(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-21
(54)【発明の名称】血管検出のための静脈内治療システム
(51)【国際特許分類】
A61M 5/42 20060101AFI20220414BHJP
【FI】
A61M5/42 520
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021541653
(86)(22)【出願日】2020-01-16
(85)【翻訳文提出日】2021-09-17
(86)【国際出願番号】 US2020013905
(87)【国際公開番号】W WO2020150489
(87)【国際公開日】2020-07-23
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イーピン マー
(72)【発明者】
【氏名】キャスリン ウィリーバイロ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066BB01
4C066CC01
4C066FF04
4C066FF05
4C066KK11
4C066LL13
4C066QQ82
(57)【要約】
静脈内治療システムは、遠位端および近位端を含む中空針であって、遠位端は、静脈に挿入するための鋭利な先端を含む中空針と、中空針の中空部分内に配置された赤外線(IR)カメラと、を含み、IR光の第1の波長を放出する第1の光線と、IR光の第2の波長を放出するための第2の光源と、比較器に通信可能に結合されたプロセッサの実行時に、第1の光および第2の光の起動中にIR検出器で受信された反射光の量を比較し、静脈内の光吸収を示す比較器と、を含む赤外線カメラと、備えてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静脈内治療システムであって:
遠位端および近位端を含む中空針であって、前記遠位端は、静脈に挿入するための鋭利な先端を含む、中空針;
前記中空針の中空部分内に配置された赤外線(IR)カメラであって:
IR検出器;
IR光の第1の波長を放出する第1の光源;および
IR光の第2の波長を放出するための第2の光源;を備える、赤外線カメラを備え、
比較器は、前記比較器に通信可能に結合されたプロセッサの実行時に、第1の光および第2の光の活性化中にIR検出器で受信された反射光の量を比較し、静脈内の光吸収の指標を提供する、静脈内治療システム。
【請求項2】
前記IRカメラは、前記中空針の前記近位端を介して、前記中空針の前記中空部分内から選択的に取り外し可能である、請求項1に記載の静脈内治療システム。
【請求項3】
前記IR検出器による検出された反射光のレベルに基づいて、前記中空針の体内への最適な挿入軌道を示すフィードバックを、前記静脈治療システムのユーザに提供するスピーカからなる音声インジケータをさらに備える、請求項1に記載の静脈内治療システム。
【請求項4】
前記第1の光源は、940nmから980nmの間の第1の波長のIR光を放出する、請求項1に記載の静脈内治療システム。
【請求項5】
前記第2の光源は、630nmから780nmの間の第2の波長のIR光を放出する、請求項1に記載の静脈内治療システム。
【請求項6】
前記IRカメラは、前記第1の光源で前記第1の波長のIR光を放出し、前記比較器によって血管の存在を検出すると、前記IRカメラは、前記第2の光源で前記第2の波長のIRを放出する、請求項1に記載の静脈内治療システム。
【請求項7】
前記比較器に通信可能に結合されたアームバンドをさらに含み、前記アームバンドは、前記IR検出器によって検出された反射光のレベルに基づいて、前記中空針の体内への挿入軌道を示すフィードバックを前記静脈内治療システムのユーザに提供するインジケータライトからなる視覚的インジケータを含む、請求項1に記載の静脈内治療システム。
【請求項8】
血管検出システムであって:
中空針であって:
静脈に挿入するための鋭い先端、前記中空針を含む遠位端;および
静脈内供給接続を含む近位端;を備える中空針、
前記中空針の中空部分内に配置された赤外線(IR)カメラであって:
IR検出器;
前記中空部分からIR光の第1の波長を放出する第1の光源;および
前記中空部分からIR光の第2の波長を放出するための第2の光源;を備える、赤外線カメラ、
比較器に通信可能に結合されたプロセッサの実行時に、第1の光および第2の光の活性化中にIR検出器で受信された反射光の量を比較し、静脈内の光吸収の指標を提供する比較器;
前記比較器に通信可能に結合され、前記IR検出器で受信された反射光の検出量に基づいて、前記中空針の体内への最適な挿入軌道を示すフィードバックを前記血管検出システムのユーザに提供するスピーカからなる音声インジケータ、を備える、血管検出システム。
【請求項9】
前記IRカメラは、前記中空針の前記近位端を介して、前記中空針の前記中空部分内から選択的に取り外し可能である、請求項8に記載の血管検出システム。
【請求項10】
前記第1の光源は、940nmから980nmの間の第1の波長のIR光を放出する、請求項8に記載の血管検出システム。
【請求項11】
前記第2の光源は、630nmから780nmの間の第2の波長のIR光を放出する、請求項8に記載の血管検出システム。
【請求項12】
前記IRカメラは、前記第1の光源で前記第1の波長のIR光を放出し、前記比較器によって血管の存在を検出すると、前記IRカメラは、前記第2の光源で前記第2の波長のIRを放出する、請求項8に記載の血管検出システム。
【請求項13】
前記比較器に通信可能に結合されたアームバンドをさらに含み、前記アームバンドは、前記IR検出器によって検出された反射光のレベルに基づいて、前記中空針を体内への挿入軌道を示すフィードバックを前記静脈内治療システムのユーザに提供するインジケータライトからなる視覚的インジケータを含む、請求項8に記載の血管検出システム。
【請求項14】
前記比較器は、前記IR検出器で受信された反射光の量を比較して、体内の静脈と動脈とを区別し、音声インジケータを介して、前記体内の静脈の位置を示す、請求項8に記載の血管検出システム。
【請求項15】
血管検出システムであって:
中空針であって:
静脈に挿入するための鋭い先端、前記中空針を含む遠位端;および
静脈内供給接続を含む近位端;を備える中空針、
前記中空針の中空部分内に配置された赤外線(IR)カメラであって:
IR検出器;
前記中空部分からIR光の第1の波長を放出する第1の光源;および
前記中空部分からIR光の第2の波長を放出するための第2の光源;を備える、赤外線カメラ
比較器に通信可能に結合されたプロセッサの実行時に、第1の光および第2の光の活性化中にIR検出器で受信された反射光の量を比較し、静脈内の光吸収の指標を提供する比較器;
前記比較器に通信可能に結合されるアームバンドであって、前記IR検出器によって検出された反射光のレベルに基づいて、前記中空針の体内への挿入軌道を示すフィードバックを前記静脈内治療システムのユーザに提供するインジケータライトからなる視覚的インジケータを含む、アームバンド、を備える、血管検出システム。
【請求項16】
前記IR検出器は、前記中空針の中空を通過する光ファイバに光学的に結合されたフォトダイオードを備える、請求項15に記載の血管検出システム。
【請求項17】
前記第1の光源は、前記中空針の中空を通過する光ファイバに光学的に結合された第1の発光ダイオード(LED)をさらに備える、請求項15に記載の血管検出システム。
【請求項18】
前記第2の光源は、前記中空針の中空を通過する光ファイバに光学的に結合された第2の発光ダイオード(LED)をさらに備える、請求項15に記載の血管検出システム。
【請求項19】
前記IRカメラは、前記第1の光源で前記第1の波長のIR光を放出し、前記比較器によって血管の存在を検出すると、前記IRカメラは、前記第2の光源で前記第2の波長のIRを放出する、請求項15に記載の血管検出システム。
【請求項20】
前記IR検出器に反射光の検出されたレベルに基づいて、前記中空針の体内への最適な挿入軌道を示すフィードバックを、前記血管検出システムのユーザに提供するためのスピーカを含む音声インジケータをさらに備える、請求項15に記載の血管検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、血管アクセスデバイスおよび関連するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
針は、さまざまな点滴療法に使用されてもよい。例えば、針は、生理食塩水、様々な薬剤、および非経口栄養などの流体を患者に注入するために使用されてもよい。また、針は、患者から血液を採取するために使用されてもよい。体内への挿入を容易にするために、針は、傾斜(bevel)が患者の皮膚から離れる方向に向いているときに患者の皮膚とインターフェース接続するために使用される傾斜を含む遠位先端(distal tip)を含んでいてもよい。針の使用中、針は、患者の皮膚を通して患者の静脈に浅い角度で挿入されて、血液サンプルを回収するか、または1つまたは複数の薬剤を導入する。
【0003】
静脈への針の挿入は、静脈は目視や触診しにくいため、静脈切開医(phlebotmists)、臨床医、およびその他の医療提供者にとって困難であった。熱の問題、脱水症状、および患者の年齢は、すべて、任意の所定の患者の血管(blood vessels)にアクセスすることができないことに対する何らかの原因となる可能性がある。近赤外線(NIR)ベースの静脈ファインダは、例えば、人間の腕の深さ4~6mmまでの表在静脈を表示できる。しかしながら、人体のこの深さは、臨床医が特定の静脈に簡単にアクセスできるようにするのに十分ではない場合がある。超音波ベースのデバイスは、4~6mmよりもはるかに深い静脈を識別できる。ただし、超音波マシンは、あらゆる状況で使用するには高価でかさばる。結果として、臨床医は、血管にアクセスすることを望んで、患者の皮膚の皮下層に針を挿入することを余儀なくされるかもしれない。そのような補助なしの挿入は、特に、多数の逐次的な挿入が試みられる場合、挿入の対象となる患者にかなりの痛み、打撲傷、不快感、および不安を引き起こす可能性がある。
【0004】
本明細書で特許請求される主題は、何かの課題を解決する実施形態、または本明細書で説明されるような環境においてのみ動作する実施形態に限定されない。むしろ、本背景技術は、ここで説明される実施形態が動作し得る環境を説明するために提供されるものである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの実施形態では、静脈内治療システム(intravenous therapy system)は、患者内の静脈の検出(detection)を提供する。静脈内治療システムは、遠位端および近位端を含む中空針を含み得、遠位端は、静脈に挿入するための鋭利な先端を含む。いくつかの実施形態では、赤外線(IR)カメラは、中空針の中空部分内に配置される。いくつかの実施形態では、IRカメラは、IR検出器と、第1の波長のIR光を放出する第1の光源と、第2の波長のIR光を放出する第2の光源とを含む。いくつかの実施形態では、比較器は、プロセッサの実行時に、第1の光源と第2の光源の起動時にIR検出器で受信した黒体放射の量を比較し、静脈内の最大光吸収の指標を提供するように、IRカメラに通信可能に結合されてもよい。したがって、本明細書に記載の実施形態は、患者の血管に針を挿入するための比較的容易で安価な方法を可能にする。静脈内治療システムの操作中、臨床医は、患者の身体に針をより簡単に挿入してもよく、そうすることで患者の身体への損傷を制限し、同時に患者の身体的および精神的快適さを高める。静脈内治療システムの携帯性のために、臨床医は、患者から血液を採取するとき、または患者に投与する薬剤を使用するときはいつでも、静脈内治療システムを展開してもよい。
【0006】
いくつかの実施形態では、静脈内治療システムは、音声インジケータを含んでもよい。いくつかの実施形態では、音声インジケータは、静脈内治療システムのユーザにフィードバックを提供して、IR検出器によって検出された光吸収レベルに基づいて、中空針の身体への最適な挿入軌道を示すスピーカを含んでもよい。音声インジケータを提供することにより、臨床医は、臨床医が患者内に針を挿入しているときに、針の位置に関する入力をスピーカから受け取ってもよい。
【0007】
いくつかの実施形態では、静脈内治療システムは、比較器に通信可能に結合されたアームバンドをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、アームバンドは、静脈内治療システムのユーザにフィードバックを提供して、IR検出器によって検出された光吸収レベルに基づいて、中空針の身体への最適な挿入軌道を示すインジケータライトを含む視覚的インジケータを含んでもよい。アームバンドを使用すると、現在説明されている実施形態は、臨床医が挿入中に患者の体内の針の位置を視覚的に確認することを可能にし得る。いくつかの実施形態では、アームバンドは、視覚的インジケータおよび音声的インジケータの両方を含んでもよい。これらの実施形態では、視覚的または音声的インジケータの一方は、臨床医に患者の体内の針のx-y位置を示し得、一方、音声的および視覚的インジケータの他方は、臨床医に、患者の体内における針のz位置を示し得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、IRカメラは、中空針の中空部分内から選択的に取り外し可能であってもよい。これらの実施形態では、臨床医は、静脈内治療システムの使用中に、針を患者の血管に向けるために、針を患者の体内に挿入してもよい。静脈にアクセスすると、臨床医は、例えば、針の遠位端からIRカメラを引き抜くことによって、針の中空の中からIRカメラを取り外してもよい。これにより、針から一部または追加の血液が流出する可能性がある。別の実施形態では、IRカメラおよびその構成要素は、血液が患者から引き出されるとき、または薬剤が静脈内治療システムの針を通して患者に投与されるとき、針の中空内に残っていてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1の光源および第2の光源はそれぞれ、別個の異なる波長の光を放出してもよい。いくつかの実施形態では、第1の光源は、940nmから980nmの間の第1の波長のIR光を放出する。いくつかの実施形態では、第2の光源は、630nmから780nmの間の第2の波長のIR光を放出する。いくつかの実施形態では、IRカメラは、第1の光源で第1の波長のIR光を放出してもよく、比較器によって血管の存在を検出すると、IRカメラは、第2の光源で第2の波長のIR光を放出する。
【0010】
いくつかの実施形態では、IRカメラの構成要素は、中空針の中空を通過する光ファイバに光学的に結合されたフォトダイオードをさらに含むIR検出器をさらに含んでもよい。これにより、IRカメラのより大きな構成要素を針の中空部に入れることができ、針の中空部内の使用可能なスペースを増やす可能性がある。
【0011】
いくつかの実施形態では、IRカメラの構成要素は、中空針の中空を通過する光ファイバに光学的に結合された第1の発光ダイオード(LED)をさらに含む第1の光源を含んでもよい。これにより、IRカメラのより大きな構成要素を針の中空部に入れることができ、針の中空部内の使用可能なスペースを増やす可能性がある。
【0012】
いくつかの実施形態では、IRカメラの構成要素は、中空針の中空を通過する光ファイバに光学的に結合された第2の発光ダイオード(LED)をさらに含む第2の光源を含んでもよい。これにより、IRカメラのより大きな構成要素を針の中空部に入れることができ、針の中空部内の使用可能なスペースを増やす可能性がある。
【0013】
上述の一般的な説明、および以下の詳細な説明は、共に、例示的、説明的なものであり、特許請求される発明を限定するものではないことが理解されるべきでものである。さまざまな実施形態は、図面に図示されている構成および手段に限定されないことを理解されたい。また、実施形態は、組み合わされてよいこと、または他の実施形態が利用されてよいこと、およびそのように特許請求されていない限り、本発明のさまざまな実施形態の範囲から逸脱することなく構造変更がなされてよいことを理解されたい。それ故に、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されてはならない。
【0014】
例示的な実施形態は、ここの添付の図面の使用を通じて、追加的な特異性および詳細を用いて記載および説明されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による静脈内治療システムの針の斜視図である。
【
図2】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による静脈内治療システムの針の斜視図である。
【
図3】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、IRカメラを含む針の側面図である。
【
図4】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、IRカメラを含む針の断面図である。
【
図5】
図5は、本開示の一実施形態による静脈内システムのブロック図である。
【
図6A】
図6Aは、本開示のいくつかの実施形態による、患者の腕に挿入された静脈内治療システムの針の上面図である。
【
図6B】
図6Bは、本開示のいくつかの実施形態による、患者の腕に挿入された静脈内治療システムの針の上面図である。
【
図6C】
図6Cは、本開示のいくつかの実施形態による、患者の腕に挿入された静脈内治療システムの針の上面図である。
【
図7】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、患者の腕に挿入された静脈内治療システムの針の断面図である。
【
図8】
図8は、本開示のいくつかの実施形態による静脈内治療選択システムを操作する方法を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、本開示のいくつかの実施形態による静脈内治療システムを製造する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書で使用される場合、「近位」という用語は、システムの使用中に、静脈内治療システムを使用する臨床医に最も近く、デバイスが使用される患者から最も遠い、静脈内治療システムの針における位置を指す。逆に、「遠位」という用語は、システムの使用中に、静脈内治療システムを使用する臨床医から最も遠く、静脈内治療システムが使用される患者に最も近い静脈内治療システムの針における位置を指す。
【0017】
本明細書で使用される場合、「上部」、「上へ」または「上向きに」という用語は、システムの使用中に、静脈内治療システムの長手方向軸から半径方向に離れる方向、また、患者の皮膚から離れる方向の、静脈内治療システムの針における位置を指す。逆に、本明細書で使用される際に、「下部」、「下へ」または「下向きに」という用語は、システムの使用中に、装置の長手方向軸から半径方向に離れる方向、また患者の皮膚に向かう方向の、静脈内治療システムの針における位置を指す。
【0018】
本明細書で使用される場合、「中に」または「内部へ」という用語は、システムの使用中に静脈内治療システムの内側に向かう方向の、その静脈内治療システムの針における位置を指す。逆に、本明細書で使用される場合、「外に」または「外の方に」という用語は、システムの使用中に静脈内治療システムの外側に向かう方向の、その静脈内治療システムの針における位置を指す。
【0019】
本明細書における本発明の説明は、異なった実施形態における同様の要素には同様の参照番号を用いて行われている。本明細書に記載される実施形態は、血液サンプルを受け取るかまたは患者の体内に薬剤を導入するための静脈内治療システムとしての使用に関連して使用されるが、この静脈内治療システムは、針が患者の血管に挿入されることが望ましい他の医療機器に適用可能であることは理解されよう。加えて、静脈内治療システムの実施形態は、多くの異なった形態の実施形態によって満たされるものであるが、添付の特許請求の範囲によって判断される本開示の範囲で、本発明の好ましい実施形態が、図面に示され、および本明細書に詳細に記載される。
【0020】
ここで
図1を参照すると、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の静脈内治療システムは、針100を含む。針100は、患者の1つまたは複数の血管にアクセスするために患者の体内に導入され得る任意のタイプの針であってもよい。針100は、傾斜(bevel)によって規定される鋭い遠位先端105と、針ハブ110の遠位端に接続された近位端とを含む。針100は、いくつかの実施形態では、ステンレス鋼から形成されてもよい。針ハブ110を形成するために使用することができる材料には、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性ポリマー樹脂が含まれるが、これらに限定されない。しかしながら、本開示では、針ハブ110および針100を形成するために他の材料が使用され得ることが理解される。
【0021】
針ハブ110は、漏斗構成のより小さな直径部分が針100の近位端に接続されている漏斗構成で形成されてもよい。この構成は、本明細書に記載のIRカメラなどの針100の中空内の別の医療デバイス、またはガイドワイヤなどの他のタイプのデバイスを針100の近位端に挿入することを容易にしてもよい。さらに、漏斗構成のより小さな部分は、漏斗構成のより小さな部分によって引き起こされるより速い血流フロントのために、血液が針100の近位端から流出するときの血液の最初の視覚化を強化してもよい。本明細書に提示されるいくつかの実施形態では、IRカメラは、針100の中空への挿入中に、血液または薬剤などの流体の通過が針100の中空を通過することを可能にしてもよい。この実施形態では、IRカメラの構成要素は、血液、薬剤、またはその両方の通過を可能にするように、針100の中空内に適合してもよい。針ハブ110は、例えば、流体リザーバーへのいくつかの接続部のいずれかに通信可能に結合するように取り付けられてもよい。針ハブ110は、いくつかの実施形態では、針ハブ110の周りに配置された一対のフィンガーグリップまたは他のローレットを含んでもよい。ローレットは、針100を他の医療デバイスとインターフェースするときに、臨床医による相互作用を容易にすることを可能にしてもよい。したがって、針ハブ110は、臨床医にとって快適なグリップ面と、臨床医の指を針100またはその遠位先端105から離しておく容易に区別可能な指配置位置を提供してもよい。
【0022】
本明細書に記載されるように、いくつかの実施形態では、針100は、針100の中空部内に赤外線(IR)カメラを収容してもよい。いくつかの実施形態では、IRカメラは、IR検出器を含んでもよい。IR検出器は、反射光または放出光を検出する任意のデバイスであってもよい。一実施形態では、IR検出器は、第1の光源または第2の光源による能動照明を通してこの光を検出してもよい。一実施形態では、IR検出器で検出される光は、近赤外線、中赤外線、または遠赤外線であり得る。いくつかの実施形態では、検出された光は、700ナノメートルから1ミリメートルでの可視スペクトルの公称レッドエッジ(red edge)から延びる波長スペクトルを有してもよい。一実施形態では、IR検出器によって検出される光は、940nmから980nmの間の波長を有してもよい。一実施形態では、IR検出器によって検出される光は、960nmの波長を有してもよい。一実施形態では、IR検出器によって検出される光は、620nmから980nmの間の波長を有してもよい。一実施形態では、IR検出器によって検出される光は、660nmの波長を有してもよい。
【0023】
本明細書に記載されるように、IR検出器で検出される光は、IRカメラに関連する光源、IRカメラの動作モード、またはその両方に依存してもよい。本明細書は、針100を身体または血管に挿入する際の赤外光の検出を含む、本明細書に記載の原理の特定の用途に適した任意の赤外光をIRカメラが検出し得ることを企図している。
【0024】
針100は、血液または薬剤をそれぞれ体外および体内に選択的に通過させることを可能にする任意の数のデバイスを組み込んでもよい。これらの追加のデバイスの例には、とりわけ、ベントプラグ、流体リード、およびバルブが含まれ得る。したがって、本明細書は、本明細書に記載の原理の特定の用途に適合し得るように、針100に結合または組み込まれたこれらの他のデバイスの使用を企図している。
【0025】
一実施形態では、針100の中空内に収容されたIRカメラは、1つまたは複数の光源をさらに含んでもよい。特定の実施形態では、光源は、第1の光源および第2の光源を含んでもよい。第1および第2の光源のそれぞれは、本明細書に記載されるように、IR検出器とともに針100の中空内に配置されてもよい。第1および第2の光源はそれぞれ、特定の波長でIR光を放出してもよい。特定の実施形態では、第1の光源は、第1の波長または波長範囲で第1のIR光を放出してもよく、一方、第2の光源は、第2の波長または波長範囲で第2のIR光を放出する。いくつかの実施形態では、第1のIR光源によって放出されるIR光の波長範囲は、第2のIR光源によって放出される波長または波長範囲と重複してもよい。いくつかの実施形態では、第2のIR光源によって放出されるIR光の波長範囲は、第1のIR光源によって放出される波長または波長範囲と重複してもよい。
【0026】
一実施形態では、IRカメラは、IR光の検出された波長に関してプロセッサにフィードバックを提供するように、プロセッサと無線で通信してもよい。この実施形態では、IRカメラは、針が患者の体に挿入および除去されるときに、針100内に維持されてもよい。いくつかの実施形態では、針100を患者の体内に挿入した後、IRカメラは、静脈または動脈などの血管に対する患者の体内の針100の位置を検出するために使用されてもよい。たとえば、人体では、循環系の血管が血液を体全体に移送する。動脈は心臓から離れるように血液を移送する血管であり、一方、静脈は血液を心臓に移送する血管である。いくつかの例では、静脈の際立った特徴は、心臓からの血液の逆流を防ぐためにその中に形成された、いくつかの弁を含むことである。針100の使用中に、特定の注入液、薬剤、非経口栄養、または他の薬剤を静脈に導入して、これらの薬剤を、心臓が受け取り、全体に分配する場所で血流に入れることができる。場合によっては、これらの薬剤を体内の他の軟部組織または動脈内に注入するのではなく、これらの薬剤を静脈に導入することによってこれらの薬剤を体全体に分配することが望ましい。動脈への薬剤の導入は、これらの薬剤を効果的かつ均一に体内に分配することができない可能性があるため、本明細書に記載のIRカメラは、針が静脈または動脈のどちらに挿入されているかに関するフィードバックの受信を可能にし得る。使用中、針100は、静脈が位置すると予想される位置で人体に挿入されてもよい。挿入中、IRカメラは、第1のIR光源および第2のIR光源の一方または両方からIR光を放出してもよい。反射されたIR光は、IRカメラのIR検出器に反射され、捕捉され、信号強度(強度、波長、周波数など)を分析されてもよい。針100の遠位先端105が血管に向けられているとき、反射されたIR光からの信号強度は、IRカメラの前の血管のタイプを示してもよい。特定の実施形態では、IRカメラで受信される信号強度は、血液によるIR光の吸収がより高い場合、より弱くなり得る。いくつかの例では、IRカメラで検出された吸収/反射光の相対レベルは、これらのタイプの血管で維持される血液中に存在する酸素のレベルのために、血管が静脈であるか動脈であるかを示してもよい。たとえば、動脈内の酸素化された血液は、800nmを超える波長で静脈内の脱酸素化された血液よりも多くのIR光を吸収する。この吸収挙動は、800nm未満の波長では逆になる。一実施形態では、1つまたは複数の異なる波長での光の反射の違いは、静脈または動脈に対する針100の位置を示してもよい。
【0027】
本明細書に記載されるように、IR検出器および2つの別個のIR波長または近IR波長の発光ダイオードを含むIRカメラを使用して、近IR波長(例えば、960nm)で患者の体に沿って対象領域を最初にスキャンし、血管の存在を示す光の高い吸収に関連する反射光の少ない領域を検出してもよい。その後、IRカメラは、異なる波長のIR光(例えば、650から760nm)を放出するように切り替えてもよい。この実施形態では、吸収係数が増加するとき、検出される血管は静脈である。吸収係数が低下するとき、血管は動脈である。
【0028】
一実施形態では、患者の体に沿った対象領域のスキャンの最初のスキャンは、650nmまたは760nmの間の波長を放出することで行われてもよい。この実施形態では、第2のスキャンは、960nmのIR光の波長を放出するダイオードを用いて行われる。この特定の実施形態では、吸収係数の検出された増加は動脈を示し、吸収係数の検出された減少は静脈を示す。
【0029】
本明細書に記載のいくつかの実施形態では、患者の体に沿った対象領域の任意の最初のスキャンは、針100で患者の皮膚を貫通する前に実施されてもよい。これは、臨床医または他の医療提供者(HCP)が対象領域で表在静脈を視覚的に検出する場合に行われてもよい。臨床医または他のHCPが静脈を視覚的に検出できない場合、針100が患者の皮膚を貫通した後にスキャンを行うことができる。したがって、本明細書は、患者の皮膚の上および患者の体内で使用され得る静脈および動脈の検出デバイスについて説明する。
【0030】
一実施形態では、針とその中のIRカメラまたは近赤外カメラの向きは、針の前の静脈および/または動脈の二次元画像を提供する。検出された血管が画像の中央にない場合は、針の向きを調整する。他のタイプの視覚的、音声的、および触覚的インジケータは、アクセスされる血管の位置および存在を示すために使用されてもよい。
【0031】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による静脈内治療システムの針100の斜視図である。
図2に示されるような、いくつかの実施形態では、針100は、多数のリード115、120、125を有してもよい。
図2に示される実施形態では、リード115、120、125は、IR検出器リード115、第1の光源リード120、および第2の光源リード125を含んでもよい。
【0032】
一実施形態では、針の中空内に形成されたIRカメラの構成要素(すなわち、IR検出器、第1のIR光源、および第2のIR光源)は、患者内に針100を挿入および患者の体内の静脈による針100のアクセス時に取り外されてもよい。この実施形態では、IR検出器リード115は、臨床医が、針100の挿入および静脈へのアクセス後に、針100の近位端を介して針100の中空内からIR検出器を選択的に取り外すことを可能にするために、IR検出器に物理的に結合されるドローワイヤであってもよい。さらに、一実施形態では、第1の光源リード120は、臨床医が、針100の挿入および静脈へのアクセス後に、針100の近位端を介して針100の中空内から第1の光源を選択的に取り外すことを可能にするために、第1の光源に物理的に結合されるドローワイヤであってもよい。さらに、一実施形態では、第2の光源リード125は、臨床医が、針100の挿入および静脈へのアクセス後に、針100の近位端を介して針100の中空内から第2の光源を選択的に取り外すことを可能にするために、第2の光源に物理的に結合されるドローワイヤであってもよい。これらの実施形態では、IR検出器、第1の光源、および第2の光源は、臨床医によって、IR検出器リード115、第1の光源リード120、および第2の光源リード125を、開口部から個別にまたは一緒に引っ張ることによって、取り外されてもよい。これらの実施形態では、IR検出器、第1の光源および第2の光源の取り外しは、血液または薬剤などの流体が針の中空を通過することを可能にし得る。この特定の例では、IR検出器、第1の光源、および第2の光源は、本明細書に記載の動作方法に従って動作するように、その中に組み込まれた独自の電源を含む。
【0033】
一実施形態では、IR検出器リード115、第1の光源リード120、および第2の光源リード125は、それぞれ、IR検出器、第1の光源、および第2の光源への電気的および通信的接続であってもよい。一実施形態では、IR検出器リード115は、IR検出器に電力を供給するとともに、IR検出器が、IR検出器で受信したデータを、例えば、情報取扱システムのプロセッサに通信することを可能にし得る。同様に、第1の光源リード120および第2の光源リード125は、光源を照明させるためにある電圧で電流を選択的に受け取るために、それぞれ第1の光源および第2の光源に電気的に結合されてもよい。これらの実施形態のそれぞれにおいて、IR検出器リード115、第1の光源リード120、および第2の光源リード125は、リード115、120、125を引っ張ることで、臨床医が、本明細書に記載されるように、針100の近位端を介して、針100の中空内からIR検出器、第1の光源、および第2の光源を取り外すことができるように、それぞれIR検出器、第1の光源、および第2の光源に結合されてもよい。本明細書に記載の任意の実施形態では、IR検出器、第1の光源、および第2の光源は、IR検出器、第1の光源、および第2の光源の存在にもかかわらず、血液または薬剤などの流体が針100の中空を通過することができるように、針100の中空内にサイズを決めてもよい。
【0034】
一実施形態では、IR検出器リード115、第1の光源リード120、および第2の光源リード125は、それぞれ、光ファイバのストランド(strand)であってもよい。この実施形態では、光ファイバリード115、120、125はそれぞれ、光が光ファイバに沿って通過し、それらの要素に到達するための光路を提供してもよい。例として、IR検出器リード115の末端は、針100の中空内のIR検出器に結合された光ファイバの遠位端で受けた光が、針100を患者の体内に挿入する間、IR検出器が患者の体内からの光を検出することを可能にするように、IR検出器に結合されてもよい。一実施形態では、第1の光源光ケーブル120の末端は、第1の光源に結合されてもよい。針100の挿入中、または針100が患者の体内にある間、第1の光源から放出された光は、第1の光源光ファイバ120を伝わり、IR検出器が検出するために体内の領域を照らしてもよい。一実施形態では、第2の光源光ケーブル125の末端は、第2の光源に結合されてもよい。針100の挿入中、または針100が患者の体内にある間、第2の光源から放出された光は、第2の光源光ファイバ125を伝わり、IR検出器が検出するために体内の領域を照らし得る。
【0035】
IR検出器、第1の光源、および第2の光源に関連して使用されるリード115、120、125に関して本明細書に記載される実施形態のそれぞれは、人体内の静脈の存在または不在を検出するために使用されてもよい。一実施形態によれば、その中にIRカメラを備えた針100は、患者の体外から患者の血管を検出するために、使用されてもよい。別の実施形態によれば、針100は、患者の体内から患者の血管を検出するために使用されてもよい。動作中および体内の物体から反射された検出されたIR光の比較により、臨床医は、第1の光源または第2の光源のいずれかから放出されたIR光を吸収する、または吸収しない血液中に存在する酸素の量に基づいて、血管が動脈であるか静脈であるかを検出してもよい。
【0036】
針100の動作中、IRカメラは、最初に、第1のダイオードを用いて近赤外波長(例えば、960nm)で患者の体に沿った対象領域をスキャンして、血管の存在を示すその光の高い吸収に関連する低反射光の領域を検出することができる。次に、IRカメラは、第2のダイオードを用いて、異なる波長のIR光(例えば、650から760nm)を放出するように切り替えてもよい。この実施形態では、吸収係数が増加するとき、検出される血管は静脈である。吸収係数が低下するとき、血管は動脈である。
【0037】
一実施形態では、患者の体に沿った対象領域のスキャンの最初のスキャンは、650nmまたは760nmの間の波長を放出することで行われてもよい。この実施形態では、第2のスキャンは、960nmのIR光の波長を放出するダイオードを用いて行われる。この特定の実施形態では、吸収係数の検出された増加は動脈を示し、吸収係数の検出された減少は静脈を示す。
【0038】
本明細書に記載のいくつかの実施形態では、患者の体に沿った対象領域の任意の最初のスキャンは、本明細書に記載の針100で患者の皮膚を貫通する前に実施されてもよい。これは、臨床医または他の医療提供者(HCP)が対象領域で表在静脈を視覚的に検出する場合に行われてもよい。臨床医または他のHCPが静脈を視覚的に検出できない場合には、本明細書の記載の針100が患者の皮膚を貫通した後にスキャンを行うことができる。したがって、本明細書は、患者の皮膚の上および患者の体内の両方で使用され得る静脈および動脈の検出デバイスについて説明する。
【0039】
一実施形態では、針とその中のIRカメラまたは近赤外カメラの向きは、針の前の静脈および/または動脈の二次元画像を提供する。検出された血管が画像の中央にない場合は、針の向きを調整する。他のタイプの視覚的、音声的、および触覚的インジケータは、アクセスされる血管の位置および存在を示すために使用されてもよい。
【0040】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、IRカメラを含む針100の側面図である。
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、IRカメラを含む針100の断面図である。これらの図のそれぞれにおいて、IR検出器リード115、第1の光源リード120、および第2の光源リード125が、針100の中空内に示されている。
図3および4に示されるこれらの実施形態では、IRカメラ、第1の光源、および第2の光源を具体的に示さないが、IRカメラの構成要素のサイズは、それらのそれぞれのリード115、120、125と同じかそれよりも小さくてもよく、リード115、120、125のそれぞれの遠位端に固定されてもよい。別の実施形態では、リード115、120、125は、IR検出器、第1の光源、および第2の光源をそれぞれのリード115、120、125の遠位端に光学的に結合する光ファイバであってもよい。
【0041】
図4は、リード115、120、125および/またはIRカメラの構成要素が針100の中空内に適合する一実施形態を示す。
図4は、リード115、120、125またはIRカメラの構成要素が同じサイズであることを示していますが、IR検出器、第1の光源、第2の光源、または任意の関連するリード115、120、125の断面の直径または寸法の一部またはすべては、
図4に示されているよりも大きくても小さくてもよい。
図4に示される実施形態では、3つのリード115、120、125またはIRカメラの構成要素は、針100の中空内に圧縮され、その間にいくつかの空間がある。この空の空間は、針100を患者の体内に挿入する際に、血液または薬剤で満たされてもよい。他の例では、リード115、120、125またはIRカメラの構成要素は、リード115、120、125または構成要素の間にギャップまたは空間が存在しないように、針100の中空に詰め込まれてもよい。この実施形態では、リード115、120、125またはリード115、120、125および結合された構成要素は、針100による静脈の挿入およびアクセスの後に、針100の中空内から引き出されてもよい。
【0042】
図5は、本開示の一実施形態による静脈内システム200のブロック図である。本明細書に記載される実施形態において、情報取扱システム200は、ビジネス、科学、制御、娯楽(entertainment)、またはその他の目的のための任意の形式の情報、知能(intelligence)、またはデータを、計算し、分類し、処理し、送信し、受信し、回収し、生じさせ(originate)、切り替え、保存し、表示し、明示し(manifest)、検出し、記録し、複製し、扱い、または使用するように動作可能な任意の手段または手段の集合体を含む計算装置を含んでいてもよい。例えば、情報取扱システム200は、パーソナルコンピュータ、モバイル機器(例えば、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)またはスマートフォン)、サーバ(例えば、ブレードサーバーまたはラックサーバー)、家庭用電子機器(consumer electronic device)、ネットワークサーバーまたはストレージデバイス、ネットワークルーター、スイッチ、またはブリッジ、無線ルーター、または他のネットワーク通信デバイス、ネットワーク接続型デバイス(携帯電話、タブレット型デバイス、等)、IoTコンピューティングデバイス、装着型コンピューティングデバイス、セットトップボックス(STB)、モバイル情報取扱システム、パームトップコンピューター、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、通信デバイス、アクセスポイント(AP)、基地局送受信機(base station transceiver)、無線電話、固定電話(land-line telephone)、制御システム、カメラ、スキャナ、ファクシミリ機、プリンター、ポケットベル、個人信用型デバイス(personal trusted device)、ウェブ機器(web appliance)、または、そのマシンによって取られるべきアクションを指定する一連の命令(順次的な、または別の方法の)を実行することが可能な任意の他の適切なマシンを含むことができ、ならびにサイズ、形状、性能、価格、および機能性が異なり得る。
【0043】
ネットワーク配備では、情報取扱システム200は、サーバの能力で、またはサーバークライアントネットワーク環境におけるクライアントコンピュータとして、またはピアツーピア(または分散型)のネットワーク環境におけるピアコンピュータシステムとして、動作してもよい。特定の実施形態では、情報取扱システム200は、音声、ビデオ、またはデータ通信を提供する電子デバイスを使用して実装されてもよい。例えば、情報取扱システム200は、そのマシンによって実行されるべき働きを指定する一連の命令(逐次的またはその他)を実行することができる任意のモバイルまたは他の計算デバイスであってもよい。さらに、単一の情報取扱システム200が示されているが、「システム」という用語はまた、1つまたは複数のコンピュータ機能を実行するための命令のセットまたは複数のセットを、個別にまたは共同で実行するシステムまたはサブシステムの任意の集合を含むと解釈されるべきである。
【0044】
情報取扱システムは、メモリ(揮発性(例えば、ランダムアクセスメモリ、等)、不揮発性(読み取り専用メモリ、フラッシュメモリ等)またはそれらの任意の組み合わせ)、中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)、ハードウェアまたはソフトウェアの制御ロジック、またはそれらの任意の組み合わせのような、1つまたは複数の処理資源(processing resources)を含み得る。情報取扱システム200の追加の構成要素は、1つまたは複数の記憶装置、外部装置と通信するための1つまたは複数の通信ポート、ならびにキーボード、マウス、ビデオ/グラフィックディスプレイ、またはそれらの任意の組み合わせのような様々な入出力(I/O)デバイスを含むことができる。情報取扱システム200はまた、様々なハードウェア構成要素間の通信を伝送するように動作可能な1つまたは複数のバスを含むことができる。情報取扱システム100の一部は、それら自体が情報取扱システム200と見なされてもよい。
【0045】
情報取扱システム100は、1つまたは複数のデバイスを具体化するか、または本明細書に記載の1つまたは複数のシステムおよびモジュールの命令を実行し、本明細書に記載の1つまたは複数の方法を実行するように動作する装置またはモジュールを含むことができる。情報取扱システム200は、本明細書中の様々な実施形態による、サーバまたはシステム、リモートデータセンター、または個々のクライアント情報取り扱いシステムのオンボックス(on-box)で動作することができるコード命令224を実行してもよい。いくつかの実施形態では、コード命令224の任意のまたはすべての部分が、複数の情報取扱システム200上で動作し得ることが理解される。
【0046】
情報取扱システム200は、中央処理装置(CPU)、制御論理、またはそれらの何らかの組み合わせのようなプロセッサ202を含んでもよい。処理資源はいずれも、ファームウェアコードまたはソフトウェアコードのいずれかであるコードを実行するように動作し得る。さらに、情報取扱システム200は、メインメモリ204、スタティックメモリ206、比較器232の命令224を格納するコンピュータ可読媒体222、およびドライブユニット216(揮発性(例えば、ランダムアクセスメモリなど)、不揮発性(読み取り用メモリ、フラッシュメモリなど)、またはそれらの任意の組み合わせ)などのメモリを含み得る。情報取り扱いシステム200はまた、様々な入力および出力(I/O)装置の任意の組み合わせのような様々なハードウェア構成要素間の通信を送信するように動作可能な1つまたは複数のバス208を含み得る。
【0047】
情報取扱システム200は、ビデオディスプレイ210をさらに含んでもよい。一実施形態におけるビデオディスプレイ210は、液晶ディスプレイ(LDC)、有機発光ダイオード(OLED)、フラットパネルディスプレイ、固体ディスプレイ、または陰極線管(CRT)として機能し得る。加えて、情報取り扱いシステム200は、カーソル制御デバイス(例えば、マウス、タッチパッド、またはジェスチャーまたはタッチスクリーン入力、およびキーボード214のような、入力装置212を含んでもよい。
【0048】
ワイヤレスアダプタ220として示されることがあるネットワークインターフェースデバイスは、ネットワーク228、例えば、広域ネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)、無線広域ネットワーク(WWAN)、またはその他のネットワークへの接続を提供してもよい。接続性は、有線または無線の接続を介して存在してもよい。無線アダプタ220は、任意の無線データ通信規格に従って動作してもよい。無線ローカルエリアネットワークと通信するために、IEEE802.11WLAN規格、IEEE802.15WPAN規格、3GPPもしくは3GPP2のようなWWAN、または同様の無線規格を含む規格が使用されてもよい。本開示のいくつかの態様において、1つの無線アダプタ220は、2つ以上の無線リンクを動作させてもよい。本明細書に記載の実施形態では、ネットワークインターフェースデバイス220は、情報取扱システム200をインジケータシステム234と無線で結合してもよい。本明細書に記載の実施形態では、インジケータシステム234は、患者の体内の針100の位置を説明するデータを受信してもよく、情報取扱システム200は、その位置データをインジケータシステム234に中継してもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、ソフトウェア、ファームウェア、特定用途向け集積回路などの専用ハードウェア実装、プログラマブルロジックアレイ、および他のハードウェアデバイスを構築して、本明細書に記載のいくつかのシステムおよび方法の1つまたは複数を実装することができる。様々な実施形態の装置およびシステムを含んでいてもよい用途(Applications)は、様々な電子システムおよびコンピュータシステムを広く含み得る。本明細書に記載される1つまたは複数の実施形態は、2つまたはそれ以上の特定の相互接続されたハードウェアモジュールまたはデバイスを、モジュール間でおよびモジュールを介して通信され得る関連した制御およびデータ信号と共にまたは特定用途向け集積回路の一部として用いて、機能を実装することができる。したがって、本システムは、ソフトウェア、ファームウェア、およびハードウェアの実装を包含する。
【0050】
本開示の様々な実施形態によれば、本明細書に記載の方法は、コントローラまたはプロセッサシステムによって実行可能なファームウェアまたはソフトウェアプログラムによって実装され得る。さらに、例示的な非限定的な実施形態では、実装は、分散処理、コンポーネント/オブジェクト分散処理、および並列処理を含むことができる。あるいは、仮想コンピュータシステム処理は、本明細書に記載されるような方法または機能のうちの1つまたは複数を実装するように構築され得る。
【0051】
本開示は、命令、パラメータ、およびプロファイル224を含むコンピュータ可読媒体を検討し、または伝搬する信号に応答して、命令、パラメータ、およびプロファイル224を受信してそれらを実行し、それによって、ネットワーク228に接続された装置が音声、ビデオ、またはデータをネットワーク228で通信することができる。さらに、命令224は、ネットワークインターフェース装置ないし無線アダプタ220を介することにより、ネットワーク228で送信または受信され得る。
【0052】
情報取扱システム200は、本明細書に開示される方法またはコンピュータベースの機能のうちの任意の1つまたは複数をコンピュータシステムに実行させるために実行され得る一組の命令224を含むことができる。例えば、命令224は、比較器232、ソフトウェアエージェント、または他の態様または構成要素を実行することができる。アプリケーション命令224を含む様々なソフトウェアモジュールは、オペレーティングシステム(OS)、および/またはアプリケーションプログラミングインターフェース(API)によって統合され得る。オペレーティングシステムの例には、Windows(登録商標)、Android(登録商標)、およびその他のOSタイプが含まれ得る。APIの例には、Win32、Core Java API、またはAndroid APIが含まれ得る。
【0053】
ディスクドライブユニット216および比較器232は、ソフトウェアなどの命令224の1つまたは複数のセットが埋め込むことができるコンピュータ可読媒体222を含んでもよい。同様に、メインメモリ204およびスタティックメモリ206はまた、命令、パラメータ、またはプロファイル224の1つまたは複数のセットを記憶するためのコンピュータ可読媒体を含むことができる。ディスクドライブユニット216およびスタティックメモリ206はまた、データ記憶のためのスペースを含み得る。さらに、命令224は、本明細書に記載される方法または論理のうちの1つまたは複数を具体化してもよい。例えば、比較器232のソフトウェアアルゴリズム、プロセス、および/または方法によってIR検出器で受信されたIR光の比較に関する指示は、ここに格納されてもよい。特定の実施形態では、命令、パラメータ、およびプロファイル224は、情報取扱システム200のプロセッサ202による実行中に、メインメモリ204、スタティックメモリ206内、および/またはディスクドライブ216内に完全に、または少なくとも部分的に、存在していてもよい。説明したように、比較器232の一部またはすべては、局所的または遠隔的に実行されてもよい。メインメモリ204およびプロセッサ202はまた、コンピュータ可読媒体を含み得る。
【0054】
メインメモリ204は、例示的な実施形態では、RAMなどのコンピュータ可読媒体(不図示)を含み得る。メインメモリ204の例は、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、不揮発性RAM(NV-RAM)などのランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、別のタイプのメモリ、またはそれらの組み合わせを含むものである。スタティックメモリ206には、いくつかの例示的な実施形態では、NORまたはNADNフラッシュメモリなどのコンピュータ可読媒体(不図示)が含まれ得る。比較器232は、例示的な実施形態では、スタティックメモリ206、またはフラッシュメモリまたは磁気ディスクなどのコンピュータ可読媒体222のドライブユニット216に格納することができる。コンピュータ可読媒体は単一の媒体であることが示されているが、「コンピュータ可読媒体」という用語には、集中型または分散型データベースなどの単一または複数の媒体、および/または1つまたは複数の命令の組を格納する、関連するキャッシュメモリやサーバが含まれる。「コンピュータ可読媒体」という用語はまた、プロセッサによって実行するための命令のセットを格納し、符号化し、または運ぶことができるか、または本明細書において開示される方法または動作のうちの任意の1つまたは複数をコンピュータシステムに実行させる、任意の媒体を含んでいてもよい。
【0055】
特定の非限定的で例示的な実施形態では、コンピュータ可読媒体は、1つまたは複数の不揮発性読み取り専用メモリを収容するメモリカードまたは他のパッケージなどのソリッドステートメモリを含むことができる。さらに、コンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリまたは他の揮発性の書き換え可能(re-writable)メモリであり得る。加えて、コンピュータ可読媒体は、伝送媒体を通して通信される信号のような搬送波信号(carrier wave signals)を介して受信された情報を格納するための、ディスクもしくはテープのような光磁気媒体もしくは光媒体、または他の記憶装置を含むことができる。さらに、コンピュータ可読媒体は、クラウドベースの環境からのような分散型ネットワーク資源から受信した情報を格納することができる。電子メールまたは他の自己充足型(self-contained)情報アーカイブまたはアーカイブのセットへのデジタルファイル添付は、有形の(tangible)記憶媒体と同等の配布媒体(distribution medium)と見なされてもよい。したがって、本開示は、データまたは命令が格納され得る、コンピュータ可読媒体または配布媒体、および他の同等物および後継媒体(successor media)のうちの任意の1つまたは複数を含むと見なされてもよい。
【0056】
情報取扱システム200はまた、バス208に動作可能に接続され得る比較器232を含んでもよい。比較器232のコンピュータ可読媒体222はまた、データ記憶のためのスペースを含んでもよい。比較器232は、本説明によれば、針100の中空内に収容されたIR検出器で検出されたIR光を説明する入力を受信し、その検出されたIR光を以前に検出されたIR光のレベルまたはルックアップテーブルと比較することに関連するタスクを実行してもよい。
【0057】
一実施形態では、比較器232は、バス208を介して、メインメモリ204、プロセッサ202、ビデオディスプレイ210、入力装置212、およびネットワークインターフェースデバイス220と通信してもよく、ACPI、SMBus、24 MHZ BFSK符号化伝送チャネル、または共有メモリを含む、いくつかの形態の通信手段を用いてもよい。キーボードドライバソフトウェア、ファームウェア、コントローラなどは、情報取扱システム200上のアプリケーションと通信してもよい。
【0058】
別の実施形態では、特定用途向け集積回路、プログラマブルロジックアレイ、また他のハードウェア装置、などの専用ハードウェア実装を構成して、本明細書に記載の1つまたは複数の方法を実施することができる。様々な実施形態の装置およびシステムを含んでいてもよい用途(Applications)は、様々な電子システムおよびコンピュータシステムを広く含み得る。本明細書に記載される1つまたは複数の実施形態は、2つまたはそれ以上の特定の相互接続されたハードウェアモジュールまたはデバイスを、モジュール間でおよびモジュールを介して通信され得る関連した制御およびデータ信号と共にまたは特定用途向け集積回路の一部として用いて、機能を実装することができる。したがって、本システムは、ソフトウェア、ファームウェア、およびハードウェアの実装を包含する。
【0059】
「システム」、「デバイス」、「モジュール」、「コントローラ」などと呼ばれる場合、本明細書に記載の実施形態は、ハードウェアとして構成され得る。例えば、情報取り扱いシステムデバイスは、集積回路(特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、構造化ASIC、または大きなチップに埋め込まれたデバイスなど)、カード(周辺構成要素インターフェース(PCI)カード、PCIエキスプレスカード、パーソナルコンピューターメモリカード国際協会(PCMCIA)カード、または他の拡張カードなど)、またはシステム(マザーボード、システムオンチップ(SoC)、またはスタンドアロンデバイスなど)のようなハードウェアであってもよい。システム、装置、コントローラ、またはモジュールは、Intel(登録商標)Coreクラスのプロセッサ、ARM(登録商標)ブランドのプロセッサ、Qualcomm(登録商標)Snapdragonプロセッサ、または他のプロセッサおよびチップセットのような装置、または他のそのような装置に組み込まれたファームウェアを含むソフトウェア、または、情報取り扱いシステムの関連する環境を操作可能なソフトウェア、を含み得る。システム、デバイス、コントローラ、またはモジュールはまた、ハードウェアまたはソフトウェアの上述の例のうちの組み合わせを含み得る。一実施形態では、情報取扱システム100は、ハードウェアとソフトウェアの任意の組み合わせであり得るそれらの部分を有する集積回路またはボードレベル製品(board-level product)を含んでいてもよい。互いと通信しているデバイス、モジュール、資源、コントローラ、またはプログラムは、別段の明示的な記載がない限り、連続的に相互通信している必要はない。加えて、互いに通信しているデバイス、モジュール、リソース、コントローラ、またはプログラムは、1つまたは複数の中間媒体(intermediaries)を介して直接的または間接的に通信し得る。
【0060】
情報取扱システム200の動作中、データは、針100の中空内のIRカメラからプロセッサ202で受信されてもよい。本明細書で説明するように、針100の中空は、IR検出器、第1のIR光を放出する第1の光源、および第2のIR光を放出する第2の光源を含むIRカメラの構成要素を収容してもよい。IRカメラのこれらの構成要素は、患者の体内の光を照射して検出するために、針100の遠位先端105に近い針100の中空内に収容されてもよい。
【0061】
一実施形態では、情報取扱システム200のプロセッサ202は、多数のリード115、120、125によって、IR検出器、第1の光源、および第2の光源に通信可能に結合されてもよい。この実施形態では、プロセッサは、IR検出器リード115によってIR検出器に電気的および通信的に結合されてもよい。IR検出器リード115は、IR検出器を操作するためにIR検出器に電力を供給してもよい。さらに、IR検出器リード115は、針が患者の体の一部を通過して血管内に入るときに光信号強度を説明するデータを受信するデータ伝送ラインを含んでもよい。
【0062】
第1の光源リード120は、電源を介してプロセッサ202に通信可能に結合されてもよい。電源は、第1の光源が940nmから980nmの間の範囲の波長のIR光を発光させるように、第1の光源リード120を介して第1の光源に特定の電圧の電流を供給してもよい。一実施形態では、第1の光源は、960nmの波長を有するIR光を放出してもよい。
【0063】
第2の光源リード125は、電源を介してプロセッサ202に通信可能に結合されてもよい。電源は、第2の光源が630nmから780nmの間の範囲の波長を有するIR光を放出するように、第2の光源リード125を介して第2の光源に特定の電圧で電流を供給してもよい。一実施形態では、第2の光源は、960nmの波長を有するIR光を放出してもよい。
【0064】
情報取扱システム200の動作を継続して、プロセッサ202は、IR検出器リード115を介してIR検出器から提供されるデータを比較器232に提供してもよい。比較器232は、データを受信し、IR検出器での光の以前の検出の一方または両方に基づいて、IR検出器で受信された光の信号強度を比較してもよい。このデータは、特定の光吸収係数または反射係数を示していてもよい。一実施形態では、患者の体内からIRカメラで受信される任意の反射光の相対的なレベルは、血管の存在、および血管が静脈であるか動脈であるかを示してもよい。反射光が血管の存在を示し、血管が静脈であるか動脈であるかを決定することは、コンピュータ可読媒体222に保持されたルックアップテーブルによって提供されるデータおよび針100の挿入中の反射光の相対レベルに基づいてもよい
一実施形態では、針100は、静脈が位置することが予想される場所、または一実施形態では、IRカメラの使用を通じて血管の初期検出が示される場所で、人体に挿入されてもよい。挿入中、IRカメラは、第1のIR光源および第2のIR光源の一方または両方からIR光を放出してもよい。反射されたIR光は、IRカメラのIR検出器に反射され、IR検出器によって捕捉され、放出された光の吸収係数または反射係数を決定するために、信号強度(すなわち、強度、波長、周波数などの要因)について比較器232によって分析されてもよい。針100の遠位先端105が血管に向けられているとき、反射されたIR光からの信号強度は、IRカメラの前の血管のタイプを示してもよい。特定の実施形態では、IRカメラで受信される信号強度は、血液によるIR光の吸収がより高い場合、より弱くなり得る。
【0065】
予想される信号強度を説明する特定のデータは、放出された光の吸収係数または反射係数を計算し、血管がIR検出器の前に存在するかどうか、また、血管が存在する場合、それが静脈であるか動脈であるか、を決定するために、コンピュータ可読メモリ222上に維持され、比較器232によってアクセスされてもよい。いくつかの例では、IRカメラで検出された吸収/反射光の相対的なレベル(すなわち、IR検出器によって検出された信号強度)は、これらのタイプの血管で維持される血液中に存在する酸素のレベルに起因して、血管が静脈または動脈であるかをさらに示してもよい。具体的には、酸素が豊富な血液が動脈に存在する場合、IR光は、特定のIR波長(すなわち、960nm)でより容易に吸収されてもよい。逆に、脱酸素化された血液が静脈内に存在する場合、IR光は特定の波長(たとえば800nm)で吸収されにくく、IRカメラのIR検出器に反射されるIR光の量が相対的に多くなる可能性がある。
【0066】
一実施形態では、1つまたは複数の異なる波長での光の反射の違いは、静脈または動脈に対する針100の位置を示してもよい。比較器232は、IR検出器でのより高い信号強度に関してこれらの決定を行い、臨床医または他のHCPに、患者の体内で針100を向けるように指示するのを助けるために、ビデオディスプレイ210、音声出力デバイス、インジケータシステム234の音声インジケータ236、またはインジケータシステム234の視覚インジケータ238への出力を引き起こしてもよい。
【0067】
一実施形態では、インジケータシステム234は、有線接続または
図5に示されるように無線接続のいずれかを介して情報取扱システム200に通信可能に結合されてもよい。インジケータシステム234が有線接続を介して情報取扱システム200に通信可能に結合されている場合、情報取扱システム200は、臨床医が患者の体内に針を向けるか、または動かすように指示する方法を説明するデータとともに、インジケータシステム234にさらに電力を提供してもよい。
【0068】
一実施形態では、インジケータシステム234は、臨床医が、針100を患者の体内に挿入している間、および針100を患者の体内に向けている間に、インジケータシステム234から、および比較器232からのデータに基づいて、リアルタイム入力を受け取ることができるように、患者の体の一部に結合されるパッドであってもよい。インジケータシステム234は、説明されているように臨床医に指示するように臨床医の視覚的周辺機器内にあるように、患者の体に向けられてもよい。
【0069】
図6Aは、本開示のいくつかの実施形態による、患者の腕615に挿入された静脈内治療システムの針の上面図である。
図6Bは、本開示のいくつかの実施形態による、患者の腕615に挿入された静脈内治療システムの針の上面図である。
図6Cは、本開示のいくつかの実施形態による、患者の腕615に挿入された静脈内治療システムの針の上面図である。
図6A、6B、および6Cのそれぞれは、患者の腕615に挿入された針100を示している。さらに、
図6A、6B、および6Cのそれぞれは、
図5に関連して説明されたインジケータシステムと同様のインジケータシステム600を示している。
【0070】
インジケータシステム600の動作中に、臨床医は、針100を、この例では、患者の腕615に挿入してもよい。患者の腕615は、血管が配置され得る複数の場所を含んでもよい。本明細書に記載されるように、針100は、一実施形態では、IR検出器、第1の光源、および針100の中空内に配置された第2の光源を含むIRカメラを含んでもよい。IRカメラのこれらの構成要素は、例えば情報取扱システムのプロセッサに通信可能かつ動作可能に結合されてもよい。本実施形態における第1および第2の光源は、IR検出器からの光信号強度データを提供するように、IR検出器がプロセッサに通信可能に結合されている間、情報取扱システムのプロセッサによって制御されてもよい。
【0071】
臨床医が針100を患者の体に挿入する前、または挿入するときに、最初に第1の光源を作動させて、患者の体に沿って近赤外波長(例えば、960nm)で対象領域をスキャンして、血管の存在を示す光の高い吸収に関連する低い反射光の領域を検出してもよい。一実施形態では、第1の光源によって放出される光は、940nmから980nmの間の波長を有してもよい。一実施形態では、第1の光源によって放出される光は、940nmの波長を有してもよい。第1の光源からの光の放出は、患者の体の内部で反射し、IRカメラのIR検出器で受け取られ得る。針100が最初に患者の体内に挿入されるときにIR検出器で検出された反射光は、IR検出器が血管から反射された光を検出するときに予想される検出光信号強度を示すベンチマークとして使用されてもよい。
【0072】
一実施形態では、インジケータシステム600は、針100を患者の体内に挿入および方向付ける方法に関して臨床医に指示するのを役立つ多数の視覚インジケータ605、610を含んでもよい。任意の数およびタイプの視覚インジケータが使用されてもよい。
図6A、6B、および6Cに示される実施形態では、視覚インジケータ605、610は、矢印インジケータ605およびLEDインジケータ610を含んでもよい。この特定の実施形態では、矢印インジケータ605は、x-y平面に沿って患者の体内で針100をどのように方向付けるかに関して臨床医にフィードバックを提供してもよく、x-y平面は、患者の体の表面(すなわち、この実施形態では、患者の腕615の表面)に平行に位置する。この特定の実施形態では、LEDインジケータ610は、z軸に沿って患者の体内で針100をどのように方向付けるかに関して、臨床医にフィードバックを提供してもよい。z軸は、患者の体内の深さを定義してもよい。この実施形態では、LEDインジケータ610は、LEDインジケータ610のLEDの数を増やして、患者の腕615内で針100をどの程度浅くまたはどれだけ深く向けるかを示してもよい。
【0073】
一実施形態では、IR検出器によって検出された光信号強度が変化して血管の存在を示すとき、第1の光源をオフにし、第2の光源をオンにしてもよい。一実施形態では、第2の光源は、630nmから780nmの間の波長を有するIR光を放出してもよい。一実施形態では、第2の光源は、660nmの波長を有するIR光を放出してもよい。
【0074】
一実施形態では、第1の光源がオフにされ、第2の光がオンにされると、インジケータシステム600は、針100で静脈にアクセスするように患者の体内で針100をどのように方向付けるかについて臨床医に指示してもよい。一実施形態では、第1の光源がオフにされ、第2の光源がオンにされるとき、情報取扱システムは、本明細書に記載されているように、動脈と静脈を区別するために、異なる信号強度間の比較が行われていることを比較器に示してもよい。これにより、比較器はルックアップテーブルを参照して、検出された信号強度が動脈または静脈の存在を示しているかどうかを判断することができる。
【0075】
例えば、人体では、循環系の血管が血液を体全体に移送する。動脈は心臓から離れるように血液を移送する血管であり、一方、静脈は血液を心臓に移送する血管である。静脈の際立った特徴は、心臓から離れる血液の逆流を防ぐために、その中に形成された多数の弁の存在を含んでもよい。さらに、静脈は、血液を心臓に戻す血管である。針100の使用中に、特定の注入液、非経口栄養、または他の薬剤を静脈に導入して、これらの薬剤を、心臓が受け取り、全体に分配する場所で血流に入るようにしてもよい。場合によっては、これらの薬剤を体内の他の軟部組織または動脈内に注入するのではなく、これらの薬剤を静脈に導入することによってこれらの薬剤を体全体に分配することが望ましい。動脈への薬剤の導入は、これらの薬剤を効果的かつ均一に体内に分配されない可能性があるため、本明細書に記載のインジケータシステム600は、針が静脈または動脈のどちらに挿入されているかに関するフィードバックの受信を可能にし得る。
【0076】
挿入中、IR検出器は、第2の光源から発生する反射IR光を検出し、検出された光の量に関連する信号強度を捕捉し、その検出された信号強度をプロセッサに送信して分析してもよい。プロセッサは、矢印インジケータ605、LEDインジケータ610、またはその両方の状態を調整することによって、静脈がどこに位置するかを説明するデータをインジケータシステム600に返してもよい。針100の遠位先端105が血管に向けられているとき、反射されたIR光からの信号強度は、IRカメラの前の血管のタイプを示してもよい。特定の実施形態では、IRカメラで受信される信号強度は、血液によるIR光の吸収がより高い場合、より弱くなり得る。いくつかの例では、IRカメラで検出された吸収/反射光の相対的なレベル(放出された光の吸収係数または反射係数)は、本明細書に記載されているように、これらのタイプの血管で維持される血液中に存在する酸素のレベルのために、血管が静脈であるか動脈であるかを示し得る。したがって、これらの実施形態では、1つまたは複数の異なる波長で体の内部から反射された検出光の差は、検出された静脈に対する針100の位置を示してもよい。その結果、一実施形態では、インジケータシステム600は、最初に臨床医に針100を血管に向けるように指示し、続いて臨床医に針100を動脈ではなく静脈に向けるように指示してもよい。
【0077】
図6Aは、具体的には、患者の腕615の静脈に対する針100の向きを示している。この具体的な実施形態では、インジケータシステム600は、矢印インジケータ605が真っ直ぐではなく、代わりに、患者の腕615の右側を向いていることを示している。これは、静脈にアクセスするために、挿入された針100の遠位端を右に向けることを臨床医に示してもよい。さらに、LEDインジケータ610は、針100の遠位端を患者の体内にどれだけ深く突出させるかについて、臨床医に同時に示してもよい。
【0078】
図6Bは、具体的には、患者の腕615の静脈に対する針100の向きを示している。この具体的な実施形態では、インジケータシステム600は、矢印インジケータ605が真っ直ぐに向いていることを示している。これは、挿入された針100の遠位端が静脈にアクセスするのに十分である方向(x-y方向)を臨床医に示してもよい。さらに、LEDインジケータ610は、針100の遠位端を患者の体内にどれだけ深く突出させるかについて、臨床医に同時に示してもよい。
【0079】
図6Cは、具体的には、患者の腕615の静脈に対する針100の向きを示している。この具体的な実施形態では、インジケータシステム600は、矢印インジケータ605が真っ直ぐではなく、代わりに、患者の腕615の左側を向いていることを示している。これは、静脈にアクセスするために、挿入された針100の遠位端を左に向けることを臨床医に示してもよい。さらに、LEDインジケータ610は、針100の遠位端を患者の体内にどれだけ深く突出させるかについて、臨床医に同時に示してもよい。
【0080】
一実施形態では、
図6A、6B、および6Cに記載されたインジケータシステム600は、音声インジケータとして臨床医に音声信号を発するための音声デバイス(図示せず)をさらに含んでもよい。本実施形態では、視覚的表示とともに、スピーカは、体内の針の遠位先端(図示せず)の位置を示してもよい。例として、音声信号は、遠位先端が静脈に近づいていないことを示す低音ピッチであり得る一方、増加する高音ピッチは、遠位先端が静脈に近づいたことを示す。
【0081】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、患者の腕615に挿入された静脈内治療システムの針100の断面図である。断面図はまた、針100の中空を走る破線として、ゴースト中のIR検出器リード115、第1の光源リード120、および第2の光源リード125を示している。本明細書に記載されるように、臨床医は、本明細書に記載されているインジケータシステムから針100の遠位先端105をどのように向けるかに関する入力を受け取ることによって、針100で静脈705にアクセスしてもよいIR検出器は、針100が患者の腕615を通って進むときに、患者の腕615内から第1の光源または第2の光源のいずれかから発生する反射光を受け取ってもよい。
【0082】
図8は、本開示のいくつかの実施形態による静脈内治療選択システムを操作する方法800を示すフローチャートである。方法800は、赤外線カメラをコンピューティングデバイスに通信可能に結合することでブロック805から開始してもよい。一実施形態では、IRカメラは、IR検出器、第1の光源、および第2の光源を含んでもよい。IRカメラとコンピューティングデバイスとの通信可能な結合805は、一実施形態では、IR検出器、第1の光源、および第2の光のそれぞれとの無線接続を形成することを含んでもよい。別の実施形態では、IRカメラをコンピューティングデバイスに通信可能に結合805は、IR検出器、第1の光源、および第2の光のそれぞれと、コンピューティングデバイス上の電気/通信ポートとの間の有線接続を完了することを含んでもよい。
【0083】
方法800は、ブロック810で、IRカメラを針の中空に挿入することを含んでもよい。IRカメラの構成要素は、針の中空内に収まるほど十分に小さくてもよい。一実施形態では、IRカメラの構成要素は、静脈が針によってアクセスされた後など、針の中空から選択的に取り外されてもよい。
【0084】
あるいは、IRカメラを針の中空に挿入する代わりに、IR検出器、第1の光源、および第2の光にそれぞれに個別に光学的に結合された多数の光ファイバを針の中空に挿入してもよい。本実施形態では、IRカメラの構成要素のサイズは、針の中空の内径とは無関係であってもよい。さらに、本実施形態では、IRカメラの構成要素は、コンピューティングデバイスの通信ポートに直接結合され得るか、またはコンピューティングデバイスの一部を形成し得る。
【0085】
方法800は、一実施形態では、ブロック815で患者の体内に針の鋭い先端を通すことを含んでもよい。本実施形態では、IRカメラを使用して、患者の静脈にアクセスしてもよい。IRカメラを使用して静脈にアクセスするプロセスは、その静脈にアクセスするために、患者の体内の針の適切な方向について臨床医に示すインジケータシステムの使用を含んでいる。
【0086】
本明細書に記載されるように、IR検出器および2つの別個のIR波長または近IR波長の発光ダイオードを含むIRカメラを使用して、近IR波長(例えば、960nm)で患者の体に沿って対象領域を最初にスキャンし、血管の存在を示す光の高い吸収に関連する反射光の少ない領域を検出してもよい。その後、IRカメラは、異なる波長のIR光(例えば、650から760nm)を放出するように切り替えてもよい。この実施形態では、吸収係数が増加するとき、検出される血管は静脈である。吸収係数が低下するとき、血管は動脈である。
【0087】
一実施形態では、患者の体に沿った対象領域のスキャンの最初のスキャンは、650nmまたは760nmの間の波長を放出することで行われてもよい。この実施形態では、第2のスキャンは、960nmのIR光の波長を放出するダイオードを用いて行われる。この特定の実施形態では、吸収係数の検出された増加は動脈を示し、吸収係数の検出された減少は静脈を示す。
【0088】
本明細書に記載のいくつかの実施形態では、患者の体に沿った対象領域の任意の最初のスキャンは、本明細書に記載の針100で患者の皮膚を貫通する前に実施されてもよい。これは、臨床医または他の医療提供者(HCP)が対象領域で表在静脈を視覚的に検出する場合に行われてもよい。臨床医または他のHCPが静脈を視覚的に検出できない場合には、本明細書の記載の針100が患者の皮膚を貫通した後にスキャンを行うことができる。したがって、本明細書は、患者の皮膚の上および患者の体内の両方で使用され得る静脈および動脈の検出デバイスについて説明する。
【0089】
一実施形態では、針とその中のIRカメラまたは近赤外カメラの向きは、針の前の静脈および/または動脈の二次元画像を提供する。検出された血管が画像の中央にない場合は、針の向きを調整する。他のタイプの視覚的、音声的、および触覚的インジケータは、アクセスされる血管の位置および存在を示すために使用されてもよい。
【0090】
一実施形態では、静脈が針によってアクセスされた後、方法800は、ブロック820で、針の中空内からIRカメラを除去することを継続してもよい。針の中空からのIRカメラの取り外しは、血液または薬剤などの流体が通過できるようにするために行われてもよい。本実施形態は、IRカメラの構成要素のサイズが、流体が針の中空を通過するのを防ぐ場合に完了されてもよい。代替的な実施形態では、IRカメラの構成要素のサイズは、流体が針の中空を通過するのを妨げない場合、IRカメラは針の中空内に維持されてもよい。
【0091】
図9は、本開示のいくつかの実施形態による静脈内治療システムを製造する方法900を示すフローチャートである。方法900は、ブロック905において、IR検出器、第1の光源、および第2の光を含むIRカメラを形成することを含んでもよい。一実施形態では、これらの構成要素のそれぞれは、これらの構成要素の合計サイズが針の中空内に収まるようなサイズであってもよい。別の実施形態では、IR検出器、第1の光源、および第2の光はそれぞれ、個々の光ファイバに光学的に結合されてもよい。本実施形態では、光ファイバの直径は、3つの光ファイバの合計直径が針の中空内に収まるようなサイズであってもよい。
【0092】
方法900は、ブロック910において、IRカメラ(または、あるいは、本明細書に記載の光ファイバ)を針の中空に供給することをさらに含んでもよい。この場合も、これらの構成要素に光学的に結合されたIRカメラまたは光ファイバのサイズは、針の中空内に収まるようなサイズであってもよい。
【0093】
方法900は、ブロック915において、IR検出器、第1の光源、および第2の光源を、コンピューティングデバイスのプロセッサに通信可能に結合することをさらに含んでもよい。コンピューティングデバイスは、一実施形態の
図5に関連して説明された情報取扱システムに類似していてもよい。IR検出器のブロック915でのコンピューティングデバイスとの通信結合は、一実施形態では、IR検出器、第1の光源、および第2の光源に電力を供給するために、IRカメラの構成要素をコンピューティングデバイスに電気的に結合することをさらに含んでもよい。
【0094】
ブロック920での方法900は、視覚インジケータをコンピューティングデバイスのプロセッサに通信可能に結合することをさらに含んでもよい。本明細書に記載されるように、視覚インジケータは、患者の体内の針の軌道または向きを調整する方法に関して、臨床医に視覚的なフィードバックを提供してもよい。さらに、一実施形態では、視覚インジケータは、体内で針をどのように方向付けるかに関して臨床医に指示する音声信号を発する音声インジケータを含んでもよい。
【0095】
本明細書に記載の実施形態は、臨床医が針の挿入を物理的に実行している間に、患者の体内への針の挿入の段階の容易な視覚化を容易にするインジケータシステムを含む静脈内治療システムを提供する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のアラートは、以下の1つまたは複数に応答して変化または停止してもよく:針が静脈内にもはや存在しないか、または針が静脈内に完全に挿入されていない。
【0096】
この場合も、本出願の実施形態を組み合わせ得ることができることが理解されよう。一例として、
図1~
図9の実施形態は、実行されている動作の種類に基づいて特定の使用に適合するように構成されてもよい。例えば、動脈が針によってアクセスされる場合、情報取扱システムは、インジケータシステムを介して、静脈を避けながら動脈の位置を示すことができる。これにより、特定の薬剤が患者の体全体に分布することを心配することなく、特定の薬剤を患者の体の特定の場所に導入することが可能になる場合がある。
【0097】
本明細書で記載されるすべての例示および条件付き文言は、本技術を促進するために、読者が本発明および本発明者によって提供される概念を理解することの助けとなるような教育的目的を意図しており、その具体的に列挙されている例示および条件に限定されないものとして解釈されるべきである。本開示の実施形態が詳細に説明されているが、開示された実施形態の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に対する、さまざまな変更、置換、および改変がなされ得ることを理解されたい。
【国際調査報告】