(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-20
(54)【発明の名称】衣類処理剤投入装置、洗濯機及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
D06F 39/02 20060101AFI20220413BHJP
【FI】
D06F39/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021524070
(86)(22)【出願日】2019-11-15
(85)【翻訳文提出日】2021-07-06
(86)【国際出願番号】 CN2019118684
(87)【国際公開番号】W WO2020098767
(87)【国際公開日】2020-05-22
(31)【優先権主張番号】201811360945.9
(32)【優先日】2018-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】趙志強
(72)【発明者】
【氏名】呂佩師
(72)【発明者】
【氏名】許升
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AE02
3B166BA48
3B166BA82
3B166BA83
3B166FB01
3B166FB02
3B166GA10
3B166GA12
3B166GA46
(57)【要約】
本発明は、衣類処理剤投入装置、洗濯機及びその制御方法を提供する。衣類処理剤投入装置は、内部に衣類処理剤が蓄えられる貯蔵室と、吐液口、及び貯蔵室と連通する給液口を有する投入室であって、給液口に給液一方向開通部材が設置されており、吐液口に吐液一方向開通部材が設置されている投入室と、往復運動可能に投入室内に設置されるピストン機構と、前記ピストン機構に接続される駆動機構、を含む。駆動機構は、ピストン機構を投入室内で往復運動させるよう駆動する。給液一方向開通部材/吐液一方向開通部材は、ピストン機構の往復運動の過程で給液口/吐液口をそれぞれ一方向に開通させる。貯蔵室内の衣類処理剤は、給液口から投入室に吸い込まれ、吐液口から排出及び投入される。本発明の衣類処理剤投入装置は、駆動機構によりピストン機構を投入室内で往復運動させることで、投入室内の衣類処理剤の投入を実現する。本構造はシンプル且つ低コストである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類処理剤投入装置であって、
内部に衣類処理剤が蓄えられる貯蔵室と、
吐液口、及び前記貯蔵室と連通する給液口を有しており、前記給液口に給液一方向開通部材が設置されており、前記吐液口に吐液一方向開通部材が設置されている投入室と、
往復運動可能に前記投入室内に設置されたピストン機構と、
前記ピストン機構に接続された駆動機構、を含み、
前記駆動機構は、前記ピストン機構を投入室内で往復運動させるよう駆動し、前記給液一方向開通部材/前記吐液一方向開通部材は、前記ピストン機構の往復運動の過程で前記給液口/前記吐液口をそれぞれ一方向に開通させ、前記貯蔵室内の衣類処理剤は、前記給液口から投入室に吸い込まれ、前記吐液口から排出及び投入されることを特徴とする衣類処理剤投入装置。
【請求項2】
前記ピストン機構はピストンとピストンロッドを含み、
前記駆動機構は原動部材と従動部材を含み、前記従動部材は、前記原動部材及び前記ピストンロッドにそれぞれ伝動可能に接続され、前記従動部材は、前記原動部材自体の回動を前記投入室内における前記ピストンの往復運動に変換し、
或いは、前記駆動機構は往復運動する駆動端を有しており、前記駆動端が前記ピストンロッドに接続されて前記ピストンを前記投入室内で往復運動させることを特徴とする請求項1に記載の衣類処理剤投入装置。
【請求項3】
前記従動部材は従動プーリを含み、前記ピストン機構のピストンロッドは、一端が前記従動プーリに偏心して回動可能に接続されており、他端が前記ピストンに接続されており、前記原動部材は前記従動プーリを回動させ、前記従動プーリは前記ピストンロッドを通じて前記ピストンを前記投入室内で往復運動させ、
前記原動部材は回動端を有しており、前記回動端が前記従動プーリに接続されて前記従動プーリを回動させ、或いは、前記原動部材は、駆動モータと、前記駆動モータに接続される駆動ギヤを含み、前記従動プーリは従動ギヤであり、前記駆動ギヤが前記従動ギヤと噛合して伝動することを特徴とする請求項2に記載の衣類処理剤投入装置。
【請求項4】
前記投入室は、1つの種類の衣類処理剤を投入する第1投入室と、別の種類を投入する第2投入室を含み、第1投入室内には第1ピストン機構が設けられており、第2投入室内には第2ピストン機構が設けられており、前記従動部材は、前記第1ピストン機構に伝動可能に接続される第1従動部材と、前記第2ピストン機構に伝動可能に接続される第2従動部材を含み、前記原動部材は、選択的に、前記第1従動部材又は前記第2従動部材に伝動可能に接続されて、前記第1投入室又は前記第2投入室内の衣類処理剤の投入を実施可能であることを特徴とする請求項2又は3に記載の衣類処理剤投入装置。
【請求項5】
前記原動部材は、駆動モータと、前記駆動モータに接続される駆動ギヤを含み、前記第1従動部材は第1従動ギヤを含み、前記第2従動部材は第2従動ギヤを含み、前記第1ピストン機構におけるピストンロッドの一端は、前記第1従動ギヤに偏心して回動可能に接続され、前記第2ピストン機構におけるピストンロッドの一端は、前記第2従動ギヤに偏心して回動可能に接続され、前記駆動ギヤは、前記第1従動ギヤと噛合して伝動可能となるまで、或いは前記第2従動ギヤと噛合して伝動可能となるまで運動し、前記第1投入室又は前記第2投入室内の衣類処理剤の投入を行うことを特徴とする請求項4に記載の衣類処理剤投入装置。
【請求項6】
前記第1従動ギヤ及び前記第2従動ギヤは、水平方向に間隔を置いて設置されており、且つ垂直方向において上下に設置されており、前記駆動ギヤは、上下に運動可能に前記第1従動ギヤと前記第2従動ギヤとの間に設置されており、前記駆動ギヤは、上下に運動することで前記第1従動ギヤ及び前記第2従動ギヤにそれぞれ噛合して伝動することを特徴とする請求項5に記載の衣類処理剤投入装置。
【請求項7】
前記駆動モータの送出端には接続ネジが設けられており、前記駆動ギヤの中心には前記接続ネジに螺接されるネジ孔が備わっており、前記接続ネジは、前記駆動ギヤが第1駆動ギヤ及び第2従動ギヤにそれぞれ噛合して伝動するよう、前記駆動ギヤを垂直方向に上下に運動させることを特徴とする請求項6に記載の衣類処理剤投入装置。
【請求項8】
ハウジングを含み、前記ハウジング内には、前記第1投入室、前記第2投入室及び装着室が備わっており、前記原動部材、前記第1従動ギヤ及び前記第2従動ギヤは、いずれも前記装着室内に設置されており、前記第1ピストン機構のピストンロッドは、一端がピストンに接続されており、他端が、前記装着室内に延伸するとともに、前記第1従動ギヤに偏心して回動可能に接続されており、前記第2ピストン機構のピストンロッドは、一端がピストンに接続されており、他端が、前記装着室内に延伸するとともに、前記第2従動ギヤに偏心して回動可能に接続されており、前記第1投入室は第1給液口及び第1吐液口を有しており、前記第1給液口には第1給液逆止弁が設けられており、前記第1吐液口には第1吐液逆止弁が設けられており、前記第2投入室は第2給液口及び第2吐液口を有しており、前記第2給液口には第2給液逆止弁が設けられており、前記第2吐液口には第2吐液逆止弁が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の衣類処理剤投入装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに1項に記載の衣類処理剤投入装置を備える洗濯機であって、
洗剤ケースを含み、前記衣類処理剤投入装置の吐液口は洗剤ケースと連通していることを特徴とする洗濯機。
【請求項10】
請求項9に記載の洗濯機の制御方法であって、
前記洗濯機の給水過程において、駆動機構がピストン機構を投入室内で往復運動させるよう駆動制御し、給液一方向開通部材/吐液一方向開通部材は、ピストン機構の往復運動の過程で給液口/吐液口をそれぞれ一方向に開通させ、貯蔵室内の衣類処理剤は、給液口から投入室に吸い込まれ、吐液口から排出及び投入されることを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機における洗剤投入の技術分野に関し、具体的には、衣類処理剤投入装置、洗濯機及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機は、人々の日常生活において最も広く使用されている家電製品である。技術の絶え間ない発展と進歩に伴って、洗濯機の研究開発では、洗濯に関する基本的な要望を満たしたうえで、ユーザエクスペリエンスを向上させることをますます重視するようになっている。一方で、洗剤の自動投入機能を備える洗濯機が増えている。この場合、洗濯機を用いて洗濯する際にユーザが手動で洗剤を投入する必要がないため、ユーザによる使用の利便性が極めて大きく向上し、ユーザエクスペリエンスが高まる。
【0003】
従来の洗濯機における洗剤の自動投入方式では、一般的にベンチュリの原理を用いた投入が行われている。この方式では、給水管の直径の変化に伴って圧力に変化が生じ、一定の負圧を形成することができる。これにより、洗剤が吸い込まれて給水管に投入され、給水とともに比較的均一に洗濯機の洗浄外槽に投入される。しかし、このような洗剤の自動投入方式の場合には、構造の設計や組み付けに一定の要求が課されるため、実現にあたり構造が相対的に複雑化し、コストも上昇する。そのほか、モータ駆動形式のギヤポンプ、ぜん動ポンプ、ピストンポンプにより投入を行う洗濯機も存在するが、このような方式ではモータやポンプを別途追加する必要があり、コストが上昇する。また、的確な定量投入を実現することができない。
【0004】
以上に鑑みて、本発明では、従来の洗濯機における洗剤の自動投入は的確さに欠け、複数種類を投入する際の性能に劣るとの課題を主に解決するために、原理がより合理的であり、実際の操作がいっそう簡便で実行性に優れ、且つ機能の異なる複数種類の洗剤及びケア剤を的確且つ定量で投入可能な投入装置を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の第1の目的は、衣類処理剤投入装置を提供することである。具体的には、以下の技術方案を採用する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
衣類処理剤投入装置は、内部に衣類処理剤が蓄えられる貯蔵室と、吐液口、及び貯蔵室と連通する給液口を有する投入室であって、給液口に給液一方向開通部材が設置されており、吐液口に吐液一方向開通部材が設置されている投入室と、往復運動可能に投入室内に設置されるピストン機構と、前記ピストン機構に接続される駆動機構、を含む。
【0007】
駆動機構は、ピストン機構を投入室内で往復運動させるよう駆動する。給液一方向開通部材/吐液一方向開通部材は、ピストン機構の往復運動の過程で給液口/吐液口をそれぞれ一方向に開通させる。貯蔵室内の衣類処理剤は、給液口から投入室に吸い込まれ、吐液口から排出及び投入される。
【0008】
更に、前記ピストン機構はピストンとピストンロッドを含む。
【0009】
前記駆動機構は、原動部材と従動部材を含む。前記従動部材は、原動部材とピストンロッドにそれぞれ伝動可能に接続される。従動部材は、原動部材自体の回動を投入室内におけるピストンの往復運動に変換する。
【0010】
或いは、前記駆動機構は往復運動する駆動端を有しており、駆動端がピストンロッドに接続されてピストンを投入室内で往復運動させる。
【0011】
更に、前記従動部材は従動プーリを含む。前記ピストン機構のピストンロッドは、一端が従動プーリに偏心して回動可能に接続されており、他端がピストンに接続されている。前記原動部材は従動プーリを回動させ、従動プーリはピストンロッドを通じてピストンを投入室内で往復運動させる。
【0012】
前記原動部材は回動端を有しており、回動端が従動プーリに接続されて従動プーリを回動させる。或いは、前記原動部材は、駆動モータと、駆動モータに接続される駆動ギヤを含む。前記従動プーリは従動ギヤであり、駆動ギヤが従動ギヤと噛合して伝動する。
【0013】
更に、前記投入室は、1つの種類の衣類処理剤を投入する第1投入室と、別の種類を投入する第2投入室を含む。第1投入室内には第1ピストン機構が設けられており、第2投入室内には第2ピストン機構が設けられている。前記従動部材は、第1ピストン機構に伝動可能に接続される第1従動部材と、第2ピストン機構に伝動可能に接続される第2従動部材を含む。前記原動部材は、選択的に、第1従動部材又は第2従動部材に伝動可能に接続されて、第1投入室又は第2投入室内の衣類処理剤の投入を実施可能である。
【0014】
更に、前記原動部材は、駆動モータと、駆動モータに接続される駆動ギヤを含む。前記第1従動部材は第1従動ギヤを含み、前記第2従動部材は第2従動ギヤを含む。前記第1ピストン機構におけるピストンロッドの一端は、第1従動ギヤに偏心して回動可能に接続される。前記第2ピストン機構におけるピストンロッドの一端は、第2従動ギヤに偏心して回動可能に接続される。前記駆動ギヤは、第1従動ギヤと噛合して伝動可能となるまで、或いは第2従動ギヤと噛合して伝動可能となるまで運動し、第1投入室又は第2投入室内の衣類処理剤の投入を行う。
【0015】
更に、前記第1従動ギヤと第2従動ギヤは、水平方向に間隔を置いて設置されており、且つ垂直方向において上下に設置されている。また、前記駆動ギヤは、上下に運動可能に第1従動ギヤと第2従動ギヤの間に設置されている。駆動ギヤは、上下に運動することで第1従動ギヤと第2従動ギヤにそれぞれ噛合して伝動する。
【0016】
更に、前記駆動モータの送出端には接続ネジが設けられており、前記駆動ギヤの中心には前記接続ネジに螺接されるネジ孔が備わっている。前記接続ネジは、駆動ギヤが第1駆動ギヤ及び第2従動ギヤにそれぞれ噛合して伝動するよう、駆動ギヤを垂直方向に上下に運動させる。
【0017】
更に、ハウジングを含む。ハウジング内には、第1投入室、第2投入室及び装着室が備わっている。前記原動部材、第1従動ギヤ及び第2従動ギヤは、いずれも装着室内に設置されている。前記第1ピストン機構のピストンロッドは、一端がピストンに接続されており、他端が、装着室内に延伸するとともに、第1従動ギヤに偏心して回動可能に接続されている。前記第2ピストン機構のピストンロッドは、一端がピストンに接続されており、他端が、装着室内に延伸するとともに、第2従動ギヤに偏心して回動可能に接続されている。前記第1投入室は、第1給液口と第1吐液口を有している。第1給液口には第1給液逆止弁が設けられており、第1吐液口には第1吐液逆止弁が設けられている。前記第2投入室は、第2給液口と第2吐液口を有している。第2給液口には第2給液逆止弁が設けられており、第2吐液口には第2吐液逆止弁が設けられている。
【0018】
本発明の第2の目的は、洗濯機を提供することである。具体的には、以下の技術方案を採用する。
【0019】
前記衣類処理剤投入装置を備える洗濯機は、洗剤ケースを含み、前記衣類処理剤投入装置の吐液口が洗剤ケースと連通している。
【0020】
本発明の第3の目的は、洗濯機を提供することである。具体的には、以下の技術方案を採用する。
【0021】
洗濯機の制御方法は、洗濯機の給水過程において、駆動機構がピストン機構を投入室内で往復運動させるよう駆動制御する。給液一方向開通部材/吐液一方向開通部材は、ピストン機構の往復運動の過程で給液口/吐液口をそれぞれ一方向に開通させる。貯蔵室内の衣類処理剤は、給液口から投入室に吸い込まれ、吐液口から排出及び投入される。
【発明の効果】
【0022】
本発明の衣類処理剤投入装置は、駆動機構によりピストン機構を投入室内で往復運動させることで、投入室内の衣類処理剤の投入を実現する。従来の洗剤自動投入装置とは異なる原理を用いることで、構造がシンプルとなり、コストが低下し、ユーザエクスペリエンスが向上するため、広大な市場が見込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本発明の実施例における衣類処理剤投入装置の原理を示す第1の図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例における衣類処理剤投入装置の原理を示す第2の図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例における衣類処理剤投入装置の原理を示す第3の図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の衣類処理剤投入装置、洗濯機及びその制御方法について詳述する。
【0025】
図1~
図3に示すように、本実施例における衣類処理剤投入装置は、内部に衣類処理剤が蓄えられる貯蔵室と、吐液口、及び貯蔵室と連通する給液口を有する投入室であって、給液口に給液一方向開通部材が設置されており、吐液口に吐液一方向開通部材が設置されている投入室と、往復運動可能に投入室内に設置されるピストン機構と、前記ピストン機構に接続される駆動機構、を含む。
【0026】
駆動機構は、ピストン機構を投入室内で往復運動させるよう駆動する。給液一方向開通部材/吐液一方向開通部材は、ピストン機構の往復運動の過程で給液口/吐液口をそれぞれ一方向に開通させる。貯蔵室内の衣類処理剤は、給液口から投入室に吸い込まれ、吐液口から排出及び投入される。
【0027】
本実施例の衣類処理剤投入装置は、駆動機構によりピストン機構を投入室内で往復運動させることで、投入室内の衣類処理剤の投入を実現する。従来の洗剤自動投入装置とは異なる原理を用いることで、構造がシンプルとなり、コストが低下し、ユーザエクスペリエンスが向上するため、広大な市場が見込まれる。
【0028】
駆動機構とピストン機構の伝動可能な接続について解決するために、本実施例の一実施形態として、本実施例で記載するピストン機構はピストンとピストンロッドを含む。また、前記駆動機構は、原動部材と従動部材を含む。前記従動部材は、原動部材とピストンロッドにそれぞれ伝動可能に接続される。従動部材は、原動部材自体の回動を投入室内におけるピストンの往復運動に変換する。本実施例の原動部材は、従動部材を通じてピストン機構を運動可能とする。このように、従動部材は、原動部材の回動をピストン機構の往復直線運動に変換することができる。
【0029】
或いは、前記駆動機構は往復運動する駆動端を有しており、駆動端がピストンロッドに接続されてピストンを投入室内で往復運動させる。本実施例では、駆動機構として、ピストン機構を直に往復運動させるリニアモータを選択可能である。
【0030】
更に、前記従動部材は従動プーリを含む。前記ピストン機構のピストンロッドは、一端が従動プーリに偏心して回動可能に接続されており、他端がピストンに接続されている。前記原動部材は従動プーリを回動させ、従動プーリはピストンロッドを通じてピストンを投入室内で往復運動させる。前記原動部材は回動端を有しており、回動端が従動プーリに接続されて従動プーリを回動させる。或いは、前記原動部材は、駆動モータと、駆動モータに接続される駆動ギヤを含む。前記従動プーリは従動ギヤであり、駆動ギヤが従動ギヤと噛合して伝動する。
【0031】
図1~
図3に示すように、本実施例で記載する投入室は、1つの種類の衣類処理剤を投入する第1投入室5と、別の種類を投入する第2投入室16を含む。第1投入室5内には第1ピストン機構(4,6)が設けられており、第2投入室16内には第2ピストン機構(15,17)が設けられている。前記従動部材は、第1ピストン機構に伝動可能に接続される第1従動部材と、第2ピストン機構に伝動可能に接続される第2従動部材を含む。前記原動部材は、選択的に、第1従動部材又は第2従動部材に伝動可能に接続されて、第1投入室又は第2投入室内の衣類処理剤の投入を実施可能である。
【0032】
本実施例では、1つの駆動機構により2つの投入室内の衣類処理剤の投入を実現するため、構造全体が簡略化され、製造コストが低下する。
【0033】
更に、前記原動部材は、駆動モータ22と、駆動モータ22に接続される駆動ギヤ1を含む。前記第1従動部材は第1従動ギヤ2を含み、前記第2従動部材は第2従動ギヤ19を含む。前記第1ピストン機構(4,6)におけるピストンロッド4の一端は、第1従動ギヤ2に偏心して回動可能に接続される。前記第2ピストン機構(15,17)におけるピストンロッド17の一端は、第2従動ギヤ19に偏心して回動可能に接続される。前記駆動ギヤ1は、第1従動ギヤ2と噛合して伝動可能となるまで、或いは第2従動ギヤ19と噛合して伝動可能となるまで運動し、第1投入室5又は第2投入室16内の衣類処理剤の投入を行う。
【0034】
第1投入室5及び第2投入室16は、それぞれ異なる種類の衣類処理剤を投入するために用いられる。例えば、第1投入室5は洗剤を投入し、第2投入室16は柔軟剤を投入する。そのため、第1投入室と第2投入室は衣類処理剤を投入する時間が異なっている。2つの投入室は同一の駆動機構により投入駆動がなされるが、互いに影響を及ぼし合わないよう、前記駆動ギヤ1は、第1従動ギヤ2と噛合して伝動するか、第2従動ギヤ19と噛合して伝動するよう運動可能である。
【0035】
具体的に、本実施例で記載する第1従動ギヤ2と第2従動ギヤ19は、水平方向に間隔を置いて設置されており、且つ垂直方向において上下に設置されている。また、前記駆動ギヤ1は、上下に運動可能に第1従動ギヤ2と第2従動ギヤ19の間に設置されている。駆動ギヤ1は、上下に運動することで第1従動ギヤ2と第2従動ギヤ19にそれぞれ噛合して伝動する。
【0036】
駆動ギヤ1の上下運動を実現するために、本実施例の一実施形態として、前記駆動モータ22の送出端には接続ネジ23が設けられており、前記駆動ギヤ1の中心には前記接続ネジ23に螺接されるネジ孔25が備わっている。前記接続ネジ23は、駆動ギヤ1が第1駆動ギヤ2及び第2従動ギヤ19にそれぞれ噛合して伝動するよう、駆動ギヤ1を垂直方向に上下に運動させる。
【0037】
本実施例で記載する衣類処理剤投入装置はハウジングを含む。ハウジング内には、第1投入室5、第2投入室16及び装着室20が備わっている。前記原動部材、第1従動ギヤ2及び第2従動ギヤ19は、いずれも装着室20内に設置されている。前記第1ピストン機構(4,6)のピストンロッド4は、一端がピストン6に接続されており、他端が、装着室20内に延伸するとともに、第1従動ギヤ2に偏心して回動可能に接続されている。前記第2ピストン機構(15,17)のピストンロッド17は、一端がピストン15に接続されており、他端が、装着室20内に延伸するとともに、第2従動ギヤ19に偏心して回動可能に接続されている。前記第1投入室5は、第1給液口9と第1吐液口10を有している。第1給液口9には第1給液逆止弁7が設けられており、第1吐液口10には第1吐液逆止弁8が設けられている。前記第2投入室16は、第2給液口12と第2吐液口11を有している。第2給液口12には第2給液逆止弁13が設けられており、第2吐液口11には第2吐液逆止弁14が設けられている。
【0038】
本実施例の装着室20内には、第1回転軸21と第2回転軸24が備わっている。前記第1従動ギヤ2は回動可能に第1回転軸21に装着されており、第2従動ギヤ19は回動可能に第2回転軸24に装着されている。
【0039】
本実施例で記載する第1従動ギヤ2には第1接続ポスト3が偏心して設けられており、前記第1ピストン機構のピストンロッド4が回動可能に第1接続ポスト3に装着されている。また、前記第2従動ギヤ19には第2接続ポスト18が偏心して設けられており、前記第2ピストン機構のピストンロッド17が回動可能に第2接続ポスト18に装着されている。これにより、従動ギヤの回動を、ピストン機構を駆動させる往復直線運動に変換することができる。
【0040】
本実施例は、更に、前記衣類処理剤投入装置を備える洗濯機を提供する。当該洗濯機は洗剤ケースを含み、前記衣類処理剤投入装置の吐液口が洗剤ケースと連通している。
【0041】
本実施例における洗濯機の制御方法では、洗濯機の給水過程において、駆動機構がピストン機構を投入室内で往復運動させるよう駆動制御する。給液一方向開通部材/吐液一方向開通部材は、ピストン機構の往復運動の過程で給液口/吐液口をそれぞれ一方向に開通させる。貯蔵室内の衣類処理剤は、給液口から投入室に吸い込まれ、吐液口から排出及び投入される。
【0042】
本実施例における駆動機構の駆動モータは正逆回転が可能である。駆動モータの正逆回転を制御することで、第1投入室及び第2投入室内の異なる種類の衣類処理剤を異なる時間に投入するよう制御する。
【0043】
本実施例における洗濯機の制御システムは、駆動モータを正回転させるよう制御することで、駆動ギヤを正回転させるよう駆動する。これにより、駆動ギヤは、第1従動ギヤを回転駆動させる。第1従動ギヤは第1接続ポストを有しており、ピストン機構のピストンロッドに接続されている。第1従動ギヤは、ピストン機構のピストンを第1投入室内で往復運動させる。第1投入室は第1給液口と第1吐液口を有するとともに、第1給液口逆止弁と第1吐液口逆止弁が設けられており、1つの種類の衣類処理剤を投入する。例えば、第1投入室が洗剤の投入に用いられる場合、制御システムは、駆動モータが洗浄プログラムの給水段階で正回転し、投入を行うよう制御する。
【0044】
本実施例における洗濯機の制御システムは、駆動モータを逆回転させるよう制御することで、駆動ギヤを逆回転させるよう駆動する。これにより、駆動ギヤは、第2従動ギヤを回転駆動させる。第2従動ギヤは第2接続ポストを有しており、ピストン機構のピストンロッドに接続されている。第2従動ギヤは、ピストン機構のピストンを第2投入室内で往復運動させる。第2投入室は第2給液口と第2吐液口を有するとともに、第2給液口逆止弁と第2吐液口逆止弁が設けられており、他の種類の衣類処理剤を投入する。例えば、第2投入室が柔軟剤の投入に用いられる場合、制御システムは、駆動モータが最後のすすぎプログラムの給水段階で逆回転し、投入を行うよう制御する。
【0045】
更に、衣類を内槽に投入したあと衣類の計量を行い、衣類の重量に基づいて衣類処理剤の投入量を決定するとともに、投入量に基づいて衣類処理装置が定量投入を行うよう制御してもよい。
【0046】
或いは、ユーザが衣類処理剤の投入量を選択し、ユーザの選択に従って、衣類処理装置が投入量通りに定量投入するよう制御してもよい。
【0047】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる任意の簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲に属する。
【国際調査報告】