(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-20
(54)【発明の名称】加圧飲料容器システム
(51)【国際特許分類】
B67D 1/04 20060101AFI20220413BHJP
F16K 17/196 20060101ALI20220413BHJP
【FI】
B67D1/04 A
F16K17/196
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021550046
(86)(22)【出願日】2020-03-04
(85)【翻訳文提出日】2021-10-25
(86)【国際出願番号】 US2020020983
(87)【国際公開番号】W WO2020180984
(87)【国際公開日】2020-09-10
(32)【優先日】2019-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512139630
【氏名又は名称】ジョセフ カンパニー インターナショナル,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】シレンス,マーク
【テーマコード(参考)】
3E082
3H060
【Fターム(参考)】
3E082AA04
3E082BB01
3E082CC01
3E082DD11
3H060AA02
3H060BB01
3H060CC01
3H060DC05
3H060DD05
3H060EE04
3H060HH20
3H060HH22
(57)【要約】
飲料容器(10)は、第1の端部において大気に開放され、かつ第2の端部において飲料容器(10)の密閉された内部に開放されている調整シリンダ(50)を備える。ピストン(54)はシリンダ(50)内にある。逃し口(76)が調整シリンダ(50)の端部の中間に位置しており、かつピストン(54)によって制御される。調整弁(80)によって制御される圧力カートリッジ(12)は飲料容器(10)の密閉された内部と連通する。弁棒(90)は、ピストン(54)から制限された環状通路(84)を通って調整弁(80)まで動作可能に延在している。ピストン(54)は、密閉された内部と大気との予め選択された圧力差以下で弁棒(90)に係合され、かつ密閉された内部と大気との別の予め選択された圧力差以上で弁棒(90)から係脱される。弁ハウジング(34)は、充填ノズル(30)によって制御される環状充填通路(32)が制限された環状通路(84)の外に向かう状態で弁棒(90)の周りを摺動可能に延在していてもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部において大気に開放され、かつ第2の端部において密閉された内部に開放されている調整シリンダであって、前記調整シリンダの前記端部の中間に大気と連通している逃し口を備えた調整シリンダと、
前記調整シリンダ内で摺動可能であり、かつピストンシールを備えたピストンと、
前記ピストンを前記調整シリンダの前記第2の端部に向かって付勢するピストンバネであって、前記ピストンは前記ピストンバネの前記付勢に逆らって作用して、前記密閉された内部と大気との第1の予め選択された圧力差以上で前記逃し口を開くピストンバネと、
前記調整シリンダの前記第2の端部から延在する弁棒であって、前記ピストンは前記密閉された内部と大気との第2の予め選択された圧力差以下で前記ピストンバネの前記付勢により前記弁棒に係合され、かつ前記密閉された内部と大気との第1の予め選択された圧力差以上で前記ピストンバネの前記付勢に逆らって前記弁棒から係脱される弁棒と、
前記飲料容器内に第1の端部および第2の端部を有する細長いカートリッジを備えた加圧流体供給源であって、前記細長いカートリッジの前記第2の端部はそこを通るポートを有する加圧流体供給源と、
前記加圧流体供給源と流体連通している入口、前記密閉された内部と流体連通している出口、前記弁棒によって係合される弁要素、弁座、前記弁要素を前記弁座に接するように付勢している弁バネを備えた調整弁であって、前記弁要素は、前記密閉された内部と大気との前記第2の予め選択された圧力差により前記弁バネ付勢に逆らって前記弁から変位される調整弁と、
弁棒通路であって、前記調整弁は前記弁棒通路の端部にあり、前記弁棒通路の別の端部は前記密閉された内部と流体連通しており、前記弁棒は前記弁棒通路内を前記調整弁まで延在しており、前記加圧流体供給源は液体二酸化炭素で充填されており、前記弁棒は前記弁棒通路内に制限された環状通路を画定してそこを通って流れている前記液体二酸化炭素を蒸発させる弁棒通路と
を備える、密閉された内部を画定している飲料容器。
【請求項2】
そこを通る栓通路を備えた、前記細長いカートリッジの前記第2の端部を通る栓と、
前記ハウジングの周りにハウジング座およびそこを通る弁棒通路を備えた弁ハウジングであって、前記弁ハウジングはその間に環状通路を有する状態で前記栓通路を通って延在しており、前記弁ハウジングは、前記ハウジング座を前記栓に係合させてその間で前記環状通路を閉じる第1の位置、および前記ハウジング座を前記栓から係脱させてその間で前記環状通路を開く第2の位置を有する弁ハウジングと
をさらに備える、請求項1に記載の飲料容器。
【請求項3】
前記栓に係合可能であり、かつそこを通る充填通路および前記充填通路内に停止部を備えた充填ノズルをさらに備え、前記停止部は前記弁ハウジングの端部に係合可能であり、かつ前記弁ハウジングを前記充填ノズルが前記栓に係合されている前記第2の位置に保持する、請求項2に記載の飲料容器。
【請求項4】
前記弁ハウジングは、前記弁ハウジングの前記端部にあるネジ山付きポストであって、前記栓から延在し、かつ前記調整シリンダの前記第2の端部において前記調整シリンダに螺合可能なネジ山付きポストを備え、前記調整シリンダは、前記ネジ山付きポストに係合された場合に前記弁ハウジングを前記第1の位置に保持する、請求項2に記載の飲料容器。
【請求項5】
前記ピストンバネは2つの連続したバネ定数を有し、前記ピストンバネは複合コイルバネおよび二重コイルバネのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の飲料容器。
【請求項6】
第1の端部において大気に開放され、かつ第2の端部においてヘッドスペースに開放された調整シリンダと、
前記調整シリンダ内で摺動可能であり、かつピストンシールを備えたピストンと、
前記調整シリンダの前記第2の端部から延在する弁棒であって、前記ピストンは前記ヘッドスペースと大気との予め選択された圧力差以下で前記弁棒に係合され、かつ前記ヘッドスペースと大気との前記予め選択された圧力差以上で前記弁棒から係脱される弁棒と、
前記飲料容器内に第1の端部および第2の端部を有する細長いカートリッジを備えた加圧二酸化炭素供給源であって、前記細長いカートリッジの前記第2の端部はそこを通るポートを有する加圧二酸化炭素供給源と、
前記加圧ガス供給源と流体連通している入口、密閉された内部と流体連通している出口、前記弁棒によって係合される弁要素、弁座、前記弁要素を前記弁座に接するように付勢している弁バネを備えた調整弁であって、前記弁要素は、前記弁棒に係合している前記ピストンにより前記弁バネの前記付勢に逆らって前記弁座から変位される調整弁と、
弁棒通路であって、前記弁棒は前記弁棒通路内を延在しており、前記調整弁は前記弁棒通路の端部にあり、前記弁棒通路の別の端部は前記密閉された内部と流体連通しており、前記加圧二酸化炭素供給源は液体二酸化炭素で充填されており、前記弁棒は前記弁棒通路内に制限された環状通路を画定してそこを通って流れている前記液体二酸化炭素を蒸発させる弁棒通路と
を備える、密閉された内部を画定している飲料容器。
【請求項7】
第1の端部において大気に開放され、かつ第2の端部においてヘッドスペースに開放された調整シリンダと、
前記調整シリンダ内で摺動可能であり、かつピストンシールを備えたピストンと、
前記調整シリンダの前記第2の端部から延在する弁棒であって、前記ピストンは前記ヘッドスペースと大気との予め選択された圧力差以下で前記弁棒に係合され、かつ前記ヘッドスペースと大気との前記予め選択された圧力差以上で前記弁棒から係脱される弁棒と、
前記飲料容器内に第1の端部および第2の端部を有する細長いカートリッジを備えた加圧二酸化炭素供給源であって、前記細長いカートリッジの前記第2の端部はそこを通るポートを有する加圧二酸化炭素供給源と、
前記加圧ガス供給源と流体連通している入口、密閉された内部と流体連通している出口、前記弁棒によって係合される弁要素、弁座、前記弁要素を前記弁座に接するように付勢している弁バネを備えた調整弁であって、前記弁要素は、前記弁棒に係合している前記ピストンにより前記弁バネの前記付勢に逆らって前記弁座から変位される調整弁と、
そこを通る栓通路を備えた、前記細長いカートリッジの前記第2の端部を通る栓と、
前記ハウジングの周りにハウジング座およびそこを通る弁棒通路を備えた弁ハウジングであって、前記弁ハウジングはその間に環状通路を有する状態で前記栓通路を通って延在しており、前記弁ハウジングは、前記ハウジング座を前記栓に係合させてその間で前記環状通路を閉じる第1の位置、および前記ハウジング座を前記栓から係脱させてその間で前記環状通路を開く第2の位置を有する弁ハウジングと
を備える、密閉された内部を画定している飲料容器。
【請求項8】
前記栓に係合可能であり、かつそこを通る充填通路および前記充填通路内に停止部を備えた充填ノズルをさらに備え、前記停止部は前記弁ハウジングの端部に係合可能であり、かつ前記弁ハウジングを前記充填ノズルが前記栓に係合されている前記第2の位置に保持する、請求項7に記載の飲料容器。
【請求項9】
前記弁ハウジングは、前記弁ハウジングの前記端部にあるネジ山付きポストであって、前記栓から延在し、かつ前記調整シリンダの前記第2の端部において前記調整シリンダに螺合可能なネジ山付きポストを備え、前記調整シリンダは、前記ネジ山付きポストに係合された場合に前記弁ハウジングを前記第1の位置に保持する、請求項7に記載の飲料容器。
【請求項10】
前記細長いカートリッジの前記第2の端部を通る栓をさらに備え、前記弁棒通路はそこを通って延在しており、前記調整弁は前記細長いキャニスタ内にある、請求項6に記載の飲料容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は、密閉容器飲料定量吐出システムである。
【背景技術】
【0002】
密閉容器または小樽から加圧条件下で定量吐出される飲料は慣習的に、二酸化炭素などの加圧媒体の助けを借りて容器内で加圧されている。この媒体は、飲料を含む同じ区画内に比較的高い過剰な圧力で容器内に提供され、定量吐出される飲料の上のヘッドスペースに蓄積する。使用中に、飲料が容器から定量吐出されるにつれて初期圧力は低下する。これはガスとしての加圧媒体の一部が飲料と共に容器から出て行き、加圧ガスによって占められるヘッドスペースがより大きくなるために生じる。
【0003】
ヘッドスペースにおけるこのガスの圧力の低下を補償するために、さらなる加圧ガスをヘッドスペースの中に挿入するための装置が用いられてきた。そのような装置の1つが国際公開第99/47451号に示されており、これは、弁機構を作動させてそれを一時的に開放し、かつ加圧ガスがチャンバからヘッドスペースの中に流れるのを可能にする移動可能な壁をチャンバ内に備える。米国特許第4,711,377号および米国特許第5,785,211号は、飲料容器を空気で再加圧するための空気ポンプの使用を開示している。米国特許第5,199,609号および米国特許第7,131,560号は、再加圧のために接続された炭酸ガスボンベの使用を教示している。米国特許第8,469,239号は飲料容器と共に使用するための圧力制御装置を開示しており、これはガス供給部の開閉のためにシリンダ内に取り付けられたピストンを備えると共に、圧力制御チャンバに入ってくる炭酸ガスを除去するためのスカベンジャーがそのチャンバ内に収容されている。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、第1の端部において大気に開放され、かつ第2の端部において飲料容器の密閉された内部に開放されている調整シリンダを備えた飲料容器に関する。当該シリンダの中にはピストンがある。調整シリンダの第2の端部から弁棒が延在している。ピストンは密閉された内部と大気との予め選択された圧力差以下で弁棒に係合され、かつ密閉された内部と大気との別の予め選択された圧力差以上で弁棒から係脱される。加圧流体供給源と密閉された内部との間には調整弁がある。調整弁は加圧流体を密閉された内部に導くために弁棒によって制御される。
【0005】
本発明の第1の態様では、調整シリンダの端部の中間には逃し口が位置し、かつ大気と連通している。大気に対して密閉容器内が超過圧力である場合、ピストンは密閉された内部と大気とのそのような超過圧力差以上で逃し口を開くことができる。ピストンバネがピストンを付勢していてもよく、かつ漸進的バネ定数を示してもよい。
【0006】
本発明の第2の態様では、細長いカートリッジを閉じる栓は、一端には調整弁と共にそこを通る弁棒通路を備え、かつ他端では密閉された内部と連通している。弁棒は弁棒通路を通って調整弁まで延在している。弁棒は弁棒通路内に制限された環状通路を画定している。加圧流体供給源が液体二酸化炭素で充填されている場合、制限された環状通路は密閉された内部に到達する前に液体二酸化炭素を蒸発させる。
【0007】
本発明の第3の別の態様では、細長いカートリッジの第2の端部を通る栓は、そこを通る栓通路を備える。弁ハウジングは、そのハウジングの周りにハウジング座とそこを通る弁棒通路とを備える。弁ハウジングは、ハウジング座を栓に係合させてその間で環状通路を閉じる第1の位置およびハウジング座を栓から係脱させてその間で環状通路を開く第2の位置でその間に環状通路を有した状態で栓通路を通って摺動可能に延在している。弁ハウジングは充填ノズルと協働して、環状通路を通した急速充填のために弁ハウジングをハウジング座38から引き離すことができる。弁ハウジングの端部にあるネジ山付きポストは二者択一的に、調整シリンダに螺合して環状通路が閉じられた状態で弁ハウジングを保持することができる。
【0008】
上記態様はいずれも、さらに有利には一緒に用いられることが意図されている。従って本発明の主な目的は、細長い圧力カートリッジおよび加圧媒体定量吐出弁システムを備えた改良された飲料容器を提供することにある。さらなる目的および利点は、以下の構造および使用の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】加圧飲料容器システムの中心線を通る垂直断面図である。
【
図2】圧力カートリッジの中心線を通る垂直断面図である。
【
図3】圧力カートリッジおよび充填ノズルの中心線を通る垂直断面図である。
【
図4】圧力カートリッジおよび圧力ノズルの中心線を通る垂直断面図である。
【
図5】ガス定量吐出弁システムの中心線を通る垂直断面図である。
【
図6】調整シリンダの中心線を通る垂直断面図である。
【
図7】ガス定量吐出弁システムの中心線を通る垂直断面図である。
【
図8】ガス定量吐出弁システムの第2の実施形態の中心線を通る垂直断面図である。
【
図9】加圧飲料容器システムの第2の実施形態の中心線を通る垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を詳細に参照すると、飲料のための加圧飲料容器システムの2つの好ましい実施形態が示されている。それぞれの特徴は互換可能である。飲料の上のヘッドスペースを含む密閉された内部の加圧は、大量の飲み物を定量吐出するのに有利である。飲料はソフトドリンク、水またはビールなどのどんな種類のものであってもよい。本システムは、加圧流体が二酸化炭素である場合に炭酸飲料にとってさらに特に有利である。ガス定量吐出弁システムを備えた飲料容器内には圧力カートリッジが装着されている。弁システムは、飲料容器の密閉された内部に蓄積される加圧流体を安全に定量吐出する。当該容器内の圧力は、飲料容器圧力と飲料容器内への弁システムの装着によりアクセス可能な大気との差により調整される。Radfordの名の下で2019年12月19日に公開された米国特許出願公開第2019/0383312号も参照し、その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0011】
図1は、細長い圧力カートリッジ12およびガス定量吐出弁システム14を備えた飲料容器10の第1の実施形態を示す。細長い圧力カートリッジ12は、充填された場合に加圧流体供給源となる。飲料容器10は飲料定量吐出向きで示されている。この向きでは、ガス定量吐出弁システムは飲料容器底蓋16に結合した状態で最も良く用いられる。これは、閉鎖端18がアクセス端20の垂直上方にあるように細長い圧力カートリッジ12を方向づけ、既存のヘッドスペースまたはカートリッジ12内の加圧ガスの使用と共に生じるヘッドスペースを提供する。この向きは、飲料容器10上の好都合かつ保護される位置における大気への開口部にも対応している。
【0012】
図2および
図3は、飲料容器10内への装着前のカートリッジの充填を示す。細長い圧力カートリッジ12は内部にネジ山付きポート22を備える。栓24はポート22に螺合し、かつOリングシール26によってシールされる。栓24は充填ノズル30に嵌合するための端部28を含む。充填ノズル30が係合された場合、充填通路32は充填ノズル30を通してカートリッジ12を充満させる。
【0013】
第1の実施形態では、弁ハウジング34が栓24を通って延在している。弁ハウジング34は栓24から延在するその一端にネジ山付きポスト36を備える。弁ハウジング34の他端には後で考察されている調整弁がその中に含まれている。弁ハウジング34と栓24との間に弁ハウジング34に沿って流路が存在するように、弁ハウジング34は栓24を通って摺動可能に配置されている。弁ハウジング34の周りのハウジングOリング座38は調整弁に位置している。このハウジング座38は、弁ハウジング34が栓24内の第1の最上位置にある状態で栓24に接して着座するように位置決めされている。ハウジング座38は
図2において見られるように、この位置において栓24と弁ハウジング34との間で流路を閉じる。フランジ40は保持クリップ42を保持して、栓24を通る弁ハウジング34の限られた動きを保証する。
【0014】
図3は、第2の位置における弁ハウジング34を示す。この第2の位置では、ハウジング座38は栓24から係脱されて、栓24と弁ハウジング34との間にある流路を開く。
図4の矢印44は弁ハウジング34の周りにある流路を示す。栓24内での弁ハウジング34の下方への変位は、充填ノズル30を用いて達成される。充填ノズル30を栓24の上まで下げて係合させる。充填ノズル30を通る充填通路32は、充填ノズル30が栓24に下方に押し付けられた際に弁ハウジング34に当接する停止部48を画定するために充填通路32の周囲の周りに位置決めされた小さい通路46を有する部分を含む。
【0015】
充填ノズル30が栓24に係合された状態で弁ハウジング34はカートリッジ12に向かって押し付けられ、弁ハウジング34の周りにある流路を開く。この第2の位置では、弁ハウジング34の周りにある流路は、充填ノズル30からの大量の流れが細長い圧力カートリッジ12に入ってそれを充填するのを可能にする。
【0016】
カートリッジ12が充填されると、カートリッジ12内の圧力の増加に応答して充填ノズル30が取り外された場合に、弁ハウジング34は閉じて第1の位置になる。カートリッジ12はその時点で充填されており、調整シリンダ50を備えたガス定量吐出弁システム14と組み立てられる準備が整った状態にある。この第1の実施形態では、調整シリンダは、ネジ山付きポスト36と係合するためのその底を通るネジ山付きポートを備える。この係合により、弁ハウジング34が閉じられた第1の位置のままであることが保証される。
【0017】
図1~
図8に示されているこの第1の好ましい実施形態では、カートリッジ12をガス定量吐出弁システム14と組み立てるために、調整シリンダ50を栓24の周りで細長いカートリッジ12に嵌合させる。ガス定量吐出弁システム14を、調整シリンダ50が細長い圧力カートリッジ12の開放端の周りに円筒状ソケットとして延在している状態で細長い圧力カートリッジ12と組み立て、ネジ山、締り嵌めまたは他の手段によって保持する。
【0018】
調整シリンダ50はシリンダヘッド52によって閉じられており、調整シリンダ50内で摺動可能なピストン54を備える。ピストン54は調整シリンダ50を2つの可変体積チャンバ58および60に分割するためにピストン54の周りにピストンシール56を備える。シリンダヘッド52に隣接するチャンバ58は、シリンダヘッド52内のアクセス口62を介して大気に開放されている。ピストン54の他方側にあるチャンバ60は、ポート64を通して飲料容器10内の飲料圧力に開放されている。
【0019】
ピストンバネ66がチャンバ58内でシリンダヘッド52とピストン54との間に延在している。ピストンバネ66はピストン54を細長いカートリッジ12に向かって付勢している。ピストンバネ66は共通のコイルバネであってもよく、あるいはピストンバネ66の異なる圧縮範囲で2つのバネ定数を提供するように構成されていてもよい。そのような複雑な構成としては、2つの同心円状に配置されたコイルまたは、それぞれが異なるバネ定数を示すコイルの2つの部分を含む複合コイル構成が挙げられる。2つのコイルを用いる場合、硬い方のコイルは、ピストンがピストンの調整範囲を超え、かつ以下で説明されている逃し口(
図9を参照)に近づくまで、そのコイルに接触しないようにより短くなっている。複合コイルを用いる場合、バネ定数は同様に連続的に作用する。これらのバネ構成を本明細書ではまとめてピストンバネ66と呼ぶ。
【0020】
飲料圧力に開放されるチャンバ60内には、上端がカム70を画定している状態で内側シリンダ68が配置されている。カム70はピストン54の上に位置している従動節72と相互作用する。従動節72が細長いカートリッジ12から離れるように変位した位置に保持され得るように、ピストン54は調整シリンダ50内で回転可能である。ピストン54の回転により従動節72はカム70から解放され、かつ動作中に細長いカートリッジ12に向かって移動することができる。
【0021】
ピストン54を回転させてピストン54の上の従動節72をカム70に/から係合または係脱させるために、飲料容器の外部にある要素によって駆動されるピストン駆動軸74がシリンダヘッド52を通って延在している。ピストン駆動軸74は断面が矩形であってもよく、かつピストン54と係合した状態であってもよい。駆動軸74はピストン54に固定されており、かつ調整シリンダ50内でのピストン54の移動に対応するためにシリンダヘッド52を通って摺動可能である。
【0022】
調整シリンダ50は調整シリンダ50の端部の中間に逃し口76を備える。この逃し口76は、シリンダヘッド52に隣接する調整シリンダ50の端部までチャネルとして延在している。ピストンシール56が調整シリンダ50内の中間点にある逃し口76の端部を超えて過ぎる位置まで調整シリンダ50内でピストン54が上昇した場合、ピストン54のいずれかの側にあるチャンバ58および60は、アクセス口62を通したチャンバ60の圧力解放のために連通した状態になる。チャンバ58がポート64を通して飲料容器10内の飲料圧力と連通している場合、飲料容器10内の飲料圧力は、
図8の矢印77によって示されているように大気と連通される。飲料圧力が低下してピストンシール56が逃し口76の端部を横切るまで、この状態は存在する。逃し口76は、過剰な圧力のみを排出するために飲料の圧力をゆっくりと低下させるようにサイズ決めされている。
【0023】
図6の矢印78は、圧力キャニスタ12から飲料容器10内へのポート64に開放されているチャンバ60までの流路を示す。この流路を制御する調整弁80は、圧力カートリッジ12にある栓24の端部において弁ハウジング34上に位置している。調整弁80は入口82と、ネジ山付きポスト36までそこを通って延在する弁ハウジング34内の中央弁棒通路84からの出口とを備える。弁要素86は弁ハウジング34の弁棒通路84の中に延在している。Oリング座88は、弁要素86が弁棒通路84の中に延在した状態で弁ハウジング34と弁要素86との間に挟まれている。
【0024】
細長いカートリッジ12の充填が完了したら調整シリンダ50との組み立て前に、弁棒90を弁ハウジング34の弁棒通路84の中に挿入する。弁棒90と弁棒通路84との間に環状流路を作り出すために小さい隙間が設けられている。弁棒90は弁要素86まで延在している。
【0025】
ピストン54に大部分が隣接している弁棒90の端部において調整シリンダ50を圧力カートリッジ12と組み立てると、栓24から僅かに変位された押し付けパッド92は、ピストン54を受け入れるように位置決めされる。従って栓24に向かう押し付けパッド92に対する力は、弁要素86を弁バネ94に押し付けて調整弁80を開く。押し付けパッド92は、弁棒90が栓24の端部に押し付けられた場合にシールが生成されず、かつ弁棒通路84を通る弁棒90の周りでの流れが阻止されないように、その下側にある半径方向レリーフと共に構築されている。
【0026】
弁棒90と弁棒通路84との間の環状流路は、環状通路の長さを通して圧力降下を与えて、二酸化炭素が圧力媒体である場合にそれがチャンバ60に到達する前に確実に液体がカートリッジ12から蒸発するように適切にサイズ決めされている。この第1の実施形態では、流量制限ノズル96も調整弁80の入口82に結合されていてもよい。ノズル96は、細長いカートリッジ12の閉鎖端に隣接して延在している。ノズル96は、さらなる圧力降下を与えて、チャンバ60に到達する前に確実に液体二酸化炭素がカートリッジ12から蒸発させるための制限管98を備える。
【0027】
図9に示されている第2の実施形態を見ると、第1の実施形態に対する修正点のみがここに示されている。本開示の残りは両方の実施形態に適用可能である。細長い圧力カートリッジ12の充填は、栓12を通るより小さい中央弁棒通路84を直接通って流れる流体の充填を用いる第2の実施形態では単純化されている。第1の実施形態の弁ハウジング34は用いられていない。代わりに調整弁80が圧力カートリッジ12を充填するために使用される。ガス定量吐出弁システム14との組み立てのために、調整弁80も閉じて充填されるカートリッジ12内の圧縮流体をシールする。栓24の中の摺動可能な細長い弁ハウジング34およびネジ山付きポスト36がない場合、ガス定量吐出弁システム14とのその螺合は存在しない。調整シリンダはこの場合も細長い圧力カートリッジ12の開放端の周りに円筒状ソケットを備える。
【0028】
第2の実施形態における調整弁80は別々に形成され、かつ栓24の端部と組み立てらえる。第1の実施形態と同様に、調整弁80は弁入口82と、弁要素84と、中央弁棒通路84およびOリング座88を通る出口とを備える。押し付けパッド92を有する弁棒90は同様に弁要素84に接して中央弁棒通路84内に配置されている。ここでも適切にサイズ決めされた弁棒90を選択することにより、弁棒90と弁棒通路84との間にある環状通路は、チャンバ60に到達する前に液体二酸化炭素を蒸発させて気体にする。この第2の実施形態における弁入口82は、カートリッジ12の閉鎖端に隣接する細長い圧力カートリッジ12の栓端部に隣接してそこから延在する剛体管100に係合されている。
【0029】
図9は、第1の実施形態において言及されているように2つのバネ定数の複雑なコイルではなく2つのコイル104、106であるバネ66を用いる第2の実施形態を示す。可撓性の低い方のコイル106は、ピストン54がその正常な動作範囲内にある場合にピストン54から変位された状態で示されている。上述のとおり、バネ66は両方の装置を特定するためのものである。
【0030】
稼働の際は、最初に細長いカートリッジ12に、
図4の矢印44の経路に沿って上に説明されている機構により最も一般的には二酸化炭素である加圧ガスを充填する。二酸化炭素は、飲料容器10の密閉された内部に使用するために利用可能な有効なガス量を増加させるために、安全に液状で貯蔵することができる。
【0031】
充填されたカートリッジ12は、最初に弁棒90を通路84内に配置し、次いで細長いカートリッジ12の栓端部に組み立てられるように調整シリンダ50を配置することにより、調整シリンダ50と組み立てる。ピストン54は好ましくは、カム表面70をカム従動節72と係合させる位置まで調整シリンダ50内で回転させる。この向きでは弁機構を駆動させることができない。シリンダヘッド52は、シリンダヘッド52の円筒状延長部の周りの取り付けディスク102および
図9に見られるような飲料容器蓋16と組み立てられる取り付けディスク102圧着部を形成するなどの従来の方法で、取り付けディスク102に係合させることができる。ピストン駆動軸74は取り付けディスク102を通してアクセス可能であり続け、ガスは駆動軸74に沿って、アクセス口62および取り付けディスク102を通って大気まで自由に移動する。従って、シリンダヘッド52に隣接する調整シリンダ50のチャンバ58は大気圧に維持される。
【0032】
細長いカートリッジ12を飲料容器10の飲料容器底蓋16と結合させたら、ピストン駆動軸74を飲料容器10の外側から駆動させて、カム従動節72をカム70から離れるように操作して加圧システムを作動させることができる。本システムはピストン駆動軸74により繰り返し電源を入れたり切ったりすることができる。
【0033】
起動の状態に関わらず、細長いカートリッジ12の飲料容器10への漏出などによる飲料容器10内での超過圧力を防止するための安全機構が存在する。弁の状態とは無関係に、飲料容器10の正常な動作範囲を超える圧力上昇が、ポート64を通してチャンバ60によって受け取られる。これによりピストン54はピストンバネ66の力に逆らって上昇する。密閉された内部と大気との予め選択された圧力差で、ピストン54は調整シリンダ50内の中間位置まで上昇して逃し口76を開け、
図8の矢印77によって示されているようにあらゆる過剰な飲料圧力を大気に放出する。複合バネ66が使用される場合に硬い方の定数であってもよいピストンバネ66のために適切なバネ定数を選択することにより、飲料容器圧力のために適切な上限を予め選択してもよい。
【0034】
正常な動作ではピストン54は、ピストンバネ66がピストン54の両側での大気と飲料圧力との圧力差に抵抗している状態で平衡位置をとる。飲料が飲料容器10から引き抜かれた際に、飲料容器10内の飲料圧力は低下し、ピストンバネ66はピストンを飲料圧力チャンバ60に向かって移動させる。十分な圧力降下によりピストン54は押し付けパッド92に係合する。最終的に、密閉された内部と大気との予め選択された圧力差で、弁バネ94が負けると調整弁80が開く。次いで細長い圧力カートリッジ12からの充填ガスは、弁を通ってチャンバ60および最終的に
図6の矢印78の流路を通して飲料容器10内のヘッドスペースまで流れることができる。飲料容器10内で圧力が上昇するにつれて、ピストン54は後退して弁棒90から係脱する。このように、適切な圧力充填は飲料容器10内で維持される。ピストンバネ66のために適切なバネ定数および初期圧縮を選択することにより、適切な飲料容器圧力を予め選択してもよい。適切な飲料定量吐出範囲における圧力と安全放出を作動させる圧力との差に応じて、単一のバネ定数を用いてもよく、あるいは当該バネは、正常な動作中に飲料圧力範囲を超えるバネ定数の増加を伴う複合特徴を有していてもよい。
【0035】
飲料圧力システムは、飲料容器底蓋16と共に用いられている状態で示されている。これは、細長いカートリッジ12の栓端部20を細長いカートリッジ12の閉鎖端18の下に垂直に向ける。その向きではヘッドスペースは存在しているか、加圧ガスの使用によりカートリッジ12内に生じる。この目的のために、剛体管100またはノズル96が閉鎖端18に隣接するように調整弁入口82から延在している。管100またはノズル96の端部の下のカートリッジ12内にヘッドスペースがあれば、ガス充填物のみが弁に入る。この充填物が液体二酸化炭素であれば、飲料容器の異なる向きまたは細長いカートリッジ12の過剰充満により、液体が管100またはノズル96を通って弁の中に移動してしまう。液体二酸化炭素が飲料容器10の中に直接入らないことが好ましい。もし直接入れば、圧力が急上昇する機会がさらに高まる。この可能性を克服するために、弁棒90は上記のような中央弁棒通路84の断面積により近づくようにサイズ決めされており、これにより流れによる圧力降下を誘導して、液体二酸化炭素が調整シリンダ50内のピストン54の下のチャンバ60まで移動し、次いでポート64を通って飲料容器内部に移動するのを阻止する。
【0036】
従って、加圧システムを備えた改良された飲料容器が開示されている。本発明の実施形態および用途を図示および説明してきたが、本明細書中の本発明の概念から逸脱することなくさらに多くの修正が可能であることが当業者には明らかであろう。従って、本発明は添付の特許請求の範囲の趣旨を除いて限定されない。
【国際調査報告】