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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-19
(54)【発明の名称】駐車アシストシステム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20220412BHJP
   B60W 30/06 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
G08G1/16 C
B60W30/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021550060
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(85)【翻訳文提出日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 DE2020200019
(87)【国際公開番号】W WO2020200373
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】102019204656.8
(32)【優先日】2019-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503355292
【氏名又は名称】コンティ テミック マイクロエレクトロニック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Conti Temic microelectronic GmbH
【住所又は居所原語表記】Sieboldstrasse 19, D-90411 Nuernberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 友子
(72)【発明者】
【氏名】アイヒ・マルクス
(72)【発明者】
【氏名】グローガー・シャルロッテ
(72)【発明者】
【氏名】キットマン・フランク
(72)【発明者】
【氏名】フリーベ・マルクス
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA21
3D241BB02
3D241CE06
3D241DC33Z
5H181AA01
5H181CC04
5H181LL04
5H181LL17
(57)【要約】
本発明は、車両周辺部を描写することができる様に構成された車両用の駐車アシストシステムに関する。ここでは、該駐車アシストシステムは、少なくとも一枚の画像を撮影することができる様に構成された少なくとも一台のカメラを有している。そして該駐車アシストシステムは、車両の周辺部をユーザに対して描写するためグリッドストラクチャを用いることができる。付加的に該駐車アシストシステムは、画像内に描写されている一台の他の車両の相対的位置と向きを割出すことができる様に構成されている画像評価ユニットを包含していることができる。更に該画像評価ユニットは、割出された他の車両の向きに応じてグリッドストラクチャを適合させることができる様にも構成されていることができるが、この場合、画像は、該適合されたグリッドストラクチャに投影される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の周辺部(400)を描写するために構成され、以下を包含していることを特徴とする車両(200)用の駐車アシストシステム(100):
-少なくとも一枚の画像を撮影することができる様に構成された少なくとも一台のカメラ(102)、
但し、駐車アシストシステム(100)は、車両(200)の周辺部(400)をユーザに対して描写するたに、グリッドストラクチャ(104)を用いる、
-以下を実施できる様に構成されたデータ処理手段(106):
-該画像内に写っている他の車両(300)の向き(302)を割出すこと、
-グリッドストラクチャ(104)を他の車両(300)の向き(302)に依存して調整すること、
-適合済みグリッドストラクチャ(108)上に画像を投影すること。
【請求項2】
グリッドストラクチャ(104)が、幾何学的な、特に好ましくは、半球の形状を有していることを特徴とする請求項1に係る駐車アシストシステム。
【請求項3】
画像評価ユニット(106)が、幾何学的形状を曲げるなどをすることによって他の車両(300)の向き(302)に対して適合させることができる様に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の駐車アシストシステム。
【請求項4】
グリッドストラクチャ(104)が、付加的に汎用的車両モデル(304)を備えていることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の駐車アシストシステム。
【請求項5】
画像評価ユニットが、汎用的車両モデル(304)を、スケーリング、移動及び/或いは回転することによって他の車両(300)の向き(302)に対して適合させることができる様に構成されていることを特徴とする請求項4に記載の駐車アシストシステム。
【請求項6】
画像評価ユニット(106)が、汎用的車両モデル(304)を、スケーリング、移動及び/或いは回転することによって他の車両(300)の向き(302)に対して適合させることができる様に構成されていることを特徴とする請求項2~5のうち何れか一項に記載の駐車アシストシステム。
【請求項7】
他の車両(300)の向き(302)を同定するための画像評価ユニット(106)が、以下の様に構成されていることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の駐車アシストシステム:
-画像内の基準面(306)を認識する、
-画像内において少なくとも車両(300)の二本のタイヤ(308)を同定する、
-タイヤ(308)の外周の輪郭(310)を割出す、
-タイヤ(308)の外周の輪郭(310)上のカメラ(102)に最も近い点を割出すことによって、基準面(306)と外周の輪郭(310)との間のそれぞれ一つの交点(312)を得る。
【請求項8】
画像評価ユニット(106)が、更に、基準面(306)、タイヤ(308)、外周の輪郭(310)、交点(312)及び/或いは、他の車両(300)の向き(302)の妥当性検証を実施できる様にも構成されていることを特徴とする請求項7に記載の駐車アシストシステム。
【請求項9】
画像評価ユニット(106)が、他の車両(300)のフロント部(316)及び/或いはリア部(314)を割出し、グリッドストラクチャ(104)の向きを該フロント部(316)及び/或いはリア部(314)に依存して調整することができる様に構成されていることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の駐車アシストシステム。
【請求項10】
以下のステップを包含していることを特徴とする車両(200)の周辺部(400)を描写するための方法(600):
-車両の周辺部(400)の画像を撮影するステップ(S1)、
-グリッドストラクチャを用いて車両(400)の周辺部を描写するステップ(S2)、
-該画像内に写っている他の車両の向きを割出すステップ(S3)、
-他の車両の向きに応じて、グリッドストラクチャを合わせるステップ(S4)、
-適合済みグリッドストラクチャ上に画像を投影するステップ(S5)。
【請求項11】
以下のステップを包含していることを特徴とする請求項10に記載の方法:
-画像内において基準面を認識するステップ(S6)、
-画像内において他の車両の二本のタイヤを特定するステップ(S7)、
-タイヤの外周の輪郭を割出すステップ(S8)、
-タイヤの外周の輪郭上のカメラに最も近い点を割出すことによって基準面と外周の輪郭との間の交点を得るステップ(S9)、
-交点に応じて他の車両の向きを割出すステップ(S10)。
【請求項12】
以下のステップを包含していることを特徴とする請求項10~11のうち何れか一項に記載の方法:
-幾何学的形状、特に好ましくは、半球を形成するステップ(S11)、
-適合済みグリッドストラクチャを形成するための、他の車両の向きに応じた、特に好ましくは、曲げるなどによる、幾何学的形状を変形するステップ(S12)。
【請求項13】
以下のステップを包含していることを特徴とする請求項10~12のうち何れか一項に記載の方法:
-汎用的車両モデルを形成するステップ(S13)、
-汎用的車両モデルを幾何学的形状内に配置するステップ(S14)、
-適合済みグリッドストラクチャを形成するための、他の車両の向きに応じた、スケーリング、移動、及び/或いは、回転によって、汎用的車両モデルをアダプトするステップ(S15)。
【請求項14】
駐車アシストシステム(100)が実行された時に、駐車アシストシステム(100)に、請求項10~13のうち何れか一項に記載の方法(600)のステップを実施させることを特徴とするプログラム・エレメント。
【請求項15】
請求項14に記載のプログラム・エレメントが、実装されていることを特徴とするコンピュータによって読み取り可能な媒体(500)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両周辺部を描写することができる様に構成された車両用の駐車アシストシステムに関する。更に、本発明は、車両の周辺部を描写するための方法、及び、プログラム・エレメント、並びに、コンピュータによって読み取り可能な媒体にも関する。
【背景技術】
【0002】
サラウンド・ビュー・システムにおける三次元の車両周辺部の描写では、他の車両やオブジェクトまでの距離は、他の付加的なセンサを用いない限り、未知である。多くの場合、三次元の周辺部は、半球を用いることにより生成されるが、該半球には、カメラによって捕捉された画像が、投影される。投影されるオブジェクトが、それが帰属する半球の投影面よりも近くにある場合、光学的アーティファクトができることが多々ある。これは、特に駐車や発車プロセス中の自動車のマヌーバを困難にし得る。例えばソナーやライダなどの様々なセンサを用いることにより、光学的アーティファクトの原因となり得るオブジェクトとマヌーバされる自動車との間隔を割出すことはできるが、これらのセンサは、高価かつ対象となる車両内への取り付けは煩雑である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の実施形態によって、改善された駐車アシストシステムが、好ましく提供される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、独立請求項によって定義される。本発明の好ましい発展形態は、従属請求項ならびに以下の明細によって示される。
【0005】
技術的専門用語は、一般的に知られている形で使用される。特定の用語に対して特定の意味が与えられる場合、用語の使用範囲を定めた下記の用語定義に記載した。
【0006】
本発明の一つのアスペクトは、車両周辺部を描写することができる様に構成された車両用の駐車アシストシステムに関する。ここでは、該駐車アシストシステムは、少なくとも一枚の画像を撮影することができる様に構成された少なくとも一台のカメラを有している。そして該駐車アシストシステムは、車両の周辺部をユーザに対して描写するためグリッドストラクチャを用いることができる。付加的に該駐車アシストシステムは、画像内に描写されている一台の他の車両の向きを割出すことができる様に構成されている画像評価ユニットを包含していることができる。更に該画像評価ユニットは、割出された他の車両の向きに応じてグリッドストラクチャを適合させることができる様にも構成されていることができるが、この場合、画像は、該適合されたグリッドストラクチャ上に投影される。
【0007】
この実施形態の長所としては、グリッドストラクチャを他の車両に合わせることにより、駐車や発車或いは同様なプロセスを実施する場合において、自動車の運転をユーザのために容易にすると言うことを挙げることができる。加えて、更なる高価なセンサ手段を節約でき、同時に、車両のマヌーバ性を改善することもできると言うことも長所であり得る。更には、光学的アーティファクトが表示されている画像内に現れないため、駐車アシストシステムのユーザの感覚も改善できる。
【0008】
言い換えれば、駐車アシストシステムは、カメラによって、車両の周辺部を描写するためのグリッドストラクチャを適合させる乃至最適化し、撮影された画像を適合されたグリッドストラクチャ上に投影する目的で他の車両の向きを割出すために画像評価ユニットによって処理される画像を捕捉する。この際、該カメラは、車両及び/或いは画像評価ユニットのロジックと信号的につながれているデジタルカメラであることができる。そのため該駐車アシストシステムは、モニタ、例えば、ECU(electronic control unit)を用いて、及び/或いは、ヘッドアップディスプレイを用いて、車両の周辺部をディスプレイ上、及び/或いは、ヘッドアップディスプレイ上に表示することができる様になっている。該グリッドストラクチャは、ノード・ポイントとそれらの接続によって表すことが可能なバーチャルモデルであることができる。他の車両の向きは、特に好ましくは、座標系によって定められるが、その場合、座標系の原点は、例えば、車両の中心であることができる。駐車アシストシステムの構成例並びに他の車両の向きは、図1などに描写されており、それに帰属する図の説明に記述されている。車両の中点を基準にすれば、車両に対する他の車両の位置を割出すことができる。また、他の車両の位置乃至向きを用いれば、車両周辺部の現実に合う様に、グリッドストラクチャに適合させることができる。そして、車両の周辺部に対して適合された該適合済みグリッドストラクチャは、周辺部の適合された描写を車両のモニタ乃至ヘッドアップディスプレイ上に表示できるように、カメラによって撮影された画像を適合済みグリッドストラクチャ上に投影するために使用される。
【0009】
適合済みグリッドストラクチャは、図3に示されると共に、図3の図の説明に詳しく記述されている。
【0010】
ある実施例によれば、該グリッドストラクチャは、幾何学的な、特に好ましくは、半球の形状を有している。言い換えれば、該グリッドストラクチャは、半球或いはそれに類似するバーチャルモデルを形成している。代案的に、該グリッドストラクチャは、他の幾何学的な、例えば、球、円錐台、立方体、平行六面体、角が極端に丸められた立方体、角が極端に丸められた平行六面体、ピラミッド型、円柱、及び/或いは、球の形状を有していることも可能である。この実施形態の長所としては、簡易な幾何学的形状を用いることで、駐車アシストシステムの計算キャパシティを節約し、それにより、駐車アシストシステムの製造コストを下げることが可能であることを挙げることができる。
【0011】
本発明のある実施例では、画像評価ユニットは、幾何学的形状を曲げる或いは同様なマニュプレーションを実施することによって他の車両の向きに適合させることができる様に構成されている。言い換えれば、幾何学的形状は、車両の周辺部に対応するように適合される。これは、幾何学的形状の曲げプロセス、或いは、他の変形プロセス、例えば、切り取り、拡大、縮小、回転及び/或いは歪曲などによって、特に好ましく実施できる。この実施形態の長所は、例えば、曲げるなど簡易な計算オペレーションによって、幾何学的形状を適合し、車両の周辺部の描写を、駐車アシストシステムの他のリソースを占有すること無く、簡略化できることを挙げることができる。幾何学的形状も含めた該描写を実施する方法は、図2に示されると共に、帰属する図の説明に記載されている。
【0012】
ある実施例によれば、グリッドストラクチャは、付加的に、汎用的な車両モデルを有していることもできる。言い換えれば、幾何学的形状を有するグリッドストラクチャには、車両の周辺部をよりよく描写できる様にするために、車両モデルが配置される。該汎用的車両モデルは、その輪郭が、他の車両の理想化されたモデルを示すような二次元の及び/或いは三次元のモデルであることができる。代案的には、他の車両のタイプを割出すことも可能であり、その場合、汎用的な車両モデルは、あるデータベースの情報を基に、他の車両のタイプに適合させることができる。その際、カメラによって撮影された画像を、汎用的な車両モデルに投影できるため、間隔情報の欠如に起因する光学的アーティファクトが発生せず、従って、車両の周辺部の描写を改善できる。図3には、幾何学的形状が配置されている汎用的車両モデルの実施方法例が示されている。
【0013】
本発明のある実施例では、該画像評価ユニットは、汎用的車両モデルを、スケーリング、移動及び/或いは回転によって、他の車両の向きに合わせることができる様に構成されていることもできる。言い換えれば、該汎用的車両モデルは、グリッドストラクチャ内において、他の車両の向きに対応する様にマニュプレーションされる。このマニュプレーションは、スケーリング、移動、及び/或いは、回転によって実施されることが特に好ましい。例えば、汎用的車両モデルの回転と言ったオペレーションにより、車両の周辺部は、正確にグリッドストラクチャ、特に該汎用的車両モデルに合わせることができるため、描写を有意に改善し、その結果として、駐車アシストシステムのエルゴノミクスを向上することができる。
【0014】
本発明のある実施形態では、該画像評価ユニットは、幾何学的形状内の汎用的車両モデルを、スケーリング、移動及び/或いは回転によって、他の車両の向きに合わせることができる様に構成されていることもできる。言い換えれば、例えば、半球である幾何学的形状内の汎用的車両モデルは、車両の周辺部の描写を最適化するために、スケーリング、移動、及び/或いは、回転されることができる。更に言い換えれば、車両の周辺部の描写を有意に向上するために、幾何学的形状と汎用的車両モデルの双方を、特に好ましくは、双方の依存関係に基づいて、車両の周辺部に適合させることを可能にする幾何学的形状内の汎用的車両モデルのポジショニングが可能である。
【0015】
ある実施例によれば、該画像評価ユニットは、カメラのよって捕捉できない他の車両の領域を、推定機能を用いて割出し、汎用的車両モデル上に投影することができる様に構成されていることもできる。言い換えれば、該画像評価ユニットは、例えば他の車両のルーフなど、カメラによって捕捉できない領域を、推定機能を用いて割出す機能を包含している。該推定機能は、例えば、カメラが他の車両の色、乃至、他の車両の塗装を割出し、割出された色、乃至、塗装を、他の車両の汎用的車両モデルのルーフに投影すると言うことから構成されていることができる。これは、ユーザの知覚をより快適なものとし、これにより、駐車アシストシステムのエルゴノミクスを向上することができる。
【0016】
ある実施例によれば、該画像評価ユニットは、グリッドストラクチャ全体にテクスチャを被せるためにカメラによって捕捉されない領域を予測することができる様に構成されていることもできる。言い換えれば、画像評価ユニットを用いることにより、例えば球であるグリッドストラクチャ全体を、テクスチャによって覆うことができるが、それは、該画像評価ユニットが、例えば、天候情報に基づいて、球の上部に、該天候情報に応じたテクスチャを被せることによる。天候機能が、例えば、晴天を示す場合、該画像評価ユニットは、グリッドストラクチャ内に晴れた空を予測する。これにより、ユーザは、車両の周辺部の描写をより快適に感じるため、駐車アシストシステムのエルゴノミクスが改善されると言った長所を与える。
【0017】
本発明の一実施例によれば、該画像評価ユニットは、他の車両の向きを割出すために、画像内の基準面を認識できる様に構成されていることもできる。更に、該画像評価ユニットは、他の車両の二本のタイヤを、画像内において特定し、それぞれ、概タイヤの外周の輪郭を割出すことが出来る様にも構成されていることが可能である。また、該画像評価ユニットは、基準面と外周の輪郭との間の交点を、タイヤの外周の輪郭上のカメラに最も近い点を割出すことによって得ることが出来る様にも構成されていることが可能である。言い換えれば、他の車両の向きの割出しは、上記の様な画像評価方法を用いて実施できるが、ここでは、基準面、特に道路やそれに類するものが、画像内において予め割出される。次に、画像内において、他の車両の二本のタイヤが、続いて、タイヤの外周の輪郭が割出される、乃至、推定される。尚この際、他の車両のタイヤは、画像内において認識された基準面に対して本質的に垂直に立っていると見なされる。外周の輪郭に応じて、基準面と外周の輪郭との間の交点は、外周の輪郭内のカメラに最も近くにある点を選択することによって割出される。これには、例えば、タイヤなどと言った典型的な特徴によって、他の車両の向きを、迅速かつ信頼性高く割出すことができ、車両周辺部の描写の改善を確実なものとすることができる長所がある。交点、即ち、他の車両の向きの割出しの実施方法例は、図4に示されており、帰属する図の説明に記述されている。代案的実施形態では、それを用いて他の車両の向きを割出すことができる、他の車両の別の特徴を用いる事もできる。
【0018】
ある実施例によれば、該画像評価ユニットは、更に、基準面、タイヤ、外周の輪郭、交点及び/或いは、他の車両の向きの妥当性検証を実施できる様にも構成されていることができる。言い換えれば、該駐車アシストシステムは、捕捉した情報を、与えられているパラメータ及び/或いは経験値を用いて検証する能力を有している。例えば、画像評価ユニットは、他の車両のタイヤの割出しを検証できるため、一本目と二本目のタイヤが、同じ車両に帰属していることを保証することができる。これは、車両の周辺部の描写の信頼性を高めることができると言う長所を有している。
【0019】
ある実施例によれば、該画像評価ユニットは、他の車両のフロント部及び/或いはリア部を割出し、グリッドストラクチャの向きを該フロント部及び/或いはリア部に依存して調整することができる。言い換えれば、該画像評価ユニットは、他の車両の汎用的車両モデルを他の車両のフロント部及び/或いはリア部の輪郭に合う様に調整するために、他の車両のフロント及び/或いはリアを割出す能力を有しており、車両の周辺部における他の車両のリアルな描写を達成することができる。
【0020】
本発明の更なるアスペクトは、以下のステップを包含することが可能な車両の周辺部を描写するための方法に関する:
-車両の周辺部の画像を撮影するステップ、
-グリッドストラクチャを用いて車両の周辺部を描写するステップ、
-該画像内に写っている他の車両の向きを割出すステップ、
-他の車両の向きに応じて、グリッドストラクチャを合わせるステップ、
-適合済みグリッドストラクチャ上に画像を投影するステップ。
【0021】
言い換えれば、一枚の車両の周辺部の画像が、撮影されることができる。車両の周辺部を描写するため、グリッドストラクチャを用いる、或いは、特に好ましくは、ディスプレイ乃至ヘッドアップディスプレイを用いて、ユーザに示すことができる。また、他の車両の向きは、他の車両が表現されている情報を特定し、他の車両の向きを評価することによって割出されることができる。他の車両の向きに応じて、グリッドストラクチャが、実際の車両の周辺部に適合するように、周辺部を描写するためのグリッドストラクチャを調整することができる。適合済みグリッドストラクチャに関しては、付加的に、撮影された画像を、該適合済みグリッドストラクチャ上に投影されることができる。これにより、車両と他の車両との間の間隔を割出すためのセンサを必要としないと言った長所が得られる。更には、車両の周辺部の描写を得るユーザの体験が、改善される。
【0022】
ある実施例によれば、該方法は、更に、以下のステップを包含していることもできる:
-画像内において基準面を認識するステップ、
-画像内において他の車両の二本のタイヤを特定するステップ、
-タイヤの外周の輪郭を割出すステップ、
-タイヤの外周の輪郭上のカメラに最も近い点を割出すことによって基準面と外周の輪郭との間の交点を得るステップ、
-交点に応じて他の車両の向きを割出すステップ。
【0023】
言い換えれば、他の車両の向きの割出しは、基準面を知ることにより、画像内において可能となる。更には、他の車両の二本のタイヤを画像内において特定し、タイヤの外周の輪郭を割出すことも可能である。続いて、交点を得る乃至割出すことができるが、この交点は、該基準面とカメラに最も近い位置の外周の輪郭との交点である。他の車両のそれぞれのタイヤの二つの交点を用いることにより、他の車両の向きを割出すことができる。但しこの際、タイヤは、基準面に対して鉛直に向いていると仮定される。これにより、他の車両の向きを画像情報から割出すことができ、これにより、高額なソナーやライダセンサを必要としないと言った長所が得られる。交点を得る実施方法例は、図4に示されており、それに帰属する図の説明に更に記述されている。
【0024】
ある実施例によれば、該方法は、更に、以下のステップを包含していることもできる:
-幾何学的形状、特に好ましくは、半球を形成するステップ、
-適合済みグリッドストラクチャを形成するための、他の車両の向きに応じた、特に好ましくは、曲げる或いは類似するマニュプレーションによって、幾何学的形状を変形するステップ。
【0025】
言い換えれば、例えば半球であることができる幾何学的形状は、曲げることなどにより、該幾何学的形状が、車両の周辺部に対応することができる様に適合させることができる。この幾何学的形状の変形は、他の車両の向きに応じて実施することにより、車両と他の車両との間に間隔情報の欠如に起因するアーティファクトを低減し、その結果として、ユーザに対する車両の周辺部の描写を改善することができる。
【0026】
本発明の一実施例によれば、該方法は、更に、以下のステップを包含していることもできる:
-汎用的車両モデルを形成するステップ、
-汎用的車両モデルを幾何学的形状内に配置するステップ、
-適合済みグリッドストラクチャを形成するための、他の車両の向きに応じた、スケーリング、移動、及び/或いは、回転によって、汎用的車両モデルをアダプトするステップ。
【0027】
言い換えれば、二次元乃至三次元のモデルである該汎用的車両モデルは、周辺部のバーチャルな描写内において他の車両の向きに対応する様に、幾何学的形状内に配置される。その際、該汎用的車両モデルは、スケーリング、移動及び/或いは回転によって、他の車両の輪郭および向きの双方に対応し、適合済みグリッドストラクチャが形成されるように、適合される、乃至、アダプトされる。これにより、車両の駐車乃至発車プロセスが、改善された周辺部の描写によって容易になるという長所が得られる。汎用的車両モデルを幾何学的形状内に配置する実施方法例は、図3に示されており、それに帰属する図の説明に更に記述されている。
【0028】
本発明の更なるアスペクトは、駐車アシストシステムが実行された時に、該駐車アシストシステムに、本方法のステップを上記及び下記の様に実施させる様にするためのプログラム・エレメントに関する。
【0029】
本発明の更なるアスペクトは、上記及び下記の様なプログラム・エレメントが実装されているコンピュータによって読み取り可能な媒体に関する。
【0030】
本発明のこれらの及び更なる特徴は、下記の本実施の形態を用いて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】ある一つの実施例に係る駐車アシストシステムを示している。
図2】ある一つの実施例に係る駐車アシストシステムの模式的な描写を示している。
図3】ある一つの実施例に係る駐車アシストシステムの模式的な描写を示している。
図4】ある一つの実施例に係る駐車アシストシステムの模式的な実施形態を示している。
図5】ある一つの実施例に係る車両の周辺部を描写するための方法のステップを可視化するためのフローチャートを示している。
【発明を実施するための形態】
【0032】
これらの図は、単に模式的なものであり、正確な縮尺ではない。図中、同じ乃至同じ効果を有する或いは類似したエレメントには、同じ符号が当てられている。
【0033】
実施例の詳細な説明
図1は、車両の周辺部を描写できる様に構成されている車両200用の駐車アシストシステム100を示しているが、該駐車アシストシステム100は、特に他の車両300の画像を撮影する様に構成されている少なくとも一台のカメラ102を包含している。該カメラ102は、一つの検出領域103を有している。該画像評価ユニット106は、例えば、他の車両300の色から、検出領域103の外にある他の車両300の部品を予測することができる様に構成されていることもできる。その際、該駐車アシストシステム100は、車両200の周辺部をユーザに対して描写するたに、グリッドストラクチャを用いる。更に、該駐車アシストシステム100は、画像内に描写されている一台の他の車両300の向き302を割出すことができる様に構成されている画像評価ユニット106を包含していることができる。また、該画像評価ユニット106は、グリッドストラクチャ104を、他の車両300の割出された向き302に応じて調整する様に構成されていることもできる。加えて、該評価ユニット106は、適合済みグリッドストラクチャ108上に画像を投影する様に構成されていても良い。更に図1は、車両200内に配置されている駐車アシストシステム100も示している。該車両200の隣には、他の車両300がある。車両200は、車両200の周辺部400を描写するために用いる事ができる画像を撮影するカメラ102を有している。更に概車両200は、画像評価ユニット106、並びに、コンピュータによって読み取り可能な媒体500も有している。他の車両300は、特に車両200の位置に依存して割出される向き302を有している。
【0034】
図2は、車両200の周辺部400を描写するグリッドストラクチャ104の模式的な描写を示している。その際、カメラ102によって撮影された画像は、グリッドストラクチャ104及び/或いは適合済みグリッドストラクチャ108上に投影され、その結果得られたモデルが、ユーザのためにディスプレイに表示される。
【0035】
図3には、適合済みグリッドストラクチャ108の模式的な描写が示されているが、該適合済みグリッドストラクチャは、その形状を変更するだけでなく、その適合済みグリッドストラクチャ108内には、汎用的車両モデル304に設けることも可能である。その際、該汎用的車両モデル304の向きは、他の車両300の向き302に対応している。
【0036】
図4は、交点312の割出しの模式的な描写を示している。車両200に搭載され得る駐車アシストシステム100は、一台のカメラ102を包含している。該車両200の隣には、他の車両300がある。該車両300は、基準面306上にある。その際、他の車両300は、特にそのタイヤ308の上にある。そして、該タイヤ308は、基準面306に対して鉛直に立っていると仮定できる。画像評価ユニット106は、タイヤ308の外周の輪郭310を割出す能力を有している。更に該画像評価ユニット106は、他の車両300の向き302を、交点312を割出すことによって特定する能力を有している。交点312の割出しは、タイヤ308の外周の輪郭310上のカメラ102から最も近い点を割出すことによって実施できる。また、カメラ102は、他の車両300のフロント部316とリア部314を割出すこともできる。汎用的車両モデル304の輪郭や外観は、該フロント部316及び/或いはリア部314に合わせられることができる。
【0037】
図5は、ある一つの実施例に係る車両200の周辺部400を描写するための方法のステップを可視化するためのフローチャートを示している。
【0038】
尚、ここで使われている用語「包含する(原文=“umfassend”)」と「有する(原文=“aufweisend”)」は、他のエレメントが含まれないと言う意味で使われているのではなく、また、原文における不定冠詞“eine”や“ein”(対訳=「ひとつの」)によって、「複数」が排除されるものではないことを、捕捉として指摘しておく。更に、ひとつの、或いは、上述の実施例への参照とともに記述されている特徴は、他の上述の実施例の他の特徴との組み合わせで使用されてもよいことも指摘しておく。請求項内の符号は、制限をかけるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】