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  • 特表-化粧品/皮膚科用組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-21
(54)【発明の名称】化粧品/皮膚科用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/73 20060101AFI20220414BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20220414BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20220414BHJP
   A61K 31/728 20060101ALI20220414BHJP
   A61K 31/795 20060101ALI20220414BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20220414BHJP
   A61K 8/84 20060101ALI20220414BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20220414BHJP
【FI】
A61K8/73
A61Q19/00
A61Q19/08
A61K31/728
A61K31/795
A61P17/00
A61K8/84
A61K8/86
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021543178
(86)(22)【出願日】2019-12-30
(85)【翻訳文提出日】2021-09-16
(86)【国際出願番号】 EP2019087146
(87)【国際公開番号】W WO2020151900
(87)【国際公開日】2020-07-30
(31)【優先権主張番号】19305095.2
(32)【優先日】2019-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517407279
【氏名又は名称】オルガンズ ティシューズ リジェネレーション リパレーション レムプレースメント - オーティーアール3
(71)【出願人】
【識別番号】517408209
【氏名又は名称】バリトー デニス
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バリトー,デニス
【テーマコード(参考)】
4C083
4C086
【Fターム(参考)】
4C083AA122
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC422
4C083AC442
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD111
4C083AD112
4C083AD212
4C083AD242
4C083AD331
4C083AD332
4C083AD352
4C083AD412
4C083AD572
4C083AD662
4C083CC02
4C083CC05
4C083EE12
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA25
4C086FA04
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA89
(57)【要約】
本発明は、医薬組成物または皮膚科用組成物および薬物としてのその使用に関する。本発明はまた、化粧用組成物または皮膚科用組成物、ならびに本発明の組成物を含むケアキットに関する。本発明は、特に、化粧品分野、医薬分野および獣医学分野における適用を見出す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物として使用するための医薬組成物または皮膚科用組成物であって、前記組成物が、-下記一般式(I)の生体適合性ポリマーであって、
AaXxYy (I)
式中、
Aは、モノマーを表し、
Xは、RCOORまたは-R(C=O)R10基を表し、
Yは、次式:-ROSO3R、-RNSO3R、RSOのうちの1つに対応するO-またはN-スルホン酸基を表し、式中、
、R、RおよびRは、独立して、任意に分岐および/または不飽和の脂肪族炭化水素鎖を表し、任意に、ベンジルアミンおよびベンジルアミンスルホネートを除いて、1つ以上の芳香環を含有し、R、R、RおよびRは、独立して、水素原子またはカチオンを表し、
およびR10は、独立して、結合、任意に分岐および/または不飽和の脂肪族炭化水素鎖を表し、
aは、モノマーの数を表し、
xは、前記基Xによる前記モノマーAの置換率を表し、yは、前記基Yによる前記モノマーAの置換率を表す、生体適合性ポリマーと、
-ヒアルロン酸と、を含む、医薬組成物または皮膚科用組成物。
【請求項2】
組成物の美容的な非治療的または皮膚科学的使用であって、前記組成物が、
-下記一般式(I)の生体適合性ポリマーであって、
AaXxYy (I)
式中、
Aは、モノマーを表し、
Xは、RCOORまたは-R(C=O)R10基を表し、Yは、次式:-ROSO、-RNSO、RSOのうちの1つに対応するO-またはN-スルホン酸基を表し、式中、
、R、RおよびRは、独立して、任意に分岐および/または不飽和の脂肪族炭化水素鎖を表し、任意に、ベンジルアミンおよびベンジルアミンスルホネートを除いて、1つ以上の芳香環を含有し、R、R、RおよびRは、独立して、水素原子またはカチオンを表し、
およびR10は、独立して、結合、任意に分岐および/または不飽和の脂肪族炭化水素鎖を表し、
aは、モノマーの数を表し、
xは、前記基Xによる前記モノマーAの置換率を表し、yは、前記基Yによる前記モノマーAの置換率を表す、生体適合性ポリマーと、
-ヒアルロン酸と、を含む、組成物の使用。
【請求項3】
同一または異なる前記モノマーAが、糖、エステル、アルコール、アミノ酸、ヌクレオチド、核酸、タンパク質、またはそれらの誘導体から選択される、請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の適用のための組成物またはその使用。
【請求項4】
前記同一または異なるモノマーAが、糖またはその誘導体から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の適用のための組成物またはその使用。
【請求項5】
前記モノマーAの最大で20%が、独立して、次式のモノマーであり、
【化1】

式中、RおよびR10は、独立して、酸素原子、任意に分岐および/または不飽和の脂肪族炭化水素鎖、1つ以上の酸素原子および/または窒素原子を独立して含むヘテロアリール基、アルデヒド官能基、カルボン酸基、ジオール、置換ジオール、式-R11-(X)n-R12の基を表し、式中、R11は、任意に分岐および/または不飽和のC~C脂肪族炭素鎖を表し、Xは、酸素および窒素から選択されるヘテロ原子を表し、nは、1~4の整数であり、R12は、水素原子、任意に分岐および/または不飽和の脂肪族炭化水素鎖、1つ以上の酸素および/または窒素原子を独立して含むヘテロアリール基、アルデヒド官能基、カルボン酸基、ジオール、置換ジオールである、請求項1~4のいずれか一項に記載の適用のための組成物またはその使用。
【請求項6】
前記モノマーの数「a」が、前記式(I)のポリマーの質量が3000ダルトン以上であるような数である、請求項1~5のいずれか一項に記載の適用のための組成物またはその使用。
【請求項7】
前記置換率「x」が、10~150%である、請求項1~6のいずれか一項に記載の適用のための組成物またはその使用。
【請求項8】
前記置換率「y」が、10~170%である、請求項1~7のいずれか一項に記載の適用のための組成物またはその使用。
【請求項9】
ラジカルRが、直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、アリル基またはアリール基から選択されることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の適用のための組成物またはその使用。
【請求項10】
前記生体適合性ポリマーは、XおよびYとは異なり、前記ポリマーにさらなる生物学的特性または物理化学的特性を提供することができる化学官能基Zをさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のその適用のための組成物。
【請求項11】
すべての前記モノマーAの前記基Zによる置換率「z」が、1~50%である、請求項10に記載のその適用のための組成物。
【請求項12】
前記基Zは、前記ポリマーに改善された溶解度または親油性を提供することができる物質である、請求項10または請求項11のいずれか一項に記載のその適用のための組成物。
【請求項13】
前記基Zは、同一であるか、または異なり、かつアミノ酸、脂肪酸、脂肪アルコール、セラミド、もしくはそれらの誘導体を含む、または実際にはヌクレオチド配列に取り組む群から選択される、請求項12に記載のその適用のための組成物。
【請求項14】
前記基RおよびR10が、独立して、および任意に、基Zで置換される、請求項6~13のいずれか一項に記載のその使用のための組成物。
【請求項15】
前記薬物が、組織病変および/または組織乾燥および/または線維症の治療のためのものである、請求項1、または請求項1に従属する場合の請求項3~14のいずれか一項に記載のその使用のための組成物。
【請求項16】
前記薬物は、線維症、組織病変、運動系の病態および/または状態、網膜剥離を含む群から選択される疾患および/もしくは病態の予防および/もしくは治療、ならびに/または加齢性黄斑変性、乾燥型加齢性黄斑変性、湿潤型加齢性黄斑変性、組織乾燥、粘膜乾燥、表皮水疱症、歯周疾患、頬粘膜の疾患、火傷、変性疾患の治療を意図する、請求項1、または請求項1に従属する場合の請求項3~14のいずれか一項に記載のその使用のための組成物。
【請求項17】
前記薬物が皮膚病変の治療のためのものである、請求項1、または請求項1に従属する場合の請求項3~14のいずれか一項に記載のその使用のための組成物。
【請求項18】
前記薬物が変性疾患の治療のためのものである、請求項1、または請求項1に従属する場合の請求項3~14のいずれか一項に記載のその使用のための組成物。
【請求項19】
前記非治療的な美容的使用が、抗老化使用および/または皮膚を外部侵襲から保護するための使用ならびに/または皮膚老化の治療および/もしくは予防のための使用である、請求項2、または請求項2に従属する場合の請求項3~14のいずれか一項に記載のその使用のための組成物。
【請求項20】
薬物の調製のための医薬組成物の使用であって、前記医薬組成物が、
i.下記一般式(I)の生体適合性ポリマーであって、
AaXxYy (I)
式中、
Aは、モノマーを表し、
Xは、RCOOR基を表し、Yは、式:-ROSO3R、-RNSO3R、RSOのうちの1つに対応するO-またはN-スルホン酸基を表し、式中、
、R、RおよびRは、独立して、任意に分岐および/または不飽和の脂肪族炭化水素鎖を表し、任意に、ベンジルアミンおよびベンジルアミンスルホネートを除いて、1つ以上の芳香環を含有し、R、R、RおよびRは、独立して、水素原子またはカチオンを表し、
およびR10は、独立して、結合、任意に分岐および/または不飽和の脂肪族炭化水素鎖を表し、
aは、モノマーの数を表し、
xは、前記基Xによる前記モノマーAの置換率を表し、yは、前記基Yによる前記モノマーAの置換率を表す、生体適合性ポリマーと、
ii.ヒアルロン酸と、
を含む、医薬組成物の使用。
【請求項21】
組成物の美容的な非治療的使用であって、前記組成物が、
i.下記一般式(I)の生体適合性ポリマーであって、
AaXxYy (I)
式中、
Aは、モノマーを表し、
Xは、RCOOR基を表し、
Yは、次式:
-ROSO3R、-RNSO3R、RSOのうちの1つに対応するO-またはN-スルホン酸基を表し、式中、
、R、RおよびRは、独立して、任意に分岐および/または不飽和の脂肪族炭化水素鎖を表し、任意に、ベンジルアミンおよびベンジルアミンスルホネートを除いて、1つ以上の芳香環を含有し、R、R、RおよびRは、独立して、水素原子またはカチオンを表し、
およびR10は、独立して、結合、任意に分岐および/または不飽和の脂肪族炭化水素鎖を表し、aは、モノマーの数を表し、
xは、前記基Xによる前記モノマーAの置換率を表し、yは、前記基Yによる前記モノマーAの置換率を表す、生体適合性ポリマーと、
ii.ヒアルロン酸と、を含む、組成物の美容的な非治療的使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬組成物または皮膚科用組成物、および薬物または医療機器としてのそれらの使用に関する。
【0002】
本発明はまた、化粧品または皮膚科用組成物、および本発明の組成物を含むケアキットに関する。
【0003】
本発明は、抗老化化粧品または皮膚科用組成物、および本発明の組成物を含むケアキットに関する。
【0004】
本発明はまた、化粧品、皮膚科学的に水和する組成物、および本発明の組成物を含むケアキットに関する。
【0005】
本発明はまた、眼科用組成物、特に角膜を水和する眼科用組成物、および本発明の組成物を含むケアキットに関する。
【0006】
本発明は、抗しわ化粧品または皮膚科用組成物、および本発明の組成物を含むケアキットに関する。
【0007】
本発明はまた、皮膚の外観を改善するための、皮膚老化の治療におけるそれらの使用のための化粧品または皮膚科用組成物、および本発明の組成物を含むケアキットに関する。
【0008】
本発明は、特に、化粧品、医薬品および獣医学分野で使用される。
【0009】
本発明は、特に関節医薬分野および獣医学分野で使用され、特に、運動(motor)機能の運動(movement)および回復を改善および促進するために使用される。
【0010】
本発明は、特に、椎骨運動の医薬分野および獣医学分野において、特に、運動(motor)機能の運動(movement)および回復を改善および促進するために使用される。
【0011】
本発明は、歯科分野において、特に、例えば、酸化ストレスの治療のための抗酸化剤として、歯茎および頬粘膜、線維症、例えば、筋線維症、癒着線維症、消化器系の線維症、手術に伴う線維症、心臓線維症、脳線維症の改善に使用される。
【0012】
以下の説明では、角括弧[]の間の参照は、テキストの末尾に記載されている参考文献のリストを参照する。
【背景技術】
【0013】
従来技術
外部ケーシングだけでなく、皮膚はそれ自体が臓器であり、外部侵襲から身体を守るだけでなく、エステティックおよび感情のレベルでも重要な役割を果たす。皮膚は呼吸し、外部侵襲に敏感で、私たちの一般的な健康状態およびホルモンバランスに反応する。
【0014】
ヒトの皮膚は、表皮および真皮の2つの構成要素で構成されている。皮下組織または皮下結合組織は、かなり変化する厚さであり、しばしば機能的に皮膚に付着し、本質的に、下にある筋肉および腱への界面として機能する、かなり血管形成され、神経支配された脂
肪組織で構成されている。汗腺および皮脂腺、皮膚付属器、毛、爪を取り付けている。
【0015】
健康的な皮膚は、しっかりと水和された皮膚である。柔らかく、ハリがあって、しなやかで弾力性がある。真皮は、細胞構造で構成されており、その主な目的は皮膚の水和を確保することである。表皮では、「ミルフィーユ」の形態の保護ケラチン化合物である角膜細胞のラメラは、水を保持し、その蒸発を濾過するためのダムとして機能する。皮膚は、約70%の水で構成されており、すなわち、私たちの体に貯蔵されている水の1/5である。水分は、真皮から表皮に向かって循環する。脂質系脂肪物質、より具体的にはセラミドで構成された細胞クッションは、水が蒸発するのを防ぐ。これが私たちの表皮の自然な水和因子を決定するものである。うまく水和された皮膚は、13%~15%の通常の水和率を有する。この割合が10%に低下すると、皮膚は脱水している。表皮が水分または必須脂肪酸の不足のために、適切に水和されていない場合、皮膚は、そのしなやかさを失い、くすんでしまう。
【0016】
年齢に関連する最初の目に見える兆候は、質感、しなやかさ、色、透明度、およびしわの外観に現れる。
【0017】
顔の美学の分野では、年齢およびホルモン調節に関連する皮膚の変化は、典型的には、皮膚の萎縮、弛緩および肥満として特定される。萎縮は、真皮および表皮の著しい薄化に対応し、表皮の細胞層の数、および真皮結合組織の厚さの低減をもたらし、角皮下層および皮下組織(脂肪、筋肉)の弛緩をもたらし、過剰な皮膚および下垂をもたらす。頬および下顎輪郭の領域、ならびに瞼の下に目に見えるくぼみによる弛緩、加齢に伴う体重増加に関連する肥厚については、顔の底部および首の腫脹によって観察される。
【0018】
これらの加齢の兆候は、特にタバコ、アルコールの乱用、または太陽への曝露など、ライフスタイルによって加速および増幅される可能性がある。これらはまた、しばしば、弾力性の喪失に関連した皮膚の乾燥および赤みを伴い、皮膚組織の質の変化をもたらす。皮膚は、機械的な圧力で折り畳まれ、回復して初期状態に戻るのに時間がかかる。これらの視覚的兆候は、単に皮膚の組織の年齢に関連するこれらの内部変化の外部の反映である。
【0019】
加齢に伴う表皮の厚さの低減は、基底層の細胞の増殖の低減、表皮細胞の層の数の低減、タンパク質上およびグリコサミノグリカン(GAG)ならびにプロテオグリカン(PG)の上の両方での定量的、構造的、組織的、および機能的な細胞外マトリックスの変化、ならびにしわの出現をもたらす。
【0020】
これら(GAG)の中でも、ヒアルロン酸(HA)は、皮膚の層のすべてのレベルで水和を維持する上で中心的な役割を果たし、その低減は、組織の恒常性の自然平衡の調節においてしわの外観およびヘパラン硫酸(HS)と相関し、表皮および真皮の両方または皮下において、微小環境における細胞伝達因子の生物学的利用能の安定化、マトリックスアーキテクチャの保護、貯蔵、および調節のための要素としての4倍の役割を確保する。
【0021】
皮膚の変化および老化に関連する魅力的でない効果を低減することを目的として、多くのアプローチが、皮膚に存在するタンパク質およびGAGの両方の様々な要素を予防、遅延、改善することを模索してきた。これは、特に、内因性生成物を置換することができるが、分解にさらに耐性のある生成物を導入することによって、その合成の増加をもたらし、その分解を遅延させることを試みるためのアプローチであってもよく、またはコラーゲンもしくはエラスチンなどのマトリックスのタンパク質の合成の刺激物質を導入することにより、機械的および美的レベルでの皮膚の性能も改善する。別の可能性は、表面活性剤を使用することであり、皮膚にもすぐに目に見える効果があり、ラインおよびしわを低減し、皮膚を滑らかにするが、これらの効果は非常に短く表面的である。
【0022】
皮膚の老化を治療するための有効成分である、多数の化粧用組成物が従来技術に存在する。しかし、これらの組成物のいずれも、またはこれらの有効成分のいずれも、持続的な方法で老化の兆候に作用することを可能し、かつ/または皮膚の構造を自然に復元/改善することを可能にするものはない。
【0023】
したがって、従来技術では、皮膚の老化を効果的に治療すること、および/または持続的な方法で皮膚の外観を改善すること、および/または皮膚の構造を改善することを可能にする化合物および/または組成物を見つけることが真に必要である。
【0024】
皮膚の老化を治療するための多数の化粧用組成物、有効成分も存在し、その効果および/または有益性は、特にその自然な除去速度に起因して、および/または環境に関連して、時間的に制限され、したがって、治療される領域および/または皮膚上におけるその存在に関連する効果の持続時間を制限する。
【0025】
したがって、従来技術では、効果および/または有益性がより長期的である化合物および/または組成物、特に、皮膚老化を効果的に治療することおよび/または持続的な方法で皮膚の外観を改善することが可能であり、かつ/または皮膚の構造を改善する化合物および/または組成物を見つけることが真に必要である。
【0026】
さらに、既知の組成物および/または有効成分は、皮膚の構造を効果的に復元および/または改善することを可能にしない。特に、既知の組成物および/または有効成分は、皮膚の構造を復元および/もしくは改善すること、ならびに/または皮膚の老化を効果的に予防することを可能にしない。
【0027】
さらに、比較的効果的であるためには、既知の組成物および/または有効成分は、特に皮膚上でのかなりの数の適用、および/または長い治療期間、および/または高い適用頻度を必要とする。かなりの数の適用および/またはかなり長い治療期間は、おそらく皮膚を感作させ、アレルギー反応を引き起こし得る。
【0028】
したがって、従来技術において、皮膚の老化を効果的に治療すること、および/または皮膚の外観を改善することを可能し、効果、特に抗老化および/または皮膚の外観の改善を達成するために、特に限られた数の適用を可能にする化合物および/または組成物を見つけることが、真に必要である。
【0029】
さらに、既知の組成物および/または有効成分は、一般的に、表面効果、例えば、単に一時的、例えば数時間の効果を有し、持続的および/または構造的効果が可能にならない。さらに、既知の組成物および/または有効成分は、皮膚老化から生じる機構および/または欠陥を治療および/または補償することを可能にしない。
【0030】
例えば、ヒアルロン酸は、水和化合物として化粧品分野で使用され、医療分野でも、例えば、膣または外陰部の乾燥を治療するために使用される。ヒアルロン酸は、例えば陰唇の領域において、皮膚を再膨張させて、再水和し、大陰唇の体積を復元するために、再び外陰部および膣口を保護し、またこの乾燥に伴うかゆみを予防することができる注射手段によって特に使用される。ヒアルロン酸はまた、ドライアイ、乾燥した髪を治療するため、および毛包の再水和のために、例えばゲル形態で、または微量注射によって、例えばメソセラピー単独で、または栄養補助因子もしくは保護補助因子とともに注射に使用される。ヒアルロン酸は、腺を増やすことによって男性の性生活を改善するための注射に使用することができる。ヒアルロン酸の適用および/または使用の例は、特に以下の文献に示される。Modified hyaluronic acid based materi
als for biomedical applications.Tiwari S,Bahadur P.Int J Biol Macromol.2019 Jan;121:556-571.doi:10.1016/j.ijbiomac.2018.10.049.Epub 2018 Oct 12.Review[1]、Hyaluronic acid,a promising skin rejuvenating biomedicine:A review of recent updates and pre-clinical and clinical investigations on cosmetic and nutricosmetic effects.Bukhari SNA,Roswandi NL,Waqas M,Habib H,Hussain F,Khan S,Sohail M,Ramli NA,Thu
HE,Hussain Z.Int J Biol Macromol.2018 Dec;120(Pt B):1682-1695.doi:10.1016/j.ijbiomac.2018.09.188.doi:10.1016/j.ijbiomac.2018.09.188[2]、およびReduction of postoperative adhesion development.Diamond MP.Fertil Steril.2016 Oct;106(5):994-997.e1.doi:10.1016/j.fertnstert.2016.08.029.Epub
2016 Sep 10.Review[3]。しかし、いくつかの適用があるが、ヒアルロン酸は、注射に使用されており、これには医師および、ユーザーが毎日実施することができない正確な医療処置が必要である。
【0031】
したがって、従来技術では、特に化合物および/または組成物の局所適用によって、例えば組織、例えば皮膚への単純な適用によって、組織、特に皮膚の乾燥を効果的に治療することを可能にする化合物および/または組成物を見つけることが真に必要である。
【0032】
したがって、従来技術では、局所適用によって、例えば組織、例えば皮膚への単純な適用によって、皮膚の老化を効果的に治療することを可能にする、および/または皮膚の外観を改善することを可能にする化合物および/または組成物を見つけることが真に必要である。
【0033】
また、時間の経過とともに、組織、特に皮膚は、解剖学的、組織学的、および機能的変化につながるゆっくりとした不可逆的な発達を受けることが知られている。
【0034】
皮膚の老化を治療するための有効成分である、多数の化粧用組成物が従来技術に存在する。しかし、これらの組成物、またはこれらの有効成分のうちのいずれも、組織、特に皮膚の解剖学的、組織学的、および/または機能的変化に関与する機構に作用することおよび/または有意な影響を与えることを可能にしない。
【0035】
したがって、従来技術において、組織、特に皮膚の解剖学的、組織学的および/または機能的変化に関与する機構に作用することおよび/または有意な影響を与えることを可能にする化合物および/または組成物を見つけることが真に必要である。
【0036】
治療分野で使用され、組織環境、例えば、生体適合性ポリマーを改善することができる化合物が従来技術で存在し、特にRGTAは、細胞外マトリックス、特に細胞および組織微小環境のタンパク質要素の可能な保護に作用することによって、組織修復および再生プロセスに効果を有することが当業者によって知られている。これらはまた、鎮静および疼痛緩和、ならびにおそらく抗線維症活性(特許文献US06689741、US2014/301972A1[4]、Reversal of abnormal collagen production in Crohn’s disease intestinal biopsies treated with regenerating a
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G、Barritault D、Vozenin-Brotons MC、Deutsch E、Bourhis J.Int J Radiat Oncol Biol Phys.2009 Jul 15;74(4):1242-50.doi:10.1016/j.ijrobp.2009.03.006[7])、治癒(RGTA OTR4120,a heparan sulfate mimetic,is a possible long-term active agent to heal burned
skin.Garcia-Filipe S,Barbier-Chassefiere V,Alexakis C,Huet E,Ledoux D,Kerros ME,Petit E,Barritault D,Caruelle JP,Kern P
J Biomed Mater Res A.2007 Jan;80(1):75-8)、皮膚治癒を促進する活性、および疼痛の治療(特許文献EP1677807[9])でもある特性で知られている。
【0037】
これらの活性は、特に、例えば、ヘパラナーゼ、ヘパリチナーゼ、コンドロイチナーゼ、およびヒアルロニダーゼなどの特定のグリカナーゼを阻害するこれらの化合物の能力(Heparin-like synthetic polymers,named RGTAs,mimic biological effects of heparin in vitro.Rouet V,Meddahi-Pelle A,Miao HQ,Vlodavsky I,Caruelle JP,Barritault D.J Biomed Mater Res A.2006 Sep 15;78(4):792-7[10],EP1677807[9]、特許文献US06689741,US2014/301972A1[4])、エラスターゼの阻害(FGF protection and inhibition of human neutrophil elastase by carboxymethyl benzylamide sulfonate dextran derivatives.Meddahi A、Lemdjabar H、Caruelle JP、Barritault D、Hornebeck W.Int J Biol Macromol.1996 Feb;18(1-2):141-5[11]、コラーゲナーゼ、プラスミン(Human plasmin enzymatic activity is inhibited by chemically modified dextrans.Ledoux D、Papy-Garcia D、Escartin Q、Sagot MA、Cao Y、Barritault
D、Courtois J、Hornebeck W、Caruelle JP.J Biol Chem.2000 Sep 22;275(38):29383-90[12])、およびプラスミノーゲンまたはカルパインの活性化剤(Heparan sul
fate mimetics modulate calpain activity during rat Soleus muscle regeneration.Zimowska M,Szczepankowska D,Streminska W,Papy D,Tournaire MC,Gautron J,Barritault D,Moraczewski J,Martelly I.J Cell Physiol.2001 August;188(2):178-87[13])、マトリックスタンパク質(成長因子および細胞伝達因子、すなわち、VEGFおよびTGFβのそれらが結合する部位(文献では、ヘパリン硫酸の結合部位、または「ヘパラン/ヘパリン結合部位」として記載されている部位)の領域における保護の能力に起因し得る(RGTA(R) or ReGeneraTing Agents mimic heparan sulfate in regenerative medicine:from concept to curing patients.Barritault D、Gilbert-Sirieix M、Rice KL、Sineriz F、Papy-Garcia D、Baudouin C、Desgranges P、Zakine G、Saffar JL、van Neck J.Glycoconj J.2017 Jun;34(3):325-338.doi:10.1007/s10719-016-9744-5[14]。
【0038】
しかし、RGTAは、特に、著しい病変の治療中に使用され、一般に、特に化粧品において通常の方法で使用することができない高価な化合物のままである。
【0039】
したがって、組織、特に皮膚の老化を治療すること、および/または既知の組成物の治療の有効性を増加させることを可能にすると同時に、そのコストを削減することを可能にする、新規の化合物、新規の組成物、または治療を見つけることが真に必要である。
【0040】
したがって、従来技術では、老化に関連する組織、特に皮膚の解剖学的、組織学的および/または機能的変化に関与する機構に作用すること、および/または有意な影響を与えることを可能にすると同時に、コストを削減することを可能にする、化合物および/または組成物を見つけることが、真に必要である。
【発明の概要】
【0041】
本発明は具体的には、医薬組成物、好ましくは化粧用組成物または皮膚用組成物を提供することにより、これらの必要性を満たすことを目的とし、組成物は、
-下記一般式(I)の生体適合性ポリマーであって、
AaXxYy (I)
式中、
Aは、モノマーを表し、
Xは、-RCOORまたは-R(C=O)R10基を表し、
Yは、以下の式の1つに対応するO-またはN-スルホン酸基を表し、
-ROSO、-RNSO、RSO
式中、
、R、RおよびRは、独立して、任意に分岐および/または不飽和の脂肪族炭化水素鎖を表し、任意に、ベンジルアミンおよびベンジルアミンスルホネートを除いて、1つ以上の芳香環を含有し、R、R、RおよびRは、独立して、水素原子またはカチオンを表し、
およびR10は、独立して、結合、任意に分岐および/または不飽和の脂肪族炭化水素鎖を表し、
「a」はモノマーの数を表し、
「x」は、基XによるモノマーAの置換率を表し、
「y」は、基YによるモノマーAの置換率を表す、生体適合性ポリマーと、
-ヒアルロン酸と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】生体適合性ポリマーの構造の例、例えば、化合物OTR412とOTR413、およびOTR415のファミリーの構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
有利なことに、本発明者は、本文書においてRGTAとも称される上記に定義される一般式(I)の生体適合性ポリマーとヒアルロン酸との会合が、生体組織の老化を相乗的な方法で治療および/または予防することを可能にすることを驚くべきことに実証した。
【0044】
特に、本発明者は、本発明による組成物は、例えば、放射線、例えば、UVA、UVA、および/または電離線に起因する外部侵襲に起因する、加齢がクロノバイオロジカルであるか、または加速されるかにかかわらず、皮膚の外観に対する加齢の影響を予防、低減、排除、または制限することを有利に可能にすることを実証している。
【0045】
本発明者はまた、達成された効果が可視的かつ持続的であることを驚くべきことに実証した。特に、本発明者は、本発明による組成物が、老化の兆候および印の可視的かつ持続的な低減、例えば、ラインおよびしわの低減を可能にし、有利に、より若く見える皮膚、またはより美しい皮膚、例えば、より明るい皮膚、よりしなやかな、よりハリがあって、またより締まった皮膚の外観を改善することを可能にすることを実証した。
【0046】
具体的には、本発明者は、本発明による組成物は、放射線、例えば、UVA、UVA、および/または電離線への曝露、寒冷地などへの曝露に起因する外部侵襲から、組織、例えば、皮膚および/または粘膜を保護することを有利に可能にすることを実証している。特に、本発明者は、本発明による組成物が、組織、例えば皮膚および/または粘膜を乾燥から予防および/または保護することを有利に可能にすることを実証している。例えば、本発明者は、本発明による組成物が有利に、粘膜の保護および/または水和の効果を相乗的に示し、有利に、組織乾燥に関連する効果を低減することを可能にすることを実証した。
【0047】
本発明者はまた、本発明による組成物が、特に、例えば、水和、しなやかさなどの組織の特性を改善することによって、関節および腱の動きを促進し、椎間の動きを改善すること、特に、椎間板の特性を改善することによって、および一般的な方法で、組織の機能回復を促進することを有利に可能にすることを実証した。
【0048】
さらに、本発明者は、本発明による一般式(I)の生体適合性ポリマーとヒアルロン酸との組み合わせは、例えば、局所適用、例えば、皮膚適用および/または生体組織の表面への適用によって、任意の生体組織に使用/適用することができることを実証した。さらに、本発明者は、本発明による一般式(I)の生体適合性ポリマーとヒアルロン酸との組み合わせも、注射によって使用/適用することができることを実証した。
【0049】
本発明者はまた、本発明による一般式(I)の生体適合性ポリマーとヒアルロン酸との組み合わせが、組織の機能回復および瘢痕からのそれらの回復において観察される強力な相乗効果を示すことを驚くとともに予想外に実証した。
【0050】
さらに、本発明者はまた、本発明による一般式(I)の生体適合性ポリマーとヒアルロン酸との組み合わせが、瘢痕の治療、例えば、瘢痕の治療、および瘢痕のエステティック治療において相乗的な効果を有することを驚くとともに予想外に実証してきた。
【0051】
さらに、本発明者は、本発明による一般式(I)の生体適合性ポリマーとヒアルロン酸との組み合わせが、経時的に持続的な効果を有し、特に、除去を遅延させることによって、組み合わせの作用持続時間の両方を伸ばすことを可能にし、さらに、有利に、細胞外マトリックスを構成する、生体要素、例えば、タンパク質の合成および/または産生の修復を可能にし、その産生は、老化、例えば、生体組織とともに低減および/または変化することを、驚くべきことに実証した。
【0052】
本文書において、「組織」とは、当業者に既知である哺乳動物の任意の生体組織を意味する。これは、例えば、結合組織、筋肉組織、神経組織、骨組織、軟骨組織、および/または上皮組織であり得る。例えば、当業者に知られている哺乳動物の任意の臓器または細胞小器官の任意の生体組織であってもよい。例えば、消化管の組織、胃腸管の組織、食物および排泄消化器系の組織、生殖管の組織、生殖器系の組織、視覚系、嗅覚系または聴覚系の組織、感覚系の組織、循環系および/または心臓血管系の組織、呼吸系の組織、筋肉系の組織、および運動系の組織であり得る。例えば、胃組織、頬組織、角膜、鼓膜組織、蝸牛の組織、皮膚の組織、骨組織、軟骨組織、腱組織、神経組織、骨髄、神経繊維、網膜、動脈および/または血管、腎または尿消化器系の組織、および/または生体液が通過することを可能にする任意の生体組織、例えば、当業者に知られている生体液の通過を可能にする任意の生体組織、例えば、シュレム管またはリンパ系であり得る。
【0053】
本文書において、「瘢痕」とは、炎症をもたらし、元の組織と同一ではない瘢痕組織の形成をもたらす、任意の種類、持続時間または強度の侵襲に対する任意の組織応答を意味する。例えば、当業者に知られている、元の組織と同一ではない瘢痕組織の任意の形成であってもよい。例えば、形状、しなやかさ、接着性、および/または厚さの点で、元の組織とは異なる態様および特性を有する、跡および/または線維症の形成が存在する、元の組織と同一ではない瘢痕組織であり得る。
【0054】
本文書において、モノマーとは、例えば、糖、エステル、アルコール、アミノ酸、またはヌクレオチドを含む群から選択されるモノマーを意味する。
【0055】
本文書において、式Iのポリマーの基本要素を構成するモノマーAは、同一であっても異なっていてもよい。
【0056】
本文書において、モノマーAは、独立して、以下の式のモノマーであってよく、
【化1】

式中、RおよびR10は、独立して、酸素原子、任意に分岐および/または不飽和の脂肪族炭化水素鎖、1つ以上の酸素および/または窒素原子を独立して含むヘテロアリール基、アルデヒド官能基、カルボン酸基、ジオール、置換ジオール、式-R11-(X)-R12の基を表し、式中、R11は、任意に分岐および/または不飽和のC~C脂肪族炭素鎖を表し、Xは、酸素および窒素から選択されるヘテロ原子を表し、nは、1~4の整数であり、R12は、水素原子、任意に分岐および/または不飽和の脂肪族炭化水素鎖、1つ以上の酸素および/または窒素原子を独立して含むヘテロアリール基、アルデヒド官能基、カルボン酸基、ジオール、置換ジオールである。
【0057】
本文書において、モノマー会合により、ポリマー骨格、例えば、ポリエステル、ポリア
ルコールもしくは多糖類の種類のポリマー骨格、核酸またはタンパク質の種類のポリマー骨格を形成することが可能になる。
【0058】
本文書において、ポリエステルは、例えば、生合成または化学合成のコポリマー、例えば、脂肪族ポリエステルまたは天然由来のポリエステル、例えば、ポリヒドロキシアルコナオテスであってもよい。
【0059】
本文書において、多糖類およびその誘導体は、細菌、動物、真菌、および/または植物由来であってよい。これらは、例えば、一本鎖多糖類、例えば、ポリグルコース、例えば、デキストラン、セルロース、ベータグルカン、またはより複雑な単位、例えば、キサンタン、例えば、グルコース、マンノース、およびグルクロン酸、または実際にはグルクロナンおよびグルコグルクロナンを含む他のモノマーであってもよい。
【0060】
本文書において、植物由来の多糖類は、一本鎖、例えば、セルロース(グルコース)、ペクチン(ガラクツロン酸)、ファンカン、デンプン、またはアルギン酸塩(ガルロン酸およびマンヌロン酸)などのより複雑なものであってもよい。
【0061】
本文書において、真菌由来の多糖類は、例えば、ステログルカンであってもよい。
【0062】
本文書において、動物由来の多糖類は、例えば、キチンまたはキトサン(グルコサミン)であってもよい。
【0063】
本文書において、式Iのポリマーの基本要素を構成するモノマーAは、有利に同一であってよい。
【0064】
本文書において、式Iのポリマーの基本要素を構成するモノマーAは、有利にグルコースであってよい。
【0065】
「a」によって式(I)で定義されるモノマーAの数は、式(I)の当該ポリマーの質量が約2000~6000ダルトンであり、例えば、少なくとも10モノマーのグルコースに対応するようなものであり得る。例えば、当該式(I)のポリマーの質量は、約3000ダルトン~6000ダルトンであり、例えば、12~20モノマーのグルコースに対応し得る。
【0066】
「a」によって式(I)で定義されるモノマーAの数は、式(I)の当該ポリマーの質量が約2,500,000ダルトン(7000モノマーのグルコースに対応)未満であるようにしてもよい。有利には、当該式(I)のポリマーの質量は、3000~250,000ダルトン、例えば、3000~6000ダルトン、例えば、20,000~250,000ダルトン、または例えば、75,000~150,000ダルトンであり得る。
【0067】
本文書において、Xを表す基-RCOORにおいて、Rは、C~Cアルキル、例えば、メチル、エチル、ブチル、プロピル、ペンチル、好ましくはメチル基であってもよく、Rは、結合、C~Cアルキル、例えば、メチル、エチル、ブチル、プロピル、ペンチルであってもよく、R21がアニオンであり、R22がアルカリ金属の群から選択されるカチオンであるR2122基であってもよい。
【0068】
基Xは、式-RCOORの基であることが好ましく、式中、Rは、-CH-メチル基であり、Rは、R2122基であり、R21は、アニオンであり、R22は、アルカリ金属の群から選択されるカチオンであり、好ましくは基Xは、式-CH-COOまたはカルボキシメチルの基である。
【0069】
本文書において、Xを表す基-R(C=O)R10において、Rは、C~Cアルキル、例えば、メチル、エチル、ブチル、プロピル、ペンチル、好ましくはメチル基であり得、R10は、結合、C~Cアルキル、例えば、メチル、エチル、ブチル、プロピル、ペンチル、ヘキシルであり得る。
【0070】
「x」によって一般式(I)において定義される基XによるすべてのモノマーAの置換率は、10~150%、40~80%、好ましくは約50%または60%であり得る。
【0071】
本文書において、次式-ROSO、-RNSO、-RSOのいずれか1つに対応し、Yを表わす基において、Rは、結合、C~Cアルキル、例えば、メチル、エチル、ブチル、プロピル、ペンチル、好ましくはメチル基であってもよく、Rは、結合、C~Cアルキル、例えば、メチル、エチル、ブチル、プロピル、ペンチル、好ましくはメチル基であってもよく、Rは、結合、C~Cアルキル、例えば、メチル、エチル、ブチル、プロピル、ペンチル、好ましくはメチル基であってもよく、R、RおよびRは、独立して、水素原子またはカチオンMであってもよく、例えば、Mは、アルカリ金属であってもよい。
【0072】
基Yは、好ましくは、式-RSOの基であり、式中、Rは、結合であり、Rは、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、およびセシウムを含む群から選択されるアルカリ金属である。基Yは、好ましくは-SO 、-SO 、Na基である。
【0073】
「y」によって一般式(I)において定義される基YによるすべてのモノマーAの置換率は、10~170%、30~150%、55~160%、55~85%、120~160%であってよく、好ましくは約70、140、または150%であってよい。
【0074】
本文書において、上記置換率の定義において、100%の置換率「x」は、本発明のポリマーの各モノマーAが統計的に1つの基Xを含有することを意味する。同様に、100%の置換率「y」は、本発明のポリマーの各モノマーが統計的に1つの基Yを含有することを意味する。100%を超える置換率は、各モノマーが統計的に考慮されるタイプの1つ以上の基を有することを示し、逆に、100%未満の置換率は、各モノマーが統計的に考慮されるタイプの1つ未満の基を有することを示す。
【0075】
ポリマーはまた、XおよびYとは異なる、Zで示される化学官能基を含んでもよい。
【0076】
本文書において、基Zは、同一であっても異なっていてもよく、アミノ酸、脂肪酸、脂肪アルコール、セラミド、もしくはそれらの誘導体を含む、またはヌクレオチド配列に取り組む群から独立して選択されてもよい。
【0077】
基Zは、また、同一または異なる活性剤を表してもよい。これらは、例えば、治療剤、診断剤、抗炎症剤、抗菌剤、抗生物質、成長因子、酵素、抗酸化化合物、ポリフェノール、タンニン、アントシアニン、リコペン、テルペノイド、およびレスベラトロールであり得る。
【0078】
本文書において、基Zは、有利には、飽和または不飽和脂肪酸であり得る。例えば、酢酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリック酸、セロチン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エレイド酸、トランスバクセン酸、リノール酸、リノレイド酸、α-リノール酸、γ-リノール酸、ジホモ-γ-リノール酸、アラキドン
酸、エイコサペンタエン酸、クラパノドン酸、またはドコサヘキサエン酸を含む群から選択される脂肪酸であってよい。脂肪酸は、好ましくは酢酸である。
【0079】
本文書において、基Zは、有利には、アラニン、アスパラギン、芳香族鎖、例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロキシン、またはヒスチジンを含む群から選択される、一連のLまたはDのアミノ酸であってよい。アミノ酸は、好ましくはフェニルアラニンである。
【0080】
本文書において、基Zは、抗酸化物質、例えば、ビタミンA、C、E、B9、B6、グルタチオン、セレニウム、ポリフェノール、例えば、カテキン、例えば、緑茶、フラボノイド、タンニン、アントシアニン、例えば、赤色果実、リコペン、テルペノイド、およびレスベラトロールであってもよい。
【0081】
本文書において、基Zは、抗老化化合物、例えば、レチノイドであり得る。
【0082】
基Zは、ポリマーにさらなる生物学的または物理化学的特性を有利に提供し得る。例えば、基Zは、当該ポリマーの溶解度または親油性を増加させてよく、これにより、例えば、拡散または組織浸透の改善が可能になる。
【0083】
基Zは、ポリマーにさらなる生物学的または物理化学的特性を有利に提供し得る。したがって、本発明のポリマーは、例えば、基Zが抗酸化化合物、抗老化化合物から選択される場合、本発明のポリマーは有利に当該化合物を輸送し得、したがって追加および/または補足的な生物学的効果をもたらし得る。
【0084】
Zが存在するポリマーは、以下の式IIに対応し、
Aa Xx Yy Zz(II)
式中、A、X、Y、a、x、yは、上記で定義される通りであり、zは、基Zによる置換率を表す。
【0085】
本文書において、「z」で表される基Zによる置換率は、1~50%、10~25%、好ましくは15、20または25%であってよい。
【0086】
X、Y、およびZ基は、独立してモノマーAに結合してもよく、かつ/または互いに独立して結合してもよい。基X、Y、およびZのうちの少なくとも1つが、独立して、第1の基とは異なる基X、Y、およびZに結合するとき、当該基X、Y、またはZのうちの1つが、モノマーAに結合する。
【0087】
したがって、基Zは、モノマーAに直接共有結合するか、または基Xおよび/もしくはYに共有結合することができる。
【0088】
本文書において、基Zはまた、共有結合以外の結合、例えば、イオン結合、例えば、イオン相互作用、親水性結合、または疎水性結合によって、式AaXxYyのポリマーに共役されてもよい。したがって、本発明のポリマーは、Zのベクター化系を形成し得る。
【0089】
本文書において、ポリマーは、例えば、化合物OTR4120、OTR41201、OTR41202、OTR41203、OTR41205、OTR41210、OTR41301、OTR41302、OTR41303、OTR41305、OTR41310、OTR3131を含む群から選択されるRGTAであってよい。
【0090】
本文書において、ポリマーは、例えば、以下の表1に記載の特徴を有する化合物OTR
41201、OTR41202、OTR41203、OTR41205、OTR41210、OTR4120、OTR4122、OTR4125、OTR41301、OTR41302、OTR41303、OTR41305、OTR41310、OTR3131、OTR4132、OTR4135、OTR415を含む群から選択されるRGTAであってよい。
【表1】
【0091】
本文書において、組成物は、組成物の体積に対して、0.1~100μg/mL重量濃度の生体適合性ポリマーを有し得る。例えば、組成物は、組成物の総体積に対して、1~10μg/mL重量濃度の生体適合性ポリマーを有し得ることが好ましい。
【0092】
本文書において、組成物は、その投与に従って製剤化することができ、かつ/または適合することができる。例えば、局所投与のために、組成物は、組成物の総体積に対して0.1~100μg/mL重量濃度の生体適合性ポリマーを含み得る。
【0093】
例えば、非経口投与の場合、組成物は、体重1キログラム当たり0.1~5mgの生体
適合性ポリマーの用量を送達するために投与され得る。
【0094】
組成物中に存在する生体適合性ポリマーの分子量は、組成物の投与経路、および標的、例えば、表皮、真皮粘膜、角膜、鼓膜、臓器、関節内液体、眼内液体に応じて有利に選択され得る。
【0095】
例えば、局所投与または経口投与の場合、分子量は、基底膜の通過を促進するために、3000~6000ダルトンであり得る。例えば、皮内もしくは皮下もしくはくも膜下腔内への注射、または筋肉もしくは臓器への注射もしくは関節内空間への注射による投与の場合、分子量は、6000~2,500,000ダルトン、好ましくは20,000~250,000ダルトン、例えば75,000~150,000ダルトンであり得る。
【0096】
有利には、生体適合性ポリマーの分子量が、3000~6000ダルトンである場合、局所適用の場合、例えば、上皮、例えば、粘膜または皮膚において、基底層の通過を有利に可能にすることができ、有利には投与の改善を可能にすることができ、より長距離にわたって効果を促進することができる。
【0097】
有利には、生体適合性ポリマーの分子量が、3000~2,500,000ダルトンである場合、組織位置にかかわらず、利用能および生存期間の向上を有利に可能にすることができる。
【0098】
本文書において、「ヒアルロン酸」とは、当業者に既知である任意のヒアルロン酸、例えば、D-グルクロン酸およびN-アセチル-D-グルコサミンの反復単位で構成される非硫酸化直鎖グリコサミノグリカンを意味する。例えば、その酸形態のヒアルロン酸(HA)であっても、または塩(ヒアルロン酸塩)の形態の架橋ヒアルロン酸であってもよい。HAは、D-グルクロン酸およびN-アセチル-D-グルコサミンの反復単位で構成される非硫酸化直鎖グリコサミノグリカンである(Tammi R.,Agren UM.Tuhkanen,AL.,Tammi M.Hyaluronan metabolism in skin.Progress in Histochemistry & Cytochemistry.29(2):1-81、1994[15])。例えば、5,000~3,000,000ダルトン、好ましくは50,000~2,000,000ダルトンの平均分子量分画を有するヒアルロン酸であり得る。本文書において、ヒアルロン酸は、当業者に既知の任意の方法によって得ることができる。これらの方法は、例えば、レビュー、ヒアルロン酸断片:情報が豊富な系に記載されている方法であってよい(R.Stern et al.,European Journal of Cell Biology 58(2006) 699-715[16])。天然または改変ヒアルロン酸であってもよく、例えば、Hyactive CPN、Cristalhyal、Nutra HA、Oligo HA、D Factor、Hyaluderm、juvelift、Restylane、Revitacare(このリストはすべてを網羅していない)から選択される市販のヒアルロン酸などの名称および/または分子量にかかわらず入手可能である。また、Contipro社(https://www.contipro.com/portfolio/manufacturer-of-anti-ageing-cosmetic-raw-materials/HyActive)および/またはGivaudan(https://www.givaudan.com/fragrances/active-beauty/products/cristalhyal%C2%AE-range)によって販売されているヒアルロン酸でもよい。
【0099】
本文書において、組成物は、組成物の総重量に対して0.1~5重量%のヒアルロン酸の濃度を有し得る。例えば、組成物は、組成物の総重量に対して0.5重量%~2.5重量%のヒアルロン酸の濃度を有し得る。
【0100】
本文書において、組成物は、その投与に従って製剤化することができ、かつ/または適合することができる。例えば、局所投与の場合、組成物は、組成物の総重量に対して0.5重量%~2.5重量%のヒアルロン酸を含み得る。
【0101】
例えば、非経口投与の場合、例えば関節内、例えば膝の滑液中、または大菱形中手骨関節もしくは中手指関節の滑液中、例えば手根関節症の場合、もしくは例えば腱内、例えば腱炎、組成物は、組成物1mL当たり1mg~20mgのヒアルロン酸の用量を送達するために投与され得る。例えば、非経口投与の場合、組成物は、0.1~20mg/mLのヒアルロン酸の濃度を有し得る。
【0102】
組成物中に存在する生体適合性ポリマーの分子量は、組成物の投与経路に応じて有利に選択され得る。
【0103】
本文書において、「医薬組成物」とは、当業者に既知である任意の形態の医薬組成物を意味する。本文書において、医薬組成物は、例えば、局所適用用の組成物、例えば、局所または全身注射用の注射用溶液、例えば、生理的血清中の注射溶液、例えば、賦形剤、例えば、デキストランの存在下で、例えば、当業者に既知の濃度、例えば、1mL当たり1マイクログラム~数ミリグラムでグルコース溶液中の注射剤であり得る。
【0104】
医薬組成物は、例えば、液体製剤、経口発泡性ポソロジカル形態、経口粉末、多粒子系、口腔内分散性ガレノス形態を含む群から選択される、経口投与を意図する薬剤であってもよい。
【0105】
例えば、医薬組成物が経口投与用である場合、医薬組成物は、溶液、シロップ、懸濁液、乳剤を含む群から選択される液体製剤の形態であってもよい。医薬組成物が経口ポソロジカル発泡剤の形態である場合、医薬組成物は、錠剤、顆粒、粉末を含む群から選択される形態であり得る。医薬組成物が経口粉末または多粒子系の形態である場合、医薬組成物は、ボール、顆粒、ミニタブレット、および微粒子を含む群から選択される形態であり得る。医薬組成物がポソロジカル口腔内分散性ガレノス形態の形態である場合、医薬組成物は、口腔内分散性錠剤、フリーズドライウェハー、薄膜、チュアブル錠剤、錠剤、カプセル剤、または医療用チューインガムを含む群から選択される形態であり得る。
【0106】
本発明によれば、医薬組成物は、例えば、バッカル錠または舌下錠剤、歯科用ペースト、歯科用バッカル接着剤包帯、ロゼンジ、ドロップ、スプレー用溶液を含む群から選択される、例えば経口および/または舌下を介しての経口投与用の医薬組成物であり得る。
【0107】
本発明によれば、医薬組成物は、尿中投与のための医薬組成物であってもよい。有利には、医薬組成物が尿中投与に適している場合、医薬組成物は、投与後に膀胱上皮に到達し得る。
【0108】
本発明によれば、医薬組成物は、例えば、局所投与および/または適用のための皮膚用組成物または化粧用組成物であり得る。
【0109】
本発明による皮膚用組成物または化粧用組成物は、1つ以上の皮膚科学的および/または美容的に許容できる支持体を含んでよい。本文書において、「皮膚科的および/または美容的に許容される支持体」とは、当業者に既知の任意の美容支持体を意味し、例えば、PCPC(Personal Care Products Council)によって発行されたINCI(International Nomenclature of Cosmetic Ingredients)辞書に引用され得る任意の美容支持体であ
り得る。
【0110】
本発明による皮膚用または化粧用組成物は、当業者に既知の1つ以上のアジュバントを含んでよい。アジュバントは、例えば、エステルタイプの薬剤、水和剤、柔軟剤、鉱物増粘剤、有機増粘剤、会合体またはその他の薬剤、水溶性および脂溶性有機太陽光フィルター、鉱物太陽光フィルター、ケイ素化合物、香料、防腐剤、セラミドおよび擬似セラミド、ビタミンおよびプロビタミン、タンパク質、金属イオン封鎖剤、アルカリ化剤、酸化剤(acidifying agents)、還元剤、酸化剤(oxidizing agents)、鉱物フィラー、着色剤、またはPCPC(Personal Care Products Council)によって発行されたINCI(International Nomenclature of Cosmetic Ingredients)辞書に引用され得る、任意の他のアジュバントから選択される1つ以上のアジュバントであってもよい。
【0111】
本発明によれば、化粧用組成物は、例えば、当業者に既知の任意の形態であってもよい。形態は、例えば、水中油乳剤、油中水乳剤、シリコーン中水乳剤、多重乳剤、マイクロ乳剤、ナノ乳剤、固体乳剤、水性もしくはハイドロアルコールゲル、クリーム、ゲル、乳、ローション、クリーム、油、バーム、軟膏、マスク、粉末、含浸担体、例えば、経皮パッチ、含浸包帯、水性ローション、スプレー、またはハイドロアルコールおよび/またはワックス、シャンプー、コンディショナー、ヘアマスク、血清またはローションであり得る。本発明による化粧用組成物は、クリーム、ゲル、軟膏、油から選択される形態であることが好ましい。
【0112】
本発明の化粧用組成物または皮膚科用組成物は、化粧用組成物および/または皮膚科用組成物を調製するための当業者に既知の任意の適切な方法によって得ることができる。
【0113】
本発明によれば、医薬組成物は、例えば、エアロゾルの形態で呼吸または経鼻投与のための医薬組成物であってもよい。
【0114】
本発明によれば、組成物は、例えば、点鼻薬、鼻スプレー、鼻粉末、エアロゾル、例えば、圧縮ガス鼻エアロゾルおよび/もしくはスプレー、またはネブライザーを含む群から選択される、鼻用または呼吸器鼻用または呼吸用の組成物であり得る。
【0115】
有利には、医薬組成物が経鼻または呼吸経路を介して適している場合、それは有利には気管支肺用であってもよい。
【0116】
本発明によれば、本発明の組成物は、皮下、筋肉内、静脈内、くも膜下腔内などの非経口投与用の組成物であり得る。
【0117】
本発明によれば、組成物は、例えば、ドロップ、ゲル、クリームを含む群から選択される、眼投与のための組成物であり得る。例えば、角膜の治療のために、例えば、組成物を眼表面に適用することによる、例えば、デスメ膜の治療において、または実際には、緑内障の治療のために、経角膜注射による、例えば、角膜への局所適用による、シュレム管の線維症を低減するために例えば、房水または硝子体液への注射による、例えば、角膜上への局所適用による洗眼剤であり得る。
【0118】
有利には、組成物が角膜上の局所適用で使用されるとき、有利には組成物が低分子量のポリマー、例えば、2000~6000ダルトンのポリマーを含む場合、有利には、組成物は、角膜横断領域で使用され得る。
【0119】
本発明の組成物はまた、使用されるガレノス製剤に従って、例えば、同時もしくは別々の使用のため、または経時的に広がる使用のために、少なくとも1つの他の有効成分、特に別の治療有効性成分を含んでもよい。当該他の成分は、例えば日和見感染症の治療に使用される有効成分、またはビタミン、または鎮痛剤などであってよい。
【0120】
本文書において、生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸の投与は、同時、連続、または併用であってよい。
【0121】
本発明によれば、投与のうちの少なくとも1つは、局所的に、経口的に、呼吸経路を介して、または注射によって行われ得る。2つの投与は、同じ方法で、または異なる方法で行われ得る。例えば、生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸の投与は、局所適用によって行われ得る。投与は、治療される領域および/または生体組織に依存し得る。
【0122】
本発明によれば、組成物は、例えば、1回だけ投与され得る。
【0123】
本発明によれば、さらに、組成物は、例えば、毎日、隔日、および毎週、またはより少ない頻度で投与され得る。例えば、1日1回、1日2回、またはそれ未満、例えば、2日に1回、または週に1回の投与であってもよい。
【0124】
本発明および投与様式によれば、組成物は、例えば、毎日、隔日、および毎週、またはより少ない頻度で投与されるクリームであってもよい。例えば、1日1回、1日2回、またはより少ない頻度での投与であり得る。
【0125】
本発明によれば、組成物は、例えば、1日~3ヵ月、例えば2ヵ月の期間にわたって投与され得る。例えば、組成物は、3ヵ月または6ヵ月の期間にわたって、例えば、毎日の投与頻度で投与され得る。
【0126】
例えば、組成物が注射可能な形態である場合、組成物は、3ヵ月または6ヵ月以内ごとの投与頻度で投与され得る。
【0127】
本発明者は、式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーと、天然または改変ヒアルロン酸との組み合わせが有利であり、驚くべきことに、治療における相乗効果を達成することを可能にすることを驚くべきことに実証した。特に、本発明者は、達成された効果が、各化合物の個々の効果を超えて広がる相乗効果であるとともに、有利には、これらの効果の持続時間の増加であることを実証した。
【0128】
さらに、本発明者は、驚くべきことに、効果の持続時間の増加が、例えば、複数の投与を使用することによって、例えば、同一または異なる投与経路、および/または特定の投与用法・用量を介して、さらに増加され得ることを実証した。例えば、本発明による組成物の注射による投与、例えば、皮下、筋肉内投与に続いて、本発明による組成物の皮膚適用、例えば、局所適用が行われてもよい。
【0129】
本文書において、本発明による組成物は、異なる経路を介して同時に、連続して、または併用して投与し得る。
【0130】
本発明によれば、投与のうちの少なくとも1つは、局所的に、経口的に、または注射によって行われ得る。2つの投与は、同じ方法で、または異なる方法で行われ得る。例えば、組成物の投与は、注射、続いて組成物の局所適用によって行われ得る。投与は、治療される領域および/または生体組織に依存し得る。
【0131】
有利には、組成物の投与が、注射、続いて組成物の局所適用によって行われ得るとき、局所適用のための組成物は、クリーム、ゲル、または血清から選択される形態であってもよい。
【0132】
有利には、本発明者は、驚くべきことに、クリーム、ゲルまたは血清から選択される形態での組成物の局所適用が、驚くべきことに、第1の投与から生じる生物学的効果をさらに伸ばすことを可能にすることを実証した。
【0133】
本発明はまた、皮膚の老化、ラインおよび/またはしわの非治療的美容処置に使用するための、頭皮の保護のための、および毛細血管再生のための、式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーと、天然または改変ヒアルロン酸とを含む、化粧品または皮膚科組成物に関する。
【0134】
生体適合性ポリマーは、上記で定義される通りである。
【0135】
ヒアルロン酸は、上記で定義される通りである。
【0136】
本発明によれば、患者は任意の哺乳動物であり得る。例えば、動物であっても、ヒトであってもよい。
【0137】
本発明によれば、生体適合性ポリマーの投与様式および/または経路は、上記で定義される通りであり得る。
【0138】
本発明によれば、ヒアルロン酸の投与様式および/または経路は、好ましくは生体組織への注射によって上記に定義される通りであり得る。
【0139】
本発明によれば、生体適合性ポリマーの投与頻度は、上記で定義される通りであり得る。
【0140】
本発明によれば、ヒアルロン酸の投与頻度は、上記で定義される通りであり得る。
【0141】
本発明はまた、非治療的化粧品の予防および/または抜け毛および/または脱毛の治療に使用するための、式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーと、天然または改変ヒアルロン酸とを含む、化粧品または皮膚科組成物に関する。
【0142】
生体適合性ポリマーは、上記で定義される通りである。
【0143】
ヒアルロン酸は、上記で定義される通りである。
【0144】
本発明によれば、生体適合性ポリマーの投与様式および/または経路は、上記で定義される通りであり得る。
【0145】
本発明によれば、ヒアルロン酸の投与様式および/または経路は、好ましくは生体組織への注射によって上記に定義される通りであり得る。
【0146】
本発明によれば、式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む化粧用または皮膚用組成物は、局所および/または毛細管適用のための組成物、例えばクリームであり得る。
【0147】
本発明によれば、生体適合性ポリマーの投与頻度は、上記で定義される通りであり得る
【0148】
本発明によれば、ヒアルロン酸の投与頻度は、上記で定義される通りであり得る。
【0149】
本発明はまた、式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーとヒアルロン酸とを含む、皮膚を外部侵襲から保護するため、および/または皮膚老化の治療および/もしくは予防のための化粧品または皮膚病理学的抗老化組成物および/または組成物に関する。
【0150】
生体適合性ポリマーは、上記で定義される通りである。
【0151】
ヒアルロン酸は、上記で定義される通りである。
【0152】
本発明によれば、患者は任意の哺乳動物であり得る。例えば、動物であっても、ヒトであってもよい。
【0153】
本発明によれば、生体適合性ポリマーの投与様式および/または経路は、上記で定義される通りであり得る。
【0154】
本発明によれば、ヒアルロン酸の投与様式および/または経路は、好ましくは生体組織への注射によって上記に定義される通りであり得る。
【0155】
本発明によれば、生体適合性ポリマーの投与頻度は、上記で定義される通りであり得る。
【0156】
本発明によれば、ヒアルロン酸の投与頻度は、上記で定義される通りであり得る。
【0157】
本発明はまた、式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む化粧用組成物の皮膚への適用を含む美容処置方法に関する。
【0158】
生体適合性ポリマーは、上記で定義される通りである。
【0159】
ヒアルロン酸は、上記で定義される通りである。
【0160】
本発明によれば、患者は任意の哺乳動物であり得る。例えば、動物であっても、ヒトであってもよい。
【0161】
本発明によれば、生体適合性ポリマーの投与様式および/または経路は、上記で定義される通りであり得る。
【0162】
本発明によれば、ヒアルロン酸の投与様式および/または経路は、好ましくは生体組織への注射によって上記に定義される通りであり得る。
【0163】
本発明によれば、生体適合性ポリマーの投与頻度は、上記で定義される通りであり得る。
【0164】
本発明によれば、ヒアルロン酸の投与頻度は、上記で定義される通りであり得る。
【0165】
本文書において、美容処置とは、非治療的美容処置を意味する。
【0166】
本発明によれば、非治療的美容処置は、抗老化美容処置、皮膚加齢を予防するための美容処置、皮膚加齢のための美容処置、および/または成熟した皮膚のための美容処置であり得る。
【0167】
実際、上述のように、本発明の発明者らは、本発明による組成物が、グリカナーゼの活性を低減させ、近位細胞の反応を刺激しながら、驚くほどヒアルロン酸の効果を伸ばし、有利かつ驚くほどに細胞外マトリックスの成分の新規合成を可能にし、当該成分の品質を改善し、一方で、マトリックスの分布および極性を回復させることにより、経時的に有利であり、特に組織環境の改善の作成に関連した相乗的な方法で組織の水和を刺激することを可能にすることを実証したのは驚くべきことである。
【0168】
本出願では、例えば、上述のガレノス形態を使用することが可能である。したがって、皮膚への適用は、使用されるガレノス形態に応じて行うことができる。
【0169】
例えば、皮膚への単純な適用、または本発明の組成物で皮膚をマッサージすることを伴う適用であってもよい。
【0170】
例えば、本発明による組成物の第1の適用、例えば皮膚注射による適用、続いて本発明による当該組成物の局所適用を含む、本発明による組成物の連続適用であってよい。
【0171】
本出願は、例えば、処置される皮膚の表面全体の処置を確実にするために、十分な量の組成物を使用して行われることが好ましい。例えば、皮膚上のクリームなどの従来の適用であってもよい。例えば、治療用マスクを形成するための適用であってもよい。
【0172】
本適用は、例えば、毎日、毎週、および毎月2回の適用であってもよい。例えば、1日1回、1日2回、またはより少ない頻度での適用であってもよい。
【0173】
本発明者はまた、本発明による組成物が、既知の生成物、例えば、コラーゲンおよび/またはボツリヌス毒素注射と比較して考えられる副作用を回避しながら、ラインをより効果的に充填することを可能にすることを有利にすることを驚くべきことに実証した。さらに、本発明者は、本発明による組成物を、例えばライン用の充填剤として使用することができることを実証しているが、例えば、エステティック治療における注射剤として、および/または例えば、水和および膨張用のフィラーとして、例えば、男性または女性の生殖器および/または性器の領域においても使用することができる。
【0174】
したがって、本発明はまた、例えば臓器および/または生体組織のための充填剤および/またはフィラーとして、本発明による式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物の使用に関する。
【0175】
したがって、本発明はまた、皮膚の充填剤および/またはフィラーとして、本発明による式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物の美容的使用に関する。
【0176】
本発明者はまた、本発明による組成物が、特に組織の水和を促進し、病変を充填することによって、生体組織病変の瘢痕を改善することを有利に可能にすることも驚くべきことに実証した。特に、本発明者は、本発明による組成物が、皮膚瘢痕形成を促進することおよび/または皮膚病変、例えば瘢痕の外観を改善することを有利に可能にすることを驚くべきことに実証した。
【0177】
したがって、本発明はまた、皮膚の外観を改善するための、例えば、皮膚病変、例えば
、瘢痕の外観を改善するための、本発明による式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物の美容的使用に関する。
【0178】
したがって、本発明はまた、皮膚病変の治療のための本発明による、式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物の美容的使用に関する。
【0179】
本発明者はまた、本発明による組成物が、特に組織の水和を促進すること、線維症の形成を予防すること、および病変を充填することによって、生体組織病変の瘢痕を改善することを有利に可能にすることを驚くべきことに実証した。
【0180】
特に、本発明者は、本発明による組成物が、有利に、瘢痕組織の速度および物理的品質、特にその機械的特性、そのしなやかさ、およびその水和を加速することを可能にすることを実証した。
【0181】
さらに、本発明者は、特に実施例において、本発明による組成物によって治療することができる病変が、その起源にかかわらず任意の種類の組織病変、ならびに任意の種類の組織または臓器であり得ることを実証した。特に、多種多様な病変が効果的に治療される以下の実施例に照らして、当業者は容易に理解し、この知識に照らして、本発明によって治療可能な他の組織病変を推定することができる。
【0182】
本文書において、「組織病変」とは、当業者に既知である哺乳動物の任意の生体組織の任意の病変または損傷を意味する。これは、例えば、結合組織、筋肉組織、骨組織、軟骨組織、および/または上皮組織の病変であり得る。例えば、当業者に既知の哺乳動物の任意の臓器または細胞小器官の任意の病変であってもよい。例えば、消化管の組織、胃腸管の組織、食物および排泄消化器系の組織、生殖管の組織、生殖器系の組織、視覚系、嗅覚系または聴覚系の組織、感覚系の組織、循環系および/または心臓血管系の組織、呼吸系の組織、筋肉系の組織、および運動系の組織に損傷を与え得る。例えば、胃組織への損傷、頬側病変、角膜への損傷、鼓膜病変、蝸牛への損傷、皮膚病変、例えば、創傷、慢性的な創傷、例えば、糖尿病性創傷、潰瘍性創傷、褥瘡、皮膚火傷、壊死創傷、静脈病変、虚血性病変、例えば、虚血性壊死、心臓発作による病変、例えば、心筋梗塞、骨損傷、例えば、骨折、骨欠損を伴う骨折、非ユニオン骨折、骨軟骨病変、軟骨損傷、腱損傷、外科的病変、外科的手術による病変、治療による病変、例えば、放射線治療、神経組織への損傷、例えば、脳病変、例えば、腫瘍摘出による病変、骨髄への損傷、神経線維への損傷、例えば、運動系および/または感覚系、呼吸器系の病変、例えば、肺病変、循環器系の病変、例えば、動脈および/または血管の病変、消化系、肝臓系、腎臓系または泌尿器系の病変であり得る。
【0183】
本発明はまた、薬物として使用するための、本発明による式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物に関する。
【0184】
したがって、本発明は、組織病変の予防および/または治療のための薬物として使用するための、本発明による式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物に関する。
【0185】
したがって、本発明はまた、眼病変、声帯病変、関節病変、椎間板病変、腱性病変および/または靭帯病変、網膜病変、例えば、網膜剥離、ベーチェット病による病変、表面病変、例えば、皮膚創傷、潰瘍、例えば、糖尿病創傷の潰瘍、胃の病変から選択される組織病変の予防および/または治療のための薬物として使用するための、本発明による式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物
に関する。
【0186】
本発明者はまた、本発明による組成物が、関節への投与後、関節および/または関節潤滑剤の促進剤/水和物であることを有利に可能にし、関節の炎症を予防および/または治療し、関節炎および/または関節症を予防および/または治療することを有利に可能にすることを実証した。
【0187】
したがって、本発明はまた、運動系の病態および/または状態の予防および/または治療のための薬物として使用するための、本発明による式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物に関する。
【0188】
本発明によれば、運動系の病態および/または状態とは、運動系の機能を修正および/または変更することができる当業者に既知の任意の病態および/または状態を意味する。例えば関節の病態、例えば関節の炎症、関節症、関節炎であってもよい。例えば、腱または靭帯の領域における病態、例えば、炎症、ストレッチ、平坦化、病変、破裂、または裂傷であり得る。例えば、脊柱および/または椎間板の領域における状態、例えば、外傷、年齢、脱水などに関連する変位、平坦化、圧縮、または粉砕であり得る;
【0189】
本発明者はまた、本発明による組成物が、眼への投与後、特に網膜剥離の場合に、網膜下環境の充填および強化を可能にし、ならびに乾燥型および湿潤型ARMDにおける網膜微小環境の有利な保護を可能にし、有利に、網膜の病変、例えば、網膜剥離を予防および/または治療すること、および/または加齢性黄斑変性、乾燥型加齢性黄斑変性、および湿潤型加齢性黄斑変性の治療を可能にすることを実証した。
【0190】
本発明者はまた、本発明による組成物が有利に組織水和を改善することを可能にすることを驚くべきことに実証した。
【0191】
さらに、本発明者は、特に実施例において、本発明による組成物により、すべての種類の組織または臓器の水和を治療および/または改善することが可能であることを実証した。特に、多種多様な組織および臓器が効果的に治療される以下の実施例に照らして、当業者は容易に理解し、この知識に照らして、本発明によって治療可能な組織および臓器を推定することができる。
【0192】
したがって、本発明は、組織乾燥の予防および/または治療のための薬物として使用するための、本発明による式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物に関する。
【0193】
したがって、本発明はまた、本発明による式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物であって、特に、例えば、眼表面、頬、膣、または鼻粘膜の天然湿潤粘膜、滑膜、頭蓋脊髄、腹膜、心膜液、骨髄、関節の組織、例えば、膀胱、リンパ系、脊髄の上皮など生体液と接触する組織の乾燥から選択される組織乾燥の予防および/または治療のための薬物として使用するための組成物に関する。
【0194】
さらに、本発明者は、特に、実施例において、本発明による組成物が、組織または臓器粘膜の水和を治療および/または改善することを可能にすることを実証した。特に、多種多様な組織および臓器が効果的に治療される以下の実施例に照らして、当業者は容易に理解し、この知識に照らして、本発明によって治療可能な組織および臓器を推定することができる。
【0195】
したがって、本発明はまた、粘膜、例えば膣粘膜、頬粘膜の乾燥の予防および/または
治療のための薬物として使用するための、本発明による式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物に関する。
【0196】
したがって、本発明はまた、眼の乾燥の予防および/または治療のための薬物として使用するための、本発明による式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物に関する。
【0197】
本発明者はまた、本発明による組成物が有利に生体組織の線維症を治療することを可能にすることを驚くべきことに実証し、特に本発明者は、本発明による組成物が驚くべきことに、線維症を低減すること、特に3型コラーゲンおよび1型コラーゲンの合成(COL3/COL1)の比率を相乗的に低減することを可能にすることを実証し、線維症はとりわけ、COL1に対するCOL3の過剰発現によって特徴付けられる。
【0198】
したがって、本発明は、線維症の予防および/または治療のための薬物として使用するための、本発明による式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物に関する。
【0199】
さらに、本発明者は、特に実施例において、本発明による組成物によって治療可能な線維症が、その起源にかかわらず任意の種類の線維症、および任意の種類の組織または臓器であり得ることを実証した。特に、多種多様な線維症が効果的に治療される以下の実施例に照らして、当業者は、この知識に照らして、本発明によって治療され得る他の線維症を容易に理解し、推定することができる。これらは、例えば、虚血性病変、例えば、筋肉および/または心臓の虚血性病変によって引き起こされる線維症であり得る。線維症は、例えば、骨格筋の虚血または粉砕、梗塞性心筋虚血後の瘢痕線維化、腱組織または靭帯の線維化、骨組織、例えば骨カルスの線維化、消化組織の線維化、例えばクローン病における線維化症、放射線照射後の線維化、肝線維化、肺線維化、ペロニー病に起因する線維化、手術後線維化、例えば、臓器または組織の接着につながる線維化、例えば、胃腸手術後、腱、神経、血管手術の後の線維化、緑内障中に生じる自然の線維化、例えば、シュレム管の線維化、例えば、デュピュイトラン病中に生じる線維化、手根管症候群に起因する線維化、および/または他の腱線維化であり得る。
【0200】
本発明によれば、ヒアルロン酸は、上記で定義される通りである。
【0201】
本発明によれば、式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーは、上記で定義される通りである。
【0202】
本発明によれば、医薬組成物または皮膚科用組成物は、上記で定義される通りである。
【0203】
本発明によれば、生体適合性ポリマーの投与頻度は、上記で定義される通りであってよい。
【0204】
本発明によれば、生体適合性ポリマーの投与様式および/または経路は、上記で定義される通りであってよい。
【0205】
本発明者はまた、本発明による組成物が表皮水疱症の治療に有利に使用され得ることを驚くべきことに実証した。特に、本発明者らは、式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物が、表皮水疱症に罹患している小児における潰瘍の瘢痕形成を促進することを有利に可能にすることを驚くべきことに予想外に実証した。
【0206】
本発明者はまた、本発明による組成物が、有利に、潰瘍の瘢痕形成を促進すること、およびこれらの潰瘍に伴う疼痛を相乗的な方法で軽減することを可能にすることを驚くべきことに予想外に実証した。
【0207】
したがって、本発明はまた、表皮水疱症の予防および/または治療のための薬物として使用するための、本発明による式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物に関する。
【0208】
本発明によれば、ヒアルロン酸は、上記で定義される通りである。
【0209】
本発明によれば、式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーは、上記で定義される通りである。
【0210】
本発明によれば、医薬組成物または皮膚科用組成物は、上記で定義される通りである。組成物は、例えば、スプレーを使用して、スプレーするのに好適な形態であることが有利である。
【0211】
本発明によれば、生体適合性ポリマーの投与頻度は、上記で定義される通りであってよい。
【0212】
本発明によれば、生体適合性ポリマーの投与様式および/または経路は、上記で定義される通りであってよい。これは、例えば、例えば、組成物を含む噴霧器を使用してスプレーすることによる、皮膚への適用であってよい。
【0213】
本発明者はまた、本発明による組成物が歯周疾患の治療に有利に使用され得ることを驚くべきことに実証した。
【0214】
したがって、本発明は、歯周疾患の予防および/または治療のための薬物として使用するための、本発明による式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物に関する。
【0215】
本文書において、歯周疾患とは、当業者に既知の任意の歯周疾患を意味する。例えば、歯肉疾患または歯周炎であり得る。
【0216】
本発明者はまた、本発明による組成物が、頬粘膜の疾患の治療に有利に使用され得ることを驚くべきことに実証した。
【0217】
したがって、本発明はまた、頬粘膜の病態の予防および/または治療のための薬物として使用するための、本発明による式AaXxYyまたはAaXxYyZzおよびヒアルロン酸の生体適合性ポリマーを含む組成物に関する。
【0218】
本文書において、頬粘膜の症状は、当業者に既知の頬粘膜の任意の病理を意味する。例えば、口内潰瘍、歯肉疾患、粘膜炎であり得る。
【0219】
本発明者はまた、本発明による組成物が、何らかの原因の皮膚熱傷の治療に有利に使用され得ることを驚くべきことに実証した。これらは、例えば、熱傷、放射線熱傷、紫外線への曝露による皮膚熱傷、電離放射線への曝露による皮膚熱傷、例えば、X線またはガンマ線への曝露である。
【0220】
したがって、本発明は、皮膚熱傷の予防および/または治療のための薬物として使用す
るための、本発明による式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物に関する。
【0221】
本発明によれば、ヒアルロン酸は、上記で定義される通りである。
【0222】
本発明によれば、式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーは、上記で定義される通りである。式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーは、有利に、3000~150,000ダルトンの分子量を有することができる。
【0223】
本発明によれば、医薬組成物または皮膚科用組成物は、上記で定義される通りである。組成物は、有利には、例えば、スプレーおよび/またはゲルを使用してスプレーするのに好適な形態であってよい。組成物は、有利には、例えば、スプレーまたはゲルなどのスプレーに好適な形態であってよく、脂肪酸を含有しない。
【0224】
有利には、組成物が、スプレー、例えば、スプレーおよび/またはゲルに好適な形態であり、かつ脂肪酸を含有しない場合、脂肪酸残留物の存在を回避しながら、組成物は、火傷を治療することを有利に可能にし、したがって、任意の望ましくない効果を防止する。
【0225】
本発明者はまた、本発明による組成物が変性疾患の治療に有利に使用され得ることを驚くべきことに実証した。
【0226】
したがって、本発明は、変性疾患の予防および/または治療のための薬物として使用するための、本発明による式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物に関する。
【0227】
本文書において、変性疾患とは、当業者に既知の任意の変性疾患を意味する。これらは、例えば、血管性脳事故に関連する後遺症、神経変性疾患、例えば、アルツハイマー病、例えば、パーキンソン病、網膜の変性、組織分解に関連する変性疾患、例えば、関節および/または筋肉疾患、ミオパチー、加齢性変性疾患であり得る。
【0228】
本発明者は、式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物が、組織の機能的生存および回復に有利なより良い細胞微小環境を再現することを可能にし、有利には変性疾患の遅延および/または治療を可能にすることを有利に実証した。
【0229】
本発明はまた、薬物として適用するための組成物に関し、当該組成物は、式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む。
【0230】
本発明によれば、ヒアルロン酸は、上記で定義される通りである。本発明によれば、式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーは、上記で定義される通りである。
【0231】
組成物は、上記で定義される通りである。
【0232】
本発明によれば、生体適合性ポリマーの投与頻度は、上記で定義される通りであってよい。
【0233】
本発明によれば、生体適合性ポリマーの投与様式および/または経路は、上記で定義される通りであってよい。
【0234】
本発明はまた、患者を治療するための方法に関し、以下のステップ
i.少なくとも1つの生体適合性ポリマーの投与、および
ii.ヒアルロン酸の投与
の任意の順序を含み、投与は併用して、連続して、または交互に行われる。
【0235】
生体適合性ポリマーは、上記で定義される通りである。
【0236】
ヒアルロン酸は、上記で定義される通りである。
【0237】
本発明によれば、患者は、任意の哺乳動物であり得る。例えば、動物であっても、ヒトであってもよい。
【0238】
本発明によれば、生体適合性ポリマーの投与様式および/または経路は、上記で定義される通りであり得る。
【0239】
本発明によれば、ヒアルロン酸の投与様式および/または経路は、好ましくは生体組織への注射によって上記に定義される通りであり得る。
【0240】
本発明によれば、生体適合性ポリマーの投与頻度は、上記で定義される通りであり得る。
【0241】
本発明によれば、ヒアルロン酸の投与頻度は、上記で定義される通りであり得る。
【0242】
本発明によれば、ヒアルロン酸および生体適合性ポリマーの投与は、例えば、1つの単一の混合物もしくは組成物中で、または連続して同時であってもよい。
【0243】
本発明によれば、ヒアルロン酸および生体適合性ポリマーの連続投与の場合、用法・用量は、例えば、各投与について、ヒアルロン酸の投与、続いて生体適合性ポリマーの投与であり得る。例えば、ヒアルロン酸は、生体適合性ポリマーの投与の1分前~48時間前に投与することができる。
【0244】
換言すれば、本明細書において、1つの組成物に言及されても、組成物の化合物の各々は、他の化合物と併用して(例えば、単一の組成物または2つの組成物において、これらの組成物の各々は、上述の成分のうちの1つ以上を含み、化合物または組成物の各々の投与様式が同一であるか、または異なることが可能である)、または互いに独立して、例えば、生体適合性ポリマーの独立した投与およびヒアルロン酸の独立した投与であることが理解され、当該投与は、上で引用される順序または異なる順序において、同一患者に、併用して、もしくは連続して、もしくは交互に行われる。これらの異なる投与は、連続またはそれ以外のいずれかで、互いに独立して、または連結された方法(組成物または同時投与)で、同じまたは異なる投与様式(注射、摂取、局所適用など)を介して、週に1回もしくは2回、1週間以上にわたって行われ得る。
【0245】
したがって、本発明は、従来技術において真にかつ持続的な必要性がある複雑な技術的問題に対する一般的かつ単純な回答を有利に提供する。特に、以下の実施例において非限定的な方法で示されており、実施例から、当業者は、起源を問わず、あらゆる種類の状態、ならびにあらゆる種類の組織または臓器について容易に推定することができる。
【0246】
特に、本発明は、特に病変の特定の共通の特徴および/または細胞外マトリックスの変化からなる状態に起因して、すべての病変および/または状態に一般化し得ることを本発明者は実証している。
【0247】
本発明はまた、上記で定義される式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物で移植される移植片および/または臓器の含浸を含む、ex-vivoグラフト調製方法に関する。
【0248】
本発明はまた、グラフトおよび/または臓器のex-vivo調製のための、上記で定義される式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物の使用に関する。
【0249】
生体適合性ポリマーは、上記で定義される通りである。
【0250】
ヒアルロン酸は、上記で定義される通りである。
【0251】
本発明によれば、含浸は、当業者に既知の任意の方法によって行われ得る。例えば、上記に定義される式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物の灌流による、または上記に定義される式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物をスプレーすることによるいずれかで、臓器を浸漬する、および/またはそれを上記に定義される式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸との組成物に浸漬する場合がある。
【0252】
本発明はまた、移植可能な生体材料のin-vitroおよび/またはex-vivo調製のための、上記で定義される式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物の使用に関する。
【0253】
例えば、移植可能な生体材料の場合、生体適合性ポリマーは、例えば、生体材料の調製後の含浸によって、例えば、組織または臓器のために添加され得る。また、例えば、開始時から生体材料の調製中に添加されてもよく、例えば、下記に定義される式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸は、例えば3D印刷と同様の方法で、連続した層で添加されてもよい。
【0254】
本文書において、「移植可能な生体材料」とは、当業者に既知である、および/または市販されている任意の移植可能な生体材料を意味する。例えば、任意の種類、生分解性、架橋性、またはそれ以外の、好ましくはコロニー形成可能な適合性の移植可能な材料であってもよい。それらは、タンパク質、例えば、コラーゲン、フィブリン、多糖類、例えば、デキストラン、キチン、ヒアルロン酸、アルギン酸塩、セルロース、およびそれらの誘導体、グリコール、乳酸、リンゴ酸に基づく生分解性および生体適合性コポリマー、ポリマーの架橋結合に基づく移植可能な生体材料であってよく、例えば、温度によって、または酵素もしくは照射によって、または他の方法によって制御され得る重合によって、液体ゲル化遷移を行うことができる。例えば、無機塩、例えば、リン酸カルシウムまたはヒドロキシアパタイトに基づく、ポリカプロラクトン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレンシリコーンに基づくポリマーであり得る。それらは、例えば、セラミックもしくは金属、例えば、アルミニウム、スチール、チタン、および/またはそれらの合金に基づく、またはそれらから作製された材料であり得る。有利には、材料が、セラミックまたは金属に基づく材料、またはセラミック製または金属製の材料である場合、含浸は、材料の外面を覆うことを可能にし、含浸は、スプレーによって有利に行うことができる。
【0255】
本発明によれば、含浸組成物は、上記で定義されるように、0.1μg/mL~1mg/mLの濃度の生体適合性ポリマーを有してもよい。
【0256】
本発明によれば、含浸組成物は、上記に定義される0.5mg.mL-1~20mg.mL-1の濃度のヒアルロン酸を有し得る。
【0257】
本発明によれば、含浸の持続時間は、5分~24時間であり得る。有利には、含浸の持続時間は、グラフトおよび/または臓器ならびに/または移植可能な材料の構造に依存し得る。
【0258】
有利には、さらに、含浸により、生着の効能を改善することが可能になる。実際、本発明者は、グラフトおよび/または臓器保存溶液中のポリマーおよびヒアルロン酸の存在が、相乗的な保護および抗アポトーシス効果を有利に可能にすることを驚くべきことに実証している。
【0259】
有利には、本発明による組成物は、特に経時的に、一般式AaXxYyまたはAaXxYyZz(RGTAとも称される)の生体適合性ポリマーの再生および保護特性と、天然または改変ヒアルロン酸の水和および機械的特性との組み合わせの相乗効果を達成することを可能にすることを驚くべきことに実証している。
【0260】
さらに、本発明者は、本発明による組成物が有利に、ヒトおよび動物において、in vitro、ex vivo、およびin vivoでの任意の種類の後遺症およびストレス(機械的、酸化的、照射など)に付随した欠陥および/または交互変化、ならびに任意の起源の組織および臓器の老化を予防および/または治療することを可能にすることを実証した。
【0261】
示すように、本発明による組成物は、組織の老化、特に皮膚上のものなどの老化に関連する跡、例えば、跡の存在、皮膚乾燥、皮膚の厚さ、および/または色素沈着による、ライン、リング、弾力性の喪失およびしなやかさ、または張力の予防、遅延、および改善のために使用され得る。
【0262】
示すように、本発明による組成物は、関節病態、例えば、軟骨組織または滑膜組織の劣化の予防、遅延および/または治療に使用され得る。
【0263】
示すように、本発明による組成物は、上皮および/または角膜間質および/または硝子体液の品質の変化の予防、遅延および/または治療のために使用され得る。
【0264】
示すように、本発明による組成物は、上皮および/または膀胱間質の品質の変化の予防、遅延および/または治療のために使用され得る。
【0265】
示すように、本発明による組成物は、ヒアルロン酸が天然に存在する、ならびに/または基礎となる細胞および/もしくは組織によって産生され得る、ならびに/またはヒアルロン酸の質および/もしくは安定性が改変および/もしくは改変され得るすべての生体組織および/または生体液の予防、遅延および/または処置に使用され得る。
【0266】
示すように、本発明による組成物は、有利かつ驚くべきことに、皮膚全体のエステティックおよび機能的品質の相乗的回復を可能にするが、他の組織と一緒になることも可能にし、生成物のそれぞれだけでは個別に達成することができなかった若返り効果および機能回復をもたらし、また予期しない持続的効果をもたらす。
【0267】
示したものに加えて、本発明による組成物の最初の投与によって達成される効果の伸長は、例えば、上皮/表皮/粘膜上での局所的に反復された寄与によってさらに改善することができる。
【0268】
当業者はまた、例として挙げた添付図面によって示される、以下の実施例を読むと、さらなる利点を特定することができる。
【実施例
【0269】
以下の実施例では、RGTAとも称される異なる生体適合性ポリマーが使用されている。以下の表2は、これらの実施例で使用される異なる生体適合性ポリマーを要約する。
【表2】
【0270】
実施例1:RGTAの調製-RGTAおよびヒアルロニダーゼの存在下でヒアルロン酸の安定性の試験。
RGTAの合成は、従来技術、例えば、「遊離ヒドロキシル(OH)基または一級または二級アミンを含む化合物をスルホン化する方法」と題された米国特許第US7,396,923号、および書誌参照文献Yasunori I.et al.Biomaterials,2011,32:769e776)およびPetit E.et al.Biomacromolecules.2004 Mar-Apr;5(2):445-52[17]に記載されている。
【0271】
以下の実施例では、複数の既知で説明されてきたRGTAが使用されており、そのOTR4120は、いくつかの前臨床および臨床刊行物に記載されている(RGTA(R)-based matrix therapy-A new branch of regenerative medicine in locomotion.Barritault D、Desgranges P、Meddahi-Pelle A、Denoix JM、Saffar JL.Joint Bone Spine.2017 May;84(3):283-292.doi:10.1016/j.jbspin.2016.06.012[18]、RGTA(R) or ReGeneraTing Agents mimic heparan sulfate in regenerative
medicine:from concept to curing patients.Barritault D、Gilbert-Sirieix M、Rice KL、Sineriz F、Papy-Garcia D、Baudouin C、Desgranges P、Zakine G、Saffar JL、van Neck J.Glycoconj J.2017 Jun;34(3):325-338.doi:10.1007/s10719-016-9744-5[14]。化合物OTR4131は、以下に記載の脂肪酸、具体的には酢酸であるラジカルZを含む化合物である、Frescaline G.et al .,Tissue Eng Part A.2013 Jul;19(13-14):1641-53.doi:10.1089/ten.TEA.2012.0377)[19]、Randomized controlled trial demonstrates the benefit of RGTA(R) based matrix therapy to treat tendinopathies in racing horses.Jacquet-Guibon S,Dupays AG,Coudry V,Crevier-Denoix N,Leroy
S,Sineriz F,Chiappini F,Barritault D,Denoix JM.PLoS One.2018 Mar 9;13(3):e0191796.doi:10.1371/journal.pone.0191796[20]。特許文献US06689741、US2014/301972A1にも記載されている他の化合物は、Zがフェニルアラニンなどのアミノ酸(Heparan sulfate proteoglycans mediate internalization and propagation of specific proteopathic seeds.Holmes BB,DeVos SL,Kfoury N,Li M,Jacks R,Yanamandra K,Ouidja MO,Brodsky FM,Marasa J,Bagchi DP,Kotzbauer PT,Miller TM,Papy-Garcia D,Diamond MI.Proc Natl Acad Sci USA.2013 Aug 13;110(33):E3138-47.doi:10.1073/pnas.1301440110[21])、または別の疎水性化合物(Structure-activity studies of heparan mimetic polyanions for anti-prion therapies.Ouidja MO、Petit E、Kerros ME、Ikeda Y、Morin C、Carpentier G、Barritault D、Brugere-Picoux J、Deslys JP、Adjou K、Papy-Garcia D.Biochem Biophys Res Commun.2007 Nov
9;363(1):95-100[22])である。
【0272】
様々なRGTAとその特徴を表1に列挙して説明し、表2には、当該化合物が使用された実施例番号を示す。
【0273】
以下の実施例では、様々なRGTAを試験して、ヒアルロン酸に対するその効果を決定し、特にいくつかの記事、例えば、以下に記載の方法に従って、ヒアルロニダーゼに対するヒアルロン酸の可能な保護効果を決定した。In Vitro Evaluation
of the Sensitivity of a Hyaluronic Acid
PEG Cross-Linked to Bovine Testes Hyaluronidase Nicola Zerbinati et al Open Access Maced J Med Sci.2018 Jan 25;6(1):20-24 https://doi.org/10.3889/oamjms.2018[23]、Sall I,Ferard G.Comparison of the sensitivity of 11 crosslinked hyaluronic acid gels to bovine testis hyaluronidase.PolymDegrad Stab.2007;92:915-919.https://
doi.org/10.1016/j.polymdegradstab.2006.11.020。
【0274】
この実施例では、タイプ1-Sのヒアルロニダーゼ(EC3.2.1.35)はウシの精巣(Sigma Aldrich H3506)に由来し、pH7.2のリン酸緩衝食塩水(PBS)で希釈して、5000U/mLの溶液を得た。
【0275】
20mg/mLのstreptococcus zooepidemicusヒアルロン酸(Sigma Aldrich H39390)のゲル0.3mLを5mLのチューブの基部に堆積させ、25μLのRGTAを異なる濃度で添加し、次いで37℃で一晩インキュベートした。
【0276】
ゲル表面上の酵素溶液125μLを添加し、チューブを2日間インキュベートした(h)。0.8mol/L、pH9.1の四ホウ酸カリウム溶液0.1mLを添加し、続いてボルテックス撹拌し、続いて100℃で3分間加熱することによって反応を停止させた。
【0277】
N-アセチル-D-グルコサミン(NAG)の塩漬けによる酵素の活性の測定は、Reissig et al法によって行った(Reissig JL,Strominger JL,Leloir LF.A modified colorimetric method for the estimation of N-acetylamino sugars.J Biol Chem 1955;217:959e96[25]。
【0278】
酢酸で1/10希釈したエールリッヒ試薬(Sigma Aldrich)の溶液を各チューブ(3mL)に短時間添加し、続いてボルテックス撹拌し、次いで37℃で20分間インキュベートし、次いで、チューブを1000gで15分間遠心分離し、上清を、PBS+エールリッヒ試薬に対して585nmで測定する。
【0279】
以下の表3は、125μLのヒアルロニダーゼ、および表1に記載の3000D~500,000Dに及ぶ異なる分子サイズのRGTAの2つのファミリーの化合物の用量を増加しての存在下で、変わらない一定量のヒアルロン酸(300μL~20mg/mL)(250,000ダルトンの分子量について得られた結果を要約する。
【表3】
【0280】
上記の表3に示すように、RGTAは、ヒアルロニダーゼの活性に対する阻害効果および/またはヒアルロン酸に対する保護効果を有する。この実施例はまた、効果が用量依存的であることを明確に示す。10μg/mLのRGTA25μLの用量は、50μg/mLの用量と同様に有効である。この実施例はまた、低濃度(1μg/mLの生体適合性ポリマー(RGTA))が、有利にはヒアルロニダーゼによるヒアルロン酸の分解の60%を超える阻害を可能にすることを明確かつ有利に示す。この実施例はまた、RGTAの分子量に従って、または上記表1に記載のカルボキシメチルデキストラン硫酸RGTA、具体的にはOTR41201、OTR41202、OTR41203、CMDS OTR41205、CMDS OTR41210、CMDS OTR4120、CMDS OTR4122、CMDS OTR4125、またはアセチル化カルボキシメチルデキストラン硫酸RGTA、具体的にはOTR41301、CMDSA OTR41302、CMDSA OTR41303、CMDSA OTR41305、CMDSA OTR41310、CMDSA OTR4131、CMDSA OTR4132、CMDSA OTR4135との間で、ヒアルロニダーゼによる分解に対するRGTAに対する保護効果に有意差がないことを示す。
【0281】
実施例2:コラーゲンの合成、線維化指数の低減、およびコラーゲン分泌の極性に対するRGTAおよびHAの相乗効果
RGTAはまた、皮膚におけるコラーゲンおよび線維症(US06689741、US2014/301972A1[4])の発現を調節することが知られており、当該特性を説明するいくつかの記事、特に皮膚線維症(Garcia-Filipe et al.2007[8])、筋肉組織(A substituted dextran enhances muscle fiber survival and regeneration in ischemic and denervated rat EDL muscle.Desgrange P、Barbaud C、Caruelle JP、Barritault D、Gautron J.FASEB J.1999 Apr;13(6):761-6[26])、心臓組織(New agents for the
treatment of infarcted myocardium.Yamauchi H,Desgranges P,Lecerf L,Papy-Garcia D,Tournaire MC,Moczar M,Loisance D,Barritault D.FASEB J.2000 Nov;14(14):2133-4)、骨組織(Barritault et al 2017[18])、または消化器組織(Alexakis et al,2004[5])から知られている。しかし、RGTAとHAとの組み合わせの可能性の効果は研究されておらず、知られていない。
【0282】
ヒト皮膚線維芽細胞を、Garcia-Filipe S et al 2007[8]に記載されているプロトコルに従って、24穴ウェルプレート内の培養液中に配置した。
【0283】
1ウェル当たり10,000個の細胞で播種した線維芽細胞を、1ウェル当たり90,000個の細胞のコンフルエンスに達成するために5日間培養し、次いで、10および100μg/mLのRGTA OTR4120またはOTR4131およびHA(20mg/mL)の存在下もしくは非在下で、15mCi/mLの5-3Hプロリンおよび50mg/mLのアスコルビン酸の存在下で、以下のプロトコルに従って、無血清培地中に24時間置く。
【0284】
24時間後に培地および細胞を別々に収集し、水に対して透析し、ペプシンで消化し、Asselot-Chapel C,et al(Expression of fibronectin and interstitial collagen genes
in smooth muscle cells:modulation by low molecular weight heparin fragments and
serum.Biochem Pharmacol.1995 Mar 1;49(5):653-9[28])に記載される方法に従って、SDSゲル中の電気泳動による分離後、コラーゲンの表現型を分析する。
【0285】
1型および3型コラーゲンに対応するゾーンをゲルから切り出し、トリチウムをカウントする。総細胞コラーゲンの%は、細胞層における放射能と上清中の放射能との間の比である。
【0286】
以下の表4は、得られた結果をまとめたものである。
【表4】
【0287】
上記の表4に示すように、RGTAは、3型コラーゲンの量をほぼ3倍低減させることによって(170~60、これはin vivoで、線維化の低減をもたらす)、およびHAが1型コラーゲンの合成の20%増加(720対960)に及ぼす効果によって、コラーゲンの調節および合成に効果を有する。
【0288】
以下の表4に示すように、ポリマーおよびヒアルロン酸の組み合わせは、40%の増加(720~1100)を伴うCOL1の合成に予想外な相乗効果を有する。
【0289】
以下の表4に示すように、ポリマーおよびヒアルロン酸の組み合わせは、さらに、細胞およびそのマトリックスの領域におけるコラーゲン分泌の分極に予想外な相乗効果を有す
る。コラーゲンの%は、細胞空間および細胞周囲空間に蓄積された全コラーゲンに対して、7%から45%、すなわち、6.4倍になる。
【0290】
この実施例に示すように、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物は、相乗的な方法で、コラーゲン合成の増加、コラーゲン合成の改善を有利に可能にし、有利には、良好な細胞分化および組織分化を好むマトリックス空間を再構築することを可能にする。
【0291】
実施例3:鼓膜、角膜および生体材料膜におけるex-vivo使用におけるRGTAおよびHAの相乗効果、ならびに組織または臓器の3D印刷方法におけるRGTAおよびHAの相乗効果
3-1.臓器移植/保存前の鼓膜および角膜のプレインキュベーション
この実施例では、グラフト、例えば、角膜または鼓膜を数分間含浸させるために、特に異なる供給者に由来する5mg/mLの市販のHA(注射可能な品質の)溶液中で、OTR4120を10μ/mLで使用した。グラフトを実施する前に含浸を行い、操作の終了時に同じ溶液を数滴添加する。
【0292】
外科医の見解では、係合および機能回復は、従来技術のプロトコルに従って観察されたものよりもはるかに良好な品質であった。
【0293】
3-2.本発明の生成物を充填した骨または軟骨ための生体材料のプレインキュベーション。
本実施例では、骨、軟骨または椎間板再建に使用する複数の骨代替生体材料を、本発明による組み合わせ、すなわち、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびHAの組み合わせを含む溶液に含浸させた後、移植した。
【0294】
この実施例では、使用される含浸溶液は、10μg/mLの濃度のOTR4120および1mg/mLの濃度のヒアルロン酸濃度を含む。
【0295】
含浸生体材料は、脱細胞化骨粉末、またはセラミックス、特にリン酸三カルシウムもしくはTCP、またはヒドロキシアパタイトHAなどの合成生成物、またはコラーゲンなどのタンパク質をさらに含む複合生体材料である。
【0296】
3-3.組織または臓器のための3D印刷方法における、インクとしての式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸(HA)の組み合わせを含む組成物の使用
この実施例では、使用される組成物は、特に以下の、様々なレビューに記載の印刷方法またはプロセスに従って、10を100μg/mLの濃度で、および1~20mg/mLのヒアルロン酸濃度で含む:Jammed Microgel Inks for 3D
Printing Applications.Highley CB,Song KH,Daly AC,Burdick JA.Adv Sci(Weinh).2018
Oct 24;6(1):1801076.doi:10.1002/advs.201801076.[33]、Collagen/heparin sulfate scaffolds fabricated by a 3D bioprinter improved mechanical properties and neurological function after spinal cord injury in rats.Chen C、Zhao ML、Zhang RK、Lu G、Zhao CY、Fu F、Sun HT、Zhang S、Tu Y、Li XH.J Biomed Mater Res A.2017 May;105(5):1324-1332.doi:10.1002/jbm.a.36011.[34]、Developm
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【0297】
上記の例に示すように、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物により、特にin vitroで相乗効果を達成することが可能になり、有利には、良好な細胞分化および組織分化を好むマトリックス空間を再現することが可能になることが明らかである。さらに、この実施例は、細胞外マトリックスの産生および/もしくは再現および/または増加を必要とするすべての適用および/または組織に対して、この効果が達成され得ることを明確に示す。
【0298】
この実施例はまた、特に細胞外マトリックスの構成要素の産生の刺激によって、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物が、さらに有利に、分解からヒアルロン酸を保護すること、さらに組織充填および水和のためのその使用におけるHAの効果を伸ばすことを可能にすることを明確に示す。
【0299】
また、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物は、コラーゲンなどのマトリックス成分の構成および分布の改善、ならびに産生の分極を可能にし、問題の組織または臓器に関わらず、細胞外マトリックスおよび一般的に処理された組織の品質を向上させることを有利に可能にすることも明らかである。
【0300】
また、生体組織の病変または微小病変の場合、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物は、それぞれ、本発明に従って組成物中に存在する式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸によって、病変の間に破壊されたヘパラン硫酸およびヒアルロン酸の両方の置換を可能にすることも明らかである。
【0301】
さらに、本発明による組成物の注入の間、マトリックス空間の可能な破壊は、組成物の実際の貫通部位で行われ得、次いで注入された組成物の拡散によって延在し、充填空間の充填と関連付けられたマイクロレジオンを引き起こす。これらの微小病変は、局所炎症反応および微小環境およびマトリックスアーキテクチャの破壊につながり得る。式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーは、したがって、炎症性組織応答によってこの組織侵入に応答して活性化され得る内因性ヘパラン硫酸の代わりに、したがって、ヒアルロン酸が微小環境の空間を満たしている間、マトリックスアーキテクチャの再構築を支援することができる。病変によって引き起こされるグリカナーゼは活性化され得るが、有利には式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーによって阻害され、さらに有利には還元を可能にし、組織充填の長期間を可能にする。さらに、示ように、線維芽細胞性皮膚細胞に相乗的かつ予期せぬ効果を有する式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物は、有利に、組織を問わず、1型コラーゲン(COL1)の合成および量、ならびに組織マトリックスの強化を増加させることを可能にする。
【0302】
したがって、この実施例は、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物が、皮膚のバリア機能を強化することを有利に可能にし、特に、皮膚の水和、厚さ、しなやかさなどを改善することによって、皮膚の品質および外観の改善を可能にすることを明確に示す。さらに、本実施例は、特にコラーゲンの分解に関与する酵素の阻害、およびコラーゲン合成の誘導/刺激に起因する効果が持続することも明らかにする。
【0303】
さらに、この実施例はまた、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物が、より良い品質の細胞外マトリックスを再現することを有利に可能にし、それが次いで、より良い品質の細胞応答を間接的にもたらすことを明確に示す。このループ効果は、治療の有益な期間および抗老化効果を伸ばす。
【0304】
実施例4:皮膚老化の治療のための、式AaXxYyまたはAaXxYyZzの生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物の使用
この実施例では、RGTA OTR4131およびヒアルロン酸を含む化粧用組成物を局所適用によって使用した。特に、20mg/mLのヒアルロン酸(分子量-400~700kD)を含む1μg/mLのRGTA OTR4131を含有するFOR075.039と称されるデイクリーム、20mg/mLのヒアルロン酸(分子量-400~700kD)を含む1μg/mLのRGTA OTR4131を含有するFOR075.040と称されるナイトクリーム、および40mg/mLのヒアルロン酸(分子量-400~700kD)を含む2μg/mLのRGTA OTR4131を含有するFOR075.041と称される血清を使用した。Biphil.(http://www.biophilgroup.com/)に由来するヒアルロン酸。
【0305】
表5~7は、使用される組成物の特徴を要約しており、使用される式AaXxYyZzの生体適合性ポリマーは、これらの表においてカルボキシメチルデキストランアセテート硫酸ナトリウムと称される:
【表5】

【表6】

【表7】
【0306】
本試験は、平均年齢62±1歳(47歳および67歳)の女性の目標母集団を対象に行い、その皮膚タイプおよびフォトタイプは以下のように分布している。50%は混合肌、9%は正常肌、および43%は乾燥肌であり、2つのフォトタイプに分けられた。2型が59%、3型が41%。
【0307】
適用および適用頻度を以下の表8に記載する。結果を、3D Primoシステム(商標)Lite、Conometre(商標)、DUB(商標)、Skin Scanner Conometre(商標)、および収集が可能であるアンケートの臨床スコアを使用して分析した。
【表8】
【0308】
この実施例では、組成物の以下の効果を試験した。
-抗老化効果、
-平滑効果、
-解毒効果、
-皮膚のハリ感、弾力性、しなやかさへの影響、
-皮膚密度を高める効果/うるおいを保つ効果、
-水和効果。
【0309】
特に、以下のパラメータを評価した。
-3D Primos(登録商標)システムを使用して測定した生成物の平滑効果/抗しわ効果、
-ライト、
-臨床試験を担当する技術者が行う臨床スコアリングによるそれらの解毒効果、
-Cutometre(登録商標)を使用した測定による、皮膚の生体力学特性への影響、
-DUB(登録商標)SkinScannerを使用した真皮の密度測定による、それらの皮膚密度を高める効果、
-単一の標準適用から2~4時間後の水和効果、
-Corneometre(登録商標)を使用した測定による検査(11名のボランティアのみに関連)、
-高分子シリコーンSilflo(登録商標)でのスキンインプレッションレプリカの取得および収集、
-主観的評価アンケートへのボランティアの応答を分析することによる、それらの美容的許容性、有効性、その後の使用を主観的な評価、
-望ましくない反応の収集。
【0310】
得られた結果を次の表9~13に要約する。
【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】
【0311】
上記の表に示すように、本発明による組成物の例は、皮膚の輝度および明るさ、顔色の均一性、皮膚の質感、皮膚の清涼感、弾力性および皮膚のトーンを改善するために、抗しわ効果を有する皮膚の水和を増加させることを有利に可能にした。
【0312】
以下の表14は、得られた結果を含み、使用される組成物の有効性を示す。
【表14】
【0313】
試験中に望ましくない反応は観察されず、組成物はその特徴および有効性のために大多数のボランティアに好評であった。実際、95%を超える被験者は、試験した組成物の使用を継続することを望んだ。
【0314】
上記に示すように、本発明による組成物の例は有利に、抗しわ効果を有する相乗的な方法で皮膚の水和率を増加させ、皮膚の輝度および明るさ、顔色の均一性、皮膚の質感、皮膚の清涼感、皮膚の弾力性およびトーンを改善することを可能にした。
【0315】
さらに、本実施例は、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアル
ロン酸を含む本発明による組成物の実施例が、皮膚の抗老化効果、特に抗しわ効果として、皮膚の外観を改善することを有利に可能にし、皮膚を滑らかにすることを可能にすることを明確に示す。さらに、この実施例は、本発明による組成物の実施例が、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含み、有利に皮膚を解毒することを可能にすると同時に、その機械的特性、例えば、その弾力性およびそのしなやかさを増加および改善することを明確に示す。
【0316】
さらに、本実施例は、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む本発明による組成物の実施例が、皮膚の水和を改善することを有利に可能にすることを明確に示す。
【0317】
実施例5:RGTAおよびHA混合物の皮内または皮下注射によるラインの充填への影響
ラインを低減させるために皮下注射およびHAの注射を介したRGTA 4120またはOTR4131の使用、ならびにこの効果の持続期間にわたって、医師および/または患者によって実施された。
【0318】
投与は、医師または患者の主導で、自己または自己のために(患者が医師であることが可能である)、または自己のために、OTR4120またはOTR4131に基づいて市販されている滅菌生成物、およびHAを使用して行われ、HAは(インターネットまたはその他の国によって異なる)、時には研究を目的としたサンプルからも入手可能であった。
【0319】
すべての場合において、これらの使用は適応外であり、異なる供給源の2つの生成物RGTAおよびHAを、異なる指示された組み合わせで、異なる指示された動作様式に従って投与し、その効果を以下に要約する。
【0320】
様々なライン領域(特に、目尻の小じわ、額のライン、眉のライン、口の周りのライン、ほうれい線、唇歯のひだ、目の下のたるみ、ネックラインなど)において、患者自身によって時には複数の異なる製剤および動作様式が施された。
【0321】
投与様式は、独立して以下のようであった。
-ヒアルロン酸HAとRGTA OTR4120または4131の混合物の同時注入を注射前にシリンジ内で実施した(1ヵ月以内に繰り返すことができる)、または
-HA注射に続いて、RGTA(OTR4120または4131)とHAの混合物を24時間または48時間後に注射する。
【0322】
RGTA OTR4120またはOTR4131は、それぞれ100μg/mL(5mLのバイアルに)および10μg/mL(1mLのバイアルに)の滅菌溶液中の生理的血清である。
【0323】
RGTA単独の注射量は、注射部位ごとに1mLを超えない。
【0324】
注射様式は、インスリンまたはメソセラピータイプの針を使用して実施される。
【0325】
ヒアルロン酸またはHAは、異なるサイズまたは架橋された異なる天然由来であり、国によって(ウェブサイト、薬局、または医師との流通ネットワークを介して)自由に市販されている。
【0326】
HAは、0.5~25mg/mL、好ましくは10~20mg/mLの溶液である。
【0327】
ラインに対する効果は、処置された個体の満足度によって評価される。
【0328】
すべての場合において、改善は、注射プロセスに関連する炎症の兆候(赤み、痛み)の目に見える効果および消失によって、2週間後に特定される。この急速な効果は、特に炎症の兆候の急速な消失にも驚くべき効果である。
【0329】
1ヵ月後、6ヵ月後にも効果が確認され、すべての治療に対して高い満足度がある。この効果は、経時的には珍しく、架橋されておらず、高分子量である天然HAの場合でも持続が観察される。
【0330】
したがって、この実施例は、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む本発明による組成物の例が、有利に、皮膚の外観を改善することを可能にし、ラインおよび/またはしわを充填するために使用され得ることを明確に示す。さらに、本実施例は、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む本発明による組成物の例が、炎症反応の可能性を制限しながら、望ましくない副作用なしで迅速な効果を達成することを有利に可能にすることを明確に示す。
【0331】
この実施例は、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む本発明による組成物の例が、皮膚の外観を改善することを有利に可能にし、組成物の複数回および/または繰り返しの適用を必要とすることなく、ラインおよび/またはしわを充填するために使用され得ることを明確に示す。
【0332】
最後に、この実施例は、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む本発明による組成物の例が、皮膚の外観を改善することを有利に可能にし、例えば、適用後6か月間、持続的な方法でラインおよび/またはしわを充填するために使用し得ることを明確に示す。
【0333】
実施例6-皮膚老化に対する式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸の使用
この実施例では、局所適用のための組成物を調製する。これは、OTR41201もしくはOTR41202もしくはOTR41203、または実際にはOTR413101、OTR413102、OTR413103のファミリーを0.1 1、10または100μg/mLの最終生成物の用量で含む局所製剤であり、特に、局所適用のための組成物は、OTR41201またはOTR41202を1~10μg/mLの用量で、ヒアルロン酸の有無にかかわらず、0.1mg/mL、好ましくは20mg/mL、好ましくは10mg/mLの濃度で含むように調製される。
【0334】
クリーム製剤は、実施例4で使用されるものに対応する。
【0335】
これらの組成物は、単独で適用として使用されるが、上記実施例5に記載されるように、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物を使用してラインを充填するための適用および/または処置に加えて使用される。
【0336】
この実施例では、上記実施例5に記載のラインの充填後、OTR41201またはOTR412002を最終生成物の0.1、1、10または100μg/mLで含み、0.1mg/mLからの濃度、好ましくは20mg/mLの濃度のヒアルロン酸を伴うまたは伴わない1~10μg/mLの用量のOTR41201またはOTR412002を含む上述の局所用組成物、特に局所適用のための組成物を調製し、以前に処置されたゾーンに適用する。
【0337】
使用される式AaXxYyまたはAaXxYyZz、具体的にはOTR41201またはOTR41202のポリマーは、有利には、表皮のバリアを通過することを可能にし、真皮のゾーンに浸透し、以前に投与された組成物の局所効果を強化することができる低分子量を有する。例えば、それは、有利には、コラーゲンの分泌およびその極性をさらに増加させることができるが、グリカナーゼによる分解に対するHAの産生を増加させ、ならびにRGTAおよびHAの細胞微小環境に対する好ましい効果を維持および/またはさらに伸ばすことができる。
【0338】
さらに、本実施例は、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む本発明による組成物の実施例が、皮膚の外観を改善することを有利に可能にし、特にコラーゲンの分泌およびその極性の増加に起因して、皮膚の構造を改善することを有利に可能にするが、グリカナーゼによる分解からのHAの保護を増加させることも可能であることを明確に示す。さらに、本実施例は、本発明による組成物の実施例が、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含み、長期間にわたって持続的な効果を達成することを有利に可能にし、および/または有利に、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸の細胞微小環境に対する好ましい相乗効果をさらに伸ばすことを明確に示す。
【0339】
実施例7:注射による膣乾燥の治療における、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸の使用
この実施例では、使用される組成物は、生理的血清中の異なる供給源から10μg/mLのOTR4120および20mg/mLのHAを含む、上記実施例5に記載の組成物である。混合物は、シリンジによってOTR4120の溶液100μLを取ることによって調製され、次いで、当該シリンジを、アダプタを介して、注入されるHA溶液を含有するシリンジに接続した後、内容物を一方のシリンジから他方のシリンジに渡す。
【0340】
一つの事例では、本発明の生成物の非常に表面的な少量の注射、すなわち100μLの組成物が、膣と小陰唇の開口部との間に位置する領域の粘膜内で行われた。それらは、開口部のすぐ後ろにある膣の周囲に十数箇所に分配される。次いで、生成物を均一に広げるために、注射ゾーンをその後マッサージした。組織に対する充填および/または水和効果の比較を、単にヒアルロン酸を含む通常の組成物と比較して、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物との間で行う。医師によれば、本発明による組成物の例、すなわち、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む組成物を使用して達成された効果は、経時的に、ヒアルロン酸のみを含む組成物を使用した治療よりも良好であると考えられた。
【0341】
本実施例は、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む本発明による組成物の実施例が、有利に、膣の乾燥を治療および/または改善することを可能にすることを明確に示す。特に、本実施例は、本発明による組成物の実施例が、生体組織、特に粘膜、特に膣粘膜を水和させることを可能にすることを明確に示す。
【0342】
実施例8:式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸の膣乾燥の治療のための使用
この実施例では、使用される組成物は、上記実施例7に記載される組成物、すなわち、生理的血清中に異なる供給源から10μg/mLのOTR4120および20mg/mLのHAを含有する組成物である。指にゲルを適用し、膣粘膜をマッサージする。この処置を、実施例7に従って実施した注射の数週間後に行うことができる。
【0343】
OTR41203を用いて調製したゲルの使用も非常に効果的であることが報告されている。
【0344】
本実施例は、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む本発明による組成物の実施例が、有利に、膣の乾燥を治療および/または改善することを可能にすることを明確に示す。特に、本実施例は、本発明による組成物の実施例、特に局所適用において、生体組織、特に粘膜、特に膣粘膜を水和することを可能にすることを明確に示す。
【0345】
実施例9:式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸をドライアイの治療に使用すること。
この実施例において、使用される組成物は、100μg/mLのRGTA OTR4120に基づくCACICOL(商標)を含むヒアルロン酸を含む洗眼剤に対応する。したがって、3~4用量のCACICOL、すなわち、100μg/mLの約1.3mLのOTR4120または1mLのCACIPLIQ(100μg/mLのOTR4120)を、ヒアルロン酸の0.15g/mLの溶液10mLに(例えば、ABAK thealose(Thea laboratories)またはViskyalもしくはAqualarmのタイプの複数用量のバイアルに)添加する。
【0346】
重度の眼の乾燥(シェーグレン)を患っている数名の患者を、ヒアルロン酸および式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマー、具体的にはOTR4120を含む洗眼混合物で、6時間毎に1滴の投与によって処置した。この頻度で混合物の滴を添加する必要性は非常に急速に減少し、1日あたり2滴、次いで1滴に達し、2日または3日ごとに1滴で安定化する。特に、通常の洗眼と比較して、生成物を適用するための患者の必要性の低減、および/または治療の頻度および治療期間の低減によって、眼の乾燥の低減が観察された。この効果は、洗眼剤CACICOL(Evaluation of a new
matrix regenerating agent in patients with Sjogren syndrome and superficial ulcerative keratitis resistant to conventional therapy:A report of 3 cases.Fajnkuchen F,Barritault D,Giocanti-Auregan A.Medicine(Baltimore).2018 Mar;97(10):e9935.doi:10.1097/MD.0000000000009935.[29])。しかし、驚くべきことに、この効果は、本発明による組み合わせの場合、すなわち、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸においてはるかに速く、さらに、より安定しており、特に有利に、より長持ちする涙液系の再構築を促進することが可能であり、特に、本発明による組成物の適用を維持することが可能である。
【0347】
本実施例は、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む本発明による組成物の実施例が、眼の乾燥を治療および/または改善することを有利に可能にすることを明確に示す。特に、この実施例は、特に局所適用において、本発明による組成物の実施例が、生体組織、特に角膜を水和させることを可能にし、有利には、涙液系を促進および/または復元させることを可能にすることを明確に示す。
【0348】
実施例10:再水和、乾燥の保守、および毛髪の再成長のための、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸の使用
この実施例では、使用される生成物は、生理的血清中1mgのOTR41302と混合した100g中0.2%ヒアルロン酸の混合物を含有するIalusetクリーム(Genevrier laboratory(www.laboratoires-genevrier.com))で構成される。このクリームは3日ごとに使用し、髪の毛にもみ込む。
【0349】
この処置は、抜け毛を予防する効果を示し、有利には、処置された対象において毛髪の再成長を刺激することができる一方で、HA単独またはRGTA単独を含有する組成物は、効果を、特に顕著な効果を示さない。
【0350】
上記実施例8に記載の組成物も本出願に使用できる。
【0351】
本実施例は、本発明による組成物の実施例が、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含み、有利に、キャピラリー繊維を水和しながら、頭皮を再水和することを可能にすることを明確に示す。さらに、本実施例は、本発明による組成物の実施例が、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含み、有利に、抜け毛を予防するおよび/または毛髪の再成長を刺激することを可能にすることを明確に示す。さらに、本実施例は、本発明による組成物の実施例が、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含み、有利に、脱毛症を予防および/または治療することを可能にすることを明確に示す。
【0352】
実施例11:表皮の剥離、または皮膚もしくは粘膜の病変に起因する表層の皮膚熱傷(熱または放射線後)、または皮膚剥離および皮膚潰瘍によって引き起こされる病変、例えば、会陰切開後の治療のための、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸の使用。
この実施例では、使用される化合物は、実施例6に記載の化合物または上記実施例10に記載の化合物と同一である。
組成物は、生理的血清(または水)中に0.05~1%のヒアルロン酸および10μg/mLのOTR4132もしくはOTR4135もしくはOTR4120もしくはOTR4122もしくはOTR4125を含むスプレー形態で調製される。これらの組成物は、表面の火傷を治療するのに特に適切かつ効果的であることが見出されている。さらに、特にスプレー形態での製剤の使用は、組成物の適用中に生じ得る疼痛および病変の悪化のリスクを予防することを可能にした。
【0353】
当該スプレー用の水溶液製剤は、脂肪酸を有利に含有せず、これにより、まだ除去されず、クリームに由来し、バーベキュー」効果による火傷の悪化の原因である脂肪酸の残留物の存在によって引き起こされるリスクが回避される。
【0354】
この製剤はまた、相乗的な方法で、より良い品質の瘢痕をもたらし、疼痛を軽減するのにある程度の有効性を示しており、これは、別々に使用される生成物のいずれにおいても認めることができなかった。
【0355】
RGTAベースの非常に高い分子量を有する生成物、特にOTR4122、OTR4125、およびスプレーとして、およびヒアルロン酸との混合物中に調剤されるOTR4132およびOTR4135のアセチル化基を含有する形態は、特に表皮水疱症を患っている患者に当該スプレーが使用された場合にさらに有効であることが証明されており、この症状の場合OTR4120単独での記載の効果をさらに改善する(A Rapid Response to Matrix Therapy With RGTA in Severe Epidermolysis Bullosa.Malaq AA,Barritault D.Eplasty.2012;12:ic15[30])。さらに、本発明による組み合わせおよび/または組成物の使用は、有利には、より固化した閉鎖創および/またはその瘢痕がより効果的である閉鎖創、例えば、再開により耐性があるように見える閉鎖創を得ることを可能にする。
【0356】
同様に、疼痛は、表皮水疱症の実施例に記載のように、スプレー形態またはゲル形態での生成物の局所適用中、または(実施例8による)ゲルの局所適用またはスプレーの局所
適用による会陰切開の瘢痕中に著しく低減される。
【0357】
さらに、これらの実施例は、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む本発明による組成物の実施例が、例えば、創傷および/または皮膚熱傷の瘢痕を促進することを有利に可能にすることを明確に示す。さらに、この実施例は、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む本発明による組成物の実施例が、有利に、表皮水疱症に起因する皮膚潰瘍、または粘膜の切開または裂傷に起因する病変の瘢痕を促進することを可能にし、さらに有利に、瘢痕品質の増加および痛みの軽減を有する持続的な瘢痕を可能にすることを明確に示す。
【0358】
実施例12:口腔潰瘍、歯肉疾患または粘膜炎の治療のための、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸の使用
この実施例では、ヒアルロン酸(10mg/mL)と混合した10μg/mLのRGTA OTR4120またはRGTA OTR41202を含む水性製剤を調製する。水溶液は、20mLのガラスバイアルで独立して配置され、各タッチで140μL/を送達するポンプを備えたストッパーによって閉じられる。組成物を、口腔潰瘍、歯肉疾患、または粘膜炎を患っている患者の口に直接スプレーする。したがって、特にスプレーの形態で投与される本発明の生成物は、口腔潰瘍、歯肉疾患、および粘膜炎の治療のための大幅に改善されたレベルの有効性を示し、特に、口腔潰瘍、歯肉疾患、および粘膜炎の治療に対する効果は、別々に摂る各生成物よりもはるかに速い。
【0359】
本実施例は、本発明による組成物の実施例が、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーをおよびヒアルロン酸含み、有利に、口の創傷および/または病態の治療を可能にすることを明確に示す。特に、本実施例は、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む本発明による組成物の実施例が、有利に、口腔潰瘍、歯肉疾患および粘膜炎を治療することを可能にし、したがって、修復を促進し、かつ/または頬粘膜の外観および/または構造を改善することを明確に示す。
【0360】
実施例13:運動系(関節、腱、靭帯、椎間板)および下顎関節の変化の治療における、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸の使用
この実施例では、使用される製剤は、10μg/mLのRGTA OTR4120またはOTR4131を、実施例5で使用されるものなどの10~25mg/mLの好ましい濃度で典型的に使用されるヒアルロン酸と組み合わせる。
【0361】
組成物は、損傷領域に近いか、または病変の部位に直接、例えば、病変が軟骨、骨関節、もしくは腱内、もしくは腱周囲、もしくは筋肉内である場合には関節内経路を介して、裂傷または張りの場合には筋肉内に注射することによって適用される。本発明の生成物は、病変の領域内および周囲に容易に拡散し、病変によって作成された空間を満たす。
【0362】
それぞれ独立して治療された人々は、症状および/または運動系の変化を示しており、例えば、関節の領域では、すなわち、膝または股関節部の関節炎において、一時的な顎のトラブルなど、腱の領域では、すなわち、腱繊維または靭帯繊維の部分断裂、これは競走馬におけるOTR4131生成物についてJacquet-Guibon S,2018[20]がすでに記述しており、もしくはBarritault D et al.によるレビュー[18]、特に椎骨の融合[18]、もしくは椎間板内ゾーンの領域に近接して注射、またはCarnicer Davidによる論文、暫定報告-馬においてRGTAで治療した腱病変の超音波検査の進展、Maison Alfort National Veterinary School、February 2009[36]があり、靭帯の領域での下顎関節障害の一例では、線維軟骨関節円板、椎間板靭帯、および下顎筋に近接する関節周囲領域内のゾーンへの注射によって治療され、または実際に椎間板の
領域では、具体的に椎間板(L1)の平坦ゾーンにおける変化がある。
【0363】
これらの治療において、結果および効果は、迅速であり、特に疼痛は即時消失し、さらに有利には、効果は1年以上にわたって、特に本発明による組成物の例、特にHAと関連するかまたは関連しない低分子量、例えば3000~6000ダルトンのポリマーを有利に含む実施例6に記載されるクリームの局所適用と関連して長期間持続する。
【0364】
本発明による組成物の例を用いて得られた結果および効果は、Jacquet-Guibon S,2018[20]またはCarnicer[36]による試験に記載のように、RGTA単独を用いて得られた結果および効果よりも有利に大きい。
【0365】
さらに、特に有益な、驚くべき、および予期しない効果が、関節および腱損傷の治療のための注射用調製物に対して有利に観察されている。椎間板損傷に伴う疼痛の場合も同様であり、1年以上経過しても再発することなく消失している。
【0366】
本実施例は、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む本発明による組成物の実施例が、有利に、運動系の病態および/または状態を治療することを可能にすることを明確に示す。特に、この実施例は、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む本発明による組成物の実施例が、有利に、関節損傷、腱性損傷、椎間板に関連する病態、例えば、椎間板の圧縮、椎間板への損傷、例えば、その構造を復元することによって、および/またはその瘢痕を促進することによって、治療を可能にすることを明確に示す。さらに、本実施例はまた、本発明による組成物の実施例が、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含み、例えば、椎間板への損傷に関連する疼痛などの相乗的な方法で疼痛を治療することを有利に可能にすることを明確に示す。
【0367】
実施例14:歯周疾患の治療における式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸の使用
この実施例では、実施例5または13に記載された組成物を独立して使用した。組成物は、特に、損傷領域における局所適用において、充填、歯周ポケット、骨グラフトの注入によって、独立して使用される。
【0368】
組成物は、歯茎内または歯周ポケットの領域内に直接注入されるか、または当該ポケット内に堆積されるかのいずれかである。
【0369】
適用後、本発明による組成物は、単独で使用される式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーに基づく生成物を使用して観察される、歯周損傷または生着の改善された吸収を可能にした。さらに、本発明による組成物の例は、有利に、歯周病理の治療、特に歯を支持する組織の欠如の充填、および歯茎の修復を可能にした。
【0370】
さらに、本発明による組成物の例によって得られた結果は、例えば、Barritault D et al.2017[18]に記載のように、または当業者の見解では、HAのみを用いて得られた結果と比較して、治療において改善された有効性、および予想外に相乗効果を示す。
【0371】
実施例15-式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む歯科ペースト
生体適合性ポリマーおよびヒアルロン酸を含む本発明による組成物は、すべてのタイプの歯科用ペーストに容易に組み込むことができ、歯磨き粉として局所適用に使用することができる。
【0372】
この実施例では、歯科用ペーストは、特に1日2回の使用のためのペーストであり、独立して、1μg/mLの濃度のRGTA OTR4120またはOTR4131および20mg/mLの濃度のヒアルロン酸含む。
【0373】
歯科用ペーストは、特に、1日2回の使用に有用であり、有利には、歯周疾患の治療および/または予防を可能にする。
【0374】
実施例16:線維症の治療における式AaXxYyまたはAaXxYyZzおよびヒアルロン酸のポリマーの使用、組織接着剤の例
この実施例では、10μg/mLの濃度のRGTA OTR4120またはOTR4131および5~20mg/mLの濃度のヒアルロン酸を含む組成物を使用する。
【0375】
実施例2に実証されるように、10μg/mLのヒアルロン酸と組み合わせたRGTAOTR4120またはOTR4131は、線維症において過剰発現される3型コラーゲンの量を低減させるだけでなく、通常の組織に非常に近いCOL3/COL1比率を達成するために、1型コラーゲンの量を増加させるための相乗効果を有するが、これは、頂端側ではなく基底側の分泌を促進する能力によるものである。
【0376】
混合物のこの特性は、特に、例えば、実施例6、10、および12に記載のように、術後の開放適用のためのスプレー形態での本発明の生成物の使用の場合に利用される。例えば、腹腔鏡切開後、閉鎖前、またはインプラント、例えばペースメーカ、プロテーゼ、カテーテルを導入する瞬間に、スプレーの噴霧によって組織および臓器を覆い、経時的に生じる結合組織の接着を低減することが望ましい。
【0377】
これらの適応症において、スプレーの使用は非常に効果的であることが見出され、特に、第2の開腹手術を実施した患者において検証することができた。
【0378】
本実施例は、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む本発明による組成物の実施例が、線維症の予防および/または治療を有利に可能にすることを明確に示す。特に、本実施例は、例えば、腹部手術後の腹部領域において、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む本発明による組成物の実施例が、接着板の形成を予防することを有利に可能にすることを明確に示す。
【0379】
実施例17:線維症の治療における式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸の使用
この実施例では、10μg/mLの濃度のRGTA OTR4120またはOTR4131、および0.1~2mg/mLの濃度のヒアルロン酸を含む組成物を使用する。
【0380】
この実施例では、線維は、特に筋肉または脳虚血の領域に存在する線維である。
【0381】
組成物の投与は、当業者に既知の通常の方法に従って行われる。
【0382】
RGTAは、筋肉[26;27]または脳虚血(Theranostics.2018
Nov 12;8(21):5814-5827.doi:10.7150/thno.28252.eCollection 2018.,A heparan sulfate-based matrix therapy reduces brain damage and enhances functional recovery following stroke.Khelif Y,Toutain J,Quittet MS,Chantepie S,Laffray X,Valable S,Div
oux D,Sineriz F,Pascolo-Rebouillat E,Papy-Garcia D,Barritault D,Touzani O,Bernaudin M.[31])の機能回復に対する保護的および抗線維症効果で知られている。
【0383】
この実施例において、RGTA、例えばOTR4120または4131とヒアルロン酸との組み合わせは、線維症の治療においても、加えて、治療された線維性筋肉の機能的回復においても相乗効果を有する。
【0384】
本実施例は、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む本発明による組成物の実施例が、線維症、特に筋線維症の治療を有利に可能にすることができることを明確に示す。特に、この実施例は、式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸を含む本発明による組成物の実施例が、組織、例えば、線維性筋肉の機能回復を改善しながら、線維化の形成を予防することを有利に可能にすることができることを明確に示す。
【0385】
実施例18:変性疾患の治療における式AaXxYyまたはAaXxYyZzのポリマーおよびヒアルロン酸の使用。
この実施例では、10μg/mLの濃度のRGTA OTR4120またはOTR4131、および0.1~2mg/mLの濃度のヒアルロン酸を含む組成物を使用する。
【0386】
RGTAはまた、神経変性疾患(EP12305414[32])、特にRGTAの動脈内または脳内投与による治療における効果でも知られている。
【0387】
組成物の投与は、当業者に既知の通常の方法に従って、特に動脈内または脳内投与によって行われる。
【0388】
対象は、例えば、EP12305414[32]に記載のように、特に神経変性疾患を患っている。
【0389】
この実施例において、例えばOTR4120または4131のRGTAとヒアルロン酸との組み合わせはまた、神経変性疾患の治療において相乗効果を有する。
【0390】
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図1
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