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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-20
(54)【発明の名称】水素を生成する方法
(51)【国際特許分類】
   C25B 1/04 20210101AFI20220413BHJP
   C01B 3/36 20060101ALI20220413BHJP
   C01B 3/24 20060101ALI20220413BHJP
   C25B 13/04 20210101ALI20220413BHJP
   C25B 13/07 20210101ALI20220413BHJP
   C25B 9/015 20210101ALI20220413BHJP
   C25B 1/23 20210101ALI20220413BHJP
   C25B 11/052 20210101ALI20220413BHJP
   C25B 11/054 20210101ALI20220413BHJP
   C25B 11/077 20210101ALI20220413BHJP
   C25B 11/081 20210101ALI20220413BHJP
   C25B 9/70 20210101ALI20220413BHJP
   C25B 11/075 20210101ALI20220413BHJP
   C25B 11/067 20210101ALI20220413BHJP
   H01M 8/04 20160101ALN20220413BHJP
【FI】
C25B1/04
C01B3/36
C01B3/24
C25B13/04 301
C25B13/07
C25B9/015
C25B1/23
C25B11/052
C25B11/054
C25B11/077
C25B11/081
C25B9/70
C25B11/075
C25B11/067
H01M8/04 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021539923
(86)(22)【出願日】2020-01-10
(85)【翻訳文提出日】2021-08-03
(86)【国際出願番号】 US2020013129
(87)【国際公開番号】W WO2020146759
(87)【国際公開日】2020-07-16
(31)【優先権主張番号】62/797,572
(32)【優先日】2019-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/798,344
(32)【優先日】2019-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/791,629
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/941,358
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/927,627
(32)【優先日】2019-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/904,683
(32)【優先日】2019-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/699,453
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/693,271
(32)【優先日】2019-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/834,531
(32)【優先日】2019-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/674,629
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/674,657
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/877,699
(32)【優先日】2019-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/934,808
(32)【優先日】2019-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/955,443
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/825,576
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/804,115
(32)【優先日】2019-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/684,838
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/808,644
(32)【優先日】2019-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/707,046
(32)【優先日】2019-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/864,492
(32)【優先日】2019-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/895,416
(32)【優先日】2019-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/866,758
(32)【優先日】2019-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/863,390
(32)【優先日】2019-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/680,770
(32)【優先日】2019-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/849,269
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/707,084
(32)【優先日】2019-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/707,066
(32)【優先日】2019-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/944,259
(32)【優先日】2019-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/699,461
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/684,864
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/674,695
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/674,580
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/928,326
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/925,210
(32)【優先日】2019-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/912,626
(32)【優先日】2019-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/899,087
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/896,466
(32)【優先日】2019-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/888,319
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/875,437
(32)【優先日】2019-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/869,322
(32)【優先日】2019-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/856,736
(32)【優先日】2019-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/852,045
(32)【優先日】2019-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/847,472
(32)【優先日】2019-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/844,127
(32)【優先日】2019-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/844,126
(32)【優先日】2019-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/840,381
(32)【優先日】2019-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/839,587
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/837,089
(32)【優先日】2019-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/827,800
(32)【優先日】2019-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/824,229
(32)【優先日】2019-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/819,289
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/819,374
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/814,695
(32)【優先日】2019-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/809,602
(32)【優先日】2019-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/805,250
(32)【優先日】2019-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521193902
【氏名又は名称】ユティリティ グローバル,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ドーソン,ジン
(72)【発明者】
【氏名】ファランドス ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ドーソン,マシュー
【テーマコード(参考)】
4G140
4K011
4K021
5H127
【Fターム(参考)】
4G140DA03
4G140EA03
4G140EA06
4K011AA24
4K011AA30
4K011AA48
4K011BA07
4K011BA08
4K011DA01
4K011DA11
4K021AA01
4K021AA09
4K021AB25
4K021BA02
4K021BC01
4K021BC05
4K021CA07
4K021CA08
4K021CA09
4K021CA12
4K021DB36
4K021DB43
4K021DB53
4K021DC01
4K021DC03
4K021DC15
5H127AB21
5H127BA20
(57)【要約】
水素を生成する方法は、装置を提供すること、燃料を含む第1のストリームを装置に導入すること、水を含む第2のストリームを装置に導入すること、第2のストリーム中の水を水素に還元すること、および水素を装置から抽出することを含む。第1のストリームおよび第2のストリームは、装置内で互いに接触しない。
【選択図】図6B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置を提供すること、前記装置に燃料を含む第1のストリームを導入すること、前記装置に水を含む第2のストリームを導入すること、水素へと前記第2のストリーム中の前記水を還元すること、および前記装置から水素を抽出することを含み、前記第1のストリームおよび前記第2のストリームは、前記装置内で互いに接触しない、水素を生成する方法。
【請求項2】
前記第1のストリームは、前記水素と接触しない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のストリームおよび前記第2のストリームは、前記装置内の電解質により分離される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記電解質は、酸化物イオン伝導性でありかつ固体状態である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記電解質は、ドープセリアを含みまたは前記電解質は、ランタンクロマイトまたは導電性金属またはそれらの組み合わせならびにドープセリア、YSZ、LSGM、SSZ、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記ランタンクロマイトは、アンドープランタンクロマイト、ストロンチウムドープランタンクロマイト、鉄ドープランタンクロマイト、ランタンカルシウムクロマイト、またはそれらの組み合わせを含み;ならびに前記導電性金属は、Ni、Cu、Ag、Au、またはそれらの組み合わせを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記電解質はまた、電子を伝導しかつ前記装置は、インターコネクトを含まない、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記装置は、管状である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記燃料は、炭化水素または水素または一酸化炭素またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のストリームは、水素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のストリームは、水または二酸化炭素をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のストリームは、水をほとんど~全く有しない燃料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記装置は、平面である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記装置は、インターコネクトにより分離された複数の繰り返し単位を含み、各繰り返し単位は、前記電極間の電解質と共に2つの電極を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記電極は、流体チャネルまたは流体分散構成要素を含みかつ前記インターコネクトは、流体分散要素を含まない、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のストリームが装置に入る前に改質器に前記第1のストリームを導入することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記改質器は、水蒸気改質器または自己熱改質器である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記装置は、500℃以上の温度で動作される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記装置は、第1の電極および電解質により分離された第2の電極を含み、前記第1の電極または前記第2の電極は、NiまたはNiOならびにYSZ、CGO、SDC、SSZ、LSGM、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記装置は、第1の電極および電解質により分離された第2の電極を含み、前記第1の電極は、ドープまたはアンドープセリアならびにCu、CuO、CuO、Ag、AgO、Au、AuO、Au、Pt、Pd、Ru、Rh、ステンレス鋼、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の電極は、触媒を含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2019年12月9日に出願された米国特許出願第16/707,046号、16/707,066号および16/707,084号の一部継続出願であり、それらは、2019年11月29日に出願された米国特許出願第16/699,453号および16/699,461号の一部継続出願であり、それらは、2019年11月23日に出願された米国特許出願第16/693,268号、16/693,269号、16/693,270号、および16/693,271号の一部継続出願であり、それらは、2019年11月15日に出願された米国特許出願第16/684,838号および16/684,864号の一部継続出願であり、それらは、2019年11月12日に出願された米国特許出願第16/680,770号の一部継続出願であり、それは、米国特許出願第16/674,580号、16/674,629号、16/674,657号、16/674,695号(全て2019年11月5日に出願された)の一部継続出願であり、その各々は、35U.S.C.119(e)の下、下記の恩典を主張する:2018年11月6日に出願された米国仮特許出願第62/756,257号、2018年11月6日に出願された米国仮特許出願第62/756,264号、2018年11月8日に出願された米国仮特許出願第62/757,751号、2018年11月12日に出願された米国仮特許出願第62/758,778号、2018年11月14日に出願された米国仮特許出願第62/767,413号、2018年11月17日に出願された米国仮特許出願第62/768,864号、2018年11月24日に出願された米国仮特許出願第62/771,045号、2018年11月29日に出願された米国仮特許出願第62/773,071号、2018年11月30日に出願された米国仮特許出願第62/773,912号、2018年12月10日に出願された米国仮特許出願第62/777,273号、2018年12月10日に出願された米国仮特許出願第62/777,338号、2018年12月13日に出願された米国仮特許出願第62/779,005号、2018年12月15日に出願された米国仮特許出願第62/780,211号、2018年12月20日に出願された米国仮特許出願第62/783,192号、2018年12月23日に出願された米国仮特許出願第62/784,472号、2018年12月29日に出願された米国仮特許出願第62/786,341号、2019年1月11日に出願された米国仮特許出願第62/791,629号、2019年1月28日に出願された米国仮特許出願第62/797,572号、2019年1月29日に出願された米国仮特許出願第62/798,344号、2019年2月11日に出願された米国仮特許出願第62/804,115号、2019年2月13日に出願された米国仮特許出願第62/805,250号、2019年2月21日に出願された米国仮特許出願第62/808,644号、2019年2月23日に出願された米国仮特許出願第62/809,602号、2019年3月6日に出願された米国仮特許出願第62/814,695号、2019年3月15日に出願された米国仮特許出願第62/819,374号、2019年3月15日に出願された米国仮特許出願第62/819,289号、2019年3月26日に出願された米国仮特許出願第62/824,229号、2019年3月28日に出願された米国仮特許出願第62/825,576号、2019年4月1日に出願された米国仮特許出願第62/827,800号、2019年4月16日に出願された米国仮特許出願第62/834,531号、2019年4月22日に出願された米国仮特許出願第62/837,089号、2019年4月29日に出願された米国仮特許出願第62/840,381号、2019年5月7日に出願された米国仮特許出願第62/844,125号、2019年5月7日に出願された米国仮特許出願第62/844,127号、2019年5月14日に出願された米国仮特許出願第62/847,472号、2019年5月17日に出願された米国仮特許出願第62/849,269号、2019年5月23日に出願された米国仮特許出願第62/852,045号、2019年6月3日に出願された米国仮特許出願第62/856,736号、2019年6月19日に出願された米国仮特許出願第62/863,390号、2019年6月20日に出願された米国仮特許出願第62/864,492号、2019年6月26日に出願された米国仮特許出願第62/866,758号、2019年7月1日に出願された米国仮特許出願第62/869,322号、2019年7月17日に出願された米国仮特許出願第62/875,437号、2019年7月23日に出願された米国仮特許出願第62/877,699号、2019年8月16日に出願された米国仮特許出願第62/888,319号、2019年9月3日に出願された米国仮特許出願第62/895,416号、2019年9月5日に出願された米国仮特許出願第62/896,466号、2019年9月11日に出願された米国仮特許出願第62/899,087号、2019年9月24日に出願された米国仮特許出願第62/904,683号、2019年10月8日に出願された米国仮特許出願第62/912,626号、2019年10月23日に出願された米国仮特許出願第62/925,210号、2019年10月29日に出願された米国仮特許出願第62/927,627号、2019年10月30日に出願された米国仮特許出願第62/928,326号、2019年11月13日に出願された米国仮特許出願第62/934,808号、2019年11月22日に出願された米国仮特許出願第62/939,531号、2019年11月27日に出願された米国仮特許出願第62/941,358号、2019年12月5日に出願された米国仮特許出願第62/944,259号、2019年12月6日に出願された米国仮特許出願第62/944,756号、2019年12月16日に出願された米国仮特許出願第62/948,759号、および2019年12月31日に出願された米国仮特許出願第62/955,443号。これらの列挙された出願の各々の全開示内容は、これにより、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
この発明は一般に、電気化学反応器に関する。より特定的には、この発明は、合成ガスおよび水素を生成する電気化学反応器に関する。
【背景技術】
【0003】
合成ガス(すなわち、合成用ガス)は、主に、水素、一酸化炭素、および、しばしば二酸化炭素から構成される混合物である。それは、合成天然ガス、アンモニア、メタノール、水素、合成燃料、合成潤滑剤などの、様々な生成物を生成するための中間体として使用される。合成ガスは、水蒸気改質、ドライ改質、部分酸化、または気化により、天然ガス、石炭、バイオマスなどの、ほとんど全ての炭化水素供給原料から生成され得る。合成ガスは、可燃性であり、内燃機関において、または電気発生のためにしばしば使用されるが、そのエネルギー密度は天然ガスの半分未満である。
【0004】
大量の水素が、石油および化学業界において必要とされる。例えば、大量の水素が、化石燃料のアップグレーディングおよびアンモニアまたはメタノールまたは塩酸の生成において使用される。石油化学プラントは、水素化分解、水素化脱硫、水素化脱アルキルのために水素を必要とする。不飽和脂肪および油の飽和レベルを増加させるための水素化プロセスもまた、水素を必要とする。水素はまた、金属鉱石の還元剤である。水素は、水の電気分解、水蒸気改質、実験室規模の金属-酸プロセス、熱化学方法、または嫌気性腐食から生成され得る。多くの国々が、水素の節約を目指している。
【0005】
明らかに、これらの重要なガスを生成するための方法およびシステムを開発することが、継続して必要とされ、これに関心が集まっている。
【発明の概要】
【0006】
さらなる態様および実施形態が、下記図面、発明を実施するための形態および特許請求の範囲において提供される。特に指定がない限り、本明細書で記載される特徴は組み合わせ可能であり、そのような組み合わせは全て、この開示の範囲内にある。
【0007】
本発明の1つの態様は、装置を提供すること、燃料を含む第1のストリームを装置に導入すること、水を含む第2のストリームを装置に導入すること、第2のストリーム中の水を水素に還元すること、および水素を装置から抽出することを含む、水素を生成する方法である。第1のストリームおよび第2のストリームは、装置内で互いに接触しない。
【0008】
別の方法態様では、第1のストリームは、水素と接触しない。
【0009】
さらに別の方法態様では、第1のストリームおよび第2のストリームは、装置内の電解質により分離される。
【0010】
いっそうさらなる方法態様では、電解質は、酸化物イオン伝導性であり、かつ、固体状態である。
【0011】
なおいっそうさらなる方法態様では、電解質は、ドープセリアを含み、または電解質は、ランタンクロマイトまたは導電性金属またはそれらの組み合わせ、ならびに、ドープセリア、YSZ、LSGM、SSZ、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む。ランタンクロマイトは、アンドープランタンクロマイト、ストロンチウムドープランタンクロマイト、鉄ドープランタンクロマイト、ランタンカルシウムクロマイト、またはそれらの組み合わせを含む。導電性金属は、Ni、Cu、Ag、Au、またはそれらの組み合わせを含む。
【0012】
なおいっそうさらなる方法態様では、電解質はまた、電子を伝導し、装置は、インターコネクトを含まない。
【0013】
別の方法態様では、装置は、管状である。
【0014】
さらに別の方法態様では、燃料は、炭化水素または水素または一酸化炭素またはそれらの組み合わせを含む。
【0015】
いっそうさらなる方法態様では、第2のストリームは、水素を含む。
【0016】
なおいっそうさらなる方法態様では、第1のストリームは、水または二酸化炭素をさらに含む。
【0017】
発明のいっそうさらに別の方法態様では、第1のストリームは、水をほとんど~全く有しない燃料を含む。
【0018】
別の方法態様では、装置は、平面である。
【0019】
さらに別の方法態様では、装置は、インターコネクトにより分離された複数の繰り返し単位を含む。各繰り返し単位は、2つの電極を含み、電極間に電解質を有する。
【0020】
いっそうさらなる方法態様では、電極は、流体チャネルまたは流体分散構成要素を含み、インターコネクトは、流体分散要素を含まない。
【0021】
なおいっそうさらなる方法態様では、水素を生成する方法は、第1のストリームを、第1のストリームが装置に入る前に改質器に導入することを含む。
【0022】
発明のいっそうさらに別の方法態様では、改質器は、水蒸気改質器または自己熱改質器である。
【0023】
なおいっそうさらなる方法態様では、水素を生成する方法は、装置を500℃以上の温度で動作させることを含む。
【0024】
別の方法態様では、装置は、電解質により分離された第1の電極および第2の電極を含む。第1の電極または第2の電極は、NiまたはNiOならびにYSZ、CGO、SDC、SSZ、LSGM、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む。
【0025】
さらに別の方法態様では、装置は、電解質により分離された第1の電極および第2の電極を含む。第1の電極は、ドープまたはアンドープセリアならびにCu、CuO、CuO、Ag、AgO、Au、AuO、Au、Pt、Pd、Ru、Rh、ステンレス鋼、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む。
【0026】
いっそうさらなる方法態様では、第1の電極は、触媒を含む。
【0027】
下記図面は、本明細書で記載されるある実施形態を説明するために提供される。図面は例示にすぎず、特許請求される発明の範囲を制限することを意図せず、かつ、特許請求される発明の可能性のある特徴または実施形態全てを示すことを意図しない。図面は必ずしも縮尺通りに描かれておらず;場合によっては、図面のある要素が、説明目的で、図面の他の要素に対して拡大される可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1A】この開示の一実施形態による、電気化学(EC)ガス発生器を示す。
図1B】この開示の一実施形態による、ECガス発生器を示す。
図2A】この開示の一実施形態による、管状ECガス発生器を示す。
図2B】この開示の一実施形態による、管状ECガス発生器の断面を示す。
図3A】本開示の一実施形態による、多管式ECガス発生器の断面を示す。
図3B】本開示の一実施形態による、多管式ECガス発生器の断面を示す。
図3C】本開示の一実施形態による、多管式ECガス発生器の断面を示す。
図3D】本開示の一実施形態による、ECガス発生器の断面を示す。
図4A】本開示の一実施形態による、一点EMR源を使用してECガス発生器を製造する方法の一部を示す。
図4B】本開示の一実施形態による、リングランプEMR源を使用してECガス発生器を製造する方法の一部を示す。
図4C】本開示の一実施形態による、一点EMR源を使用してECガス発生器を製造する方法の一部を示す。
図4D】本開示の一実施形態による、管状EMR源を使用してECガス発生器を製造する方法の一部を示す。
図5図5A。本開示の一実施形態による、管状または多管式ECガス発生器を形成するためのテープキャスティング法における第1の工程を示す。図5B。本開示の一実施形態による、管状または多管式ECガス発生器を形成するためのテープキャスティング法における工程2-4を示す。
図6A】本開示の一実施形態による、外部熱源を有しない水素生成システム600の一例を示す。
図6B】本開示の一実施形態による、外部熱源を有しない別の水素生成システムを示す。
図7】本開示の一実施形態による、燃料電池構成要素を示す。
図8】本開示の一実施形態による、燃料電池スタックにおける2つの燃料電池を概略的に示す。
図9A】本開示の一実施形態による、燃料電池カートリッジ(FCC)の斜視図を示す。
図9B】本開示の一実施形態による、燃料電池カートリッジ(FCC)の断面の斜視図を示す。
図9C】本開示の一実施形態による、燃料電池カートリッジ(FCC)の断面図を示す。
図9D】本開示の一実施形態による、燃料電池カートリッジ(FCC)の上面図および底面図を示す。
図10A】本開示の一実施形態による、TFCの断面図を示す。
図10B】本開示の一実施形態による、TFCの断面図を示す。
図10C】本開示の一実施形態による、TFCの断面図を示す。
図11A】本開示の一実施形態による、サポートを含むTFCの断面図を示す。
図11B】本開示の一実施形態による、サポートを含むTFCの断面図を示す。
図11C】本開示の一実施形態による、サポートを含むTFCの断面図を示す。
図12A】本開示の一実施形態による、流体分散構成要素1204を有する不透過性インターコネクト1202を示す。
図12B】本開示の一実施形態による、2つの流体分散構成要素1204を有する不透過性インターコネクト1202を示す。
図12C】本開示の一実施形態による、不透過性インターコネクト1202上の、同様の形状であるがサイズが異なる分割型流体分散構成要素1204を示す。
図12D】本開示の一実施形態による、不透過性インターコネクト1202上の同様の形状および同様のサイズの分割型流体分散構成要素1204を示す。
図12E】本開示の一実施形態による、不透過性インターコネクト1202上の、同様の形状および同様のサイズであるがぎっしり詰まっている分割型流体分散構成要素1204を示す。
図12F】本開示の一実施形態による、不透過性インターコネクト1202上の異なる形状および異なるサイズの分割型流体分散構成要素1204を示す。
図12G】本開示の一実施形態による、不透過性インターコネクト1202および流体分散構成要素セグメント1204を示す。
図12H】本開示の一実施形態による、不透過性インターコネクトおよび流体分散構成要素セグメントを示す。
図12I】本開示の一実施形態による、不透過性インターコネクトおよび流体分散構成要素セグメントを示す。
図12J】本開示の一実施形態による、不透過性インターコネクト1202および流体分散構成要素セグメント1204を示す。
図12K】本開示の一実施形態による、流体分散構成要素1204を示す。
図13A】本開示の一実施形態による、溝付電極を製造するための型板1300を示す。
図13B】本開示の一実施形態による、第1のインターコネクトと電解質の間の半電池の断面図である。
図13C】本開示の一実施形態による、第2のインターコネクトと電解質の間の半電池の断面図である。
図13D】本開示の一実施形態による、第1のインターコネクトと電解質の間の半電池の断面図である。
図13E】本開示の一実施形態による、第2のインターコネクトと電解質の間の半電池の断面図である。
図14A】本開示の一実施形態による、第1の層における流体分散構成要素のセグメントを概略的に示す。
図14B】本開示の一実施形態による、第2の層と一緒の第1の層における流体分散構成要素を概略的に示す。
図14C】本開示の一実施形態による、第2および第3の層と一緒の第1の層における流体分散構成要素を概略的に示す。
図14D】本開示の一実施形態による、第2の層と一緒の第1の層における流体分散構成要素を概略的に示す。
図15】本開示の一実施形態による、二重多孔度を有する電極の実例である。
図16】本開示の一実施形態による、電磁放射線(EMR)を使用する統合された堆積および加熱のためのシステムを示す。
図17】走査電子顕微鏡像である。
図18】EC反応器における半電池の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
概要
本明細書で記載される方法、材料およびプロセスの実施形態は電気化学反応器に向けられる。電気化学反応器としては、固体酸化物燃料電池、固体酸化物燃料電池スタック、電気化学ガス発生器、電気化学コンプレッサ、固体電池、または固体酸化物フロー電池が挙げられる。
【0030】
電気化学ガス発生器は、燃料電池、アンモニア生成、肥料生成、水素化反応、Bosch反応または他の用途のための燃料または供給原料としての使用のための、合成ガス、水素または他のガスを生成するために使用できる。本明細書における開示は、装置を用いて水素を生成する方法を記載する。装置は、電気化学ガス発生器であってよく、かつ平面または管状形状であってよい。
【0031】
定義
次の記載は、本明細書で開示される発明の様々な態様および実施形態を列挙する。いずれの特定の実施形態も発明の範囲を規定することを意図しない。むしろ、実施形態は、特許請求される発明の範囲内に含まれる様々な組成物および方法の非限定的な例を提供する。記載は、当業者の観点から読まれるべきである。よって、当業者によく知られている情報は必ずしも含まれない。
【0032】
次の用語および句は、本明細書で別段の定めがない限り、下で示される意味を有する。この開示は本明細書で明確に規定されていない他の用語および句を採用し得る。そのような他の用語および句は、当業者へのこの開示との関連で有する意味を持つであろう。場合によっては、用語または句は単数形または複数形で規定され得る。そのような場合、それとは反対のことが明確に示されない限り、単数形のいずれの用語もその複数の対応物を含んでよく、逆の場合も同じであることが理解される。
【0033】
本明細書では、単数形「1つの(a、an)」および「その(the)」は、文脈で明確に別記されない限り、複数の指示対象を含む。例えば、「1つの置換基」への言及は、単一の置換基ならびに2つ以上の置換基を包含する、などである。本明細書では、「例えば」、「例として」、「などの」または「を含む」は、より一般的な対象物をさらに明確にする例を紹介することを意味する。別様に明確に示されない限り、そのような例は、本開示において示された実施形態を理解するための補助としてのみ提供され、いかなる様式でも制限することを意味しない。これらの句はまた、開示された実施形態へのどんな種類の優先性も示さない。
【0034】
本明細書では、組成物および材料は、他に特に規定がなければ、同じ意味で使用される。各組成物/材料は複数の要素、相、および成分を有し得る。加熱は本明細書では、能動的に組成物または材料にエネルギーを付加することを指す。
【0035】
この開示における「その場で」という用語は、処理(例えば、加熱)プロセスが、組成物または材料の形成プロセスの、同じ場所でまたは同じ装置内でのいずれかで実施されることを指す。例えば、堆積プロセスおよび加熱プロセスは同じ装置内で、かつ、同じ場所で、言い換えれば、装置を変えずに、かつ、装置内での場所を変えずに実施される。例えば、堆積プロセスおよび加熱プロセスは同じ装置内において、異なる場所で実施され、これもまた、その場で、と考えられる。
【0036】
この開示では、物体の主面は、物体の平均表面積より大きな表面積を有する物体の面であり、物体の平均表面積は物体の面の数で割った物体の総表面積である。場合によっては、主面は、小さな面よりも大きな表面積を有する、アイテムまたは物体の面を指す。平面燃料電池または非SIS型燃料電池の場合、主面は、横方向の面または表面である。
【0037】
本明細書では、横は、非SIS型燃料電池における、層の積み重ね方向に垂直な方向を指す。よって、横方向は、燃料電池における層の積み重ね方向、または、堆積中に物体を形成する薄片の積み重ね方向に垂直な方向を指す。横はまた、堆積プロセスの広がりである方向を指す。
【0038】
この開示では、物質の液体前駆体は、水溶液中の塩などの、物質を含む溶解形態を指す。例えば、水溶液に溶解された銅塩は、銅の液体前駆体と考えられる。液体中に懸濁/分散された(溶解されていない)銅粒子は、銅の液体前駆体と考えられない。
【0039】
本明細書では、CGOはガドリニウムドープセリア(あるいは、ガドリニアドープセリアとしても知られている)、ガドリニウムドープ酸化セリウム、酸化セリウム(IV)、ガドリニウムドープ、GDC、またはGCO、(式Gd:CeO)を指す。CGOおよびGDCは、他に特に規定がなければ同じ意味で使用される。
【0040】
この開示における合成ガス(すなわち、合成用ガス)は、主に、水素、一酸化炭素、および二酸化炭素から構成される混合物を指す。
【0041】
この開示では、吸光度は、物質のある波長の電磁放射線(EMR)を吸収する能力の尺度である。放射線の吸収は、放射線に曝露された時に物質により吸収されるエネルギーを指す。
【0042】
本明細書では、セリアは、セリウム酸化物(ceric oxide)、セリウム二酸化物(ceric dioxide)、または二酸化セリウムとしても知られている、酸化セリウムを指し、希土類金属セリウムの酸化物である。ドープセリアは、他の元素がドープされたセリア、例えばサマリアドープセリア(SDC)、またはガドリニウムドープセリア(GDCまたはCGO)を指す。
【0043】
本明細書では、クロマイトは、酸化クロムを指し、これは酸化クロムの全ての酸化状態を含む。
【0044】
本明細書では、「水をほとんど~全く有さない」は、1g/m以下または200mg/m以下または50mg/m以下の含水量を指す。
【0045】
電気化学装置(例えば、燃料電池)におけるインターコネクトはしばしば、個々のセルまたは繰り返し単位間に配置される金属またはセラミックのいずれかである。その目的は、電気が分配される、または統合され得るように、各セルまたは繰り返し単位を接続することである。インターコネクトは、電気化学装置においてバイポーラプレートとも呼ばれる。本明細書では不透過性層であるインターコネクトは、それが、流体流に対し不透過性である層であることを示す。例えば、不透過性層は、1マイクロダルシー未満、または1ナノダルシー未満の透過性を有する。
【0046】
この開示では、流体分散要素を有しないインターコネクトは、流体を分散させる要素(例えば、チャネル)を有しないインターコネクトを指す。流体は、ガスまたは液体またはガスと液体の混合物を含み得る。そのような流体は、水素、メタン、エタン、プロパン、ブタン、酸素、周囲空気または軽質炭化水素(すなわち、ペンタン、ヘキサン、オクタン)の1つ以上を含み得る。そのようなインターコネクトは、材料または流体が通過するための入口および出口(すなわち、開口)を有し得る。
【0047】
この開示では、「マイクロチャネル」という用語は、マイクロ流体チャネルまたはマイクロ流体流チャネルと同じ意味で使用される。
【0048】
この開示では、焼結は、材料を液化の程度まで溶融させずに、熱または圧力、またはそれらの組み合わせにより材料の固体塊を形成するプロセスを指す。例えば、材料粒子は、加熱されることにより固体または多孔性塊へと合一され、ここで材料粒子中の原子は粒子の境界にわたって拡散し、粒子を融合させ、1つの固体片を形成させる。この開示および添付の特許請求の範囲では、Tsinterは、この現象が起こり始める温度を指す。
【0049】
本明細書では、「細孔形成剤」という用語は、比較的広い意味を有することが意図される。「細孔形成剤」は、形成中に組成物中に含まれ、加熱、燃焼または気化などのプロセスにより部分的にまたは完全に空間を空けることができる、任意の微粒子材料を指してよい。本明細書では、「導電性構成要素」という用語は、導電性である、燃料電池における構成要素、例えば、電極およびインターコネクトを指すことが意図される。
【0050】
例示を目的として、固体酸化物燃料電池(SOFC)の生成は、様々な実施形態を記載するための本明細書におけるシステム例として使用される。当業者であれば認識するであろうが、本明細書で記載される方法および製造プロセスは、任意の電気化学装置、反応器、容器、触媒、などに適用可能である。電気化学装置または反応器の例としては、電気化学(EC)ガス発生器、電気化学(EC)コンプレッサ、固体酸化物燃料電池、固体酸化物燃料電池スタック、固体電池、または固体酸化物フロー電池が挙げられる。一実施形態では、電気化学反応器は、固体酸化物燃料電池、固体酸化物燃料電池スタック、電気化学ガス発生器、電気化学コンプレッサ、固体電池、または固体酸化物フロー電池を含む。触媒は、フィッシャー・トロプシュ(FT)触媒または改質器触媒を含む。反応器/容器は、FT反応器または熱交換器を含む。
【0051】
電気化学(EC)ガス発生器
図1Aは、この開示の一実施形態による、電気化学(EC)ガス発生器100を示す。ECガス発生装置100は、第1の電極101、電解質103、第2の電極102を含む。第1の電極101は、燃料を受け取り、酸素104を受け取らないように構成される。第2の電極102は、矢印105により示されるように、水を受け取るかまたは、何も受け取らないように構成される。装置100は、第2の電極102から水素107を、かつ、第1の電極101から合成ガス106を同時に生成するように構成される。一実施形態では、104は、装置100に入るメタンおよび水またはメタンおよび二酸化炭素を表す。他の実施形態では、103は、酸化物イオン伝導性膜を表す。一実施形態では、第1の電極101および第2の電極102は、Ni-YSZまたはNiO-YSZを含み得る。矢印104は、炭化水素および水または炭化水素および二酸化炭素の流入を表す。矢印105は、水または水および水素の流入を表す。いくつかの実施形態では、電極101は、CuOまたはCuOまたはそれらの組み合わせをさらに任意で含むCu-CGOを含む。電極102は、Ni-YSZまたはNiO-YSZを含む。矢印104は、水をほとんど~全く有さず、二酸化炭素を有さず、かつ酸素を有しない炭化水素の流入を表し、105は、水または水および水素の流入を表す。水は対向電極で炭化水素/燃料を酸化するのに必要とされる酸化物イオン(電解質を介して輸送される)を提供するので、水は、このシナリオでは酸化剤と考えられる。
【0052】
図1Bは、この開示の一実施形態による、ECガス発生器110を示す。ECガス発生装置110は、第1の電極111、第2の電極112、および電極間の電解質113を含む。第1の電極111は、燃料を受け取り、酸素104を受け取らないように構成され、第2の電極112は、水を受け取るかまたは、何も受け取らないように構成される。いくつかの実施形態では、113は、プロトン伝導性膜を表し、111および112は、Ni-ジルコン酸バリウム電極を表す。水素107は、第2の電極112から生成され、合成ガス106は、第1の電極111から生成される。
【0053】
この開示では、酸素なしは、第1の電極101、111に存在する酸素はない、または反応を妨害する十分な酸素は少なくともないことを意味する。また、この開示では、水のみは、意図された供給原料は水であり、水中の微量元素または固有成分を排除しないことを意味する。例えば、塩またはイオンを含有する水は、水のみの範囲内であると考えられる。水のみはまた、100%純粋な水を必要としないが、この実施形態を含む。実施形態では、第2の電極102、112から生成される水素は、純粋水素であり、これは、第2の電極から生成されたガス相では、水素が主成分であることを意味する。場合によっては、水素含量は、99.5%以上である。場合によっては、水素含量は、99.9%以上である。場合によっては、第2の電極から生成される水素は、水の電気分解から生成されるものと同じ純度である。
【0054】
一実施形態では、第1の電極101、111は、メタンおよび水またはメタンおよび二酸化炭素を受け取るように構成される。一実施形態では、燃料は、1-12、1-10または1-8の範囲の炭素数を有する炭化水素を含む。最も好ましくは、燃料は、メタンまたは天然ガスであり、それは主にメタンである。一実施形態では、装置は、電気を発生しない。一実施形態では、装置は、第1の電極生成物の少なくとも一部および第2の電極生成物の少なくとも一部を受け取るように構成されたミキサを含む。ミキサは、水素対酸化炭素比が2以上、または3以上または2と3の間であるガスストリームを発生させるように構成され得る。
【0055】
一実施形態では、第1の電極101、111または第2の電極102、112、または第1の電極101、111および第2の電極102、112の両方は、触媒および基材を含み、触媒と基材の間の質量比は、1/100以上、または1/10以上、または1/5以上、または1/3以上、または1/1以上である。一実施形態では、触媒は、酸化ニッケル、銀、コバルト、セシウム、ニッケル、鉄、マンガン、窒素、四窒素、モリブデン、銅、クロム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、または白金、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、基材は、ガドリニウム、CeO、ZrO、SiO、TiO、鋼、コーディエライト(2MgO-2Al-5SiO)、チタン酸アルミニウム(AlTiO)、炭化ケイ素(SiC)、全ての相の酸化アルミニウム、イットリアもしくはスカンジア安定化ジルコニア(YSZ)、ガドリニアまたはサマリアドープセリア、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、第1の電極101、111または第2の電極102、112、または第1の電極101、111および第2の電極102、112の両方は、促進剤を含み、促進剤は、Mo、W、Ba、K、Mg、Fe、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。一実施形態では、アノード(例えば、第1の電極または第2の電極)は、触媒を含み、触媒は、ニッケル、鉄、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム、コバルト、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0056】
いくつかの実施形態では、電極および電解質は、繰り返し単位を形成する。装置は、インターコネクトにより分離された2つ以上の繰り返し単位を含み得る。好ましい実施形態では、インターコネクトは、流体分散要素を含まない。一実施形態では、第1の電極101、111または第2の電極102、112、または第1の電極101、111および第2の電極102、112の両方は、流体チャネルを含む。あるいは、第1の電極101、111または第2の電極102、112、または第1の電極101、111および第2の電極102、112の両方は、流体分散構成要素を含む。
【0057】
第1の電極101、111を形成すること、第2の電極102、112を形成すること、および、電極間の電解質103、113を形成することを含む組立て方法もまた、本明細書で記載され、電極および電解質は、それらが形成される時に組立てられる。形成することは、材料噴射、バインダ噴射、インクジェット印刷、エアロゾル噴射、またはエアロゾルジェット印刷、液槽光重合、粉末床溶融結合、材料押出、指向性エネルギー堆積、シート積層、超音波インクジェット印刷、またはそれらの組み合わせを含み得る。電極および電解質は、繰り返し単位を形成し得る。方法は、2つ以上の繰り返し単位を形成すること、および、2つ以上の繰り返し単位間にインターコネクトを形成することをさらに含み得る。組立て方法は、第1の電極101、111または第2の電極102、112、または第1の電極101、111および第2の電極102、112の両方において流体チャネルまたは流体分散構成要素を形成することをさらに含み得る。形成方法は、その場で加熱することを含み得る。好ましい実施形態では、加熱することは、EMRを含む。EMRは、UV光、近紫外光、近赤外光、赤外光、可視光、レーザーまたは電子ビームの1つ以上を含み得る。
【0058】
第1の電極101、111は、燃料を受け取り、酸素を受け取らないように構成され、第2の電極102、112は、水のみを受け取るかまたは、何も受け取らないように構成され、装置は、第2の電極102、112から水素を、かつ、第1の電極101、111から合成ガスを同時に生成するように構成される。
【0059】
本明細書では、第1の電極101、111、第2の電極102、112、および電極間の電解質103、113を含む装置を提供すること、酸素を有しない燃料を第1の電極101、111に導入すること、第2の電極102、112に水のみを導入するか、または、何も導入せずに水素を発生させること、第2の電極102、112から水素を抽出すること、および、第1の電極101、111から合成ガスを抽出することを含む方法がさらに記載される。好ましい実施形態では、燃料は、メタンおよび水またはメタンおよび二酸化炭素を含む。好ましい実施形態では、燃料は、1-12または1-10または1-8の範囲の炭素数を有する炭化水素を含む。
【0060】
一実施形態では、方法は、抽出された合成ガスの少なくとも一部をフィッシャー・トロプシュ反応器に送ることを含む。一実施形態では、方法は、抽出された水素の少なくとも一部をフィッシャー・トロプシュ反応器に送ることを含む。一実施形態では、抽出された合成ガスの少なくとも一部および抽出された水素の少なくとも一部は、水素対酸化炭素比が2以上、または3以上、または2と3の間となるように調整される。
【0061】
一実施形態では、燃料は、第1の電極101、111に直接導入され、または、水は、第2の電極102、112、または第1の電極101、111および第2の電極102、112の両方に直接導入される。一実施形態では、第1の電極101、111または第2の電極102、112、または第1の電極101、111および第2の電極102、112の両方は、触媒および基材を含み、触媒と基材の間の質量比は、1/100以上、または1/10以上、または1/5以上、または1/3以上、または1/1以上である。好ましい実施形態では、触媒は、酸化ニッケル、銀、コバルト、セシウム、ニッケル、鉄、マンガン、窒素、四窒素、モリブデン、銅、クロム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、またはそれらの組み合わせを含む。好ましい実施形態では、基材は、ガドリニウム、CeO、ZrO、SiO、TiO、鋼、コーディエライト(2MgO-2Al-5SiO)、チタン酸アルミニウム(AlTiO)、炭化ケイ素(SiC)、全ての相の酸化アルミニウム、イットリアもしくはスカンジア安定化ジルコニア(YSZ)、ガドリニアまたはサマリアドープセリア、またはそれらの組み合わせを含む。
【0062】
一実施形態では、方法は、第1の電極101、111と第2の電極102、112の間に電位差を適用することを含む。一実施形態では、方法は、下記反応の1つ、またはそれらの組み合わせにおいて抽出された水素を使用することを含む:フィッシャー・トロプシュ(FT)反応、ドライ改質反応、ニッケルにより触媒されるサバチエ反応、ボッシュ反応、逆水性ガスシフト反応、電気を生成するための電気化学反応、アンモニアおよび/または肥料の生成、水素貯蔵、または水素車に燃料供給するための電気化学コンプレッサ、または水素化反応。
【0063】
ガス発生器は、様々な実施形態では、燃料電池ではなく、電気を発生しない。電気は、場合によってはアノードおよびカソードでガス発生器に適用され得る。他の場合には、電気は、必要とされない。
【0064】
本明細書では、第1の電極、第2の電極、および電極間の電解質を含む装置が開示され、第1の電極および第2の電極は、装置が使用されている時に白金族金属を含まない金属相を含み、電解質は、酸化物イオン伝導性である。一実施形態では、第1の電極は、NiまたはNiOならびにYSZ、CGO、サマリアドープセリア(SDC)、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)、LSGM、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む。一実施形態では、第1の電極は、燃料および水または燃料および二酸化炭素を受け取るように構成される。一実施形態では、上記燃料は、炭化水素または水素または一酸化炭素またはそれらの組み合わせを含む。
【0065】
一実施形態では、第1の電極は、ドープまたはアンドープセリアならびにCu、CuO、CuO、Ag、AgO、Au、AuO、Au、ステンレス鋼、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む。一実施形態では、第1の電極は、水をほとんど~全く有さない燃料を受け取るように構成される。一実施形態では、上記燃料は、炭化水素または水素または一酸化炭素またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、第2の電極は、NiまたはNiOならびにイットリア安定化ジルコニア(YSZ)、セリアガドリニウム酸化物(CGO)、サマリアドープセリア(SDC)、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)、ランタンストロンチウムガラートマグネサイト(lanthanum strontium gallate magnesite)(LSGM)、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む。一実施形態では、第2の電極は、水および水素を受け取るように構成され、かつ、水を水素に還元するように構成される。一実施形態では、電解質は、ドープセリアを含み、または、電解質は、ランタンクロマイトまたは導電性金属またはそれらの組み合わせならびにドープセリア、YSZ、LSGM、SSZ、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む。一実施形態では、ランタンクロマイトは、アンドープランタンクロマイト、ストロンチウムドープランタンクロマイト、鉄ドープランタンクロマイト、ランタンカルシウムクロマイト、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、導電性金属は、Ni、Cu、Ag、Au、またはそれらの組み合わせを含む。
【0066】
一実施形態では、第1の電極101、111または第2の電極102、112または第1の電極101、111および第2の電極102、112の両方は、流体チャネルを含む。あるいは、第1の電極101、111または第2の電極102、112または第1の電極101、111および第2の電極102、112の両方は、流体分散構成要素を含む。一実施形態では、電極および電解質103、113は、繰り返し単位を形成し、装置はインターコネクトにより分離された複数の繰り返し単位を含む。一実施形態では、インターコネクトは、流体分散要素を含まない。一実施形態では、電極101、102、111、112および電解質103、113は、平面であってよい。電極内の流体分散構成要素または流体チャネルは、流体、例えば、反応性ガス(例えばメタン、水素、一酸化炭素、空気、酸素、蒸気など)を電気化学反応器において分配するように機能する。従って、チャネルを有する従来のインターコネクトは、もはや必要とされない。チャネルを有するそのような従来のインターコネクトの設計および製造は、複雑で費用がかかる。この開示によれば、インターコネクトは、電子を伝導しまたは収集し、流体分散要素を有しない、単なる不透過性層である。
【0067】
一実施形態では、装置は、インターコネクトを含まない。一実施形態では、電解質103、113は、酸化物イオンおよび電子を伝導する。一実施形態では、電極101、102、111、112および電解質103、113は、管状である。いくつかの実施形態では、アノードおよびカソードでの電気化学反応は自然に起こり、電位/電気を反応器に適用する必要はない。そのような場合、インターコネクトは、もはや必要とされず、これは装置を著しく簡略化する。そのような場合、装置内の電解質は、酸化物イオンおよび電子の両方を伝導する。
【0068】
一実施形態では、装置は、第1の電極101、111の上流に改質器を含み、第1の電極101、111はNiまたはNiOまたはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、改質器は、水蒸気改質器または自己熱改質器である。一実施形態では、装置は、500℃以上、または600℃以上、または700℃以上の温度で動作するように構成される。
【0069】
一実施形態では、電極および電解質は、管状であり、第1の電極は最も外側にあり、第2の電極は最も内側にあり、第1の電極は、ドープまたはアンドープセリアならびにCu、CuO、CuO、Ag、AgO、Au、AuO、Au、ステンレス鋼、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む。一実施形態では、電極および電解質は、管状であり、第1の電極は最も外側にあり、第2の電極は最も内側にあり、第2の電極は、水および水素を受け取るように構成される。
【0070】
本明細書では、第1の電極、第2の電極、および電極間の電解質を含む装置もまた開示され、第1の電極は、ドープランタンクロムオキシドおよびドープまたはアンドープセリアを含み、第2の電極は、NiまたはNiOならびにYSZ、CGO、サマリアドープセリア(SDC)、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)、LSGM、セリア、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含み、電解質は、酸化物イオン伝導性である。一実施形態では、電解質は、YSZ、CGO、LSGM、SSZ、SDC、セリア、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、装置は、平面である。一実施形態では、装置は、管状である。
【0071】
本明細書では、第1の電極を形成すること、第2の電極を形成すること、および、電極間に電解質を形成することを含む、装置を製造する方法がさらに記載され、第1の電極は、ドープランタンクロムオキシドおよびドープまたはアンドープセリアを含み、第2の電極は、NiまたはNiOならびにYSZ、CGO、サマリアドープセリア(SDC)、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)、LSGM、セリア、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含み、電解質は、酸化物イオン伝導性である。一実施形態では、電解質は、YSZ、CGO、LSGM、SSZ、SDC、セリア、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、上記形成することは、材料噴射、バインダ噴射、インクジェット印刷、エアロゾル噴射、またはエアロゾルジェット印刷、液槽光重合、粉末床溶融結合、材料押出、指向性エネルギー堆積、シート積層、または超音波インクジェット印刷、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、形成することは、押出、浸漬コーティング、噴霧、スピンコーティング、はけ塗り、ペイスティング、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、形成することは、電磁放射線源または炉を使用する加熱を含む。
【0072】
本明細書では、第1の電極を形成すること、第2の電極を形成すること、および電極間に電解質を形成することを含む、装置を製造する方法が記載され、第1の電極および第2の電極は、装置が使用されている時に白金族金属を含まない金属相を含み、電解質は、酸化物イオン伝導性である。一実施形態では、電極および電解質は、それらが形成される時に組立てられる。一実施形態では、上記電極および電解質は、繰り返し単位を形成し、上記方法は、上記複数の繰り返し単位を形成すること、および、繰り返し単位間にインターコネクトを形成することを含む。一実施形態では、インターコネクトは、流体分散要素を含まない。一実施形態では、方法は、第1の電極または第2の電極または第1の電極および第2の電極の両方において流体チャネルまたは流体分散構成要素を形成することを含む。
【0073】
一実施形態では、第1の電極は、NiまたはNiOならびにYSZ、CGO、サマリアドープセリア(SDC)、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)、LSGM、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む。一実施形態では、第1の電極は、ドープまたはアンドープセリアならびにCu、CuO、CuO、Ag、AgO、Au、AuO、Au、ステンレス鋼、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む。一実施形態では、第2の電極は、NiまたはNiOならびにYSZ、CGO、サマリアドープセリア(SDC)、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)、LSGM、セリア、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む。一実施形態では、電解質は、YSZ、CGO、LSGM、SSZ、SDC、セリア、またはそれらの組み合わせを含む。
【0074】
一実施形態では、形成することは、材料噴射、バインダ噴射、インクジェット印刷、エアロゾル噴射、エアロゾルジェット印刷、液槽光重合、粉末床溶融結合、材料押出、指向性エネルギー堆積、シート積層、超音波インクジェット印刷、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、方法は、その場で加熱することを含む。一実施形態では、加熱は、電磁放射線(EMR)を含む。一実施形態では、EMRは、UV光、近紫外光、近赤外光、赤外光、可視光、レーザー、電子ビーム、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、EMRは、キセノンランプにより提供される。一実施形態では、電極および電解質は、平面である。一実施形態では、装置は、インターコネクトを含まない。一実施形態では、電解質は、酸化物イオンおよび電子を伝導する。
【0075】
一実施形態では、形成することは、a)組成物を基材上に堆積させて、薄片を形成させること;b)非接触乾燥機を使用して薄片を乾燥させること;c)電磁放射線(EMR)または伝導または両方を使用して薄片を加熱すること、を含む。一実施形態では、方法は、工程a)-c)を繰り返して、装置を一片ずつ生成させることを含む。一実施形態では、方法は、d)EMRの最終曝露後時間t以内に、薄片に接触せずに薄片温度Tを測定することを含み、tは、5秒以下、または4秒以下、または3秒以下、2秒以下、または1秒以下である。一実施形態では、方法は、e)TをTsinterと比較することを含み、Tsinterは、組成物が非金属である場合、組成物の融点の45%以上であり;または、Tsinterは、組成物が金属である場合、組成物の融点の60%以上である。一実施形態では、方法は、e)TをTsinterと比較すること、を含み、Tsinterは、測定温度を薄片の微細構造画像と相関させること、薄片の引っかき試験、薄片の電気化学性能試験、薄片の膨張率測定、薄片の導電率測定、またはそれらの組み合わせにより前に決定されている。一実施形態では、方法は、TがTsinterの90%未満である場合、薄片を第2の段階でEMRまたは伝導または両方を使用して加熱することを含む。
【0076】
一実施形態では、乾燥させることは、5分以下、または3分以下、または1分以下、または1秒~30秒、または3秒~10秒の範囲の期間の間起こる。一実施形態では、非接触乾燥機は、赤外線ヒーター、熱風送風機、紫外線光源、またはそれらの組み合わせを含む。
【0077】
一例として、ECガス発生器の層は全て、印刷により形成され、組立てられる。アノード、カソード、電解質、およびインターコネクトを、それぞれ、製造するための材料は、溶媒および粒子(例えば、ナノ粒子)を含むインク形態にされる。インクは任意で、分散剤、バインダ、可塑剤、界面活性剤、共溶媒、またはそれらの組み合わせを含む。ガス発生器のアノードおよびカソードについては、NiOおよびYSZ粒子が、溶媒と混合され、溶媒は、水(例えば、脱イオン水)またはアルコール(例えば、ブタノール)またはアルコールの混合物である。アルコール以外の有機溶媒もまた、使用され得る。電解質については、YSZ粒子が、溶媒と混合され、溶媒は、水(例えば、脱イオン水)またはアルコール(例えば、ブタノール)またはアルコールの混合物である。アルコール以外の有機溶媒もまた、使用され得る。インターコネクトについては、金属粒子(例えば、銀ナノ粒子)が、溶媒に分散または懸濁され、溶媒は、水(例えば、脱イオン水)、有機溶媒(例えば、モノ、ジ、またはトリエチレングリコールまたはより高級なエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオールまたはそのようなグリコールのエーテル、チオジグリコール、グリセロールならびにそれらのエーテルおよびエステル、ポリグリセロール、モノ、ジ、およびトリエタノールアミン、プロパノールアミン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチルイミダゾリドン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、ジアセトンアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、炭酸プロピレン)、およびそれらの組み合わせを含み得る。バリア層については、CGO粒子が、溶媒に溶解、分散または懸濁されてよく、溶媒は、水(例えば、脱イオン水)またはアルコール(例えば、ブタノール)またはアルコールの混合物である。アルコール以外の有機溶媒もまた、使用され得る。CGOは、LSCFのためのバリア層として使用される。YSZもまた、LSMのためのバリア層として使用され得る。
【0078】
管状および多管式ECガス発生器
図2Aは、この開示の一実施形態による管状ECガス発生器200を示す(縮尺通りではない)。管状ECガス発生器200は、内側管状構造202、外側管状構造204、および内側と外側管状構造、それぞれ202、204の間に配置された電解質206を含む。いくつかの実施形態では、電解質206は代わりに、膜を含み得る。管状ガス発生器200は、流路のための空隙208をさらに含む。
【0079】
図2Bは、この開示の一実施形態による管状ECガス発生器200の断面を示す(縮尺通りではない)。管状ECガス発生器200は、第1の内側管状構造202、第2の外側管状構造204、および内側管状構造と外側管状構造202、204の間の電解質206を含む。いくつかの実施形態では、電解質206は、膜といわれ得る。管状ガス発生器200は、流路のための空隙208をさらに含む。
【0080】
一実施形態では、内側管状構造202は、電極を含む。内側管状構造202は、アノードまたはカソードであってよい。一実施形態では、内側管状構造202は、多孔性であってよい。内側管状構造202は、NiまたはNiOならびにYSZ、CGO、サマリアドープセリア(SDC)、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)、LSGM、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含み得る。内側管状構造202は、ドープまたはアンドープセリアならびにCu、CuO、CuO、Ag、AgO、Au、AuO、Au、ステンレス鋼、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含み得る。一実施形態では、外側管状構造204は、電極を含む。外側管状構造204は、アノードまたはカソードであってよい。外側管状構造204は、NiまたはNiOならびにYSZ、CGO、サマリアドープセリア(SDC)、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)、LSGM、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含み得る。外側管状構造204は、ドープまたはアンドープセリアならびにCu、CuO、CuO、Ag、AgO、Au、AuO、Au、ステンレス鋼、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含み得る。上記材料の一覧は制限するものではないことに注意すべきである。
【0081】
実施形態では、電解質206は、ドープセリアを含み、または、電解質は、ランタンクロマイトまたは導電性金属またはそれらの組み合わせならびにドープセリア、YSZ、LSGM、SSZ、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む。一実施形態では、ランタンクロマイトは、アンドープランタンクロマイト、ストロンチウムドープランタンクロマイト、鉄ドープランタンクロマイト、ランタンカルシウムクロマイト、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、導電性金属は、Ni、Cu、Ag、Au、またはそれらの組み合わせを含む。電解質206は、酸化物イオン伝導性である。場合によっては、電解質206は、酸化物イオンおよび電子伝導性の両方である。いくつかの実施形態では、発生器200は、1つ以上のインターコネクトをさらに含む。
【0082】
図3Aは、本開示の一実施形態による、多管式ECガス発生器300の断面を示す。ECガス発生器300は、内側電極302、外側電極304、および電極302、304間の電解質306を含む。いくつかの実施形態では、電解質306は、膜といわれる。内側電極302は、半径方向で一緒にされた複数の管様空隙308を含む。空隙308は、流路を可能にする。空隙308は、流路とも呼ばれる。多管式構造300は、管状構造300の軸方向に複数の流路308を含む。空隙308の断面は、円形様、楕円様または他の同様の形状であってよい。空間308の断面は、図3Aに示されるように不規則形状であってよい。発生器300は、ある長さおよびある幅を有する断面を有し、長さは幅の少なくとも2倍であり、断面は管の軸方向に直角である。多管式構造300は、複数の個々の管状構造309(点線により示される)から構成される。
【0083】
発生器300内の内側電極302は、一体構造のものであってよく、ろう付けまたははんだ付けされた部分を有しない。一実施形態では、発生器300は、一体構造のものであってよく、ろう付けまたははんだ付けされた部分を有しない。一実施形態では、電解質306は、酸化物イオン伝導性であり、かつ固体状態である。一実施形態では、電解質は、管状反応器200における電解質206について本明細書で前に列挙された材料を含む。実施形態では、電極302、304は、管状反応器200における管状構造202、204について本明細書で前に列挙された1つ以上の材料を含み得る。いくつかの実施形態では、発生器300は、1つ以上のインターコネクトをさらに含む。
【0084】
図3Bは、本開示の一実施形態による多管式ECガス発生器320の断面を示す。ガス発生器は、長方形様形状断面を有する。ECガス発生器320は、内側電極302、外側電極304、および電極302、304間の電解質306を含む。いくつかの実施形態では、膜が、電解質306の代わりに使用され得る。内側電極302は、管様空隙308の半径方向で一緒にされた複数の空隙308を含む。空隙308は、流路を可能にする。複数の管状構造320は、管状構造320の軸方向の複数の流路308を含む。空隙308の断面は、ランダムに、または規則的に、円形様、楕円様、正方形様、六角形様、三角形様または他の同様の形状であり得る。発生器320は、ある長さおよびある幅を有する断面を有し、長さは幅の少なくとも2倍であり、断面は管の軸方向に直角である。
【0085】
発生器320内の内側電極302は、一体構造のものであってよく、ろう付けまたははんだ付けされた部分を有しない。発生器320は、一体構造のものであってよく、ろう付けまたははんだ付けされた部分を有しない。一実施形態では、電解質306は、酸化物イオン伝導性である。実施形態では、電解質は、管状反応器200における電解質206について本明細書で前に列挙された1つ以上の材料を含み得る。実施形態では、電極302、304は、管状反応器200における管状構造202、204について本明細書で前に列挙された1つ以上の材料を含み得る。いくつかの実施形態では、発生器320は、1つ以上のインターコネクトをさらに含む。
【0086】
図3Cは、本開示の一実施形態による多管式ECガス発生器340の断面を示す。ガス発生器340は、長方形様形状断面を有する。ECガス発生器340は、内側電極302、外側電極304、および電極302、304間の電解質306を含む。いくつかの実施形態では、電解質306は、膜といわれる。内側電極302は、管の軸方向で一緒にされた複数の空隙308を含む。空隙308は、流路を可能にする。複数の管状構造340は、管状構造340の軸方向の複数の流路308を含む。空隙308の断面は、図3Cに示されるように正方形様または長方形様であってよく、または規則的に、他の同様の形状であってよく、各空隙の断面積は実質的に同一である。発生器340は、ある長さおよびある幅を有する断面を有し、長さは幅の少なくとも2倍であり、断面は管の軸方向に直角である。
【0087】
発生器340内の内側電極302は、一体構造のものであってよく、ろう付けまたははんだ付けされた部分を有しない。発生器340は、一体構造のものであってよく、ろう付けまたははんだ付けされた部分を有しない。一実施形態では、電解質306は、酸化物イオン伝導性である。実施形態では、電解質は、管状反応器200における電解質206について本明細書で前に列挙された1つ以上の材料を含み得る。実施形態では、電極302、304は、管状反応器200における管状構造202、204について本明細書で前に列挙された1つ以上の材料を含み得る。いくつかの実施形態では、発生器340は、1つ以上のインターコネクトをさらに含む。
【0088】
図3Dは、本開示の一実施形態によるECガス発生器360の断面を示す。ガス発生器360は、長方形様形状断面を有する。ECガス発生器360は、流路380が図3Dに示されるようにたった1つであることを除き、図3Cにおけるガス発生器340と同様である。
【0089】
管状および多管式ECガス発生器の製造
本明細書では、装置200、300、320、340、および360(それらは、いくつかの管状設計の例にすぎない)により示される管状ECガス発生器を製造する方法がさらに記載される。少なくとも3つの方法が、どのように第1の管を製造するかに関して本明細書で記載される:押出方法、基材方法、および図5A-5Bに示されるプロセス。
【0090】
一実施形態では、管状ECガス発生器を製造する方法は、第1の管状構造を押出により形成することを含む。いくつかの実施形態では、第1の管状構造は、内側電極202である。方法は、第1の管状構造202の外側円筒面上に層を堆積させることであって、層は電解質206を含む、堆積させること、および、電解質206上に第2の管状構造204を堆積させることであって、電解質206は酸化物イオン伝導性である、堆積させることをさらに含む。一実施形態では、第1の管状構造202および第2の管状構造204は、装置が使用されている時に白金族金属を含まない金属相を含む。一実施形態では、装置は、インターコネクトを含まず、電解質は電子伝導性である。
【0091】
別の製造方法実施形態では、方法は、内側管状構造202を押出すこと;内側管状構造202を炉内で、または、EMRを用いて焼結させて、第1の電極を形成すること;内側管状構造202の外面を電解質材料でコートすること;電解質材料を炉内またはEMRで焼結させて、電解質206を形成すること;電解質206を電極材料でコートすること;電極材料を炉内で、または、外側管状構造204を形成するために電磁放射線(EMR)を使用して焼結させることであって、外側管状構造204は第2の電極である、焼結させること、を含む。一実施形態では、外側管状構造204は、ドープまたはアンドープセリアならびにCu、CuO、CuO、Ag、AgO、Au、AuO、Au、ステンレス鋼、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含み;および、EMRを用いて焼結される。一実施形態では、方法は、外側管状構造204を還元させること、または内側管状構造202または両方の管状構造202、204を還元させることをさらに含む。これらの方法は、「インサイドアウト」方法を記載し、第1の押出層が内側電極層である。
【0092】
次の方法は、「アウトサイドイン」方法を記載し、形成される第1の層は、外側管状構造204または外側電極層である。方法は、外側管状構造204を押出すこと;外側管状構造204を炉内またはEMRを用いて焼結させて、第1の電極を形成すること;外側管状構造204の内面を電解質材料でコートすること;電解質材料を炉内またはEMRで焼結させて、電解質206を形成すること;電解質206の内面を電極材料でコートすること;内側管状構造202を形成するために電極材料を炉内で、または、電磁放射線(EMR)を使用して焼結させることであって、内側管状構造202は第2の電極である、焼結させること、を含む。一実施形態では、内側管状構造202は、ドープまたはアンドープセリアならびにCu、CuO、CuO、Ag、AgO、Au、AuO、Au、ステンレス鋼、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含み;および、EMRを用いて焼結される。一実施形態では、方法は、外側管状構造204を還元させること、または内側管状構造202または両方の管状構造202、204を還元させることをさらに含む。
【0093】
一実施形態では、「インサイドアウト」および「アウトサイドイン」方法において使用するためのコーティング工程は、浸漬コーティング、噴霧、超音波噴霧、スピンコーティング、はけ塗り、ペイスティング、またはそれらの組み合わせを含む。電磁放射線は、UV光、近紫外光、近赤外光、赤外光、可視光、レーザー、電子ビーム、マイクロ波またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、電磁放射線は、キセノンランプにより提供される。いくつかの実施形態では、装置は、1つ以上のインターコネクトを含み得る。一実施形態では、内側管状構造202および外側管状構造204は、1つ以上の流体チャネルまたは1つ以上の流体分散構成要素または流体チャネルおよび流体分散構成要素の両方を含む。
【0094】
別の実施形態では、内側管状構造202または外側管状構造204は、とりわけ内側管状構造202または外側管状構造204がドープまたはアンドープセリアならびにCu、CuO、CuO、Ag、AgO、Au、AuO、Au、ステンレス鋼、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む場合、微粒子から形成されてよく、液体前駆体から形成されない。微粒子は、堆積またはコートされる前に、例えば浸漬コーティング、噴霧、スピンコーティング、はけ塗り、ペイスティング、またはそれらの組み合わせ前に、液体中に懸濁される。そのような場合、内側管状構造202または外側管状構造204は、電磁放射線(EMR)を使用して焼結される。
【0095】
他の実施形態では、第1の管様基材が、提供される。管状基材は実質的に、ECガス発生器の所望の形状である。第1の実施形態では、第1の電極材料が、管状基材の外側に堆積される。第1の電極材料は、焼結されて内側電極202を形成する。電解質材料が次いで、内側電極層202表面上に堆積される。電解質材料が、焼結されて電解質206を形成する。第2の電極材料が次いで、電解質206上に堆積される。第2の電極材料は次いで、焼結されて外側電極204を形成する。この方法は、「インサイドアウト基材方法」として記載され得、基材上に形成された第1の層は、内側電極層202であり、電解質層206、次いで外側電極層204が続く。第1および第2の電極は、アノードまたはカソードであってよい。焼結は、熱またはEMR焼結を含み得る。
【0096】
他の同様の方法では、管様基材が、提供される。第1の電極材料が、管状基材の内側に堆積される。第1の電極材料は、焼結されて外側電極204を形成する。電解質材料が次いで、外側電極層204表面上に堆積される。電解質材料は、焼結されて電解質206を形成する。第2の電極材料が次いで、電解質206上に堆積される。第2の電極材料は次いで、焼結されて内側電極202を形成する。この方法は、「アウトサイドイン基材方法」として記載され得、基材上に形成された第1の層は、内側電極層202であり、電解質206層、次いで外側電極層204が続く。第1および第2の電極は、アノードまたはカソードであってよい。焼結は、熱またはEMR焼結を含み得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、基材は次いで、最終電極が形成されるとすぐに除去され得る。基材は、物理的手段により除去され得る。基材は、溶媒により溶解され除去され得る。いくつかの方法では、基材は、ポリマなどの低融点材料から構成され得、基材は、熱焼結工程のいずれか1つ中に溶融またはガス化され除去され得る。例えば、基材は、熱焼結工程の1つの間に基材が燃え尽きるように、可燃性材料を含み得る。
【0098】
一実施形態では、第1の管状部(内側または外側)および電解質は、オーブン内で別々に焼結される。一実施形態では、第1の管状部(内側または外側)および電解質は、オーブン内で共焼結され、これは、第1の管状部が電解質材料でコートされその後焼結されることを意味する。第2の管状部(外側または内側)が、電解質上に堆積され、次いでEMRを使用して焼結され、第2の管状部は、ドープまたはアンドープセリアならびにCu、CuO、CuO、Ag、AgO、Au、AuO、Au、ステンレス鋼、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む。図4A-4Dは、EMR源を用いて管状部を焼結させるための様々な配列を示す。EMR源および管状部は、互いに対し、例えば、軸方向に、またはらせん軌道で移動でき、それをEMR源に十分曝露することにより、管状部(内側または外側)の表面全体が焼結されることを確実にする。一実施形態では、EMR源は、円形キセノンランプ、長い管状キセノンランプ、または点管状キセノンランプなどの、キセノンランプである。
【0099】
図4A-4Dは、EMRを使用して管状ECガス発生器を製造するための焼結方法およびシステムを示す。図4Aは、本開示の一実施形態による、一点EMR源を使用するECガス発生器の製造方法400の一部を示す。EMR源(例えば、キセノンランプ)402および管状構造404は、互いに対し移動できる。図4Aに示されるように、一点EMR402は、管状構造404の周りで、矢印406により示されるようにいずれかの方向に回転できる(例えば、らせん様軌道で)。あるいは、管状構造404は、一点EMR402の周りで回転できる。別の実施形態では、管状構造404は、それ自体の軸408の周りで回転でき、または、それ自体の長軸に沿って上下方向410にまたはそれらの組み合わせで移動できる。一点EMR源402もまた、上下方向412に移動できる。
【0100】
図4Bは、本開示の一実施形態による、リングランプEMR源を使用するECガス発生器の製造方法420の一部を示す。図4Bに示されるように、円形リング様ランプ(例えば、キセノンランプ)422が、中央に中空円を有するEMR源として示される。管状構造404は、円形リングランプ422の中央に置かれる。いくつかの実施形態では、管状構造404は、上下に移動してもよく410、またはその軸周りで回転してもよく408、その間リングランプ422は、定位置で保持される。他の実施形態では、管状構造404は、定位置で保持されてよく、その間リングランプ422は、管状構造404の長さに沿って移動してよい。リングランプ422は、完全で完璧な焼結を確実にするために、上下に424、または、その軸上で回転する(426)ように移動してよい。他の実施形態では、管状構造402およびリングランプ422の両方が、管状構造全体404が確実に、徹底的に、かつ、完全に焼結されることを確実にするために、どちらも、互いに対し移動できる。図4A-4Bは、管状構造404の外面がEMRにより焼結される実施形態を示す。これらの方法は、管状ECガス発生器のアノード、カソード、電解質および他の構成要素を焼結させるために使用され得る。
【0101】
図4C-4Dは、管状構造404の内面がEMRにより焼結される実施形態を示す。図4Cは、本開示の一実施形態による、一点EMR源を使用するECガス発生器の製造方法440の一部を示す。図4Cは、管状構造404の内側に置かれた一点EMR源(例えば、キセノンランプ)402を示す。第1の実施形態では、管状構造404は、定位置で保持されてよく、その間一点EMR源は、上下412に移動され得る。好ましい実施形態では、一点EMR源402は、全ての方向で実質的に等しく照射できる。別の実施形態では、一点EMR源は、定位置で保持されてよく、その間管状構造404は上下方向410に移動され、または、その軸の周りで回転され得る408。別の実施形態では、管状構造404および一点EMR源402はどちらも、管状構造404の内面全体が完全にかつ実質的に焼結されるように、互いに対し移動する。
【0102】
図4Dは、本開示の一実施形態による、管状EMR源を使用するECガス発生器の製造方法460の一部を示す。図4Dは、焼結される管状構造404の内側に置かれたEMR源(例えば、管状キセノンランプ)462としての円筒形ランプを示す。この場合におけるランプの長さは、管状ランプ462および管状構造404が互いに対し移動する必要なしに、管状構造404の内面全体が焼結され得るようなものである。1つの実施形態では、管状ランプ462は、定位置で保持されてよく、その間管状構造404は、ランプ462上方で移動され得る。管状構造404は、上下464に移動され得る。例えば、焼結されていない管状構造404は、管状ランプ462上方を特定の位置へと移動され、十分な照射が実施され管状構造404が実質的に焼結されるまで、この位置でとどまり、次いで、次の製造工程のために管状ランプ462から、矢印464により示されるように上下方向に移動される。別の実施形態では、焼結されていない管状構造404は、定位置で保持されてよく、その間管状ランプEMR源462は、管状構造404中に移動される。管状ランプ462は、矢印464により示されるように上下に移動され得る。管状構造404は、本明細書で記載される方法などの、任意の好適な方法を使用して形成され得る。図4C-4Dの実施形態については、コーティングおよび焼結は、管状構造404の内面で起こる。
【0103】
多くの変形が、図4A-4Dに示される焼結について可能である。例えば、外側管状構造204が、形成され炉内で熱焼結されて、アノードまたはカソードを形成する。電解質材料は次いで、外側管状構造204の内面にコートされてよく、次いで、炉内で、または管状構造の内側で一点EMR402もしくは管状ランプEMR462を使用して焼結されて、電解質206を形成する。別の電極材料が次いで、電解質206の内面にコートされ、次いで、炉内で、またはEMR源402、462を使用して焼結されて、内側管状構造202、例えば、アノードまたはカソードを形成し得る。例えば、銅、金、または銀含有アノードでは、内側電極は、EMR源を使用して焼結される。例えば、NiまたはNiO含有アノードでは、内側電極は、炉内で、またはEMR源により焼結される。
【0104】
いくつかの実施形態では、管状電極202、204または電解質206の内側のEMR源および管状電極202、204または電解質206の外側のEMR源の組み合わせが、焼結するために同時に使用され得る。例えば、管状EMR源462およびリング様EMR源422が、順次に、または同時に焼結するために同じ焼結装置において使用され得る。
【0105】
図5A-5Bは、ECガス発生器における第1の管状部または多管部を形成するための別の方法を示す。図5Aは、本開示の一実施形態による、管状または多管式ECガス発生器を形成するためのテープキャスティング法500における第1の工程を示す。第1の工程では、サポート504が、基材502上に配置され、サポート504の高さは、底部側で管状電極506の望ましい厚さが確保されるように事前構成される。基材502およびサポート504は、金属、ガラス、プラスチック、木材、または当技術分野で知られている任意の好適な材料で作製され得る。分散物またはスラリー形態の電極材料506が、基材502上でサポート504間に堆積される。スラリーという用語が説明において使用されるが、分散物もまた、同じ意味で使用され得る。1つ以上のスペーサ508が次いで、スラリー506の上面に配置され、サポート504上に置かれる。図501は、上から見下ろした図または上面図であり、基材502、サポート504、電極材料506およびスペーサ508がどのように配列され得るかの一例をさらに説明し、示す。
【0106】
図5Bは、本開示の一実施形態による、ECガス発生器における第1の管状部または第1の多管式部を形成するためのテープキャスティング法500における工程2-4を示す。工程2では、追加のスラリー510が、スペーサ(複数可)508および前に堆積されたスラリー506を被覆するように堆積される。ドクターブレードなどのブレードが、使用されて、追加のスラリー510の上面全体をこすり落とし、上面の管状電極の好適な厚さを確保する。好ましい実施形態では、スラリーは主に、有機溶媒を含有する。
【0107】
図5Bで示される工程3は、基材502、サポート504、スペーサ(複数可)508、第1のスラリー506および第2のスラリー510を脱イオン水に浸漬させることを含み、これにより、スラリーの転相が起こる。転相は、極性のより低い有機溶媒を含むスラリーが極性のより高い脱イオン水に置かれた時の沈殿の一つの形態である。スラリーの構成要素が、結果として沈殿する。なぜなら構成要素は水と適合しないからである。
【0108】
基材502およびサポート504が次いで、転相後にまとめてスラリー506、510から除去される。スラリー506、510は、乾燥させられて(例えば、周囲空気中で)、過剰の脱イオン水を除去する。次いで、スペーサ508が除去され、例えば、どちらかの端から引き抜かれる。電極材料506、510は焼結されて、流路514を有する第1の管状電極512を形成する。スペーサ508は、所望の任意の規則または不規則形状を有してよく、例えば円形、楕円様、正方形様、菱形様、台形、長方形、三角形、五角形、六角形、八角形または他の様々な断面形状またはそれらの組み合わせである。スペーサ508が長方形断面を有する場合、複数の一緒にされた管状流路514は、図3Cに示される内側電極512における流路514のように長方形断面を有する。図3C-3Dにおいても見られるように、内側電極302は、ある長さおよびある幅を有する断面を有し、長さは幅の少なくとも2倍であり、断面は管の軸方向に直角である。同様に、反応器は、ある長さおよびある幅を有する断面を有し、長さは幅の少なくとも2倍であり、断面は管の軸方向に直角である。
【0109】
一実施形態では、図5Bの工程4で示される方法は、第1の管状電極512の外面を電解質材料でコートすることをさらに含む。電解質材料は次いで、炉内で、または、電磁放射線を使用することにより焼結されて、電解質516を形成する。工程4は、電解質516を第2の電極材料でコートすることをさらに含む。第2の電極材料は、炉内でまたは電磁放射線を使用して焼結されて、第2の外側管状電極518を形成する。一実施形態では、第2の電極材料は、ドープまたはアンドープセリアならびにCu、CuO、CuO、Ag、AgO、Au、AuO、Au、ステンレス鋼、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含み;それはEMRを用いて焼結されて、第2の外側管状電極518を形成する。一実施形態では、方法は、第2の外側管状電極518を還元させることまたは第1の内側管状電極512を還元させることまたは両方を含む。
【0110】
一実施形態では、コーティング工程は、浸漬コーティング、噴霧、超音波噴霧、スピンコーティング、はけ塗り、ペイスティング、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、電磁放射線は、UV光、近紫外光、近赤外光、赤外光、可視光、レーザー、電子ビーム、マイクロ波、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、電磁放射線は、キセノンランプにより提供される。一実施形態では、第1の管状電極512は、ある長さおよびある幅を有する断面を有し、長さは幅の少なくとも2倍であり、断面は管状流路514の軸方向に直角である。一実施形態では、ECガス発生器は、インターコネクトを含まない。
【0111】
ECガス発生器の動作
第1の電極、第2の電極、および電極間の電解質を含む装置を提供すること、第1のストリームを第1の電極に導入すること、第2のストリームを第2の電極に導入すること、水素を第2の電極から抽出することを含む方法が、本明細書で開示され、第1の電極および第2の電極は、装置が使用されている時に白金族金属を含まない金属相を含む。一実施形態では、電解質は、酸化物イオン伝導性である。一実施形態では、装置は、500℃以上、または600℃以上、または700℃以上の温度で動作される。一実施形態では、第1のストリームは、燃料および水または燃料および二酸化炭素を含む。一実施形態では、上記燃料は、炭化水素または水素または一酸化炭素またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、第1のストリームは、第1の電極に直接導入される、または、第2のストリームは、第2の電極に直接導入される、または両方である。
【0112】
一実施形態では、第1のストリームは、水をほとんど~全く有さない燃料を含む。一実施形態では、燃料は、炭化水素または水素または一酸化炭素またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、第2のストリームは、水および水素から構成される。
【0113】
一実施形態では、方法は、第1の電極の上流に改質器を提供することを含み、第1のストリームは、改質器を通過し、その後第1の電極に導入され、第1の電極は、NiまたはNiOを含む。一実施形態では、改質器は、水蒸気改質器または自己熱改質器である。
【0114】
一実施形態では、方法は、フィッシャー・トロプシュ(FT)反応、ドライ改質反応、ニッケルにより触媒されるサバチエ反応、ボッシュ反応、逆水性ガスシフト反応、電気を生成するための電気化学反応、アンモニアの生成、肥料の生成、水素貯蔵、水素車に燃料供給するための電気化学コンプレッサまたは水素化反応またはそれらの組み合わせの1つにおいて抽出された水素を使用することを含む。
【0115】
本明細書では、ECガス発生装置を提供すること、燃料を含む第1のストリームを装置に導入すること、水を含む第2のストリームを装置に導入すること、第2のストリーム中の水を水素に還元すること、および水素を装置から抽出することを含む、水素を生成する方法が開示され、第1のストリームおよび第2のストリームは、装置内で互いに接触しない。一実施形態では、第1のストリームは、水素と接触しない。一実施形態では、第1のストリームおよび第2のストリームは、装置内の膜により分離される。一実施形態では、燃料は、炭化水素または水素または一酸化炭素またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、第2のストリームは、水素を含む。一実施形態では、第1のストリームは、燃料および水または燃料および二酸化炭素を含む。一実施形態では、第1のストリームは、水をほとんど~全く有しない燃料を含む。
【0116】
水素生成システム
本明細書では、燃料源;水源;水素発生器を含む水素生成システムがさらに記載され;燃料源および水源は、発生器と流体連結され、燃料および水は、発生器内で互いに接触しない。システムは、外部熱源を含まなくてよい。一実施形態では、燃料および水は、システム内で互いに接触しない。一実施形態では、発生器は、第1の電極、第2の電極、および第1の電極と第2の電極の間の電解質を含み;燃料源は、第1の電極と流体連結され、水源は、第2の電極と流体連結される。一実施形態では、燃料源は、水素発生器のための熱を提供し、水素発生器は、追加の熱源を有しない。
【0117】
一実施形態では、電解質はYSZ、CGO、LSGM、SSZ、SDC、セリア、ランタンクロマイト、またはそれらの組み合わせを含み、または電解質は、ドープまたはアンドープセリアならびに任意でYSZ、LSGM、SSZ、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む。一実施形態では、ランタンクロマイトは、アンドープランタンクロマイト、ストロンチウムドープランタンクロマイト、鉄ドープランタンクロマイト、ランタンカルシウムクロマイト、またはそれらの組み合わせを含む。電解質は、本明細書における「管状および多管式ECガス発生器」セクションにおいて電解質206について列挙される任意の材料をさらに含み得る。一実施形態では、電解質は、ドープセリアを含み、または電解質は、ランタンクロマイトまたは導電性金属またはそれらの組み合わせならびにドープセリア、YSZ、LSGM、SSZ、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む。一実施形態では、ランタンクロマイトは、アンドープランタンクロマイト、ストロンチウムドープランタンクロマイト、鉄ドープランタンクロマイト、ランタンカルシウムクロマイト、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、導電性金属は、Ni、Cu、Ag、Au、またはそれらの組み合わせを含む。
【0118】
一実施形態では、第1の電極および第2の電極は、NiまたはNiOならびにYSZ、CGO、サマリアドープセリア(SDC)、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)、LSGM、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む。一実施形態では、第1の電極は、ドープまたはアンドープセリアならびにCu、CuO、CuO、Ag、AgO、Au、AuO、Au、ステンレス鋼、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含み;第2の電極は、NiまたはNiOならびにYSZ、CGO、サマリアドープセリア(SDC)、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)、LSGM、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む。第1の電極および第2の電極は、本明細書における「管状および多管式ECガス発生器」セクションにおいて内側管状構造202または外側管状構造204について列挙される、任意の材料を含み得る。
【0119】
一実施形態では、システムは、酸化剤源およびボイラーを含み、ボイラーは、酸化剤源、水源、および発生器と流体連結される。一実施形態では、ボイラーは、発生器、発生器中への燃料入力、酸化剤、水、またはそれらの組み合わせと熱連結(thermal communication)される。一実施形態では、ボイラーは、発生器の第1の電極からの排気を受け取り、かつ蒸気を発生器の第2の電極中に送り込むように、構成される。一実施形態では、燃料は、発生器において部分酸化され、ボイラー中でさらに酸化される。一実施形態では、システムは、ボイラーと発生器の間の蒸気タービンを含み、ボイラーおよび発生器と流体連結される。
【0120】
一実施形態では、水は、発生器内で還元されて、水素を生成する。一実施形態では、システムは、発生器の第2の電極からの排気を受け取り、かつ水をボイラーにリサイクルし、水素を出力するように構成された、凝縮器を含む。一実施形態では、凝縮器は、燃料と熱連結される。一実施形態では、システムは、燃料源と発生器の間の、かつ燃料源および発生器と流体連結された、脱硫ユニットを含む。一実施形態では、発生器は、1000℃以下または900℃以下または800℃~850℃の燃料入口温度を有するように構成される。一実施形態では、発生器は、600℃以上の燃料出口温度を有するように構成される。
【0121】
図6Aは、本開示の一実施形態による、外部熱源を有さない水素生成システム600の一例を示す。システム600は、水源602、空気/酸化剤源604、燃料(例えば、メタン)源606、水素発生器608、およびボイラー610を含む。システム600は、水素612および排気を発生する。水素発生器608は、電解質により分離されたアノードおよびカソードを含む。アノードおよびカソードは、それぞれ燃料および水を受け取り、燃料および水は発生器608内で互いに接触しない。様々な場合において、燃料および水は、システム600全体内で互いに接触しない。加熱負荷は、システム自体により完全に満たされ、外部熱源を必要としない。例えば、ボイラー610は、発生器608中への燃料入力ストリーム、発生器608、酸化剤604、および水602を加熱する。動作中の発生器608は、1000℃以下または900℃以下または800℃~850℃の燃料入口温度を有し、600℃以上の燃料出口温度を有する。
【0122】
燃料は、燃料源606からストリーム600-1として出て行き、脱硫ユニット614を通過し、ストリーム600-2になる。ストリーム600-2は、凝縮器616に入り、凝縮器616のための冷却剤として機能し、ストリーム600-3として出て行き、それは予熱燃料である。ストリーム600-3は、熱交換器(HX2)618に入り、ボイラー610からの排気ストリーム600-6により適正な温度へとさらに加熱され、発生器608にストリーム600-4として入る。ストリーム600-4は、発生器608内のアノードにより受け取られ、部分酸化され、次いで発生器608からストリーム600-5として出て行く。ストリーム600-5は、ボイラー610に導入され、ボイラー610内の酸化剤によりさらに酸化され、結果として熱を発生する。ボイラー610からの排気は、ストリーム600-6として出て行き、熱交換器HX2 618を通過して熱発生器608中への燃料入力を加熱し、ストリーム600-7になる。ストリーム600-7は、発生器608を加熱して、発生器608のための適正な動作温度を確保し、ストリーム600-19になる。ストリーム600-19は、熱交換器HX1 620を通過して酸化剤を加熱し、ストリーム600-20として出て行く。ストリーム600-20は、熱交換器HX3 622を通過して水を加熱し、ストリーム600-21として出て行く。
【0123】
水は、水源からストリーム600-8として出て行き、ポンプを通過し、ストリーム600-9になる。ストリーム600-9は、熱交換器HX3 622内でストリーム600-20により加熱され、ストリーム600-10になる。ストリーム600-10は、ボイラー610に入り、ボイラー610において酸化反応から発生した熱により蒸気(ストリーム600-11)になる。ストリーム600-11は、タービン624を通過し、ストリーム600-12になる。タービン624は、ポンプに動力供給するために使用される。ストリーム600-12は、水素発生器608に入り、発生器608のカソードにより受け取られる。水/蒸気は、カソードで水素に還元される。蒸気および水素の混合物は、発生器608からストリーム600-13として出て行く。ストリーム600-13は、凝縮器616に入り、加熱されていない燃料(ストリーム600-2)により冷却される。水は、混合物からこぼれ落ち、凝縮器からストリーム600-18としてリサイクルされる。ストリーム600-18は、ストリーム600-9と一緒になり、熱交換器HX3 622を通過した後ボイラー610に再び入る。水素は、凝縮器616からストリーム600-14として出て行く。
【0124】
空気は、酸化剤源からストリーム600-15として出て行き、空気清浄機626を通過し、そこで微粒子および/または酸化物が除去され、ストリーム600-16になる。ストリーム600-16は、熱交換器HX1 620内でストリーム600-19により加熱され、ストリーム600-17になる。ストリーム600-17は、ボイラー610に入り、ストリーム600-5と反応して、燃料をさらに酸化し、熱を発生する。反応生成物は、ボイラー610からストリーム600-6として出て行く。
【0125】
図6Bは、本開示の一実施形態による、外部熱源を有しない別の水素生成システム650を示す。蒸気発生器(SG)652は、図6Aにおけるシステム600におけるボイラー610と同様の機能を果たす。空気は、凝縮器にストリーム650-1として入り、凝縮器616において冷却剤として使用される。空気ストリーム650-2は次いで、熱交換器HX1 620で加熱され、その後水素発生器608にストリーム650-3として入り、アノード出力ストリームと混合する。燃料は、ストリーム650-4として入り、熱交換器HX2 618内で排気により加熱され、その後水素発生器608にストリーム650-5として入る。燃料は、水素発生器608のアノードにおいて酸化され、アノード出力ストリームになり、空気によりさらに酸化されて、排気650-6になる。排気は、熱エネルギーを熱交換器(HX1 620およびHX2 618)およびSG652に提供して、水から蒸気を生成させる。蒸気は、水素発生器608に入り、カソードで水素に還元される。カソード出力ストリーム650-7は、凝縮器616に導入される。凝縮器616からの水は、ストリーム650-8としてリサイクルされ、水素は、凝縮器616から抽出される。
【0126】
燃料電池
燃料電池は、電気化学反応を介して、燃料からの化学エネルギーを電気に変換する、電気化学装置である。上記のように、多くの型の燃料電池、例えば、プロトン交換膜燃料電池(PEMFC)、固体酸化物燃料電池(SOFC)が存在する。燃料電池は典型的には、アノード、カソード、電解質、インターコネクト、任意でバリア層および/または任意で触媒を含む。アノードおよびカソードの両方が、電極である。燃料電池における電極、電解質、およびインターコネクトについての材料のリストは、場合によっては、ECガス発生器およびECコンプレッサに適用可能である。これらのリストは、例にすぎず、制限するものではない。さらに、アノード材料およびカソード材料の指定もまた、制限するものではなく、なぜなら動作中の材料の機能(例えば、それが酸化するか、または還元するか)が、材料がアノードとして使用されるか、またはカソードとして使用されるかを決定するからである。
【0127】
図7-8は、燃料電池または燃料電池スタックにおける構成要素の様々な実施形態を示す。これらの実施形態では、アノード、カソード、電解質、およびインターコネクトは、直方体または長方形の角柱である。
【0128】
図7は、本開示の一実施形態による、燃料電池構成要素を示す。層701は、アノードを概略的に示し、層702は、カソードを表し、層703は、電解質を表し、層704は、バリア層を表し、層705は、触媒を表し、層706は、インターコネクトを表す。
【0129】
図8は、本開示の一実施形態による、燃料電池スタックにおける2つの燃料電池を概略的に示す。2つの燃料電池は、「燃料電池1」および「燃料電池2」と示される。図8における各燃料電池は、アノード層801、カソード層802、電解質層803、バリア層804、触媒層805およびインターコネクト層806を含む。2つの燃料電池繰り返し単位または2つの燃料電池は、図示されるようにスタックを形成する。見てわかるように、1つの側でインターコネクト806は、燃料電池2(または燃料電池繰り返し単位)のカソード802の最大表面と接触し、反対側でインターコネクト806は、底部燃料電池2(または燃料電池繰り返し単位)の触媒805(任意的)またはアノード801の最大表面と接触する。これらの繰り返し単位または燃料電池は、互いの上に積み重ねられ、その間のインターコネクトを共有することにより、電気配線ではなく、インターコネクトによる直接接触を介して並列で接続される。図8で示されるこの種の構造は、横縞型(SIS)型燃料電池とは対照的である。
【0130】
カソード
いくつかの実施形態では、カソードは、ペロブスカイト、例えばLSC、LSCFまたはLSMを含む。いくつかの実施形態では、カソードは、ランタン、コバルト、ストロンチウムまたはマンガナイトの1つ以上を含む。一実施形態では、カソードは、多孔性である。いくつかの実施形態では、カソードは、YSZ、窒素、窒素ホウ素ドープグラフェン、La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8O3、SrCo0.5Sc0.5O3、BaFe0.75Ta0.25O3、BaFe0.875Re0.125O3、Ba0.5La0.125Zn0.375NiO3、Ba0.75Sr0.25Fe0.875Ga0.125O3、BaFe0.125Co0.125、Zr0.75O3の1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、カソードは、LSCo、LCo、LSF、LSCoF、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、カソードは、ペロブスカイトLaCoO3、LaFeO3、LaMnO3、(La,Sr)MnO3、LSM-GDC、LSCF-GDC、LSC-GDCを含む。LSCFを含むカソードが、中間温度燃料電池動作に好適である。
【0131】
いくつかの実施形態では、カソードは、ランタンストロンチウムマンガナイト、ランタンストロンチウムフェライト、およびランタンストロンチウムコバルトフェライトからなる群より選択される材料を含む。好ましい実施形態では、カソードは、ランタンストロンチウムマンガナイトを含む。
【0132】
アノード
いくつかの実施形態では、アノードは、銅、ニッケル-酸化物、ニッケル-酸化物-YSZ、NiO-GDC、NiO-SDC、アルミニウムドープ酸化亜鉛、酸化モリブデン、ランタン、ストロンチウム、クロマイト、セリア、ペロブスカイト(例えば、LSCF[La{1-x}Sr{x}Co{1-y}Fe{y}O]またはLSM[La{1-x}Sr{x}MnO]を含み、ここで、xは通常0.15-0.2の範囲であり、yは0.7~0.8の範囲である)。いくつかの実施形態では、アノードは、コーキングおよび硫黄被毒を低減させるために、SDCまたはBZCYYbコーティングまたはバリア層を含む。一実施形態では、アノードは、多孔性である。いくつかの実施形態では、アノードは、電解質材料および電気化学的に活性な材料の組み合わせ、または、電解質材料および導電性材料の組み合わせを含む。
【0133】
好ましい実施形態では、アノードは、ニッケルおよびイットリア安定化ジルコニアを含む。好ましい実施形態では、アノードは、酸化ニッケルおよびイットリア安定化ジルコニアを含む材料の還元により形成される。好ましい実施形態では、アノードは、ニッケルおよびガドリニウム安定化セリアを含む。好ましい実施形態では、アノードは、酸化ニッケルおよびガドリニウム安定化セリアを含む材料の還元により形成される。
【0134】
電解質
一実施形態では、燃料電池における電解質は、安定化ジルコニア(例えば、YSZ、YSZ-8、Y0.16Zr0.84)を含む。一実施形態では、電解質は、ドープLaGaO3(例えば、LSGM、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2O)を含む。一実施形態では、電解質は、ドープセリア(例えば、GDC、Gd0.2Ce0.8)を含む。一実施形態では、電解質は、安定化酸化ビスマス(例えば、BVCO、Bi2V0.9Cu0.15.35)を含む。
【0135】
いくつかの実施形態では、電解質は、酸化ジルコニウム、イットリア安定化酸化ジルコニウム(としても知られているYSZ、YSZ8(8mole%YSZ))、セリア、ガドリニア、スカンジア、マグネシアまたはカルシアまたはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、電解質は、著しいガス輸送を防止し、著しい電気伝導を防止し;ならびにイオン伝導性を可能にするために十分不透過性である。いくつかの実施形態では、電解質は、ドープ酸化物例えば酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ビスマス、酸化鉛、酸化ランタンを含む。いくつかの実施形態では、電解質は、ペロブスカイト、例えば、LaCoFeOまたはLaCoOまたはCe0.9Gd0.1(GDC)またはCe0.9Sm0.1(SDC、サマリアドープセリア)またはスカンジア安定化ジルコニアまたはそれらの組み合わせを含む。
【0136】
いくつかの実施形態では、電解質は、ジルコニア、セリア、およびガリア(gallia)からなる群より選択される材料を含む。いくつかの実施形態では、材料は、スカンジウム、サマリウム、ガドリニウム、およびイットリウムからなる群より選択される安定化材料で安定化される。一実施形態では、材料は、イットリア安定化ジルコニアを含む。
【0137】
インターコネクト
いくつかの実施形態では、インターコネクトは、銀、金、白金、AISI441、フェライト系ステンレス鋼、ステンレス鋼、ランタン、クロム、酸化クロム、クロマイト、コバルト、セシウム、Cr、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、アノードは、Cr上のLaCrOコーティングまたはNiCoもしくはMnCoコーティングを含む。いくつかの実施形態では、インターコネクト表面は、コバルトおよび/またはセシウムでコートされる。いくつかの実施形態では、インターコネクトは、セラミックを含む。いくつかの実施形態では、インターコネクトは、ランタンクロマイトまたはドープランタンクロマイトを含む。一実施形態では、インターコネクトは、金属、ステンレス鋼、フェライト鋼、crofer、ランタンクロマイト、銀、金属合金、ニッケル、酸化ニッケル、セラミック、またはランタンカルシウムクロマイト、またはそれらの組み合わせをさらに含む材料を含む。
【0138】
触媒
様々な実施形態では、燃料電池は、触媒、例えば、白金、パラジウム、スカンジウム、クロム、コバルト、セシウム、CeO、ニッケル、酸化ニッケル、亜鉛(zine)、銅、チタニア、ルテニウム、ロジウム、MoS、モリブデン、レニウム、バナジウム、マンガン、マグネシウムまたは鉄またはそれらの組み合わせを含む。様々な実施形態では、触媒は、メタン改質反応を促進して、水素および一酸化炭素を発生させ、そのため、それらは燃料電池において酸化され得る。非常に多くの場合、触媒は、アノード、とりわけ固有のメタン改質特性を有するニッケルアノードの一部である。一実施形態では、触媒は、1%-5%の間、または0.1%~10質量%である。一実施形態では、触媒は、アノード表面上またはアノード内で使用される。様々な実施形態では、そのようなアノード触媒は、有害なコーキング反応および炭素堆積物を低減させる。様々な実施形態では、触媒の単純酸化物バージョン、または、ペロブスカイトが触媒として使用され得る。例えば、約2%質量のCeO2触媒が、メタン式燃料電池のために使用される。様々な実施形態では、触媒は、アノード上で浸漬される、またはコートされ得る。様々な実施形態では、触媒は、付加製造機(AMM)により製造され、AMMを使用して燃料電池に組み入れられる。
【0139】
本明細書で記載される独特の製造方法は、超薄燃料電池および燃料電池スタックの組立てを記載した。従来、構造統合性を達成するために、燃料電池は、1つの繰り返し単位あたり少なくとも1つの厚い層を有する。これは、アノード(アノード支持型燃料電池など)またはインターコネクト(インターコネクト支持型燃料電池など)であってもよい。上記のように、加圧または圧縮工程が、従来の製造プロセスにおいて気密性および/または適正な電気接触を達成するように燃料電池構成要素を組立てるために、典型的には必要とされる。そのようなものとして、厚い層が必要とされ、なぜなら、従来の方法(テープキャスティングような)は超薄層を形成できないからだけではなく、層は加圧または圧縮工程に耐えるために厚くなければならないからである。この開示の好ましい製造方法は、加圧または圧縮の必要性を排除した。この開示の好ましい製造方法はまた、超薄層の製造を可能にした。燃料電池または燃料電池スタックにおける層の多重度は、それらがこの開示に従い製造される場合、適正な動作のために十分な構造統合性を提供する。
【0140】
本明細書で、1mmまたは500ミクロンまたは300ミクロンまたは100ミクロンまたは50ミクロン以下または25ミクロン以下の厚さのアノード、1mmまたは500ミクロンまたは300ミクロンまたは100ミクロンまたは50ミクロン以下または25ミクロン以下の厚さのカソード、および1mmまたは500ミクロンまたは300ミクロンまたは100ミクロンまたは50ミクロンまたは30ミクロン以下の厚さ電解質を含む、燃料電池が開示される。一実施形態では、燃料電池は、50ミクロン以上の厚さを有するインターコネクトを含む。場合によっては、燃料電池は、25ミクロン以下の厚さのアノード、25ミクロン以下の厚さのカソード、および10ミクロンまたは5ミクロン以下の厚さの電解質を含む。一実施形態では、燃料電池は、50ミクロン以上の厚さを有するインターコネクトを含む。一実施形態では、インターコネクトは、50ミクロン~5cmの範囲の厚さを有する。
【0141】
好ましい実施形態では、燃料電池は、100ミクロン以下の厚さのアノード、100ミクロン以下の厚さのカソード、20ミクロン以下の厚さの電解質、および30ミクロン以下の厚さのインターコネクトを含む。より好ましい実施形態では、燃料電池は、50ミクロン以下の厚さのアノード、50ミクロン以下の厚さのカソード、10ミクロン以下の厚さの電解質、および25ミクロン以下の厚さのインターコネクトを含む。一実施形態では、インターコネクトは、1ミクロン~20ミクロンの範囲の厚さを有する。
【0142】
好ましい実施形態では、燃料電池は、アノードと電解質の間のバリア層、またはカソードと電解質の間のバリア層、または両方のバリア層を含む。場合によっては、バリア層はインターコネクトである。そのような場合、反応物は、アノードおよびカソードに直接噴射される。
【0143】
一実施形態では、カソードは、15ミクロン以下、または10ミクロン以下、または5ミクロン以下の厚さを有する。一実施形態では、アノードは、15ミクロン以下、または10ミクロン以下、または5ミクロン以下の厚さを有する。一実施形態では、電解質は、5ミクロン以下、または2ミクロン以下、または1ミクロン以下、または0.5ミクロン以下の厚さを有する。一実施形態では、インターコネクトは、金属、ステンレス鋼、銀、金属合金、ニッケル、酸化ニッケル、セラミック、ランタンクロマイト、ドープランタンクロマイト、またはランタンカルシウムクロマイトを含む材料から製造される。一実施形態では、燃料電池は、1ミクロン以上の全厚を有する。
【0144】
多重燃料電池を含む燃料電池スタックもまた、本明細書で記載され、各燃料電池は、25ミクロン以下の厚さのアノード、25ミクロン以下の厚さのカソード、10ミクロン以下の厚さの電解質、および100nm~100ミクロンの範囲の厚さを有するインターコネクトを含む。一実施形態では、各燃料電池は、アノードと電解質の間のバリア層、またはカソードと電解質の間のバリア層、または両方のバリア層を含む。一実施形態では、バリア層はインターコネクトである。例えば、インターコネクトは銀で製造される。例えば、インターコネクトは、500nm~1000nmの範囲の厚さを有する。一実施形態では、インターコネクトは、金属、ステンレス鋼、銀、金属合金、ニッケル、酸化ニッケル、セラミック、またはランタンカルシウムクロマイトを含む材料から製造される。
【0145】
一実施形態では、カソードは、15ミクロン以下、または10ミクロン以下、または5ミクロン以下の厚さを有する。一実施形態では、アノードは、15ミクロン以下、または10ミクロン以下、または5ミクロン以下の厚さを有する。一実施形態では、電解質は、5ミクロン以下、または2ミクロン以下、または1ミクロン以下、または0.5ミクロン以下の厚さを有する。一実施形態では、各燃料電池は、1ミクロン以上の全厚を有する。
【0146】
下記を含む燃料電池を製造する方法が、本明細書でさらに記載される:(a)25ミクロン以下の厚さのアノードを形成すること、(b)25ミクロン以下の厚さのカソードを形成すること、および(c)10ミクロン以下の厚さの電解質を形成すること。一実施形態では、工程(a)-(c)は、付加製造を使用して実施される。様々な実施形態では、上記付加製造は、押出、光重合、粉末床溶融結合、材料噴射、バインダ噴射、指向性エネルギー堆積、または積層の1つ以上を使用する。
【0147】
一実施形態では、方法は、付加製造を使用してアノード、カソード、および電解質を組立てることを含む。一実施形態では、方法は、インターコネクトを形成すること、およびインターコネクトをアノード、カソード、および電解質と共に組立てることを含む。
【0148】
好ましい実施形態では、方法は、少なくとも1つのバリア層を製造することを含む。好ましい実施形態では、上記少なくとも1つのバリア層は、電解質とカソードの間または電解質とアノードの間または両方で使用される。一実施形態では、少なくとも1つのバリア層はまた、インターコネクトとして作用する。
【0149】
好ましい実施形態では、方法は、アノード、カソード、および電解質の収縮速度が釣り合うように、燃料電池を加熱することを含む。いくつかの実施形態では、そのような加熱は、30分以下、好ましくは30秒以下、最も好ましくは30ミリ秒以下の間起こる。燃料電池が第1の組成物および第2の組成物を含む場合、第1の組成物は、第1の収縮速度を有し、第2の組成物は、第2の収縮速度を有し、この開示で記載される加熱は好ましくは、第1の収縮速度と第2の収縮速度の間の差が第1の収縮速度の75%以下であるように起こる。
【0150】
好ましい実施形態では、加熱することは、電磁放射線(EMR)を使用する。様々な実施形態では、EMRは、UV光、近紫外光、近赤外光、赤外光、可視光、レーザー、電子ビームを含む。好ましくは、加熱は、その場で実施される。
【0151】
多重燃料電池を含む燃料電池スタックを製造する方法もまた、本明細書で開示され、方法は、(a)各燃料電池において25ミクロン以下の厚さのアノードを形成すること、(b)各燃料電池において25ミクロン以下の厚さのカソードを形成すること、(c)各燃料電池において10ミクロン以下の厚さの電解質を形成すること、ならびに(d)各燃料電池において100nm~100ミクロンの厚さを有するインターコネクトを生成すること、を含む。
【0152】
一実施形態では、工程(a)-(d)は、AMを使用して実施される。様々な実施形態では、AMは、押出、光重合、粉末床溶融結合、材料噴射、バインダ噴射、指向性エネルギー堆積、または積層のプロセスの1つ以上を使用する。
【0153】
一実施形態では、燃料電池スタックを製造する方法は、AMを使用してアノード、カソード、電解質、およびインターコネクトを組立てることを含む。一実施形態では、方法は、各燃料電池において少なくとも1つのバリア層を製造することを含む。一実施形態では、少なくとも1つのバリア層は、電解質とカソードの間または電解質とアノードの間または両方で使用される。一実施形態では、少なくとも1つのバリア層はまた、インターコネクトとして作用する。
【0154】
一実施形態では、燃料電池スタックを製造する方法は、アノード、カソード、および電解質の収縮速度が釣り合うように各燃料電池を加熱することを含む。一実施形態では、そのような加熱は30分以下、または30秒以下、または30ミリ秒以下の間起こる。好ましい実施形態では、上記加熱することは、1つ以上の電磁放射線(EMR)を含む。様々な実施形態では、EMRは、UV光、近紫外光、近赤外光、赤外光、可視光、レーザー、電子ビームを含む。一実施形態では、加熱することは、その場で実施される。
【0155】
一実施形態では、方法は、アノード、カソード、および電解質の収縮速度が釣り合うように燃料電池スタック全体を加熱することを含む。いくつかの実施形態では、そのような加熱することは、30分以下、または30秒以下、または30ミリ秒以下の間起こる。
【0156】
本明細書で、(a)コロイド懸濁液を配合することであって、コロイド懸濁液が、添加物、ある直径の範囲およびあるサイズ分布を有する粒子、および溶媒を含む、配合すること;(b)コロイド懸濁液を含む電解質を形成すること;ならびに(c)電解質の少なくとも一部を加熱すること、を含む電解質を製造する方法が記載され;ここで、コロイド懸濁液を配合することは好ましくは、コロイド懸濁液のpH、またはコロイド懸濁液中のバインダの濃度、またはコロイド懸濁液中のバインダの組成、または粒子の直径の範囲、または粒子の最大直径、または粒子の中央径、または粒子のサイズ分布、または溶媒の沸点、または溶媒の表面張力、または溶媒の組成、または電解質の最小寸法の厚さ、または粒子の組成、またはそれらの組み合わせを制御することにより最適化される。
【0157】
本明細書で、(a)カソードおよびアノードを獲得すること;(b)カソード表面およびアノード表面を修飾すること;(c)コロイド懸濁液をことであって、コロイド懸濁液が、添加物、ある直径の範囲およびあるサイズ分布を有する粒子、および溶媒を含む、配合すること;(d)修飾アノード表面と修飾カソード表面の間でコロイド懸濁液を含む電解質を形成すること;ならびに(e)電解質の少なくとも一部を加熱すること、を含む燃料電池を製造する方法が記載され;ここで、コロイド懸濁液を配合することは、コロイド懸濁液のpH、またはコロイド懸濁液中のバインダの濃度、またはコロイド懸濁液中のバインダの組成、または粒子の直径の範囲、または粒子の最大直径、または粒子の中央径、または粒子のサイズ分布、または溶媒の沸点、または溶媒の表面張力、または溶媒の組成、または電解質の最小寸法の厚さ、または粒子の組成、またはそれらの組み合わせを制御することを含む。様々な実施形態では、アノードおよびカソードは、任意の好適な手段を介して獲得される。一実施形態では、修飾アノード表面および修飾カソード表面は、コロイド懸濁液中の粒子の平均直径未満である最大高さプロファイル粗さを有する。最大高さプロファイル粗さ900は、図9に示されるように、アノード表面またはカソード表面の任意のトラフ902と隣接するピーク904の間の最大距離を指す。様々な実施形態では、アノード表面およびカソード表面は、任意の好適な手段を介して修飾される。
【0158】
本明細書で、(a)カソードおよびアノードを獲得すること;(b)コロイド懸濁液を配合することであって、コロイド懸濁液が、添加物、ある直径の範囲およびあるサイズ分布を有する粒子、および溶媒を含む、配合すること;(c)コロイド懸濁液を含む電解質をアノードとカソードの間で形成すること;ならびに(d)電解質の少なくとも一部を加熱すること、を含む燃料電池を製造する方法がさらに開示され;ここで、コロイド懸濁液を配合することは、コロイド懸濁液のpH、またはコロイド懸濁液中のバインダの濃度、またはコロイド懸濁液中のバインダの組成、または粒子の直径の範囲、または粒子の最大直径、または粒子の中央径、または粒子のサイズ分布、または溶媒の沸点、または溶媒の表面張力、または溶媒の組成、または電解質の最小寸法の厚さ、または粒子の組成、またはそれらの組み合わせを制御することを含む。様々な実施形態では、アノードおよびカソードは、任意の好適な手段を介して獲得される。一実施形態では、電解質と接触するアノード表面および電解質と接触するカソード表面は、コロイド懸濁液中の粒子の平均直径未満である最大高さプロファイル粗さを有する。
【0159】
好ましい実施形態では、溶媒は、水を含む。好ましい実施形態では、溶媒は、有機成分を含む。溶媒は、エタノール、ブタノール、アルコール、テルピネオール、ジエチルエーテル1,2-ジメトキシエタン(DME(エチレングリコールジメチルエーテル)、1-プロパノール(n-プロパノール、n-プロピルアルコール)、またはブチルアルコール、またはそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、溶媒表面張力は、空気中での水の表面張力の半分未満である。一実施形態では、溶媒表面張力は、大気条件で30mN/m未満である。
【0160】
いくつかの実施形態では、電解質は、第1の基材に隣接して形成され、または電解質は、第1の基材と第2の基材の間に形成される。いくつかの実施形態では、第1の基材は、粒子の平均直径未満である最大高さプロファイル粗さを有する。いくつかの実施形態では、粒子は、40%超、または50%超、または60%超の充填密度を有する。一実施形態では、粒子は、ランダム最密充填(RCP)密度に近い充填密度を有する。
【0161】
ランダム最密充填(RCP)は、それらがランダムに充填された時に得られる固体物体の最大体積分率を特徴づけるために使用される経験的パラメータである。容器はランダムに物体で満たされ、次いで容器は、物体がそれ以上詰まらなくなるまで振盪され、または軽くたたかれ、この時点で充填状態はRCPである。充填率は、ある体積空間における粒子数により取られる体積である。充填率は、充填密度を決定する。例えば、固体容器が粒子で満たされる場合、容器を振盪することは、物体により占められる体積を低減し、よって、より多くの粒子が容器に添加されることを可能にする。振盪は、充填される物体の密度を増加させる。振盪がもはや充填密度を増加させないと、限界に達し、規則的な結晶格子への明らかな充填なしにこの限界に到達する場合、これは経験的ランダム最密充填密度である。
【0162】
いくつかの実施形態では、中央粒径は、50nm~1000nm、または100nm~500nm、またはおよそ200nmである。いくつかの実施形態では、第1の基材は、ある中央粒径を有する粒子を含み、電解質の中央粒径は、第1の基材の中央粒径の10倍以下、かつ、1/10以上であり得る。いくつかの実施形態では、第1の基材は、第1のモードおよび第2のモードを有する二峰性であり、それぞれがある中央粒径を有する粒子サイズ分布を含む。いくつかの実施形態では、第1の基材の第1のモードにおける中央粒径は、第2のモードのそれの2倍超、または5倍超、または10倍超である。第1の基材の粒子サイズ分布は、加熱中の第1の基材の挙動を変化させるように調整され得る。いくつかの実施形態では、第1の基材は、加熱温度の関数である収縮を有する。いくつかの実施形態では、コロイド懸濁液中の粒子は、最大粒径および最小粒径を有してよく、最大粒径は、最小粒径の2倍未満、または3倍未満、または5倍未満、または10倍未満である。いくつかの実施形態では、電解質の最小寸法は、10ミクロン未満、または2ミクロン未満、または1ミクロン未満、または500nm未満である。
【0163】
いくつかの実施形態では、電解質は、1ミリダルシー以下、好ましくは100マイクロダルシー以下、最も好ましくは1マイクロダルシー以下のガス透過性を有する。好ましくは、電解質は、電解質の最小寸法を貫通する亀裂を有しない。いくつかの実施形態では、溶媒の沸点は、200℃以上、または100℃以上、または75℃以上である。いくつかの実施形態では、溶媒の沸点は、125℃以下、または100℃以下、または85℃以下、70℃以下である。いくつかの実施形態では、コロイド懸濁液のpHは、7以上、または9以上、または10以上である。
【0164】
いくつかの実施形態では、添加物は、ポリエチレングリコール(PEG)、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルブチラール(PVB)、フタル酸ブチルベンジル(BBP)、ポリアルキレングリコール(PAG)またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、添加物濃度は、100mg/cm3以下、または50mg/cm3以下、または30mg/cm3以下、または25mg/cm3以下である。
【0165】
一実施形態では、コロイド懸濁液は、ミリングされる。一実施形態では、コロイド懸濁液は、回転ミルを使用してミリングされ、回転ミルは、20rpm以上、または50rpm以上、または100rpm以上、または150rpm以上で動作される。一実施形態では、コロイド懸濁液は、ジルコニアミリングボールまたは炭化タングステンボールを使用してミリングされ、コロイド懸濁液は、2時間以上、または4時間以上、または1日以上、または10日以上ミリングされる。
【0166】
いくつかの実施形態では、コロイド懸濁液における粒子濃度は、30wt%以下、または20wt%以下、または10wt%以下である。いくつかの実施形態では、コロイド懸濁液における粒子濃度は、2wt%以上である。いくつかの実施形態では、コロイド懸濁液における粒子濃度は、10vol%以下、または5vol%以下、または3vol%以下、または1vol%以下である。一実施形態では、コロイド懸濁液における粒子濃度は、0.1vol%以上である。
【0167】
好ましい実施形態では、電解質は、付加製造機(AMM)を使用して形成される。好ましい実施形態では、第1の基材は、AMMを使用して形成される。好ましい実施形態では、加熱は、電磁放射線(EMR)の使用を含み、EMRは、UV光、近紫外光、近赤外光、赤外光、可視光、またはレーザーの1つ以上を含む。好ましい実施形態では、第1の基材および電解質は、加熱されて共焼結を引き起こす。好ましい実施形態では、第1の基材、第2の基材、および電解質は、加熱されて共焼結を引き起こす。一実施形態では、EMRは、第1の基材を電解質よりも優先的に焼結させるように制御される。
【0168】
一実施形態では、電解質は、加熱後に圧縮される。一実施形態では、第1の基材および第2の基材は、加熱後に圧縮応力を電解質に適用する。一実施形態では、圧縮応力を適用する第1の基材および第2の基材は、燃料電池のアノードおよびカソードである。いくつかの実施形態では、電解質の最小寸法は、500nm~5ミクロン、または、1ミクロン~2ミクロンである。
【0169】
本明細書で記載される詳細な説明は、実例として固体酸化物燃料電池(SOFC)の生成を使用する。当業者であれば認識するように、本明細書で記載される方法および製造プロセスは、全ての燃料電池型に適用可能である。そのようなものとして、全ての燃料電池型の生成は、この開示の範囲内である。
【0170】
反応器カートリッジ
様々な実施形態では、電気化学(EC)反応器は、カートリッジ形態に形成される。本明細書における議論は、燃料電池または燃料電池スタックを一例として使用する。カートリッジ設計は、ECガス発生器、ECコンプレッサ、フロー電池などの、他の電気化学反応器に適用可能である。様々な実施形態では、燃料電池スタックは、容易に取り外し可能なフランジ付燃料電池カートリッジ(FCC)設計などの、カートリッジ形態に製造されるように構成される。図9Aは、本開示の一実施形態による、燃料電池カートリッジ(FCC)900の斜視図を示す。FCC900は、図9Aに示される長方形形状部を含む。他の形状因子も可能であり、例えば、正方形様、円筒形様、六角形様またはそれらの組み合わせである。形状因子は、FCCが使用され得る適用に依存し得、例えば、企業内、家庭、自動車または他の用途である。FCC900はまた、FCCをシステム内に、または他のFCCと直列に固定するため、または両方のために、ボルト用の穴902を含む。FCCカートリッジ900ハウジングは、アルミニウム、鋼、プラスチック、セラミック、またはそれらの組み合わせから構成され得る。FCC900は、上部インターコネクト904を含む。
【0171】
図9Bは、本開示の一実施形態による、燃料電池カートリッジ(FCC)900の断面の斜視図を示す。FCC900は、ボルト用の穴902、カソード層906、バリア層908、アノード層910、電極(アノードおよびカソード)におけるガスチャネル912、電解質層914、空気熱交換器916、燃料熱交換器918および上部インターコネクト904を含む。結合された空気熱交換器916および燃料熱交換器918は、統合多流体熱交換器を形成する。いくつかの実施形態では、カソード906と電解質914の間にバリア層は存在しない。FCC900は、例えば、アノード層910と燃料熱交換器918の間に第2のインターコネクト920を含む。FCC900は、燃料通路のための開口922、924をさらに含む。
【0172】
図9Cは、本開示の一実施形態による、燃料電池カートリッジ(FCC)の断面図を示す。図9CにおけるFCC900は、ボルト電気絶縁926、アノード910、アノード910を気流から遮断するシール928、カソード906およびカソード906を燃料流から遮断するシール930を含む。ボルトは、シールによっても電気的に絶縁され得る。様々な実施形態では、シールは、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)または3YSZ(3mol%Yを含むZrO)および8YSZ(8mol%Yを含むZrO)の混合物を含む二重機能シール(DFS)であってよい。いくつかの実施形態では、DFSは、非イオン性物質に対して不透過性であり、かつ、電気絶縁性である。いくつかの実施形態では、3YSZ/8YSZの質量比は、10/90~90/10の範囲にある。いくつかの実施形態では、3YSZ/8YSZの質量比は、約50/50である。いくつかの実施形態では、3YSZ/8YSZの質量比は、100/0または0/100である。
【0173】
図9Dは、本開示の一実施形態による、燃料電池カートリッジ(FCC)の上面図および底面図を示す。FCC900は、ボルト用の穴902、空気入口932、空気出口934、燃料入口922、燃料出口924、FCC900の底部936および上部インターコネクト904を含み、図9Dはさらに、FCC900の一実施形態の上面図および底面図を示し、FCC900の酸化剤側の長さは、Lで示され、FCC900の燃料側の長さは、Lで示され、酸化剤(空気入口932)入り口の幅は、Wで示され、燃料入口922の幅は、Wで示される。図9Dでは、2つの流体出口が示される(空気出口934および燃料出口924)。いくつかの実施形態では、アノード排気おとびカソード排気は、混合され、1つの流体出口を通して抽出され得る。場合によっては、底部936は、インターコネクトであり、932、934、922、924は、例えば、横方向に垂直な方向の流路のための開口である。
【0174】
本明細書で、アノード910、カソード906、電解質914、少なくとも1つのインターコネクト、燃料FCC900の燃料側の入り口、FCCの酸化剤側の酸化剤入り口、少なくとも1つの流体出口を含む燃料電池カートリッジ(FCC)900が開示され、燃料入口は、Wの幅を有し、FCCの燃料側は、Lの長さを有し、酸化剤入口は、Wの幅を有し、FCCの酸化剤側は、Lの長さを有し、W/Lは、0.1~1.0、または0.1~0.9、または0.2~0.9、または0.5~0.9、または0.5~1.0の範囲にあり、W/Lは、0.1~1.0、または0.1~0.9、または0.2~0.9、または0.5~0.9、または0.5~1.0の範囲にある。
【0175】
いくつかの実施形態では、空気および燃料入口および出口は、FCC900の1つの表面上にあり、FCC900は、上記表面上に突出した流路を含まない。いくつかの実施形態では、表面は、滑らかであり、1mm以下、または100ミクロン以下、または10ミクロン以下の最大高度変化を有する。
【0176】
いくつかの実施形態では、FCC900は、電解質とカソードの間または電解質とアノードの間または両方にバリア層を含む。一実施形態では、FCCは、非イオン性物質に対し不透過性であり、かつ電気絶縁性である、二重機能シール(DFS)を含む。いくつかの実施形態では、DFSは、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)または3YSZ(3mol%Yを含むZrO)および8YSZ(8mol%Yを含むZrO)の混合物を含む。
【0177】
いくつかの実施形態では、インターコネクトは、流体分散要素を含まず、アノードおよびカソードは、流体分散構成要素を含む。いくつかの実施形態では、インターコネクトは、流体分散要素を含まず、一方、アノードおよびカソードは、流体チャネルを含む。
【0178】
いくつかの実施形態では、燃料電池カートリッジ(FCC)900は、アノード、カソード、電解質、インターコネクト、燃料入り口、酸化剤入り口、少なくとも1つの流体出口を含み、入り口および出口は、FCCの1つの表面上にあり、FCCは、表面上に突出した流路を含まない。いくつかの実施形態では、表面は、滑らかであり、1mm以下、または100ミクロン以下、または10ミクロン以下の最大高度変化を有し得る。
【0179】
いくつかの実施形態では、FCC900は、非イオン性物質に対し不透過性であり、かつ電気絶縁性である、DFSを含む。一実施形態では、インターコネクトは、流体分散要素を含まず、アノードおよびカソードは、流体分散構成要素を含む。一実施形態では、インターコネクトは、流体分散要素を含まず、上記アノードおよびカソードは、流体チャネルを含む。
【0180】
一実施形態では、FCC900は、あわせ面に取り外し可能に固定され、上記あわせ面にはんだ付けも溶接もされない。一実施形態では、FCCは、あわせ面にボルトで固定され、または、加圧される。あわせ面は、整合燃料入り口、整合酸化剤入り口、および少なくとも1つの整合流体出口を含む。
【0181】
燃料電池カートリッジ(FCC)およびあわせ面を含む組立て品が、さらに本明細書で開示され、FCCは、アノード、カソード、電解質、インターコネクト、FCCの燃料側の燃料入口、FCCの酸化剤側の酸化剤入口、少なくとも1つの流体出口を含み、燃料入口は、Wの幅を有し、FCCの燃料側は、Lの長さを有し、酸化剤入口は、Wの幅を有し、FCCの酸化剤側は、Lの長さを有し、W/Lは、0.1~1.0、または0.1~0.9、または0.2~0.9、または0.5~0.9、または0.5~1.0の範囲にあり、W/Lは、0.1~1.0、または0.1~0.9、または0.2~0.9、または0.5~0.9、または0.5~1.0の範囲にあり、FCCは、あわせ面に取り外し可能に固定される。
【0182】
いくつかの実施形態では、上記入口および出口は、FCCの1つの表面上にあり、FCCは、上記表面上に突出した流路を含まない。表面は、滑らかであってよく、1mm以下、または100ミクロン以下、または10ミクロン以下の最大高度変化を有する。
【0183】
一実施形態では、上記インターコネクトは、流体分散要素を含まず、上記アノードおよびカソードは、流体分散構成要素を含む。一実施形態では、上記インターコネクトは、流体分散要素を含まず、上記アノードおよびカソードは、流体チャネルを含む。
【0184】
燃料電池カートリッジ(FCC)およびあわせ面を一緒に加圧またはボルト固定することを含む方法が、本明細書で記載される。方法は、FCCおよびあわせ面を一緒に溶接またははんだ付けすることを排除し、FCCは、アノード、カソード、電解質、インターコネクト、FCCの燃料側の燃料入口、FCCの酸化剤側の酸化剤入口、少なくとも1つの流体出口を含み、燃料入口は、Wの幅を有し、FCCの燃料側は、Lの長さを有し、酸化剤入口は、Wの幅を有し、FCCの酸化剤側は、Lの長さを有し、W/Lは、0.1~1.0、または0.1~0.9、または0.2~0.9、または0.5~0.9、または0.5~1.0の範囲にあり、W/Lは、0.1~1.0、または0.1~0.9、または0.2~0.9、または0.5~0.9、または0.5~1.0の範囲にあり、FCCおよびあわせ面は、取り外し可能である。
【0185】
一実施形態では、上記入口および出口は、FCCの1つの表面上にあり、FCCは、上記表面上に突出した流路を含まない。表面は、滑らかであり、1mm以下、または100ミクロン以下、または10ミクロン以下の最大高度変化を有する。一実施形態では、上記インターコネクトは、流体分散要素を含まず、上記アノードおよびカソードは、流体分散構成要素を含む。一実施形態では、上記インターコネクトは、流体分散要素を含まず、上記アノードおよびカソードは、流体チャネルを含む。
【0186】
本明細書では、燃料電池および燃料電池ケーシングを含む燃料電池カートリッジ(FCC)が開示され、燃料電池は、アノード、カソード、および電解質を含み、燃料電池ケーシングの少なくとも一部は、電解質と同じ材料で製造される。一実施形態では、電解質は、同じ材料で製造された燃料電池ケーシングの部分と接触する。一実施形態では、電解質および燃料電池ケーシングの部分は、DFSで製造され、DFSは、3YSZ(3mol%Y2O3を含むZrO2)および8YSZ(8mol%Y2O3を含むZrO2)を含み、3YSZ/8YSZの質量比は、100/0~0/100または10/90~90/10の範囲にあり、DFSは、非イオン性物質に対し不透過性であり、かつ電気絶縁性である。一実施形態では、3YSZ/8YSZの質量比は、約50/50または40/60または60/40または30/70または70/30または20/80または80/20である。
【0187】
一実施形態では、上記燃料電池ケーシングは、アノードのための燃料入口および燃料通路、カソードのための酸化剤入口および酸化剤通路、および少なくとも1つの流体出口を含む。一実施形態では、入口および少なくとも1つの出口は、FCCの1つの表面上にあり、FCCは、表面上に突出した流路を含まない。一実施形態では、燃料電池ケーシングは、アノードの少なくとも一部と接触する。
【0188】
一実施形態では、FCCは、電解質とカソードの間および燃料電池ケーシングとカソードの間にバリア層を含む。一実施形態では、FCCは、インターコネクトを含み、インターコネクトは、流体分散要素を含まず、上記アノードおよびカソードは、流体分散構成要素を含む。一実施形態では、FCCは、インターコネクトを含み、インターコネクトは、流体分散要素を含まず、上記アノードおよびカソードは、流体チャネルを含む。
【0189】
一実施形態では、FCCは、あわせ面に取り外し可能に固定され、上記あわせ面にはんだ付けも溶接もされない。一実施形態では、上記あわせ面は、整合燃料入口、整合酸化剤入口、および少なくとも1つの整合流体出口を含む。
【0190】
3YSZ(3mol%Y2O3を含むZrO2)および8YSZ(8mol%Y2O3を含むZrO2)を含むDFSもまた、本明細書で記載され、3YSZ/8YSZの質量比は、10/90~90/10の範囲にあり、DFSは、非イオン性物質に対し不透過性であり、かつ電気絶縁性である。一実施形態では、3YSZ/8YSZの質量比は、約50/50または40/60または60/40または30/70または70/30または20/80または80/20である。一実施形態では、DFSは、燃料電池における電解質として、または燃料電池ケーシングの一部として、または両方として使用される。
【0191】
燃料電池システムにおいてDFSを提供することを含む方法が、本明細書でさらに開示され、DFSは、3YSZ(3mol%Y2O3を含むZrO)および8YSZ(8mol%Yを含むZrO)を含み、3YSZ/8YSZの質量比は、100/0~0/100または10/90~90/10の範囲にあり、DFSは、非イオン性物質に対し不透過性であり、かつ電気絶縁性である。一実施形態では、3YSZ/8YSZの質量比は、約50/50または40/60または60/40または30/70または70/30または20/80または80/20である。
【0192】
一実施形態では、DFSは、燃料電池システムにおいて電解質または燃料電池ケーシングの一部または両方として使用される。燃料電池ケーシングの一部は、燃料電池ケーシング全体であり得る。燃料電池ケーシングの一部は、燃料電池ケーシング上のコーティングである。電解質および燃料電池ケーシングの上記一部は、接触している。
【0193】
6つの表面を有するアノード、6つの表面を有するカソード、電解質、およびアノードの少なくとも3つの表面と接触するアノード囲いを含む燃料電池システムが、本明細書で開示され、電解質は、アノード囲いの一部であり、上記アノード囲いは、電解質と同じ材料で製造される。一実施形態では、上記同じ材料は、3YSZ(3mol%Y2O3を含むZrO2)および8YSZ(8mol%Y2O3を含むZrO2)を含むDFSであり、3YSZ/8YSZの質量比は、100/0~0/100または10/90~90/10の範囲にあり、DFSは、非イオン性物質に対し不透過性であり、かつ電気絶縁性である。一実施形態では、3YSZ/8YSZの質量比は、約50/50または40/60または60/40または30/70または70/30または20/80または80/20である。一実施形態では、アノード囲いは、アノードの5つの表面と接触する。
【0194】
一実施形態では、燃料電池システムは、カソードとカソード囲いの間にバリア層を含み、バリア層は、カソードの少なくとも3つの表面と接触し、電解質は、カソード囲いの一部であり、上記カソード囲いは、電解質と同じ材料で製造される。
【0195】
一実施形態では、燃料電池システムは、アノード囲いおよびカソード囲いにおいて、燃料通路および酸化剤通路を含む。一実施形態では、燃料電池システムは、インターコネクトを含み、インターコネクトは、流体分散要素を含まず、上記アノードおよびカソードは、流体分散構成要素を含む。一実施形態では、燃料電池システムは、インターコネクトを含み、インターコネクトは、流体分散要素を含まず、上記アノードおよびカソードは、流体チャネルを含む。
【0196】
管状設計
様々な場合において、この開示で記載される電気化学反応器は、管状である。このセクションにおける議論は、管状電気化学反応器の一例として管状燃料電池(TFC)をとりあげる。管状設計は、他の型の電気化学反応器、例えば、ECガス発生器、ECコンプレッサ、またはフロー電池に適用可能である。本明細書では、内部カソード、外部アノード、アノードとカソードの間に配置された電解質、およびインターコネクトを含む管状燃料電池(TFC)が開示される。TFCのいくつかの実施形態では、電解質は、膜と考えられる。カソードの断面は、角のとがっていない丸みを帯びた非円形形状であり、断面は、TFCの長手方向軸に直角であり、上記インターコネクトは、カソードと接触するがアノードとは接触せず、上記インターコネクトは、隣接するTFCのアノードに接触するように構成された接触表面を有し、アノードは、別の隣接するTFCのインターコネクトに接触するように構成された接触表面および非接触表面を有する。
【0197】
一実施形態では、TFCは、カソードと電解質の間またはアノードと電解質の間または両方にバリア層を含む。一実施形態では、丸みを帯びた非円形形状は、丸みを帯びた長方形、丸みを帯びた正方形、丸みを帯びた六角形、丸みを帯びた台形、丸みを帯びた平行四辺形、丸みを帯びた五角形、丸みを帯びた三角形、丸みを帯びた八角形、卵形、楕円、または丸みを帯びた不規則形状またはそれらの組み合わせを含む。
【0198】
一実施形態では、アノードの非接触表面の面積に対するインターコネクトの接触表面の面積の比率は、1以下、または0.75以下、または0.5以下である。一実施形態では、アノードの非接触表面の面積に対するインターコネクトの接触表面の面積の比率は、0.3以下、または0.1以下、または0.05以下である。
【0199】
一実施形態では、カソードの厚さは、約10ミクロン~約1,000ミクロン;または約50~約150ミクロン;または約90~約110ミクロン;または約100ミクロンの範囲にある。一実施形態では、アノードの厚さは、約1ミクロン~約50ミクロン;または約5ミクロン~約25ミクロン;または約8ミクロン~約12ミクロン;または約10ミクロンの範囲にある。一実施形態では、電解質の厚さは、約100nm~約10ミクロン;または約500nm~約5ミクロン;または約800nm~約2ミクロン;または約1ミクロンの範囲にある。一実施形態では、バリア層の厚さは、約100nm~約10ミクロン;または約500nm~約5ミクロン;または約800nm~約2ミクロン;または約1ミクロンの範囲にある。一実施形態では、インターコネクトの厚さは、約10ミクロン~約1000ミクロン;または約50ミクロン~約500ミクロン;または約80ミクロン~約200ミクロン;または約100ミクロンの範囲にある。
【0200】
一実施形態では、TFCは、長さLを有し、断面は、Wの特性長を有し、L/Wの比率は、1以上である。一実施形態では、L/Wの比率は、2以上または10以上または100以上である。
【0201】
一実施形態では、TFCは、カソード内にサポートを含む。一実施形態では、サポートは、カソードと接触する。一実施形態では、サポートは、カソードの一体部分である。一実施形態では、サポートおよびカソードは、同じ材料から製造される。一実施形態では、サポートおよびカソードは、異なる材料から製造される。一実施形態では、電解質は、流体に対し不透過性である。一実施形態では、カソードおよびアノードは、多孔性である。
【0202】
多重管状燃料電池(TFC)を含む燃料電池スタックもまた、本明細書で記載され、上記TFCの各々は、内部カソード、外部アノード、アノードとカソードの間に配置された電解質、およびインターコネクトを含み、カソードの断面は、角のとがっていない丸みを帯びた非円形形状であり、断面は、TFCの長手方向軸に直角であり、上記インターコネクトは、カソードと接触するがアノードとは接触せず、上記インターコネクトは、隣接するTFCのアノードに接触するように構成された接触表面を有し、上記アノードは、別の隣接するTFCのインターコネクトに接触するように構成された接触表面および非接触表面を有する。
【0203】
一実施形態では、上記TFCの各々は、カソードと電解質の間またはアノードと電解質の間または両方にバリア層を含む。一実施形態では、上記丸みを帯びた非円形形状は、丸みを帯びた長方形、丸みを帯びた正方形、丸みを帯びた六角形、丸みを帯びた台形、丸みを帯びた平行四辺形、丸みを帯びた五角形、丸みを帯びた三角形、丸みを帯びた八角形、卵形、楕円、丸みを帯びた不規則形状を含む。
【0204】
一実施形態では、アノードの非接触表面の面積に対するインターコネクトの接触表面の面積の比率は、1以下、または0.75以下、または0.5以下である。一実施形態では、アノードの非接触表面の面積に対するインターコネクトの接触表面の面積の比率は、0.3以下、または0.1以下、または0.05以下である。
【0205】
一実施形態では、上記TFCの各々は、長さLを有し、断面は、Wの特性長を有し、L/Wの比率は、1以上、または2以上、または10以上、または100以上である。
【0206】
一実施形態では、上記TFCの各々は、カソード内にサポートを含む。一実施形態では、サポートは、カソードと接触する。一実施形態では、サポートは、カソードの一体部分である。一実施形態では、サポートおよびカソードは、同じ材料から製造される。
【0207】
本明細書では、内部アノード、外部カソード、アノードとカソードの間に配置された電解質、およびインターコネクトを含む管状燃料電池(TFC)が開示され、アノードの断面は、角のとがっていない丸みを帯びた非円形形状であり、断面は、TFCの長手方向軸に直角であり、インターコネクトは、アノードと接触するがカソードとは接触せず、インターコネクトは、隣接するTFCのカソードに接触するように構成された接触表面を有し、カソードは、別の隣接するTFCのインターコネクトに接触するように構成された接触表面および非接触表面を有する。
【0208】
一実施形態では、丸みを帯びた非円形形状は、丸みを帯びた長方形、丸みを帯びた正方形、丸みを帯びた六角形、丸みを帯びた台形、丸みを帯びた平行四辺形、丸みを帯びた五角形、丸みを帯びた三角形、丸みを帯びた八角形、卵形、楕円、丸みを帯びた不規則形状またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、カソードの非接触表面の面積に対するインターコネクトの接触表面の面積の比率は、1以下、または0.75以下、または0.5以下、0.3以下、または0.1以下、または0.05以下である。一実施形態では、TFCは、カソードと電解質の間またはアノードと電解質の間または両方にバリア層を含む。
【0209】
図10A-10Cは、異なるアスペクト比の燃料電池、および、どのようにそれが2つ以上のTFCを含む多管式燃料電池(TFC)単位において接続され得るかを示す。TFCは、丸みを帯びた縁を含む。図10Aは、本開示の一実施形態によるTFC1000の断面図を示す。TFC1000は、内部カソード層1002、バリア層1004、電解質層1006、外部アノード層1008、インターコネクト1010および流路1012を含む。場合によっては、バリア層1004は、アノード1008と電解質1006の間に配置される。場合によっては、2つのバリア層が、(1)カソード1002と電解質1006の間および(2)アノード1008と電解質1006の間に配置される。インターコネクト1010は、カソード1002と接触するがアノード1008とは接触しない。インターコネクト1010の上面は、隣接するTFCのアノード1008と接触されるように構成される。アノード1008は、別の隣接するTFCのインターコネクト1010と接触するように構成された底面上の接触表面を有する。アノード1008は、図10A-10Cで示される構造で両側に非接触表面を有する。図10Aにおけるこの例では、TFC1000は、長方形形状の短い端上でインターコネクト1010により接続される丸みを帯びた長方形形状を有する。
【0210】
図10Bは、本開示の一実施形態による、TFC1020の断面図を示す。TFC1020は、構成においてTFC1000と同様であるが、長方形形状の長い側でインターコネクト1010により接続される。
【0211】
図10Cは、本開示の一実施形態による、TFC1040の断面図を示す。図10CにおけるTFC1040は、構成において図10A-10BにおけるTFCと同様であるが、丸みを帯びた正方形様形状を含み、辺の長さは、実質的に同じである。TFC1040は、インターコネクト1010によりさらに接続される。
【0212】
他の実施形態では、アノード1008は、内部であるように構成され得、カソード1002は、外部であり得る。場合によっては、バリア層は、カソードと電解質の間に配置され得る。場合によっては、2つのバリア層が、(1)カソードと電解質の間および(2)アノードと電解質の間に配置される。上で議論された全ての他の構造および特徴もまた、この実施形態で適用可能である。
【0213】
いくつかの実施形態では、TFCは、カソード層内に図11A-11Cに示されるように1つ以上のサポートをさらに含み得る。図11Aは、本開示の一実施形態による、サポートを含むTFC1100の断面図を示す。TFC1100は、カソード1002、バリア層1004、電解質1006、アノード層1008、インターコネクト1010および少なくとも1つの流路1012を含む。TFC1100がどのように配列されるかの形状および設計は、図10AのTFCと同様である。TFC1100は、1つ以上のサポートをさらに含む。サポートは、好適な任意の形状、数、サイズ、および材料であってよい。場合によっては、サポート1102は、カソード層1002などの内部電極層と同じ材料から製造される。場合によっては、サポート1104は、カソード1002などの内部電極層材料とは異なる材料から製造される。例えば、燃料電池との関連での不活性材料。場合によっては、サポートは、1を超える材料から製造され得る。一実施形態では、1つ以上のサポート1102、1104が、カソード1002と接触している。一実施形態では、1つ以上のサポート1102、1104は、カソードの一体部分である。一実施形態では、1つ以上のサポート1102、1104は、カソードの一体部分として製造される。
【0214】
図11Bは、本開示の一実施形態による、サポートを含むTFC1120の断面図を示す。TFC1120がどのように配列されるかの形状および設計は、図10BのTFCと同様である。TFC1120は、1つ以上のサポートをさらに含む。サポート1102は、カソード1002などの内側電極と同じ材料の直線形状サポートであってよい。サポート1104は、同じ材料で構築されない直線形状サポート1104であってよい。サポート1106は、カソード1002などの内側電極と同じ材料で構築された卵形または円形様形状サポートであってよい。サポート1108は、カソード1002などの内側電極と同じ材料で構築されない卵形または円形様形状サポートであってよい。図11Bに示されるように、TFCは、直線形状サポート1102、1104および円形形状サポート1106、1108を含み得る。
【0215】
図11Cは、本開示の一実施形態による、サポートを含むTFC1140の断面図を示す。TFC1140がどのように配列されるかの形状および設計は、図10CのTFCと同様である。TFC1140は、1つ以上のサポートをさらに含む。この例では、全てのサポート1106、1108は、円形様または楕円様形状であってよいが、直線形状のサポート1102、1104もまた、使用され得る。
【0216】
いくつかの実施形態では、内側電極は、TFC1100、1120、1140においてアノード層1008であり得る。サポート1102、1104、1106、1108は、内側アノード層の同じ材料で構築され得、または、アノード層1008で構築され得ず、またはそれらの組み合わせであってよい。
【0217】
本明細書では、2つの管状燃料電池(TFC)間に流体混合物を配置することであって、上記2つのTFCが1mm以下の最小距離を有するギャップを有する、配置すること;2つのTFCが接続されるように流体混合物を加熱すること、を含む方法が記載され;流体混合物は、1000センチポアズ以下の粘度を有する。一実施形態では、流体混合物は、500センチポアズ以下または300センチポアズ以下または200センチポアズ以下または100センチポアズ以下または50センチポアズ以下の粘度を有する。一実施形態では、ギャップの最小距離は、500ミクロン以下、または300ミクロン以下、または200ミクロン以下、または100ミクロン以下、または50ミクロン以下である。
【0218】
一実施形態では、流体混合物を配置することは、エアロゾル噴射、材料噴射、インクジェット印刷またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、流体混合物は、流体および固体を含み、流体混合物を加熱することは、流体を放散させ、固体を残す。一実施形態では、流体混合物を加熱することは、それを固体化する。一実施形態では、加熱することは、電磁放射線(EMR)の使用を含む。一実施形態では、EMRは、UV光、近紫外光、近赤外光、赤外光、可視光、レーザー、電子ビーム、マイクロ波、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、加熱することは、オーブン加熱、炉加熱、窯加熱、プラズマ加熱、高温表面加熱、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、加熱することは、伝導、対流、照射、またはそれらの組み合わせにより達成される。一実施形態では、上記加熱することは、焼結、共焼結、アニーリング、高密度化、固化、蒸発、乾燥、またはそれらの組み合わせを引き起こす。
【0219】
一実施形態では、流体混合物は、金、銀、白金、ニッケル、鉄、鋼、ステンレス鋼、クロム、コバルト、炭素、またはインコネルを含む。一実施形態では、流体混合物は、燃料電池における電極のために使用される材料、または、燃料電池におけるインターコネクトのために使用される材料、または両方を含む。
【0220】
一実施形態では、TFCの各々は、内部カソード、外部アノード、アノードとカソードの間に配置された電解質、およびインターコネクトを含み、カソードの断面は、角のとがっていない丸みを帯びた非円形形状であり、断面は、TFCの長手方向軸に直角であり、インターコネクトは、カソードと接触するがアノードとは接触せず、上記インターコネクトは、隣接するTFCのアノードに接触するように構成された接触表面を有し、上記アノードは、別の隣接するTFCのインターコネクトに接触するように構成された接触表面、および、非接触表面を有する。
【0221】
一実施形態では、TFCの各々は、内部アノード、外部カソード、アノードとカソードの間に配置された電解質、およびインターコネクトを含み、アノードの断面は、角のとがっていない丸みを帯びた非円形形状であり、断面は、TFCの長手方向軸に直角であり、インターコネクトは、アノードと接触するがカソードとは接触せず、上記インターコネクトは、隣接するTFCのカソードに接触するように構成された接触表面を有し、カソードは、別の隣接するTFCのインターコネクトに接触するように構成された接触表面および非接触表面を有する。
【0222】
接触ペーストを第1の管状燃料電池(TFC)上に適用すること、および、第2のTFCを、第1のTFCの反対側に接触ペーストと接触させて配置することを含む方法もまた、本明細書で記載され、第1のTFCおよび第2のTFCの各々は、内部カソード、外部アノード、アノードとカソードの間に配置された電解質、およびインターコネクトを含み、カソードの断面は、角のとがっていない丸みを帯びた非円形形状であり、断面は、TFCの長手方向軸に直角であり、インターコネクトは、カソードと接触するがアノードとは接触せず、上記インターコネクトは、隣接するTFCのアノードに接触するように構成された接触表面を有し、アノードは、別の隣接するTFCのインターコネクトに接触するように構成された接触表面および非接触表面を有する。
【0223】
一実施形態では、接触ペーストは、浸漬、コーティング、展延、噴霧、エアブラッシング、噴霧熱分解、または塗装またはそれらの組み合わせにより適用される。一実施形態では、接触ペーストは、金、銀、白金、ニッケル、鉄、鋼、ステンレス鋼、クロム、コバルト、炭素、またはインコネルまたはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、接触ペーストは、燃料電池における電極のために使用される材料、または、燃料電池におけるインターコネクトのために使用される材料、または両方を含む。一実施形態では、TFCは、カソードと電解質の間またはアノードと電解質の間または両方にバリア層を含む。
【0224】
一実施形態では、丸みを帯びた非円形形状は、丸みを帯びた長方形、丸みを帯びた正方形、丸みを帯びた六角形、丸みを帯びた台形、丸みを帯びた平行四辺形、丸みを帯びた五角形、丸みを帯びた三角形、丸みを帯びた八角形、卵形、楕円、または丸みを帯びた不規則形状を含む。一実施形態では、アノードの非接触表面の面積に対するインターコネクトの接触表面の面積の比率は、1以下、または0.75以下、または0.5以下である。一実施形態では、アノードの非接触表面の面積に対するインターコネクトの接触表面の面積の比率は、0.3以下、または0.1以下、または0.05以下である。一実施形態では、TFCは、長さLを有し、断面は、Wの特性長を有し、L/Wの比率は、1以上、または2以上または10以上または100以上である。
【0225】
一実施形態では、TFCは、カソード内にサポートを含む。一実施形態では、サポートは、カソードと接触する。一実施形態では、サポートは、カソードの一体部分である。一実施形態では、サポートおよびカソードは、同じ材料から製造される。
【0226】
一実施形態では、方法は、接触ペーストを加熱することを含む。一実施形態では、加熱することは、電磁放射線(EMR)の使用を含む。一実施形態では、EMRは、UV光、近紫外光、近赤外光、赤外光、可視光、レーザー、電子ビームまたはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、加熱することは、オーブン加熱、炉加熱、窯加熱、プラズマ加熱、高温表面加熱、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、上記加熱することは、伝導、対流、照射、またはそれらの組み合わせにより達成される。一実施形態では、上記加熱することは、焼結、共焼結、アニーリング、高密度化、固化、蒸発、乾燥、またはそれらの組み合わせを引き起こす。
【0227】
本明細書では、接触ペーストを第1の管状燃料電池(TFC)上に適用すること、および、第2のTFCを、第1のTFCの反対側に接触ペーストと接触させて配置すること、を含む方法がさらに記載され、第1のTFCおよび第2のTFCの各々は、内部アノード、外部カソード、アノードとカソードの間に配置された電解質、およびインターコネクトを含み、アノードの断面は、角のとがっていない丸みを帯びた非円形形状であり、断面は、TFCの長手方向軸に直角であり、上記インターコネクトは、アノードと接触するがカソードとは接触せず、上記インターコネクトは、隣接するTFCのカソードに接触するように構成された接触表面を有し、上記カソードは、別の隣接するTFCのインターコネクトに接触するように構成された接触表面および非接触表面を有する。
【0228】
一実施形態では、接触ペーストは、浸漬、コーティング、展延、噴霧、塗装、またはそれらの組み合わせにより適用される。一実施形態では、接触ペーストは、金、銀、白金、ニッケル、鉄、鋼、ステンレス鋼、クロム、コバルト、炭素、またはインコネルまたはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、接触ペーストは、燃料電池における電極のために使用される材料、または、燃料電池におけるインターコネクトのために使用される材料、または両方を含む。一実施形態では、TFCは、カソードと電解質の間またはアノードと電解質の間または両方にバリア層を含む。一実施形態では、アノードの非接触表面の面積に対するインターコネクトの接触表面の面積の比率は、1以下、または0.75以下、または0.5以下、または0.3以下、または0.1以下、または0.05以下である。一実施形態では、TFCは、長さLを有し、断面は、Wの特性長を有し、L/Wの比率は、1以上、または2以上または10以上または100以上である。
【0229】
一実施形態では、TFCは、アノード内にサポートを含む。一実施形態では、サポートは、アノードと接触する。一実施形態では、サポートは、アノードの一体部分である。一実施形態では、サポートおよびアノードは、同じ材料から製造される。
【0230】
一実施形態では、方法は接触ペーストを加熱することを含む。一実施形態では、加熱することは、電磁放射線(EMR)の使用を含む。一実施形態では、EMRは、UV光、近紫外光、近赤外光、赤外光、可視光、レーザー、電子ビーム、マイクロ波を含む。一実施形態では、上記加熱することは、オーブン加熱、炉加熱、窯加熱、プラズマ加熱、高温表面加熱、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、加熱することは、伝導、対流、照射、またはそれらの組み合わせにより達成される。一実施形態では、上記加熱することは、焼結、共焼結、アニーリング、高密度化、固化、蒸発、乾燥、またはそれらの組み合わせを引き起こす。
【0231】
統合熱交換器
第1の電極、第2の電極、第1の電極と第2の電極の間の電解質、および第1の熱交換器を含む、ECガス発生器または固体酸化物反応器(SOR)などの電気化学(EC)反応器が本明細書で開示され、第1の熱交換器は、第1の電極と流体連結される。第1の電極と第1の熱交換器の間の最小距離は、10cm以下である。いくつかの実施形態では、最小距離は、5cm以下である。他の実施形態では、最小距離は、1cm以下である。さらに他の実施形態では、最小距離は、5mm以下である。なおさらに他の実施形態では、最小距離は、1mm以下である。一実施形態では、EC反応器は、第2の熱交換器を含み、第2の熱交換器は、第2の電極と流体連結される。第2の電極と第2の熱交換器の間の最小距離は、10cm以下である。いくつかの実施形態では、最小距離は、5cm以下である。他の実施形態では、最小距離は、1cm以下である。さらに他の実施形態では、最小距離は、5mm以下である。なおさらに他の実施形態では、最小距離は、1mm以下である。
【0232】
1つの実施形態では、第1の熱交換器は、第1の電極に隣接しており、または、あるいは、第2の熱交換器は、第2の電極と並んでいる、またはそれに隣接している。1つ以上の熱交換器は、EC反応器における構成要素と並んで、または、EC反応器の構成要素(すなわち、電極)の上または下に配置され得る。図9Bは、916および918を含む統合多流体熱交換器が、インターコネクト層920によってのみアノード910から分離される燃料電池における繰り返し単位/スタックの底部に存在する、実例である。この場合、熱交換器と繰り返し単位/スタックの間の最小距離は、インターコネクトの厚さにすぎず、それは、1mm以下、0.5mm以下、200ミクロン以下、または約100nm~約100ミクロンの範囲である。いくつかの実施形態では、第1の熱交換器および第2の熱交換器は、同じ熱交換器であり、熱交換器は、多流体熱交換器を形成する。EC反応器は、固体酸化物燃料電池、固体酸化物フロー電池、電気化学ガス発生器、または電気化学コンプレッサを含み得る。EC反応器は、第1の電極の上流の改質器または第1の電極と接触した改質器または第1の熱交換器内の改質器を含み得る。EC反応器は、インターコネクトにより分離された2つ以上の繰り返し単位を含んでよく、各繰り返し単位は、第1の電極、第2の電極、および電解質を含む。各繰り返し単位は、繰り返し単位に隣接する少なくとも1つの熱交換器を含み得る。
【0233】
本明細書では、固体酸化物反応器(SOR)などの、スタックおよび熱交換器を含むEC反応器もまた開示される。スタックは、あるスタック高さを有し、インターコネクトにより分離された複数の繰り返し単位を含み、各繰り返し単位は、第1の電極、第2の電極、および第1の電極と第2の電極の間の電解質を含む。熱交換器は、スタックと流体連結され、スタックと熱交換器の間の最小距離は、スタック高さの2倍以下、またはスタック高さ以下、またはスタック高さの半分以下である。熱交換器は、スタックに隣接してよい。熱交換器は、少なくとも3つの流体入口および少なくとも3つの流体チャネルを含み、少なくとも3つの流体チャネルの各々は、30mm以下の最小寸法を有する。スタックまたは熱交換器は、改質器をさらに含み得る。改質器は、スタックまたは熱交換器に組み込まれ得る。一実施形態では、インターコネクトは、流体分散要素を含まず、電極は、流体分散構成要素または流体チャネルを含む。
【0234】
一実施形態では、EC反応器は、カートリッジの形態である(図9A-9Dで示されるものなど)。カートリッジは、カートリッジの燃料側の燃料入り口、カートリッジの酸化剤側の酸化剤入り口、少なくとも1つの流体出口を含んでよく、燃料入り口は、Wの幅を有し、カートリッジの燃料側は、Lの長さを有し、酸化剤入り口は、Wの幅を有し、カートリッジの酸化剤側は、Lの長さを有し、W/Lは、0.1~1.0、0.1~0.9、0.2~0.9、0.5~0.9、または0.5~1.0の範囲にあり、W/Lは、0.1~1.0、0.1~0.9、0.2~0.9、0.5~0.9、または0.5~1.0の範囲にある。いくつかの実施形態では、入り口および出口は、カートリッジの1つの表面上にあり、カートリッジは、表面上に突出した流路を含まない。カートリッジは、あわせ面に着脱可能に固定されてよく、あわせ面にはんだ付けも溶接もされない。カートリッジは、あわせ面にボルトで固定され、または、加圧され得る。あわせ面は、整合燃料入り口、整合酸化剤入り口、および少なくとも1つの整合流体出口を含み得る。
【0235】
第1の電極、第2の電極、第1の電極と第2の電極の間の電解質、および熱交換器を含む固体酸化物反応器カートリッジ(SORC)などの、EC反応器カートリッジが、本明細書でさらに開示され、上記熱交換器は、第1の電極または第2の電極または両方と流体連結される。熱交換器と第1の電極または第2の電極の間の最小距離は、10cm以下、または5cm以下、または1cm以下、または5mm以下、または1mm以下である。
【0236】
一実施形態では、EC反応器カートリッジは、第1の電極の上流の改質器または第1の電極と接触した改質器または熱交換器内の改質器を含む。EC反応器カートリッジは、カートリッジの燃料側の燃料入り口、カートリッジの酸化剤側の酸化剤入り口、少なくとも1つの流体出口を含んでよく、燃料入り口は、Wの幅を有し、カートリッジの燃料側は、Lの長さを有し、酸化剤入り口は、Wの幅を有し、カートリッジの酸化剤側は、Lの長さを有する。W/Lの比率は、0.1~1.0、0.1~0.9、0.2~0.9、0.5~0.9、または0.5~1.0の範囲にあり、W/Lの比率は、0.1~1.0、0.1~0.9、0.2~0.9、0.5~0.9、または0.5~1.0の範囲にある。入り口および出口は、カートリッジの1つの表面上に存在してよく、カートリッジは、表面上に突出した流路を含まない。EC反応器カートリッジは、あわせ面に着脱可能に固定されてよく、あわせ面にはんだ付けも溶接もされない。
【0237】
本明細書では、装置内で第1の電極を形成すること、同じ装置内で電解質を形成すること、同じ装置内で第2の電極を形成すること、および、同じ装置内で熱交換器を形成することを含む、固体酸化物反応器(SOR)などのEC反応器を形成する方法が記載され、電解質は、第1の電極と第2の電極の間に存在し、電極と接触する。熱交換器は、第1の電極または第2の電極または両方と流体連結され得る。形成する方法は、材料噴射、バインダ噴射、インクジェット印刷、エアロゾル噴射、エアロゾルジェット印刷、液槽光重合、粉末床溶融結合、材料押出、指向性エネルギー堆積、シート積層、超音波インクジェット印刷、直接(乾燥)粉末堆積、またはそれらの組み合わせの1つ以上を含み得る。好ましくは、形成することは、インクジェット印刷により達成される。
【0238】
一実施形態では、EC反応器を形成する方法は、EC反応器を加熱することをさらに含む。加熱することは、その場で実施され得る。加熱することは、電磁放射線(EMR)を使用して実施され得る。EC反応器を形成する方法は、複数の繰り返し単位および繰り返し単位間のインターコネクトを形成することをさらに含んでよく、繰り返し単位は、第1の電極、電解質、および第2の電極を含む。一実施形態では、繰り返し単位およびインターコネクトを形成することは、同じ装置内で起こる。好ましい実施形態では、方法は、繰り返し単位およびインターコネクトをその場で、EMRを使用して加熱することを含む。好ましい実施形態では、方法は、改質器を形成することをさらに含む。改質器は、同じ装置内で形成され得る。
【0239】
一実施形態では、EC反応器内のインターコネクトは、流体分散要素を含まない。一実施形態では、EC反応器を形成する方法は、第1の電極を形成する間に第1の型板を形成することであって、第1の型板が第1の電極と接触する、形成すること;第1の型板の少なくとも一部を除去して第1の電極内にチャネルを形成させること、を含む。方法は、第2の電極を形成する間に第2の型板を形成することであって、第2の型板が第2の電極と接触する、形成すること;第2の型板の少なくとも一部を除去して第2の電極内にチャネルを形成させること、をさらに含む。一実施形態では、第1の電極は、流体分散構成要素(FDC)または流体チャネルを含み;第2の電極は、流体分散構成要素(FDC)または流体チャネルを含む。
【0240】
一実施形態では、SORなどのEC反応器は、カートリッジに形成される。カートリッジは、カートリッジの燃料側の燃料入り口、カートリッジの酸化剤側の酸化剤入り口、少なくとも1つの流体出口を含み、燃料入り口は、Wの幅を有し、カートリッジの燃料側は、Lの長さを有し、酸化剤入り口は、Wの幅を有し、カートリッジの酸化剤側は、Lの長さを有する。W/Lの比率は、0.1~1.0、0.1~0.9、0.2~0.9、0.5~0.9、または0.5~1.0の範囲にあってよく、W/Lの比率は、0.1~1.0、0.1~0.9、0.2~0.9、0.5~0.9、または0.5~1.0の範囲にある。一実施形態では、入り口および出口は、カートリッジの1つの表面上にあり、上記カートリッジは、上記表面上に突出した流路を含まない。一実施形態では、カートリッジは、あわせ面に取り外し可能に固定され、あわせ面にはんだ付けも溶接もされない。カートリッジは、あわせ面にボルトで固定され、または加圧され得る。一実施形態では、方法は、第1の電極の上流の改質器または第1の電極と接触した改質器または熱交換器内の改質器を形成することを含む。改質器は、同じ装置内で形成され得る。
【0241】
EC反応器スタックおよび熱交換器を形成することを含む方法もまた、本明細書で開示され、あるスタック高さを有するスタックは、インターコネクトにより分離された複数の繰り返し単位を含み、各繰り返し単位は、第1の電極、第2の電極、および第1の電極と第2の電極の間の電解質を含む。熱交換器は、スタックと流体連結され得、スタックと熱交換器の間の最小距離は、スタック高さの2倍以下、またはスタック高さ以下、またはスタック高さの半分以下である。
【0242】
一実施形態では、SORなどのEC反応器スタック、および熱交換器は、同じ装置内で形成される。方法は、スタックおよび熱交換器をカートリッジに形成することを含み得る。カートリッジは、あわせ面に着脱可能に固定されてよく、あわせ面にはんだ付けも溶接もされない。
【0243】
本明細書では、第1の電極、第2の電極、第1の電極と第2の電極の間の電解質、および熱交換器を含む、SORなどのEC反応器を形成することを含む方法が、さらに記載される。熱交換器は、第1の電極または第2の電極または両方と流体連結され得る。熱交換器と第1の電極または第2の電極の間の最小距離は、10cm以下、5cm以下、1cm以下、5mm以下、または1mm以下である。場合によっては、電極、電解質、および熱交換器は、同じ装置内で形成される。場合によっては、方法はまた、EC反応器をカートリッジに形成することを含む。カートリッジは、あわせ面に着脱可能に固定されてよく、あわせ面にはんだ付けも溶接もされない。
【0244】
第1の電極を形成すること、第2の電極を形成すること、第1の電極と第2の電極の間の電解質を形成すること、および熱交換器を形成することを含む、EC反応器カートリッジを形成することを含む方法が、本明細書で開示される。一実施形態では、熱交換器は、第1の電極または第2の電極または両方と流体連結される。一実施形態では、電極、電解質、および熱交換器は、同じ装置内で形成される。一実施形態では、方法は、第1の電極の上流の改質器または第1の電極と接触した改質器または熱交換器内の改質器を形成することを含む。一実施形態では、改質器は、同じ装置内で形成される。
【0245】
フィッシャー・トロプシュ
この開示の方法およびシステムは、フィッシャー・トロプシュ(FT)触媒または触媒複合物などの、触媒または触媒複合物を製造するのに好適である。触媒および基材を含むフィッシャー・トロプシュ(FT)触媒複合物が本明細書で開示され、触媒と基材の間の質量比は、1/100以上、または1/10以上、または1/5以上、または1/3以上、または1/1以上である。一実施形態では、触媒は、Fe、Co、Ni、またはRuを含む。基材は、Al、ZrO、SiO、TiO、CeO、改質Al、改質ZrO、改質SiO、改質TiO、改質CeO、ガドリニウム、鋼、コーディエライト(2MgO-2Al-5SiO)、チタン酸アルミニウム(AlTiO)、炭化ケイ素(SiC)、全ての相の酸化アルミニウム、イットリアもしくはスカンジア安定化ジルコニア(YSZ)、ガドリニアまたはサマリアドープセリア、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、触媒複合物は、促進剤を含み、促進剤は、貴金属、金属カチオン、またはそれらの組み合わせを含む。促進剤は、B、La、Zr、K、Cu、またはそれらの組み合わせを含み得る。一実施形態では、触媒複合物は、流体チャネルまたはその代わりに流体分散構成要素を含む。
【0246】
この開示のFT反応器/システムは、従来のFT反応器/システムよりずっと小さい(例えば、同じFT生成物生成速度について、3-100倍小さいまたは100+倍小さい)。高い触媒対基材比は、FT触媒を製造する従来の方法により達成できない。そのようなものとして、いくつかの実施形態では、FT反応器/システムは、従来のFT反応器/システムと比べて小型化される。
【0247】
FT触媒を基材に対し堆積させてFT触媒複合物を形成させることを含む方法もまた、本明細書で記載され、上記堆積させることは、材料噴射、バインダ噴射、インクジェット印刷、エアロゾル噴射、またはエアロゾルジェット印刷、液槽光重合、粉末床溶融結合、材料押出、指向性エネルギー堆積、シート積層、超音波インクジェット印刷、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、触媒と基材の間の質量比は、1/100以上、または1/10以上、または1/5以上、または1/3以上、または1/1以上である。好ましい実施形態では、堆積方法は、流体チャネルまたはその代わりに流体分散構成要素を触媒複合物内に形成させることを含む。
【0248】
本明細書では、触媒および基材を含むFT触媒複合物を含むフィッシャー・トロプシュ(FT)反応器を含むシステムがさらに記載され、触媒と基材の間の質量比は、1/100以上、または1/10以上、または1/5以上、または1/3以上、または1/1以上である。一実施形態では、触媒は、Fe、Co、Ni、またはRuを含む。一実施形態では、基材は、Al、ZrO、SiO、TiO、CeO、改質Al、改質ZrO、改質SiO、改質TiO、改質CeO、ガドリニウム、鋼、コーディエライト(2MgO-2Al-5SiO)、チタン酸アルミニウム(AlTiO)、炭化ケイ素(SiC)、全ての相の酸化アルミニウム、イットリアもしくはスカンジア安定化ジルコニア(YSZ)、ガドリニアまたはサマリアドープセリア、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、触媒複合物は、促進剤を含む。
【0249】
一例として、FT触媒複合物は、印刷により形成される。触媒および基材/担体は、溶媒および粒子(例えば、ナノ粒子)を含むインク形態に製造される。インクは任意で、分散剤、バインダ、可塑剤、界面活性剤、共溶媒、またはそれらの組み合わせを含む。インクは、任意の種類の懸濁液であってよい。インクは、超音波処理または高せん断混合などの混合プロセスを用いて処理され得る。場合によっては、鉄インクは、水性環境にある。場合によっては、鉄インクは、有機環境にある。鉄インクはまた、促進剤を含み得る。基材/担体は、水性環境または有機環境における、アルミナの懸濁液またはインクであってよい。基材インクは、超音波処理または高せん断混合などの混合プロセスを用いて処理され得る。場合によっては、基材インクは、促進剤を含む。場合によっては、促進剤は、水性環境または有機環境におけるそれ自体のインクとして添加される。場合によっては、様々なインクが別々に、かつ、順次印刷される。場合によっては、様々なインクが別々に、かつ、同時に、例えば、異なるプリントヘッドを介して印刷される。場合によっては、様々なインクが、混合物として組み合わせで印刷される。
【0250】
一例として、燃料電池からの排気は、水素、二酸化炭素、水、任意で一酸化炭素を含む。排気は、FT触媒(例えば、鉄触媒)上を通過し、合成燃料または潤滑剤を生成する。FT鉄触媒は、水性ガスシフト反応または逆水性ガスシフト反応を促進する特性を有する。FT反応は、150-350℃の範囲の温度、および、1~数十気圧(例えば、15atmまたは10atmまたは5atmまたは1atm)の範囲の圧力で起こる。追加の水素が、排気ストリームに添加され得、2以上または3以上または2と3の間の水素対酸化炭素比(二酸化炭素および一酸化炭素)に到達する。
【0251】
流体分散構成要素
図12Aは、本開示の一実施形態による、流体分散構成要素1204を有する不透過性インターコネクト1202を示す。図12Bは、本開示の一実施形態による、2つの流体分散構成要素1204を有する不透過性インターコネクト1202を示す。流体分散構成要素1204は、インターコネクト1202の両側(主面)と接触する。そのようなものとして、インターコネクトは、電気化学反応器内、例えばECガス発生器内において2つの繰り返し単位間で共有される。流体分散構成要素1204は、電気化学反応器において、流体、例えば、反応性ガス(例えばメタン、水素、一酸化炭素、空気、酸素、など)を分配するように機能する。そのようなものとして、チャネルを有する従来のインターコネクトは、もはや必要とされない。チャネルを有するそのような従来のインターコネクトの設計および製造は、複雑で費用がかかる。この開示によれば、インターコネクトは、電子を伝導しまたは収集し、流体分散要素を有しない、単なる不透過性層である。
【0252】
図12C-Fは、本開示の実施形態による、不透過性インターコネクト1202の上面の分割型流体分散構成要素1204を概略的に示す。そのようなセグメントは、異なる組成物、形状、密度、多孔度、細孔サイズ、細孔形状、透過性、またはそれらの組み合わせを有し得る。セグメントは、不連続であってよい。図13Cは、不透過性インターコネクト1202上の、同様の形状であるがサイズが異なる分割型流体分散構成要素1204を示す。図13Dは、本開示の一実施形態による、不透過性インターコネクト1202上の、同様の形状および同様のサイズの分割型流体分散構成要素1204を示す。図12Eは、本開示の一実施形態による、不透過性インターコネクト1202上の同様の形状および同様のサイズであるが、ぎっしり詰まっている分割型流体分散構成要素1204を示す。図12Fは、本開示の一実施形態による、不透過性インターコネクト1202上の、異なる形状および異なるサイズの分割型流体分散構成要素1204を示す。これらのセグメントが、異なる組成物、密度、多孔度、細孔サイズ、細孔形状、透過性、またはそれらの組み合わせを有することもまた、企図される。
【0253】
図12G-Iは、本開示の実施形態による、流体分散構成要素1204を有する、不透過性インターコネクト1202を概略的に示す。異なる流体入口および出口設計が、さらに示される。流体分散構成要素は、異なる部分において(例えば、横方向または横方向に垂直)様々な密度、多孔度、細孔サイズ、細孔形状、組成物、または透過性、またはそれらの組み合わせを有し得る。そのような可変性は、流体分散構成要素における流体流の制御および調整性を提供する。図12Gは、本開示の一実施形態による、不透過性インターコネクト1202および流体分散構成要素1204を示す。図12Hは、本開示の一実施形態による、不透過性インターコネクト1202および流体分散構成要素1204を示す。図12Iは、本開示の一実施形態による、不透過性インターコネクト1202および流体分散構成要素1204を示す。図12G-Iにおける1206および1208は、本開示の実施形態による、異なる入口および出口設計を表す。インターコネクト1202は、各構成のための整合入口および出口を有する。図12Iでは、1206は、流体入口を表し、1208は、流体出口を表す。流体流は、矢印1210により示される。図12Jは、本開示の一実施形態による、不透過性インターコネクト1202および流体分散構成要素1204を示す。矢印により示される別の流体流設計が、図12Jでさらに示される。例えば、流体は、左から右へ流体分散構成要素を横切って流れ得;または、流体は、前から後へ流体分散構成要素を横切って流れ得る。
【0254】
図12Kは、本開示の一実施形態による、流体分散構成要素1204を示す。流体分散構成要素1204設計は、A、B、C、およびDと標識された4つの角を含む。位置Aは、流体流入口1212を含む。位置Bは、流体流出口1214を含む。
【0255】
本明細書では、流体分散要素を有しない不透過性インターコネクト、電解質、インターコネクトと電解質の間の流体分散構成要素(FDC)を含む電気化学反応器(例えば、燃料電池)が記載される。一実施形態では、燃料電池は、2つのFDCを含む。2つのFDCは、インターコネクトと接触して、その対向する側にまたは主面に対向して、対称的に配置され得る。そのようなものとして、インターコネクトは、電気化学反応器において2つの繰り返し単位の間で共有され、各繰り返し単位は、2つのFDCの1つを含む。FDCは、フォーム、連続気泡フォームであってよく、または、格子構造を含む。
【0256】
好ましい実施形態では、FDCは、分割型であり、セグメントは、異なる組成物、材料、形状、サイズ、密度、多孔度、細孔サイズ、細孔形状、透過性、またはそれらの組み合わせを有する。セグメントの形状は、柱、中空円筒、立方体、長方形直方体、三方偏方面体、四角錐台、平行六面体、双三角錐、反くさび正方晶、角錐、五角すい、角柱、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0257】
いくつかの実施形態では、FDCは、様々な密度、多孔度、細孔サイズ、細孔形状、透過性、またはそれらの組み合わせを有し、密度、多孔度、細孔サイズ、細孔形状、または透過性またはそれらの組み合わせは、制御される。いくつかの実施形態では、密度、多孔度、細孔サイズ、細孔形状、または透過性またはそれらの組み合わせは、FDCを通る流体の流れを調整するように制御される。他の実施形態では、密度、多孔度、細孔サイズ、細孔形状、または透過性またはそれらの組み合わせは、FDC内の第1の点からFDC内の第2の点への均一な流体流を引き起こすように制御される。流体流パターンは、要望通り調整され得る。例えば、それは、均一である必要はない。流体流は、FDCの反応性またはFDCの様々な部分における流体の反応速度により増加または減少され得る。あるいは、および/または、組み合わせて、流体流は、FDCの様々な部分におけるアノードまたはカソードへの流体流速により増加または減少され得る。あるいは、および/または、組み合わせて、流体流は、FDCの様々な部分と関連する、または接触するアノードまたはカソードにおける反応速度により増加または減少され得る。
【0258】
一実施形態では、密度は、FDCの中央でより高い。一実施形態では、密度は、FDCの中央でより低い。一実施形態では、多孔度または透過性または細孔スロートサイズは、FDCの中央に向かってより低くなる。一実施形態では、多孔度または透過性または細孔スロートサイズは、FDCの中央に向かってより高くなる。
【0259】
一実施形態では、FDCの少なくとも一部は、アノードの部分またはカソードの部分である。好ましい実施形態では、FDCは、アノードまたはカソードである。一実施形態では、不透過性インターコネクトは、10ミクロン以下、または1ミクロン以下、または500nm以下の厚さを有する。好ましい実施形態では、不透過性インターコネクトは、流体のための入口および出口を含む。好ましい実施形態では、流体は、燃料電池のための反応物を含む。
【0260】
本明細書では、(a)流体分散要素を有しない不透過性インターコネクトを形成すること;(b)電解質を形成すること;(c)流体分散構成要素(FDC)を形成すること;ならびに(d)FDCをインターコネクトと電解質の間に配置すること、を含む、燃料電池を製造する方法もまた開示される。
【0261】
一実施形態では、FDCは、多重セグメントを作製すること、およびセグメントを組立てることにより形成される。セグメントは、異なる組成物、材料、形状、サイズ、密度、多孔度、細孔サイズ、細孔形状、透過性、またはそれらの組み合わせを有し、形状は、柱、中空円筒、立方体、長方形直方体、三方偏方面体、四角錐台、平行六面体、双三角錐、反くさび正方晶、角錐、五角すい、角柱、またはそれらの組み合わせを含む。FDCは、フォーム、連続気泡フォームであってよく;または格子構造を含む。
【0262】
好ましい実施形態では、FDCを形成する方法は、様々な密度、多孔度、細孔サイズ、細孔形状、透過性、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、方法は、FDCの密度、多孔度、細孔サイズ、細孔形状、透過性、またはそれらの組み合わせを制御することを含む。方法は、FDCの密度、多孔度、細孔サイズ、細孔形状、透過性、またはそれらの組み合わせを制御して、FDCを通る流体の流れを調整することを含み得る。方法は、FDCの密度、多孔度、細孔サイズ、細孔形状、透過性、またはそれらの組み合わせを制御して、FDC内の第1の点からFDC内の第2の点への均一な流体流を引き起こすことを含み得る。方法は、FDCの密度、多孔度、細孔サイズ、細孔形状、透過性、またはそれらの組み合わせを制御して、FDC内の第1の点からFDC内の第2の点へのパターニングされた流体流を引き起こすことを含み得る。
【0263】
流体流パターンは、要望通り調整され得る。例えば、それは、均一である必要はない。流体流は、FDCの反応性またはFDCの様々な部分における流体の反応速度により増加または減少され得る。あるいは、および/または、組み合わせて、流体流は、FDCの様々な部分におけるアノードまたはカソードへの流体流速により増加または減少され得る。あるいは、および/または、組み合わせて、流体流は、FDCの様々な部分と関連する、または接触するアノードまたはカソードにおける反応速度により増加または減少され得る。
【0264】
一実施形態では、工程(c)は、使用される材料の様々な組成物を変化させてFDCを形成することを含む。一実施形態では、工程(c)は、使用される様々な粒子サイズを変化させてFDCを形成することを含む。一実施形態では、工程(c)は、FDCの異なる部分を異なる温度に加熱することを含む。一実施形態では、上記加熱することは、電磁放射線(EMR)を含む。一実施形態では、EMRは、UV光、近紫外光、近赤外光、赤外光、可視光、レーザーまたは電子ビームの1つ以上を含む。
【0265】
一実施形態では、工程(a)-(d)または工程(b)-(d)は、付加製造(AM)を使用して実施される。様々な実施形態では、AMは、押出、光重合、粉末床溶融結合、材料噴射、バインダ噴射、指向性エネルギー堆積または積層またはそれらの組み合わせを含む。
【0266】
一実施形態では、FDCを形成する方法は、FDCおよび電解質の収縮速度が釣り合うように、または、インターコネクト、FDC、および電解質の収縮速度が釣り合うように、燃料電池を加熱することを含む。好ましい実施形態では、加熱することは、EMRを含む。一実施形態では、EMRは、UV光、近紫外光、近赤外光、赤外光、可視光、レーザーまたは電子ビームまたはそれらの組み合わせを含む。好ましい実施形態では、加熱することは、その場で実施される。好ましい実施形態では、加熱することは、30分以下、または30秒以下、または30ミリ秒以下の間起こる。
【0267】
好ましい実施形態では、FDCの少なくとも一部は、アノードの部分またはカソードの部分である。好ましい実施形態では、FDCは、アノードまたはカソードである。好ましい実施形態では、不透過性インターコネクトは、10ミクロン以下、または1ミクロン以下、または500nm以下の厚さを有する。好ましくは、不透過性インターコネクトは、流体のための入口および出口を含む。より好ましくは、流体は、燃料電池のための反応物を含む。
【0268】
溝付電極
型板を提供することであって、型板が電極材料と接触する、提供すること;ならびに、型板の少なくとも一部を除去して、電極材料において、例えば、ECガス発生器においてチャネルを形成させること、を含む方法が、本明細書で開示される。図13Aは、本開示の一実施形態による、溝付電極を製造するための型板1300を示す。そのような型板は、酸化、溶融、気化、還元、または任意の好適な手段により、電気化学反応器が製造された後、または、反応器の利用の開始時のいずれかで除去され得る。
【0269】
一実施形態では、溝付電極材料は、NiO、YSZ、GDC、LSM、LSCF、またはそれらの組み合わせを含む。溝付電極材料は、カソードまたはアノードのために本明細書で前に記載された任意の材料を含み得る。一実施形態では、型板を提供することは、型板または組立てられて型板を形成する前駆体を印刷することを含む。型板を提供することは、1つ以上のモノマーまたは光開始剤、または両方を重合することを含む。一実施形態では、方法は、内部または外部技術により、モノマーおよび/またはオリゴマーを硬化させることを含む。様々な実施形態では、内部技術は、フリーラジカル分子開始、および/またはその場還元/酸化による開始による重合を含む。様々な実施形態では、外部技術は、開始種を形成させるための光分解、電離放射線への曝露、(超)音波処理および熱分解を含む。好ましい実施形態では、上記硬化は、UV硬化を含む。一実施形態では、方法は、重合剤を添加することを含み、重合剤は、光開始剤を含む。一実施形態では、重合剤は、モノマーの上面に印刷され、またはモノマーの各片内に印刷される。
【0270】
一実施形態では、型板を提供することは、型板を印刷する前にモノマーインク中に金属酸化物粒子を分散させることを含む。一実施形態では、金属酸化物は、NiO、CuO、LSM(ランタンストロンチウムマンガナイト)、LSCF(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)、GDC(ガドリニウムドープセリア)、SDC(サマリアドープセリア)、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、上記モノマーは、アルコール、アルデヒド、カルボン酸、エステル、および/またはエーテル官能基を含む。一実施形態では、上記型板は、NiO、Cu(I)O、Cu(II)O、有機化合物、フォトポリマ、またはそれらの組み合わせを含む。
【0271】
一実施形態では、型板の少なくとも一部を除去することは、加熱、燃焼、溶媒処理、酸化、還元、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、燃焼は、堆積物を残さず、爆発性ではない。一実施形態では、還元が、金属酸化物において起こり、多孔性型板を生成する。一実施形態では、型板を提供する方法は、その場で加熱することを含む。
【0272】
一実施形態では、型板および電極材料が、一片ずつ印刷され、第2の薄片が、第1の薄片の上に印刷され、その後第1の薄片が、加熱され、加熱は、型板の少なくとも一部を除去する。一実施形態では、加熱は、EMRを含む。一実施形態では、EMRは、UV光、近紫外光、近赤外光、赤外光、可視光、レーザー、電子ビームの1つ以上を含む。
【0273】
一実施形態では、チャネルおよび電極材料が、電極層を形成する。一実施形態では、チャネルは、電極層内に規則的な軌道を有する。例えば、チャネルは、互いに平行である。チャネルは、電極層の1つの端、縁、または角から、対向端、縁、または角へと延びてよい。チャネルは、電極の1つの端、縁、または角から、90°曲がって、別の端、縁、または角へと延びてよい。チャネルは、電極層内でランダム軌道を有する。例えば、チャネルは、規則性のない蛇行軌道を有し得る。チャネルは、1を超える入口点および1を超える出口点を有し得る。1を超える入口点および1を超える出口点が、電極層にわたり分布される。電極層内のチャネルの入口点および出口点は、電極層のいずれの側にあってもよく、上面または側および底面または側を含む。
【0274】
いくつかの実施形態では、電極層における型板の体積分率は、5%-95%、または10%-90%、または20%-80%、または30%-70%、または40%-60%の範囲にある。電極層におけるチャネルの体積分率は、10%-90%、または20%-80%、または30%-70%、または40%-60%の範囲にある。チャネルを有する電極層の総有効多孔度は好ましくは、20%-80%、または30%-70%、または40%-60%の範囲にある。チャネルを有する電極層のそのような総有効多孔度は、電極材料の多孔度以上である。チャネルを有する電極層の蛇行は、電極材料の自然蛇行以下である。
【0275】
好ましい実施形態では、ガスチャネルは、電極層の高さに及ぶ。ガスチャネルは、電極層の高さ未満の高さを占めてもよい。一例として、電極層は、約50ミクロンの厚さである。一実施形態では、ガスチャネル幅は、10ミクロン以上である。一実施形態では、ガスチャネル幅は、100ミクロン以上である。
【0276】
下記を含む方法もまた、本明細書で記載される:(a)第1の電極層を形成させるために第1の型板および第1の電極材料を印刷することであって、第1の型板が第1の電極材料と接触する、印刷すること;(b)電解質層を印刷すること;(c)第2の電極層を形成させるために第2の型板および第2の電極材料を印刷することであって、第2の型板が第2の電極材料と接触する、印刷すること;ならびに、(d)インターコネクトを印刷すること。好ましい実施形態では、工程は、任意の順序で実施される。好ましい実施形態では、方法は、工程(a)-(d)を任意の順序で繰り返して、スタックまたはスタックの繰り返し単位を形成することを含む。
【0277】
一実施形態では、方法は、(e)第1の型板および第2の型板の少なくとも一部を除去して、第1および第2の電極層内にチャネルを形成させることを含む。一実施形態では、除去は、加熱、燃焼、溶媒処理、酸化、還元、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、除去は、その場で起こる。除去は、スタックまたはスタックの繰り返し単位が印刷された後に起こり得る。除去は、スタックが動作を開始された時に起こり得る。一実施形態では、印刷は、一片ずつ起こり、第2の薄片は、第1の薄片の上に印刷され、その後第1の薄片が、加熱され、加熱は、型板の少なくとも一部を除去する。印刷する工程は、材料噴射、バインダ噴射、インクジェット印刷、エアロゾル噴射、またはエアロゾルジェット印刷、またはそれらの組み合わせを含む。
【0278】
本明細書では、下記を含む方法がさらに記載される:(a)第1の電極層を印刷すること;(b)電解質層を印刷すること;(c)第2の電極層を印刷すること;ならびに(d)インターコネクトを印刷すること。一実施形態では、印刷することは、材料噴射、バインダ噴射、インクジェット印刷、エアロゾル噴射、またはエアロゾルジェット印刷を含む。好ましい実施形態では、工程は、任意の順序で実施される。好ましい実施形態では、方法は、工程(a)-(d)を任意の順序で繰り返して、スタックまたはスタックの繰り返し単位を形成することを含む。電極層、または電解質層、またはインターコネクト、またはそれらの組み合わせをエアロゾル噴射またはエアロゾルジェット印刷することを含む方法もまた、本明細書で開示される。
【0279】
図13Bは、本開示の一実施形態による、第1のインターコネクトと電解質の間の半電池の断面図である。図13Bにおけるスタックは、底部/第1のインターコネクト1301、底部インターコネクト材料および第1の電極材料を含む任意的な層1302、第1の電極セグメント1303、第1の型板1304を形成する第1のフィラー材料および電解質1305を含む。
【0280】
図13Cは、本開示の一実施形態による、第2のインターコネクトと電解質の間の半電池の断面図である。半電池は、電解質1305、第2の電極セグメント1306、第2の型板1307を形成するフィラー材料および上部/第2のインターコネクト1308を含む。図13Bおよび図13Cにおいて示される図は、互いに垂直である。
【0281】
図13Dは、本開示の一実施形態による、第1のインターコネクトと電解質の間の半電池の断面図である。半電池は、底部インターコネクト1301、底部インターコネクト材料および第1の電極材料を含む任意的な層1302、第1の電極セグメント1303、第1の型板を形成する第1のフィラー材料1304、電解質1305および第1の電極が加熱されおよび/または焼結される時の第1のフィラー材料のための任意的なシールド1409を含む。
【0282】
図13Eは、本開示の一実施形態による、第2のインターコネクトと電解質の間の半電池の断面図である。半電池は、電解質1305、第2の電極セグメント1306、第2の型板を形成するフィラー材料1307、上部インターコネクト1308および、上部インターコネクトが加熱されおよび/または焼結される時の第2のフィラー材料のための任意的なシールドを含む。図13Dおよび図13Eに示される図は、互いに垂直である。
【0283】
いくつかの実施形態では、1307と1308の間に層があり(図示せず)、それは、上部インターコネクト材料および第2の電極材料を含む。いくつかの実施形態では、1305は、第1の電極または第2の電極のためのバリアを有する電解質を表す。1309は、第1の電極が加熱され/焼結される時の第1のフィラーのための任意的なシールドを表す。1310は、上部インターコネクトが加熱され/焼結される時の第2のフィラーのための任意的なシールドを表す。場合によっては、電解質1305または電解質-バリア層は、第1の電極と、および、その対向する主面に沿って連続して第2の電極と接触する。これらの断面図における電極セグメントおよびフィラーの形状は、代表にすぎず、正確ではない。それらは、任意の規則または不規則形状をとり得る。電気化学反応器が(例えば、燃料電池スタックまたはガス発生器)、例えば、炉内加熱により製造される時に、フィラーおよび/または型板が除去される。またはその代わりに、それらは、電気化学反応器が熱ガス/流体通過により動作を開始するときに、酸化、溶融、気化、気化、還元、またはそれらの組み合わせの効果を使用して除去される。これらの除去されたフィラーおよび/または型板は、電極内のチャネルになる。様々な実施形態では、チャネルの複数の列が、電極内に存在する。実例では、電極は、25ミクロンの厚さであり、20ミクロンの高さを有する多重チャネルを有する。別の実例では、電極は50ミクロンの厚さであり、2列の多重チャネルを有し、チャネルの各列は、20ミクロンの高さを有する。様々な実施形態では、フィラーは、炭素、グラファイト、グラフェン、セルロース、金属酸化物、ポリメチルメタクリレート、ナノダイヤモンド、またはそれらの組み合わせを含む。
【0284】
一実施形態では、インターコネクト、第1の電極、電解質、および第2の電極を含む、電気化学反応器における単位は、この方法:インターコネクトを提供すること、第1の電極材料をセグメントでインターコネクト上に堆積させること、第1の電極材料を焼結させること、第1の電極材料セグメント間に第1のフィラー材料を堆積させること、追加の第1の電極材料を堆積させ、フィラー材料を被覆すること、追加の第1の電極材料を焼結させ、かつ第1の電極を形成すること、第1の電極上に電解質材料を堆積させること、電解質材料を焼結させて電解質を形成すること、多重谷部が第2の電極材料内に形成されるように第2の電極材料を電解質上に堆積させること、第2の電極材料を焼結させて第2の電極を形成させること、第2のフィラー材料を第2の電極の谷部内に堆積させること、第2のインターコネクト材料を堆積させて第2の電極および第2のフィラー材料を被覆すること、ならびに第2のインターコネクト材料を焼結させること、により製造される。様々な実施形態では、堆積は、インクジェット印刷または超音波インクジェット印刷を使用して実施される。様々な実施形態では、焼結は、電磁放射線(EMR)を使用して実施される。場合によっては、第1のおよび第2のフィラー材料は、ほとんど~全くEMRを吸収せず;吸収は、大変小さいので、フィラー材料は測定可能な変化を有しない。場合によっては、シールドが、第1のフィラー材料または第2のフィラー材料または両方を被覆するように堆積され、そのため上面の層のための加熱および/または焼結プロセスは、第1のフィラー材料または第2のフィラー材料または両方において測定可能な変化を引き起こさない。場合によっては、シールドは、YSZ、SDC、SSZ、CGO、NiO-YSZ、Cu、CuO、CuO、LSM、LSCF、ランタンクロマイト、ステンレス鋼、LSGM、またはそれらの組み合わせを含む。
【0285】
二重多孔度電極
図14A-Dは、ECガス発生器などの電気化学反応器において使用され得る、詳細に示された1、2または3つの層を有する、二重多孔度を有する電極の様々な実施形態を示す。図14Aは、本開示の一実施形態による、第1の層における流体分散構成要素のセグメントを概略的に示す。第1の層1400は、流体分散構成要素セグメント1402を含む。セグメント1402は、異なる組成物、形状、密度、多孔度、細孔サイズ、細孔形状、透過性、またはそれらの組み合わせを有し得る。チャネルを含む層1400に対するチャネルの体積分率(VFc)もまた、示される。本明細書では、材料およびチャネルを含むEC反応器における電極が記載され、材料およびチャネルは、第1の層多孔度を有する電極内の第1の層を形成する。材料は、材料多孔度を有する。チャネルは、体積分率VFcを有し、これは、チャネルの体積と第1の層の体積の間の比率である。第1の層多孔度は、全体としての第1の層の平均多孔度を示す。第1の層多孔度は、材料多孔度より少なくとも5%大きい。VFcは、0-99%、または1-30%、または10-90%、または5-50%、または3-30%、または1-50%の範囲にある。VFcは、5%、または10%、または20%、または30%、または40%、または50%以上である。
【0286】
図14Bは、本開示の一実施形態による、電極における、第2の層と一緒の第1の層における流体分散構成要素を概略的に示す。図14Bにおける電極実施形態は、流体分散構成要素セグメント1405の第1の層1404および第2の層1406を示す。図14Bに示されるセグメントは、異なる組成物、形状、密度、多孔度、細孔サイズ、細孔形状、透過性、またはそれらの組み合わせを有し得る。電極は、第2の層を含み、第2の層は、第2の層多孔度を有する。第2の層多孔度は、全体としての第2の層の平均多孔度を示す。一実施形態では、上記第2の層多孔度は、第1の層多孔度以下であり、または、第2の層多孔度は、第1の層多孔度以上である。第2の層1406は、第1の層と同じ材料を含み得る。第2の層1406はまた、横方向で、または横方向に垂直に、組成物、形状、密度、多孔度、細孔サイズ、細孔形状、透過性、またはそれらの組み合わせにおいて変動性を含み得る。
【0287】
図14Dは、本開示の一実施形態による、第2の層1412と一緒の、第1の層における流体分散構成要素1408を概略的に示す。図14Dにおける電極実施形態は、図14Bにおける実施形態と同様である。図14Dにおける電極は、流体分散構成要素セグメント1410をさらに含む第1の層1408を含み、セグメント1410は、異なる組成物、形状、密度、多孔度、細孔サイズ、細孔形状、透過性、またはそれらの組み合わせを有し得る。第2の層1412は、第1の層と同じ材料を含み得る。第2の層1412はまた、横方向で、または横方向に垂直に、組成物、形状、密度、多孔度、細孔サイズ、細孔形状、透過性、またはそれらの組み合わせにおいて変動性を含み得る。
【0288】
図14Cは、本開示の一実施形態による、第2および第3の層と一緒の第1の層における流体分散構成要素を概略的に示す。図14Cにおける電極実施形態は、第1の層1414、第2の層1416および第3の層1418を含む。一実施形態では、第2の層および第3の層は、第1の層の両側に存在する。一実施形態では、第2の層および第3の層は、第1の層の両側と連続接触している。第1の層1414は、異なる組成物、形状、密度、多孔度、細孔サイズ、細孔形状、透過性、またはそれらの組み合わせを有するセグメント1420を含み得る。第2の層または第3の層は、第1の層と同じ材料を含み得る。第2の層または第3の層はまた、横方向で、または横方向に垂直に、組成物、形状、密度、多孔度、細孔サイズ、細孔形状、透過性、またはそれらの組み合わせにおいて変動性を含み得る。
【0289】
一実施形態では、第1、第2、または第3の層の材料多孔度は、20-60%の範囲、30-50%の範囲、30-40%の範囲または25-35%の範囲にある。一実施形態では、材料多孔度は、25%、または35%、または45%以上である。
【0290】
一実施形態では、電極は、10cm、または5cm、または1cm以下の厚さを有する。一実施形態では、電極は、8mm、または5mm、または1mm以下の厚さを有する。一実施形態では、電極は、100ミクロン、または80ミクロン、または60ミクロン以下の厚さを有する。
【0291】
一実施形態では、チャネルからの第1の層の透過性への寄与は、材料からの第1の層の透過性への寄与より大きい。一実施形態では、第1の層の透過性の50%、または70%、または90%以上は、チャネルの透過性による。一実施形態では、第1の層における材料の透過性は、第1の層におけるチャネルの透過性の50%以下、または10%以下、または1%以下、または0.001%以下である。
【0292】
本明細書では、下記を含む電気化学反応器(例えば、燃料電池)の導電性構成要素(ECC)を製造する方法が開示される:(a)基材上に第1の細孔形成剤体積分率VFp1を有する第1の細孔形成剤を含む第1の組成物を堆積させること;(b)基材上に第2の細孔形成剤体積分率VFp2を有する第2の細孔形成剤を含む第2の組成物を堆積させることであって、上記第1の組成物および第2の組成物がECCにおける第1の層を形成する、堆積させること;ならびに、(c)第1の細孔形成剤および第2の細孔形成剤が空いた空間を形成するように、第1の層を加熱すること。一実施形態では、上記VFp1は、0-100%、または10-90%、または30-70%、または50-100%、または90-100%の範囲にある。一実施形態では、VFp2は、0-100%、または0-70%、または25-75%、または30-60%の範囲にある。一実施形態では、加熱することは、還元反応または酸化反応、または還元および酸化反応の両方を含む。
【0293】
図15は、本開示の一実施形態による、二重多孔度を有する電極の実例である。図15は、二重多孔度を有する溝付電極を含むEC構成要素1500を示す。装置1500は、アノードガス入口1501、アノードガス出口1502、カソードガス入口1503、およびカソードガス出口1504を含む。分解立体図1505は、カソード層の一部の図である。図1506は、カソードのより近づいた図であり、図1506は、カソード1507から構成されるカソード層を通る薄片を表す。カソード1507は、ミクロ細孔形成剤を用いて形成される多孔性カソードである。チャネル1508は、マクロ細孔形成剤から形成されるチャネルを表す。
【0294】
一実施形態では、(a)および(b)は、印刷により、または押出により、または付加製造(AM)により、またはテープキャスティングにより、または噴霧により、または堆積により、またはスパッタリングにより、またはスクリーン印刷により達成される。一実施形態では、上記付加製造は、押出、光重合、粉末床溶融結合、材料噴射、バインダ噴射、指向性エネルギー堆積、積層を含む。
【0295】
一実施形態では、第1の細孔形成剤および第2の細孔形成剤は、同じである。一実施形態では、第1の細孔形成剤および第2の細孔形成剤は、異なる。一実施形態では、上記第1の細孔形成剤または第2の細孔形成剤は、10nm~1mmまたは100nm~100ミクロンまたは500ナノメートル~50ミクロンの範囲の平均直径を有する。一実施形態では、上記第1の細孔形成剤または第2の細孔形成剤は、サイズ分布を有する。一実施形態では、上記第1の細孔形成剤または第2の細孔形成剤は、炭素、グラファイト、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、セルロース、金属酸化物、またはそれらの組み合わせを含む。
【0296】
一実施形態では、方法は、(a)および(b)を繰り返して、ECCにおいて第2の層を形成すること;ならびに、第2の層を加熱することを含む。一実施形態では、第2の層を加熱することは、第1の層を加熱することと同時に起こる。一実施形態では、第2の層を加熱することは、第1の層を加熱することと異なる時に起こる。一実施形態では、第2の層を加熱することおよび第1の層を加熱することは、少なくとも一部の重なり期間を有する。一実施形態では、方法は、(a)および(b)を繰り返して、ECCにおいて第3の層を形成すること;ならびに、第3の層を加熱することを含む。一実施形態では、第2の層および第3の層は、第1の層の両側に存在する。一実施形態では、第1、第2、および第3の層を加熱することは、同時である。あるいは、第1、第2、および第3の層は、異なる時間で加熱される。一実施形態では、第1、第2、および第3の層の加熱は、重なり期間を有する。一実施形態では、第1、第2、または第3の層は、2回以上加熱される。
【0297】
一実施形態では、第2の細孔形成剤または第1の細孔形成剤または両方により引き起こされる空の空間の少なくとも一部は、第1の層内でチャネルになる。一実施形態では、チャネルは、体積分率VFcを有し、これはチャネルの体積と第1の層の体積の間の比率である。一実施形態では、上記VFcは、0-99%または1-30%または10-90%または5-50%または3-30%または1-50%の範囲にある。一実施形態では、上記VFcは、5%または10%または20%または30%または40%または50%以上である。
【0298】
一実施形態では、VFp1は、VFp2とは異なる。一実施形態では、上記第1の層は、二重多孔度、材料多孔度および層多孔度を有する。一実施形態では、材料多孔度は、20-60%、または30-50%、または30-40%、または25-35%の範囲にある。一実施形態では、材料多孔度は、25%または35%または45%以上である。
【0299】
一実施形態では、ECCは、10cmまたは5cmまたは1cm以下の厚さを有する。一実施形態では、ECCは、8mmまたは5mmまたは1mm以下の厚さを有する。一実施形態では、ECCは、100ミクロンまたは80ミクロンまたは60ミクロン以下の厚さを有する。
【0300】
一実施形態では、第1の層は、(c)後にチャネルおよび材料を含み、チャネルからの第1の層の透過性への寄与は、材料からの第1の層の透過性への寄与より大きい。一実施形態では、第1の層の透過性の50%または70%または90%以上は、チャネルの透過性による。一実施形態では、第1の層における材料の透過性は、第1の層におけるチャネルの透過性の50%以下または10%以下または1%以下または0.001%以下である。
【0301】
本明細書では、下記を含む方法が記載される:(a)第1の材料を付加製造機(AMM)に提供すること;(b)第2の材料をAMMに提供すること;(c)第1の材料および第2の材料を混合物へと混合すること;ならびに(d)上記混合物を部品に形成すること。一実施形態では、上記第1の材料または第2の材料は、ガス、または液体、または固体、またはゲルである。
【0302】
一実施形態では、上記付加製造は、押出、光重合、粉末床溶融結合、材料噴射、バインダ噴射、指向性エネルギー堆積、積層を含む。一実施形態では、上記AMは、直接金属レーザー焼結(DMLS)、選択的レーザー焼結(SLS)、選択的レーザー溶融(SLM)、指向性エネルギー堆積(DED)、レーザーメタルデポジション(LMD)、電子ビーム(EBAM)、または金属バインダ噴射を含む。一実施形態では、工程(c)および(d)は、連続して起こる。
【0303】
一実施形態では、工程(c)は、混合物中の第1の材料および第2の材料の比率を変化させることを含む。一実施形態では、混合物中の第1の材料および第2の材料の比率は、その場で変化する。一実施形態では、混合物中の第1の材料および第2の材料の比率は、リアルタイムで変化する。一実施形態では、混合物中の第1の材料および第2の材料の比率は、連続して変化する。一実施形態では、混合物中の第1の材料および第2の材料の比率は、組成プロファイルに従い変化する。一実施形態では、混合物中の第1の材料および第2の材料の比率は、マニュアルアルゴリズム、計算アルゴリズム、またはそれらの組み合わせに従い変化する。一実施形態では、混合物中の第1の材料および第2の材料の比率は、材料流速またはポンピング速度を制御することにより変化される。
【0304】
一実施形態では、工程(d)は、上記混合物をパターンで基材上に配置することを含む。一実施形態では、工程(d)は、上記混合物を予め決められた仕様に従い配置することを含む。
【0305】
一実施形態では、形成された部品は、様々な特性を有する。一実施形態では、特性は、強度、重量、密度、電気性能、電気化学性能、またはそれらの組み合わせを含む。様々な実施形態では、形成された部品は、異なるプロセスにより形成された同様の部品と比べて、優れた特性、例えば強度、密度、重量、電気性能、または電気化学性能、またはそれらの組み合わせを有する。
【0306】
一実施形態では、工程(d)は、上記混合物を基材上に堆積させることを含む。一実施形態では、混合は、堆積前、堆積中、または堆積後に起こる。一実施形態では、混合は、AMM内、または空気中、または基材上で起こる。一実施形態では、混合は、移流、分散、拡散、溶融、融合、ポンピング、撹拌、加熱、またはそれらの組み合わせにより起こる。
【0307】
本明細書では、(a)第1の材料源;(b)第2の材料源;ならびに(c)第1の材料および第2の材料を混合して混合物にするように構成されたミキサ、を含む付加製造機(AMM)が開示され;上記AMMは、上記混合物を部品に形成するように構成される。一実施形態では、上記第1の材料または第2の材料は、ガス、または液体、または固体、またはゲルである。
【0308】
一実施形態では、上記AMMは、押出、光重合、粉末床溶融結合、材料噴射、バインダ噴射、指向性エネルギー堆積、または積層を実施するように構成される。一実施形態では、上記AMMは、直接金属レーザー焼結(DMLS)、選択的レーザー焼結(SLS)、選択的レーザー溶融(SLM)、指向性エネルギー堆積(DED)、レーザーメタルデポジション(LMD)、電子ビーム(EBAM)、または金属バインダ噴射を実施するように構成される。
【0309】
一実施形態では、上記ミキサは、第1の材料および第2の材料を連続して混合するように構成され、その間、AMMは、上記混合物を部品に形成する。一実施形態では、上記ミキサは、混合物中の第1の材料および第2の材料の比率を変化させるように構成される。一実施形態では、上記ミキサは、混合物中の第1の材料および第2の材料の比率をその場で変化させるように構成される。ミキサは、混合物中の第1の材料および第2の材料の比率をリアルタイムで変化させるように構成され得る。一実施形態では、ミキサは、混合物中の第1の材料および第2の材料の比率を連続して変化させるように構成され得る。一実施形態では、ミキサは、混合物中の第1の材料および第2の材料の比率を組成プロファイルに従い変化させるように構成される。一実施形態では、ミキサは、混合物中の第1の材料および第2の材料の比率を、マニュアルアルゴリズム、計算アルゴリズム、またはそれらの組み合わせに従い変化させるように構成される。一実施形態では、上記ミキサは、混合物中の第1の材料および第2の材料の比率を、材料流速またはポンピング速度を制御することにより変化させるように構成される。
【0310】
一実施形態では、上記AMMは、上記混合物をパターンで基材上に配置するように構成される。一実施形態では、上記AMMは、上記混合物を予め決められた仕様に従い配置するように構成される。
【0311】
一実施形態では、形成された部品は、様々な特性を有する。一実施形態では、特性は、強度、重量、密度、電気性能、電気化学性能、またはそれらの組み合わせを含む。様々な実施形態では、形成された部品は、異なる装置を用いて形成された同様の部品と比べて、優れた特性、例えば強度、密度、重量、電気性能、または電気化学性能、またはそれらの組み合わせを有する。
【0312】
一実施形態では、AMMは、上記混合物を基材上に堆積させるように構成される。一実施形態では、混合は、堆積前、堆積中、または堆積後に起こる。一実施形態では、混合は、AMM内、または空気中、または基材上で起こる。一実施形態では、混合は、移流、分散、拡散、溶融、融合、ポンピング、撹拌、加熱、またはそれらの組み合わせにより起こる。
【0313】
統合した堆積および加熱
組成物を基材上に一片ずつ堆積させて(これはまた、ライン毎の(line-by-line)堆積としても記載され得る)物体を形成させること;その場で物体を電磁放射線(EMR)を使用して加熱すること、を含む方法が本明細書で開示され;上記組成物は、第1の材料および第2の材料を含み、第2の材料は、第1の材料より高いEMRの吸光度を有する。様々な実施形態では、加熱することは、乾燥、硬化、焼結、アニーリング、シーリング、合金化、蒸発、再構成、発泡またはそれらの組み合わせを含む効果を引き起こし得る。いくつかの実施形態では、EMRは、10~1500nmの範囲のピーク波長および0.1ジュール/cmの最小エネルギー密度を有し、ピーク波長は、波長に関する放射照度に基づく。いくつかの実施形態では、EMRは、UV光、近紫外光、近赤外光、赤外光、可視光、レーザーまたは電子ビームの1つ以上を含む。
【0314】
図16は、本開示の一実施形態による、電磁放射線(EMR)を使用する、統合した堆積および加熱のためのシステムを示す。システム1600が、燃料電池またはECガス発生器などの電気化学反応器を組立てるために使用され得る。図16は、この開示の一実施形態による、システム1600、堆積ノズル1601およびその場で加熱するためのEMR1602により形成されるレシーバ1604上の物体1603をさらに示す。レシーバ1604は、移動するプラットフォームであってよく、堆積、熱、照射、またはそれらの組み合わせをさらに受け取ることができる。レシーバ1604はまた、チャンバと呼ばれ得、チャンバは、完全に封入され、部分的に封入され、または大気に完全に開放され得る。
【0315】
いくつかの実施形態では、第1の材料は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、8YSZ(8mol%YSZ粉末)、イットリウム、ジルコニウム、ガドリニアドープセリア(GDCまたはCGO)、サマリアドープセリア(SDC)、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)、ランタンストロンチウムマンガナイト(LSM)、ランタンストロンチウムコバルトフェライト(LSCF)、ランタンストロンチウムコバルタイト(LSC)、ランタンストロンチウムガリウムマグネシウム酸化物(LSGM)、ニッケル、NiO、NiO-YSZ、Cu-CGO、CuO、CuO、セリウム、銅、銀、crofer、鋼、ランタンクロマイト、ドープランタンクロマイト、フェライト鋼、ステンレス鋼またはそれらの組み合わせを含む。他の実施形態では、第1の材料は、YSZ、SSZ、CGO、SDC、NiO-YSZ、LSM-YSZ、CGO-LSCF、ドープランタンクロマイト、ステンレス鋼またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、第2の材料は、炭素、酸化ニッケル、ニッケル、銀、銅、CGO、SDC、NiO-YSZ、NiO-SSZ、LSCF、LSM、ドープランタンクロマイトフェライト鋼またはそれらの組み合わせを含む。第1の材料は、本明細書で前に開示された任意の電極材料を含み得る。
【0316】
いくつかの実施形態では、物体1603は、触媒、触媒担体、触媒複合物、アノード、カソード、電解質、電極、インターコネクト、シール、燃料電池、電気化学ガス発生器、電気分解装置、電気化学コンプレッサ、反応器、熱交換器、容器またはそれらの組み合わせを含む。
【0317】
いくつかの実施形態では、第2の材料は、第1の材料と同じ薄片に堆積され得る。他の実施形態では、第2の材料は、第1の材料を含む別の薄片に隣接する薄片に堆積され得る。いくつかの実施形態では、上記加熱は、第2の材料の少なくとも一部を除去できる。好ましい実施形態では、上記加熱は、第2の材料の最小残留物を残し、そのため構築される装置のプロセスにおいてその後の工程または動作を妨害するであろう著しい残留物はない。より好ましくは、これは、第2の材料の部分の測定可能な残留物を残さない。
【0318】
いくつかの実施形態では、第2の材料は、加熱の間、熱エネルギーを第1の材料に付加し得る。他の実施形態では、第2の材料は、第1の材料の少なくとも5倍である放射線吸光度を有し;第2の材料は、第1の材料の少なくとも10倍である放射線吸光度を有し;第2の材料は、第1の材料の少なくとも50倍である放射線吸光度を有し、または第2の材料は、第1の材料の少なくとも100倍である放射線吸光度を有する。
【0319】
いくつかの実施形態では、第2の材料は、200nm、または250nm、または300nm、または400nm、または500nm以上のピーク吸光度波長を有し得る。他の実施形態では、第1の材料は、700nm、または600nm、または500nm、または400nm、または300nm以下のピーク吸光度波長を有する。他の実施形態では、EMRは、200nm、または250nm、または300nm、または400nm、または500nm以上のピーク波長を有する。
【0320】
いくつかの実施形態では、第2の材料は、炭素、酸化ニッケル、ニッケル、銀、銅、CGO、NiO-YSZ、LSCF、LSM、フェライト鋼、他の金属酸化物またはそれらの組み合わせを含み得る。場合によっては、フェライト鋼は、Crofer 22APUである。いくつかの実施形態では、第1の材料は、YSZ、CGO、NiO-YSZ、LSM-YSZ、他の金属酸化物またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、第2の材料は、LSCF、LSM、炭素、酸化ニッケル、ニッケル、銀、銅、または鋼を含む。いくつかの実施形態では、炭素は、グラファイト、グラフェン、炭素ナノ粒子、ナノダイヤモンドまたはそれらの組み合わせを含む。第2の材料は、本明細書で前に開示された任意の電極材料を含み得る。
【0321】
いくつかの実施形態では、堆積方法は、材料噴射、バインダ噴射、インクジェット印刷、エアロゾル噴射、エアロゾルジェット印刷、液槽光重合、粉末床溶融結合、材料押出、指向性エネルギー堆積、シート積層、超音波インクジェット印刷またはそれらの組み合わせを含む。
【0322】
いくつかの実施形態では、堆積方法は、EMRからレシーバまでの距離、EMRエネルギー密度、EMRスペクトル、EMR電圧、EMR曝露期間、EMR曝露面積、EMR曝露体積、EMRバースト周波数、EMR曝露反復数を制御する工程の1つ以上をさらに含む。一実施形態では、物体は、堆積工程と加熱工程の間で位置を変えない。一実施形態では、EMRは、1W、または10W、または100W、または1000W以上の電力出力を有する。
【0323】
少なくとも1つの堆積ノズル、電磁放射線(EMR)源および堆積レシーバを含むシステムもまた、本明細書で開示され、堆積レシーバは、同じ位置でEMR曝露および堆積を受け取るように構成される。場合によっては、レシーバは、それが第1の期間堆積を受け取り、システム内の異なる位置に移動して、第2の期間EMR曝露を受け取るように構成される。
【0324】
次の詳細な説明は、例示を目的として、固体酸化物燃料電池(SOFC)の生成を記載する。当業者であれば認識するように、方法および製造プロセスは、全ての燃料電池型に適用可能である。そのようなものとして、全ての燃料電池型の生成は、この開示の範囲内にある。
【0325】
付加製造
付加製造(AM)は、材料を、通常一片ずつ、または、層の上に層を重ねて、接合させ、物体を作製する一群の技術を指す。AMは、機械加工、切断、粉砕またはエッチングによる材料の一部の除去を含む減法製造法と対照的である。AMはまた、積層造形、加法過程、加法技術、付加層製造、層製造または自由形状製作と呼ばれ得る。AMのいくつかの例は、押出、光重合、粉末床溶融結合、材料噴射、バインダ噴射、指向性エネルギー堆積、積層、直接金属レーザー焼結(DMLS)、選択的レーザー焼結(SLS)、選択的レーザー溶融(SLM)、指向性エネルギー堆積(DED)、レーザーメタルデポジション(LMD)、電子ビーム(EBAM)および金属バインダ噴射である。3Dプリンタは、AM機(AMM)の1つの型である。インクジェットプリンタまたは超音波インクジェットプリンタは、AMMの追加の例である。
【0326】
第1の態様では、発明は、下記を含むECガス発生器または燃料電池などの電気化学反応器を製造する方法である:(a)AMMを使用してアノードを生成すること;(b)AMMを使用して電解質を作製すること;ならびに(c)AMMを使用してカソードを製造すること。好ましい実施形態では、アノード、電解質、およびカソードは、AMMを使用して完了されない他の工程に加えて、AMMを利用して燃料電池へと組立てられる。好ましい実施形態では、燃料電池は、AMMのみを使用して形成される。他の実施形態では、工程(a)、(b)、および(c)は、テープキャスティングおよびスクリーン印刷を排除する。一実施形態では、AMMを用いて燃料電池を組立てる方法は、組立てにおける圧縮を排除する。他の実施形態では、層は、積み重ねて段階様式で堆積され、そのため組立ては堆積と同時に達成される。本明細書で記載される方法は、平面燃料電池の製造において有用である。本明細書で記載される方法はまた、燃料電池の製造において有用であり、電流は、燃料電池が使用される時に横方向の電解質に垂直である。
【0327】
一実施形態では、インターコネクト、アノード、電解質、およびカソードは、層の上に層を重ねて形成され、例えば、層の上に層を重ねて印刷される。発明の範囲内で、これらの層を形成する順序は変化させることができることに注意することが重要である。言い換えれば、アノードまたはカソードのどちらか一方は、他方の前に形成されてよい。当然、電解質は、それがアノードとカソードの間にあるように形成される。バリア層(複数可)、触媒層(複数可)およびインターコネクト(複数可)は、それらの機能を果たすために、燃料電池内の適切な位置に存在するように形成される。
【0328】
いくつかの実施形態では、インターコネクト、アノード、電解質、およびカソードの各々は、6つの面を有する。好ましい実施形態では、アノードはインターコネクト上に印刷され、インターコネクトと接触し;電解質はアノード上に印刷され、アノードと接触し;カソードは電解質上に印刷され、電解質と接触する。各プリントは、例えば、EMRを使用して焼結され得る。そのようなものとして、組立てプロセスおよび形成プロセスは同時に起こり、これは、従来の方法では可能ではない。その上、好ましい実施形態により、必要とされる電気接触および気密性もまた、同時に達成される。対照的に、従来の燃料電池組立てプロセスは、燃料電池構成要素または層の加圧または圧縮によりこれを達成する。加圧または圧縮プロセスは燃料電池層に望ましくない亀裂を引き起こす可能性がある。
【0329】
いくつかの実施形態では、AM方法は、AMMを使用して少なくとも1つのバリア層を製造することを含む。好ましい実施形態では、少なくとも1つのバリア層は、電解質とカソードの間または電解質とアノードの間または両方に配置され得る。他の実施形態では、少なくとも1つのバリア層は、AMMを使用して、アノード、電解質、およびカソードと共に組立てられ得る。いくつかの実施形態では、バリア層は、燃料電池において必要とされず、または使用されない。
【0330】
いくつかの実施形態では、AM方法は、AMMを使用してインターコネクを製造することを含む。他の実施形態では、インターコネクトは、AMMを使用して、アノード、電解質、およびカソードと共に組立てられ得る。いくつかの実施形態では、AMMは、触媒を形成し、上記触媒を燃料電池に組み入れる。
【0331】
いくつかの実施形態では、アノード、電解質、カソード、およびインターコネクトは、100℃を超える温度で製造される。いくつかの実施形態では、AM方法は、燃料電池を加熱することを含み、上記燃料電池は、アノード、電解質、カソード、インターコネクト、および任意で少なくとも1つのバリア層を含む。いくつかの実施形態では、燃料電池は、触媒を含む。いくつかの実施形態では、方法は、燃料電池を、500℃を超える温度に加熱することを含む。いくつかの実施形態では、燃料電池は、EMRまたはオーブン硬化の1つまたは両方を使用して加熱される。
【0332】
好ましい実施形態では、AMMは、マルチノズル付加製造法を利用する。好ましい実施形態では、マルチノズル付加製造法は、ナノ粒子噴射を含む。いくつかの実施形態では、第1のノズルは、第1の材料を送達し、第2のノズルは、第2の材料を送達し、第3のノズルは、第3の材料を送達する。いくつかの実施形態では、第4の材料の粒子は、部分的に構成された燃料電池と接触して配置され、部分的に構成された燃料電池に、レーザー、光電効果、光、熱、重合、または結合を用いて接着される。一実施形態では、アノード、またはカソード、または電解質は、第1、第2、第3または第4の材料を含む。好ましい実施形態では、AMMは、複数のAM技術を実施する。様々な実施形態では、AM技術は、押出、光重合、粉末床溶融結合、材料噴射、バインダ噴射、指向性エネルギー堆積または積層の1つ以上を含む。様々な実施形態では、AMは、材料噴射、バインダ噴射、インクジェット印刷、エアロゾル噴射、またはエアロゾルジェット印刷、液槽光重合、粉末床溶融結合、材料押出、指向性エネルギー堆積、シート積層、超音波インクジェット印刷またはそれらの組み合わせを含む堆積技術である。
【0333】
下記を含む、燃料電池スタックを製造するAM方法が本明細書でさらに記載される:(a)付加製造機(AMM)を使用してアノードを生成すること;(b)AMMを使用して電解質を作製すること;(c)AMMを使用してカソードを製造すること;(d)AMMを使用してインターコネクトを製造することであって;アノード、電解質、カソード、およびインターコネクトが第1の燃料電池を形成する、製造すること;(e)工程(a)-(d)を繰り返して、第2の燃料電池を製造すること;ならびに(f)第1の燃料電池および第2の燃料電池を燃料電池スタックに組立てること。
【0334】
いくつかの実施形態では、第1の燃料電池および第2の燃料電池は、AMMを使用してアノード、電解質、カソード、およびインターコネクトから形成される。一実施形態では、燃料電池スタックは、AMMのみを使用して形成される。他の実施形態では、工程(a)-(f)は、テープキャスティングおよびスクリーン印刷の1つまたは両方を排除する。
【0335】
いくつかの実施形態では、AM方法は、AMMを使用して少なくとも1つのバリア層を製造することを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバリア層は、第1の燃料電池および第2の燃料電池のために、電解質とカソードの間または電解質とアノードの間または両方に配置される。
【0336】
いくつかの実施形態では、工程(a)-(d)は、100℃を超える温度で実施される。他の実施形態では、工程(a)-(d)は、100℃~500℃の温度で実施される。いくつかの実施形態では、AMMは、触媒を製造し、上記触媒を燃料電池スタックに組み入れる。
【0337】
いくつかの実施形態では、AM方法は、燃料電池スタックを加熱することを含む。一実施形態では、AM方法は、燃料電池スタックを500℃を超える温度に加熱することを含む。いくつかの実施形態では、燃料電池スタックは、EMRまたはオーブン硬化を使用して加熱される。いくつかの実施形態では、レーザーは、レーザービームを有し、レーザービームは、拡大されて、均一な電力密度を有する加熱ゾーンを生成する。いくつかの実施形態では、レーザービームは、1つ以上のミラーの使用により拡大される。いくつかの実施形態では、燃料電池の各層は、EMRにより別々に硬化される。いくつかの実施形態では、1つ以上の燃料電池層の組み合わせは、EMRにより一緒に硬化され得る。いくつかの実施形態では、第1の燃料電池は、EMR硬化され、第2の燃料電池と共に組立てられ、次いで第2の燃料電池は、EMR硬化される。他の実施形態では、第1の燃料電池は、第2の燃料電池と共に組立てられ、次いで第1の燃料電池および第2の燃料電池は、EMRにより別々に硬化される。いくつかの実施形態では、第1の燃料電池および第2の燃料電池は、EMRにより別々に硬化され得、次いで第1の燃料電池は、第2の燃料電池と共に組立てられて、燃料電池スタックを形成する。いくつかの実施形態では、第1の燃料電池は、第2の燃料電池と共に組立てられて、燃料電池スタックを形成し、次いで燃料電池スタックは、EMRにより硬化され得る。
【0338】
下記を含む多重燃料電池を製造するAM方法もまた、本明細書で記載される:(a)付加製造機(AMM)を使用して同時に多重アノードを生成すること;(b)AMMを使用して同時に多重電解質を作製すること;ならびに(c)AMMを使用して同時に多重カソードを製造すること。好ましい実施形態では、アノード、電解質、およびカソードは、AMMを利用して燃料電池へと同時に組立てられる。他の好ましい実施形態では、燃料電池は、AMMのみを使用して形成される。
【0339】
いくつかの実施形態では、方法は、同時に、多重燃料電池の各々のために、AMMを使用して少なくとも1つのバリア層を製造することを含む。少なくとも1つのバリア層は、電解質とカソードの間に配置され得、または電解質とアノードの間に配置され得、または両方である。好ましい実施形態では、少なくとも1つのバリア層は、各燃料電池のために、アノード、電解質、およびカソードと共に、AMMを使用して組立てられ得る。
【0340】
いくつかの実施形態では、方法は、同時に、多重燃料電池の各々のために、AMMを使用してインターコネクトを製造することを含む。インターコネクトは、各燃料電池のために、アノード、電解質、およびカソードと共に、AMMを使用して組立てられ得る。他の実施形態では、AMMは、同時に、多重燃料電池の各々のために、触媒を形成し、上記触媒を燃料電池の各々に組み入れる。他の実施形態では、各層の加熱または多重燃料電池の層の組み合わせの加熱は、同時に起こる。多重燃料電池は、2つ以上の燃料電池を含み得る。
【0341】
好ましい実施形態では、AMMは、異なる材料を同時に噴射または印刷するために2つ以上の異なるノズルを使用する。第1の例では、AMMにおいて、同時に、第1のノズルは、燃料電池1のためのアノード層を堆積させ、第2のノズルは、燃料電池2のためのカソード層を堆積させ、および第3のノズルは、燃料電池3のための電解質を堆積させる。第2の例では、AMMにおいて、同時に、第1のノズルは、燃料電池1のためのアノードを堆積させ、第2のノズルは、燃料電池2のためのカソードを堆積させ、第3のノズルは、燃料電池3のための電解質を堆積させ、および第4のノズルは、燃料電池4のためのインターコネクトを堆積させる。
【0342】
燃料電池の製造が起こるチャンバを含む付加製造機(AMM)が、本明細書で開示される。上記チャンバは、少なくとも100℃の温度に耐えることができる。一実施形態では、上記チャンバは、燃料電池の生成を可能にする。チャンバは、燃料電池の構成要素が堆積される時に、その場での燃料電池の加熱を可能にする。
【0343】
いくつかの実施形態では、チャンバは、レーザー、電磁波/電磁放射線(EMR)、熱流体、またはチャンバと関連する加熱要素、またはそれらの組み合わせにより加熱され得る。加熱要素は、加熱面、加熱コイルまたは加熱ロッドを含み得る。他の実施形態では、上記チャンバは、内側の燃料電池に圧力を適用するように構成される。圧力は、チャンバと関連する可動部を介して適用され得る。可動部は、可動スタンプまたはプランジャーであり得る。いくつかの実施形態では、上記チャンバは、圧力に耐えるように構成される。チャンバは、流体により加圧され、または減圧されるように構成され得る。チャンバ内の流体は、必要なときに変更されまたは置き換えられ得る。
【0344】
場合によっては、チャンバは、封入され得る。場合によっては、チャンバは、密閉され得る。場合によっては、チャンバは、周囲雰囲気または制御された雰囲気に開放され得る。場合によっては、チャンバは、上壁および側壁のないプラットフォームであり得る。
【0345】
図16を参照して、システム1600は、堆積ノズルまたは材料噴射ノズル1601、EMR源1602(例えば、キセノンランプ)、形成される物体1603、およびAMMの一部としてのチャンバまたはレシーバ1604を含む。図16に示されるように、チャンバまたはレシーバ1604は、ノズルからの堆積物およびEMR源1602からの放射線の両方を受け取るように構成される。様々な実施形態では、堆積ノズル1601は、可動性であり得る。様々な実施形態では、チャンバまたはレシーバ1604は、可動性であり得る。様々な実施形態では、EMR源1602は、可動性である。様々な実施形態では、物体は、触媒、触媒担体、触媒複合物、アノード、カソード、電解質、電極、インターコネクト、シール、燃料電池、電気化学ガス発生器、電気分解装置、電気化学コンプレッサ、反応器、熱交換器、容器またはそれらの組み合わせを含む。
【0346】
この開示に好適なAM技術は、押出、光重合、粉末床溶融結合、材料噴射、バインダ噴射、指向性エネルギー堆積および積層を含む。いくつかの実施形態では、押出が、AMのために使用され得る。押出AMは、材料(例えば、熱可塑性物質)の空間的に制御された堆積を含む。押出AMはまた、この開示では、溶融フィラメント製造(FFF)または熱溶解積層法(FDM)と呼ばれ得る。
【0347】
いくつかの実施形態では、AMは、この開示のプロセスのための光重合(すなわち、ステレオリソグラフィー(SLA))を含む。SLAは、走査レーザーまたは高解像度投射画像を使用し、および光活性液体を架橋固体に変換する、光活性液体(「フォトレジン」)の空間的に規定される硬化を含む。光重合は、マイクロメートル~メートルスケールの範囲の細部および寸法を有する部品を生成できる。
【0348】
いくつかの実施形態では、AMは、粉末床溶融結合(PBF)を含む。PBF AMプロセスは、粉末化供給原料、例えば、ポリマまたは金属を溶融することにより物体を構築する。PBFプロセスは、構築エリア全体に粉末の薄層を広げることにより開始する。断面が次いで、ほとんどの場合レーザー、電子ビーム、または高強度赤外線ランプを使用して、一度に1層、溶融される。いくつかの実施形態では、金属のPBFは、選択的レーザー溶融(SLM)または電子ビーム溶融(EBM)を使用し得る。他の実施形態では、ポリマのPBFは、選択的レーザー焼結(SLS)を使用し得る。様々な実施形態では、SLSシステムは、熱可塑性ポリマ材料、ポリマ複合物またはセラミックを印刷し得る。様々な実施形態では、SLMシステムは、様々な純粋金属および合金に好適であり得、合金は、SLMにおいて起こる急速固化に適合する。
【0349】
いくつかの実施形態では、AMは、材料噴射を含み得る。材料噴射によるAMは、空間制御により材料の小滴(または液滴)を堆積させることにより達成され得る。様々な実施形態では、材料噴射は、三次元的に(3D)、二次元的に(2D)または両方で実施される。好ましい実施形態では、3D噴射は、1層ずつ達成される。好ましい実施形態では、プリント作成は、コンピューター支援設計(CAD)を、材料組成、色、および他の変数の仕様と共に、各層に対する印刷命令に変換する。バインダ噴射AMは、液体バインダの粉末床上へのインクジェット堆積を含む。場合によっては、バインダ噴射は、例えば、粉末を広げて粉末床を作製すること(SLS/SLMに類似)、およびインクジェット印刷などの、他のAMプロセスと組み合わされる。
【0350】
いくつかの実施形態では、AMは、指向性エネルギー堆積(DED)を含む。上記粉末床を使用する代わりに、DEDプロセスは、レーザー、電気アークまたは電子ビームなどのエネルギー集約源と一緒に、粉末の指向流またはワイヤフィードを使用する。好ましい実施形態では、DEDは、直接書きプロセスであり、材料堆積の場所が、堆積ヘッドの移動により決定され、これは、大きな金属構造が粉末床の制約なしに構築されることを可能にする。
【0351】
いくつかの実施形態では、AMは、積層AM、または積層物体製造(LOM)を含む。好ましい実施形態では、3D構造を形成するために、シート材料の連続した層が、連続して接着され、切断される。
【0352】
燃料電池スタックを製造する従来の方法は、100を超える工程を含み得る。これらの工程としては、ミリング、粉砕、濾過、分析、混合、結合、蒸発、エージング、乾燥、押出、展延、テープキャスティング、スクリーン印刷、スタッキング、加熱、加圧、焼結および圧縮が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で開示される方法は、1つのAMMを使用する燃料電池または燃料電池スタックの製造を説明する。
【0353】
この開示のAMMは好ましくは、押出およびインク噴射の両方を実施して、燃料電池または燃料電池スタックを製造する。押出が、燃料電池のより厚い層、例えば、アノードおよび/またはカソードを製造するために使用され得る。インク噴射が、燃料電池の薄層を製造するために使用され得る。インク噴射が、電解質を製造するために使用され得る。AMMは、AMM自体において硬化を可能にするのに十分な温度範囲で動作できる。そのような温度範囲は、100℃以上、100℃-300℃または100℃-500℃である。
【0354】
好ましい例として、燃料電池の全ての層は、印刷により形成され組立てられる。アノード、カソード、電解質、およびインターコネクトを、それぞれ製造するための材料は、溶媒および粒子(例えば、ナノ粒子)を含むインク形態にされ得る。2つのカテゴリのインク配合物が存在する-水性インクおよび非水性インク。場合によっては、水性インクは、水性溶媒(例えば、水、脱イオン水)、粒子、分散剤および界面活性剤を含む。場合によっては、水性インクは、水性溶媒、粒子、分散剤、界面活性剤を含むが、ポリマバインダは含まない。水性インクは任意で、共溶媒、例えば、有機混和性溶媒(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール)を含み得る。そのような共溶媒は好ましくは、水より低い沸点を有する。分散剤は、静電分散剤、立体分散剤、イオン性分散剤、または非イオン性分散剤、またはそれらの組み合わせであり得る。界面活性剤は好ましくは、非イオン性、例えば、アルコールアルコキシレートまたはアルコールエトキシレートであり得る。非水性インクは、有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール)および粒子を含み得る。
【0355】
例えば、CGO粉末は、水と混合されて、分散剤および界面活性剤をさらに含むがポリマバインダは添加されない水性インクを形成する。質量に基づくCGO割合(本明細書では重量%(wt%)として表される)は、10wt%~25wt%の範囲にある。例えば、CGO粉末は、エタノールと混合されて、添加されたポリビニルブタリル(polyvinyl butaryl)をさらに含む非水性インクを形成し、CGO割合は、3wt%~30wt%の範囲にある。例えば、LSCFは、n-ブタノールまたはエタノールと混合されて、ポリビニルブタリル(polyvinyl butaryl)をさらに含む非水性インクを形成し、LSCF割合は、10wt%~40wt%の範囲にある。例えば、YSZ粒子は、水と混合されて、分散剤および界面活性剤をさらに含むがポリマバインダは添加されない水性インクを形成する。YSZ割合は、3wt%~40wt%の範囲にある。例えば、NiO粒子は、水と混合されて、分散剤および界面活性剤をさらに含むがポリマバインダは添加されない水性インクを形成し、NiO割合は、5wt%~25wt%の範囲にある。
【0356】
一例として、燃料電池のカソードについては、LSCFまたはLSM粒子が、溶媒に溶解され、溶媒は、水またはアルコール(例えば、ブタノール)またはアルコールの混合物である。他の例では、アルコール以外の有機溶媒もまた、使用され得る。一例として、LSCFは、層へと堆積される(例えば、印刷される)。キセノンランプが、LSCF層をEMRで照射してLSCFを焼結させるために、使用され得る。キセノンフラッシュランプは、1000msの総曝露期間の間400Vの電圧および10Hzの周波数で適用される、10kWユニットであり得る。
【0357】
例えば、電解質については、YSZ粒子は、溶媒と混合され、溶媒は、水(例えば、脱イオン水)またはアルコール(例えば、ブタノール)またはアルコールの混合物である。他の例では、アルコール以外の有機溶媒もまた、使用され得る。インターコネクトについては、金属粒子(例えば、銀ナノ粒子)が、溶媒に溶解され、溶媒は、水(例えば、脱イオン水)および有機溶媒を含み得る。有機溶媒は、モノ、ジ、またはトリエチレングリコールまたはより高級なエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオールまたはそのようなグリコールのエーテル、チオジグリコール、グリセロールならびにそのエーテルおよびエステル、ポリグリセロール、モノ、ジ、およびトリエタノールアミン、プロパノールアミン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチルイミダゾリドン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、ジアセトンアルコール、アセトン、メチルエチルケトンまたは炭酸プロピレン、またはそれらの組み合わせを含み得る。燃料電池におけるバリア層については、CGO粒子は、溶媒に溶解され、溶媒は、水(例えば、脱イオン水)またはアルコールであり得る。アルコールは、メタノール、エタノール、ブタノールまたはアルコールの混合物を含み得る。アルコール以外の有機溶媒もまた、使用され得る。CGOは、LSCFのためのバリア層として使用され得る。YSZもまた、LSMのためのバリア層として使用され得る。場合によっては、水が溶媒である水性インクについては、ポリマバインダは、水性インクに添加されなくてよい。
【0358】
従来の燃料電池の製造プロセスは時として、100を超える工程を含み、数十の機械を使用する。この開示の一実施形態によれば、燃料電池を製造する方法は、たった1つのAMMを使用して燃料電池を製造することを含み、燃料電池は、アノード、電解質およびカソードを含む。好ましい実施形態では、燃料電池は、例えば、電解質とカソードの間、または電解質とカソードの間、または両方に少なくとも1つのバリア層を含む。少なくとも1つのバリア層もまた、好ましくは同じAMMにより製造される。好ましい実施形態では、AMMはまた、インターコネクトを生成し、インターコネクトをアノード、カソード、少なくとも1つのバリア層、および電解質と共に組立てることができる。そのような製造方法およびシステムは、燃料電池の製造だけでなく、他の型の電気化学装置の製造にも適用可能である。次の議論は、燃料電池を一例として使用するが、いずれの反応器または触媒もこの開示の範囲内にある。
【0359】
様々な実施形態では、単一のAMMは、第1の燃料電池を製造し、燃料電池は、アノード、電解質、カソード、少なくとも1つのバリア層およびインターコネクトを含む。様々な実施形態では、単一のAMMは、第2の燃料電池を製造する。様々な実施形態では、単一のAMMは、第1の燃料電池を第2の燃料電池と共に組立てるために使用されて燃料電池スタックを形成する。様々な実施形態では、AMMを使用する燃料電池の生成は、所望のように何回でも繰り返される。2つ以上の燃料電池を含む燃料電池スタックは、このようにAMMを使用して組立てられる。いくつかの実施形態では、燃料電池の様々な層は、周囲温度超でAMMにより生成される。例えば、温度は、100℃超、100℃~500℃の範囲または100℃~300℃の範囲であってよい。様々な実施形態では、燃料電池または燃料電池スタックは、それが組立てられた後に加熱される。いくつかの実施形態では、燃料電池または燃料電池スタックは、500℃を超える温度で加熱される。好ましい実施形態では、燃料電池または燃料電池スタックは、500℃~1500℃の範囲の温度で加熱される。
【0360】
様々な実施形態では、AMMは、燃料電池の製造が起こるチャンバを含む。このチャンバは、燃料電池の生成を可能にする高温に耐えることができ、高温は、少なくとも300℃、少なくとも500℃、少なくとも1000℃または少なくとも1500℃である。場合によっては、このチャンバはまた、燃料電池の加熱がチャンバ内で起こることを可能にする。様々な加熱方法、例えばレーザー加熱/硬化、電磁波加熱、熱流体加熱またはチャンバと関連する1つ以上の加熱要素、が適用され得る。加熱要素は、加熱面、加熱コイルまたは加熱ロッドであってよく、チャンバ内の内容物が所望の温度範囲に加熱されるようにチャンバと関連付けられる。様々な実施形態では、AMMのチャンバはまた、内側の燃料電池(複数可)に圧力を適用できる。例えば、圧力は、可動スタンプまたはプランジャーなどの可動部を介して適用され得る。様々な実施形態では、AMMのチャンバは、圧力に耐えることができる。チャンバは、流体により要望通り加圧または減圧できる。チャンバ内の流体はまた、必要に応じ変更され、または、置き換えられてよい。
【0361】
好ましい実施形態では、燃料電池または燃料電池スタックは、EMRを使用して加熱される。他の実施形態では、燃料電池または燃料電池スタックは、オーブン硬化を使用して加熱され得る。他の実施形態では、レーザービームは、拡大されて(例えば、1つ以上のミラーの使用により)、均一な電力密度を有する加熱ゾーンを生成する。好ましい実施形態では、燃料電池の各層は、別々にEMRにより硬化され得る。好ましい実施形態では、燃料電池層の組み合わせ、例えば、アノード層、電解質層、およびカソード層の組み合わせは、別々にEMR硬化され得る。いくつかの実施形態では、第1の燃料電池は、EMR硬化され、第2の燃料電池と共に組立てられ、次いで第2の燃料電池が、EMR硬化される。一実施形態では、第1の燃料電池は、第2の燃料電池と共に組立てられ、次いで第1の燃料電池および第2の燃料電池は、別々にEMR硬化される。一実施形態では、第1の燃料電池は、第2の燃料電池と共に組立てられて燃料電池スタックを形成し、次いで燃料電池スタックは、EMR硬化される。2つ以上の燃料電池を含む燃料電池スタックは、EMR硬化され得る。一連のレーザー加熱/硬化および組立ては、全ての他の加熱方法に適用可能である。
【0362】
好ましい実施形態では、AMMは、多重燃料電池の各層を同時に生成する。好ましい実施形態では、AMMは、多重燃料電池の各層を同時に組立てる。好ましい実施形態では、多重燃料電池の各層の加熱または層の組み合わせの加熱は、同時に起こる。燃料電池または燃料電池スタックについて本明細書で記載される全ての議論および全ての特徴は、多重燃料電池の生成、組立て、および加熱に適用可能である。好ましい実施形態では、燃料電池の多重度は、2以上、20以上、50以上,80以上、100以上、500以上、800以上、1000以上、5000以上または10,000以上であってよい。
【0363】
処理プロセス
本明細書では、次の効果の1つ以上を含む処理プロセスが開示される:加熱、乾燥、硬化、焼結、アニーリング、シーリング、合金化、蒸発、再構成、発泡または焼結。好ましい処理プロセスは、焼結である。処理プロセスは、基材を電磁放射線(EMR)源に曝露することを含む。いくつかの実施形態では、EMRは、第1の材料を有する基材に曝露される。様々な実施形態では、EMRは、10~1500nmの範囲のピーク波長を有する。様々な実施形態では、EMRは、0.1ジュール/cmの最小エネルギー密度を有する。一実施形態では、EMRは、10-4-1000Hzまたは1-1000Hzまたは10-1000Hzのバースト周波数を有する。一実施形態では、EMRは、50mm以下の曝露距離を有する。一実施形態では、EMRは、0.1msまたは1ms以上の曝露期間を有する。一実施形態では、EMRは、100V以上のコンデンサ電圧を用いて適用される。例えば、EMRの単一パルスは、約10mmの曝露距離および5-20msの曝露期間を用いて適用される。例えば、EMRの多重パルスは、100Hzのバースト周波数で、約10mmの曝露距離および5-20msの曝露期間を用いて適用される。いくつかの実施形態では、EMRは、1曝露から構成される。他の実施形態では、EMRは、10曝露以下、または100曝露以下、または1000曝露以下、または10,000曝露以下を含む。
【0364】
様々な実施形態では、金属およびセラミックは、パルス光を使用してほとんど瞬時に(<<10ミクロンではミリ秒)焼結される。焼結温度は、100℃~2000℃の範囲にあるように制御され得る。焼結温度は、深さの関数として調整され得る。1つの例では、表面温度は、1000℃であり、表面下は、100℃で維持され、表面下は、表面より100ミクロン下である。いくつかの実施形態では、この処理プロセスに好適な材料としては、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、8YSZ(8mol%YSZ粉末)、イットリウム、ジルコニウム、ガドリニアドープセリア(GDCまたはCGO)、サマリアドープセリア(SDC)、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)、ランタンストロンチウムマンガナイト(LSM)、ランタンストロンチウムコバルトフェライト(LSCF)、ランタンストロンチウムコバルタイト(LSC)、ランタンストロンチウムガリウムマグネシウム酸化物(LSGM)、ニッケル、NiO、NiO-YSZ、Cu-CGO、CuO、CuO、セリウム、銅、銀、crofer、鋼、ランタンクロマイト、ドープランタンクロマイト、フェライト鋼、ステンレス鋼、またはそれらの組み合わせが挙げられる。この処理プロセスは、本明細書で前に列挙されたいずれの電極または電解質材料にも好適であり得る。
【0365】
この処理プロセススは、燃料電池の製造プロセスにおいて適用可能である。好ましい実施形態では、燃料電池における層(すなわち、アノード、カソード、電解質、シール、触媒、など)は、本明細書で記載されるプロセスを用いて処理され、加熱、硬化、焼結、密閉、合金化、発泡、蒸発、再構成、乾燥、またはアニールされ、またはそれらの組み合わせにされる。好ましい実施形態では、燃料電池における層の一部は、本明細書で記載されるプロセスを用いて処理され、加熱、硬化、焼結、密閉、合金化、発泡、蒸発、再構成、乾燥、アニールされ、またはそれらの組み合わせにされる。好ましい実施形態では、燃料電池の層の組み合わせは、本明細書で記載されるプロセスを用いて処理され、加熱、硬化、焼結、密閉、合金化、発泡、蒸発、再構成、乾燥、アニールされ、またはそれらの組み合わせにされ、層は、完全層または部分層であってよい。
【0366】
この開示の処理プロセスは、好ましくは迅速であり、処理期間がマイクロ秒~ミリ秒で変動する。処理期間は、正確に制御され得る。この開示の処理プロセスは、亀裂がない、または最小の亀裂を有する燃料電池層を生成できる。この開示の処理プロセスは、処理される材料の処理体積(処理される物体の体積)において電力密度またはエネルギー密度を制御する。処理体積は、正確に制御され得る。一実施形態では、この開示の処理プロセスは、処理体積において同じエネルギー密度または異なるエネルギー密度を提供する。一実施形態では、この開示の処理プロセスは、処理体積において同じ処理期間または異なる処理期間を提供する。一実施形態では、この開示の処理プロセスは、1つ以上の処理体積に対する同時処理を提供する。一実施形態では、この開示の処理プロセスは、1つ以上の燃料電池層または部分層または層の組み合わせに対する同時処理を提供する。一実施形態では、処理体積は、処理深さを変更することにより変化する。
【0367】
一実施形態では、処理体積の第1の部分は、第1の波長の電磁放射線により処理され;処理体積の第2の部分は、第2の波長の電磁放射線により処理される。場合によっては、第1の波長は、第2の波長と同じである。場合によっては、第1の波長は、第2の波長とは異なる。一実施形態では、処理体積の第1の部分は、処理体積の第2の部分とは異なるエネルギー密度を有する。一実施形態では、処理体積の第1の部分は、処理体積の第2の部分とは異なる処理期間を有する。
【0368】
一実施形態では、EMRは、所望の効果が、異なる吸収特性を有する幅広い材料について達成されるように、ブロードな発光スペクトルを有する。この開示では、電磁放射線(EMR)の吸収は、光子のエネルギーが、原子の電子などの物質により取り込まれるプロセスを指す。よって、電磁エネルギーは、吸収体の内部エネルギー、例えば、熱エネルギーに変換される。例えば、EMRスペクトルは深紫外(UV)範囲から近赤外(IR)範囲に広がり、ピークパルス電力は220nm波長にある。そのようなEMRの電力は、メガワットのオーダーである。そのようなEMR源は、化学結合破壊、焼結、アブレーション(ablating)または滅菌などのタスクを実行する。
【0369】
一実施形態では、EMRは、0.1、1、または10ジュール/cm以上のエネルギー密度を有する。一実施形態では、EMRは、1ワット(W)、10W、100W、1000W以上の電力出力を有する。EMRは、基材に1W、10W、100W、1000W以上の電力を送達する。一実施形態では、そのようなEMR曝露は、基材中の材料を加熱する。一実施形態では、EMRは、異なる波長の範囲またはスペクトルを有する。様々な実施形態では、処理される基材は、燃料電池のアノード、カソード、電解質、触媒、バリア層、またはインターコネクトの少なくとも一部である。
【0370】
一実施形態では、EMRのピーク波長は、50~550nmの間または100~300nmの間である。一実施形態では、10~1500nmの間のEMRの少なくとも1つの周波数についての基材の少なくとも一部の吸収は、30%以上、または50%以上である。一実施形態では、50~550nmの間の少なくとも1つの周波数についての基材の少なくとも一部の吸収は、30%以上、または50%以上である。一実施形態では、100~300nmの間の少なくとも1つの周波数についての基材の少なくとも一部の吸収は、30%以上、または50%以上である。
【0371】
焼結は、それを液化点まで溶融させずに熱または圧力により、材料の固体塊を圧縮および形成するプロセスである。この開示では、EMR曝露下の基材は、焼結されるが溶融されない。好ましい実施形態では、EMRは、UV光、近紫外光、近赤外光、赤外光、可視光、レーザー、電子ビーム、マイクロ波の1つ以上を含む。一実施形態では、基材は、1マイクロ秒以上、1ミリ秒以上の間EMRに曝露される。一実施形態では、基材は、1度に1秒未満または1度に10秒未満の間EMRに曝露される。一実施形態では、基材は、EMRに1秒未満または10秒未満の間EMRに曝露される。一実施形態では、基材は、繰り返して、例えば、1回超、3回超、10回超EMRに曝露される。一実施形態では、基材は、EMR源から、50cm未満、10cm未満、1cm未満、または1mm未満離される。
【0372】
いくつかの実施形態では、EMR曝露後に、第2の材料が第1の材料に付加され、またはその上に配置される。様々な場合において、第2の材料は、第1の材料と同じである。第2の材料は、EMRに曝露され得る。場合によっては、第3の材料が付加され得る。第3の材料は、EMRに曝露される。
【0373】
いくつかの実施形態では、第1の材料は、YSZ、8YSZ、イットリウム、ジルコニウム、GDC、SDC、LSM、LSCF、LSC、ニッケル、NiOまたはセリウムまたはそれらの組み合わせを含む。第2の材料は、グラファイトを含み得る。いくつかの実施形態では、電解質、アノード、またはカソードは第2の材料を含む。場合によっては、電解質、アノード、またはカソードにおける第2の材料の体積分率は、20%、10%、3%、または1%未満である。少なくとも1つの周波数(例えば、10~1500nmの間または100~300nmの間または50~550nmの間)に対する第2の材料の吸収速度は、30%超または50%超である。
【0374】
様々な実施形態では、パラメータの1つまたは組み合わせは、制御することができ、そのようなパラメータとしては、EMR源と基材の間の距離、EMRのエネルギー密度、EMRのスペクトル、EMRの電圧、曝露期間、バースト周波数、およびEMR曝露数が挙げられる。好ましくは、これらのパラメータは、基材における亀裂の形成を最小に抑えるように制御される。
【0375】
一実施形態では、EMRエネルギーは、1mm以上、または1cm以上、または10cm以上、または100cm以上の表面積に送達される。場合によっては、第1の材料のEMR曝露中に、隣接する材料の少なくとも一部は、第1の材料からの熱の伝導により少なくとも一部加熱される。様々な実施形態では、燃料電池の層(例えば、アノード、カソード、電解質)は、薄い。好ましくは、それらは30ミクロン以下、10ミクロン以下、または1ミクロン以下である。
【0376】
いくつかの実施形態では、基材の第1の材料は、粉末、ゾルゲル、コロイド懸濁液、ハイブリッド溶液、または焼結材料の形態である。様々な実施形態では、第2の材料は、蒸着により付加され得る。好ましい実施形態では、第2の材料は、第1の材料をコートする。好ましい実施形態では、第2の材料は、レーザーによるように、光(例えば集束光)と反応し、第1の材料と共に焼結またはアニールされる。
【0377】
利点
この開示の好ましい処理プロセスは、従来の、コストのかかる、時間のかかる、費用がかかる焼結プロセスを排除すること、および所望であれば単一の機械における燃料電池の層の連続製造を可能にする迅速なその場法にそれらを置き換えることにより、燃料電池の迅速製造を可能にする。このプロセスはまた、焼結時間を時間および日から、秒またはミリ秒さらにはマイクロ秒へと短くする。
【0378】
様々な実施形態では、この処理方法は、スクリーン印刷、テープキャスティング、噴霧、スパッタリング、物理蒸着、および付加製造のような製造技術と組み合わせて使用される。
【0379】
この好ましい処理方法は、基材の層の厚さおよび隣接層への熱伝導を制御することと組み合わせてEMR特性(例えば、波長、エネルギー密度、バースト周波数、および曝露期間)を調整することにより、調整されおよび制御された加熱を可能にして、各所望の標的温度で各層を焼結、アニール、または硬化させることを可能にする。このプロセスは、より均一なエネルギー適用を可能にし、亀裂を減少させまたは排除し、これは電解質性能を改善する。この好ましいプロセスで処理された基材はまた、より均一な加熱のためより少ない熱応力を有する。
【0380】
粒子サイズ制御
いずれの理論にも制限されることを望まないが、我々は予想外に、焼結プロセスが、材料中の粒子の粒子サイズ分布がある一定の基準を満たすように制御される場合に伝統的に必要とされるものよりずっと少ないエネルギー消費およびずっと少ない時間を必要とする可能性があることを、発見した。場合によっては、そのような粒子サイズ分布は、D10およびD90を含み、粒子の10%は、D10以下の直径を有し、粒子の90%は、D90以下の直径を有し、D90/D10は、1.5~100の範囲にある。場合によっては、そのような粒子サイズ分布は、二峰性であり、そのため第1のモードにおける平均粒子サイズは、第2のモードにおける平均粒子サイズの少なくとも5倍である。場合によっては、そのような粒子サイズ分布は、D50を含み、粒子の50%は、D50以下の直径を有し、D50は、100nm以下である。焼結プロセスは、電磁放射線(EMR)、またはプラズマ、または炉、または熱流体、または加熱要素、またはそれらの組み合わせを利用する。好ましくは、焼結プロセスは、電磁放射線(EMR)を利用する。例えば、本明細書で開示されるプロセスを用いずに、材料を焼結させるのにちょうど十分なEMR源は、電力容量Pを有する。本明細書で開示されるプロセスを用いると、材料は、ずっと少ない電力容量、例えば、50%P以下、40%P以下、30%P以下、20%P以下、10%P以下、5%P以下を有するEMR源を用いて焼結される。
【0381】
本明細書では、分散物を形成するために粒子を液体と混合することであって、粒子は、D10およびD90を含む粒子サイズ分布を有し、粒子の10%は、D10以下の直径を有し、粒子の90%は、D90以下の直径を有し、D90/D10は、1.5~100の範囲にある、混合すること;分散物を基材上に堆積させ層を形成すること;ならびに、層を処理して粒子の少なくとも一部を焼結させること、を含む、材料を焼結させる方法が開示される。
【0382】
いくつかの実施形態では、粒子サイズ分布は、動的光散乱により決定される数分布である。動的光散乱(DLS)は、分散物または懸濁液中の小粒子のサイズ分布プロファイルを決定するために使用できる技術である。DLSの範囲において、時間ゆらぎは典型的には、強度または光子自己相関関数(光子相関分光法または準弾性光散乱としても知られている)により分析される。時間領域解析では、自己相関関数(ACF)は通常、ゼロ遅延時間から始まり減衰し、より小さな粒子によるより速い動力学は、散乱強度トレースのより速い非相関をもたらす。強度ACFは、パワースペクトルのフーリエ変換であることが示されており、そのため、DLS測定は、スペクトルドメインにおいて同様によく実施され得る。
【0383】
一実施形態では、粒子サイズ分布は、透過型電子顕微鏡法(TEM)により決定される。TEMは、電子ビームが標本を通して透過されて画像を形成する顕微鏡法技術である。この場合、標本はほとんどの場合、グリッド上の懸濁液である。画像は、ビームが標本を通して透過される時に電子の試料との相互作用から形成される。画像は次いで、蛍光スクリーンなどのイメージング装置または電荷結合装置に結合されたシンチレータなどのセンサ上に拡大され、焦点合わせされる。
【0384】
本明細書では、下記を含む、材料を焼結させる方法が開示される:分散物を形成するために粒子を液体と混合することであって、粒子は、D50を含む粒子サイズ分布を有し、粒子の50%は、D50以下の直径を有し、D50は、100nm以下である、混合すること;分散物を基材上に堆積させて層を形成すること;ならびに、層を処理して粒子の少なくとも一部を焼結させること。様々な実施形態では、D50は、50nm以下、または30nm以下、または20nm以下、または10nm以下、または5nm以下である。一実施形態では、層は、1mm以下または500ミクロン以下または300ミクロン以下または100ミクロン以下または50ミクロン以下の厚さを有する。
【0385】
いくつかの実施形態では、材料を堆積させることは、噴射、バインダ噴射、インクジェット印刷、エアロゾル噴射、またはエアロゾルジェット印刷、液槽光重合、粉末床溶融結合、材料押出、指向性エネルギー堆積、シート積層、超音波インクジェット印刷、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、上記液体は、水および水より低い沸点を有し、水と混和性である少なくとも1つの有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、上記液体は、水、界面活性剤、分散剤を含み、ポリマバインダを含まない。いくつかの実施形態では、上記液体は、1つ以上の有機溶媒を含み、水を含まない。いくつかの実施形態では、粒子は、Cu、CuO、CuO、Ag、AgO、Au、AuO、Au、チタン、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、8YSZ(8mol%YSZ粉末)、イットリウム、ジルコニウム、ガドリニアドープセリア(GDCまたはCGO)、サマリアドープセリア(SDC)、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)、ランタンストロンチウムマンガナイト(LSM)、ランタンストロンチウムコバルトフェライト(LSCF)、ランタンストロンチウムコバルタイト(LSC)、ランタンストロンチウムガリウムマグネシウム酸化物(LSGM)、ニッケル(Ni)、NiO、NiO-YSZ、Cu-CGO、セリウム、crofer、鋼、ランタンクロマイト、ドープランタンクロマイト、フェライト鋼、ステンレス鋼、またはそれらの組み合わせを含む。粒子は、電極または電解質について本明細書で前に列挙された任意の材料を含み得る。
【0386】
いくつかの実施形態では、粒子は、二峰性粒子サイズ分布を有し、第1のモードにおける平均粒子サイズは、第2のモードにおける平均粒子サイズの少なくとも5倍である。いくつかの実施形態では、D10は、5nm~50nmまたは5nm~100nmまたは5nm~200nmの範囲にある。いくつかの実施形態では、D90は、50nm~500nmまたは50nm~1000nmの範囲にある。いくつかの実施形態では、D90/D10は、2~100または4~100または2~20または2~10または4~20または4~10の範囲にある。
【0387】
いくつかの実施形態では、方法は、分散物を堆積後に乾燥させることを含む。いくつかの実施形態では、乾燥は、堆積前に分散物を加熱すること、分散物と接触する基材を加熱すること、またはそれらの組み合わせを含む。乾燥は、1ms~1分または1秒~30秒または3秒~10秒の範囲の期間起こり得る。いくつかの実施形態では、分散物は、40℃~100℃または50℃~90℃または60℃~80℃または約70℃の範囲の温度で堆積され得る。
【0388】
いくつかの実施形態では、処理は、電磁放射線(EMR)、または炉、またはプラズマ、または熱流体、または加熱要素、またはそれらの組み合わせの使用を含む。いくつかの実施形態では、EMRは、UV光、近紫外光、近赤外光、赤外光、可視光、レーザー、電子ビームまたはマイクロ波またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、EMRは、1曝露から構成される。他の実施形態では、EMRは、10-4-1000Hzまたは1-1000Hzまたは10-1000Hzの曝露周波数を有する。一実施形態では、EMRは、50mm以下の曝露距離を有する。一実施形態では、EMRは、0.1msまたは1ms以上の曝露期間を有する。一実施形態では、EMRは、100V以上のコンデンサ電圧を用いて適用される。
【0389】
実施例
次の実施例は、本発明の様々な実施形態の開示の一部として提供される。そのようなものとして、以下で提供される情報はいずれも発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。
【0390】
実施例1.EC反応器スタックの製造
実施例1は、EC反応器スタック、例えば、燃料電池スタックを製造する好ましい方法を説明する。方法は、Ceradrop製のAMMモデルno.0012323およびXenon社製のEMRモデルno.092309423を使用する。インターコネクト基材が置かれて、印刷を開始する。
【0391】
第1の工程として、アノード層がAMMにより製造される。この層は、下記表で示される組成を有するスラリーAとして、AMMにより堆積される。この層は、赤外線ランプにより熱を適用することにより乾燥させられる。このアノード層は、1秒間キセノンフラッシュランプからの電磁パルスをそれに照射することにより焼結される。
【0392】
電解質層が、下記表に示される組成を有するスラリーBを堆積させるAMMによりアノード層の上面に形成される。この層は赤外線ランプにより熱を適用することにより乾燥させられる。この電解質層は、60秒間キセノンフラッシュランプからの電磁パルスをそれに照射することにより焼結される。
【0393】
次に、カソード層が、下記表に示される組成を有するスラリーCを堆積させるAMMにより電解質層の上面に形成される。この層は、赤外線ランプにより熱を適用することにより乾燥させられる。このカソード層は、1/2秒間キセノンフラッシュランプからの電磁パルスをそれに照射することにより焼結される。
【0394】
インターコネクト層が、下記表に示される組成を有するスラリーDを堆積させるAMMによりカソード層の上面に形成される。この層は、赤外線ランプにより熱を適用することにより乾燥させられる。このインターコネクト層は、30秒間キセノンフラッシュランプからの電磁パルスをそれに照射することにより焼結される。
【0395】
これらの工程は次いで、60回繰り返され、アノード層がインターコネクトの上面に形成される。結果は、61個の燃料電池を有する燃料電池スタックである。
【表1】
【0396】
実施例2.エタノール中のLSCF
200mlのエタノールを30グラムのLSCF粉末とビーカー中で混合する。混合物を遠心分離し、上方分散物および下方分散物を得る。上方分散物を取り出し、3Dプリンタを用いて基材上に堆積させ、LSCF層を形成する。キセノンランプ(10kW)を使用して、1,000msの総曝露期間の間400Vの電圧かつ10Hzのバースト周波数でLSCF層を照射する。
【0397】
実施例3.エタノール中のCGO
200mlのエタノールを30グラムのCGO粉末とビーカー中で混合する。混合物を遠心分離し、上方分散物および下方分散物を得る。上方分散物を取り出し、3Dプリンタを用いて基材上に堆積させ、CGO層を形成する。キセノンランプ(10kW)を使用して、8,000msの総曝露期間の間400Vの電圧かつ10Hzのバースト周波数でCGO層を照射する。
【0398】
実施例4.水中のCGO
200mlの脱イオン水を30グラムのCGO粉末とビーカー中で混合する。混合物を遠心分離し、上方分散物および下方分散物を得る。上方分散物を取り出し、3Dプリンタを用いて基材上に堆積させ、CGO層を形成する。キセノンランプ(10kW)を使用して、8,000msの総曝露期間の間400Vの電圧かつ10Hzのバースト周波数でCGO層を照射する。
【0399】
実施例5.水中のNiO
200mlの脱イオン水を30グラムのNiO粉末とビーカー中で混合する。混合物を遠心分離し、上方分散物および下方分散物を得る。上方分散物を取り出し、3Dプリンタを用いて基材上に堆積させ、NiO層を形成する。キセノンランプ(10kW)を使用して、15,000msの総曝露期間の間400Vの電圧かつ10Hzのバースト周波数でNiO層を照射する。
【0400】
実施例6.焼結結果
図17は、走査電子顕微鏡画像(側面図)である。図17は、電極(NiO-YSZ)1702上で印刷され、焼結された電解質(YSZ)1701を示す。走査電子顕微鏡画像は、焼結構造の側面図を示し、これは電解質と電極の間の気密接触、電解質の完全高密度化、および焼結された多孔性電極微細構造を証明する。
【0401】
実施例7.燃料電池スタック構造
48ボルト燃料電池スタックは、約1000ワットの電力出力を有する69個の電池を有する。このスタックにおける燃料電池は、約4cm×4cmの長さ×幅および約7cmの高さの寸法を有する。48ボルト燃料電池スタックは、約5000ワットの電力出力を有する69個の電池を有する。このスタックにおける燃料電池は、約8.5cm×8.5cmの長さ×幅および約.7cmの高さの寸法を有する。
【0402】
実施例8.溝付電極/流体分散構成要素
図18は、EC反応器における半電池の一例を概略的に示す。図18に示されるように、半電池1700は、インターコネクト1801を含む。インターコネクト1801は、ドープランタンクロマイトを含む。半電池1800は、インターコネクト1801上に印刷されたアノードセグメント1802を含む。アノードセグメントは、NiO-YSZから構成される。アノードセグメント1802は、EMRを使用して焼結される(実施例1を参照されたい)。半電池1800は、アノードセグメント1802間に堆積されるフィラー材料を含む。フィラー材料は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)である。半電池1800は、YSZから構成されるフィラー材料1803上に印刷されるシールド1804を含む。追加のアノード材料1806が、アノードセグメント1802およびシールド1804を被覆するように印刷され、続いてEMRを使用して焼結される。追加のアノード材料は、NiO-YSZである。電解質1805は、追加のアノード材料1806上に印刷され、EMRを使用して焼結される。電解質1805は、YSZである。CGOから構成されるバリア層(図示せず)が、電解質上にさらに印刷され、EMRを使用して焼結される。LSCFから構成されるカソードの層(図示せず)が、CGOバリア上に印刷され、焼結される。LSCFから構成されるカソードセグメント(図示せず)が、この層上に印刷され、焼結される。これらのセグメントは、谷部を形成し、フィラーPMMAが、堆積されてこれらの谷部を充填する(図示せず)。YSZから構成されるシールドが、フィラー上に印刷される(図示せず)。ドープランタンクロマイトがシールドおよびカソードセグメントを被覆するように印刷され、次いで焼結されて、別のインターコネクト(図示せず)を形成する。フィラーが、炉加熱により除去され、溝付電極が生成され、または流体分散構成要素が、電解質とインターコネクトの間に形成される(図示せず)。
【0403】
この開示は発明の異なる特徴、構造、または機能を実行するための例示的な実施形態を記載することが理解されるべきである。構成要素、配列、および構造の例示的な実施形態が本開示を簡略化するために記載される;しかしながら、これらの例示的な実施形態は、単に例として提供され、本発明の範囲を制限することを意図しない。本明細書で提示される実施形態は、他に特に規定がなければ、組み合わせることができる。そのような組み合わせは本開示の範囲から逸脱しない。
【0404】
加えて、ある一定の用語が、説明および特許請求の範囲を通して、特定の構成要素または工程を示すために使用される。当業者が認識するように、様々な実体が異なる名称により同じ構成要素またはプロセス工程を示すことができ、そのようなものとして、本明細書で記載される要素のための命名規則は本発明の範囲を制限することを意図しない。さらに、本明細書で使用される用語および命名規則は、名称が異なっているが、機能は異なっていない構成要素、特徴、および/または工程間で区別することを意図しない。
【0405】
本開示は様々な改変および代替形態を受けやすいが、その特定の実施形態が、図面および説明において例として示される。しかしながら、図面および詳細な説明は、本開示を開示される特定の形態に制限することを意図せず、それどころか、本開示の精神および範囲内にある全ての改変、等価物および代替物を包含することを意図することが理解されるべきである。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図12F
図12G
図12H
図12I
図12J
図12K
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14A
図14B
図14C
図14D
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】