(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-21
(54)【発明の名称】無線送電のための小型アンテナ用のシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H02J 50/40 20160101AFI20220414BHJP
H02J 50/27 20160101ALI20220414BHJP
H02J 50/80 20160101ALN20220414BHJP
【FI】
H02J50/40
H02J50/27
H02J50/80
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021542157
(86)(22)【出願日】2020-01-28
(85)【翻訳文提出日】2021-09-16
(86)【国際出願番号】 US2020015450
(87)【国際公開番号】W WO2020160015
(87)【国際公開日】2020-08-06
(32)【優先日】2019-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】514160238
【氏名又は名称】エナージャス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】カタジャマキ,トゥオモ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ユンホン
(57)【要約】
無線受電システムは、2つ以上の電気的に小さなアンテナアームと、共通アンテナ接地と、を含む。2つ以上の電気的に小さなアンテナアームは、同一の共通アンテナ接地に接続されており、強結合されるように、互いに十分に近接している。いくつかの実施形態において、2つ以上の電気的に小さなアンテナアームは、自己共振を生成するべく互いを装荷するように、同一の動作周波数にチューニングされている。無線受電システムは、多損失の整合コンポーネントの追加を伴うことなしに、無線電力トランスミッタから放出された送信無線電力波を受け取っている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線電力波を受信する方法であって、
アンテナ接地面を提供することと、
前記アンテナ接地面に結合された2つ以上のアンテナアームを提供することであって、前記2つ以上のアンテナアームは、送信された無線電力波の周波数において互いに強結合されている、提供することと、
前記送信された無線電力波の前記周波数において自己共振を生成するべく、前記2つ以上のアンテナアームを互いに装荷することと、
前記送信された無線電力波を前記2つ以上のアンテナアームによって受信することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記2つ以上のアンテナアームは、少なくとも-3dBであり、かつ0dB未満に、互いに強結合されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記自己共振は、整合コンポーネントが前記2つ以上のアンテナアームに結合されずに生成されている、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記自己共振は、前記2つ以上のアンテナアームが既定の基準インピーダンス値に整合するように生成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記既定の基準インピーダンス値は、50Ωである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記2つ以上のアンテナアームのそれぞれのものの最長寸法は、前記送信された無線電力波の波長の6分の1以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記2つ以上のアンテナアームのそれぞれは、モノポールアンテナである、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記2つ以上のアンテナアームのそれぞれは、板状逆F型アンテナ(PIFA)である、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記2つ以上のアンテナアームの1つ又は両方に結合された電力コンバータを使用することにより、前記送信された無線電力波の交流を補聴器に電力供給するための直流に変換することを更に含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記送信された無線電力波からの電力を前記補聴器の電池において保存することを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
無線受電システムであって、
近接場無線送電を受信するレシーバであって、
アンテナ接地面と、
前記アンテナ接地面に結合された、及び、送信された無線電力波を受信するように構成された、第1アンテナアーム及び第2アンテナアームであって、少なくとも-3dBであり、かつ0dB未満に、相互に結合されている第1アンテナアーム及び第2アンテナアームと、
前記送信された無線電力波からの交流を直流に変換するように構成された電力変換回路と、
を含むレシーバと、
補聴器の電池であって、前記補聴器に電力を提供するために、前記直流を受け取り、保存するように構成されている電池と、
を有する無線受電システム。
【請求項12】
前記無線受電システムの最長寸法は、10mm以下である、請求項11に記載の無線受電システム。
【請求項13】
無線電力波を受信する無線受電システムを製造する方法であって、
2つ以上のアンテナアームをアンテナ接地面に結合することであって、前記2つ以上のアンテナアームは、周波数及び波長を有する送信された無線電力波を受信するように構成されており、前記2つ以上のアンテナアームのそれぞれは、前記波長の6分の1以下の最長寸法を有する、結合することと、
前記2つ以上のアンテナアームの間において前記送信された無線電力波の前記周波数において強い結合を生成するために、互いに近接した状態において前記2つ以上のアンテナアームを位置決めすることと、
を含む方法。
【請求項14】
電力変換回路を前記2つ以上のアンテナアームに結合することであって、前記電力変換回路は、前記送信された無線電力波からの交流を直流に変換するように構成されている、結合することと、
前記電力変換回路を補聴器の電池に結合することであって、前記補聴器の前記電池は、前記補聴器に電力を提供する際に使用するべく、前記直流を受け取り、保存するように構成されている、結合することと、
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
[0001] 本開示は、一般に、無線送電に関し、更に詳しくは、小型アンテナを使用して無線送電を受け取るシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
[0002] ラップトップコンピュータ、携帯電話機、タブレット、及びその他の電子装置などの携帯型の電子装置は、電力保存コンポーネント(例えば、電池)の頻繁な充電を動作のために必要としている。多くの電子装置は、一日当たりに1回以上の充電を必要としている。しばしば、電子装置の充電は、電子装置を有線充電ケーブルを使用してコンセント又はその他の電源に手動で接続することを必要としている。いくつかのケースにおいて、電力保存コンポーネントは、電子装置から取り外され、充電装置に挿入されている。このような充電は、時間を消費し、面倒であり、非効率的であり、その理由は、これが、しばしば、ユーザーが複数の充電ケーブル及び/又はその他の充電装置を携帯することを必要としており、しばしば、ユーザーが、自身の電子装置を充電するべく、例えば、壁面コンセントなどの、適切な電源を見出すことを必要としているからである。これに加えて、従来の充電技法は、潜在的に、充電している間に装置を使用する能力をユーザーから奪っており、及び/又は、ユーザーが、自身の電子装置又はその他の充電機器が接続されている壁面コンセント又はその他の電源に隣接した状態において留まることを必要としている。この課題に対処する1つの方法は、電子装置に無線送電するというものである。
【0003】
[0003] これに加えて、消費者装置用の無線充電システムの構築は、無線で供給された電力を受け取るべく、通常は、複雑な、及び、しばしば、高価でもある、アンテナコンポーネントを必要としている。また、これらの消費者装置の多くは、非常に小さく、アンテナコンポーネントの追加のための予備空間を有してはいない。更には、既存のアンテナのサイズと、消費者電子装置の減少し続けるサイズと、に起因して、このような消費者装置内のアンテナアレイに含まれうるアンテナの数は、限られており、この結果、このようなアンテナアレイの任意のビーム形成及び配電プロパティが制限されることになる。
【0004】
[0004] 耳内補聴器装置などの、スモールフォームファクタを有する小さな装置においては、実行可能な解決策が、しばしば、装置の物理的制限に起因して、十分な無線送電を欠いている。例えば、高周波(RF)アンテナレシーバは、このような小さな装置にフィットする必要がある。RFアンテナレシーバの動作波長は、前記小さな装置の任意の物理的寸法の倍数である。レシーバ装置が、このように小さい際には、適切に機能するアンテナは、物理的に実現不能である。
【0005】
[0005] 更には、電力波の受信のために使用されるシステム及び方法は、電気的に小さなアンテナを含みうる。電気的に小さなアンテナは、しばしば、放射長(送信又は受信波長/2π)となるように定義され、これは、915MHzの周波数において、約50mmである。一般に、電気的に小さなアンテナは、特性として、容量性であり、低放射抵抗値を有しており、従って、自己共振性を有していない。例えば、50Ωの、基準インピーダンスに整合するために自己共振性を得るには、電気的に小さなアンテナは、インダクタ及びコンデンサなどの、更なる1つ又は複数の整合コンポーネントを必要することになり、この結果、損失が追加されることになり、無線配電/送電が非効率なものとなろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0006] 従って、上述の欠点に対処する無線充電システムを提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
概要
[0007] 上述の従来の充電システムの欠点に対する対処を支援する、改善されたアンテナ設計に対するニーズが存在している。具体的には、無線電力波を効率的に受け取りうる、スモールファクタのレシーバ装置内における無線受電システムに対するニーズが存在している。本明細書において記述されている、無線受電システムは、1つ又は複数のその他の類似の電気的に小さなアンテナを近傍において配置し、同一の接地面を利用して、送信された電力波を受信することにより、1つ又は複数のその他の類似の電気的に小さなアンテナによって装荷された電気的に小さなアンテナにより、これらの欠点に対処している。2つ以上のアンテナを本明細書において開示されているスモールフォームファクタの無線受電システム内において共振するようにチューニングすることにより、システムは、無線受電システムの効率、利得、及び帯域幅を事実上改善している。
【0008】
[0008] 本発明における無線受電システムは、電気的に小さなアンテナに加えて、多損失の整合コンポーネントを使用することなしに、無線パワートランスミッタからエネルギーをキャプチャすることを可能にしている。
【0009】
[0009] 共振を生成するべく、小さなアンテナと、更なる多損失コンポーネントと、に依存している従来の無線レシーバとの比較において、本明細書において開示されている無線受電システムは、無線充電システムの有効性を事実上増大させている。例えば、この無線受電システムは、スモールフォームファクタのレシーバ装置内の電気的に小さなアンテナの2つ以上のものの上部において高度な相互結合及び強力な自己共振を生成することにより、無線電力波を受信することができる一方で、小さなアンテナと、整合用の多損失コンポーネントと、を有する従来の無線電力レシーバは、そうではなく、十分な電力を受け取ることができない。また、不要な多損失コンポーネントを伴うことなしに無線で送られた電力波を受信する能力は、無線受電システムによって受け取られる電力の全体量を増大させている。これに加えて、本明細書において記述されている無線受電システムは、近接場送電用途においても、使用することができる。
【0010】
[0010] (A1)いくつかの実施形態において、無線送電を受け取るレシーバは、アンテナ接地面を含む。また、レシーバは、アンテナ接地面に結合された、及び、送られた無線電力波を受信するように構成された、第1及び第2アンテナアームをも含む。そして、第1及び第2アンテナアームは、相互に結合されている。
【0011】
[0011] (A2)(A1)の実施形態において、第1の、及び、第2のアンテナアームは、少なくとも-3dBに、及び、0dB未満に、相互結合されている。
【0012】
[0012] (A3)(A1)の実施形態において、レシーバは、アンテナ接地面に接続された第3アンテナアームを更に含み、第1、第2、及び第3アンテナアームは、少なくとも-4.8dBに、及び、0dB未満に、相互結合されている。
【0013】
[0013] (A4)(A1)の実施形態において、レシーバは、アンテナ接地面に接続された第3及び第4アンテナアームを更に含み、第1、第2、第3、及び第4アンテナアームは、少なくとも-6dBに、及び、0dB未満に、相互結合されている。
【0014】
[0014] (A5)(A1~A4)の任意のものの実施形態において、第1又は第2アンテナアームの最長寸法は、送られた無線電力波の波長の6分の1以下である。
【0015】
[0015] (A6)(A1~A5)の任意のものの実施形態において、第1又は第2アンテナアームの最長寸法は、送られた無線電力波の周波数との関係における放射長である。
【0016】
[0016] (A7)(A1~A6)の任意のものの実施形態において、送られた無線電力波の周波数は、1GHz未満である。
【0017】
[0017] (A8)(A1~A7)の任意のものの実施形態において、第1及び第2アンテナアームは、送られた無線電力波の同一の周波数において動作している。
【0018】
[0018] (A9)(A1~A8)の任意のものの実施形態において、第1及び第2アンテナアームの間の最も近接したギャップは、第1及び第2アンテナアームのラジエータの最長直径未満である。
【0019】
[0019] (A10)(A1~A9)の任意のものの実施形態において、第1アンテナ及び第2アンテナアームは、モノポールアンテナである。
【0020】
[0020] (A11)(A1~A10)の任意のものの実施形態において、第1アンテナ及び第2アンテナアームは、板状逆F型アンテナ(PIFA:Planar Inverted-F antenna)である。
【0021】
[0021] (A12)(A1~A11)の任意のものの実施形態において、第1アンテナ及び第2アンテナアームは、同一タイプのアンテナである。
【0022】
[0022] (A13)(A1~A12)の任意のものの実施形態において、第1アンテナ及び第2アンテナアームは、異なるタイプのアンテナである。
【0023】
[0023] (A14)(A1~A13)の任意のものの実施形態において、アンテナ接地面は、第1アンテナアームに接続された第1整流器と、第2アンテナアームに接続された第2整流器と、を含む。そして、第1及び第2整流器は、送られた無線電力波の交流を装置に電力供給するための直流に変換するように構成されている。
【0024】
[0024] (A15)(A1~A14)の任意のものの実施形態において、送られた無線電力波は、高周波(RF)の波である。
【0025】
[0025] (A16)(A1~A15)の任意のものの実施形態において、レシーバは、電池に接続された、及び、電力管理集積回路に接続された整流器からの直流を電池に対して調節するように構成された、電力管理集積回路を更に含む。
【0026】
[0026] (A17)(A1~A16)の任意のものの実施形態において、レシーバは、第1及び第2アンテナアーム及び接地面を取り囲むエンクロージャを更に含む。
【0027】
[0027] (A18)(A1~A17)の任意のものの実施形態において、レシーバは、10ミリメートル以下の最大寸法を有する。
【0028】
[0028] (A19)(A1~A18)の任意のものの実施形態において、アンテナ接地面は、アンテナ基板の一部として一体化されている。
【0029】
[0029] (A20)(A1~A19)の任意のものの実施形態において、アンテナアームのそれぞれは、アンテナ接地面の上方、下方、又は上部において配設されている。
【0030】
[0030] (A21)(A1~A20)の任意のものの実施形態において、レシーバは、近接場無線送電を受け取るように構成されている。
【0031】
[0031] (A22)(A1~A21)の任意のものの実施形態において、第1及び第2アンテナアームは、互いに実質的に対称的である。
【0032】
[0032] (A23)(A1~A22)の任意のものの実施形態において、第1及び第2アンテナアームの形状は、第1及び第2アンテナアームが埋め込まれている装置のエンクロージャとアライメントされている。
【0033】
[0033] (A24)(A1~A23)の任意のものの実施形態において、装置は、外耳道内にフィットする補聴器装置である。
【0034】
[0034] (A25)いくつかの実施形態において、無線電力波を受信する方法は、アンテナ接地面を提供するステップと、同一のアンテナ接地面に結合された2つ以上のアンテナアームを提供するステップであって、2つ以上のアンテナアームは、送られた無線電力波の周波数において強力な結合効果を有するように十分接近している、ステップと、送られた無線電力波の周波数において自己共振を生成するべく2つ以上のアンテナアームを互いに装荷するステップと、2つ以上のアンテナアームによって送られた無線電力波を受信するステップと、を含む。
【0035】
[0035] (A26)(A25)の実施形態において、第1の、及び、第2のアンテナアームは、少なくとも-3dBに、及び、0dB未満に、相互結合されている。
【0036】
[0036] (A27)(A25~A26)の任意のものの実施形態において、無線電力波を受信する方法は、第1及び第2アンテナアームに結合された整流器により、送られた無線電力波の交流を装置に電力供給するための直流に変換するステップを更に含む。
【0037】
[0037] (A28)(A25~A27)の任意のものの実施形態において、無線電力波を受信する方法は、送られた無線電力波からの電力を電池内において保存するステップを更に含む。
【0038】
[0038] (A29)(A25~A28)の任意のものの実施形態において、パワー管理集積回路は、電池に接続されており、パワー管理集積回路に接続された整流器からの直流を電池に対して調節するように構成されている。
【0039】
[0039] (A30)いくつかの実施形態において、無線受電システムは、アンテナ接地面を含む、近接場無線送電を受け取るレシーバコンポーネントを有する。また、レシーバコンポーネントは、アンテナ接地面に結合された、及び、送られた無線電力波を受信するように構成された、第1及び第2アンテナアームをも含む。いくつかの例において、第1及び第2アンテナアームは、互いに、少なくとも-3dBに、及び、0dB未満に、相互結合されている。また、無線受電システムは、電池によって電力供給される装置コンポーネントを有する。
【0040】
[0040] (A31)(A30)の実施形態において、装置コンポーネントは、無線イヤフォン、携帯電話機、ラップトップ、又は任意のその他の消費者電子装置を有する。
【0041】
[0041] (A32)(A30~A31)の実施形態において、無線受電システムの最長寸法は、10mm以下である。
【0042】
[0042] (A33)いくつかの実施形態において、無線電力波を受信する無線受電システムを製造する方法は、アンテナ接地面及び同一のアンテナ接地面に結合された2つ以上のアンテナアームを選択するステップであって、2つ以上のアンテナアームは、送られた無線電力波を受信するように構成されている、ステップと、互いに高度に結合されるように、2つ以上のアンテナアームを互いに近接した状態において位置決めするステップと、を含む。
【0043】
[0043] (A34)(A33)の実施形態において、無線受電システムを製造する方法は、2つ以上のアンテナアーム及びアンテナ接地面からの交流を電池及び/又はクライアント装置を充電するための直流に変換するためのパワーコンバータを提供することを更に含む。
【0044】
[0044] 本明細書において開示されている無線受電システムのコンパクトな設計は、自己共振を生成するための近接状態におけるアンテナの強い結合を利用しており、これにより、無線電力波レシーバの受電効率、利得、及び帯域幅、並びに、全体的な性能を改善している。更には、無線受電システムは、多損失の整合コンポーネントを使用することなしに、無線電力波を受け取りうることから、無線受電システムの実装形態は、従来のレシーバの使用との比較において、無線充電のカバレージエリアを増大させることができる。
【0045】
[0045] 上述の様々な実施形態は、本明細書において記述されている任意のその他の実施形態と組み合わせることができることに留意されたい。本明細書において記述されている特徴及び利点は、そのすべてを包含したものではなく、具体的には、図面、明細書、及び請求項に鑑み、多くの更なる特徴及び利点が、当業者には明らかとなろう。更には、本明細書において使用されている言語は、主には、読み易さ及び教育的な目的のために、選択されており、本発明の主題を線引きする又は制限するべく選択されたものではない場合があることに留意されたい。
【0046】
図面の簡単な説明
[0046] 本開示について更に詳細に理解しうるように、そのいくつかが添付の図面において示されている様々な実施形態の特徴を参照し、更に詳しい説明を提供することができる。但し、添付の図面は、本開示の関連する特徴を示しているに過ぎず、従って、限定と見なされてはならず、その理由は、この説明が、その他の有効な特徴をも認めうるからである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】[0047]いくつかの実施形態による、代表的な無線送電システム又は環境のコンポーネントのブロック図である。
【
図2】[0048]いくつかの実施形態による、例示用の無線受電システム200のブロック図である。
【
図3】[0049]自己共振を有してはいない、例示用の電気的に小さなアンテナ又は無線受電システム300である。
【
図4】[0050]いくつかの実施形態による、接地面406に装着された2つのアンテナラジエータ(アーム)402及び404を有する電気的に小さなアンテナ又は無線受電システム400を示す。
【
図5】[0051]いくつかの実施形態による、互いに近接した状態の2つのスパイラルモノポールアンテナアーム502及び504を有する代表的な無線受電システム500の平面図を示す。
【
図6】[0052]いくつかの実施形態による、電気的に小さな相互に結合されたアンテナ602及び604を収容する補聴器装置600の一例を示す。
【
図7】[0053]いくつかの実施形態による、スパイラル非結合型モノポール(既に小型化済みのラジエータ)アンテナアームのデカルトチャート702(左側)及びスミスチャート704(右側)の両方を示す。
【
図8】[0054]いくつかの実施形態による、スパイラル結合型モノポールアンテナアームのデカルトチャート802(左側)及びスミスチャート804(右側)の両方を示す。
【
図9】[0055]いくつかの実施形態による、同一の接地面906を共有する2つのモノポール902及び904の非結合構成を有する無線受電システム900を示す。
【
図10】[0056]同一の接地面1006を共有する2つのモノポール1002及び1004の強力な相互結合構成を有する無線受電システム1000を示す。
【
図11】[0057]いくつかの実施形態による、高度に結合された電気的に小さなアンテナを伴う、無線送電を受け取る方法を示すフロー図である。
【
図12】[0058]いくつかの実施形態による、高度に結合された電気的に小さなアンテナを有する無線受電システムを製造する方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
[0059] 慣習に従って、図面において示されている様々な特徴は、正確な縮尺で描かれていない場合がある。相応して、様々な特徴の寸法は、わかりやすさを目的として、任意に拡張又は低減されている場合がある。これに加えて、図面のいくつかは、所与のシステム、方法、又は装置のコンポーネントのすべてを描いていない場合もある。最後に、同一の参照符号は、明細書及び図の全体を通じて、同一の特徴を表記するべく使用されうる。
【0049】
詳細な説明
[0060] 本明細書には、添付図面において示されている例示用の実施形態の十分な理解を提供するべく、多数の詳細が記述されている。但し、いくつかの実施形態は、特定の詳細の多くを伴うことなしに実施されている場合があり、従って、請求項の範囲は、請求項において具体的に記述されている特徴及び態様によってのみ限定されている。更には、本明細書において記述されている実施形態の関連する態様を不必要に曖昧にすることのないように、周知のプロセス、コンポーネント、及び材料については、すべてを網羅するように詳述されてはいない。
【0050】
[0061] 本発明は、高度に結合されたレシーバアンテナを使用している。対照的に、従来の無線通信装置は、このような高度に結合されたレシーバアンテナを使用することにはなっておらず、その理由は、無線通信において使用されているMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)又はダイバーシティの概念が、適切に機能するべく、放射特性の良好な空間的アイソレーション又は脱相関を必要としているからである。
【0051】
[0062] 相互結合は、2つのアンテナが互いに非常に近接して配置された際に発生し、これまでのところ、望ましいものではない。2つのアンテナが結合した際には、1つのアンテナによって受け取られたエネルギーは、他方のアンテナによっても吸収され、この結果、第1アンテナによって受け取られるエネルギーの量が低減し、これにより、同時に、第2アンテナによって受け取られるエネルギーの量が増大する。近傍の結合アンテナの結果としてのエネルギー吸収の損失は、定量化することができる。いくつかの実施形態において、パワーの半分以上が、マルチアンテナレシーバシステム内において結合した際に、結合は、本発明において記述されている自己共振を生成するべく十分に強力である。本発明におけるいくつかの実施形態において、2つのアンテナは、結合が、-3dB以上であり、最大で0dBである際に、緊密に結合又は強結合されている。いくつかの実施形態において、3つのアンテナは、結合が、-4.8dB以上であり、最大で0dBである際に、緊密に結合又は強結合されている。いくつかの実施形態において、4つのアンテナは、結合が、-6dB以上であり、最大で0dBである際に、緊密に結合又は強結合されている。
【0052】
[0063] 本発明におけるアンテナは、通常、同一の電気的に短い接地面を使用する従来のモノポール又はPIFA(Planar Inverted-F Antenna)である。アンテナは、互いに非常に近接した状態において配置されることになろう。これに加えて、これらのアンテナは、同一の小さな接地面を使用していることから、高度に相互結合している。
【0053】
[0064] この特徴は、無線配電において有利であり、その理由は、この構成が、エネルギーのアンテナ「キャプチャリング」エリアを増大させているからである。同一の動作周波数にチューニングされた、相互に結合されたアンテナのその他の利益は、アンテナが相互に装荷し、これにより、両方のアンテナラジエータ用の自己共振を生成する、という点にある。この構成は、不利な不整合損失を除去し、トランスミッタアンテナによって放射されたRFエネルギーのキャプチャを更に支援している。
【0054】
[0065] また、緊密に結合されたアンテナは、「Ollikainen, Vainikainen “Design and Bandwidth Optimization of Dual-Resonant Patch Antennas”, Espoo, March 2002」(以下、「Ollikainen」と呼称する)からの以下の式(1)による周波数帯域幅をほぼ倍増させる理論において、周波数帯域幅を改善している。デュアル共振パッチアンテナの最適な相対インピーダンス帯域幅の単純な近似式を導出することができる(B
dr.opt)。最適な帯域幅は、共振器の非装荷状態の品質係数(Q
01及びQ
02)と、最大許容電圧定在波比(VSWR<=S)と、にのみ依存している。Q
01及びQ
02の両方が有限の値を有している際に、式(1)から、最適なデュアル共振帯域幅を算出することが可能であり、
【数1】
ここで、Sは、最大許容電圧定在波比(VSWR)である。Ollikainenについては、18において参照されたい。
【0055】
[0067] 最適なデュアル共振は、2つの共振器の非装荷状態の品質係数及びVSWR基準に依存している。本発明は、このようでなければ可能とはならない自己共振型の電気的に小さなアンテナの生成を支援している。
【0056】
[0068] 本明細書においては、従来の充電システムにおける、及び、既存のアンテナ設計に伴う、上述の欠点に対処する、システム及び方法の様々な実施形態について記述している。いくつかの実施形態において、本明細書において記述されている無線受電システムは、(例えば、
図1との関係において記述されている)無線送電環境100のレシーバのコンポーネントである。
【0057】
[0069] いくつかの実施形態において、無線送電環境の1つ又は複数のトランスミッタは、ターゲット場所においてエネルギーのポケットを形成するべく、電力波を生成し、安全な、確実な、及び、効率的な、無線供給されるパワーをレシーバ(並びに、これと関連する装置)に提供するべく、検知されたデータに基づいて電力波生成を調節している。いくつかの実施形態において、制御された「エネルギーのポケット」(例えば、電力波の肯定的干渉に起因して、利用可能なパワーが大きい領域)及び/又はヌル空間(例えば、電力波の否定的干渉に起因して、利用可能な電力が、小さい、或いは、存在していない領域)は、1つ又は複数のトランスミッタの送電フィールド内に送られた電力波の収束によって形成することができる。
【0058】
[0070] いくつかの実施形態において、エネルギーのポケットは、送られた電力波の収束によって生成される肯定的干渉のパターンに起因して、2又は3次元フィールド内の1つ又は複数の場所において形成されている。送られた電力波からのエネルギーは、1つ又は複数の場所において、1つ又は複数のレシーバにより、回収することができる(即ち、受け取られ、使用可能な電力に変換されている)。
【0059】
[0071] いくつかの実施形態において、1つ又は複数のレシーバは、強力な結合及び自己共振を生成するべく、互いに近接した2つ以上の小さなアンテナ要素を有する、本明細書において記述されている、レシーバシステムを含み、これらのアンテナ要素は、(例えば、
図3~
図12を参照すれば)同一の接地面に接続されている。例えば、本明細書において記述されているレシーバシステムは、コンパクトな状態において留まり、美的に魅力的である、但し、依然として、電子装置を充電するべく十分な電力波を受信する能力を有する、個々のレシーバを生成するべく、無線イヤフォン、無線ヘッドセット、又はメガネ、携帯電話機、ラップトップ、スマートウォッチ、又はその他のウェアラブル装置、サウンドバー、テレビ、メディアエンターテインメントシステム、照明器具、及びその他の消費者装置などの、消費者装置内に統合することができる。
【0060】
[0072] いくつかの実施形態においては、例えば、1つ又は複数のトランスミッタによって送られた電力波の少なくともいくつかのもののターゲット電力レベルを実現するべく、電力波の送電を調節することにより、適応型のポケット形成が実行されている。例えば、適応型のポケット形成用のシステムは、センサを含む。いくつかの実施形態において、センサが、エネルギーのポケットの、電力波の1つ又は複数のものの、或いは、トランスミッタの、既定の距離(例えば、1~5フィートの範囲内の距離)内において、感度を有する物体(sensitive object)(例えば、人物、動物、電力波に感度を有する機器、及びこれらに類似したもの)などの、物体を検出した際に、1つ又は複数のトランスミッタの個々のトランスミッタは、送られる電力波の1つ又は複数の特性を調節している。1つ又は複数の特性の非限定的な例は、電力波を送るべく、1つ又は複数のトランスミッタの1つ又は複数のアンテナによって使用されている周波数、振幅、軌跡、方向、位相、及びその他の特性を含む。一例として、1つ又は複数のトランスミッタの個々のトランスミッタによる電力波の送信の調節を要することを通知する情報を受け取る(例えば、センサが、個々のターゲット場所の既定の距離内において感度を有する物体を検知する)のに応答して、適応型のポケット形成プロセスは、相応して、1つ又は複数の特性を調節している。
【0061】
[0073] いくつかの実施形態において、1つ又は複数の特性を調節することは、ターゲット場所において収束する1つ又は複数の送られる電力波を調節することにより、場所において現時点において生成されている電力レベルを低減することを含む。いくつかの実施形態において、現時点において生成されている電力レベルを低減することは、少なくとも1つのその他の送られた電力波との間において否定的干渉を生成する電力波を送ることを含む。例えば、電力波は、ターゲット場所において現時点において生成されている電力レベルを低減又は除去するために、少なくとも1つのその他の電力波との間において否定的に干渉するように、少なくとも1つのその他の電力波の第2位相との関係においてシフトされた第1位相を有するように送信されている。
【0062】
[0074] いくつかの実施形態において、1つ又は複数の特性を調節することは、レシーバが、レシーバと関連する電子装置の電力保存コンポーネントを迅速に充電するべく十分な、適切なエネルギーを受け取ることを保証するべく、送られている電力波のいくつかのものの電力レベルを増大させることを含む。
【0063】
[0075] いくつかの実施形態においては、検出された物体が、感度を有する物体であることを通知するべく、物体に「タグ付け」されている(例えば、物体の識別子が、フラグとの関連においてメモリ内において保存されている)。ターゲット場所の既定の距離内における特定の物体の検出に応答して、特定の物体が、感度を有する物体であるのかどうかについての判定が実施されている。いくつかの実施形態において、この判定は、特定の物体が予めタグ付けされているかどうか、及び、従って、感度を有する物体として既知であるのかどうか、についてチェックするべく、メモリ内においてルックアップを実行することを含む。特定の物体が感度を有する物体であるという判定に応答して、例えば、送信の減少又は低減などのように、電力波を送信するべく使用されている1つ又は複数の特性を相応して調節することができる。
【0064】
[0076] いくつかの実施形態において、感度を有する物体を検知することは、1つ又は複数のトランスミッタの送信フィールド内における物体のモーションを判定するべく、1つ又は複数のセンサからの一連のセンサ読取を使用することを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のセンサからのセンサ出力は、エネルギーのポケットの、或いは、エネルギーのポケットを形成するべく使用される電力波の、既定の距離内において接近している物体のモーションを検出するべく使用されている。感度を有する物体が、接近しつつある(例えば、エネルギーのポケットの予め定義された距離に向かって及び/又はその内部において運動している)という判定に応答して、エネルギーのポケットの場所における現時点において生成されている電力レベルが低減される。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のセンサは、1つ又は複数のトランスミッタ及び/又はレシーバの内部に位置するセンサを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のセンサは、1つ又は複数のトランスミッタ及びレシーバの外部に位置するセンサを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のセンサは、送信フィールド内において物体を検出する能力を有する、熱撮像、光学、レーダー、及びその他のタイプのセンサを含む。
【0065】
[0077] 本明細書におけるいくつかの実施形態は、主要な例として、高周波(RF)に基づいた送電技術の使用を含むが、利用されうる無線充電技法は、RFに基づいた技術及び送信技法に限定されるものではないことを理解されたい。むしろ、レシーバが、送られたエネルギーを電力に変換する能力を有するように、エネルギーを無線で送るための任意の適切な技術及び技法を含む、更なる又は代替の無線充電技法が利用されうることを理解されたい。このような技術又は技法は、超音波、マイクロ波、共振及び誘導磁界、レーザー光、赤外線、又はその他の形態の電磁エネルギー、という非限定的な例を含む、様々な形態の無線で送られるエネルギーを送ることができる。
【0066】
[0078] 例えば、超音波のケースにおいて、1つ又は複数のトランスデューサ要素は、超音波を受け取り、これらを電力に変換する、受電装置に向かって超音波を送るトランスデューサアレイを形成するように、配設することができる。共振又は誘導磁界のケースにおいては、磁界は、トランスミッタコイル内において生成され、レシーバコイルにより、電力に変換されている。これに加えて、例示用のレシーバシステムが示されているが、いくつかの実施形態においては、複数のコンポーネントを潜在的に有する単一ユニットとして、この段落において言及されている、電力のRF受電方法と、その他の電力受電方法と、の両方を目的として、レシーバシステムは、コンパクトな通常の構造ではなく、部屋全体に物理的に拡散された、複数のレシーバを有することができる。
【0067】
[0079]
図1は、いくつかの実施形態による無線送電環境100のコンポーネントのブロック図である。無線送電環境100は、例えば、トランスミッタ102(例えば、トランスミッタ102a、102b...102n)と、1つ又は複数レシーバ120と、を含む。いくつかの実施形態において、それぞれの個々の無線送電環境100は、いくつかのレシーバ120を含み、これらのそれぞれは、個々の電子装置122(例えば、電子装置122a、122b...122n)と関連付けられている。
【0068】
[0080] 例示用のトランスミッタ102(例えば、トランスミッタ102a)は、例えば、1つ又は複数のプロセッサ104、メモリ106、1つ又は複数のアレイ110、1つ又は複数の通信コンポーネント112、及び/又は1つ又は複数のトランスミッタセンサ114を含む。いくつかの実施形態において、これらのコンポーネントは、通信バス108を経由して相互接続されている。トランスミッタ102のこれらのコンポーネントに対する参照は、これらのコンポーネントのそれぞれのものの1つ又は複数(並びに、その組合せ)が含まれている実施形態をカバーしている。
【0069】
[0081] いくつかの実施形態において、メモリ106は、本明細書において「モジュール」と集合的に呼称されている1つ又は複数のプログラム(例えば、命令の組)及び/又はデータ構造を保存している。いくつかの実施形態において、メモリ106又はメモリ106の一時的ではないコンピュータ可読ストレージ媒体は、以下のモジュール107(例えば、プログラム及び/又はデータ構造)又はそのサブセット又はスーパーセットを保存している。
・レシーバ120から受け取られた情報(例えば、レシーバセンサ128によって生成され、次いで、トランスミッタ102aに送信されたもの)、
・トランスミッタセンサ114から受け取られた情報、
・1つ又は複数のトランスミッタ102によって送信される1つ又は複数の電力波116を調節する適応型のポケット形成モジュール、及び/又は、
・レシーバ120を検出するための通信信号118を(例えば、1つ又は複数のトランスミッタ102の送電フィールド内において)送信するビーコン送信モジュール。
【0070】
[0082] 以上において識別されたモジュール(例えば、データ構造及び/又は命令の組を含むプログラム)は、別個のソフトウェアプログラム、手順、又はモジュールとして実装する必要はなく、従って、これらのモジュールの様々なサブセットは、様々な実施形態において組み合わせられてもよく、或いは、その他の方法で再構成されてもよい。いくつかの実施形態において、メモリ106は、以上において識別されたモジュールのサブセットを保存している。いくつかの実施形態において、通信コンポーネント112に通信自在に接続された外部マッピングメモリ131は、以上において識別された1つ又は複数のモジュールを保存している。更には、メモリ106及び/又は外部マッピングメモリ131は、上述されてはいない更なるモジュールを保存することもできる。いくつかの実施形態において、メモリ106又はメモリ106の一時的ではないコンピュータ可読ストレージ媒体内において保存されたモジュールは、後述する方法における個々の動作を実装するための命令を提供している。いくつかの実施形態において、これらのモジュールのいくつか又はすべては、モジュール機能の一部分又はすべてを包含する専門的なハードウェア回路によって実装することができる。以上において識別されている要素の1つ又は複数は、1つ又は複数のプロセッサ104のうちの1つ又は複数によって実行することができる。いくつかの実施形態において、メモリ106との関連において記述されているモジュールの1つ又は複数は、1つ又は複数のトランスミッタ102に通信自在に結合されたサーバー(図示されてはいない)のメモリ104上において、及び/又は、電子装置122及び/又はレシーバ120のメモリにより、実装されている。
【0071】
[0083] いくつかの実施形態において、単一プロセッサ104(例えば、トランスミッタ102aのプロセッサ104)は、複数のトランスミッタ102(例えば、トランスミッタ102b...102n)を制御するべく、ソフトウェアモジュールを実行している。いくつかの実施形態において、単一トランスミッタ102(例えば、トランスミッタ102a)は、1つ又は複数のトランスミッタプロセッサ(例えば、アンテナアレイ110による信号116の送信を制御するように構成されたもの)、1つ又は複数の通信コンポーネントプロセッサ(例えば、通信コンポーネント112によって送信される通信を制御するように、及び/又は通信コンポーネント112を経由して通信を受け取るように、構成されたもの)、及び/又は1つ又は複数のセンサプロセッサ(例えば、トランスミッタセンサ114の動作を制御するように、及び/又は、トランスミッタセンサ114からの出力を受け取るように、構成されたもの)、などの、複数のプロセッサ104を含む。
【0072】
[0084] レシーバ120(例えば、電子装置122のレシーバ)は、トランスミッタ102によって送信された電力信号116及び/又は通信118を受け取っている。いくつかの実施形態において、レシーバ120は、1つ又は複数のアンテナ124(例えば、複数のアンテナ要素を含むアンテナアレイ)、パワーコンバータ126、レシーバセンサ128及び/又はその他のコンポーネント又は回路(例えば、1つ又は複数のプロセッサ140、メモリ142、及び/又は1つ又は複数の通信コンポーネント144)を含む。いくつかの実施形態において、これらのコンポーネントは、通信バス146を経由して相互接続されている。レシーバ120のこれらのコンポーネントに対する参照は、これらのコンポーネントのそれぞれのものの1つ又は複数(並びに、その組合せ)が含まれている実施形態をカバーしている。レシーバ120は、受け取られた信号116からのエネルギー(例えば、電力波)を電子装置122に電力供給する及び/又はこれを充電するための電気エネルギーに変換している。例えば、レシーバ120は、電力波116からのキャプチャされたエネルギーを電子装置122に電力供給する及び/又はこれを充電するべく使用可能である交流(AC)電気又は直流(DC)電気に変換するべくパワーコンバータ126を使用している。電力コンバータ126の非限定的な例は、適切な回路及び装置に加えて、整流器と、整流回路と、電力管理集積回路(PMIC)と、電圧コンディショナと、を含む。
【0073】
[0085] いくつかの実施形態において、レシーバ120は、1つ又は複数の電子装置122に着脱自在に結合されたスタンドアロン装置である。例えば、電子装置122は、電子装置122の1つ又は複数の機能を制御するための1つ又は複数のプロセッサ132を有しており、レシーバ120は、レシーバ120の1つ又は複数の機能を制御するための1つ又は複数のプロセッサ140を有する。
【0074】
[0086] いくつかの実施形態において、レシーバは、電子装置122のコンポーネントである。例えば、1つ又は複数のプロセッサ132は、電子装置122及びレシーバ120の機能を制御している。
【0075】
[0087] いくつかの実施形態において、電子装置122は、1つ又は複数のプロセッサ132、メモリ134、1つ又は複数の通信コンポーネント136、及び/又は1つ又は複数の電池130を含む。いくつかの実施形態において、これらのコンポーネントは、通信バス138を経由して相互接続されている。いくつかの実施形態において、電子装置122とレシーバ120の間の通信は、1つ又は複数の通信コンポーネント136及び/又は144を介して発生している。いくつかの実施形態において、電子装置122とレシーバ120の間の通信は、通信バス138と通信バス146の間の有線接続を介して発生している。いくつかの実施形態において、電子装置122とレシーバ120は、単一の通信バスを共有している。
【0076】
[0088] いくつかの実施形態において、レシーバ120は、トランスミッタ102から1つ又は複数の電力波116を直接的に受け取っている。いくつかの実施形態において、レシーバ120は、トランスミッタ102によって送られた1つ又は複数の電力波116によって生成された1つ又は複数のエネルギーのポケットから電力波を回収している。
【0077】
[0089] いくつかの実施形態において、電力波116が受け取られた、及び/又は、エネルギーがエネルギーのポケットから回収された、後に、レシーバ120の回路(例えば、集積回路、増幅器、整流器、PMIC、及び/又は電圧コンディショナ)は、電力波のエネルギー(例えば、高周波電磁放射)を使用可能な電力(即ち、電気)に変換しており、この使用可能な電力が、電子装置122に電力供給しており、及び/又は、電子装置122の電池130において保存されている。いくつかの実施形態において、レシーバ120の整流回路は、電子装置122による使用のために、電気エネルギーをACからDCに変換している。いくつかの実施形態において、電圧コンディショニング回路は、電子装置122によって必要とされているように、電気エネルギーの電圧を増大又は減少させている。いくつかの実施形態においては、電気リレーが、レシーバ120からの電気エネルギーを電子装置122に伝達している。
【0078】
[0090] いくつかの実施形態において、レシーバ120は、電子装置122のコンポーネントである。いくつかの実施形態において、レシーバ120は、電子装置122に結合されている(例えば、着脱自在に結合されている)。いくつかの実施形態において、電子装置122は、レシーバ120の周辺装置である。いくつかの実施形態において、電子装置122は、複数のトランスミッタ102から、及び/又は、複数のレシーバ120を使用することにより、電力を取得している。いくつかの実施形態において、無線送電環境100は、複数の電子装置122を含み、これらのそれぞれは、電子装置122を充電するための使用可能な電力として、トランスミッタ102からの電力波を回収するべく使用される少なくとも1つの個別のレシーバ120を有する。
【0079】
[0091] いくつかの実施形態において、1つ又は複数のトランスミッタ102は、電力波116の1つ又は複数の特性(例えば、位相、利得、方向、及び/又は周波数)を調節している。例えば、トランスミッタ102(例えば、トランスミッタ102a)は、電力波116の送信を開始するべく、電力波116の送信を休止するべく、及び/又は、電力波116を送信するべく使用される1つ又は複数の特性を調節するべく、アンテナアレイ110の1つ又は複数のアンテナのサブセットを選択している。いくつかの実装形態において、1つ又は複数のトランスミッタ102は、電力波116の軌跡が、送信フィールド(例えば、空間内の場所又は領域)内の既定の場所において収束し、その結果、制御された肯定的又は否定的干渉パターンが得られるように、電力波116を調節している。
【0080】
[0092] いくつかの実施形態において、1つ又は複数のトランスミッタ102の個々のアンテナアレイ110は、電力波116を1つ又は複数のトランスミッタ102の個々の送信フィールド内に送信するように構成された1つ又は複数のアンテナの組を含むことができる。コントローラ回路及び/又は波形生成器などの、個々のトランスミッタ102の集積回路(図示されてはいない)は、アンテナの振る舞いを制御することできる。例えば、通信信号118を経由してレシーバから受け取られた情報に基づいて、コントローラ回路は、電力をレシーバ102及び電子装置122に効果的に提供することになる電力波116を送信するべく使用される1つ又は複数の特性又は波形特性(例えば、その他の特性に加えて、振幅、周波数、軌跡、方向、位相)の組を判定することができる。また、コントローラ回路は、電力波116を送信する際に有効となる、アンテナアレイ110からのアンテナのサブセットを識別することもできる。別の例として、プロセッサ104に結合された個々のトランスミッタ102の波形生成回路は、エネルギーを変換してもよく、コントローラによって識別された波形特性を有する電力波116を生成してもよく、次いで、送信のために電力波をアンテナアレイ110に提供してもよい。
【0081】
[0093] いくつかの実施形態において、異なる場所においてレシーバ120又は電子装置122を充電するべく、アンテナアレイ110からのアンテナの異なるサブセットが使用されている。いくつかの実施形態においては、異なる場所においてレシーバ120又は電子装置122を充電するべく、アンテナアレイ110からの異なる周波数を有するアンテナの異なるサブセットが使用されており、例えば、それぞれのレシーバ120又は電子装置122は、アンテナアレイ110からのアンテナのサブセットから特定の周波数を受け取っている。いくつかの実施形態において、アンテナの異なるサブセットからの周波数は、オーバーラップしてはいない。いくつかの実施形態においては、異なる場所において、レシーバ120又は電子装置122の周りにおいてエネルギーのポケットを形成するべく、アンテナアレイ110からのアンテナの異なるサブセットが使用されている。
【0082】
[0094] いくつかの実施形態において、組み合わせられた波の振幅が電力波のうちの1つのものの振幅超となるように、2つ以上の電力波116が、互いに同相であり、組み合わせられた波に収束している際に、電力波の肯定的干渉が発生している。例えば、複数のアンテナから所定の場所に到来する正弦波形の正及び負のピークは、相対的に大きな正及び負のピークを生成するべく、「1つに加算」される。いくつかの実施形態において、エネルギーのポケットは、電力波の肯定的干渉が発生する送信フィールド内の場所において形成されている。いくつかの実施形態において、肯定的干渉パターンによって生成されるエネルギーのポケットの最大寸法は、5ミリメートル(mm)超、10mm超、15mm超、20mm超、50mm超、100mm超、500mm超、1000mm超、2000mm超、或いは、5000mm超である。いくつかの実施形態において、特定の送信周波数について肯定的干渉パターンによって生成されるエネルギーのポケットの最大寸法は、波長の半分超、1波長超、5波長超、10波長超、100波長超、1000波長超、或いは、10000波長超である。
【0083】
[0095] いくつかの実施形態において、組み合わせられた波の振幅が電力波のうちの1つのものの振幅未満になるように、2つ以上の電力波が、位相がずれており、組み合わせられた波に収束している際に、電力波の否定的干渉が発生している。例えば、電力波は、「互いにキャンセルし」、これにより、送信フィールド内の場所における濃縮されたエネルギーの量を縮小している。いくつかの実施形態において、否定的干渉は、電力波が収束する送信フィールド内の場所において無視可能なエネルギーの量又は「ヌル」を生成するべく、使用されている。いくつかの実施形態において、「ヌル」空間は、肯定的干渉パターンによって形成されたエネルギーのポケットに隣接して生成されている。いくつかの実施形態において、否定的干渉パターンによって生成される「ヌル」空間の最大寸法は、5mm超、10mm超、15mm超、20mm超、50mm超、100mm超、500mm超、1000mm超、2000mm超、或いは、5000mm超である。いくつかの実施形態において、特定の送信周波数について否定的干渉パターンによって生成される「ヌル」空間の最大寸法は、1波長の半分超、1波長超、5波長超、10波長超、100波長超、1000波長超、或いは、10000波長超である。
【0084】
[0096] いくつかの実施形態において、1つ又は複数のトランスミッタ102は、2つ以上の別個の送信フィールド(例えば、オーバーラップしている、及び/又は、オーバーラップしていない、別個の送信フィールド)を生成する電力波116を送っている。いくつかの実施形態において、第1送信フィールドは、第1トランスミッタ(例えば、トランスミッタ102a)の第1プロセッサ104によって管理されており、第2送信フィールドは、第2トランスミッタ(例えば、トランスミッタ102b)の第2プロセッサ104によって管理されている。いくつかの実施形態において、2つ以上の別個の送信フィールド(例えば、オーバーラップしている、及び/又は、オーバーラップしていない、もの)は、単一送信フィールドとして、トランスミッタプロセッサ104によって管理されている。
【0085】
[0097] いくつかの実施形態において、通信コンポーネント112は、レシーバ120に対する有線及び/又は無線通信接続を経由して、通信信号118を送信している。いくつかの実施形態において、通信コンポーネント112は、レシーバ120の三角測量のために使用される通信信号118を生成している。いくつかの実施形態において、通信信号118は、電力波116を送るために使用される1つ又は複数の特性を調節するべく、トランスミッタ102とレシーバ120の間において情報を伝達するように使用されている。いくつかの実施形態において、通信信号118は、状態、効率、ユーザーデータ、電力消費、請求、ジオロケーション、相対場所、及びその他のタイプの情報に関係する情報を含む。
【0086】
[0098] いくつかの実施形態において、レシーバ120は、トランスミッタ(図示されてはいない)を含み、或いは、トランシーバの一部分であり、これらは、通信信号118をトランスミッタ102の通信コンポーネント112に送信している。
【0087】
[0099] いくつかの実施形態において、通信コンポーネント112(例えば、トランスミッタ102aの通信コンポーネント112)は、レシーバ120及び/又はその他のトランスミッタ102(例えば、トランスミッタ102b~102n)と通信するべく通信コンポーネントアンテナを含む。いくつかの実施形態において、これらの通信信号118は、電力波116の送信に使用される信号のチャネルとは独立的にトランスミッタ102によって送信される信号の別個のチャネルを表している。
【0088】
[00100] いくつかの実施形態において、レシーバ120は、レシーバ側の通信コンポーネントによって生成される個々の通信信号118を通じてトランスミッタ102の1つ又は複数との間において様々なタイプのデータを通信するように構成されたレシーバ側の通信コンポーネント144を含む。データは、レシーバ102及び/又は電子装置122用の場所インジケータ、装置122の電力状態、レシーバ102用の状態情報、電子装置122用の状態情報、電力波116に関する状態情報、及び/又はエネルギーのポケット用の状態情報を含みうる。換言すれば、レシーバ102は、通信信号118を経由して、トランスミッタ102に、その他のタイプの情報を含むその他の可能なデータポイントに加えて、レシーバ102又は装置122の現在の場所、レシーバ120によって受け取られたエネルギーの量、及び電子装置122によって受け取られた及び/又は使用された電力の量を識別する情報を含むシステム100の現時点の動作に関するデータを提供することができる。
【0089】
[00101] いくつかの実施形態において、通信信号118内において含まれているデータは、電力波116を送信するためにアンテナアレイ110によって使用される1つ又は複数の特性の調節を判定するべく、電子装置122、レシーバ120、及び/又はトランスミッタ102によって使用されている。通信信号118を使用することにより、トランスミッタ102は、例えば、送電フィールド内のレシーバ120を識別するべく、電子装置122を識別するべく、電力波用の安全且つ有効な波形特性を判定するべく、及び/又は、エネルギーのポケットの配置を微調整するべく、使用されるデータを伝達している。いくつかの実施形態において、レシーバ120は、例えば、レシーバ120が送信フィールドに進入した又は進入しようとしていることについてトランスミッタ102に警告するべく、電子装置122に関する情報を提供するためのデータを伝達するべく、電子装置122に対応するユーザー情報を提供するべく、受け取られた電力波116の有効性を通知するべく、及び/又は、1つ又は複数のトランスミッタ102が電力波116の送信を調節するべく使用する更新済みの特性又は送信パラメータを提供するべく、通信信号118を使用している。
【0090】
[00102] 一例として、トランスミッタ102の通信コンポーネント112は、ビーコンメッセージ、トランスミッタ識別子、電子装置122の装置識別子、ユーザー識別子、電子装置122の充電レベル、送信フィールド内のレシーバ120の場所、及び/又は送信フィールド内の電子装置122の場所、などの、様々な情報を含む1つ又は複数のタイプのデータ(例えば、認証データ及び/又は送信パラメータを含む)を伝達(例えば、送信及び/又は受信)している。
【0091】
[00103] いくつかの実施形態において、トランスミッタセンサ114及び/又はレシーバセンサ128は、電子装置122、レシーバ120、トランスミッタ102、及び/又は送信フィールドの状態を検出及び/又は識別している。いくつかの実施形態において、トランスミッタセンサ114及び/又はレシーバセンサ128によって生成されたデータは、電力波116を送信するべく使用されている1つ又は複数の特性に対する適切な調節を判定するべく、トランスミッタ102によって使用されている。トランスミッタ102によって受け取られたトランスミッタセンサ114及び/又はレシーバセンサ128からのデータは、例えば、未加工のセンサデータ及び/又はセンサプロセッサなどのプロセッサ104によって処理されたセンサデータを含む。処理済みのセンサデータは、例えば、センサデータ出力に基づいた判定を含む。また、いくつかの実施形態においては、レシーバ120及びトランスミッタ102の外部に位置するセンサから受け取られた(熱撮像データ、光センサからの情報、及びその他のものなどの)センサデータも、使用されている。
【0092】
[00104] いくつかの実施形態において、レシーバセンサ128は、向きデータ(例えば、3軸向きデータ)などの未加工データを提供するジャイロスコープであり、この未加工データの処理は、向きデータを使用してレシーバ120の場所及び/又はレシーバアンテナ124の場所を判定することを含みうる。
【0093】
[00105] いくつかの実施形態において、レシーバセンサ128は、(例えば、熱撮像情報を出力する)1つ又は複数の赤外線センサを含み、この赤外線センサデータを処理することは、(例えば、人物の存在を通知する及び/又は人物の識別を通知する)熱撮像情報に基づいて人物又はその他の感度を有する物体を識別することを含む。
【0094】
[00106] いくつかの実施形態において、レシーバセンサ128は、レシーバ120及び/又は電子装置122の向きを通知するジャイロスコープ及び/又は加速度計を含む。一例として、トランスミッタ102は、レシーバセンサ128から向き情報を受け取り、トランスミッタ102(或いは、プロセッサ104などのそのコンポーネント)は、電子装置122がテーブル上においてフラットになっているのか、動いているのか、及び/又は、使用中である(例えば、ユーザーの頭部に隣接した状態にある)のかを判定するべく、受け取られた向きデータを使用している。
【0095】
[00107] いくつかの実施形態において、レシーバセンサ128は、電子装置122(例えば、レシーバ102から離れている電子装置122)のセンサである。いくつかの実施形態において、レシーバ120及び/又は電子装置122は、信号(例えば、レシーバセンサ128によって出力されたセンサ信号)をトランスミッタ102に送信するための通信システムを含む。
【0096】
[00108] トランスミッタセンサ114及び/又はレシーバセンサ128の非限定的な例は、例えば、赤外線、焦電、超音波、レーザー、光、ドップラー、ジャイロ、加速度計、マイクロ波、ミリメートル、RF定在波センサ、共振LCセンサ、容量センサ、及び/又は誘導センサを含む。いくつかの実施形態において、トランスミッタセンサ114及び/又はレシーバセンサ128用の技術は、人間又はその他の感度を有する物体の場所などの、立体センサデータを取得するバイナリセンサを含む。
【0097】
[00109] いくつかの実施形態において、トランスミッタセンサ114及び/又はレシーバセンサ128は、人間認識のために構成されている(例えば、人物と家具などのその他の物体の間を弁別する能力を有する)。人間認識対応型のセンサによって出力されるセンサデータの例は、体温データ、赤外線レンジファインダデータ、モーションデータ、活動認識データ、シルエット検出及び認識データ、ジェスチャデータ、心拍数データ、携帯型装置データ、及びウェアラブル装置データ(例えば、生体計測読取及び出力、加速度計データ)を含む。
【0098】
[00110] いくつかの実施形態において、トランスミッタ102は、人間被験者用の電磁界(EMF)曝露保護規格に対する準拠を保証するために、電力波116を送信するべく使用されている1つ又は複数の特性を調節している。最大曝露限度は、電力密度限度及び電界限度(のみならず、磁界限度)の観点において、米国及び欧州規格によって定義されている。これらは、例えば、最大許容可能曝露(MPE)について連邦通信委員会(FCC)によって確立された限度と、放射曝露について欧州の規制当局によって確立された限度と、を含む。MPEについてFCCによって確立されている限度は、「47 CFR § 1.1310」において規定されている。マイクロ波の範囲内の電磁界(EMF)周波数の場合には、曝露の強度を表現するべく、電力密度を使用することができる。電力密度は、電力/単位面積として定義されている。例えば、電力密度は、一般に、ワット/平方メートル(W/m2)、ミリワット/平方センチメートル(mW/cm2)、或いは、マイクロワット/平方センチメートル(μW/cm2)の観点において表現することができる。いくつかの実施形態において、トランスミッタセンサ114及び/又はレシーバセンサ128からの出力は、人物又はその他の感度を有する物体が送電領域(例えば、トランスミッタ102の既定の距離内の場所、トランスミッタ102によって生成された電力波、及び/又はエネルギーのポケット)内に進入したかどうかを検出するべく、トランスミッタ102によって使用されている。いくつかの実施形態において、人物又はその他の感度を有する物体が送電領域に進入したことを検出することに応答して、トランスミッタ102は、(例えば、電力波送信を休止することにより、電力波送信を低減することにより、及び/又は、電力波の1つ又は複数の特性を調節することにより)1つ又は複数の電力波116を調節している。いくつかの実施形態において、人物又はその他の感度を有する物体が送電領域に進入したことを検出することに応答して、トランスミッタ102は、(例えば、トランスミッタ102のコンポーネントであるラウドスピーカに、或いは、トランスミッタ102から離れているアラーム装置に、信号を送信することにより)アラームを起動している。いくつかの実施形態において、人物又はその他の感度を有する物体が送電領域に進入したことを検出することに応答して、トランスミッタ102は、デジタルメッセージをシステムログ又は管理演算装置に送信している。
【0099】
[00111] いくつかの実施形態において、アンテナアレイ110は、アンテナアレイを集合的に形成している複数のアンテナ要素(例えば、構成可能な「タイル」)を含む。アンテナアレイ110は、例えば、RF電力波、超音波電力波、赤外線電力波、及び/又は磁気共鳴電力波などの、送電信号を生成している。いくつかの実施形態において、(例えば、トランスミッタ102aなどの単一トランスミッタの、及び/又は、トランスミッタ102a、102b、...102nなどの、複数のトランスミッタの)アンテナアレイ110のアンテナは、定義された場所(例えば、レシーバ120の検出された場所に対応する場所)において交差する2つ以上の電力波を送信し、これにより、定義された場所においてエネルギーのポケット(例えば、エネルギーの濃縮)を形成している。
【0100】
[00112] いくつかの実施形態において、トランスミッタ102は、アンテナアレイ110の構成要素であるアンテナが、異なるタスク(例えば、予め検出されていないレシーバ120の場所の判定及び/又は1つ又は複数のレシーバ120への電力波116の送信)を実行するように、第1タスクをアンテナアレイ110のアンテナ要素の第1サブセットに割り当て、第2タスクをアンテナアレイ110のアンテナ要素の第2サブセットに割り当て、及び、以下同様である。一例として、10個のアンテナを有するアンテナアレイ110においては、9個のアンテナは、エネルギーのポケットを形成する電力波116を送信しており、10番目のアンテナは、送信フィールド内において新しいレシーバを識別するべく通信コンポーネント112との関連において動作している。別の例において、10個のアンテナ要素を有するアンテナアレイ110は、5つのアンテナ要素の2つのグループに分割されており、これらのそれぞれは、電力波116を送信フィールド内の2つの異なるレシーバ120に送信している。
【0101】
[00113]
図2は、いくつかの実施形態による、例示用の無線受電システム200のブロック図である。様々な実施形態において、アンテナ要素202の1つ又は複数の組は、その個別の整流器204と接続している。アンテナ要素202のその個別の組に接続された複数の整流器204が存在しうる。例えば、異なる実施形態において、2つ、3つ、4つ、8つ、又は16個の又は任意のその他の数のアンテナ要素が1つの整流器204と結合されている。アンテナ要素202は、1つ又は複数の無線電力トランスミッタによって送信された無線電力波から電力を無線で抽出又は回収している。1つ又は複数のアンテナ要素202は、
図3~
図12との関係において後述する1つ又は複数のアンテナアーム及び1つ又は複数のアンテナ接地面を含む。
【0102】
[00114] アンテナ要素202は、トランスミッタによって使用されている周波数帯域において信号を送信及び/又は受信する能力を有する任意のタイプのアンテナを有する。更には、アンテナ要素202は、指向性を有していてもよく、及び/又は有していなくてもよく、並びに、無線送電のために、フラットアンテナ要素、パッチアンテナ要素、ダイポールアンテナ要素、及び/又は任意のその他の適切なアンテナを含む。アンテナ要素202は、モノポールアンテナ又は逆F型アンテナ(IFA:Inverted-F Antenna)であってよい。適切なアンテナタイプは、例えば、送信電力波周波数が約915MHzである際に、50mm未満のアパーチャサイズを有するモノポール又はIFAを含みうる。その他の適切なアンテナタイプは、例えば、約1/8インチ~約6インチの高さ及び約1/8インチ~約6インチの幅を有するパッチアンテナを含みうる。アンテナ要素202の形状及び向きは、レシーバシステム200の望ましい特徴とは独立的に変化してもよく、向きは、X、Y、及び/又はZ軸のみならず、3次元構成における様々な向きタイプ及び組合せにおいてフラットであってよい。アンテナ要素202は、高効率を伴うRF信号送信、良好な熱放散、及びこれらに類似したものを許容する任意の適切な材料から製造することができる。アンテナ要素202の数は、トランスミッタの望ましいレンジ及び送電能力との関係において変化しうるが、アンテナ要素が多いほど、レンジも長くなり、送電能力も高くなる。
【0103】
[00115] アンテナ要素202は、900MHz、2.5GHz、又は5.8GHzなどの周波数帯域において動作するべく適切なアンテナタイプを含みうるが、その理由は、これらの周波数帯域が、連邦通信委員会(FCC)規則のパート18(産業、科学、及び医療機器)に準拠しているからである。アンテナ要素202は、独立した周波数において動作し、これにより、ポケット形成のマルチチャネル動作を許容しうる。
【0104】
[00116] これに加えて、アンテナ要素202は、少なくとも1つの偏向又は偏向の選択を有することもできる。このような偏向は、垂直方向、水平方向、円形、左、右、又は偏向の組合せを含みうる。偏向の選択は、トランスミッタ及びレシーバ特性に依存して変化しうる。
【0105】
[00117] これに加えて、アンテナ要素202は、レシーバ200の様々な表面内において配置することができる。アンテナ要素202は、単一アレイ、ペアアレイ、クアッドアレイ、及び、望ましい用途に従って設計されうる任意のその他の適切な構成において動作することができる。
【0106】
[00118] いくつかの実装形態において、印刷回路基板PCB又はRF集積回路(IC)の一面の全体をアンテナ要素202によって緻密に充填することができる。RFICは、複数のアンテナ要素に接続することができる。複数のアンテナ要素202は、単一のRFICを取り囲むことができる。
【0107】
[00119] レシーバシステム200の整流器204は、アンテナ要素204によって生成された交流(AC)電圧を直流(DC)電圧に整流するべく、ダイオード、抵抗器、インダクタ、及び/又はコンデンサを含むことができる。整流器204は、送電信号から収集された電気エネルギーの損失を極小化するべく、アンテナ要素204に技術的に可能な範囲で近接した状態において配置することができる。AC電圧を整流した後に、結果的に得られたDC電圧は、パワーコンバータ(図示されてはいない)を使用して調節することができる。パワーコンバータは、電子装置に対して、或いは、この例示用のシステム200におけるように、電池208に対して、入力とは無関係に、一定の電圧出力を提供することを支援しうるDC-DCコンバータであってよい。通常の電圧出力は、約5ボルト~約10ボルトであってよい。いくつかの実施形態において、パワーコンバータは、電子スイッチングモードのDC-DCコンバータを含んでいてもよく、これは、高効率を提供しうる。このような実施形態において、レシーバ200は、パワーコンバータの前において電気エネルギーを受け取るべく位置したコンデンサ(図示されてはいない)を有することができる。コンデンサは、効果的に動作しうるように、十分な電流が電子スイッチング装置(例えば、スイッチモードのDC-DCコンバータ)に提供されることを保証することができる。例えば、電話機又はラップトップコンピュータなどの電子装置を充電する際には、電子スイッチングモードのDC-DCコンバータの動作を起動するべく必要とされる最小電圧を超過しうる初期大電流が必要とされる場合がある。このようなケースにおいては、必要とされる余分なエネルギーを提供するべく、コンデンサ(図示されてはいない)をレシーバ200の出力において追加することができる。この後には、相対的に小さな電力を提供することができる。例えば、電話機又はラップトップが依然として電荷を蓄積するようにしている間に使用されうるのは、合計初期電力の1/80である。
【0108】
[00120] 整流器204からの電流は、電力管理集積回路(PMIC)206に提供されている。PMIC206は、ホストシステムの電力要件を管理するシステムオンチップ装置内の集積回路及び/又はシステムブロックである。PMIC206は、電池管理、電圧調節、及び充電機能を含みうる。これは、動的電圧スケーリングを許容するべく、DC-DCコンバータを含むことができる。いくつかの実装形態において、PMIC206は、最大で95%の電力変換効率を提供することができる。いくつかの実装形態において、PMIC206は、組合せにおいて、動的周波数スケーリングと一体化しうる。PMIC206は、携帯電話機及び/又は携帯型メディアプレーヤーなどの、電池動作型の装置内において実装することができる。いくつかの実装形態において、電池208は、入力コンデンサ及び出力コンデンサによって置換することができる。PMIC206は、電池208及び/又はコンデンサに直接的に接続することができる。電池208が直接的に充電されている際には、コンデンサは、実装されなくてもよい。いくつかの実装形態において、PMIC206は、電池208の周りにおいてコイル化することができる。PMIC206は、電池充電器として機能する電力管理チップ(PMC)を有してもよく、電池208に接続されている。PMIC206は、パルス-周波数変調(PFM)及びパルス幅変調(PWM)を使用することができる。これは、スイッチング増幅器(D級電子増幅器)を使用することができる。また、いくつかの実装形態において、出力コンバータ、整流器、及び/又はBLEは、PMIC206内において包含することもできる。
【0109】
[00121]
図3は、自己共振を伴っていない、例示用の電気的に小さなアンテナ又は無線受電システム300である。無線受電システム300においては、1つのアンテナラジエータ(アーム)302のみが、接地面304に装着されている。アンテナラジエータ302及び接地面304の合計長Dは、送信又は受信波長λとの比較において非常に小さく、通常、D<<λである。アンテナラジエータ202は、上述のように、モノポール又はその他のアンテナタイプであってよい。電気的に小さなアンテナは、文献においては、放射長(λ/2π)を有するべく定義されており、これは、例えば、2.5GHz周波数において約19mm、2GHz周波数において約24mm、1.5GHz周波数において約32mm、1GHz周波数において約48mm、500MHz周波数において約95mm、300MHz周波数において約159mm、並びに、100MHz周波数において約477mmである。電気的に小さなアンテナは、特性が、容量性であって、低放射抵抗値を有しており、従って、自己共振性を有していない。自己共振性を得るためには、例えば、50Ωなどの、基準インピーダンスに整合するように、コンデンサ及び/又はインダクタンスなどの整合コンポーネントを電気的に小さなアンテナシステム300に追加する必要がある。但し、このような整合コンポーネントは、損失を追加することになり、送電の劣化又は損失を結果的にもたらすることになろう。
【0110】
[00122]
図4は、いくつかの実施形態による、接地面406に装着された2つのアンテナラジエータ(アーム)402及び404を有する例示用の電気的に小さなアンテナ又は無線受電システム400である。いくつかの実施形態において、同一の接地面を利用している2つのアンテナアーム402及び404は、両方のアンテナアーム402及び404が自己共振を有するように、高度な相互結合を生成するべく、互いに近接している。アンテナラジエータ402の長さD1、アンテナラジエータ404の長さD2、及び接地面406の長さD3は、いずれも、送信又は受信波長λとの比較において、非常に小さく、通常、D1<<λ、D2<<λ、及びD3<<λである。アンテナラジエータ402及び404は、上述のように、モノポールであってもよく、IFAアンテナであってもよく、或いは、その他のアンテナタイプであってもよい。いくつかの実施形態において、アンテナアームは、スパイラルモノポールアンテナであってよい。いくつかの実施形態において、2つのアンテナアーム402及び404のアンテナタイプは、同一である。いくつかの実施形態において、2つのアンテナアーム402及び404用に実装されるアンテナタイプは、異なっている。電気的に小さなアンテナは、文献において、放射長(λ/2π)を有するべく定義されており、これは、915MHzの周波数において約50mmである。
【0111】
[00123] ラジエータの開放端が、互いからラジエータの最長直径の50%未満の距離にある状態において、電気的に小さなアンテナが互いに十分に近接している際には、アンテナの間の強力な結合により、同一の接地面を利用している両方のアンテナに対して自己共振を生成することができる。整合した基準インピーダンスを生成するべく電気的に小さなアンテナシステムに従来において追加されているコンデンサ及び/又はインダクタなどの整合コンポーネントを除去することができる、或いは、大幅に低減することができる。従って、その多損失の整合コンポーネントによって従来導入されている損失を除去することにより、電子送電利得を改善することができる。無線受電システム400内の電気的に小さなアンテナアーム402は、アンテナアーム404などのその他の類似の電気的に小さなアンテナアームにより、装荷されている。いくつかの例において、アンテナアームは、その電気的な長さが類似している際には、類似している。或いは、換言すれば、アンテナは、類似の共振周波数を有しており、例えば、2つのアンテナの入力インピーダンスの抵抗成分は、前記共振周波数において、互いから20%以内である。アンテナアーム402及び404は、互いに近接している。この構成が、両方のアンテナアーム402及び404を共振するようにチューニングしている。従って、アンテナアーム402及び404は、追加的な多損失の整合コンポーネントを伴うことなしに、無線電力トランスミッタからエネルギーをキャプチャすることができる。
【0112】
[00124] いくつかの実施形態において、無線受電システムは、
図4において上述したように、同一の接地面を利用し、互いに強結合された、2つ以上のアンテナアームを含む。2つ以上のアンテナアームは、互いに相互に結合されるべく、互いに近接した状態において配置されている。従って、無線電力トランスミッタから転送される電力を受け取るべく、自己共振を2つ以上のアンテナアームのそれぞれ上において生成することができる。
【0113】
[00125] いくつかの例において、2つ以上のアンテナアームは、類似のタイプのアンテナであってもよく、或いは、異なるタイプのアンテナであってもよい。いくつかの実施形態において、2つ以上のアンテナアームは、例えば、類似のサイズ、類似の静電容量、コンダクタンス、及び抵抗値などの、類似の物理的及び/又は電子的特性を有する。
【0114】
[00126] いくつかの実施形態において、無線受電システム400は、互いに隣接する2つ以上のアンテナアームを含む。いくつかの実施形態において、2つ以上のアンテナアームは、アンテナ接地面406の異なる側において位置決めされている。いくつかの実施形態において、無線受電システム400は、無線受電システム400の、それぞれ、上部及び下部面上において2つのアンテナアームを含む。いくつかの実施形態において、アンテナアームは、互いに平行である。いくつかの実施形態において、アンテナを取り囲んでいる装置コンテナの形状及び空間に応じて、アンテナアームは、互いに任意の角度において位置決めすることができる。いくつかの実施形態において、アンテナアームの少なくとも2つは、互いに垂直である。いくつかの実施形態において、2つ以上のアンテナアームは、ほぼ平坦である。いくつかの実施形態において、2つ以上のアンテナアームは、円形の形状を有する。円形形状は、2つ以上のアンテナアームの間において容積を極大化することが可能であり、受電効率を改善することができる。そして、円形形状は、また、アンテナアーム及び接地面が埋め込まれているイヤフォンなどの小さな装置の大部分のものの形状にマッチングしている。いくつかの実施形態において、2つ以上のアンテナアームは、楕円、正方形、矩形、三角形、及びその他の規則的又は不規則的な形状などの形状を有する。いくつかの実施形態において、2つ以上のアンテナアームの形状は、互いに対称的である。いくつかの実施形態において、2つ以上のアンテナアームの位置は、互いに対称的である。2つ以上のアンテナアームの対称的な形状及び/又は位置は、無線受電システム400が裏返しにされた又はひっくり返された際に、無線電力の均等な及び予測可能な受信を許容することができる。いくつかの実施形態において、2つ以上のアンテナアームの形状は、互いに非対称的である。いくつかの実施形態において、2つ以上のアンテナアームの位置は、互いに非対称的である。2つの以上のアンテナアームの非対称的な形状及び/又は位置は、特定のクライアント装置の形状及び機能に関係する無線受電の特定の用途のニーズにフィットしうる。
【0115】
[00127] いくつかの実施形態において、アンテナ接地面406は、印刷回路基板(PCB)を含む。いくつかの実施形態において、接地面406は、1つ又は複数の整流器及び/又は1つ又は複数のPMIC、及び/又は、その他の電力調節回路を含む。
【0116】
[00128] いくつかの実施形態において、アンテナアームが電磁波を受信する周波数は、アンテナアームのサイズに基づいて変化している。
【0117】
[00129] いくつかの実施形態において、アンテナアームは、λ/4以下の寸法を有しており、この場合に、λは、アンテナアームが受け取るように構成された電磁波の周波数に対応する波長である。いくつかの実施形態において、アンテナアームは、λ/2π以下の寸法を有する。
【0118】
[00130] いくつかの実施形態において、無線受電システム400は、ペースメーカー又はイヤフォンなどの小さなサイズの電子装置にフィットしうるサイズを有する。例えば、いくつかの実施形態において、無線受電システム400のサイズ又は最大寸法は、約10ミリメートル(mm)である。いくつかの実施形態において、無線受電システム400のサイズ又は最大寸法は、10mm未満である。いくつかの実施形態において、無線受電システム400のサイズ又は最大寸法は、5mm以下である。いくつかの実施形態において、無線受電システム400は、携帯電話機又はリモートコントローラなどのコンパクトな電子装置内にフィットしうるサイズを有する。例えば、いくつかの実施形態において、無線受電システム400のサイズ又は最大寸法は、20mm以下である。いくつかの実施形態において、無線受電システム400のサイズ又は最大寸法は、30mm以下である。いくつかの実施形態において、無線受電システム400のサイズ又は最大寸法は、40mm以下である。いくつかの実施形態において、無線受電システム400のサイズ又は最大寸法は、50mm以下である。いくつかの実施形態において、無線受電システム400は、リモートキーボード、サウンドバー、又はTVなどの電子装置にフィットしうるサイズを有する。例えば、いくつかの実施形態において、無線受電システム400のサイズ又は最大寸法は、100mm以下である。
【0119】
[00131] 当業者には明らかになるように、アンテナアームのそれぞれのものの様々な特徴及び構成は、様々な更なる実施形態を生成するべく、様々な方式で組み合わせられてもよく、或いは、置換されてもよく、並びに、更には、ダイポール要素、パッチアレイフィード要素、及び/又はスプリットリングフィード要素を含む、異なるタイプのフィード要素を含むこともできる。いくつかの実施形態において、アンテナのアレイは、異なるタイプ及び/又は構成の個々のアンテナアームを含むことができる。例えば、アンテナアームのアレイは、線形構成、平坦構成、又は非平坦(例えば、円筒形アレイ)構成において構成された個別のアンテナアームを含む。例えば、アンテナアームの線形構成及び平坦構成は、無線受電システム400内の空間が制限されている際には、利得を改善するべく、使用することができる。非平坦アンテナアーム(例えば、矩形にコイル化されたアンテナアーム)は、異なる方向からの無線波の受信の更なる改善が必要とされる際に使用される。
【0120】
[00132] いくつかの実施形態において、アンテナ接地面406は、接続を通じてアンテナボード(
図4に示されてはいない)と接続している。アンテナ接地面406は、通常、電気接地に接続される、送信された無線波の波長との比較において大きい導電性の表面である。いくつかの実施形態において、アンテナ接地面406は、PCBボード上の導電性表面の大きなエリアである。アンテナ接地面406は、電源の接地端子に接続されており、402及び404などのアンテナアームからの、並びに、PCB基板上の異なる回路コンポーネントからの、電流用のリターン経路として機能している。いくつかの実施形態において、アンテナ接地面406の最大寸法は、送信された無線波の波長の少なくとも半分である。いくつかの実施形態において、アンテナ接地面406の最大寸法は、アンテナアーム402及び404のそれぞれのものの最大寸法の長さの少なくとも2倍である。
【0121】
[00133] いくつかの実施形態において、アンテナ接地面406は、実質的に平坦である。いくつかの実施形態において、アンテナ接地面406は、アンテナボードに隣接した状態において位置決めされている。いくつかの実施形態において、アンテナ接地面406は、アンテナボードの下方、上方、又は内部において位置決めされている。いくつかの実施形態において、アンテナ接地面406は、アンテナボードの一部分である。いくつかの実施形態において、アンテナ接地面406は、アンテナボードに平行である。いくつかの実施形態において、アンテナ接地面の面積は、アンテナボードの4分の1超である。いくつかの実施形態において、アンテナ接地面の面積は、アンテナボードの4分の1未満である。いくつかの実施形態において、アンテナ接地面406の形状は、任意の平坦な形状である。いくつかの実施形態において、アンテナ接地面406の形状は、空間内において対称的である。
【0122】
[00134] アンテナボードの寸法(例えば、アンテナボードの断面積及び高さ)、アンテナ接地面406の寸法(例えば、アンテナ接地面406の断面積及び高さ)、402及び404などの2つ以上のアンテナアームのサイズ、形状、間隔、及び構成、アンテナアームのインピーダンス及び動作周波数、並びに、アンテナ接地面406とアンテナアームの間の構成、整流器のサイズ及び構成などの、無線受電システム400の様々な設計側面は、望ましい無線波受信特性を得るように、選択されている(例えば、費用又は実行機能を利用して最適化されている)。上述の設計側面に基づいて変化する無線波受信特性は、例えば、サイズ、容積、材料、重量、費用、製造効率、放射効率、インピーダンス、及び/又は(アンテナによる電磁波又はその他の無線波の送信及び/又は受信用の)周波数レンジを含む。
【0123】
[00135] いくつかの実施形態において、無線送電システム400は、無線送信波を受信するべく、サブギガヘルツの周波数レンジにおいて動作することができる。いくつかの実施形態において、無線送電システム400は、主に、無線送信波を受信するべく近接場レンジ内において動作している。いくつかの実施形態において、無線送電システム400は、特定の動作周波数又は周波数レンジの無線送信波を受信するべく、中間場及び遠方場レンジ内において動作することができる。いくつかの実施形態において、無線送電システム300は、異なる周波数レンジの無線送信波を受信するべく、近接場、中間場、又は遠方場レンジ内において動作することができる。送信された無線波の周波数に応じて、一般に、近接場は、送信ソースから約1波長未満である距離を意味しており、遠フィールドは、送信ソースから約2波長以上の距離を意味しており、中間フィールドは、近接場と遠フィールドの間の距離を意味している。
【0124】
[00136] いくつかの実施形態において、無線受電システム400の実質的に対称的な構造は、システム400の受電を改善しうる。例えば、特に近接場受電において、無線受電システム400の一面が送信波又はフィールドから相対的に遠い際には、送信波又はフィールドのソースに相対的に近接した面は、相対的に良好な受電を得ることになる。ユーザーは、その性能に影響を及ぼすことなしに、受電システム400が裏返っている状態において、装置を裏返すことができる。
【0125】
[00137] いくつかの実施形態において、本明細書において開示されている無線受電システム400のコンパクト且つ円形の設計は、2つ以上のアンテナアームとアンテナ接地面406の間のアンテナ容積をフルに利用し、これにより、電力波レシーバの受信効率、利得及び帯域幅、及び全体的性能を改善している。更には、損失を導入する更なる整合コンポーネントを伴うことなしに、システム400の実装形態は、従来のレシーバの使用との比較において無線充電カバレージエリアを増大させることができる。
【0126】
[00138]
図5は、いくつかの実施形態による、
図4に開示されているような構造を有する、代表的な無線受電システム500の平面図を示している。いくつかの実施形態において、例えば、アンテナアーム502及び504などの、2つ以上の電気的に小さなモノポール又はIFAアンテナは、互いに結合するように、使用することができる。アンテナアーム502及び504のそれぞれは、RFエネルギーをDC電力に変換する整流器に対する、その独自の入力を有する。例えば、アンテナアーム502は、整流器に接続している。
【0127】
[00139]
図5は、互いに近接した状態における2つのスパイラルモノポールアンテナアーム502及び504の使用の一例を示している。いくつかの実施形態において、2つのアンテナアーム502及び504は、同一の接地面506、即ち、PCB、を利用しており、整流器512(
図5においては、識別されていない)に対する別個のRF入力ポート508(
図5においては、識別されていない)及び510(
図5においては、識別されていない)を有する。
【0128】
[00140]
図6は、いくつかの実施形態による、電気的に小さな相互に結合されたアンテナ602及び604を収容した補聴器装置600の一例を示している。多くの装置は、1センチメートル(cm)、1~3cm、又は2~5cm未満などの、小さな物理的寸法を有する。補聴器装置は、ほぼ1cm以下であり、その理由は、これらが、人物の外耳道内に配置される必要があるからである。
図4及び
図5において記述されている構造を有する2つの高度に結合されたレシーバアンテナアーム602及び604は、透明なエンクロージャ608を有する補聴器装置600などの物理的に小さな装置内に配置されている。アンテナアーム602及び604は、同一の接地面606に接続されている。一実施形態において、
図6に示されているように、補聴器装置600の非対称的な形状を収容するべく、2つのアンテナアーム602及び604は、異なるサイズ及び形状のアンテナであることが可能であり、例えば、602は、604よりも大きな面積を有する半円形のサイズを有し、604は、矩形サイズを有する。別の実施形態において、2つのアンテナアーム602及び604は、異なるタイプのアンテナであってよい。アンテナアーム602及び604の間の高度な相互結合を通じて両方のアンテナアーム602及び604に対する自己共振を生成することにより、更なる整合多損失コンポーネントを伴うことなしに、補聴器装置に効率的に無線電力供給することができる。サイズの制限を有する装置の場合には、電力レシーバ用の任意の更なるコンポーネントは、エンクロージャ608内の限られた空間要件を損なうことになろう。
【0129】
[00141]
図7は、いくつかの実施形態による、スパイラル非結合型モノポール(既に小型化済みのラジエータ)アンテナアームのデカルトチャート702(左側)及びスミスチャート704(右側)の両方を示している。
図7は、2つの独立的な(非結合)モノポールが同一の接地面を共有している、即ち、スミスチャートにおいて観察される結合ローカス(coupling locus)が存在していない、ケースを示している。いくつかの実施形態において、
図7のS22は、アンテナ入力インピーダンスを示しており、これは、ネットワークアナライザポート2によって生成されたデータファイルからのものである。
【0130】
[00142]
図8は、いくつかの実施形態による、スパイラル結合型モノポールアンテナアームのデカルトチャート802(左側)及びスミスチャート804(右側)の両方を示している。アンテナアームは、小型化されたラジエータであり、モノポールの間の相互結合は、確立されているが、帯域幅のために最適化されてはいない。結合ローカス806は、約50Ωの中心の周りの小さなループとして、スミスチャート内において観察することが可能であり、これは、他方において、フィードに対するほぼ完全なアンテナ整合を意味している。
【0131】
[00143]
図9は、いくつかの実施形態による、同一の接地面906を共有している2つのモノポール902及び904の非結合構成を有する無線受電システム900を示している。無線受電システム900の性能は、
図7に記述されているチャートに類似しうる。
【0132】
[00144]
図10は、同一の接地面1006を共有している2つのモノポール1002及び1004の強力な相互結合構成を有する無線受電システム1000を示している。結合は、2つのアンテナアーム(モノポール)が互いに近接した状態にある際に、2つのモノポール1002及び1004の間において発生する。2つのモノポール1002及び1004の結合は、モノポール1002及び1004の開放端が互いに近接した状態に配置された際に増大する。モノポール1002及び1004の開放端の間の距離が、モノポールスパイラルラジエータのいずれかのものの最大寸法以下である際には、強力な結合が発生する。いくつかの実施形態において、強力な結合は、少なくとも-3dB未満であり、0dB未満である。無線受電システム1000の性能は、
図8に記述されているチャートに類似しうる。
【0133】
[00145] 無線受電システムのレシーバアンテナ要素が、-3dB以上の、及び、0dB未満の、結合を有する際には、本発明の利益が可視状態となる。いくつかの実施形態において、電力の半分以上が結合された際に、レシーバアンテナ要素の間の結合は、約-3dB以上の、及び、0dB未満の、レンジ内において強力である。
【0134】
[00146] 1GHz周波数の送信波長は、約30cmである。いくつかの実施形態において、装置は、1cm程度に小さいことが可能であり、アンテナ要素又はアームの最大寸法は、同一のレベルを有する。例として、例えば、30Ω~j100Ω(R-jX)という通常の(電気的に小さなアンテナに対する)低抵抗及び誘導リアクタンスから共振にチューニングしなければならない場合には、2.9dBの損失を追加するインダクタなどの、いくつかの多損失マッチングコンポーネントを使用して、17nHを直列状態において追加する必要がある。いずれの場合にも、915MHz周波数において、13nHの使用は、1.9dBの損失を追加することになり、6.1nHの場合にも、0.5dBの損失を追加することになろう。参考としてのみ、上述のケースにおいて、無線受電システムによって受け取られる電力は、(損失なし整合又は自己共振アンテナを伴う)100mWの受電の完全に整合したケースとの比較において、17nHの追加においては、90mWとなり、13nHの追加においては、60mWになり、6.1nHの追加においては、50mWとなろう。
【0135】
[00147] また、更なる実施形態は、様々な実施形態において組み合わせられた、或いは、その他の方法で再構成された、
図1~10の実施形態を含む上述の実施形態の様々なサブセットを含む。
【0136】
[00148]
図11は、いくつかの実施形態による、高度に結合された電気的に小さなアンテナを伴う、無線送電を受け取る方法を示すフロー図である。方法1100の動作(例えば、ステップ)は、無線電力レシーバシステム(例えば、
図1のレシーバ120又は電子装置122a、
図2の無線受電システム200、
図4の無線受電システム400、
図5の無線受電システム500、
図6の無線受電システム600、
図10の無線受電システム1000)により、及び/又は、その1つ又は複数のコンポーネント(例えば、
図4のアンテナ接地面406)により、実行することができる。
図11に示されている動作の少なくとも一部分は、コンピュータメモリ又はコンピュータ可読ストレージ媒体(例えば、
図1のレシーバ120のメモリ142)内において保存されている命令に対応している。
【0137】
[00149] 方法1100は、アンテナ接地面(例えば、
図4のアンテナ接地面406、
図5のアンテナ接地面506、
図6のアンテナ接地面606)を提供するステップ1102を含む。
【0138】
[00150] また、方法1100は、同一のアンテナ接地面406に結合された2つ以上のアンテナアーム(例えば、
図4のアンテナアーム402及び404、
図5のアンテナアーム502及び504、
図6のアンテナアーム602及び604、
図10のアンテナアーム1002及び1004)を提供するステップ1104を含む。いくつかの実施形態において、第1及び第2アンテナアーム402及び404は、例えば、
図5に示されているように、実質的に互いに垂直である。
【0139】
[00151] いくつかの実施形態において、2つ以上のアンテナアームは、送信された無線電力波の周波数において強力な結合効果を有するように、空間内において十分に近接している。いくつかの実施形態において、2つのアンテナの場合に、結合は、少なくとも-3dB~0dBである。いくつかの実施形態において、3つのアンテナの場合には、結合は、少なくとも-4.8dB~0dBである。いくつかの実施形態において、4つのアンテナの場合には、結合は、少なくとも-6dB~0dBである。
【0140】
[00152] 方法1100は、送信された無線電力波の同一の動作周波数において自己共振を生成するべく、互いに2つ以上のアンテナを装荷するステップ1106を更に含む。
【0141】
[00153] 方法1100は、第1のアンテナアーム402及び第2のアンテナアーム404により、送信された無線電力波を受信するステップ1108を更に含む。
【0142】
[00154] 方法1100は、2つ以上のアンテナアーム及びアンテナ接地面からの交流を電池及び/又はクライアント装置に充電するための直流に変換するステップ1110を更に含む。いくつかの実施形態において、ACからDCへの変換は、(
図2に206として示されている)PMICを含む(こちらも、
図1において126として、
図2において204として、記述されている)整流器及び/又はパワーコンバータ126により、実行されている。
【0143】
[00155] また、更なる実施形態は、様々な実施形態において組み合わせられた、或いは、その他の方法で再構成された、
図1~
図11の実施形態を含む上述の実施形態の様々なサブセットを含む。
【0144】
[00156]
図12は、いくつかの実施形態による、高度に結合された電気的に小さなアンテナを有する無線受電システムを製造する方法を示すフロー図である。無線受電システムは、無線電力レシーバ又はレシーバシステム(例えば、
図1のレシーバ120又は電子装置122、
図2の無線受電システム200、
図4の無線受電システム400、
図5の無線受電システム500、
図6の無線受電システム600、
図10の無線受電システム1000)及び/又はその1つ又は複数のコンポーネント(例えば、
図4のアンテナ接地面406)を含む。
【0145】
[00157] 方法1200は、アンテナ接地面(例えば、
図4のアンテナ接地面406、
図5のアンテナ接地面506、
図6のアンテナ接地面606)と、アンテナ接地面406に結合された2つ以上のアンテナアーム(例えば、
図4のアンテナアーム402及び404、
図5のアンテナアーム502及び504、
図6のアンテナアーム602及び604、
図10のアンテナアーム1002及び1004)と、を選択すること(1202)を含む。いくつかの実施形態において、2つ以上のアンテナアームは、送信された無線電力波を受信するように構成されている。
【0146】
[00158] 方法1200は、互いに高度に結合するように、2つ以上のアンテナアーム402及び404を互いに近接した状態において位置決めすること(1204)を更に含む。いくつかの実施形態において、2つのアンテナの場合に、結合は、少なくとも-3dB~0dBである。いくつかの実施形態において、3つのアンテナの場合には、結合は、少なくとも-4.8dB~0dBである。いくつかの実施形態において、4つのアンテナの場合には、結合は、少なくとも-6dB~0dBである。
【0147】
[00159] 方法1200は、例えば、アンテナアーム402及び404などの2つ以上のアンテナアーム及びアンテナ接地面からの交流を電池及び/又はクライアント装置を充電するための直流に変換するためのパワーコンバータを提供すること(1206)を更に含む。いくつかの実施形態において、ACからDCへの変換は、(こちらも、
図1において126として、
図2において204として、記述されている)整流器及び/又は(
図2において、206として示されている)PMICを含むその他のパワーコンバータ126によって実行されている。
【0148】
[00160] また、更なる実施形態は、様々な実施形態において組み合わせられた、或いは、その他の方法で再構成された、
図1~
図12の実施形態を含む上述の実施形態の様々なサブセットを含む。
【0149】
[00161] 開示されている実施形態の先行する説明は、当業者が、本明細書において記述されている実施形態及びその変形を実施又は使用することを可能にするべく、提供されたものである。これらの実施形態に対する様々な変更については、当業者に容易に明らかとなり、本明細書において定義されている一般的な原理は、本明細書において開示されている主題の精神又は範囲を逸脱することなしに、その他の実施形態に適用することができる。従って、本開示は、本明細書において示されている実施形態に限定されることを意図したものではなく、本開示には、添付の請求項及び本明細書において開示されている原理及び新規の特徴と一貫性を有する最も広い範囲が付与されることを要する。
【0150】
[00162] 本発明の特徴は、本明細書において提示されている特徴の任意のものを実行するべく処理システムをプログラミングするべく使用されうる、その上部/内部において保存された命令を有する1つ若しくは複数のストレージ媒体又は1つ若しくは複数のコンピュータ可読ストレージ媒体などの、コンピュータプログラムプロダクトを使用することにより、或いは、その支援により、実装することができる。ストレージ媒体(例えば、メモリ106、134、及び/又は142)は、限定を伴うことなしに、DRAM、SRAM、DDR-RAMなどの、高速ランダムアクセスメモリ、或いは、その他のランダムアクセス半導体メモリ装置を含むことが可能であり、1つ又は複数の磁気ディスクストレージ装置、光ディスクストレージ装置、フラッシュメモリ装置、又はその他の不揮発性半導体ストレージ装置などの、不揮発性メモリを含むこともできる。メモリ(例えば、106、134、及び/又は142)は、任意選択により、1つ又は複数のCPU(例えば、1つ又は複数のプロセッサ104、132、及び/又は140)から離れた場所において配置された1つ又は複数のストレージ装置を含む。メモリ(例えば、106、134、及び/又は142)、或いは、その代わりに、メモリ内の1つ又は複数の不揮発性メモリ装置は、一時的ではないコンピュータ可読ストレージ媒体を有する。
【0151】
[00163] 機械可読媒体(媒体)の任意のものの上部に保存された状態において、本発明の特徴は、(トランスミッタ102及び/又はレシーバ120と関連するコンポーネントなどの)処理システムのハードウェアを制御するべく、及び、処理システムが本発明の結果を利用するその他のメカニズムと相互作用することを可能にするべく、ソフトウェア及び/又はファームウェアにおいて内蔵することができる。このようなソフトウェア又はファームウェアは、限定を伴うことなしに、アプリケーションコード、装置ドライバ、オペレーティングシステム、及び実行環境/コンテナを含みうる。
【0152】
[00164] 本明細書において参照されている通信システム(例えば、通信コンポーネント112、136、及び/又は144)は、任意選択により、有線及び/又は無線通信接続を介して通信している。通信システムは、任意選択により、無線通信により、ワールドワイドウェブ(WWW)とも呼称されるインターネット、イントラネット、及び/又はセルラー電話ネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(LAN)、及び/又はメトロポリタンエリアネットワーク(MAN)などの無線ネットワーク、並びに、その他の装置と通信している。無線通信接続は、任意選択により、限定を伴うことなしに、高周波(RF)、高周波識別(RFID)、赤外線、レーダー、サウンド、GSM(Global System for Mobile communication)、EDGE(Enhanced Data GSM Environment)、HSDPA(High-Speed Downlink Packet Access)、HSUPA(High-Speed Uplink Packet Access)、EV-DO(Evolution, Data-Only)、HSPA、HSPA+、DC-HSPDA(Dual Cell HSPA)、LTE(Long Term Evolution)、近距離通信(NFC)、ZigBee、W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、CDMA(Code Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、Bluetooth、Wi-Fi(Wireless Fidelity)(例えば、IEEE102.11a、IEEE102.11ac、IEEE102.11ax、IEEE102.11b、IEEE102.11g、及び/又はIEEE102.11n)、VoIP(Voice Over Internet Protocol)、Wi-MAX、電子メール用のプロトコル(例えば、IMAP(Internet Message Access Protocol)及び/又はPOP(Post Office Protocol)、インスタントメッセージング(例えば、XMPP(Extensible Messaging and Presence Protocol)、SIMPLE(Session Initiation Protocol for Instant Messaging and Presence Leveraging Extension)、IMPS(Instant Messaging and Presence Service))、及び/又はSMS(Short Message Service)、或いは、本明細書の出願日においていまだ開発されてはいない通信プロトコルを含む任意のその他の適切な通信プロトコルを含む、複数の通信規格、プロトコル、及び技術の任意のものを使用している。
【0153】
[00165] 「第1の(first)」、「第2の(second)」、などの用語が、様々な要素を記述するべく、本明細書において使用されている場合があるが、これらの要素は、これの用語によって限定されるものではないことを理解されたい。これらの用語は、2つの要素を相互に弁別するべく使用されているものに過ぎない。
【0154】
[00166] 本明細書において使用されている用語法は、特定の実施形態を記述することを目的としたものであり、請求項の限定となることを意図したものではない。実施形態及び添付の請求項の記述において使用されている「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」という単数形は、文脈が明瞭にそうではない旨を通知してない限り、複数形を同様に含むものと解釈されたい。また、本明細書において使用されている「及び/又は(and/or)」という用語は、関連する列挙された項目の1つ又は複数のものの任意の及びすべての可能な組合せを意味し、包含している、ものと理解されたい。「有する(comprises)」及び/又は「有する(comprising)」という用語は、本明細書において使用されている際には、記述されている特徴、完全体、ステップ、動作、要素、及び/又はコンポーネントの存在を規定しているが、1つ又は複数のその他の特徴、完全体、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/又はそのグループの存在又は追加を排除するものではないことを更に理解されたい。
【0155】
[00167] 本明細書において使用されている、「~である場合に(if)」という用語は、文脈に応じて、先行する記述されている状態が真である「ときに」、又は「際に」、又は「という判定に応答して」、又は「という判定に従って」、又は「ことを検出することに応答して」を意味しているものと解釈することができる。同様に、「[先行する記述されている状態が真である]と判定された場合に(if it is determined)」、或いは、「[先行する記述されている状態が真である]場合に(if)」、或いは、「[先行する記述されている状態が真である]際に(when)」というフレーズは、文脈に応じて、先行する記述されている状態が真であると「判定した際に(upon determining)」、又は「判定するのに応答して(in response to determining)」、又は「の判定に従って(in accordance with a determination)」、又は「検出した際に(upon detecting)」、又は「検出するのに応答して(in response to detecting)」を意味するものと解釈することができる。
【0156】
[00168] 説明を目的とした、上述の説明は、特定の実施形態を参照して記述されている。但し、以上の例示用の説明は、すべてを網羅するべく、或いは、請求項を開示されている形態そのままに限定するべく、意図したものではない。以上の教示に鑑み、多くの変更及び変形が可能である。実施形態は、動作の原理及び実際的な適用について最良に説明し、これにより、当業者に能力を付与するべく、選択及び記述されている。
【国際調査報告】