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特表2022-522589車両ターゲット内のレーダー反射を回避するための設備を備えた車両ターゲット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-20
(54)【発明の名称】車両ターゲット内のレーダー反射を回避するための設備を備えた車両ターゲット
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/40 20060101AFI20220413BHJP
   G01S 13/931 20200101ALI20220413BHJP
【FI】
G01S7/40
G01S13/931
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021534371
(86)(22)【出願日】2020-03-02
(85)【翻訳文提出日】2021-07-27
(86)【国際出願番号】 EP2020055470
(87)【国際公開番号】W WO2020178252
(87)【国際公開日】2020-09-10
(31)【優先権主張番号】62/813,316
(32)【優先日】2019-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515345366
【氏名又は名称】4アクティブシステムズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ハフェルナー、ラインハルト
(72)【発明者】
【氏名】フリッツ、マーティン
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AE01
5J070AF03
5J070AK22
5J070AK40
(57)【要約】
本発明は、車両用ドライバー・アシスタント・システムのセンサをテストする車両ターゲット(100)を説明する。車両ターゲット(100)は、車両ターゲット(100)の外側の幾何学的形状を画定する外板(101)を備え、ここで外板(101)は、内部体積(Vi)を少なくとも部分的に囲っている。車両ターゲット(100)はさらに、基体(103)と、基体(103)に取り付けられたレーダーを吸収又は反射する層(105)とを有する少なくとも1つのパネル(102、112)を備え、パネル(102、112)は外板(101)に取り付けられ、その結果、少なくともレーダーを吸収又は反射する材料/層(105)は、内部体積(Vi)への方向において外板(101)に対するオフセット(109)を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用ドライバー・アシスタント・システムのセンサをテストするための車両ターゲットであって、前記車両ターゲットは、
前記車両ターゲットの外側の幾何学的形状を画定する外板であって、前記外板は、内部体積を少なくとも部分的に囲む、外板と、
基体と、前記基体に取り付けられたレーダーを吸収又は反射する層とを有する少なくとも1つのパネルであって、前記パネルは前記外板に取り付けられ、その結果、少なくとも前記レーダーを吸収又は反射する材料/層が、前記内部体積への方向において前記外板に対するオフセットを有する、少なくとも1つのパネルと
を備える、車両ターゲット。
【請求項2】
少なくとも2つのパネルが旋回可能に一緒に結合された、請求項1に記載の車両ターゲット。
【請求項3】
少なくとも2つのパネルが、面ファスナー、チャック及び/又はねじ接続などの、それぞれの取り外し可能な固定要素によって、取り外し可能であるように一緒に結合される、請求項1又は2に記載の車両ターゲット。
【請求項4】
前記パネルは、面ファスナー、チャック及び/又はねじ接続などの、それぞれの取り外し可能な固定要素によって、前記車両ターゲットの前記外板又は内側の支持構造に取り外し可能であるように結合される、請求項1から3のいずれか一項に記載の車両ターゲット。
【請求項5】
前記基体は、特定の光波及び/又はレーダー波である波に対して少なくとも部分的に透過的である、請求項1から4のいずれか一項に記載の車両ターゲット。
【請求項6】
前記パネルの外面は波状である、請求項1から5のいずれか一項に記載の車両ターゲット。
【請求項7】
前記車両ターゲットの環境に向けられている外面は灰色及び/又は光沢のない色を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の車両ターゲット。
【請求項8】
前記レーダーを吸収又は反射する材料/層は、前記内部体積に向けられた前記基体の内面において前記パネルの前記基体に配置され、具体的には、内面は、外面に対して反対側の表面である、請求項1から7のいずれか一項に記載の車両ターゲット。
【請求項9】
前記基体は、前記基体の前記内面と前記外面とを接続する側面を備え、前記レーダーを吸収又は反射する材料/層が前記基体の前記側面に配置されている、請求項8に記載の車両ターゲット。
【請求項10】
前記吸収/反射層は、垂直方向に対して非平行に延伸する、請求項1から9のいずれか一項に記載の車両ターゲット。
【請求項11】
前記外板は、実際の車輪の視覚的表現を含む車輪部を備え、
前記外板は、ホイールアーチの表現のために前記車輪部の周辺に隙間を有し、
前記パネルは、前記車輪部及び/又は前記車輪部に対して反対側の前記外板の内面の前記隙間に取り付けられる
請求項1から10のいずれか一項に記載の車両ターゲット。
【請求項12】
前記パネルは前記車両ターゲットの底面に配置され、前記車両ターゲットの2つの対向する側の間で延伸する、請求項1から10のいずれか一項に記載の車両ターゲット。
【請求項13】
車両用ドライバー・アシスタント・システムのセンサをテストするための車両ターゲットを製造する方法であって、前記方法は、
前記車両ターゲットの外側の幾何学的形状を画定する外板を提供する段階であって、前記外板は、内部体積を少なくとも部分的に囲む、段階と、
基体と、前記基体に取り付けられたレーダーを吸収又は反射する層とを有する少なくとも1つのパネルを提供する段階であって、前記パネルは前記外板に取り付けられ、その結果、少なくとも前記レーダーを吸収又は反射する材料/層が、前記内部体積への方向において前記外板に対するオフセットを有する、段階と
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ドライバー・アシスタント・システムのセンサをテストする車両ターゲットに関する。さらに、本発明は、車両用ドライバー・アシスタント・システムのセンサをテストするための車両ターゲットを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用ドライバー・アシスタント・システムのセンサをテストするための車両ターゲットのような衝突対象は、一般的に非常に軽量で、内部体積のある中空構造を有する。車両ターゲットは移動可能であり、ドライバー・アシスタント・システムを備えた、テスト対象である車両の予め定められた経路を横切る。車両ターゲットは、車両ターゲットの底面とプラットフォームの表面との間にある空間に配置された支持構造によって、駆動可能なプラットフォームに取り付けられる。従って、車両ターゲットの底部と駆動可能なプラットフォームの表面との間には空き空間が存在しない。しかしながら、これとは対照的に、実際の車両は車輪により道路に配置され、ここで車輪と、車両の底部と道路の間には、空き空間が提供される。
【0003】
例えば、車両用ドライバー・アシスタント・システムのセンサシステムのレーダーセンサが、車両ターゲットの設計によって、具体的には波、特に光波及び/又はレーダー波の内部反射によって混乱することを回避するために、車両ターゲットの中空構造から来る車両ターゲット内部において、車両ターゲットの下部/底部エリアは、例えば、レーダーを吸収又は反射する材料/層を備える板状の要素/パネルによって覆われている。
【0004】
しかしながら、底部と道路又は車両ターゲットのプラットフォームとの間にはもはや空き空間が存在しないので、車両ターゲットの本体部の影の形状は実際の車両と異なる。従って、車両用ドライバー・アシスタント・システムのセンサシステムが混乱し得る。
【発明の概要】
【0005】
従って、ドライバー・アシスタント・システムをテストするためのより現実的な車両ターゲットを提供する必要があり得る。
【0006】
この必要は、例えば、独立項に記載の車両用ドライバー・アシスタント・システムのセンサをテストするための車両ターゲット、及び車両ターゲットを生産するそれぞれの方法によるものではない。
【0007】
本発明の第1態様によると、車両用ドライバー・アシスタント・システムのセンサをテストするための車両ターゲットが提供される。車両ターゲットは、車両ターゲットの外側の幾何学的形状を画定する外板を備え、ここで外板は、内部体積を少なくとも部分的に囲っている。法的ターゲットはさらに、基体と、基体に取り付けられたレーダーを吸収又は反射する層とを有する少なくとも1つのパネルを備える。パネルは外板に取り付けられ、その結果、少なくともレーダーを吸収又は反射する材料/層が、内部体積への方向において外板に対するオフセットを有する。
【0008】
さらなる態様によると、上記の車両ターゲットを製造する方法が提供される。
【0009】
車両ターゲットは、車両ターゲットの外側の幾何学的形状を画定する外板を備える。外板は、車両ターゲットの外側シェルを画定する。外板は、例えば車を表す外板の所望の形状及びデザインを形成するために一緒に取り付けられるいくつかの自己携帯式(self-carrying)の発泡体パネルで作成され得る。車両ターゲットは、地面に沿って駆動されるように構成された移動可能な下部プラットフォーム上に配置される。下部プラットフォームと車両ターゲットの底部側との間には、例えば、前輪部と後輪部との間にパネルが配置され得る。
【0010】
外板はさらに、例えば、車の窓又は車の光をシミュレートするための透明な部分を有する。さらに、外板は、車の実際の車輪をシミュレートする車輪部を有してよい。実際の部分は、回転しない車輪を単に視覚的に示してよい。例えば、車輪部は、塗装又は外板の外面に接着したステッカーによって生成されてよい。車輪部と外板の周囲部分との間には、例えば溝によって隙間が形成され得、ここで、例えば、塗料、ステッカー又は追加の発泡要素とによって、外周に沿ってホイールアーチがシミュレートされ得る。例えば、車両の光をシミュレートする反射鏡などの付加要素は、外板に配置されてよい。外板は、例えば、駆動可能なプラットフォームに取り付けられた梁を備える内側の支持構造に取り付けられてよい。
【0011】
パネルは、レーダーを吸収又は反射する層が取り付けられた基体を備える。層が吸収材料で作成された場合、レーダー波は吸収され得る。従って、例えば、車両ターゲットをプラットフォームなどに固定する車両ターゲットの内側の支持構造によってレーダー波が反射されないことを確実にし得る。例えば、パネル又は透過性パネルが外板の下方に使用されない場合、レーダー波は外板の下方に放射され、内部体積の中の支持構造などの要素によって反射され、これはドライバー・アシスタント・システムのそれぞれのセンサの測定を発生させる。
【0012】
しかしながら、層が反射材料を備える場合、予め定められた反射方向がパネルの位置合わせによって制御され得る。例えば、パネルは、レーダー波が180°で反射されないように調整され、レーダー波は反射されるが誤差測定は生じないようにされ得る。
【0013】
従って、パネルによって、車両ターゲットの下方の構造からレーダーセンサに反射されるレーダー波の反射は、低減又は防止され得る。従って、支持構造などが車両ターゲットの下方に配置されるが、車両ターゲットの下方にある空き空間はレーダーセンサに対してシミュレートされ得、その結果、底部の下方に空き空間を有する実際の車両のシミュレーションが可能となる。
【0014】
レーダー吸収材料は、特に均一な表面を有しない発泡材料で作成され得る。例えば、発泡材料は小隆起構造を持つ表面を有し得る。さらに、吸収材料は、導電性炭素又はスス粒子などの導電性粒子を含むポリマ材料で作成され得る。具体的に、吸収材料は弱め合う干渉特性を有し得る。
【0015】
レーダーを反射する材料は、特にレーダー波に対する反射特性をサポートする導電性表面を有し得る。
【0016】
基体は、レーダーを吸収又は反射する層に対する支持構造を形成する。基体は、硬質発泡で形成され、例えば、車両ターゲットの外板に結合される結合要素を備え得る。具体的に、フロントバンパーの下方及びリアバンパーの下方には、それぞれのパネルが配置される。加えて、車輪部の後ろにはそれぞれのパネルが配置され得る。
【0017】
本発明によると、パネルは、車両ターゲットの内部体積と外板とへの方向においてそれぞれオフセットを備える。オフセットは、パネルと、外板の外輪郭との間の距離をそれぞれ画定する。具体的に、パネルは外板の縁部から距離をおいて、離れるように離間されている。オフセットは、外板と接触しているパネルの縁部と、外板の底面及び側面がそこから延伸する外板の縁部との間の距離を具体的に画定する。
【0018】
従って、縁部を含む外板によって生成された影の形状は、パネルによって影響されない。これは、パネルがさらに内側に、且つ縁部から離れるように離間されて位置付けられるからである。従って、実際の車両と本発明に係る車/ターゲットとの間のドライバー・アシスタント・システムの光センサの混乱は低減する。これは、レーダー吸収パネル又は反射パネルによって人工的な影が生成されないからである。
【0019】
したがって、例えば、カメラセンサ、レーダーセンサなどの、テスト対象のセンサにとって重要な車両ターゲットの自然な影を提供及び表示するために、パネルの外側/外縁は、他の外部の表面(ドア、マッドガード、フロントバンパー及びリアバンパー)に対して、外板から車両ターゲットの内部容積への方向において幾何学的オフセットを有し得る。従って、パネルの縁部又は他の部分は、車両ターゲットの外側の幾何学的形状(例えば、外板、及び反射鏡などの他の外部の表面)から突出せず、それにより、車両ターゲット100の自然な影はパネルによって影響されない。
【0020】
さらなる例示的な実施形態によると、少なくとも2つのパネルが旋回可能に一緒に結合される。換言すると、車両ターゲットは、例えばヒンジによってパネルに旋回可能に結合されたさらなるパネルを備える。さらなるパネルは、さらなる基体に配置されたレーダー反射層又は吸収層も有し得る。従って、衝突によって外板の変形が生じた場合、パネルは、パネルの変形を防止すべく、ヒンジの周辺で旋回し得る。
【0021】
さらなる例示的な実施形態によると、少なくとも2つのパネルが、面ファスナー、チャック及び/又はねじ接続などの、それぞれの取り外し可能な固定要素によって、取り外し可能であるように一緒に結合される。
【0022】
さらなる例示的な実施形態によると、パネルは、面ファスナー、チャック及び/又はねじ接続などの、それぞれの取り外し可能な固定要素によって、車両ターゲットの外板又は内側の支持構造に取り外し可能であるように結合される。
【0023】
追加的に又は代替的に、パネルは、弾性的に変形可能なベルト又はストリップ(例えば、ゴムストラップ)などの弾性要素によって、車両ターゲットの外板又は内側の支持構造に結合され得る。弾性要素は、さらなる対象(テスト対象の車両など)が車両ターゲットに衝突した場合にも、弾性要素がパネルを車両ターゲットに依然として接続するような方法で、車両ターゲットのパネル及び外板又は支持構造に結合され得る。従って、例えば、面ファスナーなどの取り外し可能な固定要素が、衝突があった場合に外板からパネルを外す場合にも、弾性要素は依然として車両ターゲットの近くでパネルを保持している。従って、衝突の後に車両ターゲットのより速い再組み立てが提供され得る。これは、取り外されたパネルが依然として車両ターゲットの近くにあるからである。
【0024】
さらなる例示的な実施形態によると、基体は、少なくとも部分的に、波、特に光波及び/又はレーダー波に対して透過的である。
【0025】
さらなる例示的な実施形態によると、パネルの外面は波状である。従って、レーダーセンサの誤差測定を生じさせ得るレーダー波の直接反射のリスクは低減され得る。追加的に又は代替的に、パネルの外面は、それぞれのセンサに対するレーダー波の直接反射のリスクを減らすべく、複数の突起及び溝又は孔を有し得る。従って、パネルの外面は、光学反射を減らすべく、平面でなくてもよい。
【0026】
さらなる例示的な実施形態によると、車両ターゲットの環境に向けられているパネルの外面は灰色及び/又は光沢のない色を有する。従って、具体的には、ドライバー・アシスタント・システムの光センサの誤差測定のリスクを減らすべく、光波の反射が低減され得る。
【0027】
さらなる例示的な実施形態によると、レーダーを吸収又は反射する材料/層は、内部体積に向けられた基体の内面においてパネルの基体に配置される。具体的に、内面は、外面に対して反対側の表面である。具体的に、基体の内面は、外板の内部体積に向けられた法線を備える。レーダーを吸収又は反射する材料は、パネルの内側(すなわち、内面)及び基体にそれぞれ位置付けられる。具体的に、パネルは、特定の光波及び/又はレーダー波である波111に対して透過的である基体を備える。基体の内面に対して、レーダーを吸収又は反射する材料の層105が配置される。
【0028】
さらなる例示的な実施形態によると、基体は、基体の内面と外面とを接続する側面を備え、ここで、レーダーを吸収又は反射する材料/層が基体の側面に配置されている。従って、より広範囲のレーダー波の反射又は吸収が提供される。
【0029】
さらなる例示的な実施形態によると、吸収/反射層は、垂直方向に対して非平行に延伸する。換言すると、吸収/反射層は、水平方向に対して非垂直である法線を備える。換言すると、車両ターゲットは、水平面に対して概ね平行である支持面に配置可能である。支持面の法線は、垂直方向に対して平行であり得る。
【0030】
さらなる例示的な実施形態によると、外板は、実際の車輪の視覚的表現を含む車輪部を備え、ここで外板は、ホイールアーチの表現のために車輪部の周辺に隙間を含む。パネルは、車輪部及び/又は車輪部に対して反対側の外板の内面の隙間に取り付けられる。車輪部に取り付けられたパネルのオフセットは、外板の前縁部と、前輪部に配置されたパネルとの間の距離、及び/又は、外板の後縁部と、後輪部に配置されたパネルとの間の距離によって決定され得る。
【0031】
さらなる例示的な実施形態によると、パネルは車両ターゲットの底面に配置され、車両ターゲットの2つの対向する側の間で延伸する。パネルは、車両ターゲットの前端部と後端部との間で延伸し得、ここで、パネルは、車両ターゲットの前縁部及び後縁部、並びに外板のそれぞれからのオフセットによって離間され得る。さらに、パネルは、車両ターゲットの2つの側面(すなわち、左側及び右側)と、外板との間でそれぞれ延伸し得る。具体的に、パネルは、前輪部と後輪部との間、又は、右車輪部と外板の後方左側部との間で延伸し得る。従って、車両ターゲットの前方又は側方から車両ターゲットの下方の空間に到達するレーダー波は、所望の方向において吸収又は反射され得、その結果、誤差測定が低減され得る。
【0032】
本発明の実施形態は、異なる主題を参照して説明されたことに留意されたい。特に、いくつかの実施形態は装置に係る請求項を参照して説明されたが、一方で、他の実施形態は方法に係る請求項を参照して説明された。しかしながら、当業者は、上記及び以下の説明から、他に注記のない限り、あるタイプの主題に属する特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる主題に関する特徴間の任意の組み合わせ、特に装置に係る請求項の特徴と、方法に係る請求項の特徴との間の任意の組み合わせも、本願で開示されているとみなされるということを察知する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明に係る車両ターゲットの例示的な実施形態を示す。
図2】本発明に係る車両ターゲットの例示的な実施形態を示す。
図3】本発明に係る車両ターゲットの例示的な実施形態を示す。
図4】本発明に係る車両ターゲットの例示的な実施形態を示す。
図5】本発明の例示的な実施形態に係る車輪部にパネルを有する車両ターゲットの概略図を示す。
図6】本発明の例示的な実施形態に係る車両ターゲットの裏面の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図面における図示は、概略図である。異なる図面における同様又は同一の要素には同じ参照符号が提供されていることに留意されたい。
【0035】
図1は、本発明の例示的な実施形態に係る車両ターゲット100の側面図を示す。
【0036】
車両ターゲット100は、車両用ドライバー・アシスタント・システムのセンサをテストするために提供される。車両ターゲット100は、車両ターゲット100の外側の幾何学的形状を画定する外板101を備え、ここで外板101は、内部体積Viを少なくとも部分的に囲っている。車両ターゲット100はさらに、基体103と、基体103に取り付けられたレーダーを吸収又は反射する層105とを有する少なくとも1つのパネル102、112を備え、パネル102、112は外板101に取り付けられ、その結果、少なくともレーダーを吸収又は反射する材料/層105は、内部体積Viへの方向において外板101に対するオフセット109を有する。
【0037】
車両ターゲット100は、車両ターゲットの外側の幾何学的形状を画定する外板100を備える。例えば、反射鏡106などの付加要素が、外側の幾何学的形状を画定するために外板101に配置され得る。加えて、車輪107が外板100に形成され得る。
【0038】
外板101は、車両ターゲット100の外側シェルを画定する。パネル102、112は、車両ターゲット100の内部体積Viへの方向においてオフセット109を有する。オフセット109は、パネル102、112と、外板101の外輪郭との間の距離をそれぞれ画定する。具体的に、パネル102、112は外板101の縁部の近くにある。それにより、オフセット109が小さくなり得る。
【0039】
具体的に、フロントバンパーの下方及びリアバンパーの下方には、それぞれのパネル102が配置される。加えて、車輪107の後ろにはそれぞれのパネル102が配置され得る。加えて、2つのパネル102は、ヒンジ110によって一緒に柔軟に取り付けられ得る。従って、衝突によって外板101の変形が生じた場合、パネル102は、パネル102の変形を防止すべく、ヒンジ110の周辺で旋回し得る。
【0040】
車両ターゲット100は、地面に沿って駆動されるように構成された下部プラットフォーム120上に配置される。下部プラットフォーム120と車両ターゲット100の底部側との間には、前輪107と後輪107との間にパネル112が配置される。
【0041】
例えば、カメラセンサ、レーダーセンサなどの、テスト対象のセンサにとって重要な車両ターゲット100の自然な影を提供及び表示するために、パネル102の外側/外縁は、他の外部の表面(ドア、マッドガード、フロントバンパー及びリアバンパー)に対して、外板101から車両ターゲット100の内部容積Viへの方向において幾何学的オフセット109を有し得る。従って、パネル102、112の縁部又は他の部分は、車両ターゲット100の外側の幾何学的形状(例えば、外板101、及び反射鏡106などの他の外部の表面)から突出せず、それにより、車両ターゲット100の自然な影はパネル102によって影響されない。
【0042】
加えて、パネル102、112の外面113は、光学反射を回避するために、平面でなくてもよい。パネルの外面113は、波状であり灰色/光沢のない色を有することが好ましい。
【0043】
レーダーを吸収又は反射する材料105は、光学パネル102、112の内側(すなわち、内面)に位置付けられる。
【0044】
具体的に、パネル102、112は、特定の光波及び/又はレーダー波である波111に対して透過的である基体103を備える。基体103の内面に対して、レーダーを吸収又は反射する材料の層105が配置される。
【0045】
パネル102、112は、レーダーを吸収又は反射する層105が取り付けられた基体103を備える。基体103は、レーダーを吸収又は反射する層105に対する支持構造を形成する。パネル102、112は、車両ターゲット100の内部体積Viと外板101とへの方向においてそれぞれオフセットを有する。オフセット109は、パネル102、112と、外板101の外輪郭との間の距離をそれぞれ画定する。具体的に、パネル102、112は外板101の縁部501、502から距離をおいて、離れるように離間されている。オフセット109は、外板101との接触位置におけるパネル102、112の縁部と、外板101の底面及び側面がそこから延伸する外板101の縁部501、502との間の距離を具体的に画定する。
【0046】
図1から理解し得るように、パネル112は、車両ターゲット100前方から後方に延伸する。従って、パネル102、112は、プラットフォーム120と、外板101の底部との間の空間を覆う。パネル112は、突出面にオフセット109(パネル120には示されない)を有し、外板101の側壁からのそれぞれのオフセット109を有する。したがって、パネル112は、さらに内側に、且つそれぞれの車輪部107の後ろに配置される。パネル112の斜視図は図3から見ることができる。
【0047】
したがって、パネル102は、外板101の側壁に対してそれぞれのオフセット109を提供する。加えて、パネル102は、図1に示すように、外板101の底面からのオフセット109を有する。パネル102は、外板101の内側に及び/又は外板101の下縁部108の上方のオフセット109と共に配置される。具体的に、パネル102は、対向する前輪部107又は対向する後輪部107の内側の間においてそれぞれ延伸する。
【0048】
前及び後ろのパネル102によって理解し得るように、少なくとも2つのパネル部が一緒に旋回可能に結合される。2つのパネル部は、ヒンジ110によって旋回可能に結合される。従って、衝突によって外板101の変形が生じた場合、パネル部は、パネル部の変形を防止すべく、ヒンジ110の周辺で旋回し得る。
【0049】
レーダーを吸収又は反射する材料/層105は、内部体積Viに向けられた基体103の内面114においてパネル102、112の基体103に配置される。具体的に、内面114は、外面113に対して反対側の表面である。具体的に、基体103の内面114は、外板101の内部体積viに向けられた法線を備える。レーダーを吸収又は反射する材料105は、基体103の内側114(すなわち、内面)に位置付けられる。具体的に、基体103は、特定の光波及び/又はレーダー波である波111に対して透過的であり得る。
【0050】
図2で見られるように、パネル112は、車両ターゲット100の側面からの(例えば、垂直方向の)オフセット109を有する。
【0051】
図2のパネル112によってさらに理解され得るように、パネル102、112は、台形又はほぼ三角形の断面を含む基体を有し得る。車両ターゲット100の内部体積Viに向けられているパネル102、112の側面に沿って、それぞれのレーダーを吸収又は反射する材料/層105が配置される。従って、レーダー波111が内部体積Viに入ることが防止される。
【0052】
具体的に、基体103は楔状断面を有し得、ここで楔状断面の先端は、外板101の底部から離れるように離間され、より大きい側面115は、例えば、外板101又は車両ターゲット100の底部構造に結合される。具体的に、基体103の側面115と外板101との間には、レーダーを吸収又は反射する層105の一部分が配置され得る。さらに、レーダーを吸収又は反射する層105のさらなる部分は、基体103の内面114に取り付けられる。矢印111によって示されるように、外板101の下方に放射されているレーダー波はパネル112によって影響を受け(反射又は吸収され)、それにより車両用ドライバー・アシスタント・システムのセンサの誤差測定が防止され得る。
【0053】
図3から理解され得るように、パネル112は、車両ターゲット100の内部体積Viへの方向における外板101からのオフセットである。従って、図3から理解され得るように、車両ターゲット100の影はパネル112によって影響を受けない。
【0054】
従って、縁部を含む外板101によって生成された影の形状は、パネル112によって影響されない。これは、パネル112がさらに内側に、且つ縁部から離れるように離間されて位置付けられるからである。従って、実際の車両と本発明に係る車/車両ターゲットとの間のドライバー・アシスタント・システムの光センサの混乱は低減する。これは、レーダー吸収パネル又は反射パネル112によって人工的な影が生成されないからである。
【0055】
図4は、外板101を備える車両ターゲット100の概略図を示す。図4から理解され得るように、外板101は、実際の車両の実際の車輪をシミュレートする車輪部107をさらに備え得る。しかしながら、車輪部107は、実際の車輪と比較して回転可能でなくてもよい。車輪部107は、外板101の外板表面に接着されたステッカーによって又は特定の塗料層によって形成されてよい。さらに、ホイールアーチ117が形成されてよい。実際の部分107とホイールアーチ117との間には、外板101の内側に隙間又は溝116が形成されてよい。
【0056】
図5は、本発明の例示的な実施形態に係る車輪部107にパネル102を有する車両ターゲット100の概略図を示す。外板101は、実際の車輪の視覚的表現を含む車輪部107を備え、ここで外板101は、ホイールアーチ117の表現のために車輪部107の周辺に隙間116を含む。パネル102は、車輪部107及び/又は車輪部107に対して反対側の外板101の内面の隙間116に取り付けられる。車輪部107に取り付けられたパネル102のオフセット109は、外板101の前縁部501と、前輪部107に配置されたパネル102との間の距離、及び/又は、外板101の後縁部502と、後輪部107に配置されたパネル102との間の距離によって決定され得る。
【0057】
基体103は、基体103の内面114と外面113とを接続する側面115を備え、ここで、レーダーを吸収又は反射する材料/層105が基体103の側面115に配置されている。従って、より広範囲のレーダー波の反射又は吸収が提供される。
【0058】
具体的に、パネル102は車輪部107の内側に配置され、例えば2つの対向する車輪部107間で延伸する。従って、パネル102は前縁部又は後縁部501、502からのオフセット109と、さらに外板101の側面からのオフセット109とを有する。従って、車両ターゲット100の裏面又は前面から外板101の下方に放射されるレーダー波111は、パネル102によって吸収又は反射され得る。さらに、パネルは、車輪部107の円周方向の延伸及び(曲げ)半径のそれぞれに適合され得る湾曲形状を有してよい。
【0059】
図6は、本発明の例示的な実施形態に係る車両ターゲット100の裏面の概略図を示す。吸収/反射層105は、垂直方向に対して非平行に延伸する。換言すると、吸収/反射層105は、水平方向に対して非垂直である法線を備える。換言すると、車両ターゲット100は、水平面に対して概ね平行である支持面601に配置可能である。支持面601の法線nは、垂直方向に対して平行であり得る。換言すると、吸収/反射層105は、支持面601の法線nに対して1°~89°の角度αを有し得る。さらに、パネル102は、外板101の縁部502から、支持面601への方向において、さらに内部体積Viに対して垂直方向に沿って延伸する。従って、パネル102に向けられたレーダー波111は、支持面601への方向において反射される。
【0060】
具体的に、パネル102は車両ターゲット100の底面に配置され、例えば、車両ターゲット100の2つの対向する側の間で延伸する。従って、パネル102は後縁部502からのオフセット109と、さらに外板101の側面からのオフセット109とを有する。従って、車両ターゲット100の裏面から外板101の下方及び車両ターゲット100のそれぞれに放射されるレーダー波111は、パネル102によって吸収又は反射され得る。パネル102は、図5に示されるパネル102と同様に形成され得る。
【0061】
「備える(comprising)」という用語は、他の要素又は段階を排除するものではなく、「a」又は「an」は、複数を排除するものではないとうことに留意されたい。また、異なる実施形態に関連して説明される要素が組み合わされてもよい。特許請求の範囲における参照符号が、特許請求の範囲の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【0062】
参照符号
100 車両ターゲット
101 外板
102 パネル
103 基体
105 レーダーを吸収又は反射する材料/層106 反射鏡
107 車輪、車輪部
108 車両ターゲットの下部、下縁部
109 オフセット
110 ヒンジ
111 波、特定の光波及び/又はレーダー波
112 さらなるパネル
113 パネルの外面
114 パネルの内面
115 パネルの側面
116 隙間
117 ホイールアーチ
120 駆動プラットフォーム
501 前縁部
502 後縁部
601 支持面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】