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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-19
(54)【発明の名称】電池モジュール及び電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20220412BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20220412BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20220412BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20220412BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20220412BHJP
   H01M 50/242 20210101ALI20220412BHJP
【FI】
H01M50/204 401H
H01M50/209
H01M50/293
H01M10/04 W
H01M10/04 Z
H01M50/249
H01M50/242
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021563000
(86)(22)【出願日】2020-04-17
(85)【翻訳文提出日】2021-10-22
(86)【国際出願番号】 CN2020085441
(87)【国際公開番号】W WO2020228485
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】201910398912.1
(32)【優先日】2019-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】金 海族
(72)【発明者】
【氏名】胡 ▲飛▼
(72)【発明者】
【氏名】李 振▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】史 ▲東▼洋
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 瑞
(72)【発明者】
【氏名】曾 毓群
(72)【発明者】
【氏名】林 永寿
【テーマコード(参考)】
5H028
5H040
【Fターム(参考)】
5H028AA07
5H028BB07
5H028CC08
5H028CC10
5H028CC12
5H028HH05
5H040AA28
5H040AS01
5H040AS07
5H040AT02
5H040AY10
5H040CC05
5H040CC28
5H040LL06
5H040NN00
5H040NN01
(57)【要約】
本開示は電池モジュール及び電池パックを提供する。電池パックは、筐体及び筐体内に収容された電池モジュールを含む。電池モジュールは、第1の方向に沿って順次に配置された複数の電池を含む。電池は、ケース内に収容された電極アセンブリ、ケース及びケースに接続されたトップカバーアセンブリを含む。ケースは、電極アセンブリの第1の方向に沿った両側にそれぞれ位置する2つの第1の側壁を含む。隣接する2つの電池の第1の側壁は対向するように設置されている。第1の側壁の面積はSであり、隣接する2つの電池の電極アセンブリの第1の方向における距離はDであると、SとDは、関係式1.2×10-5mm-1≦D/S≦500×10-5mm-1を満たす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池モジュール(1)であって、
第1の方向(X)に沿って順次に配置された複数の電池(11)を含み、
電池(11)は、ケース(112)と、ケース(112)内に収容された電極アセンブリ(111)と、ケース(112)に接続されたトップカバーアセンブリ(113)とを含み、
ケース(112)は、電極アセンブリ(111)の第1の方向(X)に沿った両側にそれぞれ位置する2つの第1の側壁(112a)を含み、
隣接する2つの電池(11)の第1の側壁(112a)は対向するように設置されており、
第1の側壁(112a)の面積はSであり、隣接する2つの電池(11)の電極アセンブリ(111)の第1の方向(X)における距離はDであると、SとDは、関係式
1.2×10-5mm-1≦D/S≦500×10-5mm-1
を満たすことを特徴とする、電池モジュール(1)。
【請求項2】
第1の側壁(112a)の面積Sと隣接する2つの電池(11)の電極アセンブリ(111)の第1の方向(X)における距離Dは、関係式
1.6×10-5mm-1≦D/S≦250×10-5mm-1
を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール(1)。
【請求項3】
隣接する2つの電池(11)の電極アセンブリ(111)の第1の方向(X)における距離Dは1.2mm~10mmであり、第1の側壁(112a)の面積Sは4000mm~60000mmである、
ことを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール(1)。
【請求項4】
ケース(112)は、電極アセンブリ(111)の、第1の方向(X)に垂直である第2の方向(Y)に沿った両側にそれぞれ位置する2つの第2の側壁(112b)をさらに含み、
第2の側壁(112b)の面積はSであり、且つSはSより大きい、
ことを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール(1)。
【請求項5】
電極アセンブリ(111)は2つの第1の表面(111d)と2つの第2の表面(111e)を有し、第1の表面(111d)の面積は第2の表面(111e)の面積より大きく、第1の表面(111d)は第2の方向(Y)に沿って第2の側壁(112b)に向けており、第2の表面(111e)は第1の方向(X)に沿って第1の側壁(112a)に向けていることを特徴とする、請求項4に記載の電池モジュール(1)。
【請求項6】
電極アセンブリ(111)は、第1の電極シート(111a)、第2の電極シート(111b)、及び第1の電極シート(111a)と第2の電極シート(111b)との間に設置されたセパレータ(111c)を含み、
第1の電極シート(111a)、セパレータ(111c)及び第2の電極シート(111b)は扁平状に巻回され、2つの第1の表面(111d)は扁平面であり、第2の方向(Y)に沿って互いに対向しているか、又は、
第1の電極シート(111a)、セパレータ(111c)及び第2の電極シート(111b)は第2の方向(Y)に沿って積層されている、
ことを特徴とする、請求項5に記載の電池モジュール(1)。
【請求項7】
電極アセンブリ(111)は、第1の電極シート(111a)、第2の電極シート(111b)、及び第1の電極シート(111a)と第2の電極シート(111b)との間に設置されたセパレータ(111c)を含み、
第1の電極シート(111a)、セパレータ(111c)及び第2の電極シート(111b)は扁平状に巻回され、第2の表面(111e)の少なくとも一部は円弧面である、
ことを特徴とする、請求項5に記載の電池モジュール(1)。
【請求項8】
電池モジュール(1)の第1の方向(X)に沿ったサイズは電池モジュール(1)の第2の方向(Y)に沿ったサイズより大きい
ことを特徴とする、請求項6に記載の電池モジュール(1)。
【請求項9】
第1の側壁(112a)の面積Sと隣接する2つの電池(11)の電極アセンブリ(111)の第1の方向(X)における距離Dは、関係式
5×10-5mm-1≦D/S≦200×10-5mm-1
を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール(1)。
【請求項10】
電池モジュール(1)は、隣接する2つの電池(11)の間に位置し、隣接する2つの電池(11)の第1の側壁(112a)を接続する第1の接着部材(12)をさらに含み、
第1の接着部材(12)の第1の側壁(112a)を覆う面積はSであり、SとSは、関係式
0.25≦S/S≦0.95
を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール(1)。
【請求項11】
第1の接着部材(12)の厚さはTであり、SとTは、関係式
300mm≦S/T≦32000mm
を満たすことを特徴とする、請求項10に記載の電池モジュール(1)。
【請求項12】
第1の接着部材(12)の弾性率はEであり、EとTは、関係式
E×T≧50MPa・mm
を満たすことを特徴とする、請求項11に記載の電池モジュール(1)。
【請求項13】
第1の接着部材(12)は、エポキシ樹脂、ポリウレタン及びアクリル樹脂のうちの1つ又は複数の組み合わせから選択される接着剤である、
ことを特徴とする、請求項10に記載の電池モジュール(1)。
【請求項14】
筐体(2)及び請求項1~13のいずれか1項に記載の、筐体(2)内に収容された電池モジュール(1)を含む、
ことを特徴とする電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2019年5月14日に提出された名称が「電池モジュール及び電池パック」である中国特許出願CN201910398912.1の優先権を主張する。該中国特許出願の全ての内容は本明細書中に参考として援用される。
【0002】
本開示は、電池分野に関する。特に、電池モジュール及び電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
二次電池は、エネルギー密度が大きく、使用寿命が長く、省エネ及び環境にやさしい等の利点を有するため、新エネルギー自動車、エネルギー貯蔵発電所等の様々な分野に広く適用される。
【0004】
電池パックは一般的に筐体及び筐体内に収容された電池モジュールを含み、電池モジュールは順次に配置された複数の電池を含む。しかしながら、ある電池に過充電や短絡等の極端な状況が発生する場合、該電池は大量の熱が発生し、熱は該電池に隣接する他の電池に伝達されて、前記他の電池の熱暴走を引き起こし、さらに電池モジュールが失効となり、安全リスクを招く。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
背景技術に存在する問題に鑑み、本開示の目的は、電池のサイクル性能と安全性能を改善するために、電池モジュール及び電池パックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示は電池モジュール及び電池パックを提供する。
【0007】
本開示により提供される電池モジュールは、第1の方向に沿って順次に配置された複数の電池を含む。電池は、ケース内に収容された電極アセンブリ、ケース及びケースに接続されたトップカバーアセンブリを含む。ケースは、電極アセンブリの第1の方向に沿った両側にそれぞれ位置する2つの第1の側壁を含む。隣接する2つの電池の第1の側壁は対向するように設置されている。第1の側壁の面積はSであり、隣接する2つの電池の電極アセンブリの第1の方向における距離はDであると、SとDは関係式1.2×10-5mm-1≦D/S≦500×10-5mm-1を満たす。
【0008】
本開示の一実施例において、第1の側壁の面積Sと隣接する2つの電池の電極アセンブリの第1の方向における距離Dは、関係式1.6×10-5mm-1≦D/S≦250×10-5mm-1を満たす。
【0009】
本開示の一実施例において、隣接する2つの電池の電極アセンブリの第1の方向における距離Dは1.2mm~10mmであり、第1の側壁の面積Sは4000mm~60000mmである。
【0010】
本開示の一実施例において、ケースは、電極アセンブリの、第1の方向に垂直である第2の方向に沿った両側にそれぞれ位置する2つの第2の側壁をさらに含む。第2の側壁の面積はSであり、且つSはSより大きい。
【0011】
本開示の一実施例において、電極アセンブリは、2つの第1の表面と2つの第2の表面を有し、第1の表面の面積は第2の表面の面積より大きく、第1の表面は第2の方向に沿って第2の側壁に向けており、第2の表面は第1の方向に沿って第1の側壁に向けている。
【0012】
本開示の一実施例において、電極アセンブリは、第1の電極シート、第2の電極シート、及び第1の電極シートと第2の電極シートとの間に設置されたセパレータを含む。第1の電極シート、セパレータ及び第2の電極シートは扁平状に巻回されており、2つの第1の表面は扁平面であり、第2の方向に沿って互いに対向しているか、又は、第1の電極シート、セパレータ及び第2の電極シートは第2の方向に沿って積層されている。
【0013】
本開示の一実施例において、第1の電極シート、セパレータ及び第2の電極シートは扁平状に巻回されており、第2の表面の少なくとも一部は円弧面である。
【0014】
本開示の一実施例において、電池モジュールの第1の方向に沿ったサイズは電池モジュールの第2の方向に沿ったサイズより大きい。
【0015】
本開示の一実施例において、第1の側壁の面積Sと隣接する2つの電池の電極アセンブリの第1の方向における距離Dは、関係式5×10-5mm-1≦D/S≦200×10-5mm-1を満たす。
【0016】
本開示の一実施例において、電池モジュールは、隣接する2つの電池の間に位置し、隣接する2つの電池の第1の側壁を接続する第1の接着部材をさらに含む。第1の接着部材の第1の側壁を覆う面積はSであり、SとSは、関係式0.25≦S/S≦0.95を満たす。
【0017】
本開示の一実施例において、第1の接着部材の厚さはTであり、SとTは、関係式300mm≦S/T≦32000mmを満たす。
【0018】
本開示の一実施例において、第1の接着部材の弾性率はEであり、EとTは、関係式E×T≧50MPa?mmを満たす。
【0019】
本開示の一実施例において、第1の接着部材は、エポキシ樹脂、ポリウレタン及びアクリル樹脂のうちの1つ又は複数の組み合わせから選ばれた接着剤である。
【0020】
一方では、本開示により提供される電池パックは、筐体及び筐体内に収容された前記電池モジュールを含む。
【発明の効果】
【0021】
本開示の有益な効果は以下のとおりである。本開示の実施例は、第1の側壁の面積S及び隣接する2つの電池の電極アセンブリの第1の方向における距離Dを総合的に考慮し、1.2×10-5mm-1≦D/S≦500×10-5mm-1を満たす場合、電池のサイクル性能と安全性能を同時に保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本開示の実施例による電池パックの分解図である。
図2】本開示の実施例による電池モジュールの電池の分解図である。
図3】本開示の実施例による電池の電極アセンブリの一実施例の模式図である。
図4】本開示の実施例による電池の電極アセンブリの別の実施例の模式図である。
図5】本開示の実施例による電池モジュールの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の目的、技術的解決手段及び利点をより明らかにするために、以下、図面及び実施例に合わせて、本開示の技術的解決手段をより詳しく説明する。理解すべきことは、ここで説明された具体的な実施例は本開示の技術的解決手段を解釈するものに過ぎず、本開示の技術的解決手段を限定するものではない。
【0024】
本開示の技術的解決手段の説明において、明確な規定や限定がない限り、「第1の」、「第2の」及び「第3の」という用語は、説明の目的だけであり、相対的な重要性を指示するか又は暗示すると理解できない。「複数」という用語は2つ以上(2つを含む)を指す。特定の規定や説明がない限り、「接続」という用語は、広く理解されるべきである。例えば、「接続」は、固定するように接続されてもよく、着脱可能に接続されてもよく、又は一体的に接続されるか、又は電気的に接続されるか、又は信号によって接続されてもよい。「接続」は直接接続されてもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよい。当業者であれば、具体的な状況によって上記用語の本開示の技術的解決手段における具体的な意味を理解することができる。
【0025】
本明細書の説明において、理解すべきことは、本開示の実施例に説明される「上」、「下」等の方向を示す語彙は図面に示す角度から説明されるものであり、本開示の実施例を限定するものとして理解すべきではない。以下、具体的な実施例に基づいて、図面に合わせて本開示の技術的解決手段をより詳しく説明する。
【0026】
本開示の技術的解決手段の説明において、水平方向は水平面に平行である方向であり、水平方向は水平面に絶対的に平行である方向を含むだけでなく、工学的に一般的に認識される水平面に略平行である方向も含む。垂直方向は水平面に垂直である方向であり、垂直方向は水平面に絶対的に垂直である方向を含むだけでなく、工学的に一般的に認識される水平面に略垂直である方向も含む。また、本開示の技術的解決手段に説明される「上」、「下」、「頂」、「底」等の方向を示す語彙は、いずれも垂直方向に対して理解されるものである。
【0027】
本開示の一実施例は、車両本体及び前記車両本体に設置された電池パックを含む車両を提供する。ここで、車両は新エネルギー自動車であり、純粋な電気自動車であってもよく、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー式自動車であってもよい。車両本体には駆動モータが設置され、駆動モータは電池パックに電気的に接続され、電池パックにより電気エネルギーが提供され、駆動モータは伝動機構によって車両本体の車輪に接続され、それにより自動車の走行を駆動する。好ましくは、電池パックは車両本体の底部に水平に設置することができる。
【0028】
図1は本開示の一実施例による電池パックの分解図である。該実施例により提供される電池パックは、筐体2内に収容された電池モジュール1及び筐体2を含む。
【0029】
筐体2は上筐蓋21と下筐体22を含み、図1において、上筐蓋21と下筐体22は分離した状態を呈する。上筐蓋21と下筐体22は密閉するように接続され、両者の間に収容室が形成されている。ここで、上筐蓋21と下筐体22はアルミニウム、アルミニウム合金又はその他の金属製であってもよい。
【0030】
電池モジュール1は筐体2の収容室内に収容される。電池モジュール1は1つ又は複数であってもよい。電池モジュール1が複数設置される場合、電池モジュール1は水平方向に沿って配置されてもよい。電池モジュール1は第1の方向Xに沿って順次に配置された複数の電池11を含み、ここで、第1の方向Xは水平方向に平行であってもよく、垂直方向に平行であってもよい。電池11は繰り返し充放電可能な二次電池であってもよく、且つ複数の電池11はバスバーを介して電気的に接続されてもよい。
【0031】
電池モジュール1は、前記複数の電池11の第1の方向Xに沿った両端にそれぞれ設置された2つの端板(未図示)及び複数の電池11と2つの端板の外周を囲んだストラップ(未図示)を含む。端板はアルミニウム、アルミニウム合金等の金属材料製であってもよく、絶縁材料製であってもよい。
【0032】
図2を参照すると、電池11は電極アセンブリ111、ケース112及びトップカバーアセンブリ113を含む。電極アセンブリ111はケース112内に収容され、且つ電極アセンブリ111は第1の電極シート111a、第2の電極シート111b及び第1の電極シート111aと第2の電極シート111bとの間に設置されたセパレータ111cを含む。
【0033】
ケース112は金属材料又は複合材料で製造されてもよい。例えば、一実施例において、ケース112全体はアルミニウム、アルミニウム合金又はニッケルメッキ鋼等の金属材料で製造される。代替的に、別の実施例において、ケース112は、アルミニウム、アルミニウム合金又はニッケルメッキ鋼等の金属材料で製造された基板と、塗布又は接着等の方式によって基板の外表面に設置された絶縁層とを含んでもよい。この場合、金属材質の基板はケース112の強度を保証することができ、絶縁層はケース112の絶縁性能を改善することができる。
【0034】
ケース112は六面体の形又はその他の形を有してもよい。ケース112は開口を有し、電極アセンブリ111は前記開口を経由してケース112内に配置されることができる。
【0035】
トップカバーアセンブリ113は、トップカバープレート113a及びトップカバープレート113aに設置された電極端子113bを含む。トップカバープレート113aはアルミニウム、アルミニウム合金等の金属材料で製造されてもよく、トップカバープレート113aのサイズとケース112の開口のサイズは一致している。トップカバープレート113aは溶接によってケース112に接続され、ケース112の開口を覆うことができ、それにより電極アセンブリ111をケース112内に密閉する。
【0036】
電極端子113bは溶接又はリベット接合等の方式によってトップカバープレート113aに固定される。電極端子113bは2つであり、且つそれぞれ第1の電極シート111aと第2の電極シート111bに電気的に接続されている。
【0037】
電極アセンブリ111において、第1の電極シート111aと第2の電極シート111bのうちの1つは正極シートであり、第1の電極シート111aと第2の電極シート111bのうちの他の1つは負極シートであり、セパレータ111cは正極シートと負極シートとの間に設置された絶縁体である。例えば、第1の電極シート111aは正極シートであり、第1の電極シート111aは、第1のコレクタと、第1のコレクタ表面に塗布された第1の活物質層とを含み、第1のコレクタは、アルミニウム箔であってもよく、第1の活物質層は、三元系材料、マンガン酸リチウム又はリン酸鉄リチウムを含有する。第2の電極シート111bは、負極シートであり、第2の電極シート111bは、第2のコレクタと、第2のコレクタ表面に塗布された第2の活物質層を含み、第2のコレクタは銅箔であってもよく、第2の活物質層は石墨又はシリコンを含有する。
【0038】
図5を参照すると、ケース112は、電極アセンブリ111の第1の方向Xに沿った両側にそれぞれ位置する2つの第1の側壁112aを含む。第1の側壁112aは略平板状であり、且つ第1の方向Xに垂直である。隣接する2つの電池11の第1の側壁112aは対向するように設置され、好ましくは、隣接する2つの電池11の第1の側壁112aは固定接続されている。当然ながら、隣接する2つの電池11の第1の側壁112aは直接接続されてもよく、他の部品を経由して間接的に接続されてもよい。
【0039】
電極アセンブリ111は充放電過程において一定の熱が発生し、一部の熱は第1の側壁112aに伝達され、第1の側壁112aの熱は外部へ放出されることができる。第1の側壁112aの面積はSである。Sの値が大きいほど、第1の側壁112aの放熱効率もより高くなり、電極アセンブリ111の熱は外部へ放出されやすい。対応的に、Sの値が小さいほど、第1の側壁112aの放熱効率もより低くなり、電極アセンブリ111の熱は外部へ放出されにくい。
【0040】
通常の動作状態において、Sの値が小さ過ぎると、電極アセンブリ111の放熱効率が低過ぎて、熱は電極アセンブリ111の内部に蓄積されやすい。電極アセンブリ111の熱が一定の程度に蓄積された場合、電極アセンブリ111内部の化学反応が激しくなり、電極アセンブリ111のサイクル寿命に影響を与える。そのため、Sの値を増加させることによって、電極アセンブリ111の放熱効率を向上させ、電極アセンブリ111のサイクル寿命を保証することができる。
【0041】
隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111内の熱も第1の側壁112aを介して互いに伝達される。しかしながら、ある電池11に過充電や短絡等の極端な状況が発生する場合、該電池11は熱暴走し、大量の熱が発生する。発生した熱は第1の側壁111aを介して隣接する電池11の電極アセンブリ111に伝達される。Sの値が大き過ぎると、熱暴走した電池11で発生した熱はすばやく隣接する電池11に伝達され、隣接する電池11の熱暴走を引き起こし、電池モジュール1が失効となり、安全リスクを招く。
【0042】
隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111の第1の方向Xにおける距離はDであり、注意すべきことは、Dは隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111の第1の方向Xにおける最小距離である。
【0043】
D値が大きいほど、隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111の間の伝熱経路もより長くなり、隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111が互いの温度に対する影響が小さくなる。ある電池11が熱暴走した場合、他の電池11の電極アセンブリ111と熱暴走した電極アセンブリ111の伝熱経路が長く、前記他の電池11の電極アセンブリ111は熱暴走した電極アセンブリ111から受ける影響が小さく、それにより、他の電池11の熱暴走時間を効果的に延長し、安全リスクを低下させる。
【0044】
しかしながら、D値が大きいほど、各電池11の電極アセンブリ111と第1の側壁112aとの距離もより大きくなり、電極アセンブリ111が発生した熱は第1の側壁112aに伝達しにくく、電極アセンブリ111の放熱効率も低くなる。電極アセンブリ111は通常の動作状態において発生した熱が蓄積しやすいため、電極アセンブリ111内部の化学反応が激しくなり、電極アセンブリ111のサイクル寿命に影響を与える。
【0045】
D値が小さいほど、隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111の間の伝熱経路もより短く、隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111が互いの温度に対する影響も大きくなる。ある電池11が熱暴した場合、他の電池11の電極アセンブリ111と熱暴走した電極アセンブリ111との伝熱経路が短く、前記他の電池11の電極アセンブリ111は熱暴走した電極アセンブリ111から受ける影響が大きく、熱暴走が発生しやすく、それにより、電池モジュール1が失効となり、安全リスクを招く。
【0046】
また、電極アセンブリ111は充放電過程において、電極シートがその厚さ方向に沿って膨張する。電極シートが膨張すると、第1の側壁112aは電極アセンブリ111に押されて変形する。D値が小さいほど、電極アセンブリ111の膨張時に第1の側壁112aに加える膨張力もより大きくなる。複数の電池11が第1の方向Xに沿って配列されているため、複数の電池11の膨張力は第1の方向Xにおいて重ね合わせて大きい合力が生成する。合力が大き過ぎると、電池11は押し潰されやすい。
【0047】
以上からわかるように、第1の側壁112aの面積S及び隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111の第1の方向Xにおける距離Dは、電池11のサイクル性能と安全性能に顕著な影響を与える。本開示の一実施例において、第1の側壁112aの面積S及び隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111の第1の方向Xにおける距離Dを総合的に考慮すると、1.2×10-5mm-1≦D/S≦500×10-5mm-1を満たす場合、電池11のサイクル性能と安全性能を同時に保証することができる。
【0048】
具体的には、D/Sの値が1.2×10-5mm-1より小さい場合、D値が小さ過ぎ、Sの値が大き過ぎる。ある電池11が熱暴走した場合、他の電池11の電極アセンブリ111と熱暴走した電極アセンブリ111の伝熱経路が短く、且つ伝熱面積が大きく、他の電池11の電極アセンブリ111は熱暴走した電極アセンブリ111から受ける影響が大きく、熱暴走しやすく、それにより電池モジュール1が失効となり、安全リスクを招く。電極アセンブリ111が膨張する時に第1の側壁112aに加える膨張力も大きくなる。複数の電池11の膨張力が第1の方向Xに重なると、電池11は押し潰されやすい。
【0049】
D/Sの値が500×10-5mm-1より大きい場合、D値が大き過ぎ、Sの値が小さ過ぎる。この時、D値が大き過ぎると、各電池11の電極アセンブリ111と第1の側壁112aとの距離が大きく、電極アセンブリ111が通常動作時に発生した熱は第1の側壁112aに伝達されにくい。同時に、Sの値が小さ過ぎると、第1の側壁112aの外部への放熱効率が低い。そのため、電極アセンブリ111が通常動作時に発生した熱は適時に放出されることができず、熱は電極アセンブリ111の内部に蓄積されやすいため、電極アセンブリ111内部の化学反応が激しくなり、電極アセンブリ111のサイクル寿命に影響を与える。
【0050】
好ましくは、第1の側壁112aの面積Sと隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111の第1の方向Xにおける距離Dは、関係式1.6×10-5mm-1≦D/S≦250×10-5mm-1を満たす。
【0051】
隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111の第1の方向Xにおける距離Dは、1mm~20mmであり、好ましくは1.2mm~10mmである。第1の側壁112aの面積Sは4000mm~60000mmである。
【0052】
ケース112は、電極アセンブリ111の、第1の方向Xに垂直である第2の方向Yに沿った両側にそれぞれ位置する2つの第2の側壁112bをさらに含む。好ましくは、第2の方向Yは垂直方向に平行である。第2の側壁112bは略平板状であり、且つ第2の方向Yに垂直である。
【0053】
2つの第1の側壁112aと2つの第2の側壁112bは電極アセンブリ111の外側を取り囲んでいる。充放電過程において、電極アセンブリ111が発生した熱は第1の側壁112aと第2の側壁112bを経由して外部へ伝達されることができる。
【0054】
好ましくは、第2の側壁112bの面積はSであり、且つSはSより大きい。本開示の一実施例において、電池11は第1の方向Xに沿って配列され、面積の小さい第1の側壁112aは、隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111が互いの温度に対する影響を低減することができる。同時に、第2の側壁112bが他の電池11の温度への影響は小さいため、熱を十分に外部へ放出するために、第2の側壁112bは大きい面積を有してもよい。
【0055】
ケース112は、第1の側壁112aと第2の側壁112bに接続され、且つ電極アセンブリ111の、トップカバープレート113aから離れた一側に位置する第3の側壁112cをさらに含む。
【0056】
図3に示すように、一実施例において、電極アセンブリ111は巻回型構造である。具体的には、第1の電極シート111a、第2の電極シート111b及びセパレータ111cはいずれも帯状構造であり、第1の電極シート111a、セパレータ111c及び第2の電極シート111bを順次に積層して2回転以上巻き取って電極アセンブリ111を形成するが、電極アセンブリ111は扁平状を呈する。電極アセンブリ111を製造する時、電極アセンブリ111をまず中空の円筒形構造に巻き取った後、扁平状に押しつけて平らにすることができる。図3は電極アセンブリ111の外形輪郭の模式図であり、電極アセンブリ111の外表面は、いずれも扁平面であり且つ第2の方向Yに沿って互いに対向する2つの第1の表面111dと、第1の方向Xに沿って互いに対向する2つの第2の表面111eとを含む。ここで、第1の表面111dは電極アセンブリ111の巻回軸と略平行であり、かつ面積が最も大きい表面である。第1の表面111dは相対的に平坦な表面であるが、純粋な平面を要求することではない。第2の表面111eの少なくとも一部は円弧面である。ここで、第1の表面111dの面積は第2の表面111eの面積より大きい。
【0057】
第1の表面111dは第2の方向Yに沿って第2の側壁112bに向けており、第2の表面111eは第1の方向Xに沿って第1の側壁112aに向けている。第2の表面111eは第1の側壁112aに向けておりかつ面積が小さいため、電極アセンブリ111から第1の側壁112aへ伝達する熱は少なく、それにより隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111が互いの温度に対する影響を低減する。第1の表面111dは第2の側壁112bに向けており、かつ面積が大きいため、電極アセンブリ111の大部分の熱は第2の側壁112bを経由して外部へ放出されることができる。
【0058】
電極アセンブリ111は充放電過程において、電極シートはその厚さ方向に沿って膨張する。巻回型の電極アセンブリ111において、第1の表面111dに垂直である方向に沿った膨張力が最も大きい。即ち、本開示の一実施例において、第2の表面111eを第1の側壁112aに向けることによって、電極アセンブリ111から第1の側壁112aに加える膨張力を減少することができる。本開示の一実施例において、複数の電池11は第1の方向Xに沿って配列されているため、全ての電極アセンブリ111の第1の方向Xにおける膨張力を重ね合わせたとしても、過大な合力が発生せず、それにより電池11が押し潰されるリスクを低減する。
【0059】
また、第2の表面111eの少なくとも一部は円弧面である。平面に比べ、円弧面と第1の側壁112aとの間により大きい隙間を有し、前記隙間は緩衝の役割を果たし、第2の表面111eから第1の側壁112aに加える膨張力を減少させる。また、円弧面は第1の側壁112aへ伝達される熱を減少させ、隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111が互いの温度に対する影響を低減することもできる。
【0060】
好ましくは、第1の側壁112aの面積Sと隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111の第1の方向Xにおける距離Dは、関係式5×10-5mm-1≦D/S≦200×10-5mm-1を満たす。
【0061】
電池モジュール1は、隣接する2つの電池11の間に位置し、隣接する2つの電池11の第1の側壁112aを接続する第1の接着部材12をさらに含む。隣接する2つの電池11は第1の接着部材12を経由して互いに伝熱することができる。
【0062】
第1の接着部材12は固体接着剤であってもよい。接着剤は凝固する前には液体又はペースト状であり、接着剤は2つの電池11の第1の側壁112aの間に塗布されて凝固し、それにより2つの電池11をしっかり接続させる。前記接着剤はエポキシ樹脂、ポリウレタン及びアクリル樹脂のうちの1つ又は複数の組み合わせから選択される。
【0063】
第1の接着部材12の第1の側壁112aを覆う面積はSであり、SとSは関係式0.25≦S/S≦0.95を満たす。S/Sの値が大きいほど、接続された2つの電池11の間の伝熱面積が大きくなり、伝熱速率が高くなる。ある電池11が熱暴走した場合、隣接する電池11も熱暴走しやすくなる。また、S/Sの値が大きいほど、第1の側壁112aの露出した領域もより小さくなり、第1の側壁112aから外部へ放熱する効率も低くなり、電極アセンブリ111は通常の動作状態において熱蓄積が発生しやすい。S/Sの値が小さいほど、第1の接着部材12と第1の側壁112aとの間の接続強度がより低く、電池パックが振動を受けた時、第1の接着部材12は第1の側壁112aから離脱しやすいため、電池モジュール1全体の強度が低くなり、電池11が筐体2から離脱するリスクを招く。出願人は電池11の放熱と接続強度を総合的に考慮して、好ましくは、0.25≦S/S≦0.95であると判断した。特に、Sの値は1500mm~16000mmである。
【0064】
第1の接着部材12の厚さはTである。T値が大きいほど、D値もより大きくなり、隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111の間の伝熱経路もより長くなり、隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111が互いの温度に対する影響も小さくなる。T値が大きいほど、第1の接着部材12が占有する空間もより大きくなる。
【0065】
の値とT値はいずれも隣接する電池11の間の伝熱効率に影響を与えることができる。好ましくは、SとTは、関係式300mm≦S/T≦32000mmを満たす。好ましくは、T値は0.5mm~5mmである。
【0066】
/Tの値が300mmより小さい場合、Sが小さ過ぎ、Tが大き過ぎる。Sが小さ過ぎると、第1の接着部材12と第1の側壁112aとの間の接続強度が不足になる。Tが大き過ぎると、第1の接着部材12が大きい空間を占有し、エネルギー密度を低減する。
【0067】
/Tの値が32000mmより大きい場合、Sが大き過ぎ、Tが小さ過ぎる。Sが大き過ぎると、隣接する電池11の間の伝熱面積が大きくなる。Tが小さ過ぎると、隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111の間の伝熱経路が短過ぎる。この時、隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111が互いの温度に対する影響が大きく、ある電池11が熱暴走した場合、隣接する電池11も熱暴走しやすい。
【0068】
電池11の充放電過程において、電極アセンブリ111が膨張し、第1の側壁112aを押し付け、これに対応して、第1の接着部材12が変形した第1の側壁112aに圧縮される。第1の接着部材12の圧縮される程度が大きいほど、D値がより小さくなり、隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111が互いの温度に対する影響も大きくなる。
【0069】
第1の接着部材12の弾性率はEである。E値が大きいほど、第1の接着部材12の圧縮程度がより低くなり、隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111が互いの温度に対する影響も小さくなる。当然ながら、第1の接着部材12から第1の側壁112aと電極アセンブリ111に加える反力も大きくなる。電極アセンブリ111の一部の領域は大きい反力を受けることによって、内部の電解液が押し出され、電極アセンブリ111の一部の領域の浸潤性が低くなり、リチウムイオンがセパレータ111cを通過することができず、リチウム析出が発生する。E値が小さいほど、第1の接着部材12の圧縮程度が大きくなり、隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111の間の伝熱経路が短くなり、隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111が互いの温度に対する影響も大きくなる。E値は100MPa~800MPaであってもよい。
【0070】
本開示の一実施例において、好ましくは、EとTは、関係式E×T≧50MPa・mmを満たす。Tが小さい場合、隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111の間の伝熱経路が短く、この時、第1の接着部材12の圧縮程度を減少させ、2つの電池11の電極アセンブリ111が互いの温度に対する影響を低減するために、第1の接着部材12は大きい弾性率を有してもよい。Tが大きい場合、隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111の間の伝熱経路が長くなり、この時、第1の接着部材12は小さい弾性率を有してもよい。第1の接着部材12の圧縮程度が大きいとしても、隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111の間の伝熱経路の長さは依然として要件を満たす。また、小さい弾性率は電極アセンブリ111の膨張力を解放し、リチウム析出のリスクを低減し、電池11の動力学性能を改善することもできる。
【0071】
第1の接着部材12の熱伝導率は0.2W/(m・K)~0.5W/(m・K)である。第1の接着部材12が小さい熱伝導率を有することで、第1の接着部材12の伝熱速率を減少させ、隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111が互いの温度に対する影響を低減することができる。
【0072】
図1を参照すると、本開示の電池モジュール1において、電池11は第2の方向Yに沿って積層されてもよい。好ましくは、電池11の第2の方向Yにおける層数は2~3である。第2の方向Yにおいて、隣接する2つの電池11の第2の側壁112bは第2の接着部材13を介して接続されることができる。当然ながら、第2の側壁112bの面積Sが大きいため、第2の方向Yにおいて、隣接する2つの電池11の温度は互いに影響を受けやすい。好ましくは、本開示の一実施例において、第2の方向Yに配列された電池11の数は第1の方向Xに配列された電池の数よりはるかに小さいため、ある電池11が熱暴走した場合、その影響を受けた電池11の数をできる限り減少させる。
【0073】
対応的に、電池モジュール1の第1の方向Xに沿ったサイズは電池モジュール1の第2の方向Yに沿ったサイズより大きい。電池11の第2の方向Yにおける膨張力が最も大きい。本開示の一実施例において、電池11の第2の方向Yに積層された層数を減少させることによって、電池モジュール1の最大膨張力を減少させ、電池11が押し潰されることを回避することができる。車両本体のシャーシ高さのサイズが限られているため、電池パックが占有する空間を減少させるために、好ましくは、第1の方向Xは水平方向に平行であり、第2の方向Yは垂直方向に平行である。
【0074】
が小さいほど、電池11がより薄くなる。電池パックの第2の方向Yにおけるサイズが一定である場合、電池11の第2の方向Yに積層された層数もより多くなる。同時に、第1の方向Xにおいて、隣接する電池11の間の伝熱面積もより小さい。Sが大きいほど、電池11がより厚く、電池パックの第2の方向Yにおけるサイズが一定である場合、電池11の第2の方向Yに積層された層数もより少なくなる。同時に、第1の方向Xにおいて、隣接する電池11の間の伝熱面積もより大きい。
【0075】
が小さいほど、第2の方向Yにおいて、隣接する電池11の間の伝熱面積もより小さい。Sが大きいほど、第2の方向Yにおいて、隣接する電池11の間の伝熱面積もより大きい。
【0076】
本開示の一実施例において、SとSが電池11への影響は、好ましくはS/(S+S)の値を0.1~0.4にする。S/(S+S)の値が0.1より小さい場合、Sは小さ過ぎ、Sは大き過ぎる。この場合、第2の方向Yにおいて、電池11の積層された層数が多く、且つ隣接する電池11の間の伝熱面積も大きいため、ある電池11が熱暴走した場合、第2の方向Yにおいて、それに隣接する電池11は影響を受けやすく、電池11が熱暴走するリスクが高くなる。S/(S+S)の値が0.4より大きい場合、Sは大き過ぎ、Sは小さ過ぎる。この場合、第1の方向Xにおいて隣接する2つの電池11の間の伝熱面積が大きいため、ある電池11が熱暴走した場合、第1の方向Xにおいて、それに隣接する電池11は影響を受けやすく、電池11が熱暴走するリスクが高くなる。
【0077】
第1の側壁112aの厚さは0.1mm~1.5mmである。第1の側壁112aの厚さが小さ過ぎると、D値も小さ過ぎ、隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111は互いの温度に影響を与えやすい。第1の側壁112aの厚さが大き過ぎると、ケース112は大きい空間を占有し、且つ大きい重量を有し、電池パックのエネルギー密度を低減する。
【0078】
第1の側壁112aの熱伝導率は100W/(m・K)~250W/(m・K)である。第1の側壁112aは高い熱伝導率を有するため、外部への放熱に役立ち、熱の蓄積を回避する。
【0079】
図4に示すように、代替的な実施例において、電極アセンブリ111は積層型構造である。具体的には、電極アセンブリ111は、複数の第1の電極シート111aと複数の第2の電極シート111bを含み、セパレータ111cが第1の電極シート111aと第2の電極シート111bとの間に設置されている。第1の電極シート111a、セパレータ111c及び第2の電極シート111bは第2の方向Yに沿って積層するように設置されている。積層型構造において、第1の電極シート111aと第2の電極シート111bはいずれもシート状であり、且つ第2の方向Yに略垂直である。図4は電極アセンブリ111の外形輪郭の模式図であり、電極アセンブリ111の外表面は、第2の方向Yに沿って互いに対向する2つの第1の表面111dと、第1の方向Xに沿って互いに対向する2つの第2の表面111eとを含む。ここで、第1の表面111dは面積の最も大きい表面である。第1の表面111dは相対的に平坦な表面であってもよく、純粋な平面を要求することではない。ここで、第1の表面111dの面積は第2の表面111eの面積より大きい。
【0080】
第1の表面111dは第2の方向Yに沿って第2の側壁112bに向けており、第2の表面111eは第1の方向Xに沿って第1の側壁112aに向けている。第2の表面111eは第1の側壁112aに向けており、且つ面積が小さいため、電極アセンブリ111から第1の側壁112aへ伝達する熱が少なく、それにより、隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111が互いの温度に対する影響を低減する。第1の表面111dは第2の側壁112bに向けており、且つ面積が大きいため、電極アセンブリ111の大部分の熱は第2の側壁112bを経由して外部へ放出されることができる。
【0081】
電極アセンブリ111は、充放電過程において、電極シートがその厚さ方向に沿って膨張する。積層型の電極アセンブリ111において、第1の表面111dに垂直である方向に沿った膨張力が最も大きい。即ち、本開示の一実施例において、第2の表面111eを第1の側壁112aに向けることによって、電極アセンブリ111から第1の側壁112aに加えた膨張力を減少させることができる。本開示の一実施例において、複数の電池11は第1の方向Xに沿って配列されているため、全ての電極アセンブリ111の第1の方向Xにおける膨張力を重ね合わせたとしても、過大な合力が発生せず、それにより電池11の押し潰されるリスクを低減する。
【0082】
以下、実施例に合わせて本開示の技術的解決手段をより具体的に説明する。
【0083】
実施例1は下記ステップに従って製造することができる。
【0084】
(i)正極活物質としてのNCM523、導電剤としてのアセチレンブラック、接着剤としてのPVDFを質量比96:2:2で混合し、溶媒NMPを加え、真空攪拌機の作用下でシステムが均一になるまで攪拌し、正極スラリーを得る。正極スラリーをアルミニウム箔に均一に塗布し、室温で乾燥させた後、乾燥炉に移して乾燥し続け、次に、冷間プレス、分割、切断によって第1の電極シート111aを得る。
【0085】
(ii)負極活物質である石墨、又は石墨と他の活物質を異なる質量比で得られた混合物、導電剤であるアセチレンブラック、増粘剤CMC、接着剤SBRを質量比96.4:1:1.2:1.4で混合し、溶媒である脱イオン水を加え、真空攪拌機の作用下でシステムが均一になるまで攪拌し、負極スラリーを得る。負極スラリーを銅箔に均一に塗布し、室温で乾燥させた後、乾燥炉に移して乾燥し続け、次に、冷間プレス、分割、切断によって第2の電極シート111bを得る。
【0086】
(iii)エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)及びジエチルカーボネート(DEC)を体積比1:1:1で混合して有機溶媒を得て、次に、十分に乾燥したリチウム塩LiPFを混合後の有機溶媒に溶解して、濃度1mol/Lの電解液を調製する。
【0087】
(iv)ポリエチレンフィルムをセパレータとして使用する。
【0088】
(v)第1の電極シート111a、セパレータ111c及び第2の電極シート111bを積層して複数回に巻回して、巻回したた後に、扁平状に押し付けて平らにして電極アセンブリ111を製造する。電極アセンブリ111は2つの面積の大きい第1の表面111d及び2つの面積の小さい第2の表面111eを有する。
【0089】
(vi)電極アセンブリ111とトップカバーアセンブリ113とを接続し、次に電極アセンブリ111をケース112内に入れ、さらにトップカバーアセンブリ113のトップカバープレート113aをケース112に溶接し、最後に、注入、静置、化成、整形等のプロセスを経て、電池11を得る。ケース112の、第2の表面111eに対向する壁は第1の側壁112aであり、ケース112の、第1の表面111dに対向する壁は第2の側壁112bである。第1の側壁112aに垂直である方向において、ケース112のサイズは180mmであり、第2の側壁112bに垂直である方向において、ケース112のサイズは50mmである。第1の側壁112aと第2の側壁112bに平行である方向において、ケース112のサイズは190mmである。計算によると、第1の側壁112aの面積Sは9500mmであり、第2の側壁112bのSは34200mmである。
【0090】
(vii)1つの電池11の第1の側壁112aに接着剤を塗布し、次に、もう1つの電池11の第1の側壁112aを接着剤に貼り付ける。接着剤が固化された後に第1の接着部材12を形成する。第1の接着部材12は2つの電池11を接続する。ここで、第1の接着部材12の第1の側壁112aを覆う面積Sは5000mmであり、第1の接着部材12の厚さTは1mmであり、第1の接着部材12の弾性率Eは450MPaである。
【0091】
(viii)X線CTスキャナーを利用し、2つの電池11の電極アセンブリ111の距離Dを検出する。
【0092】
ここで補充すべきことは、ケース112の大きさ、ステップ(v)における巻回の巻数、ステップ(vii)における第1の接着部材12の厚さT等のパラメータを制御することによって、2つの電池11の電極アセンブリ111の距離Dを変更することができる。ステップ(vii)において、接着剤の塗布面積及び塗布厚さを制御することによって、Sの値とT値を変更することができる。接着剤の成分を調整することによって第1の接着部材12の弾性率Eを調整することができる。第1の接着部材12の弾性率Eは検出器DMA-Q800を利用して検出することができる。
【0093】
実施例2~30と比較例1~5は実施例1と同じ製造方法を使用する。相違点は、2つの電池11の電極アセンブリ111の第1の方向Xにおける距離D、第1の側壁112aの面積S、第1の接着部材12の第1の側壁112aを覆う面積S、第1の接着部材12の厚さT及び第1の接着部材12の弾性率Eである。
【0094】
以下、実施例1~30と比較例1~5に対して試験を行う。
【0095】
釘刺し試験:密閉の環境において、治具で2つの電池11を固定し、2つの電池11を充放電する。次に、電池11を釘刺し、釘刺された電池11が短絡して熱暴走する。最後に、もう1つの電池11の熱暴走時間を観察し、2つの電池11の熱暴走の時間間隔Mを観察する。熱暴走の表現形式は煙が出ることである。
【0096】
サイクル性能試験:常温の環境において、2つの電池11を1Cの倍率で充電し、1Cの倍率で放電し、電池11の容量が初期容量の80%に減衰するまで完全充放電のサイクル試験を行い、サイクル回数Nを記録する。
【0097】
各実施例は10組であり、5組に対して釘刺し試験を行って、平均値を計算し、5組に対してサイクル性能試験を行って、平均値を計算する。各比較例は10組であり、5組に対して釘刺し試験を行って、平均値を計算し、5組に対してサイクル性能試験を行って、平均値を計算する。
【0098】
比較例1~2を参照すると、D/Sの値が1.2×10-5mm-1より小さい場合、正常な電池11と針刺された電池11との間の伝熱経路は短く、且つ伝熱面積が大きく、針刺された電池11の影響下で、正常な電池11は10min以内に熱暴走する。電池11は一般的に電気自動車の動力機構として用いられるため、D/Sの値が1.2×10-5mm-1より小さい場合、2つの電池11の熱暴走の時間間隔が短く、電池モジュール全体は短い時間内に爆発することになり、それにより、安全事故を招く。比較例3~5を参照すると、D/Sの値が500×10-5mm-1より大きい場合、電極アセンブリ111が通常動作時に発生した熱は外部へ放出されにくいため、熱が電極アセンブリ111の内部に蓄積し、電池11のサイクル回数が1200より小さいことになり、電池11のサイクル性能に大きな影響を与える。
【0099】
実施例1~30を参照すると、本開示の一実施例において、D/Sの値が関係式1.2×10-5mm-1≦D/S≦500×10-5mm-1を満たすようにすることによって、電池11の安全性能とサイクル性能との間のバランスを取る。具体的には、本開示の一実施例において、D/S値を1.2×10-5mm-1以上に設定することによって、2つの電池11の熱暴走の時間間隔を延長し、乗客のためにより長い反応時間を提供し、安全リスクを低減する。本開示の一実施例において、D/Sの値を500×10-5mm-1以下にすることによって、電極アセンブリ111の通常動作時に発生した熱蓄積を低減し、電池11のサイクル性能を改善する。
【0100】
実施例1~7を参照すると、他のパラメータが決定された場合、D値を変更することによって電池の安全性能とサイクル性能を調整することができる。D値を増加させることによって、2つの電池11の熱暴走の時間間隔を効果的に延長することができる。但し、Dが増加することに伴って、電池11のサイクル性能は低下する。
【0101】
実施例2、8~14を参照すると、他のパラメータが決定された場合、Sの値を変更することによって電池の安全性能とサイクル性能を調整することもできる。Sの値を増加させることによって、電池11のサイクル回数を向上させ、電池11のサイクル性能を改善することができる。しかしながら、Sが増加すると、2つの電池11の熱暴走の時間間隔も短縮する。
【0102】
そのため、出願人はDとSによる電池11の安全性能とサイクル性能への影響を総合的に考慮して、好ましくは、5×10-5mm-1≦D/S≦200×10-5mm-1であると判断した。
【0103】
実施例2、21~23を参照すると、他のパラメータが決定された場合、Sの値を変更することによって、電池の安全性能とサイクル性能を調整することもできる。Sの値が大きいほど、2つの電池11の間の伝熱面積がより大きく、2つの電池11の熱暴走の時間間隔もより短くなる。同時に、第1の側壁112aの露出した領域が小さくなり、第1の側壁112aの外部への放熱効率がより低く、電極アセンブリ111は通常の動作状態において熱蓄積がより発生しやすい。そのため、2つの電池11の間の接続強度を保証する前提下で、Sの値を減少させることによって電池11の安全性能とサイクル性能を改善することができる。
【0104】
実施例2、24~27を参照すると、他のパラメータが決定された場合、T値を変更することによって、電池11の安全性能を改善することができる。実施例2、24~27において、T値はD値に正比例する。Tが増加すると、D値もそれに伴って増加し、これにより伝熱経路を延長し、2つの電池11の熱暴走の時間間隔を延長することができる。同時に、Tが増加すると、電極アセンブリ111と第1の側壁112aとの間の距離は変更せず、即ち、Tが増加した場合、電極アセンブリ111の正常な動作状態における放熱への影響が小さい。当然ながら、空間利用率を考慮すると、T値は大き過ぎてはならない。
【0105】
実施例2、28~30を参照すると、他のパラメータが決定された場合、E値を変更することによって電池11の安全性能とサイクル性能を調整することができる。E値が大きいほど、第1の接着部材12の圧縮程度がより低く、隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111が互いの温度に対する影響もより小さくなる。当然ながら、第1の接着部材12から第1の側壁112aと電極アセンブリ111に加える反力もより大きい。電極アセンブリ111の一部の領域は大きい反力を受けて、内部の電解液が押し出され、電極アセンブリ111の一部の領域の浸潤性が低くなり、リチウムイオンがセパレータ111cを通過できずリチウム析出が発生する。E値が小さいほど、第1の接着部材12の圧縮程度がより大きく、隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111の間の伝熱経路がより短く、隣接する2つの電池11の電極アセンブリ111が互いの温度に対する影響もより大きくなる。本開示の一実施例において、Eの電池11の安全性能とサイクル性能への影響を考慮すると、好ましくは、E値は300MPa~600MPaである。
【表1-1】
【表1-2】
【符号の説明】
【0106】
1 電池モジュール、
11 電池、
111 電極アセンブリ、
111a 第1の電極シート、
111b 第2の電極シート、
111c セパレータ、
111d 第1の表面、
111e 第2の表面、
112 ケース、
112a 第1の側壁、
112b 第2の側壁、
112c 第3の側壁、
113 トップカバーアセンブリ、
113a トップカバープレート、
113b 電極端子、
12 第1の接着部材、
13 第2の接着部材、
2 筐体、
21 上筐蓋、
22 下筐体、
X 第1の方向、
Y 第2の方向、
Z 第3の方向
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2021-10-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池モジュール(1)であって、
第1の方向(X)に沿って順次に配置された複数の電池(11)を含み、
電池(11)は、それぞれ、ケース(112)と、ケース(112)内に収容された電極アセンブリ(111)と、ケース(112)に接続されたトップカバーアセンブリ(113)とを含み、
ケース(112)は、電極アセンブリ(111)の第1の方向(X)に沿った対向する両側にそれぞれ位置する2つの第1の側壁(112a)を含み、
隣接する2つの電池(11)の第1の側壁(112a)は対向するように設置されており、
第1の側壁(112a)の面積はSであり、隣接する2つの電池(11)の電極アセンブリ(111)の第1の方向(X)における距離はDであると、SとDは、関係式
1.2×10-5mm-1≦D/S≦500×10-5mm-1
を満たすことを特徴とする、電池モジュール(1)。
【請求項2】
第1の側壁(112a)の面積Sと隣接する2つの電池(11)の電極アセンブリ(111)の第1の方向(X)における距離Dは、関係式
1.6×10-5mm-1≦D/S≦250×10-5mm-1
を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール(1)。
【請求項3】
隣接する2つの電池(11)の電極アセンブリ(111)の第1の方向(X)における距離Dは1.2mm~10mmであり、第1の側壁(112a)の面積Sは4000mm~60000mmである、
ことを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール(1)。
【請求項4】
ケース(112)は、電極アセンブリ(111)の、第1の方向(X)に垂直である第2の方向(Y)に沿った両側にそれぞれ位置する2つの第2の側壁(112b)をさらに含み、
第2の側壁(112b)の面積はSであり、且つSはSより大きい、
ことを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール(1)。
【請求項5】
電極アセンブリ(111)は2つの第1の表面(111d)と2つの第2の表面(111e)を有し、第1の表面(111d)の面積は第2の表面(111e)の面積より大きく、第1の表面(111d)は第2の方向(Y)に沿って第2の側壁(112b)に向けており、第2の表面(111e)は第1の方向(X)に沿って第1の側壁(112a)に向けていることを特徴とする、請求項4に記載の電池モジュール(1)。
【請求項6】
電極アセンブリ(111)は、第1の電極シート(111a)、第2の電極シート(111b)、及び第1の電極シート(111a)と第2の電極シート(111b)との間に設置されたセパレータ(111c)を含み、
第1の電極シート(111a)、セパレータ(111c)及び第2の電極シート(111b)は扁平状に巻回され、2つの第1の表面(111d)は扁平面であり、第2の方向(Y)に沿って互いに対向しているか、又は、
第1の電極シート(111a)、セパレータ(111c)及び第2の電極シート(111b)は第2の方向(Y)に沿って積層されている、
ことを特徴とする、請求項5に記載の電池モジュール(1)。
【請求項7】
1の電極シート(111a)、セパレータ(111c)及び第2の電極シート(111b)は扁平状に巻回され、第2の表面(111e)の少なくとも一部は円弧面である、
ことを特徴とする、請求項に記載の電池モジュール(1)。
【請求項8】
電池モジュール(1)の第1の方向(X)に沿ったサイズは電池モジュール(1)の第2の方向(Y)に沿ったサイズより大きい
ことを特徴とする、請求項6に記載の電池モジュール(1)。
【請求項9】
第1の側壁(112a)の面積Sと隣接する2つの電池(11)の電極アセンブリ(111)の第1の方向(X)における距離Dは、関係式
5×10-5mm-1≦D/S≦200×10-5mm-1
を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール(1)。
【請求項10】
電池モジュール(1)は、隣接する2つの電池(11)の間に位置し、隣接する2つの電池(11)の第1の側壁(112a)を接続する第1の接着部材(12)をさらに含み、
第1の接着部材(12)の第1の側壁(112a)を覆う面積はSであり、SとSは、関係式
0.25≦S/S≦0.95
を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール(1)。
【請求項11】
第1の接着部材(12)の厚さはTであり、SとTは、関係式
300mm≦S/T≦32000mm
を満たすことを特徴とする、請求項10に記載の電池モジュール(1)。
【請求項12】
第1の接着部材(12)の弾性率はEであり、EとTは、関係式
E×T≧50MPa・mm
を満たすことを特徴とする、請求項11に記載の電池モジュール(1)。
【請求項13】
第1の接着部材(12)は、エポキシ樹脂、ポリウレタン及びアクリル樹脂のうちの1つ又は複数の組み合わせから選択される接着剤である、
ことを特徴とする、請求項10に記載の電池モジュール(1)。
【請求項14】
筐体(2)と、筐体(2)内に収容された電池モジュール(1)とを含み
前記電池モジュール(1)は、第1の方向(X)に沿って順次に配置された複数の電池(11)を含み、
電池(11)は、それぞれ、ケース(112)と、ケース(112)内に収容された電極アセンブリ(111)と、ケース(112)に接続されたトップカバーアセンブリ(113)とを含み、
ケース(112)は、電極アセンブリ(111)の第1の方向(X)に沿った対向する両側にそれぞれ位置する2つの第1の側壁(112a)を含み、
隣接する2つの電池(11)の第1の側壁(112a)は対向するように設置されており、
第1の側壁(112a)の面積はS であり、隣接する2つの電池(11)の電極アセンブリ(111)の第1の方向(X)における距離はDであると、S とDは、関係式
1.2×10 -5 mm -1 ≦D/S ≦500×10 -5 mm -1
を満たす
ことを特徴とする電池パック。
【請求項15】
前記ケース(112)は、電極アセンブリ(111)の、第1の方向(X)に垂直である第2の方向(Y)に沿った両側にそれぞれ位置する2つの第2の側壁(112b)をさらに含み、
第2の側壁(112b)の面積はS であり、且つS はS より大きい、
ことを特徴とする、請求項14に記載の電池パック。
【請求項16】
電極アセンブリ(111)は2つの第1の表面(111d)と2つの第2の表面(111e)を有し、第1の表面(111d)の面積は第2の表面(111e)の面積より大きく、第1の表面(111d)は第2の方向(Y)に沿って第2の側壁(112b)に向けており、第2の表面(111e)は第1の方向(X)に沿って第1の側壁(112a)に向けていることを特徴とする、請求項15に記載の電池パック。
【請求項17】
電極アセンブリ(111)は、第1の電極シート(111a)、第2の電極シート(111b)、及び第1の電極シート(111a)と第2の電極シート(111b)との間に設置されたセパレータ(111c)を含み、
第1の電極シート(111a)、セパレータ(111c)及び第2の電極シート(111b)は扁平状に巻回され、2つの第1の表面(111d)は扁平面であり、第2の方向(Y)に沿って互いに対向しているか、又は、
第1の電極シート(111a)、セパレータ(111c)及び第2の電極シート(111b)は第2の方向(Y)に沿って積層されている、
ことを特徴とする、請求項16に記載の電池パック。
【請求項18】
電池モジュール(1)の第1の方向(X)に沿ったサイズは電池モジュール(1)の第2の方向(Y)に沿ったサイズより大きい
ことを特徴とする、請求項14に記載の電池パック。
【請求項19】
車両本体及び前記車両本体に設置された電池パックを含む車両であって、
前記電池パックは、筐体(2)と、筐体(2)内に収容された電池モジュール(1)を含み、
前記電池モジュール(1)は、第1の方向(X)に沿って順次に配置された複数の電池(11)を含み、
電池(11)は、それぞれ、ケース(112)と、ケース(112)内に収容された電極アセンブリ(111)と、ケース(112)に接続されたトップカバーアセンブリ(113)とを含み、
ケース(112)は、電極アセンブリ(111)の第1の方向(X)に沿った対向する両側にそれぞれ位置する2つの第1の側壁(112a)を含み、
隣接する2つの電池(11)の第1の側壁(112a)は対向するように設置されており、
第1の側壁(112a)の面積はS であり、隣接する2つの電池(11)の電極アセンブリ(111)の第1の方向(X)における距離はDであると、S とDは、関係式
1.2×10 -5 mm -1 ≦D/S ≦500×10 -5 mm -1
を満たす
ことを特徴とする、車両。
【請求項20】
請求項14から18のいずれか一項に記載の電池パックを含み、前記電池パックにより電力が供給される装置。
【国際調査報告】