(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-19
(54)【発明の名称】熱及び物質を交換する装置
(51)【国際特許分類】
F28C 3/06 20060101AFI20220412BHJP
F28F 21/08 20060101ALI20220412BHJP
B01J 19/32 20060101ALI20220412BHJP
B01J 19/30 20060101ALI20220412BHJP
B01D 3/26 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
F28C3/06
F28F21/08 A
F28F21/08 G
F28F21/08 E
F28F21/08 F
F28F21/08 Z
B01J19/32
B01J19/30
B01D3/26 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021549809
(86)(22)【出願日】2020-02-25
(85)【翻訳文提出日】2021-08-25
(86)【国際出願番号】 FR2020050350
(87)【国際公開番号】W WO2020174169
(87)【国際公開日】2020-09-03
(32)【優先日】2019-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(32)【優先日】2019-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(32)【優先日】2019-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】マスリア、エリック
(72)【発明者】
【氏名】マリー、カミーユ
(72)【発明者】
【氏名】アマン、ルドヴィック
(72)【発明者】
【氏名】ル ボット、パトリック
(72)【発明者】
【氏名】フリマ、デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ベドナルスキ、デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】トラニエ、ジャン-ピエール
【テーマコード(参考)】
4D076
4G075
【Fターム(参考)】
4D076BB04
4D076CC12
4D076CC14
4D076CC22
4D076JA03
4G075AA03
4G075AA13
4G075AA45
4G075BB02
4G075BB04
4G075BD12
4G075BD13
4G075BD15
4G075CA02
4G075CA03
4G075DA02
4G075DA18
4G075EA01
4G075EB09
4G075EE12
4G075EE32
4G075EE34
4G075FA01
4G075FA12
4G075FB02
4G075FB04
4G075FB12
(57)【要約】
【解決手段】 長方形断面の少なくとも2つの固体金属板(300)の単一積み重ねを含む、物質伝達及び直接熱交換用の装置(100)であって、各板は、整列され、少なくとも2つの平行面を有する多角形断面を有する中空金属コラム(200)のグループによって、装置の少なくとも第1の物質伝達及び直接熱交換ゾーン(A、C、D)に隣接板から分離されており、チャンネルは、所与の方向に平行であり、互いに連続しており、各グループのコラムの各々は、グループの両側で2つの金属板と接触しており、グループのコラムの少なくとも一部は、熱及び物質を交換する手段(230)を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコラム(200)、長方形断面の少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つの固体金属板(300)の単一積み重ねによって構成されている直接熱交換及び物質伝達装置(100)であって、前記板の形状及び寸法は、全部実質的に同じであり、前記板は、決定方向に平行であり、各板は、整列され、少なくとも2つの平行面を有する多角形断面(好ましくは、長方形断面、又は更に正方形断面)を有する中空金属コラム(200)のグループによって、前記装置の少なくとも第1の直接熱交換及び物質伝達ゾーン(A、C、D)に前記隣接板から分離されており、チャンネルは、前記決定方向に平行であり、互いに連続しており、任意選択的に、前記装置の前記コラムの全部は、互いに平行であり、各グループの前記コラムの各々は、前記グループの両側で前記2つの金属板と接触しており、グループ又は更に各グループの前記コラムの少なくとも一部、又は更にグループの前記コラムの全部は、物質及び熱交換手段(230)、例えば、ランダム又は構造化金属パッキンなどのパッキンを含む、
直接熱交換及び物質伝達装置(100)。
【請求項2】
前記板(300)は、ろう付け又は接着剤接合によって前記コラム(200)に固定されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記板(300)、前記コラム(200)、及び任意選択的に前記物質及び熱交換手段(230)は全部、i)同じ金属、又はii)同じ合金、又はiii)同じ主要金属を有する合金で形成されている、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記板(300)、及び/又は前記コラム(200)、及び/又は前記直接及び/又は間接熱交換及び物質伝達手段(230)は、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、銅又はチタンの金属のうち1つで形成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
コラム(200)の前記断面のエッジの最小寸法は、2cmを超える、好ましくは4cmを超える、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
板(300)の長さは、少なくとも1mに等しい、好ましくは少なくとも2mに等しい、又は更に少なくとも4mに等しい、請求項1~5のいずれか一項に記載の直接熱交換及び物質伝達装置。
【請求項7】
前記第1のゾーン(A、C、D)は、前記積み重ねの幅及び厚さと前記積み重ねの長さの一部とによって画定されている前記装置の一部を構成する、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
少なくとも前記第1のゾーン(A、C、D)の前記コラム(200)の少なくとも2/3、好ましくは前記コラム(200)の全部に同じ流体を供給する手段を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
少なくとも第1のゾーン(A、C、D)の前記コラム(200)の少なくとも2/3、好ましくは前記コラム(200)の全部から前記同じ流体を収集する手段を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記積み重ねは、前記第1のゾーン(A、C)から来る流体を2つの板の間の通路のうち2つの中の1つの通路に供給する手段、及び熱発生又は冷媒流体を用いて間接熱交換を可能にするために熱発生又は冷媒流体を第2のゾーンの残りの前記通路に供給する手段を含む、前記積み重ねの前記幅及び前記厚さと前記積み重ねの前記長さの一部とによって画定されている前記装置の一部によって構成されている間接熱交換ゾーンである第2のゾーン(B)を含む、請求項8及び/又は請求項9と組み合わせられる請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記積み重ねの前記幅及び前記厚さと前記積み重ねの前記長さの一部とによって画定されている前記装置の一部を構成する第2の直接熱交換ゾーン(B)を含み、ゾーン(A、C、D)の前記コラム(200)の少なくとも2/3、好ましくは前記コラム(200)の全部に前記同じ流体を供給する手段、及び/又はゾーンの前記コラムの少なくとも2/3、好ましくは前記コラムの全部から前記同じ流体を収集する手段を含む、請求項8及び/又は請求項9と組み合わせられる請求項7に記載の装置。
【請求項12】
0℃未満の温度で用いる、例えば蒸留又は洗浄による分離用の装置であって、使用中に、コラム(200)に導入されている液体が重力下で各コラムに流れるように方向付けられている請求項1~11のいずれか一項に記載の熱及び物質交換装置と、少なくとも2つの成分を含む交換本体に分離されるべき流体を送る手段と、分離されるべき前記流体の前記成分のうち1つが豊富な少なくとも1つの分離流体を、前記装置の少なくとも1つの端部から抽出する手段と、前記交換装置、例えば、前記交換装置を含む絶縁室を絶縁する手段とを含む、分離用の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、気体と液体との間の直接熱交換及び物質伝達用の装置に関する。
【背景技術】
【0002】
直接熱交換及び物質伝達用の機器は、様々な工程で現在使用されている。例えば、物質伝達コラムは、実施されるべき洗浄工程、混合工程、冷却工程、加熱工程又は蒸留工程を可能にする。これらの工程は全部、単一基本原理、即ち、少なくとも2つの流体の間の直接接触に基づいている。これらの2つの流体は、好ましくは、気体及び液体であるけれども、2つの液体又は2つの気体であることもできる。
【0003】
従って、このようなコラムは、少なくとも1つの直接熱交換及び物質伝達媒体を含み、2つの流体は、向流的に又は並流的に通過し、これらの2つの流体の間の物質伝達及び直接熱交換が行われる。
【0004】
蒸留工程において、気体又は2相供給流れを、直接熱交換及び物質伝達コラムに送り、コラムに送られた流れの凝縮及び気化の一連の連続ステップをコラムで確立するように、このコラムを、底部で加熱する、及び/又は上部で冷却する。この結果、コラムで上昇する気体の流れは、供給流れの少なくとも1つのより軽い成分が豊富になり、重力下でコラムで下降する液体の流れに対する向流は、供給流れの少なくとも1つのより重い成分が豊富になる。
【0005】
洗浄工程において、気体又は2相供給流れを、直接熱交換及び物質伝達コラムに送り、供給流れの1つ又は複数の成分を選択的に吸収する液体によって、更に、このコラムに上部で供給する。この結果、コラムで上昇する気体の流れは、選択的に吸収された成分が乏しくなり、コラムで下降する液体の流れに対する向流は、選択的に吸収された成分が豊富になる。
【0006】
混合工程として知られている、2相が混合する場合に発生する熱を用いた精留工程において、仏国特許第2143986号明細書、仏国特許第2584803号明細書、及びCPC F25J3/0446及びF25J3/04466に分類される他の特許に記載のように、液体供給流れをコラムの上部に送り、気体供給流れを底部に送り、工程の生成物をコラムの中間で引き出す。
【0007】
通常、構造化パッキンを形成するようにブロックで一緒にグループ化された波形薄板を円筒シェル内に配置することによって、直接熱交換及び物質伝達機器を製造する。この方法は、コラムの寸法、及びパッキンの製造及び設置の複雑さのために、遅くて高価であることがある。更に、使用される流体が極低温度である場合、アルミニウムは、パッキン、又は更にコラムのシェルの製造に適している物質である。
【0008】
構造化パッキンは、全製造ラインを必要とするので、パッキンが実行する必要がある熱及び/又は物質交換にこれらのパッキンを正確に適合させることができない。
【0009】
例えば、特定の密度、特定の波形角度及び特定のプリーツ高さしか利用できない。更に、パッキンは、嵩張り、保管するのが困難である。
【0010】
穿孔フィンによって分離された長方形板の積み重ねを形成し、その後、複数の通路を有する本体を形成するようにこの積み重ねをろう付けすることによって、熱交換器本体を製造することも知られている。
【0011】
このタイプの本体は、1つの流体から他の流体に間接的に熱を伝達するために後で使用され、フィンを有する通路内の流体は、フィンを有する隣接通路に板を介して、又はフィンを有する複数の隣接通路に複数の板を介して、流体の熱を伝達する。
【0012】
この場合、2つの流体の間の物質伝達はない。ALPEMA規格「The standards of the brazed aluminium plate-fin heat exchanger manufacturers’ association」は、ろう付けアルミニウムで形成された、2つ以上の流体の間の間接熱交換用のこれらの間接熱交換器を説明している。
【0013】
このろう付けは、板とフィンとの間に金属結合を確立する永続的組立工程である。
【0014】
このタイプの本体は、間接熱交換器として頻繁に使用されるけれども、0℃未満の温度における流体の分離のために、工業規模で決して使用されていない。アルミニウムは、この製造方法に非常によく適している物質である。
【0015】
先行技術において、極低温空気分離ユニットは一般的に、特に、極低温空気分離ユニットの主熱交換ライン、及び熱交換関係にある中圧コラム及び低圧コラムを配置する気化器-凝縮器を形成するろう付け板熱交換器を含む。物質交換を行うこれらの2つ蒸留コラムは、これらのろう付け板熱交換器を構成するろう付け母材に組み込まれない。
【0016】
欧州特許第0767352号明細書は、これらのろう付け母材に分縮機能を組み込むこと、即ち、間接熱交換及び物質交換及び直接熱交換を同時に行うゾーンを提案している。
【0017】
米国特許第6295839号明細書は、ろう付け母材に蒸留及び間接熱交換機能を組み込むことを提案しているけれども、ろう付け可能であり、動作圧力に耐える必要な機械的強度を有する解決策を有するように、このようなろう付け母材(「コア」とも呼ばれる)を設計する方法を記載していない。
【0018】
Bruinsma O.S.L.ら、Chem Eng Res Des(2012)の科学出版物「The structured heat integrated distillation column」は、ALPEMA文献「The standards of the brazed aluminium plate-fin heat exchanger manufacturers’ association」に記載のようなろう付けアルミニウム製の交換器の従来の波形の性能を、母材におけるろう付け十字波形パッキンと比較している。十字波形パッキンの場合、機械的強度を保証するために、ろう付け前に、1mmの穿孔分離シートを、全体をろう付けするように2つの波形シートの間に挿入する。従来の波形の効率は、約1.4メートルのHETP(理論段相当高さ)で、非常に悪い。十字波形パッキンの効率は、0.2メートルと0.4メートルと間のHETPで、より良い。
【0019】
それにもかかわらず、パッキンの効率を増加することが要求された場合、100mmよりも小さいHETPを有するようにパッキンの密度(典型的に、1000m2/m3、又は更に1500m2/m3を超える)を増加する必要がある。このために、波形の高さは、8~9mmから3~4mmに変わり、分離シートの数を2倍にする必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の目的は、効率的であり(例えば、100mmよりも小さいHETPを有することができる)、圧力に耐えることができ、低コストで製造するのが容易であり、好ましい実施形態で間接熱交換を組み込むことができる直接熱交換及び物質伝達装置を提案することにある。
【0021】
特に、装置の要素を、様々な寸法及び形状で商業的に低コストで容易に見付けることができる。従って、特定の動作条件(例えば、圧力、温度、及び関連の流体の組成)に要素を適合させるのが容易である。
【0022】
製造時間の削減を伴って顧客のニーズを完全に満足させる装置を製造するように、装置の要素を、様々な方法で、事前購入し、保管し、組み合わせることができる。
【0023】
本発明の第1の目的は、特に、上昇する気体と重力下で下降する液体との間の物質伝達及び直接熱交換のために機械的強度及び接触面の機能を分離することにある。従って、接触面の大部分は、装置の圧力に耐える機械的能力で重要な役割を果たさない。これにより、ろう付けの場合、分離シートの数を増加する必要がない一方、同時に、高密度(典型的に、750m2/m3、又は更に1000m2/m3を超える)の積み重ね又はランダムパッキンを使用することができる。
【0024】
更に、本発明の目的は、同量の装置物質に対して特に耐圧性がある装置を製造することにある。詳細には、複数の積み重ねコラムの使用により、圧力推進力をより良く制御し、必要な物質の量を減らすことができる。複数の積み重ねコラムを並列に使用することによって、これらのコラムの液圧直径を減少する。
【0025】
さて、所与のパッキンを有する小さい液圧直径(数センチメートル)のコラムは、直径が1メートルと10メートルとの間にある典型的な産業用コラムよりも著しく効率的である。
【0026】
直径が1メートルのコラムを、並列に1000個のコラムに分割する場合、これらのコラムの液圧直径を、1000の平方根で割ると、32cmになる。
【0027】
更に、本発明の目的は、板の単一組立体に組み合わせられた多数の機能を有する装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明の別の主題によれば、複数のコラム、長方形断面の少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つの固体金属板の単一積み重ねによって構成されている直接熱交換及び物質伝達装置であって、板の形状及び寸法は、全部実質的に同じであり、板は、決定方向に平行であり、各板は、整列され、少なくとも2つの平行面を有する多角形断面(好ましくは、長方形断面、又は更に正方形断面)を有する中空金属コラムのグループによって、装置の少なくとも第1の直接熱交換及び物質伝達ゾーンに隣接板から分離されており、チャンネルは、決定方向に平行であり、互いに連続しており、任意選択的に、装置のコラムの全部は、互いに平行であり、各グループのコラムの各々は、グループの両側で2つの金属板と接触しており、グループ又は更に各グループのコラムの少なくとも一部、又は更にグループのコラムの全部は、物質及び熱交換手段、例えば、ランダム又は構造化金属パッキンなどのパッキンを含む、直接熱交換及び物質伝達装置を提供する。
【0029】
他の任意選択的な態様は、下記の通りである。
・板は、ろう付け又は接着剤接合によってコラムに固定されている。
・コラムは、ろう付け又は接着剤接合によって固定されている。
・板、コラム、及び任意選択的に物質及び熱交換手段は全部、i)同じ金属、又はii)同じ合金、又はiii)同じ主要金属を有する合金で形成されている。板及び/又はコラムは、例えばろう付け材料の塗膜を有することができるものとする。板及び/又はコラムの材料は、塗膜によって覆われている。塗膜は、板又はコラムによって異なることができる。
・板、及び/又はコラム、及び/又は直接及び/又は間接熱交換及び物質伝達手段は、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、銅又はチタンの金属のうち1つで形成されている。
・コラムの断面のエッジの最小寸法は、2cm、好ましくは4cmを超える。
・板の長さは、1m、好ましくは2m、又は更に4mに少なくとも等しい。
・第1のゾーンは、積み重ねの幅及び厚さと積み重ねの長さの一部とによって画定されている装置の一部を構成する。
・装置は、少なくとも第1のゾーンのコラムの少なくとも2/3、好ましくはコラムの全部に同じ流体を供給する手段を含む。
・装置は、少なくとも第1のゾーンのコラムの少なくとも2/3、好ましくはコラムの全部から同じ流体を収集する手段を含む。
・積み重ねは、第1のゾーンから来る流体を2つの板の間の通路のうち2つの中の1つの通路に供給する手段、及び熱発生又は冷媒流体を用いて間接熱交換を可能にするために熱発生又は冷媒流体を第2のゾーンの残りの通路に供給する手段を含む、積み重ねの幅及び厚さと積み重ねの長さの一部とによって画定されている装置の一部によって構成されている間接熱交換ゾーンである第2のゾーンを含む。
・装置は、積み重ねの幅及び厚さと積み重ねの長さの一部とによって画定されている装置の一部を構成する第2の直接熱交換ゾーンを含み、ゾーンのコラムの少なくとも2/3、好ましくはコラムの全部に同じ流体を供給する手段、及び/又はゾーンのコラムの少なくとも2/3、好ましくはコラムの全部から同じ流体を収集する手段を含む。
【0030】
本発明の別の主題によれば、0℃未満の温度で用いる、例えば蒸留又は洗浄による分離用の装置であって、使用中に、コラムに導入されている液体が重力下で各コラムに流れるように方向付けられている上述のような熱及び物質交換装置と、少なくとも2つの成分を含む交換本体に分離されるべき流体を送る手段と、分離されるべき流体の成分のうち1つが豊富な少なくとも1つの分離流体を、装置の少なくとも1つの端部から抽出する手段と、交換装置、例えば、交換装置を含む絶縁室を絶縁する手段とを含む、分離用の装置を提供する。
【0031】
分離装置は、異なる圧力で動作するように設計されている2つのゾーンを含むことができ、少なくとも2つの成分を含む交換本体に分離されるべき流体を送る手段は、第1のゾーンに接続されており、分離されるべき流体の成分のうち1つが豊富な少なくとも1つの分離流体を、装置の少なくとも1つの端部から抽出する手段は、第1のゾーンの圧力よりも低い圧力で動作するように設計されている第2のゾーンに接続されている。
【0032】
本発明は、上述のような装置を用いて、気体(例えば、空気)の混合物を分離する工程を含むことができる。
【0033】
直接熱及び物質伝達を可能にする手段を含む多数のコラムを用いて、同じ流体の流れによって供給されるコラムの全部又は実質的に全部は、流体の分離及び/又は混合、例えば、洗浄及び/又は蒸留を実行することができる。
【0034】
パッキンの接触面は、パッキンを含むチャンネルの面よりも非常に大きい。これらのパッキンは、チャンネルの壁に機械的に接続されていないので、耐圧力の役割を果たさない。
【0035】
パッキンのHETPは、好ましくは、大気圧における空気ガスの混合に対して100mmよりも小さい。
【0036】
他の特徴、詳細及び利点は、下記の図面に関して一例として与えられる詳細な説明を読めば、一層明瞭になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は、本発明によって製造された物質及び/又は熱交換装置の略斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明による物質及び/又は熱交換装置の部分水平断面図である。
【
図3】
図3は、本発明による装置の2つの物質及び/又は熱交換コラムの部分水平断面図である。
【
図4】
図4は、本発明による物質及び熱交換装置の内部の断面を例示する。
【
図5】
図5は、本発明による装置のゾーンのコラムの代替の配置を例示する。
【
図6】
図6は、装置のゾーンのコラムを構成する様々な方法を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0038】
残りの明細書において、用語「直接及び/又は間接熱交換及び物質伝達手段」及び「交換手段」を、区別なく使用する。同様に、用語「直接及び/又は間接熱交換及び物質伝達交換装置」及び「装置」を、区別なく使用する。この装置が、機能的位置、即ち、直接及び/又は間接熱及び物質交換を行うことができる位置にある場合、垂直方向は、本発明による装置の伸長の主方向に対応する。
【0039】
従って、
図1は、3つの直接交換及び物質伝達ゾーンA、C及びDを含み、気化器-凝縮器タイプの間接熱交換用の間接熱交換ゾーンBを組み込む、ろう付けによる組立の方法で、本発明による直接及び間接熱交換及び物質伝達装置100を例示する。この装置は、長方形断面の複数(少なくとも2つ、又は更に少なくとも3つ、好ましくは少なくとも10個)の平板300、及び複数の直接熱交換及び物質伝達コラム200を含む。平板300は、同じ形状であり、同じ寸法を有する。平板は、固体であることができ、即ち、穿孔されていない。
【0040】
さて、流体が1つの通路から隣接通路に通過することができる、又は液体の分配又は気体側の圧力低下のバランスをとる多数の局所穿孔を板が含む場合でも、板を固体と考えることができる。装置は、長方形断面、又は更に正方形断面を有する平行六面体ブロックの形である。装置の長さは、軸Xに沿った板の長さである。装置の幅は、軸Zに沿った板の幅であり、装置の厚さは、物質及び/又は熱交換コラムの軸Yに沿った板の数及び寸法に左右される。
【0041】
これらの板300を、物質及び熱交換手段用に、軸Xに沿って垂直な長さ及び軸Zに沿って水平な幅で、配置する。
【0042】
ここに示す例によれば、装置は、5つの平板300及び80個のコラム200を含む。積み重ねの一部を形成する第6の平板300は通常、装置の長さ及び装置の幅によって規定される表面を覆う必要がある。装置の構成をより良く理解するために、この板を例示していない。
【0043】
板300の長さは、1m、好ましくは2m、又は更に3mに少なくとも等しい。
【0044】
コラムを、3つのゾーンA、C、Dに配置し、各ゾーンは、5つの列1、2、3、4、5に配置された20個のコラムを含み、各列は、4つのコラムを含む。コラム200は、コラムの寸法が異なる場合でも、全ての同一構成である。この場合、60個のコラムは、同じ正方形断面を有する。コラムは全て、同じ長方形断面、又は単に同じ断面を有することができる。
【0045】
好ましくは、これらのコラムは、簡単に商業的に入手でき、装置における役割に対応する寸法及び形状を用いて低コストで大量に注文可能なコラムである。これにより、装置の製造を単純化して製造コストを削減するように装置を標準化することができ、更に、顧客のニーズがより特殊である場合、より高い精度で他の装置を寸法決定することができる。方向Yにおいて、これらのコラムは典型的に、数センチメートル、即ち、2cmと10cmとの間の寸法を有する。方向Zにおいて、この寸法は典型的に、数センチメートル、又は更に数デシメートルである。
【0046】
単一ゾーンA、C、Dのコラムは、200個のコラムの平行六面体ブロックを形成するように同じ長さを有する。
【0047】
区分Bにおいて、気化器-凝縮器タイプの間接熱交換を保証するために、スペーサーシート301を用いて積み重ねを分割し、ALPEMAによって記載のような従来の交換波形を使用することができる。機能の組み合わせに加えて、気化器-凝縮器を装置に配置する利点は、ゾーンAに対する液体逆流を保証し、凝縮によって通路に気体の流れを促進することによって、又は、ゾーンC及びDで上昇気体流を保証するようにゾーンCから来る液体を部分的に気化させることによってゾーンC及びDの再沸騰を保証することによって、様々な通路(シート300で隔てられる)における流れの特定の均等な分配を保証することである。区分Bにおける通路の数は、ゾーンAに液体を供給するように凝縮を行うゾーンBにおける通路を、シート300によって決定されるゾーンAの各通路の上に有し、ゾーンCに気体を供給するように気化を行うゾーンBにおける通路を、ゾーンCの各通路の下に有するために、好ましくは、少なくとも2つの通路である。
【0048】
ゾーンは、ゾーンが有する必要がある機能によって異なる長さを有することができるものとし、コラムの長さは、ゾーンの長さによって選択される。
【0049】
コラムの壁は、流体がコラムの壁を通過することができないように、好ましくは、固体である。
【0050】
各区分におけるコラムの数は、区分毎に異なってもよい。コラムは、必ずしも正方形断面である必要はなく、長方形断面、又は単に多角形(例えば、三角形)断面、又は2つの平行な辺を有する多角形(例えば、八角形)断面を有することができる。
【0051】
各コラム200は、2つの平板300と接触して、2つの平板300の間に挟まれ、従って、2つの平行な壁を有する断面を有するという利点がある。平板500を、装置を閉鎖するように
図1(平面(X、Z))における右及び左のコラムの面に配置することができるものとし、これらの板は、装置の内部構造を見ることができるように例示されていない。
【0052】
代わりに、装置をより強固にするために、装置の外側に位置する平板300の厚さを増すことができる。
【0053】
1対の隣接板300の間の各空間は、軸Zに沿って接触する4つのコラム200の整列208を含む。
【0054】
更に任意選択的に、装置100の前部及び後部の板300の間の空間を閉鎖する棒400がある。しかし、これらの棒は、コラム200が見られるのを妨げ、従って、ここで例示されていない。
【0055】
それにもかかわらず、棒400が存在せず、コラム自体によって、又は別の手段(例えば、接着剤)によって、封止を保証することが考えられる。
【0056】
この図面において、各コラムは同じ断面を有し、各ゾーンは同じ数のコラムを含むので、上のゾーンのコラムの真下に列の各コラム200を配置するのが容易である。
【0057】
各コラムは、コラムが列の端部に位置する場合に1つの他のコラムと接触しており、又は2つの他のコラムと接触している。
【0058】
コラムのうち1つの下記の説明は、必要な変更を加えて、
図1に例示の装置100の構成コラム200の全部に当てはまる。
【0059】
ここに示す例によれば、装置100を、装置の動作位置に示す。「動作位置」は、装置100を使用することができる位置を意味するものとする。各コラム200は、物質及び/又は熱交換装置100の伸長の主方向Xに平行な伸長の主軸を有する。装置100が、垂直位置、即ち装置の動作位置にある場合、伸長のこの主軸Xは、垂直軸である。これは、本発明の1つの例示的な実施形態に過ぎず、装置100及び装置100の構成コラム200は、本発明の文脈から逸脱することなく、異なる形状を有することができるものとする。軸Yは、積み重ねられた板300の数、及びコラム200の寸法に左右される、装置の積み重ねを表す。軸Zは、板300の幅に対応する、装置の幅を表す。
【0060】
任意選択的に、装置は、封止方法で板のエッジに接続された横棒400によって構成された閉鎖手段を含む。
【0061】
このような装置100は、2つの流体間で少なくとも1つの物質伝達及び1つの間接熱交換を可能にするように構成されている。
【0062】
従って、例えば、装置は、第1の方向に装置で循環する液体と第2の方向に装置で循環する気体との間で物質及び熱の交換を可能にするように構成可能である。2つの流体の間で物質及び熱を交換する任意の他の工程を、本発明の文脈から逸脱することなく、本発明による装置100によって実施することができるものとする。例えば、装置100は、洗浄工程及び/又は蒸留工程を実施するように構成可能である。
【0063】
装置は、熱及び物質交換のために、装置の軸に沿って上昇する気相と重力下で下降する液相との間の接触を可能にする。
【0064】
更に、装置は、板と横棒との間のろう付け機械的接続によって動作圧力を含むことができる。
【0065】
どんな場合でも、本発明による装置100は、第1の流体用の少なくとも1つの吸入口(例えば、液体吸入口)、及び第2の流体用の少なくとも1つの吸入口(例えば、気体吸入口)を含み、これらの流体吸入口は、ここに記載の図面に示されていない。
【0066】
各コラム200は、流体が縦方向にコラムを通過することができるように両端部で開放する空間204を囲む4つの壁202を含む。流体は、4つの壁を通過することができない。
【0067】
コラムは、質量及び熱を伝達する手段を含む。この手段は、構造化又はランダムパッキンであることができる。
【0068】
パッキンは、液相と気相との間の接触のために重要な接触面を得ることができ、従って、液相と気相との間の交換を改善することができる任意のタイプの構造体を意味するものとする。
【0069】
このパッキンの接触面は、コラム200の内壁によって構成される接触面よりも大きく、好ましくは非常に大きい。
【0070】
例えば、リング、螺旋などの特定の形状を有する個々の要素の無秩序で不規則な積み重ねは、ランダムパッキンと呼ばれる。これらの個々の要素を用いて、熱及び/又は物質の交換を行う。これらの個々の要素は、金属、セラミック、プラスチック、又は同様の材料で形成可能である。N.Kolev、Elsevier、2006、pp 154-161による「Packed Bed Columns」は、ランダムパッキン用の例示的な個々の要素を記載している。
【0071】
ランダムパッキンは、伝達効率、低い圧力低下、及び設置の簡単さの点で有利な品質を与える。ランダムパッキンは、例えば、ラシヒリング、ポールリング、ビーズ、螺旋プリズムパッキンを含む。他のタイプのパッキン、例えば、実施するのがより複雑な構造化パッキン、又は金属発泡体は、当然考えられる。
【0072】
ランダムパッキンの使用は、特定の特性を有するように選択可能な、又は標準化装置のために低コストで大量に購入可能な簡単に商業的に入手できるパッキンの手の届くところにあることができるので、特に推奨される。これらのパッキンは、簡単に商業的に入手でき、装置における役割に対応する寸法及び形状を用いて低コストで大量に注文可能である。これにより、装置の製造を単純化して製造コストを削減するように装置を標準化することができ、更に、顧客のニーズがより特殊である場合、より高い精度で他の装置を寸法決定することができる。
【0073】
好ましくは、コラムを、パッキンによって完全に充填する。
【0074】
板、コラム、及び質量及び熱伝達手段は、好ましくは、金属(例えば、アルミニウム又はチタン)で形成されている。パッキンは、ステンレス鋼、又は酸素とより適合する材料、例えば、銅、ニッケル、Inconel(登録商標)、Monel(登録商標)などで形成可能である。
【0075】
各対の隣接板の板は、互いに連続している対の板の間の空間で対の板とコラムとの間のコラムに連続している。
【0076】
好ましくは、コラムを、ろう付け材料で覆わないけれども、コラムを覆うこともできる。両側にろう付けで一般的に覆われている分離シート300として知られているシートがある。
【0077】
好ましくは、2つの隣接板の間の空間は、ろう付け作業の前でも、各コラムが2つの隣接板に接触するように、交換コラムの小さい寸法のうち1つと実質的に等しい幅を有する。
【0078】
ゾーンCの各コラムを、隣接板300と接触して、分配又は分離手段220によって隣接ゾーンDのコラムから分離することができる。
【0079】
好ましくは、例示のように、分配手段は、2つの板300の間の整列208の4つのコラムに共通である。一方、分配手段は、2つの板300の間の空間に配置され、板を横断しない。
【0080】
一旦板、パッキンを事前充填したコラム、及び分配手段が設置されると、装置を、不活性又は還元性雰囲気における炉に置き、コラム及び分配手段を板に固定するためにろう付けする。
【0081】
各コラムを対向側の2つの板に固定するように、炉の温度を選択し、これは、装置がブロックを後で形成するのに十分である。
【0082】
一方、パッキンは、ろう付け作業の悪影響を受けない。その結果、コラムに導入された流体を、コラムのパッキンに対する凝縮及び気化の一連のステップによって分離することができる。同様に、コラムは、互いにろう付けされない。
【0083】
ろう付け中に装置が蒙る最高温度は、ろう付け塗膜から離れていると考えられる板の融点よりも低く、コラムの融点よりも低く、好ましくは、物質及び熱交換手段の融点よりも低い。
【0084】
ろう付けは、板と接触して、板とコラムと分配手段との間に金属結合を生成する。多角形断面を有するコラムの使用により、板と共通して大きい接触面を有することができ、従って、装置の結合力が一層良くなる。
【0085】
ろう付けステップの前に、コラムを互いに取り付ける必要はなく、これにより、装置の製造が大幅に単純化される。
【0086】
好ましくは、コラムは隔離され、各コラムは、他のコラムと無関係である。板に向かう気体又は液体の流入を制限するように、コラムの寸法、及び流体をコラムに導入する手段を選択する。
【0087】
更に、分配手段を、ろう付け作業によって板に固定し、ろう付け作業の前にコラム又は板に締結しない。
【0088】
好ましくは、分離又は混合されるべき流体を、各コラムに導入し、装置は、ゾーンA、C又はDのうち1つの各コラムに、好ましくはゾーンDの下部に、流体の一部を導入する手段を含む。
【0089】
分離又は混合されるべき流体は、コラムにだけ送られ、板と直接接触していない。
【0090】
次に、分離されるべき流体は、各コラムのパッキンを介して上昇し、コラムの1つのゾーンから上のゾーンに通過する最も軽い成分が豊富になる。
【0091】
より詳細に後述されるように、各コラム200は、当該コラム200の内部体積を画定する少なくとも1つの周壁202を含む。
【0092】
より詳細には、各周壁202は、別のコラム200、即ち、この他のコラムの周壁の外面に並置された少なくとも1つの外面211、及びこの内部体積を画定する、例えば
図2で見える内面212を含む。
図2にも示す少なくとも1つの物質及び熱交換手段230を、この内部体積に配置する。
【0093】
有利なことに、少なくとも1つの物質及び熱交換手段を、各コラム200に配置し、これらの交換手段の各々を、当該コラム200の仕切り204に収容し、各仕切り204を、少なくとも1つの分配デバイス220によって上部で少なくとも部分的に画定する。これらの分配デバイス220は、1つ又は複数の物質及び/又は熱交換手段にわたって少なくとも第1の流体、有利なことに第1の流体及び第2の流体の均等な分配を保証するように構成されている。この均質化は、これらの交換手段で行われる物質及び熱交換を促進するものとする。
【0094】
図1に示す例によれば、装置100は、装置を4つのゾーンに分割する3つの分配デバイス220を含む。これは、本発明の1つの特定の例示的な実施形態に過ぎず、この例は、本発明を全く限定しないものとする。
【0095】
これらの4つのゾーンは、異なる圧力で動作する、及び/又は異なる機能を有することができる。ゾーンAは、6バールで動作することができ、ゾーンC及びDは、1.4バールの圧力で動作することができる。
【0096】
有利なことに、コラム200を互いに固定することができるろう付け作業中に、装置100に配置された要素を一緒にろう付けする。換言すれば、物質及び/又は熱交換装置100を、単一ステップで完全に組み立てる。
【0097】
ろう付け後に、周囲温度に対して非常に低い又は非常に高い温度で装置が動作する必要がある場合、装置を、絶縁体で覆うことができる。別の方法で、装置を、絶縁室内に配置することができる。
【0098】
図2及び
図3を参照して、物質及び/又は熱交換手段及び装置内の配置を含む、本発明による装置の例示的な交換コラムを、ここでより詳細に説明する。これらの
図2及び
図3は、
図1の水平断面、即ち、コラム200の伸長の主軸Xを内接させる平面に関する断面を部分的に例示する。
【0099】
図2は、装置のゾーンの20個のコラムを示す本発明の例示的な実施形態を示す。各コラム200が、個別であり、ろう付け前に隣接板又は隣接コラムに取り付けられていないことをより良く理解するために、コラム200の間の空間及びコラムと板との間の空間の寸法を誇張している。一般的に、板300の寸法は約1mmである一方、正方形管202は、炉におけるろう付けの段階中の高温における機械的圧縮強度、及び装置の使用中の圧力に耐える機械的能力に関する要件によってセンチメートル規模の寸法及び数ミリメートルの厚さを有するので、板300の寸法も誇張している。
【0100】
この例において、装置を、一連のゾーンに分割するけれども、装置は、絶対的には、コラムの長さが実際には板の長さである場合、単一ゾーンだけを含むことができる。
【0101】
装置が複数のゾーンを含む最も可能性の高い場合、コラムは、板の長さの方向でゾーンの範囲の長さにせいぜい等しい長さを有する。
【0102】
各対の板300の間に、板の長さ又は板の長さの一部に等しい長さを有する4つの壁202を有する正方形断面の4つのコラム200の整列があることが分かる。
【0103】
図3は、ろう付け工程後の
図2におけるゾーンの一部を示す。ろう付け材料で覆われた2つの板300の間にコラム200を挟むことが分かる。コラム200の壁202の2つの対向壁の各々を、対向板300に接続する。2つの他の対向壁202は、複数の隣接コラム又は隣接コラム及び閉鎖棒の壁に連続している。コラムの内部204は、物質及び熱交換を促進する少なくとも1つの手段、例えばランダムパッキンを含む。
【0104】
図1、
図2及び
図3は、ろう付けによって装置を組み立てる方法を基本的に説明する。別の組み立て方法、又はろう付け、リベット打ち、接着剤接合又は溶接などの組み立て方法の組み合わせを用いて、このような装置を製造することもできる。一例として、区分Bだけをろう付けによって製造し、溶接によって製造されている区分A、C及びDに区分Bを溶接によって接合することができる。
【0105】
図4は、例えば、空気の蒸留のために使用可能な本発明による装置の断面を例示する。この断面は、
図1における4つよりも非常に多いコラムを有する2つの板の間のコラムの列を、
図4における例が使用する場合でも、
図1における線A-Aに関する断面に対応する。板300の積み重ねの方向は、頁(軸Y)で述べる。
【0106】
28個のコラム200を、各ゾーンA、C、Dに対して同じ2つの隣接板の間の空間に整列させ、ゾーンBは、コラム200を含まない。同じことが、板の積み重ねの各対の板に当てはまる。分離されるべき冷却気体混合物(この場合、空気)をゾーンAの各コラム200に送るように、ゾーンAの下端を介して、中圧コラムに対応するゾーンAに供給する。空気が各コラムの内部204におけるランダムパッキンを通過するにつれて、空気は、コラムで上昇し、窒素が豊富になり、酸素が乏しくなる。本発明から逸脱することなく、ごく少数のコラムに空気を供給しないことが可能である。次に、気体は、ゾーンBに入るように分配手段220を介して移動する。分配手段を介してゾーンCから下降する液体酸素を、ゾーンBに供給する。ゾーンBは、酸素気化及び窒素凝縮のための交互通路を含み、各通路は、気化又は凝縮のために使用され、熱は、通路を画定する板300を介して移動する。
【0107】
分配手段220によって分配された液体窒素は、逆流の機能を果たすようにゾーンAのコラムに下降して戻る。
【0108】
気体酸素は、ゾーンCに上昇する。更に、ゾーンAの下部から来る酸素富化液体を、ゾーンCに上から供給する。更に、凝縮器Bから来る凝縮窒素を、ゾーンDの上の分配手段220に送る。
【0109】
ゾーンDのコラム200から引き出された窒素富化気体を生成するために、ゾーンD及びCに送られた液体を、蒸留によってこれらのゾーンD及びCで分離し、酸素富化液体を、ゾーンCのコラム200から取り出す。
【0110】
図5は、コラム200が板300の長さの方向にゾーンの範囲と同じ長さを必ずしも有する必要がないことを示す。例示のゾーンは、ゾーンA、C又はDのうち1つであることができる。
【0111】
この場合、コラム200は、垂直方向にゾーンの寸法の半分に等しい長さを有する。上コラム200は、正方形断面のコラム200のグループの両側に長方形断面のコラム206を設置することによって、下のコラムに対してずらされている。
【0112】
これにより、ゾーン内でより大きい液体及び気体攪拌が可能になる。なぜなら、液体及び気体は、ゾーンを通過しながら、単一コラムにとどまらないからである。
【0113】
図6は、コラム200に対する可能な代替の構成を例示する。
図4に例示のように、互いに並んで置かれる正方形断面を有する管によって、コラムを形成することができる。長方形断面を有する管を用いて、コラムを形成することもできる。別の可能性は、2つの異なる細長い要素に属する壁を各々が有するコラムを形成するように開構造体を並置することである。
【0114】
従って、
図6aにおいて、C形断面の2つの端部が隣接要素のC形断面の2つの端部に触れた状態で、C形断面を有する要素200Cによって、コラムを形成する。
【0115】
図6bにおいて、H形断面の2つの端部が隣接要素のH形断面の2つの端部に触れた状態で、H形断面を有する要素200Hによって、コラムを形成する。
【0116】
図6cにおいて、要素の底部が、並んでいる要素の端部に触れた状態で、C形断面を有する要素200C’を配置する。
【0117】
母材のろう付け中にコラムを補強するために、接触する必要がある要素の一部にろう付け材料を配置することを想定することができる。
【0118】
従って、中空コラムのグループを、2つの中空コラムの一部を各々が形成する要素のグループ化によって構成する。
【0119】
図7は、使用状態で
図1における装置を示し、面704は、積み重ね(従って、平面XZ内)の最後の板である。
【0120】
空気は、ダクト600を介して、ブロック100の下面に栓をする半シリンダー700に入る。空気は、全コラム200で上昇する。空気の分配をより容易にする半シリンダー内の特定の手段を使用することなく、全コラムに供給することができるように、圧力及び流量を選択する。酸素富化液体は、ゾーンAから半シリンダー700の底部に下降する。この液体を、ダクト800を介して、ゾーンDに送る。窒素富化液体を、ダクト808を介して、ゾーンAの上部からゾーンDの上部に送る。
【0121】
気体又は液体であることができる酸素富化生成物を、ダクト806を介して引き出す。
【0122】
窒素富化気体生成物は、ゾーンDの全コラム200から、ブロック100の上面に栓をする半シリンダー700に到達し、ダクト804を介して引き出される。
【0123】
コラムの各列の各コラムにわたって、半シリンダーによって、流体を分配することができる、又はコラムの各列の各コラムから来る流体を収集することができる分配手段220と同じ高さに、流体吸入口及び出口を設置する。分配手段220は、各板の両側に位置し、板の一方の側から他方の側に流体が通過することができない。
【0124】
装置を絶縁するために、装置を、パーライトを含む従来のクーラーボックスに含むことができ、又は別の方法で、固体絶縁体は、装置の壁を覆うことができ、この場合、絶縁体を密閉するように室に要求しない。
【国際調査報告】