(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-20
(54)【発明の名称】遠隔車両状態評価システム及び方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/123 20060101AFI20220413BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20220413BHJP
E02F 1/00 20060101ALI20220413BHJP
G01S 19/14 20100101ALI20220413BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20220413BHJP
G01C 25/00 20060101ALI20220413BHJP
E02F 9/20 20060101ALN20220413BHJP
【FI】
G08G1/123 A
G08G1/09 F
E02F1/00
G01S19/14
G08G1/00 D
G01C25/00
E02F9/20 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547561
(86)(22)【出願日】2020-02-10
(85)【翻訳文提出日】2021-10-12
(86)【国際出願番号】 IB2020051038
(87)【国際公開番号】W WO2020165738
(87)【国際公開日】2020-08-20
(32)【優先日】2019-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521358084
【氏名又は名称】プロペラ エアロボティックス ピーティーワイ エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100192212
【氏名又は名称】河野 貴明
(74)【代理人】
【識別番号】100200001
【氏名又は名称】北原 明彦
(72)【発明者】
【氏名】サン ミゲル,ローリー レオン
(72)【発明者】
【氏名】グリア,フレデリック ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】キーティング,アンガス
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,ベン ビンセント
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ケビン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】クーパー,クリストファー フランシス
(72)【発明者】
【氏名】リュク,トニー チー イェ
(72)【発明者】
【氏名】ハルストロム,ペル アルネ
【テーマコード(参考)】
2D003
2F129
5H181
5J062
【Fターム(参考)】
2D003BA04
2D003DB03
2D003DB05
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB38
2F129BB39
2F129BB40
2F129BB56
2F129BB70
2F129FF02
2F129FF09
2F129FF11
2F129FF14
2F129FF15
2F129FF19
2F129FF20
2F129FF57
2F129FF80
2F129HH12
2F129HH18
2F129HH19
2F129HH20
2F129HH21
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB09
5H181FF04
5H181FF07
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
5J062AA04
5J062BB08
5J062CC07
5J062DD24
5J062FF04
(57)【要約】
車両に関連する車両情報送信機を調整する方法であって、前記方法が、遠隔位置に第1の参照点及び第2の参照点を設置し、前記第1の参照点及び前記第2の参照点を結ぶ線を定義し、前記車両により、前記線に対する経路を横断し、前記車両情報送信機により、前記経路に関連する複数の位置データ点を記憶し、前記車両情報送信機により、前記複数の位置データ点を演算システムに送信し、前記演算システムにより、前記複数の位置データ点を補間し、前記演算システムにより、前記第1の参照点及び前記第2の参照点に対する前記車両情報送信機の高さを計算する、ことを含むことを特徴とする方法である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の状態を判定する方法であって、前記方法が、
前記車両に関連するデータを収集し、
前記データを記録し、
前記データをデータサーバに送信し、
前記データを処理し、
前記データから車両情報を抽出し、
前記車両情報に基づいて前記車両の状態を判定する、
ことを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
さらに、前記車両に関連する車両情報送信機を調整することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
さらに、前記車両に対する第1の参照点及び第2の参照点を定義することを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
さらに、複数の参照点を定義することを含み、前記複数の参照点は3次元内で多角形形状を定義することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
さらに、前記車両情報送信機の継続的な再調整を実行することを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
さらに、前記車両が移動しているか、アイドリング状態であるか、又は、エンジンが停止しているか判定することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
さらに、2値変数を生成することを含み、前記車両に関連する速度が0でない場合、前記2値変数は0でない値を推定し、前記速度が0である場合、前記2値変数は0値を推定することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記車両の状態が、車両位置、車両速度、車両加速度、及び地形高度の任意の組み合わせを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
さらに、前記車両に関連する位置測定を改善する為にRTK位置決めを実行することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
車両の状態を判定する装置であって、前記装置が、
前記車両に物理的に接続された車両情報送信機と、
前記車両情報送信機と通信可能に接続されたデータサーバと、
を含み、
前記車両情報送信機が前記車両に関連するデータを収集し、
前記車両情報送信機が前記データを記録し、
前記車両情報送信機が前記データを前記データサーバに送信し、
前記データサーバが前記データを記憶し、
前記データサーバが前記データから車両情報を抽出し、
前記データサーバが前記車両情報に基づいて前記車両の状態を判定する、
ことを特徴とする装置。
【請求項11】
前記車両情報送信機が固有の装置IDにより識別されることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記車両情報送信機がGPS及びIMUを含むことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記データサーバは、前記車両が移動しているか、アイドリング状態であるか、又はエンジンが停止しているか判定することを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記データサーバが2値変数を生成し、前記車両に関連する速度が0でない場合、前記2値変数は0でない値を推定し、前記速度が0である場合、前記2値変数は0値を推定することを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記車両の状態が、車両位置、車両速度、車両加速度、及び地形高度の任意の組み合わせを含むことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記車両情報送信機がGPS及びIMUを含むことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項17】
前記データサーバが、前記車両に関連する位置測定を改善する為にRTK位置決めを実行するように構成されることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項18】
前記データサーバが、前記データを記憶するように構成されたデータベースを含むことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項19】
前記データサーバが、前記データを処理するように構成された演算システムを含むことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項20】
車両に関連する車両情報送信機を調整する方法であって、前記方法が、
遠隔位置に第1の参照点及び第2の参照点を設置し、
前記第1の参照点及び前記第2の参照点を結ぶ線を定義し、
前記車両により、前記線に対する経路を横断し、
前記車両情報送信機により、前記経路に関連する複数の位置データ点を記憶し、
前記車両情報送信機により、前記複数の位置データ点を演算システムに送信し、
前記演算システムにより、前記複数の位置データ点を補間し、
前記演算システムにより、前記第1の参照点及び前記第2の参照点に対する前記車両情報送信機の高さを計算する、
ことを含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2019年2月12日に出願された米国仮特許出願第62/804,585号「Remote Vehicle Status And Terrain Elevation Estimation Systems And Methods」に対する優先権を主張するものであり、この文献は、全体が参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
本開示は、実質的にリアルタイムで車両の状態を判定するシステム及び方法に関し、それにより、単一の車両又は車両群の遠隔監視を可能にする。
【0003】
商業車両群の配備には、特定の時間において特定の活動地域内に存在する車両のセットが必要となる。例えば、建設現場の建設車両群は、特定の時間枠内で特定の建設業務を完成させる為に連携して割り当てられた機能を実行する。そのような場合、車両群の各車両の状態の監視は、車両群の所有者が、各車両がどのように動作しているか遠隔で観察し、例えば、車両が過度にアイドリングしているか否か遠隔で判定することを可能にする。さらに、車両が指定された業務を実行する間、車両に関連する地形高度を遠隔で測定することができ、有益である。そのような業務の例は、土運搬業務中の地形高度の変更である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、1以上の車両の状態を遠隔で判定することができるシステムに対するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
車両の状態を判定する方法の実施形態は、前記車両に関連するデータを収集することを含む。前記データは記録され、データサーバに送信される。前記データサーバに記憶された前記データは、読み出されて処理され、前記データから車両情報が抽出される。前記車両の状態は、前記車両情報に基づいて判定され、前記車両の状態は、車両位置、車両速度、車両加速度、及び地形高度の任意の組み合わせを含むことができる。実施形態は、車両に関連する車両情報送信機を含むことができ、前記車両情報送信機は使用前に調整される。このキャリブレーション処理は、車両に対する第1の参照点及び第2の参照点を定義することを含むことができる。前記キャリブレーション処理は、前記車両情報送信機の地面上の高度を評価することも含むことができる。前記車両情報送信機は、継続的に再調整されることができる。
【0006】
いくつかの実施形態は、前記車両が移動しているか、アイドリング状態か、エンジンが停止しているか判定する。2値変数が生成され、前記2値変数は、前記車両に関連する速度が0でない場合、0でない値を推定し、前記速度が0である場合、0値を推定する。
【0007】
車両の状態を判定するように構成された装置の実施形態は、前記車両に物理的に接続された車両情報送信機と、前記車両情報送信機と通信可能に接続されたデータサーバと、を含むことができる。前記データサーバは、データベース及び演算システムを含むことができる。実施形態において、前記車両情報送信機は、前記車両に関連するデータを収集して記録し、前記データを前記データサーバに送信する。前記データサーバは、前記データを記憶する。前記データサーバは、前記データから車両情報を抽出し、前記車両情報に基づいて前記車両の状態を判定する。特定の実施形態において、前記車両情報送信機は、固有の装置IDにより識別される。前記車両情報送信機は、GPS及びIMUを含み、ソーラーパネルを含むこともできる。いくつかの実施形態において、前記データサーバは、前記データを記憶するデータベースと、前記データ上で演算動作を実行する演算システムと、を含む。
【0008】
本開示の非限定的で、徹底的でない実施形態が、添付の図面を参照にして、以下に記載されており、別途特定されていない限り、様々な図面を通して同様の参照番号は同様の部品を示している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】遠隔車両状態評価システムの実施形態を図示しているブロック図である。
【
図2】車両情報送信機の実施形態を図示しているブロック図である。
【
図3】車両の状態を判定する方法の実施形態を図示しているフロー図である。
【
図4】車両キャリブレーション及び状態測定構成を図示している概略図である。
【
図5】車両情報送信機を調整する方法の実施形態を図示しているフロー図である。
【
図6A】車両情報送信機を再調整する方法の実施形態を図示しているフロー図である。
【
図6B】車両情報送信機を再調整する方法の実施形態を図示しているフロー図である。
【
図7A】車両のアイドリング状態を判定する方法の実施形態を図示しているフロー図である。
【
図7B】車両のアイドリング状態を判定する方法の実施形態を図示しているフロー図である。
【
図8A】サーバ側RTK位置決めを実行する方法の実施形態を図示しているフロー図である。
【
図8B】サーバ側RTK位置決めを実行する方法の実施形態を図示しているフロー図である。
【
図9】モバイル機器を使用したRTK位置決め方法の実施形態を図示しているフロー図である。
【
図10A】車両情報送信機を使用してリンクロス耐性を実装する方法の実施形態を図示しているフロー図である。
【
図10B】車両情報送信機を使用してリンクロス耐性を実装する方法の実施形態を図示しているフロー図である。
【
図11】演算システムを使用してリンクロス耐性を実装する方法の実施形態を図示しているフロー図である。
【
図12】RTK位置決めを実装する方法の実施形態を図示しているフロー図である。
【
図13】負電荷の原因を検出する方法の実施形態を図示しているフロー図である。
【
図14】RTK位置決めシステムの実施形態を図示しているブロック図である。
【
図15】車両情報送信機の特定の機能を実装する為に使用することができる処理システムの実施形態を図示しているブロック図である。
【
図16】車両情報送信機の等角図を示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明において、本開示が実施されることができる特定の例示的な実施形態を図示している添付の図面を参照し、説明の一部を形成している。これらの実施形態は、ここに開示されている概念を当業者が実施することができるように十分に詳細に説明されており、様々な開示されている実施形態に改良を加えることができると理解され、また、本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を使用することもできる。したがって、以下の詳細な説明は、限定的に理解されるものではない。
【0011】
本明細書を通して、「1つの実施形態」、「実施形態」、「1つの実施例」、又は「実施例」は、実施形態又は実施例に関連して記載されている特定の特徴、構造、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味している。したがって、本明細書を通して様々な場所における「1つの実施形態」、「実施形態」、「1つの実施例」、又は「実施例」の出現は、必ずしも全て同じ実施形態又は実施例を参照しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、データベース、又は特性は、1以上の実施形態又は実施例において、任意の適切な組み合わせ、及び/又は、部分的組み合わせとして組み合わせることができる。また、ここに提供されている図面は、当業者への説明を目的としており、必ずしも縮尺に合わせて図示されているわけではない。
【0012】
本開示による実施形態は、装置、方法、又はコンピュータプログラム製品として具現化することができる。したがって、本開示は、完全にハードウェア構成の実施形態、(ファームウェア、常駐ソフト、マイクロコード等を含む)完全にソフトウェア構成の実施形態、又は、ここでは通常「回路」、「モジュール」、又は「システム」と呼ばれるソフトウェア及びハードウェアの側面を組み合わせた実施形態の形をとることができる。さらに、本開示の実施形態は、媒体内に具現化されたコンピュータ使用可能プログラムコードを有する任意の有形的表現媒体内に具現化されるコンピュータプログラム製品の形をとることができる。
【0013】
1以上のコンピュータ使用可能媒体又はコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせを使用することができる。例えば、コンピュータ可読媒体は、携帯用コンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)デバイス、読み出し専用メモリ(ROM)デバイス、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)デバイス、携帯用コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CDROM)、光記憶装置、磁気記憶装置、及び、既知の又は以後発見される任意の他の記憶媒体を含むことができる。本開示の動作を実行するコンピュータプログラムコードは、1以上のプログラム言語の任意の組み合わせで書くことができる。そのようなコードは、ソースコードからコードが実行されるコンピュータ又はデバイスに適した機械語又はコンピュータ可読アセンブリ言語にコンパイルされることができる。
【0014】
実施形態は、クラウドコンピューティング環境内に実装することもできる。本明細書及び特許請求の範囲において、「クラウドコンピューティング」は、仮想化により迅速に設定して、最小限の経営努力又はサービスプロバイダの相互作用でリリースすることができ、適宜スケール変更することができる構成可能な計算資源(例えば、ネットワーク、サーバ、ストレージ、アプリケーション、及びサービス)の共有プールへのユビキタスで便利なオンデマンドネットワークアクセスを可能にするモデルとして定義されることができる。クラウドモデルは、様々な特性(例えば、オンデマンドセルフサービス、ブロードネットワークアクセス、資源プーリング、迅速な弾性、計数サービス等)、サービスモデル(例えば、サービスとしてのソフトウェア(Software as a Service)(SaaS)、サービスとしてのプラットフォーム(Platform as a Service)(PaaS)、サービスとしてのインフラストラクチャ(Infrastructure as a Service)(IaaS)等)、及び展開モデル(例えば、プライベートクラウド、コミュニティクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウド等)から成ることができる。
【0015】
添付の図面のフロー図及びブロック図は、本開示の様々な実施形態によるシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能、及び動作を図示している。その際、フロー図又はブロック図の各ブロックは、特定の論理機能を実装する為の1以上の実行可能な命令を含むモジュール、セグメント、又はコードの一部を示している。フロー図及び/又はブロック図の各ブロック、及び、フロー図及び/又はブロック図のブロックの組み合わせは、特定の機能又は作用を実行する専用ハードウェアベースのシステム、又は、専用ハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせにより実装することができる。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読媒体内に記憶することもでき、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置に特定の方法で機能するように指示することができ、コンピュータ可読媒体内に記憶された命令が、命令手段を含む製品を製造し、該製品が、フロー図及び/又はブロック図のブロック又は複数のブロックにおいて特定されている機能/作用を実装する。
【0016】
ここに記載のシステム及び方法は、1以上の車両の状態を遠隔で判定することに関する。いくつかの実施形態において、車両情報送信機は、車両に関連付けられる。車両情報送信機は、車両に関連するデータを収集して記録し、車両から遠隔のデータサーバにデータを送信するように構成されることができる。車両データは、データから車両の状態を判定する為に処理される。
【0017】
図1は、遠隔車両状態評価システム100の実施形態を図示しているブロック図である。いくつかの実施形態において、遠隔車両状態評価システム100は、複数の車両情報送信機、即ち、車両情報送信機112、車両情報送信機114~車両情報送信機116を含む。いくつかの実施形態において、車両情報送信機112~車両情報送信機116のそれぞれの車両情報送信機は、(
図1には図示されていない)固有の車両に関連付けられる。特定の実施形態において、車両情報送信機112~車両情報送信機116の1以上の車両情報送信機は、各自の車両に物理的に接続される(固定される)ことができる。
【0018】
いくつかの実施形態において、車両情報送信機112~車両情報送信機116のそれぞれの車両情報送信機は、パブリックネットワーク110を介してデータサーバ102と通信するように構成される。パブリックネットワーク110の1つの例は、インターネットである。いくつかの実施形態において、データサーバ102は、車両情報送信機112~車両情報送信機116の車両情報送信機から遠隔地に配置されている。いくつかの実施形態において、車両情報送信機112~車両情報送信機116のそれぞれの車両情報送信機は、例えば、無線モバイルデータプロトコル又は無線データサービス(無線インターネット)等の無線通信プロトコルを使用して、データサーバと通信することができる。
【0019】
いくつかの実施形態において、車両情報送信機112~車両情報送信機116のそれぞれの車両情報送信機は、車両情報送信機112~車両情報送信機116に対応する各自の車両に関連するデータを収集するように構成される。いくつかの実施形態において、このデータは、車両状態を含み、各車両の車両状態が、車両位置、車両速度、車両加速度、及び車両に関連する地形高度を含む。特定の実施形態において、地形高度は、車両が位置している地形の高さの相対的測定である。実施形態において、地形の高さの相対的測定は、海面を参照することができる。
【0020】
いくつかの実施形態において、車両情報送信機112~車両情報送信機116のそれぞれの車両情報送信機は、対応する車両に関連するデータを記録するように構成される。各車両のデータは、タイムスタンプされ、関連する各車両情報送信機内に記憶される。実施形態において、車両情報送信機112~車両情報送信機116のそれぞれの車両情報送信機は、記録されたデータを、パブリックネットワーク110を介して、データサーバ102に送信するように構成される。
【0021】
いくつかの実施形態において、データサーバ102は、車両情報送信機112~車両情報送信機116のそれぞれの車両情報送信機から記録されたデータを受信し、前記データをデータサーバ102内に含まれるデータベース104内に記憶する。データベース104内に記憶されたデータは、複数の車両に関連するデータ(即ち、記録されたデータ、又はデータセット)を含むことができる。いくつかの実施形態において、データサーバ102に含まれる演算システム106は、データベース104からデータを読み出し、データを処理して各車両の車両情報を各車両に対応するデータから抽出する。いくつかの実施形態において、車両情報は、車両位置、車両速度、及び車両加速度を含む。実施形態において、演算システム106は、車両情報に基づいて車両の状態を判定するように構成される。演算システム106は、ここに記載の遠隔車両状態評価システム100の動作に関連する他の演算機能を実行するように構成されることもできる。
【0022】
いくつかの実施形態において、ユーザインタフェース108は、演算システム106と通信可能に接続されている。ユーザインタフェース108は、ユーザがデータサーバ102と相互作用することを可能にするように構成される。特に、ユーザインタフェース108は、例えば、キーボード、マウス、音声コマンド等を介して、ユーザが演算システム106にコマンドを入力することを可能にする。ユーザ入力コマンドは、特定の車両に関連するデータセット又はデータサブセットを閲覧する、リストにする、又は分類する為の要求を含むことができる。例えば、ユーザは、特定の時間窓の為の特定の車両情報送信機に対応するデータを閲覧することを望むことがある。演算システム106は、ユーザ要求を処理し、データベース104から要求されたデータを取り出し、適切なフォーマットでユーザインタフェース108を介してユーザに要求されたデータを提示する。ユーザは、このデータをビデオ表示モニタで閲覧することができ、又は、印刷装置を使用してデータを印刷することができる。
【0023】
いくつかの実施形態において、データサーバ102及び車両情報送信機112~車両情報送信機116の車両情報送信機は、地理的に別々の位置に配置される。即ち、データサーバ102は、車両情報送信機112~車両情報送信機116のそれぞれにより送信されたデータを遠隔受信して処理するように構成される。車両情報送信機112~車両情報送信機116のそれぞれは、データサーバ102に車両位置等の車両関連情報を送信する。演算システム106は、このデータを使用して各車両情報送信機に関連する車両の状態を判定する。このことは、ユーザインタフェース108に関連付けられたユーザが、車両情報送信機112~車両情報送信機116の車両情報送信機に関連する各車両の状態を遠隔監視することを可能にする。他の実施形態において、ユーザインタフェース108は、特定の車両情報送信機と共同設置することができ、車両自体のビデオ表示モニタ上で車両状態を受信することができる。
【0024】
遠隔車両状態評価システム100の例は、建設現場又は採鉱現場の車両群である。いくつかの実施形態において、1以上の車両はそれぞれ車両情報送信機を備え、各車両は、特定の採鉱又は建設業務のタスクを課される。1以上の車両は、建設現場又は採鉱現場に関連する地形を変更する(土を移動又は除去する)タスクを課される。これらの例において、ユーザは、各車両に関連する状態を監視することができ、各車両が指定されたタスクをどれだけ実行しているか判定する。車両群の稼働時間及び費用がかかる、過度の車両のアイドリング等の不要な事が起きている場合、必要であれば実質的にリアルタイムで検出することができる。例えば、ユーザインタフェース108を使用した遠隔監視のオプションは、ユーザが、車両情報送信機112~車両情報送信機116のそれぞれの車両情報送信機に関連する車両を実質的にニアタイムで遠隔監視することを可能にする。
【0025】
いくつかの実施形態において、地形高度は、各車両に関連する車両状態に含まれる測定である。車両は地形上を横断するので、地形の高さ(即ち、地形高度)の変化が測定され、ここに記載のシステム及び方法を使用して対応する車両情報送信機により記録される。(車両状態から)指定された領域内で動作している車両群の各車両の経路履歴が知られている場合、その後、対応する地形高度履歴はそのような経路履歴に対して関連付けられ、指定された領域に関連する地形の3次元マップを生成することができる。代替的に、採鉱又は土運搬業務において、地形高度の実質的にリアルタイムの読み出しは、業務がどれだけ早く進んでいるかの測定を提供する。なぜなら、車両により横断される領域に沿った地形高度は、車両により土がどれだけ除去され、掘られ、切断され、又は充填されたかの測定として利用することができるからである。地形高度の実質的にリアルタイムの読み出しは、特定時点において地形の体積がどれだけ移動したかの一時的記録として機能を果たすことができる。次に、このことは、業務に関連する顧客又は他の第三者への請求を命令する為に使用することができる。
【0026】
図2は、車両情報送信機200の実施形態を図示しているブロック図である。車両情報送信機112~車両情報送信機116の実施形態は、車両情報送信機200と同様であることができる。いくつかの実施形態において、車両情報送信機200はGPS202を含む。GPS202は、全地球測位システムの受信器であり、リアルタイムで複数のGPS衛星から信号を取得して追跡し、車両情報送信機200及び車両情報送信機200に関連する車両の位置測定を提供するように構成される。いくつかの実施形態において、GPS202は、GNSSデータを生成するように構成される。車両情報送信機200が車両に関連付けられている場合、車両情報送信機200の位置測定は、車両の位置測定も提供する。IMU204は、車両情報送信機200のいくつかの実施形態において含まれる慣性測定ユニットである。いくつかの実施形態において、IMU204は、車両情報送信機200上に作用する直線加速度及び回転加速度、並びに、直線力及び回転力を測定するように構成される。IMU204からの情報は、3次元における車両位置及び速度を計算する為に使用され、また、ここに記載の車両情報送信機200に関連する車両のアイドリング状態を判定する為に使用される。
【0027】
車両情報送信機200のいくつかの実施形態において含まれる接続インタフェース206は、車両情報送信機200が他の異なるデバイスと接続又は通信することを可能にする。例えば、接続インタフェース206は、車両情報送信機200が、例えば4G接続、Wi-Fi接続、又は他の無線接続方法を介して、インターネットに接続することを可能にするネットワークインタフェースを含むことができる。接続インタフェース206は、車両情報送信機200が、例えばBluetooth、又は他の有線又は無線ネットワークプロトコルを介して、ローカルデバイスに接続することを可能にするインタフェースを含むことができる。いくつかの実施形態において、接続インタフェース206は、高周波(RF)回路(増幅器、ミキサー、及び他の高周波関連要素等)及び高周波信号の送信及び受信を容易にする1以上のアンテナを含むことができる。特定の実施形態において、接続インタフェース206は、有線接続を介してユーザが車両情報送信機200と通信することを可能にするUSBインタフェース又はイーサネットインタフェースを含むことができる。この構成は、ユーザが、例えば、車両情報送信機200に診断又はデバッグ作業を実施することを可能にする。
【0028】
データルーティング等の車両情報送信機200の特定機能は、車両情報送信機200のいくつかの実施形態に含まれる処理システム208により実行される。実施形態において、処理システム208は、例えば、GPS202から接続インタフェース206へのデータのルーティングも担当することができる。処理システム208は、ここに記載の車載式リアルタイムキネマティック(RTK)計算等の他の動作を実行する為に使用されることもできる。車両情報送信機200のいくつかの実施形態に含まれる装置ID210は、特定の車両情報送信機(車両情報送信機200等)を一意的に識別し、この車両情報送信機を他の車両情報送信機から区別する役目を果たす固有の識別子である。いくつかの実施形態において、装置ID210は、車両情報送信機200固有の装置IDコードを生成する。この装置IDコードは、車両情報送信機200からの送信毎に送信される。いくつかの実施形態において、データサーバ102に関連する演算システム106は、受信した装置IDコードを使用して、関連データがどの車両情報送信機から送信されたかを識別する。このことは、演算システム106が、特定の車両情報送信機に関連する特定の車両を一意的に識別することを可能にする。車両情報送信機200のいくつかの実施形態に含まれるメモリ212は、車両情報送信機200による一時又は永続データの記憶を可能にする。いくつかの実施形態において、データは車両情報送信機200により継続的に記録され、接続インタフェース206を介してデータサーバ102に継続的又は周期的に送信される。メモリ212は、フラッシュメモリ、ディスクドライブ、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリの任意の組み合わせであることができ、揮発性及び不揮発性メモリ要素の両方を含むことができる。
【0029】
車両情報送信機200のいくつかの実施形態は、ソーラーパネル214及びバッテリー216の組み合わせにより駆動される。特定の実施形態において、ソーラーパネル214は、太陽光から電力を生成してバッテリー216を充電し、又は、車両情報送信機200に電力を供給する。配電システム218は、ソーラーパネル214及びバッテリー216の任意の組み合わせから車両情報送信機200の関連するサブシステムへ電力をルーティングする。
【0030】
図3は、車両の状態を判定する方法300の実施形態を図示しているフロー図である。いくつかの実施形態において、方法300は、対応する車両情報送信機によりデータサーバ102に送信された情報に基づいて車両情報送信機(例えば、車両情報送信機112~車両情報送信機116)に関連する車両の状態を計算するデータサーバ102に関連する演算システム106に関する。
【0031】
302において、車両情報送信機は、車両に関連するデータを収集して記録する。いくつかの実施形態において、このデータは、GPSデータ、IMUデータ、又は、エンジンデータ、車両重量データ等の他の車両関連データの任意の組み合わせであることができる。特定の実施形態において、このデータは、メモリ212等のメモリ内に記録され、いくつかの特徴の中で特に、タイムスタンプされた履歴を提供する。次に、304において、車両情報送信機は、データサーバ(データサーバ102等)に関連するデータベース(データベース104等)にデータを送信する。データベースは、データサーバがデータを必要とするまでデータを記憶する役目を果たす。306において、データサーバに関連する演算システム(演算システム106等)は、データベースからデータを読み出し、308において、演算システムは、データを処理してデータから車両情報を抽出する。この車両情報は、車両位置データ、IMUデータ、又は他の車両関連データを含むことができる。最後に、310において、演算システムは、車両情報を使用して車両の状態を計算する。この車両状態は、ユーザインタフェース(ユーザインタフェース108等)を介してユーザに表示され、その結果、ユーザは遠隔で車両の状態を監視することができる。
【0032】
図4は、車両キャリブレーション(vehicle calibration)及び状態測定構成(state measurement setup)400を図示している概略図である。いくつかの実施形態において、関連する車両の状態を監視する為に車両情報送信機を使用する前に、車両情報送信機にキャリブレーション処理を実行する必要がある。このキャリブレーション処理は、車両上の空間的取り付け位置を考慮に入れる。このキャリブレーション処理が完了すると、キャリブレーション処理と同様の処理を使用して車両情報送信機、即ち車両の状態(位置)を測定する。いくつかの実施形態において、車両キャリブレーション及び状態測定構成400は、車両のキャリブレーション及び状態測定に使用される。
【0033】
いくつかの実施形態において、車両キャリブレーション及び状態測定構成400は、車両404と取り付け点PRで物理的に接続する(即ち、取り付けられた)車両情報送信機402を含む。車両404は、地形上で静止するか、地形に沿って移動する。車両情報送信機402のキャリブレーションを実行する為に、車両404は、第1の参照点P1及び第2の参照点P2を結ぶ線408を横断するように操縦され、第1の参照点P1及び第2の参照点P2のそれぞれは、地形上で既知の参照点である。即ち、第1の参照点P1及び第2の参照点P2のそれぞれに関連する3次元座標は既知である。いくつかの実施形態において、点Oと取り付け点PRを結ぶ線406が線408に対して垂直になるように、点Oが線408上に選択される。車両情報送信機402に関連するキャリブレーション及び測定処理の詳細は、ここに提供される。
【0034】
図5は、車両情報送信機を調整する方法500の実施形態を図示しているフロー図である。502において、演算システム(演算システム106等)は、遠隔位置に第1の参照点及び第2の参照点を設置する。いくつかの実施形態において、第1の参照点は
図4に図示されている第1の参照点P
1であり、第2の参照点は
図4に図示されている第2の参照点P
2である。特定の実施形態において、第1の参照点及び第2の参照点は、演算システムに対して遠隔位置(例えば、作業現場)に配置される。いくつかの実施形態において、演算システムは演算システム106と同様である。
【0035】
504において、演算システムは、第1の参照点及び第2の参照点を結ぶ線を定義する。いくつかの実施形態において、この線は線408と同様である。次に、506において、車両(車両404等)は線408に対する経路を横断する。508において、車両に関連する車両情報送信機(例えば、車両情報送信機402)は、経路に関連する複数の位置データ点を記憶する。いくつかの実施形態において、車両情報送信機は、GPS202及びIMU204等の1以上のセンサを使用して複数の位置データ点を作成し、これらの位置データ点をメモリ212内に記憶する。
【0036】
510において、車両情報送信機は、演算システムに複数の位置データ点を送信する。いくつかの実施形態において、この送信は、パブリックネットワーク110を介して実行される。実施形態において、複数の位置データ点は、演算システムにより読み出される前に、最初にデータベース104等のデータベース内に記憶されることができる。最後に、512において、演算システムは、複数の位置データ点を補間して第1の参照点及び第2の参照点に対する車両情報送信機の高さを計算する。いくつかの実施形態において、この高さは線406に関連する長さに関する。補間を使用することにより、演算システムは、線408の真上の点PRの位置を判定しようとする。この時、線408を使用して車両下の地形の高さが計算される。最後に、車両情報送信機の高さから地形の高さが引かれて車両の高さが得られる。
【0037】
本来、車両情報送信機402に関連する測定は、海面上の車両下の地形の高度を含む(ここでは、「地形高度」とも呼ばれる)。これらの測定は、車両情報送信機が配置されている点における地形上の車両の高さと実質的に同じである線406の長さも含む。即ち、車両情報送信機402により生成された高度測定は、地形高度及び線406の長さの組み合わせを含む。車両位置データ点が演算システムに送信されると、これらの位置データ点は、車両情報送信機が配置されている車両の高さと実質的に同じである正バイアス及び地形高度を含む。この正バイアスは、「キャリブレーション高さ」とも呼ばれる。方法500は、このキャリブレーション高さを計算することを目的とし、ルーチン測定動作に関連する後続の測定においてこのキャリブレーション高さを説明する。例えば、高度測定からキャリブレーション高さを引くことにより、地形高度を直接的に測定することができる。
【0038】
いくつかの実施形態において、第1の参照点P1及び第2の参照点P2は、地形に関連する既知の参照点である。即ち、演算システムは、これらの参照点のそれぞれに関連するパラメータ(海面上の高度等)に関する事前知識を有している。いくつかの実施形態において、方法500に関連するキャリブレーション処理中に、車両の経路は線408を交差することができる。他の実施形態において、車両の経路は線408と交差しない。
【0039】
方法500に図示されているようにキャリブレーションルーチンが実行中であると、車両の高さは車両のキャリブレーション高さとして定義される。一方、測定ルーチンが実行中(例えば、通常の車両監視動作中)であると、車両の高さはキャリブレーション処理中に計算されたキャリブレーション高さ(即ち、バイアス)を考慮した車両システム状態に含まれる。いくつかの実施形態において、線408は「キャリブレーションゲート」とも呼ばれる。
【0040】
図4は地形上の2つの参照点P
1及びP
2を図示しているが、このアプローチは3次元において全体として多角形を形成する複数の参照点を含むように構成することもできる。さらに、この方法は、ここに記載されているように、ルーチン動作中に車両群における1以上の車両を再調整する為に使用することができる。移動機械群と同様に他の表面高さ測定装置により実行された測定によって、これらの既知の線、面、及び3次元形状を定義する点は継続的に更新されている。
【0041】
いくつかの実施形態において、車両情報送信機が調整された後、車両情報送信機は、ユースケースに配置されることができ、ここで、車両情報送信機は、車両に関連するデータを測定して記録し、このデータを更なる処理の為に遠隔サーバに送信する。
【0042】
図6Aは、車両情報送信機を再調整する方法600の実施形態を図示しているフロー図である。602において、方法は、方法500と同様の方法を使用して、車両及び車両情報送信機のキャリブレーションを実行する。次に、604において、方法は、データベース104等のデータベース内に1組の(即ち、1以上の)チェックポイントを記憶する。いくつかの実施形態において、チェックポイントは、与えられた地形領域上の時間的に静的な既知の位置である。特定の実施形態において、既知の地形領域も、チェックポイントと共にデータベース内に記憶される。実施形態において、チェックポイントは、3次元(3D)座標系内に示された点としてデータベース内に記憶され、地形領域は、同じ3次元座標系内の多角形としてデータベース内に記憶される。いくつかの実施形態において、チェックポイント及び地形領域は、例えば、外部検証に使用される独自の機器又はドローン測量を含む測量方法を使用して事前に生成される。
【0043】
606において、方法は、地形に関連する機械由来の表面の更新を計算する。いくつかの実施形態において、これらの更新は、「表面更新」と呼ばれ、車両がデータベース内に記憶された1以上のチェックポイント又は地形領域上を通過した時に、車両上の車両情報送信機を使用して生成される。608において、方法は、チェックポイント及び(例えば更新を介して)車両情報送信機により捉えられた高度間の誤差(即ち、相違)を計算する。610において、方法は、誤差を残余誤差として、例えば、データベース内に記憶する。612において、方法は、表面更新に関連する計算が完了したかチェックする。計算が完了していない場合、方法は606に戻る。一方、612において、計算が完了している場合、方法はAに進み、
図6Bの記載へと続く。
【0044】
図6Bは、方法600の続きの記載を図示しているフロー図である。Aから始まり、方法は614に進み、ここで、1以上の残余誤差は、平均値、標準偏差、95%信頼区間等の統計的信頼基準に変換される。616において、方法は、統計的信頼基準及び残余誤差に関連する平均又はピーク誤差が閾値よりも大きいかチェックする。平均又はピーク誤差が閾値よりも大きくない場合、方法は、データが実質的に正確であると解釈し、方法は620で終わる。一方、616において、平均又はピーク誤差が閾値よりも大きい場合、方法は618に進み、データが不正確であるとフラグがつけられ、方法は620で終わる。
【0045】
方法600は、複数の車両を含むように構成することができる。1つの例において、2以上の車両が低い残余誤差で(有効性を確認して)チェックポイント領域上を通過し、第3の車両の車両情報送信機が閾値よりも大きい残余誤差を示した場合、欠陥のある車両情報送信機のキャリブレーションは、関連する平均残余誤差を引くことにより自動的に再計算される。
【0046】
遠隔車両状態評価システム100等の遠隔車両状態評価システムの他の機能は、建築現場や採鉱等の用途において使用される体積算出方法を含み、1以上の車両又は機械により土の体積を移動する必要がある。そのような表面から表面の体積算出は、有限の時間間隔内で体積がどれだけ移動したかを計算する必要がある。例えば、この技法は、ユーザの質問「過去24時間において私の現場のこの領域上でどれくらい体積が移動したか?」に答える為に使用することができる。これらの表面から表面の体積は、境界多角形領域における高さサンプルにわたるリーマン和を用いて計算される。単一の体積計算の為のサンプリング及び集計は、複数のサーバ(例えば、データサーバの複数バージョン)にわたって分配され、それにより、例えば、結果を計算する為の全体の時間を減少するマップリデュースアルゴリズム(map-reduce algorithm)を使用して並行して計算することができる。結果として得られた体積量は、進捗及び生産性の傾向をたどるように時間にわたってチャート化することができる。例えば、1週間における1日毎の領域内で移動した体積をチャート化することは、車両群の所有者が全体の進捗及び生産性を監視することを可能にし、それにより、所有者が、全体の効率を改善して費用を削減する為に情報に基づく決定を行うことを可能にする。
【0047】
体積算出は計算する為のコストが高いので、結果は、遠隔車両状態評価システムのいくつかの実施形態においてキャッシュされる。特定の体積算出には固有の指紋(ハッシュ)が生成される。このハッシュは、表面、境界多角形、及び他のデータの組み合わせから生成される。結果は決定性であると推定され、したがって、与えられた表面から表面の体積要求、例えば、{表面A、表面B、多角形}において、関連する体積結果(例えば、変化の立方メートル)は同じになる。したがって、ハッシュは、{表面A、表面B、多角形}から作成され、再計算を避ける為に、事前に計算された値のキャッシュのルックアップとして使用される。
【0048】
図7Aは、車両のアイドリング状態を判定する方法700の実施形態を図示しているフロー図である。702において、車両に関連する車両情報送信機は、車両情報送信機に関連する慣性測定ユニット(IMU)(例えば、IMU204)から定期的に情報を読み出す。次に、704において、車両情報送信機に関連する処理システム(例えば、処理システム208)が、車両に関連する振動振幅を測定する。いくつかの実施形態において、振動振幅は、IMUに関連する1以上の加速度計及びジャイロスコープからの出力データとして処理システムにより受信される。特定の実施形態において、この出力データは、200Hzの速度の振動データとして処理システムにより受信される。即ち、処理システムは、200Hzの速度のデータについてIMUにポーリングを行う。706において、処理システムは、振動データ(例えば、振動振幅測定)に閾値を適用し、車両に関連するエンジンが駆動しているか判定し、閾値化処理に応答する2値変数(エンジン駆動又は非駆動)を生成する。708において、車両情報送信機は、車両の位置に関連する複数の位置データ点を記憶する。これらの位置データ点は、車両情報送信機に関連するGPS受信機(例えば、GPS202)により生成される。710において、車両情報送信機は、複数の位置データ点及び2値変数をデータサーバ(例えば、データサーバ102)に関連するデータベース(例えば、データベース104)に送信する。その後、方法はAに進み、
図7Bの記載へと続く。
【0049】
図7Bは、方法700の続きの記載を図示しているフロー図である。Aから始まり、方法は712に進み、データサーバに関連する演算システム(例えば、演算システム106)が、複数の位置データ点及び2値変数を処理する。いくつかの実施形態において、演算システムは、参照データ点からの位置データを使用して位置データ点上にリアルタイムキネマティック(RTK)GPS処理を実行する。このことは、より正確な車両位置計算を実行することを可能にする。これらの測定値及び計算値を使用し、方法は714に進み、演算システムは、これらの測定値及び計算値をRTK・GPS処理により判定された車両速度と互いに関連付け、車両動作を3つのカテゴリーに分類する。
【0050】
2値変数=駆動中であり車両速度>0(車両移動中)は、車両が作動中であることを示している。
【0051】
2値変数=駆動中であり車両速度=0(車両静止中)は、車両がアイドリング中であることを示している。
【0052】
2値変数=非駆動中であり車両速度=0(車両静止中)は、車両のエンジンが停止していることを示している。
【0053】
この方法は、車両運転者の時間及び費用がかかり、その結果、作業の進行に不必要な遅れが生じる、アイドリング中の車両状態を遠隔で監視する為に有益である。
【0054】
図8Aは、サーバ側RTK位置決めを実行する方法800の実施形態を図示しているフロー図である。リアルタイムキネマティック(RTK)位置決めは、GPS測定を1以上の既知の参照点に由来するGPS位置決めデータによって修正することにより、GPS測定の正確性を改善する。サーバ側RTK位置決めを実装する為に、802において、車両に関連する車両情報送信機(例えば、車両情報送信機112)は、例えば、GPS202を使用して、車両のGPS位置を判定する。次に、804において、車両情報送信機は、GPS位置(即ち、GPSデータ)に関連するデータをデータサーバ(例えば、データサーバ102)に関連するデータベース(例えば、データベース104)に送信する。いくつかの実施形態において、データサーバは、車両とは異なる物理的位置(即ち、遠隔位置)に配置される。806において、データサーバに関連する演算システム(例えば、演算システム106)は、データベースからGPS位置に関連するデータを読み出す。次に、808において、演算システムは、位置が正確に知られている1以上の参照点に関連する参照GPSデータを受信する。その後、方法はAに進み、
図8Bの記載へと続く。
【0055】
図8Bは、方法800の続きの記載を図示しているフロー図である。Aから始まり、方法は810に進み、演算システムは、参照GPSデータ及びGPS位置に関連するデータに基づいて、GPS位置に関連する(即ち、車両情報送信機の位置に関連する)修正GPSデータを計算する。812において、演算システムは、修正GPSデータをデータベース104等のローカルデータベース内に記憶する。この記憶されたデータは、適切な表示装置を使用して(例えば、ユーザインタフェース108を介して)、システムのオペレータによって閲覧可能である。814において、演算システムは、修正GPSデータを車両に関連するディスプレイ又は他の表示装置に送信する。いくつかの実施形態において、GPS測定は、約1cmまで正確である。RTK処理は、データサーバに関連する演算システムにより実行されるので、この方法は、サーバ側RTK位置決めと呼ばれ、準リアルタイムで実行することができる。
【0056】
図9は、モバイル機器を使用したRTK位置決め方法900の実施形態を図示しているフロー図である。方法800で実行されたように、GPS位置に関連するデータを遠隔サーバに送信するのではなく、車両情報送信機は、モバイル機器上で利用可能な処理能力を利用することができ、例えば、Bluetooth通信リンクを使用してRTK処理の為にモバイル機器にGPS位置に関連するデータを送信することができる。方法900には、そのような動作が記載されている。902において、車両に関連する車両情報送信機(車両情報送信機112)は、例えば、GPS202を使用して、車両のGPS位置を判定する。次に、904において、車両情報送信機は、GPS位置(即ち、GPSデータ)に関するデータをモバイル機器に送信する。いくつかの実施形態において、モバイル機器は、携帯電話、タブレット、ノートパソコン、又は他の同様な任意のモバイル機器であることができる。特定の実施形態において、モバイル機器は、車両の運転者が所有しているか又はアクセス可能であり、又は車両内に配置されている。906において、モバイル機器は、正確に測定された位置を有する1以上の参照点に関連する参照GPSデータを受信する。908において、モバイル機器は、参照GPSデータ及びGPS位置に関連するデータに基づいて、GPS位置に関連する修正GPSデータを計算する。最後に、910において、モバイル機器は、準リアルタイムでセンチメートルレベルの正確性で車両の運転者に修正GPSデータを表示する。サーバ側RTK位置決めとは反対に、モバイル機器上でRTK処理を実行する利点は、モバイル機器上で実行することにより、サーバ側RTK位置決めに関連する任意のネットワーク関連待ち時間を回避することができることである。
【0057】
図10Aは、車両情報送信機を使用してリンクロス耐性を実装する方法1000の実施形態を図示しているフロー図である。いくつかの実施形態において、車両情報送信機(例えば、車両情報送信機112)は、パブリックネットワーク(例えば、パブリックネットワーク110)を使用してデータサーバ(例えば、データサーバ102)にデータを送信する。このデータは、バーストで送信又は継続的にストリーミング配信されることができる。いずれの場合も、リンクロス又はリンク中断によるデータ損失の危険がある。この対策として、車両情報送信機を使用する遠隔車両状態評価システムのいくつかの実施形態においてリンクロス耐性が組み込まれている。方法1000は、リンクロス耐性を有する車両情報送信機の一連の動作に関連する。
【0058】
1002において、車両情報送信機は、GNSS(即ち、GPS)観察を読み出し、車両情報送信機は車両に関連付けられ、GNSS観察は、ここに説明されているように、適切に調整された車両情報送信機に関連付けられる。いくつかの実施形態において、GNSS観察(即ち、測定)は、GPS202により生成される。1004において、車両情報送信機は、例えば、メモリ212等のメモリ内にGNSS観察を記憶する。いくつかの実施形態において、メモリは、フラッシュメモリ内に実装された先入れ先出し(FIFO)キューバッファである。特定の実施形態において、メモリは、数日間に値するGNSS観察を記憶することができる。次に、1006において、車両情報送信機は、無線リンクの利用可能性を判定する為にチェックする。いくつかの実施形態において、無線リンクは、車両情報送信機がパブリックネットワークを介してデータサーバと通信することを可能にする4Gネットワーク通信リンクであることができる。1008において、無線リンクが利用可能である場合、方法は1010に進み、車両情報送信機は、前の成功した送信から記憶されている全てのGNSS観察を送信し、それにより、FIFOメモリの内容を空にする。いくつかの実施形態において、これらの観察は、データサーバの一部である演算システム(例えば、演算システム106)に送信される。その後、アルゴリズムはAに進み、
図10Bの記載へと続く。一方、1008において、無線リンクが利用できない場合、方法は1002に戻り、次のGNSS観察のセットを読み込み、FIFOメモリ内に記憶する処理を行う。
【0059】
図10Bは、方法1000の続きの記載を図示しているフロー図である。Aから始まり、方法は1012に進み、車両情報送信機は、演算システムからのデータ受信確認コードが利用可能かどうかチェックする。いくつかの実施形態において、データ受信確認コードは、演算システムによるデータの受信が成功した時のHTTP200OKステータスコードである。1014において、データ受信確認コードが利用可能である場合(例えば、演算システムからのデータ受信確認コードの受信に成功した場合)、方法は1018に進み、車両情報送信機は、GNSS観察を読み出し、GNSS観察を新規のGNSSデータとして記憶する。その後、方法はBに進み、
図10Aの点Bに戻る。一方、1014において、データ受信確認コードが利用できない場合、方法は1016に進み、車両情報送信機は、GNSS観察を読み出し、GNSS観察を既存のGNSSデータに付加する。その後、アルゴリズムはBに進み、
図10Aの点Bに戻る。
【0060】
図11は、演算システム(例えば、演算システム106)を使用してリンクロス耐性を実装する方法1100の実施形態を図示しているフロー図である。いくつかの実施形態において、方法1100は、方法1000と並行して演算システム上で実行されるワークフローである。即ち、方法1000は、関連する車両情報送信機上で実行されるワークフローであり、方法1100は、方法1000で参照されている演算システム上で実行される対応するワークフローである。
【0061】
1102において、データサーバ(例えば、データサーバ102)に関連する演算システムは、車両に関連する車両情報送信機からGNSS観察を演算システムが受信することを可能にする無線リンクの利用可能性を判定する為にチェックする。いくつかの実施形態において、無線リンクは、車両情報送信機がパブリックネットワークを介してデータサーバと通信することを可能にする4Gネットワーク通信リンクであることができる。1104において、無線リンクが利用可能ではない場合、演算システムは1102に戻り、利用可能性を判定する為に無線リンクのポーリングを継続する。
【0062】
一方、1104において、無線リンクが利用可能である場合、方法は1106に進み、演算システムは、無線リンクを介して車両情報送信機から任意の利用可能なGNSS観察を読み出す。1108において、演算システムは、GNSS観察を処理し、1110において、方法は、受信されたデータが完全であり誤りがないかどうか判定する為にチェックする。データが完全でなく誤りがある場合、アルゴリズムは1102に戻り、演算システムは、車両情報送信機にデータ受信確認コード(HTTP200OKコード等)を送信しない。方法1000に示されているように、車両情報送信機がデータ受信確認コードを受信しない場合、必要であれば、新たなデータを付加して、データの再送信を試みる。一方、演算システムが1110において完全な誤りのないデータを受信したと判定した場合、方法は1112に進み、演算システムは、データ受信確認コード(HTTP200OKコード等)を車両情報送信機に送信する。最後に、1114において、処理されたGNSS観察に基づいて、演算システムは、車両に関連する1以上のパラメータ(例えば、車両位置、又は車両のエンジンが作動しているか停止しているか)を判定する。方法は、1102に戻り、演算システムは、(例えば、無線リンクの損失により)データサーバに関連する入力キューが空になるまで、車両情報システムから受信したGNSS観察の処理を継続する。
【0063】
無線リンクが損失し、その後、無線リンクが再確立された場合、車両情報送信機上のFIFO内に記憶された履歴GNSSデータは、無線リンクの可能な最大速度で無線リンクを介して送信され、それにより、処理データストリームはリアルタイムに追いつくことができる。データサーバ上のサーバ入力キュー及び車両情報送信機上のFIFOを使用して実装することができるダブルバッファリングスキームは、データ損失が起こらないことを確実にし、したがって、リンクロス耐性データバッファリングスキームを実装する。
【0064】
図12は、RTK位置決めを実装する方法1200の実施形態を図示しているフロー図である。方法800で上述されたRTK位置決め処理を参照して、RTK位置決めを実装する為に使用することができる他の方法は、車両情報送信機が機内RTK関連計算を実行することを可能にすることである。このプロセスを示すフロー図が
図12に図示されている。1202において、車両に関連する車両情報送信機(例えば、車両情報送信機112)は、車両の位置に関するGNSSデータを受信する。いくつかの実施形態において、車両情報送信機は、GPS202からこのGNSSデータを受信する。1204において、車両情報送信機は、例えば、メモリ212内にGNSSデータを記憶する。次に、1206において、車両情報送信機は、GNSSデータに基づいて車両のGPS位置を判定する。いくつかの実施形態において、車両のGPS位置の判定は、GPS自体上で実行される。他の実施形態において、生GNSSデータは、例えば、処理システム208による後処理の為にメモリ内に記憶される。
【0065】
1208において、車両情報送信機は、1以上の参照点に関連する参照GPSデータを受信する。いくつかの実施形態において、参照GPSデータは、データサーバ102に関連するデータベース104から受信することができる。他の実施形態において、参照GPSデータは、インターネット等のネットワークを介して1以上のGPS基地局から受信することができる。いくつかの実施形態において、参照GPSデータは、座標が正確に知られている1以上の参照点に関連付けられる。1210において、車両情報送信機は、GNSSデータ及び参照GPSデータに基づいて、GPS位置に関連する修正GPSデータを計算する。このステップは、車両情報送信機自体上でRTK処理を実行することを含み、処理システム208上で実行されることができる。最後に、1212において、車両情報送信機は、車両に関連する表示装置に修正GPSデータを送信する。いくつかの実施形態において、表示装置は、車両内のLCDディスプレイ等のビデオ表示端末である。他の実施形態において、表示装置は、車両の運転者が所有するモバイル機器又は他の演算装置に関連する表示装置である。即ち、車両情報送信機は、携帯電話、ノートパソコン、タブレット、又は、車両の運転者が所有する同様の装置に、例えば、Bluetooth接続、又は、他の無線又は有線接続を介して、修正GPSデータを送信する。
【0066】
図13は、負電荷の原因を検出する方法1300の実施形態を図示しているフロー図である。車両情報送信機のいくつかの実施形態は、1以上の太陽電池又はソーラーパネルにより電力供給される。方法1300は、例えば、負電荷又は正味の負電荷をもたらすソーラーパネルに関連する異常動作を検出するように構成される。1302において、車両情報送信機に関連するソーラーパネル電圧及びソーラーパネル電流を監視する。いくつかの実施形態において、ソーラーパネル電圧及び電流は、30秒毎に測定される。1304において、車両情報送信機は、ソーラーパネル電圧及びソーラーパネル電流に関連するデータをデータベース104等のデータベースに送信する。1306において、ソーラーパネル電圧及びソーラーパネル電流に関連する時系列が処理され、正味の太陽光充電(net solar charge)及び正味のエネルギー消費を評価する。いくつかの実施形態において、時系列は、(電圧X電流)発電製品により生成され、演算システム(例えば、演算システム106)は、発電製品の時系列を統合し(即ち、処理し)、正味の太陽光充電及び正味のエネルギー消費を評価する。
【0067】
1308において、方法は、発電製品の時系列を使用して計算された正味荷電が特定の期間(例えば、1週間)において負電荷であるかどうか判定する為にチェックする。発電正味荷電が負電荷ではない場合、方法は1302に戻る。一方、1308において、正味荷電が負電荷である場合、方法は1310に進み、ユーザに警告を行う。いくつかの実施形態において、ユーザは、SMS、モバイルプッシュ通知、eメール、又は他のトランザクションの通信プラットフォーム等のメッセージ通信システムを使用して警告される。いくつかの実施形態において、方法1300に関連する処理機能は、演算システム106により実行される。
【0068】
1312において、時系列を分析することにより、負電荷の原因が判定される。いくつかの実施形態において、負電荷は、以下の任意の組み合わせを原因とすることができる。
【0069】
ピーク電荷電流が低く、時間経過と共に減少する場合、車両情報送信機に関連する1以上のソーラーパネルは、恐らく土により覆い隠されているので、ユーザはソーラーパネルを掃除するように指示される。
【0070】
1日当たりの正味の充電時間が低い場合、車両情報送信機は日光が不十分な領域で使用されているか、太陽電池/ソーラーパネルが日中の一部で覆い隠されている可能性がある。このデータは、GPSから得られた車両情報送信機の地理的位置を与えられたサードパーティソース(API)から予測された太陽放射照度及び天候観察と相互参照することができる。
【0071】
車両情報送信機に関連するバッテリーに注入されるエネルギーが使用されるエネルギーよりも著しく高い場合、バッテリー(例えば、バッテリー216)は効率的に動作していない。このことは、恐らく周囲温度が低いことによるものであり、装置に搭載された温度計からの時系列温度データを参照することにより確認することができる。いくつかの実施形態において、凍結温度は、バッテリーの性能に悪影響を及ぼす。
【0072】
図14は、RTK位置決めシステム1400の実施形態を図示しているブロック図である。車両情報送信機が機内RTK処理を実行することを可能にする利点は、待ち時間を少なくし、通信リンクロスへの耐性を提供することである。例えば、
図8はサーバ側RTK処理アルゴリズムを図示しており、GNSSデータは、パブリックネットワークを介して演算システムに送信される。
図8に図示されているスキームは、2つの難題をもたらす。第1の難題は、パブリックネットワークを介したデータの送受信に関連する待ち時間である。第2の難題は、パブリックネットワークに関連する通信リンクが利用不可能になる可能性があることである。この第2の難題の可能性が以下の追加の難題をもたらす。
【0073】
1.RTKデータが利用できないこと、及び
【0074】
2.車両情報送信機上のGNSSデータオーバーフロー。
【0075】
車両情報送信機上でRTKデータを処理すること自体が、待ち時間を減少し、パブリックネットワークが利用できないことにより結果を悪化させる可能性が減少する。そのようなアルゴリズムが、
図12に提示されている。複数の車両情報送信機上に実装されたRTKアルゴリズムの実装を図示しているブロック図が、RTK位置決めシステム1400として
図14に図示されている。いくつかの実施形態において、RTK位置決めシステム1400は、複数の車両情報送信機、即ち、車両情報送信機1412、車両情報送信機1414~車両情報送信機1416を含む。車両情報送信機1412~車両情報送信機1416のそれぞれは、Wi-Fiゲートウェイ1410及びパブリックネットワーク1408(例えば、インターネット)を介して、複数のRTK基地局、即ち、基地局1402、基地局1404~基地局1406と通信可能に接続されている。基地局1402~基地局1406のそれぞれは、座標が正確に知られている1以上の位置決め参照点(例えば、参照GPSデータ)を記憶している。このデータは、車両情報送信機1412~車両情報送信機1416のそれぞれが利用可能であり、実質的にリアルタイムで車両情報送信機1412~車両情報送信機1416のそれぞれ上でのRTK処理を可能にする。
【0076】
いくつかの実施形態において、車両情報送信機1412~車両情報送信機1416のそれぞれは、Wi-Fi通信リンクを介してWi-Fiゲートウェイ1410と通信可能に接続されている。
【0077】
図15は、車両情報送信機の特定の機能を実装する為に使用することができる処理システム208の実施形態を図示しているブロック図である。いくつかの実施形態において、処理システム208は、処理システム208内の他の要素との通信と同様に外部周辺機器との関連する通信及び通信プロトコルを管理するように構成された通信マネージャ1502を含む。例えば、通信マネージャ1502は、処理システム208とメモリ212等の車両情報送信機200の他の要素の間の通信インタフェースを生成して維持することを担当することができる。
【0078】
いくつかの実施形態において、処理システム208は、車両情報送信機200の動作に関連するデータを記憶するように構成されたメモリ1504を含む。特定の実施形態において、メモリ1504は、長期メモリ及び短期メモリの両方を含む。メモリ1504は、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、ソリッドステートドライブ、及び他のメモリ要素の任意の組み合わせから成ることができる。
【0079】
処理システム208のいくつかの実施形態に含まれるGPSインタフェース1506は、処理システムがGPS202又は他のGPS受信機からGPSデータを読み出すことを可能にする。このGPSデータは、車両情報送信機200に関連する機内RTK処理の為に使用することができる。処理システム208のいくつかの実施形態は、処理システム208がIMU204とインタフェース接続することを可能にするIMUインタフェース1508を含む。IMUインタフェース1508は、処理システム208がIMU204により捉えられた直線及び角加速度測定を読み出すことを可能にする。
【0080】
いくつかの実施形態において、処理システム208は、一般化処理機能、演算機能等を含む機能を実行するように構成されたプロセッサ1510を含む。実施形態において、プロセッサ1510は、方法1200に記載されているような機内RTK計算動作を実行することを担当することができる。
【0081】
処理システム208のいくつかの実施形態に含まれるユーザインタフェース1512は、ユーザが処理システム208及び車両情報送信機200の異なる要素と相互作用することを可能にする。例えば、ユーザは、車両情報送信機と遠隔で、又はローカル有線接続(例えば、USB又はイーサネット)を介して、接続することができる。その後、ユーザは、車両情報送信機の異なる機能にアクセスし、診断機能等を実行することができる。
【0082】
処理システム208のいくつかの実施形態は、ソーラーパネル214又はバッテリー216により発電された電力を監視するように構成された電力モニタ1514を含む。いくつかの実施形態において、電力モニタ1514は、車両情報送信機200の異なる要素と配電システム218の1以上の機能を監視することができる。電力モニタ1514は、方法1300の実装に関連するデータを受信することもできる。処理システム208のいくつかの実施形態に含まれるデータバス1516は、処理システム208の異なる要素間を通信可能に接続し、データ及び他の信号を転送するように構成される。
【0083】
図16は、車両情報送信機の等角
図1600を示す線図である。等角
図1600は、車両情報送信機1602を示している。車両情報送信機1602のいくつかの実施形態は、ダートメイツ(DirtMates)と呼ばれ、「DM」と略される。いくつかの実施形態において、車両情報送信機1602は、第1のソーラーパネル1604及び第2のソーラーパネル1606を含み、第1のソーラーパネル1604及び第2のソーラーパネル1606のそれぞれは、太陽光から電力を発電するように構成される。この電力は、車両情報送信機1602及び関連する要素を駆動する為に使用され、又は、車両情報送信機1602のいくつかの実施形態に含まれる充電可能なバッテリーを充電する為に使用される。
【0084】
いくつかの実施形態において、車両情報送信機1602は、Wi-Fi、モバイルインターネット(例えば、4G又は5G)、Bluetooth等の無線通信様式を使用して、車両情報送信機1602が無線通信を実行することを可能にするアンテナ1608を含む。アンテナ1608は、車両情報送信機1602がパブリックネットワーク110を介して、例えば、データサーバ102と通信することを可能にする。電源スイッチ1610は、車両情報送信機1602の電源をオン又はオフにすることを可能にする。電源LED1612が点灯している時は、車両情報送信機1602の電源がオンになっていることを示し、車両情報送信機1602の電源がオフになっている時は、電源LED1612のスイッチが切られている。ネットワークLED1614は、車両情報送信機1602によるネットワークアクセスを示している。
【0085】
1以上の車両情報送信機の配置により提供される利点は、以下を含む。
【0086】
1.準リアルタイムで、そして、ほぼ測量級の正確性で、生産性及び作業現場の進捗の100%の継続的トラッキング(視覚化及び分析)。管理者が、
【0087】
a)良い計画決定をする為に十分な正確性で、いつでも毎日の作業を100%監視し、
【0088】
b)自動的に全ての下請け業者の活動を監視し、全ての当事者を巻き込んだ論争を避けるのに役立つ、
【0089】
c)任意の機械/車両/資産をいつでもローカル化し、
【0090】
d)目標を達成する為の資源の使用を評価及び最適化し、
【0091】
e)個々の機械/操作者の動作品質を評価及び確実化し、
【0092】
f)運搬道路の安全性を確保し、燃料費を最適化する、
ことを可能にする。
【0093】
2.管理者にリアルタイムフィードバックを提供し、より効率的に管理者が仕事を実行することを可能にする。
【0094】
3.管理者に準リアルタイムで警告を与えることにより、再作業による不必要な費用を避ける。
【0095】
a)超過勤務を避ける。
【0096】
b)以下の場合に何が移動したのかに関して顧客及び下請け業者との論争を避ける。
【0097】
DM+観察者(+モバイルアプリ)実装
【0098】
DMは、太陽光発電機械上位置決めセンサを使用してほぼ測量級の正確性(15cm未満)と高周波(1~5Hz)で、作業現場上の全ての機械の速度及び3次元位置を継続的に測定し、そして、無線接続が利用可能である時はいつでも、設置データ(機械上の詳細なセンサ配置)と共に測定データを遠隔データベースに追加する。(プロペラソフトウェア又はプロペラモバイルアプリと呼ばれる)システムに関連するアプリケーションソフトウェアは、機械群からの入力を継続的に処理し、実際の作業現場の表面モデルを更新し、準リアルタイムで会社内の任意の権限保持者にプロジェクトの状況及び進捗を可視化する。無線接続を介して、プロペラモバイルアプリは、ローカル設計の表面データ、ライブフィードバック、及び警告を読み込み、携帯型又は機械搭載ディスプレイに表示し、作業者が技術的設計によって全ての仕事を実行することを可能にする。
【0099】
DMキー差別化要因(DM key differentiators)
【0100】
全車両群対象(full fleet coverage):DMは、車両群の100%に取り付けられるように設計される。特定の車両のみを監視する現行の作業現場車両GPSとは異なり、DMは作業現場に入る全ての機械上で作動する。
【0101】
設置及びキャリブレーションが容易:DMは、銘柄混合及び所有者混合の機械群上に非常に容易に設置することができ、処理の為に人の介入を必要としない。人の関与が必要な時はいつでも、システムが管理者又は機械操作者に警告する。キャリブレーション(再調整)は自動的に頻繁に起こる。
【0102】
シームレスなデータ転送:DMは、ユーザが現在、履歴、及び設計された表面を視覚化し、測定し、比較することを可能にする、シームレスなデータ転送、処理及び作業現場表面トラッキングプラットフォーム内への統合からDM値を抽出する。
【0103】
測量級正確性:DMは、盗難検知、運転者コンプライアンス、及び安全監視に向いている車両位置決めシステムと同様の技術を使用する。しかしながら、DMは、高度な位置決め正確性及び頻繁な更新を用いているので、貴重な作業現場の測量データを提供することもできる。
【0104】
非常に低価格:DMは、ドローン、GPS/レーザーベースの現場位置決めシステム、及び機械制御を含む他の測量級作業現場の表面測定ツールに比べて比較的安価である。DMは、機械制御に比べて非常に安価である。なぜなら、継続的表面測定は、
【0105】
表面測定データを追加する為に1方向の潜在的に断続的な通信のみを必要とし、
【0106】
機械との最小限の統合を必要とし、
【0107】
現行の機械制御システム内に統合され、人が操作する機械上の機械刃の自動動作の為に厳密に必要である、(多くの)双方向の更新継続性及びリアルタイム性を犠牲にすることができる、からである。
【0108】
完全な価値連鎖内で作動する部品:
【0109】
・太陽光発電でセンチメートル級正確性の高周波位置測定。
【0110】
・断続的無線接続を介したオンラインデータベースへの自動データオフロード。
【0111】
・機械に接続する為の頑丈で確実な取り付けハーネス。
【0112】
・機械に位置センサを素早く取り付け/取り外しして、測量級表面測定ツールとして配置する方法。
【0113】
・測量級表面測定ツールとして位置センサを素早く頻繁に(再)調整する方法。
【0114】
・100%の車両群対象を確実にする方法。
【0115】
・各データソースの品質の評価及び表面モデルへの貢献の重み付けに基づいて、移動式分散型位置センサを使用して作業現場の表面を継続的に再構築するシステム。
【0116】
異なる所有者の機械、レンタル機械等から所与の作業現場上でのデータ利用をライセンス/許可するシステム。
【0117】
過去、現在、及び設計された表面を(継続的に)視覚化し、問い合わせし、比較するシステム。
【0118】
既成の車両群/資産管理を超える利益/新規性を表現する他の方法は、全ての機械の機械制御に投資することを嫌う顧客に利用可能となることである。いくつかの実施形態において、用語「機械制御」は、(3次元機械制御とも呼ばれる)3次元ガイダンスを使用した機械制御を含み、機械は設計表面プロファイルを読み込み、機械操作者は設計表面を切断する為に使用されたツール(バケット又は刃等)に関連する設計表面の位置を見ることができる。その後、機械操作者は、ツールを操縦して自動的に所定の表面設計と一致するようにする。いくつかの実施形態において、機械操作者は、ツールではなく機械の移動を制御し、ツールは、設計表面プロファイル及び所定の表面設計に基づいて、機械に関連する知能制御システムにより自律的に移動する。以下は、機械制御に関連する特徴である。
【0119】
・作業現場の活動及び銘柄混合及び所有者混合の土運搬機械群及び他の車両の作業進捗を継続的に監視するシステム。
【0120】
・継続的に作業現場を測量する為の全自動(ノータッチ)システム。
【0121】
・2軸道路級測定ツールとなった運搬道路の車両。
【0122】
本開示は特定の実施例及び実施形態に関して記載しているが、ここに示されている利益及び特徴の全ては提供しない実施形態を含む、本開示の利益を与えられることにより、当業者には明らかな他の実施形態も、本開示の範囲に含まれる。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができると理解される。
【国際調査報告】