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特表2022-522838出力サブピクチャレイヤセットを伝達するための方法、装置及びコンピュータプログラム
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  • 特表-出力サブピクチャレイヤセットを伝達するための方法、装置及びコンピュータプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-20
(54)【発明の名称】出力サブピクチャレイヤセットを伝達するための方法、装置及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/70 20140101AFI20220413BHJP
   H04N 19/30 20140101ALI20220413BHJP
   H04N 19/115 20140101ALI20220413BHJP
   H04N 19/167 20140101ALI20220413BHJP
   H04N 19/172 20140101ALI20220413BHJP
【FI】
H04N19/70
H04N19/30
H04N19/115
H04N19/167
H04N19/172
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021552147
(86)(22)【出願日】2020-09-11
(85)【翻訳文提出日】2021-09-02
(86)【国際出願番号】 US2020050329
(87)【国際公開番号】W WO2021061418
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】62/907,352
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/010,028
(32)【優先日】2020-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】520353802
【氏名又は名称】テンセント・アメリカ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,ビョンドゥ
(72)【発明者】
【氏名】ウェンジャー,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】リィウ,シャン
【テーマコード(参考)】
5C159
【Fターム(参考)】
5C159MA31
5C159PP04
5C159RC11
5C159SS26
5C159TA60
5C159TB04
5C159TC34
5C159UA02
5C159UA05
(57)【要約】
ビデオシーケンスを符号化するための方法、コンピュータプログラム及びコンピュータシステムが提供される。ピクチャ内の1つ以上のサブピクチャに対応するビデオ情報が受信される。第1のサブピクチャは、1つ以上のサブピクチャの中から関心領域として識別される。関心領域に対応する第1のサブピクチャは高品質モードで符号化される。1つ以上のサブピクチャの中から1つ以上の他のサブピクチャは低品質モードで符号化される。符号化された第1のサブピクチャ及び符号化された1つ以上の他のサブピクチャは、1つ以上の出力レイヤセットと共に出力される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータがビデオシーケンスを符号化するための方法であって、
ピクチャ内の1つ以上のサブピクチャに対応するビデオ情報を受信するステップと、
前記1つ以上のサブピクチャの中から第1のサブピクチャを関心領域として識別するステップと、
前記関心領域に対応する前記第1のサブピクチャを高品質モードで符号化するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記1つ以上のサブピクチャの中から1つ以上の他のサブピクチャを低品質モードで符号化するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記符号化された第1のサブピクチャ及び前記符号化された1つ以上の他のサブピクチャを、1つ以上の出力レイヤセットと共に出力するステップを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上の出力レイヤセットの中の各出力レイヤセットは、1つ以上の出力レイヤと、前記サブピクチャのうち1つ以上とを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
フラグは、サブピクチャパーティションが前記1つ以上の出力レイヤに跨がって整列されるか否かを示す、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
フラグは、サブピクチャ識別値が前記1つ以上の出力レイヤのそれぞれに存在するか否かを示す、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
各出力レイヤセットの各出力レイヤに存在する前記サブピクチャ識別値を出力するステップを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ビデオシーケンスを符号化するための装置であって、
コンピュータプログラムを記憶するように構成された1つ以上のメモリと、
前記コンピュータプログラムにアクセスして実行することによって、請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の方法を実現するように構成された1つ以上のプロセッサと
を含む装置。
【請求項9】
ビデオシーケンスを符号化するためのコンピュータプログラムであって、
1つ以上のプロセッサに対して、請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の方法を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項10】
コンピュータがビデオシーケンスを復号するための方法であって、
1つ以上のサブピクチャを含むピクチャを受信するステップと、
前記1つ以上のサブピクチャの中から第1のサブピクチャを関心領域として識別するステップと、
前記関心領域に対応する前記第1のサブピクチャを高品質モードで復号するステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本出願は、2019年9月27日に出願された米国仮特許出願第62/907,352号及び2020年9月2日に出願された米国特許出願第17/010,028号の優先権を主張し、これらの全内容を援用する。
【0002】
[技術分野]
本開示は、概してコンピューティングの分野に関し、より詳細にはビデオ符号化に関する。
【背景技術】
【0003】
JVET-P0225に対する最近の提案された寄書は、出力レイヤセット及びPTL情報の伝達を含む。プロファイル層レベル(PTL, profile-tier-level)情報を有する出力レイヤセットは、マルチレイヤビットストリームの動作点を提供する。
【発明の概要】
【0004】
実施形態は、ビデオシーケンスを符号化するための方法、システム及びコンピュータ読み取り可能媒体に関する。一態様によれば、ビデオシーケンスを符号化するための方法が提供される。当該方法は、ピクチャ内の1つ以上のサブピクチャに対応するビデオ情報を受信するステップを含んでもよい。第1のサブピクチャは、1つ以上のサブピクチャの中から関心領域として識別される。関心領域に対応する第1のサブピクチャは高品質モードで符号化される。1つ以上のサブピクチャの中から1つ以上の他のサブピクチャは低品質モードで符号化される。符号化された第1のサブピクチャ及び符号化された1つ以上の他のサブピクチャは、1つ以上の出力レイヤセットと共に出力される。
【0005】
他の態様によれば、ビデオシーケンスを符号化するためのコンピュータシステムが提供される。コンピュータシステムは、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のコンピュータ読み取り可能メモリと、1つ以上のコンピュータ読み取り可能有形デバイスと、1つ以上のメモリのうち少なくとも1つを介して1つ以上のプロセッサのうち少なくとも1つにより実行される1つの以上の記憶デバイスのうち少なくとも1つに記憶されたプログラム命令とを含んでもよく、それにより、コンピュータシステムが方法を実行することが可能になる。当該方法は、ピクチャ内の1つ以上のサブピクチャに対応するビデオ情報を受信するステップを含んでもよい。第1のサブピクチャは、1つ以上のサブピクチャの中から関心領域として識別される。関心領域に対応する第1のサブピクチャは高品質モードで符号化される。1つ以上のサブピクチャの中から1つ以上の他のサブピクチャは低品質モードで符号化される。符号化された第1のサブピクチャ及び符号化された1つ以上の他のサブピクチャは、1つ以上の出力レイヤセットと共に出力される。
【0006】
更に他の態様によれば、ビデオシーケンスを符号化するためのコンピュータ読み取り可能記憶媒体が提供される。コンピュータ読み取り可能媒体は、1つ以上のコンピュータ読み取り可能記憶デバイスと、1つ以上の有形記憶デバイスのうち少なくとも1つに記憶されたプログラム命令とを含み、プログラム命令はプロセッサによって実行可能である。プログラム命令は、方法を実行するようにプロセッサによって実行可能であり、当該方法は、ピクチャ内の1つ以上のサブピクチャに対応するビデオ情報を受信するステップを含んでもよい。第1のサブピクチャは、1つ以上のサブピクチャの中から関心領域として識別される。関心領域に対応する第1のサブピクチャは高品質モードで符号化される。1つ以上のサブピクチャの中から1つ以上の他のサブピクチャは低品質モードで符号化される。符号化された第1のサブピクチャ及び符号化された1つ以上の他のサブピクチャは、1つ以上の出力レイヤセットと共に出力される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
上記及び他の目的、特徴及び利点は、添付の図面に関連して読まれる例示的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになる。図面は詳細な説明に関連して当業者の理解を容易にすることを明確にするためのものであるので、図面の様々な特徴は縮尺通りではない。
図1】少なくとも1つの実施形態によるネットワーク化コンピュータ環境を示す。
図2】少なくとも1つの実施形態による例示的なシンタックスエレメントのセットである。
図3】少なくとも1つの実施形態に従って複数のレイヤセットにおけるサブピクチャを有するビデオを符号化するためのプログラムによって実行されるステップを示す動作フローチャートである。
図4】少なくとも1つの実施形態による、図1に示すコンピュータ及びサーバの内部及び外部コンポーネントのブロック図である。
図5】少なくとも1つの実施形態による、図1に示すコンピュータシステムを含む例示的なクラウドコンピューティング環境のブロック図である。
図6】少なくとも1つの実施形態による、図5の例示的なクラウドコンピューティング環境の機能レイヤのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
請求項に記載の構造及び方法の詳細な実施形態が本明細書において開示される。しかし、開示の実施形態は、単に様々な形式で具現され得る請求項に記載の構造及び方法を例示するものであることが理解できる。しかし、これらの構造及び方法は、多くの異なる形式で具現されてもよく、本明細書に記載の例示的な実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの例示的な実施形態は、本開示が完全且つ包括的であり、当業者に当該範囲を十分に伝えるために提供される。説明において、周知の特徴及び技術の詳細は、提示される実施形態を不要に不明瞭にすることを回避するために省略されることがある。
【0009】
実施形態は、概してコンピューティングの分野に関し、より詳細にはビデオ符号化に関する。以下に説明する例示的な実施形態は、とりわけ、複数のレイヤセットにおけるサブピクチャを有するビデオを符号化するためのシステム、方法及びコンピュータプログラムを提供する。したがって、いくつかの実施形態は、ビデオデータ内のサブピクチャを符号化する際に使用される可変品質の異なる符号化方式を可能にすることによって、コンピューティングの分野を改善する能力を有する。
【0010】
上記のように、JVET-P0225に対する最近の提案された寄書は、出力レイヤセット及びPTL情報の伝達を含む。プロファイル層レベル(PTL, profile-tier-level)情報を有する出力レイヤセットは、マルチレイヤビットストリームの動作点を提供する。しかし、PTL情報は、サブピクチャと組み合わせた動作点を定義することができない。この理由は、各レイヤ内の各サブピクチャがいくつかのアプリケーションにおいて存在することがあり、また、存在しないこともあるためである。例えば、ピクチャインピクチャ(PIP, picture-in-picture)ユースケースでは、関心領域(ROI, region of interest)が拡張され、エンハンスメントレイヤのサブピクチャとして高品質で符号化されてもよく、一方、ベースレイヤ内の全ての領域(すなわち、全てのサブピクチャ)は低品質で符号化されてもよい。エンハンスメントレイヤ内のサブピクチャは、或る出力モードで復号されて出力されてもよく、ベースレイヤの全ての領域は、他の出力モードで復号されて出力されてもよい。特定の出力モードでは、ROIにおける向上した視覚品質(例えば、360ビューポート依存処理)を示すために、出力レイヤセットは、ベースレイヤからの1つ以上のサブピクチャと、エンハンスメントレイヤからの1つ以上のサブピクチャから構成できる。したがって、ビデオデータ内の複数のレイヤに跨がって含まれる複数のサブピクチャの符号化を伝達するためのシンタックスエレメントを含めることは有利になり得る。
【0011】
様々な実施形態による方法、装置(システム)及びコンピュータ読み取り可能媒体のフローチャート及び/又はブロック図を参照して、本発明の態様が本明細書に記載される。フローチャート及び/又はブロック図の各ブロック、及びフローチャート及び/又はブロック図のブロックの組み合わせは、コンピュータ読み取り可能プログラム命令によって実装できることが理解される。
【0012】
以下に説明する例示的な実施形態は、複数のレイヤセットにおけるサブピクチャを有するビデオを符号化するためのシステム、方法及びコンピュータプログラムを提供する。ここで図1を参照すると、ネットワーク化コンピュータ環境の機能ブロック図が示されており、複数のレイヤセットにおけるサブピクチャを有するビデオを符号化するためのシステム100(以下、「システム」という)を示す。図1は、1つの実装の例のみを提供しており、異なる実施形態が実装され得る環境に関する如何なる限定も意味しないことが認識されるべきである。図示の環境に対する多くの変更が設計及び実装要件に基づいて行われてもよい。
【0013】
システム100は、コンピュータ102と、サーバコンピュータ114とを含んでもよい。コンピュータ102は、通信ネットワーク110(以下、「ネットワーク」という)を介してサーバコンピュータ114と通信してもよい。コンピュータ102は、プロセッサ104と、データ記憶デバイス106に記憶され且つユーザとインターフェースしてサーバコンピュータ114と通信することを可能にするソフトウェアプログラム108とを含んでもよい。図4を参照して以下に説明するように、コンピュータ102は、それぞれ内部コンポーネント800A及び外部コンポーネント900Aを含んでもよく、サーバコンピュータ114は、それぞれ内部コンポーネント800B及び外部コンポーネント900Bを含んでもよい。コンピュータ102は、例えば、モバイルデバイス、電話、パーソナルデジタルアシスタント、ネットブック、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、又はプログラムを実行してネットワークにアクセスしてデータベースにアクセスすることができるいずれかの種類のコンピューティングデバイスでもよい。
【0014】
また、サーバコンピュータ114は、図5及び図6に関して以下に説明するように、サービスとしてのソフトウェア(SaaS, Software as a Service)、サービスとしてのプラットフォーム(PaaS, Platform as a Service)又はサービスとしてのインフラストラクチャ(Iaas, Infrastructure as a Service)のようなクラウドコンピューティングサービスモデルにおいて動作してもよい。また、サーバコンピュータ114は、プライベートクラウド、コミュニティクラウド、パブリッククラウド又はハイブリッド型クラウドのようなクラウドコンピューティング展開モデルに配置されてもよい。
【0015】
複数のレイヤセットにおけるサブピクチャを有するビデオを符号化するために使用され得るサーバコンピュータ114は、データベース112と相互作用し得るサブピクチャ符号化プログラム116(以下、「プログラム」という)を実行することができる。サブピクチャ符号化プログラムの方法については、図3に関して以下により詳細に説明する。一実施形態では、コンピュータ102は、ユーザインターフェースを含む入力デバイスとして動作してもよく、一方、プログラム116は、主にサーバコンピュータ114上で動作してもよい。別の実施形態では、プログラム116は、主に1つ以上のコンピュータ102上で動作してもよく、一方、サーバコンピュータ114は、プログラム116によって使用されるデータの処理及び記憶のために使用されてもよい。プログラム116は、スタンドアローンプログラムでもよく、或いは、より大きいサブピクチャ符号化プログラムに統合されてもよい点に留意すべきである。
【0016】
しかし、プログラム116の処理は、いくつかの場合には、コンピュータ102とサーバコンピュータ114との間でいずれかの比率で共有されてもよい点に留意すべきである。他の実施形態では、プログラム116は、1つよりも多くのコンピュータ、サーバコンピュータ又はコンピュータとサーバコンピュータとのいくつかの組み合わせ(例えば、ネットワーク110を通じて単一のサーバコンピュータ114と通信する複数のコンピュータ102)で動作してもよい。他の実施形態では、例えば、プログラム116は、ネットワーク110を通じて複数のクライアントコンピュータと通信する複数のサーバコンピュータ114上で動作してもよい。或いは、プログラムは、ネットワークを通じてサーバ及び複数のクライアントコンピュータと通信するネットワークサーバ上で動作してもよい。
【0017】
ネットワーク110は、有線接続、無線接続、光ファイバ接続又はこれらの組み合わせを含んでもよい。一般的に、ネットワーク110は、コンピュータ102とサーバコンピュータ114との間の通信をサポートする接続及びプロトコルのいずれかの組み合わせとすることができる。ネットワーク110は、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN, local area network)、インターネットのような広域ネットワーク(WAN, wide area network)、公衆交換電話網(PSTN, Public Switched Telephone Network)のような電気通信ネットワーク、無線ネットワーク、公衆交換ネットワーク、衛星ネットワーク、セルラネットワーク(例えば、第5世代(5G, fifth generation)ネットワーク、ロングタームエボリューション(LTE, long-term evolution)ネットワーク、第3世代(3G, third generation)ネットワーク、符号分割多元接続(CDMA, code division multiple access)ネットワーク等)、公衆陸上移動ネットワーク(PLMN, public land mobile network)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN, metropolitan area network)、プライベートネットワーク、アドホックネットワーク、イントラネット、光ファイバベースのネットワーク等、及び/又は上記又は他のタイプのネットワークの組合せのような様々なタイプのネットワークを含んでもよい。
【0018】
図1に示すデバイス及びネットワークの数及び構成は、一例として提供されている。実際には、図1に示すものよりも多いデバイス及び/又はネットワーク、少ないデバイス及び/又はネットワーク、異なるデバイス及び/又はネットワーク、又は異なって構成されたデバイス及び/又はネットワークが存在してもよい。さらに、図1に示す2つ以上のデバイスは、単一のデバイス内に実装されてもよく、或いは、図1に示す単一のデバイスは、複数の分散デバイスとして実装されてもよい。さらに或いは代替として、システム100の或るセットのデバイス(例えば、1つ以上のデバイス)は、システム100の他のセットのデバイスによって実行されるものとして記載される1つ以上の機能を実行してもよい。
【0019】
次に図2を参照すると、1つ以上の実施形態による例示的なシンタックスエレメント200が示されている。シンタックスエレメント200は、特に、サブピクチャパーティションがレイヤに跨がって整列され得るか否かを示すフラグと、1つ以上のサブピクチャ識別値が各レイヤに存在するか否かを示すフラグと、各出力レイヤセットの各出力レイヤに存在し得るサブピクチャIDを出力する機能と、出力サブピクチャと組み合わされた各出力レイヤセットについてのPTL情報とを含んでもよい。サブピクチャIDをピクチャの特定の領域にマッピングするシンタックスエレメントは、パラメータセット又は他の場所において提示され得ると仮定してもよい。より具体的には、シンタックスエレメント200は以下を含んでもよい。
【0020】
1に等しいvps_subpics_present_flagは、このVPSを参照する1つ以上のSPSのsubpics_present_flagの値が1に等しくなり得ることを指定してもよい。0に等しいvps_subpics_present_flagは、このVPSを参照するいずれかのSPSのsubpics_present_flagの値が0に等しくなり得ることを指定してもよい。
【0021】
1に等しいvps_subpic_aligned_across_layers_flagは、vps_max_subpics_minus1及びvps_sub_pic_id_layer[j]がVPSに存在し得ることを指定してもよい。iが0よりも大きい場合、vps_max_subpics_minus1[i]はvps_max_subpics_minus1と等しいと推測されてもよく、vps_sub_pic_id_layer[i][j]はvps_sub_pic_id_layer[j]と等しいと推測されてもよい。0に等しいvps_subpic_aligned_across_layers_flagは、iが0以上vps_max_layers_minus1以下の範囲にある場合、vps_max_subpics_minus1[i]及びvps_sub_pic_id_layer[i][j]が存在し得ることを指定してもよい。
【0022】
vps_max_subpics_minus1[i]に1を加えたものは、VPSを参照するCVS内の第iのレイヤのサブピクチャの最大数を指定してもよい。vps_max_subpics_minus1[i]は、nuh_layer_idがvps_layer_id[i]に等しいSPSのmax_subpics_minus1に等しくてもよい。
【0023】
vps_sub_pic_id_layer[i][j]は、nuh_layer_idがvps_layer_id[i]に等しいレイヤの第jのサブピクチャのサブピクチャIDを指定してもよい。例えば、以下の通りである。
【0024】
if(vps_subpic_aligned_across_layers_flag)
for(i=1;i<vps_max_layers_minus1;i++){
vps_max_subpics_minus1[i]=vps_max_subpics_minus1
for(j=0;j<=vps_max_subpics_minus1[i];j++){
vps_sub_pic_id_layer[i][j]=vps_sub_pic_id_layer[j]
}
}
num_output_layer_sets_minus1に1を加えたものは、VPSを参照する符号化ビデオシーケンス内の出力レイヤセットの数を指定してもよい。存在しない場合、num_output_layer_sets_minus1の値は0に等しいと推測されてもよい。
【0025】
num_profile_tile_levels_minus1に1を加えたものは、VPSを参照する符号化ビデオシーケンス内のプロファイル/層/レベル情報の数を指定してもよい。存在しない場合、num_profile_tile_levels_minus1の値は0に等しいと推測されてもよい。
【0026】
0に等しいvps_output_layers_mode[i]は、最高のレイヤのみが第iの出力レイヤセットにおいて出力され得ることを指定してもよい。1に等しいvps_output_layer_mode[i]は、全てのレイヤが第iの出力レイヤセットにおいて出力され得ることを指定してもよい。2に等しいvps_output_layer_mode[i]は、出力されるレイヤが、第iの出力レイヤセットにおいてvps_output_layer_flag[i][j]が1に等しいレイヤになり得ることを指定してもよい。vps_output_layers_mode[i]の値は、0以上2以下の範囲でもよい。
【0027】
1に等しいvps_output_layer_flag[i][j]は、第iの出力レイヤセットのうち第jのレイヤが出力され得ることを指定してもよい。0に等しいvps_output_layer_flag[i][j]は、第iの出力レイヤセットのうち第jのレイヤが出力されなくてもよいことを指定してもよい。
【0028】
profile_tier_level_idx[i][j]は、VPSのprofile_tier_level()シンタックス構造のリストの中の、第iの出力レイヤセットのうち第jのレイヤに適用されるprofile_tier_level()シンタックス構造のインデックスを指定してもよい。
【0029】
1に等しいall_subpic_output_flag[i][j]は、第iの出力レイヤセットのうち第jのレイヤの全てのサブピクチャが出力され得ることを指定してもよい。0に等しいall_subpic_output_flag[i][j]は、第iの出力レイヤセットのうち第jのレイヤの1つ以上のサブピクチャが出力され得ることを指定してもよい。
【0030】
num_output_subpic_layer_minus1[i][j]は、第iの出力レイヤセットのうち第jのレイヤの出力サブピクチャの数を指定してもよい。
【0031】
output_sub_pic_id_layer[i][j][k]は、第iの出力レイヤセットのうち第jのレイヤの第kのサブピクチャのサブピクチャIDを指定してもよい。
【0032】
次に図3を参照すると、複数のレイヤセットにおけるサブピクチャを有するビデオを符号化するためのプログラムによって実行されるステップを示す動作フローチャート300が示されている。図3について、図1及び図2と共に説明し得る。上記のように、サブピクチャ符号化プログラム116(図1)は、ビデオデータ内の複数のレイヤに跨がって含まれる複数のサブピクチャの符号化を迅速且つ効果的に伝達し得る。
【0033】
302において、ピクチャ内の1つ以上のサブピクチャに対応するビデオ情報が受信される。ビデオ情報は、複数のレイヤ及び1つ以上のサブピクチャをそれぞれ含む複数のレイヤセットを含んでもよい。サブピクチャは、レイヤのそれぞれの中で且つ複数のレイヤセットに跨がって整列されてもよい。動作中に、サーバコンピュータ114(図1)上のサブピクチャ符号化プログラム116(図1)は、ビデオデータを受信してもよい。ビデオデータは、通信ネットワーク110(図1)上でコンピュータ102(図1)から受信されてもよく、或いは、データベース112(図1)から検索されてもよい。
【0034】
304において、第1のサブピクチャは、1つ以上のサブピクチャの中から関心領域として識別される。第1のサブピクチャは、より高品質でエクスポートするためにベースレイヤから抽出され得るビデオデータ内のピクチャインピクチャ領域でもよい。動作中に、サブピクチャ符号化プログラム116(図1)は、シンタックスエレメント200(図2)の1つ以上を使用して、サブピクチャを関心領域として識別する。
【0035】
306において、関心領域に対応する第1のサブピクチャは高品質モードで符号化される。関心領域は、エンハンスメントレイヤ内のサブピクチャとして高品質モードで拡大及び符号化されてもよく、ベースレイヤ内の残りのサブピクチャは、帯域幅及び処理電力を節約するために低品質で符号化されてもよい。動作中に、サブピクチャ符号化プログラム116(図1)は、識別された関心領域を高品質で符号化してもよく、通信ネットワーク110(図1)を介して符号化ビデオ情報を出力してもよい。
【0036】
図3は、1つの実装の例のみを提供しており、異なる実施形態がどのように実装され得るかに関する限定を意味しないことが認識され得る。図示の環境に対する多くの変更が設計及び実装要件に基づいて行われてもよい。
【0037】
図4は、例示的な実施形態による、図1に示すコンピュータの内部及び外部コンポーネントのブロック図400である。図4は1つの実装の例のみを提供しており、異なる実施形態が実装され得る環境に関する如何なる限定も意味しないことが認識されるべきである。図示の環境に対する多くの変更が設計及び実装要件に基づいて行われてもよい。
【0038】
コンピュータ102(図1)及びサーバコンピュータ114(図1)は、図4に示す内部コンポーネント800A、B及び外部コンポーネント900A、Bのそれぞれのセットを含んでもよい。内部コンポーネント800のセットのそれぞれは、1つ以上のバス826上の1つ以上のプロセッサ820、1つ以上のコンピュータ読み取り可能RAM822及び1つ以上のコンピュータ読み取り可能ROM824と、1つ以上のオペレーティングシステム828と、1つ以上のコンピュータ読み取り可能有形記憶デバイス830とを含む。
【0039】
プロセッサ820は、ハードウェア、ファームウェア又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実装される。プロセッサ820は、中央処理装置(CPU, central processing unit)、グラフィックス処理装置(GPU, graphics processing unit)、加速処理装置(APU, accelerated processing unit)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP, digital signal processor)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA, field-programmable gate array)、特定用途向け集積回路(ASIC, application-specific integrated circuit)又は他のタイプの処理コンポーネントである。いくつかの実施態様では、プロセッサ820は、機能を実行するようにプログラム可能な1つ以上のプロセッサを含む。バス826は、内部コンポーネント800A、Bの間の通信を可能にするコンポーネントを含む。
【0040】
サーバコンピュータ114(図1)上の1つ以上のオペレーティングシステム828、ソフトウェアプログラム108(図1)及びサブピクチャ符号化プログラム116(図1)は、それぞれのRAM822(典型的にはキャッシュメモリを含む)のうち1つ以上を介してそれぞれのプロセッサ820のうち1つ以上によって実行するために、それぞれのコンピュータ読み取り可能有形記憶デバイス830のうち1つ以上に記憶される。図4に示す実施形態では、コンピュータ読み取り可能有形記憶デバイス830のそれぞれは、内部ハードドライブの磁気ディスク記憶デバイスである。或いは、コンピュータ読み取り可能可能有形記憶デバイス830のそれぞれは、ROM824のような半導体記憶デバイス、EPROM、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク、ソリッドステートディスク、コンパクトディスク(CD, compact disc)、デジタル多用途ディスク(DVD, digital versatile disc)、フロッピーディスク、カートリッジ、磁気テープ、及び/又はコンピュータプログラム及びデジタル情報を記憶できる他のタイプの非一時的なコンピュータ読み取り可能有形記憶デバイスである。
【0041】
また、内部コンポーネント800A、Bの各セットは、CD-ROM、DVD、メモリスティック、磁気テープ、磁気ディスク、光ディスク又は半導体記憶デバイスのような1つ以上のポータブルコンピュータ読み取り可能有形記憶デバイス936から読み書きするためのR/Wドライブ又はインターフェース832を含む。ソフトウェアプログラム108(図1)及びサブピクチャ符号化プログラム116(図1)のようなソフトウェアプログラムは、それぞれのポータブルコンピュータ読み取り可能有形記憶デバイス936のうち1つ以上に記憶され、それぞれのR/Wドライブ又はインターフェース832を介して読み取られ、それぞれのハードドライブ830にロードされてもよい。
【0042】
また、内部コンポーネント800A、Bの各セットは、TCP/IPアダプタカード、無線Wi-Fiインターフェースカード、又は3G、4G若しくは5G無線インターフェースカード、又は他の有線若しくは無線通信リンクのようなネットワークアダプタ又はインターフェース836を含む。サーバコンピュータ114(図1)上のソフトウェアプログラム108(図1)及びサブピクチャ符号化プログラム116(図1)は、ネットワーク(例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク又は他の広域ネットワーク)及びそれぞれのネットワークアダプタ又はインターフェース836を介して、外部コンピュータからコンピュータ102(図1)及びサーバコンピュータ114にダウンロードされてもよい。ネットワークアダプタ又はインターフェース836から、サーバコンピュータ114上のソフトウェアプログラム108及びサブピクチャ符号化プログラム116がそれぞれのハードドライブ830にロードされる。ネットワークは、銅線、光ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ及び/又はエッジサーバを含んでもよい。
【0043】
外部コンポーネント900A、Bのセットのそれぞれは、コンピュータ表示モニタ920と、キーボード930と、コンピュータマウス934とを含んでもよい。また、外部コンポーネント900A、Bは、タッチスクリーンと、仮想キーボードと、タッチパッドと、ポインティングデバイスと、他のヒューマンインターフェースデバイスとを含んでもよい。また、内部コンポーネント800A、Bのセットのそれぞれは、コンピュータ表示モニタ920、キーボード930及びコンピュータマウス934にインターフェース接続するためのデバイスドライバ840を含む。デバイスドライバ840、R/Wドライブ又はインターフェース832と、ネットワークアダプタ又はインターフェース836とは、ハードウェア及びソフトウェア(記憶デバイス830及び/又はROM824に記憶される)を含む。
【0044】
本開示は、クラウドコンピューティングに関する詳細な説明を含むが、本明細書に記載される教示の実装は、クラウドコンピューティング環境に限定されないことが予め理解される。むしろ、いくつかの実施形態は、現在知られているか或いは後に開発される他のタイプのコンピューティング環境と共に実装可能である。
【0045】
クラウドコンピューティングは、構成可能な計算リソースの共有プール(例えば、ネットワーク、ネットワーク帯域幅、サーバ、処理、メモリ、ストレージ、アプリケーション、仮想マシン及びサービス)への便利でオンデマンドなネットワークアクセスを可能にするためのサービス提供のモデルであり、最小限の管理努力又はサービスの提供者との相互作用で迅速に提供及びリリースできる。このクラウドモデルは、少なくとも5つの特徴と、少なくとも3つのサービスモデルと、少なくとも4つの展開モデルとを含んでもよい。
【0046】
特徴は以下の通りである。
【0047】
オンデマンドのセルフサービス:クラウド利用者は、サービスのプロバイダとの人間による相互作用を必要とせずに、必要に応じて自動的に、サーバ時間及びネットワークストレージのような計算機能を一方的に提供することができる。
【0048】
広域ネットワークアクセス:機能がネットワーク上で利用可能であり、異種のシンクライアント又はシッククライアントプラットフォーム(例えば、携帯電話、ラップトップ及びPDA)による使用を促進する標準メカニズムを通じてアクセスされる。
【0049】
リソースプーリング:プロバイダの計算リソースは、マルチテナントモデルを使用して複数の利用者にサービス提供するためにプールされ、異なる物理リソース及び仮想リソースがオンデマンドに従って動的に割り当て及び再割り当てされる。一般的に利用者が提供されるリソースの正確な位置に関する制御又は認識を有さないが、より高いレベルの抽象化(例えば、国、州、データセンタ)の位置を特定することができる可能性があるという点で、位置独立性の意味がある。
【0050】
迅速な弾力性:機能は、場合によっては自動的に、急速にスケールアウトし且つ急速にスケールインするように、迅速に且つ弾力的に提供できる。利用者にとって、提供するのに利用可能な機能はしばしば無制限であるように見え、いつでもどんな量でも購入できる。
【0051】
測定サービス:クラウドシステムは、サービスのタイプに適した或るレベルの抽象化における測定機能(例えば、ストレージ、処理、帯域幅、及びアクティブなユーザアカウント)を利用することにより、自動的にリソースの使用を制御して最適化する。リソース使用は監視、制御及び報告され、利用サービスのプロバイダと利用者との双方にとって透明性を提供できる。
【0052】
サービスモデルは以下の通りである。
【0053】
サービスとしてのソフトウェア(SaaS, Software as a Service):利用者に提供される機能は、クラウドインフラストラクチャ上で動作するプロバイダのアプリケーションを使用することである。アプリケーションは、ウェブブラウザのようなシンクライアントインタフェース(例えば、ウェブベースの電子メール)を通じて様々なクライアントデバイスからアクセス可能である。利用者は、ネットワーク、サーバ、オペレーティングシステム、ストレージ又はそれぞれ個々のアプリケーション機能を含む、基礎となるインフラストラクチャを管理又は制御しない。ただし、限られたユーザに固有のアプリケーションの構成設定は例外である。
【0054】
サービスとしてのプラットフォーム(PaaS, Platform as a Service):利用者に提供される機能は、クラウドインフラストラクチャ上で、プロバイダによりサポートされるプログラミング言語及びツールを使用して作成された、利用者によって作成又は取得されたアプリケーションを展開することである。利用者は、ネットワーク、サーバ、オペレーティングシステム又はストレージを含む、基礎となるクラウドインフラストラクチャを管理又は制御しないが、展開されたアプリケーション、及び場合によってはアプリケーションホスティング環境の構成に対する制御を有する。
【0055】
サービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS, Infrastructure as a Service):利用者に提供される機能は、処理、ストレージ、ネットワーク及び他の基本的な計算リソースを提供することであり、利用者は、オペレーティングシステム及びアプリケーションを含む任意のソフトウェアを展開して実行することができる。利用者は、基礎となるクラウドインフラストラクチャを管理又は制御しないが、オペレーティングシステム、ストレージ、展開されたアプリケーションに対する制御を有し、場合によっては選択されたネットワークコンポーネント(例えば、ホストファイアウォール)の限られた制御を有する。
【0056】
展開モデルは以下の通りである:
プライベートクラウド:クラウドインフラストラクチャは、専ら組織について運用される。クラウドインフラストラクチャは組織又は第三者によって管理されてもよく、オンプレミス(on-premises)又はオフプレミス(off-premises)に存在してもよい。
【0057】
コミュニティクラウド:クラウドインフラストラクチャは、いくつかの組織によって共有され、共通の関心事(例えば、ミッション、セキュリティ要件、ポリシー及びコンプライアンス考慮事項)を有する特定のコミュニティをサポートする。クラウドインフラストラクチャは組織又は第三者によって管理されてもよく、オンプレミス又はオフプレミスに存在してもよい。
【0058】
パブリッククラウド:クラウドインフラストラクチャは、クラウドサービスを販売する組織によって所有され、一般公衆又は大規模な業界団体に利用可能にされる。
【0059】
ハイブリッド型クラウド:クラウドインフラストラクチャは、2つ以上のクラウド(プライベート、コミュニティ又はパブリック)から構成されており、固有のエンティティのままであるが、データ及びアプリケーションのポータビリティを可能にする標準化技術又はプロプライエタリ技術(例えば、クラウドの間の負荷分散のためのクラウドバースト)によって結合される。
【0060】
クラウドコンピューティング環境は、ステートレス性、低結合性、モジュール性及びセマンティック相互運用性に焦点を当てたサービス指向型である。クラウドコンピューティングの核心は、相互接続されたノードのネットワークを含むインフラストラクチャである。
【0061】
図5を参照すると、例示的なクラウドコンピューティング環境500が示されている。図示のように、クラウドコンピューティング環境500は、1つ以上のクラウドコンピューティングノード10を含み、クラウド利用者により使用されるローカルコンピューティングデバイス、例えば、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)又は携帯電話54A、デスクトップコンピュータ54B、ラップトップコンピュータ54C及び/又は自動車コンピュータシステム54Nが、1つ以上のクラウドコンピューティングノード10と通信してもよい。クラウドコンピューティングノード10は、互いに通信してもよい。これらは、物理的又は仮想的に、上記のようなプライベート、コミュニティ、パブリック若しくはハイブリッド型クラウド、又はこれらの組み合わせのような1つ以上のネットワークにグループ化されてもよい(図示せず)。これは、クラウド利用者がローカルコンピューティングデバイス上のリソースを維持する必要がないサービスとして、クラウドコンピューティング環境500がインフラストラクチャ、プラットフォーム及び/又はソフトウェアを提供することを可能にする。図5に示すコンピューティングデバイス54A~54Nのタイプは、例示的なものに過ぎず、クラウドコンピューティングノード10及びクラウドコンピューティング環境500は、いずれかのタイプのネットワーク及び/又はネットワークアドレス指定可能接続上で(例えば、ウェブブラウザを使用して)いずれかのタイプのコンピュータデバイスと通信できることが理解される。
【0062】
図6を参照すると、クラウドコンピューティング環境500(図5)によって提供される機能抽象化レイヤのセット600が示されている。図6に示すコンポーネント、レイヤ及び機能は、例示的なものに過ぎず、実施形態はこれに限定されないことが予め理解されるべきである。図示のように、以下のレイヤ及び対応する機能が提供される。
【0063】
ハードウェア及びソフトウェアレイヤ60は、ハードウェア及びソフトウェアコンポーネントを含む。ハードウェアコンポーネントの例は、メインフレーム61と、RISC(Reduced Instruction Set Computer)アーキテクチャベースのサーバ62と、サーバ63と、ブレードサーバ64と、ストレージデバイス65と、ネットワーク及びネットワークコンポーネント66とを含む。いくつかの実施形態では、ソフトウェアコンポーネントは、ネットワークアプリケーションサーバソフトウェア67と、データベースソフトウェア68とを含む。
【0064】
仮想化レイヤ70は、仮想サーバ71、仮想ストレージ72、仮想プライベートネットワークを含む仮想ネットワーク73、仮想アプリケーション及びオペレーティングシステム74、並びに仮想クライアント75のような仮想エンティティの例が提供され得る抽象化レイヤを提供する。
【0065】
一例では、管理レイヤ80は、以下に説明する機能を提供してもよい。リソース提供81は、クラウドコンピューティング環境内のタスクを実行するために利用されるコンピューティングリソース及び他のリソースの動的な調達を提供する。測定及び価格設定82は、クラウドコンピューティング環境内でリソースが利用されるときのコスト追跡と、これらのリソースの消費に対する課金又は請求とを提供する。一例では、これらのリソースは、アプリケーションソフトウェアライセンスを含んでもよい。セキュリティは、クラウド利用者及びタスクについての身元確認と、データ及び他のリソースの保護とを提供する。ユーザポータル83は、利用者及びシステム管理者のためにクラウドコンピューティング環境へのアクセスを提供する。サービスレベル管理84は、要求されるサービスレベルが満たされるように、クラウドコンピューティングリソースの割り当て及び管理を提供する。サービスレベル合意(SLA, Service Level Agreement)の計画及び履行85は、SLAに従って将来の要件が予測されるクラウドコンピューティングリソースの事前準備及び調達を提供する。
【0066】
ワークロードレイヤ90は、クラウドコンピューティング環境が利用され得る機能の例を提供する。このレイヤから提供され得るワークロード及び機能の例は、マッピング及びナビゲーション91と、ソフトウェア開発及びライフサイクル管理92と、仮想教室教育配信93と、データ分析処理94と、トランザクション処理95と、サブピクチャ符号化96とを含む。サブピクチャ符号化96は、複数のレイヤセットにおけるサブピクチャを有するビデオを符号化してもよい。
【0067】
いくつかの実施形態は、いずれかの考えられる技術的詳細レベルの統合におけるシステム、方法及び/又はコンピュータ読み取り可能媒体に関してもよい。コンピュータ読み取り可能媒体は、プロセッサに動作を実行させるためのコンピュータ読み取り可能プログラム命令を有するコンピュータ読み取り可能な非一時記憶媒体(又は媒体)を含んでもよい。
【0068】
コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、命令実行デバイスによって使用される命令を保持及び記憶できる有形のデバイスでもよい。コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、例えば、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス又はこれらのいずれかの適切な組み合わせでもよいが、これらに限定されない。コンピュータ読み取り可能記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストは、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク、パンチカードのような機械的に符号化されたデバイス、又は記録された命令を有する溝にある隆起構造、及びこれらのいずれか適切な組み合わせを含む。本明細書で使用されるコンピュータ読み取り可能記憶媒体は、電波又は他の自由伝搬電磁波、導波管又は他の伝送媒体を通じて伝搬する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、又はワイヤを通じて伝送される電気信号のような、それ自体で一時的な信号であると解釈されるべきではない。
【0069】
本明細書に記載のコンピュータ読み取り可能プログラム命令は、コンピュータ読み取り可能記憶媒体から各コンピューティング/処理デバイスにダウンロードされてもよく、或いは、ネットワーク、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク及び/又は無線ネットワークを介して外部コンピュータ又は外部記憶デバイスにダウンロードされてもよい。ネットワークは、銅線伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ及び/又はエッジサーバを含んでもよい。各コンピューティング/処理デバイス内のネットワークアダプタカード又はネットワークインターフェースは、ネットワークからコンピュータ読み取り可能プログラム命令を受信し、各コンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶するためにコンピュータ読み取り可能プログラム命令を転送する。
【0070】
演算を実行するためのコンピュータ読み取り可能プログラムコード/命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA, instruction-set-architecture)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路のための構成データ、又はSmalltalk、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような手続き型プログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語のうちいずれかの組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードでもよい。コンピュータ読み取り可能プログラム命令は、ユーザのコンピュータ上で完全に、スタンドアローンソフトウェアパッケージとしてユーザのコンピュータ上で部分的に、ユーザのコンピュータ上で部分的に且つリモートコンピュータ上で部分的に、或いはリモートコンピュータ又はサーバ上で完全に実行されてもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又は広域ネットワーク(WAN)を含むいずれかのタイプのネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続されてもよく、或いは、接続は、外部コンピュータに対して(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)行われてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、プログラム可能論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又はプログラマブルロジックアレイ(PLA, programmable logic array)を含む電子回路は、態様又は動作を実行するために、コンピュータ読み取り可能プログラム命令の状態情報を利用して電子回路をパーソナライズすることによって、コンピュータ読み取り可能プログラム命令を実行してもよい。
【0071】
これらのコンピュータ読み取り可能プログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに提供され、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図のブロックに指定された機能/動作を実装するための手段を生成するように、機械を生成してもよい。また、これらのコンピュータ読み取り可能プログラム命令は、コンピュータ、プログラム可能データ処理装置及び/又は他のデバイスに対して特定の方式で機能するように命令できるコンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶されてもよく、それにより、記憶された命令を有するコンピュータ読み取り可能記憶媒体は、フローチャート及び/又はブロック図に指定された機能/動作の態様を実施する命令を含む製造物を含む。
【0072】
また、コンピュータ読み取り可能プログラム命令は、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置又は他のデバイスにロードされ、コンピュータ、他のプログラム可能装置又は他のデバイスに一連の動作ステップを実行させ、コンピュータ実装プロセスを生成させてもよく、それにより、コンピュータ、他のプログラム可能装置又は他のデバイスで実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図のブロックに指定された機能/動作を実施する。
【0073】
図面におけるフローチャート及びブロック図は、様々な実施形態によるシステム、方法及びコンピュータ読み取り可能媒体の可能な実装のアーキテクチャ、機能及び動作を示す。この点に関し、フローチャート又はブロック図の各ブロックは、指定の論理機能を実装するための1つ以上の実行可能命令を含む、モジュール、セグメント又は命令の一部を表してもよい。方法、コンピュータシステム及びコンピュータ読み取り可能媒体は、図面に示すものよりも多くのブロック、少ないブロック、異なるブロック又は異なる配置のブロックを含んでもよい。いくつかの別の実装では、ブロックに記載の機能は、図面に記載の順序から外れてもよい。例えば、連続して示す2つのブロックは、実際には、同時又は実質的に同時に実行されてもよく、或いは、関与する機能に応じて、ブロックが場合によっては逆の順序で実行されてもよい。また、ブロック図及び/又はフローチャートの各ブロック、及びブロック図及び/又はフローチャートのブロックの組み合わせは、指定の機能又は動作を実行する特殊目的のハードウェアベースのシステム、又は特殊目的のハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実装されてもよい点に留意する。
【0074】
本明細書に記載のシステム及び/又は方法は、異なる形式のハードウェア、ファームウェア、又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実装されてもよいことが明らかである。これらのシステム及び/又は方法を実装するために使用される実際の特殊制御ハードウェア又はソフトウェアコードは、実装を限定するものではない。したがって、システム及び/又は方法の動作及び挙動は、特定のソフトウェアコードを参照することなく本明細書に記載されており、ソフトウェア及びハードウェアは、本明細書の記載に基づいてシステム及び/又は方法を実施するように設計されてもよいことが理解される。
【0075】
本明細書で使用される如何なる要素、動作又は命令も、明示的に記載されない限り、重要又は必須であると解釈されるべきではない。また、本明細書で使用される単数形は、1つ以上の項目を含むことを意図しており、「1つ以上」と互換的に使用されてもよい。さらに、本明細書で使用される「セット」という用語は、1つ以上の項目(例えば、関連項目、非関連項目、関連項目と非関連項目との組み合わせ等)を含むことを意図しており、「1つ以上」と互換的に使用されてもよい。1つの項目のみが意図される場合、「1つ」という用語又は同様の言語が使用される。また、本明細書で使用される「有する」という用語等は、オープンエンドの用語であることを意図する。さらに、「基づいて」という用語は、特に明記しない限り、「少なくとも部分的に基づいて」を意味することを意図する。
【0076】
様々な態様及び実施形態の説明が例示の目的で提示されているが、網羅的であること又は開示の実施形態に限定されることを意図するものではない。特徴の組み合わせが特許請求の範囲に記載されている及び/又は明細書に開示されているとしても、これらの組み合わせは、可能な実装の開示を限定することを意図するものではない。実際に、これらの特徴の多くは、特許請求の範囲に具体的に記載されていない方法及び/又は明細書に開示されていない方法で組み合わされてもよい。以下に記載の各従属項は、1つの請求項のみに直接従属することがあるが、可能な実装の開示は、請求項のセットの中の他の全ての請求項と組み合わせた各従属項を含む。多くの変更及び変形は、説明した実施形態の範囲から逸脱することなく当業者には明らかになる。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、市場で見出される技術に対する実際の適用又は技術的な改良を最もよく説明するために、或いは、当業者が本明細書に開示される実施形態を理解することを可能にするために選択されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】