(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-21
(54)【発明の名称】周波数ロックループ、電子機器及び周波数生成方法
(51)【国際特許分類】
H03L 7/06 20060101AFI20220414BHJP
H03L 7/089 20060101ALI20220414BHJP
【FI】
H03L7/06 230
H03L7/089 110
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020529429
(86)(22)【出願日】2019-01-02
(85)【翻訳文提出日】2020-05-29
(86)【国際出願番号】 CN2019070131
(87)【国際公開番号】W WO2020140206
(87)【国際公開日】2020-07-09
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】519385216
【氏名又は名称】北京京▲東▼方技▲術▼▲開▼▲発▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING BOE TECHNOLOGY DEVELOPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 407,Building 1,No.9 Dize Road,BDA,Beijing,100176,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】魏 祥野
(72)【発明者】
【氏名】修 黎明
【テーマコード(参考)】
5J106
【Fターム(参考)】
5J106AA05
5J106CC01
5J106CC35
5J106CC52
5J106DD17
5J106DD47
5J106DD48
5J106GG01
5J106GG05
5J106HH01
5J106JJ01
5J106JJ03
5J106KK38
5J106KK39
5J106LL01
5J106LL03
(57)【要約】
周波数ロックループ、電子機器及び周波数生成方法である。該周波数ロックループ(10)は、入力周波数(fi)とフィードバック周波数(fb)の大小関係を判断して、第1のサブ制御信号(Cf)と第2のサブ制御信号(Cs)とを含む制御信号を取得し、制御信号に基づいて、周波数制御ワード(F)を決定するように構成される制御回路(11)であって、入力周波数(fi)がフィードバック周波数(fb)より大きい場合、第1のサブ制御信号(Cf)を生成するように構成され、入力周波数(fi)がフィードバック周波数(fb)より小さい場合、第1のサブ制御信号(Cf)と異なる第2のサブ制御信号(Cs)を生成するように構成される制御回路(11)と、周波数制御ワード(F)に基づいて、目標周波数(fdco)を有する出力信号(Sout)を生成して出力するように構成されるデジタル制御発振回路(12)と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力周波数とフィードバック周波数の大小関係を判断して、第1のサブ制御信号と第2のサブ制御信号とを含む制御信号を取得し、前記制御信号に基づいて周波数制御ワードを決定するように構成される制御回路であって、前記入力周波数が前記フィードバック周波数より大きい場合、前記第1のサブ制御信号を生成するように構成され、前記入力周波数が前記フィードバック周波数より小さい場合、前記第1のサブ制御信号と異なる前記第2のサブ制御信号を生成するように構成される制御回路と、
前記周波数制御ワードに基づいて、目標周波数を有する出力信号を生成して出力するように構成されるデジタル制御発振回路と、
を含む周波数ロックループ。
【請求項2】
前記制御回路は、
前記入力周波数と前記フィードバック周波数の大小関係を判断して、前記制御信号を取得するように構成される周波数弁別器であって、前記入力周波数が前記フィードバック周波数より大きい場合、前記第1のサブ制御信号を生成して出力するように構成され、前記入力周波数が前記フィードバック周波数より小さい場合、前記第2のサブ制御信号を生成して出力するように構成される周波数弁別器と、
前記制御信号に基づいて前記周波数制御ワードを生成し、クロック信号の制御で前記周波数制御ワードを前記デジタル制御発振回路に出力するように構成される信号生成サブ回路と、を含み、
前記クロック信号は、前記出力信号、又は前記フィードバック周波数を有するフィードバック信号である請求項1に記載の周波数ロックループ。
【請求項3】
前記信号生成サブ回路が、前記第1のサブ制御信号に基づいて、調整対象となる周波数制御ワードから第1の調整パラメータを減算して、前記周波数制御ワードを生成するように構成される、又は、
前記信号生成サブ回路が、前記第2のサブ制御信号に基づいて、前記調整対象となる周波数制御ワードに第2の調整パラメータを加算して、前記周波数制御ワードを生成するように構成される請求項2に記載の周波数ロックループ。
【請求項4】
前記信号生成サブ回路は、
前記第1のサブ制御信号に基づいて、調整対象となる周波数制御ワードから第1の調整パラメータを減算して、前記周波数制御ワードを生成するように構成される、又は、前記第2のサブ制御信号に基づいて、前記調整対象となる周波数制御ワードに第2の調整パラメータを加算して、前記周波数制御ワードを生成するように構成される演算モジュールと、
前記調整対象となる周波数制御ワードと前記周波数制御ワードを記憶するように構成される記憶モジュールと、
を含む請求項2又は3に記載の周波数ロックループ。
【請求項5】
前記周波数弁別器は、第1の回路、第2の回路、及び第3の周波数分割回路を含み、
前記フィードバック信号の1つのフィードバック周期は、第1のエッジ、第2のエッジ、及び第3のエッジを含み、前記第2のエッジが前記第1のエッジと前記第3のエッジとの間に位置し、
前記第3の周波数分割回路は、前記入力周波数を有する入力信号を受信し、前記入力信号を分周して、第1の中間周波数を有する第1の中間信号を取得するように構成され、
前記第1の回路が、前記第1のエッジの第1の論理値、前記第2のエッジの第2の論理値、及び前記第3のエッジの第3の論理値を判断して出力するように構成され、
前記第2の回路が、前記第1の論理値、前記第2の論理値、及び前記第3の論理値に基づいて、前記第1のサブ制御信号又は前記第2のサブ制御信号を生成して出力するように構成される請求項2~4のいずれか一項に記載の周波数ロックループ。
【請求項6】
前記第3の周波数分割回路の第3の周波数分割係数が2であり、
前記第1の回路は、第1のDフリップフロップ、第2のDフリップフロップ、第3のDフリップフロップ、第4のDフリップフロップ及び第1のNOTゲートを含み、前記第2の回路は、第1のXORゲート、第2のXORゲート、第2のNOTゲート、第3のNOTゲート、第1のANDゲート及び第2のANDゲートを含み、
前記第1のDフリップフロップのデータ入力端が、前記第1の中間信号を受信するように構成され、前記第1のDフリップフロップのクロック入力端が、前記フィードバック信号を受信するように構成され、前記第1のDフリップフロップの出力端が、前記第2のDフリップフロップのデータ入力端と前記第1のXORゲートの第1のデータ入力端とに接続され、前記第1のDフリップフロップの出力端が、前記第1の論理値を出力するように構成され、
前記第2のDフリップフロップのクロック入力端が、前記フィードバック信号を受信するように構成され、前記第2のDフリップフロップの出力端が、前記第2のXORゲートの第1のデータ入力端に接続され、前記第2のDフリップフロップの出力端が、前記第3の論理値を出力するように構成され、
前記第1のNOTゲートが、前記フィードバック信号を受信し、前記フィードバック信号を位相反転して、中間フィードバック信号を取得するように構成され、
前記第3のDフリップフロップのデータ入力端が、前記第1の中間信号を受信するように構成され、前記第3のDフリップフロップのクロック入力端が、前記中間フィードバック信号を受信するように構成され、前記第3のDフリップフロップの出力端が、前記第4のDフリップフロップのデータ入力端に接続され、
前記第4のDフリップフロップのクロック入力端が、前記フィードバック信号を受信するように構成され、前記第4のDフリップフロップの出力端が、前記第1のXORゲートの第2のデータ入力端と前記第2のXORゲートの第2のデータ入力端とに接続され、前記第4のDフリップフロップの出力端が、前記第2の論理値を出力するように構成され、
前記第1のXORゲートの出力端が、前記第2のNOTゲートの入力端と前記第1のANDゲートの第1のデータ入力端とに接続され、
前記第2のXORゲートの出力端が、前記第3のNOTゲートの入力端と前記第1のANDゲートの第2のデータ入力端とに接続され、
前記第2のNOTゲートの出力端が、前記第2のANDゲートの第1のデータ入力端に接続され、前記第3のNOTゲートの出力端が、前記第2のANDゲートの第2のデータ入力端に接続され、
前記第1のANDゲートの出力端が、前記第1のサブ制御信号を出力するように構成され、前記第2のANDゲートの出力端が、前記第2のサブ制御信号を出力するように構成される請求項5に記載の周波数ロックループ。
【請求項7】
前記周波数制御ワードが、正の整数である請求項3~6のいずれか一項に記載の周波数ロックループ。
【請求項8】
前記第1の調整パラメータと前記第2の調整パラメータとがいずれも1である請求項7に記載の周波数ロックループ。
【請求項9】
第1の周波数分割回路をさらに含み、
前記第1の周波数分割回路が、前記目標周波数に基づいて前記フィードバック周波数を生成し、前記フィードバック周波数を有する前記フィードバック信号を前記制御回路に入力するように構成され、
前記フィードバック周波数は、次のように表され、
f
b=f
dco/N
f
bが前記フィードバック周波数を表し、f
dcoが前記目標周波数を表し、Nが前記第1の周波数分割回路の第1の周波数分割係数を表し、Nが正の整数である請求項2~8のいずれか一項に記載の周波数ロックループ。
【請求項10】
前記入力周波数と前記周波数制御ワードの関係が、次のように表され、
【数1】
f
Δが基准時間単位の周波数を表し、Fが前記周波数制御ワードを表し、又は、
前記入力周波数と前記周波数制御ワードの関係が、次のように表され、
【数2】
f
1とf
2がいずれも前記フィードバック周波数を表し、p、qがいずれも係数であり、pがf
1の重みを表し、qがf
2の重みを表し、f
Δが基准時間単位の周波数を表し、Fが前記周波数制御ワードを表す請求項9に記載の周波数ロックループ。
【請求項11】
第1の周波数分割回路と第2の周波数分割回路とをさらに含み、
前記第1の周波数分割回路が、前記目標周波数に基づいて前記フィードバック周波数を生成し、前記フィードバック周波数を有する前記フィードバック信号を前記制御回路に入力するように構成され、
前記第2の周波数分割回路が、前記入力周波数を分周して、第2の中間周波数を生成し、前記第2の中間周波数を有する第2の中間信号を前記制御回路に入力するように構成され、
前記フィードバック周波数が、次のように表され、
f
b=f
dco/P
f
bが前記フィードバック周波数を表し、f
dcoが前記目標周波数を表し、Pが前記第1の周波数分割回路の第1の周波数分割係数を表し、Pが正の整数であり、
前記第2の中間周波数が、次のように表され、
f
im2=f
i/D
f
im2が前記第2の中間周波数を表し、f
iが前記入力周波数を表し、Dが前記第2の周波数分割回路の第2の周波数分割係数を表し、Dが正の整数であり、且つPがD以上である請求項2~8のいずれか一項に記載の周波数ロックループ。
【請求項12】
前記入力周波数と前記周波数制御ワードの関係が、次のように表され、
【数3】
f
Δが基准時間単位の周波数を表し、Fが前記周波数制御ワードを表し、又は、
前記入力周波数と前記周波数制御ワードの関係が、次のように表され、
【数4】
f
1とf
2がいずれも前記フィードバック周波数を表し、p、qがいずれも係数であり、pがf
1の重みを表し、qがf
2の重みを表し、f
Δが基准時間単位の周波数を表し、Fが前記周波数制御ワードを表す請求項11に記載の周波数ロックループ。
【請求項13】
前記デジタル制御発振回路は、
基准時間単位を生成して出力するように構成される基准時間単位生成サブ回路と、
前記周波数制御ワードと前記基准時間単位に基づいて、前記目標周波数を有する前記出力信号を生成して出力するように構成される周波数調整サブ回路と、
を含む請求項1~9、11のいずれか一項に記載の周波数ロックループ。
【請求項14】
入力周波数を有する入力信号を提供するように構成される周波数源と、
請求項1~13のいずれか一項に記載の周波数ロックループと、
を含む電子機器。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載の周波数ロックループによる周波数生成方法であって、
入力周波数とフィードバック周波数の大小関係を判断して、第1のサブ制御信号と第2のサブ制御信号とを含む制御信号を取得し、前記制御信号に基づいて周波数制御ワードを決定するステップであって、前記入力周波数が前記フィードバック周波数より大きい場合、前記第1のサブ制御信号を生成し、前記入力周波数が前記フィードバック周波数より小さい場合、前記第1のサブ制御信号と異なる前記第2のサブ制御信号を生成するステップと、
前記周波数制御ワードに基づいて、目標周波数を有する出力信号を生成して出力するステップと、
を含む周波数生成方法。
【請求項16】
前記制御信号に基づいて周波数制御ワードを決定するステップは、
前記第1のサブ制御信号に基づいて、調整対象となる周波数制御ワードから第1の調整パラメータを減算して、前記周波数制御ワードを生成するステップ、又は、
前記第2のサブ制御信号に基づいて、調整対象となる周波数制御ワードに第2の調整パラメータを加算して、前記周波数制御ワードを生成するステップ、
を含む請求項15に記載の周波数生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、周波数ロックループ、電子機器及び周波数生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工業の迅速な発展とモノのネットワークの急速な普及に伴い、スマートデバイスは低消費電力の特性を備える必要がある。スマートデバイスでは、集積回路スマートチップが、すべての電子情報を制御し処理することができる。集積回路スマートチップの内部において、各電子デバイスの動作を駆動し協調させるためにクロック信号が用いられる。信頼性のあるクロック処理ユニットは、集積回路スマートチップの動作に必要不可欠なものである。
【0003】
現在、電子チップでは、位相ロックループがもっとも使用されているクロック処理ユニットである。位相ロックループは、デザインの種別によって、アナログ位相ロックループ、デジタル位相ロックループ、及びアナログ/デジタル・ハイブリッド位相ロックループに分けられてもよい。アナログ位相ロックループは精度が高く、応答が速いなどの特徴を有しているが、アナログ位相ロックループの回路の体積が大きく、コストが高く、研究開発期間が長く、移植が容易ではない。圧力制御発振器をデジタル式にするのが難しいため、位相ロックループはアナログ回路を含む必要があり、これに基づいて、アナログ/デジタル・ハイブリッド位相ロックループは現在最も多く使われている。アナログ/デジタル・ハイブリッド位相ロックループでは、電圧制御発振器として、アナログ回路の形態が採用されるのに対し、位相弁別器、ループフィルタ、分周器などの他の部品として、デジタル回路の形態が採用され、回路の制御と縮小化に資することになる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の少なくとも一実施例は、入力周波数とフィードバック周波数の大小関係を判断して、第1のサブ制御信号と第2のサブ制御信号とを含む制御信号を取得し、前記制御信号に基づいて周波数制御ワードを決定するように構成される制御回路であって、前記入力周波数が前記フィードバック周波数より大きい場合、前記第1のサブ制御信号を生成するように構成され、前記入力周波数が前記フィードバック周波数より小さい場合、前記第1のサブ制御信号と異なる前記第2のサブ制御信号を生成するように構成される制御回路と、
前記周波数制御ワードに基づいて、目標周波数を有する出力信号を生成して出力するように構成されるデジタル制御発振回路と、
を含む周波数ロックループを提供する。
【0005】
例えば、本開示の少なくとも一実施例で提供される周波数ロックループにおいて、前記制御回路は、
前記入力周波数と前記フィードバック周波数の大小関係を判断して、前記制御信号を取得するように構成される周波数弁別器であって、前記入力周波数が前記フィードバック周波数より大きい場合、前記第1のサブ制御信号を生成して出力するように構成され、前記入力周波数が前記フィードバック周波数より小さい場合、前記第2のサブ制御信号を生成して出力するように構成される周波数弁別器と、
前記制御信号に基づいて前記周波数制御ワードを生成し、クロック信号の制御で前記周波数制御ワードを前記デジタル制御発振回路に出力するように構成される信号生成サブ回路と、を含み、
前記クロック信号は、前記出力信号、又は前記フィードバック周波数を有するフィードバック信号である。
【0006】
例えば、本開示の少なくとも一実施例で提供される周波数ロックループにおいて、前記信号生成サブ回路が、前記第1のサブ制御信号に基づいて、調整対象となる周波数制御ワードから第1の調整パラメータを減算して、前記周波数制御ワードを生成するように構成される、又は、
前記信号生成サブ回路が、前記第2のサブ制御信号に基づいて、前記調整対象となる周波数制御ワードに第2の調整パラメータを加算して、前記周波数制御ワードを生成するように構成される。
【0007】
例えば、本開示の少なくとも一実施例で提供される周波数ロックループにおいて、前記信号生成サブ回路は、
前記第1のサブ制御信号に基づいて、前記調整対象となる周波数制御ワードから前記第1の調整パラメータを減算して、前記周波数制御ワードを生成するように構成される、又は、前記第2のサブ制御信号に基づいて、前記調整対象となる周波数制御ワードに前記第2の調整パラメータを加算して、前記周波数制御ワードを生成するように構成される演算モジュールと、
前記調整対象となる周波数制御ワードと前記周波数制御ワードを記憶するように構成される記憶モジュールと、を含む。
【0008】
例えば、本開示の少なくとも一実施例で提供される周波数ロックループにおいて、前記周波数弁別器は、第1の回路、第2の回路、及び第3の周波数分割回路を含み、
前記フィードバック信号の1つのフィードバック周期は、第1のエッジ、第2のエッジ、及び第3のエッジを含み、前記第2のエッジが前記第1のエッジと前記第3のエッジとの間に位置し、
前記第3の周波数分割回路が、前記入力周波数を有する入力信号を受信し、前記入力信号を分周して、第1の中間周波数を有する第1の中間信号を取得するように構成され、
前記第1の回路が、前記第1のエッジの第1の論理値、前記第2のエッジの第2の論理値、及び前記第3のエッジの第3の論理値を判断して出力するように構成され、
前記第2の回路が、前記第1の論理値、前記第2の論理値、及び前記第3の論理値に基づいて、前記第1のサブ制御信号又は前記第2のサブ制御信号を生成して出力するように構成される。
【0009】
例えば、本開示の少なくとも一実施例で提供される周波数ロックループにおいて、前記第3の周波数分割回路の第3の周波数分割係数が2であり、前記第1の回路は、第1のDフリップフロップ、第2のDフリップフロップ、第3のDフリップフロップ、第4のDフリップフロップ及び第1のNOTゲートを含み、前記第2の回路は、第1のXORゲート、第2のXORゲート、第2のNOTゲート、第3のNOTゲート、第1のANDゲート及び第2のANDゲートを含み、
前記第1のDフリップフロップのデータ入力端が、前記第1の中間信号を受信するように構成され、前記第1のDフリップフロップのクロック入力端が、前記フィードバック信号を受信するように構成され、前記第1のDフリップフロップの出力端が、前記第2のDフリップフロップのデータ入力端と前記第1のXORゲートの第1のデータ入力端とに接続され、前記第1のDフリップフロップの出力端が、前記第1の論理値を出力するように構成され、
前記第2のDフリップフロップのクロック入力端が、前記フィードバック信号を受信するように構成され、前記第2のDフリップフロップの出力端が、前記第2のXORゲートの第1のデータ入力端に接続され、前記第2のDフリップフロップの出力端が、前記第3の論理値を出力するように構成され、
前記第1のNOTゲートが、前記フィードバック信号を受信し、前記フィードバック信号を位相反転して、中間フィードバック信号を取得するように構成され、
前記第3のDフリップフロップのデータ入力端が、前記第1の中間信号を受信しするように構成され、前記第3のDフリップフロップのクロック入力端が、前記中間フィードバック信号を受信するように構成され、前記第3のDフリップフロップの出力端が、前記第4のDフリップフロップのデータ入力端に接続され、
前記第4のDフリップフロップのクロック入力端が、前記フィードバック信号を受信するように構成され、前記第4のDフリップフロップの出力端が、前記第1のXORゲートの第2のデータ入力端と前記第2のXORゲートの第2のデータ入力端に接続され、前記第4のDフリップフロップの出力端が、前記第2の論理値を出力するように構成され、
前記第1のXORゲートの出力端が、前記第2のNOTゲートの入力端と前記第1のANDゲートの第1のデータ入力端とに接続され、
前記第2のXORゲートの出力端が、前記第3のNOTゲートの入力端と前記第1のANDゲートの第2のデータ入力端とに接続され、
前記第2のNOTゲートの出力端が、前記第2のANDゲートの第1のデータ入力端に接続され、前記第3のNOTゲートの出力端が、前記第2のANDゲートの第2のデータ入力端に接続され、
前記第1のANDゲートの出力端が、前記第1のサブ制御信号を出力するように構成され、前記第2のANDゲートの出力端が、前記第2のサブ制御信号を出力するように構成される。
【0010】
例えば、本開示の少なくとも一実施例で提供される周波数ロックループにおいて、前記周波数制御ワードが、正の整数である。
【0011】
例えば、本開示の少なくとも一実施例で提供される周波数ロックループにおいて、前記第1の調整パラメータと前記第2の調整パラメータとがいずれも1である。
【0012】
例えば、本開示の少なくとも一実施例で提供される周波数ロックループは、第1の周波数分割回路をさらに含み、前記第1の周波数分割回路が、前記目標周波数に基づいて前記フィードバック周波数を生成し、前記フィードバック周波数を有する前記フィードバック信号を前記制御回路に入力するように構成され、
前記フィードバック周波数は、次のように表され、
fb=fdco/N
fbが前記フィードバック周波数を表し、fdcoが前記目標周波数を表し、Nが前記第1の周波数分割回路の第1の周波数分割係数を表し、Nが正の整数である。
【0013】
例えば、本開示の少なくとも一実施例で提供される周波数ロックループにおいて、前記入力周波数と前記周波数制御ワードの関係が、次のように表され、
【数1】
f
Δが基准時間単位の周波数を表し、Fが前記周波数制御ワードを表し、又は、 前記入力周波数と前記周波数制御ワードの関係が、次のように表され、
【数2】
f
1とf
2がいずれも前記フィードバック周波数を表し、p、qがいずれも係数であり、pがf
1の重みを表し、qがf
2の重みを表し、f
Δが基准時間単位の周波数を表し、Fが前記周波数制御ワードを表す。
【0014】
例えば、本開示の少なくとも一実施例で提供される周波数ロックループは、第1の周波数分割回路と第2の周波数分割回路をさらに含み、
前記第1の周波数分割回路が、前記目標周波数に基づいて前記フィードバック周波数を生成し、前記フィードバック周波数を有する前記フィードバック信号を前記制御回路に入力するように構成され、
前記第2の周波数分割回路が、前記入力周波数を分周して、第2の中間周波数を生成し、前記第2の中間周波数を有する第2の中間信号を前記制御回路に入力するように構成され、
前記フィードバック周波数が、次のように表され、
fb=fdco/P
fbが前記フィードバック周波数を表し、fdcoが前記目標周波数を表し、Pが前記第1の周波数分割回路の第1の周波数分割係数を表し、Pが正の整数であり、
前記第2の中間周波数が、次のように表され、
fim2=fi/D
fim2が前記第2の中間周波数を表し、fiが前記入力周波数を表し、Dが前記第2の周波数分割回路の第2の周波数分割係数を表し、Dが正の整数であり、且つPがD以上である。
【0015】
例えば、本開示の少なくとも一実施例で提供される周波数ロックループにおいて、前記入力周波数と前記周波数制御ワードの関係が、次のように表され、
【数3】
f
Δが基准時間単位の周波数を表し、Fが前記周波数制御ワードを表し、又は、 前記入力周波数と前記周波数制御ワードの関係が、次のように表され、
【数4】
f
1とf
2がいずれも前記フィードバック周波数を表し、p、qがいずれも係数であり、pがf
1の重みを表し、qがf
2の重みを表し、f
Δが基准時間単位の周波数を表し、Fが前記周波数制御ワードを表す。
【0016】
例えば、本開示の少なくとも一実施例で提供される周波数ロックループにおいて、前記デジタル制御発振回路は、
基准時間単位を生成して出力するように構成される基准時間単位生成サブ回路と、
前記周波数制御ワードと前記基准時間単位に基づいて、前記目標周波数を有する前記出力信号を生成して出力するように構成される周波数調整サブ回路と、を含む。
【0017】
本開示の少なくとも一実施例は、
入力周波数を有する入力信号を提供するように構成される周波数源と、
上記いずれの周波数ロックループと、を含む電子機器を提供する。
【0018】
本開示の少なくとも一実施例は、上記いずれの周波数ロックループによる周波数生成方法であって、
入力周波数とフィードバック周波数の大小関係を判断して、第1のサブ制御信号と第2のサブ制御信号とを含む制御信号を取得し、前記制御信号に基づいて周波数制御ワードを決定するステップであって、前記入力周波数が前記フィードバック周波数より大きい場合、前記第1のサブ制御信号を生成し、前記入力周波数が前記フィードバック周波数より小さい場合、前記第1のサブ制御信号と異なる前記第2のサブ制御信号を生成するステップと、
前記周波数制御ワードに基づいて、目標周波数を有する出力信号を生成して出力するステップと、を含む、周波数生成方法をさらに提供する。
【0019】
例えば、本開示の少なくとも一実施例で提供される周波数生成方法において、前記制御信号に基づいて周波数制御ワードを決定するステップは、
前記第1のサブ制御信号に基づいて、調整対象となる周波数制御ワードから第1の調整パラメータを減算して、前記周波数制御ワードを生成するステップ、又は、
前記第2のサブ制御信号に基づいて、調整対象となる周波数制御ワードに第2の調整パラメータを加算して、前記周波数制御ワードを生成するステップ、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本開示の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下では、実施例の図面を簡単に説明する。以下の説明における図面は本開示の一部の実施例のみに関し、本開示を制限するものではないことは明白である。
【
図1】
図1は、本開示の一実施例で提供される周波数ロックループの模式的なブロック図である。
【
図2】
図2は、本開示の一実施例で提供される周波数ロックループの構成模式図である。
【
図3】
図3は、本開示の一実施例で提供される周波数弁別器の回路構成模式図である。
【
図4A】
図4Aは、本開示の一実施例で提供される周波数弁別器が第1のサブ制御信号を生成する時のタイミング図である。
【
図4B】
図4Bは、本開示の一実施例で提供される周波数弁別器が第1のサブ制御信号を生成する時の他のタイミング図である。
【
図4C】
図4Cは、本開示の一実施例で提供される周波数弁別器が第2のサブ制御信号を生成する時のタイミング図である。
【
図4D】
図4Dは、本開示の一実施例で提供される周波数弁別器が第2のサブ制御信号を生成する時の他のタイミング図である。
【
図5】
図5は、本開示の一実施例で提供される信号生成サブ回路の構成模式図である。
【
図6】
図6は、本開示の一実施例で提供される他の周波数ロックループの構成模式図である。
【
図7A】
図7Aは、本開示の一実施例で提供される基准時間単位生成サブ回路の模式的なブロック図を示す。
【
図7B】
図7Bは、本開示の一実施例で提供される基准時間単位生成サブ回路の模式的な構成図を示す。
【
図8】
図8は、本開示の一実施例で提供される均一な位相間隔を有するK個の基准出力信号の模式図である。
【
図9】
図9は、本開示の一実施例で提供される周波数調整サブ回路の模式的なブロック図を示す。
【
図10】
図10は、本開示の一実施例で提供される周波数調整サブ回路の動作原理の模式図を示す。
【
図11A】
図11Aは、本開示の一実施例で提供される周波数調整サブ回路の構成模式図である。
【
図11B】
図11Bは、本開示の一実施例で提供される他の周波数調整サブ回路の構成模式図である。
【
図12】
図12は、本開示の一実施例で提供される周波数ロックループの周波数追跡特性の模式図である。
【
図13】
図13は、本開示の一実施例で提供される他の周波数ロックループの回路構成模式図である。
【
図14】
図14は、本開示の一実施例で提供される周波数ロックループの周波数の比のテスト図である。
【
図15】
図15は、本開示の一実施例で提供される電子機器の模式的なブロック図である。
【
図16】
図16は、本開示の一実施例で提供される周波数生成方法である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、本開示の実施例の図面を参照しながら、本開示の実施例の技術案を明確且つ完全に説明する。説明される実施例は、全ての実施例ではなく、本開示の一部の実施例であることは明らかである。説明される本開示の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をせずに取得した他のすべての実施例は、本開示の保護の範囲に属する。
【0022】
特に定義されない限り、本開示で使用される技術用語または科学用語は、本開示が属する分野における一般的な技能を有する者によって理解される通常の意味であるべきである。本開示で使用される「第1の」、「第2の」及び類似の語は、何らかの順序、数量または重要性を表すものではなく、異なる構成部分を区別するためのものに過ぎない。「含む」や「含まれる」などの類似の語は、この語の前に現れる素子や物がこの語の後に列挙される素子や物、及びその均等物を含むことを意味するが、他の素子や物を排除するものではない。「接続する」や「互いに接続する」などの類似の語は、物理的または機械的な接続に限定されるものではなく、直接的又は間接的であるかを問わず、電気的な接続を含んでもよい。「上」、「下」、「左」、「右」などは相対位置関係を表すためのものに過ぎず、説明対象の絶対位置が変化すると、その相対位置関係もそれに応じて変化する可能性がある。
【0023】
本開示の実施例を明確かつ簡単に以下に説明するために、本開示は、既知の機能および既知の部品の詳細な説明を省略する。
【0024】
クロック信号は、重要な制御信号である。クロック信号は、周波数源によって直接的に生成されてもよく、位相ロックループ(PLL)によって間接的に生成されてもよい。デジタル位相ロックループは、現在、位相ロックループ領域の研究開発の重点である。完全なデジタル位相ロックループ(ADPLL)中の発振器は、デジタル発振器と呼ばれ、該デジタル発振器の周波数が、デジタル値を採用する変数で制御される。ADPLLは、アナログ設計の複雑さを低減し、デジタル処理に適用する。しかし、このようなADPLL中のデジタル発振器は、大量のアナログ回路を含み、完全なデジタル回路ではない。
【0025】
本開示の少なくとも一実施例は、周波数ロックループ、電子機器及び周波数生成方法を提供する。該周波数ロックループは、入力周波数とフィードバック周波数の大きさを利用して周波数制御ワードを生成するように制御し、そして、時間平均周波数直接周期(TAF-DPS)合成器に基づいて目標周波数を生成し、精度が高く、応答速度が速く、消費電力が低く、体積が小さく、プログラム可能などの特徴がある。入力周波数は、目標周波数に対応する必要なく、任意の値であってもよく、且つ、該周波数ロックループが完全なデジタル回路であり、様々なチップに容易に集積される。該周波数ロックループは、マイクロエレクトロニクス、センシング、制御、測定、駆動などの分野に利用できる。
【0026】
以下、図面に関連して本開示の実施例を詳細に説明するが、本開示はこれらの具体的な実施例に限定されない。
【0027】
図1は、本開示の一実施例で提供される周波数ロックループの模式的なブロック図であり、
図2は、本開示の一実施例で提供される周波数ロックループの構成模式図である。
【0028】
例えば、
図1のように、該周波数ロックループ10は、制御回路11とデジタル制御発振回路12を含んでもよい。制御回路11は、入力周波数とフィードバック周波数の大小関係を判断し、制御信号を取得し、制御信号に基づいて周波数制御ワードを決定するように構成される。例えば、制御信号は、第1のサブ制御信号と第2のサブ制御信号を含んでもよい。入力周波数がフィードバック周波数より大きい場合、制御回路11が、第1のサブ制御信号を生成するように構成され、入力周波数がフィードバック周波数より小さい場合、制御回路11が、第1のサブ制御信号と異なる第2のサブ制御信号を生成するように構成される。デジタル制御発振回路12は、周波数制御ワードに基づいて、目標周波数を有する出力信号を生成して出力するように構成される。
【0029】
例えば、入力周波数は、任意の値であってもよい。入力周波数を有する入力信号は、周波数源(例えば、周波数源が自励発振ソースと合成周波数源を含んでもよい)で生成されてもよい。例えば、入力周波数は、周波数源が実際に生成して出力する信号の周波数を表してもよい。目標周波数は、ユーザが取得したい信号の周波数を表す。例えば、目標周波数は、周波数ロックループ10から出力される信号が到達可能な周波数を表す。例えば、目標周波数と入力周波数の比は、任意の値であってもよい。
【0030】
例えば、
図2のように、制御回路11は、周波数弁別器111と信号生成サブ回路112を含む。
【0031】
例えば、
図2のように、周波数弁別器111は、入力周波数f
iとフィードバック周波数f
bの大小関係を判断し、制御信号を取得するように構成される。例えば、周波数弁別器111が、入力周波数f
iがフィードバック周波数f
bより大きい場合、第1のサブ制御信号Cfを生成して出力するように構成され、周波数弁別器100が、入力周波数f
iがフィードバック周波数f
bより小さい場合、第2のサブ制御信号Csを生成して出力するように構成される。
【0032】
例えば、一例において、第1のサブ制御信号Cfが、第1のレベルにある場合、有效であるが、第2のレベルにある場合、无效である。同じく、第2のサブ制御信号Csが、第1のレベルにある場合、有効であるが、第2のレベルにある場合、无效である。留意されたいのは、本開示において、第1のレベルが高レベルを表してもよく、第2のレベルが低レベルを表してもよいが、これに限定されない。第1のレベルが低レベルを表してもよく、これに応じて、第2のレベルが高レベルを表してもよい。第1のレベルと第2のレベルの設定は、具体的な実際の状況に応じて決定されてもよく、本開示の実施例は、これを制限しない。本開示の実施例は、第1のレベルが高レベルを表すことと第2のレベルが低レベルを表すことを例として説明するが、以下の各実施例は、これと同様であり、説明を書略する。
【0033】
例えば、入力周波数fiがフィードバック周波数fbより大きい場合、周波数弁別器111が、第1のレベルにある第1のサブ制御信号Cfと第2のレベルにある第2のサブ制御信号Csを生成して出力するように構成される。入力周波数fiがフィードバック周波数fbより小さい場合、周波数弁別器111が、第1のレベルにある第2のサブ制御信号Csと第2のレベルにある第1のサブ制御信号Cfを生成して出力するように構成される。入力周波数fiがフィードバック周波数fbと等しい場合、周波数弁別器111が、第2のレベルにある第1のサブ制御信号Cfと第2のレベルにある第2のサブ制御信号Csを生成して出力するように構成される。つまり、入力周波数fiがフィードバック周波数fbより大きい場合、第1のサブ制御信号Cfが有效であり、第2のサブ制御信号Csが无效である。入力周波数fiがフィードバック周波数fbより小さい場合、第2のサブ制御信号Csが有效であり、第1のサブ制御信号Cfが无效である。入力周波数fiがフィードバック周波数fbと等しい場合、第1のサブ制御信号Cfと第2のサブ制御信号Csがいずれも无效である。説明したいのは、入力周波数fiがフィードバック周波数fbより大きい場合、周波数弁別器111が、第1のレベルにある第1のサブ制御信号Cfのみを生成して出力してもよい。入力周波数fiがフィードバック周波数fbより小さい場合、周波数弁別器111が、第1のレベルにある第2のサブ制御信号Csのみを生成して出力してもよい。入力周波数fiがフィードバック周波数fbと等しい場合、周波数弁別器111が信号を出力しない。
【0034】
図3が本開示の一実施例で提供される周波数弁別器の回路構成模式図であり、
図4Aが本開示の一実施例で提供される周波数弁別器が第1のサブ制御信号を生成する時のタイミング図であり、
図4Bが本開示の一実施例で提供される周波数弁別器が第1のサブ制御信号を生成する時の他のタイミング図であり、
図4Cが本開示の一実施例で提供される周波数弁別器が第2のサブ制御信号を生成する時のタイミング図であり、
図4Dが本開示の一実施例で提供される周波数弁別器が第2のサブ制御信号を生成する時の他のタイミング図である。
【0035】
例えば、
図3のように、周波数弁別器111は、第1の回路1110と、第2の回路1111と、第3の周波数分割回路1112を含んでもよい。
【0036】
例えば、
図4A-4Dのように、フィードバック周波数f
bを有するフィードバック信号S
bの1つのフィードバック周期T
bが第1のエッジEG1、第2のエッジEG2及び第3のエッジEG3を含み、第2のエッジEG2が第1のエッジEG1と第3のエッジEG3との間に位置してもよい。
図4Aと
図4Bに示す示例において、第1のエッジEG1と第3のエッジEG3がいずれも立ち上がりエッジであり、即ち、フィードバック信号S
bが低レベルから高レベルになるエッジである。第2のエッジEG2が立ち下がりエッジであり、即ち、フィードバック信号S
bが高レベルから低レベルになるエッジである。ただし、本開示は、これに限定されない。第1のエッジEG1と第3のエッジEG3がいずれも立ち下がりエッジであり、それに応じて、第2のエッジEG2が立ち上がりエッジであってもよい。
【0037】
例えば、本開示において、周波数弁別器111の応答時間がフィードバック信号Sbの1つのフィードバック周期Tbであり、応答速度が速い。
【0038】
説明したいのは、
図4A-4Dにおいて、S
iが入力周波数f
iを有する入力信号を表し、S
im1が第1の中間周波数f
im1を有する第1の中間信号を表し、S
bがフィードバック周波数f
bを有するフィードバック信号を表す。
【0039】
例えば、
図3のように、第3の周波数分割回路1112が、入力周波数f
iを有する入力信号S
iを受信して分周し、第1の中間周波数f
im1を有する第1の中間信号S
im1を取得するように構成される。例えば、第3の周波数分割回路1112の第3の周波数分割係数が2である。
【0040】
例えば、
図3のように、第1の回路1110が、第1のエッジEG1の第1の論理値L01、第2のエッジEG2の第2の論理値L02、及び第3のエッジEG3の第3の論理値L03を判断し出力するように構成される。第2の回路1111が、第1の論理値L01、第2の論理値L02、及び第3の論理値L03に基づいて、第1のサブ制御信号又は第2のサブ制御信号を生成して出力するように構成される。
【0041】
例えば、第1の回路1110は、第1の入力端、第2の入力端、第1のクロック端、第2のクロック端、第1の出力端、第2の出力端、及び第3の出力端を含んでもよい。第1の回路1110の第1の入力端と第2の入力端が、第1の中間信号Sim1を受信するように構成され、第1の回路1110の第1のクロック端と第2のクロック端が、フィードバック信号Sbを受信するように構成され、第1の回路1110の第1の出力端が、第1のエッジEG1の第1の論理値L01を出力するように構成され、第1の回路1110の第2の出力端が、第2のエッジEG2の第2の論理値L02を出力するように構成され、第1の回路1110の第3の出力端が、第3のエッジEG3の第3の論理値L03を出力するように構成される。
【0042】
例えば、第2の回路1111は、第1の入力端、第2の入力端、第3の入力端、第4の入力端、第1の出力端、及び第2の出力端を含んでもよい。第1の回路1110の第1の出力端が、第2の回路1111の第1の入力端に電気接続され、第1の回路1110の第2の出力端が、第2の回路1111の第2の入力端と第3の入力端に電気接続され、第1の回路1110の第3の出力端が第2の回路1111の第4の入力端に電気接続され、第2の回路1111の第1の出力端が、第1のサブ制御信号を出力するように構成され、第2の回路1111の第2の出力端が、第2のサブ制御信号を出力するように構成される。
【0043】
例えば、一例において、
図3のように、第1の回路1110は、第1のDフリップフロップD1、第2のDフリップフロップD2、第3のDフリップフロップD3、第4のDフリップフロップD4、及び第1のNOTゲートNR1を含んでもよい。第2の回路1111は、第1のXORゲートXR1、第2のXORゲートXR2、第2のNOTゲートNR2、第3のNOTゲートNR3、第1のANDゲートAR1、及び第2のANDゲートAR2を含む。
【0044】
例えば、Dフリップフロップのそれぞれは、データ入力端D、クロック入力端C、プリセット端SET、リセット端CLR、出力端Q、及び出力端
【数5】
を含んでもよい。例えば、
図3のように、第1の回路1110の第1の入力端が第1のDフリップフロップD1のデータ入力端Dであり、第1の回路1110の第2の入力端が第3のDフリップフロップD3のデータ入力端Dであり、第1の回路1110の第1のクロック端が第1のDフリップフロップD1のクロック入力端C、第2のDフリップフロップD2のクロック入力端C、及び第4のDフリップフロップD4のクロック入力端Cを含み、第1の回路1110の第2のクロック端が第1のNOTゲートNR1の入力端であり、第1の回路1110の第1の出力端が第1のDフリップフロップD1の出力端Qであり、第1の回路1110の第2の出力端が第4のDフリップフロップD4の出力端Qであり、第1の回路1110の第3の出力端が第2のDフリップフロップD2の出力端Qである。
【0045】
例えば、第2の回路1111の第1の入力端が第1のXORゲートXR1の第1のデータ入力端であり、第2の回路1111の第2の入力端が第1のXORゲートXR1の第2のデータ入力端であり、第2の回路1111の第3の入力端が第2のXORゲートXR1の第2のデータ入力端であり、第2の回路1111の第4の入力端が第2のXORゲートXR1の第1のデータ入力端であり、第2の回路1111の第1の出力端が第1のANDゲートAR1の出力端であり、第2の回路1111の第2の出力端が第2のANDゲートAR2の出力端である。
【0046】
例えば、
図3のように、第1のDフリップフロップD1のデータ入力端Dが第3の周波数分割回路1112の出力端に電気接続され、且つ第1の中間信号S
im1を受信するように構成され、第1のDフリップフロップD1のクロック入力端Cが、フィードバック信号S
bを受信するように構成され、第1のDフリップフロップD1の出力端Qが第2のDフリップフロップD2のデータ入力端Dと第1のXORゲートXR1の第1のデータ入力端に接続され、且つ第1のDフリップフロップD1の出力端Qが第1の論理値L01を出力するように構成される。第2のDフリップフロップD2のクロック入力端Cがフィードバック信号S
bを受信するように構成され、第2のDフリップフロップD2の出力端Qが第2のXORゲートXR2の第1のデータ入力端に接続され、第2のDフリップフロップD2の出力端Qが第3の論理値L03を出力するように構成される。
【0047】
例えば、
図3のように、第1のNOTゲートNR1が、フィードバック信号S
bを受信し、フィードバック信号S
bを位相反転して、中間フィードバック信号を取得するように構成される。例えば、第1のNOTゲートNR1の入力端が、フィードバック信号を受信するように構成され、第1のNOTゲートNR1の出力端が、中間フィードバック信号を出力するように構成される。
【0048】
例えば、
図3のように、第3のDフリップフロップD3のデータ入力端Dが、第3の周波数分割回路1112の出力端に電気接続され、且つ第1の中間信号S
im1を受信するように構成され、第3のDフリップフロップD3のクロック入力端Cが、第1のNOTゲートNR1の出力端に電気接続され、且つ中間フィードバック信号を受信するように構成され、第3のDフリップフロップD3の出力端Qが第4のDフリップフロップD4のデータ入力端Dに接続される。第4のDフリップフロップD4のクロック入力端Cが、フィードバック信号S
bを受信するように構成され、第4のDフリップフロップD4の出力端Qが第1のXORゲートXR1の第2のデータ入力端と第2のXORゲートXR2の第2のデータ入力端に接続され、第4のDフリップフロップD4の出力端Qが、第2の論理値L02を出力するように構成される。
【0049】
例えば、
図3のように、第1のXORゲートXR1の出力端が第2のNOTゲートNR2の入力端と第1のANDゲートAR1の第1のデータ入力端に接続され、第2のXORゲートXR2の出力端が第3のNOTゲートNR3の入力端と第1のANDゲートAR1の第2のデータ入力端に接続され、第2のNOTゲートNR2の出力端が第2のANDゲートAR2の第1のデータ入力端に接続され、第3のNOTゲートNR3の出力端が第2のANDゲートAR2の第2のデータ入力端に接続され、第1のANDゲートAR1の出力端が第1のサブ制御信号Cfを出力するように構成され、第2のANDゲートAR2の出力端が第2のサブ制御信号Csを出力するように構成される。
【0050】
例えば、
図4Aのように、入力周波数f
iがフィードバック周波数f
bより大きい場合、ある時点に、フィードバック信号S
bの第1のエッジEG1に対応する第1の中間信号S
im1のレベルが低レベルである場合、第1のエッジEG1の第1の論理値L01が0であり、フィードバック信号S
bの第2のエッジEG2に対応する第1の中間信号S
im1のレベルが高レベルである場合、第2のエッジEG2の第2の論理値L02が1であり、フィードバック信号S
bの第3のエッジEG3に対応する第1の中間信号S
im1のレベルが低レベルである場合、第3のエッジEG3の第3の論理値L03が0である。
図4Aに示す例において、該時点に、第1のXORゲートXR1が第1の論理値L01(即ち0)と第2の論理値L02(即ち1)を受信し、第1の論理値L01と第2の論理値L02に基づいて論理値1を出力し、第2のXORゲートXR2が第2の論理値L02(即ち1)と第3の論理値(即ち0)を受信し、第2の論理値L02と第3の論理値L03に基づいて論理値1を出力する。この時、第1のANDゲートAR1の第1のデータ入力端と第2のデータ入力端がいずれも論理値1を受信し、これにより、第1のANDゲートAR1が高レベルの第1のサブ制御信号Cfを出力し、第2のANDゲートAR2の第1のデータ入力端と第2のデータ入力端がいずれも論理値0を受信し、これにより、第2のANDゲートAR2が低レベルの第2のサブ制御信号Csを出力する。
【0051】
例えば、
図4Bのように、入力周波数f
iがフィードバック周波数f
bより大きい場合、ある時点に、フィードバック信号S
bの第1のエッジEG1に対応する第1の中間信号S
im1のレベルが高レベルである場合、第1のエッジEG1の第1の論理値L01が1であり、フィードバック信号S
bの第2のエッジEG2に対応する第1の中間信号S
im1のレベルが低レベルである場合に、第2のエッジEG2の第2の論理値L02が0であり、フィードバック信号S
bの第3のエッジEG3に対応する第1の中間信号S
im1のレベルが高レベルである場合、第3のエッジEG3の第3の論理値L03が1である。
図4Bに示す例において、該時点に、第1のXORゲートXR1が第1の論理値L01(即ち1)と第2の論理値L02(即ち0)を受信し、第1の論理値L01と第2の論理値L02に基づいて論理値1を出力し、第2のXORゲートXR2が第2の論理値L02(即ち0)と第3の論理値L03(即ち1)を受信し、第2の論理値L02と第3の論理値L03に基づいて論理値1を出力する。この時、第1のANDゲートAR1の第1のデータ入力端と第2のデータ入力端がいずれも論理値1を受信し、これにより、第1のANDゲートAR1が高レベルの第1のサブ制御信号Cfを出力し、第2のANDゲートAR2の第1のデータ入力端と第2のデータ入力端がいずれも論理値0を受信し、これにより、第2のANDゲートAR2が低レベルの第2のサブ制御信号Csを出力する。
【0052】
説明したいのは、入力周波数f
iがフィードバック周波数f
bより大きい場合、
図4Aと
図4Bに示す時点以外に、第1の論理値L01と第2の論理値L02と第3の論理値L03の制御で、第1のXORゲートXR1と第2のXORゲートXR2の一方が論理値1を出力し、他方が論理値0を出力する。これらの場合、第1のANDゲートAR1が低レベルの第1のサブ制御信号Cfを出力し、第2のANDゲートAR2が低レベルの第2のサブ制御信号Csを出力する。
【0053】
例えば、
図4Cのように、入力周波数f
iがフィードバック周波数f
bより小さい場合、ある時点に、フィードバック信号S
bの第1のエッジEG1に対応する第1の中間信号S
im1のレベルが高レベルである場合、第1のエッジEG1の第1の論理値L01が1であり、フィードバック信号S
bの第2のエッジEG2に対応する第1の中間信号S
im1のレベルが高レベルである場合に、第2のエッジEG2の第2の論理値L02が1であり、フィードバック信号S
bの第3のエッジEG3に対応する第1の中間信号S
im1のレベルが高レベルである場合に、第3のエッジEG3の第3の論理値L03が1である。
図4Cに示す例において、該時点に、第1のXORゲートXR1が第1の論理値L01(即ち1)と第2の論理値L02(即ち1)を受信し、第1の論理値L01と第2の論理値L02に基づいて論理値0を出力し、第2のXORゲートXR2が第2の論理値L02(即ち1)と第3の論理値L03(即ち1)を受信し、第2の論理値L02と第3の論理値L03に基づいて論理値0を出力する。この時、第1のANDゲートAR1の第1のデータ入力端と第2のデータ入力端がいずれも論理値0を受信し、これにより、第1のANDゲートAR1が低レベルの第1のサブ制御信号Cfを出力し、第2のANDゲートAR2の第1のデータ入力端と第2のデータ入力端がいずれも論理値1を受信し、これにより、第2のANDゲートAR2が高レベルの第2のサブ制御信号Csを出力する。
【0054】
例えば、
図4Dのように、入力周波数f
iがフィードバック周波数f
bより小さい場合、ある時点に、フィードバック信号S
bの第1のエッジEG1に対応する第1の中間信号S
im1のレベルが低レベルである場合に、第1のエッジEG1の第1の論理値L01が0であり、フィードバック信号S
bの第2のエッジEG2に対応する第1の中間信号S
im1のレベルが低レベルである場合に、第2のエッジEG2の第2の論理値L02が0であり、フィードバック信号S
bの第3のエッジEG3に対応する第1の中間信号S
im1のレベルが低レベルである場合に、第3のエッジEG3の第3の論理値L03が0である。
図4Dに示す例において、該時点に、第1のXORゲートXR1が第1の論理値L01(即ち0)と第2の論理値L02(即ち0)を受信し、第1の論理値L01と第2の論理値L02に基づいて論理値0を出力し、第2のXORゲートXR2が第2の論理値L02(即ち0)と第3の論理値L03(即ち0)を受信し、第2の論理値L02と第3の論理値L03に基づいて論理値0を出力する。この時、第1のANDゲートAR1の第1のデータ入力端と第2のデータ入力端がいずれも論理値0を受信し、これにより、第1のANDゲートAR1が低レベルの第1のサブ制御信号Cfを出力し、第2のANDゲートAR2の第1のデータ入力端と第2のデータ入力端がいずれも論理値1を受信し、これにより、第2のANDゲートAR2が高レベルの第2のサブ制御信号Csを出力する。
【0055】
説明したいのは、入力周波数f
iがフィードバック周波数f
bより小さい場合、
図4Cと
図4Dに示す時点以外に、第1の論理値L01と第2の論理値L02と第3の論理値L03の制御で、第1のXORゲートXR1と第2のXORゲートXR2の一方が論理値1を出力し、他方が論理値0を出力し、これらの場合、第1のANDゲートAR1が低レベルの第1のサブ制御信号Cfを出力し、第2のANDゲートAR2が低レベルの第2のサブ制御信号Csを出力する。
【0056】
例えば、
図2のように、信号生成サブ回路112が、制御信号に基づいて周波数制御ワードFを生成し、クロック信号Clkの制御で周波数制御ワードFをデジタル制御発振回路12に出力するように構成される。例えば、クロック信号が出力信号又はフィードバック周波数を有するフィードバック信号であってもよい。
【0057】
例えば、周波数制御ワードFが正の整数であってもよいため、出力の目標周波数の正確度を高めることができる。ただし、本開示はこれに限定されず、周波数制御ワードFが正の実数であってよく、即ち、周波数制御ワードが小数部と整数部を含んでもよい。
【0058】
例えば、信号生成サブ回路112が、第1のサブ制御信号Cfに基づいて、調整対象となる周波数制御ワードから第1の調整パラメータを減算して、周波数制御ワードFを生成するように構成され、又は、信号生成サブ回路112が、第2のサブ制御信号Csに基づいて、調整対象となる周波数制御ワードに第2の調整パラメータを加算して、周波数制御ワードFを生成するように構成される。
【0059】
例えば、周波数制御ワードを調整する前(例えば、周波数ロックループが使用される前)に、調整対象となる周波数制御ワードがランダムに設定されてもよく、或いは、実際の必要に応じて設定されてもよい。後の調整プロセスにおいて、調整対象となる周波数制御ワードが隣の前回調整し取得された周波数制御ワードであり、つまり、例えば、一回目の調整プロセスにおいて、信号生成サブ回路112が制御信号に基づいて最初の調整対象となる周波数制御ワードを調整し、例えば第1の周波数制御ワードを取得し、第1の周波数制御ワードがデジタル制御発振回路12に出力され、同時に、該第1の周波数制御ワードが信号生成サブ回路112に記憶され、例えば二回目の調整プロセスにおける調整対象となる周波数制御ワードとしてもよい。二回目の調整プロセスにおいて、信号生成サブ回路112が、制御信号に基づいて第1の周波数制御ワードを調整し、例えば第2の周波数制御ワードを取得し、第2の周波数制御ワードがデジタル制御発振回路12に出力され、同時に、該第2の周波数制御ワードが信号生成サブ回路112に記憶され、例えば三回目の調整プロセスにおける調整対象となる周波数制御ワードとしてもよく、これによって類推する。
【0060】
図5は、本開示の一実施例で提供される信号生成サブ回路の構成模式図である。
【0061】
例えば、一部の実施例において、
図5のように、信号生成サブ回路112が、演算モジュール1120と記憶モジュール1121を含んでもよい。演算モジュール1120は、第1のサブ制御信号Cfに基づいて、調整対象となる周波数制御ワードから第1の調整パラメータを減算して、周波数制御ワードFを生成するように構成され、又は、演算モジュール1120が、第2のサブ制御信号Csに基づいて、調整対象となる周波数制御ワードに第2の調整パラメータを加算して、周波数制御ワードFを生成するように構成される。記憶モジュール1121が、調整対象となる周波数制御ワードと周波数制御ワードFを記憶するように構成される。
【0062】
例えば、一部の実施例において、第1の調整パラメータと第2の調整パラメータの記号が同じであり、第1の調整パラメータと第2の調整パラメータが同じであってもよく、且つ第1の調整パラメータと第2の調整パラメータがいずれも1である。ただし、本開示は、これに限定されない。例えば、第1の調整パラメータと第2の調整パラメータがいずれも2である。また、例えば、第1の調整パラメータと第2の調整パラメータが異なってもよく、第1の調整パラメータが1であり、第2の調整パラメータが2であってもよい。他の一部の実施例において、第1の調整パラメータと第2の調整パラメータの記号が逆になってもよく、例えば、第1の調整パラメータが-1であり、第2の調整パラメータが1であってもよく、この場合、信号生成サブ回路112が加算器と記憶モジュールを含んでもよい。加算器が、第1のサブ制御信号Cfに基づいて、調整対象となる周波数制御ワードに第1の調整パラメータを加算して、周波数制御ワードFを生成するように構成され、又は、加算器が、第2のサブ制御信号Csに基づいて、調整対象となる周波数制御ワードに第2の調整パラメータを加算して、周波数制御ワードFを生成するように構成される。記憶モジュールが、調整対象となる周波数制御ワードと周波数制御ワードFを記憶するように構成される。
【0063】
例えば、信号生成サブ回路112は、出力モジュール(図示せず)をさらに含んでもよい。出力モジュールは、クロック信号Clkの制御で例えば記憶モジュール1121から周波数制御ワードFを取得し、該周波数制御ワードFをデジタル制御発振回路12に出力するために用いられる。
【0064】
例えば、記憶モジュール1121は、各種類の記憶媒体であってもよい。演算モジュール1120および出力モジュールは、ハードウェア回路を用いて実現されてもよい。演算モジュール1120は、例えばトランジスタ、抵抗、容量、およびアンプなどの素子で構成されてもよい。出力モジュールは、例えば、フリップフロップなどの素子で構成されてもよい。もちろん、演算モジュール1120と出力モジュールの機能は、ソフトウェアにより実現されてもよい。例えば、記憶モジュール1121には、コンピュータ命令とデータが記憶されてもよく、プロセッサは、記憶モジュール1121に記憶されるコンピュータ命令とデータを実行し演算モジュール1120と出力モジュールの機能を実現してもよい。
【0065】
図6は、本開示の一実施例で提供される他の周波数ロックループの構成模式図である。
【0066】
例えば、
図6のように、デジタル制御発振回路12が、基准時間単位生成サブ回路120と周波数調整サブ回路121を含んでもよい。基准時間単位生成サブ回路120は、基准時間単位を生成して出力するように構成される。周波数調整サブ回路121は、周波数制御ワードと基准時間単位に基づいて、目標周波数f
dcoを有する出力信号を生成して出力するように構成される。
【0067】
図7Aは、本開示の一実施例で提供される基准時間単位生成サブ回路の模式的なブロック図を示した。
図7Bは、本開示の一実施例で提供される基准時間単位生成サブ回路の模式的な構成図を示した。
図8は、本開示の一実施例で提供される均一な位相間隔を有するK個の基准出力信号の模式図である。
【0068】
例えば、基准時間単位生成サブ回路120は、均一な位相間隔を有するK個の基准出力信号及び基准時間単位△を生成して出力するように構成される。
図7Aのように、基准時間単位生成サブ回路120は、電圧制御発振器(VCO)1201、位相ロックループ回路1202、及びK個の出力端1203を含んでもよい。電圧制御発振器1201は、規定の発振周波数で発振するように構成される。位相ロックループ回路1202は、電圧制御発振器1201の出力周波数を基准出力周波数にロックするように構成される。K個の出力端1203は、均一な位相間隔を有するK個の基准出力信号を出力するように構成される。ただし、Kが1より大きい正の整数である。例えば、K=16、32、128、又は他の数値。
【0069】
例えば、基准時間単位が△と表してもよく、基准出力周波数がf
dと表してもよい。
図8のように、基准時間単位△は、K個の出力端1203が出力する、隣接する任意の2つの出力信号の間の時間スパン(time span)である。基准時間単位△は、通常、多段の電圧制御発振器1201によって生成される。電圧制御発振器1201が生成する信号の周波数f
vcoは、位相ロックループ回路1202によって既知の基准出力周波数f
dにロックされてもよく、即ちf
d=f
vco。
【0070】
例えば、基准時間単位△は、以下の式を用いて計算されてもよい。
△=Td/K=1/(K・fd)
ただし、Tdは、多段の電圧制御発振器1201が生成する信号の周期を表す。fΔが基准時間単位の周波数を表すと、
fΔ=1/△=K・fd
となる。
【0071】
例えば、
図7Bのように、位相ロックループ回路1202は、位相検出器(PFD)、ループフィルタ(LPF)、及び分周器(FN)を含む。例えば、本開示の実施例において、まず、レファレンス周波数を有するレファレンス信号が、位相検出器に入力され、そして、ループフィルタに入り、次、電圧制御発振器に入ってもよく、最後に、電圧制御発振器が生成した、規定の発振周波数f
vcoを有する信号が分周器によって周波数分割され、周波数分割信号の分割周波数f
vco/N
0が取得され、分割周波数f
vco/N
0が位相検出器にフィードバックされてもよく、位相検出器が、レファレンス信号のレファレンス周波数と分割周波数f
vco/N
0を比較するために用いられる。レファレンス周波数が分割周波数f
vco/N
0の周波数及び位相と等しい場合、両者の誤差がゼロであり、この時、位相ロックループ回路1202は、ロック状態にある。
【0072】
例えば、ループフィルタがローパスフィルタであってもよい。分周器の周波数分割係数はN0であり、N0が実数であり、且つN0が1以上である。
【0073】
留意されたいのは、
図7Bに示す回路構成が基准時間単位生成サブ回路120の1つの例示的な実現方式に過ぎない。基准時間単位生成サブ回路120の具体的な構成は、これ限定されなく、他の回路構成で構築されてもよい。ここで、本開示は、これを制限しない。例えば、Kと△は、実際の必要に応じて、予め設定され、且つ固定されてもよい。
【0074】
図9は、本開示の一実施例で提供される周波数調整サブ回路の模式的なブロック図を示した。
図10は、本開示の一実施例で提供される周波数調整サブ回路の動作原理の模式図を示した。
【0075】
例えば、
図9のように、周波数調整サブ回路121は、第1の入力モジュール1211と、第2の入力モジュール1212と、出力モジュール1213を含む。第1の入力モジュール1211は、基准時間単位生成サブ回路120から出力された均一な位相間隔を有するK個の基准出力信号と基准時間単位を受信するように構成される。第2の入力モジュール1212は、制御回路11からの周波数制御ワードFを受信するように構成される。出力モジュール1213は、周波数制御ワードと基准時間単位にマッチする、目標周波数を有する出力信号を生成して出力するように構成される。
【0076】
例えば、周波数調整サブ回路121は、時間平均周波数直接周期合成(TAF-DPS)器を含んでもよい。。時間平均周波数直接周期合成(TAF-DPS:Time-Average-Frequency Direct Period Synthesis)技術は、新しい時間平均周波数の概念に基づいて任意の周波数のパルス信号を生成することができる新興の周波数合成技術である。つまり、TAF-DPS合成器は、周波数の小さい粒度での微細な調整を可能にする。また、個々のシングルパルスは直接的に構成されるため、TAF-DPS合成器の出力周波数が瞬間的に変更することができ、即ち、周波数切り替えの迅速性がある。TAF-DPS合成器の周波数粒度はいくつかのppb(parts per billion)に達することができたことが実験で証明された。さらに重要なことは、TAF-DPSの周波数切り替え速度は量子化可能である。つまり、周波数制御ワードの更新を受信する時刻から周波数が切り替わる時刻までの応答時間は、クロック周期に基づいて計算されてもよい。これらの特性はTAF-DPSをデジタル制御発振器(DCO)としての理想的な回路モジュールにする。TAF-DPS合成器は、本開示の実施例における周波数調整サブ回路121の1つの具体的な実施形態としてもよい。
【0077】
これにより、本開示の実施例で提供される周波数ロックループの利点が、以下の内容を含むが、これに限定されない。
【0078】
(1)低コストと現実の柔軟性。TAF-DPSに基づく周波数ロックループが、デジタル設計を完全に使用して、HDL符号化によってプログラム可能な論理デバイス(例えば、FPGA)に焼成され、周波数ロックループのパラメータもいつでも簡単に再設定されてもよい。よって、特殊な専用回路を使う必要はなく、一般的なFPGAや他のプログラム可能なデバイスを使って、周波数ロックループの機能を実現できる。もちろん、ASICを採用して、周波数ロックループの機能を実現してもよい。
【0079】
(2)高精度。TAF-DPSが出力するパルス信号の周波数/周期は正確に制御されることができ、その周波数の分解能は10億分の1に達することができ、時間の同期精度を効果的に高めることができる。
【0080】
(3)TAF-DPSに基づく周波数ロックループは、小数型の周波数ロックループと整数型の周波数ロックループのアーキテクチャに対して脱異化を行い、小数型の周波数ロックループと整数型の周波数ロックループにおける主要な周波数弁別器、発振器などの構成は同じである。
【0081】
(4)TAF-DPSに基づく周波数ロックループから出力されるクロック信号のジッタ(jitter)は、TAF-DPSのみに関連し、周波数ロックループ全体中の他のデバイスとは無関係である。周波数ロックループ全体は、デジタル信号によって伝送されるため、TAF-DPSが周波数制御ワードを受信すると、対応する周波数を出力する。よって、出力信号の品質がTAF-DPSのみに関連し、クロック信号の一致性分析にさらに有利である。
【0082】
例えば、TAF-DPS合成器は、専用な集成回路(例えば、ASIC)又はプログラム可能な論理デバイス(例えば、FPGA)を使用して実現されてもよい。或いは、TAF-DPS合成器は、伝統的なアナログ回路デバイスを使用して実現されてもよい。本開示において、これを制限しない。
【0083】
説明したいのは、本開示において、ppmとppbがいずれも周波数偏差を表すために用いられてもよく、ppmとppbが、1つの特定の中心周波数において許容される周波数偏差の値を表す。例えば、X ppmは、最大周波数誤差が中心周波数の百万分のXであることを示し、同様に、X ppbは、最大周波数誤差が中心周波数の十億分のXであることを示している。周波数は、ヘルツ(Hz)を単位とする。
【0084】
以下、
図10を参照してTAF-DPS合成器に基づく周波数調整サブ回路121の動作原理を説明する。
【0085】
例えば、
図10のように、TAF-DPS合成器510に基づく周波数調整サブ回路121が基准時間単位520と周波数制御ワード530という2つの入力を有する。周波数制御ワード530がFと表し、F=I+r、且つIが1より大きい整数であり、rが分数である。
【0086】
例えば、TAF-DPS合成器510は、1つの出力CLK 550を有する。該CLK 550は、合成された時間平均周波数クロック信号である。本開示の実施例において、CLK 550が目標周波数を有する出力信号である。基准時間単位520に基づいて、TAF-DPS合成器510が 二種類の周期を生成してもよく、即ち、第1の周期TA=I・Δと第2の周期TB=(I+1)・Δである。出力CLK 550は、クロックパルス列540であり、該クロックパルス列540が第1の周期TA 541と第2の周期TB 542でインターリーブされて構成される。分数rは、第2の周期TBの出現確率を制御するために用いられるため、rが第1の周期TAの出現確率を決定してもよい。例えば、本開示において、rが0である。これによって、TAF-DPS合成器510は、一種類の周期のみを生成し、例えば、第1の周期TAである。
【0087】
例えば、
図10のように、出力信号CLK 550の周期T
TAF-DPSは、以下の式で表されてもよい。
T
dco=(1-r)・T
A+r・T
B
=T
A+r・(T
B-T
A)=T
A+r・Δ=I・Δ+r・Δ=(I+r)・Δ=I・Δ
よって、周波数制御ワード530がF=Iである場合、以下の式が取得されてもよい。
T
dco=F・Δ (1)
以上の式(1)からわかるように、TAF-DPS合成器510が出力する出力信号CLKの周期T
dcoは、周波数制御ワード530に線形比例する。周波数制御ワード530が変化すると、TAF-DPS合成器510が出力する出力信号の周期T
dcoも同じ形で変化する。
【0088】
例えば、上記式(1)に基づいて、目標周波数fdcoが以下に表されてもよい。
fdco=1/Tdco=1/(F・Δ)=fΔ/F
ただし、△が基准時間単位を表し、fΔが基准時間単位の周波数を表す。
【0089】
図11Aは、本開示の一実施例で提供される周波数調整サブ回路の構成模式図である。
図11Bは、本開示の一実施例で提供される他の周波数調整サブ回路の構成模式図。
【0090】
以下、
図11Aと11Bを参照してTAF-DPS合成器の回路構成を説明する。
【0091】
例えば、
図11Aのように、一実施例において、第1の入力モジュール1211は、K→1マルチプレクサ711を含む。K→1マルチプレクサ711は、均一な位相間隔を有するK個の基准出力信号を受信するための複数の入力端、制御入力端及び出力端を有する。
【0092】
例えば、出力モジュール1213は、トリガー回路730を含む。トリガー回路730は、パルス列を生成するために用いられる。本開示において、rが0である場合、パルス列は、例えば、第1の周期TAのパルス信号で構成される。トリガー回路730は、Dフリップフロップ7301、インバータ7302、及び出力端7303を含む。Dフリップフロップ7301は、データ入力端、K→1マルチプレクサ711の出力端からの出力を受信するためのクロック入力端、及び第1のクロック信号CLK1を出力するための出力端を含む。インバータ7302は、第1のクロック信号CLK1を受信するためのインバータ入力端と、第2のクロック信号CLK2を出力するためのインバータ出力端を含む。トリガー回路730の出力端7303は、目標周波数fdcoを有する出力信号Soutとして第1のクロック信号CLK1を出力するために用いられる。
【0093】
例えば、第1のクロック信号CLK1は、パルス列を含む。第2のクロック信号CLK2は、Dフリップフロップ7301のデータ入力端に接続される。
【0094】
例えば、第2の入力モジュール1212は、論理制御回路740を含む。論理制御回路740は、制御回路11が出力する周波数制御ワードFを受信するための入力端と、第1のクロック信号CLK1を受信するためのクロック入力端と、第1の入力モジュール1211のK→1マルチプレクサの制御入力端に接続される出力端を含む。
【0095】
例えば、
図11Bのように、他の実施例において、第1の入力モジュール1211は、第1のK→1マルチプレクサ721、第2のK→1マルチプレクサ723、及び2→1マルチプレクサ725を含む。第1のK→1マルチプレクサ721と第2のK→1マルチプレクサ723は、均一な位相間隔を有するK個の信号を受信するための複数の入力端、制御入力端、及び出力端をそれぞれ含む。2→1マルチプレクサ725は、制御入力端、出力端、第1のK→1マルチプレクサ721の出力を受信するための第1の入力端、及び第2のK→1マルチプレクサ723の出力を受信するための第2の入力端を含む。
【0096】
例えば、
図11Bのように、出力モジュール1213は、トリガー回路を含む。トリガー回路は、パルス列を生成するために用いられる。トリガー回路は、Dフリップフロップ761、インバータ763、及び出力端762を含む。Dフリップフロップ761は、データ入力端と、2→1マルチプレクサ725の出力端からの出力を受信するためのクロック入力端と、第1のクロック信号CLK1を出力するための出力端を含む。インバータ763は、第1のクロック信号CLK1を受信するための入力端と、第2のクロック信号CLK2を出力するため出力端を含む。トリガー回路の出力端762は、目標周波数f
dcoを有する出力信号S
outとして第1のクロック信号CLK1を出力するために用いられる。
【0097】
例えば、第1のクロック信号CLK1が2→1マルチプレクサ725の制御入力端に接続され、第2のクロック信号CLK2がDフリップフロップ761のデータ入力端に接続される。
【0098】
例えば、
図11Bのように、第2の入力モジュール1212は、第1の論理制御回路70と第2の論理制御回路74を含む。第1の論理制御回路70は、第1の加算器701、第1のレジスタ703、及び第2のレジスタ705を含む。第2の論理制御回路74は、第2の加算器741、第3のレジスタ743、及び第4のレジスタ745を含む。
【0099】
第1の加算器701は、周波数制御ワード(F)と第1のレジスタ703に記憶された最上位ビット(most significant bits、例えば5ビット)を加算し、そして、第2のクロック信号CLK2の立ち上がりエッジの時に加算結果を第1のレジスタ703に保存する。或いは、第1の加算器701は、周波数制御ワード(F)と第1のレジスタ703に記憶されるすべての情報を加算し、そして、第2のクロック信号CLK2の立ち上がりエッジの時に加算結果を第1のレジスタ703に保存する。次の第2のクロック信号CLK2の立ち上がりエッジの時に、第1のレジスタ703に記憶された最上位ビットが第2のレジスタ705に記憶され、第1のK→1マルチプレクサ721の選択信号としてK個の多相入力信号から1つの信号を第1のK→1マルチプレクサ721の第1の出力信号として選択するために用いられる。
【0100】
第2の加算器741は、周波数制御ワード(F)と第1のレジスタ703に記憶された最上位ビットを加算し、そして、第2のクロック信号CLK2の立ち上がりエッジの時に加算結果を第3のレジスタ743に保存する。次の第1のクロック信号CLK1の立ち上がりエッジの時に第3のレジスタ743に記憶された情報が第4のレジスタ745に記憶され、第2のK→1マルチプレクサ723の選択信号としてK個の多相入力信号から1つの信号を第2のK→1マルチプレクサ723の第2の出力信号として選択するために用いられる。
【0101】
2→1マルチプレクサ725は、第1のクロック信号CLK1の立ち上がりエッジの時に、第1のK→1マルチプレクサ721からの第1の出力信号と第2のK→1マルチプレクサ723からの第2の出力信号の一方を2→1マルチプレクサ725の出力信号として選択し、Dフリップフロップ761の入力クロック信号とするために用いられる。
【0102】
例えば、
図11Aと
図11Bに示すTAF-DPS合成器が出力する出力信号S
outの周期(T
dco)は、以上の式(1)で計算し取得されてもよい。例えば、周波数制御ワードは、F=I+rの形で設定され、ただし、Iが[2、2K]の範囲内の整数であり、rが0である。
【0103】
なお、TAF-DPSの動作原理については、文献L. XIU, Nanometer Frequency Synthesis beyond the Phase-Locked Loop”, Piscataway, NJ 08854, USA, John Wiley IEEE-press, 2012と、L. XIU, “From Frequency to Time-Average-Frequency: a Paradigm Shift in the Design of Electronic System”, Piscataway, NJ 08854, USA, John Wiley IEEE-press, 2015を参照してもよい。ここでは、引用によってそのすべての内容を参照として組み込む。
【0104】
例えば、
図2と
図6のように、一部の実施例において、周波数ロックループ10は、第1の周波数分割回路13をさらに含む。第1の周波数分割回路13は、目標周波数f
dcoに基づいてフィードバック周波数f
bを生成し、フィードバック周波数f
bを有するフィードバック信号を制御回路11に入力するように構成される。
【0105】
例えば、第1の周波数分割回路13の周波数分割係数は、Nであってもよい。よって、フィードバック周波数fbが以下に表されてもよく、
fb=fdco/N
ただし、fbがフィードバック周波数を表し、fdcoが目標周波数を表し、Nが第1の周波数分割回路13の周波数分割係数を表し、Nが正の整数である。
【0106】
例えば、一部の例において、入力周波数f
iがあるフィードバック周波数f
bとちょうど完全に等しくてもよく、この時、入力周波数f
iと周波数制御ワードFの関係は、以下に表されてもよい。
【数6】
ただし、f
Δが基准時間単位の周波数を表す。
【0107】
例えば、上記関係式(2)に基づいて、周波数制御ワードFは、以下に表されてもよい。
F=f
Δ/(f
i・N)
これからわかるように、周波数制御ワードFは、基准時間単位の周波数f
Δにも関係する。
図6のように、基准時間単位生成サブ回路120は、さらに、基准時間単位△を信号生成サブ回路112に出力するように構成される。
【0108】
例えば、他の例では、入力周波数f
iは、フィードバック周波数f
bのいずれにも完全に等しくない。本開示の実施例で提供される周波数ロックループは、平均時間周波数の概念に従って、任意の入力周波数を2つの周波数で構成してもよい。この時、入力周波数f
iと周波数制御ワードFの関係は、以下に表れてもよい。
【数7】
ただし、f
1とf
2がいずれもフィードバック周波数を表し、p、qがいずれも係数であり、pがf
1の重みを表し、qがf
2の重みを表し、f
Δが基准時間単位の周波数を表し、Fが周波数制御ワードを表す。例えば、f
1が第1のフィードバック周波数を表し、f
2が第2のフィードバック周波数を表し、pが第1のフィードバック周波数f
1が現れる確率を表し、qが第2のフィードバック周波数f
2が現れる確率を表す。よって、上記関係式(3)によれば、最後に、周波数制御ワードFは、2つの整数の間に発振し、さらにロック状態に入ることがわかる。
【0109】
図12は、本開示の一実施例で提供される周波数ロックループの周波数追跡特性の模式図。
図12のように、入力周波数f
iがある固定値(例えば、20MHz)であり、周波数ロックループ10から出力される目標周波数f
dcoが第1の周波数値と第2の周波数値(例えば、該第1の周波数値と第2の周波数値がいずれも一定値である)との間に発振し、且つ周波数ロックループ10が出力の目標周波数をロックする。この時、周波数ロックループ10から出力される出力信号の第1の平均目標周波数が第1の周波数値と第2の周波数値に基づいて取得されてもよい。入力周波数f
iが突然変更されると(例えば、入力周波数f
iが38MHzになる)、周波数ロックループ10は、迅速に応答し、短時間後、再びロック状態になり、この時、周波数ロックループ10から出力される目標周波数f
dcoが第3の周波数値と第4の周波数値(例えば、該第3の周波数値と第4の周波数値がいずれも一定値である)との間に発振する。この時、周波数ロックループ10から出力される出力信号の第2の平均目標周波数は、第3の周波数値と第4の周波数値に基づいて取得されてもよい。
図12からわかるように、ロック状態で周波数ロックループ10から出力される目標周波数は、2つの周波数の間に往復して発振し、平均周波数を実現する。例えば、本開示の実施例で提供される周波数ロックループ10の精度は、実際テスト結果として0.0125 ppbまでに達することができる。
【0110】
図13は、本開示の一実施例で提供される他の周波数ロックループの回路構成模式図である。
【0111】
例えば、小数周波数ロックループは、現在、ロックリング領域の設計上の難点であるが、本開示の実施例で提供される周波数ロックループの中で、小数の桁数が高くなる可能性がある。例えば、他の一部の実施例において、
図13のように、周波数ロックループ10は、第1の周波数分割回路13と第2の周波数分割回路14をさらに含む。例えば、第1の周波数分割回路1は、目標周波数に基づいてフィードバック周波数を生成し、フィードバック周波数を有するフィードバック信号を制御回路に入力するように構成される。第2の周波数分割回路14は、入力周波数を分周して第2の中間周波数を生成し、第2の中間周波数を有する第2の中間信号を制御回路11に入力するように構成される。
【0112】
例えば、フィードバック周波数f
bが以下に表れてもよい。
f
b=f
dco/P
ただし、f
dcoが目標周波数を表し、Pが第1の周波数分割回路13の第1の周波数分割係数を表し、Pが正の整数である。説明したいのは、
図13に示す実施例における第1の周波数分割回路13の構成、パラメータ(例えば、第1の周波数分割係数P)などは、
図2に示す実施例における第1の周波数分割回路13の構成、パラメータ(例えば、第1の周波数分割係数N)と同じくなってもよく、異なってもよい。例えば、Nが、Pと等しいであってもよく、Pと等しくないであってもよい。本開示において、ことを具体的に制限しない。
【0113】
例えば、第2の中間周波数fim2は、以下に表れる。
fim2=fi/D
ただし、fiが入力周波数を表し、Dが第2の周波数分割回路14の第2の周波数分割係数を表し、Dが正の整数であり、且つPがD以上である。
【0114】
例えば、
図2に示す実施例で提供される周波数ロックループが、整数周波数逓倍を実現でき、
図13に示す実施例で提供される周波数ロックループが、任意の値の周波数逓倍又は周波数分割を実現できる。一部の例において、出力の目標周波数の精度がppb級に留まるため、周波数ロックループは、小数の分解能として0.0078125(1/128)を採用した。
【0115】
説明したいのは、第2の周波数分割回路14によって入力周波数を分周した以外、
図13に示す実施例で提供される周波数ロックループにおける他の回路の構成と機能が、
図2に示す周波数ロックループにおける各回路の構成と機能と同じであり、ここで説明を省略する。
【0116】
例えば、一部の例において、入力周波数f
iは、あるフィードバック周波数f
bとちょうど完全に等しいであってもよく、この時、入力周波数f
iと周波数制御ワードの関係が以下に表れる。
【数8】
ただし、f
Δが基准時間単位の周波数を表し、Fが周波数制御ワードを表す。
【0117】
例えば、他の一部の例において、入力周波数f
iは、フィードバック周波数f
bのいずれにも完全に等しくない。本開示の実施例で提供される周波数ロックループは、平均時間周波数の概念に従って、任意の入力周波数を2つの周波数で構成してもよい。この時、入力周波数f
iと周波数制御ワードの関係は、以下に表れる。
【数9】
ただし、f
1とf
2がいずれもフィードバック周波数を表し、p、qがいずれも係数であり、pがf
1の重みを表し、qがf
2の重みを表し、f
Δが基准時間単位の周波数を表し、Fが周波数制御ワードを表す。
【0118】
図14は、本開示の一実施例で提供される周波数ロックループの周波数の比のテスト図である。
図14のように、横座標がサンプリング時間を表し、サンプリング時間の単位がナノセカンド(ns)であり、縦座標が、目標周波数と入力周波数の周波数の比を表す。
図14から、目標周波数と入力周波数の周波数の比が1.83ppbの範囲内に精度が高いことがわかる。これから、本開示の実施例で提供される周波数ロックループの小数の分解能が0.0078125になった時でも高精度を維持できることがわかる。
【0119】
本開示の少なくとも一実施例は、電子機器をさらに提供する。
図15は、本開示の一実施例で提供される電子機器の模式的なブロック図である。
【0120】
例えば、
図15のように、本開示の実施例で提供される電子機器1は、周波数源20と、上記いずれかの実施例に記載の周波数ロックループ10と、を含んでもよい。
【0121】
例えば、周波数源20は、入力周波数を有する入力信号を提供し、該入力信号を周波数ロックループ10に伝送するように構成される。
【0122】
例えば、周波数源20は、自励発振ソースと合成周波数源を含んでもよい。自励発振ソースは、水晶発振器、空胴発振器、及び電圧制御発振器などを含む。合成周波数源は、直接アナログ式周波数源、直接デジタル式周波数源、間接アナログ式周波数源、及び間接デジタル式周波数源を含む。
【0123】
説明したいのは、周波数ロックループに関する詳細な説明は、上記周波数ロックループの実施例における関連説明を参照してもよく、ここで、説明を省略する。
【0124】
本開示の少なくとも一実施例は、周波数生成方法をさらに提供する。
図16は、本開示の一実施例で提供される周波数生成方法の模式的なフロー図である。本開示の実施例で提供される周波数生成方法は、本開示のいずれかの実施例に記載の周波数ロックループに基づいて実現されてもよい。
【0125】
例えば、
図16のように、本開示の実施例で提供される周波数生成方法は、入力周波数とフィードバック周波数の大小関係を判断し、制御信号を取得し、制御信号に基づいて周波数制御ワードを決定するステップ(S11)と、周波数制御ワードに基づいて、目標周波数を有する出力信号を生成して出力するステップ(S12)を含んでもよい。
【0126】
例えば、ステップS11において、制御信号は、第1のサブ制御信号と第2のサブ制御信号を含む。入力周波数とフィードバック周波数の大小関係を判断し制御信号を取得するステップは、入力周波数がフィードバック周波数より大きい場合、第1のサブ制御信号を生成し、入力周波数がフィードバック周波数より小さい場合、第1のサブ制御信号と異なる第2のサブ制御信号を生成することを含んでもよい。
【0127】
本開示の実施例で提供される周波数生成方法は、入力周波数とフィードバック周波数の大きさを利用して周波数制御ワードを生成するように制御し、そして、周波数制御ワードに基づいて目標周波数を生成し、入力周波数が、目標周波数に対応する必要なく、任意の値であってもよい。該周波数生成方法に、精度が高く、応答速度が速く、消費電力が低く、体積が小さく、プログラム可能などの特徴がある。
【0128】
例えば、ステップS11において、制御信号に基づいて周波数制御ワードを決定する動作は、第1のサブ制御信号に基づいて、調整対象となる周波数制御ワードから第1の調整パラメータを減算して、周波数制御ワードを生成することと、又は、第2のサブ制御信号に基づいて、調整対象となる周波数制御ワードに第2の調整パラメータを加算して、周波数制御ワードを生成することと、を含んでもよい。
【0129】
例えば、第1の調整パラメータと第2の調整パラメータが同じく、且つ例えば、いずれも1である。
【0130】
例えば、ステップS12において、目標周波数を有する出力信号は、TAF-DPS合成器で生成されてもよい。
【0131】
説明したいのは、前記周波数生成方法に対する説明が、以上に周波数ロックループに対する説明を参照してもよく、例えば、ステップS11が、本開示のいずれかの実施例に記載の周波数ロックループにおける制御回路で実現されてもよく、ステップS12が、本開示のいずれかの実施例に前記の周波数ロックループにおけるデジタル制御発振回路で実現されてもよく、ここで類似的な動作又はステップを省略する。
【0132】
以下のいくつか内容について説明する必要がある。
【0133】
(1)本開示の実施例の図面は、本開示の一部の実施例に係る構成にのみ関連し、他の構成は、通常設計を参照してもよい。
【0134】
(2)衝突しない場合には、本開示の各実施例及び実施例における特徴は、互いに組み合わせて新たな実施例を得てもよい。
【0135】
以上で述べられたものが本開示の具体的な実施形態のみであるが、本開示の保護の範囲はこれに限定されず、本開示の保護の範囲が、記載される請求項の保護の範囲に準じるべきである。
【符号の説明】
【0136】
10 周波数ロックループ
11 制御回路
12 デジタル制御発振回路
13 第1の周波数分割回路
14 第2の周波数分割回路
【国際調査報告】