(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-19
(54)【発明の名称】間葉系幹細胞の血管新生能を改善する方法
(51)【国際特許分類】
A61K 35/28 20150101AFI20220412BHJP
A61K 9/19 20060101ALI20220412BHJP
A61P 9/02 20060101ALI20220412BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20220412BHJP
C12N 5/0775 20100101ALI20220412BHJP
【FI】
A61K35/28
A61K9/19
A61P9/02
A61P9/00
C12N5/0775
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021550684
(86)(22)【出願日】2020-02-21
(85)【翻訳文提出日】2021-10-22
(86)【国際出願番号】 AU2020050151
(87)【国際公開番号】W WO2020172700
(87)【国際公開日】2020-09-03
(32)【優先日】2019-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521381783
【氏名又は名称】サイナータ セラピューティクス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(72)【発明者】
【氏名】キリアン、クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ロマナッゾ、サラ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AC20
4B065BC41
4B065CA44
4C076AA12
4C076AA29
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4C087MA44
4C087MA66
4C087NA05
4C087NA14
4C087ZA36
(57)【要約】
本発明は、間葉系幹細胞(MSC)の血管新生能を改善する方法であって、約1kPa~100kPaの硬度を有し、マトリクスタンパク質でコーティングされた基質上で該MSCを培養することを含み、該MSCが、約1kPa~100kPaの硬度を有し、マトリクスタンパク質でコーティングされていない基質上で培養しなかったことを除いて同一の条件下で培養したMSCと比較して、改善された血管新生能を有する方法に関する。また、本発明は、該方法によって改善されたときに血管新生能を有するMSC、及び冠動脈疾患(CAD)又は末梢動脈疾患(PAD)を有する対象におけるCAD又はPADを治療するための改善されたMSCの治療的使用に関する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
間葉系幹細胞(MSC)の血管新生能を改善する方法であって、約1kPa~100kPaの硬度を有し、マトリクスタンパク質でコーティングされた基質上で前記MSCを培養することを含み、前記MSCが、約1kPa~100kPaの硬度を有し、マトリクスタンパク質でコーティングされていない基質上で培養しなかったことを除いて同一の条件下で培養したMSCと比較して、改善された血管新生能を有する方法。
【請求項2】
前記硬度が、約1kPa、約10kPa、又は約40kPaである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マトリクスタンパク質が、コラーゲン、フィブロネクチン、又はラミニンである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記基質が、約10kPaの硬度を有し、フィブロネクチンでコーティングされている、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記基質が、約1kPa又は約10kPaの硬度を有し、フィブロネクチン及びコラーゲンでコーティングされている、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記基質が、約25μg/mLのマトリクスタンパク質でコーティングされている、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記基質が、ポリアクリルアミドを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記MSCが、国際公開第2017/156580号に従って生成される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記基質上で前記MSCを培養した後、前記MSCを凍結保存することを更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
凍結保存されたMSCを解凍することを更に含み、改善された血管新生能が、凍結保存及び解凍後も持続する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記改善された血管新生能が、管形成アッセイを用いて測定される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の方法によって改善されたときに血管新生能を有する間葉系幹細胞(MSC)。
【請求項13】
約1kPa~100kPaの硬度を有し、マトリクスタンパク質でコーティングされた基質上で間葉系幹細胞(MSC)を培養することを含む方法によって調製されたときの前記MSCを含む組成物であって、前記MSCが、約1kPa~100kPaの硬度を有し、マトリクスタンパク質でコーティングされていない基質上で培養しなかったことを除いて同一の条件下で培養したMSCと比較して、改善された血管新生能を有する組成物。
【請求項14】
薬学的に許容し得る担体、希釈剤、及び/又は賦形剤を含む医薬組成物である、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
請求項12に記載のMSC、又は請求項13若しくは14に記載の組成物を含む容器。
【請求項16】
請求項12に記載のMSC、請求項13若しくは14に記載の組成物、又は請求項15に記載の容器を含むキット。
【請求項17】
冠動脈疾患(CAD)又は末梢動脈疾患(PAD)を治療する方法であって、CAD又はPADを有する対象に、請求項12に記載のMSC又は請求項13若しくは14に記載の組成物を投与することを含む方法。
【請求項18】
冠動脈疾患(CAD)又は末梢動脈疾患(PAD)を有する対象におけるCAD又はPADを治療するための医薬の製造における、請求項12に記載のMSC又は請求項13若しくは請求項14に記載の組成物の使用。
【請求項19】
冠動脈疾患(CAD)又は末梢動脈疾患(PAD)を有する対象におけるCAD又はPADを治療する方法において使用するための、請求項12に記載のMSC又は請求項13若しくは請求項14に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間葉系幹細胞(MSC)の栄養性及び免疫調節性の分泌の性質を通して、冠動脈疾患(CAD)及び末梢動脈疾患(PAD)を治療するためのMSCの使用に関する。また、本発明は、基質コーティングがMSCからの血管新生促進性分泌を誘導する細胞工学の方法の開発に関する。
【背景技術】
【0002】
冠動脈疾患(CAD)及び末梢動脈疾患(PAD)は、最も一般的な種類の心臓疾患であり、大部分の心臓発作の原因となる。例えば、CADはオーストラリアにおける死因の第1位であり、27分に1人のオーストラリア人が亡くなっている。
【0003】
傷害部位にサイトカインを直接送達する等の既存の血管新生療法は、望ましくない副作用に悩まされることが多い。更に、重度の不可能なCAD患者には、心臓移植という唯一の選択肢しか残されていないが、これは、適切なドナーが不足していることによって制限されている。
【0004】
可能性のある代替治療として幹細胞ベースの療法が浮上したが、これら細胞が宿主に取り込まれる能力に関する制約がある。微小血管の密度の増大(血管新生)、その後、大血管のリモデリング(動脈新生)を刺激することによるCADの治療について、標的遺伝子及び細胞ベースの療法が研究されている。
【0005】
しかし、心血管損傷後の機能を改善するためにMSCを用いる臨床試験は、細胞死が多く、微小環境に対する細胞応答が不均一であったことから、それほど成功していない。MSCには再生医療において大きな期待が寄せられているが、組織培養ポリスチレン上で長期培養(増幅)すると分泌活性が妨げられるため、臨床試験ではかなりのばらつきがあった。
【0006】
従って、MSCの生存率及びMSCの均一性を改善する必要がある。
【0007】
本明細書において何らかの先行技術の刊行物を参照する場合、このような参照は、その刊行物がオーストラリア又は任意の他の国における当技術分野の技術常識の一部を形成することを認めるものではないことを理解されたい。
【発明の概要】
【0008】
本開示は、タンパク質のコンジュゲートしているヒドロゲルマトリクスを細胞培養基質として使用して、血管新生促進性になるようにMSCからのMSC分泌プロファイルを正常化すること(「プライミング」)に関する。その際、本開示は、CAD及びPADの治療についてのMSCの治療有効性を改善する、改善された細胞培養マトリクスに関する。
【0009】
本開示では、内皮細胞の管形成を含むモデルアッセイによって判定したときの、MSCからの血管新生促進性因子の分泌を最大化するマトリクス条件を同定する。驚くべきことに、開示されるマトリクス上で培養したMSCは、液体窒素下で凍結保存することができ、解凍後もプライミングされた血管新生促進性表現型を維持することができる。
【0010】
基質の特性のみを通して所望の細胞活性を誘導することは、低酸素又は成長因子処理を用いる方法に比べて、製造が単純であること及び細胞資源の改変が最小限で済むことを含む多くの利点を有する。
【0011】
本開示に従って生成されたMSCは、血管新生促進性セクレトームを有し、CAD及びPADの治療において有用である。
【0012】
第1の態様は、間葉系幹細胞(MSC)の血管新生能を改善する方法であって、約1kPa~100kPaの硬度を有し、マトリクスタンパク質でコーティングされた基質上で該MSCを培養することを含み、該MSCが、約1kPa~100kPaの硬度を有し、マトリクスタンパク質でコーティングされていない基質上で培養しなかったことを除いて同一の条件下で培養したMSCと比較して、改善された血管新生能を有する方法を提供する。
【0013】
また、改善された血管新生能を有する間葉系幹細胞(MSC)を調製する方法であって、約1kPa~100kPaの硬度を有し、マトリクスタンパク質でコーティングされた基質上で該MSCを培養することを含み、該MSCが、約1kPa~100kPaの硬度を有し、マトリクスタンパク質でコーティングされていない基質上で培養しなかったことを除いて同一の条件下で培養したMSCと比較して、改善された血管新生能を有する方法も開示される。
【0014】
方法は、インビトロであってよい。
【0015】
一実施形態では、硬度は、約1kPa、約10kPa、又は約40kPaである。
【0016】
一実施形態では、マトリクスタンパク質は、コラーゲン、フィブロネクチン、又はラミニンである。
【0017】
一実施形態では、基質は約10kPaの硬度を有し、フィブロネクチンでコーティングされている。
【0018】
一実施形態では、基質は、約1kPa又は約10kPaの硬度を有し、フィブロネクチン及びコラーゲンでコーティングされている。
【0019】
一実施形態では、基質は、約25μg/mLのマトリクスタンパク質でコーティングされている。
【0020】
一実施態様では、基質は、ポリアクリルアミドを含む。
【0021】
一実施形態では、MSCは、国際公開第2017/156580号に従って生成される。
【0022】
一実施形態では、方法は、基質上でMSCを培養した後、MSCを凍結保存することを更に含む。
【0023】
一実施形態では、方法は、凍結保存されたMSCを解凍することを更に含み、改善された血管新生能は、凍結保存及び解凍後も持続する。
【0024】
一実施形態では、改善された血管新生能は、管形成アッセイを用いて測定される。
【0025】
第2の態様は、第1の態様の方法によって改善されたときに血管新生能を有する間葉系幹細胞(MSC)を提供する。
【0026】
第3の態様は、約1kPa~100kPaの硬度を有し、マトリクスタンパク質でコーティングされた基質上で間葉系幹細胞(MSC)を培養することを含む方法によって調製されたときの該MSCを含む組成物であって、該MSCが、約1kPa~100kPaの硬度を有し、マトリクスタンパク質でコーティングされていない基質上で培養しなかったことを除いて同一の条件下で培養したMSCと比較して、改善された血管新生能を有する組成物を提供する。
【0027】
一実施形態では、第3の態様の組成物は、薬学的に許容し得る担体、希釈剤、及び/又は賦形剤を含む医薬組成物である。
【0028】
第4の態様は、第2の態様のMSC又は第3の態様の組成物を含む容器を提供する。
【0029】
第5の態様は、第2の態様のMSC又は第3の態様の組成物又は第4の態様の容器を含むキットを提供する。
【0030】
第6の態様は、冠動脈疾患(CAD)又は末梢動脈疾患(PAD)を治療する方法であって、CAD又はPADを有する対象に第2の態様のMSCを投与することを含む方法を提供する。
【0031】
更に又はあるいは、第6の態様は、冠動脈疾患(CAD)又は末梢動脈疾患(PAD)を有する対象におけるCAD又はPADを治療するための医薬の製造における、第2の態様のMSCの使用を提供する。
【0032】
更に又はあるいは、第6の態様は、冠動脈疾患(CAD)又は末梢動脈疾患(PAD)を有する対象におけるCAD又はPADを治療する方法において使用するための、第2の態様のMSCを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】幹細胞の血管新生促進におけるマトリクスの生物学的及び物理的な組成の影響を調べる実験計画の概略図である。
【
図2】凍結保存後のプライミングされたMSCにおける血管新生促進効果の持続性を試験する実験計画の概略図である。
【
図3】管形成アッセイ分析の概略図である。マスターセグメントは、黄色で示されており、マスタージャンクションと呼ばれる、1本の分枝にのみ関与するもののない2つのジャンクションによって範囲が定められた木の片で構成される。マスタージャンクションは、少なくとも3つのマスターセグメントを連結させるジャンクションである。任意で、2つの近接したマスタージャンクションが融合して、単一のマスタージャンクションになる場合もある。マスタージャンクションは、赤で示されている。メッシュは、セグメント又はマスターセグメントで囲まれた領域である。メッシュは、青で示されている。
【
図4】マトリクスの生物学的及び物理的な組成がMSCの形態に影響を与えることを示す顕微鏡写真である。異なるコーティングを施したポリアクリルアミドゲル上で培養したMSCは、基質の硬度(左1kPa、中10kPa、及び右40kPa)及び各基質にコンジュゲートしているECMタンパク質(上、コラーゲン;中、フィブロネクチン;下、ラミニン)に応じて異なる細胞の形状及びアクチンフィラメントの構築(赤)を示した。核をDAPI(4-6-ジアミジノ-2-フェニルインドール)で対比染色した。
【
図5】様々な硬度のヒドロゲル及びマトリクスタンパク質組成にわたって培養したMSCからの馴化培地でHMVECを処理した、管形成を測定する管形成アッセイの結果を示す棒グラフである。A マスターセグメントの全長;B 分枝の全長;C 全長;D セグメントの全長。
【
図6】(A)ポリアクリルアミドゲルの作製及びコンジュゲーション(B) 様々な硬度のヒドロゲル及びリガンド組成にわたって培養したMSCからの馴化培地で処理した後のヒト微小血管内皮細胞(HMVEC)の平均管面積。(C)陽性対照及び陰性対照下のHMVECの画像。(C)(上)それぞれフィブロネクチン0.5、10、及び40kPaの条件の培地下で培養したHMVEC、(下)基質の硬度は、MSC細胞伸展特性を変化させ、その分泌プロファイルに影響を与える。
*は、p<0.05を示す。
【
図7】フィブロネクチンとI型コラーゲンとの組み合わせ(左)、1kPaコラーゲン(中央)、及び10kPaフィブロネクチン(右)による標準組織培養プレート(TCPS)コーティングからの培地によるHMVEC培養物の位相差顕微鏡写真、並びに3つの条件を定量した棒グラフである。
*p<0.05。
【
図8】凍結乾燥の前(左)及び後(右)の様々な硬度のヒドロゲル及びマトリクスタンパク質組成にわたって培養したMSCからの馴化培地で処理したHMVECにおけるマスターセグメントの全長を測定する管形成アッセイの結果を示す棒グラフである。プライミングされたMSCは、凍結保存後も管形成を誘導する能力を維持していた。左、
*p<0.05。右、一元配置分散分析によってp<0.05。
【
図9】2つのマトリクスタンパク質でコーティングされたヒドロゲル上でMSCを培養した後の管腔形成アッセイの概略図、管腔形成アッセイの定量、及び管腔形成を示す各条件の位相差顕微鏡写真を提供する。MSC培養の前に、ヒドロゲルをフィブロネクチン12.5μg/mLとコラーゲン12.5μg/mLとの組み合わせでコーティングした。2つのマトリクスタンパク質の組み合わせによって、凍結保存後のMSCの血管新生能が増大した。
【発明を実施するための形態】
【0034】
「冠動脈疾患」又は「CAD」は、冠動脈が狭くなり、心臓への血流、ひいては酸素供給が減少することを指す。CADは、「冠状動脈心疾患」又は「CHD」と呼ばれることもある。
【0035】
「末梢動脈疾患」又は「PAD」とは、手足に血液、ひいては酸素を供給する動脈が狭くなることを指す。
【0036】
「動脈硬化」は、CADとPADの両方を包含するので、本開示は、動脈硬化の治療にも関連する。
【0037】
本明細書で使用するとき、「間葉系幹細胞」又は「MSC」とは、骨髄、脂肪組織(脂肪)、胎盤、及び臍帯血を含む広範な組織から単離することができる特定の種類の幹細胞を指す。MSCは、「間葉系間質細胞」としても知られている。
【0038】
MSCは、サイトカイン、ケモカイン、及び成長因子等の生物活性分子を分泌し、そして、免疫系を調節することができる。MSCは、生着に依存することなく、再生及び免疫系に対する効果を促進することが示されている。言い換えれば、MSC自体が必ずしも宿主に組み込まれる訳ではなく、むしろ、MSCは、短期間でその効果を発揮し、次いで、排出される。しかし、MSCが生着してもよい。
【0039】
治療用MSCは、「自己」であっても「同種」であってもよい。本明細書で使用するとき、「自己」とは、例えば骨髄又は脂肪組織から単離した自身の細胞で患者を治療することを意味し、一方、「同種」とは、ドナー由来の細胞を使用して他のヒトを治療することを意味する。同種MSCは、人工多能性幹細胞又はiPSCを介してドナーから得ることができる。あるいは、同種MSCは、胚幹細胞又はESCに由来するものであってもよい。その他、同種MSCは、例えばドナーの骨髄、脂肪組織、臍帯の組織若しくは血液、又は下顎第三大臼歯の発生中の歯芽等の臼歯細胞を含む、他の供給源に由来するものであってもよい。
【0040】
同種MSCは、他のヒトにおいて免疫反応を引き起こすことが示されていないため、ドナーのレシピエントに対する免疫マッチングを必要としない。これは、重要な商業的利点を有する。
【0041】
本明細書で使用するとき、「多能性幹細胞」又は「PSC」とは、それ自体無限に再生し、任意の他の細胞型に分化する能力を有する細胞を指す。主に2種の多能性幹細胞が存在する:胚幹細胞(ESC)及び人工多能性幹細胞(iPSC)。
【0042】
本明細書で使用するとき、「胚幹細胞」又は「ESC」とは、体外受精療法を終了し、余剰胚を有する患者によって同意を得て提供された5~7日齢胚から単離された細胞を指す。ESCの使用は、ヒト胚由来の細胞の採取についての倫理上の問題がある程度妨げとなっている。
【0043】
好適なヒトPSCは、H1及びH9のヒト胚幹細胞(hESC)を含む。H1及びH9 hESCは、例えば、WiCell(Madison,WI 53719 USA)から入手可能である。
【0044】
本明細書で使用するとき、「人工多能性幹細胞」又は「iPSC」とは、成人細胞に由来するESC様細胞を指す。iPSCは、ESCと非常によく似た特徴を有するが、iPSCは胚に由来していないので、ESCに関連する倫理上の問題が回避される。その代わり、iPSCは、典型的には、「初期化」されて多能性状態に戻された、完全に分化した成人細胞に由来している。
【0045】
好適なヒトiPSCとしては、線維芽細胞に由来するiPSC 19-9-7T、MIRJT6i-mND1-4、及びMIRJT7i-mND2-0が挙げられるが、これらに限定されず、骨髄単核細胞に由来するiPSC BM119-9は、例えば、WiCell(Madison,WI 53719 USA)から入手可能である。他の好適なiPSCは、Cellular Dynamics International(Madison,WI,USA)から入手することができる。
【0046】
本開示の一実施形態によれば、MSCは、間葉血管芽細胞(MCA)能を有するEMHlin-KDR+APLNR+PDGFRalpha+原始中胚葉細胞から形成され、国際公開第2017/156580号に従って生成することができる。国際公開第2017/156580号は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0047】
国際公開第2017/156580号に従って生成され、任意で国際公開第2018/090084号に従ってアッセイされたヒトMSCを、本開示に従って血管新生プライミングに供してよい。当業者に公知の他のMSCを、本開示に従って血管新生プライミングに供してもよい。
【0048】
マトリクスタンパク質は、細胞外マトリクス(ECM)タンパク質を含み得る。マトリクスタンパク質は、ラミニン;コラーゲン、例えば、I型コラーゲン又はIV型コラーゲン;フィブロネクチン;エラスチン;プロテオグリカン、例えば、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、又はケラタン硫酸を含み得る。マトリクスタンパク質は、哺乳類であってもよい。マトリクスタンパク質は、ヒト又は非ヒト哺乳類であってもよい。当業者であれば、これらマトリクスタンパク質及び他のマトリクスタンパク質について承知しているであろう。
【0049】
基質又はヒドロゲルは、2つ以上のマトリクスタンパク質でコーティングされていてもよい。
【0050】
基質又はヒドロゲルは、約1、2、2.5、3、4、5、6、7、7.5、8、9、10、11、12、12.5、13、14、15、16、17、17.5、18、19、20、21、22、22.5、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、若しくは100μg/mL、又は1、2、2.5、3、4、5、6、7、7.5、8、9、10、11、12、12.5、13、14、15、16、17、17.5、18、19、20、21、22、22.5、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、若しくは100μg/mL±10%のマトリクスタンパク質でコーティングされていてもよい。一実施形態では、12.5μg/mLのコラーゲンを基質又はヒドロゲルにコーティングする。一実施形態では、12.5μg/mLのフィブロネクチンを基質又はヒドロゲルにコーティングする。
【0051】
培養中のMSCのプライミングには、約1kPa~100kPa又は1kPa~100kPa±10%に及ぶ硬度を有する基質又はヒドロゲルの製剤を使用してよい。例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19 20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95若しくは100kPa又は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19 20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95若しくは100kPa±10%のヒドロゲル製剤。1kPa~100kPaの硬度は、正常及び病的な心臓組織の硬度の範囲に及ぶ。
【0052】
基質又はヒドロゲルは、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、多数の親水性基を有するアクリレートポリマー及びコポリマー、又はアガロース、メチルセルロース、ヒアルロナン、若しくはエラスチン様ポリペプチド等の天然ヒドロゲルを含み得る。一実施態様では、ヒドロゲルは、ポリアクリルアミドを含む。
【0053】
一実施形態では、基質又はヒドロゲルは、約1kPa又は1kPa±10%の硬度を有し、コラーゲンでコーティングされている。別の実施形態では、ヒドロゲルは、約10kPa又は10kPa±10%の硬度を有し、フィブロネクチンでコーティングされている。別の実施形態では、ヒドロゲルは、約1kPa~10kPa、1kPa、若しくは10kPa又は1kPa~10kPa、1kPa、若しくは10kPa±10%の硬度を有し、フィブロネクチン及びコラーゲンでコーティングされている。
【0054】
MSCは、マトリクスタンパク質でコーティングされた基質上で、例えば、およそ1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、若しくは14日間又は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、若しくは14日間±10%培養してよい。一実施形態では、MSCは、マトリクスタンパク質でコーティングされた基質上で、およそ2日間又は2日間±10%培養される。
【0055】
「血管新生」とは、既存の静脈、動脈、及び毛細血管の内皮細胞(EC)から新しい血管が形成されることを指す。
【0056】
従って、「血管新生能」とは、MSCが血管新生を促進する潜在能又は能力を指すということになる。
【0057】
本明細書で使用するとき、「改善された」血管新生能とは、約1kPa~100kPaの硬度を有し、マトリクスタンパク質でコーティングされていない基質上で培養されていないことを除いて同一の条件下で培養したMSC、例えば、参照又は対照のMSCと比較したときに、血管新生を促進するMSC、例えば、本開示に従って生成された試験MSCの潜在能又は能力が増大したことを指し、該試験MSC及び該参照MSCの血管新生能は、血管新生アッセイを使用して客観的に測定される。言い換えれば、本開示のMSCは、その参照又は対照のMSCと比較して改善された血管新生能を有する。用語「参照」及び「対照」は、当業者には理解されるであろう。
【0058】
血管新生アッセイを使用して、血管新生能を評価することができる。血管新生アッセイは、インビトロであってもインビボであってもよい。一般に、インビトロアッセイは、血管新生プロセスにおける特定の段階をモニタリングする。血管新生アッセイでは、増殖(例えば、細胞計数、比色分析、又はDNA合成を含む)、遊走(例えば、創傷治癒、ヒト皮膚微小血管内皮細胞(HDMEC)の発芽、マトリクス分解、ボイデン室、細胞運動追跡(phagokinetic track)を含む);管形成(例えば、MATRIGEL、共培養を含む);胸大動脈リング;網膜モデル;ニワトリ絨毛尿膜;ゼブラフィッシュ;角膜血管新生;異種移植;又はMATRIGELプラグを評価することができる。血管新生アッセイは市販されている。
【0059】
当業者には理解される通り、本明細書で使用する管形成アッセイは、血管新生を示すインビトロアッセイとして当技術分野で受け入れられている。アッセイにおける管形成は、例えば、およそ1、2、4、8、若しくは16時間又は1、2、4、8、若しくは16時間±10%で定量してよい。
【0060】
例えば、用語「基質」、「マトリクス」、及び「ヒドロゲル」は、本明細書では互換的に使用され、逆のことが明確に意図されていない限り、限定するものであるとみなされるべきではない。
【0061】
例えば、用語「硬度」(又は「硬い」)及び「剛性」(又は「剛い」)は、本明細書では互換的に使用され、限定するものであるとみなされるべきではない。
【0062】
本開示のMSC又は本開示のMSCを含む組成物は、非経口的な経路(例えば、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、筋肉内、又は経皮)によって投与することができる。一実施形態では、MSC又は医薬組成物は、静脈内又は動脈内に投与される。
【0063】
本開示のMSC又は本開示のMSCを含む医薬組成物は、単独で、又は薬学的に許容し得る担体、希釈剤、及び/若しくは賦形剤と組み合わせて、単回又は複数回投与で対象に投与してよい。
【0064】
本開示の医薬組成物は、当技術分野で周知の方法によって調製することができ(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st ed.(2005),A.Gennaro et al.,Lippincott Williams & Wilkins)、本明細書に開示されているMSCと、1つ以上の薬学的に許容し得る担体、希釈剤、及び/又は賦形剤とを含む。
【0065】
また、本開示のMSC又は本開示のMSCを含む医薬組成物を含む容器を含む製品及び/又はキットも提供される。容器は、本開示のMSC又は任意で単位剤形の本開示のMSCを含む医薬組成物を含む瓶、バイアル、又はシリンジであってよい。例えば、本開示のMSC又は本開示のMSCを含む医薬組成物は、使い捨ての容器、任意でシリンジで注入可能であってよい。製品及び/又はキットは、本明細書に開示される方法に従って対象の治療を指示する指示書及び/又はラベル等を印刷したものを更に含んでいてもよい。
【0066】
「単位剤形」は、投与及び投与量の均一化を容易にするために作製してよく、治療される対象への単回投与に適した物理的に別個の単位を指し、必要な医薬用賦形剤、担体、及び/又は希釈剤と併せて治療有効量の本開示のMSC又は本開示のMSCを含む医薬組成物を含む。一実施形態では、単位剤形は密封容器であり、無菌状態である。
【0067】
用語「治療有効量」とは、対象におけるCAD又はPADを治療するのに有効な本開示のMSC又は本開示のMSCを含む医薬組成物の量を指す。
【0068】
用語「治療する」、「治療している」、又は「治療」とは、治療的処理と予防的(prophylactic)又は防止的(preventative)手段とをいずれも指し、その目的は、対象におけるCAD若しくはPADを予防、低減、若しくは回復するか、又は対象におけるCAD若しくはPADの進行を減速(緩和)することである。治療を必要とする対象としては、CAD又はPADを既に有しているものに加えて、CAD又はPADを予防又は回復すべきものが挙げられる。
【0069】
用語「予防している」、「予防」、「防止的」、又は「予防的」とは、CAD又はPADの発生を食い止める若しくは妨げる、又は該発生から防御する若しくは保護することを指す。予防を必要とする対象は、CAD又はPADを発症しやすい可能性がある。
【0070】
用語「回復する」又は「回復」とは、CAD又はPADの減少、低減、又は排除を指す。
【0071】
本明細書で使用するとき、用語「対象」は、哺乳類を指し得る。哺乳類は、霊長類、特にヒトであってもよく、又は家畜、動物園の動物、若しくはコンパニオンアニマルであってもよい。本明細書に開示されるMSC、組成物、及び方法はヒトの医学的治療に好適であることが特に意図されるが、ウマ、ウシ、及びヒツジ等の家畜、イヌ及びネコ等のコンパニオンアニマル、又はネコ科、イヌ科、ウシ科、及び有蹄動物等の動物園の動物の治療を含む獣医学的治療にも適用可能である。
【0072】
本明細書で特に定義しない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって及び公開されている文書を参照することによって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0073】
続く特許請求の範囲及び発明の説明では、言語表現又は必然的な関連性から文脈上他の意味に解すべき場合を除いて、用語「含む(comprise)」、又は「comprises」若しくは「comprising」等の変形は、包括的な意味で、すなわち、記載されている特徴の存在を特定するために使用され、本発明の様々な実施形態における更なる特徴の存在又は追加を排除するために使用されるものではない。
【0074】
【0075】
図は、マトリクスの生物学的及び物理的な組成がMSCの形態に影響を与えたことを示す。MSCは、ゲルの硬度及び各基質にコンジュゲートしているタンパク質に応じて、細胞の形状及びアクチンフィラメントの構築の点で異なるようにみえた(
図4)。細胞は全ての条件で丸い形態を示し、1kPaフィブロネクチン群ではより顕著な細胞の凝集を示した(
図4、左中)。より硬度の高いゲルでは、MSCが拡散した。特に、10kPaのフィブロネクチン基質上に播種した細胞は、互いに整列することができた(
図4、中線、中心)。コラーゲンでコーティングした表面上で培養した細胞は、より剛性の高い基質でも細胞の凝集が維持された。
【0076】
また、図は、特定の基質硬度とマトリクスタンパク質との組み合わせによって管形成が刺激されることも示す。ヒドロゲル上で2日間培養した後、各条件から細胞培養培地を回収し、管形成アッセイを実施するために使用した。8時間後に管形成を評価した。結果は、全てのコラーゲン及びフィブロネクチンでコーティングされた表面が、通常の組織培養プレート(TCPS)並びにフィブロネクチン及びI型コラーゲンの組み合わせでコーティングされたTCPSよりも管形成を誘導できたことを示した。更に、10kPaのコラーゲンからの馴化培地は、陽性対照よりも多くの管形成を示した(
図5)。フィブロネクチン及びコラーゲンの両方を様々な硬度のゲルにコーティングした場合、1kPa及び10kPaが最も良好な管形成を示した(
図9)。
【実施例】
【0077】
実施例1
国際公開第2017/156580号に従って生成され、任意で国際公開第2018/090084号に従ってアッセイされたヒトMSCを使用した。
【0078】
ヒドロゲルのコンジュゲーションについては、ポリアクリルアミド上に酸化タンパク質を印刷するために、フォトリソグラフィーを用いてポリジメチルシロキサン(PDMS)スタンプを作製した。1~40kPaに及ぶヒドロゲル製剤について調べ、ナノインデンテーションによってヒドロゲルの機械的特性を確認した。マトリクスタンパク質であるラミニン、I型コラーゲン、及びフィブロネクチンを酸化させ、単独で及び組み合わせて基質上にパターニングした。ヨウ素化を用いてタンパク質の表面密度を確認した。
【0079】
2日後にMSCから馴化培地を回収した。ヒト微小血管内皮細胞(hMVEC)を含有する成長因子枯渇マトリゲルに馴化培地を添加したインビトロ管形成アッセイを用いて、血管新生作用を調べた。8時間後に管形成の画像を収集し、ImageJ(NIH)を用いて定量した。
【0080】
凍結保存の前後の活性化状態の持続性について、血管新生促進状態をプライミングした条件を調べた。
【0081】
実施例2
管形成を促進するMSC馴化培地は、市販のサイトカインアレイを用いて、血管新生促進性サイトカインのパネルをプロファイリングする。
【0082】
マトリクスメタロプロテアーゼ(MMP)分解性ペプチドで架橋されたポリ(エチレングリコール)ジアクリレート(PEGDA)ヒドロゲル内にMSCを封入する。血管新生性セクレトームを促進する、スクリーニングで同定されたタンパク質を、材料内に組み込むためにアクリル化する。機械的特性を、PEGDAの分子量を通して調整し、ナノインデンテーションで評価する。抗体アレイ及びHMVECのインビトロ管形成を用いて、封入されたMSCからの分泌を評価する。
【0083】
実施例3-ヒトPSCをMSCに分化させるためのプロトコル
【0084】
【0085】
表1に列挙した試薬は、当業者に公知であり、例えば、IMDM及びハムF12等の認められている組成を有する。GLUTAMAXは、通常0.85%NaCl中200mMで供給されるL-アラニル-L-グルタミンジペプチドを含む。GLUTAMAXは、培養されている細胞によってジペプチド結合が切断されたときにL-グルタミンを放出する。既知組成脂質濃縮物は、2mg/L アラキドン酸、220mg/L コレステロール、70mg/L DL-アルファ-トコフェロール酢酸エステル、10mg/L リノール酸、10mg/L リノレン酸、10mg/L ミリスチン酸、10mg/L オレイン酸、10mg/L パルミチン酸、10mg/L パルミトレイン酸、90g/L pluronic F-68、10mg/L ステアリン酸、2.2g/L TWEEN 80(登録商標)、及びエチルアルコールを含む。H-1152及びY27632は、非常に強力で細胞透過性である選択的ROCK(Rho結合コイルドコイル形成タンパク質セリン/トレオニンキナーゼ)阻害剤である。
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
プロトコル
1. ビトロネクチンでコーティングされた(0.5μg/cm2)プラスチックの器において、E8完全培地(DMEM/F12基本培地+E8サプリメント)+1μM H1152中でiPSCを解凍した。37℃、5%CO2、20%O2(正常酸素圧)で、プレーティングしたiPSCをインキュベートした。
2. ビトロネクチンでコーティングされた(0.5μg/cm2)プラスチックの器において、E8完全培地(ROCK阻害剤を含まない)中で3回継代してiPSCを増幅し、37℃、5%CO2、20%O2(正常酸素圧)でインキュベートした後、分化プロセスを開始させた。
3. iPSCを回収し、IV型コラーゲンでコーティングされた(0.5μg/cm2)プラスチックの器において、E8完全培地+10μM Y27632中に5×103細胞/cm2で単細胞/小コロニーとして播種し、37℃、5%CO2、20%O2(正常酸素圧)で24時間インキュベートした。
4. E8完全培地+10μM Y27632を分化培地に交換し、37℃、5%CO2、5%O2(低酸素)で48時間インキュベートした。
5. 単細胞懸濁液として分化培地接着培養物からコロニー形成細胞を回収し、M-CFM懸濁培養液に移し、37℃、5%CO2、20%O2(正常酸素圧)で12日間インキュベートした。
6. コロニーを回収し、フィブロネクチン/I型コラーゲンでコーティングされた(0.67μg/cm2 フィブロネクチン、1.2μg/cm2 I型コラーゲン)プラスチックの器において、M-SFEM中に播種し(継代数0)、37℃、5%CO2、20%O2(正常酸素圧)で3日間インキュベートした。
7. コロニーを回収し、フィブロネクチン/1型コラーゲンでコーティングされたプラスチックの器において、M-SFEM中に1.3×104細胞/cm2で単細胞として播種し(継代数1)、37℃、5%CO2、20%O2(正常酸素圧)で3日間インキュベートした。
8. 回収し、フィブロネクチン/1型コラーゲンでコーティングされたプラスチックの器において、M-SFEM中に1.3×104細胞/cm2で単細胞として播種し(継代数2)、37℃、5%CO2、20%O2(正常酸素圧)で3日間インキュベートした。
9. 回収し、フィブロネクチン/1型コラーゲンでコーティングされたプラスチックの器において、M-SFEM中に1.3×104細胞/cm2で単細胞として播種し(継代数3)、37℃、5%CO2、20%O2(正常酸素圧)で3日間インキュベートした。
10. 回収し、フィブロネクチン/1型コラーゲンでコーティングされたプラスチックの器において、M-SFEM中に1.3×104細胞/cm2で単細胞として播種し(継代数4)、37℃、5%CO2、20%O2(正常酸素圧)で3日間インキュベートした。
11. 回収し、フィブロネクチン/1型コラーゲンでコーティングされたプラスチックの器において、M-SFEM中に1.3×104細胞/cm2で単細胞として播種し(継代数5)、37℃、5%CO2、20%O2(正常酸素圧)で3日間インキュベートした。
12. 単細胞として回収し、最終生成物を冷凍した。
【国際調査報告】