(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-19
(54)【発明の名称】逆回転軸流電動モータアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H02K 16/02 20060101AFI20220412BHJP
H02K 7/14 20060101ALI20220412BHJP
H02K 13/00 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
H02K16/02
H02K7/14 A
H02K13/00 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021555468
(86)(22)【出願日】2020-04-21
(85)【翻訳文提出日】2021-10-14
(86)【国際出願番号】 US2020029064
(87)【国際公開番号】W WO2020219415
(87)【国際公開日】2020-10-29
(32)【優先日】2019-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519177312
【氏名又は名称】シーアール フライト エル.エル.シー.
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【氏名又は名称】松野 知紘
(72)【発明者】
【氏名】ウィシャート,ランデル ジェイ.
【テーマコード(参考)】
5H607
5H613
【Fターム(参考)】
5H607BB01
5H607BB07
5H607BB09
5H607BB13
5H607CC01
5H607CC05
5H607DD02
5H607FF05
5H607GG01
5H607GG08
5H613BB05
5H613PP05
(57)【要約】
回転電力を供給するために電動モータを従来利用してきた任意の装置に電力供給するために使用される、逆方向に回転する2つの駆動部材を備える、逆回転(CR)軸流電動モータアセンブリを提示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
f.第1および第2の端部を含む長軸、および前記長軸に対して垂直な短軸を有する中央シャフトと、
g.前記中央シャフトの第1の端部が嵌合しているベース部材と、
h.前記中央シャフトの長軸を中心に回転できるように第1のベアリングによって取り付けられ、各自の磁界が前記中央シャフトの前記長軸にほぼ平行に通っている一組の電磁界コイルに固定されている第1の回転部材と、
i.前記中央シャフトの長軸を中心に回転できるように第2のベアリングによって取り付けられ、各自の磁界が前記中央シャフトの前記長軸にほぼ平行に通っている少なくとも一組の永久磁石に固定されている第2の回転部材と、
j.前記第1の回転部材に取り付けられ、前記第1の回転部材から延在する第1の駆動部材と、
k.前記第2の回転部材に取り付けられ、前記第2の回転部材から延在する第2の駆動部材であって、前記電磁界コイルに電流が印加されると、前記第1および第2の駆動部材が逆方向に回転する、第2の駆動部材と、
l.前記第1の端部および前記ベース部材に近接して前記中央シャフトの周辺に固定されたスリップリングアセンブリであって、前記第1および第2の駆動部材が逆方向に回転する間、前記スリップリングアセンブリが外部電源から前記電磁界コイルへの前記電流の通過を促進している、スリップリングアセンブリと、を備える、
逆回転(CR)軸流電動モータアセンブリ。
【請求項2】
2本以上のブレードが前記第1の駆動部材に取り付けられている第1のプロペラと、2本以上のブレードが前記第2の駆動部材に取り付けられている第2のプロペラと、をさらに備え、前記第1および第2のプロペラブレードが、周囲媒体を、前記CR軸流モータを越えて共通方向に移動させるように、それらのピッチが選択されるようにしている、請求項1に記載のCR軸流モータ。
【請求項3】
前記中央シャフトが前記ベース部材に対して定位置に固定され、前記第1および第2の回転部材が前記固定式シャフトを中心に逆方向に回転している、請求項1に記載のCR軸流電動モータ。
【請求項4】
前記中央シャフトが中空であり、前記第1の回転部材に固定されて前記ベース部材に回転可能に取り付けられており、前記第2の回転部材が前記中空の中央シャフトおよび前記第1の回転部材とは逆方向に回転している、請求項1に記載のCR軸流電動モータ。
【請求項5】
a.第1および第2の端部を含む長軸、および前記長軸に対して垂直な短軸を有する中央シャフトと、
b.前記中央シャフトの第1の端部が回転不能に取り付けられているベース部材と、
c.第1の回転部材であって、
i.前記回転不能の中央シャフトを包囲している支持スリーブと、
ii.前記支持スリーブに取り付けられ、前記支持スリーブが前記中央シャフトを中心に回転できるようにしている第1のベアリングと、
iii.前記中央シャフトの短軸にほぼ平行に、前記支持スリーブに取り付けられ、前記支持スリーブから遠ざかるように延在する支持ディスクと、
iv.前記中央シャフトを包囲する形態で前記支持ディスクに固定され、各自の磁界が前記中央シャフトの長軸にほぼ平行に通っている一組の電磁界コイルとを含む、第1の回転部材と、
d.第2の回転部材であって、
i.前記回転不能の中央シャフトを包囲しており、前記中央シャフトの短軸にほぼ平行に、第1および第2の対向側壁を有する支持ハウジングであって、前記第2の側壁が、前記中央シャフトの長軸を中心とし、スリップリングアセンブリから前記電磁界コイルまで通っているワイヤを収容するのに十分な大きさである開口部を有する、支持ハウジングと、
ii.前記支持ハウジングの第1の側壁に取り付けられ、前記支持ハウジングが前記中央シャフトを中心に回転できるようにしている第2のベアリングと、
iii.前記中央シャフトを包囲する形態で同前記支持ハウジングの側壁に固定され、各自の磁界が前記中央シャフトの長軸にほぼ平行に通っている少なくとも一組の永久磁石とを含む、第2の回転部材と、
e.前記第1の回転部材に取り付けられ、前記第1の回転部材から延在する第1の駆動部材と、
f.前記第2の回転部材に取り付けられ、前記第2の回転部材から延在する第2の駆動部材であって、前記電磁界コイルに電流が印加されると、前記第1および第2の駆動部材が逆方向に回転する、第2の駆動部材と、
g.前記第1の端部および前記ベース部材に近接して前記中央シャフトの周辺に固定されたスリップリングアセンブリであって、前記第1および第2の駆動部材が逆方向に回転する間、前記スリップリングアセンブリが外部電源から前記電磁界コイルへの前記電流の通過を促進している、スリップリングアセンブリと、を備える、
CR軸流電動モータアセンブリ。
【請求項6】
2本以上のブレードが前記第1の駆動部材に取り付けられている第1のプロペラと、2本以上のブレードが前記第2の駆動部材に取り付けられている第2のプロペラと、をさらに備え、前記第1および第2のプロペラブレードが、周囲媒体を、前記CR軸流モータを越えて共通方向に移動させるように、それらのピッチが選択されるようにしている、請求項5に記載のCR軸流モータ。
【請求項7】
a.第1および第2の端部を含む長軸、および前記長軸に対して垂直な短軸を有する中空の中央シャフトと、
b.ベース部材と、
c.前記中空の中央シャフトの第1の端部が回転可能に取り付けられている前記ベース部材に取り付けられた、第1のベアリングと、
d.第1の回転部材であって、
i.前記中空の中央シャフトの短軸にほぼ平行に、前記中空の中央シャフトに取り付けられ、前記中空の中央シャフトから遠ざかるように延在する支持ディスクと、
ii.前記中空の中央シャフトを包囲する形態で前記支持ディスクに固定され、各自の磁界が前記中央シャフトの長軸にほぼ平行に通っている一組の電磁界コイルとを含む、第1の回転部材と、
e.第2の回転部材であって、
iii.前記中空の中央シャフトを包囲しており、前記中央シャフトの短軸にほぼ平行に、2つの対向側壁を有する支持ハウジングと、
iv.前記支持ハウジングに取り付けられ、前記支持ハウジングが前記中空の中央シャフトを中心に回転できるようにしている第2のベアリングと、
v.前記中空の中央シャフトを包囲する形態で同前記支持ハウジングの側壁に固定され、各自の磁界が前記中央シャフトの長軸にほぼ平行に通っている少なくとも一組の永久磁石とを含む、第2の回転部材と、
f.前記中空の中央シャフトの第2の端部に近接して配置された、第1の駆動部材取付領域と、
g.前記第2の回転部材に取り付けられ、前記第2の回転部材から延在する第2の駆動部材であって、前記電磁界コイルに電流が印加されると、前記第1の駆動部材取付領域および前記第2の駆動部材が逆方向に回転する、第2の駆動部材と、
h.前記第1の端部および前記ベース部材に近接して前記中央シャフトの周辺に固定されたスリップリングアセンブリであって、前記第1および第2の回転部材が逆方向に回転する間、前記スリップリングアセンブリが、前記中空の中央シャフトを通っているワイヤを介して、外部電源から前記電磁界コイルへの前記電流の通過を促進している、スリップリングアセンブリと、を備える、
CR軸流電動モータアセンブリ。
【請求項8】
2本以上のブレードが前記第1の駆動部材取付領域に取り付けられている第1のプロペラと、2本以上のブレードが前記第2の駆動部材に取り付けられている第2のプロペラと、をさらに備え、前記第1および第2のプロペラブレードが、周囲媒体を、前記CR軸流モータを越えて共通方向に移動させるように、それらのピッチが選択されるようにしている、請求項7に記載のCR軸流モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年4月23日に出願された米国仮特許出願第62/837,549号の優先権および利益を主張するものであり、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究開発に関する記載
該当なし
【0003】
著作権保護を受ける資料の通知
本特許文書中の資料の一部は、米国およびその他の国の著作権法に基づく著作権保護の対象となり得る。本著作権の所有者は、米国特許商標庁の利用可能に公開されているファイルまたは記録内に認められるとおりに本特許文書または本特許開示を任意の人物がファクシミリ複製することには異議を唱えないが、それ以外はいかなる場合もすべての著作権を留保する。本著作権所有者は、ここに、米国特許法施行規則1.14条に従う権利を含むがこれに限定されない、本特許文書を秘密に保持する権利のいずれも放棄しない。
【0004】
発明の背景
技術分野
【0005】
本開示の技術は、概して、逆回転(CR)軸流電動モータアセンブリに関する。標準モータを内包する装置のほとんどには、標準電動モータの代わりに、本CR軸流電動モータアセンブリが装備されている可能性がある。本件技術の一般的な用途は、航空機への電力供給、または空気移動/送風技術にあり、以下に示す例は、限定ではなく例示のみを目的として、これらの用途を対象としている。より具体的には、本発明は、水平飛行および垂直離着陸航空機または空気循環ファンへの電力供給に使用されることが多く、また、2つの連動プロペラが共通中心軸線を中心に互いに極めて接近して回転できるようにしているCR軸流電動モータアセンブリであり、ここでは、1つのプロペラによって生成される空気流は、他のプロペラの回転に差動的に連結され、これにより、単一のプロペラを回転させる同等の標準的な/従来型のモータよりも本CR軸流モータによる電力消費効率が向上している。
【0006】
背景技術
【0007】
なお、ここで軸流型モータとラジアル型モータとを区別しておくが、標準的な/従来型の軸流型モータは、回転出力シャフトに対して平行に通る磁束を有する一方、標準的な/従来型のラジアル型モータは、回転出力シャフトに対して垂直に通る磁束を有する。
【0008】
従来型のラジアル型ブラシ付きDCモータの場合、ハウジング内のステータ/界磁磁石と同様に、外側/周囲のモータハウジングは固定式である。通常、ステータは多くの場合、ハウジングに固定されている。動作中に回転するシャフトまたはアクスルに、内部アーマチュア/ロータが取り付けられている(標準モータの一部のバージョンでは、ロータはアーマチュアと呼ばれることがある)。したがって、アーマチュアシャフト/アクスルは、固定モータハウジングから延出しており、モータに電流が印加されると回転する(アーマチュア/ロータは固定ステータ/界磁磁石内で回転する)。ブラシ付きモータでは、アーマチュアのコイルの磁場の極性を交互にするために、電流をパルス化する整流子接続部を介して外部電源からロータへと電力を伝達し、これにより、アーマチュアの回転に使用される回転駆動力を生成しているため、物理的ブラシが必要となる。この従来型のブラシ付き電動モータの歴史は長きに渡る。
【0009】
従来型のラジアル型ブラシレスDCモータの場合、外側/周囲のモータハウジングは、ハウジング内のステータと同様に、やはり固定式である。通常、ステータは多くの場合、ハウジングに固定されている。内部アーマチュア/ロータは、動作中に回転するシャフトまたはアクスルに取り付けられている。したがって、アーマチュアシャフト/アクスルは、固定モータハウジングから延出しており、モータに電流が印加されると回転する(アーマチュア/ロータは固定ステータ/界磁磁石内で回転する)。ブラシレスモータでは、外部電源からの電力をロータに伝達するために、物理的なブラシを必要とはしない。ブラシレスモータの構成では、ステータに固定された永久磁石を使用する設計、またはより一般的に、この永久磁石がアーマチュアに関連付けられ、界磁巻線が固定ステータ内に配置される設定のいずれも可能である。ブラシレスモータでは整流を行うために物理的ブラシを使用しておらず、代わりに、標準的な技術によって電子的に整流されていることは明らかである。好適にパルス化された電流がこれらの巻線に供給され、標準的なホール効果センサ/磁石、逆起電力、および同等の手段などの組み込まれた手段によって時間調整されている。ブラシレスDCモータは、ブラシ付きモータよりも多くの周知の利点を有する。
【0010】
逆回転電動ラジアル型DCモータについては、関連する米国特許第2431255号明細書、米国特許第2456993号明細書、および米国特許第2462182号明細書に記載されている。開示されているモータの使用先は魚雷推進システムであり、当該システムでは、同軸プロペラアセンブリが別個のプロペラを逆方向に駆動して、魚雷が所望の方向への移動を継続できるように補助していた。そのようなモータの稼働寿命は、標的に命中すると破壊されることを所与とすれば、極めて限られていることは明らかである。ステータの回転中に(通常、ステータは回転していないので、固定の弾性手段またはばねが単にブラシを内側へと回転中心に向かって押し出し、これによって必要な電力伝達を行うために整流子に接触するが、ここでステータが回転すると、整流子から離隔するようにブラシが「遊動」することになる)に発生する、必然的な遠心力/求心力の影響を受けた整流子とブラシとの接触破損を排除するために、当該機は「放射状整流子」(回転軸から外側に向かって延在するディスク)と、回転軸に対して平行に方向付けられた接触ブラシとを含むものであった。この放射状整流子/ブラシの設計は複雑であり、その作製も容易ではないため、製造に費用がかかるものである。
【0011】
米国特許第3738270号明細書では、魚雷用のラジアル型ブラシレス電動DCモータが開示されている。水中におけるその標的への移動中の安定性を維持するためには、逆方向に回転するプロペラが有用である。この設計では固定ステータを使用しており、その周辺で2つの独立したアーマチュアが逆方向に回転して、連動プロペラを対応する逆方向へと駆動している。
【0012】
米国特許第4056746号明細書では、直前に提示している設計に極めて近似した、逆回転電動ラジアル型モータが提案されている。ここでもまた、放射状整流子/ブラシの設計が当該機の稼働に使用されている。
【0013】
DC回転機は、米国特許第4259604号明細書に関連している。当該機の整流子/ブラシ設計は非常に単純なものであり、高速の回転速度で稼働するようには作られていない。このモータは、典型的にはテープレコーダやVTRなどの低回転速度が必要となる機械に使用されている。この整流子は標準的な円筒形設計であり、またブラシは、整流子片に恒久的に接触するようになっている。
【0014】
米国特許第8198773号明細書、米国特許第8253294号明細書、米国特許第8531072号明細書、および米国特許第10116187号明細書(本出願人に発行)は、様々な逆回転モータ/発電機用途向けである。
【0015】
サイトhttps://www.magnax.com-blog/axial/axial-flux-vs-radial-flux-for-direct-drive-gneeratorsに例示されているように、標準的な/従来型の軸流モータがよく知られている。既存の軸流モータでは、界磁コイルが静止状態でステータに固定されている一方、ロータ/アーマチュアのみが回転する。
【0016】
任意の(軸流型またはラジアル型)CRモータに電流を伝達するための好適なスリップリングアセンブリが、国際公開第2018/106611号パンフレット(本出願人による)で開示されており、その内容は、参照のために全体が本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本明細書に記載の技術は、回転電力を供給するために電動モータを従来利用してきた任意の装置に電力供給するために使用される、逆方向に回転する2つの駆動部材を備える、CR軸流電動モータアセンブリを提供することを目的としている。
【0018】
本明細書に記載の技術は、水平飛行および垂直離着陸航空機への電力供給に使用される、逆方向に回転する2つの駆動部材を備える、CR軸流電動モータアセンブリを提供することを目的としている。
【0019】
本明細書に記載の技術は、空気または他の液状物質およびガス状物質の移動またはポンピングを行うファンへの電力供給に使用される、逆方向に回転する2つの駆動部材を備える、CR軸流電動モータアセンブリを提供することを、別の目的としている。
【0020】
本明細書に記載の技術は、空気または他の液状物質およびガス状物質の移動またはポンピングを行うファンへの電力供給に使用される、プロペラを各自が有する逆方向に回転する2つの駆動部材を備える、CR軸流電動モータアセンブリを提供することを、他の目的としている。
【0021】
本明細書に記載の技術は、空気または他の液状物質およびガス状物質の移動またはポンピングを行うファンへの電力供給に使用されるもので、標準的な/従来型の軸流モータと比較して、機械的出力に対する電気的入力の割合が低下した状態の、CR軸流電動モータアセンブリを提供することを、さらなる目的としている。
【0022】
本明細書に記載の技術は、水平飛行および垂直離着陸航空機への電力供給に使用されるもので、バッテリ寿命が延長され、同等の標準的な/従来型のモータよりも推力が大きい、CR軸流電動モータアセンブリを開示することを、さらに他の目的としている。
【0023】
本発明は、1)従来型のモータ取り付けで無駄に消費されない付加エネルギー、2)熱発生の低下による付加エネルギー、および3)CR軸流モータの効率を標準的な軸流モータよりも高めるために、それらの正味の回転速度を上昇させる、逆方向に回転する2つの部材間の相乗的差動連結の組み合わせを利用する、CR軸流モータを開示することを、さらに別の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0024】
CR軸流電動モータアセンブリを開示する。一例としてであって、限定を目的とするものではなく、そのようなCR軸流モータを使用して、a)逆方向に回転する2つの部材を備える、差動式の逆回転軸流電動モータであって、第1の回転部材が一組以上の永久磁石を含み、第2の回転部材が一組以上の電磁界巻線を含む、差動式の逆回転軸流電動モータと、b)逆方向に回転する部材の一方に固定された第1の組のプロペラブレード、および逆方向に回転する他方の組のプロペラブレードに固定された第2の組のプロペラブレードと、c)電磁界コイルに電力を伝達する手段と、d)当該車両またはファンに本CR軸流モータアセンブリを取り付けるための手段と、e)必要に応じて、本CRモータアセンブリを稼働するための制御手段と、f)必要に応じて、当該電力供給部と、を備える、航空機または航空機ファンへの電力供給が行われてもよい。
【0025】
本明細書に記載の技術のさらなる態様は、本明細書の以下の部分で明らかになり、ここで、詳細な説明を行うのは、限定を課すことなしに、本件技術の好適な実施形態を完全に開示することを目的としている。
【0026】
本明細書に記載の技術は、例示のみを目的とする以下の図面を参照することによって、より完全に諒解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1A】逆方向に回転する駆動部材が磁界発生領域の両側に設けられている固定式中央シャフトと、二組の永久磁石とを使用している、本発明の一実施形態を示す断面図である。
【
図1B】逆方向に回転する駆動部材が磁界発生領域の両側に設けられている固定式中央シャフトと、一組の永久磁石とを使用している、本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【
図2A】逆方向に回転する駆動部材が磁界発生領域の同じ側から延出している回転式中央シャフトと、二組の永久磁石とを使用した、本発明のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【
図2B】逆方向に回転する駆動部材が磁界発生領域の同じ側から延出している回転式中央シャフトと、一組の永久磁石とを使用した、本発明のなおも他の実施形態を示す断面図である。
【
図3】外部電源から内部の界磁コイルに電力を伝達することができる、例示的なスリップリングアセンブリを示す断面図である。
【
図4】外部電源から内部の界磁コイルに電力を伝達することができ、オイル/潤滑剤をスリップリングアセンブリのディスクに搬送するためのオイル/潤滑剤リザーバおよびラインまたはウィックを含む、例示的なスリップリングアセンブリを示す断面図である。
【
図5】第1の回転部材上にある一組の永久磁石の向きを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図面をより具体的に参照すると、例示を目的として本件技術は、
図1~
図5に概して示しているシステムにおいて具現化されている。本システムのCR軸流電動モータアセンブリは、構成および構成要素の詳細に応じて異なっていてもよく、また、本方法は、本明細書に開示している基本概念から逸脱することなく、特定のステップおよび動作シーケンスに応じて異なっていてもよいことが諒解されよう。
【0029】
本発明は、概してCR軸流電動モータアセンブリである。例示を目的とするのみであるが、気体もしくは液体を移動させる航空機またはファン/ポンプへの電力供給を行うことが一用途である場合が多いため、これらのタイプの用途では、連動プロペラまたはインペラを使用している。本発明は、概して、第1および第2の端部を含む長軸、および前記長軸に対して垂直な短軸を有する中央シャフトと、この中央シャフトの第1の端部が嵌合しているベース部材と、中央シャフトの長軸を中心に回転できるように第1のベアリングによって取り付けられ、各自の磁界が中央シャフトの長軸にほぼ平行に通っている一組の電磁界コイルに固定されている第1の回転部材と、中央シャフトの長軸を中心に回転できるように第2のベアリングによって取り付けられ、各自の磁界が中央シャフトの長軸にほぼ平行に通っている少なくとも一組の永久磁石に固定されている第2の回転部材と、第1の回転部材に取り付けられ、この第1の回転部材から延在する第1の駆動部材と、第2の回転部材に取り付けられ、この第2の回転部材から延在する第2の駆動部材であって、電磁界コイルに電流が印加されると、これら第1および第2の駆動部材が逆方向に回転する、第2の駆動部材と、第1の端部およびベース部材に近接して中央シャフトの周辺に固定されたスリップリングアセンブリであって、第1および第2の駆動部材が逆方向に回転する間、このスリップリングアセンブリが外部電源から電磁界コイルへの電流の通過を促進している、スリップリングアセンブリと、を備える、CR軸流電動モータアセンブリを含む。また、本CR軸流モータは、2本以上のブレードが第1の駆動部材に取り付けられている第1のプロペラと、2本以上のブレードが第2の駆動部材に取り付けられている第2のプロペラと、をさらに備えていてもよく、これら第1および第2のプロペラブレードは、周囲媒体を、本CR軸流モータを越えて共通方向に移動させるように、それらのピッチが選択されるようにしている。さらに、本CR軸流電動モータは、ベース部材に対して定位置に固定された中央シャフトを有していてもよく、第1および第2の回転部材はこの固定式シャフトを中心に逆方向に回転しているか、またはこの中央シャフトは中空であり、第1の回転部材に固定されてベース部材に回転可能に取り付けられており、また、第2の回転部材は中空の中央シャフトおよび第1の回転部材とは逆方向に回転している。
【0030】
また、本CR軸流電動モータアセンブリは、第1および第2の端部を含む長軸、およびこの長軸に対して垂直な短軸を有する中央シャフトと、この中央シャフトの第1の端部が回転不能に取り付けられているベース部材と、回転不能の中央シャフトを包囲している支持スリーブ、この支持スリーブに取り付けられ、この支持スリーブが中央シャフトを中心に回転できるようにしている第1のベアリング、中央シャフトの短軸にほぼ平行に、中央シャフトに取り付けられ、この中央シャフトから遠ざかるように延在する支持ディスク、および中央シャフトを包囲する形態でこの支持ディスクに固定され、各自の磁界が中央シャフトの長軸にほぼ平行に通っている一組の電磁界コイルを含む第1の回転部材と、回転不能の中央シャフトを包囲しており、この中央シャフトの短軸にほぼ平行に、第1および第2の対向側壁を有する支持ハウジングであって、この第2の側壁が、中央シャフトの長軸を中心とし、スリップリングアセンブリから電磁界コイルまで通っているワイヤを収容するのに十分な大きさである開口部を有する、支持ハウジング、この支持ハウジングの第1の側壁に取り付けられ、この支持ハウジングが中央シャフトを中心に回転できるようにしている第2のベアリング、および中央シャフトを包囲する形態で同支持ハウジングの側壁に固定され、各自の磁界が中央シャフトの長軸にほぼ平行に通っている少なくとも一組の永久磁石を含む第2の回転部材と、第1の回転部材に取り付けられ、この第1の回転部材から延在する第1の駆動部材と、第2の回転部材に取り付けられ、この第2の回転部材から延在する第2の駆動部材であって、電磁界コイルに電流が印加されると、これら第1および第2の駆動部材が逆方向に回転する、第2の駆動部材と、第1の端部およびベース部材に近接して中央シャフトの周辺に固定されたスリップリングアセンブリであって、第1および第2の駆動部材が逆方向に回転する間、このスリップリングアセンブリが外部電源から電磁界コイルへの電流の通過を促進している、スリップリングアセンブリと、を備えていてもよい。
本CR軸流モータは、2本以上のブレードが第1の駆動部材に取り付けられている第1のプロペラと、2本以上のブレードが第2の駆動部材に取り付けられている第2のプロペラと、をさらに備え、これら第1および第2のプロペラブレードは、周囲媒体を、本CR軸流モータを越えて共通方向に移動させるように、それらのピッチが選択されるようにしている。
【0031】
また、本CR軸流電動モータアセンブリは、第1および第2の端部を含む長軸、およびこの長軸に対して垂直な短軸を有する中空の中央シャフトと、ベース部材と、中空の中央シャフトの第1の端部が回転可能に取り付けられているこのベース部材に取り付けられた、第1のベアリングと、
a.第1の回転部材であって、
i.中空の中央シャフトの短軸にほぼ平行に、中空の中央シャフトに取り付けられ、この中空の中央シャフトから遠ざかるように延在する支持ディスク、
ii.中空の中央シャフトを包囲する形態でこの支持ディスクに固定され、各自の磁界が中央シャフトの長軸にほぼ平行に通っている一組の電磁界コイルを含む、第1の回転部材と、
b.第2の回転部材であって、
i.中空の中央シャフトを包囲しており、この中央シャフトの短軸にほぼ平行に、2つの対向側壁を有する支持ハウジング、
ii.この支持ハウジングに取り付けられ、この支持ハウジングが中空の中央シャフトを中心に回転できるようにしている第2のベアリング、
iii.中空の中央シャフトを包囲する形態で同支持ハウジングの側壁に固定され、各自の磁界が中央シャフトの長軸にほぼ平行に通っている少なくとも一組の永久磁石を含む、第2の回転部材と、
c.中空の中央シャフトの第2の端部に近接して配置された、第1の駆動部材取付領域と、
d.第2の回転部材に取り付けられ、この第2の回転部材から延在する第2の駆動部材であって、電磁界コイルに電流が印加されると、これら第1の駆動部材取付領域および第2の駆動部材が逆方向に回転する、第2の駆動部材と、
e.第1の端部およびベース部材に近接して中央シャフトの周辺に固定されたスリップリングアセンブリであって、第1および第2の回転部材が逆方向に回転する間、このスリップリングアセンブリが、中空の中央シャフトを通っているワイヤを介して、外部電源から電磁界コイルへの電流の通過を促進している、スリップリングアセンブリと、を備えていてもよい。
【0032】
さらに、本CR軸流電動モータアセンブリは、2本以上のブレードが第1の駆動部材取付領域に取り付けられている第1のプロペラと、2本以上のブレードが第2の駆動部材に取り付けられている第2のプロペラと、をさらに備えていてもよく、これら第1および第2のプロペラブレードは、周囲媒体を、本CR軸流モータを越えて共通方向に移動させるように、それらのピッチが選択されるようにしている。
【0033】
本発明のわずかに異なるいくつかの実施形態が存在することを指摘しておくが、これらはすなわち、1)固定式中央シャフトを備えるCR軸流モータアセンブリ(二組の永久磁石を備える
図1Aと、一組の永久磁石を備える
図1B)、および2)回転式中央シャフトを備えるCR軸流モータアセンブリ(二組の永久磁石を備える
図2Aと、一組の永久磁石を備える
図2B)であり、これらについては、両方とも以下で詳述している。これら2つの実施形態間で、多くの構成要素は同一である。ただし、いくつかの懸架要素が一方から他方に再配置されて、逆方向に回転する2つの部材が回転できるようにしていることは明らかである。さらに、回転力を生成するための電気機械的手段は、永久磁石および電磁石を含むが、必要に応じて、電磁石が永久磁石と置き換えられてもよく、各タイプの磁石の物理的位置が入れ替わってもよい。限定ではなく例示のみを目的として、永久磁石と電磁石とを組み合わせて本実施例で使用している。
【0034】
図1に示すように、本発明の第1の実施形態は、ベース部材10が中央シャフト15に回転不能に固定されている、CR軸流モータ5を備える。通常、ベース10と中央シャフトとは金属合金の金属から作られているが、天然ポリマーおよび合成ポリマー、セラミック、ガラス、ならびに同等の材料も本開示の範囲内にあると考えられる。
さらに、これらバス10と中央シャフトとは、単一のユニットとして作られてもよい。中央シャフト15は、第1および第2の端部を含む長軸16と、垂直な短軸17とを有する。シャフトの第1の端部は、接着、ねじ止め、ねじ切り、溶接、ろう付け、およびはんだ付けなどの標準的な手段によって、ベース10に回転不能に(恒久的にまたは取り外し可能に)固定される。
【0035】
本発明の構成要素の残りの部分は、回転可能または回転不能のいずれかの形態で、中央シャフトの周辺に構成される。第1の回転部材が中央シャフト15に対して、その長軸16の周辺に第1のベアリング22および23によって取り付けられている。この第1の回転部材は、回転不能の中央シャフト15を包囲している支持スリーブ21に取り付けられ、この支持スリーブ21から遠ざかるように延在しており、また中央シャフトの短軸17にほぼ平行である支持ディスク20を含む。ベアリング22および23は、支持スリーブ21を中央シャフト15に回転可能に固定している。通常、これら支持スリーブ21と支持ディスク20とは、金属合金における好適な金属から作られているが、天然ポリマーおよび合成ポリマー、セラミック、ガラス、ならびに同等の材料も本開示の範囲内にあると考えられる。
【0036】
一組の電磁界コイル25が支持ディスク内に取り付けられている。この一組の界磁コイル25は、中央シャフト15を包囲する形態で配置され、支持ディスク20の中央縁部から外周縁部に近接して、径方向外側に変位する。含まれる各一組の界磁コイル15で選択される界磁コイルの個数は、特定のCR軸流モータのサイズ(支持ディスク20の円周に物理的に適合し、所望の電磁界密度をもたらす個数)に依存している。各界磁コイル25の磁界または磁束は、中央シャフト15の長軸16にほぼ平行に通っている。界磁コイル25は、標準的な取付手段によって支持ディスク20に固定されている。例示的な図(
図1A、
図1B、
図2A、
図2B)では、これらの例示的な界磁コイルは、三相配置(3本のワイヤ70または170が界磁コイル25内に導入されているが、他の位相配置も本開示の範囲内にあると考えられる)で構成されている。本CR軸流モータの稼働中、界磁コイル25、支持スリーブ21、および取り付けられた支持ディスク20はすべて、中央シャフト15を中心に第1の方向に回転する。
【0037】
第2の回転部材が中央シャフト15に対して、その長軸16の周辺に第2のベアリング32および33によって取り付けられている。この第2の回転部材は、回転不能の中央シャフト15を包囲している支持ハウジング30を含む。この支持ハウジング30は、中央シャフトの短軸17にほぼ平行であり、中央シャフト15から径方向外側に延在する2つの対向側壁を有する。支持ハウジング30の側壁の外周を接続しているのは、端部部材35である。支持ハウジング30の側壁の一方は、中央シャフト15の長軸16を中心とし、スリップリングアセンブリ60から電磁界コイル25まで通っているワイヤ70を収容するのに十分な大きさである開口部36を有する。第2のベアリング32および33により、本CR軸流モータの稼働中に、支持ハウジング30が中央シャフト15を中心に回転することができる。
【0038】
支持ハウジングの内面には、少なくとも一組の永久磁石31(第1の組)および31’(第2の組)が固定されている。永久磁石31および31’は、接着などの適切な手段によって固定されている。各一組の永久磁石31および31’は、円形状に配置されている。
図5は、支持ハウジング30内の永久磁石31の円形配置を示す。
図1Aは、二組の永久磁石31および31’を示しているが、
図1Bは、一組の永久磁石31のみを示している実施形態であることを指摘しておく。各永久磁石の磁界は、中央シャフト15の長軸16にほぼ平行に通っており、これにより、電界31および31’と共に、本CR軸流モータを駆動するのに必要な力を生成している。
【0039】
第1の駆動部材45は、第1の回転部材の支持スリーブ21に取り付けられ、この支持スリーブ21から(中央シャフト15の長軸16に沿って)延在し、中央シャフト15を包囲している。この第1の駆動部材45は、本CR軸流モータを外部の利用手段に連結するための取付点として機能している。例示かつ図示の外部の利用手段では、プロペラ取付台50がプロペラブレード55と連結されている。
【0040】
第2の駆動部材40は、第2の回転部材の支持ハウジング30に取り付けられ、この支持ハウジング30から(第1の駆動部材45とは逆方向に、中央シャフト15の長軸16に沿って)延在している。本CR軸流モータの稼働中に電磁界コイルに電流が印加されると、第1および第2の駆動部材は逆方向に回転する。
【0041】
図1Aに示す本CR軸流モータ(CR軸流モータ5)の代替実施形態は、
図1Bに示す実施形態(CR軸流モータ6)である。CR軸流モータ6が支持ハウジング30の側壁上に、二組ではなく一組の永久磁石31のみを有することを除いて、これら2つの実施形態は極めて類似している(同一の番号が構成要素に付されている)。円板80は、界磁コイル/巻線25の一方側に接続されている。本代替版では、CR軸流モータ6の作製が簡素化されている。
【0042】
図2Aおよび
図2Bは、本発明の2つ以上の実施形態(CR軸流モータ7および8)を示す。固定式中央シャフト15を有する代わりに、これらの実施形態は、ベアリング110を用いてその第1の端部に近接してベース部材100内に取り付けられた、中空の回転式中央シャフト105を有する。中空のシャフト105により、スリップリングアセンブリ160からのワイヤ170がシャフト105の中空内部を通って、電磁界コイル/巻線125へと移動することができる。
【0043】
第1の回転部材は、中空(その内部をワイヤ170が通る)または中実(その外部をワイヤ170が通る)であり得る支持ディスク120を含む。複数の界磁コイル/巻線125がある形態(通常は円形状であり、中央シャフト105を中心とする)で配置されている。
【0044】
第2の回転部材は、中央シャフト105上に二組のベアリング132および133によって取り付けられ、2つの対向側壁を有する支持ハウジング130と、支持ハウジング130のこれら2つの側壁間に延在する端部部材135と、を含む。実施形態7は、支持ハウジング130の対向側壁の内面に取り付けられた、二組の永久磁石131および131’を有する。
【0045】
第1の駆動部材取付領域141は、中央シャフト105の第2の端部に近接して配置されている。プロペラ取付カプラ150は、取付領域141で中央シャフト105に固定され、プロペラブレード155まで延在している。
【0046】
第2の駆動部材140が支持ハウジング130に取り付けられ、この支持ハウジング130から延在している。第2の駆動部材140は概ね円筒形状であり、プロペラ取付カプラ150およびプロペラブレード155に固定されている。
【0047】
図2Bは、支持ハウジング130の側壁上に、二組ではなく一組のみ設けられた永久磁石31を示す。円板180は、界磁コイル/巻線125の一方側に接続されている。本代替版では、本CR軸流モータ8の作製が簡素化されている。
【0048】
通常、電力搬送手段(外部電源から内部の界磁コイルへの)は、界磁コイル/巻線に電力を供給する配線を利用している。界磁コイル/巻線の構成に応じて、1本以上のワイヤが界磁コイル/巻線と連通していてもよい。3本のワイヤ(三相構成であるが、他の同等の配線構成も本開示の範囲内にあると考えられる)を、例示を目的として示しており、これら3本のワイヤは界磁コイル/巻線からスリップリングアセンブリへと延在し、次いで適切な電源へと延在している。スリップリングアセンブリの他に、導電性ベアリングなどを含むが、これに限定されない他の同等の電力搬送手段が使用されてもよい。
【0049】
上述したように、任意の(軸流型またはラジアル型の)CRモータ(または他の回転電動装置)に電流を搬送するのに適したスリップリングアセンブリが、国際公開第2018/106611号(本出願人による)パンフレットに開示されており、その内容は、参照のために全体が本明細書に組み込まれる。明確にするために、好適なスリップリングアセンブリの概略的構成を
図3および
図4に示している。
【0050】
具体的には、すべての例示的な図面(
図1A~
図4および
図6~
図11)に示している電力搬送手段は、第1の端部およびベース部材10に近接して中央シャフト15の周辺に固定された、スリップリングアセンブリ60である。典型的なスリップリングアセンブリ60/160を
図3に示しており、また、オイル/潤滑剤チャンバ310と、オイル/潤滑剤リザーバ300とを有する変形例のスリップリングアセンブリ60’/160’を
図4に示している。
【0051】
図3に示すスリップリングアセンブリ60/160の代替版では、三相のCR軸流モータを想定しているが、任意の位相構成に変更することができる。このスリップリングアセンブリ60/160は、適切な開口部によって包囲ハウジング62を通る(外部電源からの)一組の入力ワイヤ65/165を含む。内部スピンドル61は、一連の導電性ディスクまたは電気絶縁性ディスクのいずれかを含む。電気絶縁性ディスク200は、入力相を接地から絶縁している。ワイヤ65/165に固定された導電性ディスク205、206、および207が(電源から)進入し、ワイヤ70/170に固定された導電性ディスク215、216、および217が(界磁コイルへと)退出する。導電性ディスク205は215上で回転し、206は216上で回転し、207は217上で回転する。出願人によると、対になって退出入するディスクの一方または両方が、オイル/潤滑剤を含む焼結/多孔質材料から作られている場合、低速から高速に回転している間、ディスクへの著しい摩耗を生じることなく、大量の電力(高電圧および高電流)が伝達され得ることが分かっている(国際公開第2018/106611号パンフレットを参照のこと)。好適な焼結/多孔質材料は、オイライト(多くの標準的な供給源から入手可能な焼結青銅)などである。
【0052】
図4に示すスリップリングアセンブリ60’/160’の代替版は、ここで別途オイル/潤滑剤チャンバ310と、オイル/潤滑剤リザーバ300とが設けられていることを除いて、スリップリングアセンブリ60/160で示している様々な構成要素を含む。いくつかの用途では、オイル/潤滑剤を付加することが有益となり得る。ここで、スピンドル61はハウジング62と嵌合して、オイル潤滑剤チャンバ310とオイル/潤滑剤リザーバとを形成する。いくつかの用途では、付加されるオイル/潤滑剤にはこのチャンバ310で十分となり得るが、その他の場合には、さらにオイル/潤滑剤が必要となり得るため、供給ラインまたはウィック305を介してリザーバ300からこれらが供給されてもよい。
【0053】
電源を使用して、本CR軸流モータアセンブリに適切な量の電力(特定のCR軸流モータの指定アンペア数および電圧レベル)が供給されている。さらに、標準的で容易に購入可能な電子速度コントローラ(electronic speed controller:ESC)を使用して、入力電力を制御し、回転に電力を供給し、かつ回転を開始するのに必要な反発磁力を生成する形態で、界磁コイル巻線が駆動されている。
【0054】
航空機またはファンへの電力供給を行うように作られた例示的なCR軸流モータの場合、本発明の差動式または第1から第2のプロペラフィードバック動作は、単一のプロペラのみを装備した従来型の/標準的なモータと比較して、内部で差動連結される2つのプロペラを有する本発明の、有効性または効率の一部を説明するのに役立つ。第1のプロペラ上にある一組のブレードは、到来空気を受け、離脱空気の速度を加速させている。第2のプロペラ上にある一組のブレード(周囲媒体を同じ方向に駆動するように、第1のプロペラからピッチで切り替えられる)は、第1のプロペラが加速させた空気を受け、これによって第2の回転部材がより速く回転するようになり、今度は第1の回転部材がさらに加速され、本CR軸流の代替版で見られるように、内部で差動連結される2つの回転部材が、回転部材間に相乗的なフィードバック改良を何らもたらさない、プロペラを1つのみ備えるモータよりも高い効率で動作するようになる。
【0055】
実験
限定ではなく、実験および例示のみを目的として、ドローンのCR軸流電動モータアセンブリが作製された。いずれかの回転部材が停止している場合、本CR軸流モータは、回転部材を1つのみ備える従来型の/標準的な軸流モータとして機能する。各駆動部材は、周囲空気が本CR軸流モータアセンブリを越えて共通方向に導かれるように、他方のプロペラに対向するピッチを有する一方のプロペラを備えるプロペラに固定されている。
【0056】
実験番号1
【0057】
これらの実験は、同じプロペラに連結された3つの異なるタイプのモータを用いて行われたものであり、これらのモータはすなわち、1)1つのプロペラを備えるRC Timer社製の標準モータ(rctimer.comやほとんどのホッピー用品店で見つかる5010-620KV)、2)1つのプロペラが静止状態に保持されているもので、RC Timer社製の標準モータ(5010-620KV)とほぼ同じサイズのCR軸流モータ(これは標準モータを模倣したものである)、および3)逆方向に回転する2つのプロペラを備えるもので、RC Timer社製の標準モータ(5010-620KV)とほぼ同じサイズのCR軸流モータである。すべての実験は、室温の22℃で行われた。
【0058】
両方のプロペラが逆方向に回転しているのに対して、一方のプロペラのみが回転している(他方は固定されている)CR軸流モータの両方に対して、22.3ボルトおよび16.00アンペアを選択した場合、1ワットあたりのグラム数(g/W)でモータ効率を比較すると、両方のプロペラが回転するCR軸流型は、約24%より効率的となる。なお、実験を行ったプロタイプのCR軸流モータは手製であり、機械製の寸法公差を適用することにより、間違いなくより効率的になることを強調しておく。
【0059】
本件技術のいくつかの実施形態は本開示の範囲内にあると考えられ、第1および第2の端部を含む長軸、およびこの長軸に対して垂直な短軸を有する中央シャフトと、この中央シャフトの第1の端部が嵌合しているベース部材と、中央シャフトの長軸を中心に回転できるように第1のベアリングによって取り付けられ、各自の磁界が中央シャフトの長軸にほぼ平行に通っている一組の電磁界コイルに固定されている第1の回転部材と、中央シャフトの長軸を中心に回転できるように第2のベアリングによって取り付けられ、各自の磁界が中央シャフトの長軸にほぼ平行に通っている少なくとも一組の永久磁石に固定されている第2の回転部材と、第1の回転部材に取り付けられ、この第1の回転部材から延在する第1の駆動部材と、第2の回転部材に取り付けられ、この第2の回転部材から延在する第2の駆動部材であって、電磁界コイルに電流が印加されると、これら第1および第2の駆動部材が逆方向に回転する、第2の駆動部材と、第1の端部およびベース部材に近接して中央シャフトの周辺に固定されたスリップリングアセンブリであって、第1および第2の駆動部材が逆方向に回転する間、このスリップリングアセンブリが外部電源から電磁界コイルへの電流の通過を促進している、スリップリングアセンブリと、を備える、CR軸流電動モータアセンブリを含む。
【0060】
別の実施形態は、2本以上のブレードが第1の駆動部材に取り付けられている第1のプロペラと、2本以上のブレードが第2の駆動部材に取り付けられている第2のプロペラと、をさらに含んでいてもよく、これら第1および第2のプロペラブレードは、周囲媒体を、本CR軸流モータを越えて共通方向に移動させるように、それらのピッチが選択されるようにしている。
【0061】
他の実施形態は、ベース部材に対して定位置に固定された中央シャフトを有し、第1および第2の回転部材はこの固定式シャフトを中心に逆方向に回転している。
【0062】
さらに他の実施形態は、中空であり、第1の回転部材に固定されてベース部材に回転可能に取り付けられている中央シャフトを有し、また、第2の回転部材は中空の中央シャフトおよび第1の回転部材とは逆方向に回転している。
【0063】
なおも他の実施形態は、第1および第2の端部を含む長軸、およびこの長軸に対して垂直な短軸を有する中央シャフトと、この中央シャフトの第1の端部が回転不能に取り付けられているベース部材と、回転不能の中央シャフトを包囲している支持スリーブ、この支持スリーブに取り付けられ、この支持スリーブが中央シャフトを中心に回転できるようにしている第1のベアリング、中央シャフトの短軸にほぼ平行に、支持スリーブに取り付けられ、この支持スリーブから遠ざかるように延在する支持ディスク、および中央シャフトを包囲する形態でこの支持ディスクに固定され、各自の磁界が中央シャフトの長軸にほぼ平行に通っている一組の電磁界コイルを含む第1の回転部材と、回転不能の中央シャフトを包囲しており、この中央シャフトの短軸にほぼ平行に、第1および第2の対向側壁を有する支持ハウジングであって、この第2の側壁が、中央シャフトの長軸を中心とし、スリップリングアセンブリから電磁界コイルまで通っているワイヤを収容するのに十分な大きさである開口部を有する、支持ハウジング、この支持ハウジングの第1の側壁に取り付けられ、この支持ハウジングが中央シャフトを中心に回転できるようにしている第2のベアリング、および中央シャフトを包囲する形態で同支持ハウジングの側壁に固定され、各自の磁界が中央シャフトの長軸にほぼ平行に通っている少なくとも一組の永久磁石を含む第2の回転部材と、第1の回転部材に取り付けられ、この第1の回転部材から延在する第1の駆動部材と、第2の回転部材に取り付けられ、この第2の回転部材から延在する第2の駆動部材であって、電磁界コイルに電流が印加されると、これら第1および第2の駆動部材が逆方向に回転する、第2の駆動部材と、第1の端部およびベース部材に近接して中央シャフトの周辺に固定されたスリップリングアセンブリであって、第1および第2の駆動部材が逆方向に回転する間、このスリップリングアセンブリが外部電源から電磁界コイルへの電流の通過を促進している、スリップリングアセンブリと、を備える、CR軸流電動モータアセンブリである。
【0064】
なおもさらに他の実施形態は、2本以上のブレードが第1の駆動部材に取り付けられている第1のプロペラと、2本以上のブレードが第2の駆動部材に取り付けられている第2のプロペラと、を付加することを含み、これら第1および第2のプロペラブレードは、周囲媒体を、本CR軸流モータを越えて共通方向に移動させるように、それらのピッチが選択されるようにしている。
【0065】
もう1つの実施形態は、第1および第2の端部を含む長軸、およびこの長軸に対して垂直な短軸を有する中空の中央シャフトと、ベース部材と、中空の中央シャフトの第1の端部が回転可能に取り付けられているこのベース部材に取り付けられた、第1のベアリングと、中空の中央シャフトの短軸にほぼ平行に、中空の中央シャフトに取り付けられ、この中空の中央シャフトから遠ざかるように延在する支持ディスク、中空の中央シャフトを包囲する形態でこの支持ディスクに固定され、各自の磁界が中央シャフトの長軸にほぼ平行に通っている一組の電磁界コイルを含む第1の回転部材と、中空の中央シャフトを包囲しており、この中央シャフトの短軸にほぼ平行に、2つの対向側壁を有する支持ハウジング、この支持ハウジングに取り付けられ、この支持ハウジングが中空の中央シャフトを中心に回転できるようにしている第2のベアリング、中央シャフトを包囲する形態で同支持ハウジングの側壁に固定され、各自の磁界が中央シャフトの長軸にほぼ平行に通っている少なくとも一組の永久磁石を含む第2の回転部材と、中空の中央シャフトの第2の端部に近接して配置された、第1の駆動部材取付領域と、第2の回転部材に取り付けられ、この第2の回転部材から延在する第2の駆動部材であって、電磁界コイルに電流が印加されると、これら第1の駆動部材取付領域および第2の駆動部材が逆方向に回転する、第2の駆動部材と、第1の端部およびベース部材に近接して中央シャフトの周辺に固定されたスリップリングアセンブリであって、第1および第2の回転部材が逆方向に回転する間、このスリップリングアセンブリが、中空の中央シャフトを通っているワイヤを介して、外部電源から電磁界コイルへの電流の通過を促進している、スリップリングアセンブリと、を備える、CR軸流電動モータアセンブリである。
【0066】
最後に、一実施形態は、2本以上のブレードが第1の駆動部材取付領域に取り付けられている第1のプロペラと、2本以上のブレードが第2の駆動部材に取り付けられている第2のプロペラと、をさらに備えていてもよく、これら第1および第2のプロペラブレードは、周囲媒体を、本CR軸流モータを越えて共通方向に移動させるように、それらのピッチが選択されるようにしている。
【0067】
本件技術の実施形態は、本件技術の実施形態による方法およびシステムのフローチャート図、ならびに/またはコンピュータプログラム製品として実装することもできる手順、アルゴリズム、ステップ、動作、式、もしくは他の計算的描写を参照しながら、本明細書で説明されてもよい。これに関連して、フローチャートの各ブロックまたはステップ、およびフローチャート内のブロック(および/またはステップ)の組み合わせ、ならびに任意の手順、アルゴリズム、ステップ、動作、式、または計算的描写は、コンピュータ可読プログラムコードにおいて具現化される1つ以上のコンピュータプログラム命令を含むハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアなどの様々な手段によって実装され得る。諒解されるように、任意のそのようなコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータもしくは専用コンピュータ、または、コンピュータプロセッサ(複数可)もしくは他のプログラム可能な処理装置上で作動するそのコンピュータプログラム命令が、指定の機能(複数可)を実施するための手段を生成するように、機械を作製するための他のプログラム可能な処理装置を含むが、これらに限定されない1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されてもよい。
【0068】
したがって、本明細書に記載のフローチャートのブロック、および手順、アルゴリズム、ステップ、動作、式、または計算的描写は、この指定の機能(複数可)を実施するための手段の組み合わせ、指定の機能(複数可)を実施するためのステップの組み合わせ、および指定の機能(複数可)を実施するための、コンピュータ可読プログラムコード論理手段において具現化されるようなコンピュータプログラム命令をサポートする。また、フローチャート図の各ブロック、ならびに本明細書に記載の任意の手順、アルゴリズム、ステップ、動作、式、または計算的描写およびそれらの組み合わせは、指定の機能(複数可)もしくはステップ(複数可)を実施する専用ハードウェアベースのコンピュータシステム、または専用ハードウェアとコンピュータ可読プログラムコードとの組み合わせによって実行され得ることも諒解されよう。
【0069】
さらに、コンピュータ可読プログラムコードにおいて具現化されるようなこれらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータプロセッサまたは他のプログラム可能な処理装置に特定の方法、すなわちコンピュータ可読メモリまたはメモリデバイス内に記憶されるこれらの命令が、フローチャート(複数可)のブロック(複数可)で指定の機能を実施する命令手段を含む、ある製造品を作製するように機能するよう指示することができる、1つ以上のコンピュータ可読メモリまたはメモリデバイス内に記憶されてもよい。これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータプロセッサまたは他のプログラム可能な処理装置上で作動する命令が、フローチャート(複数可)のブロック(複数可)、手順(複数可)、アルゴリズム(複数可)、ステップ(複数可)、動作(複数可)、式(複数可)、または計算的描写(複数可)において指定の機能を実施することをもたらすように、コンピュータ実施プロセスを生成するために、一連の動作ステップが、コンピュータプロセッサまたは他のプログラム可能な処理装置上で実行されるようにするコンピュータプロセッサまたは他のプログラム可能な処理装置によって実行されてもよい。
【0070】
「プログラミング」または「プログラム実行可能」という用語は、本明細書で使用される場合、本明細書に記載の1つ以上機能を実施するために、1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行され得る1つ以上の命令を指すことがさらに諒解されよう。これらの命令は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにおいて具現化され得る。これらの命令は、非一時的媒体においてデバイスに対してローカルに記憶され得、またはサーバ上のようにリモートに記憶され得、あるいは、これらの命令の全部または一部がローカルおよびリモートに記憶され得る。リモートに記憶される命令は、ユーザ起動によって、または1つ以上のファクタに基づいて自動的に、デバイスにダウンロード(プッシュ)され得る。
【0071】
本明細書で使用される場合、プロセッサ、ハードウェアプロセッサ、コンピュータプロセッサ、中央処理装置(CPU)、およびコンピュータという用語は、命令を実行し、入出力インターフェースおよび/または周辺デバイスと通信することができるデバイスを示すために同義的に使用され、プロセッサ、ハードウェアプロセッサ、コンピュータプロセッサ、CPU、およびコンピュータという用語は、単一または複数のデバイス、単一のコアおよびマルチコアデバイス、ならびにそれらの変形を包含するように意図されていることがさらに諒解されよう。
【0072】
本明細書の説明から、本開示は以下を含むがこれに限定されない複数の実施形態を含むことが理解されよう。
【0073】
1.(a)第1および第2の端部を含む長軸、および前記長軸に対して垂直な短軸を有する中央シャフトと、
(b)前記中央シャフトの第1の端部が嵌合しているベース部材と、
(c)前記中央シャフトの長軸を中心に回転できるように第1のベアリングによって取り付けられ、各自の磁界が前記中央シャフトの前記長軸にほぼ平行に通っている一組の電磁界コイルに固定されている第1の回転部材と、
(d)前記中央シャフトの長軸を中心に回転できるように第2のベアリングによって取り付けられ、各自の磁界が前記中央シャフトの前記長軸にほぼ平行に通っている少なくとも一組の永久磁石に固定されている第2の回転部材と、
(e)前記第1の回転部材に取り付けられ、前記第1の回転部材から延在する第1の駆動部材と、
(f)前記第2の回転部材に取り付けられ、前記第2の回転部材から延在する第2の駆動部材であって、前記電磁界コイルに電流が印加されると、前記第1および第2の駆動部材が逆方向に回転する、第2の駆動部材と、
(g)前記第1の端部および前記ベース部材に近接して前記中央シャフトの周辺に固定されたスリップリングアセンブリであって、前記第1および第2の駆動部材が逆方向に回転する間、前記スリップリングアセンブリが外部電源から前記電磁界コイルへの前記電流の通過を促進している、スリップリングアセンブリと、を備える、
逆回転(CR)軸流電動モータアセンブリ。
【0074】
2.2本以上のブレードが前記第1の駆動部材に取り付けられている第1のプロペラと、2本以上のブレードが前記第2の駆動部材に取り付けられている第2のプロペラと、をさらに備え、前記第1および第2のプロペラブレードが、周囲媒体を、前記CR軸流モータを越えて共通方向に移動させるように、それらのピッチが選択されるようにしている、前述したまたは後述する実施の形態に記載のCR軸流モータ。
【0075】
3.前記中央シャフトが前記ベース部材に対して定位置に固定され、前記第1および第2の回転部材が前記固定式シャフトを中心に逆方向に回転している、前述したまたは後述する実施の形態に記載のCR軸流電動モータ。
【0076】
4.前記中央シャフトが中空であり、前記第1の回転部材に固定されて前記ベース部材に回転可能に取り付けられており、前記第2の回転部材が前記中空の中央シャフトおよび前記第1の回転部材とは逆方向に回転している、前述したまたは後述する実施の形態に記載のCR軸流電動モータ。
【0077】
5.(a)第1および第2の端部を含む長軸、および前記長軸に対して垂直な短軸を有する中央シャフトと、
(b)前記中央シャフトの第1の端部が回転不能に取り付けられているベース部材と、
(c)第1の回転部材であって、
(i)前記回転不能の中央シャフトを包囲している支持スリーブと、
(ii)前記支持スリーブに取り付けられ、前記支持スリーブが前記中央シャフトを中心に回転できるようにしている第1のベアリングと、
(iii)前記中央シャフトの短軸にほぼ平行に、前記支持スリーブに取り付けられ、前記支持スリーブから遠ざかるように延在する支持ディスクと、
(iv)前記中央シャフトを包囲する形態で前記支持ディスクに固定され、各自の磁界が前記中央シャフトの長軸にほぼ平行に通っている一組の電磁界コイルとを含む、第1の回転部材と、
(d)第2の回転部材であって、
(i)前記回転不能の中央シャフトを包囲しており、前記中央シャフトの短軸にほぼ平行に、第1および第2の対向側壁を有する支持ハウジングであって、前記第2の側壁が、前記中央シャフトの長軸を中心とし、スリップリングアセンブリから前記電磁界コイルまで通っているワイヤを収容するのに十分な大きさである開口部を有する、支持ハウジングと、
(ii)前記支持ハウジングの第1の側壁に取り付けられ、前記支持ハウジングが前記中央シャフトを中心に回転できるようにしている第2のベアリングと、
(iii)前記中央シャフトを包囲する形態で同前記支持ハウジングの側壁に固定され、各自の磁界が前記中央シャフトの長軸にほぼ平行に通っている少なくとも一組の永久磁石とを含む、第2の回転部材と、
(e)前記第1の回転部材に取り付けられ、前記第1の回転部材から延在する第1の駆動部材と、
(f)前記第2の回転部材に取り付けられ、前記第2の回転部材から延在する第2の駆動部材であって、前記電磁界コイルに電流が印加されると、前記第1および第2の駆動部材が逆方向に回転する、第2の駆動部材と、
(g)前記第1の端部および前記ベース部材に近接して前記中央シャフトの周辺に固定されたスリップリングアセンブリであって、前記第1および第2の駆動部材が逆方向に回転する間、前記スリップリングアセンブリが外部電源から前記電磁界コイルへの前記電流の通過を促進している、スリップリングアセンブリと、を備える、
CR軸流電動モータアセンブリ。
【0078】
6.2本以上のブレードが前記第1の駆動部材に取り付けられている第1のプロペラと、2本以上のブレードが前記第2の駆動部材に取り付けられている第2のプロペラと、をさらに備え、前記第1および第2のプロペラブレードが、周囲媒体を、前記CR軸流モータを越えて共通方向に移動させるように、それらのピッチが選択されるようにしている、前述したまたは後述する実施の形態に記載のCR軸流モータ。
【0079】
7.(a)第1および第2の端部を含む長軸、および前記長軸に対して垂直な短軸を有する中空の中央シャフトと、
(b)ベース部材と、
(c)前記中空の中央シャフトの第1の端部が回転可能に取り付けられている前記ベース部材に取り付けられた、第1のベアリングと、
(d)第1の回転部材であって、
(i)前記中空の中央シャフトの短軸にほぼ平行に、前記中空の中央シャフトに取り付けられ、前記中空の中央シャフトから遠ざかるように延在する支持ディスクと、
(ii)前記中空の中央シャフトを包囲する形態で前記支持ディスクに固定され、各自の磁界が前記中央シャフトの長軸にほぼ平行に通っている一組の電磁界コイルとを含む、第1の回転部材と、
(e)第2の回転部材であって、
(iii)前記中空の中央シャフトを包囲しており、前記中央シャフトの短軸にほぼ平行に、2つの対向側壁を有する支持ハウジングと、
(iv)前記支持ハウジングに取り付けられ、前記支持ハウジングが前記中空の中央シャフトを中心に回転できるようにしている第2のベアリングと、
(v)前記中空の中央シャフトを包囲する形態で同前記支持ハウジングの側壁に固定され、各自の磁界が前記中央シャフトの長軸にほぼ平行に通っている少なくとも一組の永久磁石とを含む、第2の回転部材と、
(f)前記中空の中央シャフトの第2の端部に近接して配置された、第1の駆動部材取付領域と、
(g)前記第2の回転部材に取り付けられ、前記第2の回転部材から延在する第2の駆動部材であって、前記電磁界コイルに電流が印加されると、前記第1の駆動部材取付領域および前記第2の駆動部材が逆方向に回転する、第2の駆動部材と、
(h)前記第1の端部および前記ベース部材に近接して前記中央シャフトの周辺に固定されたスリップリングアセンブリであって、前記第1および第2の回転部材が逆方向に回転する間、前記スリップリングアセンブリが、前記中空の中央シャフトを通っているワイヤを介して、外部電源から前記電磁界コイルへの前記電流の通過を促進している、スリップリングアセンブリと、を備える、
CR軸流電動モータアセンブリ。
【0080】
8.2本以上のブレードが前記第1の駆動部材取付領域に取り付けられている第1のプロペラと、2本以上のブレードが前記第2の駆動部材に取り付けられている第2のプロペラと、をさらに備え、前記第1および第2のプロペラブレードが、周囲媒体を、前記CR軸流モータを越えて共通方向に移動させるように、それらのピッチが選択されるようにしている、前述したまたは後述する実施の形態に記載のCR軸流モータ。
【0081】
本明細書で使用されるとき、単数形の用語「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の指示対象を含むことができる。単数形の対象物への言及は、明示的に述べられていない限り、「1つだけ」を意味することを意図しておらず、むしろ「1つまたは複数」を意味する。
【0082】
本明細書で使用されているように、「セット」という用語は、1つまたは複数の対象物の集合を指す。したがって、例えば、対象物のセットは単一の対象物または複数の対象物を含むことができる。
【0083】
本明細書で使用されているように、「実質的に」および「約」という用語は、小さな変動を記述し、説明するために使用されている。事象または状況と併せて使用される場合、その用語は、その事象または状況が厳密に発生する場合だけでなく、その事象または状況が緊密な近似で発生する場合も指すことができる。数値と共に使用される場合、その用語は、その数値の±10%以下、例えば±5%以下、±4%以下、±3%以下、±2%以下、±1%以下、±0.5%以下、±0.1%以下、または±0.05%以下などの変動の範囲を指すことができる。例えば、「実質的に」整列されたとは、±10°以下、例えば±5°以下、±4°以下、±3°以下、±2°以下、±1°以下、±0.5°以下、±0.1°以下、または±0.05°以下などの範囲の角度変動を指すことができる。
【0084】
さらに、量、比率、および他の数値は、本明細書では時には範囲の形式で提示することができる。そのような範囲の形式は便宜上および簡潔さのために使用され、範囲の限界として明示的に特定された数値を含むように柔軟に理解されるべきであるが、しかし、あたかも各数値および部分範囲が明示的に特定されているかのように、その範囲内に包含されるすべての個々の数値または部分範囲も含む。例えば、約1から約200の範囲の比は、明示的に列挙された約1から約200の範囲を含むが、約2、約3、および約4などの個々の比、ならびに約10から約50、約20から約100などの部分範囲も含むと理解すべきである。
【0085】
本明細書の記載には多くの詳細が含まれるが、これらは、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきものではなく、現時点で好ましい実施形態のいくつかの例を提供したものにすぎない。したがって、本開示の範囲は、当業者に明らかになりうる他の実施形態をすべて包含することを認識されたい。
【0086】
当業者に知られている開示された実施形態の要素と構造的および機能的に等価のものはすべて、本明細書に参照により明確に援用されたものとされ、本特許請求の範囲に包含されるものとする。さらに、本開示にない要素、構成部品または方法ステップは、その要素、構成部品または方法ステップが特許請求の範囲に明確に記載されているか否かにかかわらず、公にされるためのものであることが意図される。本願の請求項の要素は、「~するための手段」という表現を用いて明確に要素を記載していない限り、「ミーンズ・プラス・ファンクション」として解釈されるべきではない。本願の請求項の要素は、「~するためのステップ」という表現を用いて明確に要素を記載していない限り、「ステップ・プラス・ファンクション」として解釈されるべきではない。
【表1】
【表2】
【表3】
【国際調査報告】