(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-21
(54)【発明の名称】気化器カートリッジを備える気化器デバイス
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20220414BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20220414BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544423
(86)(22)【出願日】2020-02-28
(85)【翻訳文提出日】2021-08-27
(86)【国際出願番号】 US2020020535
(87)【国際公開番号】W WO2020176901
(87)【国際公開日】2020-09-03
(32)【優先日】2019-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】315012459
【氏名又は名称】ジュール・ラブズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Juul Labs, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アリエル アトキンス
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー エル. ベリスル
(72)【発明者】
【氏名】ツェイ チャン
(72)【発明者】
【氏名】ブランドン チュン
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン クリステンセン
(72)【発明者】
【氏名】ディラン イー. エンテリス
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー エム. フーパイ
(72)【発明者】
【氏名】エリック ジョセフ ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン キング
(72)【発明者】
【氏名】エステバン レオン ドゥケ
(72)【発明者】
【氏名】ヨンチャオ リー
(72)【発明者】
【氏名】フェイ-フェイ リャン
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ジェイ. マローン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムス モンシース
(72)【発明者】
【氏名】ネイサン エヌ. エヌ・ジー
(72)【発明者】
【氏名】クレア オマリー
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ライオス
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ジェイムズ ロッサー
(72)【発明者】
【氏名】ザカリー ティー. スコット
(72)【発明者】
【氏名】アンドルー ジェイ. ストラットン
(72)【発明者】
【氏名】エイリム タワー
(72)【発明者】
【氏名】ノーバート ウェズリー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ ピー. ウェストリー
(72)【発明者】
【氏名】ハオ イン
(72)【発明者】
【氏名】シューハイ ジャン
(72)【発明者】
【氏名】シューチン ジャン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC02
4B162AC17
4B162AC18
4B162AC22
4B162AD02
4B162AD03
4B162AD20
4B162AD23
(57)【要約】
カートリッジ(1320)は、カートリッジハウジングと、カートリッジハウジング内に配置されたリザーバ(1340)およびウィックハウジング(1315)と、加熱要素(1350)と、ウィッキング要素(1362)とを含んでよい。カートリッジハウジングは、カートリッジが気化器デバイスと連結されたときに、気化器デバイス(100)内の受け口の開いた頂部より下に延在するように構成されていてよい。リザーバは、気化可能材料を収容するように構成されていてよい。加熱要素は、ウィックハウジング内に少なくとも部分的に配置された加熱部分(504)と、ウィックハウジング外に少なくとも部分的に配置された接点部分とを含んでよい。接点部分は、受け口内の受け口接点との電気的連結を形成するカートリッジ接点(124)を含んでよい。ウィッキング要素は、ウィックハウジング内で加熱要素の加熱部分に近接して配置されていてよい。ウィッキング要素は、加熱要素による気化のために、ウィックハウジングに気化可能材料を引き込むように構成されていてよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気化器デバイス用のカートリッジであって、
前記カートリッジが気化器デバイスと連結されたときに、前記気化器デバイス内の受け口の開いた頂部より下に延在するように構成されたカートリッジハウジングと、
前記カートリッジハウジング内に配置され、気化可能材料を収容するように構成されたリザーバと、
前記カートリッジハウジング内に配置されたウィックハウジングと、
前記ウィックハウジング内に少なくとも部分的に配置された加熱部分および前記ウィックハウジング外に少なくとも部分的に配置された接点部分を含む加熱要素であって、前記接点部分が前記気化器デバイスの前記受け口内の1つ以上の受け口接点との電気的連結を形成するように構成された1つ以上のカートリッジ接点を含んでいる加熱要素と、
前記ウィックハウジング内で前記加熱要素の前記加熱部分に近接して配置されたウィッキング要素であって、前記加熱要素による気化のために、前記リザーバから前記ウィックハウジングに前記気化可能材料を引き込むように構成されたウィッキング要素と、
を備える、カートリッジ。
【請求項2】
前記接点部分は、さらに、前記気化器デバイスの前記受け口との機械的連結を形成するように構成されており、前記機械的連結により、前記気化器デバイスの前記受け口内に前記カートリッジが固定されている、請求項1記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記受け口は、前記気化器デバイスの本体の第2の部分より小さい断面寸法を有する前記気化器デバイスの前記本体の第1の部分を備え、前記カートリッジが前記気化器デバイスと連結されたときに、前記カートリッジハウジングと前記気化器デバイスの前記本体の前記第2の部分との間に凹部領域が形成されている、請求項1または2記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記受け口は、前記カートリッジが前記気化器デバイスと連結されたときに、前記ウィックハウジングの底部における1つ以上のスロットと流体連結を形成する1つ以上の空気入口を含み、前記1つ以上のスロットは、前記1つ以上の空気入口に入った空気が前記ウィックハウジングにさらに入ることを可能にするように構成されており、前記1つ以上の空気入口は、前記凹部領域に配置されている、請求項3記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記1つ以上の空気入口は、概ね、0.6ミリメートルと1.0ミリメートルとの間の直径を有する、請求項4記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記1つ以上のスロットそれぞれの内部は、前記ウィックハウジングの前記底部における前記1つ以上のスロットの寸法より小さい前記1つ以上のスロットの内側寸法により形成された少なくとも1つの段部を含み、前記少なくとも1つの段部は、前記ウィックハウジング内の前記気化可能材料が前記1つ以上のスロットから流出するのを防止するためにメニスカスが形成される狭窄点を提供している、請求項4または5記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記ウィックハウジングの前記底部における前記1つ以上のスロットの前記寸法は、概ね、長さ1.2ミリメートル×幅0.5ミリメートルであり、前記1つ以上のスロットの前記内側寸法は、概ね、長さ1.0ミリメートル×幅0.30ミリメートルである、請求項6記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記加熱要素の前記加熱部分および前記加熱要素の前記接点部分は、基板材料を折り畳むことにより形成されており、前記基板材料は、前記加熱要素の前記加熱部分を形成するための1つ以上の櫛歯を含むように切断されており、前記基板材料は、さらに、前記加熱要素の前記接点部分を形成するための1つ以上の脚部を含むように切断されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記加熱要素の前記接点部分は、少なくとも第1のジョイント、第2のジョイントおよび第3のジョイントを形成するように、前記1つ以上の脚部のそれぞれを折り畳むことにより形成されており、前記第1のジョイントは、前記第2のジョイントと前記第3のジョイントとの間に配置されており、前記第2のジョイントは、前記1つ以上の脚部それぞれの先端と前記第1のジョイントとの間に配置されている、請求項8記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記1つ以上のカートリッジ接点は、前記第2のジョイントに配置されており、前記加熱要素は、前記ウィックハウジングの外部と、前記第1のジョイントと前記第3のジョイントとの間の前記1つ以上の脚部それぞれの一部との間の第1の機械的連結により、前記ウィックハウジングに固定されており、前記カートリッジは、前記第2のジョイントと前記気化器デバイスの前記受け口との間の第2の機械的連結により、前記気化器デバイスの前記受け口に固定されている、請求項9記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記1つ以上のカートリッジ接点は、前記第1のジョイントに配置されており、前記加熱要素は、前記ウィックハウジングの外部と、前記先端と前記第2のジョイントとの間の前記1つ以上の脚部それぞれの一部との間の第1の機械的連結により、前記ウィックハウジングに固定されており、前記カートリッジは、前記第1のジョイントと前記気化器デバイスの前記受け口との間の第2の機械的連結により、前記気化器デバイスの前記受け口に固定されている、請求項9記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記リザーバは、蓄えチャンバおよびコレクタを含み、前記コレクタは、前記蓄えチャンバと流体接触する前記気化可能材料の体積を保持するように構成されたオーバフローチャネルを備え、前記オーバフローチャネルの長さに沿って1つ以上の微小流体機構が配置されており、前記1つ以上の微小流体機構はそれぞれ、メニスカスが形成されて前記リザーバに入った空気が前記オーバフローチャネル内の前記気化可能材料を通過するのを防止する狭窄点を提供するように構成されている、請求項1から11までのいずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記カートリッジハウジングは、前記気化可能材料を気化させる前記加熱要素により形成されたエアロゾル用の出口に通じる空気流通路を含み、前記コレクタは、前記空気流通路と流体連通する中央トンネルを含み、前記コレクタの底面は、前記気化可能材料を気化させる前記加熱要素により生成された前記エアロゾルを混合するように構成されたフローコントローラを含む、請求項12記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記空気流通路の内面は、前記出口から前記ウィッキング要素まで延在する1つ以上のチャネルを含み、前記1つ以上のチャネルは、前記エアロゾルにより形成された凝縮物を収集して、収集された前記凝縮物の少なくとも一部を前記ウィッキング要素に向けるように構成されている、請求項13記載のカートリッジ。
【請求項15】
前記フローコントローラは、第1のチャネルおよび第2のチャネルを含み、前記第1のチャネルは、前記第2のチャネルからオフセットされており、前記第1のチャネルの第1の内面は、前記第2のチャネルの第2の内面とは異なる方向に傾いて、前記第1のチャネルを通って前記中央トンネルに入る前記エアロゾルの第1のカラムを、前記第2のチャネルを通って前記中央トンネルに入る前記エアロゾルの第2のカラムとは異なる方向に向ける、請求項13または14記載のカートリッジ。
【請求項16】
前記フローコントローラの底面は、1つ以上のウィック界面をさらに含み、前記1つ以上のウィック界面は、前記コレクタ内の1つ以上のウィックフィードと流体連通しており、前記1つ以上のウィックフィードは、前記ウィックハウジング内に配置された前記ウィッキング要素に、前記蓄えチャンバ内に収容された前記気化可能材料の少なくとも一部を送るように構成されている、請求項13から15までのいずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項17】
前記ウィックハウジングは、前記カートリッジが前記気化器デバイスと連結されたときに、前記気化器デバイスの前記受け口内に少なくとも部分的に配置されており、前記ウィックハウジングの上側周囲に少なくとも部分的にフランジが配置されており、前記フランジは、前記カートリッジの受け口のリムの少なくとも一部の上に延在している、請求項1から16までのいずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項18】
気化器デバイスであって、
前記気化器デバイスの本体の第1の部分を備える受け口であって、1つ以上の受け口接点を含み、気化可能材料を収容するカートリッジが前記気化器デバイスと連結されたときに、前記カートリッジのウィックハウジングを受容するように構成されており、前記カートリッジのハウジングが前記カートリッジが前記気化器デバイスと連結されたときに前記受け口の開いた頂部より下に延在し、前記1つ以上の受け口接点が前記カートリッジ内の加熱要素の接点部分を備える1つ以上のカートリッジ接点との電気的連結を形成するように構成され、前記接点部分が前記ウィックハウジングの外側に少なくとも部分的に配置される、受け口と、
前記気化器デバイスの前記本体の第2の部分内に少なくとも部分的に配置された電源と、
前記カートリッジが前記気化器デバイスと連結されたときに、前記電源から前記カートリッジに含まれた前記加熱要素へと流れる電流の放電を制御するように構成されたコントローラであって、前記ウィックハウジング内で前記加熱要素の加熱部分に近接して配置されるウィッキング要素を満たす前記気化可能材料の少なくとも一部を気化させるために前記電流を前記加熱要素へと放電する、コントローラと、
を備える、気化器デバイス。
【請求項19】
前記受け口は、さらに、前記加熱要素の前記接点部分との機械的連結を形成するように構成されており、前記機械的連結により、前記気化器デバイスの前記受け口内に前記カートリッジが固定されている、請求項18記載の気化器デバイス。
【請求項20】
前記気化器デバイスの前記本体の前記第1の部分は、前記気化器デバイスの前記本体の前記第2の部分より小さい断面寸法を有し、前記カートリッジが前記気化器デバイスと連結されたときに、前記気化器デバイスの前記本体の前記第2の部分と前記カートリッジのハウジングとの間に凹部領域が形成されている、請求項18または19記載の気化器デバイス。
【請求項21】
前記受け口は、前記カートリッジが前記気化器デバイスと連結されたときに、前記ウィックハウジングの底部における1つ以上のスロットと流体連結を形成する1つ以上の空気入口を含み、前記1つ以上のスロットは、前記1つ以上の空気入口に入った空気が前記ウィックハウジングにさらに入ることを可能にするように構成されており、前記1つ以上の空気入口は、前記凹部領域に配置されている、請求項20記載の気化器デバイス。
【請求項22】
前記1つ以上の空気入口は、概ね、0.6ミリメートルと1.0ミリメートルとの間の直径を有する、請求項20または21記載の気化器デバイス。
【請求項23】
前記受け口は、前記受け口の頂部リムが、前記気化器デバイスの前記本体の前記第1の部分の頂部リムと実質的に面一になるように、前記気化器デバイスの前記本体の前記第1の部分内に配置されている、請求項18から22までのいずれか1項記載の気化器デバイス。
【請求項24】
前記受け口は、前記ウィックハウジングの上部周囲に少なくとも部分的に配置されたフランジが、前記カートリッジの受け口の前記頂部リムおよび/または前記気化器デバイスの前記本体の前記第1の部分の前記頂部リムの少なくとも一部の上に延在するように、前記ウィックハウジングの一部を受容するように構成されている、請求項23記載の気化器デバイス。
【請求項25】
前記受け口の深さは、約4.5ミリメートルである、請求項18から24までのいずれか1項記載の気化器デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2019年10月9日に出願された「HEATING ELEMENT」と題する米国仮特許出願第62/913,135号、2019年2月28日に出願された「RESERVOIR OVERFLOW CONTROL WITH CONSTRICTION POINTS」と題する米国仮特許出願第62/812,148号、2019年2月28日に出願された「CARTRIDGE FOR A VAPORIZER DEVICE」と題する米国仮特許出願第62/812,161号、2019年10月14日に出願された「CARTRIDGE FOR A VAPORIZER DEVICE」と題する米国仮特許出願第62/915,005号、2019年11月4日に出願された「VAPORIZER DEVICE」と題する米国仮特許出願第62/930,508号、2019年12月12日に出願された「VAPORIZER DEVICE」と題する米国仮特許出願第62/947,496号および2020年2月25日に出願された「VAPORIZER DEVICE WITH VAPORIZER CARTRIDGE」と題する米国仮特許出願第62/981,498号の優先権を主張する。前述の出願の開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0002】
技術分野
本明細書に記載された主題は、概して、気化器デバイス、より詳細には、気化器カートリッジと連結するように構成された気化器デバイスに関する。
【0003】
背景
気化器、電子気化器デバイスまたはe気化器デバイスと呼ばれることもある気化器デバイスは、気化デバイスのユーザによる、1つ以上の有効成分を含有するエアロゾル(例えば、蒸気)の吸入によるエアロゾルの供給に使用することができる。例えば、eタバコと呼ばれることもある電子タバコは、典型的には、バッテリ電源が供給され、喫煙の体験をシミュレートするために使用することができるが、タバコまたは他の物質の燃焼を伴わない種類の気化器デバイスである。
【0004】
気化器デバイスの使用において、ユーザは、一般的に蒸気と呼ばれるエアロゾルを吸入し、このエアロゾルは、液体、溶液、固体、ワックスまたは特定の気化器デバイスの使用に適合する場合がある任意の他の形態であってよい気化可能材料を気化させる(一般的には、液体または固体を少なくとも部分的に気相に移行させることを指す)加熱要素により生成することができる。気化器と共に使用される気化可能材料は、(例えば、ユーザによる吸入のための)マウスピースを含むカートリッジ(例えば、気化可能材料をリザーバに収容する気化器の一部)内に提供することができる。
【0005】
気化器デバイスにより生成された吸入可能なエアロゾルを受容するために、ユーザは、特定の例では、パフ(puff)を行うことにより、ボタンを押すことによりまたは何等かの他のアプローチにより、気化器デバイスを作動させることができる。一般的に使用される(本明細書でも使用される)パフという用語は、一定量の空気を気化器デバイス内に引き込ませ、これにより、吸入可能なエアロゾルが気化した気化可能材料と空気との混合により生成される形式でのユーザによる吸入を指す。
【0006】
気化器デバイスが気化可能材料から吸入可能なエアロゾルを生成する典型的なアプローチは、気化可能材料を気化チャンバ(またはヒータチャンバ)内で加熱して、気化可能材料を気相(または蒸気相)に変換させることを含む。気化チャンバは、一般的には、熱源(例えば、伝導性、対流性および/または放射性)により気化可能材料が加熱されて、空気と気化した気化可能材料との混合物を生成し、気化デバイスのユーザによる吸入のための蒸気を形成する、気化器デバイスにおける領域および容積を指す。
【0007】
一部の気化器デバイスの実施形態では、気化可能材料をリザーバからウィッキング要素(ウィック)を介して気化チャンバ内に引き込ませることができる。気化可能材料の気化チャンバへのこのような引き込みは、少なくとも部分的に、気化チャンバの方向にウィックに沿って気化可能材料を引っ張るウィックにより提供される毛管作用に起因し得る。しかしながら、気化可能材料がリザーバから引き出されると、リザーバ内の圧力が低下し、それにより、真空が生じ、毛管作用に逆らって作用する。これは、気化可能材料を気化チャンバ内に引き込むウィックの有効性を低下させる場合があり、それにより、ユーザが気化器デバイスをパフする場合等に、気化デバイスが所望量の気化可能材料を気化させる有効性が低下する。さらに、リザーバ内に生じた真空により、最終的に、気化可能材料の全てを気化チャンバ内に引き込むことができず、それにより、気化可能材料を浪費するおそれがある。したがって、これらの問題を改善するかまたは克服する改善された気化デバイスおよび/または気化カートリッジが所望されている。
【0008】
本主題と一致して本明細書で使用される気化器デバイスという用語は、一般的には、個人での使用に便利な携帯型の内蔵型デバイスを指す。典型的には、このようなデバイスは、気化器上の1つ以上のスイッチ、ボタン、タッチセンシティブデバイスまたは他のユーザ入力機能等により制御(一般的には、コントロールと呼ばれることもある)されるが、外部コントローラ(例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、他のウェアラブル電子デバイス等)と無線通信することができる多くのデバイスを近年利用できるようになってきている。この文脈において、コントロールは、一般的には、ヒータをオンおよび/もしくはオフにすること、動作中にヒータが加熱される最低温度および/もしくは最高温度を調整すること、デバイス上でユーザがアクセスすることができる種々のゲームもしくは他の対話型機能ならびに/または他の動作のいずれかを含むことができるが、これらに限定されない各種の動作パラメータのうちの1つ以上に影響を及ぼす能力を指す。
【0009】
各種の内容物およびこのような内容物の一部を有する種々の気化可能材料をカートリッジに収容することができる。一部の気化可能材料は、例えば、特定の有効成分割合を必要とする調整により、例えば、気化可能材料の総体積当たり、より少ない割合の有効成分を有することができる。したがって、ユーザは、所望の効果を達成するために、(例えば、カートリッジ内に蓄えることができる気化可能材料の全体積と比較して)大量の気化可能材料を気化させる必要がある場合がある。
【0010】
概要
本主題の特定の態様では、電子気化器デバイスの特定の影響を受けやすいコンポーネント内またはその付近に液状の気化可能材料が存在することに関連する課題に、本明細書に記載された特徴のうちの1つ以上を含めることによりまたは当業者に理解される同等/均等のアプローチにより対処することができる。一態様では、気化器デバイス用のカートリッジが提供される。このカートリッジは、カートリッジが気化器デバイスと連結されたときに、気化器デバイス内の受け口の開いた頂部より下に延在するように構成されたカートリッジハウジングと、カートリッジハウジング内に配置され、気化可能材料を収容するように構成されたリザーバと、カートリッジハウジング内に配置されたウィックハウジングと、ウィックハウジング内に少なくとも部分的に配置された加熱部分およびウィックハウジング外に少なくとも部分的に配置された接点部分を含む加熱要素であって、接点部分は、気化器デバイスの受け口内の1つ以上の受け口接点との電気的連結を形成するように構成された1つ以上のカートリッジ接点を含む、加熱要素と、ウィックハウジング内で加熱要素の加熱部分に近接して配置されたウィッキング要素であって、加熱要素による気化のために、リザーバからウィックハウジングに気化可能材料を引き込むように構成されたウィッキング要素と、を含んでよい。
【0011】
一部の変化形態では、以下の特徴を含む本明細書に開示された1つ以上の特徴を、場合により、任意の実行可能な組み合わせで含ませることができる。接点部分は、さらに、気化器デバイスの受け口との機械的連結を形成するように構成されていてよい。この機械的連結により、気化器デバイスの受け口内にカートリッジが固定されていてよい。
【0012】
一部の変化形態では、受け口は、気化器デバイスの本体の第2の部分より小さい断面寸法を有する気化器デバイスの本体の第1の部分であってよい。カートリッジが気化器デバイスと連結されたときに、カートリッジハウジングと気化器デバイスの本体の第2の部分との間に凹部領域が形成されていてよい。
【0013】
一部の変化形態では、受け口は、カートリッジが気化器デバイスと連結されたときに、ウィックハウジングの底部における1つ以上のスロットと流体連結を形成する1つ以上の空気入口を含んでよい。1つ以上のスロットは、1つ以上の空気入口に入った空気がウィックハウジングにさらに入ることを可能にするように構成されていてよい。1つ以上の空気入口は、凹部領域に配置されていてよい。1つ以上の空気入口は、概ね、0.6ミリメートルと1.0ミリメートルとの間の直径を有してよい。
【0014】
一部の変化形態では、1つ以上のスロットそれぞれの内部は、ウィックハウジングの底部における1つ以上のスロットの寸法より小さい1つ以上のスロットの内側寸法により形成された少なくとも1つの段部を含んでよい。少なくとも1つの段部は、メニスカスが形成されてウィックハウジング内の気化可能材料が1つ以上のスロットから流出するのを防止する狭窄点を提供していてよい。ウィックハウジングの底部における1つ以上のスロットの寸法は、概ね、長さ1.2ミリメートル×幅0.5ミリメートルであってよい。1つ以上のスロットの内側寸法は、概ね、長さ1ミリメートル×幅0.3ミリメートルであってよい。
【0015】
一部の変化形態では、加熱要素の加熱部分および加熱要素の接点部分は、基板材料を折り畳むことにより形成されていてよい。基板材料は、加熱要素の加熱部分を形成するための1つ以上の櫛歯(tine)を含むように切断されていてよい。基板材料は、さらに、加熱要素の接点部分を形成するための1つ以上の脚部を含むように切断されていてよい。
【0016】
一部の変化形態では、加熱要素の接点部分は、少なくとも第1のジョイント、第2のジョイントおよび第3のジョイントを形成するように、1つ以上の脚部のそれぞれを折り畳むことにより形成されていてよい。第1のジョイントは、第2のジョイントと第3のジョイントとの間に配置されていてよい。第2のジョイントは、1つ以上の脚部それぞれの先端と第1のジョイントとの間に配置されていてよい。
【0017】
一部の変化形態では、1つ以上のカートリッジ接点は、第2のジョイントに配置されていてよい。加熱要素は、ウィックハウジングの外部と、第1のジョイントと第3のジョイントとの間の1つ以上の脚部それぞれの一部との間の第1の機械的連結により、ウィックハウジングに固定されていてよい。カートリッジは、第2のジョイントと気化器デバイスの受け口との間の第2の機械的連結により、気化器デバイスの受け口に固定されていてよい。
【0018】
一部の変化形態では、1つ以上のカートリッジ接点は、第1のジョイントに配置されていてよい。加熱要素は、ウィックハウジングの外部と、先端と第2のジョイントとの間の1つ以上の脚部それぞれの一部との間の第1の機械的連結により、ウィックハウジングに固定されていてよい。カートリッジは、第1のジョイントと気化器デバイスの受け口との間の第2の機械的連結により、気化器デバイスの受け口に固定されていてよい。
【0019】
一部の変化形態では、リザーバは、蓄えチャンバおよびコレクタを含んでよい。コレクタは、蓄えチャンバと流体接触する気化可能材料の体積を保持するように構成されたオーバフローチャネルを含んでよい。オーバフローチャネルの長さに沿って1つ以上の微小流体機構が配置されていてよい。1つ以上の微小流体機構はそれぞれ、狭窄点を提供するように構成され、狭窄点では、メニスカスが形成されて、リザーバに入った空気がオーバフローチャネル内の気化可能材料を通過することが防止されてもよい。
【0020】
一部の変化形態では、カートリッジハウジングは、気化可能材料を気化させる加熱要素により形成されたエアロゾル用の出口に通じる空気流通路を含んでよい。コレクタは、空気流通路と流体連通する中央トンネルを含んでよい。コレクタの底面は、気化可能材料を気化させる加熱要素により生成されたエアロゾルを混合するように構成されたフローコントローラを含んでよい。
【0021】
一部の変化形態では、空気流通路の内面は、出口からウィッキング要素まで延在する1つ以上のチャネルを含んでよい。1つ以上のチャネルは、エアロゾルにより形成された凝縮物を収集して、収集された凝縮物の少なくとも一部をウィッキング要素に向けるように構成されていてよい。
【0022】
一部の変化形態では、フローコントローラは、第1のチャネルおよび第2のチャネルを含んでよい。第1のチャネルは、第2のチャネルからオフセットされていてよい。第1のチャネルの第1の内面は、第2のチャネルの第2の内面とは異なる方向に傾いて、第1のチャネルを通って中央トンネルに入るエアロゾルの第1のカラムを、第2のチャネルを通って中央トンネルに入るエアロゾルの第2のカラムとは異なる方向に向けてもよい。
【0023】
一部の変化形態では、コントローラの底面は、1つ以上のウィック界面をさらに含んでよい。1つ以上のウィック界面は、コレクタ内の1つ以上のウィックフィードと流体連通していてよい。1つ以上のウィックフィードは、ウィックハウジング内に配置されたウィッキング要素に、蓄えチャンバ内に収容された気化可能材料の少なくとも一部を送るように構成されていてよい。
【0024】
一部の変化形態では、ウィックハウジングは、カートリッジが気化器デバイスと連結されたときに、気化器デバイスの受け口内に少なくとも部分的に配置されていてよい。ウィックハウジングの上側周囲に少なくとも部分的にフランジが配置されている。フランジは、カートリッジ受け口のリムの少なくとも一部の上に延在していてよい。
【0025】
別の態様では、気化器デバイスが提供される。気化器カートリッジは、気化器デバイスの本体の第1の部分を備える受け口であって、1つ以上の受け口接点を含み、気化可能材料を収容するカートリッジが気化器デバイスと連結されたときに、カートリッジのウィックハウジングを受容するように構成されており、カートリッジのハウジングは、カートリッジが気化器デバイスと連結されたときに、受け口の開いた頂部より下に延在しており、1つ以上の受け口接点は、カートリッジ内の加熱要素の接点部分を備える1つ以上のカートリッジ接点との電気的連結を形成するように構成されており、接点部分は、ウィックハウジングの外側に少なくとも部分的に配置されている、受け口と、気化器デバイスの本体の第2の部分内に少なくとも部分的に配置された電源と、カートリッジが気化器デバイスと連結されたときに、電源から、カートリッジに含まれた加熱要素への電流の放電を制御するように構成されたコントローラであって、ウィックハウジング内で加熱要素の加熱部分に近接して配置されているウィッキング要素を満たしている気化可能材料の少なくとも一部を気化させるために電流を加熱要素へと放電するコントローラと、を含む。
【0026】
一部の変化形態では、以下の特徴を含む本明細書に開示された1つ以上の特徴を、場合により、任意の実行可能な組み合わせで含ませることができる。受け口は、さらに、加熱要素の接点部分との機械的連結を形成するように構成されており、機械的連結により、気化器デバイスの受け口内にカートリッジが固定されている。
【0027】
一部の変化形態では、気化器デバイスの本体の第1の部分は、気化器デバイスの本体の第2の部分より小さい断面寸法を有してよい。カートリッジが気化器デバイスと連結されたときに、気化器デバイスの本体の第2の部分とカートリッジハウジングとの間に凹部領域が形成されていてよい。
【0028】
一部の変化形態では、受け口は、カートリッジが気化器デバイスと連結されたときに、ウィックハウジングの底部における1つ以上のスロットと流体連結を形成する1つ以上の空気入口を含んでよい。1つ以上のスロットは、1つ以上の空気入口に入った空気がウィックハウジングにさらに入ることを可能にするように構成されていてよい。1つ以上の空気入口は、凹部領域に配置されていてよい。1つ以上の空気入口は、概ね0.6ミリメートルと1.0ミリメートルとの間の直径を有してよい。
【0029】
一部の変化形態では、受け口は、受け口の頂部リムが、気化器デバイスの本体の第1の部分の頂部リムと実質的に面一になるように、気化器デバイスの本体の第1の部分内に配置されていてよい。
【0030】
一部の変化形態では、受け口は、ウィックハウジングの上部周囲に少なくとも部分的に配置されたフランジが、カートリッジ受け口の頂部リムおよび/または気化器デバイスの本体の第1の部分の頂部リムの少なくとも一部の上に延在するように、ウィックハウジングの一部を受容するように構成されていてよい。受け口の深さは、約4.5ミリメートルであってよい。
【0031】
本明細書に記載された主題の1つ以上の変化形態の詳細は、添付の図面および以下の説明で説明される。本明細書に記載された主題の他の特徴および利点は、この説明および図面ならびに特許請求の範囲から明らかであろう。
【0032】
本明細書に組み込まれてその一部分を成している添付の図面は、本明細書で開示される対象の特定の態様を示しており、その説明と併せて、開示される実現形態に関連するいくつかの原理を説明するのに役立つものである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本主題の実現形態と一致した気化器の例を示すブロック図である。
【
図2A】本主題の実現形態と一致した蓄えチャンバおよびオーバフロー容積を有するカートリッジの例の平断面図(planar cross-sectional view)である。
【
図2B】本主題の実現形態と一致した蓄えチャンバおよびオーバフロー容積を有するカートリッジの例の平断面図である。
【
図3A】本主題の実現形態と一致した一例のコネクタを有するカートリッジの斜視図である。
【
図3B】本主題の実現形態と一致した別の一例のコネクタを有するカートリッジの斜視図である。
【
図3C】本主題の実現形態と一致した一例のコネクタを有するカートリッジの平断面図である。
【
図3D】本主題の実現形態と一致した別の一例のコネクタを有するカートリッジの平断面図である。
【
図3E】本主題の実現形態と一致した一例のコネクタを有するカートリッジの斜視断面図である。
【
図3F】本主題の実現形態と一致した一例のコネクタを有するカートリッジの平上面図である。
【
図4A】本主題の実現形態と一致したカートリッジの例の閉じた状態の斜視図である。
【
図4B】本主題の実現形態と一致したカートリッジの例の分解斜視図である。
【
図4C】本主題の実現形態と一致したカートリッジの例の別の閉じた状態の斜視図である。
【
図4D】本主題の実現形態と一致したカートリッジの例の閉じた状態の側面図である。
【
図5A】本主題の実現形態と一致したコレクタの例の閉じた状態の側平面図である。
【
図5B】本主題の実現形態と一致した一例のコレクタを含むカートリッジの側平面図である。
【
図5C】本主題の実現形態と一致したコレクタの例の斜視図および側平面図である。
【
図5D】本主題の実現形態と一致したコレクタの例の斜視図および側平面図である。
【
図5E】本主題の実現形態と一致したコレクタの例の斜視図および側平面図である。
【
図5F】本主題の実現形態と一致したコレクタの例の側面図である。
【
図5G】本主題の実現形態と一致したコレクタの例の正面図である。
【
図5H】本主題の実現形態と一致したコレクタの例の一部の斜視図である。
【
図5I】本主題の実現形態と一致したコレクタの例の上斜視図である。
【
図5J】本主題の実現形態と一致したコレクタの例の一部の側斜視図である。
【
図5K】本主題の実現形態と一致したコレクタの例の一部の上斜視図である。
【
図5L】本主題の実現形態と一致したコレクタ中での流体流管理機構の例を示す図である。
【
図5M】本主題の実現形態と一致したコレクタ中での流体流管理機構の例を示す図である。
【
図5N】本主題の実現形態と一致したコレクタ中での流体流管理機構の例を示す図である。
【
図6A】本主題の実現形態と一致したコレクタの例の側面図である。
【
図6B】本主題の実現形態と一致したコレクタの別の例の側面図である。
【
図7】本主題の実現形態と一致したカートリッジの例の斜視図、正面図、側面図および分解図である。
【
図8A】本主題の実現形態と一致したコレクタの例の斜視図、正面図、側面図、底面図および上面図である。
【
図8B】本主題の実現形態と一致したコレクタの例の斜視図および断面図である。
【
図8C】本主題の実現形態と一致したコレクタの例の斜視図および断面図である。
【
図8D】本主題の実現形態と一致したウィックフィード機構の例の上平面図である。
【
図8E】本主題の実現形態と一致したウィックフィード機構の例の上平面図である。
【
図8F】本主題の実現形態と一致したウィックフィード機構の例の上平面図である。
【
図9A】本主題の実現形態と一致した一例のカートリッジの斜視図である。
【
図9B】本主題の実現形態と一致したカートリッジの例の正面図である。
【
図9C】本主題の実現形態と一致したカートリッジの例の側面図である。
【
図10A】本主題の実現形態と一致した凝縮物リサイクルシステムの例を有するカートリッジの正面図である。
【
図10B】本主題の実現形態と一致した凝縮物リサイクルシステムの例を有するカートリッジの上面図である。
【
図10C】本主題の実現形態と一致した凝縮物リサイクルシステムの例を有するカートリッジの底面図である。
【
図10D】本主題の実現形態と一致した凝縮物リサイクルシステムの例を有するカートリッジの別の正面図である。
【
図10E】本主題の実現形態と一致した凝縮物リサイクルシステムの例を有するカートリッジの別の上面図である。
【
図11A】本主題の実現形態と一致した一例の外部空気流経路を有するカートリッジの正面図である。
【
図11B】本主題の実現形態と一致した一例の外部空気流経路を有するカートリッジの正面図である。
【
図12A】本主題の実現形態と一致したウィックハウジングの例の斜視図、上面図、底面図および種々の側面図である。
【
図12B】本主題の実現形態と一致したコレクタおよびウィックハウジングの例の斜視図である。
【
図13A】本主題の実現形態と一致したカートリッジの例の分解斜視図である。
【
図13B】本主題の実現形態と一致したカートリッジの例の上斜視図である。
【
図13C】本主題の実現形態と一致したカートリッジの例の底斜視図である。
【
図14】本主題の実現形態と一致した気化器デバイスで使用するための加熱要素の概略図である。
【
図15】本主題の実現形態と一致した気化器デバイスで使用するための加熱要素の概略図である。
【
図16】本主題の実現形態と一致した気化器デバイスで使用するための加熱要素の概略図である。
【
図17】本主題の実現形態と一致した気化器デバイスで使用するための気化器カートリッジ内に配置された加熱要素の概略図である。
【
図18A】本主題の実現形態と一致した加熱要素の斜視図である。
【
図18B】本主題の実現形態と一致した加熱要素の側面図である。
【
図18C】本主題の実現形態と一致した加熱要素の正面図である。
【
図18D】本主題の実現形態と一致した加熱要素およびウィッキング要素の斜視図である。
【
図18E】本主題の実現形態と一致した加熱要素を含むウィックハウジングの底斜視図である。
【
図19】本主題の実現形態と一致した、曲がった加熱要素の斜視図である。
【
図20】本主題の実現形態と一致した、曲がった加熱要素の側面図である。
【
図21】本主題の実現形態と一致した、曲がった加熱要素の上面図である。
【
図22】本主題の実現形態と一致した、曲がった加熱要素の正面図である。
【
図23】本主題の実現形態と一致した、曲がっていない加熱要素の斜視図である。
【
図24】本主題の実現形態と一致した、曲がっていない加熱要素の上面図である。
【
図25A】本主題の実現形態と一致した、曲がった加熱要素の斜視図である。
【
図25B】本主題の実現形態と一致した、曲がった加熱要素の斜視図である。
【
図26】本主題の実現形態と一致した、曲がった加熱要素の側面図である。
【
図27】本主題の実現形態と一致した、曲がった加熱要素の上面図である。
【
図28】本主題の実現形態と一致した、曲がった加熱要素の正面図である。
【
図29A】本主題の実現形態と一致した、曲がっていない加熱要素の斜視図である。
【
図29B】本主題の実現形態と一致した、曲がっていない加熱要素の斜視図である。
【
図30A】本主題の実現形態と一致した、曲がっていない加熱要素の上面図である。
【
図30B】本主題の実現形態と一致した、曲がっていない加熱要素の上面図である。
【
図31】本主題の実現形態と一致したアトマイザアセンブリの上斜視図である。
【
図32】本主題の実現形態と一致したアトマイザアセンブリの底斜視図である。
【
図33】本主題の実現形態と一致したアトマイザアセンブリの分解斜視図である。
【
図34A】本主題の実現形態と一致したアトマイザアセンブリの側断面図である。
【
図34B】本主題の実現形態と一致したアトマイザアセンブリの別の側断面図である。
【
図35】本主題の実現形態と一致した一例の加熱要素を示す概略図である。
【
図36】本主題の実現形態と一致した、曲がった加熱要素の斜視図である。
【
図37】本主題の実現形態と一致した、曲がった加熱要素の側面図である。
【
図38】本主題の実現形態と一致した、曲がった加熱要素の斜視図である。
【
図39】本主題の実現形態と一致した、曲がった加熱要素の側面図である。
【
図40】本主題の実現形態と一致した加熱要素を備えた基板材料の上面図である。
【
図41】本主題の実現形態と一致した、曲がっていない加熱要素の上面図である。
【
図42A】本主題の実現形態と一致したアトマイザアセンブリの上斜視図である。
【
図42B】本主題の実現形態と一致したアトマイザアセンブリのウィックハウジングの一部の拡大図である。
【
図43】本主題の実現形態と一致したアトマイザアセンブリの底斜視図である。
【
図44】本主題の実現形態と一致したアトマイザアセンブリの分解斜視図である。
【
図45A】本主題の実現形態と一致した凝縮物リサイクル器システムの例の側断面図である。
【
図45B】本主題の実現形態と一致した凝縮物リサイクル器システムの例の第1の斜視図である。
【
図45C】本主題の実現形態と一致した凝縮物リサイクル器システムの例の第2の斜視図である。
【
図46】本主題の実現形態と一致した気化器デバイスの分解図である。
【
図47A】本主題の実現形態と一致した受け口接点の例を示す図である。
【
図47B】本主題の実現形態と一致した受け口接点の別の例を示す図である。
【
図47C】本主題の実現形態と一致した受け口接点の別の例を示す図である。
【
図47D】本主題の実現形態と一致したカートリッジ受け口の例の斜視図である。
【
図47E】本主題の実現形態と一致した一例のカートリッジ受け口を含む気化器本体の上斜視図である。
【
図48A】本主題の実現形態と一致したカートリッジ受け口内に配置されたカートリッジの側切断図である。
【
図48B】本主題の実現形態と一致したカートリッジ受け口内に配置されたカートリッジの別の側切断図である。
【
図48C】本主題の実現形態と一致した気化器本体と連結された気化器カートリッジの側面の部分図である。
【
図48D】本主題の実現形態と一致した気化器本体と連結された気化器カートリッジの側面の別の部分図である。
【
図48E】本主題の実現形態と一致した気化器本体と連結された気化器カートリッジの側面の別の部分図である。
【
図48F】本主題の実現形態と一致した空気入口周囲の気圧および空気流速度の分布を示すヒートマップを示す図である。
【
図49A】本主題の実現形態と一致した気化器本体シェルの例の上斜視図である。
【
図49B】本主題の実現形態と一致した、組み立てられた気化器本体シェルの例の断面図である。
【
図50A】本主題の実現形態と一致したウィックハウジングの断面図である。
【
図50B】本主題の実現形態と一致したウィックハウジングの別の断面図である。
【
図51A】本主題の実現形態と一致した加熱要素の別の例の斜視図である。
【
図51B】本主題の実現形態と一致した加熱要素の別の例の側面図である。
【
図51C】本主題の実現形態と一致した加熱要素の別の例の正面図である。
【
図51D】本主題の実現形態と一致した加熱要素の別の例の上面図である。
【
図52A】本主題の実現形態と一致したコレクタの例の底面図である。
【
図52B】本主題の実現形態と一致したコレクタの例の正断面図である。
【
図52C】本主題の実現形態と一致したコレクタの例の別の正断面図である。
【
図52D】本主題の実現形態と一致したコレクタの例の側断面図である。
【
図52E】本主題の実現形態と一致したコレクタの例の斜視図である。
【
図52F】本主題の実現形態と一致した層流の例および乱流の例を示す図である。
【
図53】本主題の実現形態と一致した一例の加熱要素についての抵抗測定を示す図である。
【0034】
実施する場合、同様の参照符号は、同様の構造、特徴または要素を示す。
【0035】
詳細な説明
本主題の実現形態は、ユーザによる吸入のための1種以上の材料の気化に関するデバイスを含む。以下の説明において概括的に使用される「気化器」という用語は、気化器デバイスを指す。本主題の実現形態と一致した気化器の例は、電子気化器、電子タバコ、eタバコ等を含む。このような気化器は、一般的には、吸入可能な用量の材料を提供するために、気化可能材料を加熱する携帯型デバイスである。
【0036】
気化器と共に使用される気化可能材料は、場合により、カートリッジ(例えば、リザーバまたは他の容器に気化可能材料を収容する気化器の一部)内に提供することができ、カートリッジは、空になると補充可能な場合があり、または、同じもしくは異なる種類の追加的な気化可能材料を収容する新たなカートリッジのために使い捨て可能である。気化器は、カートリッジを使用する気化器、カートリッジなしの気化器、またはカートリッジの有無にかかわらず使用可能な多用途気化器であり得る。例えば、多用途気化器は、気化可能材料を直接加熱チャンバ内に受容し、可用量の気化可能材料を少なくとも部分的に収容するための容積であるリザーバ等を有するカートリッジ、または他の交換可能なデバイスを受容するようにも構成された加熱チャンバ(例えば、オーブン)を含むことができる。
【0037】
種々の実現形態では、気化器は、液状の気化可能材料(例えば、有効成分および/もしくは不活性成分が溶液中に懸濁されもしくは保持されている担体溶液または気化可能材料自体の正味の液状形態)または固体状の気化可能材料と共に使用するように構成されていてよい。固体状の気化可能材料は、(例えば、植物材料の一部が、気化可能材料がユーザによる吸入のために放出された後に廃棄物として残るように)植物材料の一部を気化可能材料として放出する植物材料を含むことができ、または場合により、固体状の材料の全てが最終的に吸入のために気化され得るように、気化可能材料自体の固体形態(例えば、「ワックス」)であってよい。液状の気化可能材料は、同様に完全に気化させることが可能であり、または、吸引に適した材料を全て消費した後に残る液状の材料の一部を含むことができる。
【0038】
一部の態様では、気化器カートリッジおよび/または気化器の他の部分からの液状の気化性材料の漏出が生じる場合がある。さらに、気化器の加熱要素の製造品質の一貫性は、スケーリングされたかつ/または自動化された製造プロセス中に特に重要であり得る。さらに、気化器の使用は、電池の作動時間をより短くする場合があり、低温での作動時間をより短くする場合があり、電池の経年劣化をより早くする場合があり、及び電池の性能に影響を及ぼす場合がある、特定の電力要求を伴ってなされてもよい。
【0039】
また、本主題の実現形態は、これらの問題に関する利点および利益も提供することができる。例えば、本明細書において、空気流および気化性材料の流れを制御するための種々の機構が記載されている。これにより、既存のアプローチに対する利点および改善を提供することができ、一方で、本明細書に記載された追加の利点も導入することができる。本明細書に記載された気化器デバイスおよび/またはカートリッジは、気化デバイスおよび/またはカートリッジ内の空気流を制御し、改善する1つ以上の機構を含み、それにより、液状の気化可能材料の漏出、または1つ以上の内部チャネルおよび出口に沿って集まる凝縮物の蓄積、につながるおそれがある追加の機構を導入することなく、気化器デバイスにより液状の気化可能材料を気化させる効率および有効性が改善される。
【0040】
例えば、加熱要素は、材料のシートから打ち抜くことができ、ウィッキング要素の少なくとも一部の形状に一致するように曲げることができる。加熱要素の構成は、より一貫性して品質の向上した加熱要素を製造することを可能にするかもしれず、また、複数のコンポーネントを有する加熱要素を組み立てる際の製造プロセス中に生じるおそれがある公差の問題を低減するのに役立つかもれない。また、公差の問題が低下した加熱要素を製造し得る可能性の一貫性が少なくとも部分的に改良されていることに起因して、加熱要素は、加熱要素から取得される測定値(例えば、抵抗、電流、温度等)の精度を改善するかもしれない。打ち抜き成形された加熱要素は、望ましくは、熱損失を最小限に抑えるのに役立つ場合があり、加熱要素が適切な温度に加熱されるように予想通りに挙動するであろうことを確実化するのに役立つ。
【0041】
さらに例証するために、
図1に、気化器100の例を示すブロック図を示す。
図1に示されたように、気化器100は、電源112(例えば、再充電不可能な一次電池、再充電可能な二次電池、燃料電池等)と、コントローラ104(例えば、ロジックを実行可能なプロセッサ、回路機構等)とを含むことができる。コントローラ104は、気化可能材料を凝縮形態(例えば、固体、液体、溶液、懸濁液、少なくとも部分的に未処理の植物材料の一部等)から気相に変換させるためのアトマイザ141への熱の供給を制御するように構成されていてよい。例えば、コントローラ104は、電源112からアトマイザ141への電流の放電を少なくとも制御することにより、アトマイザ141への熱の供給を制御することができる。コントローラ104は、本主題の特定の実現形態と一致した1つ以上のプリント回路基板(PCB)の一部であってよい。
【0042】
気化可能材料を気相に変換した後、かつ、気化器のタイプ、気化可能材料の物理的および化学的特性ならびに/または他の要因に応じて、気相気化可能材料の少なくとも一部を凝縮して、エアロゾルの一部として気相と少なくとも部分的な局所平衡状態で粒子状物質を形成することができる。凝縮相中の気化可能材料(例えば、粒子状物質)は、気相中の気化可能材料と少なくとも部分的に局所平衡状態にあり、気化器100での所定のパフまたは引き込みのために、気化器100により提供される吸入可能用量の一部または全部を形成することができる。例えば、周囲温度、相対湿度、化学物質、(気化器内およびヒトまたは他の動物の気道内の両方において)空気流経路中の流動条件、気相またはエアロゾル相の気化可能材料と他の空気流との混合等、の要因がエアロゾルの1つ以上の物理的パラメータに影響を及ぼす場合があるため、気化器100により生成されたエアロゾル中の気相中と凝縮相中との間の気化可能材料の相互作用は複雑かつ動的である場合があることを理解されたい。一部の気化器では、特に、より揮発性の気化可能材料を送るための気化器のために、吸入可能な用量は、主に気相中に存在することができる(すなわち、凝縮相粒子の形成は、非常に限られている場合がある)。
【0043】
気化器100を液状の気化可能材料(例えば、正味の液体、懸濁液、溶液、混合物等)と共に使用できるようにするために、アトマイザ141は、毛管圧力により流体運動を発生させることができる1つ以上の材料から形成されたウィッキング要素(本明細書において、ウィックとも呼ばれる)を含むことができる。ウィッキング要素は、加熱要素(
図1には図示せず)を含むアトマイザ141の一部に、一定量の液状の気化可能材料を運ぶことができる。ウィッキング要素は、一般的には、リザーバから液状の気化可能材料を引き出すように構成されている。リザーバは、液状の気化可能材料を収容するように構成されており(使用時には収容することができる)、加熱要素により生じた熱により液状の気化可能材料を気化させることができる。また、ウィッキング要素は、場合により、空気がリザーバに入って、取り出された液体の容積を置き換えることを可能にすることができる。すなわち、毛管作用は、加熱要素(以下に説明される)による気化のために液状の気化可能材料をウィッキング要素内に引き込む場合があり、そして、空気は、本主題の一部の実現形態では、ウィックを介してリザーバに戻り、リザーバ内の圧力を少なくとも部分的に等しくする。空気をリザーバ内に戻して圧力を等しくする他のアプローチも、以下により詳細に検討されるように、本主題の範囲内にある。
【0044】
加熱要素は、導電性ヒータ、放射ヒータおよび対流ヒータのうちの1つ以上であってよく、または、それを含んでよい。1つのタイプの加熱要素は、抵抗加熱要素であり、この抵抗加熱要素は、電流が加熱要素の1つ以上の抵抗セグメントを通過するときに、熱の形で電力を消散するように構成された材料(例えば、金属もしくは合金、例えば、ニッケル-クロム合金または非金属抵抗器)で構成されるか、または、少なくとも含むことができる。本主題の一部の実現形態では、アトマイザは、抵抗コイルまたは他の加熱要素を含む加熱要素を含むことができる。加熱要素は、ウィッキング要素の周囲に巻き付けられるか、ウィッキング要素内に配置されるか、ウィッキング要素のバルク形状と一体化されるか、圧入されてウィッキング要素と熱接触するか、あるいは、ウィッキング要素に熱を伝える他の配置とされ、リザーバからウィッキング要素によって引き出された液状の気化可能材料が、ユーザによるその後の吸入のために気相および/または凝縮(例えば、エアロゾル粒子または液滴)相で気化する原因となる。以下でさらに検討されるように、他のウィッキング要素、加熱要素および/またはアトマイザアセンブリ構成も可能である。
【0045】
代替的にかつ/または付加的に、気化器100は、例えば、固相の気化可能材料(例えば、ワックス等)または気化可能材料を含有する植物材料(例えば、タバコ葉および/またはタバコ葉の一部)等の非液状の気化可能材料の加熱を介して、吸入可能用量の気相および/またはエアロゾル相の気化可能材料を生成するように構成されていてよい。したがって、1つ以上の加熱要素は、非液状の気化可能材料が配置されるオーブンまたは他の加熱チャンバの壁の一部であってよく、または、この壁と何等かの方法で一体化されてもよく、あるいは、この壁と熱的に接触してもよい。代替的には、1つ以上の加熱要素を使用して、非液状の気化可能材料を通過しているまたは通過した空気を加熱して、非液状の気化可能材料を対流加熱させることができる。さらに他の例では、植物材料の直接伝導加熱が植物材料の塊内から(例えば、オーブンの壁から内側に伝導するのとは対照的に)起こるように、1つ以上の抵抗加熱要素を、植物材料と密接に接触させて配置することができる。
【0046】
加熱要素は、気化器のマウスピース130でのユーザパフ(例えば、引き込み、吸入等)に関連付けて起動されてもよい(例えば、以下で検討される気化器本体の一部であり得るコントローラは、電源からの電流を、オプションとして以下で検討される気化器カートリッジの一部とされる抵抗加熱要素を含む回路へと流す)。ユーザパフは、空気が空気入口から、アトマイザ(例えば、ウィッキング要素および加熱要素)を通過して空気流経路に沿って、オプションとして1つ以上の凝縮領域またはチャンバを通って、マウスピースの空気出口まで流れる原因となる。空気流経路に沿って通過する流入空気は、アトマイザを通過し、そこで、気相の気化可能材料が空気中に取り込まれる。上述したように、取り込まれた気相の気化可能材料は、空気流経路の残りの部分を通過する際に凝縮し、エアロゾル形態にある吸入可能な用量の気化可能材料が空気出口から(例えば、ユーザによる吸入のためのマウスピース130内に)送られ得る。
【0047】
加熱要素は、パフを検出することおよび/またはパフが迫っていることを決定することに応じて起動させることができる。例えば、パフの検出は、1つ以上の信号に基づいて行うことができる。信号は、例えば、1つ以上の圧力センサ(例えば、周囲圧力に対する空気流経路に沿った圧力、絶対圧力の変化等を測定するように構成されている)、運動センサ、流量センサ、容量センサ(例えば、ユーザの唇と気化器100との間の接触を検出するように構成されている)等の気化器100に含まれる1つ以上のセンサ113により生成される。代替的にかつ/または付加的に、気化器100に含まれる1つ以上の入力デバイス116(例えば、気化器100のボタンまたは他の触覚制御デバイス)と対話するユーザの検出、気化器100と通信するコンピュータデバイスからの信号の受信等に応答して、パフ(または迫ったパフ)を検出することができる。パフの迫った発生の決定を含むパフの検出は、各種の技術を使用して行うことができると理解されたい。
【0048】
本主題の一部の実現形態では、気化器100は、気化器と通信するコンピュータデバイス(または場合により、2つ以上のデバイス)に(例えば、無線でまたは有線接続を介して)接続するように構成されていてよい。この目的を達成するために、コントローラ104は、通信ハードウェア105を含むことができる。また、コントローラ104は、メモリ108を含むことができる。コンピュータデバイスは、気化器100も含む気化器システムのコンポーネントであってよく、気化器100の通信ハードウェア105との無線通信チャネルを確立することができるそれ自体の通信ハードウェアを含むことができる。例えば、気化器システムの一部として使用されるコンピュータデバイスは、ソフトウェアを実行して、デバイスのユーザが気化器と対話することを可能にするためのユーザインタフェースを生成する汎用コンピュータデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、一部の他のポータブルデバイス、例えば、スマートウォッチ等)を含むことができる。本主題の他の実現形態では、気化器システムの一部として使用されるこのようなデバイスは、1つ以上の物理的またはソフト的(例えば、スクリーンまたは他のディスプレイデバイス上で構成可能であり、タッチ感知スクリーンまたはマウス、ポインタ、トラックボール、カーソルボタン等の一部の他の入力デバイスとのユーザ対話を介して選択可能である)インタフェースコントロールを有する、リモートコントロールまたは他の無線もしくは有線デバイス等の専用のハードウェアピースであってよい。また、気化器は、ユーザに情報を提供するための1つ以上の出力117の機構またはデバイスを含むことができる。
【0049】
上記定義された気化器システムの一部であるコンピュータデバイスは、1つ以上の機能、例えば、用量の制御(例えば、用量監視、用量設定、用量制限、ユーザ追跡等)、セッションの制御(例えば、セッション監視、セッション設定、セッション制限、ユーザ追跡等)、ニコチン給送の制御(例えば、ニコチンと非ニコチン気化可能材料との間での切り替え、給送されるニコチン量の調整等)、位置情報の取得(例えば、他のユーザの位置、小売業者/商業会場の位置、電子タバコが吸える場所、気化器自体の相対位置または絶対位置等)、気化器のパーソナライゼーション(例えば、気化器の命名、気化器を保護するロック/パスワード、1つ以上のペアレントコントロールの調整、気化器とユーザグループとの関連付け、気化器を製造業者または保証保守機関に登録すること等)、他のユーザとの社会活動に参加すること(例えば、ゲーム、ソーシャルメディア通信、1つ以上のグループと対話すること等)等のいずれかに使用することができる。「セッショニング」、「セッション」、「気化器セッション」または「蒸気セッション」という用語は、概括的に、気化器の使用に充てられた期間を指すのに使用される。期間は、時間、投与回数、気化可能材料の量等を含むことができる。
【0050】
コンピュータデバイスが、加熱要素の起動に関連する信号を提供する例または種々の制御または他の機能を実現するためにコンピュータデバイスを気化器100と連結する他の例では、コンピュータデバイスは、1つ以上のコンピュータ命令セットを実行して、ユーザインタフェースおよび基礎となるデータ処理を提供することができる。一例では、コンピュータデバイスが1つ以上のユーザインタフェース要素とのユーザ対話を検出することで、コンピュータデバイスが気化器100に信号を送り、加熱要素が蒸気/エアロゾルの吸入可能な用量を生成するための全動作温度のいずれかへと作動する原因となる。気化器の他の機能は、ユーザと、気化器100と通信するコンピュータデバイス上のユーザインタフェースとの対話により制御することができる。
【0051】
気化器の加熱要素の温度は、加熱要素に提供される電力の量および/または電力が提供されるデューティサイクル、電子気化器の他の部品および/または環境への熱伝導、ウィッキング要素および/またはアトマイザ全体からの気化可能材料の気化による潜熱損失ならびに空気流(例えば、ユーザが電子気化器で吸入する際に、加熱要素またはアトマイザ全体を横切って移動する空気)による対流熱損失を含む多くの要因により決まる場合がある。上述したように、加熱要素を確実に起動させ、または、加熱要素を所望の温度まで加熱するために、気化器100は、本主題の一部の実現形態では、圧力センサからの信号を利用して、ユーザが吸入している時点を決定することができる。圧力センサは、空気流経路内に配置することができ、かつ/または、(例えば、通路または他の経路により)空気がデバイスに入るための入口と、ユーザが生じた蒸気および/またはエアロゾルを吸入する出口とを接続する空気流経路に接続することができる。その結果、圧力センサは、空気が気化器デバイスを空気入口から空気出口まで通過するのと同時に圧力変化を受ける。本主題の一部の実現形態では、加熱要素を、例えば、空気流経路内の圧力変化を検出する圧力センサによる、例えば、パフの自動検出により、ユーザのパフに関連付けて起動させることができる。
【0052】
典型的には、圧力センサ(および任意の他のセンサ113)を、コントローラ104(例えば、プリント回路基板アセンブリまたは他のタイプの回路基板)上に配置しまたは連結させる(例えば、物理的にまたは無線接続を介したいずれかで、電気的または電子的に接続する)ことができる。気化器100の正確な測定を行い、耐久性を維持するために、弾性シール150により、気化器100の他の部品から空気流経路を分離する場合がある。ガスケットであり得るシール150は、気化器の内部回路への圧力センサの接続部が空気流経路に曝される圧力センサの一部から分離されるように、圧力センサを少なくとも部分的に囲むように構成されていてよい。カートリッジ系気化器の例において、シール150により、気化器本体110と気化器カートリッジ1320(
図1には図示せず)との間の1つ以上の電気的接続の一部を、気化器本体110の1つ以上の他の部分から分離することもできる。気化器100内のシール150のこのような配置は、環境要因、例えば、蒸気相または液相中の水、気化可能材料等の他の流体等との相互作用により生じる気化器コンポーネントへの潜在的に破壊的な影響を軽減し、かつ/または、気化器内の設計された空気流経路からの空気の漏れを低減するのに役立つことができる。気化器の回路への望ましくない空気、液体、または他の流体の通過および/または接触は、種々の望ましくない影響、例えば、圧力読み取り値の変化を引き起こすおそれがあり、かつ/または、気化器の部品内に水分や気化可能材料等の望ましくない材料が蓄積するおそれがある。この場合、それらにより、圧力信号が不十分になり、圧力センサもしくは他のコンポーネントが劣化し、かつ/または、気化器の寿命が短くなるおそれがある。また、シール150における漏れにより、吸入には望ましくないであろう材料を含有するか、または、この材料で構築された気化器デバイスの部分を通過した空気を、ユーザに吸入させてしまうおそれもある。
【0053】
気化器100は、記載されたように、カートリッジ系気化器であってよい。したがって、
図1は、コントローラ104、電源112(例えば、バッテリ)、1つ以上のセンサ113、1つ以上の充電接点124およびシール150に加えて、1つ以上の各種の取付け構造を介して気化器本体110と連結させるための気化器カートリッジ1320の少なくとも一部を受容するように構成されたカートリッジ受け口118を含むものとして気化器100の気化器本体110を示している。一部の例では、気化器カートリッジ1320は、液状の気化可能材料を収容するためのリザーバ140と、吸入可能な用量をユーザに送るためのマウスピース130とを含むことができる。例えば、ウィッキング要素および加熱要素を含むアトマイザ141は、気化器カートリッジ1320内に少なくとも部分的に配置することができる。場合により、加熱要素および/またはウィッキング要素は、気化器カートリッジ1320が気化器本体110に完全に接続されたときにカートリッジ受け口118を取り囲む壁が加熱要素および/またはウィッキング要素の全部または少なくとも一部を囲むように、気化器カートリッジ1320内に配置され得る。本主題の一部の実現形態では、気化器本体110のカートリッジ受け口118に挿入される気化器カートリッジ1320の部分は、気化器カートリッジ1320の別の部分の内部に配置され得る。例えば、気化器カートリッジ1320の挿入可能部分は、例えば、気化器カートリッジ1320の外部シェル等の一部の他の部分により少なくとも部分的に囲まれていてよい。
【0054】
代替的には、アトマイザ141の少なくとも一部(例えば、ウィッキング要素および加熱要素の一方または両方)を、気化器100の気化器本体110内に配置することができる。気化器本体110の一部である実現形態では、アトマイザ141の一部(例えば、加熱要素および/またはウィッキング要素)が、気化器100は、気化器カートリッジ1320内のリザーバ140から気化器本体110に含まれるアトマイザ部分に液状の気化可能材料を送るように構成されていてよい。
【0055】
上記に言及されたように、リザーバ140から気化可能材料102を(例えば、ウィッキング要素による毛管引出しにより)取り出すことにより、リザーバ140内の周囲空気圧に対して少なくとも部分的な真空(例えば、液状の気化可能材料の消費により空になったリザーバの一部に生じた減圧)が生じる場合がある。このような真空は、ウィッキング要素により提供される毛管作用を妨げる場合がある。この減圧は、一部の例では、液状の気化可能材料102を引き出すためのウィッキング要素の有効性が低下するのに十分な大きさである場合があり、それにより、例えば、ユーザが気化器100でパフを行うときに、所望の量の気化可能材料102を気化させるための気化器100の有効性が低下する。極端な場合には、リザーバ140内に真空が生じると、リザーバ140から気化可能材料102の全てを引き出すことができなくなり、それにより、気化可能材料102の使用が不完全になる場合がある。この問題を軽減するために、リザーバ140内の圧力を周囲圧力(例えば、リザーバ140の外側の周囲空気の圧力)と少なくとも部分的に等しくする(場合により、完全に等しくする)ことを可能にするために、(気化器カートリッジ1320内または気化器内の他の場所のリザーバ140の配置に関係なく)気化器リザーバ140に関連して、1つ以上の通気機構を含ませることができる。
【0056】
場合によっては、リザーバ140内の圧力均等化を可能にすることにより、液状の気化可能材料をアトマイザ141に送る効率が改善されるが、リザーバ140内のさもなければ空になった空隙容積(例えば、液状の気化可能材料1302の使用により空になった空間)に空気を充填させることにより、そうすることができる。以下でさらに詳細に検討されるように、この空気で満たされた空隙容積は、その後、周囲空気に対して圧力変化を受ける場合があり、この変化により、特定の条件下では、リザーバ140から、最終的には、気化器カートリッジ1320および/またはリザーバ140を収容する気化器の他の部分からの液状の気化可能材料1302の漏出を生じるおそれがある。例えば、気化器カートリッジ1320内の圧力がリザーバ140内の気化可能材料1302の少なくとも一部を動かすのに十分に高い負圧事象は、種々の環境要因、例えば、カートリッジ1320の周囲温度、高度および/または体積の変化等がトリガとなる場合がある。また、本主題の実現形態は、気化可能材料1302の漏出を排除するかまたは少なくとも最小限に抑えることができる。
【0057】
図2A~
図2Bに、本主題の実現形態と一致した気化器カートリッジ1320の例の平断面図を示す。
図2A~
図2Bに示されたように、カートリッジ1320は、マウスピースまたはマウスピース領域1330と、気化可能材料1302を収容するリザーバ1340と、アトマイザ(個別には図示せず)とを含むことができる。アトマイザは、ウィッキング要素1362から引き出されるかまたはウィッキング要素1362に蓄えられる気化可能材料1302を気化させる目的で、ウィッキング要素1362が加熱要素1350に熱的にまたは熱力学的に連結されるように、実現形態に応じて、加熱要素1350およびウィッキング要素1362を共にまたは別個に含むことができる。
【0058】
接点1326は、一実施形態では、加熱要素1350と電源(例えば、
図1に示された電源112)との間の電気的接続を提供するために含ませることができる。リザーバ1340を通るか、または、その側面上に画定される空気流通路1338は、ウィッキング要素1362(例えば、ウィックハウジングは別個には図示されない)を収容するカートリッジ1320内の領域をマウスピースまたはマウスピース領域1330に通じる開口部に接続して、気化した気化可能材料1302が加熱要素1350領域からマウスピース領域1330に移動するための経路を提供することができる。
【0059】
上記提供されたように、ウィッキング要素1362を、1つ以上の電気的接点(例えば、プレート1326)に接続されるアトマイザまたは加熱要素1350(例えば、抵抗加熱要素またはコイル)に連結させることができる。加熱要素1350(および/または1つ以上の実現形態に従って本明細書に記載された他の加熱要素)は、種々の形状および/または構成を有することができ、以下でより詳細に提供されるように、1つ以上の加熱要素1350、1350またはその機構を含むことができる。
【0060】
1つ以上の例示的な実現形態によれば、カートリッジ1320の加熱要素1350は、材料のシートから作製(例えば、打ち抜き加工)することができ、ウィッキング要素1362の少なくとも一部の周りに圧着されるか、または、ウィッキング要素1362を受容するように構成された予備成形要素を提供するように曲げるか、のいずれかをすることができる。例えば、ウィッキング要素1362は、加熱要素1350内に押し込まれてもよい。代替的にかつ/または付加的に、加熱要素1350は、張力をかけて保持され、ウィッキング要素1362上に引っ張られてもよい。
【0061】
加熱要素1350は、加熱要素1350が加熱要素1350の少なくとも2つまたは3つの部分の間でウィッキング要素1362を固定するように曲げることができる。さらに、加熱要素1350は、ウィッキング要素1362の少なくとも一部の形状に一致するように曲げることができる。加熱要素1350の構成は、加熱要素1350の、より一貫性があり、向上した品質の製造を可能にすることができる。加熱要素1350の製造品質の一貫性は、スケーリングされたかつ/または自動化された製造プロセス中に特に重要であり得る。例えば、1つ以上の実現形態に係る加熱要素1350は、複数のコンポーネントを有する加熱要素1350を組み立てる際に製造プロセス中に生じるおそれがある公差の問題を低減するのに役立つ場合がある。
【0062】
さらに、圧着された金属で形成された加熱要素に関して含まれる実施形態に関して以下でさらに検討されるように、加熱要素1350の加熱性能を向上させるために、加熱要素1350を1つ以上の材料で全体的にかつ/または選択的にめっきすることができる。加熱要素1350の全部または一部をめっきすることは、熱損失を最小限に抑えるのに役立つ場合がある。また、めっきは、加熱要素1350の一部に熱を集中させ、それにより、より効率的に加熱され、さらに熱損失を低減する加熱要素1350を提供するのに役立つ場合がある。選択的めっきは、加熱要素1350に提供される電流を適切な位置に導くのに役立つ場合がある。また、選択的なめっきは、めっき材料の量および/または加熱要素1350の製造に関連するコストを低減するのにも役立つ場合がある。
【0063】
上述したように、加熱要素1350は、一実施形態では、ウィッキング要素1362が加熱要素1350(例えば、加熱要素1350の加熱部分)の内側に少なくとも部分的に配置されるように、ウィッキング要素1362の少なくとも一部を受容するように構成されていてよい。例えば、ウィッキング要素1362は、プレート1326の近くまたは隣に延在し、プレート1326と接触する抵抗加熱要素を通って延在してもよい。ウィックハウジングは、加熱要素1350の少なくとも一部を囲み、加熱要素1350を直接または間接的に空気流通路1338に接続することができる。気化可能材料1302を、リザーバ1340に接続された1つ以上の通路を通して、ウィッキング要素1362により引き込むことができる。一実施形態では、一次通路1382またはオーバフローチャネル1104(
図5Aを参照のこと)の一方または両方を利用して、気化可能材料1302をウィッキング要素1362の一方もしくは両方の端部にまたはウィッキング要素1362の長さに沿って放射状に給送するかまたは送るのに役立てることができる。
【0064】
以下でさらに詳細に、特に、
図2A~
図2Bを参照して提供されるように、気化器カートリッジ1320のリザーバ1340に出入りする空気および液状の気化可能材料1302の交換を、コレクタ1313と呼ばれる組み込まれた構造により有利に制御することができる。コレクタ1313を含ませることにより、カートリッジ1320に含まれる液状の気化可能材料の総体積(カートリッジ1320自体の容積に相当し得る)に対する、最終的に吸入可能なエアロゾルに変換される液状の気化可能材料の体積として定義されるカートリッジ1320の体積効率を改善することもできる。
【0065】
一部の実現形態によれば、カートリッジ1320は、液状の気化可能材料1302を収容するように構成された少なくとも1つの壁(場合により、カートリッジの外部シェルと共有される壁であってよい)によって少なくとも部分的に画定されるリザーバ1340を含むことができる。リザーバ1340は、蓄えチャンバ1342およびオーバフロー容積1344を含むことができる。オーバフロー容積1344は、コレクタ1313を含むことができ、または、何等かの方法で収容することができる。蓄えチャンバ1342は、気化可能材料1302を収容することができ、オーバフロー容積1344は、1つ以上の要因によってリザーバの蓄えチャンバ1342内の気化可能材料1302をオーバフロー容積1344内に移動させるときに、気化可能材料1302の少なくとも一部を収集しかつ/または保持するように構成されていてよい。本主題の一部の実現形態では、カートリッジ1320を、コレクタ1313内の空隙が気化可能材料1302で事前に充填されるように、気化可能材料1302で最初に充填しておくことができる。
【0066】
一部の例示的な実施形態では、オーバフロー容積1344の容積サイズは、蓄えチャンバ1342内の内容物の容積が、リザーバ1340が周囲圧力に対して受ける可能性がある圧力の最大予想変化により膨張するときに、蓄えチャンバ1342内に収容される内容物(例えば、気化可能材料1302および空気)の容積の増加量に等しく、ほぼ等しくまたはそれより大きくなるように構成されていてよい。
【0067】
周囲圧力、温度および/または他の要因の変化に応じて、カートリッジ1320は、第1の圧力状態から第2の圧力状態への変化(例えば、リザーバの内部と周囲圧力との間の第1の相対圧力差およびリザーバの内部と周囲圧力との間の第2の相対圧力差)を受け得る。例えば、第1の圧力状態では、カートリッジ1320内の圧力は、カートリッジ1320の外部の周囲圧力より小さくてよい。対照的に、第2の圧力状態では、カートリッジ1320内の圧力は、周囲圧力を超えてよい。カートリッジ1320が、平衡状態にある場合、カートリッジ1320内の圧力は、カートリッジ1320の外部の周囲圧力と実質的に等しくてよい。
【0068】
一部の態様では、オーバフロー容積1344は、カートリッジ1320の外部に開口部を有することができ、リザーバの蓄えチャンバ1342と連通していてよい。その結果、オーバフロー容積1344は、カートリッジ1320内の圧力の均等化を提供するための通気チャネルとして機能し、オーバフロー容積1344に入る気化可能材料1302を(例えば、蓄えチャンバ1342と周囲圧力との間の圧力差の変動に応じて、蓄えチャンバ1342から)収集し、かつ、少なくとも一時的に保持することができ、かつ/または、場合により、オーバフロー容積1344内に収集された気化可能材料1302の少なくとも一部を可逆的に戻すことができる。
【0069】
本明細書で使用する場合、「圧力差」は、カートリッジ1320の内部の圧力と、カートリッジ1320の外部の周囲圧力との間の差を指す場合がある。蒸気相またはエアロゾル相に変換するために、蓄えチャンバ1342からアトマイザに気化可能材料1302を引き出すことにより、蓄えチャンバ1342内に残っている気化可能材料1302の体積を減少させることができる。空気を蓄えチャンバ1342内に戻す(例えば、カートリッジ1320内の圧力を上昇させて、周囲圧力と実質的な平衡を達成する)ための機構がない場合、低圧または真空も、カートリッジ1320内に発生する場合がある。低圧または真空は、追加量の気化可能材料1302を加熱要素1350に引き込むためのウィッキング要素1362の毛管作用を妨害するおそれがある。
【0070】
代替的には、カートリッジ1320内の圧力は、種々の環境要因、例えば、カートリッジ1320の周囲温度、高度、および/または容積の変化等により、上昇し、カートリッジ1320の外部の周囲圧力を超える場合がある。この内圧の上昇は、例えば、カートリッジ1320内の圧力とカートリッジ1320外部の周囲圧力との間の平衡を達成するために、空気が蓄えチャンバ1342内に戻された後に生じる場合がある。ただし、1つ以上の環境要因における十分な変化によってカートリッジ1320内の圧力がカートリッジ1320内の圧力と周囲圧力との間の平衡を最初に達成するために、カートリッジ1320に追加の空気が入らずに周囲圧力よりも低い状態から周囲圧力より高い状態(例えば、第1の圧力状態から第2の圧力状態への移行)に上昇し得ることを理解されたい。カートリッジ1320内の圧力が十分な上昇を受けた結果として生じる負圧事象により、蓄えチャンバ1342内の気化可能材料1302の少なくとも一部が移動する場合がある。移動した気化可能材料1302をカートリッジ1320内に収集しかつ/または保持するための機構がない場合、移動した気化可能材料1302は、カートリッジ1320から漏出するおそれがある。
【0071】
続けて
図2Aおよび
図2Bを参照して、リザーバ1340は、第1の領域と、第1の領域から分離可能な第2の領域とを含むように実現されていてよく、その結果、リザーバ1340の容積は蓄えチャンバ1342とオーバフロー容積1344とに分割される。蓄えチャンバ1342は、気化可能材料1302を蓄えるように構成されていてよく、1つ以上の一次通路1382を介してウィッキング要素1362にさらに連結されてもよい。一部の例では、一次通路1382の長さは、非常に短い場合がある(例えば、ウィッキング要素1362またはアトマイザの他の部品を収容する空間からの貫通孔)。他の例では、一次通路1382は、蓄えチャンバ1342とウィッキング要素1362との間のより長い流体経路の一部であってよい。オーバフロー容積1344は、以下でさらに詳細に提供されるように、蓄えチャンバ1342内の圧力が周囲圧力より高い第2の圧力状態で、蓄えチャンバ1342からオーバフロー容積1344に入り得る気化可能材料1302の1つ以上の部分を収集し、少なくとも一時的に保持するように構成されていてよい。
【0072】
第1の圧力状態では、気化可能材料1302は、リザーバ1340の蓄えチャンバ1342内に蓄えられ得る。上述したように、第1の圧力状態は、例えば、カートリッジ1320の外部の周囲圧力が、カートリッジ1320内の圧力とほぼ同じかまたはそれ以上である場合に存在することができる。この第1の圧力状態では、一次通路1382およびオーバフローチャネル1104の構造的および機能的特性は、気化可能材料1302が一次通路1382を通って蓄えチャンバ1342からウィッキング要素1362に向かって流れることができるようなものである。例えば、ウィッキング要素1362の毛管作用により、気化可能材料1302を加熱要素1350の近くに引き込むことができる。加熱要素1350により生じた熱は、気化可能材料1302に作用して、気化可能材料1302を気相に変換することができる。
【0073】
一実施形態において、第1の圧力状態では、気化可能材料1302が、コレクタ1313内、例えば、コレクタ1313のオーバフローチャネル1104内に流れないかまたは限られた量で流れる場合がある。対照的に、カートリッジ1320が、第1の圧力状態から第2の圧力状態に移行すると、気化可能材料1302は、蓄えチャンバ1342からリザーバ1340のオーバフロー容積1344内に流れることができる。コレクタ1313に入る気化可能材料1302を収集し、少なくとも一時的に保持することにより、コレクタ1313は、リザーバ1340からの気化可能材料1302の望ましくない(例えば、過剰な)流れを妨げまたは制限することができる。上述したように、第2の圧力状態は、カートリッジ1320の外部の周囲圧力がカートリッジ1320内の圧力より小さい場合に存在することができる。この圧力差により、蓄えチャンバ1342内に膨張する気泡を生じさせることができ、蓄えチャンバ1342内の気化可能材料1302の一部を置き換えることができる。気化可能材料1302の置き換えられた部分は、カートリッジ1320を出て望ましくない漏出を引き起こす代わりに、コレクタ1313により収集され、少なくとも一時的に保持され得る。
【0074】
有利には、気化可能材料1302の流れは、蓄えチャンバ1342から駆動される気化可能材料1302を第2の圧力状態にあるオーバフロー容積1344に送ることにより制御することができる。例えば、オーバフロー容積1344内のコレクタ1313は、液状の気化可能材料1302がコレクタ1313を出て望ましくない漏出を生じさせるおそれがあるコレクタ1313の出口に液状の気化可能材料1302を到達させることなく、蓄えチャンバ1342から押し出される過剰な液状の気化可能材料1302の少なくとも一部(および有利には全て)を収容するように収集し、少なくとも一時的に保持するように構成された1つ以上の毛管構造を含むことができる。また、コレクタ1313は、有利には、蓄えチャンバ1342内の圧力が周囲圧力に対して低下しかつ/または等しくなったときに、(例えば、周囲圧力に対して蓄えチャンバ1342内の過剰圧力により)コレクタ1313内に押し込まれた液状の気化可能材料が蓄えチャンバ1342内に可逆的に引き戻されるのを可能にする毛管構造を含むこともできる。すなわち、コレクタ1313のオーバフローチャネル1104は、コレクタ1313を充填し、空にする間に空気および液体が互いに迂回することを防止する微小流体機構または特性を有することができる。すなわち、微小流体機構を使用して、コレクタ1313に出入りの両方をする気化可能材料1302の流れを管理する(すなわち、流れ反転機構を提供する)ことができる。そうする際に、これらの微小流体機構は、気化可能材料1302の漏出を防止しまたは低減することができ、蓄えチャンバ1342および/またはオーバフロー容積1344内の気泡を捕捉することができる。
【0075】
実現形態に応じて、上述した微小流体機構または特性は、ウィッキング要素1362、一次通路1382および/またはオーバフローチャネル1104のサイズ、形状、表面被覆、構造的特徴および/または毛管特性に関連付けることができる。例えば、コレクタ1313内のオーバフローチャネル1104は、場合により、蓄えチャンバ1342内の気化可能材料1302の少なくとも一部が蓄えチャンバ1342から動かされる第2の圧力状態中に、特定の体積の気化可能材料1302が蓄えチャンバ1342からオーバフロー容積1344内に通過できるように、ウィッキング要素1362につながる一次通路1382とは異なる毛管特性を有する可能性がある。
【0076】
例示的な一実現形態では、液体がコレクタ1313から流れ出すのを可能にするコレクタ1313の全抵抗は、例えば、第1の圧力状態中に気化可能材料1302が主に一次通路1382を通ってウィッキング要素1362に向かって流れるのを可能にするために、ウィッキング要素1362の全抵抗より大きくてもよい。
【0077】
一次通路1382は、リザーバ1340内に蓄えられた気化可能材料1302のためのウィッキング要素1362を通るかまたはその中に毛管経路を提供することができる。毛管経路(例えば、一次通路1382)は、ウィッキング作用または毛管作用により、ウィッキング要素1362内の気化した気化可能材料1302を置き換えることが可能になるのに十分大きくてもよいが、カートリッジ1320内の過剰な圧力により気化可能材料1302の少なくとも一部が蓄えチャンバ1342から移動させられるときに、カートリッジ1320からの気化可能材料1302の漏出を防止するのに十分小さくてもよい。ウィックハウジングまたはウィッキング要素1362は、漏出を防止するように処理されていてよい。例えば、カートリッジ1320は、ウィッキング要素1362を通る漏出または蒸発を防止するために、充填後に被覆することができる。例えば、熱気化可能被覆(例えば、ワックスまたは他の材料)等を含む任意の適切な被覆を使用することができる。
【0078】
ユーザが、カートリッジ1320のマウスピース領域1330から吸入すると、空気は、ウィッキング要素1362と動作関係にある入口または開口部を通ってカートリッジ1320内に流れることができる。加熱要素1350は、(
図1に示された)1つ以上のセンサ113により生成される信号に応答して起動されてもよい。上述したように、1つ以上のセンサ113は、圧力センサ、運動センサ、流量センサまたは例えば、空気流通路1338における変化を検出することを含む、パフおよび/もしくは迫ったパフを検出可能な他の機構のうちの少なくとも1つを含むことができる。加熱要素1350が起動すると、加熱要素1350は、プレート1326を通ってまたは電気エネルギーを熱エネルギーに変換するように機能する加熱要素1350の別の電気抵抗部品を通って流れる電流の結果として、温度上昇を受け得る。加熱要素1350を起動させることは、電源112から加熱要素1350に電流を放電するように、(例えば、
図1に示された)コントローラ104が電源112を制御することを含むことができると理解されたい。
【0079】
一実施形態では、発生した熱を、ウィッキング要素1362内に引き込まれた気化可能材料1302の少なくとも一部が気化されるように、伝導性、対流性および/または放射性の熱伝達により、ウィッキング要素1362内の気化可能材料1302の少なくとも一部に伝達することができる。実現形態に応じて、カートリッジ1320に入る空気は、ウィッキング要素1362および加熱要素1350内の加熱された要素の上(または周囲、近く等)を流れることができ、空気流通路1338内に気化した気化可能材料1302を剥ぎ取ることができる。この場合、蒸気は、場合により、凝縮され、例えば、マウスピース領域1330内の開口部を通して、エアロゾル形態で送られてもよい。
【0080】
図2Bを参照して、蓄えチャンバ1342は、大気に対する蓄えチャンバ1342内の上昇した圧力により蓄えチャンバ1342から駆動される液状の気化可能材料1302の部分が気化器カートリッジ1320から出ることなく、オーバフロー容積1344内に保持されるのを可能にする目的で、空気流通路1338に(すなわち、オーバフロー容積1344のオーバフローチャネル1104を介して)接続され得る。本明細書に記載された実現形態は、リザーバ1340を含む気化器カートリッジ1320に関するが、記載されたアプローチは、分離可能なカートリッジを有さない気化器での使用にも適合し、同使用が企図されると理解されたい。
【0081】
例に戻って、気化器カートリッジ1320内の圧力が周囲圧力より低い場合には、蓄えチャンバ1342に入ることができる空気が、気化器カートリッジ1320内の圧力を上昇させることができ、気化器カートリッジ1320内の圧力が気化器カートリッジ1320の外部の周囲圧力を超える第2の圧力状態に気化器カートリッジ1320を移行させることができる。代替的にかつ/または付加的に、気化器カートリッジ1320は、周囲温度の変化、周囲圧力の変化(例えば、外部条件、例えば、高度、天候等の変化による)および/または気化器カートリッジ1320の体積の変化(例えば、気化器カートリッジ1320が圧搾等の外力により圧縮される場合)に応じて、第2の圧力状態に移行することができる。例えば、負圧事象の場合、蓄えチャンバ1342内の圧力の上昇により、蓄えチャンバ1342の空隙空間を占める空気が少なくとも膨張し、それにより、蓄えチャンバ1342内の液状の気化可能材料1302の少なくとも一部を移動させることができる。気化可能材料1302の移動した部分は、コレクタ1313内のオーバフローチャネル1104の少なくとも幾つかの部分を通って移動することができる。オーバフローチャネル1104の微小流体機構は、液状の気化可能材料1302を、コレクタ1313内のオーバフローチャネル1104の長さに沿って、その長さに沿った流れの方向を横切るオーバフローチャネル1104の断面積を完全に覆うメニスカスだけ移動させることができる。
【0082】
本主題の一部の実現形態では、微小流体機構は、オーバフローチャネル1104の壁が形成される材料および液状の気化可能材料1302の組成に対して、液状の気化可能材料1302がオーバフローチャネル1104の周囲全体の周りでオーバフローチャネル1104を優先的に濡らすのに十分に小さい断面積を含むことができる。液状の気化可能材料1302がプロピレングリコールおよび植物性グリセリンのうちの1つ以上を含む例について、このような液体の湿潤特性は、有利には、第2の通路1384の幾何学的形状とオーバフローチャネル1104の壁が形成される材料とを組み合わせて考慮される。このようにして、蓄えチャンバ1340と周囲圧力との間の圧力差の符号(例えば、正、負または等しい)および大きさが変化するのにつれて、オーバフローチャネル1104内に存在する液状の気化可能材料1302と周囲大気から入ってくる空気との間にメニスカスが維持され、気化可能材料1302および空気が互いに通過するのを防止する。蓄えチャンバ1342内の圧力が、周囲圧力に対して十分に低下し、それを可能にするために、蓄えチャンバ1342内に十分な空隙容積が存在する場合、コレクタ1313のオーバフローチャネル1104内に存在する気化可能材料1302は、主な液体-空気メニスカスを、コレクタ1313のオーバフローチャネル1104と蓄えチャンバ1342との間のゲートまたはポートに到達させるのに十分に、蓄えチャンバ1342内に引き込まれ得る。このような時点で、周囲圧力に対する蓄えチャンバ1342内の圧力差が、ゲートまたはポートでメニスカスを維持する表面張力を克服するのに十分に負である場合、メニスカスは、ゲートまたはポート壁から解放されて、1つ以上の気泡を形成し、ついで、充分な容積を有する蓄えチャンバ1342内に解放されて、周囲圧力に対して蓄えチャンバ1342内の圧力が等しくなる。
【0083】
上記で検討されたように、蓄えチャンバ1340内に入った(または何等かの方法でその中に存在することになった)空気が、(例えば、飛行機キャビンまたは他の高高度位置で起こり得るような周囲圧力の低下、移動中車両の窓が開かれたとき、列車または車両がトンネル等を出たときまたは局所的な加熱、形状を歪め、それにより蓄えチャンバ1340の容積を減少させる機械的圧力等により起こり得るような蓄えチャンバ1340内の内部圧力の上昇により)周囲に対して上昇した圧力状態になった場合、上述したプロセスを逆にすることができる。液体は、ゲートまたはポートを通ってコレクタ1313のオーバフローチャネル1104に入り、オーバフローチャネル1104に入る気化可能材料1302のカラムの前縁にメニスカスが形成されて、空気が迂回して、気化可能材料1302の進行に逆らって流れるのを防止する。
【0084】
前述の微小流体特性の存在によるこのメニスカスを維持することにより、蓄えチャンバ1340内の上昇した圧力が後に低下すると、気化可能材料1302のカラムは、蓄えチャンバ1340内に引き戻されてもよく、場合により、メニスカスがゲートまたはポートに到達するまで引き戻されてもよい。圧力差により、蓄えチャンバ1342内の圧力に対して、周囲圧力が十分に有利となる場合、2つの圧力が等しくなるまで、上述した気泡形成プロセスが生じる場合がある。このようにして、コレクタ1313は、周囲圧力に対してより高い蓄えチャンバ圧力の移行条件下で蓄えチャンバ1342から押し出される気化可能材料1302を受容し、一方で、この気化可能材料1302のオーバフロー容積の少なくとも一部(および望ましくは、全てまたは大部分)が後の給送、例えば、吸入可能なエアロゾルへの変換のための加熱要素1350への給送のために、蓄えチャンバ1340に戻されるのを可能にする、可逆的オーバフロー容積として機能することができる。
【0085】
実現形態に応じて、蓄えチャンバ1342は、オーバフローチャネル1104を介してウィッキング要素1362に接続されていてもよいし、または、接続されていなくてもよい。オーバフローチャネル1104が蓄えチャンバ1342と連結した第1の端部とウィッキング要素1362につながる第2の端部オーバフローチャネル1104とを含む実施形態では、第2の端部においてオーバフローチャネル1104を出ることができる気化可能材料1302のいずれかが、ウィッキング要素1362をさらに満たすことができる。
【0086】
蓄えチャンバ1342を、場合により、マウスピース領域1330の近くにあるリザーバ1340の端部のより近くに配置することができる。オーバフロー容積1344を、例えば、蓄えチャンバ1342と加熱要素1350との間で、加熱要素1350により近い、リザーバ1340の端部の近くに配置することができる。図面に示された例示的な実施形態は、本明細書に開示された種々の構成要素の位置に関して、特許請求される主題の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。例えば、オーバフロー容積1344を、カートリッジ1320の上部、中央部または底部に配置することができる。リザーバ1342の位置および配置は、1つ以上の変化形態に従って、蓄えチャンバ1342をカートリッジ1320の上部、中央部または底部に配置することができるように、オーバフロー容積1344の位置に対して調整することができる。
【0087】
一実現形態では、気化器カートリッジ1320が容積まで充填されると、液状の気化可能材料1302の容積は、蓄えチャンバ1342の内部容積にオーバフロー容積1344を加えたものに等しくなる場合がある。オーバフロー容積の内部容積は、一部の例示的な実現形態では、オーバフローチャネル1104を蓄えチャンバ1340に接続するゲートまたはポートとオーバフローチャネル1104の出口との間のオーバフローチャネル1104の容積に相当することができる。すなわち、気化器カートリッジ1320を、コレクタ1313の内部容積の全てまたは少なくとも一部が液状の気化可能材料1302で占められるように、最初に液状の気化可能材料1302で充填させておくことができる。このような例では、ユーザへの給送に必要な(例えば、ウィッキング要素1362および加熱要素1350を含む)アトマイザに液状の気化可能材料1302を送ることができる。例えば、気化可能材料1302の一部を送るために気化可能材料1302の一部を蓄えチャンバ1340から引き出すことができ、それにより、コレクタ1313のオーバフローチャネル1104に存在する任意の気化可能材料1302が蓄えチャンバ1340に引き戻される。オーバフローチャネル1104の微小流体特性により維持されるメニスカスのために、空気がオーバフローチャネル1104を通って入ることができない(これにより、空気がオーバフローチャネル1104に存在する気化可能材料1302を越えて流れるのを防止される)ためである。コレクタ1313の元の容積を蓄えチャンバ1340内に引き込ませるのに十分な量の気化可能材料1302が、(例えば、気化およびユーザ吸入のために)蓄えチャンバ1340からアトマイザに送られた後、上記で検討された動作が行われる。例えば、気化可能材料1302の一部が蓄えチャンバ1340から取り出されるときに、1つ以上の気泡を二次通路1384と蓄えチャンバ1340との間のゲートまたはポートから放出して、蓄えチャンバ1340内の圧力を(例えば、周囲圧力に対して)等しくすることができる。蓄えチャンバ1340内の圧力が(例えば、第1の圧力状態での空気の流入、温度の変化、周囲圧力の変化、気化器カートリッジ1320の容積の変化等により)周囲圧力を上回って上昇すると、蓄えチャンバ1340内の液状の気化可能材料1302の一部が移動することにより、蓄え区画内の上昇した圧力状態が低下するまで、蓄えチャンバ1340からオーバフローチャネル1104内のゲートまたはポートを越えて移動することができるようになる。低下した時点で、オーバフローチャネル1104内の液状の気化可能材料1302を蓄えチャンバ1340内に引き戻すことができる。
【0088】
特定の実施形態では、オーバフロー容積1344は、蓄えチャンバ1342の容積の約100%までを含む、蓄えチャンバ1342内に蓄えられた一定割合の気化可能材料1302を収容するのに十分な大きさとすることができる。一実施形態では、コレクタ1313は、蓄えチャンバ1342内に蓄え可能な気化可能材料1302の容積の少なくとも6%~25%を収容するように構成されていてよい。また、他の範囲も、本主題の範囲内である。
【0089】
コレクタ1313の構造は、気化可能材料1302のオーバフロー部分が制御された方法で(例えば、毛管圧力により)オーバフロー容積1314内に少なくとも一時的に受容され、収容されまたは蓄えられるのを可能にする。それにより、気化可能材料1302は、カートリッジ1320から漏出することまたはウィッキング要素1362を過度に満たすことを防止するために、異なる形状でかつ異なる特性を有するように、オーバフロー容積1344内に構成され、構築され、成形され、製造されまたは配置されてもよい。オーバフローチャネル1104に言及した上記の説明は、単一のこのようなオーバフローチャネル1104に限定することを意図するものではないと理解されたい。1つまたは場合により2つ以上のオーバフローチャネル1104が、1つまたは2つ以上のゲートまたはポートを介して、蓄えチャンバ1340に接続されていてよい。本主題の一部の実現形態では、単一のゲートまたはポートが2つ以上のオーバフローチャネル1104に接続することができ、または、単一のオーバフローチャネル1104が2つ以上のオーバフローチャネル1104に分割されて、追加のオーバフロー容積または他の利点を提供することができる。
【0090】
本主題の一部の実現形態では、エアベント1318により、最終的にカートリッジ1320外の周囲空気環境につながる空気流通路1338にオーバフロー容積1344を接続することができる。このエアベント1318は、例えば、オーバフローチャネル1104が蓄えチャンバ1342から移動した気化可能材料1302の一部分で満たされる第2の圧力状態の間に、コレクタ1313内で形成されまたは捕捉された可能性がある空気または気泡がエアベント1318を通って逃げるための経路を可能にすることができる。
【0091】
一部の態様によれば、エアベント1318は、気化可能材料1302のオーバフローがオーバフロー容積1344から蓄えチャンバ1342に戻るにつれて、第2の圧力状態から平衡状態に戻る間、逆ベントとして機能し、カートリッジ1320内の圧力の均等化を提供することができる。この実現形態では、周囲圧力がカートリッジ1320内の内部圧力を超えると、周囲空気は、エアベント1318を通ってオーバフローチャネル1104内に流れ、オーバフロー容積1344内に一時的に蓄えられた気化可能材料1302を逆方向に蓄えチャンバ1342に戻すのに有効に役立つことができる。
【0092】
1つ以上の実施形態において、第1の圧力状態では、オーバフローチャネル1104が、空気で少なくとも部分的に占有されてもよい。第2の圧力状態では、気化可能材料1302は、例えば、蓄えチャンバ1342とオーバフロー容積1344との間の界面の点にある開口部(すなわち、ベント)を通ってオーバフローチャネル1104に入ることができる。その結果、オーバフローチャネル1104内の空気は(例えば、入ってくる気化可能材料1302により)置き換えられ、エアベント1318を通って出ることができる。一部の実現形態では、エアベント1318は、空気がオーバフロー容積1344から出るのを可能にするが、気化可能材料1302がオーバフローチャネル1104から空気流通路1338内に出るのを阻止する制御弁(例えば、選択的浸透膜、微小流体ゲート等)として機能するかまたはそれを含むことができる。先に記載されたように、エアベント1318は、例えば、コレクタ1313が蓄えチャンバ1342内の過剰圧力により置き換えられた気化可能材料1302で満たされ、蓄えチャンバ1342内の圧力が周囲圧力と実質的に等しくなると空になるため、空気がコレクタ1313に出入りするのを可能にする空気交換ポートとして機能することができる。すなわち、カートリッジ1320内の圧力が、周囲圧力より低い場合の第1の圧力状態と、カートリッジ1320内の圧力が周囲圧力を超える第2の圧力状態と、カートリッジ1320内の圧力及び周囲圧力が実質的に同じである場合の平衡状態と、の間での移行中に、エアベント1318は、空気がコレクタ1313に出入りするのを可能にすることができる。
【0093】
したがって、カートリッジ1320内の圧力が安定するまで(例えば、カートリッジ1320内の圧力が周囲圧力に実質的に等しいかまたは指定された平衡を満たすとき)、または、気化可能材料1302が(例えば、気化のためにアトマイザ内に引き込まれることにより)オーバフロー容積1344から取り出されるまで、気化可能材料1302をコレクタ1313内に蓄えることができる。このため、周囲圧力が変化するにつれてコレクタ1313内外での気化可能材料1302の流れを管理することにより、オーバフロー容積1344内の気化可能材料1302のレベルを制御することができる。1つ以上の実施形態では、蓄えチャンバ1342からオーバフロー容積1344内への気化可能材料1302のオーバフローは、環境中で検出された変化に応じて(例えば、気化可能材料1302のオーバフローを引き起こした圧力事象が治まるかまたは終了するとき)、逆にすることができ、または、可逆的であってよい。
【0094】
上述したように、本主題の一部の実現形態では、カートリッジ1320内の圧力が周囲圧力より低くなった状態(例えば、第2の圧力状態から第1の圧力状態に戻るように移行したとき)では、気化可能材料1302の流れが気化可能材料1302をオーバフロー容積1344からリザーバ1340の蓄えチャンバ1342に逆流させる方向に反転する場合がある。このため、実現形態に応じて、オーバフロー容積1344は、カートリッジ1320内の高圧により気化可能材料1302の少なくとも一部が蓄えチャンバ1342から移動する第2の圧力状態の間、気化可能材料1302のオーバフロー部分を一時的に保持するように構成されていてよい。実現形態に応じて、カートリッジ1320内の圧力が実質的に周囲圧力以下である場合の第1の圧力状態への反転中または反転後に、コレクタ1313内に保持された気化可能材料1302のオーバフローの少なくとも一部は、蓄えチャンバ1342に戻されてもよい。
【0095】
カートリッジ1320内の気化可能材料1302の流れを制御するために、本主題の他の実現形態では、コレクタ1313は、場合により、オーバフローチャネル1104を通って移動する気化可能材料1302のオーバフローを永続的または半永続的に収集しまたは保持するための吸収性または半吸収性材料(例えば、スポンジ様特性を有する材料)を含むことができる。吸収性材料がコレクタ1313内に含まれる例示的な一実施形態では、オーバフロー容積1344から蓄えチャンバ1342内に戻る気化可能材料1302の逆流が、コレクタ1313内に吸収性材料を含まず(またはほとんど含まず)に実現された実施形態と比較して、実用的ではなくまたは可能ではない場合がある。すなわち、吸収性または半吸収性材料の存在により、オーバフロー容積1344内に収集された気化可能材料1302が蓄えチャンバ1342に戻るのが少なくとも部分的に阻止されてしまう。したがって、蓄えチャンバ1342に対する気化可能材料1302の可逆性および/または可逆速度は、コレクタ1313内に多少の密度もしくは体積の吸収性材料を含ませることにより、または、吸収性材料のテクスチャを制御することにより、制御することができる。この場合、このような特性により、直ちにまたはより長い期間にわたってのいずれかで、より高いまたはより低い吸収速度がもたらされる。
【0096】
図3A~
図3Dに、カートリッジ1320と気化器100の気化器本体110との間の連結を形成するためのコネクタの種々の設計代替案を示す。
図3A~
図3Bそれぞれに、コネクタの種々の例の斜視図を示す。一方、
図3C~
図3Dそれぞれに、コネクタの種々の例の平断側面図を示す。
図3A~
図3Dに示されるコネクタの例は、相補的な雄型コネクタ(例えば、突出部)および雌型コネクタ(例えば、受け口)を含むことができる。
図1、
図2A~
図2Bおよび
図3A~
図3Dに示されたように、カートリッジ1320の一端は、カートリッジ1320と気化器100の気化器本体110との間の連結を可能にする1つ以上のコネクタを含むことができる。例えば、カートリッジ1320の一端は、カートリッジ1320と気化器本体110との間の電気的連結、機械的連結および/または流体連結を提供するように構成された1つ以上の機械的コネクタ、電気コネクタおよび流体コネクタを含むことができる。これらのコネクタは、種々の構成で実現することができると理解されたい。
【0097】
図1、
図3Aおよび
図3Cに示された本主題の一実現形態では、カートリッジ1320の一端は、気化器本体110内の雌型コネクタ(例えば、カートリッジ受け口118)と連結するように構成された雄型コネクタ710(例えば、突出部)を含むことができる。この例では、カートリッジ1320が、気化器本体110と連結された場合、雄型コネクタ710上に配置される接点1326は、カートリッジ受け口118内の対応する受け口接点125と電気的連結を形成することができる。さらに、雄型コネクタ710上の接点1326は、例えば、スナップロック方式で、カートリッジ受け口内の受け口接点125と機械的に係合し、気化器本体110のカートリッジ受け口118内にカートリッジ1320を固定することができる。代替的には、
図3Bおよび
図3Dに、カートリッジ1320の一端が雌型コネクタ712を含む別の例を示す。雌型コネクタ712は、気化器本体110上の対応する雄型コネクタ(例えば、突出部)を受容するように構成された受け口であってよい。この例示的な実現形態では、接点1326を、雌型コネクタ712内に配置することができ、気化器本体110上の雄型コネクタにおける対応する接点との電気的連結および機械的連結を形成するように構成されていてよい。
【0098】
図3E~
図3Fに、
図3Aおよび
図3Cに示された雄型コネクタ710を有するカートリッジ1320の更なる図を示す。カートリッジ1320の例の斜視断面図を示す
図3Eを参照して、カートリッジ1320は、カートリッジ1320の少なくとも加熱要素1350およびウィッキング要素1362を収容するように構成されたウィックハウジング領域910を含むことができる。
図3Eに示されたように、ウィックハウジング領域910を、少なくとも部分的に、カートリッジ1320の一端で雄型コネクタ710内に配置することができる。そのようにして雄型コネクタ710が気化器本体110のカートリッジ受け口118内に挿入されると、加熱要素1350およびウィッキング要素1362を含むウィックハウジング領域910は、カートリッジ受け口118内に少なくとも部分的に配置されて、気化器本体110のカートリッジ受け口118が加熱要素1350のための追加の断熱を提供することができる。一方、
図3Fに、カートリッジ1320の上平面図を示す。特に、
図9Bに、雄型コネクタ710がウィックハウジング領域910にまたはその近傍に配置された1つ以上のベントホール920を含むことができることを示す。1つ以上のベントホール920は、例えば、カートリッジ1320内での凝縮を制御するのに役立ち、毛管作用を改善する等のために、ウィッキング要素1362にピンポイント蒸気排出および/または空気流を提供するように構成されていてよい。
【0099】
図4A~
図4Dに、本主題の実現形態と一致したカートリッジ1320の例を示す。
図4A~
図4Dに示されたように、カートリッジ1320は、コレクタ1313、加熱要素1350、ウィッキング要素1362、接点1326、および空気流通路1338を含むことができる。上述したように、コレクタ1313は、気化器カートリッジ1320のリザーバ1340に出入りする空気および気化可能材料1302の交換を制御するように構成されていてよい。コレクタ1313を、カートリッジ1320のハウジング内に配置することができる。本主題の一部の実現形態では、コレクタ1313は、カートリッジ1320のハウジングとは完全にまたは部分的に独立して、構成され、設計され、製造され、製作されまたは構築されていてよい。さらに、コレクタ1313を、例えば、蓄えチャンバ1342、空気流通路1338、蓄えチャンバ1342、加熱要素1350、ウィッキング要素1362等を含む、カートリッジ1320の他のコンポーネントとは完全にまたは部分的に独立して形成することができる。
【0100】
例えば、本主題の一実現形態では、カートリッジ1320は、第1の端部および第2の端部を有するモノリシック中空構造から形成されたカートリッジハウジングを有することができる。第1の端部(すなわち、カートリッジハウジングの受容端部とも呼ばれる第1の端部)は、少なくともコレクタ1313を挿入可能に受容するように構成されていてよい。一実施形態では、カートリッジハウジングの第2の端部は、オリフィスまたは開口部を有するマウスピースとして機能することができる。オリフィスまたは開口部は、コレクタ1313を挿入可能に受容することができるカートリッジハウジングの受容端部の反対側に位置することができる。一部の実施形態では、例えば、カートリッジ1320の本体およびコレクタ1313を通って延在することができる空気流通路1338によって、受容端に開口部を接続することができる。本開示と一致した他のカートリッジの実施形態のように、アトマイザ、例えば、本明細書の他の場所で検討されたウィッキング要素1362および加熱要素1350を含むアトマイザは、液状の気化可能材料1302の吸入可能な形態または場合により、吸入可能な形態の前駆体がアトマイザからオリフィスまたは開口部に向かって空気流通路1338を通過する空気中に放出され得るように、空気流通路1338に隣接してまたは少なくとも部分的にその中に配置され得る。
【0101】
本主題の一部の実現形態では、コレクタ1313は、リザーバ1340に出入りする空気および気化可能材料1320の流れを制御するように構成された1つ以上のゲートおよび1つ以上のチャネルを有することができる。さらに例証するために、
図5Aに、本主題の実現形態と一致したコレクタ1313の例の側平面図を示す。一例のコレクタ1313を含むカートリッジ1320の側平面図が、
図5Bに示される。
図5A~
図5Bに示されたコレクタ1313の例は、1つのゲート1102および1つのオーバフローチャネル1104を含むことができるが、コレクタ1313の代替的な実現形態は、追加のゲートおよび/またはチャネルを含むことができる。
図5A~
図5Bに示されたコレクタ1313の例では、コレクタ1313がリザーバの蓄えチャンバ1342と接触するかまたは流体連通する、コレクタ1313の第1の部分(例えば、上部)に向かう開口部にゲート1102を設けることができる。ゲート1102は、蓄えチャンバ1342と、コレクタ1313の第2の部分(例えば、中央部分)により形成されるオーバフロー容積1344との間に流体連結を提供することができる。
【0102】
本主題の一部の実現形態では、コレクタ1313の第2の部分は、オーバフローチャネル1104を形成するリブ付きまたはマルチフィン形状の構造を有することができる。オーバフローチャネル1104は、ゲート1102から離れて空気交換ポート1106に向かう方向に、螺旋状、先細になっていてよく、かつ/または傾斜していてよい。
図5A~
図5Bに示されたように、オーバフローチャネル1104は、オーバフロー容積1344内に収集された気化可能材料1302の少なくとも一部を空気交換ポート1106に向かって移動させるように構成されていてよい。蓄えチャンバ1342からの気化可能材料1302は、ゲート1102を通ってオーバフロー容積1344に入ることができる。空気交換ポート1106は、マウスピースに接続される空気経路または空気流通路により周囲空気に接続されてもよい。この空気経路または空気流通路は、
図5A~
図5Bに明示的には示されていない。
【0103】
図6Aに示されたように、本主題の一部の実現形態では、コレクタ1313は、コレクタ1313が蓄えチャンバ1342内の受容キャビティまたは受け口に挿入された後、コレクタ1313を蓄えチャンバ1342の内壁に溶接するのに適した表面を作り出すために、コレクタ1313の下部周囲で延在する平坦なリブ2102を含むように構成されていてよい。全周溶接または仮付溶接オプションを利用して、コレクタ1313を蓄えチャンバ1342内の受容キャビティまたは受け口内にしっかり固定することができる。代替的には、溶接技術を利用せずに、耐摩擦性および耐漏出性の連結を確立することができかつ/または上述した連結技術の代わりにもしくはそれに加えて、接着材料を利用することができる。
【0104】
ここで
図6Bを参照すると、シールビードプロファイル2104が急速ターン射出成形プロセスを支持することができるように、オーバフローチャネル1104を画定するコレクタ1313の周囲の螺旋リブによってシールビードプロファイル2104を様式化することができる。シールビードプロファイル2104の幾何学的形状は、コレクタ1313を耐摩擦性様式で蓄えチャンバ1342内の受容キャビティまたは受け口内に挿入することができるように、各種の様式で考案することができる。この場合、気化可能材料1302は、シールビードプロファイル2104に沿っていかなる漏れもなく、オーバフローチャネル1104を通って流れることができる。
【0105】
本主題の一部の実現形態では、コレクタ1313は、マウスピースにつながる空気流チャネルとして機能するように構成され得る(例えば、
図5Dに示された)中央トンネル1100を含むことができる。コレクタ1313のオーバフローチャネル1104内の容積が空気交換ポート1106を介して周囲空気に接続され、また、ゲート1102を介して蓄えチャンバ1342内の容積に接続されるように、空気流チャネルを空気交換ポート1106に接続させることができる。そのようにして、本主題の一部の実現形態によれば、主にオーバフロー容積1344と蓄えチャンバ1342との間の液体および空気の流れを制御するための制御流体弁として、ゲート1102を利用することができる。例えば、オーバフロー容積1344とマウスピースにつながる空気経路との間の空気および気化可能材料1302の流れを制御するのに空気交換ポート1106を利用することができる。オーバフローチャネル1104は、カートリッジ1320の細長い本体に対して、斜め、垂直または水平であってよいと理解されたい。
【0106】
気化可能材料1302は、カートリッジ1320が充填された時点で、ゲート1102を通って、コレクタ1313との少なくとも初期界面を有することができる。これは、気化可能材料1302とゲート1102との間の初期界面が、例えば、オーバフローチャネル1104内に捕捉された空気が蓄えチャンバ1342に入るのを防止することができるためである。さらに、そのような界面により、気化可能材料1302とオーバフローチャネル1104の壁との間の毛管相互作用を開始することができる。その結果、限られた量の気化可能材料1302が、オーバフロー容積1344に出入りする気化可能材料1302の流れが無視できる平衡状態を壊すことなく、オーバフローチャネル1104に入ることができる。オーバフローチャネル1104の壁と気化可能材料1302との間の毛管作用(または相互作用)により、前述の平衡状態を維持することができる。一方、蓄えチャンバ1342内の圧力が周囲圧力にほぼ等しいときに、カートリッジ1320は、第1の圧力状態にある。
【0107】
気化可能材料1302とオーバフローチャネル1104の壁との間の平衡状態および更なる毛管相互作用は、チャネルの長さに沿ってオーバフローチャネル1104の容積サイズを適合させまたは調整することによって、確立されまたは構成されてもよい。本明細書でさらに詳細に提供されるように、オーバフローチャネル1104の直径(オーバフローチャネル1104が円形断面を有さない本主題の実現形態を含む、オーバフローチャネル1104の断面積の大きさの尺度を概括的に指すのに本明細書で使用される)は、圧力の変化に応じて、コレクタ1313に出入りする気化可能材料1302の正流および逆流を提供するのに十分強力な毛管相互作用を可能にし、さらに、オーバフローチャネルの大きな全容積を可能にし、一方で、メニスカス形成のためのゲート点を依然として維持して、空気がオーバフローチャネル1104内の液体を過ぎて流れることを防止するのを可能にするか、所定の間隔もしくは点でまたはチャネル全体の長さにわたって制限することができる。
【0108】
気化可能材料1302内の粘着により引き起こされる表面張力と、気化可能材料1302とオーバフローチャネル1104の壁との間の湿潤力との組み合わせがオーバフローチャネル1104内の流れの軸を横切る寸法において、オーバフローチャネル1104の直径(または断面積)は、空気から液状の気化可能材料1302を分離するメニスカスの形成を引き起こすように機能することができる。このメニスカスは、空気および液状の気化可能材料1302が互いに通過するのを防止することができる。メニスカスは、固有の曲率を有すると理解されたい。したがって、流れの方向を横切る寸法に言及することは、空気-液体界面がこの寸法または任意の他の寸法において平面であることを意味することを意図するものではない。
【0109】
図2Bおよび
図5Bに示されたように、ウィッキング要素1362内に引き込まれた気化可能材料1302の少なくとも一部を加熱要素1350により生成された熱により気化することができるように、ウィッキング要素1362を加熱要素1350と熱的または熱力学的に接続することができる。一方、空気交換ポート1106は、オーバフローチャネル1104からの空気(および/または他のガス)の流れを可能にし、一方で、オーバフローチャネル1104からの気化可能材料1302の流れを防止するように構成されていてよい。
【0110】
再度
図5A~
図5Bを参照すると、コレクタ1313内の気化可能材料1302の正流または逆流を、適切な構造(例えば、微小チャネル構成)を実現することにより制御し(例えば、増強しまたは減少させ)、気化可能材料1302とオーバフローチャネル1104の保持壁との間に存在する場合がある毛管特性を導入しかつ/または活用することができる。例えば、長さ、直径、内面テクスチャ(例えば、粗い対滑らかな)、狭窄点、チャネル構造の方向的な先細り、狭窄またはゲート1102の表面を構築しまたは被覆するのに使用される材料、オーバフローチャネル1104または空気交換ポート1106に関連する要因は、液体が毛管作用によりオーバフローチャネル1104内に引き込まれもしくはオーバフローチャネル1104を通って移動する速度またはカートリッジ1320に作用する他の影響力に正または負に影響を与える場合がある。
【0111】
実現形態に応じて、上述した1つ以上の要因を使用し、オーバフローチャネル1104内の気化可能材料1302の置き換えを制御して、気化可能材料1302がコレクタ1313のチャネル構造内に収集されるにつれて、望ましい程度の可逆性を導入することができる。したがって、一部の実施形態では、コレクタ1313への気化可能材料1302の流れは、上述した種々の要因を選択的に制御することにより、かつ、カートリッジ1320の内外の圧力状態の変化に応じて、完全に可逆的または半可逆的であってよい。
【0112】
図5A~
図5Bおよび
図11A~
図11Bに示されたように、1つ以上の実施形態では、コレクタ1313は、単一チャネル単一ベント構造を有するように形成され、構築されまたは構成されていてよい。このような実施形態では、オーバフローチャネル1104は、ゲート1102を場合によりウィッキング要素1362の近くに配置することができる空気交換ポート1106に接続するための連続通路、チューブ、チャネルまたは他の構造であってよい。したがって、このような実施形態では、気化可能材料1302は、ゲート1102から個別に構成されたチャネルを通って、コレクタ1313に出入りすることができる。この場合、気化可能材料1302は、オーバフロー容積1344が充填されているときには第1の方向に、オーバフロー容積1344が排出されているときには第2の方向に流れる。
【0113】
平衡状態を維持しかつ/またはオーバフローチャネル1104への気化可能材料1302の流れを制御するのに役立てるために、オーバフローチャネル1104、ゲート1102および/または空気交換ポート1106の形状および構造構成を、オーバフローチャネル1104内の気化可能材料1302の流量を異なる圧力状態で平衡させるように適合させまたは修正することができる。本主題の実現形態では、例えば、オーバフローチャネル1104は、オーバフローチャネル1104の断面寸法(例えば、直径、面積等)がゲート1102に向かって小さくなり、一方で、オーバフローチャネル1104の断面寸法(例えば、直径、面積等)が空気交換ポート1106に向かって大きくなるように、先細になっていてよい。すなわち、オーバフローチャネル1104の断面寸法は、オーバフローチャネル1104が蓄えチャンバ1342と連結されるゲート1102において最小であってよく、一方、オーバフローチャネル1104の断面寸法は、オーバフローチャネル1104がカートリッジ1320外の周囲環境と連結される空気交換ポート1106において最大であってよい。オーバフローチャネル1104の先細りは、連続または不連続であってよいと理解されたい。代替的にかつ/または付加的に、1つ以上の狭窄点を、オーバフローチャネル1104の長さに沿って配置することができる。
【0114】
オーバフローチャネル1104の断面寸法が最小であるオーバフローチャネル1104の先細りでない端部は、気化した気化可能材料1302がマウスピース(例えば、空気流通路1338に接続された
図2Aに示されたエアベント1318)に送られる空気流流路に連結することができる。さらに、オーバフローチャネル1104の先細りでない端部は、オーバフローチャネル1104から出る気化可能材料1302の少なくとも一部がウィッキング要素1362を満たすことができるように、ウィックハウジング1315の近くの領域にもつながることができる(例えば、
図7を参照のこと)。
【0115】
オーバフローチャネル1104の先細構造は、必要に応じて、コレクタ1313への気化可能材料1302の流れに対する制限を低減しまたは増大させることができる。例えば、オーバフローチャネル1104がゲート1102に向かって先細りになっている実施形態では、逆流に向かう好ましい毛管圧力が、先細りになっていることによりオーバフローチャネル1104内に誘引され、その結果、圧力状態が変化したとき(例えば、負圧事象が排除されまたは治まったとき)、気化可能材料1302の流れの方向は、コレクタ1313から出て、蓄えチャンバ1342内に入る。特に、より小さい開口部を有するオーバフローチャネル1104を実現することにより、気化可能材料1302がコレクタ1313内に自由に流れるのを防止することができる。すなわち、ゲート1102に向かうオーバフローチャネル1104の先細りは、オーバフローチャネル1104内の気化可能材料1302がゲート1102から流出する(例えば、蓄えチャンバ1342内に戻る)のを促進し、ゲート1102を通ってオーバフローチャネル1104内に(例えば、蓄えチャンバ1342から)気化可能材料1302の流れを妨げることができる。一方、空気交換ポート1106に向かう方向におけるオーバフローチャネル1104のための先細りでない構成により、カートリッジ1320内の圧力上昇により蓄えチャンバ1342からの気化可能材料1302の少なくとも一部がオーバフローチャネル1104のより狭いセクションからオーバフローチャネル1104のより大きな容積セクションへとコレクタ1313内に流れる第2の圧力状態の間、コレクタ1313内の気化可能材料1302の効率的な蓄えが提供される。
【0116】
したがって、コレクタ1313の寸法(例えば、直径)および形状は、ゲート1102を通るオーバフローチャネル1104内への気化可能材料1302の流れが所望の速度で制御されるように実現することができる。例えば、第2の圧力状態の間に、コレクタ1313の寸法および形状は、(例えば、気化可能材料1302の少なくとも一部を蓄えチャンバ1342から移動させるカートリッジ1320内の過剰圧力により)気化可能材料1302がコレクタ1313内にあまりに自由に(例えば、特定の流量または閾値を超えて)流れるのを防止し、一方で、(例えば、カートリッジ1320内の圧力およびカートリッジ1320の外部の周囲圧力が実質的な平衡を達成するときに)蓄えチャンバ1342への逆流に有利であるように構成されていてよい。一実施形態では、ベント1318とオーバフロー容積1344を構成するコレクタ1313内のオーバフローチャネル1104と空気交換ポート1106との間の相互作用の組み合わせにより、種々の環境要因によりカートリッジ内に導入され得る気泡の適切な通気およびオーバフローチャネル1104に出入りする気化可能材料1302の制御された流れを提供することができることに留意されたい。
【0117】
再度
図5Bを参照すると、蓄えチャンバ1342を含むカートリッジ1320の一部は、気化した気化可能材料1302を吸入するためにユーザにより利用され得るマウスピースを含むようにも構成されていてよい。空気流通路1338は、蓄えチャンバ1342を通って延在し、それにより、気化チャンバを接続することができる。実現形態に応じて、空気流通路1338は、例えば、気化した気化可能材料1302の通過を可能にするために蓄えチャンバ1342内にチャネルを形成する、ストロー形状構造または中空円筒であってよい。空気流通路は、円形または少なくともほぼ円形の断面形状を有することができるが、空気流通路についての他の断面形状も、本開示の範囲内であると理解されたい。
【0118】
ユーザが気化した気化可能材料1302を吸入することができる蓄えチャンバ1342の第1のマウスピース端部の開口部に空気流通路1338の第1の端部を接続させることができる。本明細書でさらに詳細に提供されるように、コレクタ1313の第1の端部の開口部に空気流通路1338の第2の端部(第1の端部の反対側)を受容することができる。実現形態に応じて、空気流通路1338の第2の端部は、コレクタ1313を通って延在し、ウィッキング要素1362を収容することができるウィックハウジングに接続する受容キャビティを通って、完全にまたは部分的に延在することができる。
【0119】
本主題の一部の実現形態では、空気流通路1338は、空気流通路1338が蓄えチャンバ1342を通って延在する、蓄えチャンバ1342を含むモノリシック成形マウスピースの一体部分であってよい。他の構成では、空気流通路1338は、蓄えチャンバ1342内に別個に挿入され得る独立構造であってよい。一部の構成では、空気流通路1338は、例えば、マウスピース部分の開口部から内側に延在するように、コレクタ1313またはカートリッジ1320の本体の構造的延在部であってよい。
【0120】
限定するものではないが、マウスピース(およびマウスピースの内部の空気流通路1338)をコレクタ1313内の空気交換ポート1106に接続するために、各種の異なる構造構成が可能であり得る。本明細書で提供されたように、蓄えチャンバ1342も含むことができかつ/または蓄えチャンバ1342として機能することもできるカートリッジ1320の本体内にコレクタ1313を挿入することができる。一部の実施形態では、モノリシックカートリッジ本体の一体部分である内部スリーブとして空気流通路1338を構築することができ、その結果、コレクタ1313の第1の端部の開口部は、空気流通路1338を形成するスリーブ構造の第1の端部を受容することができる。マウスピースは、
図5Bに示されたような単一のバレルマウスピースであってよく、または、マルチバレルマウスピース、例えば、二重バレルマウスピースであってよいと理解されたい。このマウスピースでは、高用量の気化した気化可能材料1302を送るために、複数の空気流通路が設けられている。
【0121】
上述したように、コレクタ1313は、コレクタ1313(例えば、オーバフロー容積1344)に出入りする気化可能材料1302の正流および逆流を制御するための種々の機構を含むことができる。これらの要因の幾つかは、本明細書においてゲート1102と呼ばれる流体ベントの毛管駆動を構成することを含むことができる。ゲート1102の毛管駆動は、例えば、ウィッキング要素1362の毛管駆動より小さくすることができ、一方、コレクタ1313の流れ抵抗は、ウィッキング要素1362の流れ抵抗より大きくすることができる。オーバフローチャネル1104は、オーバフローチャネル1104を通る気化可能材料1302の流量を制御するために、滑らかかつ/または波状の内面を有することができる。上述したように、オーバフローチャネル1104は、適切な毛管相互作用および力を提供して、第1の圧力状態中にゲート1102を通ってオーバフロー容積1344に流入する流量を制限し、第2の圧力状態中にゲート1102を通ってオーバフロー容積1344から流出する逆流量を促進するために、傾斜しかつ/または先細りになっていてよい。
【0122】
コレクタ1313のコンポーネントの形状および構造に対する更なる修正は、コレクタ1313に出入りする気化可能材料1302の流れをさらに調整しまたは微調整するのに役立つ可能性がある。例えば、
図5A~
図5Hに示された滑らかに湾曲した螺旋チャネル構成(すなわち、鋭いターンまたは縁を有するチャネルとは対照的)では、追加の機構、例えば、1つ以上のベント、チャネル、開口部および/または収縮構造をオーバフローチャネル1104に沿って所定の間隔でコレクタ1313に含ませることが可能である。本明細書でさらに詳細に提供されたように、このような追加の機構、構造および/または構成は、例えば、オーバフローチャネル1104に沿ってまたはゲート1102を通って、気化可能材料1302のためのより高いレベルの流れ制御を提供するのに役立つことができる。
【0123】
例えば、
図5A~
図5Eに示されたように、完全にまたは部分的に傾斜した螺旋表面をオーバフローチャネル1104の内部に沿って実現して、コレクタ1313のオーバフローチャネル1104の内部容積の1つ以上の側部を画定することができる。その結果、気化可能材料1302は、オーバフローチャネル1104を通って、気化可能材料1302がオーバフローチャネル1104に入るときに、毛管圧力(または重力)により自由に流れることができる。中央トンネル1100は、コレクタ1313の長さを横断してもよい。第1の端部では、コレクタ1313を通る中央トンネル1100は、ウィッキング要素1362および加熱要素1350が配置されているウィックハウジング1315(例えば、
図7を参照のこと)と相互作用するかまたはこれに接続することができる。第2の端部では、中央トンネル1100は、カートリッジ1320のマウスピース部分内に空気流通路1338を形成するダクトまたはチューブの一方の端部と相互作用し、これに接続しまたはこれを受容することができる。空気流通路1338の第1の端部は、(例えば、挿入により)中央トンネル1100の第2の端部に接続することができる。空気流通路1338の第2の端部は、マウスピース領域に形成された開口部またはオリフィスを含むことができる。
【0124】
1つ以上の実施形態によれば、気化可能材料1302を加熱する加熱要素1350により生成された気化した気化可能材料1302は、コレクタ1313内の中央トンネル1100の第1の端部を通って入り、中央トンネル1100を通過し、さらに、中央トンネル1100の第2の端部を出て、空気流通路1338の第1の端部に入ることができる。ついで、気化した気化可能材料1302は、空気流通路1338を通って移動し、空気流通路1338の第2の端部に形成されたマウスピース開口部を通って出ることができる。
【0125】
本主題の一部の実現形態では、ゲート1102は、コレクタ1313内のオーバフローチャネル1104に出入りする気化可能材料1302の流れを制御することができる。空気交換ポート1106は、本明細書でさらに詳細に提供されるように、周囲空気への接続経路を介して、オーバフローチャネル1104に出入りする流れを制御して、コレクタ1313内、次に、カートリッジ1320の蓄えチャンバ1342内の気圧を調整することができる。特定の実施形態では、空気交換ポート1106は、コレクタ1313のオーバフローチャネル1104内に存在する気化可能材料1302が、(例えば、カートリッジ1320内の過剰圧力により移動することにより)オーバフローチャネル1104から出て、空気流通路(例えば、中央トンネル1100)内に漏出するのを防止するように構成されていてよい。
【0126】
空気交換ポート1106は、気化可能材料1302をウィッキング要素1362が収容されている領域に通じる経路に向かって出すように構成されていてよい。この実現形態は、気化可能材料1302が蓄えチャンバ1342から移動したときに、マウスピースに通じる空気流通路(例えば、中央トンネル1100)への気化可能材料1302の漏出を避けるのに役立つことができる。一部の実現形態では、空気交換ポート1106は、気体材料(例えば、気泡)の出入りを可能にするが、気化可能材料1302が空気交換ポート1106を通ってコレクタ1313に出入りするのを防止する膜を有することができる。
【0127】
ここで
図5C~
図5Hを参照すると、ゲート1102を通ってコレクタ1313に出入りする気化可能材料1302の流量を、オーバフローチャネル1104内の容積圧力(volumetric pressure)に直接関連付けることができる。このため、ゲート1102を通ってコレクタ1313に出入りする流量は、オーバフローチャネル1104の水力直径(または断面積)を操作することにより制御することができる。その結果、オーバフローチャネル1104の全容積を小さくすること(例えば、均一にまたは複数の狭窄点を導入することのいずれかにより)により、オーバフローチャネル1104内の圧力を上昇させ、コレクタ1313への流量を調節することができる。したがって、少なくとも1つの実現形態では、オーバフローチャネル1104の水力直径(または断面積)を、オーバフローチャネル1104の螺旋経路の長さに沿って、均一にまたは1つ以上の狭窄点1111aを導入することのいずれかにより小さくする(例えば、細くし、締め付け、狭窄しまたは制限する)ことができる。例えば、
図5C~
図5Eに示されたコレクタ1313の例では、オーバフローチャネル1104は、ゲート1102と空気交換ポート1106との間のオーバフローチャネル1104の長さに沿って配置された種々の狭窄点1111aおよび1111bを有する複数の下向き傾斜螺旋を含むことができる。オーバフローチャネル1104内の螺旋の量およびオーバフローチャネル1104の長さに沿った狭窄点の量により、コレクタ1313内の容積圧力を決定することができる。さらに、コレクタ1313内の容積圧力を、オーバフローチャネル1104の長さに沿って配置された狭窄点の構成により決定することができる。
【0128】
例えば、
図5Cに示されたように、狭窄点1111aを、オーバフローチャネル1104の内面(すなわち、コレクタ1313のブレード)から延在するバンプ、隆起縁部、突起または狭窄点により形成することができる。狭窄点1111aの形状を、バンプ、フィンガ、突起、ヒレ、縁部またはオーバフローチャネル内の流れ方向を横切る断面積を狭窄する任意の他の形状として定義することができる。
図5Cに示された例では、狭窄点1111aは、例えば、狭窄点1111aの遠位端が縁部に向かって先細りになっているサメヒレの形状にあってよい。さらに、
図5Cに示されたように、サメヒレ形状の尖った縁部またはカンチレバー縁部を丸くすることができるが、カンチレバー縁部は、鋭い端部まで先細りにすることもできる。オーバフローチャネル1104の長さに沿って配置された狭窄点の形状、サイズ、相対位置および総数を、例えば、オーバフローチャネル1104内に形成される(例えば、液状の気化可能材料1302と空気とを分離する)メニスカスの傾向を微調整することにより、オーバフローチャネル1104に出入りする液状の気化可能材料1302の出入りをさらに制御するように調整することができる。
【0129】
例えば、オーバフローチャネル1104への流入流を流出流より高速に維持することの代わりに、望ましい場合には、流出流に面する平坦な表面と流入流に面する丸い表面とを有して液体の(例えば、蓄えチャンバ1340から離れる)外向きの流れに抵抗するメニスカスの形成および保持を容易にし、一方で、メニスカスが狭窄点の蓄え区画1340に向かって戻る側から潰れやすくするように狭窄点を成形することができる。このようにして、一連のこのような狭窄点は、蓄え区画からの外向きの流れに対して、蓄え区画に液体が戻る流れが微小流体的に促される、一種の「水力ラチェット」系として機能することができる。この効果は、反対側からよりも狭窄点の蓄えチャンバ側からメニスカスが潰れる相対的傾向によって少なくとも部分的に達成することができる。
【0130】
再度
図5Cを参照すると、例示的な一実現形態では、オーバフローチャネル1104の床または天井から延在する狭窄点に加えて(またはその代わりに)、幾つかの狭窄点が、オーバフローチャネル1104の内壁から延在することができる。
図5Fにより明確に示されたように、狭窄点は、オーバフローチャネル1104の内壁から同じ狭窄点1111aにおいて延在することができる。この場合、2つの追加の狭窄点が、オーバフローチャネル1104の床および天井から延在して、C字形狭窄点1111aを形成する。
図5Dおよび
図5Fに示された例示的な実現形態によれば、
図5Cの実現形態に対して、オーバフローチャネル1104の微小流体特性をより効果的に調整して、蓄えチャンバ1340に向かって後退するように液体流を促進することができる。オーバフローチャネル1104の水力直径が、
図5Dおよび
図5Fに示された狭窄点1111aでより狭窄される(すなわち、細くなる)ためである。
【0131】
オーバフローチャネル1104に沿って形成される狭窄点は、形状、サイズ、頻度または対称性において均一である必要はない。すなわち、実現形態に応じて、オーバフローチャネル1104に沿った異なるサイズ、設計、形状、位置または頻度で、異なる狭窄点1111aまたは1111bを実現することができる。一例では、狭窄点1111aまたは1111bの形状は、丸い内径を有する文字Cの形状と同様であってよい。一部の実施形態では、丸みを帯びたC形状として内径を形成する代わりに、狭窄点の内壁は、
図5Fおよび
図5Gに示されたような角隅(例えば、鋭い角隅)を有する場合がある。
【0132】
一部の例では、オーバフローチャネル1104は、第1のレベルにおいて、オーバフローチャネル1104の天井から延在する狭窄点を有することができ、一方、第2のレベルにおいて、狭窄点は、オーバフローチャネル1104の床から延在することができる。第3のレベルにおいて、狭窄点は、例えば、内壁から延在することができる。オーバフローチャネル1104内の2つの方向の流れに対する微小流体効果を制御するのに役立てるために、狭窄点の数および狭窄点の形状を調整しもしくは変更することまたは異なる順序もしくはレベルで狭窄点を配置することにより、上記実現形態の代替が可能である。一例では、狭窄点1111aを、例えば、コレクタ1313の1つ以上の(または全ての)レベル、側または幅上で実現することができる。
【0133】
ここで
図5E~
図5Gを参照すると、オーバフローチャネル1104のより長い長さまたはコレクタ1313のより広い側に沿って狭窄点1111aを画定するのに加えて、1つ以上の余分な狭窄点1111bを、コレクタ1313のより狭い側に沿って画定することができる。そのようにして、
図5E~
図5Gに示された例示的な実現形態によれば、
図5Dにおける実現形態と比較して、オーバフローチャネル1104での所望の方向におけるメニスカス脱離に対する抵抗またはメニスカス脱離の促進の調整を改善することができる。オーバフローチャネル1104の全体的な水力直径(または流動容積)が、余分な狭窄点1111bの追加により、より狭窄されるためである。
【0134】
ここで
図5Hを参照すると、本主題の一部の実現形態では、ゲート1102は、狭窄点1111aまたは1111bと同様に、より平坦な先細縁部、リム、またはフランジを一方向に有する開口または開口部構成を含むように構成されていてよい。例えば、ゲート1102開口のリムは、一方の側(例えば、蓄えチャンバ1342に向かう側)で平坦であり、別の側(例えば、蓄えチャンバ1342から離れる側)で丸くなるように成形されていてよい。このような構成では、蓄えチャンバ1340から蓄えチャンバ1340オーバフローに向かって戻る流れを促進する微小流体力が、より丸い側に対する丸くない側でのメニスカス分離がより容易になることに起因して向上されるだろう。
【0135】
したがって、狭窄点およびゲート1102の構造または構成における実現形態および変化形態に依存して、コレクタ1313からの気化可能材料1302の流れに対する抵抗が、コレクタ1313内へかつ蓄えチャンバ1340に向かう気化可能材料1302の流れに対する抵抗より高くされてもよい。特定の実現形態では、ゲート1102は、蓄えチャンバ1342がオーバフロー容積1344内のオーバフローチャネル1104と連通する媒体に、気化可能材料1302の層が存在するように、液体シールを維持するように構成されている。液体シールの存在は、蓄えチャンバ1342とオーバフロー容積1344との間の圧力平衡を維持し、蓄えチャンバ1342内の十分なレベルの真空(例えば、部分真空)を促進して、気化可能材料1302がオーバフロー容積1344内に完全に排出されるのを防止すると共に、ウィッキング要素1362の十分な充填が失われるのを防止するのに役立つことができる。
【0136】
1つ以上の例示的な実現形態では、コレクタ1313内の単一の通路またはチャネルは、2つのベントにより蓄えチャンバ1342に接続されていてよい。その結果、2つのベントにより、カートリッジ1320の位置にかかわらず、液体シールが維持される。また、ゲート1102における液体シールの形成は、カートリッジ1320が水平に対して斜めに保持される場合またはカートリッジ1320がマウスピースに対して下向きに配置される場合でも、コレクタ1313内の空気が蓄えチャンバ1342に入るのを防止するのに役立つことができる。これは、コレクタ1313からの気泡が、リザーバに入ると、蓄えチャンバ1342内の圧力は、周囲圧力の圧力と均しくなるためである。すなわち、蓄えチャンバ1342内の部分真空(例えば、気化可能材料1302がウィックフィード1368を通って排出される結果として形成される)は、周囲空気が蓄えチャンバ1342内に流れる場合、オフセットされる。
【0137】
一部のシナリオでは、蓄えチャンバ1342内の空の空間(すなわち、気化可能材料1302上のヘッドスペース)がゲート1102に接触すると、ヘッドスペース真空が維持されない場合がある。結果として、先に記載されたように、ゲート1102に確立された液体シールが破壊される場合がある。この作用は、コレクタ1313が排出され、ヘッドスペースがゲート1102と接触するのにつれて、ゲート1102が流体膜を維持することができず、部分的なヘッドスペース真空の損失につながるためである場合がある。
【0138】
特定の実施形態では、蓄えチャンバ1342内のヘッドスペースが、周囲圧力を有してもよく、ゲート1102とカートリッジ1320内のアトマイザとの間に静水オフセット(hydrostatic offset)が存在する場合、蓄えチャンバ1342の内容物がアトマイザ内に排出され、その結果、ウィックボックスのあふれ及び漏出が生じる場合がある。漏出を避けるために、1つ以上の実施形態は、ゲート1102とアトマイザとの間の静水オフセットを除去し、蓄えチャンバ1342がほぼ排出されるときにゲート1102の機能性を維持するように実現することができる。
【0139】
図5I~
図5Kは迷路形状構造1190を示す。迷路形状構造1190は、ゲート1102の周囲に構築されてもよく、ゲート1102とコレクタ1313内のオーバフローチャネル1104との間に高駆動接続を確立して、ゲート1102における液体シールを維持する。
図5Jに示された例では、1つ以上の実現形態に係るゲート1102における液体シールの維持をさらに改善するための手段として、モート形状構造1190を含ませることができる。
【0140】
図5L~
図5Nに、本主題の実現形態と一致したゲート1102の種々の図を示す。示されたように、コレクタ1313内のオーバフローチャネル1104は、例えば、V字形ゲート1102が蓄えチャンバ1342に接続される少なくとも2つ(かつ望ましくは3つ)の開口部を含むようなV字形またはホーン形の制御された流体ゲート1102を介して、蓄えチャンバ1342に接続されてもよい。本明細書でさらに詳細に提供されたように、液体シールは、カートリッジ1320の垂直または水平の向きにかかわらず、ゲート1102で維持されてもよい。
【0141】
図5Lに示されたように、ベントの第1の側では、オーバフローチャネル1104とゲート1102との間にベント経路を維持することができる。このベント経路を通って、気泡が、コレクタ内のオーバフローチャネル1104からリザーバ内に逃げることができる。第2の側では、リザーバに接続された1つ以上の高駆動チャネルを実現してピンチオフ点1122でのピンチオフを促進し、オーバフローチャネル1104からリザーバへの気泡の早期の通気と、リザーバからオーバフローチャネル1104への空気または気化可能材料1302の望ましくない進入とを防止する液体シールを維持することができる。
【0142】
実現形態に応じて、
図5Lの右側に例として示された高駆動チャネルは、好ましくは、カートリッジリザーバ内の液状の気化可能材料1302により発揮される毛管圧力によりシールされた状態に維持される。反対側に形成される低駆動チャネル(すなわち、
図5Lの左側に示される)は、高駆動チャネルと比較して、比較的低い毛管駆動を有するが、第1の圧力状態において液体シールが高駆動チャネルおよび低駆動チャネルの両方において維持されるように、依然として十分な毛管駆動を有するように構成されていてよい。
【0143】
したがって、第1の圧力状態(例えば、リザーバ内部の圧力が、ほぼ周囲空気圧以上である場合)では、液体シールは、低駆動チャネルおよび高駆動チャネルの両方で維持され、気泡がリザーバに流入するのを防止する。逆に、第2の圧力状態(例えば、リザーバ内部の圧力が周囲空気圧よりも低い場合)では、オーバフローチャネル1104内に形成された気泡(例えば、空気交換ポート1106を通って進入)、または、より一般的には、液状の気化可能材料-空気界面の前縁メニスカス縁部は、制御された流体ゲート1102まで向かって移動することができる。メニスカスが、ベント1104の低駆動チャネルと高駆動チャネルとの間に配置されたピンチオフ点1122に達すると、空気は、高駆動チャネル内に存在するより高い毛管抵抗により、1つ以上の低駆動チャネルを優先的に通される。
【0144】
気泡が、ゲート1102の低駆動チャネル部分を通過すると、気泡は、リザーバに入り、リザーバ内部の圧力が、周囲空気の圧力と等しくなる。そのようにして、制御された流体ゲート1102と組み合わせた空気交換ポート1106によって平衡圧力状態がリザーバと周囲空気との間で確立されるまで、オーバフローチャネル1104を通って入る周囲空気をリザーバ内に通過させることが可能となる。先に記載されたように、このプロセスは、リザーバ通気と呼ぶことができる。平衡圧力状態が確立されると(例えば、第2の圧力状態から第1の圧力状態に戻る移行)、リザーバ内に蓄えられた液状の気化可能材料1302により供給される高駆動チャネルおよび低駆動チャネルの両方に液体が存在するため、液体シールが、ピンチオフ点1122において再度確立される。
【0145】
一部の実現形態では、制御されたベントに向かう駆動を増大させるように先細りのチャネルを設計することができる。2つの前進中のメニスカスのピンチオフを考慮すると、リザーバのタンク壁およびチャネルの底は、駆動を提供し続けるように構成されていてよく、一方、側壁は、メニスカスのためのピンチオフ位置を提供するように構成されていてよい。一構成では、前進中のメニスカスの正味の駆動は、後退中のメニスカスの正味の駆動を超えないため、系を静的に安定に維持する。
【0146】
図4C~
図4Dおよび
図5Bに戻って、特定の変化形態では、コレクタ1313は、蓄えチャンバ1342の受容端によって挿入可能に受容されるように構成されていてよい。蓄えチャンバ1342により受容される端部と反対側のコレクタ1313の端部とは、ウィッキング要素1362を受容するように構成されていてよい。例えば、フォーク形状の狭窄点は、ウィッキング要素1362をしっかりと受容するように形成されていてよい。狭窄点間の固定位置にウィッキング要素1362をさらに固定するのにウィックハウジング1315を使用することができる。また、この構成は、ウィッキング要素1362が過充填により実質的に膨潤し、弱くなるのを防止するのに役立つことができる。
【0147】
図5C~
図5Eを参照すると、実現形態に応じて、コレクタ1313を通って移動する1つ以上の追加のダクト、チャネル、チューブまたはキャビティを、蓄えチャンバ1342内に蓄えられた気化可能材料1302をウィッキング要素1362に供給する経路として構築しまたは構成することができる。本明細書でさらに詳細に検討されたような特定の構成では、ウィックフィードダクト、チューブ、またはキャビティ(すなわち、ウィックフィード1368)は、中央トンネル1100にほぼ平行に延びることができる。少なくとも1つの構成では、例えば、独立してまたは場合により、1つ以上の他のウィックフィードを含むウィック交換部に関連して、コレクタ1313の長さに沿って斜めに延びる1つ以上のウィックフィードが存在することができる。
【0148】
特定の実施形態では、互いに交差する可能性がある供給経路の交換によりウィックハウジング領域をもたらすことができるように、マルチリンク構成でインタラクティブに複数のウィックフィードを接続することができる。この構成は、例えば、気泡の形成または他のタイプの詰まりにより、ウィックフィード交換部内の1つ以上の供給経路が妨げられたときに、ウィックフィード機構の完全な閉塞を防止するのに役立つことができる。有利には、複数の供給経路の計装により、ウィックフィード交換部内の一部の経路または特定の経路が完全にまたは部分的に詰まったかまたは閉塞された場合であっても、気化可能材料1302がウィックハウジング領域に向かって1つ以上の経路(または異なるが開いた経路への交差路)を通って安全に移動するのを可能にすることができる。
【0149】
実現形態に応じて、ウィック供給経路は、例えば、円形または多面の十字直径形状を有する管状であるように成形されていてよい。例えば、ウィックフィードの中空断面は、三角形、長方形、五角形または任意の他の適切な幾何学的形状であってよい。1つ以上の実施形態では、ウィックフィードの断面周囲は、例えば、アームが延在する十字形の中央交差部分の直径に対して十字形のアームがより狭い幅を有するように、中空の十字形の形状であってよい。より一般的には、ウィックフィードチャネル(本明細書において、第1のチャネルとも呼ばれる)は、気泡がウィックフィードの断面積の残りの部分を塞ぐときに、液状の気化可能材料が流れるための代替経路を提供する少なくとも1つの不規則性(例えば、突出部、側部チャネル等)を有する断面形状を有することができる。本例の十字形状の断面は、このような構造の例であるが、当業者であれば、他の形状も、本開示と一致して企図され、実現可能であると理解されたい。
【0150】
ウィックフィード経路を通って形成される十字形ダクトまたはチューブの実現により、目詰まりの問題を克服することができる。十字形チューブが、5つの別個の経路(例えば、十字形の中空中心に形成される中央経路および十字形の中空アームに形成される4つの追加経路)を含むと本質的に考えることができるためである。このような実現形態では、例えば、気泡による供給チューブの閉塞が、十字形チューブの中央部分に形成され、副経路(すなわち、十字形チューブのアームを通る経路)を流れる状態のままにする可能性があるであろう。
【0151】
1つ以上の態様によれば、ウィックフィード経路は、気化可能材料1302がフィード経路を通ってウィックに向かって自由に移動するのを可能にするのに十分な幅であってよい。一部の実施形態では、ウィックフィードを通る流れを、ウィックフィードの特定の部分の相対直径を工夫して、ウィックフィード経路を通って移動する気化可能材料1302に毛管引っ張りまたは圧力を強制することにより、増強しまたは適応させることができる。すなわち、形状および他の構造または材料要因に応じて、一部のウィックフィード経路は、重力または毛管力に依存して、ウィックハウジング部分に向かう気化可能材料1302の移動を誘発することができる。
【0152】
例えば、十字形チューブの実現形態では、十字形チューブのアームを通るフィード経路は、重力に依存する代わりに、毛管圧力によりウィックを供給するように構成されていてよい。このような実現形態では、十字形チューブの中央部分は、例えば、重力によりウィックを供給することができ、一方、十字形チューブのアーム内の気化可能材料1302の流れは、毛管圧力により支持することができる。本明細書に開示された十字形チューブは、例示的な実施形態を提供することを目的とすることに留意されたい。
【0153】
ウィックフィード経路の十字形の断面は、本主題の実現形態と一致した複数の可能性のある構成のもののみであると理解されたい。すなわち、この例示的な実施形態に実現された概念および機能性を、異なる断面形状を有するウィックフィード経路(例えば、ウィックフィード経路に沿って延びる中央トンネルから延びる2つ以上のアームを有する中空の星形断面を有するチューブ)に拡張することができる。本主題のこの態様と一致した一般的な機構は、ウィックフィード経路を形成する材料および使用される液状の気化可能材料の濡れ角について、優先的には、例えば、気泡が断面の全体を完全に閉塞することができない断面形状である。断面における1つ以上の突出形状が、任意のこのような気泡の周りに(例えば、断面の突出部分を形成するウィックフィード経路の部分において)連続液体流路を維持するために突出形状を横切ってメニスカスが形成されるようにサイズ決定されるためである。
【0154】
再度
図5Cを参照すると、例示的なコレクタ1313構造が示されている。この構造では、2つのウィックフィード1368が中央トンネル1100の2つの対向する側に配置され、その結果、気化可能材料1302がこれらのフィードに入り、ウィックのためのハウジングが形成されるコレクタ1313の他端のキャビティ領域に向かって直接流れることができる。
【0155】
ウィックフィード機構は、コレクタ1313内の少なくとも1つのウィックフィード経路が多面の十字直径の中空チューブとして形成され得るように、コレクタ1313を通って形成され得る。例えば、ウィックフィードの中空の十字形の断面は、プラス記号(例えば、上断面図から見ると中空の十字形のウィックフィード)の形状であってよい。その結果、十字形のアームは、アームが延在する十字形の中央交差部分の直径との関係において、より狭い幅を有する。
【0156】
気泡のこのような中央配置は、最終的には、中央経路が気泡により閉塞された場合であっても、気化可能材料1302の流れに対して開いたままである副経路(すなわち、十字形チューブのアームを通る経路)を残すであろう。気泡を捕捉することまたは捕捉された気泡がウィックフィード通路を完全に詰まらせることを避けることに関して、上記開示されたものと同じかまたは同様の目的を達成することができるウィックフィード通路構造のための他の実現形態が可能である。
【0157】
追加のベントが利用可能である場合には、比較的大きな集合体積の気化可能材料1302を置き換えることができるため、実現形態に応じて、コレクタ1313の構造にさらに多くのベントを追加することにより、より速い流量が可能である。したがって、明示的には示されていないが、3つ以上のベントを有する実施形態(例えば、三重ベント実現形態、四重ベント実現形態等)も、開示された主題の範囲内にある。
【0158】
図8Aに、本主題の実現形態と一致した例示的なコレクタ1313の斜視図、正面図、側面図、底面図および上面図を示す。
図8Aに示されたコレクタ1313の例では、ゲート1102は、V字形であってよい。コレクタ1313は、追加のコンポーネント(例えば、ウィッキング要素1362、加熱要素1350およびウィックハウジング1315)と共に、カートリッジ1320内の中空キャビティ内に嵌合することができる。ウィッキング要素1362は、コレクタ1313の第2の端部とウィッキング要素1362の周囲に巻き付けられた加熱要素1350との間に配置することができる。組み立て中、コレクタ1313、ウィッキング要素1362および加熱要素1350は、共に嵌め込まれ、ウィックハウジング1315により覆われ、その後、カートリッジ1320内のキャビティ内に挿入され得る。
【0159】
ウィックハウジング1315は、他の記載されたコンポーネントと共に、マウスピースと反対側のカートリッジ1320の端部に挿入されて、圧力シールまたは圧力嵌めの方法で、これらのコンポーネントを内部に保持することができる。カートリッジ1320の受容スリーブの内壁内のウィックハウジング1315およびコレクタ1313のシールまたは嵌合は、カートリッジ1320のリザーバ内に保持された気化可能材料1302の漏出を防止するのに望ましく十分に密封される。一部の実施形態では、ウィックハウジング1315とコレクタ1313との間およびカートリッジ1320の受容スリーブの内壁との間の圧力シールも、ユーザの素手によるコンポーネントの手作業での解体を防止するのに十分に密封される。
【0160】
ここで
図8B~
図8Cを参照すると、本主題の一部の実現形態では、ウィッキング要素1362は、その長さに沿った(例えば、ウィックフィード1368の直下に配置されたウィッキング要素1362の長手方向遠位端に向かう)特定の位置で圧縮リブ1110により拘束されまたは圧縮されて、例えば、ウィッキング要素1362の端部に向かう気化可能材料1302のより高い充填領域を維持することによって漏出を防止するのに役立つことができる。その結果、ウィッキング要素1362の中央部分は、より乾燥したままであり、漏出が少ない傾向がある。さらに、圧縮リブ1110の使用により、アトマイザへの漏出を防止するために、アトマイザハウジング内にウィッキング要素1362をさらに押し込むことができる。
【0161】
図8D~
図8Fに、コレクタ1313によって形成されまたは構成され得るウィックフィード機構の例の上平面図を示す。
図8Dに示された例では、コレクタ1313内の少なくとも1つのウィックフィード1368経路を、多面の十字直径の中空チューブとして成形することができる。例えば、ウィックフィード1368経路の中空の十字形の断面は、プラス記号(例えば、上断面図から見ると中空の十字形のウィックフィード)の形状であってよい。その結果、十字形のアームは、アームが延在する十字の中央交差部分の直径との関係において、より狭い幅を有する。一方、
図8Eに示された例では、ウィックフィード1368経路により形成された十字形の直径を有するダクトまたはチューブにより、目詰まりの問題を克服することができる。十字形の直径を有するチューブが、5つの別個の経路(例えば、十字形の中空中心に形成される中央経路および十字形の中空アームに形成される4つの追加経路)を含むと考えることができるためである。このような実現形態では、気泡(例えば、気泡)による供給チューブの閉塞が、
図8Eに示された十字形チューブの中央部分に形成される可能性があるであろう。気泡のこのような中央配置は、最終的には、中央経路が気泡により閉塞された場合であっても、気化可能材料1302の流れに対して開いたままである副経路(すなわち、十字形チューブのアームを通る経路)を残すであろう。
【0162】
ここで
図8Fを参照すると、ウィックフィードバック機構は、気泡を捕捉可能であるか、または、捕捉された気泡がウィックフィード1368経路を完全に詰まらせるのを回避可能である、ウィックフィード1368経路構造であってもよい。
図8Fの例示に示されたように、気泡がウィックフィード1368経路の中央領域に捕捉される場合、1つ以上の液滴形状の狭窄点1368aおよび/または1368b(例えば、その間にウィックフィード1368経路を有する1つ以上の分離されたニップルと形状が類似する)を、気化可能材料1302が蓄えチャンバ1342からコレクタ1313内に流れるウィックフィード1368経路の端部に形成することができ、ウィックフィード1368経路を通して導くのに気化可能材料1302を役立てることができる。このようにして、気化可能材料1302の適度に制御可能で一貫した流れをウィックに向かって流すことができ、ウィックが気化可能材料1302で十分に満たされないというシナリオを防止することができる。
【0163】
図7に、本主題の実現形態と一致したカートリッジ1320の例の斜視図、正面図、側面図および分解図を示す。示されたように、カートリッジ1320は、スリーブにより画定された空気流通路1338を有するスリーブの形態に成形されたマウスピース-リザーバの組み合わせを含むことができる。カートリッジ1320内の領域は、コレクタ1313、ウィッキング要素1362、加熱要素1350、およびウィックハウジング1315を収容する。コレクタ1313の第1の端部の開口部は、マウスピース内の空気流通路1338につながり、気化した気化可能材料1302が加熱要素1350領域からユーザが吸入するマウスピースに移動する経路を提供する。
【0164】
図9A~
図9Cに、本主題の実現形態と一致したカートリッジ1320の例の斜視図、正面図および側面図を示す。
図9A~
図9Cを参照すると、示されたカートリッジ1320は、コレクタ1313と、加熱要素1350と、カートリッジコンポーネントがカートリッジの本体に挿入されるときにカートリッジコンポーネントを適所に保持するためのウィックハウジング1315とを含む複数のコンポーネントから組み立てることができる。一実施形態では、コレクタ1313の一端がウィックハウジング1313と接触するほぼその点に位置する円周方向接点部分においてレーザ溶接を行うことができる。コレクタ1313と加熱チャンバ1315との間のレーザ溶接により、アトマイザが配置される加熱チャンバ1315にコレクタ1313内の液状の気化可能材料1302が流入するのを防止することができる。
【0165】
気化可能材料をエアロゾルに気化させることにより、一部の気化器の1つ以上の内部チャネルおよび出口に沿って(例えば、マウスピースに沿って)凝縮物の収集をもたらすことができる。例えば、このような凝縮物は、リザーバから引き出され、エアロゾルに形成され、気化器から出る前に凝縮物に凝縮された気化可能材料を含むことができる。さらに、気化プロセスを回避した気化可能材料は、1つ以上の内部チャネルおよび/または空気出口に沿って蓄積する場合もある。これにより、マウスピース出口を出てユーザの口内に堆積する凝縮物および/または気化しなかった気化可能材料が生じ、それにより、ユーザが不快な経験をしたり、何等かの方法で利用できる吸入可能なエアロゾルの量が減少したりする両方がもたらされるおそれがある。さらに、凝縮物の蓄積および喪失により、最終的には、全ての気化可能材料をリザーバから気化チャンバ内に引き込むことができず、それにより、気化可能材料を浪費することになるおそれがある。例えば、気化可能材料の粒子が、気化チャンバの下流の空気チューブの内部チャネル内に蓄積すると、空気流通路の有効断面積が狭くなるため、空気の流量が増大し、それにより、蓄積された流体に抗力が加わり、その結果、内部チャネルからマウスピース出口を通って流体を伴わせる可能性が増幅される。したがって、本主題の一部の実現形態では、気化器カートリッジ1320は、例えば、凝縮物コレクタ3201と、マウスピースの開口部からウィッキング要素1362まで延在する凝縮物リサイクルチャネル3204(例えば、微小流体チャネル)とを含む、凝縮物リサイクルシステムを含むことができる。さらに例証するために、
図10A~
図10Eに、本主題の実現形態と一致した一例の凝縮物リサイクルシステムを含むカートリッジ1320の種々の図を示す。
【0166】
図10A~
図10Eを参照すると、凝縮物コレクタ3201は、マウスピース内で冷却され、液滴に変えられる気化した気化可能材料1302に作用して、凝縮物滴を収集し、凝縮物リサイクル器チャネル3204に送ることができる。凝縮物リサイクル器チャネル3204は、凝縮物および大きな蒸気液滴を収集し、ウィックに戻し、ユーザがマウスピースをパフするかまたは吸入する間に、マウスピース内に形成された液状の気化可能材料がユーザの口内に堆積されることを防止する。凝縮物リサイクル器チャネル3204を微小流体チャネルとして実現することで、任意の液滴凝縮物を捕捉し、それにより、液状の気化可能材料の直接吸入を排除し、ユーザの口内の望ましくない感覚または味覚を回避することができる。
【0167】
凝縮物リサイクル器チャネルの付加的かつ/もしくは代替的実施形態ならびに/または気化器デバイス内の凝縮物を制御し、収集しかつ/もしくはリサイクルするための1つ以上の他の機構が、
図45A~
図45Cに関して説明され、示される。例えば、
図45A~
図45Cに、本主題の実現形態と一致した凝縮物リサイクル器システム360の別の例を示す。凝縮物リサイクル器システム360は、気化可能材料凝縮物を収集し、再使用のために凝縮物をウィックに直接戻すように構成されていてよい。
図45A~
図45Cに示されたように、凝縮物リサイクル器システム360は、マウスピースから気化チャンバ342に向かって延在する空気流通路338を形成する内部溝付き空気チューブ334を含むことができ、任意の気化可能材料凝縮物を収集し、再使用のためにそれを(毛管作用により)ウィックに直接戻すように構成されていてよい。
【0168】
溝の1つの機能は、気化可能材料凝縮物がこの溝内に捕捉されるかまたは何等かの方法で配置されることを含むことができる。凝縮物は、溝内に配置されると、ウィッキング要素により生じる毛管作用によってウィックに排出される。溝内の凝縮物の排出は、毛管作用により少なくとも部分的に達成することができる。空気チューブ内に何等かの凝縮物が存在する場合、気化可能材料粒子は溝内に充填され得るが、溝が存在しなかった場合には、むしろ、空気チューブ内に凝縮物の壁が形成されまたは構築される。溝が、ウィックとの流体連通を確立するのに十分充填されると、凝縮物は、溝を通って溝から排出され、気化可能材料として再使用することができる。一部の実施形態では、溝は、ウィックに向かって狭くなり、マウスピースに向かって広くなるように、先細りにすることができる。そのような先細りは、より狭い点でより高い毛管作用により、より多くの凝縮物が溝に集まるため、流体が気化チャンバに向かって移動するのを促進することができる。
【0169】
図45Aに、空気チューブ334の断面図を示す。空気チューブ334は、空気流通路338と、気化チャンバ342に向かって水力直径が小さくなる1つ以上の内部溝とを含む。溝は、溝内に配置された流体(例えば、凝縮物)を毛管作用により第1の位置から第2の位置に運ぶことができるようなサイズおよび形状である。内部溝は、空気チューブ溝364およびチャンバ溝365を含む。空気チューブ溝364を、空気チューブ334内に配置することができ、空気チューブの第1の端部362における空気チューブ溝364の断面が空気チューブの第2の端部363における空気チューブ溝364の断面より大きくすることができるように、先細りにすることができる。チャンバ溝365を、空気チューブの第2の端部363に近接して配置することができ、空気チューブ溝364と連結させることができる。内部溝は、ウィックと流体連通し、ウィックにより内部溝から気化可能材料凝縮物を連続的に排出するのが可能となり、このため、空気流通路338内の凝縮物の膜の蓄積を防止するように構成されていてよい。凝縮物は、内部溝の毛管駆動により、内部溝に優先的に入ることができる。内部溝内の毛管駆動の勾配により、流体はウィックハウジング346に向かって移動し、そこで、気化可能材料凝縮物はウィックを再充填することによりリサイクルされる。
【0170】
図45Bおよび
図45Cに、空気チューブの第1の端部362および空気チューブの第2の端部363それぞれから見た凝縮物リサイクル器システム360の内部図を示す。空気チューブの第1の端部362をマウスピースおよび/または空気出口に近接して配置することができる。空気チューブの第2の端部363を気化チャンバ342および/またはウィックハウジング346に近接して配置することができ、空気チューブの第2の端部363は、チャンバ溝365および/またはウィックと流体連通していることができる。空気チューブ溝364は、第1の直径366および第2の直径368を有することができる。第2の直径368は、第1の直径366より狭くてよい。
【0171】
空気流通路の有効断面が狭くなるにつれて、空気流通路内に凝縮物が蓄積されるか、または、本明細書で検討された設計のいずれかにより、空気チューブを通って移動する空気の流量が増加し、蓄積された流体(例えば、凝縮物)に抗力を加える。流体をユーザに向かって引き出す(例えば、気化器上での吸入に応じて)抗力が流体をウィックに向かって引く毛管力より高いとき、流体は空気出口を出てしまう。
【0172】
この問題を克服し、凝縮物をマウスピース出口から離し、気化チャンバ342および/またはウィックに戻すのを促進するために、気化チャンバ342に近接する空気チューブ溝364の断面がマウスピースに近接する空気チューブ溝364の断面より狭くなるように、先細りの空気流通路が設けられる。さらに、各内部溝は、空気チューブの第1の端部362に近接する内部溝の幅が空気チューブの第2の端部363に近接する内部溝の幅より広くなり得るように狭くなっている。このようにして、狭くなる通路により、空気チューブ溝364の毛管駆動が増大し、チャンバ溝365に向かう凝縮物の流体移動が促進される。さらに、空気チューブの第2の端部363に近接するチャンバ溝365は、ウィックに近接するチャンバ溝365の幅より広くてもよい。すなわち、各溝チャネルは、空気流通路自体がウィック端部に向かって狭くなるのに加えて、ウィックに近づくにつれて徐々に狭くなる。
【0173】
凝縮物リサイクル器システム設計により提供される毛管作用の有効性を最大化するために、溝サイズに対する空気チューブの断面サイズを考慮することができる。溝の幅が狭くなるにつれて、毛管駆動を増大させることができるが、溝のサイズが小さくなると、凝縮物が溝をあふれ、空気チューブが詰まるおそれがある。したがって、溝幅は、約0.1mm~約0.8mmの範囲とすることができる。
【0174】
一部の実施形態では、溝の幾何学的形状または数を変化させることができる。例えば、溝は、必ずしもウィックに向かって小さくなる水力直径を有していなくてもよい。一部の実施形態では、ウィックに向かって小さくなる水力直径により、毛管駆動の性能を改善させることができる。ただし、他の実施形態を考慮することができる。例えば、内部溝およびチャネルは、実質的に直線状の構造、先細りの構造、螺旋状の構造および/または他の構成を有することができる。
【0175】
図11A~
図11Bに、本主題の実現形態と一致した一例の外部空気流経路を有するカートリッジ1310の正面図および側面図を示す。例えば、
図11A~
図11Bに示されたように、空気入口とも呼ばれる1つ以上のゲートを、気化器本体110上に設けることができる。ユーザがカートリッジ1320と連結された気化器100を保持しているときにユーザが個々の空気入口を意図せず塞ぐのを防止するようなサイズの幅、高さ、および深さを有する空気入口チャネル内に空気入口を配置することができる。一態様では、例えば、ユーザの指が空気入口チャネルの領域を塞いだときに空気入口チャネルを通る空気流を著しく閉塞しまたは制限しないように、空気入口チャネル構造を十分長くすることができる。
【0176】
本主題の一部の実現形態では、例えば、ユーザが指、手、および/または別の身体部分で空気入口チャネル内の空気入口を完全に覆うかまたは塞ぐことができないことを保証するために、空気入口チャネルの幾何学的構造によって、最短長さ、最小深さ、または最長幅のうちの少なくとも1つを提供することができる。例えば、空気入口チャネルの長さを平均的な人間の指の幅より長くすることができ、空気入口チャネルの幅および深さを、ユーザの指がチャネルの上部に押されたときに、形成された皮膚のしわが空気入口チャネル内の空気入口とインタフェースしないようにすることができる。
【0177】
空気入口チャネルは、丸みを帯びた縁部を有するようにまたは気化器本体110の1つ以上の角または領域の周りに巻き付くような形状に構成されまたは形成され得る。その結果、ユーザの指または身体部分によって空気入口チャネルを容易に覆うことができない。本主題の一部の実現形態では、任意のカバーを空気入口チャネルを保護するように設けることができる。その結果、ユーザの指は、空気入口チャネルへの空気流を塞ぎまたは完全に制限することができない。代替的にかつ/または付加的に、空気入口チャネルは、気化器カートリッジ1320と気化器本体110との間の界面に配置することができる。例えば、気化器カートリッジ1320が気化器本体110と連結されるときに気化器カートリッジ1320と気化器本体110との間に形成される凹部領域、例えば、継ぎ目、キャビティ、溝、ギャップ等内に空気入口チャネルを配置することができる。この凹部領域は、気化器カートリッジ1320および気化器本体110の周囲に少なくとも部分的に延在することができる。その結果、ユーザの指(または他の身体部分)は、凹部領域の一部のみを覆うことができ、空気は依然として、凹部領域の覆われていない部分を通って空気入口チャネルに入ることができる。
【0178】
図12Aに、本主題の実現形態と一致したウィックハウジング1315の例の斜視図、上面図、底面図および種々の側面図を示す。示されたように、1つ以上の穿孔、孔またはスロット596は、ウィックハウジング1315の下部に形成され、空気がウィックハウジング1315に流入しかつウィックハウジング1315内に配置されたウィック要素1362の周囲を通過しかつ/またはそれを通過するのを許容し得る。十分な数のスロット596により、ウィックハウジング1315を通る適切な空気流を促進することができる。ウィックハウジング1315は、ウィッキング要素1362の近くまたは周囲に配置された加熱要素1350により発生された熱に反応して、ウィッキング要素1362内に吸収された気化可能材料1302の適切かつタイムリーな気化を提供するために必要とされる場合がある。
【0179】
ウィックハウジング1315内に存在する気化可能材料1302、例えば、ウィッキング要素1362内に引き込まれた気化可能材料1302がウィックハウジング1315から流出するのを防止するために、例えば、気化可能材料1302の更なる流出を防止するためにメニスカスが形成され得る1つ以上の狭窄点を提供するために、スロット596の内部寸法(例えば、断面積、直径、幅、長さ等)を階段状にすることができる。さらに例証するために、
図50A~
図50Bに、本主題の実現形態と一致したウィックハウジング1315の断面図を示す。
図50A~
図50Bに示されたように、スロット596を、スロット596の内寸がウィックハウジング1315の底部のスロット596の寸法より小さくすることができるという点で、階段状にすることができる。その結果、スロット596の内部は、少なくとも1つの段部を示す。
【0180】
本主題の一部の実現形態では、ウィックハウジング1315の底部のスロット596の寸法は、長さ1.0~1.4ミリメートル×幅0.3~0.7ミリメートルであってよい。例えば、スロット596は、ウィックハウジング1315の底部において、長さ1.2ミリメートル×幅0.5ミリメートルとすることができるが、スロットの内寸が長さ約1.0ミリメートル×幅0.3ミリメートルとなるように階段状内部を示すことができる。この段部により、気化可能材料1302がスロット596からさらに流出するのを防止するためのメニスカスが形成され得る狭窄点を提供することができる。特に、スロット596の階段状内部に空気-液体界面を維持することにより、液状の気化可能材料1302が、ウィックハウジング1315の底部を破り、例えば、気化器カートリッジ1320が気化器本体110と連結する場所に近接した位置(例えば、カートリッジ受け口118)にある気化器本体110を含む外部環境を汚染するのを防止することができる。
【0181】
図12Bに、例えば、カートリッジ1320の少なくとも一部を形成するように連結することができる、コレクタ1313およびウィックハウジング1315の斜視図を示す。示されたように、ウィックハウジング1315(カートリッジのウィックハウジング部分を含む)を、1つ以上の突出部材またはタブ4390を含むように実現することができる。タブ4390は、ウィックハウジング1315の上端部から延在するように構成されていてよく、組み立て中に、コレクタ1313の受容端と嵌合する。タブ4390は、例えば、コレクタ1313の底部内の受容ノッチまたは受容キャビティ1390内の1つ以上のファセットに対応するかまたは一致する1つ以上のファセットを含むことができる。受容キャビティ1390は、例えば、スナップ嵌め係合のために、タブ4390を着脱可能に受容するように構成されていてよい。スナップ嵌め構成により、組み立て中または組み立て後に、コレクタ1313およびウィックハウジング1315を共に保持するのを補助することができる。
【0182】
特定の実施形態では、タブ4390を、組み立て中にウィックハウジング1315の向きを方向付けるのに利用することができる。例えば、一実施形態では、1つ以上の振動機構(例えば、振動ボウル)を利用して、カートリッジ1320の種々のコンポーネントを一時的に蓄えまたは段階分けする(stage)ことができる。一部の実現形態によれば、タブ4390は、容易な係合および正確な自動化された組み立ての目的で、機械的グリッパのためにウィックハウジング1315の上部を方向付けるのに役立つことができる。
【0183】
本主題の一部の実現形態では、コレクタ1313は、気化した気化可能材料1302の空気流通路1338内での混合を促進するように構成された1つ以上の機構を含むことができる。上述したように、中央トンネル1100は、コレクタ1313を横断して、空気流通路1338と、加熱要素1350およびウィッキング要素1362が配置されたウィックハウジング1315との間に流体接続を形成することができる。したがって、ウィッキング要素1362内に引き込まれた気化可能材料1302を加熱する加熱要素1350により生成されたエアロゾルは、ユーザに給送するために空気流通路1338に流入する前に、ウィックハウジング1315からコレクタ1313内の中央トンネル1100に移動することができる。気化した気化可能材料1302が、中央トンネル1100および空気流通路1338を通って移動する際に気化した気化可能材料1302の混合を促進するために、コレクタ1313とウィックハウジング1315との間の界面として機能するコレクタ1313の底面は、気化した気化可能材料1302の流れを導くように構成された1つ以上の機構を含むことができる。
【0184】
さらに例証するために、
図52A~
図52Eに、本主題の実現形態と一致した一例のフローコントローラ5220を有するコレクタ1313を示す。
図52A~
図52Eを参照すると、コレクタ1313は、その底面に、フローコントローラ5220を含むことができる。コレクタ1313の底面は、コレクタ1313をウィックハウジング1315に固定するための1つ以上の連結機構をさらに含むことができる。連結機構は、例えば、第1の連結機構5210aおよび第2の連結機構5210bを含む。第1の連結機構5210aおよび第2の連結機構5210bは、ウィックハウジング1315内の対応する雌型コネクタ(例えば、受け口)内に挿入され、これと摩擦係合するように構成された雄型コネクタ(例えば、フォーク)であってよい。
図52A~
図52Eに示されたコレクタ1313の例では、コレクタ1313の底面は、例えば、第1のウィック界面5230aおよび第2のウィック界面5230bを含む1つ以上のウィック界面をさらに含むことができる。第1のウィック界面5230aおよび第2のウィック界面5230bは、ウィックフィード1368と連結することができる。例えば、第1のウィックフィード1368aの端部とウィックハウジング1315との間に第1のウィック界面5230aを配置することができ、一方、第2のウィックフィード1368bの端部とウィックハウジング1315との間に第2のウィック界面5230bを配置することができる。第1のウィック界面5230aおよび第2のウィック界面5230bはそれぞれ、ウィックフィード1368を通って流れる気化可能材料1302の少なくとも一部をウィックハウジング1315内に配置されたウィッキング要素1360に送るためのコンジットとして機能するように構成されていてよい。
【0185】
再度
図52A~
図52Eを参照すると、フローコントローラ5220は、中央トンネル1100と流体連結することができ、次に、中央トンネル1100は、空気流通路1338と流体連通している。本主題の一部の実現形態では、フローコントローラ5220は、中央トンネル1100および/または空気流通路1338内の気化した気化可能材料1302の混合を促進する様式で、気化した気化可能材料1302の流れを導くように構成されていてよい。気化した気化可能材料1302の混合は、例えば、ユーザに給送されるエアロゾル中の気化した微粒子の温度および/または分布を調節することを含む、各種の理由に望ましい場合がある。
【0186】
本主題の一部の実現形態では、フローコントローラ5220は、例えば、第1のチャネル5225aおよび第2のチャネル5225bを含む1つ以上のチャネルを含むことができる。
図52A~
図52Eに示されたコレクタ1313の例では、中央トンネル1100への第1のチャネル5225aの第1の開口部が中央トンネル1100への第2のチャネル5226bの第2の開口部から少なくとも部分的にオフセットされるように、第1のチャネル5225aおよび第2のチャネル5225bの相対位置をオフセット(または千鳥状に)することができる。さらに、第1のチャネル5225aおよび第2のチャネル5225bは、例えば、別個のロート様構造を形成するように先細りになっていることができる。また、第1のチャネル5225aおよび第2のチャネル5225bの断面寸法は、第1のチャネル5225aおよび第2のチャネル5225bが中央トンネル1100と接触する端部に向かって先細りになることができる。例えば、第1のチャネル5225aおよび第2のチャネル5225bはそれぞれ、約2.25ミリメートルの高さにわたって、(コレクタ1313の底部において)2.62ミリメートル×5.85ミリメートルから1.35ミリメートル×0.70ミリメートルまで先細りになっていることができる。さらに、第1のチャネル5225aおよび第2のチャネル5225bの内壁は、中央トンネル1100の中心に向かって傾斜していることができる。したがって、第1のチャネル5225aおよび第2のチャネル5225bはそれぞれ、ウィックハウジング1315からフローコントローラ5220に入る気化した気化可能材料1302から、気化した気化可能材料1302の別個のカラムを形成することができる。
【0187】
さらに、気化した気化可能材料1302の各カラムは、第1のチャネル5225aおよび第2のチャネル5225bの傾斜した内部輪郭によりオフセットされた方向に流れることができる。例えば、空気流通路1338に向かって真っ直ぐ移動する代わりに、気化した気化可能材料1302のカラムを、中央トンネル1100および空気流通路1338の壁に向かって導くことができる。すなわち、フローコントローラ5220は、気化した気化可能材料1302の層流を分断するように構成されていてよい。層流において、気化した気化可能材料1302の層は、それぞれがそれ自体の速度で移動し、それ自体の温度を有し、層間でいかなる分断または混ざり合うことなく、独立して移動する。層流中の気化した気化可能材料1302の層間の横方向の混合は、(例えば、拡散混合により)最小限かつ遅くなる場合がある。したがって、フローコントローラ5220により導入される分断がなければ、気化した気化可能材料1302は、ユーザに給送するために空気流通路1338に存在する前に、十分な混合を受けることができない場合がある。
【0188】
対照的に、第1のチャネル5225aおよび第2のチャネル5225bは、気化した気化可能材料1302の流れをオフセットするように構成されているため、フローコントローラ5220により、フローコントローラ5220を通過する気化した気化可能材料1302に乱流を導入することができる。例えば、気化した気化可能材料1302の流れ方向をオフセットすることにより、気化した気化可能材料1302の各カラムを、中央トンネル1100および空気流通路1338の壁ならびにカラム同士と相互作用させることができる。これらの相互作用は、異なる速度で移動し、異なる温度を有する気化した気化可能材料1302の層を分裂させて、気化した気化可能材料1302の層の混合を促進することができる。
【0189】
さらに例証するために、
図52Fに、中央トンネル1100および空気流通路1338を通る層流の例および乱流の例を示す。
図52Fの左側では、気化した気化可能材料1302のカラムは、気化した気化可能材料1302のカラムが中央トンネル1100および空気流通路1338を通って移動するときに、分離したままである。したがって、気化した気化可能材料1302は、実質的に層流を維持し、この場合、気化した気化可能材料1302の層間で最小限の混合が生じる。対照的に、
図52Fの右側では、フローコントローラ5220により、気化した気化可能材料1302のカラムの流れ方向をオフセットすることによることを含む乱流が、気化した気化可能材料1302に導入される。その結果、気化した気化可能材料1302のカラムは、中央トンネル1100および空気流通路1338の壁ならびにカラム同士と相互作用する。上述したように、気化した気化可能材料1302の乱流は、気化した気化可能材料1302の異なる層の混合を促進することができる。その結果、ユーザに給送される得られたエアロゾルは、気化した微粒子の温度および/または分布においてより均一性を示すことができる。
【0190】
上述したように、本主題の実現形態と一致した気化器カートリッジ1320は、1つ以上の加熱要素、例えば、加熱要素1350等を含むことができる。本主題の一部の実現形態によれば、加熱要素1350は、望ましくは、ウィッキング要素1362を受容するように成形されかつ/またはウィッキング要素1362の周りに少なくとも部分的に圧着されもしくは押し付けられ得る。加熱要素1350を、加熱要素1350が加熱要素1350の少なくとも2つまたは3つの部分の間にウィック要素1362を固定するように構成されるように曲げることができる。加熱要素1350は、ウィッキング要素1362の少なくとも一部の形状に一致するように曲げることができる。加熱要素1350は、典型的な加熱要素よりも容易に製造することができる。本主題の実現形態と一致した加熱要素は、抵抗加熱に適した導電性金属製であってよく、一部の実現形態では、加熱要素は、加熱要素(ひいては気化可能材料)をより効率的に加熱することができるように、別の材料の選択的めっきを含むことができる。
【0191】
図13Aに、一例の気化器カートリッジ1320の分解図を示し、
図13Bに、気化器カートリッジ1320の実施形態の斜視図を示し、
図13Cに、気化器カートリッジ1320の例の底斜視図を示す。
図44A~
図44Cに示されたように、気化器カートリッジ1320は、コレクタ1313、ウィックハウジング1315と、(ウィックハウジング1315内に少なくとも部分的に配置される)加熱要素1350を収容するように構成されるハウジング160とを含むことができる。本主題の一部の実現形態では、ウィックハウジング1315、加熱要素1350、およびウィッキング要素1362は、
図1に示されたアトマイザアセンブリ141を形成することができる。
【0192】
以下により詳細に説明されるように、加熱要素1350の少なくとも一部を、ハウジング160とウィックハウジング1315との間に配置し、気化器本体110の一部と連結する(例えば、受け口接点125と電気的に連結する)ように露出させる。ウィックハウジング1315は、4つの辺を含むことができる。例えば、ウィックハウジング1315は、2つの対向する短辺と、2つの対向する長辺とを含むことができる。2つの対向する長辺はそれぞれ、少なくとも1つ(2つ以上)の凹部を含むことができる。凹部を、ウィックハウジング1315の長辺に沿ってかつウィックハウジング1315の長辺と短辺との間の各交点に隣接して配置することができる。凹部を、気化器カートリッジ1320をカートリッジ受け口118内の気化器本体110に固定するために、気化器本体110上の対応する機構(例えば、ばね)と脱着可能に連結するように成形することができる。凹部により、気化器カートリッジ1320を気化器本体110と連結するための機械的に安定した固定手段が提供される。
【0193】
一部の実現形態では、ウィックハウジング1315は、気化器上に位置した対応するチップリーダと通信するように構成されていてよい識別チップ174も含む。例えば、ウィックハウジング1315の短辺において、ウィックハウジング1315にのり付けしかつ/または何等かの方法で識別チップ174を接着することができる。ウィックハウジング1315は、識別チップ174を受容するように構成されたチップ凹部を付加的にまたは代替的に含むことができる。チップ凹部は、2つ、4つまたはそれ以上の壁により囲まれ得る。チップ凹部を、識別チップ174をウィックハウジング1315に固定するように成形することができる。
【0194】
図14~
図17に、本主題の実現形態と一致した加熱要素1350の概略図を示す。例えば、
図14に、折り畳まれていない位置にある加熱要素1350の概略図を示す。示されたように、折り畳まれていない位置では、加熱要素1350は、平面状の加熱要素を形成する。最初に、加熱要素1350を基板材料から形成することができる。ついで、基板材料を打ち抜き加工、レーザ切断、フォトエッチング、化学エッチング等することを含むが、これらに限定されない、種々の機械的プロセスにより、適切な形状に切断されかつ/または打ち抜き加工される。
【0195】
基板材料は、抵抗加熱に適した導電性金属製であってよい。一部の実現形態では、加熱要素1350は、ニッケル-クロム合金、ニッケル合金、ステンレス鋼等を含む。以下で検討されるように、加熱要素1350を、基板材料の1つ以上の位置(加熱要素1350の全部または一部とすることができる)における加熱要素の抵抗率を高める、制限するまたは何等かの方法で変更するために、基板材料の表面上の1つ以上の位置に被覆することによりめっきすることができる。
【0196】
加熱要素1350は、加熱部分504に位置する1つ以上の櫛歯502(例えば、加熱セグメント)と、移行領域508に位置する1つ以上の接続部分または脚部506(例えば、1つ、2つまたはそれ以上)と、電気接触領域510に位置し、1つ以上の脚部506それぞれの端部に形成されたカートリッジ接点124とを含む。櫛歯502、脚部506およびカートリッジ接点124を、一体的に形成することができる。例えば、櫛歯502、脚部506およびカートリッジ接点124は、基板材料から打ち抜き加工されかつ/または切断された加熱要素1350の一部を形成する。一部の実現形態では、加熱要素1350は、1つ以上の脚部506から延在する熱シールド518も含み、また、櫛歯502、脚部506およびカートリッジ接点124と一体的に形成することができる。
【0197】
一部の実現形態では、加熱要素1350の加熱部分504の少なくとも一部は、気化器カートリッジ1320のリザーバ1340からウィッキング要素内に引き込まれた気化可能材料とインタフェースするように構成されている。加熱要素1350の加熱部分504を、所望の抵抗を生じるように、成形し、サイズ決定しかつ/または何等かの方法で処理することができる。例えば、加熱部分504内に位置する櫛歯502を、櫛歯502の抵抗が加熱部分504内の局所的な加熱に影響を及ぼすのに適切な量の抵抗と一致して、ウィッキング要素からの気化可能材料をより効率的かつ効果的に加熱するように設計することができる。櫛歯502は、所望の抵抗量を提供するために、直列および/または並列に、薄い経路の加熱セグメントまたはトレースを形成する。
【0198】
櫛歯502(例えば、トレース)は、種々の形状、サイズおよび構成を含むことができる。一部の構成では、1つ以上の櫛歯502を、気化可能材料がウィッキング要素から吸い出され、そこから各櫛歯502の側縁で気化されるのを可能にするように間隔を置いて配置することができる。櫛歯502の他の特性の中でも、形状、長さ、幅、組成等を、加熱要素1350の加熱部分内から気化可能材料を気化させることによりエアロゾルを発生させる効率を最大にし、電気効率を最大にするように最適化することができる。櫛歯502の他の特性の中でも、形状、長さ、幅、組成等を、櫛歯502(または櫛歯502の一部、例えば、加熱部分504)の長さにわたって熱を均一に分配するように、付加的にまたは代替的に最適化することができる。例えば、櫛歯502の幅は、加熱要素1350の少なくとも加熱部分504にわたる温度プロファイルを制御するために、櫛歯502の長さに沿って均一または可変であってよい。一部の例では、櫛歯502の長さを、加熱要素1350の少なくとも一部、例えば、加熱部分504に沿って所望の抵抗を達成するように制御することができる。
図45~
図48に示されたように、櫛歯502はそれぞれ、同じサイズおよび形状を有する。例えば、櫛歯502は、ほぼ整列させられ、ほぼ矩形の形状を有する外縁503、例えば、平坦または四角形の外縁503または丸みを帯びた外縁503を含む。一部の実現形態では、1つ以上の櫛歯502は、整列させられていないかつ/または異なるサイズもしくは形状であってよい外縁503を含むことができる。一部の実現形態では、櫛歯502は、均等に間隔を置いて配置することができまたは隣接する櫛歯502間に可変の間隔を有することができる。櫛歯502の特定の幾何学的形状を、望ましくは、加熱部分504を加熱するための特定の局所的な抵抗を生じ、気化可能材料を加熱し、エアロゾルを発生させるための加熱要素1350の性能を最大にするように選択することができる。
【0199】
加熱要素1350は、櫛歯502に対して、より広いかつ/もしくはより厚い幾何学的形状ならびに/または異なる組成の部分を含むことができる。これらの部分は、電気接触領域および/もしくはより導電性の部分を形成することができ、かつ/または加熱要素1350を気化器カートリッジ内に取り付けるための機構を含むことができる。加熱要素1350の脚部506は、各最外櫛歯502Aの端部から延在する。脚部506は、典型的には、各櫛歯502の幅より広い幅および/または厚さを有する加熱要素1350の一部を形成する。ただし、一部の実現形態では、脚部506は、各櫛歯502の幅と同じかまたはそれより狭い幅および/または厚さを有する。脚部506は、加熱要素1350をウィックハウジング1315または気化器カートリッジ1320の別の部分に連結させる。その結果、加熱要素1350は、ハウジング160により少なくとも部分的または完全に囲まれる。脚部506により、加熱要素1350が製造中および製造後に機械的に安定するのを促進する剛性が提供される。また、脚部506は、カートリッジ接点124を加熱部分504に位置する櫛歯502と接続させる。脚部506は、加熱要素1350が加熱部分504の電気的要件を維持できるように、形成され、サイズ決定される。
図18に示されたように、脚部506は、加熱要素1350が気化器カートリッジ1320と組み立てられたときに、気化器カートリッジ1320の端部から加熱部分504を、間隔を置いて配置する。また、脚部506は、気化可能材料1302が加熱部分504から加熱要素1350の他の部分に流れるのを制限しかつ/または防止するように構成された毛管機構を含むこともできる。
【0200】
一部の実現形態では、1つ以上の脚部506は、1つ以上の位置決め機構516を含む。位置決め機構516を、気化器カートリッジ1320の他の(例えば、隣接する)コンポーネントとインタフェースすることにより、組み立て中および/または組み立て後に、加熱要素1350またはその一部を相対的に位置決めするのに使用することができる。一部の実現形態では、位置決め機構516を、基板材料を切断しかつ/または打ち抜き加工して、加熱要素1350を形成しまたは加熱要素1350の後処理をするために、基板材料を適切に位置決めするのに製造中または製造後に使用することができる。位置決め機構516を、加熱要素1350を圧着しまたは何等かの方法で曲げる前に剪断しかつ/または切断することができる。
【0201】
一部の実現形態では、加熱要素1350は、1つ以上の熱シールド518を含む。熱シールド518は、脚部506から横方向に延在する加熱要素1350の一部を形成する。折り畳まれかつ/または圧着されると、熱シールド518は、櫛歯502から同じ平面内で第1の方向および/または第1の方向と反対の第2の方向にオフセットして配置される。加熱要素1350が、気化器カートリッジ1320に組み立てられると、熱シールド518は、櫛歯502(および加熱部分504)と気化器カートリッジ1320の本体(例えば、プラスチック本体)との間に配置されるように構成されている。熱シールド518は、加熱部分504を気化器カートリッジ1320の本体から断熱するのに役立つことができる。熱シールド518は、気化器カートリッジ1320の本体に対する加熱部分504から発せられる熱の影響を最小限に抑え、気化器カートリッジ1320の本体の構造的完全性を保護し、気化器カートリッジ1320の溶融または他の変形を防止するのに役立つ。また、熱シールド518は、加熱部分504内に熱を保持することにより、加熱部分504における一貫した温度を維持するのに役立ち、それによって、気化が生じている間の熱損失を防止しまたは制限することができる。一部の実現形態では、気化器カートリッジ1320は、加熱要素1350とは別個の熱シールド518Aも含むことができまたは代替的に含むことができる。
【0202】
上述したように、加熱要素1350は、各脚部506の端部を形成する少なくとも2つのカートリッジ接点124を含む。例えば、
図14~
図17に示されたように、カートリッジ接点124は、折り線507に沿って折り畳まれる脚部506の部分を形成することができる。カートリッジ接点124を、脚部506に対して約90度の角度で折り畳むことができる。一部の実現形態では、カートリッジ接点124を、脚部506に対して、他の角度、例えば、約15度、25度、35度、45度、55度、65度、75度またはそれらの間の他の範囲の角度で折り畳むことができる。カートリッジ接点124を、実現形態に応じて、加熱部分504に向かってまたは加熱部分504から離れるように折り畳むことができる。また、カートリッジ接点124を、例えば、少なくとも1つの脚部506の長さに沿って、加熱要素1350の別の部分に形成することができる。カートリッジ接点124は、気化器カートリッジ1320内に組み立てられたときに、環境に露出するように構成されている。
【0203】
カートリッジ接点124は、導電性ピン、タブ、ポスト、受容孔またはピンもしくはポストのための表面または他の接点構成を形成することができる。一部のタイプのカートリッジ接点124は、気化器カートリッジ上のカートリッジ接点124と気化器本体110上の受け口接点125との間に、より良好な物理的および電気的接触を生じさせるために、ばねまたは他の付勢機構を含むことができる。一部の実現形態では、カートリッジ接点124は、カートリッジ接点124と他の接点または電源との間の接続を洗浄にするように構成されたワイピング接点を含む。例えば、ワイピング接点は、2つの平行であるがオフセットされた突起(boss)を含むであろう。これらの突起は、挿入方向に対して平行または垂直な方向に互いに摩擦係合し、摺動する。
【0204】
カートリッジ接点124は、気化器100のカートリッジ受け口の基部付近に配置された受け口接点125とインタフェースするように構成されている。その結果、気化器カートリッジ1320がカートリッジ受け口118に挿入され、それと連結されるときに、カートリッジ接点124と受け口接点125とが電気的に接続される。カートリッジ接点124は、(例えば、受け口接点125等を介して)気化器デバイスの電源112と電気的に連通することができる。これらの電気的接続により完成された回路により、加熱要素1350の少なくとも一部を加熱するために抵抗加熱要素に電流を送るのが可能となり、例えば、抵抗加熱要素の抵抗率の熱係数に基づいて抵抗加熱要素の温度を決定しかつ/または制御するのに使用するために抵抗加熱要素の抵抗を測定するため、抵抗加熱要素または気化器カートリッジの他の回路の1つ以上の電気的特性に基づいてカートリッジを識別するため等の追加の機能にさらに使用することができる。カートリッジ接点124を、以下でより詳細に説明されるように、例えば、導電性めっき、表面処理および/または堆積材料を使用して、改善された電気特性(例えば、接触抵抗)を提供するように処理することができる。
【0205】
一部の実現形態では、加熱要素1350を、加熱要素1350を所望の三次元形状に成形するために、一連の圧着および/または曲げ動作により処理することができる。例えば、加熱要素1350は、ウィッキング要素1362の周りを受容するように動作されまたはウィッキング要素1362の周囲に圧着されて、加熱要素1350の少なくとも2つの部分(例えば、ほぼ平行な部分)間(例えば、加熱部分504の対向する部分間)にウィッキング要素を固定することができる。加熱要素1350を圧着するために、加熱要素1350を、折り線520に沿って互いに向かって曲げることができる。加熱要素1350を折り線520に沿って折り曲げることにより、折り線520と、折り線520と櫛歯502の外縁503との間の領域により画定される側方櫛歯部分526との間の領域により画定されるプラットフォーム櫛歯部分524が形成される。プラットフォーム櫛歯部分524は、ウィッキング要素1362の一端と接触するように構成されている。側方櫛歯部分526は、ウィッキング要素1362の両側と接触するように構成されている。プラットフォーム櫛歯部分524および側方櫛歯部分526により、ウィッキング要素1362を受容しかつ/またはウィッキング要素1362の少なくとも一部の形状に一致するように成形されたポケットが形成される。このポケットにより、ウィッキング要素1362がポケット内で加熱要素1350により固定され、保持されることが可能となる。プラットフォーム櫛歯部分524および側方櫛歯部分526は、加熱要素1350とウィッキング要素1362との間の多次元接触を提供するために、ウィッキング要素1362と接触する。加熱要素1350とウィッキング要素1362との間の多次元接触により、気化されるべき気化器カートリッジ1320のリザーバ1340から加熱部分504への(ウィッキング要素1362を介した)気化可能材料のより効率的かつ/またはより速い移動が提供される。
【0206】
一部の実現形態では、加熱要素1350の脚部506の一部を、折り線522に沿って互いに離れるように曲げることもできる。加熱要素1350の脚部506の一部を折り線522に沿って互いに離れるように折り畳むことにより、第1の方向および/または第1の方向とは反対の第2の方向(例えば、同じ平面内)に加熱要素1350の加熱部分504(および櫛歯502)から離れた位置に脚部506が位置する。このため、加熱要素1350の脚部506の一部を折り線522に沿って互いに離れるように折り畳むことにより、加熱部分504を気化器カートリッジ1320の本体から離間させる。
図15に、ウィッキング要素1362の周りで折り線520および折り線522に沿って折り畳まれた加熱要素1350の概略図を示す。
図15に示されたように、ウィッキング要素は、加熱要素1350を折り線520および522に沿って折り畳むことにより形成されたポケット内に配置される。
【0207】
本主題の一部の実現形態では、加熱要素1350を、折り線523に沿って曲げることもできる。例えば、カートリッジ接点124を、折り線523に沿って互いに向かって(
図16に示された紙面に出入りするように)曲げることができる。カートリッジ接点124を含む加熱要素1350の接点部分を、カートリッジ接点124が外部環境に露出し、受け口接点125に係合可能なように、ウィックハウジング1315の少なくとも部分的に外側に配置することができる。一方、加熱要素1350の加熱部分を、少なくとも部分的にウィックハウジング1350内に配置することができる。
【0208】
使用時に、加熱要素1350が気化器カートリッジ1320内に組み立てられたときに、気化器カートリッジ1320のマウスピース130上でユーザがパフすると、空気は、気化器カートリッジ内に空気経路に沿って流入する。ユーザのパフに関連して、加熱要素1350は、例えば、圧力センサによるパフの自動検出により、ユーザによるボタンの押下の検出により、運動センサ、流量センサ、静電容量リップセンサおよび/または空気を気化器100に入れ、少なくとも空気経路に沿って移動させるために、ユーザがパフしているもしくはパフしようとしているもしくは何等かの方法で吸入していることを検出可能な別のアプローチから生成されるシグナルにより起動することができる。加熱要素1350が起動すると、カートリッジ接点124において、気化器デバイスから加熱要素1350に電力を供給することができる。
【0209】
加熱要素1350が起動すると、加熱要素1350を流れて熱を発生させる電流により、温度上昇が生じる。この熱は、気化可能材料の少なくとも一部が気化するように、伝導性、対流性および/または放射性の熱伝達により、ある量の気化可能材料に伝達される。熱伝達は、リザーバ内の気化可能材料および/または加熱要素1350により保持されたウィッキング要素1362内に引き込まれた気化可能材料に対して生じ得る。一部の実現形態では、気化可能材料を、上記に言及されたように、櫛歯502の1つ以上の縁部に沿って気化させることができる。気化器デバイスに入る空気は、加熱要素1350を横切る空気経路に沿って流れ、加熱要素1350から気化した気化可能材料を剥ぎ取る。気化した気化可能材料は、冷却、圧力変化等により凝縮することができ、その結果、気化可能材料は、ユーザによる吸入のためのエアロゾルとしてマウスピース130を出る。
【0210】
上述したように、加熱要素1350は、種々の材料、例えば、ニクロム、ステンレス鋼または他の抵抗加熱器材料製であってよい。2つ以上の材料の組み合わせを、加熱要素1350に含ませることができ、このような組み合わせは、加熱要素全体にわたる2つ以上の材料の均質な分布または2つ以上の材料の相対量が空間的に不均質である他の構成の両方を含むことができる。例えば、櫛歯502は、より抵抗性であり、それにより、櫛歯または加熱要素1350の他のセクションよりも高温になるように設計された部分を有することができる。一部の実現形態では、(例えば、加熱部分504内の)少なくとも櫛歯502は、高い伝導率および耐熱性を有する材料を含むことができる。
【0211】
加熱要素1350を、1つ以上の材料により全体的にまたは選択的にめっきすることができる。加熱要素1350は、熱的にかつ/または電気的に伝導性の材料、例えば、ステンレス鋼、ニクロムまたは他の熱的にかつ/または電気的に伝導性の合金製であるため、加熱要素1350は、カートリッジ接点124と加熱要素1350の加熱部分504における櫛歯502との間の経路において、電気的損失または熱損失を受ける場合がある。熱損失および/または電気的損失を低減するのに役立てるため、加熱要素1350の少なくとも一部を、加熱部分504につながる電気経路内の抵抗を低減するために、1つ以上の材料によりめっきすることができる。本主題と一致した一部の実現形態では、加熱部分504(例えば、櫛歯502)がめっきされていないままであり、脚部506および/またはカートリッジ接点124の少なくとも一部が、それらの部分の抵抗(例えば、バルク抵抗および接触抵抗の一方または両方)を低減するめっき材料によりめっきされているのが有益である。
【0212】
例えば、加熱要素1350は、異なる材料によりめっきされた種々の部分を含むことができる。別の例では、加熱要素1350を、層状材料によりめっきすることができる。加熱要素1350の少なくとも一部をめっきすることにより、加熱部分504に流れる電流を集中させて、加熱要素1350の他の部分における電気的損失および/または熱損失を低減するのに役立つ。一部の実現形態では、カートリッジ接点124と加熱要素1350の櫛歯502との間の電気経路における低抵抗を維持して、電気経路における電気的損失および/または熱損失を低減し、加熱部分504全体に集中する電圧降下を補償するのが望ましい。
【0213】
一部の実現形態では、カートリッジ接点124を、選択的にめっきすることができる。カートリッジ接点124を特定の材料により選択的にめっきすることにより、測定が行われ、電気的接触がカートリッジ接点124と受け口接点との間で行われる点での接触抵抗を最小化または排除することができる。カートリッジ接点124に低い抵抗を提供することにより、より正確な電圧、電流および/または抵抗の測定値および読み取り値を提供することができる。これは、加熱要素1350の加熱部分504の現在の実際の温度を正確に決定するのに有益であり得る。
【0214】
一部の実現形態では、カートリッジ接点124の少なくとも一部および/または脚部506の少なくとも一部を、1種以上の外側めっき材料550によりめっきすることができる。例えば、カートリッジ接点124の少なくとも一部および/または脚部506の少なくとも一部を、少なくとも金または低接触抵抗を提供する別の材料、例えば、白金、パラジウム、銀、銅等によりめっきすることができる。
【0215】
一部の実現形態では、低抵抗外側めっき材料を加熱要素1350に固定するために、加熱要素1350の表面を、付着めっき材料によりめっきすることができる。このような構成では、付着めっき材料を、加熱要素1350の表面上に堆積させることができ、外側めっき材料を、付着めっき材料上に堆積させることができる。それぞれを、第1および第2のめっき層と規定する。付着めっき材料は、外側めっき材料を付着めっき材料上に堆積させるときに、付着特性を有する材料を含む。例えば、付着めっき材料は、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、鉄、これらの合金等を含むことができる。
【0216】
一部の実現形態では、加熱要素1350の表面を、付着めっき材料により加熱要素1350の表面をめっきすることによるのではなく、非めっき下塗り剤を使用して、加熱要素1350上に堆積されるべき外側めっき材料のために下塗りすることができる。例えば、加熱要素1350の表面を、付着めっき材料を堆積させることによるのではなく、エッチングを使用して下塗りすることができる。
【0217】
一部の実現形態では、脚部506およびカートリッジ接点124の全部または一部を、付着めっき材料および/または外側めっき材料によりめっきすることができる。一部の例では、カートリッジ接点124は、カートリッジ接点124の残り部分および/または加熱要素1350の脚部506に対してより大きな厚さを有する外側めっき材料を有する少なくとも一部を含むことができる。一部の実現形態では、カートリッジ接点124および/または脚部506は、櫛歯502および/または加熱部分504に対してより大きな厚さを有することができる。
【0218】
一部の実現形態では、単一の基板材料の加熱要素1350を形成し、基板材料をめっきするのではなく、加熱要素1350を、(例えば、レーザ溶接、拡散処理等により)互いに連結された種々の材料で形成することができる。互いに連結された加熱要素1350の各部分の材料を、カートリッジ接点124において低抵抗を提供するかまたは全く抵抗を提供しないようにかつ加熱要素1350の他の部分に対して櫛歯502または加熱部分504において高抵抗を提供するように選択することができる。
【0219】
一部の実現形態では、加熱要素1350を、銀インクにより電気めっきすることができかつ/または1種以上のめっき材料、例えば、付着めっき材料および外側めっき材料により噴霧被覆することができる。
【0220】
上記に言及されたように、加熱要素1350は、加熱要素1350の加熱部分504をより効率的に加熱し、気化可能材料1302をより効率的に気化させるために、種々の形状、サイズおよび幾何学的形状を含むことができる。
【0221】
図19~
図24に、本主題の実現形態と一致した加熱要素1350の別の例を示す。示されたように、加熱要素1350は、加熱部分504内に位置する1つ以上の櫛歯502と、櫛歯502から延在する1つ以上の脚部506と、端部にかつ/または1つ以上の脚部506それぞれの一部として形成されたカートリッジ接点124とを含むことができる。
【0222】
櫛歯502を、ウィッキング要素1362(例えば、平坦なパッド)が存在するポケットを画定するように折り畳みかつ/または圧着することができる。櫛歯502は、プラットフォーム櫛歯部分524および側方櫛歯部分526を含む。プラットフォーム櫛歯部分524は、ウィッキング要素1362の一方の側と接触するように構成されている。側方櫛歯部分526は、ウィッキング要素1362の他の反対側と接触するように構成されている。プラットフォーム櫛歯部分524および側方櫛歯部分526により、ウィッキング要素1362を受容しかつ/またはウィッキング要素1362の少なくとも一部の形状に一致するように成形されたポケットを形成する。このポケットにより、ウィッキング要素1362がポケット内で加熱要素1350により固定され、保持されることが可能となる。
【0223】
この例では、櫛歯502は、種々の形状およびサイズを有し、同じまたは様々な距離で互いに間隔を置いて配置される。例えば、示されたように、側方櫛歯部分526はそれぞれ、少なくとも4つの櫛歯502を含む。隣接する櫛歯502の第1の対570では、隣接する櫛歯502はそれぞれ、プラットフォーム櫛歯部分524の近くに配置された内部領域576から外縁503の近くに配置された外部領域578まで、等しい距離で間隔を置いて配置される。隣接する櫛歯502の第2の対572では、隣接する櫛歯502が、内部領域576から外部領域578まで様々な距離だけ間隔を置いて配置される。例えば、第2の対572の隣接する櫛歯502は、外部領域578におけるより内部領域576において大きい幅だけ間隔を置いて配置される。これらの構成は、加熱部分504の櫛歯502の長さに沿って一定かつ均一な温度を維持するのに役立ち得る。櫛歯502の長さに沿って一定の温度を維持することにより、最高温度が加熱部分504全体にわたってより均一に維持可能であるため、より高品質のエアロゾルを提供することができる。
【0224】
上述したように、脚部506はそれぞれ、気化器100の対応する受け口接点125と接触するように構成されたカートリッジ接点124を含みかつ/または画定することができる。一部の実現形態では、脚部506(およびカートリッジ接点124)の各対は、単一の受け口接点125に接触することができる。一部の実現形態では、脚部506は、曲げられるように構成され、加熱部分504から概ね離れるように延在する保持部分180を含む。保持部分180は、ウィックハウジング1315内の対応する凹部内に配置されるように構成されている。保持部分180は、脚部506の端部を形成する。保持部分180は、加熱要素1350およびウィッキング要素1362をウィックハウジング1315(および気化器カートリッジ1320)に固定するのに役立つ。保持部分180は、保持部分180の端部から加熱要素1350の加熱部分504に向かって延在する先端部分180Aを有することができる。この構成により、保持部分が気化器カートリッジ1320の別の部分または気化器カートリッジ1320をクリーニングするためのクリーニング装置と接触してしまうであろう可能性が低減される。
【0225】
加熱部分504における櫛歯502の外縁503は、タブ580を含むことができる。タブ580は、1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上のタブ580を含むことができる。タブ580は、外縁503から外向きに延在し、加熱要素1350の中心から離れるように延在することができる。例えば、タブ580を、ウィッキング要素1362を受容するために、少なくとも側方櫛歯部分526により画定される内部容積を取り囲む加熱要素1350の縁部に沿って配置することができる。タブ580は、ウィッキング要素1362の内部容積から外向きに離れて延在することができる。また、タブ580は、プラットフォーム櫛歯部分524と反対の方向に離れるように延在してもよい。一部の実現形態では、ウィッキング要素1362の内部容積の両側に配置されたタブ580は、互いに離れるように延在することができる。この構成は、ウィッキング要素1362の内部容積につながる開口を広げるのに役立ち、それにより、加熱要素1350と組み立てられたときに、ウィッキング要素1362が捕捉され、裂け目を生じかつ/または損傷してしまうであろう可能性を低減するのに役立つ。ウィッキング要素1362の材料により、ウィッキング要素1362は、加熱要素1350と組み立てられたとき(例えば、その中に配置されまたは挿入されたとき)、容易に捕捉され、裂け目を生じかつ/または何等かの方法で損傷してしまうおそれがある。ウィッキング要素1362と櫛歯502の外縁503との間の接触によっても、加熱要素に損傷を生じるおそれがある。タブ580の形状および/または位置決めにより、ウィッキング要素1362を、櫛歯502により形成されたポケット(例えば、加熱要素1350の内部容積)内にまたはその中に、より容易に位置決めするのが可能となり、それにより、ウィッキング要素1362および/または加熱要素が損傷してしまうであろう可能性を防止しまたは低減することができる。このため、タブ580は、加熱要素1350と熱接触したウィッキング要素1362の進入時に、加熱要素1350および/またはウィッキング要素1362に生じる損傷を低減しまたは防止するのに役立つ。また、タブ580の形状は、加熱部分504の抵抗への影響を最小限に抑えるのにも役立つ。
【0226】
一部の実現形態では、カートリッジ接点124の少なくとも一部および/または脚部506の少なくとも一部を、加熱要素1350が受け口接点125と接触する点での接触抵抗を低減するために、1種以上の外側めっき材料550によりめっきすることができる。
【0227】
図25A~
図25B、
図26~
図28、
図29A~
図29Bおよび
図30A~
図30Bに、本主題の実現形態と一致した加熱要素1350の別の例を示す。示されたように、加熱要素1350は、加熱部分504内に配置された1つ以上の櫛歯502と、櫛歯502から延在する1つ以上の脚部506と、端部にかつ/または1つ以上の脚部506それぞれの一部として形成されたカートリッジ接点124とを含む。
【0228】
櫛歯502を、ウィッキング要素1362(例えば、平坦なパッド)が存在するポケットを画定するように、折り畳みかつ/または圧着することができる。櫛歯502は、プラットフォーム櫛歯部分524および側方櫛歯部分526を含む。プラットフォーム櫛歯部分524は、ウィッキング要素1362の一方の側と接触するように構成されている。側方櫛歯部分526は、ウィッキング要素1362の他の反対側と接触するように構成されている。プラットフォーム櫛歯部分524および側方櫛歯部分526により、ウィッキング要素1362を受容しかつ/またはウィッキング要素1362の少なくとも一部の形状に一致するように成形されたポケットを形成する。このポケットにより、ウィッキング要素1362がポケット内で加熱要素1350により固定され、保持されることが可能となる。
【0229】
この例では、櫛歯502は、同じ形状およびサイズを有し、等しい距離で互いに間隔を置いて配置される。ここでは、櫛歯502は、プラットフォーム櫛歯部分524により間隔を置いて配置された、第1の側方櫛歯部分526Aおよび第2の側方櫛歯部分526Bを含む。第1および第2の側方櫛歯部分526A、526Bはそれぞれ、プラットフォーム櫛歯部分524の近くに配置された内部領域576と、外縁503の近くに配置された外部領域578とを含む。外部領域578において、第1の側方櫛歯部分526Aは、第2の櫛歯部分526Aにほぼ平行に配置される。内部領域576において、第1の側方櫛歯部分526Aは、第2の櫛歯部分526Bからオフセットして配置され、第1および第2の側方櫛歯部分526A,526Bは平行ではない。この構成は、加熱部分504の櫛歯502の長さに沿って一定かつ均一な温度を維持するのに役立つことができる。櫛歯502の長さに沿って一定の温度を維持することにより、最高温度が加熱部分504全体にわたってより均一に維持可能であるため、より高品質のエアロゾルを提供することができる。
【0230】
上述したように、脚部506はそれぞれ、気化器100の対応する受け口接点125と接触するように構成されたカートリッジ接点124を含みかつ/または画定することができる。一部の実現形態では、脚部506(およびカートリッジ接点124)の各対は、単一の受け口接点125に接触することができる。一部の実現形態では、脚部506は、曲げられるように構成され、加熱部分504から概ね離れるように延在する保持部分180を含む。保持部分180は、ウィックハウジング1315内の対応する凹部内に配置されるように構成されている。保持部分180は、脚部506の端部を形成する。保持部分180は、加熱要素1350およびウィッキング要素1362をウィックハウジング1315(および気化器カートリッジ1320)に固定するのに役立つ。保持部分180は、保持部分180の端部から加熱要素1350の加熱部分504に向かって延在する先端部分180Aを有することができる。この構成により、保持部分が気化器カートリッジ1320の別の部分または気化器カートリッジ1320をクリーニングするためのクリーニング装置と接触してしまうであろう可能性が低減される。
【0231】
加熱部分504における櫛歯502の外縁503は、タブ580を含むことができる。タブ580は、外縁503から外向きに延在し、加熱要素1350の中心から離れるように延在することができる。タブ580は、ウィッキング要素1362が櫛歯502により形成されたポケット内により容易に配置されることが可能となるように成形されてもよく、それにより、ウィッキング要素1362が外縁503に捕捉される可能性を防止しまたは低減することができる。タブ580の形状は、加熱部分504の抵抗への影響を最小限に抑えるのに役立つ。
【0232】
本主題の一部の実現形態では、カートリッジ接点124の少なくとも一部および/または脚部506の少なくとも一部を、加熱要素1350が受け口接点125と接触する点での接触抵抗を低減するために、1種以上の外側めっき材料550によりめっきすることができる。
【0233】
図24および
図30A~
図30Bを参照すると、加熱要素1350の幾何学的形状は、折り畳まれていない状態で、文字「H」に似てもよく、加熱部分504は、脚部506の実質的に中央を横切って配置される。加熱要素1350の温度は、例えば、加熱要素1350の加熱部分504を横切る、加熱要素1350の抵抗に対応する場合がある。例えば、加熱要素1350の温度は、加熱要素1350の抵抗率の熱係数および抵抗に基づいて決定することができる。したがって、加熱要素1350の温度を、加熱要素1350にわたる、例えば、加熱要素1350の加熱部分504にわたる抵抗を少なくとも測定することにより(例えば、コントローラ104により)決定しかつ/または制御することができる。本主題の一部の実現形態では、加熱要素1350の幾何学的構成により、加熱要素1350の加熱部分504にわたる抵抗の測定が可能となると理解されたい。すなわち、加熱部分504にわたる抵抗を、(例えば、加熱要素1350の他の部分から)分離して測定することができ、それにより、抵抗測定の精度および対応する温度測定の精度を向上させることができる。
【0234】
さらに例証するために、
図53に、本主題の実現形態と一致した一例の加熱要素1350についての抵抗測定を示す。
図53を参照すると、加熱要素1350の加熱部分504にわたる抵抗を、少なくとも、例えば、加熱要素1350の脚部506の各先端部分180Aに位置する第1の点1aから第2の点2bに電流を印加することにより測定することができる。電流は、第1の点1aから第2の点2bに流れることができるが、第3の点2aと第4の点1bとの間には流れることができない。
【0235】
第1の点1aと第3の点2aとの間に生じた電圧降下は、第5の点Cと第6の点Dとの間の電圧降下に対応することができる。
図53に示されたように、第5の点Cおよび第6の点Dは、加熱要素1350の加熱部分504の各端部に位置する。したがって、第5の点Cおよび第6の点Dにわたる電圧降下は、加熱要素1350の加熱部分504にわたる電圧降下に対応することができる。さらに、第1の点1aおよび第3の点2aにわたる電圧降下を測定することは、第5の点Cおよび第6の点Dにわたる電圧降下を測定することに対応することができる。加熱要素1350の加熱部分504にわたる抵抗Rは、以下の式(1)に基づいて決定することができる。この式は、加熱部分504にわたる抵抗Rを、加熱要素1350の加熱部分504にわたる電圧Vおよび電流Iと関連付ける。
R=VI (1)
【0236】
本主題の一部の実現形態では、加熱要素1350の脚部506の先端部分180Aに位置する第1の点1aおよび第3の点2aは、気化器本体110のカートリッジ受け口118内の受け口接点125と電気的連結を形成するカートリッジ接点124と少なくとも部分的に一致することができる。したがって、加熱要素1350の幾何学的構成により、ウィックハウジング1315の外側に配置され、ウィックハウジング1315の少なくとも部分的に内側に配置された加熱部分504よりもアクセス可能な、脚部506の先端部分180A(例えば、第1の点1aおよび第3の点2a)にわたる電圧降下を測定することにより、加熱要素1350の加熱部分504にわたる抵抗の独立した測定が可能となる。
【0237】
図31~
図32に、加熱要素1350がウィックハウジング1315と組み立てられた状態のアトマイザアセンブリ141の例を示し、
図33に、本主題の実現形態と一致したアトマイザアセンブリ141の分解図を示す。ウィックハウジング1315は、プラスチックであるポリプロピレン等製であってよい。ウィックハウジング1315は、4つの凹部592を含み、その中に、加熱要素1350の脚部506それぞれの少なくとも一部を配置し、固定することができる。示されたように、ウィックハウジング1315は、内部容積594へのアクセスを提供する開口部593も含み、内部容積594の中に、加熱要素1350の少なくとも加熱部分504およびウィッキング要素1362が配置される。
【0238】
また、ウィックハウジング1315は、別個の熱シールド518Aを含むことができる。熱シールド518Aは、ウィックハウジング1315の壁と加熱要素1350との間のウィックハウジング1315内の内部容積594内に配置される。熱シールド518Aは、加熱要素1350の加熱部分504を少なくとも部分的に囲み、加熱要素1350をウィックハウジング1315の側壁から間隔を置いて配置するように成形される。熱シールド518Aは、気化器カートリッジ1320の本体および/またはウィックハウジング1315から加熱部分504を断熱するのに役立つことができる。熱シールド518Aは、加熱部分504から発せられる熱が気化器カートリッジ1320および/またはウィックハウジング1315に及ぼす影響を最小限に抑えて、気化器カートリッジ1320の本体および/またはウィックハウジング1315の構造的完全性を保護し、気化器カートリッジ1320および/またはウィックハウジング1315の溶融または他の変形を防止するのに役立つ。また、熱シールド518Aは、加熱部分504内に熱を保持することにより、加熱部分504における一貫した温度を維持し、それにより、熱損失を防止しまたは制限するのにも役立つことができる。
【0239】
熱シールド518Aは、開口部593の反対側のウィックハウジング1315の一部、例えば、ウィックハウジング1315の基部に形成された1つ以上のスロット(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたは7つ以上のスロット)596と整列する1つ以上のスロット590(例えば、3つのスロット)を一端に含む(
図32および
図43を参照のこと)。1つ以上のスロット590,596により、加熱部分504内の液状の気化可能材料の流れおよび気化可能材料の気化により生じる圧力を逃がすことが可能となり、気化可能材料の液体の流れに影響を及ぼすことはない。
【0240】
一部の実現形態では、あふれが、加熱要素1350(例えば、脚部506)とウィックハウジング1315の外壁との間(または加熱要素1350の部分間)で生じる場合がある。例えば、液状の気化可能材料は、液体経路599により示されたように、加熱要素1350の脚部506とウィックハウジング1315の外壁との間の毛管圧力により蓄積され得る。このような場合、リザーバおよび/または加熱部分504から液状の気化可能材料を引き出すのに十分な毛管圧力が存在することができる。液状の気化可能材料がウィックハウジング1315(または加熱部分504)の内部容積から逃げるのを制限しかつ/または防止するのに役立てるために、ウィックハウジング1315および/または加熱要素1350は、毛管圧力の急激な変化を引き起こす毛管機構を含むことができ、それにより、追加のシール(例えば、気密シール)を使用せずに、液状の気化可能材料がこの機構を通過するのを防止する液体バリアを形成することができる。毛管機構は、ウィックハウジング1315および/または加熱要素1350内の鋭い先端、屈曲部、曲面または他の表面により形成される毛管破断部を画定することができる。毛管機構により、導電性要素(例えば、加熱要素1350)が湿潤領域および乾燥領域の両方の中に配置されるのが可能となる。
【0241】
毛管機構を、加熱要素1350および/またはウィックハウジング1315上に配置することができかつ/またはその一部を形成することができ、毛管圧力の急激な変化を引き起こす。例えば、毛管機構は、加熱要素または気化器カートリッジの別のコンポーネントの長さに沿って、加熱要素とウィックハウジングとの間の毛管圧力の急激な変化を引き起こす、屈曲部、鋭い先端、曲面、傾斜面または他の表面機構を含むことができる。また、毛管機構は、毛管チャネルが毛管チャネル内に液体を引き込まないように、毛管チャネル、例えば、加熱要素の部分間、加熱要素とウィックハウジングとの間等に形成された毛管チャネルを広げ、毛管チャネル内の毛管圧力を低下させるのに十分な(例えば、毛管機構は、加熱要素をウィックハウジングから間隔を置いて配置する)加熱要素および/またはウィックハウジングの突出部または他の部分も含むことができる。このため、毛管機構により、毛管圧力の急激な変化および/または低下に少なくとも部分的に起因して、液体が毛管機構を越えて液体経路に沿って流れるのが防止されまたは制限される。毛管機構のサイズおよび/または形状(例えば、屈曲部、鋭い先端、曲面、傾斜面、突起等)は、加熱要素およびウィックハウジング等の材料間またはコンポーネント間に形成される毛管チャネルの他の壁に形成される濡れ角の関数であってよく、加熱要素および/もしくはウィックハウジングまたは他のコンポーネントの材料の関数であってよく、かつ/または他の特性の中でも、毛管チャネルを画定する2つのコンポーネント、例えば、加熱要素および/またはウィックハウジング間に形成されるギャップのサイズの関数であってよい。
【0242】
例として、
図34Aおよび
図34Bに、毛管圧力の急激な変化を引き起こす毛管機構598を有するウィックハウジング1315を示す。毛管機構598は、液体が毛管機構598を越えて液体経路599に沿って流れるのを防止しまたは制限し、液体が脚部506とウィックハウジング1315との間に溜まるのを防止するのに役立つ。ウィックハウジング1315上の毛管機構598は、加熱要素1350(例えば、金属製のコンポーネント等)をウィックハウジング1315(例えば、プラスチック製のコンポーネント等)から離れるように間隔を置いて配置させ、それにより、2つのコンポーネント間の毛管強度を低減する。また、
図34Aおよび
図34Bに示された毛管機構598は、液体が毛管機構598を越えて流れるのを制限しまたは防止する、ウィックハウジングの傾斜面の端部に鋭い縁部も含む。
【0243】
図34Bに示されたように、加熱要素1350の脚部506は、加熱要素1350および/またはウィックハウジング1315の内部容積に向かって内向きに角度が付けられていることもできる。傾斜した脚部506は、液体が加熱要素の外面を越えて加熱要素1350の脚部506に沿って流れるのを制限しまたは防止するのに役立つ毛管機構を形成することができる。
【0244】
別の例として、加熱要素1350は、1つ以上の脚部506により形成され、脚部506を加熱部分504から離れるように間隔を置いて配置させる毛管機構(例えば、ブリッジ585)を含むことができる。ブリッジ585を、折り線520,522に沿って加熱要素1350を折り畳むことにより形成することができる。一部の実現形態では、ブリッジ585は、例えば、毛管作用による加熱部分504からの気化可能材料のオーバフローを低減しまたは排除するのに役立つ。例えば、
図25A~
図30Bに示された例示的な加熱要素1350等の一部の例では、ブリッジ585は、加熱部分504からの流体流出を制限するのに役立つように、角度が付けられかつ/または屈曲部を含む。
【0245】
別の例として、加熱要素1350は、毛管圧力の急激な変化を引き起こす鋭い先端を画定する毛管機構598を含むことができ、それにより、液状の気化可能材料が毛管機構598を越えて流れるのを防止することができる。毛管機構598は、脚部506と加熱部分504との間の距離よりも長い距離だけ、加熱部分から離れるように外向きに延在するブリッジ585の端部を形成することができる。ブリッジ585の端部は、液状の気化可能材料が脚部506に入りかつ/または加熱部分504から出るのを防止するのにさらに役立つ鋭い縁部であってよく、それにより、漏れを低減し、加熱部分504内に残る気化可能材料の量を増加させることができる。
【0246】
図35~
図37に、
図19~
図24に示された加熱要素1350の変化形態を示す。加熱要素1350のこの変形では、加熱要素1350の脚部506は、屈曲領域511に屈曲部を含む。脚部506における屈曲部は、毛管機構598を形成することができ、これは、液状の気化可能材料が毛管機構598を越えて流れるのを防止するのに役立つ。例えば、屈曲部は、毛管圧力の急激な変化を引き起こすことができ、これは、液状の気化可能材料が屈曲部を越えて流れるのを制限しもしくは防止するのに役立ち、かつ/または脚部506とウィックハウジング1315との間に溜まるのを制限しもしくは防止するのに役立つこともでき、また、液状の気化可能材料が加熱部分504から流出するのを制限しもしくは防止するのに役立つことができる。
【0247】
図35に示されたように、脚部506を、例えば、第1のジョイント534a、第2のジョイント534bおよび第3のジョイント534cを含む1つ以上のジョイントを形成するように曲げることができる。
図35~
図37に示された加熱要素1350の例では、脚部506を、第1のジョイント534aが第2のジョイント534bと第3のジョイント534cとの間に配置され得るように、一方、第2のジョイントが(脚部506の)先端180aと第1のジョイント534aとの間に配置され得るように曲げることができる。さらに、めっき材料550およびカートリッジ接点124を、第2のジョイント534bに配置することができる。このように脚部506を曲げることにより、少なくとも脚部506にばね荷重をかけることができ、その結果、脚部506は、気化器本体110の受け口118内の受け口接点125と機械的連結(例えば、摩擦係合)を形成することができる。
【0248】
図38~
図39に、本主題の実現形態と一致した加熱要素1350の別の変化形態を示す。加熱要素1350のこの変化形態では、加熱要素1350の脚部506は、屈曲領域511に屈曲部を含む。脚部506における屈曲部は、毛管機構598を形成することができ、これは、液状の気化可能材料が毛管機構598を越えて流れるのを防止するのに役立つ。例えば、屈曲部は、毛管圧力の急激な変化を引き起こすことができ、これは、液状の気化可能材料が屈曲部を越えて流れるのを制限しもしくは防止するのにも役立ち、かつ/または脚部506とウィックハウジング1315との間に溜まるのを制限しもしくは防止するのにも役立ち、また、液状の気化可能材料が加熱部分504から流出するのを制限しもしくは防止するのに役立つことができる。
【0249】
図18A~
図18Eに、本主題の実現形態と一致した加熱要素1350の別の変化形態を示す。本主題の一部の実現形態では、加熱要素1350の脚部506の保持部分180の先端部分180Aは、(例えば、
図19~
図22に示されたように外向きに曲げられる代わりに)内向きに曲げられる。脚部506はそれぞれ、気化器100の対応する受け口接点125と接触するように構成されたカートリッジ接点124を含みかつ/または画定することができる。例えば、脚部506(およびカートリッジ接点124)の各対は、単一の受け口接点125と接触することができる。脚部506が受け口接点125との接触を維持するのを可能にするために、脚部506にばね荷重をかけることができる。脚部506は、受け口接点125との接触を維持するのに役立つように湾曲した脚部506の長さに沿って延在する部分を含むことができる。脚部506にばね荷重をかけることおよび/または脚部506の湾曲は、脚部506と受け口接点125との間の一貫した圧力を増大させかつ/または維持するのに役立つことができる。一部の実現形態では、脚部506は、脚部506と受け口接点125との間の一貫した圧力を増大させかつ/または維持するのに役立つ支持体176と連結される。支持体176は、脚部506と受け口接点125との間の接触を維持するのに役立てるために、プラスチック、ゴムまたは他の材料を含むことができる。一部の実現形態では、支持体176は、脚部506の一部として形成される。
【0250】
図51A~
図51Dに、本主題の実現形態と一致した加熱要素1350の別の変化形態を示す。本主題の一部の実現形態では、加熱要素1350の脚部506の保持部分180の先端部分180Aは、(例えば、
図19~
図22に示されたように外向きに曲げられる代わりに)内向きに曲げられる。脚部506の保持部分180は、ウィックハウジング1315の対応する凹部内に配置されるが、保持部分180の先端部分180Aは、ウィックハウジング1315と接触することができる。
図51Bに示されたように、このようにして脚部506を折り畳むことにより、例えば、第1のジョイント534a、第2のジョイント534bおよび第3のジョイント534cを含む1つ以上のジョイントを形成することができる。さらに、
図51Bに示されたように、第1のジョイント534aを、第2のジョイント534bと第3のジョイント534cとの間に配置することができ、一方、第2のジョイント534bを、先端180aと第1のジョイント534aとの間に配置することができる。
図51A~
図51Dに示された加熱要素1350の例では、カートリッジ接点124およびめっき材料550を、脚部506の第1のジョイント534aに配置することができる。このようにして加熱要素1350の脚部506を曲げることにより、脚部506が気化器本体110の受け口118内の受け口接点125との機械的連結(例えば、摩擦係合)を形成することができるように、脚部506にばね荷重をかけることができる。
【0251】
例えば、
図51Bに示されたように、加熱要素1350の脚部506の第1の折り目により、脚部506の保持部分180の先端部分180Aを内向きに曲げ、第2のジョイント534bを形成することができる。脚部506の保持部分180により、加熱要素1315をウィックハウジング1315に(例えば、ウィックハウジング1315内の対応する凹部に配置されることにより)固定することができるが、第1のジョイント534aを形成することができる加熱要素1350の脚部506の第2の折り目により、気化器カートリッジ1320を気化器本体110にさらに固定するためにばね張力を提供することができる。すなわち、カートリッジ接点124が、受け口接点125と電気的に連結されている間、脚部506の第2の折り目により形成された第1のジョイント534aは、気化器カートリッジ1320を気化器本体110に固定するのに十分な圧力をカートリッジ受け口118に加えることができる。加熱要素1350のこの構成は、加熱要素1350が3回目に折り畳まれる加熱要素1350内の第3のジョイント534cにおいて、最小の応力に関連し得ることを理解されたい。これは、少なくともカートリッジ受け口118に対する脚部506の力が、脚部506の長さに沿ってより均等に分配されるためである。
【0252】
図42A~
図42Bおよび
図43に、加熱要素1350がウィックハウジング1315および熱シールド518Aと組み立てられた状態のアトマイザアセンブリ141の別の例を示し、
図44に、本主題の実現形態と一致したアトマイザアセンブリ141の分解図を示す。ウィックハウジング1315は、プラスチックであるポリプロピレン等製であってよい。ウィックハウジング1315は、4つの凹部592を含み、その中に、加熱要素1350の脚部506それぞれの少なくとも一部を配置し、固定することができる。凹部592内に、ウィックハウジング1315は、例えば、加熱要素1350の脚部506の少なくとも一部とウィックハウジング保持機構172との間のスナップ嵌め構成等を介して、加熱要素1350をウィックハウジング1315に固定するように構成された1つ以上のウィックハウジング保持機構172を含むことができる。ウィックハウジング保持機構172は、加熱要素1350をウィックハウジング1315の表面から間隔を置いて配置するのに役立ち、熱がウィックハウジングに作用し、ウィックハウジング1315の一部を溶融するのを防止するのに役立つことができる。
【0253】
示されたように、ウィックハウジング1315は、内部容積594へのアクセスを提供する開口部593も含み、この開口部内には、加熱要素1350の少なくとも加熱部分504およびウィッキング要素1362が配置される。
【0254】
ウィックハウジング1315は、加熱要素1350をウィックハウジング1315の表面から間隔を置いて配置して、ウィックハウジング1315の表面と接触する熱量を低減するのに役立つ1つ以上の他の切り欠きを含むこともできる。例えば、ウィックハウジング1315は、切り欠き170を含むことができる。切り欠き170を、開口部593に近接するウィックハウジング1315の外面に沿って形成することができる。また、切り欠き170は、毛管機構、例えば、毛管機構598も含むことができる。切り欠き170の毛管機構は、隣接する(または交差する)壁(例えば、ウィックハウジングの壁)間の接点を破壊する表面(例えば、曲面)を画定することができる。曲面は、ウィックハウジングの隣接する外壁間に形成される毛管現象を低減しまたは排除するのに十分な半径を有することができる。
【0255】
図42Aを参照すると、ウィックハウジング1315は、タブ168を含むことができる。タブ168は、気化器カートリッジの組み立て中に、ウィックハウジングを気化器カートリッジの1つ以上の他のコンポーネントに対して、適切に配置しかつ/または方向付けるのに役立つことができる。例えば、タブ168を形成する追加の材料により、ウィックハウジング1315の質量中心が移動する。質量中心の移動により、ウィックハウジング1315は、組み立て中に、気化器カートリッジの別のコンポーネントの対応する機構と整列するように、一定の向きに回転しまたは摺動することができる。
【0256】
図46に、本主題の実現形態と一致した気化器本体110の例の分解図を示す。本主題の一部の実現形態では、気化器本体110は、例えば、コレクタ1313を有するカートリッジ1320、フィン付き凝縮物コレクタ352等を含む、上記された種々の機構を有するカートリッジを受容しかつ/またはこれと連結するように構成されていてよい。
【0257】
図46に示されたように、気化器本体110は、化粧シース1219、バッテリ1212、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)1203、アンテナ1217、骨格1211、充電バッジ1213、カートリッジ受け口118、エンドキャップ1201およびLEDバッジ1215を含むシェル1220を含むことができる。一部の態様では、気化器本体110の組み立ては、バッテリ1212を骨格1211の下端(
図46の左側)の骨格1211内に配置することを含む。アンテナ1217を、バッテリ1212の下端に連結することができる。カートリッジ受け口118と、PCBA1203と、バッテリ1212とを、例えば、1つ以上の連結手段により機械的に連結することができる。例えば、PCBA1203の下端を、バッテリ1212の上端に連結することができ、PCBA1203の上端を、圧入、はんだ接合および/または任意の他の連結手段を使用して、カートリッジ受け口118に連結することができる。化粧シース1219は、カートリッジ受け口118が化粧シース1219内に配置されるときに、カートリッジ受け口118を少なくとも部分的に取り囲むように構成されていてよい。
【0258】
図46に示されたように、化粧シース1219は、化粧シース1219の第1の側面に充電バッジ1213を受容するような大きさおよび形状の開口部を含むことができる。化粧シース1219の第2の側面は、LEDバッジ1215を含むことができ、このLEDバッジを、化粧シース1219内に組み込むかまたはLEDバッジ1215を受容する大きさおよび形状の別の開口内に配置することができる。一部の態様では、化粧シース1219は、ステンレス鋼材料を含むことができ、約0.2mmの厚さを有することができる。LEDバッジ1215を、黒色プリント回路で成形することができる。一部の態様では、充電バッジ1213は、液晶ポリマー(LCP)、ポリカーボネートおよび/またはリン青銅の接点を含むことができる。充電バッジ1213は、マイラーフィルムを使用することにより、充電パッド間の距離を最小化することができる。充電バッジのめっきは、パラジウム-ニッケル、黒色ニッケル、物理蒸着(PVD)、または別の黒色めっき選択肢を含むことができる。一部の実現形態では、組み立てられたバッテリ1212、PCBA1203、カートリッジ受け口118および化粧シース1219は、骨格1211内に嵌合するように構成されていてよく、骨格1211は、シェル1220内に嵌合するように構成されていてよい。一部の態様では、化粧シース1219は、0.2mmの厚さを有するステンレス鋼材料を含むことができる。シェル1220は、接地パッド、エンドキャップデータ、LEDインタフェース、(カートリッジ1320を気化器本体110と連結する場合、ウィックハウジング1315の底部のスロット596と流体連通している)1つ以上の空気入口、および骨格1211がシェル1220に挿入される際に適所にスナップする骨格スナップ機構を含むことができる。エンドキャップ1201は、化粧シース1219とは反対側のシェル1220の下端に配置することができる。エンドキャップ1201は、気化器本体210の内部コンポーネントをシェル1220内に保持するように構成されていてよく、シェル1220の下端にベントとしても機能することができる。
【0259】
電源112が気化器本体110の一部であり、気化器本体110と連結するように構成された気化器カートリッジ1320内に加熱要素が配置された気化器では、気化器100は、コントローラ104(例えば、プリント回路基板、マイクロコントローラ等)、電源および加熱要素を含む回路を完成させるための電気的接続機構(例えば、回路を完成するための手段)を含むことができる。これらの機構は、気化器カートリッジ1320がカートリッジ受け口118内に挿入され、カートリッジ受け口118と連結されたときに、カートリッジ接点124および受け口接点125が電気的接続を行うように、気化器カートリッジ1320の底面上の少なくとも2つの接点124(本明細書において、カートリッジ接点124と呼ばれる)と、気化器100のカートリッジ受け口の基部付近に配置された少なくとも2つの接点125(本明細書において、受け口接点125と呼ばれる)とを含むことができる。これらの電気的接続により完成した回路により、抵抗加熱要素への電流の伝達が可能となり、さらに、例えば、抵抗加熱要素の抵抗率の熱係数に基づいて抵抗加熱要素の温度を決定しかつ/または制御する際に使用するための抵抗加熱要素の抵抗を測定するため、抵抗加熱要素の1つ以上の電気特性に基づいてカートリッジまたは気化器カートリッジの他の回路を識別するため等の追加の機能に使用することができる。
【0260】
本主題の一部の例では、少なくとも2つのカートリッジ接点および少なくとも2つの受け口接点が、少なくとも2つの向きのいずれかで電気的に接続するように構成されていてよい。例えば、少なくとも2つのカートリッジ接点124の第1のセットのカートリッジ接点が、少なくとも2つの受け口接点125の第1のセットの受け口接点に電気的に接続され、少なくとも2つのカートリッジ接点124の第2のセットのカートリッジ接点が、少なくとも2つの受け口接点125の第2のセットの受け口接点に電気的に接続されるように、気化器の動作に必要な1つ以上の回路を、(カートリッジを有する気化器カートリッジの端部が気化器本体110のカートリッジ受け口118内に挿入される軸の周りに)第1の回転方向で、カートリッジ受け口118内に気化器カートリッジ1320を挿入することにより完成させることができる。さらに、気化器の動作に必要な1つ以上の回路を、少なくとも2つのカートリッジ接点124の第1のセットのカートリッジ接点が、少なくとも2つの受け口接点125の第2のセットの受け口接点に電気的に接続され、少なくとも2つのカートリッジ接点124の第2のセットのカートリッジ接点が、少なくとも2つの受け口接点125の第1のセットの受け口接点に電気的に接続されるように、第2の回転方向でカートリッジ受け口118に気化器カートリッジ1320を挿入することにより完成させることができる。気化器本体110のカートリッジ受け口118内に可逆的に挿入可能な気化器カートリッジ1320のこの機構は、以下でさらに説明される。
【0261】
気化器カートリッジ1320を気化器本体110に連結するための取付け構造の一例では、気化器本体110は、カートリッジ受け口118の内面から内向きに突出する1つ以上の戻り止め(例えば、ディンプル、突出部、ばねコネクタ等)を含む。気化器カートリッジ1320の1つ以上の外面は、気化器カートリッジ1320の端部が気化器本体110上のカートリッジ受け口118内に挿入されたときに、このような戻り止めに嵌合しかつ/または何等かの方法でスナップ嵌合することができる対応する凹部(
図1には図示せず)を含むことができる。気化器カートリッジ1320と気化器本体110とが(例えば、気化器カートリッジ1320の端部を気化器本体110のカートリッジ受け口118内に挿入することにより)連結されると、気化器本体110内の戻り止めを、組み立てられたときに、気化器カートリッジ1320を適所に保持するために、気化器カートリッジ1320の凹部内に嵌合しかつ/または何等かの方法でその凹部内に保持することができる。このような戻り止め-凹部アセンブリにより、少なくとも2つのカートリッジ接点124と少なくとも2つの受け口接点125との間の良好な接触を確実にするために、気化器カートリッジ1320を適所に保持するのに十分な支持を提供することができ、一方、ユーザが気化器カートリッジ1320をカートリッジ受け口118から係合解除するために気化器カートリッジ1320を適度な力で引っ張ったときに、気化器カートリッジ1320を気化器本体110から脱着するのが可能となる。例えば、本主題の一実現形態では、少なくとも2つの戻り止めを、化粧シース1219の外側に配置することができる。化粧シース1219の外側の戻り止めは、例えば、化粧シース1219(およびカートリッジ受け口118)の少なくとも一部を覆うように化粧シース1219(およびカートリッジ受け口118)の開放上部の下に延在する、気化器カートリッジ1320のハウジングの一部の内面において、気化器カートリッジ1320内の1つ以上の対応する凹部と係合するように構成されていてよい。
【0262】
気化器カートリッジと気化器本体との間の電気的接続が可逆的であり、その結果、カートリッジ受け口内の気化器カートリッジの少なくとも2つの回転方向が可能であることについての上記検討に加えて、一部の気化器では、気化器カートリッジの形状または少なくともカートリッジ受け口内に挿入されるように構成された気化器カートリッジの端部の形状は、少なくとも2次の回転対称性を有することができる。すなわち、気化器カートリッジまたは気化器カートリッジの少なくとも挿入可能な端部は、気化器カートリッジがカートリッジ受け口内に挿入される軸の周りで180°の回転時に対称であってよい。このような構成では、気化器の回路により、気化器カートリッジのどちらの対称的な向きが生じても、同一の動作を支持することができる。一部の態様では、第1の回転位置は、第2の回転位置から180°より大きくてもまたは小さくてもよい。
【0263】
一部の例では、気化器カートリッジ、またはカートリッジ受け口に挿入するように構成された気化器カートリッジの少なくとも一端は、気化器カートリッジがカートリッジ受け口内に挿入される軸を横切る非円形断面を有することができる。例えば、非円形断面は、ほぼ長方形、ほぼ長円形(例えば、ほぼ楕円の形状を有する)、非長方形であるが、2組の平行またはほぼ平行な対向する辺を有する(例えば、平行四辺形のような形状を有する)かまたは少なくとも2次の回転対称性を有する他の形状であってよい。この文脈において、ある形状をほぼ有するとは、記載された形状に対する基本的な類似性が明らかであることを示すが、当該形状の辺は、完全に線形である必要はなく、頂点は、完全に鋭い必要はないことを示す。断面形状の縁部または頂点の両方またはいずれかの丸み付けは、本明細書で言及された任意の非円形断面の説明において企図される。
【0264】
図47A~
図47Cに、本主題の実現形態と一致した受け口接点125の種々の例を示す。
図47Aに、ポッドIDオーバーモールド308から延在する例示的なポッドID接点307Aを示す。ポッドID接点307Aは、識別チップ174の接点293に連結するように構成されていてよい。
図47Bに、ポッドIDオーバーモールド308から延在する別の例示的なポッドID接点307Bを示す。
図47Cに、ポッドIDオーバーモールド308から延在する別の例示的なポッドID接点307Cを示す。
【0265】
図47A~
図47Cに示されたように、カートリッジ1320を、紙面の上部からカートリッジ受け口318内に挿入することができる。一部の態様では、カートリッジ1320が、カートリッジ受け口318内に挿入されているときに、ポッドID接点307A~307Cを、カートリッジ1320の挿入に応じて、内向きにまたは紙面の左に圧縮することができる。さらに、ポッドID接点307A~307Cは、カートリッジ1320がカートリッジ受け口318内に完全に挿入された後に、1つ以上のカートリッジ接点124(例えば、接点293)に連結するように構成されていてよい。
【0266】
図47Aに示されたように、ポッドID接点307Aは、位置407においてポッドID接点307Aの材料に180°の屈曲部を含む。
図47CのポッドID接点307Cは、
図47BのポッドID接点307Bと同様であり、適合されている。
図47Cに示されたように、ポッドID接点307Cは、ポッドID接点307Cの一部を少なくとも部分的に取り囲む保護部材(例えば、フットまたはブーツ)408を含む。
【0267】
図47Dに、気化器本体110の組み立てられたカートリッジ受け口118を示す。
図47Dに示されたように、カートリッジ受け口118は、カートリッジ受け口418の第1の側面404上に、例えば、ポッドID接点307A,307Bおよび307Cを含む1つ以上のポッドID接点を含む。
図47Dに、カートリッジ受け口118の第2の側面402上の2つのヒータ/カートリッジ受け口接点125Aおよび125Bをさらに示す。
【0268】
図47Eに、本主題の実現形態と一致した一例のカートリッジ受け口118を含む気化器本体110の上斜視図を示す。
図47Eに示されたように、カートリッジ受け口118を、化粧シース1219内に少なくとも部分的に配置することができる。例えば、
図47Eに示された例では、カートリッジ受け口118の上部リムおよび化粧シース1219が、実質的に面一であってよい。カートリッジ受け口118の内部は、1つ以上のポッドID接点(例えば、ポッドID接点307A,307Bおよび307C)と、1つ以上の受け口接点(例えば、受け口接点125Aおよび125B)とを含むことができる。さらに、気化器本体110は、カートリッジ受け口118の内部および/または化粧シース1219の外部に配置することができる1つ以上のポッド保持機構415も含むことができる。ポッド保持機構415の例は、ピン、クリップ、突出部、戻り止め等を含むことができる。ポッド保持機構415は、カートリッジ1320に対して、磁力、接着力、圧縮力、摩擦力等を加えることによることを含めて、カートリッジ1320をカートリッジ受け口118内に固定するように構成されていてよい。
【0269】
ポッド保持機構415が、カートリッジ受け口118内に配置される実現形態では、ポッド保持機構415は、例えば、加熱要素1350の少なくとも一部(例えば、ウィックハウジング1315の外側に配置された1つ以上の脚部506の一部)および/またはウィックハウジング1315の一部(例えば、ウィックハウジング1315内の凹部)との機械的連結を形成するように構成されていてよい。代替的にかつ/または付加的に、ポッド保持機構415が化粧シース1219の外部に配置される例示的な実現形態では、ポッド保持機構415は、気化器カートリッジ1320のハウジングと機械的連結を形成するように構成されていてよい。ポッド保持機構415は、カートリッジ1320をカートリッジ受け口118内に固定する種々の手段を含むことができると理解されたい。さらに、ポッド保持機構415を、気化器本体110内の任意の適切な位置に配置することができる。
【0270】
図48A~
図48Bに、本主題の実現形態と一致したカートリッジ受け口118内に配置されたカートリッジ1320の側切断図を示す。
図48Aに示されたように、ポッドID接点307を、カートリッジ受け口118の第1の側面に配置することができ、カートリッジ1320上の識別チップ174に連結することができる。さらに、ポッドID接点309は、カートリッジ受け口118の第2の側面(カートリッジ受け口118の第1の側面とは反対側)に位置することができ、カートリッジ1320に連結することができる。
図48Aに、識別チップ250の接点293に連結されたポッドID接点309をさらに示す。カートリッジ受け口118は、例えば、ウィックハウジング1315の少なくとも一部を含むカートリッジ1320の少なくとも一部を受容するようなサイズにすることができると理解されたい。例えば、カートリッジ受け口118は、深さ約4.5ミリメートルであってよく、その結果、少なくとも部分的にその上側周囲の周りに配置されたフランジを含む約5.2ミリメートルの高さを有するウィックハウジング1315を、カートリッジ受け口118内に部分的に(例えば、フランジまで)配置することができる。フランジは、気化器カートリッジ1320が気化器本体110に連結されたときに、カートリッジ受け口118外に留まることができ、カートリッジ受け口118のリムおよび化粧シース1219の上に少なくとも部分的に延在することができる。
【0271】
上述したように、1つ以上の空気入口を、例えば、カートリッジ受け口118に挿入することにより、カートリッジ1320が気化器本体110と連結されている間に形成しかつ/または維持することができる。1つ以上の空気入口は、ウィックハウジング1315内の1つ以上のスロット596と流体連通していることができる。その結果、1つ以上の空気入口を通って入る空気は、1つ以上のスロット596を通ってウィックハウジング1315にさらに入り、ウィッキング要素1362を通過しかつ/またはその周りを流れることができる。上述したように、ウィッキング要素1362内に引き込まれた気化可能材料1302の適切かつタイムリーな気化を可能にするために、ウィックハウジング1315を通る適切な空気流が必要な場合がある。2つ以上の空気入口が存在する例では、この複数の空気入口を、カートリッジ1320および気化器本体110を含むアセンブリの周囲に配置することができる。例えば、2つ以上の空気入口を、気化器カートリッジ1320および気化器本体110を含むアセンブリの実質的に反対側に配置することができる。気化器カートリッジ1320および気化器本体110を含むアセンブリの同じ側に配置された2つ以上の空気入口を有すること、またはこのようなアセンブリの異なる側ではあるが実質的に反対側ではない(例えば、隣接した)側に空気入口を有することも、本主題の範囲内である。
【0272】
本主題の一部の実現形態では、空気入口は、気化可能材料1302の気化および吸入可能なエアロゾルの生成を可能にするのに十分な空気を入れるように構成されていてよい。さらに、上述したように、1つ以上の空気入口は、例えば、ユーザの指、手または他の身体部分による閉塞に抵抗するように構成されていてよい。例えば、1つ以上の空気入口を、気化器カートリッジ1320と気化器本体110との間の界面に配置することができる。
図48A~
図48Dに示されたように、気化器カートリッジ1320が気化器本体110と連結されるときに、気化器カートリッジ1320と気化器本体110との間に、凹部領域1395(例えば、キャビティ、ギャップ、継ぎ目等)を形成することができる。1つ以上の空気入口を、カートリッジ1320(例えば、ハウジング160)および気化器本体110の部分が1つ以上の空気入口を含む領域を超えて延在することができるように、凹部領域1395内に配置することができる。さらに、凹部領域1395は、気化器カートリッジ1320および気化器本体110の周囲に少なくとも部分的に延在して、1つ以上の空気入口のためのクリアランスを提供することができる。これは、ユーザの指(または他の身体部分)が、凹部領域1395の一部のみを覆うことができるためである。このため、
図48Eに示されたように、ユーザの指(または他の身体部分)が、凹部領域1395の一部を覆っている場合であっても、空気は依然として、凹部領域の覆われていない部分を通って1つ以上の空気入口に入ることができる。
【0273】
空気入口は、気化器カートリッジ1320内の空気流に対して、少なくとも幾らかの狭窄を呈することができると理解されたい。例えば、
図48Fに示された圧力マップでは、最大の局所的な圧力降下が、空気入口で観察され、この場合、上述したように、周囲空気が、カートリッジ1320に入り、気化可能材料1320の気化および吸入可能なエアロゾルの生成を可能にするのに十分な空気を提供することができる。また、周囲空気が空気入口の狭窄された空間に入るのにつれて、空気入口を通して最高速度の空気流を観察することもできる。空気流の速度低下は、吸気口を通る吸気に続いて観察される。
【0274】
図49Aに、LEDバッジ1215を正面に向けた、組み立てられた気化器本体シェル1220の斜視図を示す。
図49Aに示されたように、シェル1220は、1つ以上のポッド保持機構を有する第2の側面402を有するカートリッジ受け口118と、カートリッジ受け口接点125Aおよび125Bと、ポッドID接点307とを含むことができる。
図49Aに、シェル1220の右側に少なくとも1つの空気入口1605を含むようなシェル1220をさらに示す。ただし、シェル1220は、示されたのとは異なる位置に配置された更なる空気入口を含むことができると理解されたい。例えば、本主題の一部の実現形態では、空気入口1605を、電源112(例えば、バッテリ1212)の少なくとも一部を収容するように構成された化粧シース1219の下のシェル1220の第2の部分よりも小さい断面寸法を有するシェル1220の第1の部分(化粧シース1219を含む)により形成されたシェル1220の隆起部1387の上方に配置することができる。空気入口1605は、周囲空気がカートリッジ1320に入り、アトマイザ141内で生成される蒸気と混合するのを可能にするように構成されていてよい。例えば、空気入口1605は、カートリッジ1320がシェル1220と連結される場合、空気入口1605を介して、周囲空気が空気流通路1338に入ることができるように、カートリッジ1320の本体を通って延在する空気流通路1338と流体連通していることができる。周囲空気とアトマイザ141内で生成された蒸気との混合物は、マウスピース130を通して(例えば、ユーザの口内に)吸入するために、空気通路1338を通して引き込まれてもよい。
【0275】
代替的にかつ/または付加的に、空気入口1605は、コレクタ1313のオーバフロー容積1344内のオーバフローチャネル1104の一端に配置されたエアベント1318と流体連通していることができる。上述したように、空気は、エアベント1318を介してコレクタ1313に出入りすることができる。例えば、コレクタ1313内に捕捉された気泡を、エアベント1318を介して放出することができる。さらに、空気は、リザーバ1340内の圧力を上昇させるために、エアベント1318を介してコレクタ1313に入ることもできる。したがって、空気入口1605の寸法、空気入口1605の形状、および/またはシェル1220上での空気入口1605の位置は、空気入口1605に入る周囲空気の少なくとも一部がエアベント1318を介してコレクタ1313に入ることができ、コレクタ1313から放出された空気の少なくとも一部がエアベント1318から空気入口1605を介して出ることができるような寸法、形状、位置とすることができると理解されたい。空気入口1605は、実質的に円形であってよく、0.6ミリメートル~1.0ミリメートルの直径を有することができる。例えば、本主題の一部の実現形態では、空気入口1605は、実質的に円形であり、約0.8ミリメートルの直径を有することができる。本主題の一部の実現形態では、エアベント1318は、空気通路1338と流体連通していることもできる。したがって、空気入口1605に入る周囲空気を、(例えば、エアベント1318を介して)コレクタ1313および(例えば、吸入可能なエアロゾルを生成するために)空気通路1338に供給することができる。
【0276】
図49Bに、本主題の実現形態と一致した気化器本体シェル1220の断面図を示す。
図49Bに示されたように、シェル1220は、圧力センサ経路1602と、化粧シース1219と、ポッド識別キャビティも含むことができる空気入口1605と、ポッドIDばね307もしくは309および/またはヒータ接点125Aおよび125B(または302)への接続を含むことができるポッドIDハウジング1607とを含むことができる。
【0277】
用語
ある特徴または要素が、本明細書において、別の特徴または要素の「上」にあると言及される場合、その特徴または要素は、他の特徴もしくは要素のすぐ上にあるものとすることができ、または介在する特徴および/もしくは要素が存在することもできる。対照的に、ある特徴または要素が、別の特徴または要素の「すぐ上」にあると言及される場合、介在する特徴または要素は存在しない。また、ある特徴または要素が、別の特徴または要素に「接続されている」、「取り付けられている」または「連結されている」と言及される場合、その特徴または要素は、他の特徴もしくは要素に直接接続され、取り付けられまたは連結されてよく、または介在する特徴または要素が存在することができると理解されたい。対照的に、ある特徴または要素が、別の特徴または要素に「直接接続されている」、「直接取り付けられている」または「直接連結されている」と言及される場合、介在する特徴または要素は存在しない。
【0278】
1つの実施例に関して記載されまたは示されているが、そのように記載されまたは示された特徴および要素は、他の実施形態に適用することができる。また、別の特徴に「隣接して」配置された構造または特徴に対する言及は、隣接する特徴と重なり合うまたはその下にある部分を有する場合があることを、当業者に理解されるであろう。
【0279】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態および実現形態を説明する目的のためにのみ使用されており、限定することを意図していない。例えば、本明細書で使用する場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈から明確に別段の指示がない限り、複数形も同様に含むことを意図している。「備える」および/または「備えること」という用語は、本明細書で使用する場合、記載された特徴、ステップ、動作、要素および/またはコンポーネントの存在を明示するが、1つ以上の他の特徴、ステップ、動作、要素、コンポーネントおよび/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことがさらに理解されるであろう。本明細書で使用する場合、「および/または」という用語は、1つ以上の関連する列記された項目の任意および全ての組み合わせを含み、「/」と省略することができる。
【0280】
上記説明および特許請求の範囲において、「のうちの少なくとも1つ」または「のうちの1つ以上」等の語句は、要素または特徴の連言的なリストが続けて現れる場合がある。「および/または」という用語は、2つ以上の要素または特徴のリスト中に現れる場合もある。使用された文脈により何等かの方法で暗黙的にまたは明示的に否定されない限り、このような語句は、列記された要素または特徴のいずれかを個別に意味しまたは列挙された要素もしくは特徴のいずれかと他の列挙された要素もしくは特徴のいずれかとの組み合わせを意味することを意図している。例えば、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」、「AおよびBのうちの1つ以上」および「Aおよび/またはB」との語句はそれぞれ、「Aのみ、BのみまたはAおよびB共に」を意味することを意図している。3つ以上の項目を含むリストについても同様の解釈が意図される。例えば、「A、BおよびCのうちの少なくとも1つ」、「A、BおよびCのうちの1つ以上」および「A、Bおよび/またはC」との語句はそれぞれ、「Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびB共に、AおよびC共に、BおよびC共にまたはAおよびBおよびC共に」を意味することを意図している。上記および特許請求の範囲における「に基づく」という用語の使用は、列挙されていない特徴または要素も許容されるように、「に少なくとも部分的に基づく」を意味することを意図している。
【0281】
例えば、「前方」、「後方」、「下方に」、「下側に」、「下部に」、「上方に」、「上部に」等の空間的に相対的な用語は、図面に示されているような1つの要素または特徴と、別の要素または特徴との関係を説明するための記述を容易にするために、本明細書において使用されてよい。空間的に相対的な用語は、図面に示された向きに加えて、使用時または動作時におけるデバイスの種々の向きを包含することを意図していると理解されるであろう。例えば、図中のデバイスが反転された場合には、他の要素または特徴の「下方に」または「真下に」と記載された要素は、他の要素または特徴の「上方に」向けられることになる。このため、「下方に」という例示的な用語は、上方と下方の両方の向きを包含し得る。デバイスは、何等かの方法で配向され(90度または他の向きで回転され)てもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述はそれに応じて解釈され得る。同様に、「上方に向かって」、「下方に向かって」、「垂直に」、「水平に」という用語等は、具体的に別段の指示がない限り、本明細書において、説明の目的でのみ使用される。
【0282】
本明細書において、種々の特徴/要素(ステップを含む)を説明するために、「第1の」および「第2の」という用語が使用される場合があるが、これらの特徴/要素は、文脈が別段の指示をしない限り、これらの用語により限定されるものではない。これらの用語は、1つの特徴/要素を別の特徴/要素と区別するのに使用することができる。このため、本明細書で提供された教示から逸脱することなく、以下で検討される第1の特徴/要素を、第2の特徴/要素と称することができ、同様に、以下で検討される第2の特徴/要素を、第1の特徴/要素と称することができる。
【0283】
例示において使用される場合を含め、特に別段の指定がない限り、本明細書および特許請求の範囲において使用する場合、全ての数は、「約」または「ほぼ」という単語が、これらの用語が明確に現れていない場合であっても、前置きされているように読むことができる。大きさおよび/または位置を説明する場合、「約」または「ほぼ」という語句を、記載された値および/または位置がこの値および/または位置の妥当な予測範囲内にあることを示すのに使用することができる。例えば、数値は、表示値(または値の範囲)の+/-0.1%、表示値(または値の範囲)の+/-1%、表示値(または値の範囲)の+/-2%、表示値(または値の範囲)の+/-5%、表示値(または値の範囲)の+/-10%等である値を有することができる。本明細書で与えられる任意の数値は、文脈により別段の指定がない限り、約またはほぼその値も含むと理解されたい。例えば、値「10」が開示されている場合には、「約10」も開示されている。本明細書で列挙される任意の数値範囲は、そこに包含される全ての部分範囲を含むことを意図している。また、ある値が開示されている場合、当業者であれば適切に理解するように、その値「以下」、「その値以上」およびそれらの値の間の可能な範囲も開示されていると理解されたい。例えば、値「X」が開示されている場合、「X以下」および「X以上」(例えば、Xは数値である)も開示されている。また、本出願全体を通して、データは、多くの異なる形式で提供され、このデータは、終了点および開始点ならびにこれらのデータポイントの任意の組み合わせについての範囲を表すとも理解される。例えば、特定のデータポイント「10」および特定のデータポイント「15」が開示されている場合、10および15より大きい、10および15以上、10および15より小さい、10および15以下ならびに10および15と等しいことが、10と15との間の範囲と同様に開示されていると見なされると理解される。また、2つの特定のユニット間の各ユニットも開示されているとも理解される。例えば、10および15が開示されている場合には、11、12、13および14も開示されている。
【0284】
種々の例示的な実施形態が上記で検討されたが、本明細書における教示から逸脱することなく、種々の実施形態に対して、多数の変更のいずれかを行うことができる。例えば、記載された種々の方法ステップが行われる順序は、代替的な実施形態では、多くの場合変更されてもよく、他の代替的な実施形態では、1つ以上の方法ステップが完全にスキップされてもよい。種々のデバイスおよびシステムの実施形態の任意の特徴は、一部の実施形態には含まれ、他の実施形態には含まれなくてもよい。したがって、前述の説明は、主に例示の目的で提供されており、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0285】
本明細書に記載された主題の1つ以上の態様または特徴を、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計された特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアおよび/またはこれらの組み合わせにおいて実現することができる。これらの種々の態様または特徴は、特別または汎用的であってよく、ストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイスおよび少なくとも1つの出力デバイスからデータおよび命令を受信しかつこれらにデータおよび命令を送信するように連結されている、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステム上で実行可能かつ/または解釈可能な1つ以上のコンピュータプログラムへの実装を含むことができる。プログラマブルシステムまたはコンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントおよびサーバは、一般的には、互いにリモートの状態にあり、典型的には、通信ネットワークを介して対話する。クライアントとサーバとの関係は、各コンピュータ上で実行され、クライアント-サーバ関係を相互に有するコンピュータプログラムにより生じる。
【0286】
プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリケーション、コンポーネントまたはコードとも呼ぶことができるこれらのコンピュータプログラムは、プログラマブルプロセッサのための機械命令を含み、高水準手続き言語、オブジェクト指向プログラミング言語、関数型プログラミング言語、論理プログラミング言語および/またはアセンブリ/機械語で実行することができる。本明細書で使用する場合、「機械可読媒体」という用語は、機械可読信号としての機械命令を受容する機械可読媒体を含む、プログラマブルプロセッサに機械命令および/またはデータを提供するのに使用される、任意のコンピュータプログラム製品、装置および/またはデバイス、例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリおよびプログラマブルロジックデバイス(PLD)等を指す。「機械可読信号」という用語は、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するのに使用される任意の信号を指す。この機械可読媒体は、このような機械命令を、非一時的に、例えば、非一時的なソリッドステートメモリもしくは磁気ハードドライブまたは任意の同等の記憶媒体等に記憶することができる。機械可読媒体は、代替的にまたは付加的に、このような機械命令を、一時的に、例えば、1つ以上の物理プロセッサコアに関連付けられたプロセッサキャッシュまたは他のランダムアクセスメモリ等に記憶することができる。
【0287】
本明細書に含まれる例示および例証は、限定としてではなく例示として、本主題を実施することができる特定の実施形態を示す。言及されたように、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的および論理的な置換および変更を行うことができるように、他の実施形態を利用することができ、そこから導き出すことができる。本発明の主題のこのような実施形態は、2つ以上が実際に開示されている場合、単に便宜上「発明」という用語により、本出願の範囲を任意の単一の発明または発明概念に自発的に限定することを意図することなく、本明細書において個別にまたは集約的に言及することができる。このため、特定の実施形態を、本明細書において例証し、説明してきたが、同じ目的を達成するために計算されたあらゆる配置を、示された特定の実施形態について置換することができる。本開示は、種々の実施形態の任意および全ての適応例または変化形態をカバーすることを意図している。上記実施形態と本明細書に具体的に記載されていない他の実施形態との組み合わせは、上記説明をレビューすれば、当業者に明らかになるであろう。
【手続補正書】
【提出日】2020-10-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気化器デバイス用のカートリッジであって、
前記カートリッジが気化器デバイスと連結されたときに、前記気化器デバイス内の受け口の開いた頂部より下に延在するように構成されたカートリッジハウジングと、
前記カートリッジハウジング内に配置され、気化可能材料を収容するように構成されたリザーバと、
前記カートリッジハウジング内に配置されたウィックハウジング
であって、前記カートリッジハウジングが前記ウィックハウジングの頂部より下に延在して前記ウィックハウジングの周囲の少なくとも一部を取り囲んでいるウィックハウジングと、
前記ウィックハウジング内に少なくとも部分的に配置された加熱部分および前記ウィックハウジング外に少なくとも部分的に配置された接点部分を含む加熱要素であって、前記接点部分が前記気化器デバイスの前記受け口内の1つ以上の受け口接点との電気的連結を形成するように構成された1つ以上のカートリッジ接点を含んでいる加熱要素と、
前記ウィックハウジング内で前記加熱要素の前記加熱部分に近接して配置されたウィッキング要素であって、前記加熱要素による気化のために、前記リザーバから前記ウィックハウジングに前記気化可能材料を引き込むように構成されたウィッキング要素と、
を備える、カートリッジ。
【請求項2】
前記接点部分は、さらに、前記気化器デバイスの前記受け口との機械的連結を形成するように構成されており、前記機械的連結により、前記気化器デバイスの前記受け口内に前記カートリッジが固定されている、請求項1記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記受け口は、前記気化器デバイスの本体の第2の部分より小さい断面寸法を有する前記気化器デバイスの前記本体の第1の部分を備え、前記カートリッジが前記気化器デバイスと連結されたときに、前記カートリッジハウジングと前記気化器デバイスの前記本体の前記第2の部分との間に凹部領域が形成されている、請求項1または2記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記受け口は、前記カートリッジが前記気化器デバイスと連結されたときに、前記ウィックハウジングの底部における1つ以上のスロットと流体連結を形成する1つ以上の空気入口を含み、前記1つ以上のスロットは、前記1つ以上の空気入口に入った空気が前記ウィックハウジングにさらに入ることを可能にするように構成されており、前記1つ以上の空気入口は、前記凹部領域に配置されている、請求項3記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記1つ以上の空気入口は、概ね、0.6ミリメートルと1.0ミリメートルとの間の直径を有する、請求項4記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記1つ以上のスロットそれぞれの内部は、前記ウィックハウジングの前記底部における前記1つ以上のスロットの寸法より小さい前記1つ以上のスロットの内側寸法により形成された少なくとも1つの段部を含み、前記少なくとも1つの段部は、前記ウィックハウジング内の前記気化可能材料が前記1つ以上のスロットから流出するのを防止するためにメニスカスが形成される狭窄点を提供している、請求項4または5記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記ウィックハウジングの前記底部における前記1つ以上のスロットの前記寸法は、概ね、長さ1.2ミリメートル×幅0.5ミリメートルであり、前記1つ以上のスロットの前記内側寸法は、概ね、長さ1.0ミリメートル×幅0.30ミリメートルである、請求項6記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記加熱要素の前記加熱部分および前記加熱要素の前記接点部分は、基板材料を折り畳むことにより形成されており、前記基板材料は、前記加熱要素の前記加熱部分を形成するための1つ以上の櫛歯を含むように切断されており、前記基板材料は、さらに、前記加熱要素の前記接点部分を形成するための1つ以上の脚部を含むように切断されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記加熱要素の前記接点部分は、少なくとも第1のジョイント、第2のジョイントおよび第3のジョイントを形成するように、前記1つ以上の脚部のそれぞれを折り畳むことにより形成されており、前記第1のジョイントは、前記第2のジョイントと前記第3のジョイントとの間に配置されており、前記第2のジョイントは、前記1つ以上の脚部それぞれの先端と前記第1のジョイントとの間に配置されている、請求項8記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記1つ以上のカートリッジ接点は、前記第2のジョイントに配置されており、前記加熱要素は、前記ウィックハウジングの外部と、前記第1のジョイントと前記第3のジョイントとの間の前記1つ以上の脚部それぞれの一部との間の第1の機械的連結により、前記ウィックハウジングに固定されており、前記カートリッジは、前記第2のジョイントと前記気化器デバイスの前記受け口との間の第2の機械的連結により、前記気化器デバイスの前記受け口に固定されている、請求項9記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記1つ以上のカートリッジ接点は、前記第1のジョイントに配置されており、前記加熱要素は、前記ウィックハウジングの外部と、前記先端と前記第2のジョイントとの間の前記1つ以上の脚部それぞれの一部との間の第1の機械的連結により、前記ウィックハウジングに固定されており、前記カートリッジは、前記第1のジョイントと前記気化器デバイスの前記受け口との間の第2の機械的連結により、前記気化器デバイスの前記受け口に固定されている、請求項9記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記リザーバは、蓄えチャンバおよびコレクタを含み、前記コレクタは、前記蓄えチャンバと流体接触する前記気化可能材料の体積を保持するように構成されたオーバフローチャネルを備え、前記オーバフローチャネルの長さに沿って1つ以上の微小流体機構が配置されており、前記1つ以上の微小流体機構はそれぞれ、メニスカスが形成されて前記リザーバに入った空気が前記オーバフローチャネル内の前記気化可能材料を通過するのを防止する狭窄点を提供するように構成されている、請求項1から11までのいずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記カートリッジハウジングは、前記気化可能材料を気化させる前記加熱要素により形成されたエアロゾル用の出口に通じる空気流通路を含み、前記コレクタは、前記空気流通路と流体連通する中央トンネルを含み、前記コレクタの底面は、前記気化可能材料を気化させる前記加熱要素により生成された前記エアロゾルを混合するように構成されたフローコントローラを含む、請求項12記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記空気流通路の内面は、前記出口から前記ウィッキング要素まで延在する1つ以上のチャネルを含み、前記1つ以上のチャネルは、前記エアロゾルにより形成された凝縮物を収集して、収集された前記凝縮物の少なくとも一部を前記ウィッキング要素に向けるように構成されている、請求項13記載のカートリッジ。
【請求項15】
前記フローコントローラは、第1のチャネルおよび第2のチャネルを含み、前記第1のチャネルは、前記第2のチャネルからオフセットされており、前記第1のチャネルの第1の内面は、前記第2のチャネルの第2の内面とは異なる方向に傾いて、前記第1のチャネルを通って前記中央トンネルに入る前記エアロゾルの第1のカラムを、前記第2のチャネルを通って前記中央トンネルに入る前記エアロゾルの第2のカラムとは異なる方向に向ける、請求項13または14記載のカートリッジ。
【請求項16】
前記フローコントローラの底面は、1つ以上のウィック界面をさらに含み、前記1つ以上のウィック界面は、前記コレクタ内の1つ以上のウィックフィードと流体連通しており、前記1つ以上のウィックフィードは、前記ウィックハウジング内に配置された前記ウィッキング要素に、前記蓄えチャンバ内に収容された前記気化可能材料の少なくとも一部を送るように構成されている、請求項13から15までのいずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項17】
前記ウィックハウジングは、前記カートリッジが前記気化器デバイスと連結されたときに、前記気化器デバイスの前記受け口内に少なくとも部分的に配置されており、前記ウィックハウジングの上側周囲に少なくとも部分的にフランジが配置されており、前記フランジは、前記カートリッジの受け口のリムの少なくとも一部の上に延在している、請求項1から16までのいずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項18】
前記カートリッジが前記気化器デバイスと連結されたときに、前記カートリッジハウジングと前記ウィックハウジングとの間に少なくとも部分的に前記受け口の壁が配置されている、請求項1から17までのいずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項19】
気化器デバイスであって、
前記気化器デバイスの本体の第1の部分を備える受け口であって、1つ以上の受け口接点を含み、気化可能材料を収容するカートリッジが前記気化器デバイスと連結されたときに、前記カートリッジのウィックハウジングを受容するように構成されており、前記カートリッジのハウジングが
、前記カートリッジが前記気化器デバイスと連結されたときに前記受け口の開いた頂部より下に延在し、
さらに前記ウィックハウジングの頂部より下に延在して前記ウィックハウジングの周囲の少なくとも一部を取り囲み、前記1つ以上の受け口接点が前記カートリッジ内の加熱要素の接点部分を備える1つ以上のカートリッジ接点との電気的連結を形成するように構成され、前記接点部分が前記ウィックハウジングの外側に少なくとも部分的に配置される、受け口と、
前記気化器デバイスの前記本体の第2の部分内に少なくとも部分的に配置された電源と、
前記カートリッジが前記気化器デバイスと連結されたときに、前記電源から前記カートリッジに含まれた前記加熱要素へと流れる電流の放電を制御するように構成されたコントローラであって、前記ウィックハウジング内で前記加熱要素の加熱部分に近接して配置されるウィッキング要素を満たす前記気化可能材料の少なくとも一部を気化させるために前記電流を前記加熱要素へと放電する、コントローラと、
を備える、気化器デバイス。
【請求項20】
前記受け口は、さらに、前記加熱要素の前記接点部分との機械的連結を形成するように構成されており、前記機械的連結により、前記気化器デバイスの前記受け口内に前記カートリッジが固定されている、請求項
19記載の気化器デバイス。
【請求項21】
前記気化器デバイスの前記本体の前記第1の部分は、前記気化器デバイスの前記本体の前記第2の部分より小さい断面寸法を有し、前記カートリッジが前記気化器デバイスと連結されたときに、前記気化器デバイスの前記本体の前記第2の部分と前記カートリッジのハウジングとの間に凹部領域が形成されている、請求項
19または
20記載の気化器デバイス。
【請求項22】
前記受け口は、前記カートリッジが前記気化器デバイスと連結されたときに、前記ウィックハウジングの底部における1つ以上のスロットと流体連結を形成する1つ以上の空気入口を含み、前記1つ以上のスロットは、前記1つ以上の空気入口に入った空気が前記ウィックハウジングにさらに入ることを可能にするように構成されており、前記1つ以上の空気入口は、前記凹部領域に配置されている、請求項
21記載の気化器デバイス。
【請求項23】
前記1つ以上の空気入口は、概ね、0.6ミリメートルと1.0ミリメートルとの間の直径を有する、請求項
21または
22記載の気化器デバイス。
【請求項24】
前記受け口は、前記受け口の頂部リムが、前記気化器デバイスの前記本体の前記第1の部分の頂部リムと実質的に面一になるように、前記気化器デバイスの前記本体の前記第1の部分内に配置されている、請求項
19から
23までのいずれか1項記載の気化器デバイス。
【請求項25】
前記受け口は、前記ウィックハウジングの上部周囲に少なくとも部分的に配置されたフランジが、前記カートリッジの受け口の前記頂部リムおよび/または前記気化器デバイスの前記本体の前記第1の部分の前記頂部リムの少なくとも一部の上に延在するように、前記ウィックハウジングの一部を受容するように構成されている、請求項
24記載の気化器デバイス。
【請求項26】
前記受け口の深さは、約4.5ミリメートルである、請求項
19から
25までのいずれか1項記載の気化器デバイス。
【請求項27】
前記カートリッジが前記気化器デバイスと連結されたときに、前記カートリッジのハウジングと前記ウィックハウジングとの間に少なくとも部分的に前記受け口の壁が配置されている、請求項19から26までのいずれか1項記載の気化器デバイス。
【国際調査報告】