(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-19
(54)【発明の名称】電子スイッチギアの電子部品を自動的に配線する把持具、これに対応するロボットおよび対応する方法
(51)【国際特許分類】
B25J 15/08 20060101AFI20220412BHJP
【FI】
B25J15/08 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021551576
(86)(22)【出願日】2020-01-17
(85)【翻訳文提出日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 DE2020100034
(87)【国際公開番号】W WO2020187349
(87)【国際公開日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】102019106710.3
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512086138
【氏名又は名称】リッタル ゲーエムベーハー ウント コー.カーゲー
【氏名又は名称原語表記】Rittal GmbH & Co.KG
【住所又は居所原語表記】Auf dem Stuetzelberg,35745 Herborn,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】特許業務法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バッハ,ミハエル
(72)【発明者】
【氏名】ユング,ケビン
(72)【発明者】
【氏名】ベヒラー,アンドレアス ミハエル
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS08
3C707ES03
3C707ET08
3C707EU11
3C707EV07
3C707EV23
3C707EV27
3C707HS27
3C707KS33
3C707MT03
3C707NS17
(57)【要約】
本発明は、少なくとも2つの指グリッパー(2)を備え、電子スイッチギアの電子部品(11)を自動的に配線する把持具(1)において、前記指グリッパー(2)が間に配策通路(3)を区画し、その通路断面が前記指グリッパー(2)の先端部(D)において前記指グリッパー(2)の対向する把持顎部(4)により区画され、前記先端部(D)に対しさらに基端側では、前記指グリッパー(2)の対向するケーブル駆動部により区画され、前記2つの指グリッパー(2)は、前記通路断面の断面方向に対応する調節方向(y)において、前記通路断面を変化させるために、リニア調節ユニット(6)を用いて互いに調節可能であることを特徴とする把持具(1)に関する。対応するロボットおよび方法がさらに記載される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの指グリッパー(2)を備え、電子スイッチギアの電子部品(11)を自動的に配線する把持具(1)において、
前記指グリッパー(2)が間に配策通路(3)を区画し、その通路断面が前記指グリッパー(2)の先端部(D)において前記指グリッパー(2)の対向する把持顎部(4)により区画され、前記先端部(D)に対しさらに基端側では、前記指グリッパー(2)の対向するケーブル駆動部(5)により区画され、
前記通路断面を変化させるために、前記2つの指グリッパー(2)は、前記通路断面の断面方向に対応する調節方向(y)において、リニア調節ユニット(6)を介して互いに調節可能であることを特徴とする把持具(1)。
【請求項2】
前記指グリッパー(2)のうち少なくとも1つに属するケーブル駆動部(5)の少なくとも1つに、少なくとも1つの回転駆動部(7)が設けられ、互いに対向して配置されている前記2つの指グリッパー(2)の回転駆動部(7)が互いに反対向きの回転方向を有することを特徴とする請求項1に記載の把持具(1)。
【請求項3】
対向している回転駆動部(7)のペアのうち少なくとも1つのペアに、各回転駆動部(7)対して、少なくとも1つの車輪、少なくとも1つのローラー、または、少なくとも1つのコンベアーベルトが備えられていることを特徴とする請求項2に記載の把持具(1)。
【請求項4】
前記対向するケーブル駆動部(5)が、前記指グリッパー(2)の前記調節方向(y)に調節可能であり、かつ機械的に予引張、好ましくはバネで予引張されていることを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の把持具(1)。
【請求項5】
前記対向するケーブル駆動部の近位側のケーブル出口側(23)に、前記通路断面に通じるケーブルガイド(8)が設けられていることを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の把持具(1)。
【請求項6】
前記調節方向(y)に延びる軸(x)の周りで前記対向する把持顎部(4)が各々調節可能であることを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の把持具(1)。
【請求項7】
前記対向する把持顎部(4)が、同じ方向でかつ前記軸(x)の周りの0°~180°までの調節範囲で互いに調節される2つの姿勢の間で調節可能となっていることを特徴とする請求項6に記載の把持具(1)。
【請求項8】
前記把持顎部(4)は何れもその長手方向の両端部に前記軸(x)に対向して把持端部(9)が設けられ、互いに変化する両方の姿勢において、前記把持端部(9)の一方にはその指グリッパー(2)の先端部(D)が設けられ、前記把持端部(9)の他方は、前記軸(x)に対し反対側において前記ケーブル駆動部(5)に面していることを特徴とする請求項7に記載の把持具(1)。
【請求項9】
前記リニア調節ユニット(6)が前記指グリッパー(2)を、
a.前記把持顎部(4)が、間の前記通路断面を、ケーブルの断面積、またはケーブル末端処理部の断面積またはこれより小さな断面積に制限するケーブル保持姿勢と、
b.前記把持顎部(4)が、間の前記通路断面を、ケーブルの断面積またはケーブルの断面積よりも大きいが好ましくはケーブル末端処理部の断面積よりは小さい断面積に制限するケーブル運搬姿勢と、
c.前記把持顎部(4)が、間の前記通路断面を、ケーブルの断面積を超えて拡張し、必要な場合に、ケーブル末端処理部の断面積を超えるまで拡張するケーブル受け入れ姿勢と、
のうち少なくとも何れか1つの姿勢へと互いに選択的に移動させるように構成されていることを特徴とする請求項1~8の何れか一項に記載の把持具(1)。
【請求項10】
前記指グリッパー(2)が前記リニア調節ユニット(6)のみを介して互いに調節可能であることを特徴とする請求項1~9の何れか一項に記載の把持具(1)。
【請求項11】
請求項1~10の何れか一項に記載の把持具(1)を備えた、好ましくは多関節ロボットであるロボット(10)
【請求項12】
a.請求項1~11の何れか一項に記載の把持具(1)および/またはロボット(10)を用いて、ケーブル移動インターフェース(13)から少なくとも部分的に事前作成されたケーブル(15)を取り外すステップ(100)と、
b.前記ケーブル(15)の第1ケーブル端部(14)を、前記電子スイッチギアの第1電子部品(11)の第1接触点(16)に接触させ(200)、前記ケーブル(15)を前記第1接触点(16)から、前記電子スイッチギアの第2電子部品(11)の第2接触点(16)まで配策(300)し、前記第2ケーブル端部(14)を前記第2電気接触点(16)に接触させる(400)ステップと、
を含む電子スイッチギアの電子部品(11)を自動的に配線するための方法において、
前記ケーブル移動インターフェース(13)から前記ケーブル(15)を取り外すステップ(100)に、
c.前記リニア調節ユニット(6)を介して、前記指グリッパー(2)を、
前記把持顎部(4)が、間の前記通路断面を、前記ケーブル(15)の断面積を超えて拡張し、必要な場合に、前記ケーブル(15)のケーブル末端処理部の断面積を超えるまで拡張するケーブル受け入れ姿勢、に移行(110)させるステップと、
d.前記第2ケーブル端部(14)を、前記先端部(D)および前記把持顎部(4)の拡張された前記通路断面から、前記配策通路(3)の中へと挿入(120)させ、前記第2ケーブル端部(14)は前記第2ケーブル端部(14)が前記ケーブル駆動部(5)に到達するまで挿入(120)されるステップと、
e.前記第1ケーブル端部(14)が前記把持顎部(4)に到達するまで前記ケーブル(15)を前記配策通路(3)に運搬(130)するステップと、
が含まれることを特徴とする方法。
【請求項13】
前記ケーブル(15)を運搬するステップ(130)には、前記リニア調節ユニット(6)を介して前記指グリッパー(2)を、前記ケーブル受け入れ姿勢からケーブル運搬姿勢に移行(130)させることが含まれ、前記ケーブル運搬姿勢において、前記把持顎部(4)が、間の前記通路断面を、ケーブルの断面積またはケーブルの断面積よりも大きいが好ましくはケーブル末端処理部の断面積よりは小さい断面積に制限することで、前記ケーブル端部(14)が前記把持顎部(4)の間を通過可能であることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
第1ケーブル端部および/または第2ケーブル端部を接触させるステップ(200)には、前記リニア調節ユニット(6)を介して前記指グリッパー(2)をケーブル保持姿勢に移行(131)するステップが含まれており、前記ケーブル保持姿勢において把持顎部(4)は、間の前記通路断面をケーブルの断面積、ケーブル末端処理部の断面積またはこれより小さな断面積に制限することで、前記ケーブル端部(14)が前記把持顎部(4)の間に保持されることを特徴とする請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1接触点(16)から前記第2接触点(16)まで前記ケーブル(15)を敷設(300)してから、前記第2電気接触点(16)に前記第2ケーブル端部(14)を接触(400)させるまでに、対向している前記把持顎部(4)が同じ方向に180°調節(350)されることを特徴とする請求項12~14の何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気スイッチギアの電子部品を自動的に配線し、少なくとも2つの指グリッパーを備える把持具に基づく。この種の把持具は特許文献1より公知である。
【背景技術】
【0002】
スイッチギアおよび制御システムを製造するにあたり、電子部品の配線は主要でかつ最も時間のかかる作業プロセスの1つであって、これは今だ、主に手作業で行われている。この作業プロセスは高度に複雑であるだけでなく、とりわけ間違いが100%許されないことが、配線作業を行う者にとって負担であった。
【0003】
配線プロセスを最適化するために、様々な支援レベルにおいて種々の技術支援が存在する。これらは手工具および/またはケーブル組立用の半自動的な機械から、個々のワイヤを完全に組み立てる全自動のシステム、つまり適当な長さに切断し、フェルールを付け、圧着させる、全自動のシステムまで多岐にわたる。このようにして製造された事前組立されたケーブルは、順に内部接続または吊るされるワイヤとしての束ねていないばらばらのワイヤとして、或いはワイヤバンドルとして、その後提供することができる。
【0004】
リールに巻き付けられたケーブルシーケンスが特許文献2から公知である。特許文献3には配線システムのエンドエフェクタに組み込まれた多機能加工ヘッドが記載されている。特許文献4および特許文献5には何れも電子デバイスの部品の接続点を配線するための方法および装置が記載されている。特許文献6にはケーブルを敷設するための工具が記載されている。
【0005】
特許文献7は接続筐体をケーブル部品に自動的にフィットさせる加工ヘッドならびにそのシステムおよび方法を示している。ケーブル加工用の把持具が特許文献8から公知である。特許文献9には接続筐体において接触部材を用いて電導体を自動的に組み立てる装置が記載されている。
【0006】
その後2018年12月21日に公開された特許文献10には、エンドエフェクタに互いに調節可能な2つの指グリッパーが設けられた把持具を有する多関節ロボットを活用して、取付板に配置された電子スイッチギアの電子部品を配線するための方法が記載されている。可撓性のあるケーブルを確実に操作するために、各エンドエフェクタに把持具が設けられた多関節ロボットが、配線されるケーブルの両端の1つを保持するような協働把持システムが提案されている。しかしながら、これらのシステムはそれ相応に複雑であるために、配置が複雑でコストがかかる。
【0007】
本発明の目的は、電子スイッチギアを配線する目的のため、シンプルな技術手段を用いて可撓性のあるケーブルや他のワイヤを操作することができるように、上記タイプの把持具をさらに発展させる点にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第8,113,557号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102015103444号明細書
【特許文献3】ベルギー国特許出願公開第1019651号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第4431254号明細書
【特許文献5】欧州特許第0917259号明細書
【特許文献6】欧州特許第0259394号明細書
【特許文献7】国際公開第2018/189103号
【特許文献8】欧州特許出願公開第1447888号明細書
【特許文献9】欧州特許第0440955号明細書
【特許文献10】独国特許出願公開第102018133337.4号明細書
【発明の概要】
【0009】
この目的は請求項1に記載の特徴を有する把持具により解決される。従属請求項11にはこれに対応するロボットが記載され、従属請求項12にはこれに対応する方法が記載されている。有利な実施形態はいずれの場合も従属請求項の対象である。
【0010】
したがって、間に配策通路が定められている指グリッパーが把持具に設けられており、その通路断面は、指グリッパーの先端部において、指グリッパーの対向する把持顎部により定められ、この先端部からさらに近位において、指グリッパーの対向するケーブル駆動部により定められる。通路断面積を変化させるため、2つの指グリッパーは、リニア調節ユニットを介して、通路断面の断面方向に対応する調節方向において、互いに直線状に調節可能である。
【0011】
把持具の主要な部品それ自身が配策通路を区画している事、つまりケーブルを保持するため、特にケーブル端部を保持するための対向する把持顎部と、指グリッパーの対向するケーブル駆動部とが、それ自身で配策通路を区画しており、また配策通路の通路断面積を変化させるリニア調節ユニットを介して互いに線状に調節可能になっているという事実により、本発明に係る把持具の複雑さの程度は低い。
【0012】
指グリッパーは何れもその近位端でリニアアクチュエータユニットのアクチュエータに接続することができ、アクチュエータの対応する調節平面に対して垂直に延びている。
【0013】
指グリッパーのうち少なくとも1つに属するケーブル駆動部の少なくとも1つに、少なくとも1つの回転駆動部を設けることを定めることができる。この場合、2つの指グリッパーの対向する回転駆動部が、反対の回転方向を有することができる。これら2つの回転駆動部には、例えば、ベルトプレスの原理に従う少なくとも2つの対向する圧力ベルトを設けることができ、これらが互いに整列することでロールギャップが形成される。ローラーは、ローラー間にケーブルが収容されない限り互いに近接させることも可能である。これらローラーは好ましくは外周において同一で反対の回転速度を有する。原則、回転駆動部は上述の原理が達成される限りは特定の実施形態に限定されない。したがって、例えば、これら回転駆動装置は、少なくとも1つの車輪、少なくとも1つのローラー、および/または、少なくとも1つのコンベアーベルトを備えることができる点を述べることができる。特に、例えば、対向している回転駆動部のペアには何れも、少なくとも1つの車輪、少なくとも1つのローラー、および/または、少なくとも1つのコンベアーベルトを備えることができる。
【0014】
対向するケーブル駆動部は、指グリッパーの調節方向に調節することができ、また機械的に予引張、好ましくはバネで予引張させることができる。このようにして、ケーブル駆動部から運搬されるケーブルに、加工されたケーブルの断面積とは関係なく、均一な接地圧を常に及ぼすことができるため、ケーブルとケーブル駆動部との間に確実な静摩擦が提供される。同様にして、このようにして指グリッパーがケーブル受け入れ姿勢からケーブル運搬姿勢に移行すると、ケーブル駆動部がケーブルに接触した状態となり、ケーブルを駆動するために必要な静摩擦をケーブルに及ぼすことを確実にすることができるが、ケーブル受け入れ姿勢では、把持顎部は、間の通路断面積が、ケーブルの断面積を超え、また必要な場合に、ケーブルのケーブル末端処理部の断面積を超えるまで拡張し、またケーブル運搬姿勢では、把持顎部は間にある通路断面積をケーブルの断面積またはそれより大きな断面積に制限するが、これは好ましくはケーブル末端処理部の最大断面積よりも小さい。
【0015】
特に長いケーブルを加工する際には、把持具によりピックアップされたケーブルを、把持具から離れて制御された方法で案内することが適切である場合がある。この目的のため、一実施形態において、対向するケーブル駆動部の近位ケーブル出口側にケーブルガイドが設けられ、これは通路断面に通じている。ケーブルガイドは例えば、中空導管とすることができる。ケーブル出口側は2つのケーブル駆動部の間に形成されたロールギャップの近位開口部である必要はない。
【0016】
対向する把持顎部は何れも調節軸方向に延長する軸の周りで調節可能である。例えば、対向する把持顎部は、同じ方向に2つの調節姿勢の間で0°~180°までの角度範囲で調節することができ、例えば軸周りに180°調節された2つの姿勢の間で互いに調節することができる。しかしながら、特に把持顎部は軸周りに0°~180°までの任意の角度で調節することもできる。
【0017】
把持顎部は何れも、軸について対向する長手方向の両端部に把持端部が設けられ、好ましくは互いに180°調節される両方の姿勢において、把持端部の一方には指グリッパーの先端部が設けられ、他方の把持端部は、何れも軸に対し反対側でケーブル駆動部に面している。把持顎部は好ましくは軸に対して対称性を有する。対向する把持顎部は相補的な把持顎部として形成することができ、特に対向する把持顎部は、相補的に連結する外形状を有することができる。この連結する把持顎部は間に通路断面を有する配策通路を形成しており、この通路断面はリニア調節ユニットを活用して指グリッパーを調節することで調節可能になっている。把持顎部が間の通路断面積を、ケーブルの断面積またはそれより大きな断面積に制限しながらも、好ましくはケーブル末端処理部の最大断面積よりも小さい断面積に制限するケーブル運搬姿勢においても、対向する相補的な把持顎部はまだ互いに部分的に篏合し、配策通路を周囲から制限することで、配策通路内で把持顎部の間に受け入れられたケーブルが把持顎部の間で確実に保持されるようになっている。
【0018】
リニア調節ユニットは、指グリッパーを以下の何れかの姿勢のうち少なくとも1つの姿勢に、選択的に移動させるように構成することができる。
a.把持顎部が、間の通路断面積をケーブルの断面積、ケーブル末端処理部の断面積またはこれより小さな断面積、に制限するケーブル保持姿勢、
b.把持顎部が、間の通路断面積をケーブルの断面積またはそれより大きな断面積に制限するが、これは好ましくはケーブル末端処理部の断面積よりも小さい、ケーブル運搬姿勢、および
c.把持顎部が、間の通路断面を、ケーブルの断面積を超え、必要な場合に、ケーブルのケーブル末端処理部の断面積を超えるまで拡張するケーブル受け入れ姿勢。
【0019】
指グリッパーはリニア調節ユニットのみを介して互いに調節することができる。これにより高レベルの加工信頼性を確保することができる。
【0020】
別の態様によれば、本発明は上記タイプの把持具を備えた、公開済みの特許文献10などで公知となっているロボット、好ましくは多関節ロボットに関する。
【0021】
また別の態様によれば本発明は、電子スイッチギアの電子部品を自動的に配線するための方法に関し、本方法には、
a.上記タイプの把持具および/またはロボットを用いて、ケーブル移動インターフェースから少なくとも部分的に事前作成されたケーブルを取り外すステップと、
b.前記電子スイッチギアの第1電子部品の第1接触点において、前記ケーブルの第1ケーブル端部を接触させ、前記ケーブルを前記第1接触点から、前記電子スイッチギアの第2電子部品の第2接触点まで配策し、前記第2ケーブル端部を前記第2電気接触点に接触させるステップと、
が含まれ、
前記ケーブル移動インターフェースから前記ケーブルを取り外すステップには、
c.前記リニア調節ユニットを介して、前記指グリッパーを、
前記把持顎部が、間の通路断面を、前記ケーブルの断面積を超え、必要な場合に、前記ケーブルのケーブル末端処理部の断面積を超えるまで拡張するケーブル受け入れ姿勢に移行させるステップと、
d.前記第2ケーブル端部を、前記先端部および前記把持顎部の拡張された前記通路断面から前記配策通路の中に挿入し、前記第2ケーブル端部は前記第2ケーブル端部が前記ケーブル駆動部に到達するまで挿入されるステップと、
e.前記ケーブル駆動部を用いて前記ケーブルを前記配策通路に運搬し、前記ケーブルは前記第1ケーブル端部が前記把持顎部に到達するまで運搬されるステップと、
が含まれることを特徴とする。
【0022】
第1ケーブル端部が把持顎部に到達すると、これを把持顎部で保持し、上記の方法で第1電子部品の第1接触点に接触させることができる。その後、ケーブルを第1接触点から第2接触点に敷設させる際、ケーブルを再び配策通路を介して把持具から出し、第2ケーブル端部が把持顎部に到達するまで、必要に応じてケーブル駆動部でケーブルを配策通路の外に運搬することができる。
【0023】
ケーブルを第1接触点から第2接触点まで敷設してから、第2接触点に第2ケーブル端部を接触させるまでに、対向している把持顎部を同じ方向に180°調節するか、必要に応じて、0°から360°までの間の別の角度寸法で調節することにより、第2ケーブル端部を把持具の先端部に配置させ、第2ケーブル端部を第2電子部品に供給してそこで接触させることができる。
【0024】
ケーブルの運搬にはリニア調節ユニットを介して指グリッパーをケーブル受け入れ姿勢からケーブル運搬姿勢に移行させることが含まれる場合があり、このケーブル運搬姿勢において、把持顎部は、間の通路断面積をケーブルの断面積またはこれより大きな断面積に制限するが、これは好ましくはケーブル末端処理部の断面積よりも小さく、ケーブル端部を把持顎部の間に通過させることができる。
【0025】
第1ケーブル端部および/または第2ケーブル端部の接触には、リニア調節ユニットを用いて指グリッパーをケーブル保持姿勢に移行することが含まれており、このケーブル保持姿勢において把持顎部は、間の通路断面積をケーブルの断面積、ケーブル末端処理部の断面積またはこれより小さな断面積に制限することで、ケーブル端部が把持顎部の間に保持されるようになっている。
【0026】
本発明の詳細な説明は、以下の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】既存技術の多関節ロボットを活用してケーブルを事前作成し、事前作成されたケーブルを配線するための配置である。
【
図2】
図1の配置において例えば把持具として使用することのできる、本発明の実施形態に係る把持具の側面図である。
【
図4】本発明のプロセスを示す概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は取付板12に形成された電子スイッチギアシステムの電子部品11を配線するための例示的な配置を表す。取付板12は搬送台18により水平に保持され、これによりケーブルの供給、接触および、必要に応じて、品質保証の目的のために、把持具1が設けられた多関節ロボット10を用いて上部から部品11にアクセスできるようになっている。実施形態に応じて、場合によっては取付板12を水平に対して傾けて配向することができる。
【0029】
多関節ロボット10には把持具1が設けられたエンドエフェクタが備えられ、ここから組立済みのケーブル15を移動インターフェース13から取り外し、接触のために部品11に供給することができる。組立済みのケーブル15は、従来技術から基本的に公知となっている自動ケーブル組立機17を用いて製造することができる。
【0030】
第1ステップにおいて、ロボット10は組立済みのケーブル15の第1部分をインターフェース13から取り外すが、これは把持具1を用いて、ケーブル15を組立済みのケーブル端部14の両端のうち少なくとも一方を把持することにより取り外される。その後、この保持されたケーブル端部14が第1電子部品11の第1接触点16に供給され接触する。第1ケーブル端部14が第1接触点16に接触すると、ケーブル15が第1接触点16から、電子スイッチギアの第2電子部品11の第2接触点16へと配策され、第2ケーブル端部14が第2電気接触点16で接触する。
【0031】
ここにおける問題点としては、ケーブル15を接触および敷設させているときに、ケーブルが電子スイッチギアの電子部品11または取付板12上の他の上部構造と絡まないようにして、可撓性のある部品であるケーブル15を、操作する必要がある点にある。高レベルの加工信頼性を達成するためには、インターフェース13からケーブル11を取り外すことから、第2電子部品11の第2接触点16における第2ケーブル端部の接触までの、全プロセスシーケンスに渡って、ケーブルを正確に案内することが必要である。
【0032】
この問題を解決するため、
図2および
図3に図示の実施形態に係る発明に関する把持具1が提案される。把持具1は第1および第2の指グリッパー2を備え、これらはその長手方向に対して垂直な方向に、互いの距離が変化するように、リニア調節ユニット6を介して互いに直線方向だけで調節することができる。指グリッパー2の間に配策通路3が形成され、これは指グリッパーの対向する側面に設けられた相補的な把持顎部4により区画される一方で、他方では対向するケーブル駆動部5によって区画される。その近接端部分において、通路3はケーブルガイド8に通じており、ケーブルガイドは例えば中空チューブとして設計することができ、ここからこの中空チューブに挿入されたケーブルを把持具1から離れて、プロセス安全性を確保しながら案内させることができる。
【0033】
ケーブル駆動部5は対向するトレッドミルとして設計され、何れも1組の回転駆動部7を覆って延びている。ケーブルを最適に加圧するために回転駆動部7の間に追加の加圧ローラーを設けることを考えることができる。回転駆動部7は、例えば、ケーブル駆動部5の2つの回転駆動部7のうち少なくとも一方がモーター19により駆動される歯車として設計することができる。歯車を取り囲むランニングベルトは、内側に突起部が配置され、これが歯車7の対応する凹部に篏合するような歯付きベルトとして設計することができる。これら2つのケーブル駆動部5は、互いに反対方向に同じ速さで駆動させることができる。
【0034】
図2および
図3において把持具1はケーブル受け入れ姿勢で図示されているが、ケーブル受け入れ姿勢では、配策通路3の断面積をケーブルの断面積よりも幅広くすることで、ケーブルを把持顎部4の把持先端Dからケーブル駆動部5まで挿入可能とし、指グリッパー2はリニア駆動装置6を用いて互いに近づけることができ、これにより配策通路3の通路断面がテーパー状となる。ケーブル運搬姿勢において、把持顎部4は間にある配策通路3の通路断面を、ケーブルの断面積もしくはこれより少し大きい断面積に制限することができる。特に、ケーブル運搬姿勢において、通路の断面積をケーブルの末端処理部よりも小さくすることで、上記の姿勢でテーパー状となっている配策通路3の中にケーブルが運搬されると、ケーブルの末端側の末端処理部が把持顎部4の先端部Dに対して止められるようになっている。
【0035】
各指グリッパー2について、把持具1には各指グリッパー2に割り当てられたケーブル駆動部5を駆動するためのモーター19が備えられている。
【0036】
対向する把持顎部4は何れも、指グリッパー2の調節方向yに延びる軸xの周りで互いに調節することができる。特に、把持顎部4は何れも、ギアユニット20を駆動するスピンドル(図示せず)を介して把持顎部4の1つに各々が連結されているサーボモーター等のアクチュエータ22を用いて、同方向の軸の周りで調節でき、また互いに180°で調節される、軸xの周りの2つの姿勢の間で調節することができる。この場合、把持顎部4には何れも、x軸について互いに対向する、長手方向の両端部に把持端部9が設けられ、互いに180°で調節される両方の姿勢において、何れも、把持端部9の1つに、それぞれの指グリッパー2の先端部Dがそれぞれ設けられ、他方の把持端部9がそれぞれ、軸xについて反対側のケーブル駆動部5の方を向いている。把持顎部はx軸について何れも対称性を有する。
【0037】
ケーブル駆動部5、特にケーブル駆動部5の回転駆動部7は、負荷センサー21に接続されており、これを活用することによって、ケーブル駆動部5を駆動させているモーター19の負荷が高まることにより、ケーブル端部がケーブル駆動部5の係合領域の中に位置していることを判断することができる。例えば、ケーブル端部に、ケーブル駆動部5の間に設けられたケーブルの断面積よりも大きな断面積を有するケーブル末端処理部を設けることができ、ケーブル末端処理部が、ケーブル駆動部5の間に区画された配策通路3における2つのケーブル駆動部5の間の連絡部分に接触し、負荷上昇により検知可能な抵抗を表すようになっている。負荷センサー21が負荷の上昇を検知すると、モーター19を制御することで回転駆動部7の駆動を停止させることができる。
【0038】
図4と
図1~3の概略を用いて、本発明の一実施形態に係る、自動配線のための方法を説明する。すなわち、第1ステップ100において、本方法にはロボット10の把持具1を用いてケーブル移動インターフェース13から少なくとも部分的に組立済みのケーブル15を取り外すことが含まれる。続くステップ200では、取り外されたケーブル15を、その第1ケーブル端部14から、電子スイッチギアの第1電子部品11の第1接触点16に接触させることができる。この第1ケーブル端部14を接触200させた後、ステップ300において、ケーブル15を第1接触点16から、電子スイッチギアの第2電子部品11の第2接触点16に送ることができる。その後、ステップ400で第2ケーブル端部14を第2電気接触点16に接触させることができる。
【0039】
ケーブル移動インターフェース13からケーブル15の取り外し100が行われると、ステップ110において、リニア調節ユニット6を介して指グリッパー2をケーブル受け入れ姿勢に動かすことができ、ケーブル受け入れ姿勢において、把持顎部4は、間の通路断面積が、配線されるケーブル15のケーブル断面積を超え、またケーブル15のケーブル末端処理部の断面積を超えるまで拡張する。これによりステップ120において、第2ケーブル端部14を、指グリッパー2の先端部Dおよび把持顎部4の拡張された通路断面から配策通路3の中へと挿入させることができ、第2ケーブル端部14がケーブル駆動部5に到達するまで挿入される。ケーブル駆動部5を作動させることにより、ステップ130において、ケーブルを配策通路3に運搬することができ、第1ケーブル端部14が把持顎部に到達するまで運搬されるが、これは負荷センサー21を活用することで上記の通り再現性良く検知することができる。
【0040】
ケーブル15の運搬130には、リニア調節ユニット6を介して指グリッパー2を、ケーブル受け入れ姿勢からケーブル運搬姿勢に移行131させることを含むことができ、このケーブル運搬姿勢において、把持顎部4は間の通路断面積を、ケーブルの断面積と同じかそれ以上の断面積まで拡張するが、ケーブル末端処理部の最大断面積よりは小さくなっており、これにより把持顎部の間にケーブル15を通すことを可能にしながらも、これよりも大きなケーブル端部14の末端処理部、例えばワイヤ末端スリーブが、把持顎部4の先端部Dで留まるようになっている。
【0041】
第1ケーブル端部および第2ケーブル端部の接触200には、リニア調節ユニット6を介して指グリッパー2をケーブル保持姿勢に移行131することが含まれており、このケーブル保持姿勢において把持顎部4は、間の通路断面積をケーブルの断面積、ケーブル末端処理部の断面積またはこれより小さな断面積に制限することで、ケーブル端部14が把持顎部4の間に保持されるようになっている。
【0042】
本方法にはさらに、第1接触点16から第2接触点16までケーブル15を敷設300してから、第2接触点16に第2ケーブル端部14を接触400させるまでに、対向している把持顎部4を同時にx軸の周りで特に180°回転させて調節350することが含まれる。これは特に、把持顎部4に対し留められているかまたは把持顎部4に把持されている第2ケーブル端部14を、把持具1の先端部Dに持って行く上で必要であって、第2ケーブル端部14、特にそこに設けられたケーブル末端処理部が、第2電子部品11の第2接触点16に供給できるようになっている。
【0043】
前述の明細書、図面、および特許請求の範囲に開示された本発明の特徴は、個々におよび任意の組み合わせの両方で本発明を実現するために不可欠であり得る。
【符号の説明】
【0044】
1 把持具
2 指グリッパー
3 配策通路
4 把持顎部
5 ケーブル駆動部
6 リニア調節ユニット
7 回転駆動部
8 ケーブルガイド
9 把持端部
10 ロボット
11 電子部品
12 取付板
13 ケーブル移動インターフェース
14 ケーブル端部
15 ケーブル
16 接触点
17 自動ケーブル組立機
18 搬送台
19 モータ
20 ギアユニット
21 負荷センサー
22 アクチュエータ
23 ケーブル出口側
100 取り外し
110 移行
120 挿入
130 運搬
131 移行
200 接触
300 敷設
350 調節
400 接触
D 先端部
x 軸
y 調節方向
【手続補正書】
【提出日】2021-09-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの指グリッパー(2)を備え、電子スイッチギアの電子部品(11)を自動的に配線する把持具(1)において、
前記指グリッパー(2)が間に配策通路(3)を区画し、その通路断面が前記指グリッパー(2)の先端部(D)において前記指グリッパー(2)の対向する把持顎部(4)により区画され、前記先端部(D)に対しさらに基端側では、前記指グリッパー(2)の対向するケーブル駆動部(5)により区画され、
前記通路断面を変化させるために、前記2つの指グリッパー(2)は、前記通路断面の断面方向に対応する調節方向(y)において、リニア調節ユニット(6)を介して互いに調節可能であることを特徴とする把持具(1)。
【請求項2】
前記指グリッパー(2)のうち少なくとも1つに属するケーブル駆動部(5)の少なくとも1つに、少なくとも1つの回転駆動部(7)が設けられ、互いに対向して配置されている前記2つの指グリッパー(2)の回転駆動部(7)が互いに反対向きの回転方向を有することを特徴とする請求項1に記載の把持具(1)。
【請求項3】
対向している回転駆動部(7)のペアのうち少なくとも1つのペアに、各回転駆動部(7)対して、少なくとも1つの車輪、少なくとも1つのローラー、または、少なくとも1つのコンベアーベルトが備えられていることを特徴とする請求項2に記載の把持具(1)。
【請求項4】
前記対向するケーブル駆動部(5)が、前記指グリッパー(2)の前記調節方向(y)に調節可能であり、かつ機械的に予引張、好ましくはバネで予引張されていることを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の把持具(1)。
【請求項5】
前記対向するケーブル駆動部の近位側のケーブル出口側(23)に、前記通路断面に通じるケーブルガイド(8)が設けられていることを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の把持具(1)。
【請求項6】
前記調節方向(y)に延びる軸(x)の周りで前記対向する把持顎部(4)が各々調節可能であることを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の把持具(1)。
【請求項7】
前記対向する把持顎部(4)が、同じ方向でかつ前記軸(x)の周りの0°~180°までの調節範囲で互いに調節される2つの姿勢の間で調節可能となっていることを特徴とする請求項6に記載の把持具(1)。
【請求項8】
前記把持顎部(4)は何れもその長手方向の両端部に前記軸(x)に対向して把持端部(9)が設けられ、互いに変化する両方の姿勢において、前記把持端部(9)の一方にはその指グリッパー(2)の先端部(D)が設けられ、前記把持端部(9)の他方は、前記軸(x)に対し反対側において前記ケーブル駆動部(5)に面していることを特徴とする請求項7に記載の把持具(1)。
【請求項9】
前記リニア調節ユニット(6)が前記指グリッパー(2)を、
d.前記把持顎部(4)が、間の前記通路断面を、ケーブルの断面積、またはケーブル末端処理部の断面積またはこれより小さな断面積に制限するケーブル保持姿勢と、
e.前記把持顎部(4)が、間の前記通路断面を、ケーブルの断面積またはケーブルの断面積よりも大きいが好ましくはケーブル末端処理部の断面積よりは小さい断面積に制限するケーブル運搬姿勢と、
f.前記把持顎部(4)が、間の前記通路断面を、ケーブルの断面積を超えて拡張し、必要な場合に、ケーブル末端処理部の断面積を超えるまで拡張するケーブル受け入れ姿勢と、
のうち少なくとも何れか1つの姿勢へと互いに選択的に移動させるように構成されていることを特徴とする請求項1~8の何れか一項に記載の把持具(1)。
【請求項10】
前記指グリッパー(2)が前記リニア調節ユニット(6)のみを介して互いに調節可能であることを特徴とする請求項1~9の何れか一項に記載の把持具(1)。
【請求項11】
請求項1~10の何れか一項に記載の把持具(1)を備えた、好ましくは多関節ロボットであるロボット(10)
【請求項12】
a.請求項1~11の何れか一項に記載の把持具(1)および/またはロボット(10)を用いて、ケーブル移動インターフェース(13)から少なくとも部分的に事前作成されたケーブル(15)を取り外すステップ(100)と、
b.前記ケーブル(15)の第1ケーブル端部(14)を、前記電子スイッチギアの第1電子部品(11)の第1接触点(16)に接触させ(200)、前記ケーブル(15)を前記第1接触点(16)から、前記電子スイッチギアの第2電子部品(11)の第2接触点(16)まで配策(300)し、
第2ケーブル端部(14)を前記第
2接触点(16)に接触させる(400)ステップと、
を含む電子スイッチギアの電子部品(11)を自動的に配線するための方法において、
前記ケーブル移動インターフェース(13)から前記ケーブル(15)を取り外すステップ(100)に、
c.前記リニア調節ユニット(6)を介して、前記指グリッパー(2)を、
前記把持顎部(4)が、間の前記通路断面を、前記ケーブル(15)の断面積を超えて拡張し、必要な場合に、前記ケーブル(15)のケーブル末端処理部の断面積を超えるまで拡張するケーブル受け入れ姿勢、に移行(110)させるステップと、
d.前記第2ケーブル端部(14)を、前記先端部(D)および前記把持顎部(4)の拡張された前記通路断面から、前記配策通路(3)の中へと挿入(120)させ、前記第2ケーブル端部(14)は前記第2ケーブル端部(14)が前記ケーブル駆動部(5)に到達するまで挿入(120)されるステップと、
e.前記第1ケーブル端部(14)が前記把持顎部(4)に到達するまで前記ケーブル(15)を前記配策通路(3)に運搬(130)するステップと、
が含まれることを特徴とする方法。
【請求項13】
前記ケーブル(15)を運搬するステップ(130)には、前記リニア調節ユニット(6)を介して前記指グリッパー(2)を、前記ケーブル受け入れ姿勢からケーブル運搬姿勢に移行(130)させることが含まれ、前記ケーブル運搬姿勢において、前記把持顎部(4)が、間の前記通路断面を、ケーブルの断面積またはケーブルの断面積よりも大きいが好ましくはケーブル末端処理部の断面積よりは小さい断面積に制限することで、前記ケーブル端部(14)が前記把持顎部(4)の間を通過可能であることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
第1ケーブル端部および/または第2ケーブル端部を接触させるステップ(200)には、前記リニア調節ユニット(6)を介して前記指グリッパー(2)をケーブル保持姿勢に移行(131)するステップが含まれており、前記ケーブル保持姿勢において把持顎部(4)は、間の前記通路断面をケーブルの断面積、ケーブル末端処理部の断面積またはこれより小さな断面積に制限することで、前記ケーブル端部(14)が前記把持顎部(4)の間に保持されることを特徴とする請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1接触点(16)から前記第2接触点(16)まで前記ケーブル(15)を敷設(300)してから、前記第
2接触点(16)に前記第2ケーブル端部(14)を接触(400)させるまでに、対向している前記把持顎部(4)が同じ方向に180°調節(350)されることを特徴とする請求項12~14の何れか一項に記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2021-09-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの指グリッパー(2)を備え、電子スイッチギアの電子部品(11)を自動的に配線する把持具(1)において、
前記指グリッパー(2)が間に配策通路(3)を区画し、その通路断面が前記指グリッパー(2)の先端部(D)において前記指グリッパー(2)の対向する把持顎部(4)により区画され、前記先端部(D)に対しさらに基端側では、前記指グリッパー(2)の対向するケーブル駆動部(5)により区画され、
前記通路断面を変化させるために、前記2つの指グリッパー(2)は、前記通路断面の断面方向に対応する調節方向(y)において、リニア調節ユニット(6)を介して互いに調節可能であることを特徴とする把持具(1)。
【請求項2】
前記指グリッパー(2)のうち少なくとも1つに属するケーブル駆動部(5)の少なくとも1つに、少なくとも1つの回転駆動部(7)が設けられ、互いに対向して配置されている前記2つの指グリッパー(2)の回転駆動部(7)が互いに反対向きの回転方向を有することを特徴とする請求項1に記載の把持具(1)。
【請求項3】
対向している回転駆動部(7)のペアのうち少なくとも1つのペアに、各回転駆動部(7)対して、少なくとも1つの車輪、少なくとも1つのローラー、または、少なくとも1つのコンベアーベルトが備えられていることを特徴とする請求項2に記載の把持具(1)。
【請求項4】
前記対向するケーブル駆動部(5)が、前記指グリッパー(2)の前記調節方向(y)に調節可能であり、かつ機械的に予引張、好ましくはバネで予引張されていることを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の把持具(1)。
【請求項5】
前記対向するケーブル駆動部の近位側のケーブル出口側(23)に、前記通路断面に通じるケーブルガイド(8)が設けられていることを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の把持具(1)。
【請求項6】
前記調節方向(y)に延びる軸(x)の周りで前記対向する把持顎部(4)が各々調節可能であることを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の把持具(1)。
【請求項7】
前記対向する把持顎部(4)が、同じ方向でかつ前記軸(x)の周りの0°~180°までの調節範囲で互いに調節される2つの姿勢の間で調節可能となっていることを特徴とする請求項6に記載の把持具(1)。
【請求項8】
前記把持顎部(4)は何れもその長手方向の両端部に前記軸(x)に対向して把持端部(9)が設けられ、互いに変化する両方の姿勢において、前記把持端部(9)の一方にはその指グリッパー(2)の先端部(D)が設けられ、前記把持端部(9)の他方は、前記軸(x)に対し反対側において前記ケーブル駆動部(5)に面していることを特徴とする請求項7に記載の把持具(1)。
【請求項9】
前記リニア調節ユニット(6)が前記指グリッパー(2)を、
a.前記把持顎部(4)が、間の前記通路断面を、ケーブルの断面積、またはケーブル末端処理部の断面積またはこれより小さな断面積に制限するケーブル保持姿勢と、
b.前記把持顎部(4)が、間の前記通路断面を、ケーブルの断面積またはケーブルの断面積よりも大きいが好ましくはケーブル末端処理部の断面積よりは小さい断面積に制限するケーブル運搬姿勢と、
c.前記把持顎部(4)が、間の前記通路断面を、ケーブルの断面積を超えて拡張し、必要な場合に、ケーブル末端処理部の断面積を超えるまで拡張するケーブル受け入れ姿勢と、
のうち少なくとも何れか1つの姿勢へと互いに選択的に移動させるように構成されていることを特徴とする請求項1~8の何れか一項に記載の把持具(1)。
【請求項10】
前記指グリッパー(2)が前記リニア調節ユニット(6)のみを介して互いに調節可能であることを特徴とする請求項1~9の何れか一項に記載の把持具(1)。
【請求項11】
請求項1~10の何れか一項に記載の把持具(1)を備えた、好ましくは多関節ロボットであるロボット(10)
【請求項12】
a.請求項1~11の何れか一項に記載の把持具(1)および/またはロボット(10)を用いて、ケーブル移動インターフェース(13)から少なくとも部分的に事前作成されたケーブル(15)を取り外すステップ(100)と、
b.前記ケーブル(15)の第1ケーブル端部(14)を、前記電子スイッチギアの第1電子部品(11)の第1接触点(16)に接触させ(200)、前記ケーブル(15)を前記第1接触点(16)から、前記電子スイッチギアの第2電子部品(11)の第2接触点(16)まで配策(300)し、第2ケーブル端部(14)を前記第2接触点(16)に接触させる(400)ステップと、
を含む電子スイッチギアの電子部品(11)を自動的に配線するための方法において、
前記ケーブル移動インターフェース(13)から前記ケーブル(15)を取り外すステップ(100)に、
c.前記リニア調節ユニット(6)を介して、前記指グリッパー(2)を、
前記把持顎部(4)が、間の前記通路断面を、前記ケーブル(15)の断面積を超えて拡張し、必要な場合に、前記ケーブル(15)のケーブル末端処理部の断面積を超えるまで拡張するケーブル受け入れ姿勢、に移行(110)させるステップと、
d.前記第2ケーブル端部(14)を、前記先端部(D)および前記把持顎部(4)の拡張された前記通路断面から、前記配策通路(3)の中へと挿入(120)させ、前記第2ケーブル端部(14)は前記第2ケーブル端部(14)が前記ケーブル駆動部(5)に到達するまで挿入(120)されるステップと、
e.前記第1ケーブル端部(14)が前記把持顎部(4)に到達するまで前記ケーブル(15)を前記配策通路(3)に運搬(130)するステップと、
が含まれることを特徴とする方法。
【請求項13】
前記ケーブル(15)を運搬するステップ(130)には、前記リニア調節ユニット(6)を介して前記指グリッパー(2)を、前記ケーブル受け入れ姿勢からケーブル運搬姿勢に移行(130)させることが含まれ、前記ケーブル運搬姿勢において、前記把持顎部(4)が、間の前記通路断面を、ケーブルの断面積またはケーブルの断面積よりも大きいが好ましくはケーブル末端処理部の断面積よりは小さい断面積に制限することで、前記ケーブル端部(14)が前記把持顎部(4)の間を通過可能であることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
第1ケーブル端部および/または第2ケーブル端部を接触させるステップ(200)には、前記リニア調節ユニット(6)を介して前記指グリッパー(2)をケーブル保持姿勢に移行(131)するステップが含まれており、前記ケーブル保持姿勢において把持顎部(4)は、間の前記通路断面をケーブルの断面積、ケーブル末端処理部の断面積またはこれより小さな断面積に制限することで、前記ケーブル端部(14)が前記把持顎部(4)の間に保持されることを特徴とする請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1接触点(16)から前記第2接触点(16)まで前記ケーブル(15)を敷設(300)してから、前記第2接触点(16)に前記第2ケーブル端部(14)を接触(400)させるまでに、対向している前記把持顎部(4)が同じ方向に180°調節(350)されることを特徴とする請求項12~14の何れか一項に記載の方法。
【国際調査報告】