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特表2022-522811半導体製造工程における新規なエッチングパターン形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-20
(54)【発明の名称】半導体製造工程における新規なエッチングパターン形成方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/11 20060101AFI20220413BHJP
   G03F 7/40 20060101ALI20220413BHJP
   H01L 21/312 20060101ALI20220413BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20220413BHJP
【FI】
G03F7/11 503
G03F7/11 502
G03F7/40 521
H01L21/312 C
H01L21/302 104C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021551910
(86)(22)【出願日】2020-03-06
(85)【翻訳文提出日】2021-08-31
(86)【国際出願番号】 KR2020003137
(87)【国際公開番号】W WO2020184904
(87)【国際公開日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】10-2019-0028812
(32)【優先日】2019-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515126259
【氏名又は名称】ヨンチャン ケミカル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【弁理士】
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 京子
(72)【発明者】
【氏名】イ スジン
(72)【発明者】
【氏名】キム ギフン
(72)【発明者】
【氏名】イ スンフン
(72)【発明者】
【氏名】イ スンヒョン
【テーマコード(参考)】
2H196
2H225
5F004
5F058
【Fターム(参考)】
2H196AA25
2H196HA24
2H225AE04N
2H225AF18N
2H225AF64N
2H225AM67N
2H225AM86N
2H225AM93N
2H225AN39N
2H225BA24N
2H225BA34N
2H225CA12
2H225CB06
2H225CB08
2H225CB09
5F004AA16
5F004DB01
5F004DB03
5F004DB07
5F004EA02
5F004EA22
5F058AA10
5F058AC03
5F058AD05
5F058AF04
5F058AG01
5F058AH01
(57)【要約】
本発明は、半導体製造工程においてエッチングパターンを形成するための方法であって、エッチング工程前に、通常のウェーハ上にフォトレジスト膜/反射防止膜/SiON膜/有機ハードマスク膜の4層を形成する従来の方法とは異なり、フォトレジスト膜/多機能有機無機マスク膜からなる2層のみを形成することにより、従来の方法と同じエッチングパターンを実現することができる革新的な方法であり、従来の方法に比べて工程を絶対単純化して生産時間及び費用を大幅に改善し、従来の方法で使用していた高価なコーティング及び蒸着装備をそれ以上必要としないので、SiONの蒸着時に必要な高価のプリカーサー(precursor)や有機ハードマスクに対する費用、及び蒸着時に必要な関連装備に対する投資又は維持費用の発生を減らすことができる著しい効果を示す。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッチング対象物であるウェーハにフォトレジスト膜/反射防止膜/SiON膜/有機ハードマスク膜の4つの層を形成するステップをフォトレジスト膜/多機能有機無機マスク膜の2層を形成するステップで代替するシリコン又はシリコン化合物エッチングパターン形成方法であって、
i)エッチング対象物であるウェーハに、スピンコーティングが可能な溶媒、シリコン化合物、架橋剤、添加剤及び界面活性剤からなる液状の多機能有機無機マスク膜組成物を、スピンコーターを用いて100乃至4000rpmで回転させながらコーティングし、100乃至400℃の温度で20乃至600秒間熱処理して多機能有機無機マスク膜を一次に形成するステップと、
ii)前記形成された多機能有機無機マスク膜の上にパターン形成のためのフォトレジストコーティング膜を二次に形成するステップと、
iii)露光と現像を経てフォトレジストパターンを形成するステップと、
iv)前記形成されたフォトレジストパターンを用いて、エッチングが可能なガスでドライエッチングを行うことにより、シリコン又はシリコン化合物のパターンを形成するステップと、を含んでなることを特徴とする、シリコン又はシリコン化合物エッチングパターン形成方法。
【請求項2】
前記i)ステップにおける多機能有機無機マスク膜は、炭素20乃至79重量%、シリコン20乃至79重量%、酸素、水素を含むその他の元素1乃至20重量%から構成されることを特徴とする、請求項1に記載のシリコン又はシリコン化合物エッチングパターン形成方法。
【請求項3】
前記iii)ステップにおけるパターン形成のための光源は、13.5nm、193nm、248nm、365nmの波長を有するものとE-beamを含む群から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載のシリコン又はシリコン化合物エッチングパターン形成方法。
【請求項4】
前記iv)ステップでパターンを形成した後、ドライエッチングに使用することができるガスは、アルゴン、窒素を始めとする不活性ガス;フッ素元素が1つ以上含まれている分子からなるガス;又は酸素ガス;よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合ガスであることを特徴とする、請求項1に記載のシリコン又はシリコン化合物エッチングパターン形成方法。
【請求項5】
前記溶媒は、前記シリコン化合物に対する十分な溶解性を有するプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、エチル3-エトキシプロピオネート(EEP)、乳酸エチル(EL)、シクロヘキサノン(Cyclohexanone)又はガンマブチロラクトン(GBL)よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする、請求項1に記載のシリコン又はシリコン化合物エッチングパターン形成方法。
【請求項6】
前記シリコン化合物は、ポリ[ジメチルシロキサン-co-(2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル)メチルシロキサン]、ポリ[ジメチルシロキサン-co-2-(9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロリン)メチルシロキサン]、ジグリシジルエーテル末端化ポリ(ジメチルシロキサン)、ビス(ヒドロキシアルキル)末端化ポリ(ジメチルシロキサン)、ジヒドロキシ末端化ポリ(ジメチルシロキサン-co-ジフェニルシロキサン)、トリメチルシリル末端化ポリ(ジメチルシロキサン-co-メチルヒドロシロキサン)、ポリ(ジメチルシロキサン)-グラフト-ポリアクリレート、又はポリ[ジメチルシロキサン-co-メチル(3-ヒドロキシプロピル)シロキサン]-グラフト-ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルよりなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする、請求項1に記載のシリコン又はシリコン化合物エッチングパターン形成方法。
【請求項7】
前記架橋剤は、トリス(2,3-エポキシプロピル)イソシアヌレート(Tris(2,3-epoxypropyl)isocyanurate)、トリメチロールメタントリグリシジルエーテル(Trimethylolmethanetriglycidylether)、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(Trimethylolpropanetriglycidylether)、トリエチロールエタントリグリシジルエーテル(Triethylolethanetriglycidylether)、ヘキサメチロールメラミン(Hexamethylolmelamine)、ヘキサメトキシメチルメラミン(Hexamethoxymethylmelamine)、ヘキサメトキシエチルメラミン(Hexamethoxyethylmelamine)、テトラメチロール2,4-ジアミノ-1,3,5-トリアジン(Tetramethylol2,4-diamino-1,3,5-triazine)、テトラメトキシメチル-2,4-ジアミノ-1,3,5-トリアジン(Tetramethoxymethyl-2,4-diamino-1,3,5-triazine)、テトラメチロールグリコールウリル(Tetramethylolglycoluril)、テトラメトキシメチル尿素(Tetramethoxymethylurea)、テトラメトキシメチルグリコールウリル(Tetramethoxymethylglycoluril)、テトラメトキシエチルグリコールウリル(Tetramethoxyethylglycoluril)、テトラメチロール尿素(Tetramethylolurea)、テトラメトキシエチル尿素(Tetramethoxyethylurea)、又はテトラメトキシエチル2,4-1,3,5-トリアジン(tetramethoxyethyl-2,4-diamino-1,3,5-triazine)よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする、請求項1に記載のシリコン又はシリコン化合物エッチングパターン形成方法。
【請求項8】
前記添加剤は、熱処理時に酸を放出する酸発生剤である熱酸発生剤(TAG:Thermal Acid Generater)であって、ピリジニウムP-トルエンスルホネート、ベンゾイントシラート、テトラブロモシクロヘキサジエン、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、アジキュアMY-H、又はフジキュアFXR-1030よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする、請求項1に記載のシリコン又はシリコン化合物エッチングパターン形成方法。
【請求項9】
前記界面活性剤は、陰イオン性、非イオン性、陽イオン性、及び両性界面活性剤よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする、請求項1に記載のシリコン又はシリコン化合物エッチングパターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造工程においてエッチングパターンを形成するために、エッチング工程前に、通常のウェーハ上にフォトレジスト膜/反射防止膜/SiON膜/有機ハードマスク膜の4層を形成する従来の方法とは異なり、革新的にフォトレジスト膜/多機能有機無機マスク膜からなる2層のみを形成することにより、従来の方法と同じエッチングパターンを実現することができる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体の需要の増加に伴い、半導体製造装備に対する大規模な投資と一緒に製造工程の単純化を介して生産性の効率を増大させようとする努力が切実に求められている。
半導体の小型化及び集積化により微細パターンの実現が要求されており、高解像度を実現することができるフォトレジストと、該フォトレジストの乱反射によるパターン不良を防止するための反射防止膜と、エッチング選択比を高めるための無機膜及び有機ハードマスク膜を順次ウェーハ上にコーティングすることが、従来の最適化方法として知られており、現在、ほとんどの半導体製造におけるエッチングパターン形成のためのコーティング膜構成方法である。
通常のウェーハ上にフォトレジスト膜/反射防止膜/SiON膜/有機ハードマスク膜の4層を形成し、各コーティング膜の形成のためにはコーティング、熱処理、露光、現像などの最小2つの工程乃至最大6つの工程を経るので、完成のためには合計8乃至24個の工程を経なければならない。
【0003】
4つのコーティング膜のいずれか一つでも減らすか、或いはこれらのコーティング膜を形成する2つ乃至6つの工程のいずれか一つでも減らす場合には、生産時間及びコストを大幅に短縮させることができるだけでなく、製造装備の投資費用及び維持費用も大幅に節減することができる。
このような改善のために、それぞれのコーティング膜の物性を一部統合しようとする努力が着実に進められているが、それぞれのコーティング膜に要求される物性を満足する結果は、まだ微々たる状態であって、一部の発明と論文において、反射防止膜とSiON膜で代表される無機膜質の性質を統合した物質を開発した結果はあるものの、一つの有機膜質からなる反射防止膜とシリコン無機膜質の相反する性質に起因する限界により、無機膜質の役割は果たしても、反射防止膜の役割をきちんと果たさないか、或いは、これとは逆に、反射防止膜の役割は果たしても、無機膜質の役割を果たさない場合がほとんどであって、非常に制限的な場合にのみ使用されていることが現在の素材技術の現況である。
また、SiON膜などの無機膜質と炭素から主に構成された有機ハード膜質の統合は、それぞれの物性が異なるため、酸素やフッ化ガスに対するエッチング比が異なって不可能な状況であり、有機ハード膜質の厚さを厚くしてより深くエッチングする場合は可能であるものの、これも反射防止膜と無機膜質が必須的に含まれなければならない工程であるので、改善とは認められない。
【0004】
最後に、無機膜質を厚くすることが考えられるが、これは、無機膜質がガラス膜であるので、厚さを厚くすると、熱処理の際にクラックが生じるか或いは不均一な厚さの膜質が形成されるので、有機ハード膜質を代替する程度に厚さを厚くすることは不可能である。
本発明は、このような従来の問題を解決するために、フォトレジスト膜の乱反射を防止しながら、無機膜質と有機膜質のエッチングガスに対して適切なエッチング耐性を有し、クラックのように表面欠陥のない均一なコーティング性を有しながらも、十分な厚さを確保することができるコーティング組成物を用いて、反射防止膜/無機膜/有機膜からなる3つのコーティング膜を1つのコーティング膜で代替することができるエッチング前のコーティング工程技術を開発することになった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、半導体製造工程においてエッチングパターンを形成するために、エッチング工程前に、通常のウェーハ上にフォトレジスト膜/反射防止膜/SiON膜/有機ハードマスク膜の4層を形成する従来の方法とは異なり、革新的にフォトレジスト膜/多機能有機無機マスク膜からなる2層のみを形成することにより、従来の方法と同じエッチングパターンを実現することができる方法を提示することにより、従来の方法に比べて工程を絶対単純化して生産時間及び費用を大幅に改善し、従来の方法で使用していた高価なコーティング及び蒸着装備をそれ以上必要としないので、関連装備に対する投資や維持費用がそれ以上発生しなくなり、SiONを化学的に蒸着する方法において、高価な原料であるプリカーサー(precursor)や装備が必要なくなり、高価な有機ハードマスクも使用する必要がないので、製造コストも絶対的に節減される効果もある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、半導体製造工程においてエッチングパターンを形成するために、エッチング工程前に、通常のウェーハ上にフォトレジスト膜/反射防止膜/SiON膜/有機ハードマスク膜の4層を形成する従来の方法とは異なり、革新的にフォトレジスト膜/多機能有機無機マスク膜からなる2層のみを形成することにより、従来の方法と同じエッチングパターンを実現することができる方法に関する。
詳しくは、通常の半導体製造工程中のシリコン又はシリコン化合物層のエッチング工程において、エッチング対象物に有機膜と無機膜を順次適切な厚さで積層するが、まず、炭素が多量に含有されている有機炭素膜層をコーティングし、SiON層を化学気相蒸着法で蒸着した後、その上に反射防止膜をコーティングし、最後にフォトレジストをコーティングしてパターニングを行う。パターニングされたフォトレジストを用いてSiON層をフッ化ガスでエッチングした後、酸素ガスで有機炭素膜層をエッチングし、最後にさらにフッ化ガスでシリコン又は酸化シリコン層をエッチングしてパターンを形成する。
【0007】
本発明は、通常の半導体エッチング工程において、エッチング対象物に有機炭素膜層、SiON層及び反射防止膜層の3層を、1つの有機無機が混在している多機能有機無機マスクコーティング膜層で代替してコーティングし、最後にフォトレジストをコーティングしてパターニングを行う。その後、パターニングされたフォトレジストを用いて、有機無機が混在している多機能有機無機マスク膜層をフッ化ガス、酸素ガス、又はこれらが含まれている混合ガスで一度にシリコン又は酸化シリコン層をエッチングしてパターンを形成する。
本有機無機が混在している多機能有機無機マスク膜は、物理又は化学的蒸着法を使用せず、スピンコーティングと熱処理で簡単にコーティング膜を形成することができる。前記スピンコーティングが可能な、有機無機が混在している多機能有機無機マスク膜のスピン塗布厚さは、特に限定されないが、100Å乃至10,000Åの厚さで塗布でき、150℃乃至400℃の温度で1分乃至5分間ベーク工程を行うことができる。
前記1つの有機無機が混在している多機能有機無機マスク膜は、フォトレジストの露光工程で反射防止膜の役割を果たすとともに、エッチングガスに対して適切なエッチング耐性を持たなければならない。
【0008】
ここで、有機無機が混在している多機能有機無機マスク膜とは、スピンコーティング方法でウェーハ上に塗布が可能な物質であって、Si化合物の含有量が20%乃至80%、炭素含有量が20%乃至80%、酸素、水素などのその他の元素の含有量が1乃至20%である膜質を意味し、コーティングされた膜の波長193nmにおけるn値(屈折率値)は1.4乃至1.95、k値(吸光係数値)は0.25乃至0.85にすることができる。
前記有機無機が混在している多機能有機無機マスク膜は、炭素が含有されたSi化合物3乃至50重量%、溶媒50乃至97重量%、架橋剤0乃至10重量%、添加剤0乃至5重量%、界面活性剤0乃至3重量%から構成される。
【0009】
選択可能な炭素が含有されたSi化合物は、水酸基、アルコキシド基、カルボキシル基など、架橋が可能な末端基が含まれている炭素シリコン化合物であって、例えば、ポリ[ジメチルシロキサン-co-(2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル)メチルシロキサン]、ポリ[ジメチルシロキサン-co-2-(9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロリン)メチルシロキサン]、ジグリシジルエーテル末端化ポリ(ジメチルシロキサン)、ビス(ヒドロキシアルキル)末端化ポリ(ジメチルシロキサン)、ジヒドロキシ末端化ポリ(ジメチルシロキサン-co-ジフェニルシロキサン)、トリメチルシリル末端化ポリ(ジメチルシロキサン-co-メチルヒドロシロキサン)、ポリ(ジメチルシロキサン)-グラフト-ポリアクリレート、ポリ[ジメチルシロキサン-co-メチル(3-ヒドロキシプロピル)シロキサン]-グラフト-ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルなどから選ばれる1種以上を使用することができる。
選択可能な溶媒としては、前記炭素が含有されたSi化合物に対する十分な溶解性を有する溶媒であれば特に制限がなく、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、エチル3-エトキシプロピオネート(EEP)、乳酸エチル(EL)、シクロヘキサノン(Cyclohexanone)、ガンマブチロラクトン(GBL)などから選ばれる1種以上を使用することができる。
選択可能な架橋剤としては、トリス(2,3-エポキシプロピル)イソシアヌレート(Tris(2,3-epoxypropyl)isocyanurate)、トリメチロールメタントリグリシジルエーテル(Trimethylolmethanetriglycidylether)、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(Trimethylolpropanetriglycidylether)、トリエチロールエタントリグリシジルエーテル(Triethylolethanetriglycidylether)、ヘキサメチロールメラミン(Hexamethylolmelamine)、ヘキサメトキシメチルメラミン(Hexamethoxymethylmelamine)、ヘキサメトキシエチルメラミン(Hexamethoxyethylmelamine)、テトラメチロール2,4-ジアミノ-1,3,5-トリアジン(Tetramethylol 2,4-diamino-1,3,5-triazine)、テトラメトキシメチル-2,4-ジアミノ-1,3,5-トリアジン(Tetramethoxymethyl-2、4-diamino-1,3,5-triazine)、テトラメチロールグリコールウリル(Tetramethylolglycoluril)、テトラメトキシメチル尿素(Tetramethoxymethylurea)、テトラメトキシメチルグリコールウリル(Tetramethoxymethylglycoluril)、テトラメトキシエチルグリコールウリル(Tetramethoxyethylglycoluril)、テトラメチロール尿素(Tetramethylolurea)、テトラメトキシエチル尿素(Tetramethoxyethylurea)、及びテトラメトキシエチル2,4-ジアミノ-1,3,5-トリアジン(tetramethoxyethyl-2,4-diamino-1,3,5-triazine)よりなる群から選ばれる1種以上を使用することができる。
【0010】
選択可能な添加剤は、熱酸発生剤(TAG:Thermal Acid Generater)であって、熱処理時に酸を放出する酸発生剤として、例えば、ピリジニウムP-トルエンスルホネート、ベンゾイントシラート、テトラブロモシクロヘキサジエン、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、アジキュアMY-H、フジキュアFXR-1030などよりなる群から選ばれる1種以上を使用することができる。
選択可能な界面活性剤としては、陰イオン性、非イオン性、陽イオン性、両性界面活性剤であって、単独或いはこれらの混合物よりなる群から選ばれる1種以上を使用することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、エッチングガスに対して適切なエッチング耐性を基本的に持っているとともに、反射防止膜の役割が含まれている新規の有機無機混在コーティング物質を用いた新規工程は、従来の有機炭素膜層、SiON膜層及び反射防止膜層の3層を1つの多機能有機無機マスク膜層で代替することにより、コーティング工程と熱処理工程を絶対単純化して生産時間を大幅に短縮することができるだけでなく、生産費用も大幅に節減することができ、従来の方法で使用していた高価なコーティング及び蒸着装備がそれ以上に必要としなくなるので、それ以上関連装備に対する投資又は維持費用が発生しない効果も期待することができる。
また、SiONを化学的に蒸着する方法において、高価な原料であるプリカーサー(precursor)や蒸着装備が必要なくなり、高価な有機ハードマスクも使用する必要がないので、製造コストも絶対的に節減されるという効果もある。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明は、半導体製造工程中にエッチングパターンを形成するために、エッチング工程の前に、通常のウェーハ上にフォトレジスト膜/反射防止膜/SiON膜/有機ハードマスク膜の4層を形成する従来の方法とは異なり、革新的にフォトレジスト膜/多機能有機無機マスク膜からなる2層のみを形成することにより、従来の方法と同じエッチングパターンを実現することができる方法に関する。
【0013】
本発明における新規なエッチングパターン形成方法は、基板層上に、有機無機が混合された多機能有機無機マスク膜をコーティングし、その上にフォトレジストをコーティングしてマスクを形成し、適正ガスでエッチングして所望のパターンを形成する。具体的には、エッチング対象物であるウェーハにフォトレジスト膜/反射防止膜/SiON膜/有機ハードマスク膜の4層を形成するステップを、フォトレジスト膜/多機能有機無機マスク膜の2層を形成するステップで代替するシリコン又はシリコン化合物エッチングパターン形成方法は、i)エッチング対象物であるウェーハにスピンコーティングが可能な溶媒、シリコン化合物、架橋剤、添加剤、及び界面活性剤からなる液状の多機能有機無機マスク膜組成物を、スピンコーターを用いて、100乃至4000rpmで回転させながらコーティングし、100乃至400℃の温度で20乃至600秒間熱処理して多機能有機無機マスク膜を一次に形成するステップと、ii)前記形成された多機能有機無機マスク膜の上にパターン形成のためのフォトレジストコーティング膜を二次に形成するステップと、iii)露光と現像を経てフォトレジストパターンを形成するステップと、iv)前記形成されたフォトレジストパターンを用いて、エッチングが可能なガスでドライエッチングを行うことにより、シリコン又はシリコン化合物のパターンを形成するステップと、を含んでなることを特徴とする、シリコン又はシリコン化合物エッチングパターン形成方法であることができる。
【0014】
本有機無機が混在している多機能有機無機マスク膜は、物理又は化学的蒸着法を使用せず、スピンコーティングと熱処理で簡単にコーティング膜を形成することができる。前記スピンコーティングが可能な、有機無機が混在している膜のスピン塗布厚さは特に限定されないが、100Å乃至10,000Åの厚さで塗布でき、100℃乃至400℃の温度で20秒乃至5分間ベーク工程を行うことができ、好ましくは、150℃乃至400℃の温度で1分乃至5分間ベーク工程を行うことができる。
ここで、有機無機が混在している多機能有機無機マスク膜とは、スピンコーティング方法でウェーハ上に塗布が可能な物質であって、Si化合物の含有量が20%乃至79重量%、炭素の含有量が20%乃至79重量%、酸素、水素などのその他の元素の含有量が1乃至20重量%である膜質を意味する。
【0015】
コーティングされた膜の波長193nmでのn値(屈折率値)は1.4乃至1.95にし、k値(吸光係数値)は0.25乃至0.85にすることができる。
前記有機無機が混在している多機能有機無機マスク膜は、炭素が含有されたSi化合物3乃至50重量%、溶媒50乃至97重量%、架橋剤0乃至10重量%、添加剤0乃至5重量%、及び界面活性剤0乃至3重量%から構成される。
【0016】
選択可能な炭素が含有されたSi化合物は、水酸基、アルコキシド基、カルボキシル基など、架橋が可能な末端基が含まれている炭素シリコン化合物であって、例えば、ポリ[ジメチルシロキサン-co-(2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル)メチルシロキサン]、ポリ[ジメチルシロキサン-co-2-(9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロリン)メチルシロキサン]、ジグリシジルエーテル末端化ポリ(ジメチルシロキサン)、ビス(ヒドロキシアルキル)末端化ポリ(ジメチルシロキサン)、ジヒドロキシ末端化ポリ(ジメチルシロキサン-co-ジフェニルシロキサン)、トリメチルシリル末端化ポリ(ジメチルシロキサン-co-メチルヒドロシロキサン)、ポリ(ジメチルシロキサン)-グラフト-ポリアクリレート、ポリ[ジメチルシロキサン-co-メチル(3-ヒドロキシプロピル)シロキサン]-グラフト-ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルなどから選ばれる1種以上を使用することができる。
選択可能な溶媒としては、前記炭素が含有されたSi化合物に対する十分な溶解性を有する溶媒であれば特に制限はなく、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、エチル3-エトキシプロピオネート(EEP)、乳酸エチル(EL)、シクロヘキサノン(Cyclohexanone)、ガンマブチロラクトン(GBL)などから選ばれる1種以上を使用することができる。
選択可能な架橋剤としては、トリス(2,3-エポキシプロピル)イソシアヌレート(Tris(2,3-epoxypropyl)isocyanurate)、トリメチロールメタントリグリシジルエーテル(Trimethylolmethanetriglycidylether)、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(Trimethylolpropanetriglycidylether)、トリエチロールエタントリグリシジルエーテル(Triethylolethanetriglycidylether)、ヘキサメチロールメラミン(Hexamethylolmelamine)、ヘキサメトキシメチルメラミン(Hexamethoxymethylmelamine)、ヘキサメトキシエチルメラミン(Hexamethoxyethylmelamine)、テトラメチロール2,4-ジアミノ-1,3,5-トリアジン(Tetramethylol2,4-diamino-1,3,5-triazine)、テトラメトキシメチル-2,4-ジアミノ-1,3,5-トリアジン(Tetramethoxymethyl-2,4-diamino-1,3,5-triazine)、テトラメチロールグリコールウリル(Tetramethylolglycoluril)、テトラメトキシメチル尿素(Tetramethoxymethylurea)、テトラメトキシメチルグリコールウリル(Tetramethoxymethylglycoluril)、テトラメトキシエチルグリコールウリル(Tetramethoxyethylglycoluril)、テトラメチロール尿素(Tetramethylolurea)、テトラメトキシエチル尿素(Tetramethoxyethylurea)、及びテトラメトキシエチル2,4-ジアミノ-1,3,5-トリアジン(tetramethoxyethyl-2,4-diamino-1,3,5-triazine)よりなる群から選ばれる1種以上を使用することができる。
【0017】
選択可能な添加剤は、熱酸発生剤(TAG:Thermal Acid Generater)であって、熱処理時に酸を放出する酸発生剤として、例えば、ピリジニウムP-トルエンスルホネート、ベンゾイントシラート、テトラブロモシクロヘキサジエン、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、アジキュアMY-H、フジキュアFXR-1030などよりなる群から選ばれる1種以上を使用することができる。
選択可能な界面活性剤としては、陰イオン性、非イオン性、陽イオン性、両性界面活性剤であって、単独或いはこれらの混合物よりなる群から選ばれる1種以上を使用することができる。
本発明の目的、技術的構成及びそれによる作用効果に関する詳細な事項は、以下の詳細な説明によってより明確に理解できる。
【0018】
本発明は、基板層の上に、有機無機が混在している多機能有機無機マスク膜層をコーティングし、その上にフォトレジスト膜をコーティングし、露光してマスクを形成する。
前記スピンコーティングが可能な、有機無機が混在している多機能有機無機マスク膜のスピン塗布厚さは、特に限定されないが、100Å乃至10,000Åの厚さで塗布でき、150℃乃至400℃の温度で1分乃至5分間ベーク工程を行うことができる。前記パターン形成のための光源は、13.5nm、193nm、248nm、365nmの波長を有するものとE-beamを含む群から選ばれるものであることができる。
前記形成されたマスクを用いて、有機無機が混在している多機能有機無機マスク膜をエッチングすることができるエッチングガスを用いてドライエッチングを行う。前記ドライエッチングに使用することができるガスは、アルゴン、窒素を始めとする不活性ガス;フッ素元素が1つ以上含まれている分子からなるガス;又は酸素ガス;よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合ガスであることができる。
【0019】
前記有機無機が混在している多機能有機無機マスク膜は、炭素が含有されたSi化合物3乃至50重量%、溶媒50乃至97重量%、架橋剤0乃至10重量%、添加剤0乃至5重量%、及び界面活性剤0乃至3重量%から構成される。
【0020】
選択可能な炭素が含有されたSi化合物は、 水酸基、アルコキシド基、カルボキシル基など、架橋が可能な末端基が含まれている炭素シリコン化合物であって、例えば、ポリ[ジメチルシロキサン-co-(2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル)メチルシロキサン]、ポリ[ジメチルシロキサン-co-2-(9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロリン)メチルシロキサン]、ジグリシジルエーテル末端化ポリ(ジメチルシロキサン)、ビス(ヒドロキシアルキル)末端化ポリ(ジメチルシロキサン)、ジヒドロキシ末端化ポリ(ジメチルシロキサン-co-ジフェニルシロキサン)、トリメチルシリル末端化ポリ(ジメチルシロキサン-co-メチルヒドロシロキサン)、ポリ(ジメチルシロキサン)-グラフト-ポリアクリレート、ポリ[ジメチルシロキサン-co-メチル(3-ヒドロキシプロピル)シロキサン]-グラフト-ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルなどから選ばれる1種以上を使用することができる。
選択可能な溶媒としては、前記炭素が含有されたSi化合物に対する十分な溶解性を有する溶媒であれば特に制限はなく、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、エチル3-エトキシプロピオネート(EEP)、乳酸エチル(EL)、シクロヘキサノン(Cyclohexanone)、ガンマブチロラクトン(GBL)などから選ばれる1種以上を使用することができる。
選択可能な架橋剤としては、トリス(2,3-エポキシプロピル)イソシアヌレート(Tris(2,3-epoxypropyl)isocyanurate)、トリメチロールメタントリグリシジルエーテル(Trimethylolmethanetriglycidylether)、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(Trimethylolpropanetriglycidylether)、トリエチロールエタントリグリシジルエーテル(Triethylolethanetriglycidylether)、ヘキサメチロールメラミン(Hexamethylolmelamine)、ヘキサメトキシメチルメラミン(Hexamethoxymethylmelamine)、ヘキサメトキシエチルメラミン(Hexamethoxyethylmelamine)、テトラメチロール2,4-ジアミノ-1,3,5-トリアジン(Tetramethylol2,4-diamino-1,3,5-triazine)、テトラメトキシメチル-2,4-ジアミノ-1,3,5-トリアジン(Tetramethoxymethyl-2,4-diamino-1,3,5-triazine)、テトラメチロールグリコールウリル(Tetramethylolglycoluril)、テトラメトキシメチル尿素(Tetramethoxymethylurea)、テトラメトキシメチルグリコールウリル(Tetramethoxymethylglycoluril)、テトラメトキシエチルグリコールウリル(Tetramethoxyethylglycoluril)、テトラメチロール尿素(Tetramethylolurea)、テトラメトキシエチル尿素(Tetramethoxyethylurea)、及びテトラメトキシエチル2,4-ジアミノ-1,3,5-トリアジン(tetramethoxyethyl-2,4-diamino-1,3,5-triazine)よりなる群から選ばれる1種以上を使用することができる。
【0021】
選択可能な添加剤は、熱酸発生剤(TAG:Thermal Acid Generater)であって、熱処理時に酸を放出する酸発生剤として、例えば、ピリジニウムP-トルエンスルホネート、ベンゾイントシラート、テトラブロモシクロヘキサジエン、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、アジキュアMY-H、フジキュアFXR-1030などよりなる群から選ばれる1種以上を使用することができる。
選択可能な界面活性剤としては、陰イオン性、非イオン性、陽イオン性、両性界面活性剤であって、単独或いはこれらの混合物よりなる群から選ばれる1種以上を使用することができる。
以上、本発明の好適な実施方法を具体的に記述した。
以下、本発明の好適な実施例及び比較例を説明する。ところが、下記実施例は本発明の好適な一実施例に過ぎず、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【実施例
【0022】
以下、本発明の好適な実施例及び比較例を説明する。ところが、下記実施例は本発明の好適な一実施例に過ぎず、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1~5及び比較例1~3
実施例1
ポリ[ジメチルシロキサン-co-2-(9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロリン)メチルシロキサン]7g、テトラメトキシエチルグリコールウリル0.35g、ピリジニウムP-トルエンスルホネート0.1g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル0.07g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート93gを入れてよく攪拌し、孔径30nmのフィルターでフィルタリングして、有機無機が混在している多機能有機無機マスク膜コーティング液を製造する。
スピンコーター又は適切なコーティング装備を用いて、基板層の上にコーティング液を注射して1000Åにコーティングし、240℃の温度で2分間ベーク工程を行って膜を形成した後、ArF用フォトレジストを1500Åの厚さにコーティングし、しかる後に、ASML(ArF装備会社)ArF露光装備で24mJにて露光することにより、サイズ40nmのパターンを有するマスクを形成した。前記形成されたマスクを用いて、蒸着された膜に対して、CFが含まれている混合エッチングガスを用いて、酸化シリコン層を500Åの深さまでエッチングした。
【0023】
実施例2
ポリ[ジメチルシロキサン-co-2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル)メチルシロキサン]8.5g、テトラメトキシエチルグリコールウリル0.43g、ピリジニウムP-トルエンスルホネート0.13g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル0.085g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート91.5gを入れてよく攪拌し、孔径30nmのフィルターでフィルタリングして、有機無機が混在している多機能有機無機マスク膜コーティング液を製造する以外は、実施例1と同様にして、パターン形成を行った。
【0024】
実施例3
ジヒドロキシ末端化ポリ[ジメチルシロキサン-co-ジフェニルシロキサン)8.5g、テトラメトキシエチルグリコールウリル0.43g、ピリジニウムP-トルエンスルホネート0.13g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル0.085g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート91.5gを入れてよく攪拌し、孔径30nmのフィルターでフィルタリングして、有機無機が混在している多機能有機無機マスク膜コーティング液を製造する以外は、実施例1と同様にして、パターン形成を行った。
【0025】
実施例4
ポリ[ジメチルシロキサン-co-2-(9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロリン)メチルシロキサン]7g、テトラメトキシエチルグリコールウリル0.35g、ピリジニウムP-トルエンスルホネート0.1g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル0.087g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート93gを入れてよく攪拌し、孔径30nmのフィルターでフィルタリングして、有機無機が混在している多機能有機無機マスク膜コーティング液を製造する。
スピンコーター又は適切なコーティング装備を用いて基板層の上にコーティング液を注射して1000Åの厚さにコーティングし、240℃の温度で2分間ベーク工程を行って膜を形成した後、KrF用フォトレジストを5400Åの厚さにコーティングした後、Nikon KrF露光装備で30mJにて露光することにより、サイズ250nmのパターンを持つマスクを形成した。前記形成されたマスクを用いて、蒸着された膜に対して、CFが含まれている混合エッチングガスを用いて酸化シリコン層を500Åの深さまでエッチングした。
【0026】
実施例5
ポリ[ジメチルシロキサン-co-2-(9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロリン)メチルシロキサン]7g、テトラメトキシエチルグリコールウリル0.35g、ピリジニウムP-トルエンスルホネート0.1g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル0.07g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート93gを入れてよく攪拌し、孔径30nmのフィルターでフィルタリングして、有機無機が混在している多機能有機無機マスク膜コーティング液を製造する。
スピンコーター又は適切なコーティング装備を用いて基板層の上にコーティング液を注射して1000Åの厚さにコーティングし、240℃の温度で2分間ベーク工程を行って膜を形成した後、I-line用フォトレジストを6500Åの厚さにコーティングした後、Nikon I-line露光装備で140mJにて露光することにより、サイズ500nmのパターンを持つマスクを形成した。前記形成されたマスクを用いて、蒸着された膜に対して、CFが含まれている混合エッチングガスを用いて酸化シリコン層を500Åの深さまでエッチングした。
【0027】
比較例1
有機ハードマスク膜をスピンコーターを用いて基板層の上に3100Åの厚さにコーティングし、400℃の温度で2分間ベーク工程を行って膜を形成した後、蒸着装備を用いてSiON層を500Åの厚さに形成し、スピンコーターを用いて反射防止膜を300Åの厚さにコーティングし、240℃の温度で1分間ベーク工程を行って膜を形成した後、ArF用フォトレジストを1500Åの厚さにコーティングした後、ASML(ArF装備会社)ArF露光装備で24mJにて露光することにより、サイズ40nmのパターンを持つマスクを形成した。前記形成されたマスクを用いて、蒸着された膜に対して、CFが含有された混合ガスとOが含有された混合エッチングガスを用いて順次エッチングすることにより、酸化シリコン層を500Åの深さまでエッチングした。
【0028】
比較例2
有機ハードマスク膜をスピンコーターを用いて基板層の上に3100Åの厚さにコーティングし、400℃の温度で2分間ベーク工程を行って膜を形成した後、蒸着装備を用いてSiON層を500Åの厚さに形成し、スピンコーターを用いて反射防止膜を300Åの厚さにコーティングし、240℃の温度で1分間ベーク工程を行って膜を形成した後、KrF用フォトレジストを3200Åの厚さにコーティングし、しかる後に、Nikon KrF露光装備で30mJにて露光することにより、サイズ250nmのパターンを持つマスクを形成した。前記形成されたマスクを用いて、蒸着された膜に対して、CFが含有された混合ガスとOが含有された混合エッチングガスを用いて順次エッチングすることにより、酸化シリコン層を500Åの深さまでエッチングした。
【0029】
比較例3
有機ハードマスク膜をスピンコーターを用いて基板層の上に3100Åの厚さにコーティングし、400℃の温度で2分間ベーク工程を行って膜を形成した後、蒸着装備を用いてSiON層を500Åの厚さに形成し、スピンコーターを用いて反射防止膜を300Åの厚さにコーティングし、240℃の温度で1分間ベーク工程を行って膜を形成した後、I-line用フォトレジストを6500Åの厚さにコーティングした後、Nikon I-line露光装備で140mJにて露光することにより、サイズ500nmのパターンを持つマスクを形成した。前記形成されたマスクを用いて、蒸着された膜に対して、CFが含有された混合ガスとOが含有された混合エッチングガスを用いて順次エッチングすることにより、酸化シリコン層を500Åの深さまでエッチングした。
【0030】
特性測定
<光学物性試験>
実施例1乃至5で形成された、有機無機が混在している多機能有機無機マスク膜、及び比較例1乃至3で形成された有機ハードマスク膜層とSiON層に対して屈折率(refractive index)nと吸光係数(extinction cofficient)kをそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。測定機器は、Ellipsometer(Horiba)を用いた。
【表1】
【0031】
エッチング対象物に、有機炭素膜層、SiON膜層及び反射防止膜層の3層を、1つの有機無機が混在している多機能有機無機マスク膜層で代替してコーティングし、最後にフォトレジストをコーティングしてパターニングを行った実施例1乃至実施例5と、エッチング対象物に有機炭素膜層、SiON膜層及び反射防止膜層の3層をコーティングし、最後にフォトレジストをコーティングしてパターニングを行った比較例1乃至比較例3とを比較した結果、屈折率値と吸光係数値の両方とも相違しないことを確認することができた。
【0032】
<パターン形成試験>
実施例1乃至5及び比較例1乃至3で形成された膜に対してドライエッチングを行うことにより、形成されたパターンの幅と深さを測定した。走査型電子顕微鏡(FE-SEM、Hitachi)を用いて断面を確認し、測定結果を表2に示した。
【表2】
【0033】
エッチング対象物に、有機炭素膜層、SiON膜層及び反射防止膜層の3層を、1つの有機無機が混在している多機能有機無機マスク膜層で代替してコーティングし、最後にフォトレジストをコーティングしてパターニングを行った実施例1乃至実施例5と、エッチング対象物に有機炭素膜層、SiON膜層及び反射防止膜層の3層をコーティングし、最後にフォトレジストをコーティングしてパターニングを行った比較例1乃至比較例3とを比較した結果は、次の通りである。
【0034】
第一に、ArF露光装備で24mJにて露光することにより、サイズ40nmのパターンを持つマスクを形成した実施例1乃至3と比較例1の場合は、パターンの幅及びパターンの深さが同一性の範疇に入ることが分かった。
第二に、KrF露光装備で30mJにて露光することにより、サイズ250nmのパターンを持つマスクを形成した実施例4と比較例2の場合は、パターンの幅及びパターンの深さが同じであることが分かった。
第三に、I-line露光装備で140mJにて露光することにより、サイズ500nmのパターンを持つマスクを形成した実施例5と比較例3の場合は、パターンの幅とパターンの深さが同じであることが分かった。
【0035】
以上、本発明の特定の部分を詳細に記述したところ、当業分野における通常の知識を有する者にとって、このような具体的記述は、単に好ましい実施様態に過ぎず、これにより、本発明の範囲が制限されるものではない点は明らかである。よって、本発明の実質的な範囲は、請求項とそれらの等価物によって定義されるというべきである。
【国際調査報告】