(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-20
(54)【発明の名称】ALアミロイドーシスを処置する方法
(51)【国際特許分類】
A61K 39/395 20060101AFI20220413BHJP
A61P 7/00 20060101ALI20220413BHJP
A61P 39/02 20060101ALI20220413BHJP
C07K 16/18 20060101ALI20220413BHJP
C07K 16/46 20060101ALI20220413BHJP
C07K 16/42 20060101ALI20220413BHJP
C12P 21/08 20060101ALN20220413BHJP
C12N 15/13 20060101ALN20220413BHJP
【FI】
A61K39/395 A
A61K39/395 M
A61P7/00
A61P39/02
C07K16/18 ZNA
C07K16/46
C07K16/42
C12P21/08
C12N15/13
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021552586
(86)(22)【出願日】2020-03-05
(85)【翻訳文提出日】2021-10-27
(86)【国際出願番号】 IB2020000186
(87)【国際公開番号】W WO2020178638
(87)【国際公開日】2020-09-10
(32)【優先日】2019-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】318003021
【氏名又は名称】プロシーナ バイオサイエンシーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】キニー, ジーン
(72)【発明者】
【氏名】ザーゴ, ワグナー
(72)【発明者】
【氏名】カープ, キャロル
(72)【発明者】
【氏名】トリプラネニ, ラディカ
【テーマコード(参考)】
4B064
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG27
4B064CC24
4B064DA01
4B064DA13
4C085AA14
4C085AA16
4C085BB11
4C085BB41
4C085BB43
4C085CC23
4C085EE01
4C085GG02
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA20
4H045EA50
4H045FA74
(57)【要約】
ALアミロイドーシスを有する患者の処置のために有用な抗体処方物および方法。本明細書では、ビルタミマブの有効投与量を投与することを含む、ALアミロイドーシスを有するMayoステージIV患者を処置する方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、患者において死亡のリスクを低減する。一部の実施形態では、方法は、患者において総死亡のリスクを低減する。一部の実施形態では、処置の方法は、患者において心臓死のリスクを低減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)(i)患者のALアミロイドーシスのMayoステージ、または
(ii)前記患者の6分間歩行距離(6MWD)および駆出率(EF)、または
(iii)前記患者のMayoステージおよびEF
を決定するステップ;ならびに
b)前記患者が:
(i)MayoステージIV ALアミロイドーシスを有する;または
(ii)ベースラインで6MWD≧150メートルおよびEF>50%を有する;
(iii)ベースラインでMayoステージIVおよびEF>50%を有する;または
(iv)ベースラインでMayoステージIV、6MWD≧150メートルおよびEF>50%を有する場合に;
ヒトアミロイドAペプチドまたはヒトカッパもしくはラムダ軽鎖免疫グロブリンへの結合について2A4(ATCC受託番号PTA-9662)または7D8(ATCC受託番号PTA-9468)と競合する、あるいはカッパ軽鎖免疫グロブリンへの結合について11-1F4(ATCC受託番号PTA-105)と競合する抗体を用いた処置のために前記患者を選択するステップ、ならびに
c)前記抗体の有効投与量を投与するステップ
を含む、ALアミロイドーシスを有する患者を処置する方法。
【請求項2】
前記患者がMayoステージIVアミロイドーシスを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記患者が6MWD≧150メートルおよびEF>50%を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記患者がEF>50%を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記患者が6MWD≧150メートルを有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ヒトアミロイドAペプチドまたはヒトカッパもしくはラムダ軽鎖免疫グロブリンへの結合について2A4(ATCC受託番号PTA-9662)または7D8(ATCC受託番号PTA-9468)と競合する、あるいはカッパ軽鎖免疫グロブリンへの結合について11-1F4(ATCC受託番号PTA-105)と競合する抗体の有効投与量を投与するステップを含む、ALアミロイドーシスを有する患者を処置する方法であって、前記患者が(a)MayoステージIV ALアミロイドーシス、(b)6分間歩行距離(6MWD)≧150メートルおよびEF>50%、(c)MayoステージIVおよびEF>50%または(d)MayoステージIVおよび6MWD≧150メートルおよびEF>50%を有する、方法。
【請求項7】
前記患者が、MayoステージIV ALアミロイドーシスを有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記患者が、6MWD≧150メートルおよびEF>50%を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記患者が、6MWD≧150メートルおよびEF>50%を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記患者がEF>50%を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記抗体が、2A4、7D8または11-1F4の3個の相補性決定領域を含む軽鎖可変領域、および2A4、7D8または11-1F4の3個の相補性決定領域を含む重鎖可変領域をそれぞれ含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記抗体が、2A4のヒト化バージョンである、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記抗体が、11-1F4のヒト化またはキメラバージョンである、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記抗体が、配列番号3、4および5または配列番号16、17および18として記載される3個の相補性決定領域を含む軽鎖可変領域、ならびに配列番号6、7および8または配列番号19、20および21として記載される3個の相補性決定領域を含む重鎖可変領域を含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
軽鎖可変領域が、配列番号1または14として記載されるアミノ酸配列を含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
重鎖可変領域が、配列番号2または15として記載されるアミノ酸配列を含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
軽鎖可変領域が配列番号1または14として記載されるアミノ酸配列を含み、重鎖可変領域が配列番号2または15として記載されるアミノ酸配列を含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記抗体が、配列番号10として記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖、および配列番号11、12または13として記載されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記抗体が、配列番号10として記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖、および配列番号12として記載されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記抗体がビルタミマブである、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記患者が新たに診断され、ALアミロイドーシス処置ナイーブである、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記患者がメルファラン、プレドニゾン、デキサメタゾン、ボルテゾミブ、シクロホスファミド、レナリドミド、ドキソルビシン、ドキシサイクリン、ダラツムマブ、自己移植またはこれらの組合せを用いる処置を以前受けたまたは同時に受けている、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
ヒトアミロイドAペプチドまたはヒトカッパもしくはラムダ軽鎖免疫グロブリンへの結合について2A4(ATCC受託番号PTA-9662)または7D8(ATCC受託番号PTA-9468)と競合する、あるいはカッパ軽鎖免疫グロブリンへの結合について11-1F4(ATCC受託番号PTA-105)と競合する抗体の有効投与量をMayoステージIV患者に投与するステップであって、それにより前記患者の死亡のリスクを少なくとも約35%低減するステップを含む、請求項2、4、7または9のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
a)患者が6分間歩行距離(6MWD)≧150メートルおよび駆出率(EF)>50%を有することを決定するステップ;
b)ヒトアミロイドAペプチドまたはヒトカッパもしくはラムダ軽鎖免疫グロブリンへの結合について2A4(ATCC受託番号PTA-9662)または7D8(ATCC受託番号PTA-9468)と競合する、あるいはカッパ軽鎖免疫グロブリンへの結合について11-1F4(ATCC受託番号PTA-105)と競合する抗体を用いた処置のために前記患者を選択するステップ;ならびに
c)前記抗体の有効投与量を投与するステップ
を含む、ALアミロイドーシスを有する患者を処置する方法。
【請求項25】
ヒトアミロイドAペプチドまたはヒトカッパもしくはラムダ軽鎖免疫グロブリンへの結合について2A4(ATCC受託番号PTA-9662)または7D8(ATCC受託番号PTA-9468)と競合する、あるいはカッパ軽鎖免疫グロブリンへの結合について11-1F4(ATCC受託番号PTA-105)と競合する抗体の有効投与量を患者に投与するステップを含む、150メートルより長いまたは150メートルに等しい実証された6分間歩行距離(6MWD)および50%より多い駆出率(EF)を有する、ALアミロイドーシスを有する患者を処置する方法。
【請求項26】
ヒトアミロイドAペプチドまたはヒトカッパもしくはラムダ軽鎖免疫グロブリンへの結合について2A4(ATCC受託番号PTA-9662)または7D8(ATCC受託番号PTA-9468)と競合する、あるいはカッパ軽鎖免疫グロブリンへの結合について11-1F4(ATCC受託番号PTA-105)と競合する抗体の有効投与量を患者に投与するステップを含む、ALアミロイドーシスを有する患者の死亡のリスクを少なくとも45%低減する方法であって、前記患者がMayoステージIV ALアミロイドーシスを有する、ならびに/または150メートルより長いもしくは150メートルに等しい実証された6分間歩行距離(6MWD)および50%より多い駆出率(EF)を有する、または前記患者がMayoステージIV ALアミロイドーシスおよび>50%のEFを有する、方法。
【請求項27】
前記死亡のリスクが総死亡率である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記総死亡率のリスクが少なくとも約48.9%低減される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記総死亡率のリスクが少なくとも約50%低減される、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記総死亡率のリスクが少なくとも約50.2%低減される、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記総死亡率のリスクが少なくとも約60%低減される、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記総死亡率のリスクが少なくとも約70%低減される、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
前記総死亡率のリスクが少なくとも約79.9%低減される、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
前記総死亡率のリスクが少なくとも約81.5%低減される、請求項27に記載の方法。
【請求項35】
前記死亡のリスクが心臓死である、請求項26に記載の方法。
【請求項36】
前記心臓死のリスクが少なくとも約75%低減される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記心臓死のリスクが少なくとも約62.2%低減される、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記抗体がビルタミマブである、請求項23~37のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
前記患者が、前記抗体を用いた処置後に36項目簡易型身体的要素スコア(SF-36PCS)またはSF-36v2において改善を示す、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
処置の9カ月後に、前記SF-36PCSまたはSF-36v2での前記患者のスコアにおける変化が、同じ時点で、前記抗体を投与されていない異なる患者と比べて少なくとも5ポイント高い、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記抗体の前記有効投与量が、約1mg/mLから約100mg/mLの範囲内の濃度で前記抗体を含む医薬処方物から投与される、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
前記投与量が約0.5mg/kgから約30mg/kgであり、前記抗体が1週間に約1回から1年に約4回の頻度で静脈内または皮下投与される、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項43】
前記抗体が、濃度約50mg/mLで存在する、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記投与量のために必要な量の処方物をバイアルから液体を含む静注バッグに移した後に前記投与量が、静脈内投与される、請求項41~43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
前記投与量が約24mg/kgであり、前記抗体が28日ごとに静脈内投与される、請求項41~43のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
前記処置の継続期間が少なくとも9カ月間である、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項47】
前記処置の継続期間が少なくとも12カ月間である、請求項24に記載の方法。
【請求項48】
前記継続期間が、SF-36PCSまたはSF-36v2におけるベースラインから少なくとも約3ポイント増加を達成または維持するために有効である、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項49】
前記抗体がFab、Fab’、F(ab’)
2、F(ab)c、Dab、ナノボディまたはFvである、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
ヒトアミロイドAペプチドまたはヒトカッパもしくはラムダ軽鎖免疫グロブリンへの結合について2A4(ATCC受託番号PTA-9662)または7D8(ATCC受託番号PTA-9468)と競合する、あるいはカッパ軽鎖免疫グロブリンへの結合について11-1F4(ATCC受託番号PTA-105)と競合する抗体であって、MayoステージIV ALアミロイドーシスを有する患者、ベースラインで150メートルより長いもしくは150メートルに等しい実証された6分間歩行距離(6MWD)および50%より多い駆出率(EF)を有する患者、ベースラインで50%より多いEFを有するMayoステージIV患者、またはベースラインで150メートルより長いもしくは150メートルに等しい実証された6MWDおよび50%より多いEFを有するMayoステージIV患者を処置する方法における使用のための抗体。
【請求項51】
2A4のヒト化バージョンである、請求項50に記載の使用のための抗体。
【請求項52】
配列番号3、4および5または配列番号16、17および18として記載される3個の相補性決定領域を含む軽鎖可変領域、ならびに配列番号6、7および8または配列番号19、20および21として記載される3個の相補性決定領域を含む重鎖可変領域を含む、請求項50に記載の使用のための抗体。
【請求項53】
軽鎖可変領域が配列番号1または14として記載されるアミノ酸配列を含む、請求項50に記載の使用のための抗体。
【請求項54】
重鎖可変領域が配列番号2または15として記載されるアミノ酸配列を含む、請求項50に記載の使用のための抗体。
【請求項55】
軽鎖可変領域が配列番号1または14として記載されるアミノ酸配列を含み、重鎖可変領域が配列番号2または15として記載されるアミノ酸配列を含む、請求項50に記載の使用のための抗体。
【請求項56】
ビルタミマブである、請求項50に記載の使用のための抗体。
【請求項57】
約1mg/mLから約100mg/mLの範囲内の濃度で前記抗体を含む医薬処方物として製剤化された、請求項50~56のいずれかに記載の使用のための抗体。
【請求項58】
約0.5mg/kgから約30mg/kgの投与量を含み、1週間に約1回から1年に約4回の頻度で静脈内または皮下投与される、請求項57に記載の使用のための抗体。
【請求項59】
約50mg/mLの濃度で存在する、請求項58に記載の使用のための抗体。
【請求項60】
(a)患者がMayoステージI、ステージII、ステージIIIもしくはステージIV ALアミロイドーシスを有するかどうか、(b)前記患者の6分間歩行距離(6MWD)および/または(c)前記患者の駆出率(EF)を決定するステップ、ならびに(i)ステージIV ALアミロイドーシスを有する患者、(ii)6MWD≧150メートルおよびEF>50%、(iii)ステージIV ALアミロイドーシスおよび6MWD≧150メートルおよびEF>50%、または(iv)ステージIV ALアミロイドーシスおよびEF>50%を有する患者を処置のために選択するステップを含む、ヒトアミロイドAペプチドまたはヒトカッパもしくはラムダ軽鎖免疫グロブリンへの結合について2A4(ATCC受託番号PTA-9662)または7D8(ATCC受託番号PTA-9468)と競合する、あるいはカッパ軽鎖免疫グロブリンへの結合について11-1F4(ATCC受託番号PTA-105)と競合する抗体を用いた処置から健康上の利益を受ける可能性が高い患者を同定する方法。
【請求項61】
前記選択された患者がMayoステージIV ALアミロイドーシスを有する、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記選択された患者が6MWD≧150メートルおよび駆出率>50%を有する、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
前記選択された患者が、MayoステージIV ALアミロイドーシス、6MWD≧150メートルおよび駆出率>50%を有する、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
前記選択された患者が、MayoステージIV ALアミロイドーシスおよび駆出率>50%を有する、請求項60に記載の方法。
【請求項65】
前記患者に:
a)11-1F4のキメラもしくはヒト化バージョンの約0.5mg/m2から約500mg/m2の範囲の用量;または
b)2A4のヒト化バージョンの約0.5mg/kgから約30mg/kgの範囲の用量
を静脈内投与するステップをさらに含む、請求項60~64に記載の方法。
【請求項66】
ヒトアミロイドAペプチドまたはヒトカッパもしくはラムダ軽鎖免疫グロブリンへの結合について2A4(ATCC受託番号PTA-9662)または7D8(ATCC受託番号PTA-9468)と競合する、あるいはカッパ軽鎖免疫グロブリンへの結合について11-1F4(ATCC受託番号PTA-105)と競合する抗体の有効投与量を患者に投与するステップを含む、ALアミロイドーシスを有する患者における6分間歩行距離(6MWD)の改善方法。
【請求項67】
前記ALアミロイドーシスがMayoステージIV ALアミロイドーシスである、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記患者の駆出率(EF)が>50%である、請求項66または請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記抗体がビルタミマブである、請求項60~68のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本開示は、免疫学および医薬の技術分野に関する。
【0002】
関連出願
本出願は、それぞれその全体が本明細書に参考により組み込まれる、米国仮特許出願第62/814,252号、2019年3月5日出願および米国仮特許出願第62/942,722号、2019年12月2日出願の利益を主張する。
【0003】
配列表の参照
本出願は、「19-467-WO_Sequence-Listing_ST25.txt」と名付けられ、22kbバイトのサイズを有し、2020年3月5日に作成された電子テキストファイルとして提出された配列表を含む。本電子ファイルに含まれる情報は、37CFR§1.52(e)(5)に従ってその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0004】
背景
ALアミロイドーシスは、ミスフォールドし、疾患に寄与する場合がある免疫グロブリン軽鎖を産生するクローン性形質細胞によって生じる血液学的障害に関与する。形質細胞によるミスフォールドされた軽鎖の過剰産生は、ALアミロイドーシスを有する個体の組織および臓器に異常ALタンパク質(アミロイド)の沈着を生じる。ALアミロイドーシスの臨床的特徴は、さまざまな症状ならびに、心臓、腎臓および肝臓の機能障害、胃腸管合併症、ニューロパチーならびに巨舌症が挙げられる臓器の機能障害を含む。アミロイド原性免疫グロブリン軽鎖が臓器の機能障害を生じる機序は、十分に特徴付けられていないが、しかし、アミロイド沈着および前線維性凝集の両方が、ALアミロイドーシスを有する患者において観察される臓器への細胞傷害性作用に寄与する可能性があることが仮定されている。ALアミロイドーシスは多発性骨髄腫(15%まで)または意義不明のモノクローナル高ガンマグロブリン血症(MGUS;9%まで)を有する患者のサブセットにおいて同時に生じる場合があるが、ALアミロイドーシスはそれ自体が疾患実体である。
【0005】
ALアミロイドーシスは、1,000,000名に8例の推定発生率を有する稀な障害である。ALアミロイドーシスの1200から3200例ほどの新規症例が合衆国において毎年報告される。ALアミロイドーシスを有する患者の3分の2は男性であり、患者の5%未満が40歳未満である。ALアミロイドーシスの原因および由来の両方がほとんど理解されていないままである。ALアミロイドーシスを有する患者についての疾患の転帰は、ステージIV患者についての転帰が非常に深刻な、Kumar et al., 2012 (Kumar et al., Revised Prognostic Staging System for Light Chain Amyloidosis Incorporating Cardiac Biomarkers and Serum Free Light Chain Measurements, J Clin Oncol 30:989-995 2012)において考察されているMayo4段階予後ステージ分類システムに基づいて予測され得る。
【0006】
ALアミロイドーシスを有する患者の現在の処置は、骨髄障害、すなわち軽鎖を産生する原因である形質細胞を低減または除去し、それによりアミロイドの産生を制限するまたは停止することを目的にしている。最も積極的な処置選択肢として、幹細胞移植および、それを許容できる患者のための高用量化学療法が挙げられる。他の治療レジメンとして、血液悪性腫瘍を処置するためにしばしば使用される、メルファラン、プレドニゾン、デキサメタゾンなどの薬物の組合せ、および軽鎖産生を低減するためボルテゾミブなどのプロテオソーム(proteosome)阻害剤が挙げられる。ALアミロイドーシスに対して承認された処置は現在なく、アミロイド原性タンパク質の潜在的毒性形態を直接標的化するものはない。一部の処置選択肢は、ALアミロイドーシスに関連する罹患率をいくらか軽快させることができるが、患者の予後を改善すると実証されたものは、あるとしても少ない。さらに、ALアミロイドーシスを有するMayoステージIV患者は、現在承認されている処置がなく、罹患率および死亡率の非常に高い負荷を有する患者サブセットを示し、集団は、米国において患者およそ2,760名、米国および欧州連合を合わせて患者6,900から10,350名と推定される。
【0007】
したがって、ALアミロイドーシスを有する患者において死亡のリスクを低減することまたは生活の質を増強することを含む、健康状態を改善する治療に対するまだ対処されていない必要性がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Kumar et al., Revised Prognostic Staging System for Light Chain Amyloidosis Incorporating Cardiac Biomarkers and Serum Free Light Chain Measurements, J Clin Oncol 30:989-995 2012
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
概要
本開示は、ある特定のALアミロイドーシス患者を処置する方法に関する。
【0010】
本明細書では、患者のALアミロイドーシスのMayoステージ、および/または患者の6分間歩行距離(6MWD)もしくは駆出率(EF)を決定するステップ、あるいは患者のMayoステージおよびEFを決定するステップ、患者が、MayoステージIV ALアミロイドーシスを有する、ベースラインで6MWD≧150メートルおよびEF>50%を有する、ベースラインでMayoステージIVおよびEF>50%を有する、またはベースラインでMayoステージIV、6MWD≧150メートルおよびEF>50%を有する場合に、ヒトアミロイドAペプチドまたはヒトカッパもしくはラムダ軽鎖免疫グロブリンへの結合について2A4(ATCC受託番号PTA-9662)または7D8(ATCC受託番号PTA-9468)と競合する、あるいはヒトカッパ(κ)またはラムダ軽鎖免疫グロブリンへの結合について11-1F4(ATCC受託番号PTA-105)と競合する抗体を用いた処置のために患者を選択するステップ、ならびに抗体の有効投与量を投与するステップ、を含む、ALアミロイドーシスを有する患者を処置する方法が提供される。一部の実施形態では、患者は、MayoステージIV ALアミロイドーシスを有する。そのようなMayoステージIV患者の一部は、EF>50%を有し、そのような患者の一部は、6MWD≧150メートルも有する。
【0011】
同様に本明細書では、ヒトアミロイドAペプチドまたはヒトカッパもしくはラムダ軽鎖免疫グロブリンへの結合について2A4(ATCC受託番号PTA-9662)または7D8(ATCC受託番号PTA-9468)と競合する、あるいはκまたはラムダ軽鎖免疫グロブリンへの結合について11-1F4(ATCC受託番号PTA-105)と競合する抗体の有効投与量を投与するステップを含む、ALアミロイドーシスを有する患者を処置する方法であって、患者が(a)MayoステージIV ALアミロイドーシス、(b)6分間歩行距離(MWD)≧150メートルおよび駆出率(EF)>50%、(c)MayoステージIVCおよびEF>50%、または(d)MayoステージIVおよび6MWD≧150メートルおよびEF>50%を有する、方法が提供される。一部の実施形態では、患者は、MayoステージIV ALアミロイドーシスを有する。一部の実施形態では、患者は6MWD≧150メートルおよびEF>50%を有し、そのような患者の一部は、MayoステージIV ALアミロイドーシスを有する。一部の実施形態では、MayoステージIV患者はEF>50%を有する。
【0012】
本明細書では、ヒトアミロイドAペプチドまたはヒトカッパもしくはラムダ軽鎖免疫グロブリンへの結合について2A4(ATCC受託番号PTA-9662)または7D8(ATCC受託番号PTA-9468)と競合する、あるいはヒトカッパ(κ)またはラムダ軽鎖免疫グロブリンへの結合について11-1F4(ATCC受託番号PTA-105)と競合する抗体の有効投与量を投与するステップを含む、ALアミロイドーシスを有するMayoステージIV患者を処置する方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、患者において死亡のリスクを低減する。一部の実施形態では、方法は、患者において総死亡のリスクを低減する。一部の実施形態では、処置の方法は、患者において心臓死のリスクを低減する。
【0013】
本明細書では、ビルタミマブ(birtamimab)の有効投与量を投与することを含む、ALアミロイドーシスを有するMayoステージIV患者を処置する方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、患者において死亡のリスクを低減する。一部の実施形態では、方法は、患者において総死亡のリスクを低減する。一部の実施形態では、処置の方法は、患者において心臓死のリスクを低減する。一部の実施形態では、投与量は、約0.5mg/kgから約30mg/kgであり、ビルタミマブは、1週間に約1回から1年に約4回の頻度で静脈内または皮下投与される。一部の実施形態では、投与量は約24mg/kgであり、ビルタミマブは28日ごとに静脈内投与される。
【0014】
本明細書において提供される一部の実施形態では、抗体は、2A4、7D8または11-1F4の3個の相補性決定領域を含む軽鎖可変領域、および2A4、7D8または11-1F4の3個の相補性決定領域を含む重鎖可変領域をそれぞれ含む。一部の実施形態では、抗体は、2A4のヒト化バージョンである。一部の実施形態では、抗体は、11-1F4のヒト化またはキメラバージョンである。
【0015】
一部の実施形態では、抗体は、2A4、7D8または11-1F4と同じエピトープに結合する。一部の実施形態では、患者は、ヒトアミロイドAペプチドまたはヒトカッパもしくはラムダ軽鎖免疫グロブリンへの結合について2A4(ATCC受託番号9662)と競合する、あるいはκまたはラムダ軽鎖免疫グロブリンへの結合について11-1F4(ATCC受託番号PTA-105)と競合する抗体を投与される。一部の実施形態では、抗体は、2A4または11-1F4と同じエピトープに結合する。一部の実施形態では、抗体は2A4のヒト化バージョンである。一部の実施形態では、抗体は、11-1F4のヒト化またはキメラバージョンである。一部の実施形態では、抗体は、11-1F4、2A4および/または7D8の組合せを含むヒト化二重特異性または多特異性バージョンである。
【0016】
本明細書において提供される一部の実施形態では、抗体は、配列番号3、4および5または配列番号16、17および18として記載される3個の相補性決定領域を含む軽鎖可変領域、ならびに配列番号6、7および8または配列番号19、20および21として記載される3個の相補性決定領域を含む重鎖可変領域を含む。一部の実施形態では、抗体の軽鎖可変領域は、配列番号1または14として記載されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、抗体の重鎖可変領域は、配列番号2または15として記載されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、軽鎖可変領域は、配列番号1または14として記載されるアミノ酸配列を含み、重鎖可変領域は配列番号2または15として記載されるアミノ酸配列を含む。本明細書において提供される一部の実施形態では、抗体は、配列番号10として記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖および配列番号11、12または13として記載されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一部の実施形態では、抗体は、配列番号10として記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖および配列番号12として記載されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一部の実施形態では、抗体はビルタミマブである。
【0017】
本明細書で提供される一部の実施形態では、患者は、新たに診断され、ALアミロイドーシス処置ナイーブである。一部の実施形態では、患者は、メルファラン、プレドニゾン、デキサメタゾン、ボルテゾミブ、シクロホスファミド、レナリドミド、ドキソルビシン、ドキシサイクリン、ダラツムマブ、自己移植またはこれらの組合せを用いる処置を以前受けたまたは同時に受けている。ある特定の方法では、患者は、形質細胞療法(plasma cell therapy)を受ける前にヒト化2A4、7D8または11-1F4を用いた処置を以前受けたまたは同時に受けている。
【0018】
本明細書では、ヒトアミロイドAペプチドまたはヒトカッパもしくはラムダ軽鎖免疫グロブリンへの結合について抗体2A4(ATCC受託番号9662)または7D8(ATCC受託番号PTA-9468)と競合する、あるいはカッパ軽鎖免疫グロブリンへの結合について11-1F4(ATCC受託番号PTA-105)と競合する抗体の有効投与量をMayoステージIV患者に投与するステップであって、それにより患者の死亡の相対的リスクを少なくとも約35%低減するステップを含む方法が提供される。
【0019】
同様に本明細書では、患者が6分間歩行距離(6MWD)≧150メートルおよび駆出率(EF)>50%を有することを決定するステップ、ヒトアミロイドAペプチドまたはヒトカッパもしくはラムダ軽鎖免疫グロブリンへの結合について抗体2A4(ATCC受託番号PTA-9662)または7D8(ATCC受託番号PTA-9468)と競合する、あるいはカッパ軽鎖免疫グロブリンへの結合について11-1F4(ATCC受託番号PTA-105)と競合する抗体を用いた処置のために患者を選択するステップ;および抗体の有効投与量を投与するステップを含む、ALアミロイドーシスを有する患者を処置する方法が提供される。
【0020】
同様に本明細書では、ヒトアミロイドAペプチドまたはヒトカッパもしくはラムダ軽鎖免疫グロブリンへの結合について抗体2A4(ATCC受託番号PTA-9662)または7D8(ATCC受託番号PTA-9468)と競合する、あるいはκ軽鎖免疫グロブリンへの結合について11-1F4(ATCC受託番号PTA-105)と競合する抗体の有効投与量を患者に投与するステップを含む、150メートルより長いまたは150メートルに等しい実証された6分間歩行距離(6MWD)および50%より多い駆出率(EF)を有する、ALアミロイドーシスを有する患者を処置する方法が提供される。
【0021】
同様に本明細書では、ヒトアミロイドAペプチドまたはヒトカッパもしくはラムダ軽鎖免疫グロブリンへの結合について抗体2A4(ATCC受託番号PTA-9662)または7D8(ATCC受託番号PTA-9468)と競合する、あるいはカッパ軽鎖免疫グロブリンへの結合について11-1F4(ATCC受託番号PTA-105)と競合する抗体の有効投与量を患者に投与するステップを含む、ALアミロイドーシスを有する患者において6分間歩行距離(6MWD)を改善する方法が提供される。一部の実施形態では、患者はMayoステージIV ALアミロイドーシスを有する。一部の実施形態では、患者はEF>50%を有する。一部の実施形態では、MayoステージIV患者はEF>50%を有する。
【0022】
同様に本明細書では、ヒトアミロイドAペプチドまたはヒトカッパもしくはラムダ軽鎖免疫グロブリンへの結合について抗体2A4(ATCC受託番号PTA-9662)または7D8(ATCC受託番号PTA-9468)と競合する、あるいはカッパ軽鎖免疫グロブリンへの結合について11-1F4(ATCC受託番号PTA-105)と競合する抗体の有効投与量を患者に投与するステップを含む、ALアミロイドーシスを有する患者の死亡のリスクを対照状態と比べて(相対リスク)少なくとも45%低減する方法であって、患者がMayoステージIV ALアミロイドーシスを有する、ならびに/または150メートルより長いもしくは150メートルに等しい実証された6分間歩行距離(6MWD)および50%より多い駆出率(EF)を有する、またはMayoステージIV ALアミロイドーシスおよびEF>50%を有する、方法が提供される。一部の実施形態では、方法は患者において総死亡のリスクを低減する。一部の実施形態では、総死亡のリスクは、対照状態と比べて少なくとも約48.9%低減される。一部の実施形態では、総死亡のリスクは対照状態と比べて少なくとも約50%低減される。一部の実施形態では、総死亡のリスクは、対照状態と比べて少なくとも約50.2%低減される。一部の実施形態では、総死亡のリスクは、対照状態と比べて少なくとも約60%低減される。一部の実施形態では、総死亡のリスクは、対照状態と比べて少なくとも約70%低減される。一部の実施形態では、総死亡のリスクは、対照状態と比べて少なくとも約75%低減される。一部の実施形態では、総死亡のリスクは、対照状態と比べて少なくとも約79.9%低減される。一部の実施形態では、総死亡のリスクは、対照状態と比べて少なくとも81.5%低減される。一部の実施形態では、方法は、患者において心臓死のリスクを低減する。一部の実施形態では、心臓死のリスクは、対照状態と比べて少なくとも約62.2%低減される。一部の実施形態では、心臓死のリスクは、対照状態と比べて少なくとも約75%低減される。
【0023】
本明細書において提供される一部の実施形態では、抗体を用いた処置後に患者は、36項目簡易型身体的要素スコア(Item Short Form Survey Physical Component Score)(SF-36PCS)またはSF-36v2において改善を示す。一部の実施形態では、処置の9カ月後に、SF-36PCSまたはSF-36v2での患者のスコアにおける変化は、同じ時点で抗体を投与されていない異なる患者と比べて少なくとも5ポイント高い。
【0024】
本明細書において提供される一部の実施形態では、抗体の有効投与量は、約1mg/mLから約100mg/mLの範囲内の濃度で抗体を含む医薬処方物から投与される。本明細書において提供される一部の実施形態では、抗体の有効投与量は、ヒスチジン緩衝液を約20mMから約30mMの範囲内の濃度で、トレハロースを約210mMから約250mMの範囲内の濃度で、およびポリソルベート20を約0.005重量%から約0.05重量%の範囲内の濃度で含む医薬処方物から投与され、処方物は、約6から約7の範囲内のpHを有する。一部の実施形態では、投与量は約0.5mg/kgから約30mg/kgであり、抗体は1週間に約1回から1年に約4回の頻度で静脈内または皮下投与される。一部の実施形態では、抗体は約50mg/mLの濃度で存在する。本明細書において提供される一部の実施形態では、医薬処方物は、ヒスチジン緩衝液を約25mMの濃度で、トレハロースを約230mMの濃度で、ポリソルベート20を約0.2g/Lの濃度で、含み、pHは約6.5である。
【0025】
本明細書において提供される一部の実施形態では、投与量は、処方物を含むバイアルから希釈されずに皮下に投与される。一部の実施形態では、投与量は、バイアルから投与量のために必要な量の処方物を液体を含む静注バッグに移した後に静脈内投与される。
【0026】
本明細書において提供される一部の実施形態では、投与量は約24mg/kgであり、抗体は、28日ごとに静脈内投与される。本明細書において提供される一部の実施形態では、投与量は、28日(±5日)ごとに1回、24mg/kg(2500mgを超えない)で静脈内投与(IV)される。一部の実施形態では、処置の継続期間は、少なくとも9カ月間である。一部の実施形態では、処置の継続期間は、少なくとも12カ月間である。一部の実施形態では、継続期間は、SF-36PCSにおいてベースラインから少なくとも約3ポイント増加を達成または維持するために有効である。
【0027】
本明細書において提供される一部の実施形態では、抗体は、Fab、Fab’、F(ab’)2、F(ab)c、Dab、ナノボディまたはFvである。
【0028】
同様に本明細書では、ヒトアミロイドAペプチドまたはヒトカッパもしくはラムダ軽鎖免疫グロブリンへの結合について抗体2A4(ATCC受託番号PTA-9662)または7D8(ATCC受託番号PTA-9468)と競合する、あるいはカッパ軽鎖免疫グロブリンへの結合について11-1F4(ATCC受託番号PTA-105)と競合する抗体であって、MayoステージIV ALアミロイドーシスを有する患者、ベースラインで150メートルより長いまたは150メートルに等しい実証された6分間歩行距離(6MWD)および50%より多い駆出率(EF)を有する患者、ベースラインで50%より多いEFを有するMayoステージIV患者またはベースラインで150メートルより長いまたは150メートルに等しい6MWDおよび50%より多いEFを有するMayoステージIV患者を処置する方法における使用のための抗体が提供される。一部の実施形態では、抗体は2A4のヒト化バージョンである。一部のそのような抗体は、配列番号3、4および5または配列番号16、17および18として記載される3個の相補性決定領域を含む軽鎖可変領域、ならびに配列番号6、7および8または配列番号19、20および21として記載される3個の相補性決定領域を含む重鎖可変領域を含む。一部の抗体では、軽鎖可変領域は配列番号1または14として記載されるアミノ酸配列を含む。一部の抗体では、重鎖可変領域は配列番号2または15として記載されるアミノ酸配列を含む。一部の抗体では、軽鎖可変領域は配列番号1または14として記載されるアミノ酸配列を含み、重鎖可変領域は配列番号2または15として記載されるアミノ酸配列を含む。
【0029】
本明細書で提供される一部の抗体は、抗体を約1mg/mLから約100mg/mLの範囲内の濃度で、ヒスチジン緩衝液を約20mMから約30mMの範囲内の濃度で、トレハロースを約210mMから約250mMの範囲内の濃度で、ポリソルベート20を約0.005重量%から約0.05重量%の範囲内の濃度で含む医薬処方物として製剤化され、医薬処方物は約6から約7の範囲内のpHによって特徴付けられる。
【0030】
抗体の一部の使用は、約0.5mg/kgから約30mg/kgの投与量を含み、ここで抗体は、1週間に約1回から1年に約4回の頻度で静脈内または皮下投与される。一部の使用について抗体は約50mg/mLの濃度で存在し、ヒスチジン緩衝液は約25mMの濃度で存在し、トレハロースは約230mMの濃度で存在し、ポリソルベート20は約0.2g/Lの濃度で存在し、pHは約6.5である。
【0031】
同様に本明細書では、(a)患者がMayoステージI、ステージII、ステージIIIもしくはステージIV ALアミロイドーシスを有するかどうか、(b)患者の6分間歩行距離(6MWD)および/または(c)患者の駆出率(EF)を決定するステップ、ならびに(i)ステージIV ALアミロイドーシスを有する患者、(ii)6MWD≧150メートルおよびEF>50%、(iii)ステージIV ALアミロイドーシスおよび6MWD≧150メートルおよびEF>50%、または(iv)ステージIV ALアミロイドーシスおよびEF>50%を有する患者を処置のために選択するステップを含む、ヒトアミロイドAペプチドまたはヒトカッパもしくはラムダ軽鎖免疫グロブリンへの結合について抗体2A4(ATCC受託番号PTA-9662)または7D8(ATCC受託番号PTA-9468)と競合する、あるいはカッパ軽鎖免疫グロブリンへの結合について11-1F4(ATCC受託番号PTA-105)と競合する抗体を用いた処置から健康上の利益を受ける可能性が高い患者を同定する方法を提供する。一部の実施形態では、選択された患者はMayoステージIV ALアミロイドーシスを有する。一部の実施形態では、選択された患者は6MWD≧150メートルおよび駆出率>50%を有する。一部の実施形態では、選択された患者はMayoステージIV ALアミロイドーシスおよび6MWD≧150メートルおよび駆出率>50%を有する。一部の方法は、11-1F4のキメラもしくはヒト化バージョンの約0.5mg/m2から約500mg/m2の範囲の用量;または2A4のヒト化バージョンの約0.5mg/kgから約30mg/kgの範囲の用量を患者に静脈内投与するステップをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1A-1B】
図1A~1Bは、それぞれMayoステージI~III患者(
図1A)およびMayoステージIV患者(
図1B)において、NEOD001対プラセボを用いて処置されたALアミロイドーシス患者における12カ月間を通じた主要エンドポイント(総死亡または≧91日間の心臓による入院)を示す。
【0033】
【
図2A-2B】
図2A~2Bは、それぞれMayoステージI~III患者(
図2A)およびMayoステージIV患者(
図2B)において、NEOD001対プラセボを用いて処置されたALアミロイドーシス患者における総死亡を示す。
【0034】
【
図3A-3B】
図3A~3Bは、それぞれMayoステージI~III患者(
図3A)およびMayoステージIV患者(
図3B)において、NEOD001対プラセボを用いて処置されたALアミロイドーシス患者における12カ月間を通じた心臓死を示す。
【0035】
【
図4A-4B】
図4A~4Bは、それぞれ、すべてのMayoステージ(
図4A)およびMayoステージIV患者(
図4B)についての、NEOD001対プラセボを用いて処置されたベースライン6MWD≧150メートルおよびEF>50%を有するALアミロイドーシス患者における総死亡を示す。
【0036】
【
図5】
図5は、ACMまたはCHまで時間の主要複合エンドポイントのカプランマイヤー推定を示す。
【0037】
【
図6】
図6は、ステージIVにおけるACMのカプランマイヤー推定を示す(mITT)。
【0038】
【
図7】
図7は、MayoステージIV対象についてのSF-36PCSスコアにおけるベースラインからの変化を示している(mITT)。*P<0.05および**P<0.005はスチューデントのt検定を使用し、処置群間のベースラインからの変化を比較している。エラーバー=平均値の標準誤差(SEM)。mITT、修正治療企図(modified intent-to-treat);SE、標準誤差;SF-36PCS、簡易型36身体的サマリー(Physical Component Summary);SOC、標準治療。
【発明を実施するための形態】
【0039】
説明
本開示は、ある特定のALアミロイドーシス患者、すなわち、MayoステージIV ALアミロイドーシスを有する患者、150メートルより長いまたは150メートルに等しいベースライン6分間歩行距離(6MWD;6分間歩行検査(6MWT)距離と称される場合がある)および50%より多い駆出率(EF)を有する患者、50%より多いベースラインEFを有するMayoステージIV患者、ならびに150メートルより長いまたは150メートルに等しいベースライン6MWDおよび50%より多い駆出率(EF)を有するMayoステージIV患者を処置する方法が提供される。方法は、そのような患者に、ヒトアミロイドAペプチドまたはヒトカッパもしくはラムダ軽鎖免疫グロブリンへの結合について抗体2A4(ATCC受託番号PTA-9662)または抗体7D8(ATCC受託番号PTA-9468)と競合する、あるいはカッパ免疫グロブリン軽鎖への結合について抗体11-1F4(ATCC受託番号PTA-150)と競合する抗体を投与することを含む。一部の実施形態では、抗体はビルタミマブである。
【0040】
I.定義
用語「抗体」は、インタクトな抗体およびその抗原結合性断片を含む。典型的には断片は、それらが由来するインタクトな抗体と標的への特異的結合について競合し、分離された重鎖、軽鎖Fab、Fab’、F(ab’)2、F(ab)c、Dab、ナノボディおよびFvを含む。断片は、組換えDNA技術によってまたはインタクトな免疫グロブリンの酵素的もしくは化学的分離によって産生されてよい。用語「抗体」は、二重特異性または多重特異性の抗体および/またはヒト化抗体も含む。二重特異性または二機能性または多重機能性の抗体は、2個またはより多くの異なる重鎖/軽鎖対および2個またはより多くの異なる結合部位を有する人工ハイブリッド抗体である(例えば、SongsivilaiおよびLachmann、Clin. Exp. Immunol.、79巻:315~321頁(1990年);Kostelnyら、J. Immunol.、148巻:1547~53頁(1992年)を参照されたい)。
【0041】
用語「打ち切り」は、測定または観測の値が部分的にだけ既知である状況を指す。例えば、研究が死亡率への薬物の影響を測定するために実施される場合、研究を中止した患者は彼らの未知の決着(すなわち、生存または死亡)に関わらず、研究の継続期間を通じて生存しているとみなされ、死亡を示すデータが欠如している研究期間について生存が推定される。
【0042】
用語「駆出率」または「EF」は、各収縮あたり左心室がどれだけの血液を送り出しているかの測定を指す。50パーセントの駆出率は、左心室中の血液の総量の50パーセントが各心拍で押し出されることを意味する。駆出率は、心不全の測定として使用される。正常な心臓のEFは、典型的には50~70パーセントの間である。41~49パーセントは、境界とみなされ、40パーセントを下回るEFは、心不全または心筋症のエビデンスである可能性がある。
【0043】
用語「ハザード比」または「HR」は、比較アームにおける可能性に対する比としての実験アームにおける事象(死亡または進行)の瞬間的な可能性(instantaneous probability)(すなわち、ハザード率)を反映する。HRが1.0である場合、いずれのアームについても明白な有利点はない。HR値が低いほど、1-HRとして算出される、研究の実験処置アームについての死亡または進行のリスクの低減は大きい。例えば、0.84のHRは、研究の対照アームと比較して事象リスクにおける16%の相対的低減と等しい。
【0044】
用語「ヒト化免疫グロブリン」または「ヒト化抗体」は、少なくとも1つのヒト化免疫グロブリンもしくは抗体鎖(すなわち、少なくとも1つのヒト化軽鎖もしくは重鎖)を含む免疫グロブリンまたは抗体を指す。用語「ヒト化免疫グロブリン鎖」または「ヒト化抗体鎖」(すなわち「ヒト化免疫グロブリン軽鎖」または「ヒト化免疫グロブリン重鎖」)は、ヒト免疫グロブリンまたは抗体に実質的に由来する可変フレームワーク領域および非ヒト免疫グロブリンまたは抗体に実質的に由来する相補性決定領域(CDR)(例えば、少なくとも1つのCDR、好ましくは2個のCDR、より好ましくは3個のCDR)を含む可変領域を有し、さらに定常領域(例えば、軽鎖の場合は少なくとも1つの定常領域もしくはその一部、重鎖の場合は好ましくは3個の定常領域)を含む免疫グロブリンまたは抗体鎖(すなわちそれぞれ軽鎖または重鎖)を指す。用語「ヒト化可変領域」(例えば、「ヒト化軽鎖可変領域」もしくは「ヒト化重鎖可変領域」)は、ヒト免疫グロブリンまたは抗体に実質的に由来する可変フレームワーク領域および非ヒト免疫グロブリンまたは抗体に実質的に由来する相補性決定領域(CDR)を含む可変領域を指す。
【0045】
用語「MayoステージIV患者」または「ステージIV」は、心臓バイオマーカーおよびアミロイド原性軽鎖合成のレベルの両方を組み込む、Mayo Clinicによって確立された予後ステージ分類システム(Kumar et al., Revised Prognostic Staging System for Light Chain Amyloidosis Incorporating Cardiac Biomarkers and Serum Free Light Chain Measurements, J Clin Oncol 30:989-995 2012)によるステージIV疾患を有する患者を指す。合わせて、ステージI、ステージIIまたはステージIII疾患を有する患者は、本明細書において「MayoステージI~III患者」または「ステージI~III患者」と称される。一部の実施形態では、患者は、彼らが次の3つの予後変数:トロポニン-T(cTnT)≧0.025ng/mL、N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド(NT-ProBNP)≧1,800pg/mL、ならびに関与および非関与(involved and univolved)軽鎖(FLC-diffまたはdFLC)間の差異≧18mg/dL)、についての基準に合致する場合に、ステージIV ALアミロイドーシスを有するとして同定される。ある特定の実施形態では、患者は:(1)NT-proBNP≧1800pg/mL、(2)トロポニン-T>0.03ng/mLおよび(3)dFLC≧18mg/dLによって定義されるMayoステージIVと確認され得る。
【0046】
用語「p値」または「p」は、得られた結果の有意性に関連する0から1の間の数を指す。小さなp値は、帰無仮説(すなわち、効果がないとする仮説)に反対する強いエビデンスを示し、例えば≦0.1は統計的有意性を示し、p≦0.001は統計的にさらに高く有意である(1000回の機会において1回未満の誤り)。
【0047】
語句「ヒト免疫グロブリンまたは抗体に実質的に由来する」は、比較目的でヒト免疫グロブリンまたは抗体アミノ配列と配列比較した場合、領域が、例えば保存的置換、共通配列置換、生殖系列置換、逆変異などを考慮して、少なくとも80~90%、好ましくは90~95%、より好ましくは95~99%同一性(すなわち、局所配列同一性)をヒトフレームワークまたは定常領域配列と共有していることを意味する。保存的置換、共通配列置換、生殖系列置換、逆変異などの導入は、ヒト化抗体または鎖の「最適化」としばしば称される。語句「非ヒト免疫グロブリンもしくは抗体に実質的に由来する」または「実質的に非ヒト」は、非ヒト生物、例えば非ヒト哺乳動物のものと少なくとも80~95%、好ましくは90~95%、より好ましくは96%、97%、98%または99%同一の免疫グロブリンまたは抗体配列を有することを意味する。
【0048】
したがって、ヒト化免疫グロブリンもしくは抗体の、またはヒト化免疫グロブリンもしくは抗体鎖のすべての領域または残基は、おそらくCDRを除いて、1つまたは複数の天然ヒト免疫グロブリン配列の対応する領域または残基と実質的に同一である。用語「対応する領域」または「対応する残基」は、第1のおよび第2の配列が比較目的で最適に配列比較される場合に、第1のアミノ酸またはヌクレオチド配列上の領域または残基と同じ(すなわち同等の)位置を占める第2のアミノ酸またはヌクレオチド配列上の領域または残基を指す。
【0049】
語句「リスク低減」および「~のリスク」は、平均絶対リスクを指定しない限り相対的リスクを指す。
【0050】
II.処置方法および適している対象
処置に適している患者は、患者のALアミロイドーシスのMayoステージを決定することによって同定され得る。代替的にまたは加えて、処置から健康的利益を受けると考えられる患者は、患者の6MWDを決定することおよび患者の駆出率を決定することによって同定され得る。処置に肯定的に応答すると考えられる患者は、ステージIV ALアミロイドーシスを有する者、ベースラインで≧150メートルの6MWDおよび>50%のEFを有する患者、ベースラインで>50%のEFを有するMayoステージIV ALアミロイドーシスを有する患者、ならびにベースラインで≧150メートルの6MWDおよび>50%のEFを有するMayoステージIV患者である。
【0051】
本明細書では、患者の健康状態を改善するために有効である本明細書に記載されるいずれかの抗体または抗体処方物のレジメンを患者に投与することを含む、MayoステージIV ALアミロイドーシスの症状を示すもしくはそれを有すると診断されたヒト患者、ならびに/または≧150メートルのベースライン6MWDおよび>50%のベースラインEFを有するヒト患者を処置する方法が提供される。一部の患者は、MayoステージIV ALアミロイドーシスを有し、ヒト患者は、≧150メートルのベースライン6MWDおよび>50%のベースラインEFを有する。一部の患者は、MayoステージIV ALアミロイドーシスおよび>50%のベースラインEFを有する。一部の患者は、心臓、腎臓、肝臓、末梢神経系、胃腸管系、自律神経系、肺、および/または軟部組織もしくはリンパ系の機能障害が挙げられるALアミロイドーシスに起因する全身性臓器機能障害を有する。
【0052】
一部の方法は、患者においてトロポニン-T、NT-proBNPのベースラインレベルならびに関与および非関与軽鎖の相対レベルを決定すること、患者がベースラインレベルで、cTnT≧0.025ng/mLまたは>0.03ng/mL、NT-ProBNP≧1,800pg/mL(および<8500pg/mL)ならびにFLC-diff≧18mg/dLを有する場合に処置のために患者を選択すること、ならびに本明細書において開示されるいずれかの抗体の有効投与量を投与することを含む。一部の方法は、ベースラインでの患者の6MWDおよびEFを決定すること、ならびに患者が≧150メートルの6MWDおよび>50%のEFを有する場合に処置のために患者を選択することを含む。一部の場合では、≧150メートルのベースライン6MWDおよび>50%のベースラインEFを有するMayoステージIV患者は、処置のために選択される。一部の方法は、患者のMayoステージおよびEFを決定することを含み、一部の場合では、>50%のベースラインEFを有するMayoステージIV患者は処置のために選択される。
【0053】
一部の実施形態では、患者は処置ナイーブであり、以前に患者がALアミロイドーシスのためのいかなる処置も受けていないことを意味する。処置に適している患者として、ALアミロイドーシスまたは、炎症性疾患、慢性微生物感染、悪性新生物、遺伝性炎症性疾患およびリンパ増殖性障害などの関連する状態の処置のための代替治療を受けた、現在受けているまたは今後受ける患者も含む。例えば患者は、併用療法に関して本明細書において明らかにする1つまたは複数の治療剤も受ける場合があるまたは受けた。例として、ALアミロイドーシスを罹患している患者は、ボルテゾミブ、メルファラン、レナリドミド、プレドニゾン、デキサメタゾン、シクロホスファミド、ポマリドミド、カルフィルゾミブ、ドキソルビシン、ドキシサイクリン、ダラツムマブ、自己移植またはこれらの組合せも受ける場合があるまたは受けたまたは今後受ける場合がある。アミロイド疾患の処置のための代替治療を以前受けたこれらの患者では、そのような治療は、関連する臨床測定により良好であった場合と良好でなかった場合があり、おそらく健康状態を改善しなかった。そのような治療の追加的な例として、(1)シクロホスファミド、ボルテゾミブおよびデキサメタゾンを含む併用療法であるCyBorD、(2)ボルテゾミブ、メルファランおよびデキサメタゾンの組合せであるBMDex、(3)メルファランおよびデキサメタゾンの組合せであるMDex、(4)レナリドミドおよびデキサメタゾンの組合せであるLDex、(5)シクロホスファミド、レナリドミドおよびデキサメタゾンの組合せであるCLD、(6)ポマリドミドおよびデキサメタゾンの組合せであるPomDex、ならびに(7)レナリドミド、シクロホスファミドおよびデキサメタゾンの組合せであるCRd、が挙げられる。そのような患者は、そのような処置の結果として心臓および/または腎臓の改善を経験する場合もしない場合もある。
【0054】
健康状態における改善は、患者が6分間歩行距離(メートル)転帰測定(6MWD)における改善を示す場合に確立され得る。
【0055】
36項目簡易型身体的要素スコア(SF-36PCS)または簡易型36質問票(SF-36v2)における改善は、患者の健康状態における改善も示し得る。例えば、少なくとも9カ月間抗体を用いて処置され、同じ時点で抗体を受けていない異なる患者よりもSF-36PCSまたはSF-36v2質問票で少なくとも5ポイント高いスコアであった患者は、健康状態における改善を達成した。一部の実施形態では、本明細書において開示される抗体を用いた処置は、SF-36またはSF36v2により測定して患者のPCSの少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも31、少なくとも32、少なくとも33、少なくとも34、少なくとも35、少なくとも36、少なくとも37、少なくとも38、少なくとも39、少なくとも40、少なくとも41、少なくとも42、少なくとも43、少なくとも44、少なくとも45、少なくとも46、少なくとも47、少なくとも48、少なくとも49、少なくとも50、少なくとも51、少なくとも52、少なくとも53、少なくとも54、少なくとも55、少なくとも56、少なくとも57、少なくとも58、少なくとも59、少なくとも60、少なくとも61、少なくとも62、少なくとも63、少なくとも64、少なくとも65、少なくとも66、少なくとも67、少なくとも68、少なくとも69、少なくとも70、少なくとも71、少なくとも72、少なくとも73、少なくとも74、少なくとも75、少なくとも76、少なくとも77、少なくとも78、少なくとも79、少なくとも80、少なくとも81、少なくとも82、少なくとも83、少なくとも84、少なくとも85、少なくとも86、少なくとも87、少なくとも88、少なくとも89、少なくとも90、少なくとも91、少なくとも92、少なくとも93、少なくとも94、少なくとも95、少なくとも96、少なくとも97、少なくとも98または少なくとも99の増加をもたらす。一部の実施形態では、本明細書において開示される抗体を用いた処置は、SF-36またはSF36v2により測定して患者のPCSの約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30、約31、約32、約33、約34、約35、約36、約37、約38、約39、約40、約41、約42、約43、約44、約45、約46、約47、約48、約49、約50、約51、約52、約53、約54、約55、約56、約57、約58、約59、約60、約61、約62、約63、約64、約65、約66、約67、約68、約69、約70、約71、約72、約73、約74、約75、約76、約77、約78、約79、約80、約81、約82、約83、約84、約85、約86、約87、約88、約89、約90、約91、約92、約93、約94、約95、約96、約97、約98、約99または約100の増加をもたらす。
【0056】
本明細書において開示される抗体を受けていない患者と比較した、抗体を用いて処置された患者の入院期間の低減または90日間より長い入院頻度の低減も患者の健康状態における改善を示し得る。健康状態における改善は、同時期の未処置患者と比較した抗体処置患者のより長い生存によっても示され得る。一部の実施形態では、本明細書において開示される抗体を用いた処置は、処置患者と未処置患者との間のハザード比を算出することによって決定され得るとおり、対照処置患者と比べて処置患者についての総死亡のリスクを少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも16%、少なくとも17%、少なくとも18%、少なくとも19%、少なくとも20%、少なくとも21%、少なくとも22%、少なくとも23%、少なくとも24%、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも27%、少なくとも28%、少なくとも29%、少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、少なくとも50%、少なくとも51%、少なくとも52%、少なくとも53%、少なくとも54%、少なくとも55%、少なくとも56%、少なくとも57%、少なくとも58%、少なくとも59%、少なくとも60%、少なくとも61%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも69%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%低減できる。
【0057】
一部の実施形態では、本明細書において開示される抗体を用いた処置は、処置患者と未処置患者との間のハザード比を算出することによって決定され得るとおり、対照処置患者と比べて処置患者についての総死亡のリスクを約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または約100%低減できる。一部の実施形態では、本明細書において開示される抗体を用いた処置は、処置患者と未処置患者との間のハザード比を算出することによって決定され得るとおり、対照処置患者と比べて処置患者についての総死亡のリスクを約45%、48.9%、50%、50.2%、60%、62.2%、65%、70%、75%、79.9%、80%または81.5%低減できる。
【0058】
例えば、一部のMayoステージIV患者についての総死亡のリスクは、約50.2%、および一部のMayoステージIV患者についてはかかる患者が≧150メートルのベースライン6MWDおよび>50%の駆出率によって定義されるある程度のレベルの機能的余裕(functional reserve)を処置前に有する場合に、約79.9%低減され得る。
【0059】
一部の実施形態では、一部のMayoステージIV患者の総死亡のリスクは、彼らが>50%の駆出率を有する場合に少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも16%、少なくとも17%、少なくとも18%、少なくとも19%、少なくとも20%、少なくとも21%、少なくとも22%、少なくとも23%、少なくとも24%、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも27%、少なくとも28%、少なくとも29%、少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、少なくとも50%、少なくとも51%、少なくとも52%、少なくとも53%、少なくとも54%、少なくとも55%、少なくとも56%、少なくとも57%、少なくとも58%、少なくとも59%、少なくとも60%、少なくとも61%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも69%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%低減され得る。一部の実施形態では、一部のMayoステージIV患者の総死亡のリスクは、彼らが>50%の駆出率を有する場合に約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または約100%低減され得る。一部の実施形態では、一部のMayoステージIV患者の総死亡のリスクは、彼らが>50%の駆出率を有する場合に約81.5%低減され得る。
【0060】
一部の実施形態では、≧150メートルのベースライン6MWDおよび>50%の駆出率を有する一部の患者における総死亡のリスクは、Mayoステージにかかわらず、彼らが>50%の駆出率を有する場合に少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも16%、少なくとも17%、少なくとも18%、少なくとも19%、少なくとも20%、少なくとも21%、少なくとも22%、少なくとも23%、少なくとも24%、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも27%、少なくとも28%、少なくとも29%、少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、少なくとも50%、少なくとも51%、少なくとも52%、少なくとも53%、少なくとも54%、少なくとも55%、少なくとも56%、少なくとも57%、少なくとも58%、少なくとも59%、少なくとも60%、少なくとも61%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも69%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%低減され得る。一部の実施形態では、≧150メートルのベースライン6MWDおよび>50%の駆出率を有する一部の患者における総死亡のリスクは、Mayoステージにかかわらず、彼らが>50%の駆出率を有する場合に約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または約100%低減され得る。一部の実施形態では、≧150メートルのベースライン6MWDおよび>50%の駆出率を有する一部の患者における総死亡のリスクは、Mayoステージにかかわらず約48.9%低減され得る。一部のMayoステージIV患者についての心臓死のリスクは、約62.2%低減され得る。
【0061】
一部の実施形態では、本明細書において開示される抗体を用いた処置は、少なくとも1メートル、少なくとも2メートル、少なくとも3メートル、少なくとも4メートル、少なくとも5メートル、少なくとも6メートル、少なくとも7メートル、少なくとも8メートル、少なくとも9メートル、少なくとも10メートル、少なくとも11メートル、少なくとも12メートル、少なくとも13メートル、少なくとも14メートル、少なくとも15メートル、少なくとも16メートル、少なくとも17メートル、少なくとも18メートル、少なくとも19メートル、少なくとも20メートル、少なくとも21メートル、少なくとも22メートル、少なくとも23メートル、少なくとも24メートル、少なくとも25メートル、少なくとも26メートル、少なくとも27メートル、少なくとも28メートル、少なくとも29メートル、少なくとも30メートル、少なくとも31メートル、少なくとも32メートル、少なくとも33メートル、少なくとも34メートル、少なくとも35メートル、少なくとも36メートル、少なくとも37メートル、少なくとも38メートル、少なくとも39メートル、少なくとも40メートル、少なくとも41メートル、少なくとも42メートル、少なくとも43メートル、少なくとも44メートル、少なくとも45メートル、少なくとも46メートル、少なくとも47メートル、少なくとも48メートル、少なくとも49メートル、少なくとも50メートル、少なくとも51メートル、少なくとも52メートル、少なくとも53メートル、少なくとも54メートル、少なくとも55メートル、少なくとも56メートル、少なくとも57メートル、少なくとも58メートル、少なくとも59メートル、少なくとも60メートル、少なくとも61メートル、少なくとも62メートル、少なくとも63メートル、少なくとも64メートル、少なくとも65メートル、少なくとも66メートル、少なくとも67メートル、少なくとも68メートル、少なくとも69メートル、少なくとも70メートル、少なくとも71メートル、少なくとも72メートル、少なくとも73メートル、少なくとも74メートル、少なくとも75メートル、少なくとも76メートル、少なくとも77メートル、少なくとも78メートル、少なくとも79メートル、少なくとも80メートル、少なくとも81メートル、少なくとも82メートル、少なくとも83メートル、少なくとも84メートル、少なくとも85メートル、少なくとも86メートル、少なくとも87メートル、少なくとも88メートル、少なくとも89メートル、少なくとも90メートル、少なくとも91メートル、少なくとも92メートル、少なくとも93メートル、少なくとも94メートル、少なくとも95メートル、少なくとも96メートル、少なくとも97メートル、少なくとも98メートル、少なくとも99メートルまたは少なくとも100メートルの患者の6MWDの増加をもたらす。一部の実施形態では、本明細書において開示される抗体を用いた処置は、約1メートル、約2メートル、約3メートル、約4メートル、約5メートル、約6メートル、約7メートル、約8メートル、約9メートル、約10メートル、約11メートル、約12メートル、約13メートル、約14メートル、約15メートル、約16メートル、約17メートル、約18メートル、約19メートル、約20メートル、約21メートル、約22メートル、約23メートル、約24メートル、約25メートル、約26メートル、約27メートル、約28メートル、約29メートル、約30メートル、約31メートル、約32メートル、約33メートル、約34メートル、約35メートル、約36メートル、約37メートル、約38メートル、約39メートル、約40メートル、約41メートル、約42メートル、約43メートル、約44メートル、約45メートル、約46メートル、約47メートル、約48メートル、約49メートル、約50メートル、約51メートル、約52メートル、約53メートル、約54メートル、約55メートル、約56メートル、約57メートル、約58メートル、約59メートル、約60メートル、約61メートル、約62メートル、約63メートル、約64メートル、約65メートル、約66メートル、約67メートル、約68メートル、約69メートル、約70メートル、約71メートル、約72メートル、約73メートル、約74メートル、約75メートル、約76メートル、約77メートル、約78メートル、約79メートル、約80メートル、約81メートル、約82メートル、約83メートル、約84メートル、約85メートル、約86メートル、約87メートル、約88メートル、約89メートル、約90メートル、約91メートル、約92メートル、約93メートル、約94メートル、約95メートル、約96メートル、約97メートル、約98メートル、約99メートルまたは約100メートルの患者の6MWDの増加をもたらす。
【0062】
一部の実施形態では、本明細書において開示される抗体を用いた処置は、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも16%、少なくとも17%、少なくとも18%、少なくとも19%、少なくとも20%、少なくとも21%、少なくとも22%、少なくとも23%、少なくとも24%、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも27%、少なくとも28%、少なくとも29%、少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、少なくとも50%、少なくとも51%、少なくとも52%、少なくとも53%、少なくとも54%、少なくとも55%、少なくとも56%、少なくとも57%、少なくとも58%、少なくとも59%、少なくとも60%、少なくとも61%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも69%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または少なくとも100%の6MWDの増加をもたらす。一部の実施形態では、本明細書において開示される抗体を用いた処置は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または約100%の6MWDの増加をもたらす。
【0063】
一部の実施形態では、本明細書において開示される抗体を用いた処置は、少なくとも1カ月、少なくとも2カ月、少なくとも3カ月、少なくとも4カ月、少なくとも5カ月、少なくとも6カ月、少なくとも7カ月、少なくとも8カ月、少なくとも9カ月、少なくとも10カ月、少なくとも11カ月、少なくとも12カ月、少なくとも13カ月、少なくとも14カ月、少なくとも15カ月、少なくとも16カ月、少なくとも17カ月、少なくとも18カ月、少なくとも19カ月、少なくとも20カ月、少なくとも21カ月、少なくとも22カ月、少なくとも23カ月または少なくとも24カ月の患者の生存の延長を生じる。一部の実施形態では、本明細書において開示される抗体を用いた処置は、約1カ月、約2カ月、約3カ月、約4カ月、約5カ月、約6カ月、約7カ月、約8カ月、約9カ月、約10カ月、約11カ月、約12カ月、約13カ月、約14カ月、約15カ月、約16カ月、約17カ月、約18カ月、約19カ月、約20カ月、約21カ月、約22カ月、約23カ月、約24カ月の患者の生存の延長を生じる。
【0064】
一部の実施形態では、処置は、次の1つまたは複数を有する患者について停止される:
- NT-proBNP>8,500pg/mLまたはNT-proBNPが<1800pg/mLまたは>8,500pg/mLである
- トロポニン-T≦0.03ng/mLまたは<0.025ng/mL
- dFLC<18mg/dL
- 好中球絶対数(ANC)<1.0×109/L
- 血小板数<75×109/L
- ヘモグロビン<9g/dL
- 総ビリルビン>正常の上限値の2倍(×ULN)
- アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)/血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(SGOT)>3×ULN
- アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)/血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(SGPT)>3×ULN
- アルカリホスファターゼ(ALP)>5×ULN
- 慢性腎臓病疫学共同研究(CKD-EPI)式によって推定される推算糸球体濾過量(eGFR)<30mL/分/1.73m2
- 座位収縮期血圧<90または>180mmHg
- 6MWTの間に歩行した距離が<30メートルまたは>550メートルである
- ASCTまたは臓器移植を受けた
- 心筋梗塞、非管理狭心症、重度の非管理心室性不整脈または急性虚血の心電図(ECG)上のエビデンス
- 重度の狭窄性弁膜症(valvular stenosis)(例えば、弁口面積<1.0cm2の大動脈弁狭窄もしくは僧帽弁狭窄)または重度の先天性心疾患
- 次のいずれも例外とする急性虚血のECGエビデンスまたは活動性伝導システム異常:第1度AV-ブロック、第2度AV-ブロック1型(モビッツ1型/ウェンケバッハ型)、右または左脚ブロックおよび管理された心拍数(ventricular rate)を有する心房細動(非管理[>110bpm]心拍数は許容されない[リードIIでの3拍動の平均またはリードIIがEKG全体を表さない場合3回の代表的拍動によって決定される])
- 国立がん研究所-有害事象共通用語規準(NCI-CTCAE)疼痛を伴うグレード2、グレード3またはグレード4として評価される末梢神経障害
- 次のいずれも例外とする活動性悪性腫瘍:適切に処置された基底細胞癌、扁平上皮癌または生体内原位置の子宮頸がん、対象が現在寛解にあるおよび寛解している(例えば、2年間)適切に処置されたステージIがん、グリーソンスコア<7および前立腺特異的抗原<10mg/mLを有する低リスク前立腺がん、ならびに対象が無病である(例えば、≧2年間について)任意の他のがん、
- てんかんまたは、小児期の熱性けいれんを除く発作性障害。
【0065】
本明細書において開示される方法および使用のための好適な抗体、処方物および処置レジメンは、下にさらに詳細に考察される。
【0066】
III.抗体
本開示の方法は、免疫グロブリン軽鎖に特異的に結合する抗体を患者に投与することを含む。例として、免疫グロブリン軽鎖への結合について11-1F4と競合する抗体、およびヒトアミロイドAペプチドへの結合について2A4もしくは7D8と競合する、または11-1F4(米国特許第8,105,594号)、2A4もしくは7D8(米国特許第7,928,203号)と同じエピトープに特異的に結合する抗体が挙げられる。一部の実施形態では、抗体は、2A4のヒト化バージョンである。一部の実施形態では、抗体は、例えばCh mAb 11-1F4、CAEL-101などの11-1F4のキメラまたはヒト化バージョンである。一部の実施形態では、抗体は、US20190038745A1、US20200002410A1およびUS10,046,050において開示されているものである。一部の実施形態では、抗体は、配列番号3、4および5として記載される3個の相補性決定領域を含む軽鎖可変領域、ならびに配列番号6、7および8として記載される3個の相補性決定領域を含む重鎖可変領域を含む。一部の実施形態では、軽鎖可変領域は配列番号1として記載されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、重鎖可変領域は配列番号2として記載されるアミノ酸配列を含む。
【0067】
他の方法では、抗体は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,928,203号およびPCT国際公開第WO2009/086539号に記載されている、マウス、キメラもしくはヒト化2A4抗体のまたはマウス、キメラもしくはヒト化7D8抗体の軽鎖および重鎖可変領域を含み、参照される特許および特許公開において記載される軽鎖および重鎖可変領域配列は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。本明細書において開示される方法のための一部の処方物は、米国特許第9,089,529号およびPCT国際公開第WO2013/063284号に記載されている。
【0068】
一部の実施形態では、抗体は、配列番号10として記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖および配列番号11~13のいずれか1つとして記載されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。例えば、抗体は、配列番号10として記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖および配列番号12として記載されるアミノ酸配列を含む重鎖を含み得る。抗体は、上に記載される軽鎖および重鎖アミノ酸配列のリーダー配列を含んでも含まなくてもよい。一部の実施形態では、抗体はビルタミマブ(CAS登録番号1608108-91-3)である。
【0069】
他の方法では抗体は、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、F(ab)c、Dab、ナノボディまたはFvなどの、そのキメラおよびヒト化バージョンを含む2A4または7D8抗体の断片である。下にさらに詳細に考察されるとおり、抗体は、医薬処方物として投与され得る。
【0070】
IV.医薬処方物および産生物
本明細書において開示される一部の実施形態では、抗体は、例えば抗体に加えてヒスチジン緩衝液、トレハロースおよびポリソルベート20を含む医薬処方物として患者に投与される場合がある。上に記載される方法において使用される一部のそのような処方物では、抗体は約1mg/mLから約100mg/mLの範囲内の濃度で存在し、ヒスチジン緩衝液は約20mMから約30mMの範囲内の濃度で存在し、トレハロースは約210mMから約250mMの範囲内の濃度で存在し、ポリソルベート20は約0.005重量%から約0.05重量%の範囲の濃度で存在し、pHは約6から約7の範囲内である。本明細書において開示される方法のための一部の好適な処方物は、下にさらに詳細に記載される。
【0071】
一部の処方物では抗体は、約5mg/mLから約100mg/mLの範囲内の濃度で存在する。一部の処方物では抗体は、約5mg/mLから約15mg/mLの範囲内の濃度で存在する。一部の処方物では抗体は、約25mg/mLから約75mg/mLの範囲内の濃度で存在する。例えば抗体は、約10mg/mLの濃度で存在してよい、または約50mg/mLの濃度で存在してよい。抗体は、約50mg/バイアルから約500mg/バイアル、またはそれより多い滅菌液体投与形態で存在してよい。例えば抗体は、約100mg/バイアルの滅菌液体投与形態で存在してよい。別の非限定的例では抗体は、約500mg/バイアルの滅菌液体投与形態を用いて復元され得る滅菌凍結乾燥投与形態として存在してよい。別の非限定的例では抗体は、約50mg/mLまたは約500mg/バイアルの投与形態に約10mLの滅菌液体を用いて復元され得る滅菌凍結乾燥投与形態として存在してよい。
【0072】
本開示の処方物において使用される抗体は、細胞傷害剤、放射線治療剤、免疫調節剤、二次抗体(例えば、抗体ヘテロコンジュゲートを形成するように)または、キメラもしくはヒト化2A4またはキメラもしくはヒト化7D8抗体の活性を促進するまたは増強する任意の他の生物学活性剤などの治療成分にカップリングされてよい。代表的な治療成分として、アミロイド疾患またはアミロイド疾患の症状の処置、管理または軽快のために有用であることが公知の薬剤が挙げられる。
【0073】
治療成分および/または検出可能物質は、マウス、キメラもしくはヒト化2A4抗体またはマウス、キメラもしくはヒト化7D8抗体に直接または、当技術分野において公知の技術を使用して媒介物(例えばリンカー)を通じて間接的にカップリングまたはコンジュゲートされてよい。例えば、Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy、Reisfeldら(編)のArnonら、「Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy」、243~56頁(Alan R. Liss, Inc. 1985年); Controlled Drug Delivery(第2版)、Robinsonら(編)のHellstromら、「Antibodies For Drug Delivery」、623~53頁(Marcel Dekker, Inc. 1987年);Monoclonal Antibodies 84巻: Biological And Clinical Applications、Pincheraら(編)のThorpe、「Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy: A Review」、475~506頁(1985年);Monoclonal Antibodies For Cancer Detection And Therapy、Baldwinら(編)の「Analysis, Results, And Future Prospective Of The Therapeutic Use Of Radiolabeled Antibody In Cancer Therapy」、303~16頁(Academic Press 1985年)およびThorpeら、Immunol. Rev.、1982年、62巻:119~58頁を参照されたい。
【0074】
本開示の処方物において使用される抗体は、対応する未改変抗体と比べてin vivo半減期が延長されているマウス、キメラもしくはヒト化2A4抗体、またはマウス、キメラもしくはヒト化7D8抗体の改変形態も含む。そのような改変形態は、例えばグリコシル化、アセチル化、ペグ化、リン酸化、アミド化、公知の保護基/ブロッキング基による誘導体化、タンパク質分解性切断、細胞性リガンドもしくは他のタンパク質への連結などによって調製されてよい。一例として、抗体半減期延長のための代表的な方法は、PCT国際公開第WO02/060919号に記載されている。
【0075】
ヒスチジン緩衝液は、一部の処方物では約25mMの濃度で存在する場合がある。一部の処方物ではヒスチジン緩衝液は、L-ヒスチジンおよびL-ヒスチジンHCl一水和物を含む。例えば一部の処方物では、L-ヒスチジンは約16mMから約22mMの範囲内の濃度で存在し、L-ヒスチジンHCl一水和物は約4mMから約8mMの範囲内の濃度で存在する。
【0076】
一部の処方物ではトレハロースは、約210mMから約250mM、例えば約230mMの濃度で存在する。一部の処方物では、ショ糖、マンニトールまたはソルビトールなどの異なる非還元糖が使用される。
【0077】
一部の処方物ではポリソルベート20は、およそ約0.005重量%から約0.05重量%の範囲内、例えば0.005重量%、0.01重量%、0.015重量%、0.02重量%、0.025重量%、0.03重量%、0.035重量%、0.04重量%、0.045重量%または0.05重量%の濃度で存在する。代替的に一部の処方物ではポリソルベート20は、およそ約0.05g/L、0.1g/L、0.15g/L、0.2g/L、0.25g/L、0.3g/L、0.35g/L、0.4g/L、0.45g/Lまたは0.5g/Lの範囲内の濃度で存在する。一部の処方物は、ポリソルベート20を0.2g/Lの濃度で含む。
【0078】
一部の処方物は、約6~7の範囲内のpH、例えば6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9または7.0のpHによって特徴付けられる。一部の処方物は、約6.5のpHを有する。一部の処方物は、約300mOsm/kgの浸透圧によって特徴付けられる。バルク剤も一部の処方物に含まれる場合がある。
【0079】
典型的には処方物は、例えば0.2μmまたは0.22μmフィルターを使用する滅菌ろ過によって行われるように、滅菌である。本明細書で開示される処方物は、凍結および融解に一般に安定でもある。
【0080】
必要に応じて、本明細書において開示される処方物は、糖類、ポリオールならびにアミノ酸(例えば、アルギニン、リシンおよびメチオニン)などの他の賦形剤をさらに含む場合がある。
【0081】
本開示は、界面活性剤、無機塩、追加的糖および/または他の賦形剤を実質的に含まない処方物、すなわちそのような化合物が約0.0005%未満、0.0003%未満または0.0001%未満の処方物も提供する。
【0082】
例示的処方物は、配列番号10として記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖および配列番号11、12または13のいずれか1つとして記載されるアミノ酸配列を含む重鎖を含み約50mg/mLの濃度で存在する抗体、約25mMの濃度で存在するヒスチジン緩衝液、約230mMの濃度で存在するトレハロース、約0.2g/Lの濃度で存在するポリソルベート20を含み、pH約6.5である。一部の処方物は、配列番号10として記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖および配列番号12として記載されるアミノ酸配列を含む重鎖を含み約50mg/mLの濃度で存在する抗体、約25mMの濃度で存在するヒスチジン緩衝液、約230mMの濃度で存在するトレハロース、約0.2g/Lの濃度で存在するポリソルベート20を含み、pH約6.5である。一部の処方物は、約50mg/mLの濃度で存在するビルタミマブ、約25mMの濃度で存在するヒスチジン緩衝液、約230mMの濃度で存在するトレハロース、約0.2g/Lの濃度で存在するポリソルベート20を含み、pH約6.5である。
【0083】
本明細書で開示される方法は、凍結乾燥抗体原薬ならびに復元および使用のための説明書を含む医薬品に関連する。例えば、代表的な医薬品は:(a)粉末形態で約100mg抗体を含むバイアル;(b)抗体の復元のための説明書;および(c)注入用に復元された抗体を調製するための説明書を含んでよく、ここで(i)抗体は、配列番号10として記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖および配列番号12~15のいずれか1つとして記載されるアミノ酸配列を含む重鎖を含み、(ii)復元説明書は10mLの抽出可能体積への注射用水を用いる復元を要求する。
【0084】
IV.処置レジメン
本明細書において使用される場合、用語「処置する」および「処置」は、疾患に関連する1つまたは複数の症状または影響の緩和もしくは軽快、疾患の1つまたは複数の症状もしくは影響の発症の予防、抑制もしくは遅延、疾患の1つまたは複数の症状もしくは影響の重症度もしくは頻度を和らげること、および/または本明細書に記載される望ましい転帰を増加させるもしくは望ましい転帰へと方向付けることを指す。
【0085】
本明細書に開示される処置の望ましい転帰は、アミロイド疾患および患者プロファイルに応じて変化し、当業者に容易に判定可能である。望ましい転帰は、患者の健康状態における改善を含む。一般に望ましい転帰として、病的アミロイド原線維の低減もしくはクリアランス、アミロイド凝集および/またはアミロイド原線維の沈着の減少もしくは抑制、ならびに病的および/または凝集性アミロイド原線維への免疫応答の増加などの測定可能な指標が挙げられる。望ましい転帰は、アミロイド疾患の特異的症状の軽快も含む。例えば、ALアミロイドーシスの処置についての望ましい転帰として臓器機能障害、末梢および自律神経ニューロパチー、手根管症候群、巨舌症、拘束性心筋症、大関節の関節症、免疫悪液質、ミエローマおよび潜在性悪液質を含む公知の症状の発生率または重症度の減少が挙げられる。
【0086】
例えば、6分間歩行検査(6MWT)は、心臓機能応答を評価するために使用される代替エンドポイントであり得る(Pulido et al., The six-minute walk test in patients with AL amyloidosis: a single centre case series, British Journal of Haematology, 2017, 177, 388-394)。それは、長さ30メートルの廊下に沿って患者が6分間で歩くことができる距離を測定する。例えば、心臓合併症を有するALアミロイドーシス患者の平均6分間歩行距離(6MWD)は、心臓合併症を有さないALアミロイドーシス患者による歩行距離より有意に短いことが示されている。さらに、歩行距離の増加は、死亡率の減少に相関する。健康関連の生活の質における肯定的な変化も、例えばSF-36健康調査(White et al., Psychometric validation of the SF-36 Health Survey in light chain amyloidosis: results from community-based and clinic-based samples, Patient Related Outcome Measures 2017:8 157-167)によって測定されたものを含め、開示される治療の望ましい転帰である。SF-36は、機能および幸福状態の8個の観点を表すスコアを含む:身体機能、身体的問題による役割制限、体の痛み、全般的な健康認識、活力、社会的機能、情緒的問題およびメンタルヘルスによる役割制限ならびにサマリースコア、例えば身体的サマリー(PCS)および精神的サマリー(MCS)。高いSF-36スコアは、より良い健康を表す。本開示の治療の望ましい転帰は、一般に、対照またはベースライン測定値と比較して定量化できる測定値である。本明細書において使用される場合、「改善」、「増加」または「低減」などの相対的用語は、本明細書に記載される処置の開始前の同じ個体における測定値、または対照個体もしくは群における測定値などの対照と比較した値を示している。対照個体は、処置される個体と同じアミロイド疾患を患っており、処置される個体とおおよそ同じ年齢である(処置個体および対照個体において疾患のステージを確実に比較可能にするため)が、本開示の抗体処方物を使用する処置を受けていない個体である。この場合、本開示の抗体処方物の有効性は、未処置対照における測定可能な指標からのシフトまたは傾向によって評価される。代替的に対照個体は、処置される個体とおおよそ同じ年齢である健康な個体である。この場合、本開示の抗体処方物の有効性は、健常対照における測定可能な指標からのシフトまたは傾向によって評価される。治療への応答における変化または改善は、一般に統計的に有意であり、0.1未満もしくはそれに等しい、0.05未満、0.01未満、0.005未満または0.001未満のp値によって記載されるものは有意であると見なされる。
【0087】
典型的には処置は、長期間にわたる複数の投薬を伴う。処置は、抗体をアッセイすること、または放射標識されたSAPシンチグラフィーを経時的に使用することによってモニターされてよい。応答が低下する場合、追加投薬の必要を示している場合がある。患者の健康状態の変化は、上に詳細に考察したとおり、6MWD、SF-36PCS(SF-36v2)、入院および生存率などの転帰測定に基づいてモニターされ得る。さらに、ALアミロイドーシスを有する患者の処置への応答は、NT-proBNPおよび/もしくはトロポニンなどの心臓マーカー、血清クレアチンならびに/またはアルカリホスファターゼを評価することによって;血清遊離軽鎖(SFLC)アッセイ、定量的免疫グロブリンアッセイ、生検、血清タンパク質電気泳動(SPEP)、尿タンパク質電気泳動(UPEP)、血清、尿免疫固定電気泳動(IFE)および/または臓器造影技術を実施することによってモニターされてよい。例示的完全奏功(CR)は、血清および尿のIFE陰性、骨髄中の正常κ/λ比および/または<5%形質細胞を含む応答判定基準から判定することができる。例示的な非常に良好な部分応答(VGPR)は、<40mg/LのdFLCから判定できる。例示的な部分応答(PR)は、dFLCの≧50%減少から判定できる。腎臓では処置への応答は、例えば、≧25%のeGFRの低減または≧0.5mg/dLの血清クレアチンの増加のいずれも存在しない、24時間尿タンパク質排出における≧50%低減(例えば、>0.5g/24時間)から判定できる。肝臓では処置への応答は、例えば、初期に上昇したアルカリホスファターゼにおける≧50%低減または、CTスキャンもしくはMRIでの肝臓サイズにおける≧2cm低減から判定できる。心臓では処置への応答は、例えば、NT-proBNP、>650ng/Lのベースラインを有する患者におけるNT-proBNPの>30%および>300ng/L低減から判定できる。腎臓では処置への応答は、例えば、腎臓の進行の非存在下でのタンパク尿の>30%減少または<0.5g/24時間へのタンパク尿の減少から判定できる。ニューロパチー応答者は、NIS-LLにおけるベースラインからの<2ポイント増加によって一般に特徴付けられる。ニューロパチーにおける改善(例えば、神経機能の改善)は、NIS-LLにおけるベースラインからの減少から判定される。健康状態における改善は、診断で同様の予後を有する未処置の異なる患者、例えば、心臓合併症を有するALアミロイドーシス患者と比較して、入院頻度における減少、90日間より長い入院の減少、またはより長い生存からも決定され得る。
【0088】
抗体処方物は、宿主体重で約0.5mg/kgから約30mg/kgの投与量範囲で静脈内または皮下で投与されてよい。例えば投与量は、約0.5mg/体重kg、約1.0mg/kg、約1.5mg/kg、約2.0mg/kg、約4.0mg/kg、約5.0mg/kg、約8.0mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約16mg/kg、約20mg/kg、約24mg/kg、約25mg/kgまたは約30mg/体重kgであってよい。投与量は、体表面積に従って約0.5mg/m2から約500mg/m2、例えば0.5、5、10、50、100、250または500mg/m2でも投与され得る。静脈内投薬のために、個々の患者について望ましい投与量を達成するために十分な抗体処方物の量は、1つまたは複数のバイアルから液体(例えば、生理食塩水)を含む1つまたは複数の静注バッグに移され、患者に投与される。
【0089】
抗体は、通常複数回で投与される。例示的処置レジメンは、2週間ごとに1回、1ヵ月に1回または3から6ヵ月ごとに1回の投与を必要とする。例えば、患者は、抗体処方物を4週間ごとに1回を周期として、例えば28日ごとに受けてよい。投薬頻度は、患者における抗体処方物の薬物動態プロファイルに応じて調整されてよい。例えば、抗体の半減期は、投薬の2週間での頻度を保証できる。一部の実施形態では、医薬処方物は、抗体投与量約24mg/kgで28日ごとに静脈内投与される。例えば一部の患者は、約24mg/kgビルタミマブの静注投与量を28日ごとに受ける場合がある。例えば一部の患者は、約24mg/kgビルタミマブの静注投与量を28日(±5日)ごとに受ける場合がある。ある特定の実施形態では、用量間に最低限21日間が必要である。一部のそのような患者について、静注バッグに移されたビルタミマブ処方物は、最初に凍結乾燥処方物からpH約6.5を有し、約50mg/mlビルタミマブ、約25mMヒスチジン緩衝液、約230mMトレハロースおよび約0.2g/Lポリソルベート20を含む処方物に復元された。一部の患者について望ましい投与量は、本明細書に開示される任意の処方物を含むバイアルから希釈されずに皮下投与され得る。
【0090】
本明細書において開示される一部の実施形態では、抗体は、少なくとも8カ月間、少なくとも9カ月間、少なくとも10カ月間、少なくとも11カ月間、少なくとも12カ月間またはさらに長い期間患者に投与される。例えば医薬処方物は、6MWDもしくはSF-36PCSスコアにおける増加によって示される健康状態における改善を達成または維持するために有効な継続期間、または未処置患者と比べて低い死亡のリスクを達成または維持するために十分長い継続期間患者に投与される。一部の患者について、より低いリスクは、少なくとも8カ月間の処置後に確立され得る。一部の患者について、より低いリスクは、少なくとも9カ月間の処置後に確立され得る。一部の患者について、より低いリスクは、少なくとも12カ月間の処置後または少なくとも18カ月間の処置後または24カ月間の処置後に確立され得る。これらの患者について、より低い死亡のリスクは、未処置患者と比べて長い生存期間と相関する。
【0091】
本明細書において、ALアミロイドーシスの処置または予防のための併用療法も開示される。そのような併用療法は、本明細書において開示される抗体処方物を、ALアミロイドーシスを処置するまたは予防をもたらすための別の治療などの1つまたは複数の第2の治療剤と併せて投与することによって実施される。本明細書において開示される併用療法は、第2の治療と併せて実施されてよく、炎症性疾患、慢性微生物感染、新生物(悪性新生物を含む)、遺伝性炎症性疾患、および/またはリンパ球増殖性障害などのアミロイド疾患に伴う疾患または状態を処置するまたは予防をもたらすために使用される。多数の処置が市販で、臨床評価および前臨床開発で利用可能であり、そのいずれも本開示の抗体処方物と併せての使用のために選択されてよい。そのような処置は、これだけに限らないがいくつかの主な分類、すなわち(i)非ステロイド性抗炎症剤(NSAID;例えば、デトプロフェン(detoprofen)、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、メクロフェナメート(meclofenameate)、メフェナム酸、メロキシカム、ナブメオン(nabumeone)、ナプロキセンナトリウム、オキサプロジン、ピロキシカム、スリンダク、トルメチン、セレコキシブ、ロフェコキシブ、アスピリン、サリチル酸コリン、サルサルト(salsalte)ならびにサリチル酸ナトリウムおよびマグネシウム);(ii)ステロイド(例えば、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン);(iii)DMARD、すなわち、疾患修飾性抗リウマチ薬(例えば、シクロスポリン、アザチオプリン、メトトレキサート、レフルノミド、シクロホスファミド、ヒドロキシクロロキン、スルファサラジン、D-ペニシラミン、ミノサイクリンおよび金);(iv)組換えタンパク質(例えば、ENBREL(登録商標)(エタネルセプト、可溶性TNF受容体)およびREMICADE(登録商標)(インフリキシマブ)キメラモノクローナル抗TNF抗体);(v)幹細胞移植;ならびに/または(vi)化学療法、から選択される1つまたは複数の化合物または処置であってよい。ALアミロイドーシスを有する患者は、メルファラン、プレドニゾン、デキサメタゾン、レナリドミド(REVLIMID(登録商標))などの血液悪性腫瘍を処置するためにしばしば使用される薬物または薬物の組合せ、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標))およびカルフィルゾミブ(KYPROLIS(登録商標))などのプロテオソーム阻害剤、ならびにダラツムマブ(DARZALEX(登録商標))などのCD38剤(CD38 agent)、標準治療の範囲の投与量で含む処置レジメンを受けてもよい。
【0092】
併用療法を実行する場合、2つまたはそれより多くの原薬が同時にまたは任意の順序で連続的に投与される、すなわち本明細書で開示される処方物は、第2の原薬を投与する前に、第2の原薬と同時にまたは第2の原薬の投与に続いて投与される。例えば併用療法は、第2の薬剤/治療を投与する前(例えば、1分間、5分間、15分間、30分間、45分間、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間もしくは12週間前)に、同時にまたは続いて(例えば、1分間、5分間、15分間、30分間、45分間、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間もしくは12週間後)に第1の治療を投与することによって実施されてよい。
【0093】
組合せの各構成成分の投与量、投与の頻度および様式は、独立に管理されてよい。例えば1つの治療剤/治療が1日3回経口投与されてよい一方で、第2の治療剤/治療は1日1回筋肉内投与されてよい。併用療法は、休薬期間を含むオンオフサイクルで与えられてよい。化合物は、1回の投与が両方の化合物を送達するように混合されてまたは、そうでなければ合わせて製剤化されてもよい。この場合、各治療剤は、組成物の全重量の1~95重量%の量で一般に存在する。代替的に本明細書において開示される抗体処方物および第2の治療剤は、別に個々の投与量で製剤化されてよい。処置のための薬物組合せは、医薬品包装の構成成分として提供されてよい。
【0094】
好ましくは本開示の併用療法は、相乗的な治療効果、すなわちそれらの個々の効果または治療転帰の合計を超える効果を生じる。測定可能な治療転帰は本明細書に記載される。例えば相乗的治療効果は、所与の組合せの単一の薬剤によって生じる治療効果の合計より少なくとも約2倍大きい、または少なくとも約5倍大きい、または少なくとも約10倍大きい、または少なくとも約20倍大きい、または少なくとも約50倍大きい、または少なくとも約100倍大きい効果である場合がある。相乗的な治療効果は、所与の組合せの単一の薬剤によって生じる治療効果の合計と比較して、少なくとも10%、または少なくとも20%、または少なくとも30%、または少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%、または少なくとも100%またはそれを超える治療効果の増加としても観察される場合がある。相乗効果は、それらか組合せで使用される場合に治療剤の投与量を低減できる効果でもある。
【0095】
本開示の一部の方法は、次の予後指標:(1)患者のALアミロイドーシスのMayoステージ、(2)患者の6分間歩行距離(6MWD)および駆出率(EF)ならびに/または患者のMayoステージおよびEF、の1つまたは複数を決定することによってALアミロイドーシスを有する対象を処置することを含む。予後指標(複数可)が決定されると、患者は次の処置基準:(1)MayoステージIV ALアミロイドーシスを有する;(2)ベースラインで6MWD≧150メートルおよびEF>50%を有する;(3)ベースラインでMayoステージIVおよびEF>50%を有する;または(4)ベースラインでMayoステージIV、6MWD≧150メートルおよびEF>50%を有する、の1つに合致する場合に、処置のために選択される。処置は、本明細書において開示される抗体の有効投与量を投与することを含む。
【0096】
本開示の1つの方法では、1つまたは複数の予後指標に合致する患者は、500mgビルタミマブを含む20/25mLバイアル中に滅菌、凍結乾燥投与形態として供給されるビルタミマブ(24mg/kg)を用いて処置される。各バイアルは、9.6mLの注射用滅菌水(WFI)を用いて、濃度50mg/mLに復元され、緩衝、等張、保存剤不含有溶液を生じる。ビルタミマブは、初回120(±10)分間IV注入として28日ごとに1回投与される。対象が初回注入に耐容性を示す場合、続く注入は、60(±10)分間で投与され得る。用量は、少なくとも21日間の間隔で投与される。
【0097】
患者は、例えば毎週皮下に投与されるボルテゾミブを含み得る、同時標準治療化学療法を用いて処置され得る。
【実施例】
【0098】
続く実施例は、本明細書で開示される様式を例示するために含まれる。続く実施例のある特定の態様は、本明細書に開示される実践が十分に機能するように本共同発明者によって見出されたまたは検討された技術および手順の観点から記載される。本開示および当業者の一般的レベルに照らして、当業者は、続く実施例が例示的であることのみを意図し、多数の変化、改変および変更が本開示の範囲から逸脱することなく使用され得ることを理解する。
【0099】
(実施例1)
ビルタミマブ(ヒト化2A4)としても公知であるNEOD001の第2b相臨床評価
NEOD001対プラセボの第2b相グローバル、多施設、無作為、二重盲検、プラセボ対照臨床研究をALアミロイドーシスおよび持続性の心機能不全を有する、以前処置された患者において実施した(PRONTO研究)。研究は、患者129名を登録した。患者を28日ごとに静脈内注入を介して24mg/kgのNEOD001(n=66)またはプラセボ(n=63)を受けるように1:1を基礎として無作為化した。主要評価項目は、12カ月間の処置を通じてNT-proBNPによって測定される心臓の最良応答であった。第2の評価項目は、簡易型36(SF-36質問票における変化、6分間歩行検査(6MWT)における変化、タンパク尿によって測定される腎臓の最良応答、神経障害スコア-下肢(NIS-LL)スコアおよびNT-proBNPスロープにおける変化を含んだ。臨床研究設計に関する追加的情報は、https://clinicaltrials.govにおいて入手可能である。PRONTO研究は、その主要および第2のエンドポイントに合致しなかった。
【0100】
(実施例2)
NEOD001の第3相臨床評価
NEOD001対プラセボの第3相グローバル、多施設、無作為、二重盲検、プラセボ対照臨床研究をALアミロイドーシスおよび心機能不全を有する新たに診断された処置ナイーブ患者において、標準治療を受ける研究の両アームを用いて実施した(VITAL研究;VITALアミロイドーシス研究、ALアミロイドーシスを有する患者におけるNEOD001のグローバル第3相、有効性および安全性研究(VITAL)、ClinicalTrials.gov識別子:NCT02312206)。研究は患者260名を登録した(表1を参照されたい)。
【0101】
【0102】
患者を28日ごとに静脈内注入を介して24mg/kgのNEOD001またはプラセボを受けるように1:1を基礎として無作為化した。すべての患者は、NEOD001またはプラセボと同時にボルテゾミブに基づく化学療法を受けた。プラセボは、生理食塩水の250mLバッグとして28日ごとに1回投与した。主要評価項目は、総死亡または心臓による入院までの時間の複合であった。第2の評価項目は、NT-proBNP最良応答、心臓死または心臓による入院までの時間、6分間歩行検査における変化、簡易型-36質問票における変化、カンザスシティ心筋症質問票における変化、Palladini et al, 2014基準を使用して評価する腎臓の最良応答およびComenzo et al, 2012基準を使用して評価する肝臓の最良応答を含んだ。臨床研究設計に関する追加的情報は、https://clinicaltrials.govにおいて入手可能である。PRONTO研究からの結果に基づいて、無益性分析(futility analysis)を進行中のVITAL研究について実施した。研究を完了したことが特定された156事象の内の判定された103事象に基づいた無益性分析は、統計的に有意でなかった。ハザード比(HR)は、NEOD001対対照アームを支持する0.84であった(HR、0.84、95%信頼区間[CI]、0.57-1.204;P=0.386)。PRONTO研究およびVITAL研究の無益性分析からの結果に基づいて、NEOD001の臨床開発は中止した。
【0103】
(実施例3)
VITAL研究の統計分析-ある特定の患者における驚くべき結果
NEOD001開発の中止後、統計分析を研究終了による打ち切りデータを必然的に含むVITAL研究データについて実施した。データは、12カ月で打ち切られた。最終研究結果は、無益性分析と一致した。NEOD001は、総死亡または心臓による入院(≧91日間)の主要エンドポイントについて対照から有意に異ならなかった(HR、0.835;95%CI 0.5799-1.2011;P=0.330;表2および
図5を参照されたい)。NEOD001は、いずれの重要な第2のエンドポイント(SF-36PCS、6MWD、NT-proBNP最良応答または腎臓の最良応答)についても対照から有意に異ならなかった。MayoステージIVとして分類された対象についての続く事後分析は、ビルタミマブを支持する(HR=0.538)さらに強い結果をもたらし、このサブセットの患者について潜在的な生存利益を明らかにしている。
【0104】
【0105】
驚くべきことにデータの分析は、患者のある特定のサブセット、すなわちMayoステージIV患者(n=260名のうちの77名;VITAL研究に登録した患者のおよそ30%は、MayoステージIVであった)ならびにMayoステージに関わらず、150メートルより長いベースライン6MWDおよび50%より多い駆出率を有する患者(n=135)において健康状態における改善を示唆した。そのような患者亜集団のハザード比は、それぞれ0.498および0.511で処置を支持し、ステージIV(mITT)における全生存期間中央値はプラセボ+SOC群において8.3カ月であって、NEOD001+SOC群において(>12カ月)に達しなかった(
図6を参照されたい)。さらに、観測された利益は、≧150メートルのベースライン6MWDおよび>50%の駆出率(EF)を有するMayoステージIV患者(n=36)についてさらに増強されていると考えられる。そのような患者についてのハザード比は、処置を支持して0.201であった。加えて、利益は、6MWDに関わらず>50%の駆出率(EF)を有するMayoステージIV患者(n=37)においても観察された。アミロイド負荷に関連する疾患のより早いステージでの処置介入が改善を達成するために必要であることは一般に認められていることから、ステージI~III患者においてよりもMayoステージIV患者においてさらに大きな改善が観察されたことは、驚くべきことである。
【0106】
(実施例4)
MayoステージIV患者の応答
図1Aおよび1Bに示すとおり、プラセボを用いて処置した患者と比べて12カ月間を通じた総死亡率または91日間より長い心臓による入院の複合によって測定されるとおり、ステージI~III患者において見られる差異と比較してNEOD001を用いて処置したMayoステージIV患者は、健康状態においてさらに大きな改善を示し、ステージI~III患者についての.879のHR(相対的リスク低減12.15%)、p=0.6125(
図1A)と比較して、ステージIV患者結果は0.635のHR(相対的リスク低減36.5%)、p=0.1409(
図1B)であった。
【0107】
図2Aおよび2Bに示すとおり、プラセボを用いて処置した患者と比べて、12カ月間を通じた総死亡によって測定されるとおり、ステージI~III患者で見られる差異と比較してNEOD001を用いて処置したステージIV患者は、健康状態においてさらに大きな改善を示し、ステージI~III患者についての1.244のHR(相対的リスク低減-24.4%)、p=0.5159(
図2A)と比較して、ステージIV患者結果は0.498のHR(相対的リスク低減50.2%)、p=0.0556(
図2B)であった。
【0108】
図3Aおよび3Bに示すとおり、プラセボを用いて処置した患者と比べて12カ月間を通じた心臓死によって測定されるとおり、ステージI~III患者で見られる差異と比較してNEOD001を用いて処置したステージIV患者は、健康状態においてさらに大きな改善を示し、ステージI~III患者についての1.051のHR(相対的リスク低減-5.1%)、p=0.8971(
図3A)と比較して、ステージIV患者結果が0.378のHR(相対的リスク低減62.2%)、p=0.0142(
図3B)であった。
【0109】
表3に示すとおり、プラセボを用いて処置した患者と比べてベースラインから9カ月目のSF-36PCSスコア変化よって測定されるとおり、ステージI~III患者で見られる差異と比較してNEOD001を用いて処置したステージIV患者は、健康状態においてさらに大きな改善を示し、ステージI~III患者についての-0.65ポイントの変化、p=0.7150と比較して、ステージIV患者が+5.54ポイントの変化、p=0.0258であった。略号:LSM(最小二乗平均);SE(標準誤差);CI(信頼区間)。mITT分析では、SF-36PCSスコアは、プラセボ+SOC群と比較して、NEOD001+SOC群においてベースラインから6カ月目(P<0.05)および9カ月目(P<0.005)で有意に少ない増悪を示し(
図7を参照されたい)、6MWDにおけるベースラインからの変化は、プラセボ+SOC群に対してNEOD001+SOC群において12カ月目までのすべての時点で有意に大きかった。
【0110】
【0111】
表4に示されるとおり、プラセボを用いて処置した患者と比べてベースラインから9カ月目での順位における6MWD変化によって測定されるとおり、ステージI~III患者で見られる差異と比較してNEOD001を用いて処置されたステージIV患者は、健康状態においてさらに大きな改善を示し、ステージI~III患者についての-4.26の変化、p=0.6911と比較したステージIV患者が+36.74の順位における変化、p=0.0462であった。
【0112】
【0113】
6MWDにおけるベースラインからの変化は、プラセボ+SOC群に対してNEOD001+SOC群において12カ月目まですべての時点で有意に大きかった。曝露の平均(SD)継続期間は、NEOD001+SOC群において389.4(245.65)年間、プラセボ+SOC群において352.7(248.30)年間であった。受けた注入の平均(SD)回数は、NEOD001+SOCおよびプラセボ+SOC群において、それぞれ14.5(8.60)および13.3(8.71)であった。表5は、MayoステージIV患者におけるVITAL研究結果の要約を記載している。
【0114】
【0115】
(実施例5)
≧150メートルの6MWDおよび>50%のEFを有する患者の応答
図4Aおよび4Bに示すとおり、150メートルより長いまたは150メートルに等しいベースライン6分間歩行距離(6MWD)および50%より多い駆出率(EF)を有し、NEOD001を用いて処置された患者は、プラセボを用いて処置した患者と比べた12カ月を通じた総死亡によって測定される健康状態においてさらに大きな改善を示した。ベースライン6MWD≧150メートルおよび>50%のEFを有するすべてのMayoステージの患者の結果は、0.511のHR(相対的リスク低減48.9%)、p=0.0741および95%CI(0.241、1.083)(
図4A)であった。ベースライン6MWD≧150メートルおよび>50%のEFを有するMayoステージIV患者の結果は、0.201のHR(相対的リスク低減79.9%)、p=.0090および95%CI(0.053、0.762)であった、
図4B。追加的に、>50%のベースラインEFを有するMayoステージIV患者は、0.185のHR(相対的リスク低減81.5%)、p=0.0049および95%CI(0.050、0.689)を有した。
【0116】
全体として、安全性集団の患者257名は1つまたは複数の処置下で発現したAE(TEAE;表6を参照されたい)を経験した。最も一般的なTEAE(疲労、悪心、末梢性浮腫、便秘および下痢)は、両処置アームにおいて同様であり、両処置アームは、同様の頻度の重篤なTEAEを有した(NEOD001+SOC、67.7%;プラセボ+SOC、70.0%)。288の重篤なAEが88名のNEOD001処置患者によって報告され、大部分(95.5%)は、研究薬に関係しないと考えられ、死亡に至るTEAEはプラセボ+SOC群(対象28名、21.5%)においてNEOD001+SOC群(対象20名、15.4%)よりも頻繁に生じた。研究薬に関係するとみなされた死亡はなく;両群における死亡原因は、基礎疾患および心臓合併症の既知のリスクと一致した。全般的な安全性結果は、Mayoステージ内およびそれにわたって同様であった。
【0117】
【0118】
(実施例6)
軽鎖(AL)アミロイドーシスを有するMayoステージIV対象におけるビルタミマブ(NEOD001)を加えた標準治療の第3相、多施設、非盲検、シングルアーム、有効性および安全性研究
研究(NEOD001-301)の主要な目的は、ALアミロイドーシスを有するMayoステージIV対象に静脈内投与されたときのビルタミマブを加えた標準治療の有効性を、総死亡までの時間を評価することによって評価することである。第2の目的は、次の:(1)簡易型36質問票(SF-36v2)を使用する健康関連の生活の質のベースラインから9カ月目の変化および(2)6分間歩行検査(6MWT)距離(メートル)におけるベースラインから9カ月目での変化について、ビルタミマブを加えた標準治療を評価することである。
【0119】
新たに診断された、ALアミロイドーシスを有するMayoステージIV対象は、ビルタミマブを加えた局所的標準治療化学療法を受ける。最初の第一選択化学療法レジメンは、ボルテゾミブを含むはずである。対象は、およそ16個の主要エンドポイント事象(総死亡)が達成されるまたは対象62名が9カ月間の処置を完了する研究完了まで研究に残る。対象が研究終了の前に研究薬を中断するが、研究来院に参加を継続する意志がある場合、対象は、最後の研究薬投与後28~35日以内に早期処置中断(ETD)来院をし、次いで3カ月ごとに評価されるべきである(表8を参照されたい)。ETD来院後のすべての来院は、スケジュール通りに、すなわち、対象が研究薬に残っていた場合に来院が行われるときに行われるべきである。
【0120】
対象スクリーニングを1カ月1日目の研究薬の1回目の投与に先立つ28日間に行う。スクリーニング期間は、医療監視者(Medical Monitor)による承認で延長できる。スクリーニング評価を本明細書表7に列挙する。
【0121】
2回のスクリーニング6MWTが研究薬の1回目の投与の前に必要である。1回目のスクリーニング6MWTは、-28日目と5日目の間、1カ月1日目に先立つ2日以内に実施されるべきである2回目のスクリーニング6MWTの少なくとも4日前に実施する必要がある。ベースライン後の6MWTは、研究薬投与と同じ日に実施されてよく、研究薬注入に先立って完了されなければならない。すべての適格性必要事項が合致した場合、1カ月1日目評価を完了し、処置を開始する。各来院は、1回目の研究薬注入日を1カ月1日目と記し;続く月は連番を使用して、その「月」および「日」によって記される(例えば、2回目の投与は、2カ月1日目に投与される)。「サイクル」は、化学療法の投与を記すために使わずにおく。評価および来院ウインドウをイベントスケジュールに記載する(表7)。各月に、対象は、彼らの研究薬注入を1日目に研究施設で受ける。1から3カ月目について対象は、すべての来院が研究施設である必要はないが、毎週評価される。3カ月目および研究終了までのすべての続く月について、対象は、研究薬の1日目投薬のために28日ごとに研究施設に戻る必要があるだけである。
【0122】
第一選択化学療法は、毎週、皮下投与(SC)されるボルテゾミブを伴う、ボルテゾミブ含有レジメンでなければならない。ボルテゾミブを含む化学療法の1回目の投与は、研究の1カ月1日目が化学療法のサイクル1 1日目と同じであるように、1カ月1日目研究薬投与後(研究薬注入後観察期間の後)に投与される。上に概説した来院に加えて、化学療法の1回目のサイクルの際に、対象は、ボルテゾミブの毎週の各投与のためおよび投与前の評価のために研究施設に戻らなければならない。化学療法の2回目および3回目のサイクルの際に、ボルテゾミブは、2カ月1日目、2カ月15日目および3カ月1日目来院の際に研究施設で投与されなければならない(すなわち、それぞれサイクル2 1日目、サイクル2 15日目およびサイクル3 1日目)。調査者の所見における任意の理由のために、対象が研究施設に毎週来続けるべきである場合(例えば、化学療法の予期された副作用を超えて出現した毒性)、他のサイクル2およびサイクル3の毎週のボルテゾミブ投与は、同様に研究施設で行われる場合がある。調査者の裁量で、対象がいかなる予期しないまたは顕著な毒性も経験しない場合、対象は、サイクル2 8および22日目ならびにサイクル3 8、15および22日目にボルテゾミブを調査者によってより彼らの現地の医師によって投与されてよい。現地の医師によるボルテゾミブの各投与の1日以内前または当日に、医療従事者は、投与前バイタルサインおよび中央検査室試料を取得しなければならない。しかし、ボルテゾミブが月曜日に投与される(または間に祝日がある)場合、先の金曜日に在宅ケア来院(Homecare visit)を行うことは許容される。
【0123】
ボルテゾミブ用量を投与しそこなった場合には、化学療法サイクルは、毎月の研究薬投薬と揃わなくなる場合がある。この場合、1から3カ月目の間の毎週の来院は、同時化学療法の最初の月の間は、対象の健康を密接にモニターするために上に記載されるとおり継続するべきである。研究を通じて、研究薬の毎月の用量は、化学療法投薬のために行われる調節のために遅延またはスキップするべきでない。
【0124】
安全性および有効性評価は、各来院で実施する。
【0125】
組み入れ基準(対象は、次の基準のすべてに合致しなければならない):
1.年齢≧18歳
2.新たに診断され、ALアミロイドーシス処置ナイーブ
3.骨髄がクローン性形質細胞を実証している
4.以下によるALアミロイドーシスの確定診断:
・ コンゴーレッド染色組織検体中の緑色複屈折物質の偏光顕微鏡によって決定されたアミロイドーシスの組織化学的診断、または特徴的な電子顕微鏡所見
ならびに
・ ALアミロイドーシスの確証的な免疫組織化学または質量分析
5.対象が次のいずれかに合致する場合の組織生検中のアミロイド物質の質量分析または免疫電子顕微鏡によるALアミロイドーシスの確定診断:
・ 黒人もしくはアフリカ系アメリカ人である
・ 75歳を超え、同時にモノクローナル高ガンマグロブリン血症を有する
・ 家族性アミロイドーシスの病歴を有し、同時にモノクローナル高ガンマグロブリン血症を有する
または
・ 対象が上の3つの条件のいずれかに合致し、アミロイドーシスの心エコーエビデンス、モノクローナル高ガンマグロブリン血症を伴う生検診断アミロイドーシスを有し、質量分析または免疫電子顕微鏡のために使用可能な組織がない場合、対象は、トランスサイレチン(TTR)野生型と一致する遺伝子配列決定を有しなければならず(例えば、TTR突然変異が存在しない)、テクネチウム-99m-3,3-ジホスホノ-1,2プロパノジカルボン酸(99mTc DPD;Rapezzi 2011)、ヒドロキシメチレンジホスホネート(99mTc HMDP;Galat 2015)またはピロホスフェート(99mTc PYP;Bokhari 2013)シンチグラフィーにおいてスコア0でなければならない
6.次のすべてによって定義される心臓合併症:
・ 心不全についての代替的説明の非存在下でのALアミロイドーシスの確定診断において心不全の診断を支持する過去に記述されたまたは現在記されている臨床兆候および症状
・ ALアミロイドーシスを実証する心内膜心筋生検または壁肥厚の程度を適切に説明する他の原因(例えば、重篤な高血圧、大動脈弁狭窄)の非存在で拡張期の平均左室壁厚>12mmを実証する心エコーのいずれか
7.以下によって定義される確認されたMayoステージIV
・ NT-proBNP≧1800pg/mL、および
・ トロポニン-T>0.03ng/mL、および
・ dFLC≧18mg/dL
8.計画された第一選択化学療法は、毎週皮下(SC)投与されるボルテゾミブを含む
9.以下によって実証される適切な骨髄予備能、肝機能および腎機能
・ 好中球絶対数(ANC)≧1.0×109/L
・ 血小板数≧75×109/L
・ ヘモグロビン≧9g/dL
・ 総ビリルビン≦正常上限値の2倍(×ULN)
・ アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)/血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(SGOT)≦3×ULN
・ アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)/血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(SGPT)≦3×ULN
・ アルカリホスファターゼ(ALP)≦5×ULN(肝腫大および骨より肝臓に特異的なアイソザイムを有する対象を除く)
・ 慢性腎臓病疫学共同研究(CKD-EPI)式によって推定される推算糸球体濾過量(eGFR)≧30mL/分/1.73m2
10.座位収縮期血圧90~180mmHg
11.各スクリーニングでの歩行距離6MWTが≧30メートルおよび≦550メートルである
12.妊娠の可能性がある女性(WOCBP)は、スクリーニングの際に2回の妊娠検査陰性、2回目は研究薬の1回目の投与の前24時間以内、でなければならず、スクリーニングから最後の研究薬投与後90日間まで医師が認めた非常に有効な避妊法を使用することに同意しなければならない
13.男性対象は、外科的に生殖不能でなければならない、またはスクリーニングから最後の研究薬投与後90日間まで医師が認めた非常に有効な避妊法を使用することに同意しなければならない
14.すべての研究手順の開始前にインフォームドコンセントフォームを理解する能力および署名する意志
【0126】
除外基準(対象は、次の基準のいずれにも合致していてはならない):
1.非ALアミロイドーシス
2.NT-proBNP>8,500pg/mL
3.多発性骨髄腫の国際骨髄腫作業部会(IMWG)定義に合致する
*注、随伴性アミロイドーシスだけに起因し得る徴候および/または症状を有する症候性多発性骨髄腫のIMWG定義に合致する対象は、後援者の承認により適格である可能性がある
4.対象は、研究中にASCTまたは臓器移植を受けることおよび計画することについて適格である
5.調査者の医学的判断において、安全に処置を受けるまたは研究評価を完了する対象の能力を妨げる症候性起立性低血圧
6.1カ月1日目来院前6カ月以内の心筋梗塞、非管理狭心症、重度の非管理心室性不整脈または急性虚血の心電図(ECG)でのエビデンス
7.重度の狭窄性弁膜症(例えば、弁面積<1.0cm2を有する大動脈または僧帽弁狭窄)または重度の先天性心疾患
8.次のいずれも例外とする急性虚血または活動性伝導系異常のECGエビデンス:
・ 第1度AV-ブロック
・ 第2度AV-ブロック1型(モビッツ1型/ウェンケバッハ型)
・ 右または左脚ブロック
・ 管理された心拍数を有する心房細動(非管理[>110bpm]心拍数は許容されない[リードIIでの3拍動の平均またはリードIIがEKG全体を表さない場合3回の代表的拍動によって決定される])
9.国立がん研究所-有害事象共通用語規準(NCI-CTCAE)疼痛を伴うグレード2、グレード3またはグレード4として評価される末梢神経障害
10.対象が予防経口剤を除く経口またはIV抗生物質、抗真菌剤または抗ウイルス剤を1カ月1日目の1週間以内に受けている
11.1カ月1日目の1週間以内の造血性増殖因子、血液または血液製剤の輸注を用いた先行する処置
12.1カ月1日目の4週間以内の先行する放射線療法
13.1カ月1日目の4週間以内の大手術または研究中の大手術の計画
14.次のいずれも例外とする活動性悪性腫瘍:
・ 適切に処置された基底細胞癌、扁平上皮癌または生体内原位置の子宮頸がん
・ 対象が現在寛解にあるおよび2年間寛解にある適切に処置されたステージIがん
・ グリーソンスコア<7および前立腺特異的抗原<10mg/mLを有する低リスク前立腺がん
・ 対象が≧2年間無病である任意の他のがん
15.ヒスチジン/Lヒスチジン塩酸塩一水和物、無水トレハロース(trehalose dehydrate)もしくはポリソルベート20などのビルタミマブの構成成分のいずれかに対する重度のアレルギーの病歴、またはグレード≧3注入関連AEの病歴または別のモノクローナル抗体への過敏症またはジフェンヒドラミン(もしくはH1抗ヒスタミン剤等価物)もしくはアセトアミノフェン(もしくはその等価物、パラセタモール)への既知の過敏症
16.非管理、活動性HIV、B型肝炎またはC型肝炎感染が既知またはその病歴
17.形質細胞指向性化学療法、ビルタミマブ、ダラツムマブ、11-1F4、抗血清アミロイドP抗体、アミロイドに対するドキシサイクリンを用いた前処置またはアミロイドに方向付けられた他の調査処置
18.1カ月1日目の30日以内の別の治験薬を用いた処置
19.妊娠または授乳中の女性
20.研究の実行を妨げる可能性がある、またはそのための処置が研究の実行を妨げる場合がある、または調査者の意見で研究への参加によって対象のリスクを許容できないほど増加させる任意の状態
21.対象が法的な管理下にある
22.てんかんまたは小児期の熱性けいれんを除く発作性障害の病歴
23.ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症および/または免疫グロブリンM(IgM)モノクローナル高ガンマグロブリン血症
【0127】
研究薬:研究薬は、500mgビルタミマブを含む20/25mLバイアル中の滅菌凍結乾燥投与形態として供給されるビルタミマブ(24mg/kg)からなる。各バイアルは、9.6mL注射用滅菌水(WFI)を用いて、濃度50mg/mLに復元され、緩衝、等張、保存剤不含有溶液を生じる。研究薬は、初回120(±10)分間IV注入として28日ごとに1回投与される。対象が初回注入に耐容性を示す場合、続く注入は60(±10)分間で投与されてもよい。注入の長さは、臨床的に示される場合にさらに長い時間かけるように延長され得る。投与間は最低限21日間必要である。
【0128】
前投薬:すべての対象は、研究薬投与に先立つ30~90分間以内に25mgジフェンヒドラミン(または等用量のH1抗ヒスタミン剤)および650mgアセトアミノフェン(またはパラセタモール等用量)を用いて研究薬の各投与について前投薬される。
【0129】
標準治療化学療法:すべての対象は、初回第一選択化学療法レジメンについて毎週皮下投与されるボルテゾミブを含まなければならない同時標準治療化学療法を受ける。続く化学療法レジメンは、調査者の裁量で標準治療のとおり処方され得る。抗ウイルス薬予防投与が必要である。
【0130】
統計的考察
分析集団。治療企図(ITT)集団は、MayoステージIV ALアミロイドーシスを有し、任意の量の研究薬を受けているすべての対象を含む。ITT集団は、有効性および安全性分析のために使用される一次集団(primary population)である。
【0131】
有効性分析。一次分析-主要エンドポイントは、総死亡までの時間である。総死亡について、研究薬(研究1日目)の1回目の注入後、研究の最後の対象の最後の来院(LSLV)までを通じて生じたすべての死亡が含まれる。指数関数的生存モデルを使用して、9カ月で概算される生存百分率を概算する。正確二項検定を使用して、概算された生存百分率を歴史的対照値49%と比べる。
【0132】
重要な二次有効性分析-一次分析がビルタミマブの支持を結論した場合、次に、研究NEOD001 CL0002[VITAL]からのプラセボプラスSOC MayoステージIV対象についてのデータを比較するために使用する:(1)SF-36v2のPCSスコアにおけるベースラインから9カ月の変化、および/または(2)6MWT距離(メートル)におけるベースラインから9カ月の変化。これらの変数の両方について、ベースラインから9カ月の変化および95%信頼区間を算出する。信頼区間の下限がVITALにおいてプラセボ群から観察される値より大きい場合、それにより研究はビルタミマブが対照より優れていると結論する。
【0133】
【表7-1】
【表7-2】
表7脚注
1.28日スクリーニング期間は、医療監視者による承認で延長できる。適格性必要事項に合致しない個々の検査結果は、6MWTを除いて反復され得る;完全再スクリーニングは、対象あたり1回許容される。
2.サイクル2 8および22日目ならびにサイクル3 8、15および22日目にボルテゾミブ含有化学療法は、対象が顕著な毒性を有した場合には調査者によって研究施設で投与されるべきであり、そうでなければ、調査者の裁量で現地の医師によって投与され得る。
3.EOT/ETD来院は、最後の研究薬投与の28~35日後に行う。
4.包括的な心臓性、血液学的および腫瘍学的病歴を得る;加えて、すべての他の状態について、過去5年間の関連病歴(あらゆる重度の入院および手術を含む)、および対象の現在の医学的状態を得る。
5.質量分析組織適合試験、免疫電子顕微鏡、遺伝子配列決定および/または99mTcシンチグラフィーからの結果は、組み入れ基準5番に特定される対象について適格性を評価するための無作為化の前に得られなければならない。
6.SF-36v2(別表4)を行う来院で、SF-36v2はその日のいかなる他の研究評価の実施前に行われる必要がある。
7.心エコーがスクリーニング-28日目の前90日間以内に実施される場合、スクリーニングの際に繰り返される必要はなく、以前の結果は適格性のために使用され得る。スクリーニング後、6カ月ごとに1日目の前10日間以内に心エコーを実施;来院前60日以内に実施しない場合EOT/ETDで繰り返す。追加的な心臓のイメージング分析について適格であるように、対象は、ドプラを備える4腔像、2次元心エコーを受けなければならない。
8.ECGは次のとおり3回実施される:1カ月1日目:投薬前30分以内およびEOI後1時間(±15分間);すべての他の来院(1、2、3カ月目および6カ月目で開始して3カ月ごと):投薬前30分以内または注入しない日は任意の時間。化学療法誘発副作用の予防のために与えられる薬物療法は、注入後ECGの完了前に投与されるべきでない。
9.精密なPEは、身長(スクリーニングのみ)、体重ならびに次の検査を含む:全身所見;頭部、耳、目、鼻および喉;首;皮膚;心血管系;呼吸器系;胃腸管系;および神経系。巨舌症、顎下リンパ節/膨満、腺腫大、出血斑、肝臓/脾臓サイズ(触知できる+/-)、腹水(+/-)および浮腫(0~4のスケールで定量されるべきである)を評価。
10.症状に基づくPEは、臨床的に指示されるとおりであるべきであり、体重ならびに巨舌症、顎下リンパ節/膨満、腺腫大、出血斑、肝臓/脾臓サイズ(触知できる+/-)、腹水(+/-)および浮腫(0~4のスケールで定量されるべきである)の評価も含む。
11.血液学および化学についての現地の検査室結果は、対象管理のために使用され、化学療法の投与に先立つ安全性評価のために審査されるべきであるが、電子的症例報告フォームまたは臨床データベースには回収されない。
12.対象がこの来院のために研究施設に戻る場合にだけ実施。
13.1カ月1日目研究薬投与に先立つ24時間以内に血清妊娠検査のために現地検査室を使用。
14.研究薬投与前に現地尿妊娠検査を得る。
15.最後の研究薬投与の90(±5)日後に現地の検査室血清妊娠検査を得る。
16.同日に実施される場合は、6MWT前に中央検査室試料を回収。
17.各時点でPT/INRおよびPTTを回収。
18.NT-proBNPは、同じ暦日に実施される場合は6MWTを実施する前に採取されるべきである。
19.対象は、1回目のスクリーニングから9カ月目に至るまで各6MWTのために同じ診療施設に戻ることができるように計画するべきである。ベースライン後6MWTは、NT-proBNP試料が6MWTを実施する前に採取され、6MWTが研究薬注入の開始前に完了する限り、研究薬が投与される同じ暦日に行われてよい(すなわち、3、6、9カ月目など)。6MWT実施前および後のBPおよびHRを回収。
20.1回目のスクリーニング6MWTは、-28日目と-5日目との間、1カ月1日目来院の前2日以内(すなわち、-2日目または-1日目)に実施されるべきである2回目のスクリーニング6MWTの少なくとも4日前に実施されなければならない。
21.保存血清試料は、将来の相関性検査のための試料の回収および保存について同意した対象からのみ回収される。
22.すべての対象は、注入開始の前30 90分間以内に25mgジフェンヒドラミン(または等用量のH1抗ヒスタミン剤)および650mgアセトアミノフェン(またはパラセタモール等用量)を受ける。
23.バイタルサインは、BP、HR、RRおよび体温を含む;対象が≧5分間休んだ後にすべての時点について同じ位置で評価される。投薬前評価は、前投薬の投与後に実施されるべきである。スクリーニングおよび非注入日:任意の時間;1カ月1日目:投薬前30分間以内、注入の途中(すなわち、注入の開始後およそ60分)、EOI時にすぐ(+10分間)、EOI後0.5時間(±10分間)およびEOI後1時間(±10分間)。すべての他の月の1日目:投薬前30分以内、EOI(+10分間)および、EOI後1時間(±10分間)。
24.対象は、研究薬注入の完了後90(±10)分間について詳しくモニターされるべきである。調査者は、適切であると考えるまたは現地の標準に従う場合にこの標準的モニタリング時間を延長できる。注入後の任意の臨床的問題または疑わしい徴候もしくは症状の事象では、対象は調査者が適切と考える間は観察下に残る。
25.第一選択化学療法は、承認された処方情報および現地施設の慣例に従ってボルテゾミブが毎週SC投与されるボルテゾミブ含有レジメンでなければならない。抗ウイルス予防薬は、必要である。化学療法が研究薬と同じ日に投与される場合、化学療法は研究薬注入後観察期間後に投与されなければならない。第一選択化学療法サイクルの回数および続く化学療法レジメンは、調査者の裁量で標準治療により投与される。
26.ボルテゾミブは、サイクル1 1、8、15および22日目;サイクル2 1および15日目に;ならびに続くサイクルの1日目に、現地検査室の審査、研究薬投与および研究薬注入後観察期間の後に研究施設で投与されなければならない。
27.サイクル2 8および22日目ならびにサイクル3 8、15および22日目に化学療法は、Prothena後援医療従事者による在宅ケア来院を用いて現地の医師によって対象に、中央検査室検査のためのバイタルサイン、血液試料および生物学的分析試料(適用できる場合)を得るために、各ボルテゾミブ投与の1日以内前または当日の投与前に投与されてよい。ボルテゾミブが月曜日に投与される場合、先の金曜日に在宅ケア来院を行ってよい。サイクル1の際に顕著な毒性が生じた場合、対象は、調査者が現地投与について適切とみなすまで、サイクル2およびサイクル3来院のために研究施設に戻らなければならない。
28.EOT/ETD来院を超えてまたは研究薬の最後の投与後>28日間のいずれか遅い方で新たに生じたSAEは、調査者の判断で、SAEが任意のプロトコール介入(すなわち、研究手順または以前の研究薬曝露に関連する)に関連する場合だけ、後援者およびその被指名人に報告される。
29.研究薬の用量を受けたすべての対象について:対象の最後の来院のおよそ3カ月後およびその後およそ3カ月ごとにバイタル状態評価を実施。
【0134】
【表8】
表8脚注
1.対象が研究終了の前に研究薬を中断するが研究来院に参加を継続する意志がある場合、対象は、最後の研究薬投与後28~35日以内にETD来院をし、次いで3カ月ごとに評価されるべきである(すなわち、3、6、9および12カ月目またはこれらの来院の残っているものはどれも)。ETD来院後のすべての来院は、スケジュール通りに、すなわち、対象が研究薬に残っていた場合に来院が行われるときに行われるべきである。
2.対象が研究施設に戻る意志がある場合、それ以外は対象はバイタル状態を受ける。
3.SF-36v2は、それが行われる日のいかなる他の研究評価の実施より前に行う。
4.6および12カ月目の1日目の前10日以内に心エコーを実施する。
5.3回実施されるECG。
6.症状に基づくPEは、臨床的に指示されるとおりであるべきであり、体重ならびに巨舌症、顎下リンパ節/膨満、腺腫大、出血斑、肝臓/脾臓サイズ(触知できる+/-)、腹水(+/-)および浮腫(0~4のスケールで定量されるべきである)の評価も含む。
7.最後の研究薬投与後90(±5)日で現地の検査室血清妊娠検査を得る。
8.同じ日に実施される場合は、6MWTの前に中央検査室試料を回収。
9.PT/INFおよびPTTをそれぞれの時点で回収。
10.12カ月目以後、対象に研究施設に戻る意志がある場合、以下を3カ月ごと(例えば、15、18、21カ月目)に実施するまたは回収する:6MWT(6MWT実施前および後BPおよびHRを含む)、有害事象、併用薬物療法、全般的健康状態および任意の入院の詳細。
11.早期の試料が抗NEOD001抗体の存在を確立した場合、または対象が免疫学的反応が疑われたために処置を中断した場合回収。
12.来院の際の任意の時間にBP、HR、RRおよび体温を回収。
13.EOT/ETD来院を超えてまたは研究薬の最後の投与後>28日間のいずれか遅い方で新たに生じたSAEは、調査者の判断で、SAEが任意のプロトコール介入に関連する(すなわち、研究手順または以前の研究薬曝露に関連する)場合だけ、後援者およびその被指名人に報告される。
14.本期間に生じたすべての入院および死亡は、後援者およびその被指名人に報告する必要がある。
15.対象の最後の来院のおよそ3カ月後およびその後およそ3カ月ごとにバイタル状態評価を実施。
【0135】
本明細書において引用するすべての特許、特許出願および刊行物の開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。本発明は、具体的な実施形態を参照して開示されているが、本開示の他の実施形態および多様性は、本開示の真の精神および範囲から逸脱することなく他の当業者によって考案され得る。添付の特許請求の範囲は、すべてのそのような実施形態および同等の多様性を含む。
【0136】
配列
配列番号01 マウスおよびヒト残基を含有するヒト化抗体配列(ヒト化2A4軽鎖可変領域バージョン3)
DVVMTQSPLSLPVTPGEPASISCRSSQSLVHSTGNTYLHWYLQKPGQSPQLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCSQSTHVPFTFGGGTKVEIK
配列番号02 マウスおよびヒト残基を含有するヒト化抗体配列(ヒト化2A4重鎖可変領域バージョン3)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFNTYAMYWIRQAPGKGLEWVARIRSKSNNYAIYYADSVKDRFTISRDDSKNSLYLQMNSLKTEDTAVYYCARPYSDSFAYWGQGTLVTVSS
配列番号03 2A4 VL CDR1
RSSQSLVHSTGNTYLH
配列番号04 2A4 VL CDR2
KVSNRFS
配列番号05 2A4 VL CDR3
SQSTHVPFT
配列番号06 2A4 VH CDR1
GFTFNTYAMY
配列番号07 2A4 VH CDR2
RIRSKSNNYAIYYADSVKD
配列番号08 2A4 VH CDR3
PYSDSFAY
配列番号09 7D8 VL CDR1
RSSLSLVHSTGNTYLH
配列番号10 マウスおよびヒト残基を含有するヒト化抗体配列(ヒト化2A4カッパ軽鎖)
DVVMTQSPLSLPVTPGEPASISCRSSQSLVHSTGNTYLHWYLQKPGQSPQLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCSQSTHVPFTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号11 マウスおよびヒト残基を含有するヒト化抗体配列(ヒト化2A4 IgG1重鎖バリアント1(G1m1アロタイプ))
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFNTYAMYWIRQAPGKGLEWVARIRSKSNNYAIYYADSVKDRFTISRDDSKNSLYLQMNSLKTEDTAVYYCARPYSDSFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号12 マウスおよびヒト残基を含有するヒト化抗体配列(ヒト化2A4 IgG1重鎖バリアント2(G1m3アロタイプ))
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFNTYAMYWIRQAPGKGLEWVARIRSKSNNYAIYYADSVKDRFTISRDDSKNSLYLQMNSLKTEDTAVYYCARPYSDSFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号13 マウスおよびヒト残基を含有するヒト化抗体配列(ヒト化2A4 IgG2重鎖)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFNTYAMYWIRQAPGKGLEWVARIRSKSNNYAIYYADSVKDRFTISRDDSKNSLYLQMNSLKTEDTAVYYCARPYSDSFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVVHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPAPIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号14 11-1F4モノクローナル抗体可変軽[カッパ]
DVVMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSLVHRNGNTYLHWYLQKPGQSPKLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGLYFCFQTTYVPNTFGGGTKLEIK
配列番号15 11-1F4モノクローナル抗体可変重
QVQLKESGPGLVAPSQSLSITCTVSGFSLSSYGVSWVRQPPGKGLEWLGVIWGDGSTNYKPNLMSRLSISKDISKSQVLFKLNSLQTDDTATYYCVTLDYWGQGTSVTVSS
配列番号16 11-1F4モノクローナル抗体CDR1軽鎖
RSSQSLVHRNGNYTLH
配列番号17 11-1F4モノクローナル抗体CDR2軽鎖
LVSNRFS
配列番号18 11-1F4モノクローナル抗体CDR3軽鎖
FNTTYVPNT
配列番号19 11-1F4モノクローナル抗体CDR1重鎖
SYGVSW
配列番号20 11-1F4モノクローナル抗体CDR2重鎖
VIWGDGSTNYHPNLMSRLSIS
配列番号21 11-1F4モノクローナル抗体CDR3重鎖
LDY
配列番号22 11-1F4モノクローナル抗体可変軽[カッパ]
【化1】
配列番号23 11-1F4モノクローナル抗体可変重
【化2】
【配列表】
【国際調査報告】