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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-21
(54)【発明の名称】姿勢制御システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/08 20060101AFI20220414BHJP
   B64G 1/24 20060101ALI20220414BHJP
   B64G 1/36 20060101ALI20220414BHJP
   B64G 1/28 20060101ALI20220414BHJP
   B64G 1/32 20060101ALI20220414BHJP
   G05B 11/36 20060101ALI20220414BHJP
【FI】
G05D1/08 Z
B64G1/24 545
B64G1/36
B64G1/28
B64G1/32
G05B11/36 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544653
(86)(22)【出願日】2020-01-30
(85)【翻訳文提出日】2021-09-22
(86)【国際出願番号】 US2020015946
(87)【国際公開番号】W WO2020160314
(87)【国際公開日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】62/799,549
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517190005
【氏名又は名称】ウルグス ソシエダード アノニマ
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(72)【発明者】
【氏名】マリアーノ シュテルンハイム
【テーマコード(参考)】
5H004
5H301
【Fターム(参考)】
5H004GA17
5H004GB11
5H004HA07
5H004HB07
5H004KC01
5H004KC17
5H004LA12
5H301AA01
5H301AA06
5H301CC03
5H301CC04
5H301CC06
5H301CC07
5H301CC08
5H301GG07
5H301GG17
(57)【要約】
宇宙空間において宇宙機の姿勢マヌーバを制御するためのシステム及び方法が提供される。方法は、宇宙機を誘導するために最適な軌道をリアルタイムで自動的に生成し、それにより、誤差又は外乱をモデル化するために、事前に定義された軌道よりさらに一層ロバスト且つ効率的な方法が提供される。これらの方法は、事前に定義された軌道及びそれらの関連フィードフォワード項に依存しない。システムは、宇宙機が状態空間における最適な経路をたどって所望の目標姿勢に達するように、及び、局所漸近安定性を有するように、宇宙機をリアルタイムで方向付けるために、センサ、姿勢制御機構及び制御モジュールを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の姿勢マヌーバを制御するための方法であって、
前記車両の検知された向きに少なくとも部分的に基づいて、推定姿勢状態を決定することと、
前記推定姿勢状態に少なくとも部分的に基づいて、制御法則を決定することと、
前記制御法則を適用して前記車両を方向付けるように姿勢制御機構に指示することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記制御法則が、最適非線形レギュレータを使用して決定され、前記最適非線形レギュレータが、状態誤差及び操作量を重み付けする費用関数を最小化するものであり、局所漸近安定性を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記制御法則が、経路の複数のステップで評価され、前記複数のステップの各々に対して、費用関数の重み付け係数を決定し、代数リカッチ方程式(ARE)を解くことによって前記費用関数を最小化することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記姿勢制御機構が、前記車両が最適な方向付け軌道をたどるように回転力(トルク)を印加するように構成され、前記方向付け軌道が、目標角加速度及び目標角スピードに対して前記回転力(トルク)の総和が最小である状態空間における経路を前記方向付け軌道が描写するという意味で最適である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記制御法則が、状態依存リカッチ方程式(SDRE)技法に少なくとも部分的に基づく非線形フィードバック制御法則である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
姿勢制御のためのレギュレータを設計するための方法であって、
システムの運動学及び力学を表す数式を得るステップと、
前記数式の疑似線形化式を得るステップと、
前記数式の前記疑似線形化式に基づいて、状態誤差費用及び操作量費用を含む費用関数を設定するステップと
を含む、方法。
【請求項7】
前記費用関数が、状態ベクトルに応答して、複数のステップでAREを解くことによって最小化される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記数式の前記疑似線形化式を得ることが、状態依存係数(SDC)を定義することによって行われる、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記費用関数が、状態空間の1つ又は複数のゾーンの関数として調整される、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記数式が、姿勢運動学関数を表し、以下の公式によって定義され、
【数1】
式中、σ∈Rが、慣性座標系から機体座標系への修正ロドリゲスパラメータ(MRP)ベクトルであり、ω∈Rが、機体座標系に記載される前記慣性座標系から機体座標系への角速度ベクトルであり、J∈R3×3が、機体座標系に記載される衛星の慣性行列である、請求項6~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記数式の前記疑似線形化式を得ることが、以下の通りA(x)及びB(x)を定義することを含み、
【数2】
式中、u∈Rが、モデル化された外部トルクに制御トルクを加えたトルクの総和であり、I3×3が、単位行列∈R3×3であり、O3×3が、ゼロ行列∈R3×3である、請求項6~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記費用関数が、
【数3】
として定義される、請求項6~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記AREを解くことが、以下の通りP(x)からu(x)が得られた際に前記費用関数を最小化することを含み、
u(x)=-R-1(x)B(x)P(x)x=-K(x)x
式中、P(x)が、ニュートン・ラフソンアルゴリズムを使用することによって以下のリカッチ方程式
0=P(x)A(x)+A(x)P(x)-P(x)B(x)R(x)-1B(x)P(x)+Q(x)
から得られる、請求項6~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記ニュートン・ラフソンアルゴリズムが、以下のように定義されるPから始まり、
【数4】
式中、11が、正定値行列であり、12及び22が、以下の通り定義され、
(ΠR(x)Pgain12
ΠR(x)Dgain22
式中、Pgain及びDgainが正数である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
車両の姿勢マヌーバを制御するための搭載姿勢制御システムであって、複数のステップで制御法則を自律的に評価し、状態空間におけるリアルタイムの方向付け軌道を生成するように構成されたコントローラを含む、搭載姿勢制御システム。
【請求項16】
前記コントローラが、最適非線形レギュレータを含む、請求項15に記載の搭載姿勢制御システム。
【請求項17】
非線形フィードバック制御法則を使用して前記車両に印加するトルクを定義する、請求項15又は16に記載の搭載姿勢制御システム。
【請求項18】
前記コントローラが、各動作点で代数リカッチ方程式(ARE)を解くことによって、最適な方向付け軌道を提供するために総費用関数を最小化し、前記総費用関数が、状態誤差及び操作量を重み付けする、請求項15~17のいずれか一項に記載の搭載姿勢制御システム。
【請求項19】
少なくとも1つのセンサと、
衛星を方向付けるように動作可能な姿勢制御機構と、
前記衛星の姿勢マヌーバを制御するために制御法則を適用するように構成された姿勢制御モジュールと
を含む、衛星システム。
【請求項20】
前記姿勢制御モジュールが、1つ又は複数の姿勢マヌーバを生成して、各ステップで最適な方向付け軌道をたどって宇宙機をリアルタイムで方向付けるために、複数のステップでプログラミング命令を実行するように構成される、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記プログラミング命令が、状態空間の既定の領域の関数として状態誤差及び操作量の相対重みを設定し、次いで、各ステップで制御法則に対してリカッチ方程式を解くことによって前記状態誤差及び前記操作量を重み付けする費用関数を最小化することによって、実行される、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記姿勢制御機構が、最適な方向付け軌道を定義するトルクを印加するように指示され、前記設定トルクの総和が、予期される角加速度及び角スピードに対して最小である、請求項19~21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
前記少なくとも1つのセンサが、ジャイロスコープ、磁力計、スタートラッカ、地平線センサ、太陽センサ又はそれらの任意の組合せの少なくとも1つである、請求項19~22のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
前記姿勢制御機構が、磁気トルカ、リアクションホイール、モーメンタムホイール、コントロールモーメンタムジャイロ、スラスタ又はそれらの任意の組合せの少なくとも1つである、請求項19~23のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項25】
前記姿勢マヌーバが、高レベルのアルゴリズム若しくはユーザによって決定された目標の向き若しくは目標の方向付け軌道に少なくとも部分的に基づいて及び/又は前記衛星のタスクに少なくとも部分的に基づいて制御される、請求項19~24のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年1月31日に出願された「姿勢制御システム及び方法(ATTITUDE CONTROL SYSTEM AND METHOD)」と称する米国仮特許出願第62/799,549号明細書への優先権を主張し、その全内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
多くのアプリケーションでは、車両の向き又は姿勢の適切な制御は、非常に重要なものである。車両の向きを検知した後、アクチュエータは、車両を所望の姿勢に方向転換するためにトルクを印加するようにコマンドされる。航空宇宙業界では、ほとんどの宇宙機は、特定のマヌーバに対する実装形態及び要件に応じて、異なるタイプの姿勢制御方法を使用して能動制御技法を活用する。宇宙空間において宇宙機を方向付けるための最も一般的な手法は、所望の向きに達するように宇宙機がたどれる軌道を定義し、これらの事前に定義された軌道を適用し、適切なあらゆる動作点に対してシステムを線形化することである。しかし、宇宙機の姿勢を左右する著しく非線形のシステムを考慮すると、多くの不確実性又は事前に定義された軌道からの偶発的な逸脱が通常は生じ、それにより、これらの方法は非常に不完全なものになる。結果的に、軌道を決定して、宇宙空間において宇宙機を方向付けるための、よりロバストなシステム及び方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本明細書で説明される移動車両の姿勢制御のためのシステム及び方法は、機上でのリアルタイムの姿勢制御のためのフィードバック制御技法を含む最適制御方法を提供する。最適制御の理論は、最小費用で動的システムを操作することを伴う。いくつかの事例では、動的システムは、1組の線形微分方程式によってモデル化又は表現することができ、費用は、二次関数によって表現することができる。従って、このシステムのための最適制御技法は、線形二次レギュレータ(LQR)として知られているフィードバックコントローラを伴う。線形システムの場合、LQRは、状態線形制御法則に対してリカッチ方程式を解くことによって、重み付き状態ベクトル誤差と重み付き操作量を積分する二次費用関数を最小化する。しかし、多くのシステムは、線形動的システムとしてモデル化することができない。実際に、宇宙機の姿勢を左右するオイラー力学及び姿勢運動学など、多くの高度に非線形のシステムが存在する。従って、宇宙機の姿勢制御のために一般的に使用される従来の戦略は、いくつかの欠点を提示する。例えば、リアプノフ関数によって導き出される制御法則は、通常、チューニングが難しく、アクチュエータに重い負担をかける恐れがある。同様に、LQRの非線形性が問題をもたらすことも、又は非線形システムに拡張された線形制御技法(比例・積分・微分(PID)コントローラなど)が軌道誘導ループの追加を必要とすることもあり得る。その上、安定性は証明し難い場合がある。誘導ループが追加される際は常に、軌道からの偶発的な逸脱により、システムは、準最適に実行するようになり得る。このシナリオでは、LQRは、フィードフォワード項なしでは、及び、適切なあらゆる動作点に対してシステムを線形化することなしでは、うまく実施することができない。この理由により、システムが非線形の場合は、姿勢制御のための技法は、線形化されたシステムに適用される場合が多く、線形化されたシステムでは、通常、状態ベクトルに対してLQRが使用され、制御法則におけるフィードフォワード項を介して、状態空間における所望の軌道が追跡される。軌道は、理想的な力学及びレギュレータ性能を用いてオフラインでLQRを実行することによって見出される場合が多い。システムが線形化される動作点は大体分かっており、同様に、選ばれた線形化の精度及び、それをいつ更新する必要があるかについても大体分かっている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これらの懸念に対応するため、実施形態は、姿勢制御のためのシステム及び方法を含み、姿勢制御のためのシステム及び方法は、最適LQRの非線形拡張である状態依存リカッチ方程式(SDRE)技法から導き出される非線形システムに対する最適レギュレータの使用及び設計を含む。本明細書で説明される姿勢制御のためのシステム及び方法の主な利点のうちの1つは、状態空間における事前に定義された軌道及びそれらの関連フィードフォワード項を必要とせずに、状態空間における最適な軌道をリアルタイムで自律的に見出すように最適レギュレータが構成されることである。別の利点は、制御法則を決定し、複数のステップ(例えば、あらゆるステップ)でそれを評価するように最適レギュレータが構成され、それにより、モデル化されていない外乱、システムモデリング若しくは数値誤差、アクチュエータ瞬時飽和若しくはグリッチによる潜在的な軌道事故、及び/又は、搭載コンピュータ若しくはネットワーク遅延の場合に正しく動作するロバストな制御システムが提供されることである。局所漸近安定性と共に、これらの特徴は、姿勢制御のための信頼性の高いシステム及び方法につながる。
【0005】
非限定的な例では、衛星は、以下のシナリオにおいて示されるように、効率的且つ精密に制御された方法でその姿勢又は向きを変更する必要があり得る。衛星は、例えば、情報を集めるために地球の特定のゾーンを正確に指向するため、撮像データを捕捉するため、受信/送信のためにアンテナを指向させるため、太陽光及び影の加熱及び冷却効果を使用したスマートな熱制御のために衛星を方向付けるため、太陽エネルギー収集を最適化するために太陽電池パネルを位置合わせするため、抗力制御マヌーバの間にその前向き方向を維持するか又は調整するため、並びに/或いは、制御された推進マヌーバを実行するためなど、様々なタスクを実行するために、その向きを変更するか又は維持するという命令を受信するか又は生成することができる。これらの向きの変更は、衛星の寿命の間に何度も起こり得、衛星はコンピューティング及び電力資源が限られたシステムであることを考慮すると、使用トルクのノルム(従って、エネルギー)の総和を最小化するという意味で、目標の向きに達するように描写される一連の向きが最適な方向付け軌道を含むように、大規模な任意の宇宙機姿勢マヌーバを含む姿勢マヌーバのすべての範囲を実行するための制御アクションを提供するように構成された効率的でロバストな信頼できる制御システムを有することが望ましい。本明細書で説明される姿勢制御のための方法及びシステムは、強安定性結果、限られた資源を有するプラットフォームにおいて方法を実施できるような比較的低い演算負担、最適性結果、並びに、モデル化されていない効果及び摂動に対するロバスト性を提供し、それにより、収束姿勢制御マヌーバが提供される。
【0006】
詳細な説明は、添付の図を参照して記載される。図中、参照番号の左端の数字は、参照番号が最初に現れる図を識別する。異なる図における同じ参照番号の使用は、同様の又は同一のアイテムを示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の実施形態による、姿勢制御のためのレギュレータを設計するための概略プロセスの例を示すフロー図である。
図2】本開示の実施形態による、最適な軌道がリアルタイムで生成される衛星システムの姿勢マヌーバを制御するための概略プロセスの例を示すフロー図である。
図3】本開示の実施形態による、衛星の21回の姿勢マヌーバからの角度誤差(角度対時間)を示す。
図4A-C】本開示の実施形態による、衛星の21回の姿勢マヌーバの回転ベクトル(回転ベクトル成分対時間)を示す。
図5A-D】本開示の実施形態による、衛星の21回の姿勢マヌーバのトルク(ミリニュートンメートル対時間)を示す。
図6】本開示の実施形態による、車両の姿勢マヌーバを制御するための姿勢制御モジュールを含むシステムの図解である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
概要
本開示による実施形態は、小規模なマヌーバから大規模なマヌーバまで及び制約付きの又は制約なしの姿勢マヌーバなど幅広く、目標の向きに達するため又は目標の向きを維持するための一連の向きが、宇宙機の姿勢マヌーバに対する最適な軌道をリアルタイムで定義するように、アクション制御を自律的に生成するための姿勢制御のためのシステム及び方法を含み、それにより、さらに一層ロバスト且つ効率的な姿勢制御が提供される。本明細書で使用される場合、宇宙機という用語は、宇宙空間を移動する有人又は無人のいかなる車両も指す。本明細書で説明されるシステム及び方法は、空中を移動できる航空車両(航空機、バルーン若しくはドローンなど)又は地上若しくは洋上車両など、姿勢又は向きの補正が必要な他の移動中の有人又は無人の車両の姿勢制御に対しても使用できることが理解されよう。
【0009】
実施形態は、車両の姿勢マヌーバを制御するための方法を含み、方法は、例えば、コントローラ又は制御システムによって適用される制御法則を決定することを含む。制御法則の評価により、姿勢制御機構は、力又はトルクの運動量など、1つ又は複数の姿勢マヌーバを生成することができる。いくつかの例では、一連の1つ又は複数の姿勢マヌーバは、初期の向きから最終の(目標の)向きに移行するために車両がたどる方向付け軌道を定義する及び/又は生成する。他の例では、姿勢マヌーバ(トルク)は、初期の向きから最終の向きに移行することを伴うことなく、車両の向きを維持するが、その理由は、初期の向きと最終の向きの両方が同じであるため又は移行が連続移動を伴うため(例えば、地球観測衛星が常に天底の方を指向することによって又は走査動作若しくは地上の物体追尾を継続的に実行することによって画像を取得する必要がある場合)である。制御法則がリアルタイムで評価される(解かれる)という事実により、この方法は、天底指向、より長い(時間的に)マヌーバ又はより高いレベルのアルゴリズムによって誘導されるマヌーバに適した及び効果的なものになり、それにより、従来の方法に勝る利点が提供される。
【0010】
本明細書で使用される場合、方向付け軌道は、車両の向き及び角速度を含む状態空間において定義される軌道を指し、経路は、宇宙空間における一連の位置の代わりに、一連の角度を指す。制御法則という用語は、本明細書で使用される場合、プログラミング命令を指し、プログラミング命令は、実行(評価)された時点で、いかなる瞬間においても取るべき制御アクションを決定する。制御法則は、設計ステップにおいて決定され、その後、動作の間に評価することができる。いくつかの実装形態では、制御法則は、状態空間における方向付け軌道を自律的に生成する複数のステップ(例えば、あらゆるステップ)で実行することができ、それにより、リアルタイムの最適誘導が提供され、オフラインで計算された状態空間における事前に定義された軌道及びそれらの関連フィードフォワード項を使用する必要性が排除される。結果的に、外乱が以前にモデル化されていなければ、方向付け軌道が複数のステップ(例えば、あらゆるステップ)で外乱を伴う方向付け軌道からリアルタイムで定義されることを理由に、本明細書で説明される方向付け軌道は、モデル化されていない外乱を考慮することになり、それにより、最適な方向付け軌道が提供される。対照的に、事前に定義された軌道を使用する他の車両は、モデル化されていない外乱を考慮することはできず、モデル化されていない外乱の出現が原因で最適な軌道ではないとしても、計算された軌道を変更できないまま、その軌道をたどることになる。
【0011】
いくつかの実施形態では、姿勢マヌーバ(例えば、トルクの印加)を通じて車両に方向付け軌道をたどらせる制御法則は、最適非線形レギュレータなどのコントローラによって実行される。最適非線形レギュレータは、状態空間における方向付け軌道を提供して車両を誘導するために、姿勢制御に対して制御法則を自律的に実行するように構成される。方向付け軌道は、制約セットを満たしながら、性能の何らかの尺度を最小化する方向付け軌道として定義される最適な方向付け軌道であり得る。いくつかの実装形態では、決定された角スピード(速度)及び角加速度を有する車両の場合、制御法則は、実行されると、目標角加速度及び目標角スピードに対して回転力(トルク)の総和が最小である状態空間における経路を方向付け軌道が描写するという意味で最適な方向付け軌道を車両にたどらせる。目標角加速度及びスピードは、車両が実行する予定のタスクに従って決定される。例えば、地球低軌道衛星の場合は、アクチュエータの物理的な特性及び、撮像目的のエリア走査、通信目的の地上局指向又は目標の追跡を衛星が行う必要があるかどうかを考慮して、異なる目標角加速度及びスピードを定義することができる。制御法則は、最適制御問題に対する開ループ解を演算する代わりに、システムからのフィードバックを使用してリアルタイムで実行することができ、それは、費用関数が複数のステップ(例えば、あらゆるステップ)で最適化されるように、一定の時間にわたって複数のステップ(例えば、あらゆるステップ)で動的システムに対する制御法則を実行することを伴う。
【0012】
いくつかの実施形態では、制御法則は、トルクを印加して最適な方向付け軌道を描写するために経路の複数のステップ(例えば、あらゆるステップ)で評価され、複数のステップの各々に対して、費用関数の重み付け係数を決定し、費用関数を最小化することを含む。いくつかの実装形態では、費用関数は、制御法則(プログラミング命令)を実行するために、代数リカッチ方程式(ARE)を解くことによって最小化される。費用関数は、角度位置及び角速度の所望の値からの角度位置及び角速度の逸脱のノルムの総和にトルクのノルムの総和を加えたものとして定義される場合が多い。従って、制御法則は、姿勢制御機構によって印加される際に費用関数を最小化するそれらの回転力(トルク)を見出し、従って、操作量のノルムの最小の総和を使用して状態誤差を低減する。コントローラは、最適非線形レギュレータであり得、最適非線形レギュレータは、状態誤差及び操作量を重み付けする費用関数を最小化するものであり、局所漸近安定性を有する。最適非線形レギュレータは、各ステップで推定される姿勢状態を考慮して、複数のステップ(例えば、あらゆるステップ)で角度誤差及び角速度誤差を最小化し、その結果、車両を方向付けるために印加される1つ又は複数のトルクのノルムの総和が最小化され、生成される方向付け軌道は、使用トルクのノルムの総和を最小化するという意味で最適な方向付け軌道である。
【0013】
生成される方向付け軌道は、車両の要件との関連で解釈上最適である。自律的に生成される最適な方向付け軌道は、状態誤差及び操作量を重み付けする費用関数によって形作られる。いくつかの実装形態では、相対重みは、状態空間の1つ又は複数のゾーンの関数として調整され、それにより、チューニングが非常に簡単になり、最適な軌道上の車両の挙動(加速度、巡航角スピード、目標までの収束時間、異なるアクチュエータのトルク)が定義されるか又はあまり望ましくない状態空間のエリアにペナルティが課される。このタイプのチューニングは、状態空間において直接費用を管理するため、いくつかのLQ関数によって導き出される制御法則又はリアプノフ関数によって導き出される制御法則を設定するよりはるかに簡単且つ効率的である。従って、最適な方向付け軌道は、最終目標姿勢に達するために、経路の複数のステップ(例えば、各ステップ)で計算される。
【0014】
方法は、検知された車両の向きに少なくとも部分的に基づいて、推定姿勢状態を決定するステップをさらに含み得る。レギュレータ(最適非線形レギュレータ)への入力は、車両のセンサによって提供される推定姿勢状態と目標姿勢状態との差によって定義される姿勢誤差である。レギュレータの出力は、制御法則である。制御法則は、推定姿勢状態に少なくとも部分的に基づいて決定することができる。いくつかの実装形態では、出力は、完全状態の非線形フィードバック制御法則である。非線形フィードバック制御法則は、状態依存リカッチ方程式(SDRE)技法に少なくとも部分的に基づき得る。制御法則は、状態空間の領域の関数として状態誤差及び操作量の相対重みを設定することによって実施すること及びチューニングすることができる。
【0015】
方法は、制御法則を適用/実行して車両を方向付けるように姿勢制御機構に指示するステップをさらに含み得る。いくつかの例では、制御法則は、最適非線形レギュレータによって複数のステップ(例えば、あらゆるステップ)で実行され、その結果、一連の向きは、車両を方向付けるために使用されるトルクのノルムの総和を最小化するという意味で最適な方向付け軌道を描写する。姿勢制御機構は、車両が最適な方向付け軌道をたどる(例えば、常にたどる)ように、制御法則によって決定された回転力(トルク)を印加するように構成され、方向付け軌道は、目標角加速度及び目標角スピードに対して回転力(トルク)の総和が最小である状態空間における経路を方向付け軌道が描写するという意味で最適である。各動作点で制御法則を評価することにより、最適制御アクションは各動作点で定義され、それにより、自律的な制御システムが提供されるため、リアルタイムの姿勢マヌーバ制御が可能になる。
【0016】
また、実施形態は、制御法則を設定するために姿勢制御のためのレギュレータを設計するための方法であって、システムの運動学及び力学を表す数式を得るステップと、数式の疑似線形化式を得るステップと、状態誤差費用及び操作量費用を含む費用関数を設定するステップとを含む、方法も含む。費用関数は、数式の疑似線形化式に基づいて設定すること及び/又は二次費用関数であることが可能である。費用関数は、状態空間の1つ又は複数のゾーンの関数として調整することができる。数式の疑似線形化式は、状態依存係数(SDC)を定義することによって得ることができる。制御法則は、費用関数を最小化することによって評価される。費用関数は、状態ベクトルに応答して代数リカッチ方程式(ARE)を解くことによって最小化される。AREは、状態ベクトルに応答して複数のステップで解くことができる。制御法則は、時間の進行及び状態ベクトルの変化と共に、複数のステップで実行することができ、その結果、このフィードバックは、制御アクションを更新する。収束までそのようなフィードバックを適用することにより、完全なマヌーバに対する費用関数が最小化される。
【0017】
実施形態は、車両の姿勢マヌーバを制御するための搭載姿勢制御システムであって、制御法則を自律的に評価するように構成されたコントローラを含む、搭載姿勢制御システムを含む。システムは、制御法則を適用(評価)して、複数のステップ(例えば、あらゆるステップ)で姿勢マヌーバを制御することができ、それにより、オフラインで計算された事前に定義された軌道をたどるように姿勢制御機構に指示する代わりに、状態空間におけるリアルタイムの最適な方向付け軌道を生成することができる。いくつかの実施形態では、コントローラは、最適非線形レギュレータを含み得る。コントローラは、命令を含む制御法則を評価するように構成され、命令は、制御システムによって実行されると、1つ又は複数の姿勢マヌーバ(トルクなど)の生成を車両に行わせ、それにより、例えば、最適な方向付け軌道をたどって車両を方向付けるために姿勢制御機構によって印加されるべき、状態空間形式で車両を方向付けるために使用されるトルクのノルムの総和を最小化するという意味で最適な方向付け軌道が描写される。
【0018】
いくつかの実施形態では、最適非線形レギュレータは、最適LQRの非線形拡張である状態依存リカッチ方程式(SDRE)技法を使用する線形システムに対する技法の非線形拡張を使用して、方向付け軌道をリアルタイムで車両に描写させる制御法則を提供するように構成される。最適非線形レギュレータは、非線形フィードバック制御法則を使用して、車両に印加するためのトルクを定義し、そのようなトルクを印加した結果として得られる方向付け軌道は、状態誤差及び操作量を重み付けする費用関数によって定義される最適な方向付け軌道である。費用関数は、重み付き状態ベクトル誤差と重み付き操作量を積分する二次費用関数であり得る。コントローラは、車両を方向付けるために使用されるトルクのノルムの総和を最小化するという意味で最適な方向付け軌道を提供するために、総費用関数を最小化するように構成される。費用関数は、制御法則を評価するために、複数の動作点(例えば、各動作点)で代数リカッチ方程式(ARE)を解くことによって最小化される。時間の進行及び状態ベクトルの変化と共に、AREが繰り返し解かれ、フィードバック制御法則が更新される。収束までそのようなフィードバックを適用することにより、完全なマヌーバに対する費用関数が最小化される。
【0019】
実施形態は、少なくとも1つのセンサと、姿勢制御モジュールと、衛星を方向付けるように動作可能な姿勢制御機構とを含む衛星システムを含む。姿勢制御モジュールは、衛星の姿勢マヌーバを制御するために制御法則を適用するように構成され、それにより、初期の角度位置からの最終の角度位置に衛星の向きを移行するため又は既定の時間の間に所望の向きを維持するためにマヌーバがたどる最適な方向付け軌道が提供される。姿勢マヌーバは、目標の向き又は目標の方向付け軌道に少なくとも部分的に基づいて制御される。目標の向きは、例えば、固定された向き又は連続移動(目標の方向付け軌道)であり得、その衛星に搭載されるか、異なる衛星に搭載されるか又は地上に位置する高レベルのアルゴリズム又はユーザ(人間若しくは機械)によって決定することができる。いくつかの例では、目標の向きは、地球の特定の領域の画像の捕捉、推進動作又は特定の指向移動など、衛星のタスクに少なくとも部分的に基づいて決定される。
【0020】
衛星が有し得る異なるタイプのセンサの中で、少なくとも1つのセンサは、衛星の姿勢又は向きを推定するために情報を提供するように構成された間接姿勢センサなどの姿勢センサであり得る。通常、このタイプのセンサを用いると、角速度を推定することが可能である。また、いくつかの実装形態では、1つのセンサを使用して(例えば、ジャイロスコープで)角速度を直接得ること及び、相対又は絶対姿勢センサなどの1つ又は複数のセンサ(これらに限定されないが、磁力計、スタートラッカ、地平線センサ、太陽センサ又はこれらの任意の組合せを含む)を使用して姿勢を推定することも可能である。少なくとも1つのセンサは、ジャイロスコープ、磁力計、スタートラッカ、地平線センサ又は太陽センサの少なくとも1つであり得る。「少なくとも1つ」という用語は、衛星が1つのセンサしか有さない場合は、リストされるセンサのいずれか1つであり得るが、複数のセンサが使用される場合は、いかなる数のいかなる組合せのセンサでもあり得ることを意味すると理解すべきである。
【0021】
姿勢制御モジュールは、車両を方向付けるために使用されるトルクのノルムの総和を最小化するという意味で状態空間における最適な方向付け軌道を衛星が描写するように、1つ又は複数の姿勢マヌーバ(トルクなど)を生成するためにプログラミング命令を提供する及び/又は実行するように構成される。プログラミング命令は、各ステップで最適な方向付け軌道をたどって宇宙機をリアルタイムで方向付けるように姿勢制御機構に指示するために、複数のステップ(例えば、あらゆるステップ)で実行することができる。プログラミング命令は、状態空間の既定の領域の関数として状態誤差及び操作量の相対重みを設定し、次いで、各ステップで制御法則に対してリカッチ方程式を解くことによって状態誤差及び操作量を重み付けする費用関数を最小化することによって、実行することができる。姿勢制御モジュールは、大規模な任意の姿勢マヌーバを含む宇宙機の姿勢マヌーバを制御又は補正するための最適非線形レギュレータを含み得る。姿勢制御モジュールは、角度位置(姿勢)及び角レート(速度)の観点から姿勢運動学関数及び姿勢状態を定義することによって、姿勢制御問題を状態空間形式に変換するように構成される。この方法では、制御モジュールは、センサからの宇宙機の姿勢推定を姿勢状態に変換するように構成される。
【0022】
いくつかの実施形態では、姿勢制御モジュールは、姿勢運動学関数を疑似線形化するようにさらに構成される。いくつかの例では、姿勢運動学関数は、状態依存係数(SDC)を定義することによって疑似線形化される。姿勢制御モジュールは、状態誤差費用及び操作量費用を含む総費用関数を定義するようにさらに構成される。姿勢制御モジュールは、状態空間の領域の関数として状態誤差及び操作量の相対重みを設定するようにさらに構成され、それにより、システムの実装及びチューニングが簡単になる。そうすることは、いくつかのLQ関数によって導き出される制御法則又はリアプノフ関数によって導き出される制御法則を設定するよりはるかに簡単且つ効率的である。詳細な説明がレギュレーション問題に対する解について解説している場合であっても、本明細書で説明されるシステム及び方法は、状態の拡張の有無にかかわらず、追跡問題に対しても使用できることを理解すべきである。
【0023】
姿勢制御モジュールは、総費用関数を最小化するようにさらに構成され、リカッチ方程式を解くことによって実行される。いくつかの実装形態では、総費用関数は、複数の動作点(例えば、各動作点)で制御法則に対してリカッチ方程式を解くことによって最小化される。姿勢制御モジュールは、状態空間の既定の領域の関数として状態誤差及び操作量の相対重みを設定することによって、複数のステップ(例えば、あらゆるステップ)でプログラミング命令を実行するように構成することができる。状態空間の領域は、アプリケーションに応じて解釈上定義することができる。姿勢制御モジュールは、1つ又は複数のステップの各々において最適な姿勢の向きを描写するプログラミング命令に宇宙機が従うように、1つ又は複数のステップで宇宙機の向きを方向付けるか又は維持するように姿勢制御機構に指示するようにさらに構成することができる。プログラミング命令は、1つ又は複数のステップで一度に実行することができ、例えば、電力資源及び演算性能を最適化するために、衛星などの能力が限られた環境に存在するプロセッサにおいて実行することができるが、その理由は、制御モジュールによって提供されるプログラミング命令が、比較的簡単であり、効率的で満足のいく解に達するために限られた数の反復(例えば、最大数の反復)を設定したニュートン・ラフソン法を使用して実施/実行できるためである。
【0024】
姿勢制御機構は、決定された姿勢の向きに車両を方向転換するために、1つ又は複数のアクチュエータを通じて回転力を印加することによって宇宙機を方向付けるように構成される又は動作可能である。いくつかの実施形態では、姿勢制御機構は、宇宙機の向きを変更するか又は調整するために、アクチュエータを通じてトルクを印加するように構成することができる。実行されるプログラミング命令は、車両を方向付けるために使用されるトルクのノルムの総和を最小化するという意味で状態空間において表現される最適な軌道を描写するために、姿勢制御機構がアクチュエータを通じて適用するように構成される姿勢マヌーバ又は力(例えば、トルク)を決定する。アクチュエータは、磁気トルカ、リアクションホイール、モーメンタムホイール、コントロールモーメンタムジャイロ又はスラスタの少なくとも1つであり得る。「少なくとも1つ」という用語は、衛星が1つのアクチュエータしか有さない場合は、リストされるアクチュエータのいずれか1つであり得るが、複数のアクチュエータが衛星で使用される場合は、いかなる数のいかなる組合せのアクチュエータ(例えば、2つのスラスタ及び4つのリアクションホイール)でもあり得ることを意味すると理解すべきである。
【0025】
本明細書では、例証を支援するために様々な例が説明されているが、それらの例は、限定の意味で取り入れることを意図しない。
【0026】
姿勢制御方法の例
図1及び2は、様々な実施形態によるプロセスの例を示すフローグラフを描写する。これらのプロセスの動作は、個々のブロックに示されており、それらのブロックを参照して要約される。これらのプロセスは、論理フローグラフとして示されており、その各動作は、ハードウェア、ソフトウェア又はそれらの組合せで実施することができる動作のセットを表し得る。ソフトウェアの文脈では、動作は、1つ又は複数のコンピュータ記憶媒体上に格納されたコンピュータ実行可能命令を表し、コンピュータ実行可能命令は、1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、列挙される動作を1つ又は複数のプロセッサが実行できるようにする。一般に、コンピュータ実行可能命令は、特定の機能を実行するか又は特定の抽象データタイプを実装するルーティン、プログラム、オブジェクト、モジュール、コンポーネント、データ構造及び同様のものを含む。ハードウェアの文脈では、動作は、特定用途向け集積回路(ASIC)などの集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのプログラマブル論理デバイス、グラフィカル処理ユニット(GPU)、テンソル処理ユニット(TPU)又はマイクロプロセッサにおいて行うことができる。ハードウェアの他の例は、本明細書で説明される実施形態と共に使用することができ、説明される特徴及び利点を提供すると本明細書で企図される。動作が説明される順番は、限定されるものと解釈することを意図せず、説明されるいかなる数の動作も、プロセスを実施するために、任意の順番で組み合わせること、サブ動作に分けること及び/又は並列に実行することができる。本開示の様々な実施形態によるプロセスは、論理フローグラフで描写される動作のほんのいくつか又はすべてを含み得る。その上、動作は、地上車両、船、宇宙機、航空機又は地上局に搭載された単一のシステムによって行うことも、又は1つ若しくは複数の車両又は地上システムに搭載され、ソフトウェアによって定義された通信デバイスと共に設置された複数のシステム間で共有することもできる。
【0027】
図1は、推定姿勢状態によって定義される現在の向き及び目標の向きからその姿勢を変更するために宇宙機がたどるべき経路を最適化するように、姿勢制御のためのレギュレータを設計するための概略プロセス100の例を示すフロー図であり、目標の向きは、宇宙機によって実行されるタスクに基づいて定義される(例えば、目標の向きは、地球観測衛星によって撮像される予定の地球の特定の領域によって定義される)。102では、角度位置及び角速度の観点から姿勢運動学及びシステム力学関数が定義される。いくつかの実装形態では、数式は、4つのリアクションホイールを有する宇宙機の場合の修正ロドリゲスパラメータ(MRP)に対する姿勢運動学及びオイラー力学方程式を使用して、宇宙機の運動学及び力学方程式を表現することができる。
【数1】
【0028】
式中、σ∈Rは、慣性座標系から機体座標系へのMRPベクトルであり(一般性を失うことなく、所望の慣性姿勢でゼロである)、ω∈Rは、機体座標系に記載される慣性座標系から機体座標系への角速度ベクトルであり、I3×3は、単位行列∈R3×3であり、u∈Rは、モデル化された外部トルク(一般性を失うことなく、0と仮定される)に制御トルクを加えたトルクの総和である。Π=J-JΥΥは、グループ分けした慣性である。J∈R3×3は、機体座標系に記載される衛星(ホイールを含む)の慣性行列である。Jは、スピンベクトルに沿ったリアクションホイールの慣性であり、Υ∈R3×4は、列が機体ベルソルにおける各スピンベクトルの方向である行列である。h=J(Υpwheels+Ω)であり、式中、pwheelsは、リアクションホイールのスピードベクトルであり、Ωは、各スピン方向にわたって投影されたωである(Ωはホイールスピードよりはるかに小さいため、通常は無視される)。σドット及びωドットはそれぞれ、ベクトルσ及びωの変化率であり、[σ×]は、ベクトルσから導き出される交差積行列である。
【0029】
姿勢運動学関数は、以下の公式によって定義される。
【数2】
【0030】
104では、姿勢運動学の疑似線形化式が得られるか又は定義される。数式の疑似線形化式は、
【数3】
の形態であり得、近似を行うことなく、姿勢自体に関する姿勢表現ベクトルσの変化率の依存性を捕捉するものであり、宇宙機などの高度に非線形のシステムに適している。状態ベクトルxは、σとωのスタック列ベクトルである。宇宙機の姿勢力学を左右するシステムの非線形性を反映する疑似線形化を選択することが重要である。スカラの事例を除いて、疑似線形化は、一意的ではなく、それらの任意の凸結合を使用することができる。この例では、姿勢運動学疑似線形化の選択及び最適な軌道をリアルタイムで自動的に生成するための方法は、局所漸近安定である方向付け軌道を提供する。この例の場合、シミュレーションされた性能に基づいて、以下の疑似線形化が選ばれており、式中、O3×3は、ゼロ行列∈R3×3である。
【数4】
【0031】
106では、二次費用関数が設定され、状態誤差費用Q(x)>0∈R6×6及び操作量費用R(x)>0∈R3×3によって成形される。総費用関数は以下の通りである。
【数5】
【0032】
総費用関数は、P(x)>0∈R6×6に対する代数リカッチ方程式(ARE)を解くことによって最小化され、トルクu(x)を演算する完全状態の非線形フィードバック制御法則が得られる。
0=P(x)A(x)+A(x)P(x)-P(x)B(x)R(x)-1B(x)P(x)+Q(x) (6)
u(x)=-R-1(x)B(x)P(x)x=-K(x)x (7)
【0033】
次いで、閉ループ系行列は以下の通りである。
【数6】
【0034】
宇宙機がその姿勢を現在状態姿勢から目標状態姿勢に変更している間は、状態ベクトルが変化し、AREが繰り返し解かれ、フィードバック制御法則が更新される。収束までそのようなフィードバックを適用することにより、推定状態姿勢から目標状態姿勢までの完全なマヌーバに対する費用関数が最小化される。
【0035】
この戦略は状態誤差及び操作量のノルムをほぼ最小化するため、仮に宇宙機が等慣性を有するとすれば、状態空間を通じる経路は、主回転ベクトルによって設定されることになり、他のいかなる経路も操作量を無駄にすることになる。しかし、宇宙機のその慣性モーメントに差が生じる場合は、他の回転の方が勝っている。本明細書で提示される実施形態の方法は、宇宙機の慣性にかかわらず、マヌーバを事前に演算することなく、最適な経路を自動的に生成し、それは大きな利点である。等慣性を有する宇宙機のような簡単な事例でさえ、方法は、モデル化されていない効果又は摂動にロバストであるという利点を有する。この理由は、何らかの理由で事前に定義された経路が失われた場合に、AREを解くことにより、現在の状態から最適な経路を回復できるためである。それに対して、従来の姿勢制御技法の事前に定義された誘導は、現在の状態を考慮することなく、事前に定義された経路をたどり、事前に定義された経路をたどって目標に向けて進み続け、それはもう最適とは言えなくなる。別の利点は、Q(x)とR(x)が状態空間の領域別のそれらの値のチューニングを介して最適な経路の加速度、減速度及び巡航スピードのみを成形するため、チューニングが非常に簡単なことである。この方法により、所望の姿勢を取得するために事前に演算されるフィードフォワード項が回避される。これらの利点は、実現可能な状態/入力方向付け軌道のu(x)=-K(x)e(x)+uref(e(x)=x-xrefである)及び{xref,uref}を設定するために、方向付け軌道をたどる状態ベクトルを得るための共通の手法を使用するLQ及びSDREレギュレータなどの先行技術の技法とは大いに異なる。
【0036】
図2は、衛星システムの姿勢マヌーバを制御するための概略プロセス200の例を示すフロー図であり、最適な方向付け軌道は、状態空間における事前に定義された軌道を使用することなく、及び、関連フィードフォワード項を使用することなく、方法によって定義されるトルクを設定することによってリアルタイムで生成される。この方法により、衛星は、リアルタイムで推定の向きから目標の向きに移行するための最適な方向付け軌道を描写する制御姿勢マヌーバを自律的に決定することができる。202では、検知された車両の向きに少なくとも部分的に基づいて、推定姿勢状態が決定される。いくつかの実装形態では、姿勢状態は、角速度を提供するジャイロスコープを使用して及び角度位置を提供するスタートラッカを使用して推定することができる。推定姿勢状態は、角速度及び姿勢表現を含み得る。例えば、衛星の角速度は、機体座標系において衛星の慣性座標系から機体座標系への角速度で表現することができ、姿勢表現は、修正ロドリゲスパラメータ(MRP)で表現することができる。
【0037】
204では、決定されたステップ(動作点)で、制御システムは、推定姿勢状態及び目標に少なくとも部分的に基づいて、衛星の姿勢マヌーバを制御するプログラミング命令のパラメータを決定する。パラメータは、システム(例えば、A(x)とB(x))を定義する行列及び重み付け係数(例えば、Q(x)状態誤差費用とR(x)操作量費用)を含み得る。その後、リアルタイムの最適誘導を提供するために複数のステップで制御法則が更新され、各ステップは、推定姿勢状態を有する。いくつかの例では、衛星が回転するように印加するトルクを決定するプログラミング命令のパラメータは、状態依存リカッチ方程式(SDRE)技法を使用して複数の動作点(例えば、各動作点)で非線形フィードバック制御法則を使用して決定される。例えば、4つのリアクションホイールを含む衛星システムを定義する行列A(x)及びB(x)は、ホイールの角運動量を説明するために力学が相応に変化することを考慮すると、以下の通り定義することができる。
【数7】
【0038】
式中、Πは、J-JΥΥであり、Jは、スピンベクトルに沿ったリアクションホイールの慣性であり、Υは、機体座標系において列として配列されたリアクションホイールセットロータ方向ベルソルであり、Υ∈R3×4は、機体ベルソルにおける各スピンベクトルの方向をその列に有する。h=JΥpwheelsであり、式中、pwheelsは、リアクションホイールスピードベクトルである。
【0039】
206では、プログラミング命令の決定されたパラメータに対して代数リカッチ方程式(ARE)が解かれ、プログラミング命令は、衛星の姿勢マヌーバを制御するために力を印加するようにアクチュエータに指示するための制御アクションを提供する。制御アクションを演算するため、異なる手法に従って、P(x)に対してAREを解くことができる。いくつかの実施形態では、初期の推測P(x)から結果P(x)を反復して検索するニュートン・ラフソン法を使用して、SDRE戦略を実施することができる。ニュートン・ラフソン法のステップは、数値的に安定しており、必要に応じて安定化閉ループ中間結果を出すという利点を有するため、誤差補正のために使用することができる。AREは、制御ステップあたり最大でN回の反復を有するニュートン・ラフソン法を使用して解かれ、初期の推測P(x)から始まり、PNR(x)=P(x)を見出す。ステップP(x)は、後続の反復に対して最新の反復が使用されるように、PNR(x)(P(x)=PNR(x))として設定される。Pは、正定値であるように及び大域安定化閉ループ系をもたらすように選ばれる。いくつかの実装形態では、解を容易に見出せない場合は、戦略は、最適ではない場合であってもBIBO(有界入力有界出力)の意味でシステムの安定化に役立つ制御フィードを可能にし、PNR(x)=P(x)である。解に至った後は、状態ベクトルはステップごとにそれほど変化しないことが予期されることを理由に、前の解を初期の推測として設定できるため、反復回数は少なくて済む。アプリケーションがコールドスタートされるか又は演算誤差により無効の解が得られた場合は、方程式を解くために初期の推測を設定すること(又は処理時間が残っていない場合はそれを実際に使用すること)は、システムの安定性に対して有益である。いくつかの実施形態では、問題は、一般性を失うことなく外部トルクが0と見なされる大域的リアプノフ安定化制御システムを用いることによって対処される。
u=-PgainσI2B-DgainωI2B (11)
【0040】
そして、方程式(9)を使用することにより、利得は、初期の推測を形成するために以下の通り分解することができる。
【数8】
【0041】
分解された行列は、一意的ではないが、正定値であるように及び大域安定化閉ループ系をもたらすように選ばれるべきである。(11)を使用して初期の推測を形成するため、11は、他のブロックが設定された後の良条件のP正定値行列を表す正対称行列であるべきであり、12及び22は、以下の通り得られるべきである。
(ΠR(x)Pgain12
ΠR(x)Dgain22 (13)
【0042】
本明細書で説明されるように初期の推測でアプリケーションをコールドスタートすることにより、演算能力が持続し、且つ、数値誤差が生まれない場合は、解の最適性が保証される。初期の推測を前の解に更新することにより、動作点がそれほど変化しない場合は、必要な演算は少なくて済む。それに加えて、いくつかの実施形態では、何らかの理由でリカッチ方程式の解を見出せない場合は、本明細書で説明されるように初期の推測に基づいて(PNR(x)=P(x))、大域漸近安定性を伝える非最適制御出力が適用される。
【0043】
208では、AREを解くための次の反復に対する初期の推測(P(x))が設定され、それは、現行の反復においてAREを解いた後に得られる。
【0044】
210では、プログラミング命令は、アクション制御を決定し(例えば、トルクを見出す)、アクチュエータは、制御法則によって提供されたアクション制御に従って衛星を方向付ける。いくつかの実装形態では、最適な経路を提供するためにARE方程式を解いて見出される最適制御法則は、u(x)=-R-1P(x)xであり、式中、PNR(x)=P(x)である。
【0045】
所定の姿勢、角速度及び/又は角加速度の場合、制御法則(プログラミング命令)は、所定の姿勢、角速度及び/又は角加速度に対する重み付け係数(例えば、状態誤差費用及び操作量費用)を決定することと、費用関数を設定することと、AREを解くことによって費用関数を最小化することとによって、完全な軌道に沿った設定トルクのノルムの総和が最小であるアクション制御(トルク)を提供する。制御法則は、所定の姿勢、角速度及び/又は角加速度で姿勢マヌーバを制御するためにトルクを提供する。状態誤差及び制御費用を考慮すると、完全な軌道に対するトルクのノルムの総和は最適である。仮に宇宙機が等慣性を有するとすれば、印加トルクを最小化するように回転ベクトルが変化する事例には当てはまらないため、主回転ベクトルのオイラーの原理に従い、ベクトルは、マヌーバ全体を通じて固定される。自動的に定義される回転ベクトルに加えて、Q(x)(状態誤差費用)及びR(x)(操作量費用)重み関数は、速度曲線の形状を定義し、状態空間特有のセットに基づいて選択することができる。操作量重み行列R(x)が優位である場合は、小さなトルクしか印加されず、衛星の角運動量はそれほど変化しない可能性が高い(通常のフィードフォワード台形誘導戦略の一定の角速度部分に適切である)。他方では、状態誤差重み行列Q(x)が優位である場合は、大きなトルクを印加することができ、重み付き誤差ノルムは急激に降下することが予期される(目標への最終的な収束接近のチューニングに適している)。これにより、状態空間の特定のセット内の挙動が独立して選択されるシミュレーションを介して、簡単且つ効果的なチューニングプロセスが可能になる。
【0046】
例えば、550kmの高度を42.7度の傾斜で円軌道する40kgの重量の地球低軌道衛星(運動量を取り除くために4つのリアクションホイール及び磁気トルカのセットで構成されるアクチュエータを有する)において行われた実験は、大規模なマヌーバにおいて優れた性能を示し、低いトルク及び電力消費のためのチューニングを行って100度の任意のマヌーバ(1秒あたり1.5度近く)の操作に成功した。図3には、図4A図4B及び図4Cに見られるほぼ任意の回転軸(すなわち、衛星の慣性主軸とは位置合わせされない)で、30~90度超の範囲の21回のマヌーバからの角度誤差が示されている。{e1;e2;e3}セットの初期の成分は、実際には、等慣性を有する宇宙機に対する最適誘導をもたらすことになる主回転ベクトルを示しており、それがスムーズに変化するという事実(特に角度が依然として代表的なものである間は、任意の方向において最終的な補正が行われる)は、実際の宇宙機の慣性に対する最適誘導によるものである。任意の大規模なマヌーバに対する瞬時回転ベクトル{e1,e2,e3}の時間に伴うスムーズな進行は、モデル化されていない効果の近似最適性及び補正に関する戦略の安定性及びロバスト性を示す。従うべき事前に定義された回転ベクトルは存在せず、従って、スムーズな軌道(ほぼ単一の回転において行われる)は、経路を自動的に設定するSDRE最適制御戦略によるものである。
【0047】
システムのチューニングは、非常に小さなトルク延いては電力消費で1秒あたり1.5度近くの巡航性能を可能にし(4mNm超に達することがほとんどないトルクで示されている)、アクチュエータを飽和から遠ざけた(図5A図5B図5C及び図5Dの図を参照)。演算能力に関しては、アプリケーションのコールドスタートからリカッチ方程式を解くのに、ニュートン・ラフソン法の10~20回の反復で十分であり、前のステップの最適解から始める際は、2~3回の反復が必要であった。マヌーバのロバスト性については、任意の大規模なマヌーバに対する回転ベクトルとトルクの両方の一貫した挙動を通じて気付くはずである。
【0048】
図6は、本開示の実施形態による、車両の姿勢マヌーバを制御するための姿勢制御モジュールを含むシステムの図解である。衛星システム600は、衛星602と、スタートラッカ、地平線センサ、太陽センサ又はこれらの任意の組合せなどのセンサ604と、姿勢制御モジュール606と、磁気トルカ、リアクションホイール、モーメンタムホイール、コントロールモーメンタムジャイロ又はスラスタなどのアクチュエータを有する姿勢制御機構608であって、例えば撮像センサ610を地球612の特定のゾーンに指向させるために衛星602にトルクを印加するように構成された姿勢制御機構608とを含み得る。姿勢制御モジュール606は、一連の姿勢マヌーバが費用関数を最小化するという意味で状態空間における最適な方向付け軌道をたどるように、姿勢制御機構608を通じてトルク(制御アクション)を印加するためにプログラミング命令を実行するように構成された非線形最適レギュレータなどのコントローラ614を含み得る。プログラミング命令は、オフラインでもマヌーバを開始する際でもマヌーバを事前に定義することなく、費用関数をオンラインで自律的に最小化することによって、制御アクションを提供する。この方法で計算された制御アクションは、誤差又は脱漏によるモデルの不完全性に反してロバストな制御方法を提供する。本明細書で説明される制御方法のパラメータは、調整が容易であり、その調整は、状態空間の1つ又は複数のゾーンを通じて独立して行われる。いくつかの実施形態では、姿勢制御方法は、局所漸近安定性を提供し、角速度及びリアクションホイールの速度の一定の限度内でマヌーバを開始した場合は、事前に定義された時間内に常に収束する。それにもかかわらず、最適戦略が事前に定義された時間内での収束に失敗した事例では、制御システムは、準最適戦略などの追加の制御戦略も適用する。それに加えて、本明細書で説明される戦略は、BIBO安定化フィードバック制御法則を順守しながら、時間を通じて負担を分散するため、低処理能力プラットフォームと互換性があり、安定性、ロバスト性、性能及び最適性を提供する。
【0049】
また、衛星システム600は、メモリ616も含み得る。メモリ616は、1つ又は複数のプロセッサ618においてロード可能且つ実行可能なプログラム命令及びプログラムモジュールのみならず、これらのプログラムの実行の間に生成された及び/又はこれらのプログラムとの併用が可能なデータ(姿勢状態など)も格納することができる。姿勢制御モジュール606は、1つ又は複数の入力/出力インタフェースを通じて姿勢制御機構608を制御する(姿勢制御機構608の様々な機械的側面を動かすか、位置決めするか又は別の方法で操作するために1つ又は複数の電子制御を通じてアクチュエータを制御することを含む)ために、1つ又は複数のプロセッサによって実行可能であり得る。使用されるコンピューティングデバイスの構成及びタイプに応じて、メモリ616は、揮発性メモリ(ランダムアクセスメモリ(RAM)など)及び/又は不揮発性メモリ(読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリなど)を含み得る。また、メモリ616は、追加の取り外し可能な記憶装置及び/又は取り外し不能な記憶装置も含み得、これらに限定されないが、フラッシュメモリ、磁気記憶装置及び/又は光学記憶装置、並びに/或いは、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール及び他の有用なデータの不揮発性記憶を提供することができるテープ記憶装置を含む。メモリ616は、非一時的なコンピュータ可読媒体の例である。非一時的なコンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又は他のデータなどの情報の格納のために任意のプロセス又は技術において実装される揮発性及び不揮発性、取り外し可能及び取り外し不能な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、これらに限定されないが、相変化メモリ(PRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、他のタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的消去型プログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ(1つ若しくは複数の不揮発性メモリカードに含めることができるもの及び、シングルレベルセル技術とマルチレベルセル技術の両方を有するフラッシュを含むものなどのNANDフラッシュメモリなど)又は他のメモリ技術、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)又は他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置又は他の磁気記憶装置、或いは、コンピューティングデバイスによるアクセスのために情報を格納するために使用することができる他の任意の非伝送媒体を含む。
【0050】
結論
本開示は、構造上の特徴及び/又は方法論的行為に特有の言語を使用しているが、本発明は、説明される特定の特徴又は行為に限定されない。むしろ、特定の特徴及び行為は、本発明を実装する例証形態として開示される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
【国際調査報告】