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特表2022-523032鉄道車両制動装置の製造方法及び鉄道車両制動装置
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  • 特表-鉄道車両制動装置の製造方法及び鉄道車両制動装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-21
(54)【発明の名称】鉄道車両制動装置の製造方法及び鉄道車両制動装置
(51)【国際特許分類】
   B60T 15/36 20060101AFI20220414BHJP
   B60T 15/18 20060101ALI20220414BHJP
【FI】
B60T15/36 A
B60T15/18 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021542442
(86)(22)【出願日】2020-01-23
(85)【翻訳文提出日】2021-09-17
(86)【国際出願番号】 IB2020050519
(87)【国際公開番号】W WO2020152612
(87)【国際公開日】2020-07-30
(31)【優先権主張番号】102019000000999
(32)【優先日】2019-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516351289
【氏名又は名称】フェヴレ・トランスポール・イタリア・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】FAIVELEY TRANSPORT ITALIA S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ローレ’ ジュゼッペ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ ビュルテル ドゥ シャセ,アンリ ギヨーム マリエ
(72)【発明者】
【氏名】ティオネ ロベルト
【テーマコード(参考)】
3D049
【Fターム(参考)】
3D049AA04
3D049BB31
3D049BB40
3D049CC03
3D049HH16
3D049HH26
(57)【要約】
本開示に係る鉄道車両制動装置(D)の製造方法は、本体(MB)の少なくとも一部が、少なくとも2つの空圧要素又は電空要素(RV、414、及び416)と、空圧要素又は電空要素(RV、414、及び416)を接続する流路(C)と、を収容可能に加工された鉄道車両制動装置(D)の製造方法である。本開示に係る鉄道車両制動装置(D)の製造方法は、鉄道車両制動装置(D)の本体(MB)として、空圧要素又は電空要素(RV、414、及び416)を収容するための少なくとも2つの収容部(600及び602)を備えたモノリシックブロックを、付加製造によって製造する工程を有する。
【選択図】図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体(MB)の少なくとも一部が、少なくとも2つの空圧要素又は電空要素(RV、414、及び416)と、前記空圧要素又は前記電空要素(RV、414、及び416)を接続する流路(C)と、を収容可能に加工された、鉄道車両制動装置(D)の製造方法であって、
前記鉄道車両制動装置(D)の前記本体(MB)として、前記空圧要素又は前記電空要素(RV、414、及び416)を収容するための少なくとも2つの収容部(600及び602)を備えたモノリシックブロックを、付加製造によって製造する工程を有する、
鉄道車両制動装置の製造方法。
【請求項2】
前記鉄道車両制動装置の前記本体(MB)の製造後、前記本体(MB)内の少なくとも2つの前記空圧要素又は前記電空要素(RV、414、及び416)のハウジング用部品と、
少なくとも2つの前記空圧要素又は前記電空要素(RV、414、及び416)の構成部品を前記鉄道車両制動装置(D)の所定位置に固定するように加工された封止要素(CE)と、を前記本体(MB)に加工する工程を含む、
請求項1に記載の鉄道車両制動装置の製造方法。
【請求項3】
付加製造により前記封止要素(CE)を製造する工程を備える、
請求項2に記載の鉄道車両制動装置の製造方法。
【請求項4】
前記本体(MB)を製造する工程の付加製造に用いられる材料が金属であり、
前記封止要素(CE)を製造する工程の付加製造に用いられる材料が金属であることを特徴とする、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の鉄道車両制動装置の製造方法。
【請求項5】
前記空圧要素又は前記電空要素(RV、414、及び416)が、それぞれ空圧ポートを有し、
鉄道車両制動装置(D)の前記本体(MB)を付加製造により製造し、
前記空圧ポートが、前記鉄道車両制動装置(D)と、対応する空圧ポートを備える支持フランジと、を接続し、前記鉄道車両制動装置(D)の前記本体(MB)の一面から突出するように前記本体(MB)内に配置される、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の鉄道車両制動装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の鉄道車両制動装置の製造方法によって製造される、
鉄道車両制動装置。
【請求項7】
前記空圧要素又は前記電空要素(RV、414、及び416)のうち、少なくとも1つが空圧リレー弁(RV)である、
請求項6に記載の鉄道車両制動装置。
【請求項8】
前記空圧要素又は前記電空要素(RV、414、及び416)のうちの少なくとも1つが圧力リリーフ弁(414及び416)である、
請求項6又は7に記載の鉄道車両制動装置。
【請求項9】
前記本体(MB)は、内部に機能容積を備える、
請求項6乃至8のいずれか1項に記載の鉄道車両制動装置。
【請求項10】
前記空圧要素又は前記電空要素(RV、414、及び416)が、それぞれ空圧ポートを有し、
前記空圧ポートが、前記鉄道車両制動装置(D)と、対応する空圧ポートを備える支持フランジと、を接続し、前記鉄道車両制動装置(D)の本体(MB)の一面から突出するように本体(MB)内に配置された、
請求項6乃至9のいずれか1項に記載の鉄道車両制動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両制動システムに関し、特に、鉄道車両制動装置の製造方法及び鉄道車両制動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な鉄道車両に備え付けられる鉄道車両制動システムは、パネル上に多次元的に設置された複数の空圧部品(pneumatic components)から構成される。前述したパネルは空圧パネル(pneumatic panel)と呼ばれており、空圧部品を物理的に支持すると共に、空圧部品同士の接続インターフェースとして機能する。
さらに、空圧パネルは、空圧制動システムと車両との接続インターフェースとしても機能する。
【0003】
従来技術を用いて作成された、例えば空圧式の、典型的な制動システムは、金属パネル100が、様々な空圧部品及び電空部品(electro-pneumatic components)を支持する。
金属パネル100は、上述の空圧部品のための支持フランジとして作用することに加えて、同パネル内に設けられた接続流路102によって、空圧部品間の空圧インターフェースとして作用する。
【0004】
例えば、設置する部品の数が限られており、空圧パネルの寸法が、例えば500 mm×500 mm×30 mm以下に制限されている場合、図2に示すように、接続流路は、孔104同士が交差するように穿孔して形成される。
【0005】
パネルの寸法がより大きい場合や、形成が不可能なほどの数の流路の交点が必要となる場合は、パネル100は、内側表面を加工された2以上の金属層106を積層し、流路102を形成する。
次いで、金属層は、図1に示すように、ねじ止め手段108によってねじ留めされる。
【0006】
しかしながら、上述の技術には様々な課題がある。
例えば、上述したような空圧パネルの加工には時間がかかり、典型的には、コンピュータによって制御された装置が用いられる。
【0007】
上述した最も簡潔な解決策、すなわち、交差するように孔104を穿孔することは、ドリルの刃先が機械加工中に屈曲せず、交点からずれず、他の流路を不適切に横断せずに加工可能な最大寸法によって制限される。
【0008】
一方、積層法は、流路を加工してから、特殊な接着剤を用いて接着し、接着剤を乾燥させる高温処理まで、複数の処理工程を必要とする。
流路によって占められる面積が、接着に利用可能な残りの表面積よりも著しく大きい場合、例えば約10 barほどの操作圧力が、流路を乖離してしまう危険がある。
【0009】
この場合、ねじ込み式の組み立て部品が使用されるが、各流路の周囲をガスケットで密閉する必要がある。
典型的には、手作業で行われるこの工程は、手間がかかると共に、ガスケットによる密閉の不備に起因する故障が、製造中に高い確率で生じる。
【0010】
以上、説明してきた対応策に共通する更なる欠点は、パネル100の完成時の重量である。この完成時の重量は、構成部品の重量に加算され、列車を構成する各車両につき50 kg~100 kgである。
列車は、この重量を継続的に加減速しなければならないので、運航者にとっては、多量のエネルギーが継続的に浪費される。
【0011】
EP1588913には、解決策として重要な積層法が記載されている。
上記特許は、図3に示すような3つの金属層302、304、306を有する、複雑性の高い電空制動システム300の製造方法を特許請求している。2つの外側層は、機械加工によって内側表面に流路308が設けられている。そして、中間層には、外側層の内側表面上の流路と相互接続するための孔が設けられている。
また、上述した積層による解決方法は、図示するように、空圧部品の外部骨格の一部又は全てを、外側層に統合するように機械加工する。
【0012】
これにより、更なる集積化、省スペース化、軽量化を図ることができる。
ただし、上述した欠点の一部は、この解決法では解決できない。
【発明の概要】
【0013】
本発明の目的の1つは、従来法よりも鉄道車両制動装置の重量を軽量化し、製造時間を短縮し、装置内の流路の構造を簡素化できる解決方法を提供することである。
【0014】
本発明の一態様によれば、上記及び他の目的及び利点は、請求項1に記載の特徴を有する鉄道車両制動装置の製造方法及び請求項5に記載の特徴を有する鉄道車両制動装置によって達成される。
【0015】
本発明の最良の実施形態は、従属クレームにおいて定義されており、その内容は、本説明の不可欠な部分として意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】従来技術により構成された制動システムのパネルを示す図である。
図2】従来技術により構成された制動システムの1層のパネルの流路を示す図である。
図3】従来技術に従って製造された制動システムを示す図である。
図4A】従来技術に係る3つの金属層により構成された制動装置の例を示す第1の図である。
図4B図4Aに記載の制動装置の第2の図である。
図5A】本発明に係る方法を用いて構成された制動装置の例を示す第1の図である。
図5B図5Aに記載の制動装置の第2の図である。
図6】付加製造によって製造した鉄道車両制動装置の本体の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る実施の形態について詳細に説明するが、本発明が、後述する構成や図面によって示される構成によって限定されるものでないことはもちろんである。
また、本発明の構成が、適宜変更可能であることも言うまでもない。
【0018】
また、用いられる用語は、記述的な目的を有し、限定的なものとして解釈されるべきではないと理解されたい。
【0019】
「含む(“include” and “comprise”)」及びこれらの類義語は、以下に記載される要素およびその等価物、ならびに追加の要素およびその等価物を包含するものとして使用されると理解されたい。
【0020】
以下、少なくとも一部が、少なくとも2つの異なる空圧要素(pneumatic elements)又は電空要素(electro-pneumatic elements)RV、414、及び416と、前記空圧要素又は前記電空要素RV、414、及び416を接続する流路Cと、を収容可能に構成された本体MBを含む鉄道車両制動装置の製造方法のいくつかの実施形態を説明する。
なお、異なる空圧要素又は電空要素RV、414、及び416は、構造的相違を有する2つの要素を意味してもよいし、機能的な相違を有する2つの要素を意味してもよい。
【0021】
本実施形態に係る製造方法は、少なくとも2つの空圧要素又は電空要素RV、414、及び416を収容するために、少なくとも2つの収容部(seats)600及び602を備えたモノリシックブロックと、流路とを付加製造することによって、鉄道車両制動装置の本体MBを製造するステップを含む。
ただし、本文中の「付加製造」とは、英語で「Additive Manufacturing」と呼ばれる工程を意味する。
【0022】
このような手法により、本体を複数層にして組み立てる必要がなくなるという利点がある。
なお、付加製造は英語で「Additive Manufacturing」又は「3D Printing」として知られる。
【0023】
本開示に係る鉄道車両制動装置の製造方法は、鉄道車両制動装置の本体MBの製造完了後に、少なくとも2つの空圧要素又は電空要素RV、414、及び416を本体内に収容するステップと、少なくとも2つの空圧要素又は電空要素RV、414、及び416を鉄道車両制動装置の所定位置に固定するために配置された封止要素CEを、本体MBに連結するステップとをさらに含んでもよい。
【0024】
少なくとも2つの空圧要素又は電空要素RV、414、及び416の構成要素は、例えば、ロッド、メンブレン、Oリング、及びスプリング等である。
封止要素CEは、プラスチック又は金属製の単純なカバーであってもよい。また、これらは、ひっかけ(hooking/interlocking)手段によって、本体MBに結合されてもよいし、接着剤、ねじ等のような固定手段によって、本体MBに結合されてもよい。
【0025】
別の態様においては、上述の本体MBを製造する工程の付加製造に使用される材料と、上述の封止要素CEを製造する工程の付加製造に使用される材料とは、その両方あるいはどちらか一方が金属である。
【0026】
鉄道車両制動装置の空圧要素又は電空要素RV、414、及び416のうち少なくとも1つは、空圧リレー弁RVであってもよい。
さらに、又は代わりに、鉄道車両制動装置の空圧要素又は電空要素RV、414、及び416の少なくとも1つは、圧力リリーフ弁414及び416であってもよい。
【0027】
図6は、付加製造によって製造した鉄道車両制動装置Dの本体MBの典型例を示す斜視図である。
600及び602は、少なくとも2つの空圧要素又は電空要素RV、414、及び416が収容される収容部(seats/compartments)を示す。
特に、600は空圧リレー弁RVが収容される収容部を示し、602は圧力リリーフ弁414及び416が収容される収容部を示す。
【0028】
空圧要素又は電空要素RV、414、及び416は、それぞれ空圧ポートを備えてもよい。また、これらの空圧ポートは、対応する空圧ポートを含む支持フランジと、前記鉄道車両制動装置Dとを接続するように配置されてもよい。
【0029】
この場合、本開示に係る製造方法は、鉄道車両制動装置Dの本体MBを付加製造により製造する工程を含んでもよい。そして、この工程により、上述の空圧要素又は電空要素RV、414、及び416の空圧ポートが、鉄道車両制動装置Dの本体MBの一面から突出するように、本体MB内に配置される。
【0030】
1例においては、空圧ポートは、機能的インターフェースを意図したものであることが好ましく、診断的インターフェース(diagnostic interface)を意図したものでない方がよい。
さらに、本発明は、上述した実施形態のいずれか1つに従って構成された鉄道車両制動装置Dに関する。
【0031】
また、鉄道車両制動装置の本体MBは、その内部に機能容積(functional volume)を有してもよい。
例えば、機能容積は、空圧要素が出し入れ可能な気体又は流体を内部に含むように構成されてもよい。
【0032】
鉄道車両制動装置Dの空圧要素又は電空要素は、対応する空圧ポートを備える支持フランジと鉄道車両制動装置とを接続するように配置されたそれぞれの空圧ポートを有してもよい。
また、この空圧要素又は電空要素RV、414、及び416の空圧ポートは、鉄道車両制動装置本体の一面から突出するように本体内に配置されてもよい。
また、1例においては、空圧ポートは、機能的インターフェースを意図したものであることが好ましく、診断インターフェースを意図したものでない方がよい。
【0033】
図4A及び図4Bには、3つの金属層で構成された従来技術に係る制動装置Dの一例が2つの図によって示されている。
この例では、本体は、従来の機械的処理技術を用いて製造される。
【0034】
制動装置Dは、リレー弁RVとして、空圧要素又は電空要素を備える。
リレー弁RVの可動部は、それぞれ部品401及び402によって形成されている。
【0035】
メンブレン及び空圧接続流路から構成されるリレー弁RVの本体は、それぞれ積層板407及び408によって構成されている。
積層板403及び404には、図示しない貫通孔がさらに設けられており、この貫通孔を介してパイロット室内のガスの出し入れを行う。
メンブレン409及び410は、2つのリング411及び412によってそれぞれ把持され、これらのリングは、確実に密封するためにそれぞれOリングを必要とする。
また、2つの積層板407及び408が螺合されてなる本体は、支持パネルとしての機能、空圧接続及びその他の電空機能をまとめて行う。
つまり、制動装置Dの本体は、積層板403、404、407、及び408によって構成されている。
【0036】
2つの積層板407及び408との結合により、積層板407及び408の容積部分のうち、接続流路によって占有されていない機能容積を得ることができる。
流路を互いに分離し、機能容積を生成するために必要な2つの積層板407及び408の密閉は、ガスケットによって保証される。
【0037】
図4Bは、圧力リリーフ弁414及び416を示す。
金属ブロック418は、両圧力リリーフ弁414及び416の支持体を形成する。
この支持体は、圧力リリーフ弁414及び416、並びに電空弁及び圧力センサを接続する流路を構成することができるように、積層板407とは別個に作られる。
従来技術では、交点の数と複雑さのために、流路は積層板407上に直接設けることができない。
その後、金属ブロック418は、ネジによって積層板407に結合され、これらの間の密閉は、Oリングによって確保される。
【0038】
図5A及び図5Bは、図4A及び図4Bに示す制動装置と似た構成を有し、本開示に係る方法によって製造された制動装置を示した2つの図である。
図5Aに示すように、図4Aの層及び積層板403、404、407及び408に対応する制動装置の本体は、付加製造によってモノリシックブロックとして構成される。
すなわち、制動装置の本体MBは、付加製造によりモノリシックブロックで構成される。
【0039】
本体MBはまた、図示しないパイロット室への供給流路と、リレー弁RVを制動装置の他の構成要素に接続するのに必要な流路とを形成する。
【0040】
金属ブロック418は、付加製造によって等価な構造を構成できるため、除くことができる。
実際に、圧力リリーフ弁414及び416間を接続する全ての流路Cは、単一の本体MB内に直接設けることができる。
【0041】
図5Aはまた、鉄道車両制動装置D内の位置に少なくとも2つの空圧要素を固定するように配置された本体MBの封止要素CEを図示する。
【0042】
以上、説明したように、本発明に係る鉄道車両制動装置製造方法は、以下の利点を有する。
本発明に係る鉄道車両制動装置製造方法は、制動装置を構成する構成部品の数を削減できる。
また、本発明に係る鉄道車両制動装置製造方法は、制動装置の手動組立作業量を削減し、その結果、生産時間を短縮し、故障頻度を抑制できる。
また、本発明に係る鉄道車両制動装置製造方法は、Oリングとガスケットを用いずに密閉度を改善し、その結果、組み立て時間を短縮し、生産障害を低減できる。
また、本発明に係る鉄道車両制動装置製造方法は、空圧要素又は電空要素の間、例えば電空弁とリレー弁のパイロット室の間の接続流路の長さを最適化し、当該リレー弁の作動遅延を抑制できる。
また、本発明に係る鉄道車両制動装置製造方法は、空圧又は電空要素の本体と、各種空圧又は電空要素間の接続システムを構成するパネルとを統合できる。
また、本発明に係る鉄道車両制動装置製造方法は、種々の空圧又は電空要素間の流路の経路を最適化できる。例えば、ドリルによる加工にみられる流路の直交接続を避けることができる。直交接続は、空気の対流の要因となりその結果として、遅延の伝播の要因となる。
また、本発明に係る鉄道車両制動装置製造方法は、制動装置本体の壁の厚さを、機械工作や砂型鋳造などの機械加工では実現できない程度に薄くし、システム全体を軽量化できる。
【0043】
以上、本発明に係る鉄道車両制動装置及び鉄道車両制動装置の製造方法の種々の態様及び実施形態について説明した。
各実施形態は、他の任意の実施形態と組み合わせることができると理解されたい。
さらに、本発明は、説明した実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される範囲内で変更することができる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
【手続補正書】
【提出日】2021-11-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体の少なくとも一部が、少なくとも2つの空圧要素又は電空要素と、前記空圧要素又は前記電空要素を接続する流路と、を収容可能に加工された、鉄道車両制動装置の製造方法であって、
前記鉄道車両制動装置の前記本体として、前記空圧要素又は前記電空要素を収容するための少なくとも2つの収容部を備えたモノリシックブロックを、付加製造によって製造する工程を有する、
鉄道車両制動装置の製造方法。
【請求項2】
前記鉄道車両制動装置の前記本体の製造後、前記本体内の少なくとも2つの前記空圧要素又は前記電空要素のハウジング用部品と、
少なくとも2つの前記空圧要素又は前記電空要素の構成部品を前記鉄道車両制動装置の所定位置に固定するように加工された封止要素と、を前記本体に加工する工程を含む、
請求項1に記載の鉄道車両制動装置の製造方法。
【請求項3】
付加製造により前記封止要素を製造する工程を備える、
請求項2に記載の鉄道車両制動装置の製造方法。
【請求項4】
前記本体を製造する工程の付加製造に用いられる材料が金属であり、
前記封止要素を製造する工程の付加製造に用いられる材料が金属であることを特徴とする、
請求項2又は3に記載の鉄道車両制動装置の製造方法。
【請求項5】
前記空圧要素又は前記電空要素が、それぞれ空圧ポートを有し、
前記鉄道車両制動装置の前記本体を付加製造により製造し、
前記空圧ポートが、前記鉄道車両制動装置と、対応する空圧ポートを備える支持フランジと、を接続し、前記鉄道車両制動装置の前記本体の一面から突出するように前記本体内に配置される、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の鉄道車両制動装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の鉄道車両制動装置の製造方法によって製造される、
鉄道車両制動装置。
【請求項7】
前記空圧要素又は前記電空要素のうち、少なくとも1つが空圧リレー弁である、
請求項6に記載の鉄道車両制動装置。
【請求項8】
前記空圧要素又は前記電空要素のうちの少なくとも1つが圧力リリーフ弁である、
請求項6又は7に記載の鉄道車両制動装置。
【請求項9】
前記本体は、内部に機能容積を備える、
請求項6乃至8のいずれか1項に記載の鉄道車両制動装置。
【請求項10】
前記空圧要素又は前記電空要素が、それぞれ空圧ポートを有し、
前記空圧ポートが、前記鉄道車両制動装置と、対応する空圧ポートを備える支持フランジと、を接続し、前記鉄道車両制動装置の体の一面から突出するように前記本体内に配置された、
請求項6乃至9のいずれか1項に記載の鉄道車両制動装置。
【国際調査報告】