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特表2022-522920船舶のための舵および2つの舵を備えたダブルプロペラ船舶
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-21
(54)【発明の名称】船舶のための舵および2つの舵を備えたダブルプロペラ船舶
(51)【国際特許分類】
   B63H 25/38 20060101AFI20220414BHJP
【FI】
B63H25/38 B
B63H25/38 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021529008
(86)(22)【出願日】2019-11-29
(85)【翻訳文提出日】2021-05-21
(86)【国際出願番号】 EP2019083065
(87)【国際公開番号】W WO2020109540
(87)【国際公開日】2020-06-04
(31)【優先権主張番号】202018106796.6
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】202019102807.6
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518190020
【氏名又は名称】ベッカー マリン システムズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】becker marine systems GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】ヘニング キュールマン
(57)【要約】
舵の流れ抵抗およびプロペラ後流の渦流を低減させる、船舶のための、特にダブルプロペラ船舶のための舵を提供する。船舶、特にダブルプロペラ船舶(200)のための舵(100,100a,100b)であって、船舶のプロペラ(211,212)の下流に配置され、上側舵区分(10,10a,10b)と下側舵区分(11,11a,11b)とを含み、下側舵区分(11,11a,11b)は、舵の一方の側(12)に向かって湾曲または屈曲されており、1つだけの下側舵区分(11,11a,11b)が設けられている、舵(100,100a,100b)が提案される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶、特にダブルプロペラ船舶(200)のための舵(100,100a,100b)であって、
前記舵(100,100a,100b)は、前記船舶のプロペラ(211,212)の下流に位置するように配置され、
前記舵(100,100a,100b)は、上側舵区分(10,10a,10b)と下側舵区分(11,11a,11b)とを含み、
前記下側舵区分(11,11a,11b)は、前記舵の一方の側(12)に向かって湾曲または屈曲されている、舵において、
前記下側舵区分(11,11a,11b)が1つだけ設けられていることを特徴とする舵(100,100a,100b)。
【請求項2】
前記上側舵区分(10,10a,10b)は、舵軸を収容するための収容スペース(40)を有している、請求項1に記載の舵(100,100a,100b)。
【請求項3】
前記舵(100,100a,100b)は、副舵または安定化舵を有しておらず、および/または前記下側舵区分(11,11a,11b)は副舵または安定化舵ではない、請求項1または2に記載の舵(100,100a,100b)。
【請求項4】
前記下側舵区分(11,11a,11b)は、前記上側舵区分(10,10a,10b)に対して所定の角度(29)を成して配置されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の舵(100,100a,100b)。
【請求項5】
前記上側舵区分(10,10a,10b)は上側の延在平面(25)内で延在し、
前記上側の延在平面(25)は好適には、前記舵の上側前縁(17)に対しておよび/または上側後縁(18)に対して平行に延び、
前記下側舵区分(11,11a,11b)は下側の延在平面(27)内で延在し、
前記下側の延在平面(27)は好適には、前記舵の下側前縁(19)に対しておよび/または下側後縁(20)に対して平行に延び、
前記下側の延在平面(27)は、前記上側の延在平面(25)に対して前記角度(29)を成して位置している、請求項4に記載の舵(100,100a,100b)。
【請求項6】
前記角度(29)は、5°~35°、好適には10°~30°、特に好適には15°~25°、極めて特に好適には20°である、請求項4または5に記載の舵(100,100a,100b)。
【請求項7】
前記上側舵区分(10,10a,10b)と前記下側舵区分(11,11a,11b)との間に移行領域(22,35)が配置され、
前記移行領域(22,35)は部分円弧状に、部分環状に、または楔状に形成されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の舵(100,100a,100b)。
【請求項8】
部分円弧状または部分環状に形成された前記移行領域(22,35)は、0.1m~10.0mの、好適には0.5m~5.0mの、特に好適には1.0m~2.0mの曲率半径(36)を有している、請求項7に記載の舵(100,100a,100b)。
【請求項9】
前記上側舵区分(10,10a,10b)は負圧面(33)と正圧面(34)とを有し、および/または前記下側舵区分(11,11a,11b)は負圧面(31)と正圧面(32)とを有している、請求項1から8のいずれか1項に記載の舵(100,100a,100b)。
【請求項10】
前記下側舵区分(11,11a,11b)の前記負圧面(31)と前記上側舵区分(10,10a,10b)の前記負圧面(33)とは、前記舵の同じ側に、または前記舵の反対側に配置されている、請求項9に記載の舵(100,100a,100b)。
【請求項11】
前記上側舵区分(10,10a,10b)の第1の高さ(37)は、前記下側舵区分(11,11a,11b)の第2の高さ(38)の1~2倍であり、好適には1.1~1.8倍であり、さらに好適には1.2~1.5倍であり、特に好適には1.3~1.4倍である、請求項1から10のいずれか1項に記載の舵(100,100a,100b)。
【請求項12】
前記上側舵区分(10,10a,10b)および/または前記下側舵区分(11,11a,11b)は、ツイスト加工された舵区分である、請求項1から11のいずれか1項に記載の舵(100,100a,100b)。
【請求項13】
前記舵(100,100a,100b)は舵バルブを含み、前記舵バルブは好適には前記移行領域(22,35)に配置されている、請求項1から12のいずれか1項に記載の舵(100,100a,100b)。
【請求項14】
前記舵(100,100a,100b)はフィン舵であり、フィン(14)、特に枢着されたフィンを含み、前記フィン(14)は好適には前記上側舵区分(10,10a,10b)にのみ配置されている、請求項1から13のいずれか1項に記載の舵(100,100a,100b)。
【請求項15】
1つの船体(210)と、2つのプロペラ(211,212)と、請求項1から14のいずれか1項に記載の2つの舵(100,100a,100b)とを含むダブルプロペラ船舶(200)であって、
第1の舵(100a)が第1のプロペラ(211)の下流に配置され、第2の舵(100b)が第2のプロペラ(212)の下流に配置されていることを特徴とする、ダブルプロペラ船舶(200)。
【請求項16】
前記第1の舵(100a)は、前記第2の舵(100b)に対して鏡面対称に形成されている、請求項15に記載のダブルプロペラ船舶(200)。
【請求項17】
前記第1の舵(100a)および前記第2の舵(100b)の下側舵区分(11,11a,11b)は、前記船体(210)に向かって湾曲または屈曲されている、請求項15または16に記載のダブルプロペラ船舶(200)。
【請求項18】
前記2つの舵(100,100a,100b)の上側舵区分(10,10a,10b)は、それぞれ1つの負圧面(33)と1つの正圧面(34)とを有しており、前記負圧面(33)は、前記舵(100,100a,100b)の、前記船体(210)から離れる方向の側に配置されている、請求項15から17のいずれか1項に記載のダブルプロペラ船舶(200)。
【請求項19】
前記ダブルプロペラ船舶(200)は、右舷に向かって操舵するために左舷側の舵(100,100a,100b)を、好適には左舷側の舵のみを切り、左舷に向かって操舵するために右舷側の舵(100,100a,100b)を、好適には右舷側の舵のみを切るように構成されている、請求項15から18のいずれか1項に記載のダブルプロペラ船舶(200)。
【請求項20】
船舶における、特にダブルプロペラ船舶における請求項1から14のいずれか1項に記載の舵の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶、特にダブルプロペラ船舶のための舵であって、船舶のプロペラの後流内に配置されるように形成されており、上側舵区分と下側舵区分とを含む舵に関する。本発明はさらに、1つの船体と2つのプロペラと2つの舵とを含むダブルプロペラ船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
船舶を操舵するために、プロペラの後流内に配置された舵が使用される。このような舵が切られる、すなわち向きが変えられるまたは旋回されると、舵の周囲を流れる水により、船舶の走行方向を変更させる揚力が舵に作用する。
【0003】
特に大型または中型の船舶では、十分な操舵作用を得るために必要な揚力を発生させることができるように、舵は特に大型でなければならない。しかしながら、大型の舵のサイズに起因する流れ抵抗は、船舶の効率および燃費に対して不都合に作用する。
【0004】
さらに、2つのプロペラを備えるダブルプロペラ船舶が公知である。通常は、第1のプロペラは船体の左舷側に、第2のプロペラは右舷側に位置している。両プロペラの後方の後流内に、それぞれ1つの舵が配置されている。船体は、側方で船体に配置されたプロペラおよび舵の領域における水の流れに影響を与え、これにより流れの、特にプロペラ後流の付加的な渦流が生じる。このような渦流も、プロペラおよび舵の効率に対して不都合に作用する。
【0005】
したがって従来技術において、プロペラ後流における流れ抵抗および渦流を減じる、特にダブルプロペラ船舶のための舵の必要性が生じている。
【0006】
特許文献1により、シングルプロペラ船舶のための、舵軸に接続する垂直舵と、垂直舵の中心平面の両側に配置された複数の副舵との合体が公知である。副舵は、舵バルブを介して垂直舵に接続されている。
【0007】
特許文献2には、上側区分と下側区分とを備えた舵が開示されており、この場合、下側区分は、中心平面の両側に配置された副舵を備えた二股の形状を有している。
【0008】
特許文献3により、船舶のための操舵装置が公知であり、この場合、船舶の1つのプロペラの両側に2つの操縦舵が配置されている。操縦舵はそれぞれ、舵の外側で延在する軸を中心として旋回可能である。
【0009】
特許文献4により公知の舵装置では、2つの操縦舵が実質的に半円形状に形成されており、この場合、プロペラの後流は、半円形に形成された舵の間を貫流する。
【0010】
特許文献5により、船舶用舵が公知であり、この船舶用舵は実質的にS字型の舵板を有している。
【0011】
特許文献6には、プロペラの後流内に配置されるそれぞれ1つの舵を備えたダブルプロペラ船舶が開示されており、各舵は、鉛直方向に対して角度αを成して向けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第2010/116799号
【特許文献2】韓国公開特許第10-2015-0008568号公報
【特許文献3】欧州特許出願公開第3103715号明細書
【特許文献4】仏国特許発明第1106851号明細書
【特許文献5】米国特許第5697315号明細書
【特許文献6】韓国公開特許第10-2013-0055876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の根底にある課題は、舵の流れ抵抗およびプロペラの後流の渦流を減じる、船舶のための、特にダブルプロペラ船舶のための舵を提供することである。さらに本発明の根底にある課題は、上記利点が得られるダブルプロペラ船舶を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の根底にある課題を解決するために、船舶、特にダブルプロペラ船舶のための舵であって、この舵は、船舶のプロペラの後流内に配置されるように形成され、上側舵区分と下側舵区分とを含み、この下側舵区分は、舵の一方の側に向かって湾曲または屈曲されており、この場合さらには、1つの下側舵区分が設けられている、舵が提案される。
【0015】
本発明による舵は、特に、中型および大型の船舶、例えばタグボート、フェリー、客船、タンカー、およびコンテナ船のような船舶に適している。
【0016】
本発明による舵は、船舶のプロペラの後流内に配置されるように形成されている。特に舵は、プロペラの後流の外側に配置されるようには形成されていないか、または設けられていない。さらに特に、舵は、船舶のプロペラの実質的に側方における配置のためには設けられていないか、または形成されていない。
【0017】
本発明による舵の本質的な態様は、1つの下側舵区分が設けられていることにある。特に、舵は2つ以上の下側舵区分を有していない。プロペラの後流において、船舶に、特にダブルプロペラ船舶に配置された状態で、上側舵区分は、プロペラ軸よりも鉛直方向上側に配置されている。下側舵区分は対応して、プロペラ軸よりも下側に配置されている。プロペラ軸を含む仮想の水平平面は、舵を、船舶に配置された状態で、上半部と下半部とに分割し、この場合、上側舵区分は上半部に相当し、下側舵区分は下半部に相当する。水平に延びる後流領域がない場合、もしくは水平に延びる後流渦(Nachstromhose)がない場合には、上半部および下半部もしくは上側舵区分および下側舵区分を、後流領域または後流渦の中心を通る仮想平面によって規定できることに注意されたい。水平に延びる後流領域もしくは水平に延びる後流渦とは別に、船体の影響により、鉛直方向上方に向けられたかつ/または船舶軸に向けられた速度成分が、後流領域または後流渦に強制的に与えられる。
【0018】
1つの下側舵区分を設けることにより、水が、特に後流が当接する舵の面積が低減されるので、複数の副舵または安定化舵を備えた従来技術での公知の舵よりも流れ抵抗が低減される。
【0019】
本発明によれば、舵は、上側舵区分と下側舵区分とを含み、下側舵区分は、舵の一方の側に向かって湾曲または屈曲されている。
【0020】
船舶に配置された状態で舵がニュートラル位置にあるとき、上側舵区分は、舵の背面図において、実質的に垂直に向けられている。これに対し、上側舵区分の下方に配置された下側舵区分は、垂直に向けられてはおらず、上側舵区分もしくは鉛直方向に対して角度を成して向けられている。換言すると、下側舵区分は、上側舵区分の、垂直方向で下方に向かって直線状に延長された仮想の延長線に対して角度を成して位置している。特に、下側舵区分の大部分は、上側舵区分の仮想延長線の側方に配置されている。
【0021】
下側舵区分は、舵の一方の側に向かって屈曲または湾曲して形成されていてもよい。湾曲された構成では、下側舵区分は、連続的な、または可変の湾曲を、舵の一方の側に向かって有している。屈曲された構成では、上側舵区分および下側舵区分は両方とも、実質的にまっすぐに形成されていて、舵は、上側舵区分と下側舵区分との間の移行部に屈曲部を有している。
【0022】
舵の一方の側に湾曲また屈曲された下側舵区分により、特にダブルプロペラ船舶で本発明による舵を使用する場合には、プロペラ後流における渦流が減じられる。ダブルプロペラ船舶において、船体に隣接する各プロペラの側方の配置により、流水、特にプロペラの後流の片側の影響が生じるので、舵の一方の側に向かって湾曲または屈曲された1つの下側舵区分を備えた本発明による舵は、渦流を減じるために特に適している。
【0023】
さらに、流水、特にプロペラ後流における渦流を減じることにより、舵の効率を上げることができるので、舵は、公知の舵と比較して高さを低くすることができる。さらに、舵厚を小さくすることもできる。このような手段により、流れ抵抗が小さくなり、製造コストの削減につながる。
【0024】
好適には、上側舵区分および/または下側舵区分は実質的にまっすぐに形成されている。特に、上側舵区分および/または下側舵区分は湾曲されておらず、またはS字型に形成されていない。
【0025】
好適には、上側舵区分は、舵軸を収容するための収容スペースを有している。
【0026】
したがって、上側舵区分と、上側舵区分に導入されてそこで取り付けられた舵軸とを介して、舵を船舶に取り付ける、懸吊する、または収容することができる。特に好適には、舵の回転軸または旋回軸は、上側舵区分を通って延びているので、舵の回転軸または旋回軸は、舵の外側には位置していない。
【0027】
さらに有利には、舵は、副舵または安定化舵を有していなくてよく、かつ/または下側舵区分は副舵または安定化舵でなくてよい。
【0028】
したがって、下側舵区分は、副舵または安定化舵ではない。特に、下側舵区分は、上側舵区分に対して湾曲または屈曲された構成または向きを除いて、好適には従来の下側舵区分と同様に形成され、実質的に対応する寸法を有している。これに対し、副舵または安定化舵は、はるかに小さく形成されていて、船舶の走行方向の変更というよりも、水中における船舶の位置を安定化させる役割を果たす。
【0029】
さらに好適には、下側舵区分は、上側舵区分に対して角度を成して位置していてよい。
【0030】
下側舵区分と上側舵区分との間の角度は、舵の、それぞれの側に配置された側壁の間において、舵の両側で規定することができる。
【0031】
好適には、上側舵区分は上側の延在平面内で延在しており、上側の延在平面は特に好適には、舵の上側前縁に対してかつ/または上側後縁に対して平行に延びており、下側舵区分は下側の延在平面内で延在しており、下側の延在平面は特に好適には、舵の下側前縁に対してかつ/または下側後縁に対して平行に延びており、下側の延在平面は、上側の延在平面に対して所定の角度を成して位置している。
【0032】
好適には、舵は上側舵区分に上側前縁を、場合によっては上側後縁を有している。さらに、舵は下側舵区分に下側前縁を、および場合によっては下側後縁を有している。さらに、上側舵区分および下側舵区分は側壁を有している。
【0033】
上側の延在平面および下側の延在平面はそれぞれ、上側舵区分の中心平面および下側舵区分の中心平面に実質的に対応している。船舶に配置された状態で、上側の延在平面はほぼ垂直に向けられている。さらに、上側の延在平面には、船舶に配置された状態で、舵の回転軸もしくは旋回軸、すなわち舵軸が位置している。上側舵区分が対称的である場合には、さらに上側前縁および/または上側後縁も上側の延在平面に位置している。上側舵区分の翼形は、上側舵区分が対称的である場合には、上側の延在平面に対して対称である。下側舵区分の下側の延在平面は対応して規定されていて、下側舵区分のほぼ中心平面に沿って延在しており、下側舵区分が対称的である場合には、下側の延在平面は、下側舵区分の翼形を、特に全高さにわたって対称的に分割する。下側舵区分が連続的に湾曲されて形成されている場合には、下側の延在平面は、下側舵区分の先端の領域でもしくは自由端部の領域で、下側舵区分における翼弦によって形成される面に接線状に接触するように、選択されている。下側舵区分における翼弦によって形成される面は、下側舵区分の先端から、上側舵区分への移行部まで翼弦をつないで1つの面を形成することにより、形成される。
【0034】
したがって、好適には、上側舵区分と下側舵区分との間の角度は、下側の延在平面が上側の延在平面に対して成している角度である。
【0035】
さらに、この角度は、5°~35°、好適には10°~30°、特に好適には15°~25°、極めて特に好適には20°であってよい。
【0036】
この有利な角度範囲によって、特にダブルプロペラ船舶では、船体からプロペラ後流への影響により生じる渦流を十分に低減することができる。一方、好適な角度範囲では、下側舵区分の揚力の垂直成分が非常に小さいため、水中の船舶の姿勢の安定性に対して悪影響を与えない。
【0037】
好適には、上側舵区分と下側舵区分との間に移行領域が配置されていてよく、移行領域は部分円弧状に、部分環状に、または楔状に形成されていてよい。
【0038】
舵の一方の側に屈曲された下側舵区分を備える第1の態様では、上側舵区分と下側舵区分との間にいわば屈曲部が形成され得る。下側舵区分と上側舵区分との間の移行領域は、背面図で実質的に楔形に形成されており、楔の先端は、下側舵区分が屈曲される方向の舵の側に向けられている。ほぼ楔形の移行領域を設けることにより、上側舵区分と下側舵区分とは実質的に、従来技術により公知の方法によって製造することができる。
【0039】
しかしながらさらに、上側舵区分は、部分円弧状もしくは部分環状に形成された移行領域を介して、下側舵区分に移行していてもよい。ニュートラル位置にある船舶に配置された舵の背面図において、移行領域の投影図は、この場合、円弧または環の一区分のような形状である。下側舵区分が一定のまたは一定ではない湾曲をもって形成されている場合は、移行領域が、下側舵区分の先端もしくは自由端部まで到達していてよく、下側舵区分の少なくとも一部分を形成していてよい。
【0040】
さらに好適には、部分円弧状または部分環状に形成された移行領域は、0.1m~10.0m、好適には0.5m~5.0m、特に好適には1.0m~2.0mの曲率半径を有していてよい。
【0041】
有利には、移行領域は、舵が船舶に配置されたときに、プロペラ軸の高さに位置していてよく、したがって上側舵区分はプロペラ軸の上側に、下側舵区分はプロペラ軸の下側に位置していてよい。
【0042】
特に有利には、舵は側面図で、上側舵区分の上端部から、特に舵根元部から、下側舵区分の先端まで、5m~10m、好適には6m~9m、特に好適には7m~8mの高さを有している。
【0043】
さらに有利には、上側舵区分は負圧面と正圧面とを有していてよく、かつ/または下側舵区分は負圧面と正圧面とを有していてよい。
【0044】
特に舵がダブルプロペラ船舶に配置されている場合には、負圧面および正圧面を備えた上側舵区分および/または下側舵区分の構成が好適である。ダブルプロペラ船舶では、船体が、各プロペラの後流に影響を与え、航跡の速度成分が、垂直方向上方に向かって、かつ/または船舶中心面に向かうようになっている。このような速度成分により、舵への斜めの流入が生じ、これにより特に船舶中心面の方向に向かって横方向の揚力が作用する。負圧面および正圧面を備えた上側舵区分および/または下側舵区分の構成により、このような恒常的に横方向に作用する揚力に対して対抗することができる。
【0045】
特に好適には、上側舵区分の負圧面と下側舵区分の負圧面とは、舵の同じ側に位置している。しかしながら、上側舵区分の負圧面が、下側舵区分の負圧面とは反対側に配置されている構成も考えられる。
【0046】
さらに有利には、上側舵区分の第1の高さは、下側舵区分の第2の高さの1~2倍であってよく、好適には1.1~1.8倍であってよく、さらに好適には1.2~1.5倍であってよく、特に好適には1.3~1.4倍であってよい。
【0047】
この場合、上側舵区分の第1の高さは、舵の根元部から移行領域まで、側壁または上側の延在平面に沿って測定される。下側舵区分の第2の高さは、移行領域から、側壁または下側の延在平面に沿って、下側舵区分の先端までもしくは自由端部まで測定される。
【0048】
さらに有利には、上側舵区分および/または下側舵区分はツイスト加工された舵区分であってよい。
【0049】
ツイスト加工された舵区分は、各舵区分の前縁および/また後縁が、舵区分の中心面または延在平面に関して横方向に、左舷または右舷に向かってオフセットされていることを特徴とする。
【0050】
ツイスト加工された舵区分を設けることにより、キャビテーションの発生および各舵区分からの流れの剥離を低減または阻止することができる。
【0051】
さらに有利には、舵は舵バルブを含んでいてよく、舵バルブは好適には移行領域に配置されていてよい。
【0052】
好適には、舵バルブは、船舶に配置されたときに、プロペラ軸の高さで配置されるように移行領域に配置される。
【0053】
特に好適には、舵はフィン舵であり、フィン、特に枢着されたフィンを含み、フィンは好適には上側舵区分にのみ配置されている。
【0054】
枢着されたフィンが設けられている場合、このフィンは、舵の後縁を含んでいる。特に有利には、上側舵区分にのみフィンが設けられている。上側舵区分にのみフィンが設けられていることにより、舵フィンの面積は、公知の舵フィンよりも小さくされている。舵フィンの面積を小さくすることで、舵フィンを旋回させた際の揚力の急激な上昇が抑制される、すなわち揚力と旋回角度との関係を示す特性曲線がより平坦になり、これによりスムーズな操舵特性が可能となる。
【0055】
本発明の根底にある課題のさらなる解決手段は、1つの船体と、2つのプロペラと、上述した2つの舵とを備えるダブルプロペラ船舶であって、第1の舵が第1のプロペラの下流側に配置されていて、第2の舵が第2のプロペラの下流側に配置されているダブルプロペラ船舶を提供することにある。
【0056】
好適には、第1のプロペラは船体の右舷側に位置していて、第1の舵は右舷側の第1のプロペラの下流側に配置されており、第2のプロペラは左舷側に位置していて、第2のプロペラの下流側に第2の舵が配置されている。
【0057】
上記舵は、ダブルプロペラ船舶の各プロペラの後流における渦流を特に良好に低減させる。
【0058】
有利には、第1の舵は、第2の舵に対して鏡面対称に形成されていてよい。さらに有利には、第1の舵および第2の舵の下側舵区分は、船体に向かって湾曲または屈曲されていてよい。
【0059】
したがって、第1の舵および第2の舵の下側舵区分は、船体に向かって湾曲または屈曲されていて、これにより船尾の背面図では、船体のラインにほぼ沿っている。船体は、各プロペラの後流に影響を与え、さらなる渦流を発生させるので、このような構成によりさらなる渦流を特に有利に低減させることができる。
【0060】
さらに有利には、2つの舵の上側舵区分は、それぞれ1つの負圧面と正圧面とを有していてよく、負圧面は、船体から離れる方向を向いている舵の側に配置されていてよい。
【0061】
ダブルプロペラ船舶は、右舷に向かって操舵するために左舷側の舵を、好適には左舷側の舵のみを切り、左舷に向かって操舵するために右舷側の舵を、好適には右舷側の舵のみを切るように構成されていると特に好適である。
【0062】
本発明の根底にある課題のさらなる解決手段は、船舶、特にダブルプロペラ船舶における上記舵の使用にある。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1】屈曲された下側舵区分を備えた舵の斜視図である。
図2】屈曲された下側舵区分を備えた舵の側面図である。
図3】屈曲された下側舵区分を備えた舵の背面図である。
図4】屈曲された下側舵区分を備えた舵を下方から見た図である。
図5】湾曲された下側舵区分を備えた別の舵の背面図である。
図6】2つの舵を備えたダブルプロペラ船舶の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
図面に基づいて本発明を詳しく説明する。
【0065】
図1は、上側舵区分10と下側舵区分11とを備えた舵100の斜視図である。下側舵区分11は、舵100の一方の側12に向かって屈曲されて形成されている。舵100は、1つの上側舵区分10と1つの下側舵区分11とを有しており、特に上側舵区分10の下方には、1つの下側舵区分11の他にはさらなる舵区分は配置されていない。上側舵区分10の後端部13には、上側舵区分10に対して旋回可能に枢着されたフィン14が配置されている。枢着されたフィン14の旋回のために、フィン14の上端部15には、このリンク内には船体に接続されるスライド旋回ピストン(図示せず)を配置することができるスライド旋回ピストンリンク16が取り付けられている。
【0066】
上側舵区分10は、上側前縁17を含む。上側舵区分10の上側後縁18は、フィン14の一部である。下側舵区分11は、下側前縁19と下側後縁20とを有している。前縁17,19と後縁18,20との間には、上側舵区分10および下側舵区分11に側壁21が延在している。翼厚が最大の領域に、上側舵区分10に、舵軸を収容するための収容スペース40が設けられている。
【0067】
図2は、図1の舵100が、下側舵区分11が屈曲している側12の方向から見た側面図である。枢着されたフィン14は、上側舵区分10にのみ旋回可能に接続されていることが明瞭に示されている。
【0068】
図3は、図1および図2の舵100の背面図である。上側舵区分10と下側舵区分11との間に、ほぼ楔状に形成されている移行領域22が設けられている。移行領域22の上側および下側に、上側舵区分10と下側舵区分11とが配置されており、移行領域22が楔形に構成されていることにより、下側舵区分11は、図1図3の構成では右舷側23である側12に向かって屈曲される。移行領域22の楔形の構成により、舵100はさらに、上側舵区分10と下側舵区分11との間に屈曲部24を有している。上側舵区分10は、上側舵区分10の中心面26にほぼ相当する上側の延在平面25内で延在している。同様に、下側舵区分11は、下側舵区分11の中心面28にほぼ相当する下側の延在平面27内で延在している。上側の延在平面25と下側の延在平面27とは互いに、約20°の角度29を成している。延在平面25および27に沿って、上側舵区分10の第1の高さ37および下側舵区分11の第2の高さ38も規定することができ、この場合、第1の高さ37は、第2の高さ38の1.2~1.5倍の大きさである。舵100の全高さ39は約7mである。
【0069】
図4は、舵100を下方から見た図である。下側舵区分11は、負圧面31と正圧面32とを有した非対称の翼形30を有している。この場合、正圧面32は、下側舵区分11の、下側舵区分11が湾曲または屈曲されている側12に配置されている。さらに、上側舵区分10も、それぞれ1つの負圧面33と正圧面34とを有している(図3)。この場合、図3に示されたように、下側舵区分11の正圧面32と上側舵区分10の正圧面34とは、舵100の同じ側12に位置している。
【0070】
図5は、上側舵区分10と下側舵区分11とを備えた舵100の別の構成の背面図である。図5の舵100は、図1図4の舵100と実質的に同じであるが、別の構成の移行領域35を備える点で異なっている。舵100の移行領域35は、図1図4の移行領域22とは異なり、略部分環状または部分円弧状に形成されていて、0.5m~5mの曲率半径36を有している。部分環状または部分円弧状の移行領域により、下側舵区分は、舵100の一方の側12に向かって湾曲されて形成されていて、上側の延在平面25と下側の延在平面27とは互いに、所定の角度29を成している。
【0071】
図6は、ダブルプロペラ船舶200の背面図である。ダブルプロペラ船舶200は、船体210の両側に第1のプロペラ211と第2のプロペラ212とを有している。第1のプロペラ211の下流側に、図1図4による第1の舵100aが配置されている。第2のプロペラ212の下流側に、図1図4による第2の舵100bが配置されている。第1の舵100aと第2の舵100bとは互いに鏡像的に形成されている。第1の舵100aの下側舵区分11aは、船体210の方向に向かって屈曲されている。第2の舵100bの下側舵区分11bもまた、船体210の方向に向かって屈曲されている。第1の舵100aの上側舵区分10aおよび下側舵区分11aは、舵100aの、船体210から離れる方向を向いている負圧面31,33を有している。したがって、第2の舵100bも、上側舵区分10bおよび下側舵区分11bに、船体210から離れる方向を向いている負圧面31,33を有している。さらに、舵100a,100bは、上側舵区分10a,10bと下側舵区分11a,11bとに、舵100a,100bの、船体210に面する側にそれぞれ配置されている正圧面32,34を有している。
【符号の説明】
【0072】
100 舵
100a 第1の舵
100b 第2の舵
10 上側舵区分
10a 上側舵区分
10b 上側舵区分
11 下側舵区分
11a 下側舵区分
11b 下側舵区分
12 側
13 後端部
14 フィン
15 上端部
16 スライド旋回ピストンリンク
17 上側前縁
18 上側後縁
19 下側前縁
20 下側後縁
21 側壁
22 移行領域
23 右舷側
24 屈曲部
25 上側の延在平面
26 中心面
27 下側の延在平面
28 中心面
29 角度
30 翼形
31 負圧面
32 正圧面
33 負圧面
34 正圧面
35 移行領域
36 曲率半径
37 第1の高さ
38 第2の高さ
39 全高さ
40 収容スペース
200 ダブルプロペラ船舶
210 船体
211 第1のプロペラ
212 第2のプロペラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2021-05-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶、特にダブルプロペラ船舶(200)のための舵(100,100a,100b)であって、
前記舵(100,100a,100b)は、前記船舶のプロペラ(211,212)の下流に位置するように配置され、
前記舵(100,100a,100b)は、上側舵区分(10,10a,10b)と下側舵区分(11,11a,11b)とを含み、
前記下側舵区分(11,11a,11b)は、前記舵の一方の側(12)に向かって湾曲または屈曲さ
記下側舵区分(11,11a,11b)が1つ設けられ
前記上側舵区分(10,10a,10b)と前記下側舵区分(11,11a,11b)との間に移行領域(22)が設けられ、
前記移行領域(22)は部分円弧状に、部分環状に、または楔状に形成されており、
前記移行領域(22)は、前記舵(100,100a,100b)が前記船舶に配置されたときにプロペラ軸の高さに位置することで、前記上側舵区分(10,10a,10b)は前記プロペラ軸よりも上側に、前記下側舵区分(11,11a,11b)は前記プロペラ軸よりも下側に位置する、舵(100,100a,100b)。
【請求項2】
前記上側舵区分(10,10a,10b)は、舵軸を収容するための収容スペース(40)を有している、請求項1に記載の舵(100,100a,100b)。
【請求項3】
前記舵(100,100a,100b)は、副舵または安定化舵を有しておらず、および/または前記下側舵区分(11,11a,11b)は副舵または安定化舵ではない、請求項1または2に記載の舵(100,100a,100b)。
【請求項4】
前記下側舵区分(11,11a,11b)は、前記上側舵区分(10,10a,10b)に対して所定の角度(29)を成して配置されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の舵(100,100a,100b)。
【請求項5】
前記上側舵区分(10,10a,10b)は上側の延在平面(25)内で延在し、
前記上側の延在平面(25)は好適には、前記舵の上側前縁(17)に対しておよび/または上側後縁(18)に対して平行に延び、
前記下側舵区分(11,11a,11b)は下側の延在平面(27)内で延在し、
前記下側の延在平面(27)は好適には、前記舵の下側前縁(19)に対しておよび/または下側後縁(20)に対して平行に延び、
前記下側の延在平面(27)は、前記上側の延在平面(25)に対して前記角度(29)を成して位置している、請求項4に記載の舵(100,100a,100b)。
【請求項6】
前記角度(29)は、5°~35°、好適には10°~30°、特に好適には15°~25°、極めて特に好適には20°である、請求項4または5に記載の舵(100,100a,100b)。
【請求項7】
部分円弧状または部分環状に形成された前記移行領域(22,35)は、0.1m~10.0mの、好適には0.5m~5.0mの、特に好適には1.0m~2.0mの曲率半径(36)を有している、請求項に記載の舵(100,100a,100b)。
【請求項8】
前記上側舵区分(10,10a,10b)は負圧面(33)と正圧面(34)とを有し、および/または前記下側舵区分(11,11a,11b)は負圧面(31)と正圧面(32)とを有している、請求項1からのいずれか1項に記載の舵(100,100a,100b)。
【請求項9】
前記下側舵区分(11,11a,11b)の前記負圧面(31)と前記上側舵区分(10,10a,10b)の前記負圧面(33)とは、前記舵の同じ側に、または前記舵の反対側に配置されている、請求項に記載の舵(100,100a,100b)。
【請求項10】
前記上側舵区分(10,10a,10b)の第1の高さ(37)は、前記下側舵区分(11,11a,11b)の第2の高さ(38)の1~2倍であり、好適には1.1~1.8倍であり、さらに好適には1.2~1.5倍であり、特に好適には1.3~1.4倍である、請求項1からのいずれか1項に記載の舵(100,100a,100b)。
【請求項11】
前記上側舵区分(10,10a,10b)および/または前記下側舵区分(11,11a,11b)は、ツイスト加工された舵区分である、請求項1から10のいずれか1項に記載の舵(100,100a,100b)。
【請求項12】
前記舵(100,100a,100b)は舵バルブを含み、前記舵バルブは好適には前記移行領域(22,35)に配置されている、請求項1から11のいずれか1項に記載の舵(100,100a,100b)。
【請求項13】
前記舵(100,100a,100b)はフィン舵であり、フィン(14)、特に枢着されたフィンを含み、前記フィン(14)は好適には前記上側舵区分(10,10a,10b)にのみ配置されている、請求項1から12のいずれか1項に記載の舵(100,100a,100b)。
【請求項14】
1つの船体(210)と、2つのプロペラ(211,212)と、請求項1から13のいずれか1項に記載の2つの舵(100,100a,100b)とを含むダブルプロペラ船舶(200)であって、
第1の舵(100a)が第1のプロペラ(211)の下流に配置され、第2の舵(100b)が第2のプロペラ(212)の下流に配置されていることを特徴とする、ダブルプロペラ船舶(200)。
【請求項15】
前記第1の舵(100a)は、前記第2の舵(100b)に対して鏡面対称に形成されている、請求項14に記載のダブルプロペラ船舶(200)。
【請求項16】
前記第1の舵(100a)および前記第2の舵(100b)の下側舵区分(11,11a,11b)は、前記船体(210)に向かって湾曲または屈曲されている、請求項14または15に記載のダブルプロペラ船舶(200)。
【請求項17】
前記2つの舵(100,100a,100b)の上側舵区分(10,10a,10b)は、それぞれ1つの負圧面(33)と1つの正圧面(34)とを有しており、前記負圧面(33)は、前記舵(100,100a,100b)の、前記船体(210)から離れる方向の側に配置されている、請求項14から16のいずれか1項に記載のダブルプロペラ船舶(200)。
【請求項18】
前記ダブルプロペラ船舶(200)は、右舷に向かって操舵するために左舷側の舵(100,100a,100b)を、好適には左舷側の舵のみを切り、左舷に向かって操舵するために右舷側の舵(100,100a,100b)を、好適には右舷側の舵のみを切るように構成されている、請求項14から17のいずれか1項に記載のダブルプロペラ船舶(200)。
【請求項19】
船舶における、特にダブルプロペラ船舶における請求項1から13のいずれか1項に記載の舵の使用。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
側舵区分と下側舵区分との間に移行領域が設けられ、移行領域は部分円弧状に、部分環状に、または楔状に形成されてい
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
行領域は、舵が船舶に配置されたときに、プロペラ軸の高さに位置し、したがって上側舵区分はプロペラ軸の上側に、下側舵区分はプロペラ軸の下側に位置してい
【国際調査報告】