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特表2022-522865流体発電機及びこれを備えた発電システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-20
(54)【発明の名称】流体発電機及びこれを備えた発電システム
(51)【国際特許分類】
   F03D 3/06 20060101AFI20220413BHJP
   F03D 3/04 20060101ALI20220413BHJP
【FI】
F03D3/06 Z
F03D3/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021552250
(86)(22)【出願日】2020-03-03
(85)【翻訳文提出日】2021-09-01
(86)【国際出願番号】 KR2020002991
(87)【国際公開番号】W WO2020180083
(87)【国際公開日】2020-09-10
(31)【優先権主張番号】10-2019-0024987
(32)【優先日】2019-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0088171
(32)【優先日】2019-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521391818
【氏名又は名称】パーク、ジュン・キュ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パーク、ジュン・キュ
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA12
3H178AA22
3H178AA43
3H178AA54
3H178BB31
3H178CC01
3H178DD12Z
3H178DD29X
(57)【要約】
本発明は、上述のような問題を解決するために着眼したものであり、翼の大きさを増大させずに、風の抗力を効率的に利用して発電効率を向上させるようにした流体発電機及びこれを備えた発電システムを提供することにその目的がある。本発明に係る流体発電機は、流体発電機において、回転軸に設けられる上昇気流形成体と、前記上昇気流形成体の外周面に沿って螺旋状に形成される複数の螺旋翼及び前記上昇気流形成体の回転によって電気を発生させる発電機を含むことを特徴とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体発電機において、
回転軸に設けられる上昇気流形成体と、
前記上昇気流形成体の外周面に沿って螺旋状に形成される複数の螺旋翼及び前記上昇気流形成体の回転によって電気を発生させる発電機を含むことを特徴とする流体発電機。
【請求項2】
前記上昇気流型成体は下部の外径が前記上部の外径よりも大きく形成されたことを特徴とする請求項1に記載の流体発電機。
【請求項3】
前記螺旋翼は水平方向の幅が下部から上部に向かって漸次的に増加するように形成されることを特徴とする請求項2に記載の流体発電機。
【請求項4】
前記螺旋翼の縁に沿って、前記螺旋翼の面に対して傾斜するように形成されて、風を閉じ込めて抗力が印加される第1補助抗力翼を含むことを特徴とする請求項3に記載の流体発電機。
【請求項5】
前記第1補助抗力翼は水平方向の幅が下部から上部に向かって漸次的に増加するように形成されることを特徴とする請求項4に記載の流体発電機。
【請求項6】
前記螺旋翼の上端部に形成される第2補助抗力翼を含むことを特徴とする請求項4に記載の流体発電機。
【請求項7】
前記第2補助抗力翼は上昇気流によって抗力を受ける方向に屈曲形成されたことを特徴とする請求項6に記載の流体発電機。
【請求項8】
前記螺旋翼の上部に形成される風誘導補強翼を含むことを特徴とする請求項6に記載の流体発電機。
【請求項9】
前記風誘導補強翼は、前記第2補助抗力翼との間に風排出口が設けられるように前記第2補助抗力翼の縁に沿って連結され、外部に露出される露出面上部が形成されることを特徴とする請求項8に記載の流体発電機。
【請求項10】
前記露出面上部はサイン部が備えられたことを特徴とする請求項9に記載の流体発電機。
【請求項11】
前記上昇気流形成体の上端部に形成される上部キャップを含むことを特徴とする請求項2に記載の流体発電機。
【請求項12】
前記上昇気流形成体及び前記螺旋翼の中の少なくとも一つ以上は、内部に中空部が形成された構造からなることを特徴とする請求項1に記載の流体発電機。
【請求項13】
前記中空部に流体の注入及び排気のための注入口が形成されたことを特徴とする請求項12に記載の流体発電機。
【請求項14】
前記中空部の流体が排出され、収縮された状態を保持するために形成される結束手段を含むことを特徴とする請求項13に記載の流体発電機。
【請求項15】
前記螺旋翼と前記上昇気流形成体は、中空部が互いに連通するように形成されたことを特徴とする請求項12に記載の流体発電機。
【請求項16】
前記中空部には固形物が満たされたことを特徴とする請求項12に記載の流体発電機。
【請求項17】
流体発電機を備えた発電システムにおいて、
請求項1乃至請求項16中のいずれか一項の流体発電機と、
前記流体発電機を上下に移動させる駆動力を印加するように設けられる昇降駆動手段と、を含み、
前記回転軸は、前記流体発電機の移動レールの機能を果たすように、前記上昇気流形成体の中心を横切って長い長さで形成された昇降棒で構成されることを特徴とする流体発電機を備えた発電システム。
【請求項18】
前記流体発電機が下降した状態で、風力が前記螺旋翼に印加されないように囲む形態で形成された風防手段を含むことを特徴とする請求項17に記載の流体発電機を備えた発電システム。
【請求項19】
前記風防手段は、植物を栽培するスペースを備えた植物栽培容器を含むことを特徴とする請求項18に記載の流体発電機を備えた発電システム。
【請求項20】
流体発電機を備えた発電システムにおいて、
請求項1乃至請求項16中のいずれか一項の流体発電機が複数で構成されて、
複数の前記流体発電機は上下方向に沿って多段に配置され、前記回転軸は前記流体発電機の上昇気流形成体の中心を横切って長い長さで形成されたことを特徴とする流体発電機を備えた発電システム。
【請求項21】
前記流体発電機の配置方向に沿って設けられる支持フレームと、
前記回転軸を回転可能に支持するように、前記支持フレームと前記回転軸との間に設けられる複数の軸支持部材を含むことを特徴とする請求項20に記載の流体発電機を備えた発電システム。
【請求項22】
流体発電機を備えた発電システムにおいて、
請求項1乃至請求項16中のいずれか一項の流体発電機が複数で構成されて、
複数の前記流体発電機が回転可能に設けられる回転フレームを含むことを特徴とする流体発電機を備えた発電システム。
【請求項23】
前記回転フレームは、
前記発電機に接続されるメイン回転軸と、
前記メイン回転軸に一端が回転可能に接続されて、他端が前記回転軸に接続される複数の回転支持部材と、を含むことを特徴とする請求項22に記載の流体発電機を備えた発電システム。
【請求項24】
前記回転支持部材は、前記メイン軸に一端が接続されて、他端が前記回転軸の下端に接続される下回転支持部材、及び前記メイン回転軸に一端が接続されて、他端が前記回転軸の上端に接続される上回転支持部材を含むことを特徴とする請求項23に記載の流体発電機を備えた発電システム。
【請求項25】
前記回転支持部材は、前記メイン回転軸の上下方向に沿って複数の層をなすように配置されたことを特徴とする請求項23に記載の流体発電機を備えた発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は流体発電機に関し、より具体的には、弱い風でも効率的に電気を生産することができる流体発電機及びこれを具備した発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、風力発電は、自然の風で風車を回し、これをギアなどの機械的な変速装置による加速力を発電機に伝達する発電方式をいう。
【0003】
この際に、翼の理論上の風のエネルギーのうち59.3%だけが電気エネルギーに変わることができるが、これも翼の形状に応じた効率、機械的な摩擦、発電機の効率等を考慮すると、実際に20~40%だけが電気エネルギーとして利用されることができた。
【0004】
しかし、近来、欧州諸国では風力発電機の普及が急速に増加するに従って、2020年には全欧州諸国の発電量の10%に達すると見込まれている。
【0005】
また、現在までに分析された資料によると、発電システムは、その技術力が確立されて発電単価が低くなり、電力生産単価も化石燃料と競争が可能であり、さらに生産されたエネルギーは、地球にやさしい無公害エネルギーであることを考慮する際に、全世界的に普及が急速に拡大すると予想される。
【0006】
風力発電機は、風車翼の形状に応じて揚力式と抗力式に区分されるところ、韓国の場合、地域の環境条件に応じて、強風が長時間の間一定に吹く地域があまりないので、小さな風圧を用いて、風車を回転させるのに適合した抗力式風力発電機を用いることが効率的である。
【0007】
このような抗力式風力発電機の場合、翼の高さ、すなわち、柱の軸方向への翼の長さが長くなると、風によって受ける力の量が増えることができる長所があるが、翼の大きさの増大により、翼の重量が重くて、翼の重量に加えて翼を強固に握るためのフレームの重量が重くなるしかないが、このような場合、翼の大きさを増大させる代わりに翼の重量を減らすには素材的にも構成的に限界があるしかないという短所がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述のような問題を解決するために着眼したものであり、翼の大きさを増大させずに、風の抗力を効率的に利用して発電効率を向上させるようにした流体発電機及びこれを備えた発電システムを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明に係る流体発電機は、流体発電機において、回転軸に設けられる上昇気流形成体と、前記上昇気流形成体の外周面に沿って螺旋状に形成される複数の螺旋翼及び前記上昇気流形成体の回転によって電気を発生させる発電機を含むことを特徴とする。
【0010】
前記上昇気流型成体は下部の外径が前記上部の外径よりも大きく形成されることができる。
【0011】
前記螺旋翼は水平方向の幅が下部から上部に向かって漸次的に増加するように形成されることができる。
【0012】
本発明に係る流体発電機は、前記螺旋翼の縁に沿って、前記螺旋翼の面に対して傾斜するように形成されて、風を閉じ込めて抗力が印加される第1補助抗力翼を含んで構成されることができる。
【0013】
前記第1補助抗力翼は水平方向の幅が下部から上部に向かって漸次的に増加するように形成されることができる。
【0014】
そして、本発明に係る流体発電機は、前記螺旋翼の上端部に形成される第2補助抗力翼を含んで構成されることができる。
【0015】
前記第2補助抗力翼は上昇気流によって抗力を受ける方向に屈曲形成されることができる。
【0016】
また、本発明に係る流体発電機は、前記螺旋翼の上部に形成される風誘導補強翼をさらに含んで構成されることができる。
【0017】
前記風誘導補強翼は、前記第2補助抗力翼との間に風排出口が設けられるように前記第2補助抗力翼の縁に沿って連結され、外部に露出される露出面上部が形成されることができる。
【0018】
ここで、前記露出面上部はサイン部がさらに備えられることができる。
【0019】
本発明に係る流体発電機は、前記上昇気流形成体の上端部に形成される上部キャップを含んで構成されることができる。
【0020】
そして、前記上昇気流形成体及び前記螺旋翼の中の少なくとも一つ以上は、内部に中空部が形成された構造からなることができる。
【0021】
ここで、前記中空部には流体の注入及び排気のための注入口が形成されることができる。
【0022】
本発明に係る流体発電機は、前記中空部の流体が排出され、収縮された状態を保持するために形成される結束手段がさらに構成されることができる。
【0023】
前記螺旋翼と前記上昇気流形成体は、中空部が互いに連通するように形成されることができる。
【0024】
そして、前記中空部には固形物が満たされて構成されることができる。
【0025】
本発明に係る流体発電機を備えた発電システムは、流体発電機を備えた発電システムにおいて、前述した流体発電機と、前記流体発電機を上下に移動させる駆動力を印加するように設けられる昇降駆動手段と、を含み、前記回転軸は、前記流体発電機の移動レールの機能を果たすように、前記上昇気流形成体の中心を横切って長い長さで形成された昇降棒で構成されることを特徴とする。
【0026】
本発明に係る流体発電機を備えた発電システムは、流体発電機が下降した状態で、風力が前記螺旋翼に印加されないように囲む形態で形成された風防手段を含んで構成されることができる。
【0027】
前記風防手段は、植物を栽培するスペースを備えた植物栽培容器を含んで構成されることができる。
【0028】
本発明に係る流体発電機を備えた発電システムは、流体発電機を備えた発電システムにおいて、前述した流体発電機が複数で構成されて、複数の前記流体発電機は上下方向に沿って多段に配置され、前記回転軸は前記流体発電機の上昇気流形成体の中心を横切って長い長さで形成されたことを特徴とする。
【0029】
本発明に係る流体発電機を備えた発電システムは、流体発電機の配置方向に沿って設けられる支持フレームと、前記回転軸を回転可能に支持するように、前記支持フレームと前記回転軸との間に設けられる複数の軸支持部材を含んで構成されることができる。
【0030】
本発明に係る流体発電機を備えた発電システムは、流体発電機を備えた発電システムにおいて、前述した流体発電機が複数で構成されて、複数の前記流体発電機が回転可能に設けられる回転フレームを含むことを特徴とする。
【0031】
前記回転フレームは、前記発電機に接続されるメイン回転軸と、前記メイン軸に一端が回転可能に接続されて、他端が前記回転軸に接続される複数の回転支持部材と、を含んで構成されることができる。
【0032】
前記回転支持部材は、前記メイン軸に一端が接続されて、他端が前記回転軸の下端に接続される下回転支持部材、及び前記メイン回転軸に一端が接続されて、他端が前記回転軸の上端に接続される上回転支持部材を含んで構成されることができる。
【0033】
前記回転支持部材は、前記メイン回転軸の上下方向に沿って複数の層をなすように配置されることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明は、螺旋翼の抗力によって回転トルクが発生するだけでなく、風が直線的にすべて通過するのではなく上昇気流形成体の作用により風量の一定部分が直径の小さい上部に向かって移動しながら上昇気流を形成するので、上昇気流による追加的な抗力を受けて、回転トルクが増加されながら発電効率が上昇する効果がある。
【0035】
そして、本発明は、上昇気流形成体によって形成された上昇気流が第1補助抗力翼及び第2補助抗力翼で追加で回転トルクを生成するので、電気エネルギーの発電効率を大幅に向上させることができる。併せて、風誘導補強翼は、第2補助抗力翼らを互いに連結して補強する機能を果たすことができて、外部に露出される露出面上部にサイン部を形成することにより、広告効果を発揮できる広告用流体発電機を実装することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の第1実施形態に係る流体発電機の斜視図である。
図2図1における流体発電機の正面図である。
図3】本発明の第2実施形態に係る流体発電機の斜視図である。
図4】本発明の第3実施形態に係る流体発電機の斜視図である。
図5】本発明の第3実施形態に係る流体発電機の部分切開斜視図である。
図6】本発明の第4実施形態に係る流体発電機の斜視図である。
図7】本発明の第4実施形態に係る流体発電機の変形例を説明するための斜視図である。
図8a】本発明の第1実施形態に係る流体発電機を備えた発電システムを説明するための図であり、流体発電機の回転体が上昇した状態を示す図である。
図8b】本発明の第1実施形態に係る流体発電機を備えた発電システムを説明するための図であり、流体発電機の回転体が下降した状態を示す図である。
図8c】本発明の第1実施形態に係る流体発電機を備えた発電システムを説明するための図であり、昇降駆動手段を説明するための要部拡大分離斜視図である。
図9a】本発明の第1実施形態に係る流体発電機を備えた発電システムの変形例を説明するための斜視図である。
図9b】本発明の第1実施形態に係る流体発電機を備えた発電システムの変形例を説明するための斜視図である。
図10】本発明の第2実施形態に係る流体発電機を備えた発電システムを説明するための斜視図である。
図11a】本発明の第3実施形態に係る流体発電機を備えた発電システムを示す斜視図である。
図11b】本発明の第3実施形態に係る流体発電機を備えた発電システムで支持フレーム及び軸支持部材分離した状態を示す斜視図である。
図11c図11bにおける一部を拡大して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付した図面の図1乃至図11cに基づいて詳細に説明し、図1乃至図11cにおいて同一の構成要素については、同一の参照番号を付与する。一方、各図面で一般的な技術から、この分野の従事者が容易に知ることができる構成とその作用及び効果についての図示及び詳細な説明は簡略にしたり省略したりして、本発明に関連する部分を中心に示す。
【0038】
図1は本発明の第1実施形態に係る流体発電機の斜視図であり、図2図1に示された流体発電機の正面図である。
【0039】
図1及び図2を参照すると、本発明の第1実施形態に係る流体発電機10は、翼の大きさを増大させずに、風の抵抗力を発電に効率的に利用するためのものであって、上昇気流形成体20と、回転軸40と、螺旋翼30と、発電機120で構成されている。
【0040】
流体発電機10の内部に流体発電機10を補強するためのリブ(図示せず)が追加されることができる。
【0041】
上昇気流形成体20は、螺旋翼30が設けられる本体の機能を果たす構成要素として、回転軸40に設けられている。
【0042】
そして、上昇気流形成体20は、螺旋翼30との相互作用によって、吹き込むすべての風が直線的に通過せずに上昇気流を形成するようにして、発電効率を向上させることができるように構成した点において主な特徴がある。
【0043】
このため、上昇気流形成体20は、下部の外径が上部の外径よりも大きく形成されたものであって、略円錐形状を有するように構成されている。
【0044】
回転軸40は、上昇気流形成体20に設けられる構成要素として、上昇気流形成体に伝達される回転力を発電機に伝達する機能を果たす。ここで、回転軸40は、上昇気流形成体の中心に形成された軸挿入孔に挿入される形態で設けられているが、設置の形態はこれに限定されるものではなく、様々な形態で設けられることができる。
【0045】
螺旋翼30は、上昇気流形成体20の外周面に沿って下方から上方に向かって螺旋状に形成されるものであって、図1に示すように、複数の螺旋翼30が等角度で配置されている。
【0046】
特に、螺旋翼30は、上昇気流から抗力が効果的に印加されるように、水平方向の幅が下部から上部に向かって漸次的に増加するように形成されている。ここで、水平方向の幅は、螺旋翼30の上昇気流形成体20に連結される部分から螺旋翼の外側縁までの距離を意味する。
【0047】
そして、螺旋翼30の水平方向の幅の増加の度合いは高さ方向に減少する上昇気流形成体20の外径の減少値と類似する寸法になるようにして、螺旋翼30の下端と上端の外径寸法が近似するように形成することが望ましい。
【0048】
発電機120は、回転軸から回転力の伝達を受けて電気を発生させる構成要素として、風力発電分野で用いられる様々な発電機が制限なしに選択されて適用できるが、回転軸40の回転トルクに合わせた定格容量を有しながらもコンパクトに構成されたことを設けることが望ましい。
【0049】
例えば、発電機120は、螺旋翼30の抗力が上昇気流形成体20に伝達され、回転軸40が回転すると、回転軸と連結されたモータ軸が回転して、内蔵された発電コイルまたは永久磁石が回転しながら磁石から発生する磁場によってコイルの内部に電流が発生する。図面においては発電機の形状に対する具体的な図示を省略して概念的にブロック化して示した。
【0050】
前述した本発明の第1実施形態に係る流体発電機の作用を簡略に説明する。
【0051】
図1及び図2に示すように、回転軸40を支持板100に設けられた発電機のモータ軸に連結して設けた状態で、風が吹き込むと、螺旋翼30に抗力が作用しながら一般的な風力発電回転体と類似している回転動作が行われ、回転軸40と連結された発電機120の発電作用により電気エネルギーを生成する。
【0052】
特に、本発明の第1実施形態に係る流体発電機は、風が吹き込むと、上昇気流形成体20の下部の外径が上部の外径よりも大きい円錐形状であるので、上昇気流形成体20にぶつかったり経由する風が直線的にすべて通過するのではなく、風量の一定部分が直径の小さい上部に向かって移動する上昇気流を形成する。
【0053】
このような上昇気流は、螺旋翼30に抗力を印加して回転力を発生するのに、この際に、螺旋翼30は水平方向の幅が下部から上部に向かって漸次的に増加しながら螺旋状に巻かれた構造であるので、風をある程度閉じ込めて上昇気流を保持するようにする作用を行いながら上昇気流による追加の抗力を受けて回転トルクが増加されるので、発電効率が上昇する長所がある。
【0054】
以下、本発明に係る他の実施形態を説明するが、前述した第1実施形態とその変形例に示した構成要素と類似する構成要素については、具体的な説明を省略して、相違点を有する構成要素を中心に説明する。また、以下の他の実施形態では、第1実施形態とその変形例などに示した構成要素または他の実施形態に示した構成要素の中で、お互いの間に採用可能な構造であれば、選択的に適用することもできて、具体的な説明や図面上の図示は省略する。
【0055】
図3は、本発明の第2実施形態に係る流体発電機の斜視図である。
【0056】
図3を参照すると、本発明の第2実施形態に係る流体発電機10は、上昇気流形成体20と、回転軸40と、螺旋翼30と、発電機120で構成されて、回転トルクをより増加させるための第1補助抗力翼50がさらに構成された点に特徴がある。
【0057】
第1補助抗力翼50は、螺旋翼30の外側端部の縁に沿って突出するように延びて形成されるものであり、螺旋翼30の面に対して傾斜するように形成されて、風を閉じ込めながら抗力が印加されるように構成されている。
【0058】
特に、前記第1補助抗力翼50は、風を効果的に閉じ込めることができるよう、水平方向の幅が下部から上部に向かって漸次的に増加するように形成されている。ここで、水平方向の幅は、螺旋翼30に連結される部分から第1補助抗力翼の外側縁までの距離を意味する。
【0059】
そして、第1補助抗力翼50は、螺旋翼30と一体に形成されることもでき、別途に製作して溶接や接着剤によって出螺旋翼30に結合することもできる。
【0060】
一方、本発明の第2実施形態に係る流体発電機10は、螺旋翼30及び第1補助抗力翼50と上昇気流形成体20との間の谷を介して移動してから抜け出す上昇気流の抗力を利用して、回転トルクを形成することができるよう、第2補助抗力翼60がさらに構成されている。
【0061】
第2補助抗力翼60は、螺旋翼の上端部に形成されるものであり、上昇気流によって抗力を受ける方向に屈曲形成されている。
【0062】
例えば第2補助抗力翼60は、螺旋翼30の上端部と上昇気流形成体20の上端部との間に連結され、その断面形状が略弧形状に屈曲されている。
【0063】
そして、前記上昇気流形成体20の上端部には、半球形状の上部キャップ70が追加で取り付けられている。
【0064】
前述した本発明の第2実施形態に係る流体発電機の作用を簡略に説明する。
【0065】
本発明の第2実施形態に係る流体発電機は、第1実施形態の作用の説明に記載された発電作用に加えて、第1補助抗力翼50と第2補助抗力翼60が抗力によって回転トルクを追加で形成するので、発電効率をさらに向上させることができる。
【0066】
より具体的に説明すると、第1補助抗力翼50は螺旋翼30の外側端部に形成されているので、遠心力の方向へ離脱しようとする上昇気流を閉じ込める作用を行いながら抗力が印加されて、これにより回転トルクが増加するので発電効率が上昇する。
【0067】
そして、第2補助抗力翼60は、螺旋翼30の上端部に上昇気流によって抗力を受ける方向に屈曲されており、第1補助抗力翼50と上昇気流形成体20との間の谷を介して外部へ抜け出す上昇気流の抗力が印加されて回転トルクが増加するので、発電効率がさらに上昇する長所がある。
【0068】
前述したように、第1補助抗力翼50と第2補助抗力翼60の1次及び2次的に回転トルクが追加で形成されるので、決められた風力を利用しても相対的に電気エネルギーの発電量を増加させることができある長所がある。
【0069】
図4は本発明の第3実施形態に係る流体発電機の斜視図であり、図5は本発明の第3実施形態に係る流体発電機の部分切開斜視図である。
【0070】
図4及び図5を参照すると、本発明の第3実施形態に係る流体発電機10は、上昇気流形成体20と、回転軸40と、螺旋翼30と、発電機120と、第1補助抗力翼50と、第2補助抗力翼60とを備え、螺旋翼30の上端を囲むように風誘導補強翼80が形成されている。
【0071】
例えば、風誘導補強翼80は、第2補助抗力翼60に連結されるように形成されるものであり、第2補助抗力翼60との間に風排出口が設けられるように、第2補助抗力翼60の縁に沿って連結されるように構成されている。ここで、風排出口は第2補助抗力翼60の抗力を印加した上昇気流が排出される通路の機能を果たす。
【0072】
そして、風誘導補強翼80は、風排出口を形成することができれば形状と構造に特に制限はないが、本実施形態においては広告用サイン部(sign)で使用できるように外部に露出面上部が設けられるように板状の部材によって円形状の構造で形成されている。
【0073】
露出面上部は外部に露出される部分であるので、文字や図柄を印刷方式で形成したサイン部やLEDモジュールを用いた電光板の形態で形成したサイン部を構成することができる。
【0074】
前述したように、風誘導補強翼80は風排出口を形成するので、第1補助抗力翼50と上昇気流形成体20との間の谷を介して上昇する上昇気流が第2補助抗力翼60に風力を印加するように風を閉じ込める機能を果たして、回転トルクを増大させる作用を行う反面、風の排出経路を安定的に誘導することにより渦流の発生を減らすことができる作用効果を発揮する。
【0075】
また、風誘導補強翼80は、第2補助抗力翼60を相互に連結して補強する機能を果たすことができて、外部に露出される露出面上部にサイン部を形成することで、広告効果を発揮できる広告用流体発電機を実装することができる。
【0076】
一方、本発明の第3実施形態に係る流体発電機10は、回転軸40の外部に円筒形状の支柱管110が設けられている。
【0077】
支柱管110は、回転軸20の回転の際に外部の物体や人体との接触を遮断することにより、不安全事故を防止することもできる。
【0078】
図6は、本発明の第4実施形態に係る流体発電機を示す斜視図であり、拡大部は指示された部分の断面構造を示すものである。
【0079】
図6を参照すると、本発明の第4実施形態に係る流体発電機10は、上昇気流形成体20と、回転軸40と、螺旋翼30と、発電機120と、第1補助抗力翼50と、第2補助抗力翼60と、風誘導補強翼80で構成されて、上昇気流形成体20及び各翼らは中空部が形成された構造からなる。
【0080】
例えば、上昇気流形成体20と、螺旋翼30と、第1補助抗力翼50と、第2補助抗力翼60と、風誘導補強翼80は、一対の綿状体a1の内部に中空部a2が設けられるように形成される。ここで、中空部a2の内部には空気などの流体が挿入されることもできる。
【0081】
この際に、綿状体a1は、機密性と一定の剛性を有する合成樹脂材または機密性のファブリックで形成され、必要に応じて収縮及び膨張するように構成することができる。
【0082】
また、綿状体a1は、一定の剛性を有する流体が透過することができる布の形態の材質で構成されることができる。
【0083】
前記綿状体a1は、中空部a2に流体の注入及び排気のための注入口(図示せず)が形成されることができる。ここで、注入口は空気マットなどのような空気注入構造物に取り付けられる空気注入バルブで構成されることができる。
【0084】
また、上昇気流形成体20と、螺旋翼30と、第1補助抗力翼50と、第2補助抗力翼60と、風誘導補強翼80は、図面を使用して具体的に図示しないが、単一の注入口を介して空気の注入及び排気が可能なように、各中空部が互いに連通するように形成されることもできる。
【0085】
そして、上昇気流形成体20と、螺旋翼30と、第1補助抗力翼50と、第2補助抗力翼60と、風誘導補強翼80は、空気が排気されて収縮した状態を結束して保持するための結束手段(図示せず)が構成されることができる。
【0086】
結束手段はロープ(図示せず)と、ロープが挿入して結束するように上昇気流形成体20及び各翼30,50,60,70の縁部に設けられる結束リング(図示せず)で構成されることができる。
【0087】
このように結束手段(図示せず)は、上昇気流形成体20及び各翼30,50,60,70が収縮した状態で互いに結束して体積を最小化することにより、流体発電機の運搬や取り扱いの際に利便性を提供することができ、台風のような高風速の風が吹き込む場合、流体発電機を保護する用途で使用することができる。
【0088】
例えば、台風のような高風速の風が吹き込む場合、上昇気流形成体20及び各翼30,50,60,70の内部の空気を排気させた後、結束リングにロープを通し、互いに結ぶ形態で結束すると、台風による翼の損傷や破損を防止することができる。
【0089】
一方、本発明の第4実施形態に係る流体発電機は、上昇気流形成体20と、螺旋翼30と、第1補助抗力翼50と、第2補助抗力翼60と、風誘導補強翼80を含む全体の構成要素に中空部を有する構造で構成された例に基づいて説明したが、特定の翼だけ部分的に中空部が形成されるようにして構成することもできる。
【0090】
前述したように、本発明の第4実施形態に係る流体発電機10は、必要に応じて主要構成要素を収縮及び膨張させることができるので、設置、運搬等の取扱いの際に利便性を向上させることができ、台風のような緊急状態で手軽に折り畳んで保管することができて、破損や損傷を防止することができるので、安全性と耐久性を向上させることができる。
【0091】
図7は本発明の第4実施形態に係る流体発電機の変形例を説明するための斜視図であり、拡大部は指示された部分の断面構造を示すものである。
【0092】
図7を参照すると、本発明の第4実施形態の変形例に係る流体発電機10は、上昇気流形成体20と、各翼30,50,60,70が一対の綿状体a1の間に中空部が形成された構造で形成され、中空部に固形物a3が満たされて構成される。
【0093】
固形物a3は、一定の剛性を有すると、特別な制限なしに、様々な素材を満たすことができるが、本実施形態においては発泡フォームが満たされて構成された例を示している。
【0094】
前述した上昇気流形成体20及び各翼30,50,60,70は、中空部に比較的価格が安く軽量の発泡フォームが満たされる構造であるので、軽くて持ち運び、設置及び取り扱いが容易で、設置コストを低減することができ、材料コストが低く、製造工程が単純化でき、流体発電機の製作及び施工コストを大幅に低減することができる長所がある。
【0095】
一方、前述したように、上昇気流形成体20及び各翼30,50,60,70の中空部全体に固形物a3が満たされることもできるが、特定の翼の中空部にだけ固形物を満たし、残りの構成要素に空気を満たす方式などで変形して構成することもできる。
【0096】
図8a乃至図8cは、本発明の第1実施形態に係る流体発電機を備えた発電システムを説明するための図であり、図8aは、流体発電機の回転体の部分が上昇した状態を示すものであり、図8bは、流体発電機の回転体の部分が下降した状態を示すものであり、図8cは、昇降駆動手段を説明するための要部拡大分離斜視図である。
【0097】
図8a乃至図8cを参照すると、第1実施形態に係る流体発電機を備えた発電システムは、前述した実施形態に示す流体発電機の中の選択される流体発電機10と、流体発電機10を上下に移動させる駆動力を印加する昇降駆動手段180で構成されている。
【0098】
流体発電機に備えられる回転軸40は、流体発電機の移動レールの機能を果たすように上昇気流形成体20の中心を横切って設けられる長い長さの昇降棒42で構成されている。
【0099】
そして、昇降棒42は、図8cに示すように上昇気流形成体20の上下移動が可能でありながらも上昇気流形成体の回転の際に連動して回転するように丸棒形状の本体に長手方向に沿ってキーの機能を果たす複数のストッパーライン422が形成されている。また、昇降棒は図8cに図示された形態のほかにも、断面構造が多角形状の角棒で形成されることもできる。
【0100】
そして、上昇気流形成体20は、昇降棒42の断面構造と対応する形状の移動孔(図示せず)が内部の中心に形成されている。この際に、移動孔は昇降棒42に挿入された上昇気流形成体の上下移動のための離隔隙間が形成されるように昇降棒の外径の寸法よりも僅か大きい内径を有するように形成される。
【0101】
昇降駆動手段180は、回転軸40を除いた流体発電機(以下、「回転体」と称する)を上下に移動させるための構成要素として、流体発電機を昇降させる装置や構造であれば、特別な制限なしに選択して構成することができる。
【0102】
例えば、昇降駆動手段180は、回転軸40の内部に長手方向に凹入形成された駆動部取り付け溝424の上側及び下側に設けられる上部駆動スプロケット181及び下部駆動スプロケット182と、上部駆動スプロケット181及び下部駆動スプロケット182に連結される駆動チェーン183と、下部駆動スプロケット182に連結されて回転力を印加する駆動モータ(図示せず)が備えられている。
【0103】
ここで、駆動チェーン183の特定の部分は、流体発電機の上昇気流形成体20の内部に形成されたチェーン取り付け溝(図示せず)に挟まれて固定されることにより、駆動モータの回転動作に伴う駆動チェーンの昇降作用に応じて流体発電機を昇降させる。
【0104】
そして、昇降駆動手段180は、前述したチェーン駆動方式のほかにも、ベルト駆動方式で構成されることができる。例えば、昇降駆動手段180は、駆動部取り付け溝424の上下側に設けられる上部駆動プーリ(図示せず)及び下部駆動プーリ(図示せず)と、上部駆動プーリ及び下部駆動プーリに連結される駆動ベルト(図示せず)と、下部駆動プーリに連結されて回転力を印加する駆動モータ(図示せず)で構成されることができる。
【0105】
一方、第1実施形態に係る流体発電機を備えた発電システムは、流体発電機10の回転体が下降した状態で、風力が螺旋翼30に印加されないように風防手段140が構成されている。
【0106】
風防手段140は、下降した回転体を囲んで台風のような高風速の風から保護することができる形態であれば、形状に特別な制限なしに構成することができるが、本実施形態においては略円筒状に構成されている。
【0107】
図9a及び図9bは、本発明の第1実施形態に係る流体発電機を備えた発電システムの変形例を説明するための斜視図であり、図9aは、流体発電機の回転体が上昇した状態を示すものであり、図9bは、流体発電機の回転体が下降した状態を示すものである。
【0108】
図9a及び図9bを参照すると、第1実施形態に係る流体発電機を備えた発電システムは、前述した実施形態に示す流体発電機の中の選択される流体発電機10と、流体発電機10を上下に移動させる駆動力を印加する昇降駆動手段(図示せず)と、下降した状態で風力が螺旋翼30に印加されないようにする風防手段140が構成されて、風防手段140は植物を栽培するスペースを備えた植物栽培容器140bがさらに構成されている。
【0109】
植物栽培容器140bは、流体発電機を囲むように容器フレーム142に複数の植物栽培容器140bが積層して配列されて構成される。
【0110】
そして、植物栽培容器140bは、植物を栽培するための装置として、内部にLEDモジュールのような人工光源と、植物が植栽される植栽台と、養液を供給する養液供給装置などが備えられている。
【0111】
前述したように、本発明の第1実施形態に係る流体発電機を備えた発電システムは、必要に応じて流体発電機の回転体を昇降駆動手段を用いて上下に移動させることができるので、台風のような緊急状態の発生時に下降させて風防手段140の内部に移動させて、安全に保護することができ、安定した発電システムを実装することができる。
【0112】
図10は、本発明の第2実施形態に係る流体発電機を備えた発電システムを説明するための斜視図である。
【0113】
図10を参照すると、第2実施形態に係る流体発電機を備えた発電システムは、前述した実施形態に示す流体発電機の中の選択される流体発電機10が長い長さで形成された回転軸40に上下方向に一定の間隔を有するように複数に配置されている。
【0114】
複数の流体発電機は、上昇気流形成体20の中心に形成された挿入孔が長い長さの回転軸40に挟まれて設けられるものであり、流体発電機の配置方向である上下方向に沿って設けられる支持フレーム150と、回転軸40を回転可能に支持する複数の軸支持部材160で構成されている。
【0115】
支持フレーム150は、等角度で設けられる複数の支柱151と、支柱151との間に連結される円形状の構造の連結部材152で構成されている。
【0116】
軸支持部材160は、一端が支持フレーム150に結合されて、他端が回転軸40に設けられるものであり、回転軸40に連結される部位にはベアリング(図示せず)が取り付けられて回転軸を回転可能に支持する。
【0117】
前述したように、本発明の第2実施形態に係る流体発電機を備えた発電システムは、長い長さで形成された回転軸40の上下方向に沿って多段に流体発電機10が備えられて、それぞれの流体発電機10で生成された回転トルクが回転軸40に伝達されるので、発電機の高出力の電気エネルギーを収穫することができる。
【0118】
図11aは、本発明の第3実施形態に係る流体発電機を備えた発電システムを示す斜視図であり、図11bは、本発明の第3実施形態に係る流体発電機を備えた発電システムにおいて支持フレーム及び軸支持部材を分離した状態を示す斜視図であり、図11cは、図11bの一部を拡大して示す斜視図である。
【0119】
図11a乃至図11cを参照すると、第3実施形態に係る流体発電機を備えた発電システムは、前述した実施形態に示す流体発電機の中の選択される流体発電機10が上下方向に一定の間隔を有するように、複数の層に配置されて、各層ごとに複数の流体発電機が回転可能に設けられる回転フレーム170が構成されている。
【0120】
前記回転フレーム170は、発電機に接続されるメイン回転軸171と、一端がメイン回転軸171に回転可能に接続されて他端が回転軸40に接続される複数の回転支持部材172が備えられている。
【0121】
メイン回転軸171は、長い長さを有する棒状部材で構成されるものであり、下部が発電機120に連結されている。
【0122】
回転支持部材172は、メイン回転軸171の上下方向に沿って複数の層をなすように配置され、複数の流体発電機10を多層の構造に配置する機能を果たす。
【0123】
回転支持部材172は、一端がメイン回転軸171に接続されて他端が流体発電機の回転軸40の下端に接続される下回転支持部材1721と、一端がメイン回転軸171に接続されて他端が回転軸40の上端に接続される上回転支持部材1722を含む。
【0124】
そして、下回転支持部材1721及び上回転支持部材1722は、メイン回転軸171に設けられる固定リング1723に接続されて、メイン回転軸171に回転力を伝達して、上下連結部材1724によって相互に連結されて揺れが防止される。
【0125】
第3実施形態に係る流体発電機を備えた発電システムは、図11aに示すように、流体発電機を支持するために、流体発電機の配置方向である上下方向に沿って設けられる支持フレーム150と、メイン回転軸171を回転可能に支持する複数の軸支持部材160が備えられている。
【0126】
支持フレーム150及び軸支持部材160は、形状において多少の差があるが、前述した第2実施形態と類似するので具体的な説明を省略する。
【0127】
前述したように、本発明の第3実施形態に係る流体発電機を備えた発電システムは、長い長さで形成されたメイン回転軸171に一定の間隔を置いて複数の回転支持部材172が設けられて、各回転支持部材172に流体発電機10が設けられるので、複数の流体発電機が多層の構造で配置された発電システムで構成される。
【0128】
このような発電システムは、各層ごとに配置された流体発電機10の螺旋翼30と、第1補助抗力翼50及び第2補助抗力翼60の抗力による回転軸40の回転トルクが回転支持部材172を介して伝達されて、メイン回転軸171を回転させる。このような方式で各層ごとに配置される3つの風力発電機10で生成された回転力によって、メイン回転軸171が回転するので、発電機120の高出力の電気エネルギーを収穫することができる。
【0129】
以上で説明したことは、本発明に係る流体発電機を実施するための実施形態に過ぎないものであり、本発明は、前記した実施形態に限定されず、以下の特許請求の範囲で請求するように、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当該発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、誰でも様々な変更実施が可能な範囲まで本発明の技術的思想がある。
【0130】
前記した実施形態で使用した用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用したもので、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味を有しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上において記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするのであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0131】
本発明の流体発電機は弱い風でも効率的に電気を生産することができる流体発電機及びこれを備えた発電システムであり、翼の大きさを増大させずに、風の抗力を効率的に利用して発電効率を向上させることができるようにして使用範囲を広げており、外部に露出される露出面上部にサイン部を形成することにより、自体生産した電気を用いて、広告の効果を発揮できる広告用流体発電機を実装することができる。
【符号の説明】
【0132】
10:流体発電機
20:上昇気流形成体
30:螺旋翼
40:回転軸
50:第1補助抗力翼
60:第2補助抗力翼
70:上部キャップ
80:風誘導補強翼
100:支持板
110:支柱管
120:発電機
140:風防手段
150:支持フレーム
160:軸支持部材
170:回転フレーム
180:昇降駆動手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図8c
図9a
図9b
図10
図11a
図11b
図11c
【手続補正書】
【提出日】2021-09-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体発電機において、
回転軸に設けられる上昇気流形成体と、
前記上昇気流形成体の外周面に沿って螺旋状に形成される複数の螺旋翼及び前記上昇気流形成体の回転によって電気を発生させる発電機を含むことを特徴とする流体発電機。
【請求項2】
前記上昇気流型成体は下部の外径が前記上部の外径よりも大きく形成されたことを特徴とする請求項1に記載の流体発電機。
【請求項3】
前記螺旋翼は水平方向の幅が下部から上部に向かって漸次的に増加するように形成されることを特徴とする請求項2に記載の流体発電機。
【請求項4】
前記螺旋翼の縁に沿って、前記螺旋翼の面に対して傾斜するように形成されて、風を閉じ込めて抗力が印加される第1補助抗力翼を含むことを特徴とする請求項3に記載の流体発電機。
【請求項5】
前記第1補助抗力翼は水平方向の幅が下部から上部に向かって漸次的に増加するように形成されることを特徴とする請求項4に記載の流体発電機。
【請求項6】
前記螺旋翼の上端部に形成される第2補助抗力翼を含むことを特徴とする請求項4に記載の流体発電機。
【請求項7】
前記第2補助抗力翼は上昇気流によって抗力を受ける方向に屈曲形成されたことを特徴とする請求項6に記載の流体発電機。
【請求項8】
前記螺旋翼の上部に形成される風誘導補強翼を含むことを特徴とする請求項6に記載の流体発電機。
【請求項9】
前記風誘導補強翼は、前記第2補助抗力翼との間に風排出口が設けられるように前記第2補助抗力翼の縁に沿って連結され、外部に露出される露出面上部が形成されることを特徴とする請求項8に記載の流体発電機。
【請求項10】
前記上昇気流形成体及び前記螺旋翼の中の少なくとも一つ以上は、内部に中空部が形成された構造からなることを特徴とする請求項1に記載の流体発電機。
【請求項11】
前記中空部には固形物が満たされたことを特徴とする請求項10に記載の流体発電機。
【請求項12】
流体発電機を備えた発電システムにおいて、
請求項1乃至請求項11中のいずれか一項の流体発電機と、
前記流体発電機を上下に移動させる駆動力を印加するように設けられる昇降駆動手段と、を含み、
前記回転軸は、前記流体発電機の移動レールの機能を果たすように、前記上昇気流形成体の中心を横切って長い長さで形成された昇降棒で構成されることを特徴とする流体発電機を備えた発電システム。
【請求項13】
前記流体発電機が下降した状態で、風力が前記螺旋翼に印加されないように囲む形態で形成された風防手段を含むことを特徴とする請求項12に記載の流体発電機を備えた発電システム。
【請求項14】
前記風防手段は、植物を栽培するスペースを備えた植物栽培容器を含むことを特徴とする請求項13に記載の流体発電機を備えた発電システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0131
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0131】
本発明の流体発電機は弱い風でも効率的に電気を生産することができる流体発電機及びこれを備えた発電システムであり、翼の大きさを増大させずに、風の抗力を効率的に利用して発電効率を向上させることができるようにして使用範囲を広げており、外部に露出される露出面上部にサイン部を形成することにより、自体生産した電気を用いて、広告の効果を発揮できる広告用流体発電機を実装することができる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 流体発電機において、
回転軸に設けられる上昇気流形成体と、
前記上昇気流形成体の外周面に沿って螺旋状に形成される複数の螺旋翼及び前記上昇気流形成体の回転によって電気を発生させる発電機を含むことを特徴とする流体発電機。
[2] 前記上昇気流型成体は下部の外径が前記上部の外径よりも大きく形成されたことを特徴とする[1]に記載の流体発電機。
[3] 前記螺旋翼は水平方向の幅が下部から上部に向かって漸次的に増加するように形成されることを特徴とする[2]に記載の流体発電機。
[4] 前記螺旋翼の縁に沿って、前記螺旋翼の面に対して傾斜するように形成されて、風を閉じ込めて抗力が印加される第1補助抗力翼を含むことを特徴とする[3]に記載の流体発電機。
[5] 前記第1補助抗力翼は水平方向の幅が下部から上部に向かって漸次的に増加するように形成されることを特徴とする[4]に記載の流体発電機。
[6] 前記螺旋翼の上端部に形成される第2補助抗力翼を含むことを特徴とする[4]に記載の流体発電機。
[7] 前記第2補助抗力翼は上昇気流によって抗力を受ける方向に屈曲形成されたことを特徴とする[6]に記載の流体発電機。
[8] 前記螺旋翼の上部に形成される風誘導補強翼を含むことを特徴とする[6]に記載の流体発電機。
[9] 前記風誘導補強翼は、前記第2補助抗力翼との間に風排出口が設けられるように前記第2補助抗力翼の縁に沿って連結され、外部に露出される露出面上部が形成されることを特徴とする[8]に記載の流体発電機。
[10] 前記露出面上部はサイン部が備えられたことを特徴とする[9]に記載の流体発電機。
[11] 前記上昇気流形成体の上端部に形成される上部キャップを含むことを特徴とする[2]に記載の流体発電機。
[12] 前記上昇気流形成体及び前記螺旋翼の中の少なくとも一つ以上は、内部に中空部が形成された構造からなることを特徴とする[1]に記載の流体発電機。
[13] 前記中空部に流体の注入及び排気のための注入口が形成されたことを特徴とする[12]に記載の流体発電機。
[14] 前記中空部の流体が排出され、収縮された状態を保持するために形成される結束手段を含むことを特徴とする[13]に記載の流体発電機。
[15] 前記螺旋翼と前記上昇気流形成体は、中空部が互いに連通するように形成されたことを特徴とする[12]に記載の流体発電機。
[16] 前記中空部には固形物が満たされたことを特徴とする[12]に記載の流体発電機。
[17] 流体発電機を備えた発電システムにおいて、
[1]乃至[16]中のいずれか一項の流体発電機と、
前記流体発電機を上下に移動させる駆動力を印加するように設けられる昇降駆動手段と、を含み、
前記回転軸は、前記流体発電機の移動レールの機能を果たすように、前記上昇気流形成体の中心を横切って長い長さで形成された昇降棒で構成されることを特徴とする流体発電機を備えた発電システム。
[18] 前記流体発電機が下降した状態で、風力が前記螺旋翼に印加されないように囲む形態で形成された風防手段を含むことを特徴とする[17]に記載の流体発電機を備えた発電システム。
[19] 前記風防手段は、植物を栽培するスペースを備えた植物栽培容器を含むことを特徴とする[18]に記載の流体発電機を備えた発電システム。
[20] 流体発電機を備えた発電システムにおいて、
[1]乃至[16]中のいずれか一項の流体発電機が複数で構成されて、
複数の前記流体発電機は上下方向に沿って多段に配置され、前記回転軸は前記流体発電機の上昇気流形成体の中心を横切って長い長さで形成されたことを特徴とする流体発電機を備えた発電システム。
[21] 前記流体発電機の配置方向に沿って設けられる支持フレームと、
前記回転軸を回転可能に支持するように、前記支持フレームと前記回転軸との間に設けられる複数の軸支持部材を含むことを特徴とする[20]に記載の流体発電機を備えた発電システム。
[22] 流体発電機を備えた発電システムにおいて、
[1]乃至[16]中のいずれか一項の流体発電機が複数で構成されて、
複数の前記流体発電機が回転可能に設けられる回転フレームを含むことを特徴とする流体発電機を備えた発電システム。
[23] 前記回転フレームは、
前記発電機に接続されるメイン回転軸と、
前記メイン回転軸に一端が回転可能に接続されて、他端が前記回転軸に接続される複数の回転支持部材と、を含むことを特徴とする[22]に記載の流体発電機を備えた発電システム。
[24] 前記回転支持部材は、前記メイン軸に一端が接続されて、他端が前記回転軸の下端に接続される下回転支持部材、及び前記メイン回転軸に一端が接続されて、他端が前記回転軸の上端に接続される上回転支持部材を含むことを特徴とする[23]に記載の流体発電機を備えた発電システム。
[25] 前記回転支持部材は、前記メイン回転軸の上下方向に沿って複数の層をなすように配置されたことを特徴とする[23]に記載の流体発電機を備えた発電システム。
【国際調査報告】