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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-21
(54)【発明の名称】ギアポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04C 15/00 20060101AFI20220414BHJP
   F04C 15/06 20060101ALI20220414BHJP
【FI】
F04C15/00 H
F04C15/06 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544207
(86)(22)【出願日】2020-01-27
(85)【翻訳文提出日】2021-09-24
(86)【国際出願番号】 EP2020051944
(87)【国際公開番号】W WO2020157015
(87)【国際公開日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】102019102073.5
(32)【優先日】2019-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597075904
【氏名又は名称】フレゼニウス メディカル ケア ドイッチェランド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【弁理士】
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】リパート シモーネ
【テーマコード(参考)】
3H044
【Fターム(参考)】
3H044AA04
3H044BB01
3H044CC05
3H044CC13
3H044DD08
3H044DD12
3H044DD13
(57)【要約】
本発明は、搬送されることになる液体のための流入部及び搬送された液体のための流出部と液体を搬送するための1又は複数の歯車が位置するポンプチャンバとを有するハウジングを備えたギアポンプに関するものであり、少なくとも1つの軸受場所がハウジングに位置し、その軸受場所では、少なくとも1つのギアが回転可能に受け入れられ、流入部は、流出部とは異なる平面に位置し、1又は複数の軸受場所まで延びる少なくとも1つの第1の洗浄通路が、流入部及び/又は流出部に直接又は間接流体連通状態にある。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送されることになる液体のための流入部を有し、搬送された液体のための流出部を有し、該液体を搬送するための1又は複数のギアが存在するポンプチャンバを有するハウジングを有し、少なくとも1つの軸受位置が該ハウジングに存在し、この軸受位置に少なくとも1つのギアが回転可能に受け入れられるギアポンプであって、
前記流入部は、前記流出部とは異なる平面にあり、
前記軸受位置まで延びる少なくとも1つの第1の洗浄通路が、前記流入部との及び/又は前記流出部との直接又は間接流体連通状態にある、
ことを特徴とするギアポンプ。
【請求項2】
搬送されることになる液体のための流入部を有し、搬送された液体のための流出部を有し、該液体を搬送するための1又は複数のギアが存在するポンプチャンバを有するハウジングを有し、少なくとも1つの軸受位置が該ハウジングに存在し、この軸受位置に該ギアのうちの少なくとも1つが回転可能に受け入れられ、該1又は複数のギアを駆動するための磁石が該ハウジングに位置付けられるギアポンプであって、
前記磁石まで延びる第2の洗浄通路が、前記ギアの圧力側に位置付けられる、
ことを特徴とするギアポンプ。
【請求項3】
前記ギアポンプは、請求項2の特徴を用いて設計されることを特徴とする請求項1に記載のギアポンプ。
【請求項4】
前記流入部は、前記流出部よりも高く配置され、
前記流入部と前記流出部の間のレベル差にわたって又はその一部にわたって延びる降水管が設けられ、該降水管は、前記1又は複数の洗浄通路と流体連通している、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のギアポンプ。
【請求項5】
前記軸受位置は、滑り軸受であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のギアポンプ。
【請求項6】
前記ハウジングは、複数の個々の層から構成されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のギアポンプ。
【請求項7】
1つの層が、ベースハウジング本体を形成し、1つの層が、カバー又はカバー層を形成し、前記流入部、前記ポンプチャンバ、及び前記流出部は、該ベースハウジング本体に配置され、前記1又は複数のギアを駆動するための磁石が、該カバー層に配置されることを特徴とする請求項6に記載のギアポンプ。
【請求項8】
前記ポンプチャンバは、前記流入部のレベルに位置付けられ、前記流出部は、このレベルの下方に位置付けられることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のギアポンプ。
【請求項9】
前記第1及び第2の洗浄通路は、互いに流体連通していることを特徴とする請求項3から請求項8のいずれか1項に記載のギアポンプ。
【請求項10】
体液又は医療流体を搬送する、特に透析液を調製するために液体を搬送する、又は透析液を搬送するための請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のギアポンプの使用。
【請求項11】
血液治療デバイス、特に透析機での請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のギアポンプの使用。
【請求項12】
前記ギアポンプは、脱気ポンプとして機能することを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の使用。
【請求項13】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のギアポンプを有する血液治療デバイス、特に透析機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送されることになる液体のための流入部と搬送された液体のための流出部とを有し、液体を搬送するための1又は複数のギアが位置付けられるポンプチャンバを有するハウジングを含み、軸受位置がハウジングに存在し、その軸受点に1又は複数のギア又はそれらのアクスル/複数のアクスルが受け入れられるギアポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
ギアポンプは、液体がギアの移動によって吸引側から圧力側まで搬送される容積型ポンプである。ギアポンプは、典型的には、互いの中に係合する2つのギアを有するが、1つのギアのみを有して液体の変位がギアとギアが回転可能に受け入れられたハウジング部品との間で起こるポンプも本発明によって網羅される。
【0003】
1又は複数のギア又はそれらの1又は複数のアクスルは、典型的には、公知のギアポンプ内の滑り軸受に回転可能に受け入れられ、滑り軸受には、低摩擦及び低ノイズ作動を保証するために潤滑剤が設けられる。しかし、これは、搬送されることになる液体の中に潤滑剤も入る可能性があるという欠点を伴い、これは、医療用途では特に望ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、搬送されることになる液体の、潤滑剤による汚染のリスクが低減されるように最初に名前を挙げた種類のギアポンプを更に発展させることが本発明の基本的な目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1及び請求項2の特徴を有するギアポンプによって達成される。
【0006】
流入部が流出部とは異なる平面に位置付けられ、軸受位置まで延びる第1の洗浄通路が流入部及び/又は流出部と直接又は間接流体連通状態にあるように設けられる。軸受位置は、すなわち、搬送されることになる液体又は搬送された液体(以下では「搬送されている液体」と呼ぶ)が独立にその周囲を流れ、これが、同時に潤滑剤として機能する。軸受位置の空転は、すなわち、個別の潤滑剤の使用なしでも実質的に防止される。
【0007】
第1の洗浄通路は、流入部から又は流出部から又はそれらと流体連通する通路のうちの1つから延び、ギアのための軸受位置の中に開口し、流入部と流出部の間のレベル差は、ポンプが作動している時に常に流れが通る降水管の生成の機会を提供する。第1の洗浄通路は、好ましくは降水管から分岐する。降水管は、好ましくは同じくポンプの圧力側から流出部まで延びる。
【0008】
更に別の変形では、ギアを駆動するための磁石がハウジング内に又はハウジングに存在し、磁石まで延びる第2の洗浄通路がギアの圧力側に位置付けられる。この第2の洗浄通路は、同じくポンプが作動している時に流れが通り、搬送されている液体は、磁石の回転領域までそしてその中に移動し、媒体がその周りを流れ、1又は複数のギアへのカプリングの領域に空転が生じない。個別の潤滑剤は、すなわち、ここでも要求されない。
【0009】
請求項1によるギアポンプを請求項2の特徴を用いて構成することができるように、2つの上述の考えの組合せも考えられる。
【0010】
流入部は、好ましくは、流出部よりも高く配置され、流入部と流出部の間のレベル差にわたって又はその一部にわたって延びる降水管が設けられ、降水管は、1又は複数の流路と流体連通している。
【0011】
ギアのアクスルのための軸受位置は、好ましくは、滑り軸受である。
【0012】
ギアポンプのハウジングは、複数の個々の層、例えば、金属プレートなどで構成することができる。互いに接続された2つ又は3つの別々の層を設けることができ、これは、ほとんど汚染の可能性のない容易な生産及び容易な解体を可能にする。
【0013】
1つの層が、ベースハウジング本体を形成し、1つの層が、カバー又はカバー層を形成し、流入部、ポンプチャンバ、及び流出部が、ベースハウジング本体に配置され、1又は複数のギアを駆動するための磁石が、カバー層に配置されることが考えられる。
【0014】
ポンプチャンバは、流入部のレベルに位置付けることができ、流出部は、このレベルの下方に位置付けることができる。
【0015】
第1及び第2の洗浄通路は、好ましくは、搬送されている液体がギアのための軸受及び磁石とポンプの作動中のギア間の領域の両方の周りを流れるように互いに流体連通している。
【0016】
本発明は、更に、体液又は医療流体を搬送する、特に水のような透析液を調製するのに使用される流体を搬送する、又はすぐに使える透析液を搬送するための本発明によるギアポンプの使用に関する。
【0017】
本発明は、更に、血液治療デバイス、特に透析機での本発明によるギアポンプの使用に関する。ギアポンプは、好ましくは、脱気ポンプとして機能する。
【0018】
本発明は、更に、本発明によるギアポンプを有する血液治療デバイス、特に透析機に関する。
【0019】
入口、出口、ポンプチャンバなどのようなポンプの要素の位置に関する上記の記載は、使用状態にあるポンプに関するものである。これは、好ましくは、ポンプが垂直である状態であり、この状態では、流入部及び流出部は水平に延び、ギアも水平な平面にある。第1の洗浄通路は、好ましくは、水平のように、横方向に延び、第2の洗浄通路は、上向きに、好ましくは垂直に延びる。磁石は、好ましくは1又は複数のギアの上方にある。
【0020】
用語「a」及び「one」は、要素の正確に1つをそれがたとえ可能な実施形態を表すとしても必ずしも参照せず、むしろ複数の要素を参照することもできることをここで指摘する。複数形の使用は、単数形での問題の要素の存在も等しく含み、逆に、単数形も問題の複数の要素を含む。
【0021】
本発明の更に別の詳細及び利点を図面に示す実施形態を参照してより詳細に以下に解説する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】ギアポンプを通した断面図である。
図2】第1の洗浄通路を有するギアポンプの更に別の断面図である。
図3】ベースハウジング本体を通した断面図である。
図4】密封領域を有するギアポンプの更に別の断面図である。
図5】ハウジング及びベースハウジング本体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、ベースハウジング本体Gを有し、液密方式でベースハウジング本体Gの上に置かれたカバー層Dを有する本発明によるギアポンプを示している。
【0024】
搬送されることになる媒体のための入口又は流入部1は、ベースハウジング本体Gに位置付けられ、図示していないギアが位置付けられたポンプチャンバ3に至る。垂直に配置されて出口又は流出部2の中に開口する通路5は、ポンプチャンバ3の圧力側に、すなわち、図1に従ってその左側に位置付けられる。
【0025】
カバー層Dの上方に位置付けられた磁石Mに至る第2の洗浄通路4は、カバー層Dに位置付けられる。磁石は、磁石の回転移動が1又は複数のギアの回転移動を生成するようにギアのうちの少なくとも1つと協働する。
【0026】
液体は、ハウジングを通して搬送され、入口1を通してポンプチャンバ3の中に入る。それは、ポンプチャンバ3内で1又は複数のギアの回転によって分散され、カバーD内の第2の洗浄通路又は供給通路4を通じて磁石Mの回転領域の中に移動し、これにより後者は、液体がその周りを流れ、ギアへのカプリングの領域に空転が生じない。通路4及び5は、最適な流れ及びストリーム条件が保証されるように互いの真上に配置される。
【0027】
搬送されている液体の一部は、すなわち、通路から流出部2の中に移動し、一部は、第2の洗浄通路4を通じて磁石Mの領域の中に移動する。
【0028】
図2は、第1の洗浄通路6が可視であり、図3からその配置をより良好に見ることができるポンプの図である。
【0029】
搬送されている流体は、この目的に必要である1又は複数のギアの移動なしに流入部1と流出部2の間の垂直オフセットに起因して出口まで降水管5を通じて自動的に移動し、この出口は、入口よりもかつポンプチャンバ3よりも低いレベルに配置される。降水管5は、全ての他の通路と同様にボアとして設計することができる第1の洗浄通路6のための供給通路として機能する。
【0030】
第1の洗浄通路6は、すなわち、滑り軸受位置7と流体連通しており、搬送されている液体をそれに下から供給する。液体は、そこからポンプチャンバ3の中に移動し、次に、回路流れが生成されるよう再度降水管5の中に戻る。
【0031】
それにより、滑り軸受位置7が常に液体を供給され、個別の潤滑剤が必要ないことが保証される。これは、滑り軸受位置7に対して正の効果を有する。
【0032】
本発明によるポンプは、好ましくは、いずれの潤滑剤も持たない(搬送されている液体を除く)。
【0033】
滑り軸受ボア7内の1又は複数のギアのシャフトの回転移動と第1の洗浄ライン6を通る絶えず新鮮な液体の流入とは、同時に軸受位置7のための潤滑剤であり、この効果によってそれ自体が更新する絶えず新鮮な媒体を軸受位置7に供給する。
【0034】
搬送されている液体は、連続流れに起因して機能に関連するポンプの全ての領域で絶えず運動している。関連の領域は、すなわち、その周りに絶えず流れがあり、不活分枝又は他の不活ゾーンが存在しないことに起因して細菌形成が起こらない。
【0035】
図5は、ベースハウジング本体G上(右側表示)又はカバーD上(左側表示)の密封リング8及びシール9の配置を示し、シール9は、ベースハウジング本体GとカバーDの間を密封し、シール8は、ギアポンプのカバーDとカバーAの間をすなわち外側に向けて密封する。
【0036】
シール8、9の位置は、不活ゾーンの生成が排除されるように設計される。カバーDとベースハウジング本体Gの間のギャップ形成は、ポンプチャンバ3の周りを延びるシール9の非常に緊密な位置決めによって同じく排除される。非常に小さい面は、液体の移動によって絶えず洗い流され、すなわち、細菌形成は起こらない。
【0037】
ポンプの圧力調整に寄与するバイパス通路10(図2を参照)を設けることが考えられる。このバイパス通路は、流入部から第1の2つの洗浄ライン6を通って流出部2まで延びる。圧力調整は、バイパスボア10の中に挿入されたバイパススクリューを通じて行われる。その密封は、Oリングの使用が必要ないようにバイパススクリューでのその形状を通じて行われる。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】