特表 2022-522512 男性用機能性パンツ

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2022-04-19

(54)【発明の名称】男性用機能性パンツ

(51)【国際特許分類】

   A41B 9/02 20060101AFI20220412BHJP

【ＦＩ】

A41B9/02 M

A41B9/02 H

【審査請求】有

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2021551965

(86)(22)【出願日】2020-09-28

(85)【翻訳文提出日】2021-09-01

(86)【国際出願番号】 KR2020013262

(87)【国際公開番号】W WO2021091085

(87)【国際公開日】2021-05-14

(31)【優先権主張番号】10-2019-0139183

(32)【優先日】2019-11-04

(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】518059956

【氏名又は名称】ラシュバン・コーリア・カンパニー・リミテッド

(74)【代理人】

【識別番号】100130111

【弁理士】

【氏名又は名称】新保 斉

(72)【発明者】

【氏名】ペク、ギョン ス

【テーマコード（参考）】

3B128

【Ｆターム（参考）】

3B128EA02

3B128EB12

3B128EB13

3B128EB15

3B128EB17

3B128EB18

3B128EC12

3B128EC15

(57)【要約】

陰茎部と陰嚢部とを分離させることで快適な着用環境を提供するとともに着心地を改善した男性用機能性パンツに関し、左右一対の陰茎部材と、左右一対の陰嚢部材と、前面部内側線に沿って陰茎部外側線と陰嚢部外側線とが並んで縫製されることで前記陰茎部材及び陰嚢部材と結合され、外側に延びる水平の前面部上端線を有する左右一対の前面部材と、前記左右一対の陰茎部材の各陰茎部上端線を水平に回転させて前記前面部上端線と一直線を成すようにした状態で、前記陰茎部上端線および前記前面部上端線に沿って縫製されるバンド部材と、を含むことを特徴とする。これにより、改善された模様のパターンを具現することで、縫製が容易であり、かつ製品の不良率を大きく低減させることができる。
【選択図】図３

【特許請求の範囲】

【請求項1】

男性用機能性パンツであって、
陰茎部外側線と、前記陰茎部外側線と対向して内側に膨らんでいる円弧状の陰茎部内側線と、外側下方に傾くように形成される陰茎部上端線と、内外間左右に横切る方向の陰茎部下端線とを有する左右一対の陰茎部材と；
前記陰茎部外側線の下端から繋がれる陰嚢部外側線と、前記陰嚢部外側線と対向して内側に膨らんでいる円弧状の陰嚢部内側線と、前記陰茎部下端線と縫製される陰嚢部上端線とを有する左右一対の陰嚢部材と；
前記陰茎部外側線及び前記陰嚢部外側線に一致するように形成される前面部内側線に沿って前記陰茎部外側線と前記陰嚢部外側線とが並んで縫製されることで前記陰茎部材及び陰嚢部材と結合され、前記前面部内側線の上端から外側に延びる水平の前面部上端線を有する左右一対の前面部材と；
前記左右一対の陰茎部材の各陰茎部上端線を水平に回転させて前記左右一対の前面部材の各前面部上端線と一直線を成すようにした状態で、前記陰茎部上端線および前記前面部上端線に沿って縫製されるバンド部材とを含む
ことを特徴とする男性用機能性パンツ。

【請求項2】

前記陰茎部外側線は、凹な円弧状になっており、
前記陰嚢部外側線は、前記陰茎部外側線の下端から連続的に繋がれる凹な円弧状になっており、
前記前面部内側線は、前記陰茎部外側線及び前記陰嚢部外側線に一致するように凹な円弧状になっている
請求項１に記載の男性用機能性パンツ。

【請求項3】

前記陰茎部下端線の幅は、前記陰嚢部上端線の幅よりも狭く、
前記陰茎部下端線の幅を前記陰嚢部上端線の幅分だけ増やして一致させた状態で相互間縫製される
請求項１に記載の男性用機能性パンツ。

【請求項4】

前記陰茎部材は、
前記陰茎部外側線と陰茎部内側線との間の幅は、前記陰茎部外側線と前記陰茎部内側線との各中心線の間の幅が最も広く、上端及び下端に行くほど次第に細くなるように形成され、
前記陰嚢部材は、
前記陰嚢部外側線と前記陰嚢部内側線との間の幅は、前記陰嚢部外側線と前記陰嚢部内側線との各中心線の間の幅が最も広く、上端及び下端に行くほど次第に細くなるように形成される
請求項１に記載の男性用機能性パンツ。

【請求項5】

前記陰茎部材内側線は、
上端点と下端点に行くほど直線を成し、中心線で最も小さい曲率半径の曲線からなる
請求項４に記載の男性用機能性パンツ。

【請求項6】

前記陰嚢部材は、上下間を横切る方向の陰嚢部下端線を有し、
前記前面部材は、前記前面部内側線の下端から垂直に延びる前面部の内側下端線を有し、
前記男性用機能性パンツは、
内側では前記前面部材と縫製され、外側では前記陰嚢部下端線と前記前面部の内側下端線とが並んで縫製される後面部の外側下端線を有する左右一対の後面部材をさらに含む
請求項１に記載の男性用機能性パンツ。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、陰茎部と陰嚢部とを分離させることで快適な着用環境を提供するとともに着心地を改善した男性用機能性パンツに関する。

【背景技術】

【0002】

従来の陰茎部と陰嚢部とを分離させた男性用機能性パンツを改善したものとして、出願人は、特許文献１：韓国特許登録第１０－０９１６７０７号（登録日：２００９．０９．０２．）に開示された発明を提案したことがある。

【0003】

すなわち、図１及び図２に示されているように、パンツの前面部に陰茎部材１２０と陰嚢部材１３０とを別途裁断して縫製し、それぞれ湾曲部２２０、２４０と折曲部２１０、２３０、２５０とを有することで陰茎Ａと陰嚢Ｂとを分離収容させて快適な着用環境を提供し、性機能障害を予防できるようにしたものである。

【0004】

しかし、このような男性用機能性パンツによれば、陰茎袋２６０を形成するためには陰茎部材１２０の直線と曲線につながる縫製線に沿って縫製が行わなければならないので、特に、第１折曲部２１０を形成するための縫製作業がややこしく、これにより、陰茎袋２６０の模様がまともにとれないことから製品の不良率が高いという問題があった。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0005】

【特許文献1】韓国特許第１０－０９１６７０７号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0006】

したがって、本発明の目的は、パターンの模様を改善することで縫製し易く、製品の不良率を大きく低減させることができる男性用機能性パンツを提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0007】

上記目的を達成するために、本発明は、男性用機能性パンツであって、陰茎部外側線と、前記陰茎部外側線と対向して内側に膨らんでいる円弧状の陰茎部内側線と、外側下方に傾くように形成される陰茎部上端線と、内外間左右に横切る方向の陰茎部下端線とを有する左右一対の陰茎部材；前記陰茎部外側線の下端から繋がれる陰嚢部外側線と、前記陰嚢部外側線と対向して内側に膨らんでいる円弧状の陰嚢部内側線と、前記陰茎部下端線と縫製される陰嚢部上端線とを有する左右一対の陰嚢部材；前記陰茎部外側線及び前記陰嚢部外側線に一致するように形成される前面部内側線に沿って前記陰茎部外側線と前記陰嚢部外側線とが並んで縫製されることで前記陰茎部材及び陰嚢部材と結合され、前記前面部内側線の上端から外側に延びる水平の前面部上端線を有する左右一対の前面部材；および前記左右一対の陰茎部材の各陰茎部上端線を水平に回転させて前記左右一対の前面部材の各前面部上端線と一直線を成すようにした状態で、前記陰茎部上端線および前記前面部上端線に沿って縫製されるバンド部材、を含むことを特徴とする男性用機能性パンツを提供する。

【0008】

ここで、前記陰茎部外側線は、凹な円弧状になっており、前記陰嚢部外側線は、前記陰茎部外側線の下端から連続的に繋がれる凹な円弧状になっており、前記前面部内側線は、前記陰茎部外側線及び前記陰嚢部外側線に一致するように凹な円弧状になっていることができる。

【0009】

また、前記陰茎部下端線の幅は、前記陰嚢部上端線の幅よりも狭く、前記陰茎部下端線の幅を前記陰嚢部上端線の幅分だけ増やして一致させた状態で相互間縫製されるようにしてもよい。

【0010】

さらに、前記陰茎部材は、前記陰茎部外側線と陰茎部内側線との間の幅は、前記陰茎部外側線と前記陰茎部内側線との各中心線の間の幅が最も広く、上端及び下端に行くほど次第に細くなるように形成され、前記陰嚢部材は、前記陰嚢部外側線と前記陰嚢部内側線との間の幅は、前記陰嚢部外側線と前記陰嚢部内側線との各中心線の間の幅が最も広く、上端及び下端に行くほど次第に細くなるように形成されてもよい。

【0011】

この場合、前記陰茎部材内側線は、上端点と下端点に行くほど直線を成し、中心線で最も小さい曲率半径の曲線からなるようにしてもよい。

【0012】

また、前記陰嚢部材は、上下間を横切る方向の陰嚢部下端線を有し、前記前面部材は、前記前面部内側線の下端から垂直に延びる前面部の内側下端線を有し、前記男性用機能性パンツは、内側では前記前面部材と縫製され、外側では前記陰嚢部下端線と前記前面部の内側下端線とが並んで縫製される後面部の外側下端線を有する左右一対の後面部材をさらに含んでもよい。

【発明の効果】

【0013】

以上のように、本発明による男性用機能性パンツによれば、陰茎部材の陰茎部内側線を円弧状にして縫製作業が円弧状に沿って容易に行われることができるようにすることで製品の不良率を大きく低減させることができるとともに、陰茎部上端線を外側下方に傾くように形成し、これを水平の前面部上端線と一直線を成すようにした状態でバンド部材に縫製する方法によって陰茎袋を形成することができる。

【0014】

これに加えて、陰茎部外側線および陰嚢部外側線が連続的に凹な円弧状を成し、それに一致するように前面部内側線を凹な円弧状にして相互間を縫製するとともに、前記陰茎部上端線の模様及び縫製方法を通じて陰茎部材および陰嚢部材に折曲部および湾曲部を形成させる張力を提供することで、陰茎袋及び陰嚢袋の形状を取るのに寄与することができる。

【0015】

また、陰嚢部上端線の幅よりも狭い陰茎部下端線の幅を増やして互いに一致させた状態で相互間を縫製することで陰嚢袋の伸縮性を大きく向上させることができるので、膨脹と収縮を繰り返す陰嚢の収容に適する。

【図面の簡単な説明】

【0016】

【図1】従来の技術による男性用機能性パンツの全体構造を示した側面図である。

【図2】図１の男性用機能性パンツの機能部を具体的に示した図である。

【図3】本発明の実施形態による男性用機能性パンツをパターン単位に分解して示す展開図である。

【図4】図３の要部拡大図である。

【図5】図３のパターンを組み合わせて得られる男性用機能性パンツの正面図である。

【図6】図３のパターンを組み合わせて得られる男性用機能性パンツの前方斜視図である。

【発明を実施するための形態】

【0017】

本発明の実施形態による男性用機能性パンツは、図３に示すように、 パターン単位に分解されることができ、これらのパターン、すなわち左右一対の陰茎部材３２０、左右一対の陰嚢部材３３０、左右一対の前面部材３１０、及び左右一対の後面部材３４０の組み合わせでその形態がととのえられる。

【0018】

図４を参照すると、陰茎部材３２０は、凹な円弧状である陰茎部外側線３２１、該陰茎部外側線３２１と対向して内側に膨らんでいる円弧状である陰茎部内側線３２２、外側の下向きに傾くように形成される陰茎部上端線３２３、及び内外間に概ね左右方向に横切るように延びる陰茎部下端線３２４を有する。

【0019】

陰嚢部材３３０は、前記陰茎部外側線３３１の下端から連続的に繋がれる凹な円弧状の陰嚢部外側線３３１、この陰嚢部外側線３２１と対向して内側に膨らんでいる円弧状の陰嚢部内側線３３２、前記陰茎部下端線３２４と縫製される陰嚢部上端線３３３、及び内外間に概ね上下方向に横切るように延びる陰嚢部下端線３３４を有する。

【0020】

この時、図示の如く、陰茎部下端線３２４の幅は陰嚢部上端線３３３の幅よりも少し狭く、これにより相互間の縫製時には陰茎部下端線３２４を伸ばして陰嚢部上端線３３３に一致させた状態で縫製する。その結果、陰嚢部上端線３３３は、図５に示したように縫製線Ｌに沿ってしわ寄るように形成され、これによって陰嚢袋の伸縮性を大きく向上させることができるので、周辺環境や生理的な現象によって膨脹と収縮を繰り返す陰嚢を適切に収容することができる。

【0021】

図３を参照すると、前面部材３１０は、前記陰茎部外側線（図４の符号３２１）および陰嚢部外側線３３１に一致して凹な円弧状になっている前面部内側線３１１と、該前面部内側線３１１の上端から外側に延びる水平の前面部上端線３１２とを有する。

【0022】

前面部材３１０は、前記前面部内側線３１１に沿って陰茎部外側線３２１と陰嚢部外側線３３１とが一致して並んで縫製されることで内側の陰茎部材３２０と陰嚢部材３３０とが結合される。その後、陰茎部材３２０の陰茎部上端線３２３を水平に回転させて前面部上端線３１２に合わせて一直線を成すようにした状態で、これらの線に沿って、図５に示すようにバンド部材３５０が縫製される。このようなバンド部材３５０は、図３に示すように、前面部上端線３１２に沿って水平に延びる後面部材（図３の符号３４０）の後面部上端線３４１とも縫製される。

【0023】

上述のように外側に傾いた陰茎部上端線３２３を内側方向に少し回転させてバンド部材３５０に水平に縫製させることで陰茎部材３２０による陰茎袋（図６の符号４６０）の形成が可能となる。

【0024】

この時、円弧状の前面部内側線（図３の符号３１１）と、これに一致して円弧状に繋がれる陰茎部外側線３２１と陰嚢部外側線３３１とが互いに縫製された状態で、前記のようにバンド部材３５０が水平に縫製される場合には、図５に示すように、互いに縫製された前面部内側線３１１並びに陰茎部及び陰嚢部外側線３２１、３３１はほぼ直線的に変形するようになり、このようなラインの変形（すなわち、曲線から直線への変形）に起因して前面部内側線３１１の上端部および下端部が外側に移動することに伴う引張力が当該部位の陰茎部材３２０の上端部及び陰嚢部材３３０の下端部に作用することによって、その結果、図６に示されているような陰茎袋４６０及び陰嚢袋４７０を形成するのに寄与するようになる。

【0025】

一方、図４においてそれぞれ円弧状になっている陰茎部材３２０の陰茎部外側線３２１と陰茎部内側線３２２とは各中心点の間を連結する幅Ｗ１が最も広く、上端及び下端に行くほど次第に細くなるように形成され、上端点と下端点に行くほど直線を成して中心点で最も小さい曲率半径の曲線からなる。

【0026】

陰嚢部材３３０も、それぞれ円弧状になっている陰嚢部外側線３３１と陰嚢部内側線３３２との各中心点の間の幅Ｗ２が最も広く、上端及び下端に行くほど次第に細くなるように形成される。

【0027】

このような陰茎部材３２０及び陰嚢部材３３０の模様は、パンツとして縫製済みの図５の状態において、直線的に変形された前面部内側線３１１並びに陰茎部及び陰嚢部外側線３２１、３３１によって上端と下端が外側に引っ張られて、中間部位で上・下間の境界を成す縫製線Ｌで取ってくれることで完成された形態の陰茎袋４６０および陰嚢袋４７０を達成するのに寄与する。

【0028】

図４における陰嚢部材３３０の陰嚢部下端線３３４は、前面部材（図３の符号３１０）の前面部の内側下端線３１３と一緒に後面部材３４０の外側下端線３４２に縫製される（図５参照）。すなわち、後面部材３４０の外側下端線３４２の長さは陰嚢部下端線３３４と前面部の内側下端線３１３との長さの和と同じである。

【0029】

図３における後面部材３４０は、前記外側下端線３４２と対向する後面部内側線３４３が前面部外側線３１４と一致するように縫製される。

【0030】

上述した男性用機能性パンツは、本発明の理解を助けるための一実施形態に過ぎないものなので、本発明の権利範囲乃至技術的範囲が前記で説明されたところに限定されない。
本発明の権利範囲乃至技術的範囲は、後述する特許請求の範囲及びその均等範囲によって決められる。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【国際調査報告】