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特表2022-523162神経活動をモデル化するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-21
(54)【発明の名称】神経活動をモデル化するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/372 20210101AFI20220414BHJP
【FI】
A61B5/372
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021546706
(86)(22)【出願日】2020-02-12
(85)【翻訳文提出日】2021-09-24
(86)【国際出願番号】 US2020017988
(87)【国際公開番号】W WO2020167997
(87)【国際公開日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】62/804,432
(32)【優先日】2019-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.XBOX
2.JAVA
3.JAVASCRIPT
4.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】521123079
【氏名又は名称】サージカル シアター,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ギドン,ナブロツキー
(72)【発明者】
【氏名】アヴィサル,モルデチャイ
(72)【発明者】
【氏名】ゲリ,アロン,ヤコブ
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA03
4C127GG16
4C127HH13
(57)【要約】
神経活動をモデル化するためのシステムは、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のコンピュータ可読有形的記憶装置、および1つ以上の記憶装置の少なくとも1つ上に格納されたプログラム命令を有するコンピュータを含む。プログラム命令は、脳上に配置された複数の電極に結合されたEEG装置によって生成された脳波(「EEG」)データを受信し、EEGデータは複数の電極により、ある期間にわたって検出された電気的活動を表す複数の波形を含み;脳を表すグラフィカル脳モデルを生成し;EEGデータを、電気的活動を表すグラフィカルEEGモデルに変換して;EEGモデルを脳モデルと統合し、それにより脳モデルとの関連においてEEGモデルの可視化およびEEGモデルとの相互作用を可能にして;統合されたEEGおよび脳モデルをディスプレイに伝達するように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイと、
コンピュータであって、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のコンピュータ可読有形的記憶装置、および前記1つ以上のプロセッサの少なくとも1つによる実行のために前記1つ以上の記憶装置の少なくとも1つ上に格納されたプログラム命令を含み、前記プログラム命令は、
脳上に配置された複数の電極に結合されたEEG装置によって生成された脳波(「EEG」)データを受信することであって、前記EEGデータは前記複数の電極により、ある期間にわたって検出された電気的活動を表す複数の波形を含むことと、
前記脳を表すグラフィカル脳モデルを生成することと、
前記EEGデータを、電気的活動を表すグラフィカルEEGモデルに変換することと、
前記EEGモデルを前記脳モデルと統合し、それにより前記脳モデルとの関連において前記EEGモデルの可視化および前記EEGモデルとの相互作用を可能にすることと、
前記統合されたEEGおよび脳モデルを前記ディスプレイに伝達することと
を行うように構成されている、コンピュータと
を備える、神経活動をモデル化するためのシステム。
【請求項2】
前記脳モデル、前記EEGモデル、および前記統合モデルは3次元モデルを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記EEGデータによって表される前記電気的活動は脳発作を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記コンピュータは、前記EEGデータを、前記脳内部の異なる位置における前記神経活動の強度を表すヒートマップを生成することにより電気的活動を表すグラフィカルEEGモデルに変換するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記コンピュータは、
解剖学的構造上に配置された前記EEG電極を含む前記解剖学的構造の画像を分析することと、
前記EEG電極の位置を自動的に検出することと、
前記EEG電極の位置を前記複数の波形と相関させることと
を行うことにより、前記EEGデータをグラフィカルEEGモデルに変換するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記コンピュータは、前記波形中で異常を検出して、前記異常を前記EEG電極の位置と関連付けるようにさらに構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記コンピュータは、EEGデータを前記EEG装置から直接、リアルタイムで受信するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記コンピュータは、前記脳モデルを分析して血管の位置を決定し、電極を配置するための頭蓋上の少なくとも1つの位置を、前記血管と、前記電極の前記位置から始まる軌道との間の近接が最小限になるように、決定することにより、前記脳の前記頭蓋上に前記電極を安全に配置するための推奨を提供するようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記コンピュータは、前記脳の表面をマッピングし、それにより前記マップが、前記血管と、前記マップ上の位置から始まる軌道との間の前記近接を示すように、さらに構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記コンピュータは、履歴てんかんデータから学習して、電極配置および異常検出の少なくとも1つを含む、将来のてんかん治療のための提案を提供するように構成された人工知能コンピュータを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
脳上に配置された複数の電極に結合されたEEG装置によって生成された脳波(「EEG」)データを受信することであって、前記EEGデータは前記複数の電極により、ある期間にわたって検出された電気的活動を表す複数の波形を含むことと、
前記脳を表すグラフィカル脳モデルを生成することと、
前記EEGデータを、電気的活動を表すグラフィカルEEGモデルに変換することと、
前記EEGモデルを前記脳モデルと統合し、それにより前記脳モデルとの関連において前記EEGモデルの可視化および、前記EEGモデルとの相互作用を可能にすることと、
前記統合されたEEGおよび脳モデルをディスプレイに伝達することと
を行うステップを含む、神経活動をモデル化するための方法。
【請求項12】
前記脳モデル、前記EEGモデル、および前記統合モデルは3次元モデルを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記EEGデータによって表される前記電気的活動は脳発作を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記EEGデータを、電気的活動を表すグラフィカルEEGモデルに変換することは、前記脳内部の異なる位置における前記神経活動の強度を表すヒートマップを生成することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記EEGデータをグラフィカルEEGモデルに変換することは、
解剖学的構造上に配置された前記EEG電極を含む前記解剖学的構造の画像を分析することと、
前記EEG電極の位置を自動的に検出することと、
前記EEG電極の位置を前記複数の波形と相関させることと
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記波形中で異常を検出して、前記異常を前記EEG電極の位置と関連付けることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記EEGデータを受信することは、前記EEGデータを前記EEG装置から直接、リアルタイムで受信することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記脳モデルを分析して血管の位置を決定し、電極を配置するための頭蓋上の少なくとも1つの位置を、前記血管と、前記電極の前記位置から始まる軌道との間の近接が最小限になるように、決定することにより、前記脳の前記頭蓋上に前記電極を安全に配置するための推奨を提供することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記脳の表面をマッピングし、それにより前記マップが、前記血管と、前記マップ上の位置から始まる軌道との間の前記近接を示すようになることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
履歴てんかんデータから学習して、電極配置および異常検出の少なくとも1つを含む、将来のてんかん治療のための提案を提供するために人工知能技術を使用することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年2月12日に出願された米国仮特許出願第62/804432号からの優先権を主張し、それは参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
開示の分野
本開示は、外科手術の分野に関し、より詳細には、てんかん治療の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
脳内での電気的活動の急激な高まりによって特徴付けられる、てんかん発作は、例えば、外傷、脳卒中、または感染症などの、様々な要因によって生じるか、または引き起こされ得る。てんかん発作は、人の外見または機能能力に影響を及ぼし得る。一連のてんかん発作を経験すると一般に、てんかん、予想不可能なてんかん発作によって特徴付けられる慢性疾患、という診断となる。診断されず未治療のままにされた場合、てんかんは、学習問題、睡眠問題、原因不明の外傷、および死亡リスクなどの、健康および社会的問題を引き起こし得る。
【0004】
その疾病の複雑な性質に起因して、てんかんの管理は困難であり得る。薬物の投与はてんかんを治療するための1つの考えられる方法であるが、必ずしも効果があるとは限らない。自分のてんかん発作が薬物または食事によって管理できないてんかん患者にとって、外科手術からの新しい機能障害を最小限にしながら、てんかん発生帯を正確に特定して取り除くことは極めて重要である。てんかん発作を引き起こしている脳の領域を取り除くために外科手術を行うことは別の、時として、より効果的な治療法である。かかる外科手術を行うために、てんかん発作を引き起こしている脳の領域をまず、特定する必要がある。
【0005】
硬膜下および/または深部電極を用いた頭蓋内脳波(EEG)の監視は、てんかん発生帯の外科位置決めのために広く使用されている。具体的には、いくつかの電極が頭皮上の異なる点に配置されて、電線によってEEG装置に接続される。異なる電極が電気的活動を検出すると、EEG装置はその活動を一連の痕跡として記録し、各痕跡は、脳内の位置に対応する。痕跡を分析して電気的活動のあるパターンを特定することにより、脳内の大まかな位置が、てんかん発作の源として特定され得る。EEG異常は訓練された神経科医によって解釈され、電極配置は、定位ガイダンス、または深部電極を埋め込むための定位的頭蓋内脳波(SEEG)法を使用して、脳神経外科医によって行われる。
【0006】
しかし、てんかん発作の源として位置を特定する能力は、電極を効果的に配置して正確な読取りを可能にする能力に一部、基づく。電極配置計画は、標準DICOMデータセットを使用して行われるので、時間のかかるプロセスであり得る。さらに、SEEG電極埋め込みに関する技術的複雑さは、手術ミスの余地を残し、その結果として、特に経験の乏しい外科医に対して、合併症の高い危険性をもたらす。電極の配置位置を間違えると、不正確または不完全なデータとなり得る。その上、一連の痕跡を解釈して、その痕跡を、てんかん発作を引き起こしている領域を外科医が効率的かつ効果的に取り除くために使用できる、脳内の視覚的位置に効果的に変換することは困難であり得る。例えば、データの解釈が不正確または困難であるため、てんかん発作を引き起こしている脳の部位を完全に取り除くために、かかる外科手術は一般に2回以上行われる。またはいくつかの事例では、脳の不必要な部分が取り除かれ得る。これは患者に対して不必要な外傷を与え得る。深部電極埋め込みのSEEG法は、長期にわたって報告された成功した記録を有するが、最適な配置、てんかん発作制御、合併症率、ならびに二次的計画および手術時間に関してまだ改善の余地がある。結果として、てんかん発作の治療のための外科的介入は一般に、十分に活用されていない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
神経活動をモデル化するためのシステムは、ディスプレイおよびコンピュータを含む。コンピュータは、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のコンピュータ可読有形的記憶装置、および1つ以上のプロセッサの少なくとも1つによる実行のために1つ以上の記憶装置の少なくとも1つ上に格納されたプログラム命令を含む。プログラム命令は、脳上に配置された複数の電極に結合されたEEG装置によって生成された脳波(「EEG」)データを受信し、EEGデータは複数の電極により、ある期間にわたって検出された電気的活動を表す複数の波形を含み;脳を表すグラフィカル脳モデルを生成し;EEGデータを、電気的活動を表すグラフィカルEEGモデルに変換して;EEGモデルを脳モデルと統合し、それにより脳モデルとの関連においてEEGモデルの可視化およびEEGモデルとの相互作用を可能にして;統合されたEEGおよび脳モデルをディスプレイに伝達するように構成される。
【0008】
神経活動をモデル化するための方法は、脳上に配置された複数の電極に結合されたEEG装置によって生成された脳波(「EEG」)データを受信することであって、EEGデータは複数の電極により、ある期間にわたって検出された電気的活動を表す複数の波形を含むこと;脳を表すグラフィカル脳モデルを生成すること;EEGデータを、電気的活動を表すグラフィカルEEGモデルに変換すること;EEGモデルを脳モデルと統合し、それにより脳モデルとの関連においてEEGモデルの可視化およびEEGモデルとの相互作用を可能にすること;ならびに統合されたEEGおよび脳モデルをディスプレイに伝達することを行うステップを含む。
【0009】
添付の図面では、以下で提供される詳細な説明と共に、クレームされる発明の例示的な実施形態を説明する構造が示されている。同様の要素は同じ参照番号で識別される。単一の構成要素として示されている要素は、複数の構成要素で置き換えられ得、複数の構成要素として示されている要素は、単一の構成要素で置き換えられ得ることが理解されるべきである。図面は原寸に比例しておらず、ある要素の比率は説明のために誇張され得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】神経活動モデル化および治療計画システム例を示す。
図2】EEG出力例を示す。
図3】てんかん発作モデル化および治療計画コンピュータ例300のブロック図を示す。
図4】モデル脳例を示す。
図5】モデル脳例を示す。
図6】モデル脳例を示す。
図7】MD6DMモデル例に基づく3Dモデルのビュー例を示す。
図8】脳のビュー例を示す。
図9】脳のビュー例を示す。
図10】脳のビュー例を示す。
図11】脳のビュー例を示す。
図12】データのセットを色分けされたヒートマップへ変換するためのグラフ例を示す。
図13】企業向けソリューションにおいて実装された神経活動モデル化および治療計画コンピュータの一例を示す。
図14】神経活動をモデル化するための方法例を示す。
図15図1の神経障害コンピュータ例を実装するコンピュータシステム例を示す
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の頭字語および定義は詳細な説明の理解に役立つであろう:
【0012】
AR-拡張現実-その要素が、音声、ビデオ、またはグラフィックスなどのコンピュータ生成された感覚要素によって強化されている物理的な現実世界環境のライブビュー。
【0013】
VR-仮想現実-人により様々な度合いで探索してやり取りできる、3次元のコンピュータ生成された環境。
【0014】
HMD-ヘッドマウントディスプレイは、ARまたはVR環境内で使用できるヘッドセットを指す。それは有線または無線であり得る。それは、ヘッドホン、マイクロホン、HDカメラ、赤外線カメラ、ハンドトラッカー、位置トラッカーなどの、1つ以上の付加装置も含み得る。
【0015】
コントローラ-ボタンおよび方向コントローラを含む装置。それは有線または無線であり得る。この装置の例は、Xboxゲームパッド、PlayStationゲームパッド、Oculusタッチなどである。
【0016】
SNAPモデル-SNAP事例は、患者の1つ以上のスキャン(CT、MR、fMR、DTIなど)を使用してDICOMファイルフォーマットで作成された3Dテクスチャまたは3Dオブジェクトを指す。それは、3Dテクスチャにおいて特定の範囲をフィルタリングして、他を着色するための区分化の異なる事前設定も含む。それは、対象となる特定の点または解剖学的構造に印を付けるための3D形状、3Dラベル、3D測定マーカー、誘導のための3D矢印、および3D手術ツールを含む、場面内に置かれた3Dオブジェクトも含み得る。手術ツールおよび装置は、教育および患者固有のリハーサルのため、特に動脈瘤クリップを適切なサイズにするために、モデル化されている。
【0017】
アバター-アバターは、仮想環境内部のユーザーを表す。
【0018】
MD6DM-多次元完全球面仮想現実、6自由度モデル。それは、医師が、完全球面仮想現実環境内でインターベンションを経験、計画、実施、およびナビゲートするのを可能にするグラフィカルシミュレーション環境を提供する。
【0019】
参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第8,311,791号で以前に記述されている手術リハーサルおよび準備ツールは、静的CTおよびMRI医用画像を、医師により医療処置をリアルタイムでシミュレートするために使用できる、事前に構築されたSNAPモデルに基づき、動的で相互作用的な多次元完全球面仮想現実、6自由度モデル(「MD6DM」)に変換するために開発されている。MD6DMは、医師が、完全球面仮想現実環境内でインターベンションを経験、計画、実施、およびナビゲートするのを可能にするグラフィカルシミュレーション環境を提供する。具体的には、MD6DMは、従来型の2次元の患者医療スキャンから構築された、固有の多次元モデルを使用してナビゲートする能力を外科医に提供し、それは、全容積球面仮想現実モデルにおいて球面仮想現実に6自由度(すなわち、線形;x、y、z、および角度の、ヨー、ピッチ、ロール)をもたらす。
【0020】
MD6DMは、CT、MRI、DTIなどを含む患者自身の医用画像のデータセットから構築されたSNAPモデルを使用してリアルタイムでレンダリングされて、患者固有である。Atlasデータなどの、代表的な脳モデルは、外科医がそう望む場合には、部分的に患者固有のモデルを作成するために統合できる。そのモデルはMD6DM上の任意の点からの360°の球面ビューをもたらす。MD6DMを使用すると、観察者は、仮想的に解剖学的構造の内部に位置付けられて、あたかも観察者が患者の身体内部に立っているかのように、解剖学的構造および病理学的構造の両方を見て観察することができる。観察者は、上を見る、下を見る、肩越しに見るなどが可能であり、患者内で見られる通りに正確に、天然の構造を相互に対して見るであろう。MD6DMを使用して、内部構造間の空間的な関係が維持されて、理解できる。
【0021】
MD6DMのアルゴリズムは、医用画像情報を取り込んで、それを球面モデル、解剖学的構造内部を「飛び」ながら任意の角度から見ることができる完全な連続したリアルタイムモデル、に構築する。具体的には、CT、MRIなどで、実際の生体を取り込み、それを数千の点から構築された数百もの薄切片に分解した後に、MD6DMはそれを、内側および外側の両方からそれらの点の各々の360°ビューを表すことによって3Dモデルに戻す。
【0022】
本明細書で説明されるのは、事前に構築されたSNAPモデルを利用する、360°AIシステムであり、まず「セカンドオピニオン」を提供して、神経科医のEEG解釈および脳神経外科医の手術計画を検証し、最終的にこれらの決定を誘導して安全で効果的なてんかん治療を提供する機械学習を実装する。説明されるAIシステムは、2つのサブシステム、(1)神経内科のための360°AIソリューション、および(2)脳神経外科のための360°AIソリューション、を含む。神経内科のための360°AIソリューションは、統合された360°解剖学的ジオマッピング/EEGコンピュータビジョンソリューションを作成して、脳内部の正確な空間位置に挿入された電極と共にSNAPモデル内にレンダリングされた360°VRモデルを示す。それは、電極検出ごとにEEGグラフ出力を示して、外科医が、電極の物理的位置と、それによって検出されたグラフ測定値を関連付けるのを支援する。追加として、360°AIソリューションは、専用の機械学習アルゴリズムを使用して、EEG異常を正確に検出し、それらを、てんかん発作のエピセンターを示すヒートマップを使用して、電極自体の特定の360°VR球面位置に関連付ける。脳神経外科のための360°AIソリューションは、ケースバイケースで、電極埋め込みのための最も安全な侵入点および軌道を計算する。360°AIソリューションは、患者固有の360°VR(SNAP)モデル内部で血管を特定して、頭蓋内出血を回避するために血管を避ける軌道を見つける方法を学習する。360°AIソリューションは、必要なリードの数を最小限にするために単一のリードによって検出され得る複数の標的も見つける。
【0023】
てんかん手術のための360°AIシステムは、てんかん治療プロセスを簡素化して、正確で詳細な電極計画およびEEG分析を提供しながら、ワークフローを改善し、それは、てんかん発生帯のより成功した位置決めにつながり得、その結果として持続的なてんかん発作制御またはてんかん発作からの解放にさえつながり得る。具体的には、360°AIシステムは、最適な電極角度および侵入点、ならびに血管、溝、およびまたは他の敏感な構造に遭遇することのない標的部位への最も安全な経路を推奨することにより、SEEG電極配置を誘導するのを支援する。効率的な術前計画ならびに、より安全な術中の可視化およびナビゲーションを可能にすることにより、本システムは、事前に構築された患者固有のSNAPモデルを利用して、SEEG電極移植の計画および手術時間も短縮し、頭蓋内出血などの合併症率およびてんかん発生帯特定に役立つ追加の電極の必要性を低下させる。
【0024】
図1は、3D内での神経障害の可視化を可能にして治療の計画を立てるために、事前に構築されたSNAPモデルを利用する神経活動モデル化および治療計画システム(「神経活動システム」)例100を示す。具体的には、神経障害システム100は、MD6DMモデルによって表されるとおりに、神経障害の3D表現を患者の脳の3D表現内部で可視化するのを可能にする。本明細書で説明されるいくつかの例は、てんかん発作の3Dでのモデル化および可視化に具体的に言及し得るが、神経障害システム例100は同様に、例えば、アルツハイマー病および睡眠障害などの、任意の神経障害を可視化およびモデル化するために使用され得ることが理解されよう。システム100は、本明細書では具体例と共に神経障害のモデル化および治療に言及し得るが、システム100は、任意の形の神経活動をモデル化するためにも使用され得ることがさらに理解されよう。
【0025】
神経障害システム100は、患者106の頭蓋104上に配置するための電極102を含む。神経障害システム100は、任意の適切な数の電極102を含み得る。電極102は、頭蓋104下の脳(図示せず)内における電気的活動を検出する。電極102は、電極102によって検出された電気的活動を収集する脳波(EEG)装置108に結合される。電極102とEEG装置108との間の結合、および本明細書で言及される他の全ての結合は、無線または有線結合のいずれかであり得る。
【0026】
EEG装置108は、電気的活動を表すEEG出力110を生成する。図2にさらに詳細に示されるように、EEG出力110は、脳の異なる領域で異なる電極102により、ある期間にわたって検出された電気的活動に対応する一連の痕跡または波形202を含む。図1に戻って参照すると、神経障害システム100はデータベース112をさらに含む。一例では、EEG装置108は、将来の取得および分析のためにEEG出力110をデータベース112に格納する。一例では、データベース112は、患者の解剖学的構造を表すSNAPモデルをさらに含む。
【0027】
神経障害システム100は、事前に構築されたSNAPモデルをロードする神経障害モデル化および治療計画コンピュータ(「神経障害コンピュータ」)114をさらに含む。一例では、神経障害コンピュータ114は、事前に構築されたSNAPモデル116をデータベース112から取得する。神経障害システム100は、事前に構築されたSNAPモデルに基づき、MD6DMモデル116をレンダリングしてディスプレイ118に伝達する。一例では、ディスプレイはヘッドマウントディスプレイ(「HMD」)を含む。
【0028】
神経障害コンピュータ114はさらに、EEG出力110を受信する。一例では、神経障害コンピュータ114は、以前に生成されたEEG出力110をデータベース112から取得する。別の例では、神経障害コンピュータ114は、EEG出力110をEEG装置108から直接、リアルタイムで受信する。
【0029】
神経障害コンピュータ114は、EEG出力110に基づいて3D神経障害モデル120を生成する。具体的には、神経障害コンピュータ114は、痕跡202によって表されたデータを3D神経障害モデル120に変換する。一例では、神経障害コンピュータ114は、脳内の異なる位置において、電気的活動に基づき、神経障害(てんかん発作など)の強度または存在を表すヒートマップを生成する。
【0030】
神経障害コンピュータ114は、MD6DMモデル116を修正して、ディスプレイ118に伝達される際に3D神経障害モデル120をMD6DMモデル116に組み込み、それによりユーザーがMD6DMモデル116との関連において3D神経障害モデル120を可視化してそれと相互作用できるようにする。言い換えれば、ユーザーは脳内部の神経障害を仮想的に見て、神経障害とやり取りすることができる。これは、医師などの、ユーザーが、EEGデータ110を効果的かつ効率的に解釈し、神経障害の源として脳内の位置を正確に特定するのを可能にする。それ故、例えば、てんかん発作の事例では、医師は手術を効果的に計画して、ミスの可能性を減らし、かつ患者に対する不必要な外傷の可能性を減らしながら、てんかん発作を引き起こしている領域を脳から取り除くことができる。
【0031】
一例では、神経障害コンピュータ114は、患者106の頭蓋104上に電極102を位置付けるための推奨を提供するのに役立つ。これは、より正確な配置を可能にし、それによりミスをなくし、結果として収集されるデータの精度を高める。一例では、神経障害コンピュータ114は、人工知能アルゴリズムを使用し、以前の電極配置の履歴データを使用して訓練または学習し、その訓練に基づき推奨を行う。
【0032】
神経障害コンピュータ114は、神経障害システム100のてんかん発作のモデル化および治療アプリケーション例を具体的に参照して、さらに理解されるであろう。図3は、本明細書でAIソリューションまたはシステムとも呼ばれる、てんかん発作モデル化および治療計画コンピュータ例300(すなわち、図1の神経障害コンピュータ114)のブロック図を示す。AIシステム300は、3つのモジュール、すなわち、AI脳神経外科モジュール302、AI神経内科モジュー308、およびセンサー配置モジュール314を含み、それらは本明細書でさらに詳細に説明される。
【0033】
AI脳神経外科モジュール302は、てんかんおよびてんかん発作のモデル化および治療のために電極を配置するために患者の脳へ入るためのガイダンスを提供する。具体的には、AI脳神経外科モジュール302は、センサーを含む電極の侵入点および軌道に対する最も安全なアプローチを外科医に提案するための人工知能安全性信号サブモジュール304を含む。例えば、図4に示すモデル脳400では、人工知能安全性信号サブモジュール304は、脳400内で血管402を特定し、血管402からできる限り遠く離れて進むリード404の配置安全性のために軌道を見つける方法を学習する。
【0034】
再度、図3を参照すると、一例において、360人工知能安全性信号サブモジュール304は、血管への近接を区別する色に従って頭蓋の表面をマッピングする。例えば、360人工知能安全性信号サブモジュール304は、頭蓋を赤、黄、および緑色でマッピングし得る。かかる例では、赤は血管構造に最も近接した軌道(すなわち、1mm未満)を示し得、黄はこの点を通る軌道が血管に近い(すなわち、2mm未満)ことを示し得、緑はこの点を通る軌道が血管から適度に離れている(すなわち、2mmを上回る)ことを示し得る。
【0035】
AI脳神経外科モジュール302は、人工知能加重リスク/利益信号サブモジュール306をさらに含む。人工知能加重リスク/利益信号サブモジュール306は、単一のリードで検出され得るいくつかの標的を見つけることにより必要なリード数を最小限にする。
【0036】
AI神経内科モジュー308は、統合解剖学的ジオマッピング/EEGコンピュータビジョンモジュール310を含み、その目的は、EEGにおける異常が脳内のどこに位置付けられるかという質問に答えるのを可能にすることである。統合解剖学的ジオマッピング/EEGコンピュータビジョンモジュール310は、てんかん治療の連続にいくつかのステップを組み込む。具体的には、統合解剖学的ジオマッピング/EEGコンピュータビジョンモジュール310は、図4に示されるように、接点を脳内の正確な空間位置に挿入した360モデルを示す。図5は、センサー検出502ごとのEEGグラフ出力(すなわち、図2のEEG出力110)を含む、モデル脳400をさらに示して、外科医が、センサーの物理的位置と、それによって検出されたグラフ測定値を関連付けるのを支援する。統合解剖学的ジオマッピング/EEGコンピュータビジョンモジュール310は、センサーを含む、解剖学的構造のCT/MRIスキャンを使用して、360解剖学的構造の再構築(すなわち、事前に構築されたSNAPモデル)内でセンサー位置を自動的に検出する。この情報に基づき、解剖学的ジオマッピング/EEGコンピュータビジョンモジュール310は、脳400内部でてんかん発作座標504を特定することができる。図6は、センサー検出602ごとのEEGグラフ出力(すなわち、図2のEEG出力110)との相関を含む、別のモデル脳例600を示す。
【0037】
再度、図3を参照すると、AI神経内科モジュー308は、360ヒートマップモジュール312を用いたEEG異常の自動検出をさらに含む。360ヒートマップモジュール312を用いたEEG異常の自動検出は、グラフ測定値における異常を自動的に検出することを学習する。それは、専用の機械学習アルゴリズムを使用してそれらの異常を正確に検出し、それらを、てんかん発作のエピセンターを示すヒートマップを使用して、センサー自体の特定の360球面位置に関連付ける。
【0038】
センサー配置モジュール314は、外科医に、センサーを配置すべき脳内の関心点を提案する。センサー配置モジュール314は、例えば、過去のEEG、患者の年齢、および患者の健康履歴などの、多くの変数を考慮に入れる。
【0039】
てんかん発作のエピセンターを示すヒートマップの使用は、図7~12を参照してさらに理解されるであろう。図7は、MD6DMモデル例に基づく3Dモデル700のビュー例を示す。3Dモデル700は、脳704上に配置された青の電極702(すなわち、図1の電極102)を含む。一例では、ステレオEEGがCTスキャンから抽出され得、AIを使用してアーチファクトが分け出され、そのため電極702に接続されたリード706が見えるようになり得る。図8は、脳804のクローズアップを示しており、様々な血管802の間をナビゲートしているリード706に接続された電極702を示している。
【0040】
てんかん発作の病巣902は、図9に示されているように、血管802内および血管802の間に視覚的に示されている。一例では、てんかん発作の病巣は赤いドットで示されている。これは、収集および分析されたデータに基づき、てんかん発作が最も起こりそうな位置を示す。図10は、様々な血管802の間のてんかん発作のモデル1002を示す。てんかん発作モデル1002は、病巣1002に基づいており、中間領域1004および外側領域1006も含む。中間領域1004は、てんかん発作モデル1002内のてんかん発作活動の中心である可能性は低いが、依然として一部のてんかん発作活動の源である可能性が高い領域を表す。中間領域1004は、一例では、器官色(organ color)で表され得る。外側領域1006は、てんかん発作モデル1002のてんかん発作領域の端部領域であるが、ひょっとしたら一部のてんかん発作活動の源である領域を表す。外側領域1006は、例えば、黄色で表され得る。従って、3つの領域(すなわち、病巣902、中間1004、および外側1006は合わせて、脳704内部のてんかん発作活動の存在の可能性を示すヒートマップに基づくてんかん発作モデル1002を形成する。てんかん発作モデル例1002は、3つの異なる色によって表される3つの層または領域を含むように示されており、てんかん発作モデル1002は同様に、任意の適切な色の組合せによって表される任意の適切な数の領域を含み得る。
【0041】
図11は、脳704の別のビューを示しており、そのビューでは、てんかん発作モデル1002は、様々な血管802の間をナビゲートしているリード706に接続された電極702の端部に示されている。本例は、単一の電極702およびリード706と関連付けられているてんかん発作モデル1002を示しているが、てんかん発作モデル1002は、任意の適切な数の電極702およびリード706によって特定されて、それらと関連付けられ得る。
【0042】
図12は、データのセット(図示せず)を、ある領域1204内のデータ点の強度または存在を示す、色分けされたヒートマップ1202へ変換するために使用されたグラフ例1200を示す。かかるグラフ作成技術は、てんかん発作モデル(すなわち、図10~12のてんかん発作モデル1002)を表すヒートマップを生成するために収集されたEEGデータに適用され得る。
【0043】
一例では、図13に示されるとおり、神経障害モデル化および治療計画コンピュータ(すなわち、図3のてんかん発作モデル化および治療計画コンピュータ300または図1の神経障害コンピュータ114)は企業モデル/ソリューションにおいて配備され得る。
【0044】
AIサーバーと統合されて、神経障害モデル化および治療計画コンピュータは、病院ネットワークのセキュリティポリシーを順守しながら、病院ネットワークに接続する。全ての360°VR事例(事前に構築されたSNAP事例)が病院のデータセンターに格納されて、神経障害モデル化および治療計画コンピュータなどの、ネットワーク上の任意の認可されたアプリケーションがアクセス可能である。アプリケーションは専用マシン上で実行できるか、または機能が減らされたリモートクライアント上で実行できるかのいずれかである。
【0045】
AIサーバーは、安全な環境内で監視し、データを収集して機械学習および深層学習アルゴリズムに供給し、それらのアルゴリズムは、あらゆる追加の360°データセットで強化される。AIサーバーはてんかん事例に必要なすべての人工知能アルゴリズムを実行する。具体的には、AIサーバーは2つのタイプのアルゴリズムを実行する。第1に、AIサーバーは学習アルゴリズムを実行する。具体的には、AIサーバーは病院ネットワーク(すなわち、 PACS、EHR)に接続して、それらに格納されている以前のてんかん事例に供給する。それは次いで、そのディープニューラルネットワークをそれに応じて更新する。第2に、AIサーバーは提案アルゴリズムを実行する。ディープニューラルネットワークは、360°リード配置および異常検出を含む、新しいてんかん事例に対処するためのアプローチの提案で医師を支援する。
【0046】
図14は、神経活動をモデル化するための方法例を示す。1402で、神経モデル化コンピュータ114は、脳上に配置された複数の電極に結合されたEEG装置によって生成された脳波(「EEG」)データを受信する。EEGデータは、電極により、ある期間にわたって検出された電気的活動を表す波形を含む。1404で、神経モデル化コンピュータ114は、脳を表すグラフィカル脳モデルを生成する。1406で、神経モデル化コンピュータ114は、EEGデータを、電気的活動を表すグラフィカルEEGモデルに変換する。1408で、神経モデル化コンピュータ114は、EEGモデルを脳モデルと統合し、それにより脳モデルとの関連においてEEGモデルの可視化およびEEGモデルとの相互作用を可能にする。1408で、神経モデル化コンピュータ114は、統合されたEEGおよび脳モデルをディスプレイ118に伝達する。
【0047】
図15は、図1の神経モデル化コンピュータ例114を実装するためのコンピュータ例の概略図である。コンピュータ例1500は、様々な形のデジタルコンピュータを表すことを意図しており、ラップトップ、デスクトップ、ハンドヘルドコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、サーバー、および他の同様のタイプのコンピューティング装置を含む。コンピュータ1500は、バス1512を介してインタフェース1510によって動作可能に接続された、プロセッサ1502、メモリ1504、記憶装置1506、および通信ポート1508を含む。
【0048】
プロセッサ1502は、コンピュータ1500内での実行のために、メモリ1504を介して、命令を処理する。一実施形態例では、複数のプロセッサが複数のメモリと共に使用され得る。
【0049】
メモリ1504は、揮発性メモリまたは不揮発性メモリであり得る。メモリ1504は、磁気ディスクまたは光ディスクなどの、コンピュータ可読媒体であり得る。記憶装置1506は、フロッピィディスク装置、ハードディスク装置、光ディスク装置、テープ装置、フラッシュメモリ、相変化メモリ、もしくは他の類似のソリッドステートメモリ装置、または、他の構成のストレージエリアネットワーク内の装置を含む、装置のアレイなどの、コンピュータ可読媒体であり得る。コンピュータプログラム製品は、メモリ1504または記憶装置1506などのコンピュータ可読媒体内に有形的に具現化できる。
【0050】
コンピュータ1500は、ディスプレイ1514、プリンタ1516、スキャナ1518、マウス1520、およびHMD1524などの、1つ以上の入力および出力装置に結合できる。
【0051】
当業者によって理解されるように、実施形態例は、方法、システム、コンピュータプログラム製品、もしくは前述の組合せとして実現され得るか、または一般に、方法、システム、コンピュータプログラム製品、もしくは前述の組合せを利用し得る。それに応じて、実施形態のいずれも、コンピュータハードウェア上での実行のために記憶装置内に格納された実行可能な命令を含む専用ソフトウェアの形を取り得、ソフトウェアは、媒体内に具現化されたコンピュータ使用可能プログラムコードを有するコンピュータ使用可能記憶媒体上に格納できる。
【0052】
データベースは、MySQLなどのオープンソースソリューション、または開示されたサーバー上もしくは追加のコンピュータサーバー上で動作し得るMicrosoft SQLのような閉じたソリューションなどの、市販のコンピュータアプリケーションを使用して実装され得る。データベースは、上で開示した実施形態例に対して使用されるデータ、モデル、およびモデルパラメータを格納するためにリレーショナルまたはオブジェクト指向パラダイムを利用し得る。かかるデータベースは、本明細書で開示されるような専門用途に対して既知のデータベースプログラミング技術を使用してカスタマイズされ得る。
【0053】
任意の適切なコンピュータ使用可能(コンピュータ可読)媒体は、実行可能命令を含むソフトウェアを格納するために利用され得る。コンピュータ使用可能またはコンピュータ可読媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、もしくは半導体システム、機器、装置、または伝搬媒体であり得るが、それらに限定されない。コンピュータ可読媒体のさらに具体的な例(包括的でないリスト)は、次を含むであろう:1本以上のワイヤーを有する電気的接続;可搬式コンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、読取り専用コンパクトディスク(CDROM)、または他の有形的光学式もしくは磁気記憶装置;またはインターネットもしくはイントラネットをサポートするものなどの伝送媒体。
【0054】
本文書の文脈では、コンピュータ使用可能またはコンピュータ可読媒体は、1つ以上のプログラマブルもしくは専用プロセッサ/コントローラ(複数可)を含む任意の適切なコンピュータ(またはコンピュータシステム)を含み得る、命令実行システム、プラットフォーム、機器、もしくは装置によって、またはそれらと接続して使用するためのプログラム命令を包含、格納、伝達、伝搬、または搬送することができる任意の媒体であり得る。コンピュータ使用可能媒体は、ベースバンド内、または搬送波の一部としてのいずれかで、コンピュータ使用可能プログラムコードをそれと一緒に具現化した伝搬データ信号を含み得る。コンピュータ使用可能プログラムコードは、インターネット、有線、光ファイバーケーブル、ローカル通信バス、無線周波数(RF)または他の手段を含むが、それらに限定されない、任意の適切な媒体を使用して伝送され得る。
【0055】
実施形態例の動作を実行するための実行可能命令を有するコンピュータプログラムコードは、BASIC、Lisp、VBA、もしくはVBScriptなどのインタープリタ型もしくはイベント駆動型言語、またはビジュアルベーシックなどのGUI実施形態、FORTRAN、COBOL、もしくはPascalなどのコンパイラ型プログラミング言語、Java、JavaScript、Perl、Smalltalk、C++、C#、Object Pascal、もしくは同様のものなどのオブジェクト指向、スクリプト型もしくは非スクリプト型プログラミング言語、Prologなどの人工知能言語、Adaなどの実時間埋め込み言語、またはラダーロジックを使用するさらにもっと直接的もしくは単純化されたプログラミング、アセンブラ言語、または適切な機械語を使用する直接プログラミング、を含むがそれらに限定されない、任意のコンピュータ言語を使用して従来型の手段で書かれ得る。
【0056】
用語「含む(include)」または「含み(including)」は本明細書またはクレーム内で使用される範囲において、用語「含む(comprising)」がクレーム内で移行語として採用された場合にその用語が解釈されるのと同様に包括的であることを意図する。さらに、用語「または(or)」は採用される範囲において(例えば、AまたはB)、「AまたはBまたはその両方」を意味することを意図する。出願人が「AまたはBのみであるが、両方ではない」を示すことを意図する場合は、用語「AまたはBのみであるが、両方ではない」が採用されるであろう。従って、本明細書における用語「または」の使用は包括的であり、排他的使用ではない。Bryan A.GarnerによるA Dictionary of Modern Legal Usage 624(2d.Ed.1995)を参照されたい。また、用語「内(in)」または「内へ(into)」は本明細書またはクレーム内で使用される範囲において、追加として「上(on)」または「上へ(onto)」を意味することを意図する。さらに、用語「接続する(connect)」は本明細書またはクレーム内で使用される範囲において、「~に直接接続される」だけでなく、別の構成要素もしくは複数の構成要素を通して接続される等、「~に間接的に接続される」も意味することを意図する。
【0057】
本出願はその実施形態の記述によって説明されていて、実施形態はかなり詳細に説明されているが、添付のクレームの範囲をかかる詳細に限定するか、または何らかの方法で制限することは出願人の意図ではない。追加の利点および修正は当業者には容易に明らかであろう。従って、本出願は、そのより幅広い態様において、特定の詳細、代表的な装置および方法、ならびに示されて説明される図示例には制限されない。その結果、出願人の全般的な発明概念の精神または範囲から逸脱することなく、かかる詳細から展開が行われ得る。
図1
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【国際調査報告】