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特表2022-523013針ハブおよびカテーテルハブを有する静脈内治療システム
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  • 特表-針ハブおよびカテーテルハブを有する静脈内治療システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-21
(54)【発明の名称】針ハブおよびカテーテルハブを有する静脈内治療システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/04 20060101AFI20220414BHJP
【FI】
A61M25/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021541657
(86)(22)【出願日】2020-01-16
(85)【翻訳文提出日】2021-09-16
(86)【国際出願番号】 US2020013880
(87)【国際公開番号】W WO2020150472
(87)【国際公開日】2020-07-23
(31)【優先権主張番号】62/794,426
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/743,634
(32)【優先日】2020-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ スパタロ
(72)【発明者】
【氏名】キャスリン ウィリーバイロ
(72)【発明者】
【氏名】フイ トラン
(72)【発明者】
【氏名】イーピン マー
(72)【発明者】
【氏名】バート ディー.ピーターソン
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー シー.オブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン カール バークホルツ
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA02
4C267AA24
4C267BB02
4C267BB09
4C267BB12
4C267BB24
4C267BB40
4C267BB63
4C267CC08
4C267EE01
4C267HH08
(57)【要約】
静脈内治療システムは、作動ハブを収容するためのハウジングであって、作動ハブは、針を患者の体内に挿入するために針に操作可能に係合された針ハブと、カテーテルを患者の体に挿入するためにカテーテルに操作可能に係合されたカテーテルハブであって、カテーテルは針の外面と同軸に形成されているカテーテルと、を備える作動ハブ、を収容するハウジングと、およびカテーテルを患者の体内に維持するために、カテーテルの長さに沿って形成された膨張可能なブラッダーと、を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静脈内治療システムであって、
作動ハブを収容するためのハウジングであって、前記作動ハブは、
針を患者の体に挿入するために前記針に操作可能に係合された針ハブと、
カテーテルを前記患者の体に挿入するために前記カテーテルに操作可能に係合されたカテーテルハブであって、前記カテーテルは前記針の外面と同軸に形成される、カテーテルハブと、
を備えた作動ハブ、を収容するためのハウジングと、
前記カテーテルを前記患者の体内に維持するために、前記カテーテルの長さに沿って形成された膨張式ブラッダーと、
を備えた、静脈内治療システム。
【請求項2】
前記針を挿入すると、前記針ハブおよび前記針は、前記作動ハブから除去され得る、請求項1に記載の静脈内治療システム。
【請求項3】
ある長さのチューブを介して流体リザーバを前記ブラッダーに係合するためのブラッダー流体注入ポートをさらに備えた、請求項1に記載の静脈内治療システム。
【請求項4】
前記カテーテルを通って前記患者の体内の血管に注入を提供するために、前記カテーテルに流体的に係合された注入チューブをさらに備えた、請求項1に記載の静脈内治療システム。
【請求項5】
前記針および前記カテーテルが前記患者の体内の血管にいつアクセスしたかを示すための視覚的インジケータをさらに備えた、請求項1に記載の静脈内治療システム。
【請求項6】
前記静脈内治療システムを前記患者の皮膚に固定するために、前記ハウジングの底面に形成された接着剤をさらに備えた、請求項1に記載の静脈内治療システム。
【請求項7】
前記患者の皮膚から前記静脈内治療システムを除去する際の前記接着剤の接着効果を低減するために接着剤除去流体を受け入れるための接着剤除去流体ポートをさらに備えた、請求項6に記載の静脈内治療システム。
【請求項8】
前記針を挿入すると、前記針ハブおよび前記針はハウジング内に後退され、前記カテーテル内から前記針を同軸で除去することができる、請求項1に記載の静脈内治療システム。
【請求項9】
前記静脈内治療システムを実施する臨床医が前記ハウジングを通して前記患者の皮膚を見ることを可能にする窓をさらに備えた、請求項1に記載の静脈内治療システム。
【請求項10】
前記針ハブおよび前記カテーテルハブは、作動位置で前記針ハブおよび前記カテーテルハブを選択的にロックおよびロック解除する双安定ロック機構をさらに備えた、請求項1に記載の静脈内治療システム。
【請求項11】
静脈内装置を製造する方法であって、
ハウジング内に針ハブおよびカテーテルハブを形成するステップと、
カテーテルを前記カテーテルハブに機械的に係合するステップと、
針を前記針ハブに機械的に係合するステップと、
ブラッダーを前記カテーテルに機械的に係合するステップと、
注入流体チューブを前記針および前記カテーテルに係合するステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
膨張リザーバを前記ブラッダーに係合することをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記静脈内装置が患者の皮膚に配備されたときに、前記静脈内治療装置を実施する臨床医が前記患者の皮膚を見ることを可能にするために、前記ハウジングを通して窓を形成することをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記針および前記カテーテルが患者の体内の血管にいつアクセスしたかを示す血液サンプルを受け入れるために、前記ハウジングに視覚的インジケータを形成する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記静脈内装置を患者の皮膚に固定するために使用される前記ハウジングの底面に接着剤を形成することをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
作動位置で前記針ハブおよび前記カテーテルハブを選択的にロックおよびロック解除するために、前記ハウジングに双安定ロック機構をさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
末梢静脈カテーテル(PIVC)であって、
収容する円形のハウジングであって、
針を患者の体内に挿入するために前記針に操作可能に係合された針ハブと、
カテーテルを前記患者の体に挿入するために前記カテーテルに操作可能に係合されたカテーテルハブであって、前記針の外面と同軸に形成される、カテーテルハブと、
を収容する、ハウジングと、
前記カテーテルを前記患者の体内に維持するために、前記カテーテルの長さに沿って形成された膨張可能なブラッダーと、
ある長さのチューブを介して流体リザーバーを前記ブラッダーに係合するためのブラッダー流体注入ポートと、
を備えた、末梢静脈カテーテル(PIVC)。
【請求項18】
前記カテーテルを通って前記患者の体内の血管への注入を提供するために、前記カテーテルに流体的に係合された注入チューブをさらに備えた、請求項17に記載のPIVC。
【請求項19】
前記針および前記カテーテルが前記患者の体内の血管にいつアクセスしたかを示す視覚的インジケータをさらに備えた、請求項17に記載のPIVC。
【請求項20】
静脈内治療システムを実施する臨床医が前記ハウジングを通して前記患者の皮膚を見ることを可能にするための窓をさらに備えた、請求項17に記載のPIVC。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
いくつかの静脈内治療システムは、真っ直ぐな針および真っ直ぐな針の周りに軸方向に形成されたカテーテルを含み得る。これらの静脈内治療システムは、さまざまな注入治療に使用され得る。例えば、静脈内治療システムは、生理食塩水、様々な薬剤、および非経口栄養などの液体を患者に注入するために使用され得る。静脈内治療システムはまた、患者から血液を抜くために使用され得る。体内への挿入を容易にするために、静脈内治療システムの針は、斜角(bevel)が患者の皮膚とは反対方向を向くときに患者の皮膚と接続(interface)するために使用される斜角を含む遠位先端を含む。
【背景技術】
【0002】
これらの静脈内治療システムの操作中に、針の遠位端に形成された斜角は、静脈内治療システムの挿入角度が一定のままであっても、針の遠位端を患者内に深く「潜り(dive)」を起こし得る。静脈内治療システムの挿入プロセスを完了するために、臨床医は、患者の体内にさらに潜る針と戦うように、患者に対する静脈内治療システムの角度を下げ得る。しかしながら、臨床医による静脈内治療システムのこの操縦は、針のゲージが増加するにつれて、挿入角度が低くなると針が比較的簡単に曲がるため、より小さなゲージの針およびカテーテル(例:20ゲージ、22ゲージ、および24ゲージ)では効果が限定的である。次に、針の遠位端は、静脈内で約20度の角度で配置され得、真っ直ぐにならない場合があり得る。針の遠位端が患者の血管の後壁に食い込むと、他の病状の中でもとりわけ、血管の外傷、炎症、静脈炎を引き起こし得る。これは、静脈内治療システム内に真空が作成されたときに、針の遠位端が静脈壁に吸引された状態で採血する場合にも問題になる。この真空の生成はさらに、針の遠位端が詰まりを引き起こし、それにより、流体が静脈内治療システムの針および/またはカテーテルを通過するのを妨げ得る。
【0003】
本明細書で特許請求される主題は、何かの課題を解決する実施形態、または本明細書で説明されるような環境においてのみ動作する実施形態に限定されない。むしろ、本背景技術は、ここで説明される実施形態が動作し得る環境を説明するために提供されるものである。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、一般的に、静脈内治療システムならびに関連するシステムおよび方法に関する。いくつかの実施形態では、静脈内治療システムは、患者の血管への静脈内治療システムの最初の挿入とは別に、患者への追加的な身体的および心理的外傷を回避するような方法で患者の血管へのアクセスを提供する。静脈内治療システムは、作動ハブを収容するためのハウジングを含み得、作動ハブは、針を患者の体内に挿入するために針に作動可能に係合された針ハブと、およびカテーテルを患者の体に挿入するためにカテーテルに作動可能に係合されたカテーテルハブであって、カテーテルは針の外面と同軸に形成されるカテーテルハブと、およびカテーテルを患者の体内に維持するために、カテーテルの長さに沿って形成される膨張可能なブラッダー(bladder)と、を備える。一実施形態では、静脈内治療は、ある長さの管を介して流体リザーバをブラッダーに係合するためのブラッダー流体注入ポートを含み得る。静脈内治療システムはまた、いくつかの実施形態において、カテーテルを通って患者の体内の血管への注入を提供するために、カテーテルに流体的に係合された注入チューブを含み得る。いくつかの実施形態では、静脈内治療システムはまた、針およびカテーテルが患者の体内の血管にいつアクセスしたかを示すための視覚的インジケータを含み得る。いくつかの実施形態では、静脈内治療システムは、静脈内治療システムを患者の皮膚に固定するためにハウジングの底面に形成された接着剤を含み、患者の皮膚から静脈内治療システムを取り外す際の接着剤の接着効果を低減するために、接着剤除去液体を受け入れるためのポートが付属している。静脈内治療システムは、いくつかの実施形態では、静脈内治療システムを実施する臨床医がハウジングを通して患者の皮膚を見ることを可能にするための窓も含み得る。静脈内治療システムの作動を容易にするために、静脈内治療システムは、いくつかの実施形態では、作動位置で針ハブおよびカテーテルハブを選択的にロックおよびロック解除する双安定ロック機構を含み得る。
【0005】
本開示はさらに、静脈内装置を製造する方法に関する。この方法は、いくつかの実施形態では、ハウジング内に針ハブおよびカテーテルハブを形成すること、カテーテルをカテーテルハブに機械的に係合すること、針を針ハブに機械的に係合すること、ブラッダーをカテーテルに機械的に係合すること、および注入流体チューブを針およびカテーテルに係合すること、を含み得る。
【0006】
上述の一般的な説明、および以下の詳細な説明の両方は、共に、例示的、説明的なものであり、特許請求される発明を限定するものではないことが理解されべきでものである。さまざまな実施形態は、図面に図示されている構成および手段に限定されないことを理解されたい。また、実施形態は、組み合わせられ得、または他の実施形態が利用され得、およびそのように特許請求されていない限り、本発明のさまざまな実施形態の範囲から逸脱することなく構造変更がされ得ることを理解されたい。それ故に、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
例示的な実施形態は、ここの添付の図面の使用を通じて、追加的な特異性および詳細を用いて記載および説明されることとなる。
【0008】
図1図1は、本開示の一実施形態による静脈内治療システムの斜視図および側面断面図である。
図2図2は、本開示の一実施形態による、患者の体の血管内の静脈内治療システムのカテーテルの側面断面図である。
図3図3は、本開示の一実施形態による、患者の体に配置された静脈内治療システムの斜視図である 。
図4A図4Aは、本開示の一実施形態による、非作動状態の静脈内治療システムの斜視図である 。
図4B図4Bは、本開示の一実施形態による、作動状態の静脈内治療システムの斜視図である。
図4C図4Cは、本開示の一実施形態による、半作動状態の静脈内治療システムの斜視図である 。
図5図5は、本開示の一実施形態による、血管と接続(interfacing)する静脈内治療システムの側面断面図である。
図6図6は、本開示の一実施形態による、静脈内治療システムを操作する方法を図示するフロー図である。
図7図7は、本開示の一実施形態による、患者の体内の血管内の静脈内治療システムの側面図である。
図8図8は、本開示の一実施形態による静脈内治療システムの側面断面図である。
図9図9は、本開示の一実施形態による静脈内治療システムの側面断面図である。
図10図10は、本開示のいくつかの実施形態による静脈内治療システムを製造する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書で使用される場合、「近位」という用語は、システムの使用中に、静脈内治療システムを使用する臨床医に最も近く、デバイスが使用される患者から最も遠い、静脈内治療システムの針における位置を指す。逆に、「遠位」という用語は、システムの使用中に、静脈内治療システムを使用する臨床医から最も遠く、静脈内治療システムが使用される患者に最も近い静脈内治療システムの針における位置を指す。
【0010】
本明細書で使用される場合、「上部」、「上へ」または「上向きに」という用語は、システムの使用中に、静脈内治療システムの長手方向軸から半径方向に離れる方向、および患者の皮膚から離れる方向の、静脈内治療システムの針における位置を指す。逆に、本明細書で使用される際に、「下部」、「下へ」または「下向きに」という用語は、システムの使用中に、装置の長手方向軸から半径方向に離れる方向、また患者の皮膚に向かう方向の、静脈内治療システムの針における位置を指す。
【0011】
本明細書で使用される場合、「中に」または「内部へ」という用語は、システムの使用中に静脈内治療システムの内側に向かう方向の、その静脈内治療システムの針における位置を指す。逆に、本明細書で使用される場合、「外に」または「外の方に」という用語は、システムの使用中に静脈内治療システムの外側に向かう方向の、その静脈内治療システムの針における位置を指す。
【0012】
本明細書における本発明の説明は、異なった実施形態における同様の要素には同様の参照番号を用いて行われている。本明細書に記載される実施形態は、血液サンプルを受け取るかまたは患者の体内に薬剤を導入するための静脈内治療システムとしての使用に関連して用いられるが、この静脈内治療システムは、針および/またはカテーテルが患者の血管に挿入されることが望ましい他の医療機器に適用可能であることは理解されよう。加えて、静脈内治療システムの実施形態は、多くの異なった形態の実施形態によって満たされるものであるが、添付の特許請求の範囲によって判断される本開示の範囲で、本発明の好ましい実施形態が、図面に示され、および本明細書に詳細に記載される。
【0013】
図1は、本開示の一実施形態による静脈内治療システム100の斜視図および側面断面図である。静脈内治療システム100は、静脈内治療システム100の構成要素を収容するために使用される剛性ケーシングを形成するハウジング105を含み得る。一実施形態では、ハウジング105は、静脈内治療システム100の重量を減らすプラスチックからなり得る。一実施形態では、ハウジング105の一部は、臨床医または他の医療提供者(HCP)が静脈内治療システム100の一部を通して患者の体の皮膚または表面を見ることを可能にする半透明のプラスチックからなり得る。この実施形態では、半透明のプラスチックは、臨床医が、静脈内治療システム100を、患者の腕の血管などの患者の体内の血管上に整列させることを特に可能にし得る。
【0014】
ハウジング105は、カテーテルハブ110および針ハブ115を収容し得る。一実施形態では、カテーテルハブ110は、臨床医がカテーテルハブ110を押し下げるときに臨床医によって作動され得るボタンの形態であり得る。カテーテルハブ110は、カテーテルハブ110に形成されたカテーテル140を、チューブ120を介して流体リザーバ(図示せず)に流体的に係合する流体チャネル160を含み得る。流体チャネルは、一実施形態では、チューブ自体であり得るか、またはカテーテル140をチューブ120に流体的に係合するカテーテルハブ110内の中空部分であり得る。カテーテルハブ110の作動中、流体チャネル160は、血液サンプルがカテーテル140、流体チャネル160、およびチューブ120を通過することを可能にするか、またはチューブ120、流体チャネル160、カテーテル140を通過するために、生理食塩水、様々な薬剤、および非経口栄養などの流体を注入することを可能にするように、カテーテル140およびチューブ120と流体連通を維持し得る。カテーテル140、流体チャネル160、およびチューブ120は、任意の流体が患者の血管と共に患者の血流に出入りすることを可能にするために協力し得る。
【0015】
ハウジング105は、針ハブ115をさらに収容し得る。針ハブ115は、一実施形態では、針145を含み得る。針145は、カテーテルハブ110のカテーテル140と同軸に配置され得る。一実施形態では、針145は、カテーテル140の長さよりも長い長さを有し得る。より長い針145はまた、針145の遠位端に形成された斜角を含み得る。斜角は、針145およびカテーテル140が患者の体を通過して、患者の体にある標的血管に入るのを可能にし得る。
【0016】
一実施形態では、針145およびカテーテルハブ110の長さは、針ハブ115およびカテーテルハブ110が臨床医によって作動されたときに患者の体内の血管に到達するのに十分な長さであり得る。一実施形態では、針145の長さは、包括的に1 / 4インチから1インチの間であり得る。一実施形態では、針145の長さは、包括的に0.1インチから1インチの間であり得る。
【0017】
ハウジング105は、ハウジング105の底面に形成された接着剤130の層をさらに含み得る。接着剤130の層は、少なくとも半永久的に、患者の体の表面で静脈内治療システム100を維持するのを助ける任意のタイプの接着剤であり得る。追加的に、接着剤130の層は、カテーテル140および針145が患者の体に接続される患者の体の場所と接触し得る、細菌、ウイルス、または他の汚染物質から、患者の体と静脈内治療システム100との間の界面(interface)を密封し得る。操作中、静脈内治療システム100が患者の体と接続する部位は、静脈内治療システム100を患者の体に適用する前に、消毒綿棒を使用して消毒され得る。一実施形態では、接着剤130の層は、患者の体の残りの部分と、カテーテル140および針145が患者の体に接続された患者の体の位置との間に消毒層を継続的に提供する消毒溶液を注入され得る。
【0018】
針ハブ115は、接着剤除去流体ポート135をさらに含み得る。接着剤除去流体ポート135は、静脈内治療システム100のハウジング105を通って、患者の体とハウジング105の底面との間の位置に形成されるポートであり得る。この位置は、カテーテル140および針145が患者の体に接続された患者の体の位置を含み得る。一実施形態では、接着剤除去流体ポート135は、溶解するか、さもなければ不活性にする接着剤除去流体を受け入れ得、接着剤130の層は、静脈内治療システム100のハウジング105が患者の体の表面から除去されることを可能にする。本明細書の実施形態では、接着剤除去流体は、患者の体からの静脈内治療システム100のハウジング105の比較的痛みの少ない除去を提供し得る。
【0019】
一実施形態では、針ハブ115は、視覚的インジケータ125を含み得る。図1に提示された実施形態では、視覚的インジケータ125は、針ハブ115に形成されている。しかしながら、本明細書は、視覚的インジケータ125が、静脈内治療システム100の任意の可視表面に形成されることを企図している。一実施形態では、視覚的インジケータ125は、針145およびカテーテル140が患者の体内の血管にアクセスしたことを示す血液のスポットを示す窓を含むフラッシュバックインジケータであり得る。一実施形態では、フラッシュバックは、針の管腔内から、針ハブ115またはカテーテルハブ110に形成されたチャネルを通って、針ハブ115、カテーテルハブ110の外面、またはハウジング105の他の表面の空間内に流れる少量の血液を備える。静脈内治療システム100の操作中、血液がカテーテルを通って近位方向に流れ続け、チューブ120に入ると、臨床医は、血液の活発な流れを見得、次に、針145および/またはカテーテル140の遠位先端が依然として患者の血管内にあることを確認することができ得る。しかしながら、一実施形態において、もし臨床医が、血液がカテーテルおよび/または針145への流入を停止したことを観察すると、臨床医は、針145またはカテーテル140の遠位先端が血管を通してまたは血管から完全に押されたことを決定し得る。この観察に応答して、臨床医は、静脈内治療システム100を再配置し、視覚的インジケータ125での確認を介して血液がカテーテルおよび針145に流れ始めるまで、針145およびカテーテル140を再挿入し得る。
【0020】
一実施形態では、静脈内治療システム100は、振動装置(図示せず)を含み得る。振動装置は、臨床医によるカテーテルハブ110および針ハブ115の作動時に自動的に作動され得る。この実施形態では、振動装置は、臨床医によるカテーテルハブ110および針ハブ115の作動時に、カテーテル140および針145の挿入中に針145およびカテーテル140を振動させ得る。カテーテル140および針145の振動は、挿入中に患者が感じる痛みを軽減または最小化し得る。
【0021】
静脈内治療システム100の動作中、臨床医は、静脈内治療システム100のハウジング105を、血管が位置する場所で患者の皮膚の表面上に配置し得る。本明細書に記載されるように、ハウジング105に形成された窓は、静脈内治療システム100を実施する臨床医が、ハウジング105を患者の皮膚内の血管上の注入位置に整列させるために、ハウジングを通して患者の皮膚を見ることを可能にし得る。次に、臨床医は、カテーテルハブ110および針ハブ115を作動させて、針145およびカテーテル140を患者の体内に挿入させて、患者の血管への流体アクセスを得ることができ得る。一実施形態では、カテーテルハブ110および/または針ハブ115は、双安定ロック機構(図示せず)を含み得る。双安定ロック機構は、作動位置でハウジング105内のカテーテルハブ110および/または針ハブ115を選択的にロックし得る。臨床医がカテーテルハブ110または針ハブ115のいずれかをさらに作動させると、カテーテルハブ110および針ハブ115は、患者の体内および血管内から、それぞれカテーテル140および針145を除去し得る。動作中、一実施形態では、針145は、カテーテル140が患者の血管内に留まり得るように、カテーテル140内から同軸に除去され得る。一実施形態では、針ハブ115は、その後、臨床医によって作動され、双安定ロック機構から針ハブ115のロックを解除し、カテーテル140内から同軸に針145を除去し得る。針ハブ115はさらに、一実施形態では、ハウジング105内から完全に除去されることを可能にされ得、針145および針ハブ115は、鋭利な処分保管場所に廃棄され得る。代替的に、針ハブ115は、針145がハウジング105内に保持され、針145による患者または患者の近くの他の人の偶発的な刺し傷を防止するように、ハウジング105から取り外されるのを防ぎ得る。
【0022】
一実施形態では、カテーテル140および針145は、注入流体ポート155およびブラッダー流体注入ポート150に流体的に係合され得る。注入流体ポート155は、生理食塩水、様々な薬剤、および非経口栄養などの注入流体を維持し、静脈内治療システム100を介して患者の血流にそれらの流体を導入するための、リザーバと接続し得る。一実施形態では、注入流体ポート155は、ブラッダー流体注入ポート150を備えたチューブ120を介して、針145およびカテーテル140への同じ流体経路を共有し得る。別の実施形態では、注入流体ポート155からカテーテル140および針145への流体経路は、ブラッダー流体注入ポート150の流体経路とは異なり得る。
【0023】
一実施形態では、ブラッダー流体注入ポート150は、カテーテル140に形成されたブラッダーに流体的に係合され得る。図2を参照すると、図2は、本開示の実施形態による、患者 の体の血管170内の静脈内治療システム100のカテーテル140の側面断面図である。ブラッダー165は、ブラッダー165を拡張するためにその中に流体を受け入れ得る任意の弾性材料からなり得る。図2は、内部に一定量の液体を備える、膨らんだ状態または半ば膨らんだ状態のブラッダーを示す。図1に関連して本明細書に記載されるように、ブラッダー165は、チューブ120に形成されたブラッダー流体注入ポート150を介して流体源に流体的に係合され得る。ブラッダー流体注入ポート150および注入流体ポート155が静脈内治療システム100への同じチューブ120を共有する実施形態では、ブラッダー165は、生理食塩水などの患者の血流を注入するために使用される同じ流体を使用して膨張され得る。
【0024】
操作中、臨床医は、針ハブ115およびカテーテルハブ110をそれぞれ作動させることによって、針145およびカテーテル140を患者の体、具体的には血管170に注入し得る。針145およびカテーテル140が血管170にアクセスしたと臨床医が判断した場合、臨床医は、ある量の流体をブラッダー流体注入ポート150から静脈内治療システム100のハウジング105を通ってカテーテル140の周りに形成されたブラッダー165に通過させ得る。ブラッダー165を流体で膨張させることにより、本明細書に記載の採血プロセスまたは流体注入プロセスの間、カテーテル140は患者の血管170内に維持および固定され得る。一実施形態では、ブラッダー165は、カテーテル140の遠位端全体の周りに形成され得る。一実施形態では、ブラッダー165は、カテーテル140の遠位端の一部の周りに形成され得る。
【0025】
図3は、本開示の一実施形態による、患者の体175に配置された静脈内治療システム100の斜視図である。図3は、作動状態の静脈内治療システム100の針ハブ115およびカテーテルハブ110を具体的に示す。この作動状態は、一実施形態では、カテーテルハブ110および針ハブ115を、ハウジング105に形成された表面と同一平面に配置させ得る。これは、カテーテルハブ110および針ハブ115のそれぞれのカテーテル140および針145が完全に配備されたことを臨床医に示し得る。本明細書に記載されるように、カテーテル140は、流体で膨張されたときに、少なくとも、患者の体内175内の血管170内にカテーテル140を維持するブラッダー165をさらに含む。ブラッダー165は、任意のタイプの流体を使用して、患者の体175に対してハウジング105の使用中に膨張され得る。本明細書および添付の特許請求の範囲において、「流体」という用語は、形状が固定されておらず、外圧に屈する任意の物質として理解されることを意味する。本明細書に提示される実施形態では、流体は、気体または液体を含み得る。
【0026】
図4Aは、本開示の一実施形態による、非作動状態の静脈内治療システムの斜視図である。図4Bは、本開示の一実施形態による、作動状態の静脈内治療システムの斜視図である。図4Cは、本開示の一実施形態による、半作動状態の静脈内治療システムの斜視図である。図4Aから4Cは、一実施形態では、静脈内治療システム100のカテーテルハブ110および針ハブ115の作動および使用のプロセスとして見え得る。
【0027】
図4Aから始めて、ハウジング105を備えた静脈内治療システム100は、カテーテルハブ110および針ハブ115が臨床医によって押し下げられていない状態で、非作動状態で患者の体175に配置され得る。本明細書に記載されるように、ハウジング105は、静脈内治療システム100を患者の体175に固定するために、ハウジング105の底面に接着剤の層(図示せず)を含み得る。
【0028】
図4Bに続いて、臨床医がカテーテルハブ110および針ハブ115を作動させた後の静脈内治療システム100が示される。カテーテルハブ110および針ハブ115(矢印によって示される)の作動により、カテーテル140および針145は、それぞれ、患者の体175を通過して血管170内に入る。
【0029】
図4Cはさらに、カテーテル140を血管170に挿入し、および一実施形態では針145を引っ込めると、静脈内治療システム100のハウジング105(矢印ごと)内から針ハブ115は除去され得、およびその針145を備えた針ハブ115は廃棄され得ることを示す。一実施形態では、針ハブ115は、針ハブ115が引っ込められた状態でハウジング105内に維持され得、その結果、針145は、ハウジング105内に留まり、患者、臨床医、または他の人を刺す可能性から離れる。
【0030】
図5は、本開示の一実施形態による、血管170と接続する静脈内治療システム100の側面断面図である。静脈内治療システム100のカテーテル140によってアクセスされる血管170は、患者の体175に沿った任意の場所にあり得る。この実施形態では、カテーテルハブ110および針ハブ115の作動は、カテーテル140および同軸針145を血管170の血流に導入する。
【0031】
図5はまた、流体によるブラッダー165の膨張を示す。本明細書に記載されるように、ブラッダー165の膨張は、カテーテル140を血管170の内面に対して固定し、静脈内治療システム100のハウジング105が患者の体175から離れる動きに対して支持力を生み出す。
【0032】
カテーテルハブ110および/または針ハブ115の作動中、流体チャネル160は、カテーテルハブ110および/または針ハブ115の動きにもかかわらず維持され得る。本明細書に記載されるように、針ハブ115は、カテーテル140のくぼみ内から引っ込められ得る。静脈内治療システム100のハウジング105内で流体が漏れるのを防ぐため、針145は、針145が流体チャネル160およびカテーテル140を通る流体の流れを妨害しないが、流体チャネル160またはカテーテル140のいずれかの外面内の密封を維持する場所に引っ込められ得る。針145の遠位端に形成された斜角は、針145がカテーテル140および/または流体チャネル160からの流体の漏出を防止しながら、流体が針145を通過することを可能にし得る。
【0033】
図6は、本開示の一実施形態による、静脈内治療システム100を操作する方法を図示するフロー図である。フロー図は、静脈内治療システム100の使用中の臨床医によるアクションを示すいくつかのパネルを示している。図6の左上の第1のパネルにおいて、臨床医610は、この実施形態では、患者605の腕など、血管が配置されている患者605の体の位置に対処し得る。
【0034】
一実施形態では、フロー図は、中央の上部パネルで続行し得る。中央の上部パネルは、非動作位置にあるカテーテルハブ110および針ハブ115を備える静脈内治療システム100の準備を示す。静脈内治療システム100の配置およびその中に隠された針145により、針145は、患者の605の視界によって視界から遠ざけられ、それにより、採血または注入プロセス中に患者が感じ得る不安を緩和し得る。
【0035】
右上のパネルのフロー図は、患者の体175に適用される静脈内治療システム100をさらに示す。この実施形態では、臨床医610は、カテーテルハブ110および針ハブ115を作動させている(矢印615)。一実施形態では、静脈内治療システム100は、臨床医によるカテーテルハブ110および針ハブ115の作動時にカテーテル140および針145の挿入中に針145およびカテーテル140を振動させる振動装置(図示せず)を含み得る。カテーテル140および針145の振動は、挿入中に患者が感じる痛みを軽減または最小化し得る。このパネルでは、臨床医610が、カテーテルハブ110および針ハブ115が押される速度を制御することによって、カテーテル140および針145の挿入速度を制御し得ることにも留意されたい。
【0036】
フロー図はさらに、右下のパネルに、膨張しているカテーテル140に係合されたブラッダー165を備えた静脈内治療システム100の断面を示す。本明細書に記載されるように、ブラッダー流体注入ポート150は、カテーテル140に形成されたブラッダーに流体的に係合され得る。ブラッダー165は、ブラッダー165を拡張するためにその中に流体を受け入れ得る任意の弾性材料からなり得る。ブラッダーは、膨張状態または半膨張状態で、その中にある量の流体を維持し得る。図1に関連して本明細書に記載されるように、ブラッダー165は、チューブ120に形成されたブラッダー流体注入ポート150を介して流体源に流体的に係合され得る。ブラッダー流体注入ポート150および注入流体ポート155が静脈内治療システム100への同じチューブ120を共有する実施形態では、ブラッダー165は、生理食塩水などの患者の血流を注入するために使用される同じ流体を使用して膨張され得る。これらの実施形態では、臨床医610は、このパネルに従って、ブラッダー165への流体の通過を開始および制御し得る。追加的に、このパネルでは、針ハブ115の再作動によって、本明細書に記載されているように、針145はハウジング105内に後退し得る。
【0037】
フロー図はまた、中央の下部パネルに、患者の体内175内の血管170への流体620の注入を示す静脈内治療システム100の断面図を示す。この時点で、患者605は静止したままであり得、その結果、流体620が注入され得る。本明細書に記載されるように、ブラッダー165は、接着剤130の層とともにハウジング105を患者の体175にさらに固定することにより、ハウジング105を患者の体175に対して維持し得る。
【0038】
フロー図はまた、左下のパネルに、注入または採血プロセスが完了したときの静脈内治療システム100の除去を示す。臨床医610は、例えば、ブラッダー流体注入ポート150に注射器を実施することによって、ブラッダー165に通過した流体をそこから後退させ得る。臨床医610がカテーテルハブ110を再作動させる(矢印625)ときに、カテーテル140は後退され得る。本明細書に記載されるように、接着剤除去流体ポート135は、静脈内治療システム100のハウジング105を通して、患者の体とハウジング105の底面との間の位置に形成され得る。ここで、接着剤除去流体ポート135は、溶解するか、さもなければ不活性にする接着剤除去流体を受け入れ得、接着剤130の層はハウジング105の底部に形成され、ハウジング105を患者の体175に固定する。これは、静脈内治療システム100のハウジング105が、臨床医610によって患者の体175の表面から除去されることを可能にし得る。本明細書の実施形態では、接着剤除去流体は、患者の体からの静脈内治療システム100のハウジング105の比較的痛みの少ない除去を提供し得る。
【0039】
図7は、本開示の一実施形態による、患者の体内の血管内の静脈内治療システム700の側面図である。静脈内治療システム700は、静脈内治療システム700の構成要素を収容するために使用される剛性ケーシングを形成するハウジング705を含み得る。一実施形態では、ハウジング705は、静脈内治療システム700の重量を減らすプラスチックからなり得る。一実施形態では、ハウジング705の一部は、臨床医または他の医療提供者(HCP)が静脈内治療システム700の一部を通して患者の体の皮膚または表面を見ることを可能にする半透明のプラスチックからなり得る。この実施形態では、半透明のプラスチックは、臨床医が、静脈内治療システム700を、患者の腕の血管などの患者の体内の血管に整列させることを特に可能にし得る。
【0040】
ハウジング705は、カテーテルおよび針ハブ710を収容し得る。一実施形態では、カテーテルおよび針ハブ710は、カテーテルおよび針ハブ710が特定の方向でハウジング705と接続し得るように、ハウジング705と機械的に接続し得るキャップの形態であり得る。カテーテルおよび針ハブ710は、チューブ720を介して、カテーテルおよび針ハブ710に係合された針745およびカテーテル740を流体リザーバ(図示せず)に流体的に係合する流体チャネル(図示せず)を含み得る。流体チャネルは、一実施形態では、チューブ自体であり得るか、またはカテーテル740および針745をチューブ720に流体的に係合するカテーテルハブ710内の中空部分であり得る。静脈内治療システム700の動作中、流体チャネルは、血液サンプルがカテーテル740、および/または針745、流体チャネル、およびチューブ720を通過することを可能にするか、または、チューブ720、流体チャネル、針745、およびカテーテル740を通過するために、生理食塩水、様々な薬剤、および非経口栄養などの流体を注入することを可能にするように、カテーテル740、針745、およびチューブ720と流体連通を維持し得る。カテーテル740、流体チャネル、およびチューブ720は、任意の流体が患者の血管と共に患者の血流に出入りすることを可能にするために協力し得る。
【0041】
一実施形態では、針745は、カテーテル740内で同軸に形成され得る。静脈内治療システム700の動作中、一実施形態では、臨床医または他のHCPは、ハウジング705が患者の体に配置される前または後に、カテーテルおよび針ハブ710をハウジング705と接続し得る。静脈内治療システム700を患者の皮膚に適用する前に、カテーテルおよび針ハブ710がハウジング705と接続される場合、針745およびカテーテル740は、患者の皮膚の表面に配置され得、臨床医は、本明細書に記載されているように、針745が皮膚を穿刺し、患者の血管に入るように圧力をかけ得る。静脈内治療システム700が、カテーテルおよび針ハブ710がハウジング705と接続される前に患者の皮膚の表面に適用される場合、臨床医は、カテーテルおよび針ハブ710がハウジング705と接続されるときに、針745およびカテーテル740が患者の血管と交差するように、ハウジング705を整列し得る。次に、臨床医は、カテーテルおよび針ハブ710を静脈内治療システム700と接続させ、カテーテルおよび針ハブ710に圧力を加えて、針745に患者の皮膚を穿刺させて血管に入れ得る。
【0042】
カテーテルおよび針ハブ710がハウジング705と接続するので、針745およびカテーテル740は、カテーテルカプラー780と接続し得る。カテーテルカプラー780は、ハウジング705、カテーテル740、および針745との間の界面を密封するガスケットであり得る。一実施形態では、カテーテルカプラー780は、カテーテル740および針745とは別個の部分であり得る。一実施形態では、カテーテルカプラー780は、カテーテル740の一部を形成し得る。一実施形態では、カテーテルカプラー780は、カテーテル740および針745がわずかに移動することを可能にし、ある程度の自由度を可能にし得る。
【0043】
一実施形態では、カテーテルおよび針ハブ710は、接続面785を含み得る。接続面785は、静脈内治療システム700のハウジング705へのキーフィット(keyed fit)を提供するカテーテルおよび針ハブ710の一部であり得るので、ハウジング705に対するカテーテルおよび針ハブ710の任意の他の方向は、カテーテルおよび針ハブ710がハウジング705と接続することを可能にしないであろう。一実施形態では、臨床医に提供されるカテーテルおよび針ハブ710は、静脈内治療システム700が患者の体に導入されるまで針745およびカテーテル740が露出されないように、静脈内治療システム700のハウジング705に係合され得る。
【0044】
図8は、本開示の一実施形態による静脈内治療システム700の側面断面図である。図8は、チューブ720の流体チャネル760への流体係合を示す。一実施形態では、針745およびカテーテル740は、流体が流体チャネル760およびチューブ720に出入りし得る経路(Via)を含み得る。この経路は、流体チャネル760が針745およびカテーテル740と接続する、ハウジング705の部分内に配置され得る。
【0045】
一実施形態では、針745、カテーテルおよび針ハブ710は、カテーテル740が患者の血管内に留まるように、患者内から除去され得る。この実施形態では、カテーテルおよび針ハブ710は、カテーテルおよび針ハブ710の除去後に、カテーテル740の近位端を大気に対して密封する取り外し可能なシールを含み得る。
【0046】
一実施形態では、ハウジング705は、湾曲した底面を有し得る。湾曲は、静脈内治療システム700が貼り付けられる患者の体の表面に一致するように形成され得る。一実施形態では、静脈内治療システム700の底面は、静脈内治療システム700を患者の体に一時的に係合するための接着剤を含み得る。図1と同様に、一実施形態では、静脈内治療システム700は、患者の皮膚から静脈内治療システムを除去する際の接着剤の接着効果を低減するために接着剤除去流体を受け入れるための接着剤除去流体ポートを含み得る。
【0047】
一実施形態では、静脈内治療システム700のハウジング705は、隔壁790を含み得る。隔壁790は、ハウジング705内の流体チャネル760の末端または遠位端を大気から流体的に隔離するように配置され得る。操作中、図8に示されるように、カテーテルおよび針ハブ710の針745およびカテーテル740は、隔壁790およびハウジング705を通って通過され得、一方、隔壁790は、流体チャネル760の末端間と大気の流体密封を維持する。
【0048】
図9は、本開示の一実施形態による静脈内治療システム700の側面断面図である。図9に示される静脈内治療システム700の側面断面図は、針745およびカテーテル740の長手軸に沿って回転された、図8に図示される静脈内治療システム700の90度回転である。
【0049】
図9は、流体チャネル760とチューブ720との流体係合を図示している。この実施形態では、流体チャネル760は、静脈内治療システム700のハウジング705を通して形成された中空管として形成される。一実施形態では、流体チャネル760は、本明細書に記載されるように、針745およびカテーテル740を通して形成された経路にチューブ720を流体的に係合するチューブであり得る。
【0050】
静脈内治療システム700は、カテーテルカプラー780を含む。一実施形態では、カテーテルカプラー780は、静脈内治療システム700とカテーテル740の外面との間の界面を流体的に密封することによって、流体が静脈内治療システム700から漏れるのを防ぐ。一実施形態では、カテーテルおよび針ハブ710は、接続面785を含み得る。一実施形態では、接続面785は、ハウジング705に対するカテーテルおよび針ハブ710の他の任意の向きが、カテーテルおよび針ハブ710がハウジング705と接続することを可能にし得ないように、静脈内治療システム700のハウジング705へのキーフィットを提供するカテーテルおよび針ハブ710の一部であり得る。一実施形態では、臨床医に提供され得るカテーテルおよび針ハブ710は、静脈内治療システム700が患者の体に導入されるまで針745およびカテーテル740が露出されないように、静脈内治療システム700のハウジング705に係合される。
【0051】
一実施形態では、静脈内治療システム700のハウジング705は、隔壁790を含み得る。隔壁790は、ハウジング705内の流体チャネル760の末端または遠位端を大気から流体的に隔離するように配置され得る。操作中、図9に示されるように、カテーテルおよび針ハブ710の針745およびカテーテル740は、隔壁790およびハウジング705を通って通過され得、一方、隔壁790は、流体チャネル760の末端間と大気の間の流体密封を維持する。
【0052】
図10は、本開示のいくつかの実施形態による静脈内デバイスを製造する方法1000を示すフローチャートである。方法1000は、ブロック1005において、ハウジング内に針ハブおよびカテーテルハブを形成することを含み得る。一実施形態では、カテーテルハブは、臨床医がカテーテルハブを押し下げるときに臨床医によって作動され得るボタンの形態であり得る。カテーテルハブは、カテーテルハブに形成されたカテーテルをチューブを介して流体リザーバーに流体的に係合する流体チャネルを含み得る。流体チャネルは、一実施形態では、チューブ自体であり得るか、またはカテーテルをチューブに流体的に係合するカテーテルハブ内の中空部分であり得る。カテーテル、流体チャネル、およびチューブは、任意の流体が患者の血管とともに患者の血流に出入りすることを可能にするために協力し得る。
【0053】
針ハブは、一実施形態では、針を含み得る。針は、カテーテルハブのカテーテルと同軸に配置され得る。一実施形態では、針は、カテーテルの長さよりも長い長さを有し得る。より長い針はまた、針の遠位端に形成された斜角を含み得る。斜角は、針およびカテーテルが患者の体を通過して、患者の体にある標的血管に入るのを可能にし得る。一実施形態では、針およびカテーテルハブの長さは、針ハブおよびカテーテルハブが臨床医によって作動されたときに患者の体内の血管に到達するのに十分な長さであり得る。一実施形態では、針の長さは、包括的に1 / 4インチから1インチの間であり得る。一実施形態では、針145の長さは、包括的に0.1インチから1インチの間であり得る。
【0054】
方法1000は、ブロック1010において、カテーテルをカテーテルハブに機械的に係合することをさらに含み得る。本明細書に記載されるように、カテーテルは、チューブから針ハブを通ってカテーテルに至る流体チャネルを提供するように、カテーテルハブに形成された通路またはチューブを継続し得る。
【0055】
方法1000は、ブロック1015において、針を針ハブに機械的に係合することをさらに含み得る。針は、カテーテルと同軸に配置され得、その結果、カテーテルおよび針は、患者の体内に同時に導入され得る。
【0056】
方法1000はまた、注入流体チューブを針およびカテーテルに係合することを含み得る。流体チューブは、図1に関連して説明されているチューブであり得る。
【0057】
再び、本出願の実施形態を組み合わせ得ることができることが理解されよう。一例として、図1図7の実施形態は、実行されている動作の種類に基づいて特定の使用に適合するように構成され得る。例えば、血管が針によってアクセスされる場合、静脈内治療システムは、カテーテルおよび針の迅速かつより痛みの少ない挿入のために静脈の上に配置され得る。カテーテルの角度は、いくつかの実施形態では垂直から変化し得、この変化は、患者の血管にアクセスし、そのアクセスを維持するための本明細書に記載の静脈内治療システムの実行可能性を完全に阻害しない。挿入動作および速度は、臨床医の作動動作に基づいて変化し得る。挿入の終わりに、針は、既存のカテーテルシステムと同様の方法で除去され得るか、または代替的に、針は、注入または採血プロセス全体を通して静脈内治療システム100に捕捉され得、それにより、針の除去の必要性を排除する。静脈内治療システムのハウジングに形成された窓は、本明細書に記載の健康評価プロセスにおいて臨床医を支援するために使用され得る。追加的に、挿入特異的な血液フラッシュバックは、本明細書に記載の視覚的インジケータを使用することにより、静脈内治療システムに組み込まれ得る。これらの機能は、配備中の患者の不安を軽減しながら、患者の身体への身体的外傷を軽減する静脈内治療システムを提供する。
【0058】
本明細書で列挙されるすべての例示および条件付き文言は、本技術を促進するために、読者が本発明および本発明者によって提供される概念を理解することの助けとなるような教育的目的を意図しており、その具体的に列挙されている例示および条件に限定されないものとして解釈されるべきである。本開示の実施形態が詳細に説明されているが、開示された実施形態の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に対する、さまざまな変更、置換、および改変がなされ得ることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】