と開窓の近位縁との間の距離Dは、隔壁長を上回り、カニューレの鋭的遠位先端と開窓の遠位縁との間の距離Dは、隔壁長を下回る。
【0017】
種々の実施形態では、距離Dが、隔壁長の150%以下のままであるように、Dは、隔壁長の150%以下であり、Dは、Dを上回る。
【0018】
種々の実施形態では、隔壁は、自己シール隔壁を含む。
【0019】
種々の実施形態では、カテーテルの遠位端は、カニューレの遠位開口部が、カテーテルの遠位開口部を越えて遠位に延在するとき、円周方向シールが、カテーテルの遠位端において、カテーテルの内側表面とカニューレの外側表面との間に存在するように、テーパ状である。
【0020】
種々の実施形態では、カニューレはさらに、カニューレの遠位開口部の近位にある位置から発端する、長さDだけカニューレ上の近位に延在し、シール下に、血液が環状空間の中に近位に流動するための流体経路を提供する、平坦なレリーフ部分を備える。
【0021】
種々の実施形態では、カニューレはさらに、平坦なレリーフ部分の近位端と開窓の遠位縁との間に位置付けられ、環状空間内のカニューレの外側表面とカテーテルの内側表面との間にシールを提供する、円周方向に拡大された部分を備える。
【0022】
種々の実施形態では、点滴方法は、血管の中にカニューレを挿入するステップであって、カニューレは、外側表面と、カニューレを通る中心ボアを画定する内側表面と、遠位開口部と、中心ボアへと通したカニューレ内の開窓と、開窓にわたってフィットする、透明シール部材とを備える、視認窓とを有する、ステップと、カニューレの視認窓の中で血液のフラッシュを観察し、血管の中へのカニューレの遠位開口部の挿入を確認するステップと、カニューレに対してカテーテルを遠位に移動することによって、血管の中にカテーテルの遠位端を挿入するステップであって、カテーテルは、カテーテルハブから遠位端まで遠位に延在し、カテーテルは、外側表面と、カテーテルを通る流体通路を画定する内側表面とを有し、カテーテルハブは、内部空洞と、その中に含有される、隔壁とを備え、カテーテルは、カニューレにわたって同軸方向に配列され、カニューレの外側表面とカテーテルの内側表面との間に環状空間を提供する、ステップと、環状空間の中の血液のフラッシュを観察し、血管の中へのカテーテルの遠位端の挿入を確認するステップとを含む。
【0023】
種々の実施形態では、平坦なレリーフ部分が、カニューレの遠位端上に含まれ、カテーテルの遠位端におけるカテーテルの内側表面とカニューレの外側表面との間に存在するシール下に流体経路を提供し、カテーテルの先端が血管に進入すると、血液が血管から環状空間の中に流入することを可能にする。
【0024】
種々の実施形態では、平坦なレリーフ部分は、カニューレの遠位開口部の近位にある位置から発端する、長さDだけカニューレ上の近位に延在し、Dは、約10mm~約50mmである。
【0025】
種々の実施形態では、カテーテルの遠位端は、シールを提供するようにテーパ状である。
【0026】
種々の実施形態では、カニューレはさらに、その中にフィットされる透明シール部材が、カニューレの中に存在する流体で充填することが可能な視認カプセルを提供し、血管の中へのカニューレの遠位開口部の挿入の視覚確認を提供するように、開窓を囲繞する、より狭い直径部分を備える。
【0027】
種々の実施形態では、血管は、深部静脈である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本主題は、本明細書の結論部分において詳細に指摘され、明白に請求される。しかしながら、より全面的な理解が、以下の図面に関連して考慮されるとき、詳細な説明および請求項を参照することによって、最良に得られ得る。
【0029】
図1図1は、カニューレの中に開窓を有し、隔壁の中へのカニューレの近位引抜の間の位置を示す、種々の実施形態によるカテーテル挿入デバイスを図示する。
【0030】
図2A図2Aおよび2Bは、相対的な空間配向において、開窓と、平坦なレリーフ部分とを有する、種々の実施形態による、カニューレの側面図および上面図を図示する。
図2B図2Aおよび2Bは、相対的な空間配向において、開窓と、平坦なレリーフ部分とを有する、種々の実施形態による、カニューレの側面図および上面図を図示する。
【0031】
図2C図2Cは、図2Aおよび2Bに図示される特徴を備えるカニューレを有する、種々の実施形態による、カテーテル挿入デバイスを図示する。
【0032】
図3A図3Aおよび3Bは、相対的な間配向において、透明シール部材でシールされた伸長開窓を備える視認窓と、平坦なレリーフ部分とを有する、種々の実施形態による、カニューレの側面図および上面図を図示する。
図3B図3Aおよび3Bは、相対的な間配向において、透明シール部材でシールされた伸長開窓を備える視認窓と、平坦なレリーフ部分とを有する、種々の実施形態による、カニューレの側面図および上面図を図示する。
【0033】
図3C図3Cは、図3Aおよび3Bに図示される特徴を備えるカニューレを有する、種々の実施形態による、カテーテル挿入デバイスを図示する。
【0034】
図4A図4Aは、種々の実施形態による、使用時におけるカテーテル挿入デバイスの一部を図示し、カニューレは、透明フィルムシール部材で被覆され、血液視認窓を提供する、開窓を備える。
【0035】
図4B図4Bは、種々の実施形態による、使用時におけるカテーテル挿入デバイスの一部を図示し、カニューレは、透明スリーブによって囲繞され、カニューレ長に沿って一貫した外径を維持しながら、開窓の周囲に血液視認空間を提供する、より小さい外径を伴う区画内に開窓を備える。
【0036】
図4C図4Cは、種々の実施形態による、使用時におけるカテーテル挿入デバイスの一部を図示し、カニューレは、開放した開窓と、開窓から発出する遠位血液流動を遮断し、平坦なレリーフ部分からの近位血液流動浸漬を遮断するための拡大された直径部分とを備える。
【0037】
図4D図4Dは、種々の実施形態による、使用時におけるカテーテル挿入デバイスの一部を図示し、カニューレは、2端間構成において同軸方向にともにフィットされ、一貫した外側カニューレ直径を維持する、不透明および透明両方の管状部分を備える。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本明細書における種々の実施形態の詳細な説明は、例証として種々の実施形態を示す、付随の図面を参照する。これらの種々の実施形態は、当業者が本開示を実践することを可能にするように十分に詳細に説明されるが、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、他の実施形態が実現され得ること、および論理的、化学的、機械的、および構造的な変更が成され得ることを理解されたい。したがって、本明細書における詳細な説明は、限定の目的のためではなく例証の目的のためにのみ提示される。
【0039】
本開示の種々の実施形態では、改良されたカテーテル挿入デバイスが、説明される。カテーテル挿入デバイスは、カテーテル管と、その中において同心円状に配置され、移動可能である、カニューレとを備え、カニューレは、平坦なレリーフ部分と、開窓とを備える。カニューレの中の開窓および平坦なレリーフ部分は、二重のフラッシュバック応答、すなわち、カニューレが脈管に進入するときの第1の応答と、カテーテルが脈管に進入するときの第2の応答とを提供するように協調して作用する。種々の実施形態では、開窓は、それを通して血液流動を提供するように開放している、または透明シール部材を用いて閉鎖され、視認窓として構成されてもよい。カニューレ上の平坦なレリーフ部分および開窓の両方の寸法、および2つの特徴の相対的位置付けは、カテーテル挿入デバイスが深部に設定された静脈にアクセスする、または肥満の個人の体内の血管にアクセスすることにおいて使用されるときの迅速なフラッシュバック応答および血液漏出の低減のために最適化される。
(定義および規則)
【0040】
本明細書で使用されるように、用語「proximal(近位)」は、デバイスのユーザに最も近接する、デバイスの一部またはデバイスの端部の場所を指す。その結果、用語「distal(遠位)」は、デバイスのユーザから最も遠い、デバイスの一部またはデバイスの端部の場所を指す。例えば、皮下注射器は、その遠位端における、鋭的針と、その近位端における、プランジャとを有する。用語はまた、方向、移動、および相対的位置付けとも関連付けられ、それによって、「proximally(近位に)」は、概して、ユーザにより近接する移動または相対的位置付けを指し、「distally(遠位に)」は、概して、ユーザからさらに離れる移動または相対的位置付けを指す。
【0041】
本明細書で使用されるように、用語「開窓」は、カニューレの中の側壁を通して半径方向に配置され、カニューレの外部から、カニューレの内側において軸方向に延設される流体通路、すなわち、中心ボアまで通して延在する、半径方向に配置される開口部、切り欠き、開口、または孔を指す。したがって、カニューレの中の開窓が、開窓が、血液の退出を防止するためになんらかの方式において覆われていないことを前提として、カニューレの側面から外への流体ポートを提供する。種々の実施形態では、カニューレは、開窓を備え得るが、開窓は、透明シール部材で被覆され、それによって、開窓は、流体退出ポートとしてではなく、視認窓として機能する。用語「開窓」は、半径方向開口部が、カニューレの中にどのように生成されるかについて限定される意図はない。例えば、カニューレは、開窓とともに成型されている場合がある、またはカニューレの側壁の一部は、開窓を生成するように通して穿孔される、切欠される、研削して除かれる、トーチされる、または別様にアブレートされる等、除去されている場合がある。種々の実施形態では、カニューレの中の開窓は、種々の形状と、寸法とを有してもよく、例えば、カニューレのコアの中に半径方向に通した円形の孔を備えてもよい、または開窓は、谷または溝のさらなるものであり、したがって、カニューレの直径を上回る軸長を有してもよい。谷として構成される開窓は、カニューレの壁の各部分である、近位縁と、遠位縁とを備える。カニューレ長に沿ったこれらの縁の間の距離は、開窓長を画定する。
【0042】
本明細書で使用されるように、用語「transparent(透明)」および「nontransparent(不透明)」は、材料または構造の性質、およびオペレータに、裸眼で材料または構造が透けて見えるための能力または透けて見えることが可能ではないことを指す。例えば、オペレータには、流体がカニューレを通して流動しているかどうか等を決定するために、金属カニューレの中が見えることが可能ではないであろうが、クリアなプラスチックカニューレの中が見えることが可能であり得る。「nontransparent(不透明)」は、プラスチックのような非金属材料が、プラスチックにおいて色素を用いて不透明に作製され、透明性を遮断し得るため、「metallic(金属の)」と混同されるべきではない。「transparent(透明)」は、概して、「translucent(半透明)」を含むように使用される。
【0043】
本明細書で使用されるように、用語「透明シール部材」は、開窓にわたって、またはその真下で使用され、そうでなければカニューレの中の開放ポートであろうものを、カニューレの中に、および/またはそれを通して移動する血液を見るための視認窓に転換する、透明シールを指す。このように使用される透明シール部材は、収縮包装のような薄膜、またはクリアなプラスチックの可撓性スリーブ、またはクリアなプラスチックまたはガラス挿入体を含んでもよい。種々の実施形態では、視認窓は、透明の収縮包装フィルムでシールされる、開窓を備えてもよい。より複雑な実施形態では、視認窓は、プラスチックまたはガラス挿入体とフィットされる、開窓を備えてもよい。種々の側面において、開窓の場所の周囲のカニューレの狭小化された直径部分が、カニューレシャフトの周囲の円周方向のより狭い直径のその部分に沿って視認窓を提供するための、開窓にわたった管状カバーの使用を可能にする。そのように構成された視認窓を用いると、血液は、カテーテルの中に完全に退出することはない。
【0044】
本明細書で使用されるように、用語「カニューレ」は、特定のゲージと、流体流のためのボアとを有する挿入針等の、外側表面と、カニューレを通した軸方向に流体流を画定する内側表面とを有する、長い管状構造を指す。種々の実施形態では、カニューレは、プラスチックまたは金属を含んでもよく、近位端に加えて、カニューレハブまたは他の構造の中にフィットされ、カテーテルおよびカテーテルハブに対するカニューレの取扱および移動を促進する、鋭的遠位先端(例えば、傾斜付けられた端部)を含んでもよい。種々の実施形態では、カニューレを近位に引込するために、ユーザは、カテーテルハブをしっかり保持し、カニューレを近位に引き出してもよい。
【0045】
本明細書で使用されるように、用語「カテーテル」は、カテーテルが、シースのようなカニューレにわたってフィットし得るように、外側表面と、十分な直径の流体ボアを画定する内側表面とを伴う、管を指す。種々の実施形態では、本明細書におけるカテーテルは、カニューレと、カテーテルとの両方を備えるカテーテルデバイスが、準備位置にあるときにカニューレにわたったシースとして作用する、クリアなプラスチック管類の短い区分である。種々の実施形態では、カテーテルは、カニューレの外側表面に対するカテーテルの遠位端における円周方向開口部間のフィットが、これらの同軸方向に配置される要素間の、他の場所における、カテーテルとカニューレとの間のフィットより緊密であるように、遠位開口部においてテーパ状部を含んでもよい。種々の実施形態では、カニューレは、カテーテルが血管の中に位置付けられ、カニューレがもはや必要とされなくなった後等に、カテーテルを通して近位に、それから外に全体的に引抜されることができる。種々の実施形態では、環状(または中間)空間が、カニューレが、カテーテル内で軸方向に移動され得、血液流動が、本環状空間内で可能性として考えられるように、カニューレの外側表面とカテーテルの内側表面との間に存在する。カニューレ上の伸長直径部分が、中間空間を封鎖し、カニューレとカテーテルとの間の血液流動を遮断するために使用されてもよい。
【0046】
図1を参照すると、本開示の種々の実施形態による、カテーテル挿入デバイス100が、断面図に図示される。カテーテル挿入デバイス100は、閉鎖または開放カテーテルシステムの一部であることができる。カテーテル挿入デバイス100の例示的実施形態は、カニューレ112と、カテーテルハブ120と、カテーテルハブ120の中にフィットし、それと流体的に接続される、カテーテル122とを備える。カニューレ112は、鋭的遠位先端を備え得る、遠位端と、カニューレハブ(図1に図示されず)の中で終端し得る、近位端とを備える。カニューレハブ、カニューレ112、カテーテルハブ120、およびカテーテル122はそれぞれ、医療用デバイス産業において使用される、種々のプラスチックおよび/または金属から成ることができる。
【0047】
種々の実施形態では、カテーテルハブ120は、カテーテル122が接続される、または別様にカテーテル122を固定する、構造である。カテーテル122は、カテーテルハブ120の遠位端から開放している遠位端の外に遠位に延在することができる。カテーテルハブ120およびカテーテル122はそれぞれ、それを通して延在する管腔を有することができ、カテーテルハブ120の管腔は、カテーテル122の管腔と連通している。
【0048】
種々の実施形態では、カテーテルハブ120は、内部空洞と、その中に含有される、それを通してカニューレ112が、通過し得る、隔壁124とを備える。種々の実施形態では、隔壁124は、閉鎖系カテーテルの一部または開放系カテーテルのための血液制御シールを備える。種々の実施形態では、隔壁124は、シリコンゴム等のエラストマ材料を含む。隔壁124はさらに、それを通すスリットと、任意の数の内部ボイド(void)とを備えてもよい。図1は、カテーテル挿入デバイスの使用の間、すなわち、カニューレ112が隔壁124を通して近位に引抜されている時間における、隔壁124内のカニューレ112の位置を図示する。
【0049】
種々の実施形態では、カニューレハブは、カニューレ112が接続される、または別様にカニューレ112を固定する、構造である。カニューレ112は、カニューレハブの遠位端から遠位に延在することができる。カニューレ112は、従来の静脈内針、挿入針、カニューレ、トロカール、または同等物であることができ、対応して、カニューレハブは、カテーテルハブ120の近位部分と連携する、針ハブであり得る。
【0050】
種々の実施形態では、カニューレ112は、少なくとも1つの開窓114を備える。図1に図示されるように、開窓114は、カニューレ112の壁を通して延在し、カニューレに沿って軸方向に測定可能な長さを有する、谷として現れる。いくつかの実施形態では、開窓114は、カニューレ112の壁の近位縁および遠位縁によって部分的に画定され、カニューレの直径に近似する幅と、D-Dによって定義される軸長、すなわち、カニューレ112の壁の近位縁と遠位縁との間に軸方向に測定される距離とを有する、ボイドである。開窓114の遠位縁は、カニューレ112の傾斜付けられた開口部の遠位先端112aから距離Dだけ離間される。種々の側面において、距離Dは、隔壁124長の150%以下である、距離Dは、距離Dが、隔壁124長を50%上回る長さ以下であるままであるように、遠位カニューレ上の傾斜部長(図2BにおいてDとして例示される)を上回る。DおよびDに関する具体的な寸法は、隔壁124およびカニューレ傾斜部の長さによって決定される。
【0051】
種々の実施形態では、図1を継続して参照すると、開窓114が、本明細書において下記に解説されるように、深部静脈アクセスの間のフラッシュの可視化を最適化しながら血液の漏出を防止するために、シールされ、近位に位置付けられる、または長さが近位に拡張され、視認窓を形成することができる。開放した開窓ではなく、シールされた視認窓の文脈において、Dによって定義される、開窓の近位側面、および図1においてD-Dによって定義される、開窓の軸長は、シールされた開窓が、血液漏出のリスクを低減させるため、隔壁124長に関連して制約される必要はない。深部静脈アクセスのためのシールされた開窓の場合では、距離Dは、約10mm~約50mmであってもよく、針長およびゲージサイズに適応するように変動し得る。本範囲は、浅部静脈および深部静脈におけるフラッシュ窓の可視化に適応する。距離D-Dは、カニューレのゲージおよび長さに伴って変動し得る。種々の実施形態では、開窓114の長さは、距離Dの同時の延長および短縮を伴わずに近位に延在されることができる。他の側面では、開窓114は、カニューレの遠位開口部と開窓との間のカニューレ上に存在するべき別の特徴のためにカニューレに沿って軸方向に空間を提供する等のために、カニューレ112の遠位開口部からさらに遠隔に位置付けられてもよい。
【0052】
種々の実施形態では、カニューレ112の遠位開口部と開窓114の近位縁との間の距離Dは、隔壁124長を上回る。しかしながら、D長が、隔壁長より有意に長い状態になるにつれて、開窓が視認窓の中にシールされていないとき、カニューレが近位に引抜される間の隔壁を通した血液漏出のリスクが、増加する。Dが、隔壁長の150%に等しい、またはそれ未満である場合、カニューレの遠位開口部から開窓114の近位縁までの隔壁を通した流体経路が、隔壁を通したカニューレの近位引抜の間に、時間的に短い瞬間においてのみ現れる。
【0053】
種々の実施形態では、カニューレ112の遠位開口部と開窓114の遠位縁との間の距離Dは、開窓長、すなわちD-Dが、0.127mm(0.005インチ)を上回り、距離Dが、隔壁124長の150%以下である限り、遠位カニューレ傾斜部長を上回り、隔壁124長未満である。
【0054】
使用の間、カニューレ112は、カニューレ112の遠位開口部および開窓114が両方とも、隔壁124の近位側の完全に遠位およびその全体的に外側にある、発端位置から、カニューレ112の遠位開口部および開窓114が両方とも、隔壁124の近位側の完全に近位および全体的に外側にある、第2の位置まで、隔壁124を通して近位に引抜される。これらの極端間で、距離Dが、隔壁124長より長く、距離Dが、隔壁124長未満であるとき、開窓114は、カニューレ112の遠位開口部が隔壁124から全体的に遠位であるとき、隔壁124によって完全に閉塞される、またはカニューレ112の遠位開口部が隔壁124によって部分的に閉塞されるとき、隔壁124によって少なくとも部分的に閉塞されるかのいずれかとなるであろう。カニューレ112が、近位方向においてさらに引抜されるにつれて、開窓114は、カニューレ112の遠位開口部が、完全に隔壁124内に入り、したがって、それによってシールされるまで、決して隔壁124の完全に近位にはない(したがって、カテーテルハブの内部空洞に全体的に開放する)であろう。特徴のそのような構成およびそれらの相対的寸法は、開窓114およびカニューレ112の遠位開口部が、両方の特徴が隔壁に対して遠位にあるときにのみ、同時に全面的に開放していることを確実にすることによって、隔壁を通したバイパス流を軽減させる。このように、利用可能な流路、および血液が、隔壁124を通してバイパス経路を介してカニューレ112を通して開窓114から外に漏出する可能性が、制御される。そのような実施形態は、血液漏出を制御しながら、深部静脈アクセスにおけるフラッシュ応答の可視性を改良し得る。血液漏出を最小限にするために、距離Dは、隔壁124長の150%以下であり、距離Dは、カニューレ傾斜部を損なうことなく、可能な限り小さい。隔壁124長を拡張させることは、血液漏出を軽減させ、深部静脈アクセスにおけるフラッシュ窓の可視性を最適化させながら、より長い距離Dを可能にし得る。
【0055】
図2Aおよび2Bは、それぞれ、本開示の種々の実施形態による、カニューレの側面図および上面図を図示する。図示されるように、シールされると、開窓114は、カニューレ112の遠位開口部から、カニューレ112の遠位開口部よりカテーテルハブに近接して、有意な距離において近位に離間されてもよい。本構成は、深部静脈アクセスにおける可視性を改良し得る。本実施形態では、カニューレ112の遠位開口部から開窓114の遠位縁までの距離Dは、隔壁124長を上回り、視認窓として作用する、シールされた開窓を組み込む。
【0056】
拡張されたD長に関連して、カニューレ112は、カニューレ112の傾斜部から、またはカニューレ112の傾斜部のすぐ近傍の場所から、開窓114に軸方向に向かって近位に延在する、平坦なレリーフ部分115を含むように修正されることができる。議論されるような拡張された距離Dは、カニューレ112上のそのような平坦なレリーフ部分115のための余地を提供する。カニューレ開窓114は、静脈の中へのカニューレの進入を示す、視認窓を提供し、平坦部分115は、血液が、カテーテルの静脈の中への進入に応じて、カテーテルとカニューレとの間の環状部に進入することを可能にする。種々の実施形態では、平坦なレリーフ部分115の長さDは、約10mm~約50mmである。一般に、平坦なレリーフ部分115は、カテーテル122の内径と平坦部分115の外径との間に空間を生成し、そのため、血液が、カテーテル122が血管系に進入するにつれて可視の状態になるであろう。換言すると、平坦部分115は、そうでなければカニューレ112の外径に対して、緊密にフィットするカテーテル122の遠位開口部間の開口部を画定することができる、または本開示の実施形態は、別様にそれを備えることができる(図4A-4Dに最良に見られる)。特に、カテーテル122の遠位端は、カテーテル122が、カニューレ112の外径の周囲に本質的にシールされるように、テーパ状であってもよい。平坦なレリーフ部分115は、本円周方向シールを通して分岐部を提供する。
【0057】
平坦部分115は、材料の形成、除去、または圧縮(例えば、平坦化)、またはある他のプロセスに起因するかどうかにかかわらず、そのような平坦なレリーフを伴わないカニューレ112の隣接部分より小さい直径を含むが、任意の種類の流体開口部を生成するようにカニューレ112の壁を通して延在しない、カニューレ112の部分であり得る。図2A、2B、3A、3B、および4A-4Cに図示されるもの等の種々の実施形態では、平坦なレリーフ部分115は、カニューレ112の遠位開口部のすぐ近傍において始端し、開窓114の遠位縁以前において終端してもよい。図示されない他の実施形態では、平坦なレリーフ部分115は、カニューレ112の傾斜付けられた遠位端を通して遠位に延在してもよい。図4C(要素118)に図示され、下記に議論される、他の実施形態では、カニューレ112はさらに、例えば、カニューレ112の一部にわたってフィットされるフェルールを備える、隆起され、拡大された遷移部を備えてもよい。下記に議論されるように、拡大された部分は、利用可能なフラッシュインジケータの全てが、臨床医にこれが見え得る位置まで近位に流動し、カニューレの遠位平坦部分と開窓との間に判別可能なフラッシュが存在するように、平坦なレリーフ部分115と開窓114との間に位置付けられ、カテーテル122とカニューレ112との間の逆行(遠位)血液流動を遮断することができる。
【0058】
使用時、フラッシュは、2つの別個かつ明確に異なる事象に対する可視信号であり得る。例えば、第1の血液のフラッシュが、カニューレ112の進入に応じて開窓114の中に現れ、カテーテル122の進入に応じて、カテーテル122の中で可視である、第2のフラッシュが、後に続く。カニューレ112のこれらの特徴を活用することによって、臨床医は、カニューレ進入の可視インジケーションを受け取り、次いで、カテーテル進入の別個のインジケーションを受け取る。そのような実施形態は、静脈から外への吹送を防止するためにカニューレ進入を確認し、カテーテル前進の成功を改良することに役立つためにカテーテル進入を確認する、フラッシュシステムを提供してもよい。
【0059】
図2Cは、さらに、それを通した血液流動に開放している、開窓114と、カテーテルとカニューレとの間の血液流動を開放するための平坦なレリーフ部分115との両方を備える、修正されたカニューレ112を備える、完全なカテーテル挿入デバイスを図示する。
【0060】
図3Aおよび3Bは、それぞれ、開放した開窓ではなく、複数のバージョンの視認窓を備える、本開示の種々の実施形態による、別のカニューレ112の側面図および上面図を図示する。種々の実施形態では、視認窓は、開窓が、カニューレとカテーテルとの間の環状空間の中への開放ポートとしてもはや機能し得ないように、透明シール部材116によって被覆される、開窓114を備える。種々の実施形態では、開窓のための透明シール部材は、透明フィルム、透明挿入体、透明スリーブ、および透明カバーから選択される。種々の側面において、透明フィルムまたは挿入体は、その周辺部の周囲で開窓をシールすることを意図している。透明スリーブまたはカバーは、スリーブまたはカバーの性質、およびカニューレのより狭い直径部分が、スリーブまたはカバーがその中にフィットするための開窓の周囲に提供されるかどうかに応じて、その周辺部の周囲または開窓の近位または遠位の場所において、開窓をシールし、視認カプセルを提供してもよい。
【0061】
図3Aおよび3Bに図示されるように、カニューレ112の中の開窓114は、伸長し得、透明シール部材116でシールされ得、したがって、開放した開窓を通した外への血液流動経路を有することなく、かつカニューレ引抜に応じた隔壁を通した血液漏出の可能性を伴わず、臨床医がカニューレ112内の血液を可視化することを可能にする、長い視認窓を提供してもよい。種々の実施形態では、透明シール部材は、開窓114にわたって密閉状態で位置付けられる、カニューレ112の円周の周囲に緊密に収縮され、開窓114の全体を被覆し、開放した開窓を長い狭小な視認窓(図4Aを参照して下記に議論される)に転換する、収縮包装等の透明フィルム116を含む。収縮包装116は、被覆されていないカニューレから収縮包装されたカニューレまでの直径における遷移が、カテーテル挿入デバイスの動作に対する妨害にならないように、数ミリのみの厚さであってもよい。他の変形例では、透明フィルム116は、カニューレ112の内側にあり、開放した開窓に対して拡張され、これを下側からシールしてもよい。
【0062】
他の変形例では、開窓のためのシール部材は、開窓114に実質的に類似する寸法と、輪郭とを有する、ガラスまたはプラスチックカバー、または管状スリーブまたはシース、または透明挿入体を備えてもよく、透明挿入体は、その対応する窓トリムの中にフィットされる、自動車のフロントガラスのような開窓114の外形に適合し得る。本点について、透明挿入体は、開窓114の周囲の内側辺縁に対して、およびその開口部の円周のわずかに内側において位置付けられることができる。辺縁は、開窓の開口部の周囲に、その中に透明挿入体がフィットされ、その中にシールされ得る、棚のような陥凹状の特徴であってもよい。本構成は、カニューレ内の直径の変化を伴わず、視認窓にわたった、カニューレからの平滑な遷移を提供する。さらなる変形例では、透明シール部材は、開窓114を含む、カニューレ112の一部上に位置付けられる管状スリーブの形態等にある、透明カバーを含んでもよい。そのようなクリアな管状スリーブは、カニューレ112の周囲に接着およびシールされ、その周辺部の周囲で開窓114をシールすることができる。他の変形例では、透明カバーは、クリアなスリーブが、これが開窓114の内側周辺部に対して拡張され、シールされる、カニューレ112の中心ボアの内側においてフィットし得るように、カニューレ112より小さい直径を有する、スリーブを備える。
【0063】
種々の(および下記の図4Bを参照して議論される)実施形態では、開窓114の周囲のカニューレ112の一部は、開窓の周辺部の周囲をシールするのではなく、透明カバー117が本より狭い直径部分の中にフィットし、より狭い直径部分の遠位端および近位端においてカニューレ112をシールし得るように、カニューレの残部と比較してより狭い直径を含む。本構成は、その中に最小限の量の血液(数マイクロリットル)が開窓114から流入し得る、視認「カプセル」を提供する。視認カプセルは、カニューレ112の周囲でシールされるため、血液は、視認カプセルから外に、カテーテル122とカニューレ112との間の環状空間の中に流入することはできない。
【0064】
他の(および下記の図4Dを参照して議論される)実施形態では、内部または外部スリーブ等のシール透明フィルム116または透明カバー117のいずれかを用いてシールされる、開窓114を有するのではなく、カニューレ112長は、透明な材料から作製されることができる。種々の実施形態では、カニューレ112の不透明な区分が、カニューレ112の透明な区分と2端間で軸方向に接続されることができ、透明な区分の全体は、長いフラッシュ視認窓として作用する。種々の実施形態では、不透明な区分および透明な区分は、一方の部分が、他方の部分の端部の中にフィットするようにテーパ状の端部を有する等の状態で、ともに摩擦フィットされてもよい。
【0065】
視認窓またはカプセルを提供するシールされた開窓を備える実施形態によると、開窓114は、血液漏出のいかなる可能性として考えられるリスクも伴わず、非常に長く、カニューレ112長を辿って延在する、または非常に小さく、カテーテルハブ120に近接して位置してもよい。随意に、シールされた開窓114を備える実施形態はまた、本明細書に説明されるような平坦なレリーフ部分115を備えることができる。そのような実施形態では、カニューレ112は、遠位平坦部115を通したカニューレとカテーテルとの間の空間の中への血液を可能にしながら、血液が開窓114を通してカテーテル122に進入することを防止し得る。このように、静脈の中へのカニューレの穿通が、カニューレ窓を通した血液を可視化させることによって、示され、静脈の中へのカテーテルの進入が、カテーテル管の中の血液を可視化させることによって示されるであろう。
【0066】
図3Cは、さらに、視認窓として作用する、被覆された伸長開窓114と、カテーテルとカニューレとの間の血液流動を開放するための平坦なレリーフ部分115との両方を備える、修正されたカニューレ112を備える、完全なカテーテル挿入デバイスを図示する。
【0067】
図4A-4Cは、概して、使用時における、本開示による、カテーテル挿入デバイスの種々の実施形態を図示する。これらの図では、開放した開窓またはシールされた視認窓、平坦なレリーフ部分、伸長部分、およびカニューレの他の側面等の特徴の組み合わせにおける複雑性が理解され得るように、本デバイスの遠位端のみが、示される。
【0068】
図4Aは、使用時における、カテーテル挿入デバイスのある実施形態を図示し、カニューレ112は、平坦なレリーフ部分115と、透明フィルム116でシールされる、開窓114との両方を含む。本図では、カテーテル122は、その遠位端において、本質的に、カニューレ112の周囲に円周方向シールを形成するように、テーパ状であることが見られ得る。図4Aに包含される実施形態の動作時、血液が、カニューレ112に進入するにつれて(「1A」として示される血液流動)、血液のフラッシュが、開窓114を通して可視である(血液流動「1B」)。開窓114にわたってシールされる透明フィルム116は、シールフィルムが、血液が開窓114から外に、カニューレ112とカテーテル122との間の空間の中に流入することを防止する状態で、臨床医が、本視認窓を通して血液を可視化することを可能にする。図4Aに図示されるように、平坦なレリーフ部分115は、カテーテル進入に応じたフラッシュの可視化を可能にする(血液流動は、「2」として示される)。本明細書に説明されるように、平坦部分115は、本明細書において、図4Aに図示されるように、すなわち、カニューレ112の傾斜部のすぐ近傍において終端するように構成されてもよい。図示されない他の実施形態では、平坦部分115は、カニューレ112の傾斜付けられた遠位開口部を通して遠位に延在してもよい。
【0069】
図4Bを参照すると、本開示のカテーテル挿入デバイスは、カニューレ112のより狭い直径部分の遠位端および近位端内にフィットし、開窓114の周囲に視認カプセルを生成する、透明または半透明のカバー117を備えてもよい。このように、臨床医は、視認カプセルが、開窓114より寸法が大きいため、さらに、カニューレ引抜に応じて血液漏出を生じさせ得る、カニューレ112の側面から外への血液流動を伴わずに、カニューレ112内の血液をより容易に可視化することができる。動作時、血液が、カニューレ112に進入するにつれて(「1A」として示される血液流動)、血液のフラッシュが、開窓114および円周方向のスリーブ117によって提供されるより大きい視認カプセルを通して可視になる(「1B」として示される、カプセル内を充填する、可視の血液流動)。開窓114に対するカバーである、スリーブ117は、開窓114より大きい寸法を伴う、漏れない視認カプセルを生成する。平坦なレリーフ部分115は、カテーテル進入に応じたフラッシュの可視化を可能にする(「2」として示される血液流動)。上記に議論されるように、使用時における本明細書に図示されない他の実施形態では、カバー117は、カニューレ112と同心のままである、開窓114の寸法内にフィットし、カニューレ112の外径と同一平面上にあり、したがって、概して、開窓114のサイズを有する視認窓を提供する、挿入体を備えてもよい。
【0070】
図4Cを参照すると、本開示のカテーテル挿入デバイスは、開窓114と平坦部分115との間に位置する、拡大された部分118を備えてもよい。拡大された部分118は、外径にわたったフェルールの形成、堆積、フィット、または別様のものに起因するかどうかにかかわらず、カニューレ112の隣接部分より大きい直径を有する、カニューレ112の部分であることができる。拡大された部分118は、カニューレ112の材料と同一、またはそれと異なる材料から成ってもよい。動作時、血液が、カニューレ112に進入するにつれて(「1A」として示される血液流動)、血液のフラッシュが、血液が開窓114を通して退出し、カテーテル122とカニューレ112との間の同心の空間の中に入るにつれて、可視になる(「1B」として示される血液流動)。カニューレ112の中の拡大された部分118は、血液が開窓114を通して退出し、遠位に流動することを防止する。平坦なレリーフ部分115は、拡大された部分118の近位側ではなく、拡大された部分118の遠位側における、カテーテル進入に応じたフラッシュの可視化を可能にする(「2」として示される、本分岐を通した血液流動)。このように、2つの別個のフラッシュ事象は、拡大された部分118のどちらの側面にフラッシュが観察されるかによって区別可能である。
【0071】
最後に、図4Dを参照すると、近位区画と、遠位区画とを備える、カニューレが、2端間および軸方向に接続し、それを通る血液流動のための一定の直径の持続的導管を生成することができる。近位区画119は、透明または半透明の材料を含み得る一方、遠位区画113は、金属材料または別様に不透明な着色されたプラスチックから成ることができる。不透明な遠位区画113のために着色されたプラスチックまたは金属のいずれかを使用することは、傾斜付けられた端部等の開放した遠位端の縁的先端への縁的化を可能にする。近位区画119は、相互に摩擦フィットまたは接着される縁を重複させることによって、遠位区画113に2端間で結合されることができる。ある実施形態では、重複する縁は、種々の実施形態において説明されるように、拡大された部分118を生成し得る。動作時、血液が、カニューレ112に進入し(「1A」として示される血液流動)、カニューレ112の遠位区画113を通して近位区画119の中に流入し、臨床医は、その中の流動を可視化することができる(「1B」として示される血液流動)。透明または半透明の材料から作製される、カニューレの近位区画119は、臨床医がそれ通して流動する血液を見るための能力を可能にする。平坦部分115は、カテーテル進入に応じたフラッシュの可視化を可能にする(「2」として示される、本分岐部を通した血液流動)。
【0072】
詳細な説明において、「種々の実施形態」、「一実施形態」、「ある実施形態」、「例示的実施形態」等への言及は、説明される実施形態が、特定の特徴、構造、または特性を含み得るが、全ての実施形態が、必ずしもその特定の特徴、構造、または特性を含むわけではない場合があることを示す。また、そのような語句は、必ずしも同一の実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が、ある実施形態に関連して説明されるとき、明示的に説明されているかどうかにかかわらず、他の実施形態に関連してそのような特徴、構造、または特性に影響を及ぼすためには、これが、当業者の知識内にあることが条件となる。説明を熟読した後、本開示を代替実施形態において実装する方法が、当業者に明白となるであろう。
【0073】
方法またはプロセス説明のいずれかにおいて列挙されるステップは、任意の順序において実行されてもよく、必ずしも提示される順序に限定されない。さらに、1つの実施形態へのいかなる言及も、複数の実施形態を含み、1つを上回る成分またはステップへのいかなる言及も、1つの実施形態またはステップを含み得る。また、「attached(取り付けられる)」、「fixed(固定される)」、「connected(接続される)」、「coupled(結合される)」、または同等物へのいかなる言及も、恒久的(例えば、一体的)、除去可能、一時的、部分的、完全、および/または任意の他の可能性として考えられる付属選択肢を含み得る。構成要素のうちのいずれも、摩擦、スナップ、スリーブ、ブラケット、クリップ、または現在当分野において公知である、または以降開発される他の手段を介して、相互に結合され得る。加えて、「without contact(接触を伴わない)」(または類似の語句)へのいかなる言及もまた、低減された接触または最小限の接触を含み得る。
【0074】
恩恵、他の利点、および問題に対する解決策が、具体的な実施形態に関して本明細書に説明されている。しかしながら、恩恵、利点、問題に対する解決策、および任意の恩恵、利点、または解決策を生じさせる、またはそれらをより顕著な状態にさせ得る、任意の要素は、本開示の重要な、要求される、または不可欠な特徴または要素として解釈されるべきではない。本開示の範囲は、故に、添付の請求項以外のいかなるものによっても限定されず、単数形における要素への言及は、そのように明示的記載されない限り、「1つかつ1つのみ」を意味することを意図しておらず、むしろ、「1つ以上」を意味することを意図する。また、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」または「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」に類似する語句が、本請求項または明細書において使用される場合、語句が、Aが単独で、ある実施形態内に存在し得る、Bが単独で、ある実施形態内に存在し得る、Cが単独で、ある実施形態に存在し得る、または要素A、B、およびCの任意の組み合わせ、例えば、AおよびB、AおよびC、BおよびC、またはAおよびBおよびCが、単一の実施形態内に存在し得ることを意味すると解釈されることを意図する。
【0075】
当業者に公知である、上記に説明される種々の実施形態の要素の構造的および機能的同等物の全ては、参照することによって本明細書に明示的に組み込まれ、本請求項によって包含されることを意図する。また、装置または装置の構成要素、または装置を使用するステップにおける方法は、本開示によって解決されることが求められる、ありとあらゆる問題に対処するために、本請求項によって包含されている必要はない。さらに、本開示における要素、構成要素、または方法ステップは、その要素、構成要素、方法ステップが、請求項において明示的に列挙されているかどうかにかかわらず、公衆に奉じられることを意図していない。請求項要素は、要素が、語句「means for(~のための手段)」を使用して明示的に列挙されていない限り、35 U.S.C. 112(F)(米国特許法第112条(f))を発動させることを意図していない。本明細書で使用されるように、用語「comprises(~を備える)」、「comprising(~を備える)」またはそれらの任意の他の変形例は、要素のリストを備える、プロセス、方法、物品、または装置が、それらの要素のみを含むのではなく、明示的に列挙されていない、またはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に本質的である、他の要素も含み得るように、非排他的含有を網羅することを意図する。
(項目1)
カテーテル挿入デバイスであって、
カテーテルハブから遠位端まで遠位に延在するカテーテルを備えるカテーテルハブであって、上記カテーテルは、外側表面と、上記カテーテルを通る流体通路を画定する内側表面とを有し、上記カテーテルハブは、内部空洞と、その中に含有される隔壁とを備える、カテーテルハブと、
上記隔壁および上記カテーテルを通して軸方向に移動可能なカニューレであって、上記カニューレは、外側表面と、上記カニューレを通る中心ボアを画定する内側表面と、鋭的遠位先端において遠位に終端する傾斜部の形状における遠位開口部とを有する、カニューレと、
上記カニューレ内の視認窓であって、上記視認窓は、上記中心ボアへと通した上記カニューレ内の開窓と、上記開窓にわたってフィットする透明シール部材とを備え、上記開窓は、上記カニューレの外側表面上に、上記開窓の軸長を画定する近位縁と、遠位縁とを有する、視認窓と
を備え、
環状空間が、上記カニューレが上記カテーテルの流体通路内にあるとき、上記カテーテルの内側表面と上記カニューレの外側表面との間に存在する、カテーテル挿入デバイス。
(項目2)
上記透明シール部材は、透明フィルム、透明挿入体、透明スリーブ、または透明カバーから選択される、項目1に記載のカテーテル挿入デバイス。
(項目3)
上記カニューレはさらに、その中にフィットされる上記透明シール部材が、上記カニューレの中に存在する流体で充填することが可能な視認カプセルを提供するように、上記開窓を囲繞するより狭い直径部分を備える、項目1に記載のカテーテル挿入デバイス。
(項目4)
上記透明シール部材は、上記より狭い直径部分に実質的に類似する寸法を有するガラスまたはプラスチックスリーブを備え、上記カニューレの外径は、上記視認カプセルにわたって実質的に一定のままである、項目3に記載のカテーテル挿入デバイス。
(項目5)
上記開窓の近位縁は、約10mm~約50mmの距離Dだけ上記鋭的遠位先端から離間される、項目1に記載のカテーテル挿入デバイス。
(項目6)
上記カテーテルの遠位端は、上記カニューレの遠位開口部が、上記カテーテルの上記遠位開口部を越えて遠位に延在するとき、円周方向シールが、上記カテーテルの遠位端において、上記カテーテルの内側表面と上記カニューレの外側表面との間に存在するように、テーパ状である、項目1に記載のカテーテル挿入デバイス。
(項目7)
上記カニューレはさらに、上記カニューレの遠位開口部の近位にある位置から発端する長さDだけ上記カニューレ上の近位に延在し、上記シール下に、血液が上記環状空間の中に近位に流動するための流体経路を提供する平坦なレリーフ部分を備える、項目6に記載のカテーテル挿入デバイス。
(項目8)
上記平坦なレリーフ部分の長さDは、上記カニューレ開窓の場所およびサイズに適応するように約10mm~約50mmである、項目7に記載のカテーテル挿入デバイス。
(項目9)
カテーテル挿入デバイスであって、
カテーテルハブから遠位端まで遠位に延在するカテーテルを備えるカテーテルハブであって、上記カテーテルは、外側表面と、上記カテーテルを通る流体通路を画定する内側表面とを有し、上記カテーテルハブは、内部空洞と、その中に含有される隔壁とを備える、カテーテルハブと、
上記隔壁および上記カテーテルを通して軸方向に移動可能なカニューレであって、上記カニューレは、外側表面と、上記カニューレを通る中心ボアを画定する内側表面と、長さDを有し、鋭的遠位先端において遠位に終端する傾斜部の形状における遠位開口部とを有する、カニューレと、
上記カニューレの壁を通して上記カニューレの中心ボアの中に半径方向に配置される開窓であって、上記開窓は、上記カニューレの外側表面上に、上記開窓の軸長を画定する近位縁と、遠位縁とを有する、開窓と
を備え、
環状空間が、上記カニューレが上記カテーテルの流体通路内にあるとき、上記カテーテルの内側表面と上記カニューレの外側表面との間に存在し、
上記カニューレの鋭的遠位先端と上記開窓の近位縁との間の距離Dは、上記隔壁長を上回り、
上記カニューレの鋭的遠位先端と上記開窓の遠位縁との間の距離Dは、上記隔壁長を下回る、
カテーテル挿入デバイス。
(項目10)
距離Dが、上記隔壁長の150%以下のままであるように、上記Dは、上記隔壁長の150%以下であり、Dは、Dを上回る、項目9に記載のカテーテル挿入デバイス。
(項目11)
上記隔壁は、自己シール隔壁を含む、項目9に記載のカテーテル挿入デバイス。
(項目12)
上記カテーテルの遠位端は、上記カニューレの遠位開口部が、上記カテーテルの上記遠位開口部を越えて遠位に延在するとき、円周方向シールが、上記カテーテルの遠位端において、上記カテーテルの内側表面と上記カニューレの外側表面との間に存在するように、テーパ状である、項目9に記載のカテーテル挿入デバイス。
(項目13)
上記カニューレはさらに、上記カニューレの遠位開口部の近位にある位置から発端する長さDだけ上記カニューレ上の近位に延在し、上記シール下に、血液が上記環状空間の中に近位に流動するための流体経路を提供する平坦なレリーフ部分を備える、項目12に記載のカテーテル挿入デバイス。
(項目14)
上記カニューレはさらに、上記平坦なレリーフ部分の近位端と上記開窓の遠位縁との間に位置付けられ、上記環状空間内の上記カニューレの外側表面と上記カテーテルの内側表面との間にシールを提供する円周方向に拡大された部分を備える、項目13に記載のカテーテル挿入デバイス。
(項目15)
点滴方法であって、
血管の中にカニューレを挿入するステップであって、上記カニューレは、外側表面と、上記カニューレを通る中心ボアを画定する内側表面と、遠位開口部と、上記中心ボアへと通した上記カニューレ内の開窓と、上記開窓にわたってフィットする透明シール部材とを備える、視認窓とを有する、ステップと、
上記カニューレの視認窓の中で血液のフラッシュを観察し、上記血管の中への上記カニューレの遠位開口部の挿入を確認するステップと、
上記カニューレに対して上記カテーテルを遠位に移動することによって、上記血管の中にカテーテルの遠位端を挿入するステップであって、上記カテーテルは、カテーテルハブから上記遠位端まで遠位に延在し、上記カテーテルは、外側表面と、上記カテーテルを通る流体通路を画定する内側表面とを有し、上記カテーテルハブは、内部空洞と、その中に含有される隔壁とを備え、上記カテーテルは、上記カニューレにわたって同軸方向に配列され、上記カニューレの外側表面と上記カテーテルの内側表面との間に環状空間を提供する、ステップと、
上記環状空間の中の血液のフラッシュを観察し、上記血管の中への上記カテーテルの遠位端の挿入を確認するステップと
を含む、方法。
(項目16)
平坦なレリーフ部分が、上記カニューレの遠位端上に含まれ、上記レリーフ部分は、上記カテーテルの遠位端における上記カテーテルの内側表面と上記カニューレの外側表面との間に存在するシール下に流体経路を提供し、上記カテーテルの先端が上記血管に進入すると、血液が上記血管から上記環状空間の中に流入することを可能にする、項目15に記載の方法。
(項目17)
上記平坦なレリーフ部分は、上記カニューレの遠位開口部の近位にある位置から発端する長さDだけ上記カニューレ上の近位に延在し、Dは、約10mm~約50mmである、項目16に記載の方法。
(項目18)
上記カテーテルの遠位端は、上記シールを提供するようにテーパ状である、項目16に記載の方法。
(項目19)
上記カニューレはさらに、その中にフィットされる上記透明シール部材が、上記カニューレの中に存在する流体で充填することが可能な視認カプセルを提供し、上記血管の中への上記カニューレの遠位開口部の挿入の視覚確認を提供するように、上記開窓を囲繞するより狭い直径部分を備える、項目15に記載の方法。
(項目20)
上記血管は、深部静脈である、項目15に記載の方法。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
【手続補正書】
【提出日】2021-08-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル挿入デバイスであって、
カテーテルハブから遠位端まで遠位に延在するカテーテルを備えるカテーテルハブであって、前記カテーテルは、外側表面と、前記カテーテルを通る流体通路を画定する内側表面とを有し、前記カテーテルハブは、内部空洞と、その中に含有される隔壁とを備える、カテーテルハブと、
前記隔壁および前記カテーテルを通して軸方向に移動可能なカニューレであって、前記カニューレは、外側表面と、前記カニューレを通る中心ボアを画定する内側表面と、鋭的遠位先端において遠位に終端する傾斜部の形状における遠位開口部とを有する、カニューレと、
前記カニューレ内の視認窓であって、前記視認窓は、前記中心ボアへと通した前記カニューレ内の開窓と、前記開窓にわたってフィットする透明シール部材とを備え、前記開窓は、前記カニューレの外側表面上に、前記開窓の軸長を画定する近位縁と、遠位縁とを有する、視認窓と
を備え、
前記カニューレはさらに、その中にフィットされる前記透明シール部材が、前記カニューレの中に存在する流体で充填することが可能な視認カプセルを提供するように、前記開窓を囲繞するより狭い直径部分を備え、
環状空間が、前記カニューレが前記カテーテルの流体通路内にあるとき、前記カテーテルの内側表面と前記カニューレの外側表面との間に存在する、カテーテル挿入デバイス。
【請求項2】
前記透明シール部材は、透明フィルム、透明挿入体、透明スリーブ、または透明カバーから選択される、請求項1に記載のカテーテル挿入デバイス。
【請求項3】
前記透明シール部材は、前記より狭い直径部分に実質的に類似する寸法を有するガラスまたはプラスチックスリーブを備え、前記カニューレの外径は、前記視認カプセルにわたって実質的に一定のままである、請求項1に記載のカテーテル挿入デバイス。
【請求項4】
前記開窓の近位縁は、約10mm~約50mmの距離Dだけ前記鋭的遠位先端から離間される、請求項1に記載のカテーテル挿入デバイス。
【請求項5】
前記カテーテルの遠位端は、前記カニューレの遠位開口部が、前記カテーテルの前記遠位開口部を越えて遠位に延在するとき、円周方向シールが、前記カテーテルの遠位端において、前記カテーテルの内側表面と前記カニューレの外側表面との間に存在するように、テーパ状である、請求項1に記載のカテーテル挿入デバイス。
【請求項6】
前記カニューレはさらに、前記カニューレの遠位開口部の近位にある位置から発端する長さDだけ前記カニューレ上の近位に延在し、前記シール下に、血液が前記環状空間の中に近位に流動するための流体経路を提供する平坦なレリーフ部分を備える、請求項5に記載のカテーテル挿入デバイス。
【請求項7】
前記平坦なレリーフ部分の長さDは、前記カニューレ開窓の場所およびサイズに適応するように約10mm~約50mmである、請求項6に記載のカテーテル挿入デバイス。
【請求項8】
カテーテル挿入デバイスであって、
カテーテルハブから遠位端まで遠位に延在するカテーテルを備えるカテーテルハブであって、前記カテーテルは、外側表面と、前記カテーテルを通る流体通路を画定する内側表面とを有し、前記カテーテルハブは、内部空洞と、その中に含有される隔壁とを備える、カテーテルハブと、
前記隔壁および前記カテーテルを通して軸方向に移動可能なカニューレであって、前記カニューレは、外側表面と、前記カニューレを通る中心ボアを画定する内側表面と、長さDを有し、鋭的遠位先端において遠位に終端する傾斜部の形状における遠位開口部とを有する、カニューレと、
前記カニューレの壁を通して前記カニューレの中心ボアの中に半径方向に配置される開窓であって、前記開窓は、前記カニューレの外側表面上に、前記開窓の軸長を画定する近位縁と、遠位縁とを有する、開窓と
を備え、
環状空間が、前記カニューレが前記カテーテルの流体通路内にあるとき、前記カテーテルの内側表面と前記カニューレの外側表面との間に存在し、
前記カニューレの鋭的遠位先端と前記開窓の近位縁との間の距離Dは、隔壁長を上回り、
前記カニューレの鋭的遠位先端と前記開窓の遠位縁との間の距離Dは、隔壁長を下回る、
カテーテル挿入デバイス。
【請求項9】
距離Dが、前記隔壁長の150%以下のままであるように、前記Dは、前記隔壁長の150%以下であり、Dは、Dを上回る、請求項8に記載のカテーテル挿入デバイス。
【請求項10】
前記隔壁は、自己シール隔壁を含む、請求項8に記載のカテーテル挿入デバイス。
【請求項11】
前記カテーテルの遠位端は、前記カニューレの遠位開口部が、前記カテーテルの前記遠位開口部を越えて遠位に延在するとき、円周方向シールが、前記カテーテルの遠位端において、前記カテーテルの内側表面と前記カニューレの外側表面との間に存在するように、テーパ状である、請求項8に記載のカテーテル挿入デバイス。
【請求項12】
前記カニューレはさらに、前記カニューレの遠位開口部の近位にある位置から発端する長さDだけ前記カニューレ上の近位に延在し、前記シール下に、血液が前記環状空間の中に近位に流動するための流体経路を提供する平坦なレリーフ部分を備える、請求項11に記載のカテーテル挿入デバイス。
【請求項13】
前記カニューレはさらに、前記平坦なレリーフ部分の近位端と前記開窓の遠位縁との間に位置付けられ、前記環状空間内の前記カニューレの外側表面と前記カテーテルの内側表面との間にシールを提供する円周方向に拡大された部分を備える、請求項12に記載のカテーテル挿入デバイス。
【請求項14】
システムであって、
カニューレと、
カテーテルハブと、
カテーテルと
を備え、
前記カニューレは、血管の中挿入されるように構成されており、前記カニューレは、外側表面と、前記カニューレを通る中心ボアを画定する内側表面と、遠位開口部と、前記中心ボアへと通した前記カニューレ内の開窓と、前記開窓にわたってフィットする透明シール部材とを備える、視認窓とを有し、
記血管の中への前記カニューレの遠位開口部の挿入は、前記カニューレの前記視認窓における血液のフラッシュの観察によって確認され、
前記カテーテルの遠位端は、前記カニューレに対する前記カテーテルの遠位移動によって、前記血管の中挿入されるように構成されており、前記カテーテルは、前記カテーテルハブから前記遠位端まで遠位に延在し、前記カテーテルは、外側表面と、前記カテーテルを通る流体通路を画定する内側表面とを有し、前記カテーテルハブは、内部空洞と、その中に含有される隔壁とを備え、前記カテーテルは、前記カニューレにわたって同軸方向に配列され、前記カニューレの外側表面と前記カテーテルの内側表面との間に環状空間を提供し、
記血管の中への前記カテーテルの遠位端の挿入は、前記環状空間の中の血液のフラッシュの観察によって確認され、
平坦なレリーフ部分が、前記カニューレの遠位端上に含まれ、前記レリーフ部分は、前記カテーテルの遠位端における前記カテーテルの内側表面と前記カニューレの外側表面との間に存在するシール下に流体経路を提供し、前記カテーテルの先端が前記血管に進入すると、血液が前記血管から前記環状空間の中に流入することを可能にする、システム
【請求項15】
前記平坦なレリーフ部分は、前記カニューレの遠位開口部の近位にある位置から発端する長さDだけ前記カニューレ上の近位に延在し、Dは、約10mm~約50mmである、請求項14に記載のシステム
【請求項16】
前記カテーテルの遠位端は、前記シールを提供するようにテーパ状である、請求項14に記載のシステム
【請求項17】
前記カニューレはさらに、その中にフィットされる前記透明シール部材が、前記カニューレの中に存在する流体で充填することが可能な視認カプセルを提供し、前記血管の中への前記カニューレの遠位開口部の挿入の視覚確認を提供するように、前記開窓を囲繞するより狭い直径部分を備える、請求項14に記載のシステム
【請求項18】
前記血管は、深部静脈である、請求項14に記載のシステム


【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
種々の実施形態では、血管は、深部静脈である。
(項目1)
カテーテル挿入デバイスであって、
カテーテルハブから遠位端まで遠位に延在するカテーテルを備えるカテーテルハブであって、上記カテーテルは、外側表面と、上記カテーテルを通る流体通路を画定する内側表面とを有し、上記カテーテルハブは、内部空洞と、その中に含有される隔壁とを備える、カテーテルハブと、
上記隔壁および上記カテーテルを通して軸方向に移動可能なカニューレであって、上記カニューレは、外側表面と、上記カニューレを通る中心ボアを画定する内側表面と、鋭的遠位先端において遠位に終端する傾斜部の形状における遠位開口部とを有する、カニューレと、
上記カニューレ内の視認窓であって、上記視認窓は、上記中心ボアへと通した上記カニューレ内の開窓と、上記開窓にわたってフィットする透明シール部材とを備え、上記開窓は、上記カニューレの外側表面上に、上記開窓の軸長を画定する近位縁と、遠位縁とを有する、視認窓と
を備え、
上記カニューレはさらに、その中にフィットされる上記透明シール部材が、上記カニューレの中に存在する流体で充填することが可能な視認カプセルを提供するように、上記開窓を囲繞するより狭い直径部分を備え、
環状空間が、上記カニューレが上記カテーテルの流体通路内にあるとき、上記カテーテルの内側表面と上記カニューレの外側表面との間に存在する、カテーテル挿入デバイス。
(項目2)
上記透明シール部材は、透明フィルム、透明挿入体、透明スリーブ、または透明カバーから選択される、項目1に記載のカテーテル挿入デバイス。
(項目3)
上記透明シール部材は、上記より狭い直径部分に実質的に類似する寸法を有するガラスまたはプラスチックスリーブを備え、上記カニューレの外径は、上記視認カプセルにわたって実質的に一定のままである、項目1に記載のカテーテル挿入デバイス。
(項目4)
上記開窓の近位縁は、約10mm~約50mmの距離D だけ上記鋭的遠位先端から離間される、項目1に記載のカテーテル挿入デバイス。
(項目5)
上記カテーテルの遠位端は、上記カニューレの遠位開口部が、上記カテーテルの上記遠位開口部を越えて遠位に延在するとき、円周方向シールが、上記カテーテルの遠位端において、上記カテーテルの内側表面と上記カニューレの外側表面との間に存在するように、テーパ状である、項目1に記載のカテーテル挿入デバイス。
(項目6)
上記カニューレはさらに、上記カニューレの遠位開口部の近位にある位置から発端する長さD だけ上記カニューレ上の近位に延在し、上記シール下に、血液が上記環状空間の中に近位に流動するための流体経路を提供する平坦なレリーフ部分を備える、項目5に記載のカテーテル挿入デバイス。
(項目7)
上記平坦なレリーフ部分の長さD は、上記カニューレ開窓の場所およびサイズに適応するように約10mm~約50mmである、項目6に記載のカテーテル挿入デバイス。
(項目8)
カテーテル挿入デバイスであって、
カテーテルハブから遠位端まで遠位に延在するカテーテルを備えるカテーテルハブであって、上記カテーテルは、外側表面と、上記カテーテルを通る流体通路を画定する内側表面とを有し、上記カテーテルハブは、内部空洞と、その中に含有される隔壁とを備える、カテーテルハブと、
上記隔壁および上記カテーテルを通して軸方向に移動可能なカニューレであって、上記カニューレは、外側表面と、上記カニューレを通る中心ボアを画定する内側表面と、長さD を有し、鋭的遠位先端において遠位に終端する傾斜部の形状における遠位開口部とを有する、カニューレと、
上記カニューレの壁を通して上記カニューレの中心ボアの中に半径方向に配置される開窓であって、上記開窓は、上記カニューレの外側表面上に、上記開窓の軸長を画定する近位縁と、遠位縁とを有する、開窓と
を備え、
環状空間が、上記カニューレが上記カテーテルの流体通路内にあるとき、上記カテーテルの内側表面と上記カニューレの外側表面との間に存在し、
上記カニューレの鋭的遠位先端と上記開窓の近位縁との間の距離D は、隔壁長を上回り、
上記カニューレの鋭的遠位先端と上記開窓の遠位縁との間の距離D は、隔壁長を下回る、
カテーテル挿入デバイス。
(項目9)
距離D が、上記隔壁長の150%以下のままであるように、上記D は、上記隔壁長の150%以下であり、D は、D を上回る、項目8に記載のカテーテル挿入デバイス。
(項目10)
上記隔壁は、自己シール隔壁を含む、項目8に記載のカテーテル挿入デバイス。
(項目11)
上記カテーテルの遠位端は、上記カニューレの遠位開口部が、上記カテーテルの上記遠位開口部を越えて遠位に延在するとき、円周方向シールが、上記カテーテルの遠位端において、上記カテーテルの内側表面と上記カニューレの外側表面との間に存在するように、テーパ状である、項目8に記載のカテーテル挿入デバイス。
(項目12)
上記カニューレはさらに、上記カニューレの遠位開口部の近位にある位置から発端する長さD だけ上記カニューレ上の近位に延在し、上記シール下に、血液が上記環状空間の中に近位に流動するための流体経路を提供する平坦なレリーフ部分を備える、項目11に記載のカテーテル挿入デバイス。
(項目13)
上記カニューレはさらに、上記平坦なレリーフ部分の近位端と上記開窓の遠位縁との間に位置付けられ、上記環状空間内の上記カニューレの外側表面と上記カテーテルの内側表面との間にシールを提供する円周方向に拡大された部分を備える、項目12に記載のカテーテル挿入デバイス。
(項目14)
点滴方法であって、
血管の中にカニューレを挿入するステップであって、上記カニューレは、外側表面と、上記カニューレを通る中心ボアを画定する内側表面と、遠位開口部と、上記中心ボアへと通した上記カニューレ内の開窓と、上記開窓にわたってフィットする透明シール部材とを備える、視認窓とを有する、ステップと、
上記カニューレの視認窓の中で血液のフラッシュを観察し、上記血管の中への上記カニューレの遠位開口部の挿入を確認するステップと、
上記カニューレに対して上記カテーテルを遠位に移動することによって、上記血管の中にカテーテルの遠位端を挿入するステップであって、上記カテーテルは、カテーテルハブから上記遠位端まで遠位に延在し、上記カテーテルは、外側表面と、上記カテーテルを通る流体通路を画定する内側表面とを有し、上記カテーテルハブは、内部空洞と、その中に含有される隔壁とを備え、上記カテーテルは、上記カニューレにわたって同軸方向に配列され、上記カニューレの外側表面と上記カテーテルの内側表面との間に環状空間を提供する、ステップと、
上記環状空間の中の血液のフラッシュを観察し、上記血管の中への上記カテーテルの遠位端の挿入を確認するステップと
を含み、
平坦なレリーフ部分が、上記カニューレの遠位端上に含まれ、上記レリーフ部分は、上記カテーテルの遠位端における上記カテーテルの内側表面と上記カニューレの外側表面との間に存在するシール下に流体経路を提供し、上記カテーテルの先端が上記血管に進入すると、血液が上記血管から上記環状空間の中に流入することを可能にする、方法。
(項目15)
上記平坦なレリーフ部分は、上記カニューレの遠位開口部の近位にある位置から発端する長さD だけ上記カニューレ上の近位に延在し、D は、約10mm~約50mmである、項目14に記載の方法。
(項目16)
上記カテーテルの遠位端は、上記シールを提供するようにテーパ状である、項目14に記載の方法。
(項目17)
上記カニューレはさらに、その中にフィットされる上記透明シール部材が、上記カニューレの中に存在する流体で充填することが可能な視認カプセルを提供し、上記血管の中への上記カニューレの遠位開口部の挿入の視覚確認を提供するように、上記開窓を囲繞するより狭い直径部分を備える、項目14に記載の方法。
(項目18)
上記血管は、深部静脈である、項目14に記載の方法。
【国際調査報告】