(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-21
(54)【発明の名称】ゴーグル
(51)【国際特許分類】
A63B 33/00 20060101AFI20220414BHJP
A61F 9/02 20060101ALI20220414BHJP
【FI】
A63B33/00 A
A61F9/02 325
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544148
(86)(22)【出願日】2020-01-29
(85)【翻訳文提出日】2021-09-22
(86)【国際出願番号】 EP2020052157
(87)【国際公開番号】W WO2020157127
(87)【国際公開日】2020-08-06
(32)【優先日】2019-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500286078
【氏名又は名称】スピード・インターナショナル・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】特許業務法人藤央特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トムリンソン ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン クリス
(72)【発明者】
【氏名】オスマン トム
(57)【要約】
【解決手段】一対のアイピースを備える保護用眼鏡であって、前記一対のアイピースの各々は、ノーズブリッジによって離間された二つの対向する内側面の一つを定める。前記内側面の少なくとも一つは、前記ノーズブリッジに設けられた位置決めリブにスライド可能及び解放可能に係合するスロットを有する。前記スロットは、スロットロック要素を有し、前記ノーズブリッジは、ノーズブリッジロック要素を有する。前記ノーズブリッジの位置決めリブが前記スロット内に係合する使用時の構成において、前記スロットロック要素及びノーズブリッジロック要素は、前記スロット内で協働して、前記位置決めリブを解放可能に前記スロット内に固定する。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のアイピースを備える保護用眼鏡であって、
前記一対のアイピースの各々は、ノーズブリッジによって離間された二つの対向する内側面の一つを定め、
前記内側面の少なくとも一つは、前記ノーズブリッジに設けられた位置決めリブにスライド可能かつ解放可能に係合するスロットを有し、
前記スロットは、スロットロック要素を有し、
前記ノーズブリッジは、ノーズブリッジロック要素を有し、
前記ノーズブリッジの位置決めリブが前記スロット内に係合する使用時の構成において、前記スロットロック要素及びノーズブリッジロック要素は、前記スロット内で協働して、前記位置決めリブを解放可能に前記スロット内に固定する保護用眼鏡。
【請求項2】
請求項1に記載の保護用眼鏡であって、
前記スロットロック要素及び前記ノーズブリッジロック要素の一方は凸部であり、他方が凹部である保護用眼鏡。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の保護用眼鏡であって、
前記位置決めリブは、ウェブによってノーズブリッジの側端から離間されている保護用眼鏡。
【請求項4】
請求項3に記載の保護用眼鏡であって、
前記ノーズブリッジロック要素は、ウェブ上に提供される保護用眼鏡。
【請求項5】
請求項4に記載の保護用眼鏡であって、
前記ノーズブリッジロック要素は、前記位置決めリブと前記ノーズブリッジの外側端部との間に延在するリブである保護用眼鏡。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の保護用眼鏡であって、
前記内側面の少なくとも一つは、前記スロットを定めるように、内側面から直立したスカートを有する保護用眼鏡。
【請求項7】
請求項6に記載の保護用眼鏡であって、
前記スロットは、全体として細長く、内側面の使用中の上端と下端との間の内側面に沿って延在する保護用眼鏡。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の保護用眼鏡であって、
前記位置決めリブを前記スロット内にスライド挿入可能なように、前記スカートが開放端を有する保護用眼鏡。
【請求項9】
請求項8に記載の保護用眼鏡であって、
前記スカートの開放端が、前記スカートの下端である保護用眼鏡。
【請求項10】
請求項6から9のいずれか一つに記載の保護用眼鏡であって、
前記ノーズブリッジは、前記使用時の構成において、位置決めリブがスロット内に受け入れられたときにスロット内に装着されるように配置されたシーリングリブを有する保護用眼鏡。
【請求項11】
請求項10に記載の保護用眼鏡であって、
前記スロットは、
位置決めリブを受け入れるための最も内側の部分と、
前記スカートの末端部によって定められ、前記使用時の構成において、シーリングリブが装着される最も外側の部分とを有し、
前記スカートは、前記最も内側の部分と前記最も外側の部分との間に挿入され、少なくとも部分的に離間している内部凸部を有する保護用眼鏡。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の保護用眼鏡であって、
前記シーリングリブは、
前記ノーズブリッジの側端部と、前記シーリングリブの第1の端部と、対応する前記位置決めリブの第1の端部の間に挿入されたウェブに接続された第1の端部と、
前記シーリングリブの第1の端部に対向し、対応する位置決めリブの第2の端部に接続される第2の端部とを有する保護用眼鏡。
【請求項13】
請求項10から12のいずれか一つに記載の保護用眼鏡であって、
前記シーリングリブは、ノーズブリッジに面する内側面を有し、
前記内側面は、前記使用時の構成において、対応するスカートの末端面と実質的に一平面になるように配置される保護用眼鏡。
【請求項14】
請求項13に記載の保護用眼鏡であって、
前記内側面及び対応する末端面は、前記使用時の構成において、ほぼ連続的な流体力学的な眼鏡の外面を形成する保護用眼鏡。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一つに記載の保護用眼鏡であって、
前記ノーズブリッジが可撓性プラスチック材料で形成されている保護用眼鏡。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一つに記載の保護用眼鏡であって、
前記アイピースがレンズ部及び可撓性内部ガスケットを有し、
前記スロットが、前記レンズ部を延長して形成される保護用眼鏡。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一つに記載の保護用眼鏡であって、
前記スロットロック要素及び前記ノーズブリッジロック要素は、互いにスナップ係合することによって協働するように構成される保護用眼鏡。
【請求項18】
請求項17に記載の保護用眼鏡であって、
前記スナップ係合は、ユーザに分かるフィードバックを生じる保護用眼鏡。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか一つに記載の保護用眼鏡であって、
前記ノーズブリッジは、対向する第1の側端及び第2の側端の各々に設けられ、ブリッジ部によって離間した二つの位置決めリブを有し、
前記アイピースの内側面の各々は、前記位置決めリブの一つにスライド可能かつ解放可能に係合するスロットを有し、
前記各スロットは、スロットロック要素を有し、前記ノーズブリッジの第1の側端及び第2の側端の各々は、ノーズブリッジロック要素を有する保護用眼鏡。
【請求項20】
保護用眼鏡キットであって、
各々が位置決めリブとノーズブリッジロック要素を有する複数のノーズブリッジと、
各々が二つの対向する内側面の一つを定める一対のアイピースとを有し、
少なくとも一つの前記内側面は、前記複数のノーズブリッジの一つのノーズブリッジの位置決めリブにスライド可能かつ解放可能に係合するスロットを有し、
前記スロットは、前記ノーズブリッジの位置決めリブがスロット内に係合する使用時の構成において、スロットロック要素とノーズブリッジロック要素が前記スロット内で協働して、前記位置決めリブを前記スロット内に解放可能に固定するスロットロック要素を有する保護用眼鏡キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼鏡、特に水泳用ゴーグルなどのスポーツ用の眼鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
着用者の目の保護及び/又は視覚の確保のために、ゴーグルの着用が望ましい。例えば、着用者の目への水の接触を防止するため、水泳中の者がゴーグルを着用することがある。これは、着用者の視覚に不快感や障害を引き起こす可能性があるためである。
【0003】
通常、水泳用ゴーグルは、ノーズブリッジで接続された一対のフロントレンズ部を有する。各フロントレンズ部は、着用者の顔に向けた後方に延伸し、着用者の顔と気密を形成するガスケットによって囲まれる。気密は、着用者の目と水との接触を最小限にする。
【0004】
特定のモデル又はバージョンの水泳用ゴーグルは、多くの場合、一つのサイズで提供される。このことは、着用者の顔のサイズと形の違いにより、一部の着用者に問題を引き起こす可能性がある。例えば、(ゴーグルのサイズが着用者の顔のサイズと形に適していないため)ゴーグルは着用者にとって不快な場合がある。さらに、場合によっては、着用者はゴーグルと着用者の顔との間の適切な気密を得ることができない。
【0005】
上記の問題の少なくとも一つを軽減する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
第1の態様では、本発明は、それぞれがノーズブリッジによって離間された二つの対向する内側面の一つを定める一対のアイピースを備える保護用眼鏡を提供し、
前記内側面の少なくとも一つは、前記ノーズブリッジに設けられた位置決めリブにスライド可能かつ解放可能に係合するためのスロットを有し、
前記スロットは、スロットロック要素を有し、
前記ノーズブリッジは、ノーズブリッジロック要素を有し、
前記ノーズブリッジの位置決めリブが前記スロット内に係合する使用時の構成において、前記スロットロック要素及びノーズブリッジロック要素は、前記スロット内で協働して、前記位置決めリブを解放可能に前記スロット内に固定する。
【0007】
少なくとも一つのアイピースとスライド式に解放可能に係合可能な前記ノーズブリッジによって、例えば、異なるサイズのノーズブリッジが付属し、ノーズブリッジの容易な交換を可能にする単純な構造を提供できる。従って、着用者は、着用者の顔のサイズ及び形状に適切なノーズブリッジを選択(及び使用)できる。ロック要素(すなわち、ノーズブリッジ及びスロットロック要素)の提供は、ノーズブリッジが(解放可能に係合した)使用中のアイピースからの外れを回避するために、ノーズブリッジをスロット内に保持できることを意味する。
【0008】
スロット内の(スロット外ではなく)前記ノーズブリッジロック要素とスロットロック要素の協働は、ノーズブリッジとアイピースとの間のより信頼性の高い係合を提供する。場合によっては、ノーズブリッジはアイピースより概ね柔らかくてもよい(例えば、アイウェアをユーザの顔に適合させるため)。しかし、スロットに受け入れられるノーズブリッジの部分(例えば、位置決めリブ及びノーズブリッジロック要素)は、スロットを定めるアイピースの(柔軟性が低い)側面から支持されるため、屈曲し難くてもよい。従って、スロットの(外側ではなく)内側で協働するロック要素を設けることは、(例えば、使用中の)ノーズブリッジの屈曲や移動によるロック要素の脱落の影響を受けにくいことを意味する。
【0009】
「内部」又は「内側」という語は、本明細書では、アイピースからノーズブリッジに向かって延びる方向を記述するために(すなわち、アイピース間のノーズブリッジと共に)使用される。「上部」という語は、概ね着用者の顔又は頭の上に向かう特徴の記述として使用される。逆に、「下部」という語は、概ね着用者の顔又は頭の底部に向かう特徴の記述として使用される。
【0010】
次に、本発明の任意の特徴について説明する。これらは、単独で又は任意の組み合わせで本発明の任意の態様に適用できる。
【0011】
ある実施形態では、スロットロック要素及びノーズブリッジロック要素の一方は凸部でよく、他方は凹部でよい。ノーズブリッジロック要素は凸部でよく、スロットロック要素は凹部でよい。凸部は、凹部に概ね合致する形状を有する。従って、使用時に、凸部は凹部にぴったりと嵌まる。
【0012】
凸部及び凹部は、スナップ係合によって係合するように構成されてもよい。この点で、凸部及び/又は凹部は、スナップ係合を可能にするために歪み及び/又は変形してもよい。その代わりに又は追加で、スロットを定める一つ又は複数の壁はスナップ係合を可能にするように変形及び/又は歪んでもよい。例えば、ノーズブリッジロック要素が凸部である場合、凸部は、位置決めリブをスロットに挿入中は、スロットの一つ又は複数の壁を変形させ/歪ませてもよい。凸部が凹部に受け入れられると、一つ又は複数の壁は、凸部が凹部に保持されるように、それらの自然な状態に戻るとよい。同様に、凸部は、位置決めリブをスロットに挿入中に変形してもよく、凹部に受け入れられると元の状態に戻るとよい。スナップ係合は、凸部が凹部と係合したことが分かる(ユーザへの)フィードバックを生じてもよい。例えば、フィードバックは、触覚フィードバック(例えば、接触時に分かる振動)及び/又は音の形態でよい。
【0013】
ある実施形態では、位置決めリブは、水かき状のウェブによってノーズブリッジの側端から離間されてもよい。ウェブは、位置決めリブより(位置決めリブの長手方向軸を横切る方向に)薄くてもよい。ノーズブリッジロック要素は、ウェブ上に提供されてもよい。ノーズブリッジロック要素は、位置決めリブとノーズブリッジの側端との間に(横方向に)延伸するリブでもよい。横リブは、(位置決めリブの縦軸の方向)略半円形の外形を有してもよい。そのような実施形態では、凸部の湾曲した側面は、スロットからの凸部の解放を容易にできる。あるいは、横リブは、三角形の外形などの、異なる外形を有してもよい。
【0014】
ノーズブリッジは、シーリングリブを有してもよい。シーリングリブは、ノーズブリッジの側端に接続された第1の端部を有してもよい。ウェブは、シーリングリブと位置決めリブとの間を連結するように、シーリングリブと位置決めリブの間に挿入されてもよい。この点で、シーリングリブは、ウェブと側面とノーズブリッジの間に挿入されてもよい。特に、ウェブは、シーリングリブの第1の端部と、対応する位置決めリブの第1の端部の間に挿入されてもよい。シーリングリブは、位置決めリブの第1の端部に対向し、対応する位置決めリブの第2の端部に接続される第2の端部をさらに有してもよい。従って、ウェブは、第1の端部から第2の端部に向かって先細になる一般的に三角形の形状でもよい。シーリングリブは、位置決めリブと鋭角をなしてもよく、シーリングリブは、その第1の端部と第2の端部との間で略湾曲した形状でもよい。
【0015】
ある実施形態では、内側面の少なくとも一つは、スロットを定めるように、内側面から直立したスカートを有してもよい。すなわち、スカートの内面がスロットを定めてもよい。従って、スロットは全体として細長くてもよく、内側面に沿って(例えば、使用状態における内側面の上端と下端の間に)延在してもよい。従って、スロットは、使用状態における内側面の上部端から使用状態における内側面の下部端まで延伸する細長い軸を定めてもよい。
【0016】
スカートは、位置決めリブをスロット内にスライド挿入可能な開放端を有してもよい(すなわち、開放端はスロットの入口を定めてもよい)。開放端は、(使用時の構成において)スカートの下端でもよい。この点で、スカートは、(内側面にほぼ平行な平面内で)逆「U」形でもよい。他の実施形態では、スカートの上端は開放してもよい。スカートは、開放端に対向するスロットのブラインド端を定めてもよい。使用時の構成では(位置決めリブがスロットに受け入れられたとき)、位置決めリブの端がスロットのブラインド端に隣接してもよい。
【0017】
スカートの高さ(すなわち、スカートが内側面から立ち上がる程度)は、スカートの反対側の端部(すなわち、スロットのブラインド端を定めるスカートの端部)と比較して、開放端で低くてもよい。すなわち、スカートの高さは、開放端の低い点から開放端の反対側の端部の高い点まで先細でもよい。従って、スロットは、反対側の端部より開放端の方が浅くてもよい。
【0018】
スロットは、位置決めリブを受け入れるための最も内側の部分を有してもよい。スロットの最も内側の部分は細長くてもよく、略丸い横方向の外形(すなわち、スロットの縦軸に対する横方向)を有してもよい。すなわち、最も内側の部分は、スカートの一つ又は複数の湾曲した(例えば、弧状の)壁によって定められてもよい。位置決めリブは、スロット内に受け入れられるときに、スロット内にぴったりと嵌まるように、対応する円形の外形を有してもよい。又は、スロット及び位置決めリブは、略三角形、正方形などの横方向の外形を有してもよい。
【0019】
ある実施形態では、スロットは、最も外側の部分をさらに有してもよい(すなわち、最も内側の部分の外側に配置される)。最も外側の部分は、スカートの末端によって定められてもよく、この点において、スロットの細長い開口部を有してもよい。最も内側の部分と最も外側の部分は、内面に沿って延在し、最も内側の部分と最も外側の部分との間に挿入される内側凸部によって離間されてもよい。内側凸部は、より狭い部分、例えばスロットのネック部分(つまり、スカートの対向する内面の間の方向)を定めてもよい。この点で、内側凸部は、スロットの最も内側の部分に位置決めリブを保持してもよい。すなわち、内側凸部は、スロットの最も内側の部分からの位置決めリブの横方向の動きを妨げてもよい。
【0020】
シーリングリブ(又はその実質的な部分)は、使用時の構成において、位置決めリブがスロット内に受け入れられたときにスロット内に装着されるように配置されてもよい。このようにして、シーリングリブは、スロットに装着されたときにスロットの細長い開口部を覆うように(例えば、気密するために)配置してもよい。特に、シーリングリブは、使用時の構成において、最も外側の部分に装着(例えば、内部凸部に装着)してもよい。使用時の構成では、ウェブは、内部凸部に隣接して(すなわち、最も内側部分の位置決めリブと最も外側部分のシーリングリブとの間のスロットのより狭い部分に)配置してもよい。(突起と係合するための)窪みは、内部凸部に形成されてもよい。
【0021】
ある実施形態では、シーリングリブは、使用時の構成において、対応するスカートの末端面と実質的に一平面になるように(例えば、ほぼ連続した面を形成するように)配置されるノーズブリッジに面する内側面を有してもよい。このようにして、内側面及び対応する末端面は、流体力学的配置を形成してもよい。すなわち、内側面及び対応する末端面は、使用時の構成において、ほぼ連続的な眼鏡の流体力学的外面を形成してもよい。
【0022】
ある実施形態では、ノーズブリッジは、可撓性プラスチック材料で形成されてもよい。ノーズブリッジは、例えば、ナイロンで形成することができる。ノーズブリッジは単一の形状でもよい(つまり、単一の部品として形成してもよい)。
【0023】
ある実施形態では、アイピースは、レンズ部及び可撓性の内部ガスケットを有する。スロットは、レンズ部から延長して形成してもよい。すなわち、スカートは、レンズ部の延長でもよい。スカートの外面は、レンズ部の前面とほぼ連続した表面を形成してもよい。レンズ部は、例えば、ポリカーボネートから形成されてもよい。レンズ部は、鏡のような外観を提供するコーティングが施されてもよい。
【0024】
ある実施形態では、ノーズブリッジは、対向する第1及び第2の側端の各々に設けられ、ブリッジ部によって離間した二つの位置決めリブを有してもよい。各アイピースの内側面は、位置決めリブの一つにスライド可能かつ解放可能に係合するスロットを有してもよい。各スロットは、スロットロック要素を有してもよく、ノーズブリッジの第1及び第2の側端部の各々は、ノーズブリッジロック要素を有してもよい。
【0025】
従って、ノーズブリッジの内側面の両方及び側端部の両方は、前述と別のものでもよい。例えば、ノーズブリッジの各側端は、前述のような様々な形態及び配置を有する位置決めリブ、ウェブ、及び離間リブを有してもよい。同様に、スロット及びノーズブリッジのロック要素は、前述のもの(例えば、凸部及び凹部)でよい。さらに、各内側面は、各スロットの周りに直立したスカートを有してもよく、各スカートは、(位置決めリブを受け入れるため)最も内側の部分と(気密凸部を受け入れるため)最も外側の部分の少なくとも一部を分離する内部凸部を有してもよい。
【0026】
保護眼鏡は、水泳用ゴーグルの形でもよい。
【0027】
第2の態様では、各々が位置決めリブとノーズブリッジロック要素を有する複数のノーズブリッジと、各々が二つの対向する内側面の一つを定める一対のアイピースとを有し、少なくとも一つの内側面は、複数のノーズブリッジのうち一つのノーズブリッジの位置決めリブにスライド可能かつ解放可能に係合するスロットを有し、前記スロットは、ノーズブリッジの位置決めリブがスロット内に係合する使用時の構成においてスロットを固定するスロットロック要素を有する保護用眼鏡キットが提供される。
【0028】
ある実施形態では、各ノーズブリッジは、他のノーズブリッジと異なる形状を有してもよい。各ノーズブリッジは、他のノーズブリッジとサイズが異なってもよい。各ノーズブリッジは、他のノーズブリッジと異なる材料で形成されてもよい(又は異なる材料特性を有してもよい)。
【0029】
アイピース及びノーズブリッジは、第1の態様において前述したものと別でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1B】
図1Aに示す実施形態のノーズブリッジの斜視図である。
【
図1D】
図1Aに示す実施形態のスロットの詳細断面図である。
【
図1E】
図1Aに示す実施形態のスロットの詳細断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次に、本発明の実施形態を、添付の図面を参照して例として説明する。
【0032】
図1Aは、一対のアイピース102a、102bを有する水泳用ゴーグル100の形態の保護用眼鏡を示す。アイピース102a、102bの各々は、可撓性プラスチック材料(例えば、ナイロン)で形成されたノーズブリッジ106によって離間された二つの対向する内側面104a、104bの一つを定める。水泳用ゴーグル100は、アイピース102a、102bの外側側面110a、110bの間を(接続し)輪を形成するヘッドストラップ108をさらに有する。図から明らかなように、使用中、ストラップ108は、ゴーグル100を着用者の頭に保持するように、着用者の頭の周りに延在する。
【0033】
各アイピース102a、102bは、硬質プラスチック材料(例えば、ポリカーボネート)で形成されたレンズ部112a、112bと、使用中に着用者の顔とレンズとの間に延在し、着用者の顔とのレンズ部112a、112bの間で気密を形成する可撓性の内部ガスケット114a、114b(例えば、シリコンシール)とを有する。
【0034】
各アイピース102a、102bは、アイピース102a、102bの内側面104a、104bから直立した(すなわち、内側面104a、104bから内側及び横方向に延伸する)スカート116a、116bをさらに有する。特に、スカート116a、116bは、アイピース102a、102bと一体的に形成される。
図1Aからは明らかではないが、以下でより詳細に説明するように、各スカート116a、116bは、ノーズブリッジ106と係合するためのスロット118a、118b(
図1D及び1E参照)を定める。
【0035】
図1B及び1Cは、ノーズブリッジ106をより詳細に示す。ノーズブリッジ106は、対向する側端120a、120bと、各側端120a、120bに配置された二つの位置決めリブ122a、122bとを有する。各リブ122a、122bは、略細長く、(その長手方向軸を横切る)略円の外形を有する。
【0036】
各位置決めリブ122a、122bは、第1の端部で、ウェブ124a、124bによって、各ノーズブリッジ106の側端120a、120bから(すなわち、横方向に)離間する。ウェブ124a、124bは、(横方向を横切る方向に)位置決めリブ122a、122bより薄い。
【0037】
ノーズブリッジ106は、側端120a、120bに配置され、第1の端において、それぞれ、各側端120a、120bと各ウェブ124a、124bの間に挿入される、略細長いシーリングリブ126a、126bをさらに有する。各シーリングリブ126a、126bは、(その長手方向軸を概ね横切る方向に)ノーズブリッジ106の隣接する側端120a、120b及び隣接する各ウェブ124a、124bの両方より厚い部分を定める。
【0038】
各シーリングリブ126a、126bは、概ね、その第1の端部から第2の端部までの曲線に従い、各位置決めリブ122a、122bの対応する第2の端部に接続される(すなわち、位置決めリブ122a、122bの第1の端部に対向する)。従って、各ウェブ124a、124bは、各位置決めリブ122a、122b及びシーリングリブ126a、126b(すなわち、が互いに離間したリブ122a、122b、126a、126b)の第1の端部で広くなり、位置決めリブ122a、122b及びシーリングリブ126a、126bの第2の端部に向かって狭くなる、略三角形の形状を有する。
【0039】
各位置決めリブ122a、122bは、位置決めリブ122a、122bの外向きの表面に形成されたノッチ128a、128bをさらに有する。ノッチ128a、128bは、概ね、各位置決めリブ122a、122bの両端の間の中央に形成される。
【0040】
ノーズブリッジ106は、各ウェブ124a、124bから突出する突起130a、130bの形であるノーズブリッジロック要素をさらに有する。各突起130a、130bは、位置決めリブ122a、122bとシーリングリブ126a、126bの各々の間で横方向に延在し、リブ122a、122b、126a、126bの対向する端部の間で略中央に位置する。これらの突起130a、130bの動作は、
図1D及び1Eに関連して以下でより詳細に説明する。
【0041】
図1D及び1Eは、ゴーグル100のスカート116bの一つによって定められるスロット118bの一つを概略的に示す。一つのスロット118bのみを以下に説明するが、(スロットがアイピース102a、102bの対向する内側面104a、104bに配置されているため)向き以外は、スロット118a、118bの両方が同じであることを理解されたい。
【0042】
図1Dは、スロット118bの側面を示し、一方、
図1Eは、スロット118bを定めるスカート114bを通る断面を示す。
図1Eから明らかなように、特にスカート114bの内壁はスロット118bを定める。スロット118bは、内側面104bに隣接する最も内側の部分132bを有する。この最も内側の部分132bは、使用時の構成で、位置決めリブ122bが受け入れられるスロット118bの部分である。最も内側の部分132bに加えて、スロット118bは、スロット118bのより狭い部分を形成し、スカート114bの内壁に沿って形成された内部凸部136bによって定められるネック部134bを有する。スロット118bは、ネック部134bより広く、スロット118bへの細長い開口部を形成する最も外側の部分138bをさらに有する。図から明らかなように、内部凸部136bは、最も内側の部分132bを最も外側の部分138bから分離している。
【0043】
スロット118bの最も内側の部分132bは、その長手方向軸を横切る(すなわち、その長手方向軸を横切る弧状の壁によって定められる)略円の外形を有し、その結果、概ね、ノーズブリッジ106の各位置決めリブ122bに対応する。ノーズブリッジ106を有するアイピース102bでは、ノーズブリッジ106の位置決めリブ122bが、スロット118bの最も内側の部分134bに受け入れられる。位置決めリブ122bがスロット118bの最も内側の部分132bに受け入れられるとき、対応するウェブ124bは、スロット118bのネック部134bで、最も内側の部分132bと最も外側の部分138bとの間に受け入れられる。このようにして、シーリングリブ126bは、スロット118bの細長い開口部を気密するように、最も外側の部分138bに装着される。図から明らかなように、位置決めリブ122bがスロット118bの最も内側の部分132bに受け入れられると、凸部136bは、スロット118bの細長い開口部からの位置決めリブ122bの移動を制限する。
【0044】
前述したように、アイピース102bとノーズブリッジ106との係合のために、位置決めリブ122bがスロット118bに受け入れられる。これを可能にするため、スロット118bは、スロット118bの閉じた(又は開口していない)端部142bに対抗する入口を定める開放端部140bを有する。従って、位置決めリブ122bは、スロット118bの長手方向軸に沿って、スロット118bの最も内側の部分132bにスライド挿入できる。位置決めリブ122bをスロット118b内に保持するのを助けるため、アイピース102bは、凸部136bの形に形成された凹部144bの形状のスロットロック要素を有する。位置決めリブ122bがスロット118bに受け入れられると、(位置決めリブ122bに隣接するウェブ124b上に配置される)突起130bは、凹部144bに配置される。
【0045】
スロット118bのネック部134bの幅は、ウェブ124bと突起130bを合わせた厚さより狭い。従って、位置決めリブ122bがスロット118bにスライド挿入されると、凸部136b、スカート114bの壁、及び/又は突起130bは、ウェブ124b及び突起130bが(内部凸部136bに隣接する)ネック部134bに沿って通過できるように変形し、歪める。一旦、突起130bが凹部144bに受け入れられると、歪められ、変形された機構は、突起130bを凹部144bに保持するように、その自然な状態に戻る。このようにして、突起130bとロック凹部144bとの係合は、スナップ係合と考えられ、スナップ係合によって引き起こされる音及び/又は触覚によるフィードバック(例えば、振動)は、ノーズブリッジ106とアイピース102bの係合をユーザに示すことができる。
【0046】
その後、位置決めリブ122bを反対方向にスライドすることによって、ノーズブリッジ106をアイピース102bから外すことができる。これにより、突起130bがロック凹部144bから外れ、さらに、突起130bがネック部134bに沿って移動するときに、スロット118b(例えば、凸部136b)、スカート114bの壁、及び/又は突起130bが変形し、歪む。突起130bは、略半円の外形を有し、凹部144bからの突起130bの移動を容易にする。すなわち、突起130bの外曲面は、突起130bを凹部144bから導出するように機能する。
【0047】
本発明を、前述の例示的な実施形態と併せて説明したが、本開示が与えられた場合、多くの同等の修正及び変形が当業者には明らかであろう。従って、前述の本発明の例示的な実施形態は、例示的であり、限定的なものではない。記載された実施形態に対する様々な変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。
【0048】
前述で参照されたすべての参照は、参照により本明細書に取り込まれる。
【国際調査報告】