(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-20
(54)【発明の名称】油圧による速度制御及び空気圧による速度制御を含む油圧式連続可変速度システム並びに使用方法
(51)【国際特許分類】
F16H 41/02 20060101AFI20220413BHJP
F03D 7/06 20060101ALI20220413BHJP
F16H 41/24 20060101ALI20220413BHJP
【FI】
F16H41/02
F03D7/06
F16H41/24 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021562927
(86)(22)【出願日】2020-01-07
(85)【翻訳文提出日】2021-08-19
(86)【国際出願番号】 US2020012456
(87)【国際公開番号】W WO2020146299
(87)【国際公開日】2020-07-16
(32)【優先日】2019-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521299639
【氏名又は名称】プロスト ウィンド パワー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハーシュ、ダグラス エス.
(72)【発明者】
【氏名】フリンダ、ラドバン
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA12
3H178AA22
3H178AA43
3H178BB01
3H178DD01X
3H178DD06X
3H178DD12Z
(57)【要約】
風力タービン及びジェネレータを接続するための油圧式無段変速機が提供される。油圧式無段変速機がマクロ速度制御のための主パドル・ホイール及び複数の副パドル・ホイールを有する。さらに、マイクロ速度制御のための空気圧パドル・ホイールが提供される。速度制御のために電気負荷設備又は電力線への、AC電気特性によって特徴付けられる出力を測定する制御装置が含まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービン出力シャフト及び発電機入力シャフトを有する油圧式連続可変速度システムであって、前記油圧式連続可変速度システムが、
前記タービン出力シャフトに連結される第1の油圧チャンバ及び前記発電機入力シャフトに連結される第2の油圧チャンバを有する油圧システムであって、前記第1及び第2の油圧チャンバが互いに油圧的に連通され、前記第1及び第2の油圧チャンバが前記発電機入力シャフトのマクロ・レベルの速度調整のためのものである、油圧システムと、
圧縮空気を生成するために及び少なくとも1つの貯蔵タンク内で圧縮空気を貯蔵するために前記タービン出力シャフトに連結される第1の空気圧チャンバ、並びに前記発電機入力シャフトのマイクロ速度調整、前記発電機入力シャフトの制動、及び前記発電機入力シャフトの直接的な駆動、のうちの1つ又は複数のために、前記発電機入力シャフト及び前記少なくとも1つの貯蔵タンクに連結される第2の空気圧チャンバを有する空気圧システムと、
前記発電機入力シャフトに接続される発電機の出力を監視し、配電網の電気負荷設備/電力線に対しての出力を比較し、前記配電網に供給される電力を管理するために前記油圧システム及び前記空気圧システムのうちの1つ又は複数を使用して前記配電網の前記電気負荷設備/前記電力線の測定に基づいて前記発電機シャフトの速度を調整するための、制御装置と
を備える、油圧式連続可変速度システム。
【請求項2】
一連の油圧駆動のパドル・ホイールと、前記第1の油圧チャンバに付随する少なくとも1つのパドル・ホイールと、前記第2の油圧チャンバに付随する複数のパドル・ホイールとをさらに備え、前記パドル・ホイールの各々が入力弁及び出力弁を有し、前記入力弁及び前記出力弁の動作が前記制御装置によって制御される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2の油圧チャンバの中にある前記パドル・ホイールが多様なサイズである、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2の油圧チャンバの中にある前記パドル・ホイールが、前記発電機入力シャフトの速度を増大又は低下させるために前記発電機に向かう方向において最小値と最大値との間のサイズ範囲を有する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1及び第2の油圧チャンバに連通されるリザーバをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記空気圧システムが、前記第1の空気圧チャンバに付随する少なくとも1つのパドル・ホイール、及び前記第2の空気圧チャンバに付随する少なくとも1つのパドル・ホイールを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
エンジンと発電機との間に請求項1に記載の油圧式連続可変速度システムを提供するステップと、制御装置、油圧システム、及び空気圧システムを使用して発電機入力シャフトの速度を制御するステップとを含む、エンジンの出力を制御する方法。
【請求項8】
前記エンジンが風力タービンである、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ・レベルの速度制御(micro level speed control)のための、及び動力装置全体のエネルギー生成を達成した後で電気負荷設備(load)/電力線のところのAC電気特性を評価することによりタービン(風力タービン又は水力タービン)からの発電を最適化するための、空気圧による補助を用いる無段変速機を使用するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
無段変速機(CVT:continuous variable transmission)は既知のものであり、自転車、自動車、ウインチ、ホイスト、及び動力分配装置などで使用されている。これらのデバイスのために多くのバリエーションのデザインが開発されており、その種類には、ベルトを用いる可変径プーリ、トロイダル・タイプ又はローラ・ベース・タイプ、摩擦ベース・タイプ、静力学ベース・タイプ、ラチェット・ベース・タイプ、磁気タイプなどが含まれる。
【0003】
CVTに関連する米国特許の例には、米国特許第4,565,110号、米国特許第4,970,862号、米国特許第4,945,482号、米国特許第4,922,717号、米国特許第5,072,587号、米国特許第4,916,900号、米国特許第4,914,914号、米国特許第4,850,192号、及び米国特許第4,838,024号が含まれ、これらはすべて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。これらの従来技術は、車両のための副シャフトのマクロ速度(macro speed)を調節するためのポンプ、ピストン、歯車、ベルト、プーリ、クラッチ、又は弁を通して、CVT速度を示すものである。
【0004】
CVTの別の例を、やはり参照により組み込まれている米国特許第7,679,207号で見ることができる。この特許は、概して、風力発電装置、CVT、ジェネレータ、及びCVT制御装置を有するシステムを説明している。風力タービンが非常に詳細に説明されているが、CVT及び回転速度計は概略的に定義されている。タービンのピッチ及びタービンのブレードの撓みによる、及び制御装置の配備を介する形での、シャフト速度のCVT制御テクニックが明示されている。言い換えると、制御装置が、タービン自体の物理特性によりタービンの駆動速度を調整することにより、CVTの速度出力を補償する。任意の構成の風力タービンが駆動シャフトを有し、この装置が「エンジン」とみなされ得る。一般的な用語としての無段変速機(CVT)は、エンジンとジェネレータとの間での可変速度の機械的な方法を実現するものであり、ジェネレータが風力タービン又はエンジンの動作の結果として電気を発生させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,565,110号
【特許文献2】米国特許第4,970,862号
【特許文献3】米国特許第4,945,482号
【特許文献4】米国特許第4,922,717号
【特許文献5】米国特許第5,072,587号
【特許文献6】米国特許第4,916,900号
【特許文献7】米国特許第4,914,914号
【特許文献8】米国特許第4,850,192号
【特許文献9】米国特許第4,838,024号
【特許文献10】米国特許第7,679,207号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、機械的に複雑で高価であるデザイン及び制限される制御形態を有するCVTを改善することに対しての需要が存在する。本発明は改善されたCVTによりこの需要に対応するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、動作のために油圧流体の圧力を変化させるのに、ポンプ、ピストン、歯車、ベルト、プーリ、クラッチ、又は弁を必要としない空気圧補助の油圧CVTを提供する。動作の制御の一部として、反応性のバランス電源(reactive balance electrical source)を作ること及び負荷の不安定さを最小にすることを目的としたCVTの可変速度制御のために、プログラマブル論理制御装置、或いは油圧的側面及び空気圧的側面の両方を含む、電気的な負荷設備(electrical load)/電力線に対してのインバータの出力を監視してシステムを制御する同様のデバイス又は手段を用いる。
【0008】
本発明はまた、非常に弱いか又は非常に強い風力条件時に電気を生成することを目的として、風力タービンから係合解除されている状態のジェネレータを駆動するための空気圧エネルギーの貯蔵を実現する。
【0009】
本発明の特徴には、
マクロ・レベルの速度調整のための油圧式連続可変速度(CVT)デバイスと、
CVTのマイクロ・レベルの速度調整のための空気圧システムと、
タービン・ジェネレータの直接的な駆動のための空気圧エネルギーの貯蔵方法、
ジェネレータを制動するための空気圧による制御方法、及び
エネルギー・システムから電気負荷設備/電力線への出力のAC電気特性を測定する制御システムであって、制御システムがCVT速度をマイクロ・レベルで調整するために一連の制御弁を作動させることができる、制御システム、
が含まれる。
【0010】
より具体的には、本発明が、油圧式連続可変速度システム及び使用方法の両方を含む。システムが、タービン出力シャフト及び発電機入力シャフトを有する。システムが、タービン出力シャフトに連結される第1の油圧チャンバ及び発電機入力シャフトに連結される第2の油圧チャンバを有する油圧システムを含む。第1及び第2の油圧チャンバが互いに油圧的に連通され、第1及び第2の油圧チャンバが発電機入力シャフトのマクロ・レベルの速度調整のためのものである。
【0011】
システムが、第1及び第2の空気圧チャンバを有する空気圧システムをさらに有する。第1の空気圧チャンバが、圧縮空気を生成するために及び少なくとも1つの貯蔵タンク内で圧縮空気を貯蔵するためにタービン出力シャフトに連結される。第2の空気圧チャンバが、発電機入力シャフトのマイクロ速度調整、発電機入力シャフトの制動、及び発電機入力シャフトの直接的な駆動、のうちの1つ又は複数のために、発電機入力シャフト及び少なくとも1つの貯蔵タンクに連結される。
【0012】
システムが制御装置をさらに有し、制御装置が、発電機入力シャフトに接続される発電機の出力を監視し、配電網の電気負荷設備/電力線に対しての出力を比較し、配電網に供給される電力を管理するために油圧システム及び空気圧システムのうちの1つ又は複数を使用して配電網の電気負荷設備/電力線の測定に基づいて発電機シャフトの速度を調整する。
【0013】
油圧システムが、一連の油圧駆動のパドル・ホイールと、第1の油圧チャンバに付随する少なくとも1つのパドル・ホイールと、第2の油圧チャンバに付随する複数のパドル・ホイールとを有することができる。各パドル・ホイールが入力弁及び出力弁を有し、入力弁及び出力弁の動作が制御装置によって制御される。
【0014】
第2の油圧チャンバの中にあるパドル・ホイールが多様なサイズであり、好適には、発電機入力シャフトの速度を増大又は低下させるために発電機に向かう方向において最小値と最大値との間のサイズ範囲を有する。油圧システムが、第1及び第2の油圧チャンバに連通されるリザーバをさらに有する。
【0015】
空気圧システムが、第1の空気圧チャンバに付随する少なくとも1つのパドル・ホイール、及び第2の空気圧チャンバに付随する少なくとも1つのパドル・ホイールを有する。
【0016】
本発明が、タービンと発電機との間に上述の油圧式連続可変速度システムを提供することと、制御装置、油圧システム、及び空気圧システムを使用して発電機入力シャフトの速度を制御することとを含む、タービンの出力を制御する方法をさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】エネルギー管理構成を通して電力を発生させるための、CVTを有する、タービンシステムの一実施例を示す図である。
【
図2】油圧によるマクロ速度制御、空気圧によるマイクロ速度調節、空気圧による制動、及びCVTのバックアップ動作に関連する特徴を有する、
図1のCVTを示す詳細図である。
【
図3】
図1及び2のCVTのための空気圧モジュール及び油圧モジュールの例示のパドル・ホイール構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1が、タービン・エンジン又は風力エンジン500と、一体型の空気圧補助の油圧CVT503と、ジェネレータ505とを有するシステム700の実施例を示す。CVT503がエンジン500とジェネレータ505との間に配置される。CVTが、エンジン500及びジェネレータ505のそれぞれに接続されるためのシャフト・アダプタ101A及び101Bを有する。所望される場合、回転速度計501が空気圧による安全制動動作のために追加され得る。
【0019】
CVTが、一連の油圧弁216、217、226、227、236、237、246、247、256、及び257を有する。これらの弁が速度制御のための主油圧チャンバの選択を実現する。空気圧制御弁306、311、314、及び319がさらに設けられ、これらの弁がCVT503の速度制御のための副次的な補助を実現する。
【0020】
油圧リザーバ290が弁291を装備する。油圧リザーバ290が動作のための油圧流体を供給する。さらに、システムの一部として、308及び338として2つ設けられる複数の空気圧貯蔵タンクが含まれるが、より多くの貯蔵を必要とする場合には追加の貯蔵タンクが設けられ得る。329、339として2つ示される大量の別個の制御弁を使用する空気動作のために、CVT503の副次的な補助のために、及び連続的な電力生成のための空気圧エネルギーの貯蔵のために、空気圧貯蔵タンク308及び338が設けられる。
【0021】
安全を目的として、各々の空気圧貯蔵タンク308及び338に安全逃し弁330及び340がそれぞれ設けられる。
【0022】
システム制御装置502が設けられ、コンバータ/インバータ508の後方に配置される。制御装置502が発電システム700の動作を常に調節することを目的として、電気負荷設備又は配電網510と比較して発電システム700の出力される電気特性を監視する。
【0023】
図2が、一体型の空気圧補助の油圧CVT503のさらなる細部を提供する。シャフト・アダプタ101Aがエンジン500に取り付けられ、上側空気圧チャンバ350及び上側油圧チャンバ200を通る駆動シャフト102を提供する。
【0024】
空気圧チャンバ350の中に設けられる一体型の空気圧縮機303の選択的な動作のために、テーパ歯車301が空気圧チャンバ350の上方に配置され、駆動シャフト102に取り付けられる。弁322によって制御される空気アクチュエータ321により、シャフト304に接続される対合するテーパ歯車302とテーパ歯車301が係合されるとき、圧縮機303が動作する。空気圧エネルギーが制御弁306及びポート307を通して貯蔵タンク308に供給される。この空気圧エネルギーがさらに、アクチュエータ321を停止するのに並びに歯車301及び302を係合解除するのに使用され得る。供給空気の吸入分及び排出分が空気圧チャンバの中のポート323を通過する。
【0025】
CVT503が油圧チャンバ200及び201をさらに有し、チャンバ200が流体を供給するための主供給源である。油圧ライン204、205、214、215、224、225、234、235、244、245、254、及び255のシステムが油圧チャンバ200及び201を通って延びており、対して外部油圧ライン206、207が一連の制御弁216、217、226、227、236、237、246、247、256、及び257を通して各々のラインに相互接続される。流出のためにブリード弁260がライン207上に設けられる。ライン206のためのリザーバ弁291が設けられ、この弁がジェネレータ505からエンジン500を油圧的に係合解除するために油圧流体を迂回させるのを可能にする。
【0026】
油圧チャンバ200が内側チャンバ203内に位置する主油圧パドル・ホイール202を有する。パドル・ホイール202が、タービンの回転速度に基づく速度で、油圧流体を、副油圧チャンバ201の中に位置する選択される副油圧駆動装置212、222、232、242、又は252まで前進させる。油圧流体が、いずれの対の制御弁216/217、226/227、236/237、246/247、又は256/257を選択しているかに基づいて、1つ又は複数の副油圧駆動装置まで誘導される。副油圧駆動装置もやはりパドル・ホイール212、222、232、242、及び252であり、これらのパドル・ホイールが内側チャンバ213、223、233、243、及び253の中にそれぞれ位置する。パドル・ホイール212、22、232、242、及び252が、ジェネレータ505の広範囲のマクロ動作のために必要であるタービン速度の増大量及び低下量に比例してサイズ決定される。
【0027】
副空気圧チャンバ351が設けられ、ジェネレータと副油圧チャンバ201との間に配置される。副空気圧チャンバ351が、電気負荷設備又は電力線510の不均衡を最小にするためにジェネレータ505の速度を最適化するのを可能にする。貯蔵タンク308からの圧縮空気がジェネレータ505の速度を増大させるためにポート310を通して供給され、対してポート314がジェネレータ505の速度を低下させるのに利用される。制御弁311、314、及び319が設けられ、速度制御のこれらのマイクロ動作を管理するのに使用される。副空気圧チャンバ351が、副空気圧チャンバ351の副チャンバ318の中に位置するパドル・ホイール317を有する。パドル・ホイール317がジェネレータ505の速度を小さい増分で調整するための手段を提供し、電気負荷設備/電力線510に提供される電力の管理がほぼ瞬間的なものとなる。これにより、電気負荷設備/電力線510に提供される電力の一貫性及び品質を管理することが可能となる。
【0028】
一体型のpneumatic overdrive hydraulic CVT503が、エンジン/タービン500の回転が起こっていないか又は最小である場合に、ジェネレータ505の動作のためにさらに使用され得る。主貯蔵タンク308につながっている一連の貯蔵タンク308などを用いて、圧縮空気をパドル・ホイール317に提供する制御弁311、314、319、320、及び329、並びに油圧チャンバ200及び201への油圧供給を遮断することができる制御弁260及び291が、内部シャフト103を回転させるように制御され、それによりインターフェース・カップリング101Bを介してジェネレータ505のシャフトを回転させ、電気負荷設備/電力線510に適合する管理される電力で電気を生成する。
【0029】
図3が、CVT503で使用されるためのパドル・ホイールに関するさらなる細部を提供する。上述したように、チャンバ200がパドル・ホイール202を有し、チャンバ201がパドル・ホイール212、222、232、242、及び252を有し、各々のパドル・ホイールがそのそれぞれの内側チャンバ203、213、223、233、243、及び253の中に配置される。例えば、パドル・ホイール202が、ホイール203を中心とした軸回転のX度のところに位置する一連のパドル209を有する。シール210が内側チャンバ203の周りで軸回転のY度のところに位置し、それによりパドル・ホイール202の回転中に4つの密閉エリアを形成する。1つの密閉エリアが「A」として示され、ここでは、2つのパドル209’及び209”がシール210’及び210”に接触している。ワイピングの間の期間によりパドル・ホイール202の自己潤滑が可能となる。
【0030】
吸入管204が、シャフト102の回転時に管205を通してパドル・ホイール202からの流体の排出に基づき、必要に応じて油圧流体がチャンバに入るのを可能にする。管205からの流体が管206に入り、選択される制御弁217、227、237、247、又は257を通って適切なパドル・ホイール212、222、232、242、及び252まで流れ、ここでは、内側チャンバ213、223、233、243、及び253からの流体の排出分が排出ポート214、224、234、244、及び254を通る形で放出され、選択されるパートナーの制御弁216、226、236、246、及び256を介して管207に到達する。管207が流体をパドル・ホイール・チャンバ203及びパドル・ホイール202の主供給口204に戻し、それによりCVT503内のマクロ速度制御のための油圧サイクルを完成させる。通常、このマクロ・レベルでは、タービン速度を基準とした速度の増減の割合が2、3倍に設計されている。
【0031】
CVT503の空気圧的側面が、これらのマクロ速度の比の間にあるマイクロ・レベルの速度を可能にする。より具体的には、駆動シャフト102に取り付けられるテーパ歯車301がプランジャ304によりテーパ歯車302に係合され、利用可能であるような風速時にスクロール・タイプ又はスクリュー・タイプの空気圧縮機303が作動する。これにより、大気が吸入管323に入って圧縮されてさらに制御弁306を通って外に出てポート307を介して貯蔵タンク308に到達することが可能となる。次いで、圧縮空気が貯蔵タンク308からポート310及び311を通して供給され得る。制御弁311及び314が、パドル・ホイール317により、シャフト103の速度を低下させるか又は急激に増大させるために迅速に作動する。油圧システムによりこれらのマイクロ調整を行うのを可能にするために、ブリード弁260及びリザーバ弁291が一時的に開けられ、それにより圧力補償が可能となる。ジェネレータ505のシャフトの速度が増大すると、空気圧力が排出弁319を通して解放される。制御弁314が作動して排出弁319がパルス周期で閉じられるとシャフト103の速度が低下し、その結果、ライン315内の圧縮空気がパドル・ホイール317に戻るように誘導される。マイクロ速度制御のためのこれらのパルス周期のタイミングは、力率を最大にするのを保証することを目的として電気負荷設備/配電網510のAC電気波形に適合するように、制御装置502によって作られる。
【0032】
2つの空気圧チャンバ350及び351が、制御弁/ブリード弁260及びリザーバ弁291を完全に開けることにより、及び他方で油圧制御弁216、217、226、227、236、237、246、247、256、及び257のすべてを閉じることにより、ジェネレータを制動して完全に停止させるのを可能にする。この場合、流体がパドル・ホイール202からリザーバ290を通る形で単純に循環し、ここでは空気圧制御弁314が開いており、空気圧制御弁319が閉じており、それによりシャフト103を回転させないように停止させるための背圧を発生させる。
【0033】
複数の空気圧貯蔵タンク308、338、...がさらに、タービン500を駆動する風がない場合に、貯蔵された空気圧エネルギーによりシャフト103を回転させてジェネレータ505を駆動するのを可能にすることができる。このモードでは、制御弁/ブリード弁260及びリザーバ弁291が完全に開けられており、すべての油圧制御弁216、217、226、227、236、237、246、247、256、及び257が閉じられている。この動作状態では、油圧システムがニュートラルである。次いで、制御弁311及び319が開けられ得、それにより空気圧エネルギーによりパドル・ホイール317を動作させることが可能となり、それにより適切な速度でシャフト103を回し、それにより電気負荷設備/配電網510のAC電気波形に適合するようにジェネレータ505を動作させる。
【0034】
本発明のシステム及び方法が、マクロ速度制御及びマイクロ速度制御の両方の方式で、例えば風力タービンであるエンジンのシャフトを回転させてこの回転をジェネレータに伝達するための大幅に改善された手法を提供する。本発明はまた、エンジンの非回転時に又は有意ではないレベルでのエンジンの回転時にエンジンをジェネレータが切断するか又はジェネレータを稼働するための能力を提供する。
【0035】
このように、上に記載の本発明の目的のうちの個々のすべての目的を満たす本発明の好適な実施例に関連させて、本発明を開示してきた。本発明は、エンジン、CVT、及びジェネレータを使用して電力を発生させるための新しい改善されたシステム、並びに使用方法を提供する。
【0036】
もちろん、当業者であれば、本発明の意図される精神及び範囲から逸脱することなく、本発明の教示からの種々の変更形態、修正形態、及び代替形態を企図することができる。本発明は添付の特許請求の範囲の言葉のみによって限定されることを意図される。
【国際調査報告】