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特表2022-522510改善された溶解性を有するステビオールグリコシド組成物
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  • 特表-改善された溶解性を有するステビオールグリコシド組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-19
(54)【発明の名称】改善された溶解性を有するステビオールグリコシド組成物
(51)【国際特許分類】
   A23L 27/00 20160101AFI20220412BHJP
   A23L 2/60 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
A23L27/00 101A
A23L2/00 C
A23L2/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021551915
(86)(22)【出願日】2020-03-06
(85)【翻訳文提出日】2021-10-15
(86)【国際出願番号】 US2020021334
(87)【国際公開番号】W WO2020181170
(87)【国際公開日】2020-09-10
(31)【優先権主張番号】62/814,734
(32)【優先日】2019-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512035620
【氏名又は名称】コーンプロダクツ ディベロップメント インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100142387
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 都子
(74)【代理人】
【識別番号】100135895
【弁理士】
【氏名又は名称】三間 俊介
(72)【発明者】
【氏名】アヌグ、アクシャイ
(72)【発明者】
【氏名】ベルフォード、アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】デブラシオ、ケイトリン
(72)【発明者】
【氏名】グレッグソン、クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】スンダレサン、カシ
(72)【発明者】
【氏名】シムザック、ケヴィン
【テーマコード(参考)】
4B047
4B117
【Fターム(参考)】
4B047LB09
4B047LE06
4B047LF07
4B047LF10
4B047LG32
4B047LG57
4B117LC13
4B117LK11
4B117LL02
(57)【要約】
【解決手段】 レバウジオシドD及びレバウジオシドMの溶解性を相乗的に増加させるステビオールグリコシドブレンドを含有するステビオールグリコシド組成物が本明細書に開示される。これらの新たな組成物は、さっぱりした風味を有し、減糖食品及び飲料において甘味料又は甘味増強剤として使用され得る。また、これらの組成物を作製及び使用するための方法も本明細書に開示される。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステビオールグリコシドの乾燥ブレンドであって、
(a)前記乾燥ブレンドの35~80重量%であるReb Aと、
(b)前記乾燥ブレンドの4~8重量%であるReb Dと、
(c)前記乾燥ブレンドの15~22重量%であるReb Mと、を含み、
前記乾燥ブレンドの前記ステビオールグリコシドが、21℃で少なくとも10,000ppmの合計水溶性を有する、ステビオールグリコシドの乾燥ブレンド。
【請求項2】
前記合計水溶性が、少なくとも5日間である、請求項1に記載の乾燥ブレンド。
【請求項3】
前記乾燥ブレンドの6~9重量%であるステビオシドを更に含む、請求項1又は2に記載の乾燥ブレンド。
【請求項4】
(a)前記Reb Aが前記乾燥ブレンドの55~65重量%であり、
(b)前記Reb Dが前記乾燥ブレンドの5~6重量%であり、
(c)前記Reb Mが前記乾燥ブレンドの16~18重量%である、請求項1~3のいずれか一項に記載の乾燥ブレンド。
【請求項5】
Reb A、Reb D、及びReb Mの合計重量パーセントが、少なくとも85%又は少なくとも95%である、請求項1~4のいずれか一項に記載の乾燥ブレンド。
【請求項6】
少なくとも1つの追加のステビオールグリコシドを更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の乾燥ブレンド。
【請求項7】
前記少なくとも1つの追加のステビオールグリコシドが、Reb B、Reb C、Reb D4、Reb E、Reb F、Reb G、Reb H、Reb I、Reb J、Reb K、Reb L、Reb M2、Reb N、Reb O、Reb S、Reb T、Reb U、Reb V、Reb W、Reb Z1、Reb Z2、ステビオールモノシド、ステビオールビオシド、ルブソシド、ズルコシドA、ズルコシドB、酵素的にグリコシル化されたステビオールグリコシド、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項6に記載の乾燥ブレンド。
【請求項8】
前記少なくとも1つの追加のステビオールグリコシドが、前記乾燥ブレンドの5重量%未満の量で存在する、請求項6又は7に記載の乾燥ブレンド。
【請求項9】
前記少なくとも1つのステビオールグリコシドが、Reb Bであり、前記Reb Bが、前記乾燥ブレンドの5重量%未満又は前記乾燥ブレンドの2重量%未満の量で存在する、請求項6~8のいずれか一項に記載の乾燥ブレンド。
【請求項10】
前記少なくとも1つのステビオールグリコシドが、Reb Cであり、前記Reb Cが、前記乾燥ブレンドの5重量%未満又は前記乾燥ブレンドの2重量%未満の量で存在する、請求項6~9のいずれか一項に記載の乾燥ブレンド。
【請求項11】
前記少なくとも1つのステビオールグリコシドが、Reb Fであり、前記Reb Fが、前記乾燥ブレンドの5重量%未満又は前記乾燥ブレンドの2重量%未満の量で存在する、請求項6~10のいずれか一項に記載の乾燥ブレンド。
【請求項12】
前記少なくとも1つのステビオールグリコシドが、Reb B、Reb C、及びReb Fのうちの少なくとも2つの組み合わせを含む、請求項6~11のいずれか一項に記載の乾燥ブレンド。
【請求項13】
前記少なくとも1つのステビオールグリコシドが、Reb B、Reb C、及びReb Fの3つ全ての組み合わせを含む、請求項12に記載の乾燥ブレンド。
【請求項14】
Reb M対Reb Dとの重量比が、2.5:1~4.5:1、好ましくは3:1~4:1である、請求項1~13のいずれか一項に記載の乾燥ブレンド。
【請求項15】
前記乾燥ブレンド内のReb Dの水溶性が、21℃で少なくとも600ppmである、請求項1~14のいずれか一項に記載の乾燥ブレンド。
【請求項16】
前記乾燥ブレンド内のReb Mの水溶性が、21℃で少なくとも2000ppmである、請求項1~15のいずれか一項に記載の乾燥ブレンド。
【請求項17】
非ステビオールグリコシド甘味料が本質的に存在しない、請求項1~16のいずれか一項に記載の乾燥ブレンド。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載の乾燥ブレンドを含む、飲料。
【請求項19】
前記乾燥ブレンドが、少なくとも4週間、好ましくは少なくとも1年間、前記飲料中で溶解性のままである、請求項18に記載の飲料。
【請求項20】
請求項1~17のいずれか一項に記載の乾燥ブレンドを含む、飲料濃縮物。
【請求項21】
前記飲料濃縮物が、スローシロップである、請求項20に記載の飲料濃縮物。
【請求項22】
食品製品又は飲料製品の調製のための、請求項1~21のいずれか一項に記載の乾燥ブレンドの使用。
【請求項23】
一組のステビオールグリコシドを乾燥ブレンドすることを含む高溶解性甘味料組成物を製造するための方法であって、前記一組のステビオールグリコシドが、Reb A、Reb D、及びReb Mを含んで乾燥ブレンドを形成し、前記ステビオールグリコシド又は前記乾燥ブレンドのいずれもが、共処理、凍結乾燥、又は共噴霧乾燥されておらず、前記Reb Dが、前記乾燥ブレンドの4~8重量%であり、前記Reb Mが、前記乾燥ブレンドの15~22重量%であり、前記Reb Aが、前記乾燥ブレンドの40~75重量%であり、前記乾燥ブレンドの前記ステビオールグリコシドが、21℃で少なくとも10,000ppmの合計水溶性を有する、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年3月6日に出願された米国特許仮出願第62/814734号に対する優先権を主張するものであり、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
レバウジオシドD及びレバウジオシドMの溶解性を相乗的に増加させるステビオールグリコシドブレンドを含有するステビオールグリコシド組成物が本明細書に開示される。これらの新たな組成物は、さっぱりした風味を有し、減糖食品及び飲料において甘味料又は甘味増強剤として使用され得る。
【0003】
ステビオールグリコシドは、食品及び飲料製品に甘味を付与することができる化合物のクラスである。これらの化合物は、南米の特定の地域、例えば、ブラジル及びパラアイを原産地とする多年生低木である、ステビア・レバウジアナ(Stevia rebaudiana)(ベルトーニ(Bertoni))の葉に見出され、それらは、構造的には、一般的な単一の塩基であるステビオールを特徴とする。ステビオールグリコシド分子のクラス内で、種は、それらの塩基の位置Cl3及びCl9における炭水化物残基の同一性及び数によって異なる。
【0004】
研究者ら及び食品科学者らは、ステビオールグリコシド化合物が、ノンカロリーであるか又は低カロリーである甘味食品及び飲料に対する消費者需要の増加という問題に対する潜在的な解決策を提供するため、これらの化合物に関心を寄せている。しかしながら、これらの天然起源の化合物を、単純にグルコース又は他の糖を含有する製品に置き換えることはできない。多量のステビオールグリコシドを使用する場合に直面する課題の中に、それらが付与する甘草の風味、苦味、渋味、甘い後味、及び苦い後味のうちの1つ以上を含む、望ましくない味覚特性がある。
【0005】
レバウジオシドD(rebaudioside D、「Reb D」)及びレバウジオシドM(rebaudioside M、「Reb M」)などの次世代ステビオールグリコシドは、レバウジオシドA(rebaudioside A、「Reb A」)などのより一般的に使用されているステビオールグリコシドレバウジオシドよりも良好な味覚特性を提供する。しかしながら、現在、Reb D及びReb Mの使用は、それらの望ましくない低溶解性のために制限されている。
【0006】
Reb D及びReb Mを使用することの課題は、それらを含有する甘味料を飲料に組み込むことを望む場合に特に顕著である。飲料製造プロセスは、多くの場合、完成した飲料を作製するために水で希釈された中間濃縮飲料シロップの生産を伴う。典型的には、これらのプロセスは、使用する甘味料が、濃縮飲料シロップ中に少なくとも24時間溶解したままであることを必要とする。例えば、多くの炭酸ソフトドリンク製造プロセスは、5+1スローシロップの生産を伴い、次いで、シロップを炭酸水の体積の5倍で希釈して、完成したコーラ飲料を作製する。更に、多くの飲料が4週間~1年の貯蔵寿命を有するため、長期溶解性を有する甘味料を使用することは、多くの場合、望ましい。
【0007】
それ自体で、及び一般的な用途において使用される場合、Reb Dは、21℃で350~400ppmの水溶性を有する。Reb Mは、それ自体で、及び一般的な用途において使用される場合、21℃で1300~1500ppmの水溶性を有する。対照的に、Reb Aは、それ自体で、及び一般的な用途において使用される場合、21℃で4000~8000ppmの水溶性を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
残念ながら、多くの飲料は、例えば、コーラにおいて典型的に見出される糖の全てでなくとも所望の量を置き換えるために、前述の溶解性が可能とするよりも高い量のReb Dを必要とする。同様に、濃縮コーラシロップは、低糖及び無糖添加飲料を製造するために、前述の溶解性が可能とするよりも高い量のReb Mを必要とする。
【0009】
溶解性を改善させるための既知の方法としては、噴霧乾燥、特定の温度に一定時間加熱すること、共結晶化、安定剤の添加、及び可溶化促進剤の添加が挙げられる。しかしながら、これらの方法は、所望の風味を付与し、かつ十分な時間にわたって可溶性を維持するのに十分な量でReb D及びReb Mを製品に組み込もうとする場合に、煩雑かつ非効果的であり得る。
【0010】
したがって、Reb D及びReb Mの各々が、これらのステビオールが目標最終製品の総甘味に知覚的に、効果的に、かつ十分に寄与することができる十分に高い溶解性を有する、甘味料組成物を開発する必要性がある。本明細書に記載のステビオールグリコシド組成物は、この必要性に対処する。
【0011】
ステビオールグリコシド組成物、並びにこれらの組成物を作製及び使用するための方法が本明細書に開示される。本明細書に記載のステビオールグリコシド組成物の様々な実施形態は、Reb D及びReb Mを含有し、望ましくない味覚特性を有さずに食品、飲料、及び他の製品を作製するために使用することができる高溶解性甘味料組成物を提供する。
【0012】
一実施形態は、ステビオールグリコシドの乾燥ブレンドであって、(a)乾燥ブレンドの35~80重量%であるReb Aと、(b)乾燥ブレンドの4~8重量%であるReb Dと、(c)乾燥ブレンドの15~22重量%であるReb Mと、を含み、乾燥ブレンドのステビオールグリコシドが、21℃で少なくとも10,000ppmの合計水溶性を有する、ステビオールグリコシドの乾燥ブレンドを対象とする。別の実施形態では、これらの乾燥ブレンドは、甘味料入りの食品製品、飲料製品、又は他の製品の調製に使用され得る。
【0013】
別の実施形態は、一組のステビオールグリコシドを乾燥ブレンドすることを含む、高溶解性甘味料組成物を製造するための方法であって、一組のステビオールグリコシドが、Reb A、Reb D、及びReb Mを含んで乾燥ブレンドを形成し、ステビオールグリコシド又は乾燥ブレンドのいずれもが、共処理、凍結乾燥、又は共噴霧乾燥されておらず、Reb Dが、乾燥ブレンドの4~8重量%であり、Reb Mが、乾燥ブレンドの15~22重量%であり、Reb Aが、乾燥ブレンドの40~75重量%であり、乾燥ブレンドのステビオールグリコシドが、21℃で少なくとも10,000ppmの合計水溶性を有する、方法を対象とする。
【0014】
本明細書に記載の様々な実施形態によって、望ましいレベルの甘味を付与し、かつ望ましい水溶性を有する、甘味料の乾燥ブレンドを製造及び使用し得る。これらの乾燥ブレンドは、食品製品、菓子、調味料、焼成製品、卓上甘味料組成物、飲料、及び飲料製品が挙げられるがこれらに限定されない多くの用途において、甘味料として使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の4つの乾燥ブレンドの各々及びそれらの成分の水溶性を示す棒グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ここで、本発明の様々な実施形態に対する詳細な言及がなされ、その例は添付の図面に示される。以下の説明では、本発明の完全な理解を提供するために、数多くの具体的な詳細が記載される。しかしながら、別段の指示がない限り、又は文脈から暗示されない限り、詳細は例であることが意図されており、いかなる方法でも本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではない。更に、様々な又は特定の実施形態に関連して記載される特徴は、そのような排他性が明示的に記載されない限り、又は文脈から暗示されない限り、本明細書に開示される他の実施形態に関連して使用するのに適切ではないと解釈されるべきではない。
ステビオールグリコシドの乾燥ブレンド
【0017】
一実施形態は、ステビオールグリコシドの1つ以上の乾燥ブレンドを対象とする。本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンドでは、Reb D及びReb Mの一方又は両方が、高められた溶解性を有する。本明細書で使用される場合、語句「乾燥ブレンド」は、物質の物理的混合物を指し、乾燥ブレンドは、いくつかの実施形態では、水又は溶媒の非存在下若しくは本質的に非存在下で作製され得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンドは、複数のステビオールグリコシドを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンドは、少なくとも3つのステビオールグリコシド、少なくとも4つのステビオールグリコシド、少なくとも5つのステビオールグリコシド、又は少なくとも6つのステビオールグリコシドを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンドは、ステビオールグリコシドからなるか、又はそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンドは、3~15又は3~12又は4~12又は6~12又は6~10個のステビオールグリコシドを有する。
【0019】
他の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンドは、Reb D及びReb M;Reb D、Reb M、及びReb A;Reb D、Reb M、及びステビオシド;又はReb D、Reb M、Reb A、及びステビオシドを含む。更に他の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンドは、任意選択的に、少なくとも1つの追加のステビオールグリコシドを更に含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンドは、Reb D及びReb Mの高い溶解性を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンド中に含有されるReb Dの溶解性は、本発明によって提供されるように溶解性に相乗効果が存在しなかった場合の理論溶解性よりも、少なくとも30%、少なくとも40%、又は少なくとも50%超、増加する。他の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンド中に含有されるReb Mの溶解性は、本発明によって提供されるように溶解性に相乗効果が存在しなかった場合の理論溶解性よりも、少なくとも20%、少なくとも25%、又は少なくとも30%超、増加する。更に、本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンドにおいて、このような乾燥ブレンド中に含有されるステビオールグリコシド成分の全体的な溶解性は、本発明によって提供されるように溶解性に相乗効果が存在しなかった場合の理論溶解性よりも、少なくとも20%、又は少なくとも25%超、増加する。これらの実施形態では、溶解性は、百万分率(parts per million、ppm)で測定され得、当業者であれば、水1リットル(L)当たりのミリグラム(mg)の単位でも列挙し得る。本明細書で使用される場合、ppm標準は、21℃で測定される。
【0021】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンド中に含有されるステビオールグリコシドは、少なくとも10,000ppmの合計水溶性を有する。合計水溶性は、水1リットル当たり少なくとも10,000ミリグラムのステビオールグリコシドが存在するような、全てのステビオールグリコシドの水溶性を指す。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンド中に含有されるステビオールグリコシドは、10,000~15,000ppm、又は10,000~12,000ppmの合計水溶性を有する。
【0022】
更に、本明細書に記載の様々な実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンドは、長期溶解性を有する。本明細書で使用される場合、「長期溶解性」は、所望の温度、例えば、室温又は約21℃で、少なくとも5日間にわたって持続する水溶性を指す。本明細書で使用される場合、「水溶性」は、溶媒、例えば、水と混合された場合、溶液が透明であり(したがって濁っていない)、粒子が見られないことを意味する。当業者であれば認識するように、溶解性は、HPLCを使用する技術が挙げられるがこれらに限定されない、任意の1つ以上の標準化された技術によって測定することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンドは、21℃で、少なくとも5日間、少なくとも10日間、少なくとも2週間、少なくとも4週間、少なくとも6ヶ月間、又は少なくとも1年間測定される、少なくとも10,000ppm、例えば、10,000~15,000ppm、又は10,000~12,000ppmの水溶性を有する。更に、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンドは、21℃で、少なくとも5日間~少なくとも2年間、又は少なくとも5日間~少なくとも1年間、又は少なくとも4週間~少なくとも1年間、又は少なくとも6ヶ月間~少なくとも1年間測定される、少なくとも10,000ppm、例えば、10,000~15,000ppm、又は10,000~12,000ppmの水溶性を有する。なお更に、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンドは、21℃で、5日間~2年間、又は5日間~1年間、又は4週間~1年間、又は6ヶ月間~1年間測定される、少なくとも10,000ppm、例えば、10,000~15,000ppm、又は10,000~12,000ppmの水溶性を有する。
【0024】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンドは、35~80重量%のReb A、又は40~75重量%のReb A、又は50~70重量%のReb A、又は55~65重量%のReb Aを含有する。
【0025】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンドは、4~8重量%のReb D、又は5~7重量%のReb D、又は5~6重量%のReb Dを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンドのReb D成分の水溶性は、21℃で測定した場合、少なくとも600ppm、又は少なくとも700ppm、又は少なくとも800ppmである。この溶解性は、乾燥ブレンドが水中に溶解したときの乾燥ブレンドの成分として測定される。
【0026】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンドは、15~22重量%のReb M、又は16~20重量%のReb M、又は16~18重量%のReb Mを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンドのReb M成分の水溶性は、21℃で測定した場合、少なくとも2000ppm、又は少なくとも2100ppm、又は少なくとも2200ppmである。この溶解性は、乾燥ブレンドが水中に溶解したときの乾燥ブレンドの成分として測定される。
【0027】
本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンドのいくつかの実施形態では、Reb M対Reb Dの重量比は、2.5:1~4.5:1、又は3:1~4:1、又は3:1~3.5:1である。
【0028】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンドは、6~9重量%のステビオシド、又は7~8重量%のステビオシドを含有する。ステビオシドは、Reb Aに加えて、又はそれの代わりに存在し得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンド中に含有されるReb A、Reb D、及びReb Mの合計重量パーセントは、乾燥ブレンドの少なくとも50重量%、乾燥ブレンドの少なくとも55重量%、乾燥ブレンドの少なくとも60重量%、乾燥ブレンドの少なくとも65重量%、乾燥ブレンドの少なくとも70重量%、乾燥ブレンドの少なくとも75重量%、乾燥ブレンドの少なくとも80重量%、乾燥ブレンドの少なくとも85重量%、乾燥ブレンドの少なくとも90重量%、乾燥ブレンドの少なくとも95重量%、乾燥ブレンドの少なくとも98重量%、又は乾燥ブレンドの少なくとも99重量%である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンド中に含有されるReb A、Reb D、Reb M、及びステビオシドの合計重量パーセントは、乾燥ブレンドの少なくとも50重量%、乾燥ブレンドの少なくとも55重量%、乾燥ブレンドの少なくとも60重量%、乾燥ブレンドの少なくとも65重量%、乾燥ブレンドの少なくとも70重量%、乾燥ブレンドの少なくとも75重量%、乾燥ブレンドの少なくとも80重量%、乾燥ブレンドの少なくとも85重量%、乾燥ブレンドの少なくとも90重量%、乾燥ブレンドの少なくとも95重量%、乾燥ブレンドの少なくとも98重量%、又は乾燥ブレンドの少なくとも99重量%である。
【0030】
一実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンドは、40~75重量%のReb A、4~8重量%のReb D、及び15~22重量%のReb Mを含む。別の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンドは、55~65重量%のReb A、5~6重量%のReb D、及び16~18重量%のReb Mを含む。これらの実施形態のいずれかでは、乾燥ブレンドはまた、ステビオシドを更に含み得る。
【0031】
他の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の乾燥ブレンドはまた、1つ以上の追加のステビオールグリコシドを更に含有し得る。他の実施形態では、1つ以上の追加のステビオールグリコシドは、レバウジオシドB(rebaudioside B、「Reb B」)、レバウジオシドC(rebaudioside C、「Reb C」)、レバウジオシドD4(rebaudioside D4、「Reb D4」)、レバウジオシドE(rebaudioside E、「Reb E」)、レバウジオシドF(rebaudioside F、「Reb F」)、レバウジオシドG(rebaudioside G、「Reb G」)、レバウジオシドH(rebaudioside H、「Reb H」)、レバウジオシドI(rebaudioside I、「Reb I」)、レバウジオシドJ(rebaudioside J、「Reb J」)、レバウジオシドK(rebaudioside K、「Reb K」)、レバウジオシドL(rebaudioside L、「Reb L」)、レバウジオシドM2(rebaudioside M2、「Reb M2」)、レバウジオシドN(rebaudioside N、「Reb N」)、レバウジオシドO(rebaudioside O、「Reb O」)、レバウジオシドS(rebaudioside S、「Reb S」)、レバウジオシドT(rebaudioside T、「Reb T」)、レバウジオシドU(rebaudioside U、「Reb U」)、レバウジオシドV(rebaudioside V、「Reb V」)、レバウジオシドW(rebaudioside W、「Reb W」)、レバウジオシドZ1(rebaudioside Z1、「Reb Z1」)、レバウジオシドZ2(rebaudioside Z2、「Reb Z2」)、ステビオールモノシド、ステビオールビオシド、ルブソシド、ズルコシドA、ズルコシドB、酵素的にグリコシル化されたステビオールグリコシド、及びこれらの組み合わせから選択される。別の実施形態では、追加のステビオールグリコシドは、ステビオシド、Reb B、Reb C、Reb F、ズルコシドA、ルブソシド、ステビオールビオシド、及びこれらの組み合わせから選択される。
【0032】
いくつかの実施形態では、各追加のステビオールグリコシド又は組み合わされた全てのステビオールは、限定された量、例えば、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、又は0.1重量%未満で存在する。非限定的な例として、本発明の乾燥ブレンドは、乾燥ブレンドの重量の5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、又は0.1重量%未満の量でReb Bを含有し得る。更に、又は代替的に、本発明の乾燥ブレンドは、乾燥ブレンドの重量の5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、又は0.1重量%未満の量でReb Cを含有し得る。
【0033】
更に、いくつかの実施形態では、乾燥ブレンドには、上に列挙された追加のステビオールのうちの1つ以上が存在しないか、又は本質的に存在しない(例えば、0~0.05重量%又は0~0.01重量%で存在する)。非限定的な例として、いくつかの実施形態では、本発明には、Reb B、Reb C、Reb E、Reb F、Reb G、Reb H、Reb I、Reb J、Reb K、Reb L、Reb M2、Reb N、Reb S、Reb T、Reb U、Reb V、Reb W、Reb Z1、及びReb Z2のうちの1つ以上又は全てが本質的に存在しない。一実施形態では、乾燥ブレンドには、Reb E、Reb N、及びReb Oが本質的に存在しない。
【0034】
更に、いくつかの実施形態では、乾燥ブレンドには、非ステビオールグリコシド甘味料が本質的に存在しない。「非ステビオールグリコシド甘味料」は、甘味を付与することができるが、ステビオールグリコシドの化合物のクラス内ではない化合物及び組成物である。
乾燥ブレンドの作製方法
【0035】
当業者であれば認識するように、乾燥ブレンドすることは、複数の物質を機械的に混合して、乾燥ブレンドと称される製品を形成することを指す。乾燥ブレンドを作製するための方法は、当業者に周知であり、従来のパドルブレンダ、リボンブレンダ、又はツイン-シェルVブレンダを、成分を混合するのに十分な時間、例えば、10分~2時間、又は15分~1時間、例えば、50~200rpm又は50~100rpmで使用することが挙げられるが、これらに限定されない。任意選択的に、成分を事前混合し、及び/又はそれらを層毎にミキサに充填することができる。本発明の様々な方法は、本発明の成分を乾燥ブレンドすることを含むか、それから本質的になるか、それからなるか、又はそれを特徴とする。
【0036】
いくつかの実施形態では、ステビオールグリコシドを組み合わせる若しくは乾燥ブレンドを形成するために、又はステビオールグリコシドを組み合わせる若しくは乾燥ブレンドを形成する場合に、追加の工程は使用されない。したがって、例えば、成分を個別に又は混合物の一部として、共処理、凍結乾燥、又は共噴霧を行わなくてもよい。更に、いくつかの実施形態では、乾燥ブレンドは、熱を添加することなく、及び/又は水若しくは溶媒を含むことなく形成される。
乾燥ブレンドの使用
【0037】
本発明の乾燥ブレンドは、食品製品及び飲料製品に組み込まれることが挙げられるが、これらに限定されない、多様な用途において使用され得る。本発明の乾燥ブレンドの利点の中に、これらが、食品、飲料、及び他の製品を任意の追加の処理工程なしに作製するための既知のプロセスに容易に組み込まれ得ることがある。いくつかの実施形態では、飲料、食品、又は他の製品に組み込まれる場合、乾燥ブレンドの成分は、少なくとも4週間、又は少なくとも6ヶ月間、又は少なくとも1年間、又は少なくとも4週間~1年間若しくは少なくとも4週間~6ヶ月間、又は4週間~1年間若しくは4週間~6か月間、可溶性を維持する。
【0038】
食品製品の例としては、菓子、調味料、チューインガム、冷凍食品、缶詰食品、大豆系製品、サラダドレッシング、マヨネーズ、酢、アイスクリーム、穀物組成物、焼成製品、ヨーグルトなどの乳製品、及び卓上甘味料組成物が挙げられるが、これらに限定されない。飲料の例としては、炭酸入りのレディ・トゥ・ドリンク製品(例えば、コーラ又は他のソフトドリンク、スパークリング飲料、及びビール)又は非炭酸のレディ・トゥ・ドリンク製品(例えば、フルーツジュース、ネクター、野菜ジュース、スポーツドリンク、エナジードリンク、強化水、ココナッツウォーター、茶、コーヒー、ココア飲料、ミルク含有飲料、穀物抽出物含有飲料、スムージー、及びアルコール飲料)、並びに、水、ミルク、又はクラブソーダなどの液体ベースと組み合わされる粉末飲料製品、及びスローシロップ、例えば、5+1及び9+1のスローシロップなどの飲料濃縮物が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の乾燥ブレンドはまた、歯科用組成物及び医薬組成物においても使用され得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、本発明の乾燥ブレンドは、食品、飲料、又は他の製品の他の成分と組み合わされる前、又は組み合わされるときに、室温で溶媒と混合され得る。他の実施形態では、勾配熱処理が用いられ得る。
【0040】
食品、飲料、又は他の製品に組み込まれる場合、本発明の乾燥ブレンドは、唯一の甘味成分であり得るか、又は他の甘味料も製品に組み込まれ得る。例えば、乾燥ブレンドは、少なくとも1つの追加の甘味料、例えば、炭水化物甘味料と組み合わされ得る。炭水化物甘味料の例としては、スクロース、フルクトース、グルコース、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、D-プシコース、D-タガトース、ロイクロース、トレハロース、ガラクトース、ラムノース、シクロデキストリン(例えば、α-シクロデキストリン、P-シクロデキストリン、及びy-シクロデキストリン)、リブロース、トレオース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、マンノース、イドース、ラクトース、マルトース、転化糖、イソトレハロース、ネオトレハロース、パラチノース又はイソマルツロース、エリトロース、デオキシリボース、グロース、イドース、タロース、エリトルロース、キシルロース、プシコース、ツラノース、セロビオース、グルコサミン、マンノサミン、フコース、フクロース、グルクロン酸、グルコン酸、グルコノ-ラクトン、アベクオース、ガラクトサミン、キシロ-オリゴ糖(キシロトリオース、キシロビオースなど)、ゲンチオ-オリゴ糖(ゲンチオビオース、ゲンチトリオース、ゲンチオテトラオースなど)、ガラクト-オリゴ糖、ソルボース、ケトリオース(デヒドロキシアセトン)、アルドトリオース(グリセルアルデヒド)、ニゲロ-オリゴ糖、フルクトオリゴ糖(ケストース、ニスストースなど)、マルトテトラオース、マルトトリオール、四糖類、マンナン-オリゴ糖、マルトオリゴ糖(マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオースなど)、デキストリン、ラクツロース、メリビオース、ラムノース、リボース、高フルクトースコーン/スターチシロップ(high fructose corn syrup、HFCS/high fructose starch syrup、HFSS)(例えば、HFCS55、HFCS42、又はHFCS90)などの異性化糖シロップ、カップリング糖、大豆オリゴ糖、グルコースシロップ、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
他の追加の甘味料としては、モグロサイドIV、モグロサイドV、モグロサイドVI、イソ-モグロサイドV、グロスモモシド、ネオモグロシド、シアメノシド、モナチン及びその塩(モナチンSS、RR、RS、SR)、クルクリン、グリチルリチン酸及びその塩、ソーマチン、モネリン、マビリン、ブラゼイン、ヘルナンズルチン、フィロズルチン、グリシフィリン、フロリジン、トリロバチン、バイユノシド、オスラジン、ポリポドシドA、プテロカリオシドA、プテロカリオシドB、ムクロジオシド、フロミソシドI、ペリアンドリンI、アブルソシドA、及びシクロカリオシドIが挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
本発明の乾燥ブレンドはまた、追加の甘味料であってもなくてもよい1つ以上の添加剤と組み合わされ得る。添加剤の例としては、炭水化物、ポリオール、アミノ酸及びそれらの対応する塩、糖酸及びそれらの対応する塩、ヌクレオチド、有機酸、無機酸、有機塩(有機酸塩及び有機塩基塩を含む)、無機塩、苦味化合物、風味剤及び風味成分、渋味化合物、タンパク質又はタンパク質加水分解物、乳化剤、秤量剤、ガム、着色剤、フラボノイド、アルコール、ポリマー、精油、抗真菌剤、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
本発明の乾燥ブレンドはまた、添加剤又は追加の甘味料としても適格であり得る1つ以上の増量剤と組み合わされ得る。増量剤は、例えば、焼成、調理、及び卓上用途などの用途における糖を、本発明の乾燥ブレンド甘味料が直接置き換えることを容易にするために使用され得る。増量剤の例としては、スクロース、デキストロース、転化糖マルトース、デキストリン、マルトデキストリン、フルクトース、レブロース、及びガラクトースなどのバルク甘味料;フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マンニトール、キシリトール、ラクチトール、エリスリトール、及びマリトールなどの低血糖炭水化物;ポリデキストロース、難消化性マルトデキストリン、難消化性デンプン、可溶性トウモロコシ繊維、及びセルロースなどの繊維;並びにペクチン、グアーガム、カルボキシメチルセルロース、ローカストビーンガム、カシアガム、及びアルギン酸塩などの親水コロイドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
本発明の乾燥ブレンドはまた、1つ以上の機能性成分と組み合わされ得る。機能性成分の例としては、酸化防止剤、食物繊維源、脂肪酸、ビタミン、グルコサミン、ミネラル、薬剤、及び防腐剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
本開示によって企図される主題は、以下の番号付けされた実施形態に記載される。
実施形態1.ステビオールグリコシドの乾燥ブレンドであって、
(a)乾燥ブレンドの35~80重量%であるReb Aと、
(b)乾燥ブレンドの4~8重量%であるReb Dと、
(c)乾燥ブレンドの15~22重量%であるReb Mと、を含み、
乾燥ブレンドのステビオールグリコシドが、21℃で少なくとも10,000ppmの合計水溶性を有する、ステビオールの乾燥ブレンド。
実施形態2.合計水溶性が、少なくとも5日間である、実施形態1に記載の乾燥ブレンド。
実施形態3.乾燥ブレンドの6~9重量%であるステビオシドを更に含む、実施形態1又は実施形態2に記載の乾燥ブレンド。
実施形態4.
(a)Reb Aが乾燥ブレンドの55~65重量%であり、
(b)Reb Dが乾燥ブレンドの5~6重量%であり、
(c)Reb Mが乾燥ブレンドの16~18重量%である、実施形態1~3のいずれか1つに記載の乾燥ブレンド。
実施形態5.Reb A、Reb D、及びReb Mの合計重量パーセントが、少なくとも85%又は少なくとも95%である、実施形態1~4のいずれか1つに記載の乾燥ブレンド。
実施形態6.少なくとも1つの追加のステビオールグリコシドを更に含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の乾燥ブレンド。
実施形態7.少なくとも1つの追加のステビオールグリコシドが、Reb B、Reb C、Reb D4、Reb E、Reb F、Reb G、Reb H、Reb I、Reb J、Reb K、Reb L、Reb M2,Reb N、Reb O、Reb S、Reb T、Reb U、Reb V、Reb W、Reb Z1、Reb Z2、ステビオールモノシド、ステビオールビオシド、ルブソシド、ズルコシドA、ズルコシドB、酵素的にグリコシル化されたステビオールグリコシド、及びこれらの組み合わせから選択される、実施形態6に記載の乾燥ブレンド。
実施形態8.少なくとも1つの追加のステビオールグリコシドが、乾燥ブレンドの5重量%未満の量で存在する、実施形態6又は実施形態7に記載の乾燥ブレンド。
実施形態9.少なくとも1つのステビオールグリコシドが、Reb Bであり、Reb Bが、乾燥ブレンドの5重量%未満又は乾燥ブレンドの2重量%未満の量で存在する、実施形態6~8のいずれか1つに記載の乾燥ブレンド。
実施形態10.少なくとも1つのステビオールグリコシドが、Reb Cであり、Reb Cが、乾燥ブレンドの5重量%未満又は乾燥ブレンドの2重量%未満の量で存在する、実施形態6~9のいずれか1つに記載の乾燥ブレンド。
実施形態11.少なくとも1つのステビオールグリコシドが、Reb Fであり、Reb Fが、乾燥ブレンドの5重量%未満又は乾燥ブレンドの2重量%未満の量で存在する、実施形態6~10のいずれか1つに記載の乾燥ブレンド。
実施形態12.少なくとも1つのステビオールグリコシドが、Reb B、Reb C、及びReb Fのうちの少なくとも2つの組み合わせを含む、実施形態6~11のいずれか1つに記載の乾燥ブレンド。
実施形態13.少なくとも1つのステビオールグリコシドが、Reb B、Reb C、及びReb Fの3つ全ての組み合わせを含む、実施形態12に記載の乾燥ブレンド。
実施形態14.Reb M対Reb Dとの重量比が、2.5:1~4.5:1、好ましくは3:1~4:1である、実施形態1~13のいずれか1つに記載の乾燥ブレンド。
実施形態15.乾燥ブレンド内のReb Dの水溶性が、21℃で少なくとも600ppmである、実施形態1~14のいずれか1つに記載の乾燥ブレンド。
実施形態16.乾燥ブレンド内のReb Mの水溶性が、21℃で少なくとも2000ppmである、実施形態1~15のいずれか1つに記載の乾燥ブレンド。
実施形態17.非ステビオールグリコシド甘味料が本質的に存在しない、実施形態1~16のいずれか1つに記載の乾燥ブレンド。
実施形態18.実施形態1~17のいずれか1つに記載の乾燥ブレンドを含む、飲料。
実施形態19.乾燥ブレンドが、少なくとも4週間、好ましくは少なくとも1年間、飲料中で溶解性のままである、実施形態18に記載の飲料。
実施形態20.実施形態1~17のいずれか1つに記載の乾燥ブレンドを含む、飲料濃縮物。
実施形態21.当該飲料濃縮物が、スローシロップである、実施形態20に記載の飲料濃縮物。
実施形態22.食品製品又は飲料製品の調製のための、実施形態1~21のいずれか1つに記載の乾燥ブレンドの使用。
実施形態23.一組のステビオールグリコシドを乾燥ブレンドすることを含む高溶解性甘味料組成物を製造するための方法であって、一組のステビオールグリコシドが、Reb A、Reb D、及びReb Mを含んで乾燥ブレンドを形成し、ステビオールグリコシド又は乾燥ブレンドのいずれもが、共処理、凍結乾燥、又は共噴霧乾燥されておらず、Reb Dが、乾燥ブレンドの4~8重量%であり、Reb Mが、乾燥ブレンドの15~22重量%であり、Reb Aが、乾燥ブレンドの40~75重量%であり、乾燥ブレンドのステビオールグリコシドが、21℃で少なくとも10,000ppmの合計水溶性を有する、方法。
【実施例
【0046】
実施例1
溶解性試験方法
二重カラムシステムを使用して、比較用ステビオールグリコシド製剤の実際の濃度に対する予測濃度を決定した。乾燥ブレンド分析を、(本実施例及び全ての後続の実施例において、)高速液体クロマトグラフィー、210nmでの可変波長検出器、及びタンデムの2カラム(その両方が、250mm×4.6mm Phenomenex Synergi 4μm Hydro-RP 80Åであった)を使用して実行した。
【0047】
測定を、2週間の期間にわたって毎週行った。表Iは、ステビオールグリコシドの測定された総溶解性及び理論溶解性の両方を示す。
【表1】
【0048】
比較製品Aは、56%のReb A及び40%のReb Mを含有する。
【0049】
比較製品Bは、37%のReb A及び60%のReb Dを含有する。
【0050】
比較製品Cは、28%のReb A、45%のReb D、及び24%のReb Mを含有する。
【0051】
この表は、用いられた溶解性の試験方法が、予測される理論溶解性と一致し、これらの組成物において高純度成分が溶解性に関して添加剤であることを示す。
実施例2
乾燥ブレンド1の溶解性
【0052】
Reb A、Reb D、及びReb Mを含む乾燥ブレンドを作製した。溶解性の測定を行い、乾燥ブレンド(dry blend、DB 1)成分の割合及びそれらの溶解性を表IIに報告する。
【表2】
【0053】
Reb A、Reb D、及びReb Mの正規化された割合は、それぞれ73.8%、6.4%、及び19.8%であった。DB 1の溶解性は、表Iで同定された製品の溶解性よりも有意に高い。
実施例3
乾燥ブレンド2~4の溶解性
【0054】
本発明による3つの乾燥ブレンドの実験的溶解性測定を行い、理論溶解性と比較して表IIIに示す。
【表3】
表IVは、DB 2の組成を示す。
【表4】
表Vは、DB 3の組成を示す。
【表5】
表VIは、DB 4の組成を示す。
【表6】
実施例4
乾燥ブレンド5~10の溶解性
【0055】
表VIIは、乾燥ブレンド5~10のReb A、Reb D、Reb Mの重量%、及び観察された全てのステビオールグルコシドのシステム溶解性を含む。
【表7】
【0056】
表VIIのデータは、本発明の乾燥ブレンドの増加した溶解性の一貫性を示す。
実施例5
他のステビオールグリコシドの効果の非存在
【0057】
本発明の4つの乾燥ブレンドを、水溶性について試験した。これらの乾燥ブレンドでは、Reb A、Reb D、及びReb M以外の成分の各々の量は異なった。表VIIIは、他の成分の増加が溶解性に影響しなかったことを示す。
【表8】
表IXは、DB 11の組成を示す。
【表9】
表Xは、DB 12の組成を示す。
【表10】
表XIは、DB 13の組成を示す。
【表11】
表XIIは、DB 14の組成を示す。
【表12】
【0058】
図1は、表VIII~XIIに含まれるデータの成分の比較を示す。合計溶解性は全て10,000ppm超である。更に、ステビオシド、Reb A、及び他のステビオールグリコシドの量の変動は、10,000ppm未満の溶解性を低下させなかった。

図1
【手続補正書】
【提出日】2021-11-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステビオールグリコシドの乾燥ブレンドであって、
(a)前記乾燥ブレンドの35~80重量%であるReb Aと、
(b)前記乾燥ブレンドの4~8重量%であるReb Dと、
(c)前記乾燥ブレンドの15~22重量%であるReb Mと、
(d)任意選択的に、前記乾燥ブレンドの6~9重量%であるステビオシドと、
(e)任意選択的に、少なくとも1つの追加のステビオールグリコシドと、を含み、
前記乾燥ブレンドの前記ステビオールグリコシドが、任意選択的に、少なくとも5日間21℃で少なくとも10,000ppmの合計水溶性を有する、ステビオールグリコシドの乾燥ブレンド。
【請求項2】
(a)前記Reb Aが前記乾燥ブレンドの55~65重量%であり、
(b)前記Reb Dが前記乾燥ブレンドの5~6重量%であり、
(c)前記Reb Mが前記乾燥ブレンドの16~18重量%である、請求項1に記載の乾燥ブレンド。
【請求項3】
Reb A、Reb D、及びReb Mの合計重量パーセントが、少なくとも85%又は少なくとも95%である、請求項1又は2に記載の乾燥ブレンド。
【請求項4】
前記少なくとも1つの追加のステビオールグリコシドが、Reb B、Reb C、Reb D4、Reb E、Reb F、Reb G、Reb H、Reb I、Reb J、Reb K、Reb L、Reb M2、Reb N、Reb O、Reb S、Reb T、Reb U、Reb V、Reb W、Reb Z1、Reb Z2、ステビオールモノシド、ステビオールビオシド、ルブソシド、ズルコシドA、ズルコシドB、酵素的にグリコシル化されたステビオールグリコシド、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の乾燥ブレンド。
【請求項5】
前記少なくとも1つの追加のステビオールグリコシドが、前記乾燥ブレンドの5重量%未満の量で存在する、請求項4に記載の乾燥ブレンド。
【請求項6】
前記少なくとも1つの追加のステビオールグリコシドが、Reb Bであり、前記Reb Bが、前記乾燥ブレンドの5重量%未満若しくは前記乾燥ブレンドの2重量%未満の量で存在する、又はReb Cであり、前記Reb Cが、前記乾燥ブレンドの5重量%未満若しくは前記乾燥ブレンドの2重量%未満の量で存在する、又はReb Fであり、前記Reb Fが、前記乾燥ブレンドの5重量%未満若しくは前記乾燥ブレンドの2重量%未満の量で存在する、又はこれらの組み合わせである、請求項4又は5に記載の乾燥ブレンド。
【請求項7】
前記少なくとも1つの追加のステビオールグリコシドが、Reb B、Reb C、及びReb Fのうちの少なくとも2つの組み合わせ、又はReb B、Reb C、及びReb Fの3つ全ての組み合わせを含む、請求項4~6のいずれか一項に記載の乾燥ブレンド。
【請求項8】
Reb M対Reb Dとの重量比が、2.5:1~4.5:1、好ましくは3:1~4:1である、請求項1~7のいずれか一項に記載の乾燥ブレンド。
【請求項9】
前記乾燥ブレンド内のReb Dの水溶性が、21℃で少なくとも600ppmである、請求項1~8のいずれか一項に記載の乾燥ブレンド。
【請求項10】
前記乾燥ブレンド内のReb Mの水溶性が、21℃で少なくとも2000ppmである、請求項1~9のいずれか一項に記載の乾燥ブレンド。
【請求項11】
非ステビオールグリコシド甘味料が本質的に存在しない、請求項1~10のいずれか一項に記載の乾燥ブレンド。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の乾燥ブレンドを含む飲料であって、任意選択的に、前記乾燥ブレンドが、少なくとも4週間、好ましくは少なくとも1年間、前記飲料中で溶解性のままである、飲料。
【請求項13】
請求項1~11のいずれか一項に記載の乾燥ブレンドを含む飲料濃縮物であって、任意選択的に、スローシロップである、飲料濃縮物。
【請求項14】
食品製品又は飲料製品の調製のための、請求項1~11のいずれか一項に記載の乾燥ブレンドの使用。
【請求項15】
一組のステビオールグリコシドを乾燥ブレンドすることを含む高溶解性甘味料組成物を製造するための方法であって、前記一組のステビオールグリコシドが、Reb A、Reb D、及びReb Mを含んで乾燥ブレンドを形成し、前記ステビオールグリコシド又は前記乾燥ブレンドのいずれもが、共処理、凍結乾燥、又は共噴霧乾燥されておらず、前記Reb Dが、前記乾燥ブレンドの4~8重量%であり、前記Reb Mが、前記乾燥ブレンドの15~22重量%であり、前記Reb Aが、前記乾燥ブレンドの40~75重量%であり、前記乾燥ブレンドの前記ステビオールグリコシドが、21℃で少なくとも10,000ppmの合計水溶性を有する、方法。

【国際調査報告】