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特表2022-522558改良された鉛酸電池セパレータ、耐反り性セパレータ、電池、システム、および関連方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-20
(54)【発明の名称】改良された鉛酸電池セパレータ、耐反り性セパレータ、電池、システム、および関連方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/12 20060101AFI20220413BHJP
   H01M 4/14 20060101ALI20220413BHJP
   H01M 4/74 20060101ALI20220413BHJP
   H01M 50/46 20210101ALI20220413BHJP
   H01M 50/463 20210101ALI20220413BHJP
   H01M 50/466 20210101ALI20220413BHJP
   H01M 50/403 20210101ALI20220413BHJP
   H01M 50/44 20210101ALI20220413BHJP
   H01M 50/454 20210101ALI20220413BHJP
【FI】
H01M10/12 K
H01M4/14 Q
H01M4/74 B
H01M4/74 D
H01M50/46
H01M50/463 A
H01M50/466
H01M50/403 C
H01M50/44
H01M50/454
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021507916
(86)(22)【出願日】2019-08-16
(85)【翻訳文提出日】2021-04-14
(86)【国際出願番号】 US2019046770
(87)【国際公開番号】W WO2020037183
(87)【国際公開日】2020-02-20
(31)【優先権主張番号】62/719,185
(32)【優先日】2018-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505458359
【氏名又は名称】ダラミック エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,エリック,エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ロー,スターリング,タッカー
(72)【発明者】
【氏名】ワルター,ウィリアム,エイ.
(72)【発明者】
【氏名】サフェル,ロバート,ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】三宅 直人
【テーマコード(参考)】
5H017
5H021
5H028
5H050
【Fターム(参考)】
5H017AA01
5H017CC05
5H017CC10
5H017HH03
5H021BB11
5H021CC02
5H021CC04
5H021CC05
5H021CC09
5H021CC12
5H021CC18
5H021HH03
5H021HH10
5H028AA05
5H028BB05
5H028CC07
5H028CC08
5H028CC10
5H028HH05
5H050AA07
5H050BA09
5H050CA06
5H050CB15
5H050DA05
5H050DA19
5H050FA12
5H050HA04
(57)【要約】
鉛酸電池のための改良された電極板およびセパレータアセンブリ、上記改良されたアセンブリを組み込んだ改良された鉛酸セルまたは電池、上記改良されたアセンブリおよび/または電池を組み込んだシステムまたは車両、ならびにこれらに関連する方法が必要とされている。
【解決手段】
電極板は、スタンピング、キャスト、またはエキスパンドメタル製造プロセスのグリッドを有し得る。グリッドは、不均一な適用の活物質を有し得る。セパレータは、いずれの板の反りまたは板の撓みにも耐えるまたはこれを軽減するための支持構造を好ましくは付与する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリッドおよび活物質を含む電極板において、前記グリッドが、第1のグリッドエッジおよび第2のグリッドエッジを含み、前記グリッドが、およそ1.0mm未満のグリッド厚さを有する、前記電極板と、
第1の膜エッジに隣接する第1のサイドレーン、第2の膜エッジに隣接する第2のサイドレーン、および前記第1のサイドレーンと前記第2のサイドレーンとの間に配置されている中央部分を有する、前記電極板に隣接して配置されている多孔質膜において、前記中央部分内で第1の膜表面からまたは前記膜表面内に延在する複数の一次リブを有する前記第1の膜表面、ならびに前記第1のサイドレーン内に配置されている二次リブの第1のアレイおよび前記第2のサイドレーン内に配置されている二次リブの第2のアレイを含む前記多孔質膜と、を含む、電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項2】
前記第1のグリッドエッジが、前記第1のサイドレーン内に配置されており、前記第2のグリッドエッジが、前記第2のサイドレーン内に配置されている、請求項1に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項3】
前記グリッドが、その上に配置されている活物質を含み、前記活物質が、前記グリッドに不均一に配置されている、請求項1に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項4】
前記グリッドが、不均一な幾何学形状を含む、請求項1に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項5】
前記複数の一次リブが、均一な高さおよび均一な分布を含む、請求項1に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項6】
前記の二次リブの第1のアレイおよび前記の二次リブの第2のアレイのいずれかまたは両方が、前記複数の一次リブよりも密集している、請求項1に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項7】
前記複数の一次リブが、前記多孔質膜の縦方向に長手方向に配置されている、請求項1に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項8】
前記の二次リブの第1のアレイおよび前記の二次リブの第2のアレイのいずれかまたは両方が、前記縦方向に、かつ、前記複数の一次リブと実質的に平行に、長手方向に配置されている、請求項7に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項9】
前記の二次リブの第1のアレイおよび前記の二次リブの第2のアレイのいずれかまたは両方が、幅方向に、側方に配置されている、請求項7に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項10】
前記の二次リブの第1のアレイおよび前記の二次リブの第2のアレイのいずれかまたは両方が、前記複数の一次リブに平行でない、請求項1に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項11】
前記の二次リブの第1のアレイおよび前記の二次リブの第2のアレイのいずれかまたは両方が、前記の一次リブのアレイに直交して配置されている、請求項10に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項12】
前記複数の一次リブ、前記の二次リブの第1のアレイ、または前記の二次リブの第2のアレイのいずれかが、以下からなる群:固体リブ、別個の破断リブ、連続リブ、不連続リブ、不連続ピーク、不連続突起、角度付きリブ、傾斜リブ、線状リブ、前記多孔質膜の実質的に縦方向に長手方向に延在するリブ、前記多孔質膜の実質的に幅方向に側方に延在するリブ、前記セパレータの実質的に幅方向に横方向に延在するリブ、別個の歯状物、歯状リブ、鋸歯状物、鋸歯状リブ、狭間胸壁、狭間胸壁状リブ、曲面リブ、連続正弦波状リブ、不連続正弦波状リブ、S形状リブ、連続ジグザグ-鋸歯様リブ、破断された不連続ジグザグ-鋸歯様リブ、溝、チャネル、テクスチャ領域、エンボス、ディンプル、カラム、ミニカラム、多孔質、非多孔質、クロスリブ、ミニリブ、クロスミニリブ、およびこれらの組み合わせ;のうちの1つである、請求項1に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項13】
前記グリッドが、スタンピンググリッド、キャストグリッド、およびエキスパンドメタルグリッドからなる群のうちの1つである、請求項1に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項14】
前記グリッドが、反りやすい、請求項1に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項15】
前記電極板が、正極板である、請求項1に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項16】
前記電極板が、負極板である、請求項1に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項17】
前記グリッドが、第1のグリッド表面および第2のグリッド表面を有し、前記活物質が、前記第2のグリッド表面と比較して前記第1のグリッド表面により高度に分布されている、請求項1に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項18】
前記活物質が、前記グリッドの表面に不均一に分布されている、請求項1に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項19】
前記多孔質膜が、第2の膜表面上にリブの第3のアレイを有する前記第2の膜表面を含む、請求項1に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項20】
前記のリブの第3のアレイが、以下からなる群:固体リブ、別個の破断リブ、連続リブ、不連続リブ、不連続ピーク、不連続突起、角度付きリブ、傾斜リブ、線状リブ、前記多孔質膜の実質的に縦方向に長手方向に延在するリブ、前記多孔質膜の実質的に幅方向に側方に延在するリブ、前記セパレータの実質的に幅方向に横方向に延在するリブ、別個の歯状物、歯状リブ、鋸歯状物、鋸歯状リブ、狭間胸壁、狭間胸壁状リブ、曲面リブ、連続正弦波状リブ、不連続正弦波状リブ、S形状リブ、連続ジグザグ-鋸歯様リブ、破断された不連続ジグザグ-鋸歯様リブ、溝、チャネル、テクスチャ領域、エンボス、ディンプル、カラム、ミニカラム、多孔質、非多孔質、クロスリブ、ミニリブ、クロスミニリブ、およびこれらの組み合わせ;のうちの1つである、請求項19に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項21】
前記多孔質膜が、エンベロープセパレータ、ハイブリッドエンベロープセパレータ、スリーブセパレータ、ポケットセパレータ、ラップセパレータ、切断片セパレータ、およびリーフセパレータからなる群のうちの1つである、請求項1に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項22】
前記多孔質膜が、エンベロープ、およびハイブリッドエンベロープ、スリーブセパレータ、ポケットセパレータ、ならびにラップセパレータからなる群のうちの1つであり;
前記多孔質膜が、圧着、溶接、超音波溶接、熱溶接、接着剤、およびこれらの組み合わせから形成される少なくとも1つのシールされたエッジを含む、請求項21に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項23】
不均一な幾何学形状を有するグリッドを含む電極板;および
第1の膜表面上に配置されていて第1の膜エッジから第2の膜エッジに延在している一次リブのアレイを有する前記第1の膜表面を含む多孔質膜;
を含む電極およびセパレータアセンブリであって、
前記の一次リブのアレイが均一な高さを有する、
電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項24】
前記グリッドが、第1のグリッド表面および第2のグリッド表面を有し、前記活物質が、前記第2のグリッド表面と比較して前記第1のグリッド表面により高度に分布されている、請求項23に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項25】
前記グリッドが、表面に不均一に分布されている活物質を含む、請求項23に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項26】
前記グリッドが、およそ1.0mm未満の厚さを含む、請求項23に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項27】
前記グリッドが、スタンピンググリッド、キャストグリッド、およびエキスパンドメタルグリッドからなる群のうちの1つである、請求項23に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項28】
前記グリッドが、反りやすい、請求項23に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項29】
前記電極板が、正極板である、請求項23に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項30】
前記電極板が、負極板である、請求項23に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項31】
前記の一次リブのアレイが、縦方向に長手方向に配置されており、幅方向に均一に側方に離間している、請求項23に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項32】
前記の一次リブのアレイが、縦方向に長手方向に配置されており、幅方向に不均一に側方に離間している、請求項23に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項33】
前記の一次リブのアレイが、以下からなる群:固体リブ、別個の破断リブ、連続リブ、不連続リブ、不連続ピーク、不連続突起、角度付きリブ、傾斜リブ、線状リブ、前記多孔質膜の実質的に縦方向に長手方向に延在するリブ、前記多孔質膜の実質的に幅方向に側方に延在するリブ、前記セパレータの実質的に幅方向に横方向に延在するリブ、別個の歯状物、歯状リブ、鋸歯状物、鋸歯状リブ、狭間胸壁、狭間胸壁状リブ、曲面リブ、連続正弦波状リブ、不連続正弦波状リブ、S形状リブ、連続ジグザグ-鋸歯様リブ、破断された不連続ジグザグ-鋸歯様リブ、溝、チャネル、テクスチャ領域、エンボス、ディンプル、カラム、ミニカラム、多孔質、非多孔質、クロスリブ、ミニリブ、クロスミニリブ、およびこれらの組み合わせ;のうちの1つである、請求項23に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項34】
そこから延在しているリブのアレイを有する第2の膜表面をさらに含む、請求項23に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項35】
前記のリブのアレイが、以下からなる群:固体リブ、別個の破断リブ、連続リブ、不連続リブ、不連続ピーク、不連続突起、角度付きリブ、傾斜リブ、線状リブ、前記多孔質膜の実質的に縦方向に長手方向に延在するリブ、前記多孔質膜の実質的に幅方向に側方に延在するリブ、前記セパレータの実質的に幅方向に横方向に延在するリブ、別個の歯状物、歯状リブ、鋸歯状物、鋸歯状リブ、狭間胸壁、狭間胸壁状リブ、曲面リブ、連続正弦波状リブ、不連続正弦波状リブ、S形状リブ、連続ジグザグ-鋸歯様リブ、破断された不連続ジグザグ-鋸歯様リブ、溝、チャネル、テクスチャ領域、エンボス、ディンプル、カラム、ミニカラム、多孔質、非多孔質、クロスリブ、ミニリブ、クロスミニリブ、およびこれらの組み合わせ;のうちの1つである、請求項34に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項36】
前記第1の膜表面が、前記電極板を向いて、隣接している、請求項23に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項37】
前記第2の膜表面が、前記電極板を向いて、隣接している、請求項34に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項38】
前記多孔質膜が、エンベロープセパレータ、ハイブリッドエンベロープセパレータ、スリーブセパレータ、ポケットセパレータ、ラップセパレータ、切断片セパレータ、およびリーフセパレータからなる群のうちの1つである、請求項23に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項39】
前記多孔質膜が、エンベロープ、およびハイブリッドエンベロープ、スリーブセパレータ、ポケットセパレータ、ならびにラップセパレータからなる群のうちの1つであり;
前記多孔質膜が、圧着、溶接、超音波溶接、熱溶接、接着剤、およびこれらの組み合わせから形成される少なくとも1つのシールされたエッジを含む、請求項38に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項40】
グリッドおよび活物質を含む電極板において;
前記グリッドが、第1のグリッドエッジおよび第2のグリッドエッジを含み、
前記活物質が、前記グリッドに不均一に分布されている、前記電極板;ならびに
前記第1のグリッドエッジおよび前記第2のグリッドエッジを支持する支持構造を有する第1の膜表面を含む多孔質膜
を含む、電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項41】
前記第1のグリッドエッジが、少なくとも第1のグリッドコーナーを含み、前記第2のグリッドエッジが、少なくとも第2のグリッドコーナーを含む、請求項40に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項42】
前記支持構造が、均一な高さを有するリブの第1のアレイを含む、請求項40に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項43】
前記のリブの第1のアレイが、前記多孔質膜の第1の膜エッジから前記多孔質膜の第2の膜エッジに側方に均一に離間している、請求項42に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項44】
前記のリブの第1のアレイが、前記多孔質膜の第1の膜エッジから前記多孔質膜の第2の膜エッジに側方に不均一に離間している、請求項42に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項45】
前記のリブの第1のアレイが、前記多孔質膜の中央部分において離間しているリブと比較して、前記第1の膜エッジと隣接する第1の膜領域において、より密集しており、また、前記第2の膜エッジに隣接する第2の膜領域において、より密集している、請求項44に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項46】
前記のリブの第1のアレイが、第1のグリッドエッジから前記第2のグリッドエッジに側方に均一に離間している、請求項42に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項47】
前記のリブの第1のアレイが、前記第1のグリッドエッジから前記第2のグリッドエッジに側方に不均一に離間している、請求項42に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項48】
前記のリブの第1のアレイが、前記グリッドの中央部分において離間しているリブと比較して、前記第1のグリッドエッジに隣接する第1の領域において、より密集しており、また、前記第2のグリッドエッジに隣接する第2の領域において、より密集している、請求項47に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項49】
前記支持構造が、繊維マットを含む、請求項40に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項50】
前記繊維マットが、前記第1のグリッドエッジから前記第2のグリッドエッジに延在する、請求項49に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項51】
前記支持構造が、前記第1のグリッドエッジに隣接する第1の繊維マット、および前記第2のグリッドエッジに隣接する第2の繊維マットを含む、請求項40に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項52】
前記グリッドが、第1のグリッド表面および第2のグリッド表面を有し、前記活物質が、前記第2のグリッド表面と比較して前記第1のグリッド表面により高度に分布されている、請求項40に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項53】
前記活物質が、前記グリッドの表面に不均一に分布されている、請求項40に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項54】
前記グリッドが、スタンピンググリッド、キャストグリッド、およびエキスパンドメタルグリッドからなる群のうちの1つである、請求項40に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項55】
前記電極板が、反りやすい、請求項40に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項56】
前記電極板が、カソード板である、請求項40に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項57】
前記電極板が、アノード板である、請求項40に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項58】
前記多孔質膜が、エンベロープセパレータ、ハイブリッドエンベロープセパレータ、スリーブセパレータ、ポケットセパレータ、ラップセパレータ、切断片セパレータ、およびリーフセパレータからなる群のうちの1つである、請求項40に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項59】
前記多孔質膜が、エンベロープ、およびハイブリッドエンベロープ、スリーブセパレータ、ポケットセパレータ、ならびにラップセパレータからなる群のうちの1つであり;
前記多孔質膜が、圧着、溶接、超音波溶接、熱溶接、接着剤、およびこれらの組み合わせから形成される少なくとも1つのシールされたエッジを含む、請求項58に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項60】
請求項1、23、または40に記載の電極およびセパレータアセンブリを含む鉛酸セルまたは鉛酸電池。
【請求項61】
以下:運転中、静止中、バックアップ電源用途において、ディープサイクル用途において、サイクル用途において、部分充電状態において、およびこれらの組み合わせ;からなる状態のうちの1つにおいて作動する、請求項60に記載の鉛酸電池。
【請求項62】
平板電池、液式鉛酸電池、強化型液式鉛酸電池(「EFB」)、制御弁式鉛酸(「VRLA」)電池、ディープサイクル電池、ゲル電池、吸収性ガラスマット(「AGM」)電池、管状電池、インバータ電池、車両用電池、始動-照明-点火(「SLI」)車両用電池、アイドリング-スタート-ストップ(「ISS」)車両用電池、自動車用電池、トラック用電池、船舶用電池、オートバイ用電池、全地形対応車用電池、フォークリフト用電池、ゴルフカート用電池、ハイブリッド電気自動車用電池、電気自動車用電池、電気人力車用電池、電気三輪車用電池、および電気自転車用電池からなる群から選択される、請求項60に記載の鉛酸電池。
【請求項63】
請求項60に記載の鉛酸セルまたは鉛酸電池を含むシステム。
【請求項64】
車両をさらに含み、前記車両が、自動車、トラック、オートバイ、全地形対応車両、フォークリフト、ゴルフカート、ハイブリッド車、ハイブリッド電気自動車、電気自動車、アイドリング-スタート-ストップ(「ISS」)車両、水容器、電気人力車、電気三輪車、および電気自転車からなる群から選択される、請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
以下:運転中、静止中、バックアップ電源用途において、ディープサイクル用途において、サイクル用途において、部分充電状態において、およびこれらの組み合わせ;からなる状態のうちの1つにおいて作動する、請求項63に記載のシステム。
【請求項66】
以下:無停電電源、エネルギー蓄積システム、電源バックアップシステム、再生可能エネルギー貯蔵システム、およびこれらの組み合わせ;からなる群のうちの1つである、請求項63に記載のシステム。
【請求項67】
反りやすいグリッドを有する電極板を付与すること;
前記グリッドに隣接する支持構造を位置付けること
を含む、電極およびセパレータアセンブリにおけるグリッド反りを軽減する方法。
【請求項68】
前記支持構造が電池セパレータを含む、請求項67に記載の電極およびセパレータアセンブリにおけるグリッド反りを軽減する方法。
【請求項69】
活物質を前記グリッドに不均一な方法で適用することをさらに含む、請求項67に記載の電極およびセパレータアセンブリにおけるグリッド反りを軽減する方法。
【請求項70】
前記グリッドが、およそ1.00mmより薄い、請求項67に記載の電極およびセパレータアセンブリにおけるグリッド反りを軽減する方法。
【請求項71】
前記グリッドが、不均一な幾何学形状を含む、請求項67に記載の電極およびセパレータアセンブリにおけるグリッド反りを軽減する方法。
【請求項72】
前記グリッドが、外周を有する、請求項67に記載の電極およびセパレータアセンブリにおけるグリッド反りを軽減する方法。
【請求項73】
前記支持構造が、前記外周の少なくとも一部分に重なる、請求項69に記載の電極およびセパレータアセンブリにおけるグリッド反りを軽減する方法。
【請求項74】
均一な高さを有する前記多孔質膜から延在するリブのセットとして前記支持構造を付与することをさらに含む、請求項67に記載の電極およびセパレータアセンブリにおけるグリッド反りを軽減する方法。
【請求項75】
前記のリブのセットが、前記多孔質膜の縦方向に長手方向に配置されており、前記のリブのセットが、前記外周の第1のエッジから前記外周の第2のエッジに幅方向に側方寸法にて等しく離間している、請求項74に記載の電極およびセパレータアセンブリにおけるグリッド反りを軽減する方法。
【請求項76】
前記のリブのセットが、幅方向に側方に配置されている、請求項69に記載の電極およびセパレータアセンブリにおけるグリッド反りを軽減する方法。
【請求項77】
多角形スペーサとして前記支持構造を付与することをさらに含む、請求項67に記載の電極およびセパレータアセンブリにおけるグリッド反りを軽減する方法。
【請求項78】
繊維マットとして前記支持構造を付与することをさらに含む、請求項67に記載の電極およびセパレータアセンブリにおけるグリッド反りを軽減する方法。
【請求項79】
第1の繊維マットおよび第2の繊維マットとして前記支持構造を付与することをさらに含む、請求項73に記載の電極およびセパレータアセンブリにおけるグリッド反りを軽減する方法。
【請求項80】
前記外周の第1のエッジに少なくとも部分的に重なる前記第1の繊維マットを配置すること;および前記外周の第2のエッジに少なくとも部分的に重なる前記第2の繊維マットを配置することをさらに含む、請求項79に記載の電極およびセパレータアセンブリにおけるグリッド反りを軽減する方法。
【請求項81】
前記電極およびセパレータアセンブリを高温に供することをさらに含む、請求項67に記載の電極およびセパレータアセンブリにおけるグリッド反りを軽減する方法。
【請求項82】
前記電極およびセパレータアセンブリを熱サイクルに供することをさらに含む、請求項67に記載の電極およびセパレータアセンブリにおけるグリッド反りを軽減する方法。
【請求項83】
グリッドおよび活物質を含むスタンピング板状電極において、前記グリッドが、第1のグリッドエッジおよび第2のグリッドエッジを含み、前記グリッドが、およそ1.0mm未満のグリッド厚さを有する、前記板状電極と、
第1の膜エッジに隣接する第1のサイドレーン、第2の膜エッジに隣接する第2のサイドレーン、および前記第1のサイドレーンと前記第2のサイドレーンとの間に配置されている中央部分を有する、前記電極板に隣接して配置されている多孔質膜において、前記中央部分内で第1の膜表面からまたは前記膜表面内に延在する複数の一次リブを有する前記第1の膜表面、ならびに前記第1のサイドレーン内に配置されている二次リブの第1のアレイおよび前記第2のサイドレーン内に配置されている二次リブの第2のアレイを含む前記多孔質膜
を含む、電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項84】
第1の膜エッジに隣接する第1のサイドレーン、第2の膜エッジに隣接する第2のサイドレーン、および前記第1のサイドレーンと前記第2のサイドレーンとの間に配置されている中央部分を有する多孔質膜において、前記中央部分内で第1の膜表面からまたは前記膜表面内に延在する複数の一次リブを有する前記第1の膜表面、ならびに前記第1のサイドレーン内に配置されている二次リブの第1のアレイおよび前記第2のサイドレーン内に配置されている二次リブの第2のアレイを含む前記多孔質膜、を含む、スタンピング板状電極またはスタンピンググリッド電極型鉛酸電池のためのセパレータ。
【請求項85】
前記改良が請求項84に記載のセパレータを含む、鉛酸電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この出願は、2018年8月17日に出願された米国仮特許出願第62/719,185号への優先権およびその利益を主張する。
【0002】
本開示は、種々の鉛酸電池および/またはシステムのための新規または改良されたセパレータを対象とする。また、本明細書に開示されている例示的実施形態は、新規もしくは改良された電池セパレータ、耐反り性セパレータ、当該セパレータを組み込んだ電池セル、当該セパレータを組み込んだ電池、当該セパレータを組み込んだシステム、ならびに/または、当該セパレータ、新規もしくは改良された鉛酸電池などの製造および/もしくは使用方法、ならびに/あるいは、これらの組み合わせを対象とする。少なくとも選択された実施形態は、鉛酸電池において向上した電池寿命および/または減少した電池故障を提供する、新規または改良されたセパレータ、電池、および/またはシステム、例えば、かかる新規または改良されたセパレータを利用した、スタンピング板状電極、スタンピンググリッド電極、反った板状電極、または反る傾向にある板状電極を有するまたはこれを用いて作動するものを対象とする。
【背景技術】
【0003】
鉛酸電池は、ますますの用途およびシステムにその道を見出すにつれて、サイズおよび重量がその設計において主な検討事項となる。目標は、より大きい先行技術物品の容量を少なくとも維持またはさらに増加しながら、電池サイズおよび/または重量を低減することである。正極板は、正極活物質(「PAM」)がドープされた二酸化鉛(PbO)(またはその合金)グリッドから典型的には構成されている。負極板は、負極活物質(「NAM」)がドープされた鉛(Pb)(またはその合金)グリッドから典型的には構成されている。鉛(Pb)は、鉛酸電池において最も重くまた最も高価な元素であり、電池設計者らは、上記の目標を達成するために電池における鉛の量を低減しようとし続けている。歴史的に、電極グリッドは、むしろ厚い電極を作り出すようキャストされていた。当該産業は、後に、エキスパンドメタルプロセスへと移り、これにより、キャストグリッドプロセスによって作り出されるよりも薄い電極を生み出した。現在では、いくつかの最新の電池が、スタンピングされているグリッドによって構成されており、いずれの以前に知られているプロセスよりもさらに薄い電極を生み出している。
【0004】
全ての上記のグリッド形成プロセスが、少なくともいくらかの量だけ板の反りを生じさせているが、いずれのプロセスも、スタンピンググリッドによって構成された板において見られるような割合および重大さで反った板を生じさせていない。反った板は、セパレータを穿刺して電池のショートを引き起こし得るピンチポイントを作り出す。反った板の影響を軽減する以前の方法は、グリッド自体の設計に焦点を当てていた。しかし、これらの方法のうちの少なくともある特定のものは、板の反りに関連する問題を未だに完全には解決していない。まだ今のところ、本発明者らは、電池セパレータを利用して上記の問題を解決する手段について知らない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
少なくともある特定の用途または電池、例えば、上記の例示的な状態などでは、部分充電状態などにおいて、減少した電池故障、改良された電池サイクル寿命、および/または改良された性能を付与する改良されたセパレータが依然として必要とされている。より詳細には、改良されたセパレータ、改良された電池、および改良されたシステム、例えば、耐久性が増加したセパレータを有するもの、穿刺の発生が減少したセパレータ、短絡の事象が低減した電池、電池における水分損失が低減した電池、電池フロート電流が低い電池、部分充電状態での電池操作が改良された電池、電池寿命が向上した電池、電池故障が減少した電池、改良されたセパレータを利用する改良された電池、改良されたセパレータを利用する改良された電池を利用するシステムなどが依然として必要とされている。より詳細には、鉛酸電池において向上した電池寿命および/または減少した電池故障を提供する、改良されたセパレータ、改良された電池、および改良されたシステム、例えば、改良されたセパレータを利用した、スタンピング板、スタンピンググリッド、不均一な活物質、反った板、または反る傾向にある板を有するまたはこれを用いて作動するものが依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1以上の例示的実施形態、態様、または目的の詳細は、以下に記載されている詳細な説明および特許請求の範囲におけるものである。他の特徴、目的、および利点は、以下に記載されている詳細な説明および特許請求の範囲から明らかであろう。1以上の選択実施形態、態様、または目的によると、本開示または発明は、上記の問題、課題、または要求に少なくとも対処し、いくつかの場合においては、これらを超えるものである。
【0007】
少なくとも選択例示的実施形態、態様、または目的によると、本開示または発明は、少なくとも上記の問題、課題もしくは要求に対処し得、ならびに/あるいは、新規もしくは改良されたセパレータ、耐反り性セパレータ、および/もしくは鉛酸電池セパレータ、新規もしくは改良されたセパレータを利用する新規もしくは改良されたセルもしくは電池、ならびに/または、新規もしくは改良されたセパレータ、セルもしくは電池を利用する新規もしくは改良されたシステムを提供し得る。少なくともある特定の例示的実施形態、態様、または目的によると、本開示または発明は、新規もしくは改良された電池セパレータ、電池セル、電池、システム、ならびに/または、かかる新規もしくは改良された電池セパレータ、電池セル、電池、および/もしくはシステムの製造方法および/もしくは使用方法を対象とする。
【0008】
少なくともある特定の例示的実施形態、態様、または目的によると、本開示または発明は、少なくとも、電極板の反りおよび/もしくは電極板の反りの影響を低減もしくは軽減するための改良された構築およびリブ構成;セパレータ穿刺の低減した発生;電池電極短絡の低減した発生;など;ならびに/またはこれらの組み合わせを有する、鉛酸電池のための改良されたセパレータを対象とする。少なくともある特定の例示的実施形態、態様、または目的によると、本開示または発明は、板-耐反り性;耐穿刺性;耐酸化性;酸混合;低減した電気抵抗;改良された湿潤性;改良された充填剤;最適化された空隙率;最適化された屈曲度;低減した厚さ;低減したバックウェブ厚さ;リブ付き;負極側クロスリブ;低減した油分;増加した酸拡散;増加した耐酸化性もしくは改良された酸化安定性;最適化された空隙率;最適化された細孔屈曲度;改良された酸拡散;など;および/またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1以上によって特徴付けられ得る鉛酸電池のための改良されたセパレータを対象とする。少なくともある特定の例示的実施形態、態様、または目的によると、本開示または発明は、電池および/もしくは電池セルにおける低い水分損失;電池および/もしくは電池セルにおける減少した電気抵抗;電池および/もしくは電池セルにおける増加した酸混合;電池および/もしくは電池セルにおける低減した酸層化;電池および/もしくは電池セルにおける改良された性能;電池および/もしくは電池セルにおける増加した寿命;電池および/もしくは電池セルにおける低減した故障率;など;ならびに/またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1以上を提供し得る鉛酸電池のための改良されたセパレータを対象とする。
【0009】
少なくともある特定の例示的実施形態、態様、または目的によると、本開示または発明は、少なくとも上記の問題および/または課題を克服する、セパレータ、ならびに/あるいは、改良されたセパレータを利用する改良された電池セルおよび/もしくは電池、ならびに/または、改良されたセパレータを利用する改良された電池セルおよび/もしくは電池を利用する改良されたシステムを対象とする。例えば、単に例として、改良された電池セルおよび/または電池は、向上した性能;低減した故障率;改良された寿命;減少したプレート短絡発生;減少したセパレータ穿刺発生;低減した水分損失;低減したフロート電流;改良された充電終了電流;増加した充電受入性;改良されたエネルギースループット;低減したアンチモン(Sb)中毒;低減した酸層化;低減した酸欠乏;低減したデンドライト形成;低減した内部電気抵抗;改良されたコールドクランキングアンペア(「CCA」)、改良された均一性;改良されたサイクル性能;など;および/またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1以上によって特徴付けられ得る。
【0010】
少なくとも選択例示的実施形態、態様、または目的によると、本開示または発明は、新規または改良された電池セパレータ、耐反り性セパレータ、耐穿刺性セパレータ、弾性セパレータ、電池セル、電池、これに関与する方法、これを使用するシステム、これを使用する車両、これを製造する方法、これを使用する方法、およびこれらの組み合わせを少なくとも対象とする。
【0011】
少なくともある特定の例示的実施形態、態様、または目的によると、本開示または発明は、種々の電池および/または用途において使用される新規または改良された電池セパレータを対象とする。かかる電池および/または用途の例示的なリストとして:平板電池;管状電池;液式鉛酸電池;強化型液式鉛酸電池(「EFB」);制御弁式鉛酸(「VRLA」)電池;ディープサイクル電池;ゲル電池;吸収性ガラスマット(「AGM」)電池;インバータ電池;集電電池;蓄電池;内燃機関用電池;補助電池;始動-照明-点火(「SLI」)電池;アイドリング-スタート-ストップ(「ISS」)電池;車両用電池;乗用車用電池;自動車用電池;トラック用電池;オートバイ用電池;全地形対応車用電池;船舶用電池;航空機用電池、フォークリフト用電池;ゴルフカートまたはゴルフカー用電池;ハイブリッド電気自動車(「HEV」)用電池;マイクロハイブリッド車用電池;電気自動車用電池;電気人力車用電池;電気三輪車用電池;電気自転車用電池;無停電電源(「UPS」)用電池;高CCA要求の電池;部分充電状態(「PSoC」)で作動する電池;など;およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0012】
少なくとも選択された例示的実施形態、態様、または目的によると、本明細書に記載されている本発明セパレータを組み込んだ本発明電池を有する数多くのシステムが提供される。例示的なシステムは:車両;UPS;補助電源システム;集電装置システム;再生可能エネルギー集電装置システム;風力エネルギー集電装置システム;太陽エネルギー集電装置システム;バックアップ電源システム;インバータ;およびこれらの組み合わせのうちの1以上であってよい。さらに、例示的な車両は:自動車;乗用車;トラック;フォークリフト;ハイブリッド車;HEV;マイクロハイブリッド車;ISS車;電気自動車;水容器;航空機;電気人力車;電気三輪車;電気自転車;オートバイ;全地形対応車両;ゴルフカートまたはゴルフカー;など;およびこれらの組み合わせのうちの1つであってよい。
【0013】
本開示または発明の第1の例示的実施形態において、電極およびセパレータアセンブリは、グリッドおよびその上の活物質を有する電極板を備える。グリッドは、少なくとも1つのグリッドエッジを備える。さらに、活物質は、グリッドに不均一に分布されていてよい。別の実施形態において、グリッドは、およそ1.00mmより薄くてよい。なお別の実施形態において、グリッドは、不均一な幾何学形状を有していてよい。
【0014】
多孔質膜は、第1の膜表面を有する電極板と隣接して配置されて設けられている。第1の膜表面は、第1の表面エッジおよび第2の表面エッジ、ならびに膜表面から延在する複数のリブを有し;複数のリブは、第1の表面エッジから第2の表面エッジに延在している。
【0015】
本発明または開示の別の例示的実施形態において、電極およびセパレータアセンブリは、正極または負極のいずれであってもよく、また、グリッドおよびその上に不均一に分散されている活物質を有している電極板を備える。グリッドは、第1のグリッドエッジおよび第2のグリッドエッジを備える。多孔質膜は、電極板に隣接して配置されている。多孔質膜は、第1の膜エッジに隣接する第1のサイドレーンおよび第2の膜エッジに隣接する第2のサイドレーン、ならびに、第1のサイドレーンと第2のサイドレーンとの間に配置されている中央部分を有する。多孔質膜は、中央部分内で第1の膜表面からまたは当該面内に延在する複数の一次リブを有する第1の膜表面、ならびに第1のサイドレーン内に配置されている二次リブの第1のアレイおよび第2のサイドレーン内に配置されている二次リブの第2のアレイを備える。
【0016】
本発明の一態様において、第1のグリッドエッジは、第1のサイドレーン内に配置されていてよく、第2のグリッドエッジは、第2のサイドレーン内に配置されていてよい。複数の一次リブは、均一な高さおよび均一な分布を有し得る。一方で、二次リブの第1のアレイおよび二次リブの第2のアレイのいずれかまたは両方が、複数の一次リブよりも密集している。複数の一次リブ、二次リブの第1のアレイ、および/または二次リブの第2のアレイは、多孔質膜の縦方向に実質的に平行に長手方向に配置されていてよく、または、多孔質膜の幅方向に実質的に平行に側方に配置されていてよい。二次リブの第1のアレイおよび二次リブの第2のアレイのいずれかまたは両方が、複数の一次リブに対して実質的に平行であっても、直交していても、角度が付いていてもよい。多孔質膜は、リブの第3のアレイをその上に有する第2の膜表面を有し得る。
【0017】
本発明の別の態様において、グリッドは、スタンピンググリッド、キャストグリッド、またはエキスパンドメタルグリッドのいずれであってもよい。さらに、グリッドは、反りやすくてよい。グリッドは、第1のグリッド表面および第2のグリッド表面を有していてよく、活物質は、第2のグリッド表面と比較して、第1のグリッド表面において、より高度に分布されていてよい。さらに、活物質は、グリッドの表面に不均一に分布されていてよい。
【0018】
なお別の態様において、複数の一次リブ、二次リブの第1のアレイ、二次リブの第2のアレイ、および/またはリブの第3のアレイのいずれかが:固体リブ、別個の破断リブ、連続リブ、不連続リブ、不連続ピーク、不連続突起、角度付きリブ、傾斜リブ、線状リブ、多孔質膜の実質的に縦方向に長手方向に延在していてよいリブ、多孔質膜の実質的に幅方向に側方に延在していてよいリブ、セパレータの実質的に幅方向に横方向に延在していてよいリブ、別個の歯状物、歯状リブ、鋸歯状物、鋸歯状リブ、狭間胸壁、狭間胸壁状リブ、曲面リブ、連続正弦波状リブ、不連続正弦波状リブ、S形状リブ、連続ジグザグ-鋸歯様リブ、破断された不連続ジグザグ-鋸歯様リブ、溝、チャネル、テクスチャ領域、エンボス、ディンプル、カラム、ミニカラム、多孔質、非多孔質、クロスリブ、ミニリブ、クロスミニリブ、およびこれらの組み合わせ;のうちの1以上であってよい。
【0019】
ある特定の実施形態において、多孔質膜は、エンベロープ、およびハイブリッドエンベロープ、スリーブセパレータ、ポケットセパレータ、およびラップセパレータのうちの1つであってよい。多孔質膜は、圧着、溶接、超音波溶接、熱溶接、接着剤、およびこれらの組み合わせから形成される少なくとも1つのシールされたエッジを有していてよい。多孔質膜は切断片であってもよい。
【0020】
本発明または開示の別の例示的実施形態において、電極およびセパレータアセンブリは、正極または負極のいずれであってもよく、また、グリッドおよびその上に不均一に分散されている活物質を有している電極板を備える。多孔質膜は、第1の膜表面の上に配置されていて第1の膜エッジから第2の膜エッジに延在している一次リブのアレイを有するかかる第1の膜表面を備えていてよく;一次リブのアレイは均一な高さを有する。
【0021】
本発明または開示の別の態様は、第1のグリッド表面および第2のグリッド表面を有するグリッドを提供し、活物質が、第2のグリッド表面と比較して、第1のグリッド表面において、より高度に分布されている。代替的に、または、加えて、活物質は、グリッドの表面に不均一に分布されていてよい。グリッドは、スタンピンググリッド、キャストグリッド、およびエキスパンドメタルグリッドからなる群のうちの1つであってよい。また、グリッドは、反りやすくてよい。第1の膜表面または第2の膜表面のいずれかが、電極板と隣接していてよい。
【0022】
本発明または開示の別の態様において、一次リブのアレイは、多孔質膜の縦方向に長手方向にかつ実質的に平行に配置されていてよく、また、多孔質膜の幅方向を横切って均一にまたは不均一に側方に離間していてよい。多孔質膜は、第2の表面を備えており、リブの第2のアレイが、そこから延在していてよい。
【0023】
本発明または開示の別の態様において、一次リブのアレイおよび/またはリブの第2のアレイのいずれかまたは両方が:固体リブ、別個の破断リブ、連続リブ、不連続リブ、不連続ピーク、不連続突起、角度付きリブ、傾斜リブ、線状リブ、多孔質膜の実質的に縦方向に長手方向に延在していてよいリブ、多孔質膜の実質的に幅方向に側方に延在していてよいリブ、セパレータの実質的に幅方向に横方向に延在していてよいリブ、別個の歯状物、歯状リブ、鋸歯状物、鋸歯状リブ、狭間胸壁、狭間胸壁状リブ、曲面リブ、連続正弦波状リブ、不連続正弦波状リブ、S形状リブ、連続ジグザグ-鋸歯様リブ、破断された不連続ジグザグ-鋸歯様リブ、溝、チャネル、テクスチャ領域、エンボス、ディンプル、カラム、ミニカラム、多孔質、非多孔質、クロスリブ、ミニリブ、クロスミニリブ、およびこれらの組み合わせ;のうちの1以上であってよい。
【0024】
1つの例示的な態様において、多孔質膜は、エンベロープセパレータ、ハイブリッドエンベロープセパレータ、スリーブセパレータ、ポケットセパレータ、ラップセパレータ、切断片セパレータ、およびリーフセパレータのうちの1つであってよく;エンベロープ、ハイブリッドエンベロープ、スリーブセパレータ、ポケットセパレータ、およびラップセパレータは、圧着、溶接、超音波溶接、熱溶接、接着剤、およびこれらの組み合わせから形成される少なくとも1つのシールされたエッジを有していてよい。
【0025】
本発明または開示のなお別の例示的実施形態において、電極およびセパレータアセンブリは、グリッドおよび活物質を有する電極板を備えていてよい。グリッドは、第1のグリッドエッジおよび第2のグリッドエッジを有していてよく、活物質は、グリッドに不均一に分布されていてよい。多孔質膜は、第1のグリッドエッジおよび第2のグリッドエッジを支持する支持構造を有する第1の膜表面をさらに備えていてよい。第1のグリッドエッジは、少なくとも第1のグリッドコーナーを有していてよく、第2のグリッドエッジは、少なくとも第2のグリッドコーナーを有していてよい。支持構造は、均一な高さを有するリブの第1のアレイを有していてよい。
【0026】
グリッドは、第1のグリッド表面および第2のグリッド表面を有していてよく、活物質は、第2のグリッド表面と比較して、第1のグリッド表面において、より高度に分布されていてよい。代替的に、または、加えて、活物質は、グリッドの表面に不均一に分布されていてよい。グリッドは、スタンピンググリッド、キャストグリッド、およびエキスパンドメタルグリッドからなる群のうちの1つであってよい。電極板は反りやすくてよい。
【0027】
ある特定の例示的な態様において、リブの第1のアレイは、多孔質膜の第1の膜エッジから多孔質膜の第2の膜エッジに側方に均一に離間していてよい。リブの第1のアレイはまた、多孔質膜の第1の膜エッジから多孔質膜の第2の膜エッジに側方に均一にまたは不均一に離間していてもよい。
【0028】
本開示の他の例示的な態様において、リブの第1のアレイは、多孔質膜の中央部分において離間しているリブと比較して、第1の膜エッジに隣接する第1の膜領域において、より密集していてよく、また、第2の膜エッジに隣接する第2の膜領域において、より密集していてよい。
【0029】
本開示のなお別の例示的な態様において、リブの第1のアレイは、第1のグリッドエッジから第2のグリッドエッジに側方に均一にまたは不均一に離間していてよい。また、リブの第1のアレイは、グリッドの中央部分において離間しているリブと比較して、第1のグリッドエッジに隣接する第1の領域において、より密集していてよく、また、第2のグリッドエッジに隣接する第2の領域において、より密集していてよい。
【0030】
本開示のなお別の態様において、支持構造は繊維マットを有していてよく;繊維マットは、第1のグリッドエッジから第2のグリッドエッジに延在していてよい。支持構造は、第1のグリッドエッジに隣接する第1の繊維マット、および第2のグリッドエッジに隣接する第2の繊維マットを有していてよい。
【0031】
別の例示的な態様において、多孔質膜は、エンベロープセパレータ、ハイブリッドエンベロープセパレータ、スリーブセパレータ、ポケットセパレータ、ラップセパレータ、切断片セパレータ、およびリーフセパレータのうちの1つであってよく;エンベロープ、ハイブリッドエンベロープ、スリーブセパレータ、ポケットセパレータ、およびラップセパレータは、圧着、溶接、超音波溶接、熱溶接、接着剤、およびこれらの組み合わせから形成される少なくとも1つのシールされたエッジを有していてよい。
【0032】
本開示のなお別の例示的実施形態において、鉛酸電池は、本明細書に実質的に記載されているセパレータを備えていてよい。鉛酸電池は、以下の状態:運転中、静止中、バックアップ電源用途において、ディープサイクル用途において、サイクル用途において、部分充電状態において、およびこれらの組み合わせ;のうちの1つにおいて作動してよい。
【0033】
例示的な電池は:平板電池、液式鉛酸電池、強化型液式鉛酸電池(「EFB」)、制御弁式鉛酸(「VRLA」)電池、ディープサイクル電池、ゲル電池、吸収性ガラスマット(「AGM」)電池、管状電池、インバータ電池、車両用電池、始動-照明-点火(「SLI」)車両用電池、アイドリング-スタート-ストップ(「ISS」)車両用電池、自動車用電池、トラック用電池、船舶用電池、オートバイ用電池、全地形対応車用電池、フォークリフト用電池、ゴルフカート用電池、ハイブリッド電気自動車用電池、電気自動車用電池、電気人力車用電池、電気三輪車用電池、および電気自転車用電池;のうちの1つであってよい。
【0034】
なお別の例示的実施形態において、システムは、本明細書に記載されている鉛酸電池を備えていてよい。システムは、車両を備えていてよく、車両は、自動車、トラック、オートバイ、全地形対応車両、フォークリフト、ゴルフカート、ハイブリッド車、ハイブリッド電気自動車、電気自動車、アイドリング-スタート-ストップ(「ISS」)車両、水容器、電気人力車、電気三輪車、および電気自転車のうちの1つであってよい。さらに、システムは、以下の状態:運転中、静止中、バックアップ電源用途において、ディープサイクル用途において、サイクル用途において、部分充電状態において、およびこれらの組み合わせ;のうちの1つにおいて作動してよい。システムは、さらに、以下:無停電電源、エネルギー蓄積システム、電源バックアップシステム、再生可能エネルギー貯蔵システム、およびこれらの組み合わせ;のうちの1つであってよい。
【0035】
さらに別の例示的実施形態において、電極およびセパレータアセンブリにおけるグリッド反りを軽減する方法が提供され得る。当該方法は、反りやすいグリッドを有する電極板を付与し得;グリッドに隣接する支持構造を位置付ける。支持構造は、電池セパレータを含んでいてよい。さらに、支持構造は、繊維マットまたはメッシュを含んでいてよい。活物質は、グリッドに不均一に適用されてよい。グリッドは、外周を有していてよい。支持構造は、グリッド外周の少なくとも一部分に重なっていてよい。支持構造は、均一な高さを有する多孔質膜から延在するリブのセットとして提供されてよい。リブのセットは、多孔質膜の縦方向に長手方向に配置されていてよく、リブのセットは、幅方向に側方寸法にて、外周の第1のエッジから外周の第2のエッジに等しく離間していてよい。代替的に、または、加えて、支持構造は、多角形スペーサを有していても、これであってもよい。代替的に、または、加えて、支持構造は、繊維マットを有していても、これであってもよい。代替的に、または、加えて、支持構造は、第1の繊維マットおよび第2の繊維マットを有していても、これらであってもよく、第1の繊維マットが、外周の第1のエッジに少なくとも部分的に重なるように配置されており;第2の繊維マットが、外周の第2のエッジに少なくとも部分的に重なるように配置されている。上記方法は、電極およびセパレータアセンブリを高温および/または熱サイクルに供することをさらに提供し得る。
【0036】
少なくとも選択された例示的実施形態、態様、または目的によると、本開示または発明は、セパレータであって、その構成要素ならびに物理的属性および特徴が相乗的に組み合わされて、改良された電池セパレータを有する鉛酸電池の産業においてこれまで満たされていない要求に予期されない方法で対処する、当該セパレータを提供する。ある特定の好ましい例示的実施形態において、本開示または発明は、改良された鉛酸電池セパレータを有する鉛酸電池の産業においてこれまで満たされていない要求に予期されない方法で対処する、本明細書に記載されているセパレータを使用する電池を提供する。ある特定の好ましい例示的実施形態において、本開示または発明は、本明細書に記載されている本発明セパレータを利用する本発明鉛酸電池を利用する改良されたシステムを有する鉛酸電池の産業においてこれまで満たされていない要求に予期されない方法で対処する、本明細書に記載されている電池を使用するシステムを提供する。
【0037】
少なくとも選択された例示的実施形態、態様、または目的によると、本発明は、少なくとも、当該分野の現状ではこれまで解決されなかった、満たされなかった、および/または対処されなかった問題、要求、および/または課題を、解決する、満たす、および/または克服する。少なくともある特定の目的によると、本発明は、少なくとも上記の問題を克服する、改良されたセパレータ、改良されたセパレータを利用する改良された電池、および/または改良された電池を使用する改良されたシステムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1A図1Aは、典型的な鉛酸電池の概略図である。
図1B図1Bは、縦方向mdにおいて、セパレータ上に長手方向に配置されているリブパターンを示す。
図1C図1Cは、幅方向cmdにおいて、セパレータ上に側方に配置されているリブパターンを示す。
図2A図2Aは、例示的な電極およびセパレータアセンブリを示す。
図2B図2Bは、例示的な電極およびセパレータアセンブリを示す。
図3図3は、例示的な鉛酸電池板を示す。
図4A図4Aは、様々なタイプの活物質が適用された鉛酸電池板を示す。
図4B図4Bは、様々なタイプの活物質が適用された鉛酸電池板を示す。
図4C図4Cは、様々なタイプの活物質が適用された鉛酸電池板を示す。
図4D図4Dは、様々なタイプの活物質が適用された鉛酸電池板を示す。
図4E図4Eは、様々なタイプの活物質が適用された鉛酸電池板を示す。
図4F図4Fは、様々なタイプの活物質が適用された鉛酸電池板を示す。
図4G図4Gは、様々なタイプの活物質が適用された鉛酸電池板を示す。
図5A図5Aは、反った板の平面図である。
図5B図5Bは、図5Aの反った板の側面図である。
図5C図5Cは、反った板およびこれらが作り出すピンチポイントを有する隣接する電極板およびセパレータアセンブリを示す。
図6A図6Aは、板の反りに耐える様々な例示的なセパレータおよびリブプロファイルを示す。
図6B図6Bは、板の反りに耐える様々な例示的なセパレータおよびリブプロファイルを示す。
図7A図7Aは、本発明の例示的な本発明セパレータを有する様々な例示的な電極板およびセパレータアセンブリを示す。図7Aは、図1Bおよび1Cに概して示されているセパレータを示す。
図7B図7Bは、本発明の例示的な本発明セパレータを有する様々な例示的な電極板およびセパレータアセンブリを示す。図7Bは、図6Aに概して示されているセパレータを示す。
図7C図7Cは、本発明の例示的な本発明セパレータを有する様々な例示的な電極板およびセパレータアセンブリを示す。図7Cは、図6Bに概して示されているセパレータを示す。
図8A図8Aは、活物質膨潤によって撓んだ従来のセパレータを示す。
図8B図8Bは、活物質膨潤によって撓んだ従来のセパレータを示す。
図8C図8Cは、活物質膨潤に耐える本発明セパレータを示す。
図8D図8Dは、活物質膨潤に耐える本発明セパレータを示す。
図9A図9Aは、例示的な本発明セパレータの例示的な本発明リブプロファイルを示す。
図9B図9Bは、例示的な本発明セパレータの例示的な本発明リブプロファイルを示す。
図10A図10Aは、電極表面、および本発明セパレータによって支持される部分を示す。
図10B図10Bは、電極表面、および本発明セパレータによって支持される部分を示す。
図11図11は、本発明シリカの摩損特性を示すグラフおよびチャートである。
図12A図12Aは、材料の耐酸化性を試験するための試料および試験ジグを示す。
図12B図12Bは、材料の耐酸化性を試験するための試料および試験ジグを示す。
図12C図12Cは、材料の耐酸化性を試験するための試料および試験ジグを示す。
図13図13は、穿刺先端を示す。 同じまたは対応する要素または部分は、図を通して、同様の参照記号によって表記される。さらに別途記述されない限り、いずれの図も、スケール通りであると解釈されるべきではない。様々な図において表されている寸法はミリメートルである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
詳細な説明
少なくとも選択例示的実施形態、目的、または態様によると、本開示または発明は、上記の課題または要求に対処し、いくつかの場合においてはこれらを超える。少なくともある特定の例示的実施形態、目的、または態様によると、本開示または発明は、改良されたセパレータ、ならびにこれを使用する電池セルおよび/もしくは電池;ならびに/またはこれを使用する関連システム;ならびに/またはこれを使用する関連方法を提供し得る。少なくとも選択例示的実施形態、態様、または目的によると、本開示または発明は、板-耐反り性セパレータ;耐穿刺性セパレータ;弾性セパレータ;電池セル;電池;これを使用するもしくはこれが関与する関連方法;これを使用するもしくはこれが関与する関連システム;これを使用するもしくはこれが関与する関連車両;これの製造方法;など;および/またはこれらの組み合わせのうちの1以上によって特徴付けられる新規または改良された電池セパレータを少なくとも対象とする。少なくとも選択例示的実施形態、態様、または目的によると、本開示または発明は:向上した性能;低減した故障率;改良された寿命;減少したプレート短絡発生;減少したセパレータ穿刺発生;など;および/またはこれらの組み合わせのうちの1以上によって特徴付けられる1以上の新規または改良された電池セルおよび/または電池を対象とする。
【0040】
図1Aをここで参照すると、例示的な鉛酸電池100は、交互の正極板200(または複数の正極板)および負極板201(または複数の負極板)の、各電極200、201間にセパレータ300を挟んだアレイ102を有する。アレイ102は、電解質104に実質的に浸漬されている。電解質104は、例えば、硫酸(HSO)および水(HO)の溶液であってよい。電解液は、例えば、およそ1.215~およそ1.300の範囲で、およそ1.28の比重を有していてよい。電池100は、正極板200と電気連通する正極端子104、および、負極板201と電気連通する負極端子106をさらに備える。
【0041】
図1Bおよび1Cを参照すると、例示的なセパレータ300は、多孔質膜バックウェブ302から延在するリブ304、305のアレイを有する当該バックウェブを備えていてよい。図1Bに示されるように、リブ304の例示的な第1のアレイは、セパレータ300の縦方向mdに長手方向に配置されている。図1Cに示されるように、例示的なリブの第2のアレイ305は、セパレータ300の幅方向cmdに側方に配置されており、そのため、クロスリブと呼ばれることがある。例示的なセパレータ300は、電池内に配置されているとき、正極板200に隣接するリブの第1のアレイ304を設けていてよく、正極側リブ304と称されてよいが、リブの第2のアレイ305は、負極板201に隣接しており、負極側リブと称されてよい、または逆も然りである。図1Cに示されるように、リブの第2のアレイは、幅方向cmdに延在するときクロスリブと称されてよい(例えば、負極板201を向いている場合には「負極側クロスリブ」)。さらに、リブ304、305のいずれかアレイが、電池100内に配置されているときにいずれかの電極板200、201を向いていてよい。
【0042】
リブ304、305のいずれかアレイは、固体リブ、別個の破断リブ、連続リブ、不連続リブ、不連続ピーク、不連続突起、角度付きリブ、傾斜リブ、線状リブ、セパレータの実質的に縦方向mdに長手方向に延在しているリブ(すなわち、電池におけるセパレータ300の頂部から底部に走行する)、セパレータの実質的に幅方向cmdに側方に延在しているリブ(すなわち、縦方向mdに直交して、電池におけるセパレータ300の側方方向に)、セパレータ300の実質的に幅方向cmdに横方向に延在しているリブ、別個の歯状物、歯状リブ、鋸歯状物、鋸歯状リブ、狭間胸壁、狭間胸壁状リブ、曲面リブ、連続正弦波状リブ、不連続正弦波状リブ、S形状リブ、連続ジグザグ-鋸歯様リブ、破断された不連続ジグザグ-鋸歯様リブ、溝、チャネル、テクスチャ領域、エンボス、ディンプル、カラム、ミニカラム、多孔質、非多孔質、クロスリブ、ミニリブ、クロスミニリブ、およびこれらの組み合わせの均一なセット、交互のセット、または混合もしくは組み合わせであってよい、数多くの構成、形状、プロファイル、またはパターンで構成されていてよい。リブ304、305は、本明細書にさらに記載されている。
【0043】
図2Aおよび2Bは、セパレータの幅方向に実質的に平行な軸に沿って見たときの垂直断面図として、2つの例示的な電極/セパレータアセンブリ400を示す。図2Aは、典型的なラップまたはエンベロープセパレータを有する例示的な電極/セパレータアセンブリ400を示す。図2Bは、代表的なリーフまたは切断片セパレータを有する例示的な電極/セパレータアセンブリを示す。電池内のセパレータの配置の例示的実施形態は、本明細書にさらに記載されている。
【0044】
板の構成
図2A図4Gを参照すると、電極板200、201は、グリッド202および活物質203によって少なくとも作製される。グリッド202は、種々の方法において、例えば、キャストメタル、エキスパンドメタル、およびスタンピングメタルによって作製されてよい。また、電池内の様々なグリッドは、互いに異なる方法で作製されてよい。例えば、正極グリッドは、スタンピングされていてよいが、負極グリッドは、エキスパンドメタルである。上記に記述されているように、スタンピンググリッドは、他の方法よりも鉛を使用せず、したがって、よりコスト効果的である。スタンピンググリッドはコストを低減するが、より薄い板は、反る、変形する、屈曲する、捻れる、曲がる、および/または歪む。さらに、不均一な幾何学形状および不均一に分布されている活物質を有するグリッドもまた、反る、変形する、屈曲する、捻れる、曲がる、および/または歪む傾向がより高い。このことは、ピンチポイント、摩耗ポイント、または穿刺ポイントの可能性につながる。板(複数可)は、セパレータを通って切断または穿刺するとき、隣接する板と接触して、電池および/もしくは電池セルを短絡する場合があり、また、かなり短絡しやすい。理論によって限定されることを望まないが、本発明者らは、およそ1.00mmよりも薄いグリッドが反りやすく、好ましくは、およそ0.85mmよりも薄いグリッド、より好ましくは、およそ0.70mmよりも薄いグリッドが最も反りやすいとしている。
【0045】
本明細書において使用されているとき、詳細な説明を通して、また、特許請求の範囲において、用語「反る」およびその変形は、その通常および慣習的な意味を有することに加えて、少なくとも以下の用語およびその変形:変形する;屈曲する;捻れる;曲がる;および/または歪む、これらは通常および慣習的な意味も有する;と互換可能に使用されてよい。
【0046】
図2A図4Gを続けて参照すると、グリッド202は、活物質203によって典型的にはドーピングまたはペーストされている。正極板200は、正極活物質(「PAM」)によって典型的にはドーピングされており、負極板201は、負極活物質(「NAM」)によって典型的にはドーピングされている。活物質203は、グリッドの機能性を増加する。
【0047】
図3をここで参照すると、典型的なグリッド202は、電池内に、主要グリッド部202aおよび鉛ストラップ用コネクタ202bを備える。例示的な典型的な主要グリッド部202aは、第1の縦側エッジ204a、第2の縦側エッジ204b、底部水平エッジ204c、および頂部水平エッジ204dを有する。典型的な主要グリッド部202aは、丸みを有しても有していなくてもよい4つのコーナー206a、206b、206c、206dをさらに備える。主要グリッド部202aは、グリッド208を通して一連の開口を作り出す格子細工をさらに備える。このことは、重量および材料の低減を助け、電池の電気化学反応の際にグリッド全体をより良好に利用する。
【0048】
図4A~4Gをここで参照すると、板200、201は、均一度が変動して、不完全に配置されている活物質203を有するグリッド202と共に示されている。図4A~4Cは、板200、201の側面図である。図4Aは、グリッド202における活物質203の実質的に均一な分布を示す。図4Bは、左側に対向して、グリッド202の右側において、より活性な物質203による、僅かに不均等な分布を示す。図4Cは、左側に対向して、グリッド202の右側において、より活性な物質203による、より重度に不均等な分布を示す。図4D~4Gは、グリッドの面を横切る活物質の不完全な分布を有する例示的な板200、201を示す。より暗い領域は、より明るい領域よりもより多い活物質の適用を表し得る。図4Dは、活物質の対称的な分布を示す。図4Eは、活物質の非対称的な分布を示す。図4Fは、バイモーダルな、対称的に分布されている活物質を示す。図4Gは、板200、201が矢印によって記されているように反り得る例示的な型を示す。反った板200、201は、グリッド202に対して任意の軸に沿ってまたは当該軸の周りで反る、湾曲する、または屈曲する場合があることが認識される。反った板200、201は、グリッド202に対して複数の軸に沿ってまたは当該軸の周りで反る、湾曲する、または屈曲する場合があることがさらに認識される。
【0049】
例えば、図5Aおよび5Bは、例示的な反った電極板200、201を示す。この特定の板200、201は、単一軸210の周りで反って示されているが、複数の軸の反りが生じてもよい。図5Cは、セパレータ/電極アセンブリ400のアレイ102のトップダウン断面図である。アレイは、2つの正極板200、2つの負極板201、および、正極板200をエンベロープする反った板を収容するように設計されていない典型的な商業的に公知のセパレータ300を有して示されている。板200、201は、仮定されるとして、反っていて平坦ではないため、板200、201用のセパレータ300を通して切断または摩耗して互いに接触し、配置されているセルおよび/または電池を短絡し得るピンチポイント402を作り出す。
【0050】
本発明者らは、部分充電状態における高いグリッド腐食およびサイクリングの条件もまた板の反りを悪化させる傾向にあることにさらに気付いた。そのため、グリッド腐食の軽減を助ける例示的なセパレータについて本明細書において規定する。グリッドにおける活物質の不完全な分布は、サイクリングの際の板の不均等な拡大および縮小の状況を作り出し、これにより板を反らせるとされている。
【0051】
セパレータの説明
例示的なセパレータは、多孔質膜、例えば、約5μm未満、好ましくは約1μm未満の細孔を有するミクロ多孔質膜、メソ多孔質膜、または、約1μm超の細孔を有するマクロ多孔質膜のウェブを備えていてよい。多孔質膜は、サブミクロンから最大で100μm、ある特定の実施形態において約0.1μm~約10μmの間の細孔径を好ましくは有していてよい。本明細書に記載されているセパレータ膜の空隙率は、ある特定の実施形態において50%~60%超であってよい。ある特定の選択実施形態において、多孔質膜は、平坦であってよく、または、その表面から延在するリブを保有する。
【0052】
例示的なセパレータ300は、平坦なシート、リーフ(複数可)、ラップ、スリーブ、またはエンベロープもしくはポケットセパレータとして設けられていてよい。例示的なエンベロープセパレータは、折り畳まれた、しわになった、シールされたなどの底部エッジ301cを好ましくは有していてよく、側方エッジ301a、301bは、連続的または間欠的にシールされたエッジであってよい。エッジは、接着剤、熱、超音波溶接など、またはこれらの組み合わせによって接着またはシールされていてよい。例示的なエンベロープセパレータは、正極をエンベロープしていてよく(すなわち、正極エンベロープ性セパレータ)、その結果、セパレータが、正極を向く2つの内側および隣接する負極を向く2つの外側を有することとなる。代替的に、別の例示的なエンベロープセパレータは、負極をエンベロープしていてよく(すなわち、負極エンベロープ性セパレータ)、その結果、セパレータが、負極を向く2つの内側および隣接する正極を向く2つの外側を有することとなる。ある特定の例示的実施形態において、電池は、正極エンベロープ性セパレータ、負極エンベロープ性セパレータのうちの1つ、または両方を利用してよい。
【0053】
ある特定の例示的なセパレータは、ハイブリッドエンベロープを形成するように加工されてよい。ハイブリッドエンベロープは、セパレータシートを半分に折り畳む前、その間もしくは後に、および/または、セパレータシートのエッジを接着もしくはシールしてエンベロープを形成する前、その間もしくは後に形成される1以上のスリットまたは開口を備えていてよい。スリットまたは開口は、セパレータの任意の閉鎖されたエッジ内、例えば、シールされたエッジ内に配置されていてよいが、底部の折り畳み内に好ましくは配置されていてよい。セパレータの頂部は、典型的には開口されたままである。開口の長さは、閉鎖されたエッジ全体の長さの少なくとも1/50、1/25、1/20、1/15、1/10、1/8、1/5、1/4、または1/3であってよい。開口の長さは、閉鎖されたエッジ全体の長さの1/50~1/3、1/25~1/3、1/20~1/3、1/20~1/4、1/15~1/4、1/15~1/5または1/10~1/5であってよい。ハイブリッドエンベロープは、シールされたエッジの長さに沿って等しく配置されていても配置されていなくてもよい、1~5、1~4、2~4、2~3または2の開口を有し得る。エンベロープのコーナーには開口がないことが好ましい。
【0054】
リブ
上記に記述されているように、例示的なセパレータ300は、正極板200に隣接するリブの第1のアレイ304を有していてよいが、リブの第2のアレイ305は、負極板201に隣接する、またはその逆も然りである。さらに、いずれかのアレイ304、305は、多数の形態を取っていてよい。
【0055】
例えば、リブ304、305のいずれかまたは両方のアレイが、固体リブ、別個の破断リブ、連続リブ、不連続リブ、不連続ピーク、不連続突起、角度付きリブ、傾斜リブ、線状リブ、セパレータの実質的に縦方向mdに長手方向に延在しているリブ(すなわち、電池100におけるセパレータ300の頂部から底部に走行する(図1Aを参照されたい))、セパレータの実質的に幅方向cmdに側方に延在しているリブ(すなわち、縦方向mdに直交して、電池100におけるセパレータ300の側方方向に(図1Aを参照されたい))、セパレータ実質的に幅方向に横方向に延在しているリブ、別個の歯状物、歯状リブ、鋸歯状物、鋸歯状リブ、狭間胸壁、狭間胸壁状リブ、曲面リブ、連続正弦波状リブ、不連続正弦波状リブ、S形状リブ、連続ジグザグ-鋸歯様リブ、破断された不連続ジグザグ-鋸歯様リブ、溝、チャネル、テクスチャ領域、エンボス、エンボス付きリブ、ディンプル、カラム、ミニカラム、多孔質、非多孔質、クロスリブ、ミニリブ、クロスミニリブ、およびこれらの任意の組み合わせの均一なセット、交互のセット、または混合もしくは組み合わせであってよい。
【0056】
さらに、リブ304、305は、セパレータのエッジに対して平行でも直交でもない角度によって画定される、複数のリブ、好ましくは破断リブであってよい。換言すると、当該角度は、セパレータの縦方向に対して、ゼロ度(0°)超180度(180°)未満または180度(180°)超および360度(360°)未満の間と定義されてよい。また、当該角度は、セパレータの幅方向に対して、ゼロ度(0°)超および180度(180°)未満または180度(180°)超および360度(360°)未満の間と定義されてよい。角度付きリブパターンは、ある特定の電池における酸層化の低減、軽減または排除を助け得る、場合により好ましいDaramic(登録商標)RipTide(商標)酸混合リブプロファイルであってよい。リブプロファイルの混合の選択は、例示的な電池が運転中、好ましくは停止および開始動作中であるときに最も良好な効能を示す傾向にあり、多孔質膜302は、実質的に、整列されており、動作のベクトルに平行である。
【0057】
ある特定の例示的実施形態において、図1Bのリブ304は、例示的な電池内に配置されているときに正極板を向いていてよく、そのため、正極側リブ304と称されてよい。図1Cのリブ305は、例示的な電池内に配置されているときに負極板を向いていてよく、そのため、負極側リブ305と称されてよい。
【0058】
選択例示的実施形態において、負極側リブの少なくとも一部分が、正極側リブの高さのおよそ5%~およそ100%、またはさらには100%超の高さを好ましくは有していてよい。いくつかの例示的実施形態において、負極側リブ高さは、正極側リブ高さと比較して、少なくともおよそ5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、95%、または100%であってよい。他の例示的実施形態において、負極側リブ高さは、正極側リブ高さと比較して、およそ100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、または5%以下であってよい。
【0059】
いくつかの選択実施形態において、多孔質膜の少なくとも一部分は、長手方向、横方向または交差するリブである負極側リブを有していてよい。負極側リブは、セパレータの幅方向cmdに平行であってよく、または、当該方向に対してある角度で配置されていてよい。例えば、負極側リブは、幅方向cmdに対しておよそ0°、5°、15°、25°、30°、45°、60°、70°、80°、または90°配向されていてよい。クロスリブは、幅方向cmdに対しておよそ0°~およそ30°、およそ30°~およそ45°、およそ45°~およそ60°、およそ30°~およそ60°、およそ30°~およそ90°、またはおよそ60°~およそ90°配向されていてよい。
【0060】
図1Bおよび1Cに示されるように、いずれかのアレイ304、305が、第1の側方エッジ301aから第2の側方エッジ301bに、セパレータ300の幅に沿って均一に延在していてよい。これは、万能プロファイルとして知られている。
【0061】
代替的には、図6Aおよび6Bを参照すると、本開示の例示的なセパレータは、中にリブ304bが配置されているまたはリブを全く有さない、中央部分306a、および、側方縦側エッジ301a、301bに隣接するサイドレーン306bを有していてよく、サイドレーン306bは平坦である。中央部分306aにおけるリブ304aは、一次リブと呼ばれてよく、サイドレーン306bにおけるリブ304bは、二次リブと呼ばれてよい。これらの二次リブ304bは、一次リブ304aよりも密集していてよく、一次リブ304aよりも小さくてよく、一次リブ304aよりも大きくてよく、またはこれらの組み合わせであってよい。例えば、二次リブ304bは、一次リブ304aの高さのおよそ25%~およそ100%、もしくはおよそ100%超であってよく、一次リブ304a間隔と比較してより密集していてよく、またはこれらの組み合わせであってよい。図6Aおよび6Bにさらに示されているように、例示的な二次リブ304bは、長手方向に配置されて縦方向mdに整列されていてよく(図6A)、または側方に配置されて幅方向cmdに整列されていてよい(図6B)。示されていないが、例示的な二次リブ304bは、縦方向cmdおよび幅方向cmdに対してある角度で配置されていてよい。例示的な二次リブ304bは、共通の角度で均一に配置されていてよく、または当該角度が、二次リブ304b間で変動して、例えば、パターンを場合により作り出してよい。
【0062】
図6Aおよび6Bにさらに示されているように、電極板200、201の外形が、セパレータ300におけるその位置を重ね合わせて破線で示されている。図に示すように、板のコーナー206a、206b、206c、206dが、サイドレーン306b内に好ましくは含まれ、または少なくとも部分的に含まれている。そのため、二次リブ304bは、板のセパレータアセンブリ400が電池内に配置されているときに圧縮されているとき、平行にコーナー206a、206b、206c、206dを保持することを補助する。また、縦の板のエッジ204a、204bも、サイドレーン306b内に好ましくは含まれ、または少なくとも部分的に含まれている。そのため、二次リブ304bは、板のセパレータアセンブリ400が電池内に配置されているときに圧縮されているとき、平行に縦の板のエッジ204a、204bを保持することを補助する。サイドレーン306bは、中央部分306aにおける基板と比較してリブの下にさらに厚い基板を有していてよいことがさらに想定される。
【0063】
サイドレーン306bは、本明細書において考察されている、セパレータ300をエンベロープするときになされるように例示的なセパレータ300のエッジをセパレータ300の別のエッジにシールすることをさらに補助し得る。例えば、シール308は(重ね合わされた破線に示されるように)、サイドレーン306bの少なくとも一部分を通って走行してよい。
【0064】
図7A~7Cをここで参照すると、例示的な本発明電極板およびセパレータアセンブリ400が、様々なセパレータ300と共に示されている。示されるように、正極板200は、正極側リブ304、304a、304bが板200に隣接するようにエンベロープされている。示されている構成ではないが、板200が負極板であり得ることが理解される。
【0065】
図7Aを参照すると、例示的な板およびセパレータアセンブリ400は、万能プロファイルを有するセパレータ300を備える。リブ304は、板200の側方エッジと一致し得る。図7Bを参照すると、例示的な板およびセパレータアセンブリ400は、一次リブ304aおよび二次リブ304bを有するセパレータを備える。二次リブ304bは、縦方向に実質的に平行かつ幅方向cmdに実質的に直交して走行して示されている。板200の側方エッジは、サイドレーン306b内に好ましくは含まれ、または少なくとも部分的に含まれている。図7Cを参照すると、例示的な板およびセパレータアセンブリ400は、一次リブ304aおよび二次リブ304bを有するセパレータを備える。二次リブ304bは、幅方向cmdに実質的に平行かつ縦方向に実質的に直交して走行して示されている。板200の側方エッジは、サイドレーン306b内に好ましくは含まれ、または少なくとも部分的に含まれている。
【0066】
図7A~7Cに記されているように、セパレータ300は、接合部として表記されている線でセパレータエッジをシールすることによって、本明細書に概して記載されているようにエンベロープを形成していてよい。
【0067】
本発明の具体的な目標には、電池が酸混合を最大化して酸層化の影響を低減しやすくし得るいずれの動作も利用しながら、酸欠乏を引き起こす傾向がある負極活物質(「NAM」)の膨潤の影響を最小化することが含まれる。これらは両方が、部分充電状態において作動する電池によって示される問題である。
【0068】
本発明者らは、NAM膨潤の影響を最小化する1つの方法が、セパレータの弾力性を最大化して、例えば、NAMが多孔質バックウェブをPAM内に撓ませる可能性を低減することであることを見出した。セパレータ弾力性を増加する具体的な方法は、多孔質膜バックウェブ厚さを増加することである。これは、しかし、電池の性能に負に影響する、セパレータの電気抵抗も増加する(1つ挙げると、より厚いバックウェブの損失)。本発明者らは、セパレータと正極との間の接触点を増加することが、接触点間のバックウェブを強化する作用をすることを発見した。この目標を達成するためにリブの数を増加することはまた、セパレータと正極との間の接触面積の量も増加する。接触面積を最小化することは、セパレータの電気抵抗を低下させ、また、電池の機能性を付与する電気化学反応のために電解質により広い電極表面積を開放するとされている。また、低減した接触面積は、デンドライトがセパレータを通して形成されて電気短絡を引き起こす機会を低減するとされている。デンドライト形成の問題は以下で考察する。さらなる目標は、酸層化の影響を最小化するために、運転中に使用される電池に関して電解質または酸の混合を最大化することである。さらに、固体リブは、酸層化を低減する酸混合の目標を容易にしない。
【0069】
本発明者らは、選択例示的な好ましい実施形態として、セパレータが、セパレータと、隣接する電極との間の接触面積を同時に最小化しつつ接触点の数を最大化することによって、酸欠乏につながる、NAM膨潤によって発揮される力および圧力下でのバックウェブの撓みに耐えるまたはこれを軽減する弾性手段を備えていてよいことを見出した。本発明者らは、別の選択例示的実施形態が、セパレータと、隣接する電極との間の別個の接触点の数を最大化することによって、酸層化の影響を低減、軽減または反転するための酸混合手段を有するセパレータを提供し得ることを見出した。別の選択例示的実施形態は、硫酸鉛(PbSO)デンドライト成長を低減または軽減するデンドライト軽減手段を有するセパレータを提供し得る。本発明者らは、かかる弾性手段、酸混合手段、およびデンドライト軽減手段が、リブ構造の設計によって取り組まれ、達成され、または少なくとも部分的に取り組まれおよび/もしくは達成され得ると判断した。したがって、本明細書に記載されている選択実施形態は、これらのパラメータのバランスを取って所望の目標を達成する、弾性手段、酸混合手段、およびデンドライト軽減手段を付与する、ならびに/あるいは、これらのパラメータのバランス、および/または、所望の弾性手段、酸混合手段および/もしくはデンドライト軽減手段に、少なくとも部分的に取り組むおよび/またはこれらを達成するために、リブ構造に頼ることとなる。
【0070】
図8Aおよび8Bをここで参照すると、典型的な市販のセパレータ300は、正極板200と負極板201との間に配置されて示されており、示されていないが、アセンブリは、電池内にあって、電解質104に浸漬されていることとする。便宜上、負極側リブを省略する。図8Aは、側部302pを向く正極板200および側部302nを向く負極板201を有する多孔質膜302を示す。図8Bに示されるように、電池のサイクリングは、板200、201における活物質を膨潤させて、リブ304間の多孔質膜302を撓ませる。示されるように、負極板201の負極活物質が膨潤してセパレータを正極板200に向かって撓ませる。同時に、正極板200の正極活物質が負極板膨潤と併せて膨潤して、相当な部分の電解質104を電極板200、201間の空間の外に追い出す。この状態は、酸欠乏、または電解質の窮乏として知られており、鉛酸電池の寿命および性能を深刻に妨害する。
【0071】
図8Cおよび8Dをここで参照すると、本発明の例示的な改良された本発明セパレータ300は、以前に知られている電池セパレータによって典型的には与えられる酸欠乏を緩和すると示されている。図8Aおよび8Bに示されるように、典型的な市販のセパレータ300の一次リブまたは正極側リブ304が、第1のリブ間隔(第1間隔PosRib)および第1のリブ先端幅(第1先端WPos)を有して示されている。図8Cおよび8Dの例示的な本発明セパレータ300をここで参照すると、正極側リブ304が、第2のリブ間隔(第2間隔PosRib)および第2のリブ先端幅(第2先端WPos)を有して示されている。縮尺どおりに描かれていないが、第2の間隔および第2の先端幅は、第1の間隔および第1の先端幅よりも寸法が短くかつ小さい。これにより、本発明セパレータ300と、隣接する電極200、201との間の接触面積を同時に最小化しながら、別個の接触点の数を最大化する。図8Cで分かるように、膨潤した電極200、201は、セパレータを撓ませず、図8Aおよび8Bに示されている従来のセパレータのものと比較して電極間で同等の電解質を追い出す。図8Dをここで参照すると、本発明セパレータ300が、図8Cと実質的に同様であるが、多孔質膜302を負極201からさらに離間する負極側リブ305を有して示されている。これにより、多孔質膜302が撓むことをとにかく防止または少なくとも軽減し、酸欠乏の影響をさらに軽減する。本明細書に記載されているように、リブ304、305は、種々の高さおよび幅であってよく、必ずしも互いに依存しない。さらに、正極側リブ304は、負極側リブ305とは異なる間隔で離間されていてよい。
【0072】
図9Aおよび9Bを参照すると、本発明セパレータ300のある特定の例示的実施形態は、縦方向mdにセパレータの長さを延長するリブベース(リブベース)を備えていてよい正極側リブのアレイを備える。離間されている歯状物、不連続ピーク、または他の突起(歯状物)は、リブベースの表面から延在していてよく、その結果、歯状物が、多孔質膜バックウェブ(バックウェブ)の支持構造表面より上に上昇することとなる。さらに、リブベースは、歯状物自体よりも幅広であってよい。正極側リブは、およそ2.5mm~およそ6.0mmの典型的な間隔(間隔PosRib)によって、互いに実質的に平行に走行し、典型的な間隔は、およそ3.5mmである。多孔質膜バックウェブの表面から測定される正極側リブの高さ(歯状物およびベース部分高さPosRibを合わせて)は、およそ10μm~およそ2.0mmであってよく、典型的な高さは、およそ0.5mmである。隣接するリブの例示的なリブ歯状物は、互いに実質的に一列になっていてよい。しかし、図9Bに示されるように、列1における例示的な歯状物が、隣接する列2においてリブから互いにオフセットしていてよく、隣接する列におけるリブの位相から完全に外れているか部分的に外れているかのいずれかである。示されるように、歯状物は、1つの列1から列2への位相から完全に外れている。正極側リブ歯状物は、セパレータの縦方向のピッチ(ピッチTooth)がおよそ3.0mm~およそ6.0mmで離間されていてよく、典型的な間隔がおよそ4.5mmである。
【0073】
図9Aおよび9Bを続けて参照すると、例示的な負極側リブは、セパレータ300の幅方向cmdに実質的に平行であるとして示されている。しかし、これらは、代替的には、縦方向mdに実質的に平行であってよい。示されている例示的な負極側リブは、中空でない実質的に直線的であるとして示されている。しかし、これらは、代替的には、正極側リブと概して同様に歯状物となってよい。負極側リブは、およそ10μm~およそ10.0mmの距離で離間されていてよく(間隔NegRib)、好ましい間隔がおよそ700μmからおよそ800μmの間であり、より好ましい公称ピッチがおよそ740μmである。バックウェブの表面から測定される負極側リブの高さ(高さNegRib)は、およそ10μm~およそ2.0mmであってよい。
【0074】
正極側リブが、代替的には、負極板に接触するように例示的な電池に設置されていてよいことに注意されたい。同様に、負極側リブは、代替的には、正極板に接触するように例示的な電池に設置されていてよい。正極側リブおよび/または負極側リブの両方が、図9Aおよび9Bに示される正極側リブと同様に構成されていてよいことにさらに注意されたい。また、正極側リブおよび負極側リブは、両方が、縦方向、幅方向、または一方が縦方向に設定されかつ他方が幅方向に設定されて、実質的に整列されていてよい。
【0075】
以下の表1は、162mm×162mm(262cm)である4つのセパレータ(1つの例示的な本発明セパレータおよび3つの対照セパレータ)についてのリブの計数および表面接触面積の百分率を詳述する。具体的な本発明セパレータは、幅方向においてセパレータの幅を横断して均一に離間されている43の歯状リブを備える。例示的な本発明セパレータにおける正極側リブの歯状物は、正極において262cmの3.8%に接触する。対照セパレータの詳細は、表1にさらに詳述されている。対照セパレータ番号1、番号2、および番号3は、市場において一般に現在入手可能な、現在使用されている液式鉛酸電池の市販のセパレータの典型であることが理解される。
【0076】
【表1】
【0077】
記述されているように、本発明者らは、接触面積を同時に最小化しながら接触点の数を最大化することで、電気抵抗を制御下で維持しながらセパレータ弾力性を増加するという目標を達成することを見出した。さらに、歯状物の設計は、電池が供され得る任意の動作を利用することによって酸混合を容易にすることを助ける。セパレータリブの歯状物は、最も近接する隣接する歯状物からおよそ2.5mm~およそ6.0mm離れていてよい。本発明者らは、好ましい非限定的な距離が、隣接する歯状物間でおよそ4.2mmであることを見出した。また、位相から完全に外れている隣接する列からオフセットされている歯状物は、酸混合を容易にすることを助ける。本発明者らは、ベース部分が、NAM膨潤に対する回復力を付与するのに十分にバックウェブを強化することを助けることも見出した。
【0078】
図10Aおよび10Bを参照すると、例示的な電極表面が、本発明セパレータ(図示せず)から支持されている領域および支持されていない領域と共に示されている。図10Aは、電極表面の実質的に大部分を示すが、図10Bは、それの近接詳細図を示す。図10Bで分かるように、点A、B、およびCが、リブまたはリブ歯状物における様々な箇所に関して、これらの周りで支持されていない距離の半径と共に示されている(すなわち、1つの支持されている箇所から最も近い隣接する支持されている箇所までの距離)。この支持されていない距離は、本明細書において上記で記載されているようにおよそ2.5mm~およそ6.0mmであってよい。
【0079】
ある特定の例示的実施形態において、正極側リブは、ベース部分(図9Aおよび9Bにおけるリブベース)を保有していてよい。当該部分は、存在する場合、およそ5μm~およそ200μmの平均ベース高さを有していてよい。例えば、平均ベース高さは、およそ5μm、10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、100μm、または200μm以上であってよい。さらに、当該部分は、存在する場合、歯状物幅よりもおよそ0.0μm~およそ50μm広い平均ベース幅を有していてよい。例えば、平均ベース幅は、歯状物幅よりもおよそ0.0μm、5μm、10μm、20μm、30μm、40μm、または50μm以上広くてよい。
【0080】
ある特定の例示的実施形態において、正極側リブは、歯状物または歯状リブであってよい。これらは、存在する場合、およそ50μm~およそ1.0mmの平均先端長さ「先端LTooth」を有していてよい。例えば、平均先端長さは、およそ50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、または1.0mm以上であってよい。代替的に、これらは、1.0mm、900μm、800μm、700μm、600μm、500μm、400μm、300μm、200μm、100μm、または50μm以下であってよい。
【0081】
いくつかの好ましい実施形態において、歯状物または歯状リブの少なくとも一部分は、およそ50μm~およそ1.0mmの平均歯状物ベース長さ「ベースLTooth」を有していてよい。例えば、平均歯状物ベース長さは、およそ50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、または1.0mmであってよい。代替的に、これらは、およそ1.0mm、900μm、800μm、700μm、600μm、500μm、400μm、300μm、200μm、100μm、または50μm以下であってよい。
【0082】
いくつかの好ましい実施形態において、歯状物または歯状リブの少なくとも一部分が、およそ50μm~およそ1.0mmの平均高さ(ベース部分の高さおよび歯状物の高さを合わせて)「高さPosRib」を有していてよい。例えば、平均高さは、およそ50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、または1.0mmであってよい。代替的に、これらは、およそ1.0mm、900μm、800μm、700μm、600μm、500μm、400μm、300μm、200μm、100μm、または50μm以下であってよい。
【0083】
いくつかの好ましい実施形態において、歯状物または歯状リブの少なくとも一部分は、縦方向のカラム内での平均中心間ピッチがおよそ100μm~およそ50mmであってよい。例えば、平均中心間ピッチは、およそ50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、または1.0mm以上、同様に増加して最大50mmであってよい。代替的に、これらは、およそ50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、または1.0mm以下、同様に増加して最大50mmであってよい。また、歯状物または歯状リブの隣接するカラムは、縦方向またはオフセットにおいて同じ位置で同じように配置されていてよい。オフセット構成において、隣接する歯状物または歯状リブが、縦方向に異なる位置で配置されている。
【0084】
いくつかの選択の好ましい実施形態において、歯状物または歯状リブの少なくとも一部分は、およそ0.1:1.0~およそ500:1.0の平均高さ対ベース幅比を有していてよい。例えば、平均高さ対ベース幅比は、およそ0.1:1.0、25:1.0、50:1.0、100:1.0、150:1.0、200:1.0、250:1.0、300:1.0、350:1、450:1.0、または500:1.0であってよい。代替的に、平均高さ対ベース幅比は、およそ500:1.0、450:1.0、400:1.0、350:1.0、300:1.0、250:1.0、200:1.0、150:1.0、100:1.0、50:1.0、25:1.0、または0.1:1.0以下であってよい。
【0085】
いくつかの好ましい実施形態において、歯状物または歯状リブの少なくとも一部分は、およそ1,000:1.0~およそ0.1:1.0の平均ベース幅対先端幅比を有し得る。例えば、平均ベース幅対先端幅比は、およそ0.1:1.0、1.0:1.0、2:1.0、3:1.0、4:1.0、5:1.0、6:1.0、7:1.0、8:1.0、9:1.0、10:1.0、15:1.0、20:1.0、25:1.0、50:1.0、100:1.0、150:1.0、200:1.0、250:1.0、300:1.0、350:1.0、450:1.0、500:1.0、550:1.0、600:1.0、650:1.0、700:1.0、750:1.0、800:1.0、850:1.0、900:1.0、950:1.0、または1,000:1.0であってよい。代替的に、平均ベース幅対先端幅比は、およそ1,000:1.0、950:1.0、900:1.0、850:1.0、800:1.0、750:1.0、700:1.0、650:1.0、600:1.0、550:1.0、500:1.0、450:1.0、400:1.0、350:1.0、300:1.0、250:1.0、200:1.0、150:1.0、100:1.0、50:1.0、25:1.0、20:1.0、15:1.0、10:1.0、9:1.0、8:1.0、7:1.0、6:1.0、5:1.0、4:1.0、3:1.0、2:1.0、1.0:1.0、または0.1:1.0以下であってよい。
【0086】
バックウェブ厚さ
いくつかの実施形態において、多孔質セパレータ膜は、およそ50μm~およそ1.0mmのバックウェブ厚さを有し得る。例えば、バックウェブ厚さは、およそ50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、または1.0mmであってよい。他の例示的実施形態において、バックウェブ厚さは、およそ1.0mm、900μm、800μm、700μm、600μm、500μm、400μm、300μm、200μm、100μm、または50μm以下であってよい。ある特定の実施形態においてであるが、50μm以下の非常に薄い平坦なバックウェブ厚さ、例えば、およそ10μm~およそ50μm厚の間が提供される。
【0087】
例示的なセパレータの合計厚さ(バックウェブ厚さならびに正極および負極側リブの高さ)は、典型的には、およそ250μm~およそ4.0mmの範囲である。自動開始/停止電池において使用されるセパレータの合計厚さは、典型的にはおよそ250μm~およそ1.0mmである。産業用のけん引型開始/停止電池において使用されるセパレータの合計厚さは、典型的にはおよそ1.0mm~およそ4.0mmである。
【0088】
組成物
ある特定の例示的実施形態において、改良されたセパレータは:天然または合成基材;加工可塑剤;充填剤;天然または合成ゴム(複数可)またはラテックス、ならびに1以上の他の添加剤および/またはコーティングなどから作製される多孔質膜を含んでいてよい。
【0089】
基材
ある特定の実施形態において、例示的な天然または合成基材として:ポリマー;熱可塑性ポリマー;フェノール樹脂;天然または合成ゴム;合成木材パルプ;リグニン;ガラス繊維;合成繊維;セルロース繊維;およびこれらの任意の組み合わせを挙げることができる。ある特定の好ましい実施形態において、例示的なセパレータは、熱可塑性ポリマーから作製される多孔質膜であってよい。例示的な熱可塑性ポリマーとして、原則として、鉛酸電池における使用に好適な全ての耐酸性熱可塑性材料を挙げることができる。ある特定の好ましい実施形態において、例示的な熱可塑性ポリマーとして、ポリビニルおよびポリオレフィンを挙げることができる。ある特定の実施形態において、ポリビニルとして、例えば、ポリ塩化ビニル(「PVC」)を挙げることができる。ある特定の好ましい実施形態において、ポリオレフィンとして、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-ブテンコポリマー、およびこれらの任意の組み合わせを挙げることができるが、好ましくはポリエチレンである。ある特定の実施形態において、例示的な天然または合成ゴムとして、例えば、ラテックス、非架橋または架橋ゴム、クラムラバーまたは切削されたゴム、およびこれらの任意の組み合わせを挙げることができる。
【0090】
また、アンチモン(Sb)がNAMおよび/または負極に存在するとき、NAM膨潤が低減されることが観察された。したがって、セパレータにおいてアンチモンコーティング、またはセパレータ組成物においてアンチモン添加剤が存在していてよい。
【0091】
ポリオレフィン
ある特定の実施形態において、多孔質膜層は、好ましくはポリオレフィン、具体的にはポリエチレンを含む。好ましくは、ポリエチレンは、高分子量ポリエチレン(「HMWPE」)、(例えば、少なくとも600,000の分子量を有するポリエチレン)である。さらにより好ましくは、ポリエチレンは、超高分子量ポリエチレン(「UHMWPE」)である。例示的なUHMWPEは、粘度測定によって測定され、マーゴリーズの方程式によって算出される分子量が、少なくとも1,000,000、特に4,000,000超、最も好ましくは5,000,000~8,000,000であってよい。さらに、例示的なUHMWPEは、2,160gの標準負荷を使用してASTM D 1238(条件E)において規定されているように測定される標準負荷メルトインデクスが、実質的にゼロ(0)であってよい。また、例示的なUHMWPEは、130℃において100gのデカリン中0.02gのポリオレフィン溶液において求められる粘度数が600ml/g以上、好ましくは1,000ml/g以上、より好ましくは2,000ml/g以上、最も好ましくは3,000ml/g以上であってよい。
【0092】
ゴム
本明細書に開示されている新規のセパレータは、ラテックスおよび/またはゴムを含有していてよい。本明細書において使用されているとき、ゴムは、ゴム、ラテックス、天然ゴム、合成ゴム、架橋もしくは非架橋ゴム、硬化もしくは非硬化ゴム、クラムラバーもしくは切削されたゴム、またはこれらの混合物を記載している。例示的な天然ゴムとして、種々の供給元から市販されている、1以上のポリイソプレンブレンドを挙げることができる。例示的な合成ゴムとして、メチルゴム、ポリブタジエン、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ブロモブチルゴム、ポリウレタンゴム、エピクロロヒドリンゴム、ポリスルフィドゴム、クロロスルホニルポリエチレン、ポリノルボルネンゴム、アクリレートゴム、フッ素ゴムおよびシリコーンゴムおよびコポリマーゴム、例えば、スチレン/ブタジエンゴム、アクリロニトリル/ブタジエンゴム、エチレン/プロピレンゴム(「EPM」および「EPDM」)ならびにエチレン/酢酸ビニルゴムが挙げられる。ゴムは、架橋ゴムまたは非架橋ゴムであってよく;ある特定の好ましい実施形態において、ゴムは非架橋ゴムである。ある特定の実施形態において、ゴムは、架橋および非架橋ゴムのブレンドであってよい。
【0093】
可塑剤
ある特定の実施形態において、例示的な加工可塑剤として、加工油、石油、パラフィン系鉱物油、鉱物油、およびこれらの任意の組み合わせを挙げることができる。
【0094】
充填剤
セパレータは、高い構造形態を有する充填剤を含有し得る。例示的な充填剤として:シリカ、乾燥微粉シリカ;沈降シリカ;非晶質シリカ;高度に破砕性のシリカ;アルミナ;タルク;魚粉;魚骨粉;炭素;カーボンブラック;など、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。ある特定の好ましい実施形態において、充填剤は、1以上のシリカである。高い構造形態は、増加した表面積を称する。充填剤は、例えば、100m2/g、110m2/g、120m2/g、130m2/g、140m2/g、150m2/g、160m2/g、170m2/g、180m2/g、190m2/g、200m2/g、210m2/g、220m2/g、230m2/g、240m2/g、または250m2/g超の高い表面積を有し得る。いくつかの実施形態において、充填剤(例えば、シリカ)は、100~300m2/g、125~275m2/g、150~250m2/g、または好ましくは170~220m2/gの表面積を有し得る。表面積は、多点BET窒素表面積についてTriStar 3000(商標)を使用して評価され得る。高い構造形態は、充填剤が製造プロセスの間にさらなる油を保持することを可能にする。例えば、高い構造形態を有する充填剤は、高いレベルの吸油量、例えば、約150ml/100g、175ml/100g、200ml/100g、225ml/100g、250ml/100g、275ml/100g、300ml/100g、325ml/100g、または350ml/100g超を有する。いくつかの実施形態において、充填剤(例えば、シリカ)は、200~500ml/100g、200~400ml/100g、225~375ml/100g、225~350ml/100g、225~325ml/100g、好ましくは250~300ml/100gの吸油量を有し得る。いくつかの場合において、266ml/100gの吸油量を有するシリカ充填剤が使用される。かかるシリカ充填剤は、5.1%の含水率、178m2/gのBET表面積、23μmの平均粒径、0.1%の篩残分230メッシュ値、および135g/Lのバルク密度を有する。
【0095】
吸油量が比較的高いレベルであり、かつ、可塑剤(例えば、鉱物油)への親和性が比較的高いレベルであるシリカは、本明細書に示されているタイプの例示的な鉛酸電池セパレータを形成するとき、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン)および可塑剤の混合物に望ましくは分散性となる。これまでは、いくつかのセパレータが、多量のシリカを使用してかかるセパレータまたは膜を作製するときにシリカ凝集によって引き起こされる不十分な分散性の不利益を経験している。本明細書に示され記載されている少なくともある特定の本発明セパレータにおいて、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレンは、シシケバブ構造を形成する、なぜなら、溶融したポリオレフィンを冷却する際にポリオレフィンの分子運動を阻害するシリカ凝集物または集塊が少ないからである。この全てが、得られるセパレータ膜の透過度の改良に寄与し、シシケバブ構造または形態の形成は、全ERがより低いセパレータが製造されながらも機械的強度が維持またはさらには改良されることを意味している。
【0096】
いくつかの選択実施形態において、充填剤(例えば、シリカ)は、25μm以下、いくつかの場合において、22μm、20μm、18μm、15μm、または10μm以下の平均粒径を有する。いくつかの場合において、充填剤粒子の平均粒径は、15~25μmである。シリカ充填剤の粒径および/またはシリカ充填剤の表面積は、シリカ充填剤の吸油量に寄与する。最終製品またはセパレータにおけるシリカ粒子は、上記のサイズの範囲内であり得る。しかし、原料として使用される最初のシリカは、1以上の集塊および/または凝集物として生じ得、200μm前後以上のサイズを有していてよい。
【0097】
いくつかの好ましい実施形態において、本発明セパレータを作製するのに使用されるシリカは、鉛酸電池セパレータを作製するのに以前に使用されているシリカ充填剤と比較して増加した量または数の表面シラノール基(表面ヒドロキシル基)を有する。例えば、本明細書におけるある特定の好ましい実施形態によって使用され得るシリカ充填剤は、公知のポリオレフィン鉛酸電池セパレータを作製するのに使用される公知のシリカ充填剤と比較して少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、または少なくとも35%多いシラノールおよび/またはヒドロキシ表面基を有するかかるシリカ充填剤であってよい。
【0098】
ケイ素元素(Si)に対するシラノール基(Si-OH)の比(Si-OH)/Siは、例えば、以下のように測定され得る。
1.ポリオレフィン多孔質膜(ある特定の本発明膜は、本発明によるある特定の種々の油吸収性シリカを含有する)を凍結粉砕し、固体核磁気共鳴分光法(29Si-NMR)用の粉末状サンプルを調製する。
2.粉末状サンプルに対して29Si-NMRを実施し、ヒドロキシル基に直接結合しているSiのスペクトル強度(スペクトル:QおよびQ)ならびに酸素原子にのみ直接結合しているSiのスペクトル強度(スペクトル:Q)を含むスペクトルを観察し、ここで、各NMRピークスペクトルの分子構造は、以下のように表記され得る:
・Q:(SiO)-Si-(OH):2つのヒドロキシル基を有する
・Q:(SiO)-Si-(OH):1つのヒドロキシル基を有する
・Q:(SiO)-Si:全てのSi結合がSiOである
ここで、Siは、NMR観察によって証明された元素である。
3.観察に使用される29Si-NMRの条件は以下の通りである:
・機器:Bruker BioSpin Avance 500
・共鳴周波数:99.36MHz
・サンプル量:250mg
・NMRチューブ:7mφ
・観察方法:DD/MAS
・パルス幅:45°
・繰り返し時間:100秒
・スキャン:800
・マジック角スピンニング:5,000Hz
・化学シフト基準:-22.43ppmでシリコーンゴム
4.数値的に、スペクトルのピークを分離し、Q、Q、およびQに属する各ピークの面積比を算出する。その後、比に基づいて、Siに直接結合しているヒドロキシル基(-OH)のモル比を算出する。数値的なピーク分離の条件を以下のように行う:
・フィッティング領域:-80~-130ppm
・最初のピークトップ:それぞれ、Qでは-93ppm、Qでは-101ppm、Qでは-111ppm。
・最初の半値幅:それぞれ、Qでは400Hz、Qでは350Hz、Qでは450Hz。
・ガウス関数比:最初に80%、フィッティングの間に70~100%。
5.Q、Q、およびQのピーク面積比(合計は100である)をフィッティングによって得られる各ピークに基づいて算出する。NMRピーク面積は、各シリケート結合構造の分子数に相当した(そのため、QのNMRピークでは、4つのSi-O-Si結合がシリケート構造内に存在し;QのNMRピークでは、3つのSi-O-Si結合がシリケート構造内に存在する一方で、1つのSi-OH結合が存在し;QのNMRピークでは、2つのSi-O-Si結合がシリケート構造内に存在する一方で、2つのSi-OH結合が存在する)。そのため、Q、Q、およびQのヒドロキシル基(-OH)の各数は、それぞれ、2(2)、1(1)、およびゼロ(0)で乗算される。これらの3つの結果を合計する。合計した値は、Siに直接結合しているヒドロキシル基(-OH)のモル比を表している。
【0099】
ある特定の実施形態において、シリカは、およそ21:100~35:100、いくつかの好ましい実施形態において、およそ23:100~およそ31:100、ある特定の好ましい実施形態において、およそ25:100~およそ29:100、他の好ましい実施形態において、少なくともおよそ27:100以上の範囲内であってよい、29Si-NMRによって測定される、Si基に対するOH基の分子比を有していてよい。
【0100】
いくつかの選択実施形態において、上記の充填剤の使用は、押出ステップの間、より高い割合の加工油の使用を可能にする。セパレータにおける多孔質構造が、一部において、押出後の油の除去によって形成されるとき、より高い初期吸油量が、より高い空隙率またはより高い空隙容量を結果として生じさせる。加工油は、押出ステップの不可欠な構成要素であるが、油は、セパレータの非伝導性構成要素である。セパレータにおける残油は、正極と接触するとき、セパレータを酸化から保護する。加工ステップにおける油の正確な量は、従来のセパレータの製造において制御されてよい。一般的に言えば、従来のセパレータは、50~70%の加工油、いくつかの実施形態において、55~65%、いくつかの実施形態において、60~65%、いくつかの実施形態において、約62重量%の加工油を使用して製造される。約59%未満への油の低減は、押出機の構成要素に対しての摩擦の増加に起因して燃焼を引き起こすことが知られている。しかし、規定の量をはるかに超えての油の増加は、乾燥段階の間に収縮を引き起こして、寸法の不安定性につながり得る。油分を増加させるための以前の試みは、油の除去の間に細孔の収縮または圧縮を結果として生じさせたが、本明細書に開示されているように調製されるセパレータは、油の除去の間、たとえあったとしても、最小の収縮または圧縮を示す。そのため、空隙率が、細孔径および寸法安定性を損なうことなく増加され、これにより、電気抵抗を減少させ得る。
【0101】
ある特定の選択実施形態において、上記の充填剤の使用は、完成したセパレータにおける最終油濃度の低減を可能にする。油は非伝導体であるため、油分の低減は、セパレータのイオン伝導率を増加させ得、セパレータのERの低下を助け得る。そのため、低減した最終油分を有するセパレータは、増加した効率を有し得る。ある特定の選択実施形態において、20%未満、例えば、約14%~20%、いくつかの特定の実施形態において、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、または5%未満の最終加工油分(重量基準)を有するセパレータが提供される。
【0102】
充填剤は、電解質イオンの水和層と呼ばれるものをさらに低減し、膜を横断するかかるイオンの輸送を改善することにより、電池、例えば、強化型液式電池またはシステムの電気抵抗またはER全体を再度低下させ得る。
【0103】
充填剤(複数可)は、セパレータを横断する電解質およびイオンの流れを容易にする種々の種(例えば、極性種、例えば、金属)を含有していてよい。このことはまた、かかるセパレータが液式電池、例えば、強化型液式電池において使用されるとき、電気抵抗全体の減少にもつながる。
【0104】
破砕性
ある特定の選択実施形態において、充填剤は、アルミナ、タルク、シリカ、またはこれらの組み合わせであり得る。いくつかの実施形態において、充填剤は、沈降シリカであり得、いくつかの実施形態において、沈降シリカは、非晶質シリカである。いくつかの実施形態において、セパレータ全体を通しての充填剤の微細な分散を可能にすることにより屈曲および電気抵抗を減少させる、シリカの凝集物および/または集塊を使用することが好ましい。ある特定の好ましい実施形態において、充填剤(例えば、シリカ)は、高いレベルの破砕性によって特徴付けられる。良好な破砕性は、多孔質膜の押出の間のポリマー全体を通しての充填剤の分散を改善して、空隙率およびこれによりセパレータを通してのイオン伝導率全体を改善する。
【0105】
破砕性は、シリカ粒子または材料(凝集物または集塊)が、より小さいサイズの、より分散性の粒子、片または構成要素に破壊される可能性、傾向または性向として測定され得る。新たな本発明シリカは、標準シリカよりも破砕性である(超音波処理の30秒後および60秒後により小さな片に破壊される)。例えば、図11に示されるように、新たな本発明シリカは、0秒の超音波処理において24.90μm、30秒で5.17μm、および60秒で0.49μmの50体積%粒径を有していてよい。ゆえに、50体積%のシリカ粒子の30秒の超音波処理では50%超のサイズ(径)低減、60秒では75%超のサイズ(径)低減があった。ゆえに、「高い破砕性」の1つの場合により好ましい定義は、(膜を形成するための樹脂シリカ混合体の処理において)シリカ粒子の30秒の超音波処理において少なくとも50%の平均サイズ(径)の低減および60秒の超音波処理において少なくとも75%の平均サイズ(径)の低減であってよい。少なくともある特定の実施形態において、より破砕性のシリカを使用することが好ましい場合があり、破砕性でありかつその破砕性においてマルチモーダル、例えば、バイモーダルまたはトリモーダルであるシリカを使用することがさらにより好ましい場合がある。例えば、常套的な標準シリカは、その破砕性または粒度分布においてシングルモーダルであると見られ得るが、新たな本発明シリカは、より破砕性と見られ、30秒の超音波処理ではバイモーダル(2つのピーク)、60秒の超音波処理ではトリモーダル(3つのピーク)が見られる。かかる破砕性およびマルチモーダル粒径シリカ(複数可)は、改善された膜およびセパレータ特性を付与し得る。
【0106】
上記の特徴のうちの1以上を有する充填剤の使用は、より高い最終空隙率を有するセパレータの製造を可能にする。本明細書に開示されているセパレータは、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、または70%超の最終空隙率を有し得る。空隙率は、気体吸着法を使用して測定されてよい。空隙率は、BS-TE-2060によって測定され得る。
【0107】
いくつかの選択実施形態において、多孔質セパレータは、約1μm、0.9μm、0.8μm、0.7μm、0.6μm、0.5μm、または0.1μm以下の平均細孔径を維持しながら、より高い割合のより大きな細孔を有し得る。
【0108】
少なくとも1つの実施形態によると、セパレータは、加工油および充填剤ならびに任意の所望の添加剤と混合されたポリエチレン、例えば、超高分子量ポリエチレン(「UHMWPE」)からなる。少なくとも1つの他の実施形態によると、セパレータは、加工油およびタルクと混合された超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)からなる。少なくとも1つの他の実施形態によると、セパレータは、加工油およびシリカ、例えば、沈降シリカ、例えば、非晶質沈降シリカと混合されたUHMWPEからなる。添加剤は、次いで、上記の技術のうちの1以上を介してセパレータに適用され得る。
【0109】
電気抵抗の低減およびコールドクランキングアンペアの増加の他に、好ましいセパレータはまた、他の利益をもたらすように設計される。組み立てに関して、セパレータは、加工機器をより容易に通過し、そのため、より効率的に製造される。高速組み立ての間および寿命におけるその後の短絡を防止するために、セパレータは、標準PEセパレータと比較したとき優れた穿刺強度および耐酸化性を有する。低減した電気抵抗および増加したコールドクランキングアンペアと組み合わせて、電池製造業者は、これらの新たなセパレータを有する電池において改良されかつ持続した電気性能を見出しやすい。
【0110】
導電層
ある特定の実施形態において、セパレータは、核形成添加剤および/またはコーティングの形態で性能向上添加剤を含有していてよい。核形成添加剤は、電池電解質において好ましくは安定であり得、電解質内にさらに分散されていてよい。
【0111】
本発明者らは、電池を充電するとき、より小さい硫酸鉛の結晶がより大きい結晶と比較してより容易に溶液に戻ると仮定する。核形成部位を提供することは、結晶に形成開始点を付与することとされている。さらに、多くの核形成部位が、多くの結晶形成箇所を提供し得、これにより、より少数のより大きい結晶とは対照的に、全量の硫酸鉛が、多数のより小さい結晶内に広がり得る。これらのより小さい結晶は、電池の充電サイクルの際により容易に溶液に戻り、これにより、デンドライトの成長を妨げる。本発明者らは、これらの核形成部位を提供する例示的な手段として、セパレータの様々な核形成添加剤、例えば、炭素および硫酸バリウム(BaSO)を同定した。核形成部位を提供することに加えて、炭素はまた、電池充電受入性を増加し、電池容量を増加し得る。
【0112】
炭素が提供する別の利点は、増加した充電受入性である。本発明者らが提起する1つの仮説は、高導電性炭素粒子が電子伝導経路を提供し、そのため、活物質の利用を改善するということである。本発明者らの別の仮説は、当該炭素が、セパレータの静電容量、したがって、電池システム全体を増加するということである。
【0113】
核形成添加剤および/またはコーティングの例示的な形態は、炭素、例えば、炭素、導電性炭素、黒鉛、人造黒鉛、活性炭、カーボン紙、アセチレンブラック、カーボンブラック、高表面積カーボンブラック、グラフェン、高表面積グラフェン、ケッチェンブラック、炭素繊維、炭素フィラメント、カーボンナノチューブ、連続気泡炭素発泡体、炭素マット、炭素フェルト、炭素バックミンスターフラーレン(バッキーボール)、水性炭素懸濁液、およびこれらの組み合わせであってよく、または、これらを含有していてよい。これらの多くの炭素形態に加えて、核形成添加剤および/またはコーティングはまた、硫酸バリウム(BaSO)を単独でまたは炭素と組み合わせてのいずれかで含んでいても含有していてもよい。
【0114】
核形成コーティングは、スラリーコーティング、スロットダイコーティング、スプレーコーティング、カーテンコーティング、インクジェット印刷、スクリーン印刷、または真空蒸着もしくは化学蒸着(「CVD」)などの手段によって完成したセパレータに適用されてよい。また、添加剤および/またはコーティングは、織布または不織布のいずれかのカーボン紙として提供されてよく、また、セパレータと電極(複数可)との間に配置されていてよく、また、これらと密接していてよい。
【0115】
核形成添加剤および/またはコーティングは、セパレータ、またはセパレータの一方もしくは両方の電極接面内にあってよい。典型的には、核形成添加剤のコーティングまたは層が、負極接面上にのみあってよい。しかし、これは、正極接面上に、または両面上にあってよい。
【0116】
ある特定の実施形態において、核形成添加剤は、基材の押出混合体に添加されて、セパレータと共に押出されてよく、またはセパレータにおける層として共押出されてよい。核形成添加剤は、押出混合体に含まれているとき、5%~75重量%と同程度でシリカ充填剤の一部を置き換えてよい。例えば、核形成添加剤は、およそ5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、またはおよそ75重量%であってよい。他の例示的実施形態において、核形成添加剤は、およそ75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、またはおよそ5重量%以下であってよい。
【0117】
導電層は、例示的な電池セパレータに配置されていてよい。導電層は、電池の正極と接触するように好ましくは適合されてよい。導電層は、正極にかつ正極からの新たな電流経路を提供するためのものであってよい。導電層は、限定されないが、アルミナ、鉛、金、アンチモン、ヒ素、亜鉛、バリウム、ベリリウム、リチウム、マグネシウム、ニッケル、アルミニウム、銀、スズ、およびこれらの組み合わせ合金、または炭素繊維、黒鉛、炭素、炭素および亜鉛、カーボンナノチューブ、バックミンスターフラーレン(もしくはバッキーボール)、ならびにこれらの組み合わせを含めたいずれの導電材からなっていてもよい。カーボンナノチューブまたはバッキーボールは、バインダを含む媒体に分散されて、電池セパレータに塗装されてよい。導電層は、正極導体よりも耐腐食性であるいずれの導電材からなっていてもよく、そのため、導電層が、正極導体の導電能力が低下したときに正極導体として機能することを可能にする。導電層は、0.8%~1.17%のスズおよびゼロ(0)超~0.015%の銀との鉛系合金であってよい。導電層は、0.02%~0.06%のカルシウム、0.3%~3%のスズ、および0.01%~0.05%の銀との鉛系合金であってよい。導電層は、限定されないが、帯状物、スクリーン、箔、糸状物、ワイヤ、コーティングなど、またはこれらの組み合わせを含めたいずれの形態に作製されてもよい。導電層は、いずれの厚さ、例えば、およそ3μmの厚さであってもよい。導電層は、限定されないが、接着剤、熱溶解、塗装などを含めたいずれの手段によって電池セパレータ上に配置されてもよい。導電層は、全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,564,623号に記載されている通りであってよい。
【0118】
電気抵抗
ある特定の選択された実施形態において、開示されているセパレータは、減少した電気抵抗、例えば、約200mΩ・cm、180mΩ・cm、160mΩ・cm、140mΩ・cm、120mΩ・cm、100mΩ・cm、80mΩ・cm、60mΩ・cm、50mΩ・cm、40mΩ・cm、30mΩ・cm、または20mΩ・cm以下の電気抵抗を示す。様々な実施形態において、本明細書に記載されているセパレータは、同じ厚さの公知のセパレータと比較して約20%以上のERの低減を示す。例えば、公知のセパレータは、60mΩ・cmのER値を有していてよく;そのため、同じ厚さでの本発明によるセパレータは、約48mΩ・cm未満のER値を有する。
【0119】
本発明によるER試験評価用サンプルセパレータを試験するために、まず、作製しなければならない。そのために、サンプルセパレータを、脱塩水の浴に好ましくは浸漬し、水を次いで沸騰させて、セパレータを次いで沸騰脱塩水浴にて10分後に除去する。除去後、過剰な水をセパレータから振り落とし、次いで、27℃±1℃において1.280の比重を有する硫酸の浴に設置する。セパレータを硫酸浴に20分間漬ける。セパレータを次いで電気抵抗についてすぐに試験できるようにする。
【0120】
酸化安定性
ある特定の選択された実施形態において、例示的なセパレータは、改良された、より高い耐酸化性によって特徴付けられ得る。耐酸化性は、酸性電解質および温度の変動を含めて、鉛酸電池内の環境に長期曝露した後の幅方向におけるサンプルセパレータ試料の伸びにおいて測定される。例えば、例示的なセパレータは、およそ100%以上、150%以上、200%以上、250%以上、300%以上、350%以上、400%以上、450%以上、または500%以上の、40時間における伸びを有していてよい。ある特定の実施形態において、例示的なセパレータは、好ましい耐酸化性、または、およそ100%以上の、40時間における伸びを有していてよい。また、例示的なセパレータは、およそ200%以上、250%以上、300%以上、350%以上、400%以上、450%以上、または500%以上の、20時間における伸びを有していてよい。ある特定の実施形態において、例示的なセパレータは、好ましい耐酸化性、または、およそ200%以上の、20時間における伸びを有していてよい。
【0121】
耐酸化性についてサンプルを試験するために、例示的なセパレータのサンプル試料1200を、図12Aに概して記載されている形状にまず切断する。試料1200を、次いで、図12Bおよび12Cに概して示されているサンプルホルダ1220に設置する。
【0122】
第1のサンプルセットを、破壊伸び百分率について、時間=0時間にて乾燥で試験する。伸びは、図12Aにおける点AおよびBから測定される50±2mmの距離を基準とする。例えば、点AおよびBがサンプル破壊の際に300%の距離に延伸されると、AおよびB間の最終距離は150±6mmである。
【0123】
伸び試験は、短縮された期間でのサイクリング電池における電解質への長期間の曝露をシミュレートするように設計される。サンプル1200を、まず、イソプロパノールに完全に沈め、ドレインし、次いで、水に1~2秒間沈める。サンプルを次いで電解液に沈める。溶液は、360mlの、1.28の比重の硫酸、35mlの、1.84の比重の硫酸、次いで、105mlの、35%の過酸化水素を順に添加することによって調製される。溶液を80℃で保ち、サンプルを溶液に長期間浸漬する。サンプルは、規定の時間間隔、例えば、20時間、40時間、60時間、80時間などで伸びに関して試験されてよい。これらの間隔で試験するために、サンプル1200を80℃の電解質浴から除去し、酸が除去されるまで微温流水下に置く。伸びを次いで試験することができる。
【0124】
少なくとも選択された実施形態によると、本開示または発明は、改良された電池セパレータ、低ERもしくは高伝導性セパレータ、改良された鉛酸電池、例えば、液式鉛酸電池、高伝導性電池、および/または、かかる電池を含む改良された車両、ならびに/あるいは、かかるセパレータもしくは電池の製造もしくは使用方法、ならびに/あるいは、これらの組み合わせを対象とする。少なくともある特定の実施形態によると、本開示または発明は、改良されたセパレータを組み込んだ、増加した伝導性を示す、改良された鉛酸電池を対象とする。
【0125】
例示的なセパレータはまた、12V自動車用蓄電池について、総合的な寿命試験、例えば、SAE-J2801-Comprehensive Life Test後に耐酸化性に関して評価されてもよい。
【0126】
耐穿刺性
ある特定の選択された実施形態において、例示的なセパレータは、増加した耐穿刺性によって特徴付けられ得る。例えば、およそ9N以上、9.5N以上、10N以上、10.5N以上、11N以上、11.5N以上、12N以上、12.5N以上、13N以上、13.5N以上、14N以上、14.5N以上、15N以上、15.5N以上、16N以上、16.5N以上、17N以上、17.5N以上、18N以上、18.5N以上、19N以上、19.5N以上、または20N以上の耐穿刺性。ある特定の実施形態において、例示的なセパレータは、およそ9N~およそ20N以上、またはより好ましくはおよそ11N~およそ20N以上の耐穿刺性によって好ましくは定義され得る。
【0127】
耐穿刺性は、図13に概して示されている先端1300を利用して多孔質膜を穿刺するのに必要とされる力として測定され得る。先端1300が上記膜を穿刺しながら多孔質膜が支持される穿刺ベースは、10mmの深さを有する直径6.5mmの直線状の穴を有するベースとして概して記載されていてよい。先端の移動限界は、穿刺ベース表面の下方におよそ4mm~およそ8mmであってよい。穿刺先端1300は、およそ5mm/sの速度で膜内に線状に移動する。
【0128】
添加剤/界面活性剤
ある特定の実施形態において、例示的なセパレータは、セパレータまたは多孔質膜に添加される1以上の性能向上添加剤および/またはコーティングを含有していてよい。性能向上添加剤および/またはコーティングは、界面活性剤、湿潤剤、着色剤、帯電防止添加剤および/またはコーティング、アンチモン抑制添加剤および/またはコーティング、UV-保護添加剤および/またはコーティング、酸化防止剤など、ならびにこれらの組み合わせであってよい。ある特定の実施形態において、添加剤および/またはコーティング界面活性剤は、イオン性、もしくは非イオン性界面活性剤、またはこれらの組み合わせであってよい。
【0129】
かかる性能向上添加剤および/またはコーティングは、水素(H)発生を低減する、したがって水分損失を低減することが見出された。かかる低減した水分損失は、グリッドの腐食の軽減を助ける。本発明者らは、過剰なグリッド腐食がグリッドの反りを悪化させる傾向にあることに気付いた。
【0130】
ある特定の好適な界面活性剤は、6未満、好ましくは3未満のHLB値を有していてよい。これらのある特定の好適な界面活性剤と本明細書に記載されている本発明セパレータとの併用は、鉛酸電池において使用されるときに、かかる鉛酸電池について、低減した水分損失、低減したアンチモン中毒、改良されたサイクリング、低減したフロート電流、低減したフロート電位など、またはこれらの任意の組み合わせを引き起こす、なおさらに改良されたセパレータを引き起こし得る。好適な界面活性剤として、界面活性剤、例えば、硫酸アルキルの塩;アルキルアリールスルホネート塩;アルキルフェノール-アルキレンオキシド付加生成物;石鹸;アルキル-ナフタレン-スルホネート塩;1以上のスルホサクシネート、例えば、アニオン性スルホサクシネート;スルホサクシネート塩のジアルキルエステル;アミノ化合物(第1級、第2級、第3級または第4級アミン);エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマー;様々なポリエチレンオキシド;ならびにモノおよびジアルキルホスフェートエステルの塩が挙げられる。添加剤として、非イオン性界面活性剤、例えば、ポリオール脂肪酸エステル、ポリエトキシ化エステル、ポリエトキシ化アルコール、アルキル多糖類、例えば、アルキルポリグルコシドおよびこれらのブレンド、アミンエトキシレート、ソルビタン脂肪酸エステルエトキシレート、有機シリコーン系界面活性剤、エチレン酢酸ビニルターポリマー、エトキシ化アルキルアリールホスフェートエステル、ならびに脂肪酸のスクロースエステルを挙げることができる。
【0131】
ある特定の実施形態において、添加剤は、式(I)の化合物
【化1】
式中:
・Rは、酸素原子によって中断されていてよい、10~4200個、好ましくは13~4200個の炭素原子を有する線状または非芳香族炭化水素ラジカルであり;
【0132】
【化2】
【0133】
であり、好ましくはHであり、ここでk=1または2であり;
・Mは、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属イオン、Hまたは
NH4+であり、ここで、全ての変数Mが同時にHを意味するということはなく;
・n=0または1であり;
・m=0または10~1400の整数であり;
・x=1または2である;
によって表されてよい。
【0134】
式(I)による化合物における酸素原子対炭素原子の比が1:1.5~1:30の範囲であり、mおよびnが同時に0ではなくてよい。しかし、好ましくは、変数nおよびmの一方のみが0と異なる。
【0135】
非芳香族炭化水素ラジカルは、芳香族基を含有しないまたは自身がそれを表すラジカルを意味する。炭化水素ラジカルは、酸素原子によって中断されていてよい(すなわち、1以上のエーテル基を含有する)。
【0136】
Rは、酸素原子酸素原子によって中断されていてよい、好ましくは直鎖または分岐状脂肪族炭化水素ラジカルである。飽和の非架橋炭化水素ラジカルが非常に特に好ましい。しかし、上記に記述されているように、Rは、ある特定の実施形態において、芳香族環含有であってよい。
【0137】
式(I)の化合物の、電池セパレータの製造のための使用を通して、これらを酸化破壊に対して有効に保護し得る。
【0138】
式(I)
式中:
・Rは、1~60、好ましくは1~20、非常に特に好ましくは1~8個の酸素原子によって中断されていてよい、10~180、好ましくは12~75、非常に特に好ましくは14~40個の炭素原子を有する炭化水素ラジカル、特に好ましくは、式R-[(OC(OC]-
式中:
・Rは、10~30個の炭素原子、好ましくは12~25、特に好ましくは14~20個の炭素原子を有するアルキルラジカルであり、Rは、例えば、芳香族環を有する線状または非線状であってよく;
・Pは、0~30、好ましくは0~10、特に好ましくは0~4の整数であり;
・qは、0~30、好ましくは0~10、特に好ましくは0~4の整数であり;
・pおよびqの総和が0~10、特に0~4である化合物が特に好ましい;
の炭化水素ラジカルであり;
・n=1であり;
・m=0である
による化合物を含有する電池セパレータが好ましい。
【0139】
式R-[(OC(OC]-は、角括弧内の基の配列が示されているものと異なるこれらの化合物も含めると理解されるべきである。例えば、本発明によると、括弧内のラジカルが(OC)および(OC)基を交互にすることによって形成される化合物が好適である。
【0140】
が10~20、好ましくは14~18個の炭素原子を有する直鎖または分岐状アルキルラジカルである添加剤は、特に有利であることが証明された。OCは、好ましくは、OCHCH、OC、OCH(CHおよび/またはOCHCHCHを表す。
【0141】
好ましい添加剤として、特にアルコール(p=q=0;m=0)が言及され得、第1級アルコールが特に好ましく、脂肪アルコールエトキシレート(p=1~4、q=0)、脂肪アルコールプロポキシレート(p=0;q=1~4)および脂肪アルコールアルコキシレート(p=1~2;q=1~4)、第1級アルコールのエトキシレートが好ましい。脂肪アルコールアルコキシレートは、例えば、対応するアルコールとエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドとの反応を通して入手可能である。
【0142】
水および硫酸に可溶性でないまたはただ難溶性である、m=0のタイプの添加剤が特に有利であることが証明された。
【0143】
式(I):式中:
・Rは、20~4200、好ましくは50~750、非常に特に好ましくは80~225個の炭素原子を有するアルカンラジカルであり;
・Mは、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属イオン、HまたはNH4+であり、特にアルカリ金属イオン、例えば、Li、NaおよびKまたはHであり、ここで、全ての変数Mが同時にHを意味するということはなく;
・n=0であり;
・mは、10~1400の整数であり;
・x=1または2である;
による化合物を含む添加剤も好ましい。
【0144】
塩添加剤
ある特定の実施形態において、好適な添加剤として、特に、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸およびアクリル酸-メタクリル酸コポリマーを挙げることができ、これらの酸基は、例えば、好ましくは40%、特に好ましくは80%だけ少なくとも部分的に中和されている。百分率は、酸基の数を指す。全体に塩形態で存在するポリ(メタ)アクリル酸が非常に特に好ましい。好適な塩として、Li、Na、K、Rb、Be、Mg、Ca、Sr、Zn、およびアンモニウム(NR、ここで、Rは、水素または炭素官能基のいずれかである)が挙げられる。ポリ(メタ)アクリル酸として、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、およびアクリル酸-メタクリル酸コポリマーを挙げることができる。ポリ(メタ)アクリル酸、特に、1,000~100,000g/mol、特に好ましくは1,000~15,000g/mol、非常に特に好ましくは1,000~4,000g/molの平均モル質量Mを有するポリアクリル酸が好ましい。ポリ(メタ)アクリル酸ポリマーおよびコポリマーの分子量は、ポリマーの、水酸化ナトリウム溶液によって中和された、1%水溶液の粘度(フィケンチャーの定数)を測定することによって確認される。
【0145】
(メタ)アクリル酸のコポリマー、特に、(メタ)アクリル酸の他に、コモノマーとしてエチレン、マレイン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルおよび/またはアクリル酸エチルヘキシルを含むコポリマーも好適である。少なくとも40重量%および好ましくは少なくとも80重量%の(メタ)アクリル酸モノマーを含むコポリマーが好ましく;百分率は、モノマーまたはポリマーの酸形態を基準とする。
【0146】
ポリアクリル酸ポリマーおよびコポリマーを中和するためには、アルカリ金属およびアルカリ土類金属水酸化物、例えば、水酸化カリウムおよび特に水酸化ナトリウムが特に好ましい。また、セパレータを改良するためのコーティングおよび/または添加剤には、例えば、金属アルコキシドが含まれていてよく、金属は、例として(限定的であることは意図されない)、Zn、Na、またはAlのみ、例としてナトリウムエトキシドのみであってよい。
【0147】
いくつかの実施形態において、多孔質ポリオレフィン多孔質膜は、かかる層の片側または両側にコーティングを含んでいてよい。かかるコーティングは、界面活性剤または他の材料を含んでいてよい。いくつかの実施形態において、コーティングは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開公報第2012/0094183号に記載されている1以上の材料を含んでいてよい。かかるコーティングは、例えば、電池システムの過充電電圧を低減することにより、少ないグリッド腐食で電池寿命を延長し得、また、乾燥および/または水分損失を防止し得る。
【0148】

ある特定の選択実施形態において、膜は、重量基準で、約5~15%のポリマー、いくつかの場合において、約10%のポリマー(例えば、ポリエチレン)、約10~75%の充填剤(例えば、シリカ)、いくつかの場合において、約30%の充填剤、および約10~85%の加工油、いくつかの場合において、約60%の加工油を組み合わせることによって調製されてよい。他の実施形態において、充填剤分は、低減され、油分は、より高い、例えば、約61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%または70重量%超である。充填剤:ポリマー比(重量基準)は、約(またはおよそこれらの具体的な範囲内であってよい)、例えば、2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4.0:1。4.5:1、5.0:1、5.5:1または6:1であってよい。充填剤:ポリマー比(重量基準)は、約1.5:1~約6:1、いくつかの場合において、2:1~6:1、約2:1~5:1、約2:1~4:1、いくつかの場合において、約2:1~約3:1であってよい。ゴム、充填剤、油、およびポリマーの量は、全て、走行可能性、および、所望のセパレータ特性、例えば、電気抵抗、坪量、耐穿刺性、曲げ剛性、耐酸化性、空隙率、物理的強度、屈曲度などに関してバランスが取れている。
【0149】
少なくとも1つの実施形態によると、多孔質膜は、加工油および沈降シリカが混合されたUHMWPEを含み得る。少なくとも1つの実施形態によると、多孔質膜は、加工油、添加剤および沈降シリカが混合されたUHMWPEを含み得る。混合物は、セパレータ分野において一般的であるように少量の他の添加剤または剤を含んでいてもよい(例えば、界面活性剤、湿潤剤、着色剤、帯電防止添加剤、酸化防止剤など、およびこれらの任意の組み合わせ)。ある特定の場合において、多孔質ポリマー層は、8~100体積%のポリオレフィン、0~40体積%の可塑剤および0~92体積%の不活性充填剤材料の均一な混合物であってよい。好ましい可塑剤は石油である。可塑剤は、ポリマー-充填剤-可塑剤組成物から溶媒抽出および乾燥によって除去するのが最も容易である成分であるため、電池セパレータに空隙率を付与するのに有用である。
【0150】
ある特定の実施形態において、本明細書に開示されている多孔質膜は、天然ゴム、合成ゴム、またはこれらの混合物であってよいラテックスおよび/またはゴムを含んでいてよい。天然ゴムは、種々の供給元から市販されている、1以上のポリイソプレンブレンドを含んでいてよい。例示的な合成ゴムとして、メチルゴム、ポリブタジエン、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ブロモブチルゴム、ポリウレタンゴム、エピクロロヒドリンゴム、ポリスルフィドゴム、クロロスルホニルポリエチレン、ポリノルボルネンゴム、アクリレートゴム、フッ素ゴムおよびシリコーンゴムおよびコポリマーゴム、例えば、スチレン/ブタジエンゴム、アクリロニトリル/ブタジエンゴム、エチレン/プロピレンゴム(EPMおよびEPDM)ならびにエチレン/酢酸ビニルゴムが挙げられる。ゴムは、架橋ゴムまたは非架橋ゴムであってよく;ある特定の好ましい実施形態において、ゴムは非架橋ゴムである。ある特定の実施形態において、ゴムは、架橋および非架橋ゴムのブレンドであってよい。ゴムは、最終セパレータ重量(ゴムおよび/またはラテックスを含有するポリオレフィンセパレータシートまたは層の重量)に対して少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、または10重量%の量でセパレータに存在していてよい。ある特定の実施形態において、ゴムは、およそ1~6%、およそ3~6重量%、およそ3重量%、およそ6重量%の量で存在していてよい。多孔質膜は、充填剤対ポリマーおよびゴムの重量比(充填剤:ポリマーおよびゴム)がおよそ2.6:1.0であってよい。ゴム、充填剤、油、およびポリマーの量は、全て、走行可能性、および、所望のセパレータ特性、例えば、電気抵抗、坪量、耐穿刺性、曲げ剛性、耐酸化性、空隙率、物理的強度、屈曲度などに関してバランスが取れている。
【0151】
ポリエチレンおよび充填剤(例えば、シリカ)を含む、本発明によって作製される多孔質膜は、典型的には残存油分を有しており;いくつかの実施形態において、かかる残存油分は、セパレータ膜の合計重量の約0.5%から最大約40%である(いくつかの場合において、セパレータ膜の合計重量の約10~40%、いくつかの場合において、当該合計重量の約20~40%)。本明細書におけるある特定の選択実施形態において、セパレータにおける残存油分の一部から全てが、性能向上添加剤、例えば、界面活性剤、例えば、親水性-親油性バランス(「HLB」)が6未満の界面活性剤、または、例えば、非イオン性界面活性剤の添加によって置き換えられていてよい。例えば、性能向上添加剤、例えば、界面活性剤、例えば、非イオン性界面活性剤は、多孔質セパレータ膜の合計重量の、最大0.5%から最大で残存油分の量まで(例えば、最大20%または30%またはさらには40%まで)を構成することにより、セパレータ膜における残存油を部分的または完全に置き換え得る。
【0152】
製造
いくつかの実施形態において、例示的な多孔質膜は、押出機において構成部分を混合することによって作製されてよい。例えば、約30重量%の充填剤が、約10重量%のUHMWPE、および約60%の加工油と共に押出機において混合されてよい。例示的な多孔質膜は、構成部分を加熱された押出機に通すこと、押出機によって生じた押出物をダイに通し、2つの加熱されたプレスまたはカレンダースタックまたはロールによって形成されるニップ内に通して、連続ウェブを形成することによって作製されてよい。ウェブからの相当量の加工油が、溶媒の使用によって抽出されてよく、これにより、乾燥による溶媒の除去が行われる。ウェブは次いで所定幅のレーンに切断されて、次いでロール上に巻かれてよい。さらに、プレスまたはカレンダーロールには、本明細書に実質的に記載されているリブ、溝、テクスチャ領域、エンボスなどを付与するように様々な溝パターンが刻み込まれていてよい。
【0153】
ゴムを用いた製造
いくつかの実施形態において、例示的な多孔質膜は、押出機において構成部分を混合することによって作製されてよい。例えば、約5~15重量%のポリマー(例えば、ポリエチレン)、約10~75重量%の充填剤(例えば、シリカ)、約1~50重量%のゴムおよび/またはラテックス、および約10~85%の加工油が、押出機において混合されてよい。例示的な多孔質膜は、構成部分を加熱された押出機に通すこと、押出機によって生じた押出物をダイに通し、2つの加熱されたプレスまたはカレンダースタックまたはロールによって形成されるニップ内に通して、連続ウェブを形成することによって作製されてよい。ウェブからの相当量の加工油が、溶媒の使用によって抽出されてよい。ウェブは次いで乾燥されて所定幅のレーンにスリット形成されて、次いでロール上に巻かれてよい。さらに、プレスまたはカレンダーロールには、本明細書に実質的に記載されているリブ、溝、テクスチャ領域、エンボス、などを付与するように様々な溝パターンが刻み込まれていてよい。ゴム、充填剤、油、およびポリマーの量は、全て、走行可能性、および、所望のセパレータ特性、例えば、電気抵抗、坪量、耐穿刺性、曲げ剛性、耐酸化性、空隙率、物理的強度、屈曲度などに関してバランスが取れている。
【0154】
押出機の構成部に添加されることに加えて、ある特定の実施形態は、押出後にゴムを多孔質膜と合わせる。例えば、ゴムは、片側または両側に、好ましくは負極を向いている側に、ゴムおよび/またはラテックス、任意選択的に、シリカ、および水を含む液体スラリーでコーティングされ、次いで、乾燥されて、この材料のフィルムが例示的な多孔質膜の表面に形成されるようになっていてよい。この層のより良好な湿潤性のために、公知の湿潤剤は、鉛酸電池における使用のためのスラリーに添加されてよい。ある特定の実施形態において、スラリーはまた、本明細書に記載されている1以上の性能向上添加剤も含有し得る。乾燥後、多孔質層および/またはフィルムは、セパレータの表面に形成され、多孔質膜にかなりよく接着して、仮にあったとしても僅かだけ電気抵抗を増加する。ゴムは、添加された後、機械プレスまたはカレンダースタックもしくはロールのいずれかを使用してさらに圧縮されてよい。ゴムおよび/またはラテックスを適用する他の可能な方法は、セパレータの1以上への表面の浸漬コーティング、ローラコーティング、スプレーコーティングもしくはカーテンコーティング、またはこれらの任意の組み合わせにより、ゴムおよび/またはラテックススラリーを適用することである。これらのプロセスは、加工油が抽出される前もしくは後、レーンにスリット形成される前もしくは後に行われてよい。
【0155】
本発明のさらなる実施形態は、含浸および乾燥により、膜上にゴムを堆積することを含む。
【0156】
性能向上添加剤を用いた製造
ある特定の実施形態において、性能向上添加剤(複数可)(例えば、界面活性剤、湿潤剤、着色剤、帯電防止添加剤、酸化防止剤など、およびこれらの任意の組み合わせ)もまた、押出機内で他の構成部分と一緒に混合されてよい。本開示による多孔質膜は、次いで、シートまたはウェブの形状に押出されて、上記に記載されているのと実質的に同じ方法で完成され得る。
【0157】
ある特定の実施形態において、押出機内に添加することに加えてまたはこれとは代替的に、添加剤(複数可)は、例えば、完成したとき(例えば、加工油のバルクを抽出後、およびゴムの導入の前または後)、セパレータ多孔質膜に適用されてよい。ある特定の好ましい実施形態によると、添加剤または添加剤の溶液(例えば、水溶液)は、セパレータの1以上の表面に適用される。この変形例は、非熱安定性添加剤、および加工油の抽出に使用される溶媒に可溶性である添加剤の適用に特に好適である。本発明による添加剤に特に好適な溶媒は、低分子量アルコール、例えば、メタノールおよびエタノール、ならびにこれらのアルコールと水との混合物である。上記適用は、セパレータの、負極を向いている側、正極を向いている側、または両側に行われてよい。上記適用はまた、溶媒浴中にある間、細孔形成剤(例えば、加工油)の抽出の際に行われてもよい。ある特定の選択実施形態において、セパレータが作製される前に押出機に添加される性能向上添加剤、例えば、界面活性剤コーティングまたは性能向上添加剤(または両方)の一部が、電池システムにおいてアンチモンと合わされ得、これを不活性化し得、および/または、これと化合物を形成し得、および/または、これを電池のマッドレスト内に滴下させ得、および/または、これが負極上に堆積することを防止し得る。界面活性剤または添加剤はまた、電解質、ガラスマット、電池ケース、貼付マットなど、またはこれらの組み合わせに添加されてもよい。
【0158】
ある特定の実施形態において、添加剤(例えば、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、またはこれらの混合物)は、少なくとも0.5g/m、1.0g/m、1.5g/m、2.0g/m、2.5g/m、3.0g/m、3.5g/m、4.0g/m、4.5g/m、5.0g/m、5.5g/m、6.0g/m、6.5g/m、7.0g/m、7.5g/m、8.0g/m、8.5g/m、9.0g/m、9.5g/mもしくは10.0g/mまたはさらには最大約25.0g/mの密度またはアドオンレベルで存在していてよい。添加剤は、0.5~15g/m、0.5~10g/m、1.0~10.0g/m、1.5~10.0g/m、2.0~10.0g/m、2.5~10.0g/m、3.0~10.0g/m、3.5~10.0g/m、4.0~10.0g/m、4.5~10.0g/m、5.0~10.0g/m、5.5~10.0g/m、6.0~10.0g/m、6.5~10.0g/m、7.0~10.0g/m、7.5~10.0g/m、4.5~7.5g/m、5.0~10.5g/m、5.0~11.0g/m、5.0~12.0g/m、5.0~15.0g/m、5.0~16.0g/m、5.0~17.0g/m、5.0~18.0g/m、5.0~19.0g/m、5.0~20.0g/m、5.0~21.0g/m、5.0~22.0g/m、5.0~23.0g/m、5.0~24.0g/m、または5.0~25.0g/mの間の密度またはアドオンレベルでセパレータに存在していてよい。
【0159】
上記適用はまた、電池セパレータを添加剤または添加剤の溶液に浸漬し(溶媒浴添加)、溶媒を必要に応じて(例えば、乾燥によって)除去することによって行われてもよい。このように、添加剤の適用は、例えば、膜生成の際に適用されることが多い抽出と組み合わされてよい。他の好ましい方法は、表面を添加剤によってスプレーすること、セパレータの表面に1以上の添加剤を浸漬コーティング、ローラコーティング、またはカーテンコーティングすることである。
【0160】
本明細書に記載されているある特定の実施形態において、低減した量のイオン性、カチオン性、アニオン性、または非イオン性界面活性剤が本発明セパレータに添加される。かかる場合、所望の特徴は、かかる実施形態による所望の本発明セパレータを生成し得る低級の全有機炭素および/または低級の揮発性有機化合物(より少量の界面活性剤に起因する)を含み得る。
【0161】
繊維マットとの組み合わせ
ある特定の実施形態において、本開示による例示的なセパレータは、1以上の他の層(複数可)(積層されているまたは他の場合)、例えば、向上したウィッキング特性および/または向上した電解質湿潤もしくは保持特性を有する繊維層または繊維マットと組み合わされてよい。繊維マットは、織布であっても、不織布であっても、フリースであっても、メッシュであっても、ネットであっても、単一層であっても、多層(ここで、各層は、他の層と同じ、同様または異なる特徴を有していてよい)であっても、ガラス繊維、あるいは、合成繊維またはガラスと合成繊維もしくは紙との混合物から作製される合成繊維、フリース、あるいは繊維から構成されても、あるいは、これらのいずれの組み合わせであってもよい。繊維マットは、各サイドレーンにおいて単一片または別個の帯状物であってよい。
【0162】
ある特定の実施形態において、繊維マット(積層されているまたは他の場合)は、追加の材料のための担体として使用され得る。追加材料として、例えば、炭素、BaSO、ゴムおよび/またはラテックス、任意選択的にシリカ、水、および/もしくは1以上の性能向上添加剤、例えば、本明細書に記載されている様々な添加剤、またはこれらの任意の組み合わせを挙げることができる。例として、追加の材料は、次いで繊維マットの1以上の表面上にコーティングされてフィルムを形成し得るまたは繊維マット内に浸されて含浸され得るスラリーの形態で送達されてよい。
【0163】
繊維層は、存在するとき、多孔質膜が繊維層よりも大きい表面積を有することが好ましい。そのため、多孔質膜および繊維層を組み合わせるとき、繊維層は、多孔質層を完全には被覆しない。膜層の少なくとも2つの対向するエッジ領域は、被覆されないまま、ポケットまたはエンベロープなどの任意選択的な形成を容易にするヒートシールにエッジを付与することが好ましい。かかる繊維マットは、少なくとも100μm、いくつかの実施形態において、少なくとも約200μm、少なくとも約250μm、少なくとも約300μm、少なくとも約400μm、少なくとも約500μm、少なくとも約600μm、少なくとも約700μm、少なくとも約800μm、少なくとも約900μm、少なくとも約1mm、少なくとも約2mmなどである厚さを有していてよい。続いて積層されたセパレータは、片に切断されてよい。ある特定の実施形態において、繊維マットは、多孔質膜のリブ付き表面に積層される。ある特定の実施形態において、取り扱いおよび/または組み立ての利点は、ロール形態および/または切断片形態で供給され得るため、本明細書に記載されている改良されたセパレータと共に電池メーカーに提供される。また、先に言及されているように、改良されたセパレータは、1以上の繊維マットなどの付加を伴わない独立型のセパレータシートまたは層であってよい。
【0164】
繊維マットは、多孔質膜に積層されているとき、接着剤、熱、超音波溶接、圧縮など、またはこれらの任意の組み合わせによって一緒に接着されていてよい。また、繊維マットは、PAMまたはNAM保持マットであってよい。
【0165】
考察
1以上の例示的実施形態、態様、または目的の詳細は、以下に記載されている詳細な説明および特許請求の範囲におけるものである。他の特徴、目的、および利点は、以下に記載されている詳細な説明および特許請求の範囲から明らかであろう。1以上の選択実施形態、態様、または目的によると、本開示または発明は、上記の問題、課題、または要求に少なくとも対処し、いくつかの場合においては、これらを超えるものである。
【0166】
少なくとも選択例示的実施形態、態様、または目的によると、本発明は、上記の課題または要求に少なくとも対処し、また、新規または改良されたセパレータ、新規または改良されたセパレータを利用する新規または改良された電池、および、新規または改良された電池を利用する新規または改良されたシステムを提供する。少なくともある特定の例示的実施形態、態様、または目的によると、本開示または発明は、新規もしくは改良された電池セパレータ、電池セル、電池、システム、ならびに/または、かかる新規または改良された電池セパレータ、電池セル、電池、および/もしくはシステムの製造方法および/もしくは使用方法を対象とする。
【0167】
少なくともある特定の例示的実施形態、態様、または目的によると、本開示または発明は、少なくとも、電極板の反りおよび/もしくは電極板の反りの影響を低減もしくは軽減するための改良された構築およびリブ構成;セパレータ穿刺の低減した発生;電池電極短絡の低減した発生;など;ならびに/またはこれらの組み合わせを有する、鉛酸電池のための改良されたセパレータを対象とする。少なくともある特定の例示的実施形態、態様、または目的によると、本開示または発明は、板-耐反り性;耐穿刺性;耐酸化性;酸混合;低減した電気抵抗;改良された湿潤性;改良された充填剤;最適化された空隙率;最適化された屈曲度;低減した厚さ;低減したバックウェブ厚さ;リブ付き;負極側クロスリブ;低減した油分;増加した酸拡散;増加した耐酸化性もしくは改良された酸化安定性;最適化された空隙率;最適化された細孔屈曲度;改良された酸拡散;など;および/またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1以上によって特徴付けられ得る鉛酸電池のための改良されたセパレータを対象とする。少なくともある特定の例示的実施形態、態様、または目的によると、本開示または発明は、電池および/もしくは電池セルにおける低い水分損失;電池および/もしくは電池セルにおける減少した電気抵抗;電池および/もしくは電池セルにおける増加した酸混合;電池および/もしくは電池セルにおける低減した酸層化;電池および/もしくは電池セルにおける改良された性能;電池および/もしくは電池セルにおける増加した寿命;電池および/もしくは電池セルにおける低減した故障率;など;ならびに/またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1以上を提供し得る鉛酸電池のための改良されたセパレータを対象とする。
【0168】
少なくともある特定の例示的実施形態、態様、または目的によると、本開示または発明は、少なくとも上記の問題および/または課題を克服する、セパレータ、ならびに/あるいは、改良されたセパレータを利用する改良された電池セルおよび/もしくは電池、ならびに/または、改良されたセパレータを利用する改良された電池セルおよび/もしくは電池を利用する改良されたシステムを対象とする。例えば、単に例として、改良された電池セルおよび/または電池は、向上した性能;低減した故障率;改良された寿命;減少したプレート短絡発生;減少したセパレータ穿刺発生;低減した水分損失;低減したフロート電流;改良された充電終了電流;増加した充電受入性;改良されたエネルギースループット;低減したアンチモン(Sb)中毒;低減した酸層化;低減した酸欠乏;低減したデンドライト形成;低減した内部電気抵抗;改良されたコールドクランキングアンペア(「CCA」)、改良された均一性;改良されたサイクル性能;など;および/またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1以上によって特徴付けられ得る。
【0169】
少なくとも選択例示的実施形態、態様、または目的によると、本開示または発明は、新規または改良された電池セパレータ、耐反り性セパレータ、耐穿刺性セパレータ、弾性セパレータ、電池セル、電池、これに関与する方法、これを使用するシステム、これを使用する車両、これを製造する方法、これを使用する方法、およびこれらの組み合わせを少なくとも対象とする。
【0170】
少なくともある特定の例示的実施形態、態様、または目的によると、本開示または発明は、種々の電池および/または用途において使用される新規または改良された電池セパレータを対象とする。かかる電池および/または用途の例示的なリストとして:平板電池;管状電池;液式鉛酸電池;強化型液式鉛酸電池(「EFB」);制御弁式鉛酸(「VRLA」)電池;ディープサイクル電池;ゲル電池;吸収性ガラスマット(「AGM」)電池;インバータ電池;集電電池;蓄電池;内燃機関用電池;補助電池;始動-照明-点火(「SLI」)電池;アイドリング-スタート-ストップ(「ISS」)電池;車両用電池;乗用車用電池;自動車用電池;トラック用電池;オートバイ用電池;全地形対応車用電池;船舶用電池;航空機用電池、フォークリフト用電池;ゴルフカートまたはゴルフカー用電池;ハイブリッド電気自動車(「HEV」)用電池;マイクロハイブリッド車用電池;電気自動車用電池;電気人力車用電池;電気三輪車用電池;電気自転車用電池;無停電電源(「UPS」)用電池;高CCA要求の電池;部分充電状態(「PSoC」)で作動する電池;など;およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0171】
少なくとも選択された例示的実施形態、態様、または目的によると、本明細書に記載されている本発明セパレータを組み込んだ本発明電池を有する数多くのシステムが提供される。例示的なシステムは:車両;UPS;補助電源システム;集電装置システム;再生可能エネルギー集電装置システム;風力エネルギー集電装置システム;太陽エネルギー集電装置システム;バックアップ電源システム;インバータ;およびこれらの組み合わせのうちの1以上であってよい。さらに、例示的な車両は:自動車;乗用車;トラック;フォークリフト;ハイブリッド車;HEV;マイクロハイブリッド車;ISS車;電気自動車;水容器;航空機;電気人力車;電気三輪車;電気自転車;オートバイ;全地形対応車両;ゴルフカートまたはゴルフカー;など;およびこれらの組み合わせのうちの1つであってよい。
【0172】
本開示または発明の第1の例示的実施形態において、電極およびセパレータアセンブリは、グリッドおよびその上の活物質を有する電極板を備える。グリッドは、少なくとも1つのグリッドエッジを備える。さらに、活物質は、グリッドに不均一に分布されていてよい。別の実施形態において、グリッドは、およそ1.00mmより薄くてよい。なお別の実施形態において、グリッドは、不均一な幾何学形状を有していてよい。
【0173】
多孔質膜は、第1の膜表面を有する電極板と隣接して配置されて設けられている。第1の膜表面は、第1の表面エッジおよび第2の表面エッジ、ならびに膜表面から延在する複数のリブを有し;複数のリブは、第1の表面エッジから第2の表面エッジに延在している。
【0174】
本発明または開示の別の例示的実施形態において、電極およびセパレータアセンブリは、正極または負極のいずれであってもよく、また、グリッドおよびその上に不均一に分散されている活物質を有している電極板を備える。グリッドは、第1のグリッドエッジおよび第2のグリッドエッジを備える。多孔質膜は、電極板に隣接して配置されている。多孔質膜は、第1の膜エッジに隣接する第1のサイドレーンおよび第2の膜エッジに隣接する第2のサイドレーン、ならびに、第1のサイドレーンと第2のサイドレーンとの間に配置されている中央部分を有する。多孔質膜は、中央部分内で第1の膜表面からまたは当該面内に延在する複数の一次リブを有する第1の膜表面、ならびに第1のサイドレーン内に配置されている二次リブの第1のアレイおよび第2のサイドレーン内に配置されている二次リブの第2のアレイを備える。
【0175】
本発明の一態様において、第1のグリッドエッジは、第1のサイドレーン内に配置されていてよく、第2のグリッドエッジは、第2のサイドレーン内に配置されていてよい。複数の一次リブは、均一な高さおよび均一な分布を有し得る。一方で、二次リブの第1のアレイおよび二次リブの第2のアレイのいずれかまたは両方が、複数の一次リブよりも密集している。複数の一次リブ、二次リブの第1のアレイ、および/または二次リブの第2のアレイは、多孔質膜の縦方向に実質的に平行に長手方向に配置されていてよく、または、多孔質膜の幅方向に実質的に平行に側方に配置されていてよい。二次リブの第1のアレイおよび二次リブの第2のアレイのいずれかまたは両方が、複数の一次リブに対して実質的に平行であっても、直交していても、角度が付いていてもよい。多孔質膜は、リブの第3のアレイをその上に有する第2の膜表面を有し得る。
【0176】
本発明の別の態様において、グリッドは、スタンピンググリッド、キャストグリッド、またはエキスパンドメタルグリッドのいずれであってもよい。さらに、グリッドは、反りやすくてよい。グリッドは、第1のグリッド表面および第2のグリッド表面を有していてよく、活物質は、第2のグリッド表面と比較して、第1のグリッド表面において、より高度に分布されていてよい。さらに、活物質は、グリッドの表面に不均一に分布されていてよい。
【0177】
なお別の態様において、複数の一次リブ、二次リブの第1のアレイ、二次リブの第2のアレイ、および/またはリブの第3のアレイのいずれかが:固体リブ、別個の破断リブ、連続リブ、不連続リブ、不連続ピーク、不連続突起、角度付きリブ、傾斜リブ、線状リブ、多孔質膜の実質的に縦方向に長手方向に延在していてよいリブ、多孔質膜の実質的に幅方向に側方に延在していてよいリブ、セパレータの実質的に幅方向に横方向に延在していてよいリブ、別個の歯状物、歯状リブ、鋸歯状物、鋸歯状リブ、狭間胸壁、狭間胸壁状リブ、曲面リブ、連続正弦波状リブ、不連続正弦波状リブ、S形状リブ、連続ジグザグ-鋸歯様リブ、破断された不連続ジグザグ-鋸歯様リブ、溝、チャネル、テクスチャ領域、エンボス、ディンプル、カラム、ミニカラム、多孔質、非多孔質、クロスリブ、ミニリブ、クロスミニリブ、およびこれらの組み合わせ;のうちの1以上であってよい。
【0178】
ある特定の実施形態において、多孔質膜は、エンベロープ、およびハイブリッドエンベロープ、スリーブセパレータ、ポケットセパレータ、およびラップセパレータのうちの1つであってよい。多孔質膜は、圧着、溶接、超音波溶接、熱溶接、接着剤、およびこれらの組み合わせから形成される少なくとも1つのシールされたエッジを有していてよい。多孔質膜は切断片であってもよい。
【0179】
本発明または開示の別の例示的実施形態において、電極およびセパレータアセンブリは、正極または負極のいずれであってもよく、また、グリッドおよびその上に不均一に分散されている活物質を有している電極板を備える。多孔質膜は、第1の膜表面の上に配置されていて第1の膜エッジから第2の膜エッジに延在している一次リブのアレイを有するかかる第1の膜表面を備えていてよく;一次リブのアレイは均一な高さを有する。
【0180】
本発明または開示の別の態様は、第1のグリッド表面および第2のグリッド表面を有するグリッドを提供し、活物質が、第2のグリッド表面と比較して、第1のグリッド表面において、より高度に分布されている。代替的に、または、加えて、活物質は、グリッドの表面に不均一に分布されていてよい。グリッドは、スタンピンググリッド、キャストグリッド、およびエキスパンドメタルグリッドからなる群のうちの1つであってよい。また、グリッドは、反りやすくてよい。第1の膜表面または第2の膜表面のいずれかが、電極板と隣接していてよい。
【0181】
本発明または開示の別の態様において、一次リブのアレイは、多孔質膜の縦方向に長手方向にかつ実質的に平行に配置されていてよく、また、多孔質膜の幅方向を横切って均一にまたは不均一に側方に離間していてよい。多孔質膜は、第2の表面を備えており、リブの第2のアレイが、そこから延在していてよい。
【0182】
本発明または開示の別の態様において、一次リブのアレイおよび/またはリブの第2のアレイのいずれかまたは両方が:固体リブ、別個の破断リブ、連続リブ、不連続リブ、不連続ピーク、不連続突起、角度付きリブ、傾斜リブ、線状リブ、多孔質膜の実質的に縦方向に長手方向に延在していてよいリブ、多孔質膜の実質的に幅方向に側方に延在していてよいリブ、セパレータの実質的に幅方向に横方向に延在していてよいリブ、別個の歯状物、歯状リブ、鋸歯状物、鋸歯状リブ、狭間胸壁、狭間胸壁状リブ、曲面リブ、連続正弦波状リブ、不連続正弦波状リブ、S形状リブ、連続ジグザグ-鋸歯様リブ、破断された不連続ジグザグ-鋸歯様リブ、溝、チャネル、テクスチャ領域、エンボス、ディンプル、カラム、ミニカラム、多孔質、非多孔質、クロスリブ、ミニリブ、クロスミニリブ、およびこれらの組み合わせ;のうちの1以上であってよい。
【0183】
1つの例示的な態様において、多孔質膜は、エンベロープセパレータ、ハイブリッドエンベロープセパレータ、スリーブセパレータ、ポケットセパレータ、ラップセパレータ、切断片セパレータ、およびリーフセパレータのうちの1つであってよく;エンベロープ、ハイブリッドエンベロープ、スリーブセパレータ、ポケットセパレータ、およびラップセパレータは、圧着、溶接、超音波溶接、熱溶接、接着剤、およびこれらの組み合わせから形成される少なくとも1つのシールされたエッジを有していてよい。
【0184】
本発明または開示のなお別の例示的実施形態において、電極およびセパレータアセンブリは、グリッドおよび活物質を有する電極板を備えていてよい。グリッドは、第1のグリッドエッジおよび第2のグリッドエッジを有していてよく、活物質は、グリッドに不均一に分布されていてよい。多孔質膜は、第1のグリッドエッジおよび第2のグリッドエッジを支持する支持構造を有する第1の膜表面をさらに備えていてよい。第1のグリッドエッジは、少なくとも第1のグリッドコーナーを有していてよく、第2のグリッドエッジは、少なくとも第2のグリッドコーナーを有していてよい。支持構造は、均一な高さを有するリブの第1のアレイを有していてよい。
【0185】
グリッドは、第1のグリッド表面および第2のグリッド表面を有していてよく、活物質は、第2のグリッド表面と比較して、第1のグリッド表面において、より高度に分布されていてよい。代替的に、または、加えて、活物質は、グリッドの表面に不均一に分布されていてよい。グリッドは、スタンピンググリッド、キャストグリッド、およびエキスパンドメタルグリッドからなる群のうちの1つであってよい。電極板は反りやすくてよい。
【0186】
ある特定の例示的な態様において、リブの第1のアレイは、多孔質膜の第1の膜エッジから多孔質膜の第2の膜エッジに側方に均一に離間していてよい。リブの第1のアレイはまた、多孔質膜の第1の膜エッジから多孔質膜の第2の膜エッジに側方に均一にまたは不均一に離間していてもよい。
【0187】
本開示の他の例示的な態様において、リブの第1のアレイは、多孔質膜の中央部分において離間しているリブと比較して、第1の膜エッジに隣接する第1の膜領域において、より密集していてよく、また、第2の膜エッジに隣接する第2の膜領域において、より密集していてよい。
【0188】
本開示のなお別の例示的な態様において、リブの第1のアレイは、第1のグリッドエッジから第2のグリッドエッジに側方に均一にまたは不均一に離間していてよい。また、リブの第1のアレイは、グリッドの中央部分において離間しているリブと比較して、第1のグリッドエッジに隣接する第1の領域において、より密集していてよく、また、第2のグリッドエッジに隣接する第2の領域において、より密集していてよい。
【0189】
本開示のなお別の態様において、支持構造は繊維マットを有していてよく;繊維マットは、第1のグリッドエッジから第2のグリッドエッジに延在していてよい。支持構造は、第1のグリッドエッジに隣接する第1の繊維マット、および第2のグリッドエッジに隣接する第2の繊維マットを有していてよい。
【0190】
別の例示的な態様において、多孔質膜は、エンベロープセパレータ、ハイブリッドエンベロープセパレータ、スリーブセパレータ、ポケットセパレータ、ラップセパレータ、切断片セパレータ、およびリーフセパレータのうちの1つであってよく;エンベロープ、ハイブリッドエンベロープ、スリーブセパレータ、ポケットセパレータ、およびラップセパレータは、圧着、溶接、超音波溶接、熱溶接、接着剤、およびこれらの組み合わせから形成される少なくとも1つのシールされたエッジを有していてよい。
【0191】
本開示のなお別の例示的実施形態において、鉛酸電池は、本明細書に実質的に記載されているセパレータを備えていてよい。鉛酸電池は、以下の状態:運転中、静止中、バックアップ電源用途において、ディープサイクル用途において、サイクル用途において、部分充電状態において、およびこれらの組み合わせ;のうちの1つにおいて作動してよい。
【0192】
例示的な電池は:平板電池、液式鉛酸電池、強化型液式鉛酸電池(「EFB」)、制御弁式鉛酸(「VRLA」)電池、ディープサイクル電池、ゲル電池、吸収性ガラスマット(「AGM」)電池、管状電池、インバータ電池、車両用電池、始動-照明-点火(「SLI」)車両用電池、アイドリング-スタート-ストップ(「ISS」)車両用電池、自動車用電池、トラック用電池、船舶用電池、オートバイ用電池、全地形対応車用電池、フォークリフト用電池、ゴルフカート用電池、ハイブリッド電気自動車用電池、電気自動車用電池、電気人力車用電池、電気三輪車用電池、および電気自転車用電池;のうちの1つであってよい。
【0193】
なお別の例示的実施形態において、システムは、本明細書に記載されている鉛酸電池を備えていてよい。システムは、車両を備えていてよく、車両は、自動車、トラック、オートバイ、全地形対応車両、フォークリフト、ゴルフカート、ハイブリッド車、ハイブリッド電気自動車、電気自動車、アイドリング-スタート-ストップ(「ISS」)車両、水容器、電気人力車、電気三輪車、および電気自転車のうちの1つであってよい。さらに、システムは、以下の状態:運転中、静止中、バックアップ電源用途において、ディープサイクル用途において、サイクル用途において、部分充電状態において、およびこれらの組み合わせ;のうちの1つにおいて作動してよい。システムは、さらに、以下:無停電電源、エネルギー蓄積システム、電源バックアップシステム、再生可能エネルギー貯蔵システム、およびこれらの組み合わせ;のうちの1つであってよい。
【0194】
さらに別の例示的実施形態において、電極およびセパレータアセンブリにおけるグリッド反りを軽減する方法が提供され得る。当該方法は、反りやすいグリッドを有する電極板を付与し得;グリッドに隣接する支持構造を位置付ける。支持構造は、電池セパレータを含んでいてよい。さらに、支持構造は、繊維マットまたはメッシュを含んでいてよい。活物質は、グリッドに不均一に適用されてよい。グリッドは、外周を有していてよい。支持構造は、グリッド外周の少なくとも一部分に重なっていてよい。支持構造は、均一な高さを有する多孔質膜から延在するリブのセットとして提供されてよい。リブのセットは、多孔質膜の縦方向に長手方向に配置されていてよく、リブのセットは、幅方向に側方寸法にて、外周の第1のエッジから外周の第2のエッジに等しく離間していてよい。代替的に、または、加えて、支持構造は、多角形スペーサを有していても、これであってもよい。代替的に、または、加えて、支持構造は、繊維マットを有していても、これであってもよい。代替的に、または、加えて、支持構造は、第1の繊維マットおよび第2の繊維マットを有していても、これらであってもよく、第1の繊維マットが、外周の第1のエッジに少なくとも部分的に重なるように配置されており;第2の繊維マットが、外周の第2のエッジに少なくとも部分的に重なるように配置されている。上記方法は、電極およびセパレータアセンブリを高温および/または熱サイクルに供することをさらに提供し得る。
【0195】
少なくとも選択された例示的実施形態、態様、または目的によると、本開示または発明は、セパレータであって、その構成要素ならびに物理的属性および特徴が相乗的に組み合わされて、改良された電池セパレータを有する鉛酸電池の産業においてこれまで満たされていない要求に予期されない方法で対処する、当該セパレータを提供する。ある特定の好ましい例示的実施形態において、本開示または発明は、改良された鉛酸電池セパレータを有する鉛酸電池の産業においてこれまで満たされていない要求に予期されない方法で対処する、本明細書に記載されているセパレータを使用する電池を提供する。ある特定の好ましい例示的実施形態において、本開示または発明は、本明細書に記載されている本発明セパレータを利用する本発明鉛酸電池を利用する改良されたシステムを有する鉛酸電池の産業においてこれまで満たされていない要求に予期されない方法で対処する、本明細書に記載されている電池を使用するシステムを提供する。
【0196】
少なくとも選択された例示的実施形態、態様、または目的によると、本発明は、少なくとも、当該分野の現状ではこれまで解決されなかった、満たされなかった、および/または対処されなかった問題、要求、および/または課題を、解決する、満たす、および/または克服する。少なくともある特定の目的によると、本発明は、上記の問題、課題または要求のうちの少なくともある特定のものを克服する、改良されたセパレータ、改良されたセパレータを利用する改良されたセルもしくは電池、および/または改良されたセパレータ、セルもしくは電池を使用する改良されたシステムを提供する。
【0197】
少なくとも選択例示的実施形態、態様、または目的によると、本開示または発明は、少なくとも上記の問題、課題または要求に対処し得、ならびに/あるいは、新規もしくは改良されたセパレータ、耐反り性セパレータ、および/もしくは鉛酸電池セパレータ、新規もしくは改良されたセパレータを利用する新規もしくは改良されたセルもしくは電池、ならびに/または、新規もしくは改良されたセパレータ、セルもしくは電池を利用する新規もしくは改良されたシステムを提供し得る。少なくともある特定の例示的実施形態、態様、または目的によると、本開示または発明は、新規もしくは改良された電池セパレータ、電池セル、電池、システム、ならびに/または、かかる新規もしくは改良された電池セパレータ、電池セル、電池、および/もしくはシステムの製造方法および/もしくは使用方法を対象とする。
【0198】
鉛酸電池のための改良された電極板およびセパレータアセンブリ(400)、改良されたアセンブリを組み込んだ改良された鉛酸セルまたは電池、改良されたアセンブリ(400)および/または電池(100)を組み込んだシステムまたは車両、ならびにこれらに関連する方法の例示的実施形態が本明細書に開示されている。電極板(200、201)は、スタンピング、キャスト、またはエキスパンドメタル製造プロセスのグリッド(202)を有し得る。グリッド(202)は、不均一な適用の活物質(203)を有し得る。セパレータ(300)は、いずれの板の反りまたは板の撓みにも耐えるまたはこれを軽減するための支持構造を好ましくは付与する。
【0199】
少なくとも選択された実施形態によると、本開示または発明は、電池水分損失を低減もしくは軽減する、アンチモン(Sb)中毒を低減する、電極板グリッドの反りもしくは曲がりもしくは歪みを軽減する;酸欠乏を低減もしくは軽減する;酸層化を低減もしくは軽減する;デンドライト成長を低減もしくは軽減する;酸化の影響を低減する;水分損失を低減する;湿潤性を増加する;酸拡散を改良する;均一性を改良する;および、コールドクランキングアンペアを増加することが可能である、低減した電気抵抗を有するなど;ならびにこれらの組み合わせが可能であるセパレータ、特に液式鉛酸電池用セパレータを対象とする。また、少なくとも強化型液式鉛酸電池において、電池寿命を向上する;電池水分損失を低減する;電池アンチモン(Sb)中毒を低減する;電極板グリッドの反りもしくは曲がりもしくは歪みを低減もしくは軽減する;酸欠乏を低減もしくは軽減する;酸層化を低減もしくは軽減する;デンドライト成長を低減もしくは軽減する;酸化の影響を低減する;内部抵抗を低減する;湿潤性を増加する;酸拡散を改良する;コールドクランキングアンペアを改良する;均一性を改良する;など;およびこれらの任意の組み合わせのための方法、システム、および電池セパレータが本明細書において開示されている。少なくとも特定の実施形態によると、本開示または発明は、強化型液式鉛酸電池のための改良されたセパレータであって、低減した電池水分損失および低減したアンチモン(Sb)中毒、改良されたセパレータグリッド-反り耐性、改良されたセパレータ弾力性;ならびにこれらの組み合わせのための改良された構築を含む、上記セパレータを対象とする。少なくとも特定の実施形態によると、本開示または発明は、強化型液式鉛酸電池のための改良されたセパレータであって、架橋成分、添加剤またはコーティングを向上させる性能、増加した耐酸化性、非晶質シリカ、より高い吸油量のシリカ、高級シラノール基のシリカ、21:100~35:100のOH:Si比を有するシリカ、40重量%以上の膜およびポリマーの量で粒子様充填剤を含有するポリオレフィンミクロ多孔質膜、例えば、超高分子量ポリエチレン(「UHMWPE」)、減少したシート厚さ、低減した厚さ、低減した油分、増加した湿潤性、増加した酸拡散など、ならびにこれらの任意の組み合わせを含む改良された構築を含む、上記セパレータを対象とする。
【0200】
少なくともある特定の実施形態、態様または目的によると、本開示または発明は、種々の鉛酸電池および/またはシステムのための新規または改良されたセパレータを対象とするまたは提供する。また、本明細書に開示されている例示的実施形態は、新規もしくは改良された電池セパレータ、耐反り性セパレータ、当該セパレータを組み込んだ電池セル、当該セパレータを組み込んだ電池、当該セパレータを組み込んだシステム、ならびに/または、当該セパレータ、新規もしくは改良された鉛酸電池などの製造および/もしくは使用方法、ならびに/あるいは、これらの組み合わせを対象とする。少なくとも選択された実施形態は、鉛酸電池において向上した電池寿命および/または減少した電池故障を提供する、新規または改良されたセパレータ、電池、および/またはシステム、例えば、かかる新規または改良されたセパレータを利用した、スタンピング板状電極、スタンピンググリッド電極、不均一な活物質電極、反った板状電極、または反る傾向にある板状電極を有するまたはこれを用いて作動するものを対象とする。
【0201】
鉛酸電池のための改良された電極板およびセパレータアセンブリ(400)、改良されたアセンブリを組み込んだ改良された鉛酸セルまたは電池、改良されたアセンブリ(400)および/または電池(100)を組み込んだシステムまたは車両、ならびにこれらに関連する方法の例示的実施形態が本明細書に開示されている。電極板(200、201)は、スタンピング、キャスト、またはエキスパンドメタル製造プロセスのグリッド(202)を有し得る。グリッド(202)は、不均一な適用の活物質(203)を有し得る。セパレータ(300)は、いずれの板の反りまたは板の撓みにも耐えるまたはこれを軽減するための支持構造を好ましくは付与する。
【0202】
構造および方法の上記に書かれた詳細な説明は、単に説明目的のみで提示されたものである。例は、最も良好な形態を含めた例示的実施形態を開示するために、また、当業者が、任意のデバイスまたはシステムを作製および使用すること、ならびに任意の組み込まれた方法を実施することを含めて本発明を実用することが可能になるために使用される。これらの例は、包括的であること、または、本発明を、開示されている正確なステップおよび/もしくは形態に限定することは意図しておらず、上記の教示に照らして多くの変更および変形が可能である。本明細書に記載されている特徴は、いずれの組み合わせで組み合わされてもよい。本明細書に記載されている方法のステップは、物理的に可能ないずれの順番で実施されてもよい。本発明の特許可能な範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されており、当業者が思い付く他の例を含んでいてよい。かかる他の例は、特許請求の範囲の逐語的な言葉と異ならない構造要素を有するとき、または、特許請求の範囲の逐語的な言葉と非実質的差異を有する等価の構造要素を含むとき、特許請求の範囲内にあることが意図される。
【0203】
本発明は、その精神および本質的特質から逸脱することなく他の形態で具現化されてよく、したがって、本発明の範囲を示しているとして、上記の明細書よりもむしろ添付の特許請求の範囲が参照されるべきである。開示されている方法およびシステムを実施するのに使用され得る構成要素が開示されている。これらおよび他の構成要素は、本明細書に開示されており、これらの構成要素の組み合わせ、サブセット、相互作用、群などは、開示されているとき、これらのそれぞれ様々な個々および集合的組み合わせおよび配列の具体的参照が明確に開示されていない場合があるが、それぞれが、全ての方法およびシステムに関して、本明細書において具体的に企図および記載されていると理解される。このことは、限定されないが、開示されている方法におけるステップを含めた本出願の全ての態様に当てはまる。そのため、実施され得る種々の追加のステップがあるとき、これらの追加のステップのそれぞれが、開示されている方法の任意の特定の実施形態または実施形態の組み合わせによって実施され得ることが理解される。
【0204】
添付の特許請求の範囲の組成物および方法は、特許請求の範囲のいくつかの態様の例示として意図されている、本明細書に記載されている特定の組成物および方法によって範囲が限定されるものではない。機能的に等価であるいずれの組成物(複数可)および/または方法(複数可)も、特許請求の範囲内にあることが意図される。本明細書に示され記載されているものに加えて、組成物および方法の様々な変更が、添付の特許請求の範囲内にあることが意図される。さらに、本明細書に開示されているある特定の代表的な組成物および方法ステップのみが具体的に記載されているが、組成物および方法ステップの他の組み合わせもまた、具体的に列挙されていなくても、添付の特許請求の範囲内にあることが意図される。そのため、ステップ、要素、構成要素、または構成成分の組み合わせは、本明細書または以下に明確に言及されている場合があるが、ステップ、要素、構成要素、および構成成分の他の組み合わせが、明確に記述されていなくても含まれる。例におけるもの以外、または別途記述されている場合、明細書および特許請求の範囲において使用されている成分、反応条件などの量を表す全ての数は、少なくともとして理解されるべきであり、特許請求の範囲の均等論の適用を限定しようとするものとしてではなく、有効数字および通常の四捨五入のアプローチに照らして解釈されるべきである。別途定義されない限り、本明細書において使用されている全ての技術的および科学的用語が、開示されている発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書において引用されている公開公報およびこれらに引用されている材料は、参照により具体的に組み込まれる。
【0205】
単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、明細書および添付の特許請求の範囲において使用されているとき、文脈が別途明確に示さない限り、複数の指示対象を含んでいる。範囲は、「約」もしくは「およそ」1つの特定の値から、および/または、「約」もしくは「およそ」別の特定の値までとして本明細書において表記され得る。かかる範囲が表記されているとき、別の実施形態は、当該1つの特定の値から、および/または、当該他の特定の値までを含む。同様に、値が、先行詞「約」を使用して近似値として表記されているとき、特定の値が別の実施形態を形成することが理解されよう。範囲のそれぞれの終点が、他の終点と関連して、また、他の終点から独立しての両方で有意であることがさらに理解されよう。「任意選択的な」または「任意選択的に」は、続いて記載されている事象または状況が起こっても起こらなくてもよいこと、および、かかる記載が、当該事象または状況が起こる場合および起こらない場合を含むことを意味する。
【0206】
この明細書の詳細な説明および特許請求の範囲の全体を通して、語「含む(comprise)」および当該語の変形、例えば、「含む(comprising)」および「含む(comprises)」は、「限定されないが、含む」を意味し、例えば、他の添加剤、構成要素、整数、またはステップを排除することは意図されない。用語「から本質的になる」および「からなる」は、「含む(comprising)」および「含む(including)」の代わりに使用されて、本発明のより具体的な実施形態を付与することができ、また、これらも開示されている。「例示的な」または「例えば(for example)」は、「の例」を意味し、好ましいまたは理想的な実施形態の指示を伝えることは意図されない。同様に、「例えば(such as)」は、制限的な意味で使用されるのではなく、説明または例示目的で使用される。
【0207】
さらに、本明細書に例示的に開示されている本発明は、本明細書に具体的に開示されていない任意の要素の非存在下で好適に実用され得る。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図12C
図13
【手続補正書】
【提出日】2021-05-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリッドおよび活物質を含む電極板において、前記グリッドが、第1のグリッドエッジおよび第2のグリッドエッジを含み、前記グリッドが、およそ1.0mm未満のグリッド厚さを有する、前記電極板と、
第1の膜エッジに隣接する第1のサイドレーン、第2の膜エッジに隣接する第2のサイドレーン、および前記第1のサイドレーンと前記第2のサイドレーンとの間に配置されている中央部分を有する、前記電極板に隣接して配置されている多孔質膜において、前記中央部分内で第1の膜表面からまたは前記膜表面内に延在する複数の一次リブを有する前記第1の膜表面、ならびに前記第1のサイドレーン内に配置されている二次リブの第1のアレイおよび前記第2のサイドレーン内に配置されている二次リブの第2のアレイを含む前記多孔質膜と、を含む、電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項2】
前記第1のグリッドエッジが、前記第1のサイドレーン内に配置されているか、
前記グリッドが、その上に配置されている活物質を含み、前記活物質が、前記グリッドに不均一に配置されているか、
前記グリッドが、不均一な幾何学形状を含むか、
前記複数の一次リブが、均一な高さおよび均一な分布を含むか、
前記の二次リブの第1のアレイおよび前記の二次リブの第2のアレイのいずれかまたは両方が、前記複数の一次リブよりも密集しているか、
前記複数の一次リブが、前記多孔質膜の縦方向に長手方向に配置されているか、
前記の二次リブの第1のアレイおよび前記の二次リブの第2のアレイのいずれかまたは両方が、前記複数の一次リブに平行でないか、
前記複数の一次リブ、前記の二次リブの第1のアレイ、または前記の二次リブの第2のアレイのいずれかが、以下からなる群:固体リブ、別個の破断リブ、連続リブ、不連続リブ、不連続ピーク、不連続突起、角度付きリブ、傾斜リブ、線状リブ、前記多孔質膜の実質的に縦方向に長手方向に延在するリブ、前記多孔質膜の実質的に幅方向に側方に延在するリブ、前記セパレータの実質的に幅方向に横方向に延在するリブ、別個の歯状物、歯状リブ、鋸歯状物、鋸歯状リブ、狭間胸壁、狭間胸壁状リブ、曲面リブ、連続正弦波状リブ、不連続正弦波状リブ、S形状リブ、連続ジグザグ-鋸歯様リブ、破断された不連続ジグザグ-鋸歯様リブ、溝、チャネル、テクスチャ領域、エンボス、ディンプル、カラム、ミニカラム、多孔質、非多孔質、クロスリブ、ミニリブ、クロスミニリブ、およびこれらの組み合わせ;のうちの1つであるか、
前記グリッドが、スタンピンググリッド、キャストグリッド、およびエキスパンドメタルグリッドからなる群のうちの1つであるか、
前記グリッドが、反りやすいか、
前記電極板が、正極板であるか、
前記電極板が、負極板であるか
前記グリッドが、第1のグリッド表面および第2のグリッド表面を有し、前記活物質が、前記第2のグリッド表面と比較して前記第1のグリッド表面により高度に分布されているか、
前記活物質が、前記グリッドの表面に不均一に分布されているか
前記多孔質膜が、第2の膜表面上にリブの第3のアレイを有する前記第2の膜表面を含むか、又は
前記多孔質膜が、エンベロープセパレータ、ハイブリッドエンベロープセパレータ、スリーブセパレータ、ポケットセパレータ、ラップセパレータ、切断片セパレータ、およびリーフセパレータからなる群のうちの1つである、請求項1に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項3】
前記複数の一次リブが、前記多孔質膜の縦方向に長手方向に配置されている電極およびセパレータアセンブリであって、
前記の二次リブの第1のアレイおよび前記の二次リブの第2のアレイのいずれかまたは両方が、前記縦方向に、かつ、前記複数の一次リブと実質的に平行に、長手方向に配置されているか、又は
前記の二次リブの第1のアレイおよび前記の二次リブの第2のアレイのいずれかまたは両方が、幅方向に、側方に配置されている、請求項に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項4】
前記の二次リブの第1のアレイおよび前記の二次リブの第2のアレイのいずれかまたは両方が、前記複数の一次リブに平行でなく、かつ
前記の二次リブの第1のアレイおよび前記の二次リブの第2のアレイのいずれかまたは両方が、前記の一次リブのアレイに直交して配置されている、請求項に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項5】
前記多孔質膜が、第2の膜表面上にリブの第3のアレイを有する前記第2の膜表面を含む、請求項1に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項6】
前記多孔質膜が、第2の膜表面上にリブの第3のアレイを有する前記第2の膜表面を含み、
前記のリブの第3のアレイが、以下からなる群:固体リブ、別個の破断リブ、連続リブ、不連続リブ、不連続ピーク、不連続突起、角度付きリブ、傾斜リブ、線状リブ、前記多孔質膜の実質的に縦方向に長手方向に延在するリブ、前記多孔質膜の実質的に幅方向に側方に延在するリブ、前記セパレータの実質的に幅方向に横方向に延在するリブ、別個の歯状物、歯状リブ、鋸歯状物、鋸歯状リブ、狭間胸壁、狭間胸壁状リブ、曲面リブ、連続正弦波状リブ、不連続正弦波状リブ、S形状リブ、連続ジグザグ-鋸歯様リブ、破断された不連続ジグザグ-鋸歯様リブ、溝、チャネル、テクスチャ領域、エンボス、ディンプル、カラム、ミニカラム、多孔質、非多孔質、クロスリブ、ミニリブ、クロスミニリブ、およびこれらの組み合わせ;のうちの1つである、請求項に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項7】
前記多孔質膜が、エンベロープ、およびハイブリッドエンベロープ、スリーブセパレータ、ポケットセパレータ、ならびにラップセパレータからなる群のうちの1つであり
前記多孔質膜が、圧着、溶接、超音波溶接、熱溶接、接着剤、およびこれらの組み合わせから形成される少なくとも1つのシールされたエッジを含む、請求項に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項8】
不均一な幾何学形状を有するグリッドを含む電極板と、
第1の膜表面上に配置されていて第1の膜エッジから第2の膜エッジに延在している一次リブのアレイを有する前記第1の膜表面を含む多孔質膜
を含む電極およびセパレータアセンブリであって、
前記の一次リブのアレイが均一な高さを有する、
電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項9】
前記グリッドが、第1のグリッド表面および第2のグリッド表面を有し、前記活物質が、前記第2のグリッド表面と比較して前記第1のグリッド表面により高度に分布されているか、
前記グリッドが、表面に不均一に分布されている活物質を含むか、
前記グリッドが、およそ1.0mm未満の厚さを含むか、
前記グリッドが、スタンピンググリッド、キャストグリッド、およびエキスパンドメタルグリッドからなる群のうちの1つであるか、
前記グリッドが、反りやすいか、
前記電極板が、正極板であるか、
前記電極板が、負極板であるか、
前記の一次リブのアレイが、縦方向に長手方向に配置されており、幅方向に均一に側方に離間しているか、
前記の一次リブのアレイが、縦方向に長手方向に配置されており、幅方向に不均一に側方に離間しているか、
前記の一次リブのアレイが、以下からなる群:固体リブ、別個の破断リブ、連続リブ、不連続リブ、不連続ピーク、不連続突起、角度付きリブ、傾斜リブ、線状リブ、前記多孔質膜の実質的に縦方向に長手方向に延在するリブ、前記多孔質膜の実質的に幅方向に側方に延在するリブ、前記セパレータの実質的に幅方向に横方向に延在するリブ、別個の歯状物、歯状リブ、鋸歯状物、鋸歯状リブ、狭間胸壁、狭間胸壁状リブ、曲面リブ、連続正弦波状リブ、不連続正弦波状リブ、S形状リブ、連続ジグザグ-鋸歯様リブ、破断された不連続ジグザグ-鋸歯様リブ、溝、チャネル、テクスチャ領域、エンボス、ディンプル、カラム、ミニカラム、多孔質、非多孔質、クロスリブ、ミニリブ、クロスミニリブ、およびこれらの組み合わせ;のうちの1つであるか、又は
前記第1の膜表面が前記電極板を向いて隣接している、請求項に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項10】
そこから延在しているリブのアレイを有する第2の膜表面をさらに含む電極およびセパレータアセンブリであって、
前記のリブのアレイが、以下からなる群:固体リブ、別個の破断リブ、連続リブ、不連続リブ、不連続ピーク、不連続突起、角度付きリブ、傾斜リブ、線状リブ、前記多孔質膜の実質的に縦方向に長手方向に延在するリブ、前記多孔質膜の実質的に幅方向に側方に延在するリブ、前記セパレータの実質的に幅方向に横方向に延在するリブ、別個の歯状物、歯状リブ、鋸歯状物、鋸歯状リブ、狭間胸壁、狭間胸壁状リブ、曲面リブ、連続正弦波状リブ、不連続正弦波状リブ、S形状リブ、連続ジグザグ-鋸歯様リブ、破断された不連続ジグザグ-鋸歯様リブ、溝、チャネル、テクスチャ領域、エンボス、ディンプル、カラム、ミニカラム、多孔質、非多孔質、クロスリブ、ミニリブ、クロスミニリブ、およびこれらの組み合わせ;のうちの1つであるか、又は
前記第2の膜表面が、前記電極板を向いて、隣接している、請求項に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項11】
前記多孔質膜が、エンベロープセパレータ、ハイブリッドエンベロープセパレータ、スリーブセパレータ、ポケットセパレータ、ラップセパレータ、切断片セパレータ、およびリーフセパレータからなる群のうちの1つであり、かつ、選択的に、
前記多孔質膜が、エンベロープ、およびハイブリッドエンベロープ、スリーブセパレータ、ポケットセパレータ、ならびにラップセパレータからなる群のうちの1つであり、
前記多孔質膜が、圧着、溶接、超音波溶接、熱溶接、接着剤、およびこれらの組み合わせから形成される少なくとも1つのシールされたエッジを含む、請求項に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項12】
グリッドおよび活物質を含む電極板と多孔質膜を含む電極およびセパレータアセンブリであって、
前記グリッドが、第1のグリッドエッジおよび第2のグリッドエッジを含み、
前記活物質が、前記グリッドに不均一に分布されており、かつ、前記多孔質膜は、前記第1のグリッドエッジおよび前記第2のグリッドエッジを支持する支持構造を有する、電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項13】
前記第1のグリッドエッジが、少なくとも第1のグリッドコーナーを含み、前記第2のグリッドエッジが、少なくとも第2のグリッドコーナーを含むか、
前記支持構造が、均一な高さを有するリブの第1のアレイを含むか、
前記支持構造が、前記第1のグリッドエッジに隣接する第1の繊維マット、および前記第2のグリッドエッジに隣接する第2の繊維マットを含むか、
前記グリッドが、第1のグリッド表面および第2のグリッド表面を有し、前記活物質が、前記第2のグリッド表面と比較して前記第1のグリッド表面により高度に分布されているか
前記活物質が、前記グリッドの表面に不均一に分布されているか
前記グリッドが、スタンピンググリッド、キャストグリッド、およびエキスパンドメタルグリッドからなる群のうちの1つであるか、
前記グリッドが、反りやすいか、
前記電極板が、正極板であるか、又は
前記電極板が、負極板である、請求項12に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項14】
前記支持構造が、均一な高さを有するリブの第1のアレイを含む電極およびセパレータアセンブリであって、
前記のリブの第1のアレイが、前記多孔質膜の第1の膜エッジから前記多孔質膜の第2の膜エッジに側方に均一に離間しているか、
前記のリブの第1のアレイが、前記多孔質膜の第1の膜エッジから前記多孔質膜の第2の膜エッジに側方に不均一に離間しているか、
前記のリブの第1のアレイが、前記多孔質膜の中央部分において離間しているリブと比較して、前記第1の膜エッジと隣接する第1の膜領域において、より密集しており、また、前記第2の膜エッジに隣接する第2の膜領域において、より密集しているか、
前記のリブの第1のアレイが、第1のグリッドエッジから前記第2のグリッドエッジに側方に均一に離間しているか、
前記のリブの第1のアレイが、前記第1のグリッドエッジから前記第2のグリッドエッジに側方に不均一に離間しているか、又は
前記のリブの第1のアレイが、前記グリッドの中央部分において離間しているリブと比較して、前記第1のグリッドエッジに隣接する第1の領域において、より密集しており、また、前記第2のグリッドエッジに隣接する第2の領域において、より密集している、請求項13に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項15】
前記支持構造が、繊維マットを含み、かつ、選択的に前記繊維マットが、前記第1のグリッドエッジから前記第2のグリッドエッジに延在する、請求項12に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項16】
前記多孔質膜が、エンベロープセパレータ、ハイブリッドエンベロープセパレータ、スリーブセパレータ、ポケットセパレータ、ラップセパレータ、切断片セパレータ、およびリーフセパレータからなる群のうちの1つであり、かつ、選択的に、前記多孔質膜が、エンベロープ、およびハイブリッドエンベロープ、スリーブセパレータ、ポケットセパレータ、ならびにラップセパレータからなる群のうちの1つであり、
前記多孔質膜が、圧着、溶接、超音波溶接、熱溶接、接着剤、およびこれらの組み合わせから形成される少なくとも1つのシールされたエッジを含む、請求項12に記載の電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項17】
請求項1、、または12に記載の電極およびセパレータアセンブリを含む鉛酸セルまたは鉛酸電池であって、選択的に、
以下:運転中、静止中、バックアップ電源用途において、ディープサイクル用途において、サイクル用途において、部分充電状態において、およびこれらの組み合わせ;からなる状態のうちの1つにおいて作動するか、又は
前記鉛酸電池は、平板電池、液式鉛酸電池、強化型液式鉛酸電池(「EFB」)、制御弁式鉛酸(「VRLA」)電池、ディープサイクル電池、ゲル電池、吸収性ガラスマット(「AGM」)電池、管状電池、インバータ電池、車両用電池、始動-照明-点火(「SLI」)車両用電池、アイドリング-スタート-ストップ(「ISS」)車両用電池、自動車用電池、トラック用電池、船舶用電池、オートバイ用電池、全地形対応車用電池、フォークリフト用電池、ゴルフカート用電池、ハイブリッド電気自動車用電池、電気自動車用電池、電気人力車用電池、電気三輪車用電池、および電気自転車用電池からなる群から選択される、鉛酸セルまたは鉛酸電池。
【請求項18】
請求項17に記載の鉛酸セルまたは鉛酸電池を含むシステムであって、選択的に、
前記システムは車両をさらに含み、前記車両が、自動車、トラック、オートバイ、全地形対応車両、フォークリフト、ゴルフカート、ハイブリッド車、ハイブリッド電気自動車、電気自動車、アイドリング-スタート-ストップ(「ISS」)車両、水容器、電気人力車、電気三輪車、および電気自転車からなる群から選択されるか、
前記システムは以下:運転中、静止中、バックアップ電源用途において、ディープサイクル用途において、サイクル用途において、部分充電状態において、およびこれらの組み合わせ;からなる状態のうちの1つにおいて作動するか、又は
前記システムは以下:無停電電源、エネルギー蓄積システム、電源バックアップシステム、再生可能エネルギー貯蔵システム、およびこれらの組み合わせ;からなる群のうちの1つである、システム。
【請求項19】
反りやすいグリッドを有する電極板を付与すること;
前記グリッドに隣接する支持構造を位置付けること
を含む、電極およびセパレータアセンブリにおけるグリッド反りを軽減する方法。
【請求項20】
前記グリッドが、およそ1.00mmより薄いか、
前記グリッドが、不均一な幾何学形状を含むか、
前記グリッドが、外周を有するか、
前記支持構造が、前記外周の少なくとも一部分に重なるか、又は
前記グリッドが、不均一な幾何学形状を含むみ、前記のリブのセットが、前記多孔質膜の縦方向に長手方向に配置されており、前記のリブのセットが、前記外周の第1のエッジから前記外周の第2のエッジに幅方向に側方寸法にて等しく離間している、請求項19に記載の電極およびセパレータアセンブリにおけるグリッド反りを軽減する方法。
【請求項21】
前記多孔質膜から均一な高さを有して突出するリブを有する支持構造を提供すること
多角形スペーサとして前記支持構造を付与すること、
繊維マットとして前記支持構造を付与すること、
第1の繊維マットおよび第2の繊維マットとして前記支持構造を付与すること、
前記外周の第1のエッジに少なくとも部分的に重なる前記第1の繊維マットを配置すること;および前記外周の第2のエッジに少なくとも部分的に重なる前記第2の繊維マットを配置すること、
前記電極およびセパレータアセンブリを高温に供すること、
前記電極およびセパレータアセンブリを熱サイクルに供すること、又は
前記グリッドに活物質を不均一な状態で塗布すること、
をさらに含む、請求項19に記載の電極およびセパレータアセンブリにおけるグリッド反りを軽減する方法。
【請求項22】
グリッドおよび活物質を含むスタンピング板状電極において、前記グリッドが、第1のグリッドエッジおよび第2のグリッドエッジを含み、前記グリッドが、およそ1.0mm未満のグリッド厚さを有する、前記板状電極と、
第1の膜エッジに隣接する第1のサイドレーン、第2の膜エッジに隣接する第2のサイドレーン、および前記第1のサイドレーンと前記第2のサイドレーンとの間に配置されている中央部分を有する、前記電極板に隣接して配置されている多孔質膜において、前記中央部分内で第1の膜表面からまたは前記膜表面内に延在する複数の一次リブを有する前記第1の膜表面、ならびに前記第1のサイドレーン内に配置されている二次リブの第1のアレイおよび前記第2のサイドレーン内に配置されている二次リブの第2のアレイを含む前記多孔質膜
を含む、電極およびセパレータアセンブリ。
【請求項23】
第1の膜エッジに隣接する第1のサイドレーン、第2の膜エッジに隣接する第2のサイドレーン、および前記第1のサイドレーンと前記第2のサイドレーンとの間に配置されている中央部分を有する多孔質膜において、前記中央部分内で第1の膜表面からまたは前記膜表面内に延在する複数の一次リブを有する前記第1の膜表面、ならびに前記第1のサイドレーン内に配置されている二次リブの第1のアレイおよび前記第2のサイドレーン内に配置されている二次リブの第2のアレイを含む前記多孔質膜、を含む、スタンピング板状電極またはスタンピンググリッド電極型鉛酸電池のためのセパレータ。
【国際調査報告】