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特表2022-522804窒化ケイ素、セラミックスラリー及び調製方法
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  • 特表-窒化ケイ素、セラミックスラリー及び調製方法 図1
  • 特表-窒化ケイ素、セラミックスラリー及び調製方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-20
(54)【発明の名称】窒化ケイ素、セラミックスラリー及び調製方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 21/068 20060101AFI20220413BHJP
【FI】
C01B21/068 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021551882
(86)(22)【出願日】2019-12-27
(85)【翻訳文提出日】2021-08-31
(86)【国際出願番号】 CN2019129452
(87)【国際公開番号】W WO2020177465
(87)【国際公開日】2020-09-10
(31)【優先権主張番号】201910164306.3
(32)【優先日】2019-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521389701
【氏名又は名称】青島瓷興新材料有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】崔巍
(72)【発明者】
【氏名】成会明
(72)【発明者】
【氏名】鄒芸峰
(72)【発明者】
【氏名】李飛
(72)【発明者】
【氏名】張杰
(57)【要約】
本発明は窒化ケイ素粉末及びその調製方法、この窒化ケイ素粉末を含むセラミックスラリー及びその調製方法である。全窒化ケイ素の表面積に対して、窒化ケイ素粉末の酸化されていない窒化ケイ素の表面積は0.40~0.85である。セラミックスラリーは、この窒化ケイ素粉末、焼結助剤、及びヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、エステル基、アルデヒド基、及びカルボニル基などの基団を有する有機成分を含む。セラミックスラリーの調製方法は以下のステップを含む:(1)温度制御活性化燃焼合成法により窒化ケイ素一次粉末を調製するステップ;(2)窒化ケイ素一次粉末を目の粗いふるいにかけ、硝酸、塩酸、硫酸の混酸で酸洗し、そして水洗、吸引ろ過、乾燥を行うステップ;(3)ステップ2で得られた粉末を加熱装置に入れ、窒素気流の条件下で熱処理して添加剤を除去するステップ;(4)ステップ3で得られた粉末を、流体と混合してから、グラインダーに入れて研削し、ふるいにかけて製品を得るステップ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全窒化ケイ素の表面積に対して、窒化ケイ素粉末の酸化されていない窒化ケイ素の表面積が0.40~0.85であり;好ましくは、全窒化ケイ素の表面積に対して、前記窒化ケイ素粉末の酸化されていない窒化ケイ素の表面積が0.50~0.80であり;より好ましくは、全窒化ケイ素の表面積に対して、前記窒化ケイ素粉末の酸化されていない窒化ケイ素の表面積が0.55~0.76であることを特徴とする、窒化ケイ素粉末。
【請求項2】
前記窒化ケイ素粉末の粒径範囲は0.4μm~20μmであり;好ましくは1μm~10μmであり;より好ましくは1.3μm~5μmであり;
好ましくは、前記窒化ケイ素粉末の比表面積は0.5m2/g~8.0m2/gであり;より好ましくは、前記窒化ケイ素粉末の比表面積は0.8m2/g~6.0m2/gであり;さらに好ましくは、前記窒化ケイ素粉末の比表面積は1.0m2/g~5.0m2/gであり;特に好ましくは、前記窒化ケイ素粉末の比表面積は1.1m2/g~4.0m2/gであり;
好ましくは、前記窒化ケイ素粉末のα相の含有量は60wt%よりも高く、好ましくは80wt%よりも高く、より好ましくは85wt%~95wt%であることを特徴とする、請求項1に記載の窒化ケイ素粉末。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の窒化ケイ素粉末、焼結助剤、及び有機成分を含み、そのうち、前記有機成分にはヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、エステル基、アルデヒド基、及びカルボニル基から選ばれる少なくとも1種の基団を有し;好ましくは、前記有機成分にはヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、及びエステル基から選ばれる少なくとも1種の基団を有し;より好ましくは、前記有機成分にはヒドロキシル基、カルボキシル基から選ばれる少なくとも1種の基団を有することを特徴とする、セラミックスラリー。
【請求項4】
前記有機成分には溶剤、分散剤、バインダー及び可塑剤が含まれ;好ましくは、前記窒化ケイ素粉末、前記焼結助剤、前記溶剤、前記分散剤、前記バインダー、及び前記可塑剤の質量比は、100:(3~15):(20~70):(2~4):(5~20):(5~30)であり;
好ましくは、前記焼結助剤は酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、及び窒化ケイ素マグネシウムのうちの1種又は複数種から選ばれ;好ましくは、前記溶剤はエタノール、エチレングリコール、イソプロパノール、n-ブタノール、及び2-ブタノンのうちの1種又は複数種から選ばれ;好ましくは、前記分散剤はリン酸トリエチル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸アンモニウム、及びクエン酸アンモニウムのうちの1種又は複数種から選ばれ;好ましくは、前記バインダーはポリエチレングリコール、ポリビニルブチラール、及びアクリル酸メチルのうちの1種又は複数種から選ばれ;好ましくは、前記可塑剤はフタル酸エステル、ポリエチレングリコール、及びグリセリンのうちの1種又は複数種から選ばれ;
好ましくは、前記セラミックスラリーの不純物含有量は5wt%未満であり、固相体積分率は50%~75%であり、粘度は0.2pa・s未満であることを特徴とする、請求項3に記載のセラミックスラリー。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の窒化ケイ素粉末の調製方法は、
(1)温度制御活性化燃焼合成法により窒化ケイ素一次粉末を調製るステップ;
(2)前記窒化ケイ素一次粉末を目の粗いふるいにかけ、硝酸、塩酸、硫酸の混酸で酸洗し、そして水洗、吸引ろ過、乾燥を行うステップ;
(3)ステップ2で得られた粉末を加熱装置に入れ、窒素気流の条件下で熱処理して添加剤を除去するステップ;
(4)ステップ3で得られた粉末を、有機物を含む流体と混合して表面整形を行い、ふるいにかけ、窒化ケイ素粉末を含むスラリーを得るステップ;
(5)ステップ3で得られた前記窒化ケイ素粉末を含むスラリーを無酸素環境下で熱処理し、前記流体を除去し、密閉包装して前記窒化ケイ素粉末を得るステップを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の窒化ケイ素粉末の調製方法。
【請求項6】
前記ステップ(1)で得られた前記窒化ケイ素一次粉末の粒度範囲は0.1μm~20μmであり、好ましくは1μm~10μmであり;より好ましくは1.3μm~5μmであり;α相の含有量は60wt%よりも高く、好ましくは80wt%よりも高く、より好ましくは85wt%~95wt%であり;不純物含有量は10%よりも低く;好ましくは、前記窒化ケイ素一次粉末の粒子はいずれも等軸形態を呈し;好ましくは、前記ステップ(4)の前記表面整形にはサンドミリング、攪拌ミリング、Vミキサーミリング及び/又はローラーミリングが含まれ、好ましくはサンドミリングであり;
好ましくは、前記ステップ(1)の温度制御活性化燃焼合成法により窒化ケイ素一次粉末を調製する過程では、窒素圧は0.5MPa~8MPaであり、好ましくは0.6MPa~3MPaであり;
好ましくは、前記ステップ(2)は以下の内容を含み:前記窒化ケイ素一次粉末を150~900メッシュの粗いふるいにかけ、硝酸、塩酸、硫酸の混酸で酸洗し、前記窒化ケイ素一次粉末表面の酸化層と酸素含有基を除去し;前記混酸中の前記硝酸、前記塩酸、前記硫酸の体積含有率はそれぞれ10%~20%、60%~80%、10%~20%であり、質量分率は、それぞれ68%未満、20%未満、70%未満であり、1~10時間酸洗を行い、酸洗後の粉末を水で1~5回洗浄して水溶性物質を除去し、吸引ろ過後、プレス乾燥、スプレー乾燥又は真空乾燥法で乾燥し;
好ましくは、前記ステップ(3)は以下の内容を含み:ステップ2で得られた粉末を加熱装置に入れ、窒素気流の条件下で熱処理して添加剤を除去し、前記添加剤はNH4Cl及び/又はNH4Fを含み;前記加熱装置はトンネルキルン又は加熱炉を含み;前記熱処理は以下の内容を含み:窒素気流の条件下で500℃~900℃で1~8時間熱処理を行い、加熱速度は5℃/min~10℃/minであり、そのうち、窒素純度は99.2wt%~99.999wt%であり、流量は2m/s~5m/sであり;
好ましくは、前記ステップ(4)の前記有機物は、リン酸トリエチル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸アンモニウム、及びクエン酸アンモニウムのうちの1種又は複数種から選ばれることを特徴とする、請求項5に記載の調製方法。
【請求項7】
請求項3又は4に記載のセラミックスラリーの調製方法は、
(1)温度制御活性化燃焼合成法により窒化ケイ素一次粉末を調製るステップ;
(2)前記窒化ケイ素一次粉末を目の粗いふるいにかけ、硝酸、塩酸、硫酸の混酸で酸洗し、そして水洗、吸引ろ過、乾燥を行うステップ;
(3)ステップ2で得られた粉末を加熱装置に入れ、窒素気流の条件下で熱処理して添加剤を除去するステップ;
(4)ステップ3で得られた粉末を、有機物を含む流体と混合して表面整形を行い、ふるいにかけ、請求項5~7のいずれか1項に記載のセラミックスラリーを得るステップを含むことを特徴とする、請求項3又は4に記載のセラミックスラリーの調製方法。
【請求項8】
前記ステップ(1)で得られた前記窒化ケイ素一次粉末の粒度範囲は0.1μm~20μmであり、好ましくは1μm~10μmであり;より好ましくは1.3μm~5μmであり;α相の含有量は60wt%よりも高く、好ましくは80wt%よりも高く、より好ましくは85wt%~95wt%であり;不純物含有量は10%よりも低く;好ましくは、前記窒化ケイ素一次粉末の粒子はいずれも等軸形態を呈し;好ましくは、前記ステップ(4)の前記表面整形にはサンドミリング、攪拌ミリング、Vミキサーミリング及び/又はローラーミリングが含まれ、好ましくはサンドミリングであり;
好ましくは、前記ステップ(1)の温度制御活性化燃焼合成法により窒化ケイ素一次粉末を調製する過程では、窒素圧は0.5MPa~8MPaであり、好ましくは0.6MPa~3MPaであり;
好ましくは、前記ステップ(2)は以下の内容を含み:前記窒化ケイ素一次粉末を150~900メッシュの粗いふるいにかけ、硝酸、塩酸、硫酸の混酸で酸洗し、前記窒化ケイ素一次粉末表面の酸化層と酸素含有基を除去し;前記混酸中の前記硝酸、前記塩酸、前記硫酸の体積含有率はそれぞれ10%~20%、60%~80%、10%~20%であり、質量分率は、それぞれ68%未満、20%未満、70%未満であり、1~10時間酸洗を行い、酸洗後の粉末を水で1~5回洗浄して水溶性物質を除去し、吸引ろ過後、プレス乾燥、スプレー乾燥又は真空乾燥法で乾燥し;
好ましくは、前記ステップ(3)は以下の内容を含み:ステップ2で得られた粉末を加熱装置に入れ、窒素気流の条件下で熱処理して添加剤を除去し、前記添加剤はNH4Cl及び/又はNH4Fを含み;前記加熱装置はトンネルキルン又は加熱炉を含み;前記熱処理は以下の内容を含み:窒素気流の条件下で500℃~900℃で1~8時間熱処理を行い、加熱速度は5℃/min~10℃/minであり、そのうち、窒素純度は99.2wt%~99.999wt%であり、流量は2m/s~5m/sであり;
好ましくは、前記ステップ(4)の前記流体は焼結助剤、溶剤、分散剤、バインダー、及び可塑剤を含み、ステップ3で得られた粉末、前記焼結助剤、前記溶剤、前記分散剤、前記バインダー、及び前記可塑剤を混合し、それらの質量比は100:(3~15):(20~70):(2~4):(5~20):(5~30)であり;
好ましくは、前記焼結助剤は酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、及び窒化ケイ素マグネシウムのうちの1種又は複数種から選ばれ;好ましくは、前記溶剤はエタノール、エチレングリコール、イソプロパノール、n-ブタノール、及び2-ブタノンのうちの1種又は複数種から選ばれ;好ましくは、前記分散剤はリン酸トリエチル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸アンモニウム、及びクエン酸アンモニウムのうちの1種又は複数種から選ばれ;好ましくは、前記バインダーはポリエチレングリコール、ポリビニルブチラール、及びアクリル酸メチルのうちの1種又は複数種から選ばれ;好ましくは、前記可塑剤はフタル酸エステル、ポリエチレングリコール、及びグリセリンのうちの1種又は複数種から選ばれ;
好ましくは、前記ステップ(4)は以下の内容を含み:ステップ3で得られた粉末、前記焼結助剤、前記溶剤、前記分散剤、前記バインダー、及び前記可塑剤を混合してから、サンドミルに入れ1~10時間研削し、回転速度は300~3000r/minであり、研削媒体は窒化ケイ素研削ボールであり、150~900メッシュのふるいにかけて前記セラミックスラリーが得られることを特徴とする、請求項7に記載の調製方法。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の窒化ケイ素粉末を含むセラミックスラリー又は請求項3又は4に記載のセラミックスラリーを焼結して得られる窒化ケイ素焼結体。
【請求項10】
請求項9に記載の窒化ケイ素焼結体を使用する回路基板。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本願は、2019年3月5日に中国国家知識産権局に提出された、特許出願番号201910164306.3で、発明名称が「窒化ケイ素、セラミックスラリー及び調製方法」である先行出願に基づいて優先権を主張する。前記先行出願は、その全体が引用により本願に組み込まれる。
【0002】
〔技術分野〕
本発明は窒化ケイ素、窒化ケイ素セラミックスラリー及び調製方法に関し、特に基板用窒化ケイ素セラミックスラリー及び調製方法に関し、セラミック材料の分野に属する。
【0003】
〔背景技術〕
エネルギー、宇宙技術、新エネルギー動力、高速鉄道地上輸送などの科学技術の発展に伴い、高出力のパワーエレクトロニクスデバイスの需要が日々に高まっている。基板は、パワーエレクトロニクスデバイスの集積回路のコアコンポーネントであり、複雑で過酷な条件下で、基板の安定性に影響を与える原因は、極端な熱と機械的応力の複合効果であり、しかし、既存の基板材料は良好な耐熱衝撃性と機械的強度を兼ねにくいため、基板製造分野では熱伝導性と機械的特性に優れた材料の使用が急務となっている。
【0004】
窒化ケイ素セラミックは、低密度、低膨張係数、高熱伝導率、高硬度、良好な熱的安定性及び化学的安定性、耐食性、耐摩耗性などのさまざまな優れた特性を備えており、高出力のパワーエレクトロニクスデバイスのパワーモジュールに非常に適している。高い熱伝導率と高い機械的強度(曲げ強度と破壊靭性)を備えた窒化ケイ素基板は、過酷な使用環境下でも長寿命で信頼性が高く、動作中のパワーエレクトロニクスシステムの安全性と信頼性を高める。
【0005】
〔発明の概要〕
本発明の一つの態様は、全窒化ケイ素の表面積に対して、窒化ケイ素粉末の酸化されていない窒化ケイ素の表面積が0.40~0.85であり;好ましくは、全窒化ケイ素の表面積に対して、前記窒化ケイ素粉末の酸化されていない窒化ケイ素の表面積が0.50~0.80であり;より好ましくは、全窒化ケイ素の表面積に対して、前記窒化ケイ素粉末の酸化されていない窒化ケイ素の表面積が0.55~0.76である窒化ケイ素粉末を提供する。
【0006】
本発明の一つの態様によると、前記窒化ケイ素粉末の粒径範囲は0.4μm~20μmであり、好ましくは1μm~10μmであり、より好ましくは1.3μm~5μmである。
【0007】
本発明の一つの態様によると、前記窒化ケイ素粉末の比表面積は0.5m2/g~8.0m2/gであり;好ましくは、前記窒化ケイ素粉末の比表面積は0.8m2/g~6.0m2/gであり;より好ましくは、前記窒化ケイ素粉末の比表面積は1.0m2/g~5.0m2/gであり;さらに好ましくは、前記窒化ケイ素粉末の比表面積は1.1m2/g~4.0m2/gである。
【0008】
本発明の一つの態様によると、前記窒化ケイ素粉末のα相の含有量は60wt%よりも高く、好ましくは80wt%よりも高く、より好ましくは85wt%~95wt%である。
【0009】
本発明の一つの態様は、上記のような窒化ケイ素粉末、焼結助剤、及び有機成分を含み、そのうち、前記有機成分にはヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、エステル基、アルデヒド基、及びカルボニル基などの基団を有し;好ましくは、前記有機成分にはヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、及びエステル基などの基団を有し;より好ましくは、前記有機成分にはヒドロキシル基、カルボキシル基などの基団を有することを特徴とするセラミックスラリーを提供する。
【0010】
本発明の一つの態様によると、前記有機成分には溶剤、分散剤、バインダー及び可塑剤が含まれ、好ましくは、前記窒化ケイ素粉末、前記焼結助剤、前記溶剤、前記分散剤、前記バインダー、及び前記可塑剤の質量比は、100:(3~15):(20~70):(2~4):(5~20):(5~30)である。
【0011】
本発明の一つの態様によると、前記焼結助剤は酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、及び窒化ケイ素マグネシウムのうちの1種又は複数種から選ばれ;好ましくは、前記溶剤はエタノール、エチレングリコール、イソプロパノール、n-ブタノール、及び2-ブタノンのうちの1種又は複数種から選ばれ;好ましくは、前記分散剤はリン酸トリエチル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸アンモニウム、及びクエン酸アンモニウムのうちの1種又は複数種から選ばれ;好ましくは、前記バインダーはポリエチレングリコール、ポリビニルブチラール、及びアクリル酸メチルのうちの1種又は複数種から選ばれ;好ましくは、前記可塑剤はフタル酸エステル、ポリエチレングリコール、及びグリセリンのうちの1種又は複数種から選ばれる。
【0012】
本発明の一つの態様によると、前記セラミックスラリーの不純物含有量は5wt%未満であり、固相体積分率は50%~75%であり、粘度は0.2pa・s未満である。
【0013】
本発明の一つの態様は、以下のステップを含む、窒化ケイ素粉末の調製方法を提供する:
(1)温度制御活性化燃焼合成法により窒化ケイ素一次粉末を調製るステップ;
(2)前記窒化ケイ素一次粉末を目の粗いふるいにかけ、硝酸・塩酸・硫酸の混酸で酸洗し、そして水洗、吸引ろ過、乾燥を行うステップ;
(3)ステップ2で得られた粉末を加熱装置に入れ、窒素気流の条件下で熱処理して添加剤を除去するステップ;
(4)ステップ3で得られた粉末を、有機物を含む流体と混合して表面整形を行い、ふるいにかけ、窒化ケイ素粉末を含むスラリーを得るステップ;
(5)ステップ3で得られた前記窒化ケイ素粉末を含むスラリーを無酸素環境下で熱処理し、前記流体を除去し、密閉包装して前記窒化ケイ素粉末を得るステップ。
【0014】
本発明の一つの態様は、以下のステップを含む、窒化ケイ素セラミックスラリーの調製方法を提供する:
(1)温度制御活性化燃焼合成法により窒化ケイ素一次粉末を調製るステップ;
(2)前記窒化ケイ素一次粉末を目の粗いふるいにかけ、硝酸、塩酸、硫酸の混酸で酸洗し、そして水洗、吸引ろ過、乾燥を行うステップ;
(3)ステップ2で得られた粉末を加熱装置に入れ、窒素気流の条件下で熱処理して添加剤を除去するステップ;
(4)ステップ3で得られた粉末を、有機物を含む流体と混合して表面整形を行い、ふるいにかけ、上記のようなセラミックスラリーを得るステップ。
【0015】
そのうち、上記窒化ケイ素粉末の調製方法及び窒化ケイ素セラミックスラリーの調製方法において、ステップ(1)における温度制御活性化燃焼合成法により調製される高純度α窒化ケイ素粉体の粒度範囲は0.4μm~20μmであり、α相の含有量は60wt%よりも高く、不純物含有量は10wt%よりも低く、粒子形態は良好な一貫性を示し、窒化ケイ素粉体は等軸形態を呈す。得られた窒化ケイ素粉体は、集積回路基板の製造に非常に適している。
【0016】
上記ステップ(1)は例えば以下の内容を含む:
(1.1)元の粒度が100~500メッシュであるシリコン粉末原料をボールミルで活性化処理し、媒体としてアルコール又はアセトンを使用し、12~36時間ボールミル処理を実行し、ボールミル処理後のスラリーを真空ろ過し、50~70℃の温度で真空乾燥し、平均粒径が約0.5~1μmの高活性シリコン粉末が得られるステップ;
(1.2)上記1.1活性化処理のシリコン粉末を原料として、適量の希釈剤と添加剤を加え、添加剤は、NH4Cl、NH4Fの1種又は2種の混合物であり、各成分の重量百分率は、原料としてのシリコン粉末:20wt%~55wt%、希釈剤としての窒化ケイ素:40wt%~70wt%、添加剤:5wt%~10wt%であり、ブレンドして混合原料を得るステップ;
(1.3)上記1.2で得られた混合原料を、媒体としてのアルコール又はアセトンで10~20時間ボールミル処理して完全に混合し、混合後の原料を50~70℃の温度で真空乾燥した後、50~200メッシュのふるいにかけ、そして、グラファイトボートにゆるく詰めるステップ;
(1.4)燃焼合成反応装置に1.3のグラファイトボートをにセットし、真空引き後、0.5~4.5MPaの高純度窒素ガスを充填し、着火後、燃焼合成反応を起こし;燃焼反応終了後、十分に冷却した後、生成物を取り出し、α相の含有量が60wt%よりも高い窒化ケイ素粉体が得られるステップ。
【0017】
上記窒化ケイ素粉末の調製方法及び窒化ケイ素セラミックスラリーの調製方法において、ステップ(2)において、調製された窒化ケイ素粉体を150~900メッシュの粗いふるいにかけ、次いで酸洗し、粉体表面の酸化層と酸素含有基を除去し;前記混酸中の硝酸、塩酸、硫酸の体積含有率はそれぞれ10%~20%、60%~80%、10%~20%であり、各酸溶液の質量分率は、それぞれ68%未満、20%未満、70%未満であり、1~10時間酸洗を行い、酸洗後の粉体を水で1~5回洗浄して水溶性イオン性異物などの水溶性物質を除去し、吸引ろ過後、プレス乾燥、スプレー乾燥又は真空乾燥の方法で乾燥する。
【0018】
上記窒化ケイ素粉末の調製方法及び窒化ケイ素セラミックスラリーの調製方法において、ステップ(3)でα窒化ケイ素セラミック粉体を熱処理して、初期粉体中のNH4Cl又はNH4F添加剤を除去し;前記加熱装置はトンネルキルン又は加熱炉であり、熱処理プロセスは、窒素気流の条件下で500~900℃で1~8時間熱処理を行い、加熱速度は5~10℃/minであり、そのうち、窒素純度は99.2%~99.999%であり、流量は2~5m/sである。
【0019】
上記窒化ケイ素粉末の調製方法及び窒化ケイ素セラミックスラリーの調製方法において、ステップ(4)でα窒化ケイ素セラミック粉体、焼結助剤、溶剤、分散剤、バインダー、可塑剤を混合し、それらの質量比は100:(3~15):(20~70):(2~4):(5~20):(5~30)であり、遊星ボールミル、ローリングボールミル、サンドミルに入れ1~10時間研削し、回転速度は300~3000r/minであり、研削媒体は窒化ケイ素研削ボールであり、150~900メッシュのふるいにかけて高純度α窒化ケイ素セラミックスラリーが得られ;前記焼結助剤は酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、及び窒化ケイ素マグネシウムのうちの1種又は複数種であり;前記溶剤はエタノール、エチレングリコール、イソプロパノール、n-ブタノール、及び2-ブタノンのうちの1種又は複数種であることが好ましく;前記分散剤はリン酸トリエチル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸アンモニウム、及びクエン酸アンモニウムのうちの1種又は複数種であることが好ましく;前記バインダーはポリエチレングリコール、ポリビニルブチラール、及びアクリル酸メチルのうちの1種又は複数種であることが好ましく;前記可塑剤はフタル酸エステル、ポリエチレングリコール、及びグリセリンのうちの1種又は複数種であることが好ましい。
【0020】
上記窒化ケイ素粉末の調製方法及び窒化ケイ素セラミックスラリーの調製方法において、前記ステップ(4)での前記表面整形には、サンドミリング、攪拌ミリング、Vミキサーミリング及び/又はローラーミリングが含まれ、好ましくはサンドミリングである。
【0021】
上記方法で得られた窒化ケイ素セラミックスラリーは、不純物含有量が5wt%未満であり、固相体積分率が50~75%であり、粘度が0.2pa・s未満であり、窒化ケイ素粉末のα相の含有量が60wt%よりも高く、テープ成形に適しており、且つ調製方法も簡単である。上記説明から、本明細書で得られた窒化ケイ素セラミックスラリーは、高い固相体積分率(50~75%)と低い粘度(0.2pa・s未満)の両方の利点を持っていることが分かる。一般に、セラミックスラリーの固相体積分率が高いほど、その粘度は高くなる。これは、固形分が増加し、増加した後凝集すると、スラリーの流動性が弱くなるためである。窒化ケイ素セラミック基板は一般にテープ成形によって製造され、テープ成形は、高品質の窒化ケイ素セラミック基板を製造するために、スラリーが高固形分及び低粘度の両方を有することを必要とする。本発明が提案される前に、高い固相体積分率と低い粘度の両方を同時に有する窒化ケイ素セラミックスラリーをどのように得るか、この技術問題は、この分野の研究者を長い間悩ませ続けてきた。
【0022】
本発明の前に、固相体積分率が高く、粘度が低い窒化ケイ素セラミックスラリーを得るために、研究者は、従来の機械パルプ法、化学パルプ法、有機溶剤パルプ法などの様々な方法を試みたが、結果は満足のいくものではない。この分野の研究者は、高固形分と低粘度は相容れない矛盾であるという深い理解をほぼ形成しており、高固形分と低粘度の両方を備える窒化ケイ素セラミックスラリーを得るのは、ほとんど不可能な作業である。
【0023】
本発明によって提供される上記窒化ケイ素粉体は、上記技術問題を非常によく解決した。理論及び既存の経験に拘束されることなく、本発明の発明者は研究の中で意外に以下の内容を発見した:高い固形分を有するセラミックスラリーが高粘度になる主な原因の1つは、セラミックスラリーに使用される窒化ケイ素粉体の粒子が、小さい粒径と大きい比表面積を有することであり、比表面積の大きい窒化ケイ素粉体が、空気などの酸化環境に接触し、粉体の表面に過剰なヒドロキシル基又は他の酸素含有基が形成され、静電エネルギーが増加し、粉体粒子が静電力と水素結合などの作用で凝集が起こり、粉体間の流動性と潤滑性を妨げるため、高固形分と低粘度の両方を備える窒化ケイ素セラミックスラリーを得ることは不可能である。
【0024】
上記技術問題の予期せぬ発見と深い理解に基づいて、本発明の発明者は、上記のような新規の窒化ケイ素粉体を提供し、この窒化ケイ素粉体は、全窒化ケイ素の表面積に対する酸化されていない窒化ケイ素の表面積の割合が高いため、セラミックスラリーにおける窒化ケイ素粉体の分散性を大幅に改善し、セラミックスラリーの粘度を低下させ、窒化ケイ素の固形分を増加させるようになり、集積回路基板を製造するためのテープ成形に非常に適している。この新規の窒化ケイ素粉体に対して、本発明の発明者は、以下の簡単、巧妙かつ効率的な解決策を考案した:最初に窒化ケイ素粉体を有機成分と予混合しておき、装置を使用して有機-無機混合物の表面整形を行い、そのうちの窒化ケイ素粉体を完全に粉砕し、窒化ケイ素粉体の内部物質を露出させて新しい表面を形成する。本発明の発明者は、上記表面整形の過程では窒化ケイ素粉体が有機成分によって包まれ、空気から隔離されるので、表面整形(例えば、研削、粉砕)によって新たに露出された窒化ケイ素表面が空気中の酸素によって酸化されず、表面に酸素含有官能基を形成しにくいことを発見した。上記簡単だが効果的な方法により、本発明の発明者は、この分野の研究者を長い間悩ませてきた前述問題を解決し、高固形分と低粘度の両方を備える窒化ケイ素セラミックスラリーを首尾よく提供した。本発明の実施例によって提供されるセラミックスラリーは、固形分(体積分率)が50~75%に達し、同時に、その粘度が0.2pa・s未満であり得る。
【0025】
また、本発明の発明者は、上記予混合、研削の前に、窒化ケイ素粉末を酸洗して、粉体表面の酸化層と酸素含有基を除去し;酸洗後、水で洗浄し、水溶性イオン性異物を除去し;水洗い後、熱処理を行い、初期粉体中のNH4Cl又はNH4F添加剤を前記熱処理により除去する。予混合、研削の前の上記酸洗い、水洗い、熱処理などのプロセスにより、窒化ケイ素粉体の純度がさらに向上し、表面特性が改善され、優れた性能のセラミックスラリーの調製により適している。
【0026】
上記表面整形、酸洗い、水洗い、熱処理などの方法により、窒化ケイ素セラミックスラリーの総合的な性能が大幅に向上することにより、本明細書の窒化ケイ素セラミックスラリーはより多くの方法で調製されるのに適している。例えば、大規模工業生産に適した燃焼合成法を用いて窒化ケイ素粉体を調製することができ、この窒化ケイ素粉体を使用してさらにセラミックスラリーを調製することができる。燃焼合成法とは、燃焼反応で放出される熱を利用して材料を調製する方法であり、外部からの瞬間的なエネルギーを利用して、高発熱化学反応系で局所的な化学反応を引き起こし、自立した反応燃焼波を形成し、さらに燃焼波が広がり、前進する過程で、原料が反応して生成物になる。他の調製方法と比較して、燃焼合成法を用いて窒化ケイ素粉体を調製するのは、低コスト、省エネ、高効率、簡単なプロセス、高い生成物純度、及び大規模生産に適しているなどの多くの利点を有する。しかしながら、本発明が提案される前に、燃焼合成法により調製された窒化ケイ素粉体をセラミックスラリーに調製すると、その性能は集積回路基板の製造要求を満たすことが困難であった。つまり、燃焼合成法を用いて窒化ケイ素粉体を調製し、次にこの窒化ケイ素粉体を使用して窒化ケイ素セラミックスラリーを調製することにも、前述問題があり、つまり高固形分と低粘度の両方を備えるセラミックスラリーを得ることが難しい。しかし、燃焼合成法を用いて窒化ケイ素一次粉末を調製し、次にこの窒化ケイ素一次粉末に対して本明細書の上記表面整形、酸洗い、水洗い、熱処理等の処理を行い、テープ成形に適した高品質のセラミックスラリーが得られ、固相体積分率が50~75%に達し、同時に、その粘度が0.2pa・s未満であり得る。本発明の発明者によって提案された解決策は、燃焼合成法を用いて窒化ケイ素粉体を調製できるようにさせ、さらに、この窒化ケイ素粉体に基づいてテープ成形に適した高品質の窒化ケイ素セラミックスラリーを大量に工業的生産することができ、この貢献は、テクノロジーにおいて先駆的な重要性を持っているだけでなく、ビジネスにおいて大きな価値を生み出すこともできる。
【0027】
本明細書の説明では、明快さと簡潔さの目的で、上記表面整形によって新たに露出された窒化ケイ素表面は、「酸化されていない窒化ケイ素の表面」と呼ばれる。「酸化されていない窒化ケイ素の表面」の面積と「全窒化ケイ素の表面」の面積の比率は、窒化ケイ素粉体が上記研削過程で新たに形成された、空気中の酸素によって酸化されていない表面の全表面に対する比率を反映できることが分かる。「表面積」比は「比表面積」比と同じであり、「比表面積」を科学的手段によって測定するのがより便利であるため、本明細書の実施例では「比表面積」比を利用して「表面積」比を決定する。
【0028】
本明細書では、「表面整形」とは、窒化ケイ素粉体を有機成分と予混合する場合に、装置を使用して有機-無機混合物を研削や粉砕などの機械的処理を行い、そのうちの窒化ケイ素粉体を完全に粉砕し、窒化ケイ素粉体の内部物質を露出させて新しい表面を形成すると共に、この過程で、窒化ケイ素粉体の上記新しい表面は、上記有機成分と物理的及び化学的相互作用を起こし、最終的に高固形分と低粘度の両方を備えるセラミックスラリーが形成される。前記表面整形には、例えばサンドミリング、攪拌ミリング、Vミキサーミリング及び/又はローラーミリングが含まれ、好ましくはサンドミリングである。サンドミリングが好ましい理由は、サンドミリングが窒化ケイ素粉体を効果的に粉砕し、規則的な表面形態及び均一な粒径を有する微粉末を得ることができ、粉体と有機成分の混合効果を向上できるからである。だだし、本明細書の「表面整形」は、上記方法に限定されるものではなく、窒化ケイ素粉体を効果的に粉砕し、微視的形態に優れた窒化ケイ素微粉末が得られる限り、上記「表面整形」の目的を達成することができる。上記内容から、本明細書で説明する「表面整形」は、窒化ケイ素粉体の酸化されていない表面を増加させるだけでなく、窒化ケイ素粉体の微視的形態を改善し、高性能セラミックスラリーの調製により適していることが分かる。特に、本明細書で説明する「表面整形」を少なくとも1つの側面から定量的に定義できるようにするために、「表面整形」の後、全窒化ケイ素の表面積に対する窒化ケイ素粉末の酸化されていない表面積は0.40~0.85であり、上記範囲は好ましくは0.50~0.80であり、より好ましくは0.55~0.76である。
【0029】
従来技術と比較して、本発明の技術案は、以下の顕著な利点を有する:
(1).本発明の実施例によって提供される窒化ケイ素粉末は、酸化されていない表面の割合が高く、窒化ケイ素粉体は等軸の規則的な形態を呈し、窒化ケイ素粉末は凝集しにくいため、高品質の窒化ケイ素セラミックスラリーのさらなる調製に適している。
【0030】
(2).温度制御活性化燃焼合成法により窒化ケイ素粉体を調製し、低い温度での燃焼合成を実現し、合成生成物の高温領域での滞留時間を大幅に短縮し、高温焼成による大面積の硬い凝集を避け、高純度、α相の高含有量、良好な粒子形態の一貫性を備えた基板用窒化ケイ素粉体を調製する。
【0031】
(3).酸洗い、水洗い、熱処理などのプロセスにより、基板用窒化ケイ素セラミックスラリーの初期粉体の純度を大幅に向上する。酸洗プロセスは、粉体表面の酸化層と酸素含有基を除去し;水洗プロセスは、水溶性イオン性異物を除去し;熱処理は、初期粉体中のNH4Cl又はNH4F添加剤を除去する。
【0032】
(4).グラインダーを使用して、窒化ケイ素セラミック粉体、溶剤、及び添加剤を研削・ブレンドして、基板用窒化ケイ素セラミックスラリーを調製し、この過程では、窒化ケイ素粉体が有機成分で包んで空気から隔離され、粉砕・細径化された窒化ケイ素の新鮮な表面には酸素含有官能基を形成しにくく、それは窒化ケイ素粉体の凝集を妨げ、窒化ケイ素セラミックスラリーの分散均一性及び安定性を大幅に向上する。
【0033】
(5).調製された基板用窒化ケイ素セラミックスラリーは、α相の含有量が高く、純度が高く、粘度が低く、固形分の含有量が高く、テープ成形に適しており、且つ調製方法が簡単であり、工業化生産に適している。
【0034】
〔図面の簡単な説明〕
本発明の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下に実施例の図面を簡単に紹介する。明らかに、以下の説明の図面は、本発明のいくつかの実施例にのみ関連し、本発明を限定するものではない。
【0035】
図1〕実施例3における温度制御活性化燃焼合成の窒化ケイ素粉体の微視的形態図である。
【0036】
図2〕実施例3における温度制御活性化燃焼合成の窒化ケイ素粉体のXRD分析パターンである。
【0037】
〔発明を実施するための形態〕
以下、本発明の窒化ケイ素及び窒化ケイ素セラミックスラリーを、具体的な実施例と併せてさらに説明する。下記実施例は本発明を例示的に説明・解釈するものだけであり、本発明の請求範囲を限定するものではないと理解すべきである。本発明の上記内容に基づいて実現された技術は本発明により請求される範囲内に含まれる。
【0038】
〔実施例1〕
1MPaの窒素圧下で、3μmの粒度、85%のα相含有量、2%の不純物含有量、及び一貫した粒子形態を有する高純度α窒化ケイ素粉体を、温度制御活性化燃焼合成法によって調製した。窒化ケイ素粉体を600メッシュのふるいにかけ、硝酸、塩酸、硫酸(体積含有率はそれぞれ20%、60%、20%であり、酸溶液の質量分率はそれぞれ40%、15%、58%である)からなる混酸で3時間酸洗を行い、次に水で3回洗浄し、吸引濾過後に真空乾燥により乾燥する。その後、窒化ケイ素粉体を加熱炉に入れて熱処理し、具体的なプロセスは、窒素気流の条件下で600℃で5時間熱処理を行い、加熱速度は8℃/minであり、そのうち、窒素純度は99.999%であり、流量は3m/sである。試験で得られた窒化ケイ素粉体の比表面積はS1=0.625m2/gである。
【0039】
次に、α窒化ケイ素セラミック粉体、溶剤、分散剤、バインダー、可塑剤(溶剤としてエタノール、分散剤としてリン酸トリエチルとポリビニルピロリドン、バインダーとしてポリビニルブチラール、可塑剤としてポリエチレングリコールとグリセリンを使用)を、100:50:3:15:20の質量比で秤量して混合し、800r/minの回転速度のサンドミルに入れ、窒化ケイ素研削ボールで2時間研削する。少量のサンプルを取り、燃焼や蒸留分離などの方法を用いて溶剤、分散剤、バインダー、可塑剤を除去し、窒化ケイ素粉体を取得し、試験で得られた比表面積はS2=2.180m2/gである。S2-S1/S2=0.713。研削後に新たに増加された窒化ケイ素表面(即ちS2-S1)は、常に溶剤、分散剤などの成分で包まれ、外気から隔離されているため、酸化されていない表面であり、つまり、本明細書の発明の概要で定義されている「酸化されていない窒化ケイ素の表面」であることを理解するのは難しいことではない。
【0040】
最後に、α窒化ケイ素セラミック粉体:焼結助剤の質量比が100:10になるように焼結助剤を加え、前記焼結助剤は、酸化アルミニウムと窒化ケイ素マグネシウムであり、混合してから、800r/minの回転速度のサンドミルに入れ、窒化ケイ素研削ボールで1時間研削する。600メッシュのふるいにかけて高純度α窒化ケイ素セラミックスラリーCX1が得られる。窒化ケイ素セラミックスラリーの特性分析を行い、その結果は、不純物含有量が3wt%であり、固相体積分率が50.5%であり、粘度が0.125pa・sである。
【0041】
〔実施例2〕
3MPaの窒素圧下で、5μmの粒度、90%のα相含有量、1.6%の不純物含有量、及び一貫した粒子形態を有する高純度α窒化ケイ素粉体を、温度制御活性化燃焼合成法によって調製した。窒化ケイ素粉体を600メッシュのふるいにかけ、硝酸、塩酸、硫酸(体積含有率はそれぞれ20%、60%、20%であり、酸溶液の質量分率はそれぞれ40%、15%、58%である)からなる混酸で5時間酸洗を行い、次に水で5回洗浄し、吸引濾過後に真空乾燥により乾燥する。その後、窒化ケイ素粉体を加熱炉に入れて熱処理し、具体的なプロセスは、窒素気流の条件下で700℃で4時間熱処理を行い、加熱速度は8℃/minであり、そのうち、窒素純度は99.999%であり、流量は3m/sである。試験で得られた窒化ケイ素粉体の比表面積はS1=0.375m2/gである。
【0042】
次に、α窒化ケイ素セラミック粉体、溶剤、分散剤、バインダー、可塑剤(溶剤としてエタノール、分散剤としてリン酸トリエチルとポリビニルピロリドン、バインダーとしてポリビニルブチラール、可塑剤としてポリエチレングリコールとグリセリンを使用)を、100:40:3:10:15の質量比で秤量して混合し、1000r/minの回転速度のサンドミルに入れ、窒化ケイ素研削ボールで3時間研削する。少量のサンプルを取り、燃焼や蒸留分離などの方法を用いて溶剤、分散剤、バインダー、可塑剤を除去し、窒化ケイ素粉体を取得し、試験で得られた比表面積はS2=1.562m2/gである。S2-S1/S2=0.760。
【0043】
最後に、α窒化ケイ素セラミック粉体:焼結助剤の質量比が100:10になるように焼結助剤を加え、前記焼結助剤は、酸化アルミニウムと酸化マグネシウムであり、混合してから、1000r/minの回転速度のサンドミルに入れ、窒化ケイ素研削ボールで1時間研削する。600メッシュのふるいにかけて高純度α窒化ケイ素セラミックスラリーCX2が得られる。窒化ケイ素セラミックスラリーの特性分析を行い、その結果は、不純物含有量が1wt%であり、固相体積分率が57%であり、粘度が0.14pa・sである。
【0044】
〔実施例3〕
0.6MPaの窒素圧下で、1.5μmの粒度、93%のα相含有量、1.3%の不純物含有量、及び一貫した粒子形態を有する高純度α窒化ケイ素粉体を、温度制御活性化燃焼合成法によって調製した。窒化ケイ素粉体を600メッシュのふるいにかけ、硝酸、塩酸、硫酸(体積含有率はそれぞれ20%、60%、20%であり、酸溶液の質量分率はそれぞれ40%、15%、58%である)からなる混酸で5時間酸洗を行い、次に水で5回洗浄し、吸引濾過後に真空乾燥により乾燥する。その後、窒化ケイ素粉体を加熱炉に入れて熱処理し、具体的なプロセスは、窒素気流の条件下で800℃で6時間熱処理を行い、加熱速度は8℃/minであり、そのうち、窒素純度は99.999%であり、流量は3m/sである。試験で得られた窒化ケイ素粉体の比表面積はS1=1.250m2/gである。
【0045】
次に、α窒化ケイ素セラミック粉体、溶剤、分散剤、バインダー、可塑剤(溶剤としてエタノール、分散剤としてリン酸トリエチルとポリビニルピロリドン、バインダーとしてポリビニルブチラール、可塑剤としてポリエチレングリコールとグリセリンを使用)を、100:30:2:8:10の質量比で秤量して混合し、1500r/minの回転速度のサンドミルに入れ、窒化ケイ素研削ボールで4時間研削する。少量のサンプルを取り、燃焼や蒸留分離などの方法を用いて溶剤、分散剤、バインダー、可塑剤を除去し、窒化ケイ素粉体を取得し、試験で得られた比表面積はS2=2.880m2/gである。S2-S1/S2=0.566。
【0046】
最後に、α窒化ケイ素セラミック粉体:焼結助剤の質量比が100:5になるように焼結助剤を加え、前記焼結助剤は、酸化イットリウムと酸化マグネシウムであり、混合してから、1500r/minの回転速度のサンドミルに入れ、窒化ケイ素研削ボールで1時間研削する。600メッシュのふるいにかけて高純度α窒化ケイ素セラミックスラリーCX3が得られる。窒化ケイ素セラミックスラリーの特性分析を行い、その結果は、不純物含有量が0.9wt%であり、固相体積分率が64.5%であり、粘度が0.165pa・sである。
【0047】
上記で得られた窒化ケイ素粉体の粒度を、走査型電子顕微鏡によって特性評価し、その結果は図1に示されている。図1から、本実施例で得られた窒化ケイ素粉体は、等軸形態を呈し、大部分の粒子径が2μm未満であり、一部の粒子径が1μm未満であることが分かる。上記で得られた窒化ケイ素粉体の相組成と含有量を、X線回折によって特性分析し、その結果は図2に示されている。図2から、本実施例で得られた窒化ケイ素の大部分はα相窒化ケイ素であり、β相窒化ケイ素の割合は7wt%未満であることが分かる。
【0048】
〔実施例4〕
0.5MPaの窒素圧下で、1.3μmの粒度、95%のα相含有量、1.1%の不純物含有量、及び一貫した粒子形態を有する高純度α窒化ケイ素粉体を、温度制御活性化燃焼合成法によって調製した。窒化ケイ素粉体を600メッシュのふるいにかけ、硝酸、塩酸、硫酸(体積含有率はそれぞれ20%、60%、20%であり、酸溶液の質量分率はそれぞれ40%、15%、58%である)からなる混酸で5時間酸洗を行い、次に水で5回洗浄し、吸引濾過後に真空乾燥により乾燥する。その後、窒化ケイ素粉体を加熱炉に入れて熱処理し、具体的なプロセスは、窒素気流の条件下で900℃で5時間熱処理を行い、加熱速度は8℃/minであり、そのうち、窒素純度は99.999%であり、流量は3m/sである。試験で得られた窒化ケイ素粉体の比表面積はS1=1.442m2/gである。
【0049】
次に、α窒化ケイ素セラミック粉体、溶剤、分散剤、バインダー、可塑剤(溶剤としてエタノール、分散剤としてリン酸トリエチルとポリビニルピロリドン、バインダーとしてポリビニルブチラール、可塑剤としてポリエチレングリコールとグリセリンを使用)を、100:20:2:6:8の質量比で秤量して混合し、2000r/minの回転速度のサンドミルに入れ、窒化ケイ素研削ボールで5時間研削する。少量のサンプルを取り、燃焼や蒸留分離などの方法を用いて溶剤、分散剤、バインダー、可塑剤を除去し、窒化ケイ素粉体を取得し、試験で得られた比表面積はS2=3.233m2/gである。S2-S1/S2=0.553。
【0050】
最後に、α窒化ケイ素セラミック粉体:焼結助剤の質量比が100:4になるように焼結助剤を加え、前記焼結助剤は、酸化アルミニウムと酸化マグネシウムであり、混合してから、2000r/minの回転速度のサンドミルに入れ、窒化ケイ素研削ボールで1時間研削する。600メッシュのふるいにかけて高純度α窒化ケイ素セラミックスラリーCX4が得られる。窒化ケイ素セラミックスラリーの特性分析を行い、その結果は、不純物含有量が0.86wt%であり、固相体積分率が72.5%であり、粘度が0.180pa・sである。
【0051】
〔実施例5〕
1MPaの窒素圧下で、3μmの粒度、85%のα相含有量、2%の不純物含有量、及び一貫した粒子形態を有する高純度α窒化ケイ素粉体を、温度制御活性化燃焼合成法によって調製した。窒化ケイ素粉体を600メッシュのふるいにかけ、硝酸、塩酸、硫酸(体積含有率はそれぞれ20%、60%、20%であり、酸溶液の質量分率はそれぞれ40%、15%、58%である)からなる混酸で3時間酸洗を行い、次に水で3回洗浄し、吸引濾過後に真空乾燥により乾燥する。その後、窒化ケイ素粉体を加熱炉に入れて熱処理し、具体的なプロセスは、窒素気流の条件下で600℃で5時間熱処理を行い、加熱速度は8℃/minであり、そのうち、窒素純度は99.999%であり、流量は3m/sである。
【0052】
次に、α窒化ケイ素セラミック粉体、焼結助剤、溶剤、分散剤、バインダー、可塑剤(焼結助剤として酸化アルミニウムと窒化ケイ素マグネシウム、溶剤としてエタノール、分散剤としてリン酸トリエチルとポリビニルピロリドン、バインダーとしてポリビニルブチラール、可塑剤としてポリエチレングリコールとグリセリンを使用)を、100:10:50:3:15:20の質量比で秤量して混合し、800r/minの回転速度のサンドミルに入れ、窒化ケイ素研削ボールで3時間研削する。
【0053】
最後に、600メッシュのふるいにかけて高純度α窒化ケイ素セラミックスラリーCX5が得られる。窒化ケイ素セラミックスラリーの特性分析を行い、その結果は、不純物含有量が3wt%であり、固相体積分率が50.3%であり、粘度が0.130pa・sである。
【0054】
本実施例の内容は、基本的に実施例1と同じであるが、実施例1では研削前後の窒化ケイ素粉体の比表面積S1、S2のステップが追加されている点が異なる。研削前後の窒化ケイ素粉体の比表面積S1、S2のステップを追加するのは、本発明の技術案が良好な技術的効果を達成する理由を探求することのみであることに留意されたい。実際の生産過程では、このステップを完全に省略でき、本実施例と同様に、窒化ケイ素セラミック粉体を、セラミックスラリーを形成するのに必要な試薬と直接混合・研削して、最終的なセラミックスラリー製品を得る。
【0055】
〔実施例6〕
1MPaの窒素圧下で、3μmの粒度、85%のα相含有量、2%の不純物含有量、及び一貫した粒子形態を有する高純度α窒化ケイ素粉体を、温度制御活性化燃焼合成法によって調製した。窒化ケイ素粉体を600メッシュのふるいにかけ、硝酸、塩酸、硫酸(体積含有率はそれぞれ20%、60%、20%であり、酸溶液の質量分率はそれぞれ40%、15%、58%である)からなる混酸で3時間酸洗を行い、次に水で3回洗浄し、吸引濾過後に真空乾燥により乾燥する。その後、窒化ケイ素粉体を加熱炉に入れて熱処理し、具体的なプロセスは、窒素気流の条件下で600℃で5時間熱処理を行い、加熱速度は8℃/minであり、そのうち、窒素純度は99.999%であり、流量は3m/sである。
【0056】
次に、α窒化ケイ素セラミック粉体、溶剤(溶剤としてエタノールを使用)を100:85の質量比で秤量して混合し、800r/minの回転速度のサンドミルに入れ、窒化ケイ素研削ボールで3時間研削する。無酸素環境(例えば、窒素で満たされたグローブボックス内)で、燃焼や蒸留分離などの方法を用いて、溶剤、分散剤、バインダー、及び可塑剤を除去し、窒化ケイ素粉体を取得し、無酸素包装(例えば、包装袋は窒素で満たされている)又は真空密封包装を行う。無酸素環境で、上記真空密封包装の窒化ケイ素粉体を取り、α窒化ケイ素セラミック粉体、焼結助剤、溶剤、分散剤、バインダー、可塑剤(焼結助剤として酸化アルミニウムと窒化ケイ素マグネシウム、溶剤としてエタノール、分散剤としてリン酸トリエチルとポリビニルピロリドン、バインダーとしてポリビニルブチラール、可塑剤としてポリエチレングリコールとグリセリンを使用)を、100:10:50:3:15:20の質量比で秤量して混合し、800r/minの回転速度のサンドミルに入れ、窒化ケイ素研削ボールで3時間研削する。
【0057】
最後に、600メッシュのふるいにかけて高純度α窒化ケイ素セラミックスラリーCX6が得られる。窒化ケイ素セラミックスラリーの特性分析を行い、その結果は、不純物含有量が3wt%であり、固相体積分率が51.1%であり、粘度が0.126pa・sである。
【0058】
本実施例に基づいて、本明細書の窒化ケイ素粉末は、真空無酸素で密封包装され、別個に販売され得ることが理解できる。ユーザーは、具体的なニーズに応じて、無酸素環境で自分でセラミックスラリーを調製することができる。ユーザーは、セラミックスラリーの成分と各成分の比率を柔軟に選択・決定することができる。このようにして、ユーザーの自由度が高まる。
【0059】
〔比較例1:表面整形を行わない(単純混合)〕
1MPaの窒素圧下で、3μmの粒度、85%のα相含有量、2%の不純物含有量、及び一貫した粒子形態を有する高純度α窒化ケイ素粉体を、温度制御活性化燃焼合成法によって調製した。窒化ケイ素粉体を600メッシュのふるいにかけ、硝酸、塩酸、硫酸(体積含有率はそれぞれ20%、60%、20%であり、酸溶液の質量分率はそれぞれ40%、15%、58%である)からなる混酸で3時間酸洗を行い、次に水で3回洗浄し、吸引濾過後に真空乾燥により乾燥する。その後、窒化ケイ素粉体を加熱炉に入れて熱処理し、具体的なプロセスは、窒素気流の条件下で600℃で5時間熱処理を行い、加熱速度は8℃/minであり、そのうち、窒素純度は99.999%であり、流量は3m/sである。試験で得られた窒化ケイ素粉体の比表面積はS1=0.625m2/gである。
【0060】
次に、α窒化ケイ素セラミック粉体、溶剤、分散剤、バインダー、可塑剤(溶剤としてエタノール、分散剤としてリン酸トリエチルとポリビニルピロリドン、バインダーとしてポリビニルブチラール、可塑剤としてポリエチレングリコールとグリセリンを使用)を、100:50:3:15:20の質量比で秤量して混合する。少量のサンプルを取り、燃焼や蒸留分離などの方法を用いて溶剤、分散剤、バインダー、可塑剤を除去し、窒化ケイ素粉体を取得し、試験で得られた比表面積はS2=0.625m2/gである。S2-S1/S2=0。
【0061】
最後に、α窒化ケイ素セラミック粉体:焼結助剤の質量比が100:10になるように焼結助剤を加え、前記焼結助剤は、酸化アルミニウムと窒化ケイ素マグネシウムであり、完全に混合する。600メッシュのふるいにかけて窒化ケイ素セラミックスラリーCX1’が得られる。窒化ケイ素セラミックスラリーの特性分析を行い、その結果は、不純物含有量が2.8wt%であり、固相体積分率が43.6%であり、粘度が0.974pa・sである。
【0062】
本比較例1の内容は、基本的に実施例1と同じであるが、比較例1では、サンドミルによる研削がなく、即ち、表面整形を行わない点が異なる。実施例1の結果を比較例1の結果と比較すると、比較例1の固相体積分率は実施例1のそれよりも低く、粘度は実施例1のそれよりも著しく高いことが分かる。
【0063】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1】実施例3における温度制御活性化燃焼合成の窒化ケイ素粉体の微視的形態図である。
図2】実施例3における温度制御活性化燃焼合成の窒化ケイ素粉体のXRD分析パターンである。
図1
図2
【国際調査報告】