(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-22
(54)【発明の名称】マージモードのための予測重み付けを決定する方法、装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04N 19/54 20140101AFI20220415BHJP
H04N 19/577 20140101ALI20220415BHJP
【FI】
H04N19/54
H04N19/577
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547847
(86)(22)【出願日】2020-02-28
(85)【翻訳文提出日】2021-10-14
(86)【国際出願番号】 US2020020483
(87)【国際公開番号】W WO2020185429
(87)【国際公開日】2020-09-17
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511050697
【氏名又は名称】アリババ グループ ホウルディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジエ
(72)【発明者】
【氏名】リャオ,ルーリン
(72)【発明者】
【氏名】イエ,ヤン
【テーマコード(参考)】
5C159
【Fターム(参考)】
5C159MA04
5C159MA05
5C159MA14
5C159MA19
5C159MA21
5C159MC11
5C159ME01
5C159NN10
5C159NN11
5C159NN19
5C159NN32
5C159PP04
5C159RC12
5C159UA02
5C159UA05
(57)【要約】
本開示は、マージモードのための予測重み付けを決定するためのシステム、装置及び方法を提供する。1つの例示的方法は:継承されたアフィンマージ候補、構築されたアフィンマージ候補、又は符号化単位の零モーションベクトルのうちの、少なくとも1つのための重み付けを決定すること;及び決定された重み付けに基づき前記符号化単位を双方向予測することを含む。現在の符号化単位の重み付けは、ビットストリームで重み付け指標を明示的に信号伝達することを通じて又は復号器側における暗黙的導出を通じて決定され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像データを処理する方法であって、
継承されたアフィンマージ候補、構築されたアフィンマージ候補、又は符号化単位の零モーションベクトルのうちの少なくとも1つのための重み付けを決定すること;及び
前記決定された重み付けに基づき前記符号化単位を双方向予測することを含む方法。
【請求項2】
前記重み付けはビットストリームで信号伝達される重み付け指標に基づき決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記決定された重み付けは前記構築されたアフィンマージ候補の重み付けを含み、前記方法はさらに、
前記構築されたアフィンマージ候補に関連する複数の制御点が1つ又は複数の重み付けを有することに応じて、前記構築されたアフィンマージ候補の重み付けを、左上制御点に関連する重み付け又は右上制御点に関連する重み付けに基づき決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記決定された重み付けは前記構築されたアフィンマージ候補の重み付けを含み、前記方法はさらに、
前記構築されたアフィンマージ候補に関連する複数の制御点が同じ重み付けを有することに応じて、前記構築されたアフィンマージ候補の重み付けとして前記複数の制御点の前記重み付けを決定すること;又は
前記複数の制御点が異なる重み付けを有することに応じて、前記構築されたアフィンマージ候補の前記重み付けとしてデフォルト値を決定することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記決定された重み付けは前記構築されたアフィンマージ候補の重み付けを含み、前記方法はさらに、
前記構築されたアフィンマージ候補に対応する複数の制御点の重み付けの中から前記複数の制御点のほとんどにより使用される重み付けを決定すること;及び
前記決定された重み付けを、前記構築されたアフィンマージ候補の前記重み付けとして設定することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記決定された重み付けは前記構築されたアフィンマージ候補の重み付けを含み、前記方法はさらに、
等しい重み付けと前記複数の制御点の重み付けとの差をそれぞれ決定すること;
前記複数の制御点の中から、前記等しい重み付けからの最小差を有する重み付けを有する第1の制御点を決定すること;及び
前記構築されたアフィンマージ候補の前記重み付けとして、前記第1の制御点の重み付けを設定することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記決定された重み付けは前記構築されたアフィンマージ候補の重み付けを含み、前記方法はさらに、
前記構築されたアフィンマージ候補に対応する複数の制御点の平均重み付けを決定すること;及び
前記構築されたアフィンマージ候補の前記重み付けとして前記平均重み付けを設定することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記決定された重み付けに基づき前記符号化単位を双方向予測することは、アフィンマージモードを使用して前記映像データを処理することを含み、前記方法はさらに、
アフィンマージ候補リストを構築する場合に、等しくない重み付けを有する零モーションベクトルを挿入する前に、等しい重み付けを有する零モーションベクトルを前記アフィンマージ候補リストへ挿入することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記決定された重み付けに基づき前記符号化単位を双方向予測することは、アフィンマージモードを使用して前記映像データを処理することを含み、前記方法はさらに、
アフィンマージ候補リストを構築する場合に、複数の構築されたアフィンマージ候補のそれぞれに対応する制御点の重み付けに基づき前記複数の構築されたアフィンマージ候補の順番を決定することを含み、
より多様でない重み付けを有する制御点を有する構築されたアフィンマージ候補は、より多様な重み付けを有する制御点を有する構築されたアフィンマージ候補より高い優先度を割り当てられる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の構築されたアフィンマージ候補の順番を前記決定することは:
2つの構築されたマージ候補のそれぞれに対応する制御点の重み付けが同じレベルの多様性を有することに応じて、前記2つの構築されたマージ候補のデフォルトの順番を使用すること
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第1の構築されたアフィンマージ候補に対応する制御点の重み付けに基づき、前記第1の構築されたアフィンマージ候補の可用性を決定すること;及び
前記第1の構築されたアフィンマージ候補が利用可能であるという決定に応じて、前記第1の構築されたアフィンマージ候補を前記アフィンマージ候補リストへ加えることをさらに含む請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の構築されたアフィンマージ候補の前記可用性を前記決定することは、
前記第1の構築されたアフィンマージ候補に対応する2つの制御点の重み付けが、異なる符号を有するかどうかを決定すること;及び
前記第1の構築されたアフィンマージ候補に対応する前記2つの制御点の重み付けが、異なる符号を有するという決定に応じて、前記第1の構築されたアフィンマージ候補が利用可能ではないと決定することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
映像データを処理する方法であって、
符号化単位の制御点の重み付けに基づき前記符号化単位内の第1の副ブロックの重み付けを決定すること;及び
前記決定された重み付けに基づき前記第1の副ブロックを双方向予測すること、を含む方法。
【請求項14】
前記符号化単位内の前記第1の副ブロックの前記重み付けを前記決定することは:
前記第1の副ブロックが前記制御点の1つを含むことに応じて、前記第1の副ブロックの前記重み付けとして前記制御点のうちの前記1つの制御点の重み付けを使用すること、又は
前記第1の副ブロックが前記制御点を含まないことに応じて、予め規定された規則に従って前記第1の副ブロックの前記重み付けを決定することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記符号化単位は、4つの副ブロックへ分割され、かつ2つの制御点を有し、;
前記符号化単位内の前記第1の副ブロックの前記重み付けを前記決定することは:
前記第1の副ブロックが前記2つの制御点の1つを含むことに応じて、前記第1の副ブロックの前記重み付けとして前記2つの制御点のうちの前記1つ制御点の重み付けを使用すること、又は、
前記第1の副ブロックが前記2つの制御点を含まないことに応じて、前記第1の副ブロックの前記重み付けを、前記2つの制御点のうち、前記第1の副ブロックへのより短い距離を有する方の1つの制御点の重み付けとなるように、又はデフォルト値となるように設定することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記符号化単位は、2つの副ブロックへ分割され、かつ3つの制御点を有し、;
前記符号化単位内の前記第1の副ブロックの前記重み付けを前記決定することは:
前記第1の副ブロックが前記3つの制御点のうち1つのみを含むことに応じて、前記第1の副ブロックの前記重み付けとして前記制御点のうちの前記1つの制御点の重み付けを使用すること、又は
前記第1の副ブロックが前記3つの制御点のうちの少なくとも2つを含むことに応じて、前記第1の副ブロックの重み付けとしてデフォルト値又は前記2つの制御点のうちの1つの制御点の重み付けを使用することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
符号化単位は、4つの副ブロックへ分割され、かつ第1、第2、及び第3の重み付けそれぞれを有する3つの制御点を有し、;
前記符号化単位内の前記第1の副ブロックの前記重み付けを前記決定することは:
前記第1の副ブロックが前記3つの制御点のうちの少なくとも1つを含むことに応じて、前記第1の副ブロックの前記重み付けとして前記3つの制御点のうちの前記1つの制御点の重み付けを使用すること、又は
前記副ブロックが前記3つの制御点を含まないことに応じて、前記第1の副ブロックの前記重み付けを:
前記第1、第2、及び第3の重み付けの平均値、
前記第1、第2、及び第3の重み付けの中央値、
前記符号化単位の等しい重み付け、
前記等しい重み付けからの最小差を有する、前記第1、第2、及び第3の重み付けのうちの1つ、
前記等しい重み付けからより小さい差を有する、前記第1及び第2の重み付けのうちの1つ、又は
デフォルト値、
のうちの1つとなるように設定することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
映像処理装置であって:
命令を格納するメモリ;及びプロセッサを含み、前記プロセッサは:
継承されたアフィンマージ候補、構築されたアフィンマージ候補、又は符号化単位の零モーションベクトルのうちの、少なくとも1つのための重み付けを決定すること;及び
前記決定された重み付けに基づき前記符号化単位を双方向予測すること、
を前記装置に行わせるように、前記命令を実行するように構成される、装置。
【請求項19】
映像処理装置であって:
命令を格納するメモリ;及びプロセッサを含み、前記プロセッサは:
符号化単位の制御点の重み付けに基づき前記符号化単位内の第1の副ブロックの重み付けを決定すること;
前記決定された重み付けに基づき前記第1の副ブロックを双方向予測すること、
を前記装置に行わせるように、前記命令を実行するように構成される、装置。
【請求項20】
一組の命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、映像処理装置に方法を行わせるように、前記映像処理装置の1つ又は複数のプロセッサにより実行可能であり、前記方法は:
継承されたアフィンマージ候補、構築されたアフィンマージ候補、又は符号化単位の零モーションベクトルのうちの、少なくとも1つのための重み付けを決定すること;及び
前記決定された重み付けに基づき前記符号化単位を双方向予測すること、
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
[0001] 本出願は、参照のためその開示を本明細書に援用する2019年3月11日出願の米国仮特許出願第62/816,879号の優先権及び優先権の便宜を主張する。
【0002】
技術分野
[0002] 本開示は一般的には映像データ処理に関し、より具体的にはマージモードのための予測重み付けを決定する方法、装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
[0003] 映像符号化はしばしば、例えば消費される格納スペースを低減するために又はこのような信号に関連する送信帯域消費を低減するために、ディジタル映像信号を変換及び圧縮するために使用される。
【0004】
[0004]
映像符号化システムは、符号化処理に関与する様々な問題を解決するために様々なツール又は技術を実施し得る。例えば、映像符号化処理では、入力映像データは、様々なサイズのブロック単位へ分割され、ブロック毎に処理され得る。予測処理では、ブロックはイントラ予測(intra prediction)モード及びインター予測(inter prediction)モードなどの様々な予測モードを使用して、予測され得る。ブロックのサイズに基づき、様々な予測モードが適用され得る。様々な技術が、映像符号化の効率及び精度を改善するために、そして関与する計算複雑性を低減するために提案されてきた。
【0005】
[0005] しかし、様々な技術の適用は様々な条件に左右され得る。例えば、いくつかの技術は、符号化単位が様々な条件を満足するということ又は符号化単位が特定モードにおいて符号化されるということを必要とし得る。別の例として、重み付け予測処理では、いくつかの技術は、いくつかのモーションベクトル候補の処理だけへ適用し得るが、他のものへは適用し得ない。すべてのブロック又はすべての副ブロックを処理するための様々な技術の組み合わせは実現可能ではないかもしれない。したがって、それぞれの適用可能性条件を考慮することにより、様々な技術を正しく組み合わせる又は選択することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の概要
[0006] 本開示の実施形態は、映像データ処理において予測重み付けを決定する方法、装置及びシステムを提供する。いくつかの例示的実施形態によると、映像データの復号器により行われる方法は:符号化単位の継承されたアフィンマージ(affine merge)候補、構築されたアフィンマージ候補、又は零モーションベクトルのうちの、少なくとも1つのための重み付けを決定すること;及び決定された重み付けに基づき符号化単位を双方向予測することを含む。いくつかの実施形態では、重み付けは、ビットストリームで信号伝達される重み付け指標に基づき決定され得る。
【0007】
[0007] いくつかの実施形態では、複数の制御点を有する構築されたアフィンマージ候補の重み付けを取得するために復号器により実施される方法が提供される。1つの例示的方法は:構築されたアフィンマージ候補に関連する複数の制御点が1つ又は複数の重み付けを有することに応じて、構築されたアフィンマージ候補の重み付けを、左上制御点又は右上制御点に関連する重み付けに基づき決定することを含む。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態では、複数の制御点を有する構築されたアフィンマージ候補の重み付けを取得するために復号器により実施される方法が提供される。1つの例示的方法は:構築されたアフィンマージ候補に関連する複数の制御点が同じ重み付けを有することに応じて、構築されたアフィンマージ候補の重み付けとして、複数の制御点の重み付けを決定すること;及び複数の制御点が異なる重み付けを有することに応じて、構築されたアフィンマージ候補の重み付けとして、デフォルト値を決定することを含む。
【0009】
[0009] いくつかの実施形態では、映像データ処理において予測重み付けを決定する方法が提供される。1つの例示的方法は:複数の制御点の重み付けの中から、符号化単位の制御点の重み付けに基づき符号化単位内の第1の副ブロックの重み付けを決定すること;決定された重み付けに基づき第1の副ブロックのモーション予測子を生成すること;モーション予測子に基づき符号化単位を処理することを含む。
【0010】
[0010] いくつかの実施形態では、映像データ処理における予測重み付けを決定するための装置が提供される。1つの例示的映像処理装置は、命令を格納するメモリと、プロセッサとを含み、前記プロセッサは:継承されたアフィンマージ候補、構築されたアフィンマージ候補、又は符号化単位の零モーションベクトルのうちの、少なくとも1つのための重み付けを決定すること;及び決定された重み付けに基づき符号化単位を双方向予測すること、を前記装置に行わせるように、前記命令を実行するように構成される。
【0011】
[0011] いくつかの実施形態では、映像データ処理における予測重み付けを決定するための装置が提供される。1つの例示的映像処理装置は:符号化単位の制御点の重み付けに基づき符号化単位内の第1の副ブロックの重み付けを決定すること;決定された重み付けに基づき第1の副ブロックのモーション予測子を生成すること;及びモーション予測子に基づき符号化単位を処理することを含む。
【0012】
[0012] いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。1つの例示的非一時的コンピュータ可読媒体は、一組の命令を格納し、命令は、映像処理装置に方法を行わせるように、映像処理装置の1つ又は複数のプロセッサにより実行可能であり、方法は、継承されたアフィンマージ候補、構築されたアフィンマージ候補、又は符号化単位の零モーションベクトルのうちの、少なくとも1つのための重み付けを決定すること;及び決定された重み付けに基づき符号化単位を双方向予測することを含む。
【0013】
[0013] いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。1つの例示的非一時的コンピュータ可読媒体は、一組の命令を格納し、命令は、映像処理装置に方法を行わせるように、映像処理装置の1つ又は複数のプロセッサにより実行可能であり、方法は、符号化単位の制御点の重み付けに基づき符号化単位内の第1の副ブロックの重み付けを決定すること;決定された重み付けに基づき第1の副ブロックのモーション予測子を生成すること;及びモーション予測子に基づき符号化単位を処理することを含む。
【0014】
図面の簡単な説明
[0001] 本開示のいくつかの実施形態と様々な態様は、以下の詳細説明及び添付図面に示される。添付図面に示される様々な特徴は原寸に比例して描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】[0002]本開示のいくつかの実施形態に整合する例示的映像符号化及び復号化システムを示す概略図である。
【
図2】[0003]本開示のいくつかの実施形態に整合する
図1の例示的システムの一部であり得る例示的映像符号器を示す概略図である。
【
図3】[0004]本開示のいくつかの実施形態に整合する
図1の例示的システムの一部であり得る例示的映像復号器を示す概略図である。
【
図4A】[0005]本開示のいくつかの実施形態による例示的な2制御点アフィン動きモデルの概略図である。
【
図4B】[0006]本開示のいくつかの実施形態による例示的な3制御点アフィン動きモデルの概略図である。
【
図5】[0007]本開示のいくつかの実施形態による副ブロック当たりの例示的アフィンモーションベクトル場(MVF:motion vector field)を示す概略図である。
【
図6】[0008]本開示のいくつかの実施形態による継承されたアフィン動き予測子の例示的位置を示す概略図である。
【
図7】[0009]本開示のいくつかの実施形態による制御点モーションベクトル継承の例を示す概略図である。
【
図8】[0010]本開示のいくつかの実施形態による構築されたアフィンマージモードの例示的候補位置を示す概略図である。
【
図9A】[0011]本開示のいくつかの実施形態による2つの制御点を有する符号化単位の水平方向副ブロック分割を示す概略図である。
【
図9B】[0012]本開示のいくつかの実施形態による2つの制御点を有する符号化単位の垂直方向副ブロック分割を示す概略図である。
【
図9C】[0013]本開示のいくつかの実施形態による2つの制御点を有する符号化単位の4つの副ブロックへの副ブロック分割を示す概略図である。
【
図9D】[0014]本開示のいくつかの実施形態による2つの制御点を有する符号化単位の4つの副ブロックへの副ブロック分割を示す概略図である。
【
図10A】[0015]本開示のいくつかの実施形態による3つの制御点を有する符号化単位の垂直方向副ブロック分割を示す概略図である。
【
図10B】[0016]本開示のいくつかの実施形態による3つの制御点を有する符号化単位の水平方向副ブロック分割を示す概略図である。
【
図10C】[0017]本開示のいくつかの実施形態による3つの制御点を有する符号化単位の水平方向副ブロック分割を示す概略図である。
【
図10D】[0018]本開示のいくつかの実施形態による3つの制御点を有する符号化単位の垂直方向副ブロック分割を示す概略図である。
【
図10E】[0019]本開示のいくつかの実施形態による3つの制御点を有する符号化単位の4つの副ブロックへの副ブロック分割を示す概略図である。
【
図10F】[0020]本開示のいくつかの実施形態による3つの制御点を有する符号化単位の4つの副ブロックへの副ブロック分割を示す概略図である。
【
図10G】[0021]本開示のいくつかの実施形態による3つの制御点を有する符号化単位の4つの副ブロックへの副ブロック分割を示す概略図である。
【
図10H】[0022]本開示のいくつかの実施形態による3つの制御点を有する符号化単位の4つの副ブロックへの副ブロック分割を示す概略図である。
【
図11】[0023]本開示のいくつかの実施形態による4つの制御点を有する符号化単位の4つの副ブロックへの副ブロック分割を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
詳細な説明
[0024] 添付図面に例が示される例示的実施形態を次に詳細に参照する。以下の説明は、特記しない限り、様々な図面内の同じ数字が同じ又は同様な要素を表す添付図面を参照する。例示的実施形態の以下の説明において記載される実施形態は、本発明に整合するすべての実施形態を表すとは限らない。それよりむしろ、これらは、添付の特許請求の範囲に記載される本発明に関係する態様に整合する装置及び方法の例に過ぎない。
【0017】
[0025]
図1は、HEVC/H.265及びVVC/H.266などの様々な映像符号化標準に準拠する技術を利用し得る例示的映像符号化及び復号化システム100を示すブロック図である。
図1に示すように、システム100は、送信先装置140によりしばらくたって復号化される符号化済み映像データを提供する送信元装置120を含む。本開示のいくつかの実施形態に整合して、送信元装置120及び送信先装置140のそれぞれは、デスクトップコンピュータ、ノートブック(例えばラップトップ)コンピュータ、タブレットコンピュータ、セットトップボックス、モバイルフォン、テレビ、カメラ、ウェアラブル装置(例えばスマートウォッチ又はウェアラブルカメラ)、表示装置、ディジタルメディアプレーヤ、ビデオゲームコンソール、映像ストリーミング装置などの広範囲の装置のうちの任意のものを含み得る。送信元装置120及び送信先装置140は無線又は有線通信に適するように装備され得る。
【0018】
[0026]
図1を参照すると、送信元装置120は、映像源122、映像符号器124及び出力インターフェース126を含み得る。送信先装置140は、入力インターフェース142、映像復号器144及び表示装置146を含み得る。いくつかの実施形態では、送信元装置及び送信先装置はさらに他の部品又は配置を含み得る。例えば、送信元装置120は、外部カメラなどの外部映像源(図示せず)から映像データを受信し得る。同様に、送信先装置140は、一体化表示装置を含むのではなく、むしろ外部表示装置とインターフェースし得る。
【0019】
[0027] 以下の説明ではいくつかの技術が映像符号化装置により行われるとして説明されるが、これらの技術はまた、映像符号器/復号器(一般的には「CODEC」と呼ばれる)により行われ得る。さらに、本開示の技術はまた、映像プリプロセッサにより行われ得る。送信元装置120及び送信先装置140は、送信元装置120が送信先装置140への送信のための符号化済み映像データを生成するこのような符号化装置の例に過ぎない。いくつかの実施形態では、送信元装置120及び送信先装置140は、送信元装置120及び送信先装置140のそれぞれが映像符号化部品及び復号化部品を含むように、ほぼ対称的なやり方で動作し得る。したがって、システム100は、例えば映像ストリーミング、映像再生、映像放送又はビデオ電話のための、送信元装置120と送信先装置140との間の一方向又は双方向映像送信をサポートし得る。
【0020】
[0028] 送信元装置120の映像源122は、映像カメラなどの映像キャプチャ装置、以前に捕捉された映像データを含む映像アーカイブ、又は映像コンテンツプロバイダから映像を受信する映像配信インターフェースを含み得る。別の代替案として、映像源122は、ソース映像として又はライブ映像、アーカイブ映像、及びコンピュータ生成映像の組み合わせとして、コンピュータグラフィックベースデータを生成し得る。捕捉された、予め捕捉された、又はコンピュータ生成された映像は、映像符号器124により符号化され得る。次に、符号化済み映像情報は出力インターフェース126により通信媒体160上へ出力され得る。
【0021】
[0029] 出力インターフェース126は、符号化済み映像データを送信元装置120から送信先装置140へ送信することができる任意のタイプの媒体又は装置を含み得る。例えば、出力インターフェース126は、符号化済み映像データを送信元装置120から送信先装置140へリアルタイムで直接送信するように構成された送信器又は送受信器を含み得る。符号化済み映像データは、無線通信プロトコルなどの通信標準に従って変調され、送信先装置140へ送信され得る。
【0022】
[0030] 通信媒体160は、無線同報通信又は有線ネットワーク送信などの一時的媒体を含み得る。例えば、通信媒体160は、無線周波数(RF)スペクトル又は1つ又は複数の物理的伝送路(例えばケーブル)を含み得る。通信媒体160は、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、又はインターネットなどのグローバネットワークなどのパケットベースネットワークの一部を形成し得る。いくつかの実施形態では、通信媒体160は、送信元装置120から送信先装置140への通信を容易にするために有用であり得るルータ、スイッチ、基地局又は任意の他の機器を含み得る。例えば、ネットワークサーバ(図示せず)が、送信元装置120から符号化済み映像データを受信し、かかる符号化済み映像データを送信先装置140へ(例えばネットワーク送信を介し)提供し得る。
【0023】
[0031] 通信媒体160はまた、ハードディスク、フラッシュドライブ、コンパクトディスク、ディジタルビデオディスク、ブルーレイディスク、揮発性又は不揮発性メモリ、又は符号化済み映像データを格納するための任意の他の好適なデジタルストレージ媒体などのストレージ媒体(例えば非一時的ストレージ媒体)の形式であり得る。いくつかの実施形態では、ディスクスタンピング施設などの媒体生産施設のコンピュータ装置が、送信元装置120から符号化済み映像データを受信し、かかる符号化済み映像データを含むディスクを生成し得る。
【0024】
[0032] 送信先装置140の入力インターフェース142が、通信媒体160から情報を受信する。受信された情報は、ブロック及び他の符号化単位の特徴及び処理を記述する構文要素を含む構文情報を含み得る。構文情報は、映像符号器124により定義され、映像復号器144により使用される。表示装置146は、復号化済み映像データをユーザへ表示し、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ又は別のタイプの表示装置などの多様な表示装置のうちの任意の1つを含み得る。
【0025】
[0033] 別の例として、送信元装置120により生成される符号化済み映像は、ファイルサーバ又はストレージ装置上に格納され得る。入力インターフェース142は、ストリーミング又はダウンロードを介し、ファイルサーバ又はストレージ装置から、格納された映像データにアクセスし得る。ファイルサーバ又はストレージ装置は、符号化済み映像データを格納するとともに、かかる符号化済み映像データを送信先装置140へ送信することができる任意のタイプのコンピュータ装置であり得る。ファイルサーバの例は、ウェブサイトを支援するウェブサーバ、ファイル転送プロトコル(FTP:file transfer protocol)サーバ、ネットワーク接続ストレージ(NAS:network attached storage)装置又はローカルディスクドライブを含む。ストレージ装置からの符号化済み映像データの送信は、ストリーミング送信、ダウンロード送信又はそれらの組み合せであり得る。
【0026】
[0034] 映像符号器124及び映像復号器144はそれぞれ、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ディスクリートロジック、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又はそれらの任意の組み合わせなどの多様な好適な符号器回路系のうちの任意のものとして実装され得る。これらの技術はソフトウェアの形式で部分的に実装される場合、1つの装置が、ソフトウェアのための命令を好適な非一時的コンピュータ可読媒体内に格納し、そして、本開示の技術を行うために1つ又は複数のプロセッサを使用してハードウェアでこれらの命令を実行し得る。映像符号器124及び映像復号器144のそれぞれは、1つ又は複数の符号器又は復号器に含まれ得、そのうちのいずれかは、それぞれの装置内の組み合わせられた符号器/復号器(CODEC)の一部として一体化され得る。
【0027】
[0035] 映像符号器124及び映像復号器144は、汎用映像符号化(VVC/H.266)標準、高効率映像符号化(HEVC/H.265)標準、ITU-T H.264(MPEG-4としても知られる)標準などの任意の映像符号化標準に従って動作し得る。
図1には示さないが、いくつかの実施形態では、映像符号器124及び映像復号器144はそれぞれ、オーディオ符号器及び復号器と一体化され得、そして共通データストリーム又は別個のデータストリーム内のオーディオ及び映像の両方の符号化を取り扱うために、適切なMUX-DEMUXユニット、又は他のハードウェア及びソフトウェアを含み得る。
【0028】
[0036]
図2は、開示された実施形態に整合する例示的映像符号器200を示す概略図である。例えば、映像符号器200は、システム100(
図1)内の映像符号器124として使用され得る。映像符号器200は、映像ブロック又は映像ブロックの分割若しくは副分割を含む、映像フレーム内のブロックのイントラ符号化又はインター符号化を行い得る。イントラ符号化は、所与の映像フレーム内の映像内の空間的冗長性を低減又は除去するために空間的予測に依存し得る。インター符号化は、映像系列の隣接フレーム内の映像の時間的冗長性を低減又は除去するために時間的予測に依存し得る。イントラモードは多くの空間ベース圧縮モードを指し得る。インターモード(単方向予測又は双方向予測など)は多くの時間ベース圧縮モードを指し得る。
【0029】
[0037]
図2を参照すると、入力映像信号202はブロック毎に処理され得る。例えば、映像ブロック単位は16×16画素ブロック(例えばマクロブロック(MB:macroblock))であり得る。映像ブロック単位のサイズは、使用される符号化技術及び必要精度及び効率に依存して変わり得る。HEVCでは、拡張されたブロックサイズ(例えば符号化ツリー単位(CTU:coding tree unit))は、例えば1080p以上の分解能の映像信号を圧縮するために使用され得る。HEVCでは、CTUは、輝度サンプルに対応する最大64×64までの色度サンプルと関連構文要素とを含み得る。VVCでは、CTUのサイズはさらに、128×128輝度サンプル、対応する色度サンプル、及び関連構文要素を含むように増加され得る。CTUはさらに、例えば四分木、二分木又は三分木を使用して符号化単位(CU:coding unit)へ分割され得る。CUはさらに、別個の予測方法が適用され得る予測単位(PU:prediction unit)へ分割され得る。各入力映像ブロックは、空間的予測ユニット260又は時間的予測ユニット262を使用することにより処理され得る。
【0030】
[0038] 空間的予測ユニット260は、現在のブロックを含む同じピクチャ/スライスに関する情報を使用して、現在のブロック/CUに対し空間的予測(例えばイントラ予測)を行う。空間的予測は、現在の映像ブロックを予測するために、同じ映像ピクチャフレーム/スライス内の既に符号化された隣接ブロックからの画素を使用し得る。空間的予測は、映像信号に固有な空間的冗長性を低減し得る。
【0031】
[0039] 時間的予測ユニット262は、現在のブロックを含むピクチャ/スライスとは異なるピクチャ/スライスからの情報を使用して、現在のブロックに対して時間的予測(例えばインター予測)を行う。映像ブロックの時間的予測は、1つ又は複数のモーションベクトルにより信号伝達され得る。ユニット方向時間的予測では、1つの基準ピクチャを指示する1つのモーションベクトルだけが、現在のブロックの予測信号を生成するために使用される。他方で、双方向時間的予測では、それぞれがそれぞれの基準ピクチャを指示する2つのモーションベクトルが、現在のブロックの予測信号を生成するために使用され得る。モーションベクトルは、基準座標系内の現在のブロックと1つ又は複数の関連ブロックとの間の動きの量及び方向を指示し得る。複数の基準ピクチャがサポートされている場合、映像ブロックのための1つ又は複数の基準ピクチャ指標が送信され得る。基準ピクチャストレージ又は復号化済みピクチャバッファ(DPB:decoded picture buffer)264内のどの基準ピクチャから時間的予測信号が生成され得るかを識別するために、1つ又は複数の基準指標が使用され得る。
【0032】
[0040] 符号器内のモード決定及び符号器制御ユニット280が予測モードを選択し得る(例えば速度歪最適化に基づき)。決定された予測モードに基づき、予測ブロックが取得され得る。予測ブロックは、加算器216において現在の映像ブロックから減じられ得る。予測残余(prediction residual)は変換ユニット204により変換され、量子化ユニット206により量子化され得る。量子化された残余係数は、逆量子化ユニット210において逆量子化され、そして再構築済み残余を形成するために逆変換ユニット212において逆変換され得る。再構築済み残余は、再構築済み映像ブロックを形成するために加算器226において予測ブロックへ加えられ得る。ループフィルタリング前の再構築済み映像ブロックは、イントラ予測のための基準サンプルを提供するために使用され得る。
【0033】
[0041] 再構築済み映像ブロックは、ループフィルタ266においてループフィルタリングを通過し得る。例えば、デブロッキング(deblocking)フィルタ、サンプル適応化オフセット(SAO:sample adaptive offset)及び適応化ループフィルタ(ALF:adaptive loop filter)などのループフィルタリングが適用され得る。ループフィルタリング後の再構築済みブロックは、基準ピクチャストレージ264内に格納され得、そして他の映像ブロックを符号化するためのインター予測基準サンプルを提供するために使用され得る。出力映像ビットストリーム220を形成するために、符号化モード(例えばインター又はイントラ)、予測モード情報、モーション情報及び量子化された残余係数は、ビットストリーム220を形成するためにデータが圧縮されてそしてパックされる前に、ビットレートをさらに低減するためにエントロピー符号化ユニット208へ送信され得る。
【0034】
[0042]
図3は、開示された実施形態に整合する映像復号器300を示す概略図である。例えば、映像復号器300は、システム100(
図1)内の映像復号器144として使用され得る。
図3を参照すると、映像ビットストリーム302は、エントロピー復号化ユニット308においてアンパック(unpack)又はエントロピー復号化され得る。符号化モード情報は、空間的予測ユニット360又は時間的予測ユニット362のいずれが選択されるかを決定するために使用され得る。予測モード情報は、予測ブロックを生成するために対応予測ユニットへ送信され得る。例えば、動き補償された予測が、時間的予測ブロックを形成するために時間的予測ユニット362により適用され得る。
【0035】
[0043] 残余係数は、再構築済み残余を取得するために逆量子化ユニット310及び逆変換ユニット312へ送信され得る。予測ブロック及び再構築済み残余は、ループフィルタリング前に再構築済みブロックを形成するために326において加算され得る。次に、再構築済みブロックは、ループフィルタ366においてループフィルタリングを通過し得る。例えば、デブロッキングフィルタ、SAO及びALFなどのループフィルタリングが適用され得る。次に、ループフィルタリング後の再構築済みブロックは、基準ピクチャストレージ364内に格納され得る。基準ピクチャストレージ364内の再構築済みデータは、復号化済み映像320を取得するために使用されてもよいし、将来映像ブロックを予測するために使用されてもよい。復号化済み映像320は、システム100(
図1)において説明したように表示装置146などの表示装置上に表示され得る。
【0036】
[0044] いくつかの実施形態では、アフィン動き予測が適用され得る。HEVCでは、例えば動き補償予測(MCP:motion compensation prediction)のための並進運動モデルが適用される。現実世界では、ズームイン/アウト、回転、視野運動及び他の不規則運動などの多くの種類の運動が存在する。VVCでは、ブロックベースアフィン変換動き補償予測が適用される。
図4A、4Bに示すように、ブロックのアフィン動きフィールドは、2制御点モーションベクトル(4パラメータアフィン動きモデル:
図4A参照)又は3制御点モーションベクトル(6パラメータアフィン動きモデル:
図4B参照)のモーション情報により記述され得る。
【0037】
[0045]
図4Aに示すように、v
0は左上角制御点(CP:control point)402の制御点モーションベクトルを表し、v
1は右上角CP404の制御点モーションベクトルを表す。4パラメータアフィン動きモデルに関して、ブロック内のサンプル位置(x,y)におけるモーションベクトルは次のように導出され得る:
【数1】
ここで、(mv
0x,mv
0y)は左上角CP402のモーションベクトルを指示し、(mv
1x,mv
1y)右上角CP404のモーションベクトルを指示する。
【0038】
[0046]
図4Bに示すように、6パラメータアフィン動きモデルでは、v
0は左上角制御点(CP)406の制御点モーションベクトルを表し、v
1は右上角CP408の制御点モーションベクトルを表し、v
2は左下角CP410の制御点モーションベクトルを表す。6パラメータアフィン動きモデルに関して、ブロック内のサンプル位置(x,y)におけるモーションベクトルは次のように導出され得る:
【数2】
ここで、(mv
0x,mv
0y)は左上角CP406のモーションベクトルを指示し、(mv
1x,mv
1y)は右上角CP408のモーションベクトルを指示し、(mv
2x,mv
2y)は左下角CP410のモーションベクトルを指示する。
【0039】
[0047] いくつかの実施形態では、動き補償予測処理を単純化するために、ブロックベースアフィン変換予測が適用され得る。各4×4輝度副ブロックのモーションベクトルを導出するために、
図5に示すように各副ブロックの中心サンプルのモーションベクトルが、上記数式(1)及び(2)に従って計算され、そして1/16分数精度へ丸められ得る。
図5内の矢印は各副ブロックに対応するモーションベクトルを示す。次に、動き補償補間フィルタが、導出されたモーションベクトルにより各副ブロックの予測を生成するために適用され得る。色度成分の副ブロックサイズも4×4となるように設定され得る。4×4色度副ブロックのモーションベクトルは、4つの対応する4×4輝度副ブロックのモーションベクトルの平均として計算され得る。
【0040】
[0048] 並進運動インター予測について行われるように、2つのアフィン動きインター予測モード:アフィンマージモード及びアフィン高度モーションベクトル予測(AMVP:Advanced Motion Vector Prediction)モードも存在する。アフィンマージモードは、8以上の幅及び高さの両方を有するCUに関して適用され得る。AMVPモードでは、現在のCUの制御点モーションベクトル(CPMV)は空間的に隣接するCUの動き情報に基づき生成され得る。最大5つのCPMV候補が存在し得る。指標は現在のCUのために使用される1つの候補を示すために信号伝達され得る。以下の3つのタイプのCPMV候補がアフィンマージ候補リストを形成するために使用される:(1)近隣CUのCPMVから外挿される継承されたアフィンマージ候補;(2)近隣CUの並進モーションベクトル(MV)を使用して導出される構築済みアフィンマージ候補CPMV;(3)零MV。3つのタイプの候補は以下でさらに説明される。
【0041】
[0049] VVCでは、最大2つの継承されたアフィンマージ候補が存在し得る。2つの継承されたアフィンマージ候補は、近隣ブロックのアフィン動きモデルから導出される(1つは左側近隣CUからそして1つは上側近隣CUから)。候補ブロックA0、A1、B0、B1及びB2が
図6に示される。左側モーションベクトル予測子に関して、近隣ブロックは次の順序でチェックされ得る:A0→A1。上側モーションベクトル予測子に関して、近隣ブロックは次の順序でチェックされ得る:B0→B1→B2。各側(左側及び上側)からの第1の継承された候補が選択され得る。すなわち、各側で、チェック順にアフィンモードにおいて符号化された第1の近隣ブロックが選択される。さらに、プルーニングチェック(pruning check)は、2つの継承された候補間では行われないかもしれない。
【0042】
[0050] 近隣アフィンCUが識別されると、その制御点モーションベクトルが、現在のCUのアフィンマージリスト内のCPMV候補を導出するために使用され得る。
図7に示すように、近隣左下ブロックAがアフィンモードで符号化される場合、ブロックAを含むCU704の左上角、右上角及び左下角のモーションベクトルv
2、v
3及びv
4が取得され得る。ブロックAが4パラメータアフィンモデルにより符号化される場合、現在のCU702の2つのCPMVはv
2及びv
3に従って計算され得る。代替的に、ブロックAが6パラメータアフィンモデルにより符号化される場合、現在のCU702の3つのCPMVはv
2、v
3及びv
4に従って計算され得る。
【0043】
[0051] 構築されたアフィン候補は、同候補が各制御点の近隣モーション情報を組み合わせることにより構築されるということを意味する。
図8に示すように、4つの制御点802、804、806及び808のモーション情報は、規定された空間的近隣及び時間的近隣から導出され得る。CPMV
k(k=1,2,3,4)は、K番目制御点CP
kのモーションベクトルを表すために使用され得る。CP801に対応するCPMV
1に関して、近隣ブロックB2、B3及びA2は以下の順序に従ってチェックされ得る:B2→B3→A2。最初の利用可能ブロックのMVが使用され得る。CP804に対応するCPMV
2に関して、近隣ブロックB1、B0は以下の順序でチェックされ得る:B1→B0。CP806に対応するCPMV
3に関して、近隣ブロックA1及びA0は以下の順序でチェックされ得る:A1→A0。CP808に対応するCPMV
4に関して、時間的モーションベクトル予測子(TMVP:temporal motion vector predictor)は利用可能であればCPMV
4として使用され得る。
【0044】
[0052] 4つの制御点802~808のMVが取得された後、アフィンマージ候補がモーション情報に基づき構築され得る。制御点MVの組み合わせは次の順序で候補を構築するために使用され得る:{CPMV1,CPMV2,CPMV3},{CPMV1,CPMV2,CPMV4},{CPMV1,CPMV3,CPMV4},{CPMV2,CPMV3,CPMV4},{CPMV1,CPMV2},{CPMV1,CPMV3}
【0045】
[0053] 3つのCPMVの組み合わせは6パラメータアフィンマージ候補を構築し得、2つのCPMVの組み合わせは4パラメータアフィンマージ候補を構築し得る。いくつかの実施形態では、モーションスケーリング処理を避けるために、制御点の基準指標が異なる場合、制御点MVの対応組み合わせは廃棄され得る。
【0046】
[0054] 継承されたアフィンマージ候補及び構築されたアフィンマージ候補がチェックされた後、アフィンマージ候補リストが未だ一杯でなければ、零MVがリストの終わりへ挿入され得る。
【0047】
[0055] アフィンAMVPモードは、16以上の幅及び高さの両方を有するCUについて適用され得る。CUレベルにおけるアフィンフラグが、アフィンAMVPモードが使用されるかどうかを示すためにビットストリームで信号伝達され得る。アフィンAMVPモードが使用される場合、別のフラグが、4パラメータアフィン又は6パラメータアフィンが使用されるかを示すために信号伝達され得る。現在のCUのCPMVとそれらの予測子(CPMVP)との差がビットストリームで信号伝達され得る。アフィンAMVP候補リストサイズは2である。候補リストは、以下の4つのタイプのCPMVP候補を次の順序で使用することにより生成され得る:(1)近隣CUのCPMVから外挿される継承されたアフィンAMVP候補;(2)近隣CUの並進運動MVを使用して導出される構築されたアフィンAMVP候補CPMVP;(3)近隣CUからの並進運動MV;及び(4)零MV。
【0048】
[0056] 継承されたアフィンAMVP候補のチェック順は、上述のように、継承されたアフィンマージ候補のチェック順と同じであり得る。唯一の差は、AMVP候補について、現在のブロックと同じ基準ピクチャを有するアフィンCUだけが考慮されるということである。いかなるプルーニング処理も、継承されたアフィン動き予測子を候補リストへ挿入する際に適用されない。
【0049】
[0057] 構築されたAMVP候補は、
図8に示すように、規定された空間的近隣から導出され得る。アフィンマージ候補の構築において使用されるのと同じチェック順が使用され得る。加えて、近隣ブロックの基準ピクチャ指標もチェックされる。チェック順の最初の、インター符号化され現在のCUと同じ基準ピクチャを有するブロックが使用される。現在のCUが4パラメータアフィンモードにより符号化され、そしてmv
0、mv
1が両方とも利用可能である場合、mv
0、mv
1は、アフィンAMVPリスト内の1つの候補として追加され得る。現在のCUが6パラメータアフィンモードにより符号化され、そして3つのすべてのCPMVが利用可能である場合、3つのすべてのCPMVはアフィンAMVPリスト内の1つの候補として追加される。そうでなければ、構築されたAMVP候補は利用不能に設定され得る。
【0050】
[0058] 継承されたアフィンAMVP候補及び構築されたAMVP候補がチェックされた後、アフィンAMVPリスト候補は依然として2未満であり得る。この場合、mv0、mv1及びmv2は、利用可能であれば現在のCUのすべての制御点MVを予測するために、並進運動MVとして順番に追加され得る。最後に、アフィンAMVP候補リストが依然として一杯でない場合、零MVがリストを埋めるために使用され得る。
【0051】
[0059] いくつかの実施形態では、重み付け平均化による双方向予測(BWA:bi-prediction with weighted averaging)が適用され得る。伝統的に、双方向予測信号は、2つの異なる基準ピクチャから取得された2つの予測信号を平均化すること及び/又は2つの異なるモーションベクトルを使用することだけにより、生成される。VVCでは、双方向予測モードは、以下の式に示すように2つの予測信号の重み付け平均化を許容するために、単純平均化を越えて拡張される:
Pbi-pred=((8-w)*P0+w*P1+4)≫3 (3)
【0052】
[0060] 5つの重み付けが、重み付け平均化双方向予測において許容される、w∈{-2,3,4,5,10}である。各双方向予測CUについて、重み付けwは以下の2つのやり方のうちの1つで決定され得る:1)非マージCUについて、重み付け指標はモーションベクトル差の後に信号伝達され得る;2)マージCUについて、重み付け指標はマージ候補指標に基づき近隣ブロックから推定され得る。256個以上の輝度サンプルによる重み付け平均化双方向予測がCUへ適用され得、これは、CU高さ×CU幅が256以上であるということを意味する。低遅延ピクチャについて、5つのすべての重み付けが使用され得る。非低遅延ピクチャについて、3つの重み付け(w∈{3,4,5})だけが使用される。
【0053】
[0061] 符号器側では、高速検索アルゴリズムが、符号器複雑性を著しく増加することなく重み付け指標を発見するために適用され得る。これらのアルゴリズムの適用は以下のことに基づき要約され得る。適応モーションベクトル分解能(AMVR:adaptive motion vector resolution)と組み合わせられるとき、現在のピクチャが低遅延ピクチャであれば、等しくない重み付けだけが1画素及び4画素モーションベクトル精度に関して条件付きでチェックされる。アフィン動き補償と組み合わせられるとき、アフィン動き推定(ME:motion estimation)は、アフィンモードが現在の最良のモードとして選択されれば、そしてこのときに限り、等しくない重み付けに関して行われ得る。双方向予測における2つの基準ピクチャが同じである場合、等しくない重み付けだけが条件付きチェックされる。
【0054】
[0062] いくつかの実施形態では、等しくない重み付けはいくつかの条件が満足される場合は検索されない。現在のピクチャとその基準ピクチャとの間のピクチャ順序カウント(POC:picture order count)距離、符号化量子化パラメータ(QP:quantization parameter)、及び時間的レベルなどの様々な要因が考慮され得る。
【0055】
[0063] 上に指摘したように、BWAがマージ予測と組み合わせられる場合、重み付け指標は、マージ候補指標に基づき近隣ブロックから推定され得る。しかし、これは、アフィンマージ予測の場合には常に当てはまるとは限らないかもしれない。上に指摘したように、アフィンマージ予測に関して、アフィンマージ候補リスト内には以下の3つのタイプのCPMV候補が存在し得る:1)近隣CUのCPMVから外挿される継承されたアフィンマージ候補;2)近隣CUの並進運動MVを使用して導出される構築済みアフィンマージ候補CPMV;そして3)零MV。第1のタイプの候補(継承されたアフィンマージ候補)が選択された場合、近隣CUのBWA重み付け指標も継承される。したがって、双方向予測おいて使用される現在のCUの重み付け指標は、CPMVが継承される近隣CUの重み付け指標と同じである。しかし、第2のタイプの候補(構築されたアフィンマージ候補)又は第3のタイプの候補(零モーションベクトル)が選択される場合、近隣CUのBWA重み付け指標は継承されない。その代りに、いくつかの技術では、等しい重み付けは、現在のCU重み付け指標をデフォルト値として設定することにより、現在のCUについて使用され得る。
【0056】
[0064] 上述の設計は少なくとも以下の欠点を有する。上記設計に基づき、同じ候補リスト内の2つのタイプのCPMV候補である、継承されたアフィンマージ候補と構築されたアフィンマージ候補との間に、BWA重み付け指標継承の不一致があり得る。したがって、符号器及び復号器は、現在のCUのBWA重み付けを生成するために、これらの2つのタイプの候補を区別し、そして異なる論理を使用する必要がある。構築されたアフィンマージ候補が固定される一方で、継承されたアフィンマージ候補は近隣CUから継承される。したがって、処理複雑性を増加する。
【0057】
[0065] さらに、現在のCUの重み付けは、構築されたアフィンマージ候補が選択されれる場合に固定され得、したがって重み付け選択の柔軟性を失う。BWAは、インター予測における重み付けを平均化することのより多くの選択肢を提示することにより、符号化性能を増加するので、VC標準へ適応化される。しかし、固定された等しい重み付けを使用することは、BWAの恩恵を低減し、したがって符号化性能を損ない得る。
【0058】
[0066] さらに、零MVは、候補リストが、継承されたアフィンマージ候補及び構築されたアフィンマージ候補を挿入した後に一杯でない場合に、アフィンマージ候補リストへ挿入される。しかし、候補リストへ挿入されるすべての零MVのBWA重み付けを固定することは、同じMV候補がリスト内で重複されるということを意味し、これは候補信号伝達(candidate signaling)の冗長性を導入する。加えて、上記のように、構築されたアフィンマージ候補に関して、近隣CU重み付けは使用されない。これは、BWAがマージモードと組み合わせられる場合に、重み付け指標はマージ候補指標に基づき近隣ブロックから推定されるという設計思想から逸脱する。
【0059】
[0067] 上述の問題を解決するために、以下の技術が本開示において提供される。
【0060】
[0068] 上記問題に対処するための1つの技術は、明示的重み付け信号伝達による。明示的信号伝達により、現在のCUの重み付けは符号器により選択され得、選択される重み付けの指標がビットストリームで明示的に信号伝達され得る。これは、重み付け指標がマージ候補指標に基づき近隣ブロックから推定されるという概念を変える。アフィンマージ予測に関して、現在のCUの重み付けは近隣CUからもはや推定されない。符号器は、許容される候補重み付けから任意の値を選択し、そして選択された値をビットストリームで信号伝達する可能性がある。
【0061】
[0069] 本開示のいくつかの実施形態では、継承されたアフィンマージ候補、構築されたアフィンマージ候補、及び零モーションベクトルを含むすべての種類のアフィンマージ候補の重み付けはすべて、符号器により選択され、そしてビットストリームで信号伝達され得る。いくつかの実施形態では、いくつかであるがすべてではないアフィンマージ候補の重み付けが符号器により選択され、そしてビットストリームで信号伝達される。例えば、構築されたアフィンマージ候補だけに関し、重み付けは選択されてそして信号伝達され得;そして他の候補(例えば継承されたアフィンマージ候補)に関して、重み付けは近隣CUから推定される又はデフォルト値へ固定される。
【0062】
[0070] 本開示のいくつかの実施形態では、重み付けは、重み付け指標をビットストリームで送信することにより信号伝達され得る。
【0063】
[0071] 既存問題に対処するための別の技術は暗黙的重み付け導出による。この技術により、重み付けは、構築されたアフィンマージ候補が使用されるCUに関して固定されない。その代りに、重み付けは近隣CUから推定され得る。各構築されたアフィンマージ候補に関して、重み付け又は重み付け指標は、この構築されたアフィンマージ候補のCPに従って導出され得る。この構築されたアフィンマージ候補がCUのために使用される場合、導出される重み付け又は重み付け指標もまたCUのために使用され得る。
【0064】
[0072] 例えば、CPk(k=1,2,3,4)は、K番目CPを表すために使用され得る。各CPに関して、近隣CUは、対応CPMVを導出するために使用され得る。近隣CUはまた、CPの重み付け又は重み付け指標を導出するために使用される。一般的に言えば、4つの制御点が存在する。したがって、構築されたアフィンマージ候補は、せいぜい4つの異なる重み付け又は重み付け指標を有する可能性がある。したがって、構築されたアフィンマージ候補の1つの重み付け又は重み付け指標を、せいぜい4つの重み付け又は重み付け指標から導出するための規則が規定され得る。例えば、構築されたアフィンマージ候補の左上CP及び/又は右上CPを含む複数のCPは、1つ又は複数の重み付けを有する。構築されたアフィンマージ候補の重み付けは、左上CPに関連する重み付け及び/又は右上CPに関連する重み付けに基づき決定され得る。同様に、いくつかの実施形態では、構築されたアフィンマージ候補の左下CP及び/又は右下CPは、1つ又は複数の重み付けを有する。構築されたアフィンマージ候補の重み付けは、左下CPに関連する重み付け及び/又は右下CPに関連する重み付けに基づき決定され得る。導出処理の例が以下にさらに説明される。本開示のいくつかの実施形態では、CPのすべてが同じ重み付け又は重み付け指標を有する場合、この重み付け又は重み付け指標は、構築されたアフィンマージ候補のために使用され得る。CPのすべてが同じ重み付け又は重み付け指標を有しない場合、等しい重み付けに対応するデフォルト値が使用され得る。
【0065】
[0073] 例えば、2つのCP(CPa,CPb)を有する構築されたアフィンマージ候補に関して、
if(CPa重み付け==CPb重み付け)
アフィンマージ候補重み付け=CPa重み付け
そうでなければ
アフィンマージ候補重み付け=デフォルト値
【0066】
[0074] さらに、3つのCP(CPa,CPb,CPc)を有する構築されたアフィンマージ候補に関して、
if(CPa重み付け==CPb重み付け&&CPb重み付け==CPc重み付け)
アフィンマージ候補重み付け=CPa重み付け
そうでなければ
アフィンマージ候補重み付け=デフォルト値
【0067】
[0075] 同様に、上記規則はまた、4個以上のCPを有する構築されたアフィンマージ候補に適用され得、上記操作はまた重み付け指標に適用され得る。
【0068】
[0076] 本開示のいくつかの実施形態では、構築されたアフィンマージ候補の重み付け又は重み付け指標は、最尤重み付け又は重み付け指標であり得る。最尤重み付け又は重み付け指標は、構築されたアフィンマージ候補のほとんどのCPにより使用される重み付け又は重み付け指標に対応し得る。例えば、2つのCP(CPa,CPb)を有する構築されたアフィンマージ候補に関して、重み付けは以下に基づき決定され得る:
if(CPa重み付け==CPb重み付け)
アフィンマージ候補重み付け=CPa重み付け
そうでなければ
アフィンマージ候補重み付け=デフォルト値
【0069】
[0077] 3つのCP(CPa,CPb,CPc)を有する構築されたアフィンマージ候補に関して、重み付けは以下に基づき決定され得る:
if(CPa重み付け==CPb重み付け)
アフィンマージ候補重み付け=CPa重み付け
そうでなければ、if(CPb重み付け==CPc重み付け)
アフィンマージ候補重み付け=CPb重み付け
そうでなければ、if(CPa重み付け==CPc重み付け)
アフィンマージ候補重み付け=CPc重み付け
【0070】
[0078] 上記規則はまた、4個以上のCPを有する構築されたアフィンマージ候補に及び重み付け指標の決定に適用され得る。
【0071】
[0079] 本開示のいくつかの実施形態では、構築されたアフィンマージ候補のCPのすべての重み付けの中から、等しい重み付けからの最小差を有する重み付けが、構築されたアフィンマージ候補の重み付け又は重み付け指標として使用され得る。例えば、2つのCP(CPa,CPb)を有する構築されたアフィンマージ候補に関して、重み付けは以下に基づき決定され得る:
Diffa=|CPa重み付け-等しい重み付け|
Diffb=|CPb重み付け-等しい重み付け|
if(Diffa≦Diffb)
アフィンマージ候補重み付け=CPa重み付け
そうでなければ
アフィンマージ候補重み付け=CPb重み付け
【0072】
[0080] 3つのCP(CPa,CPb,CPc)を有する構築されたアフィンマージ候補に関して、重み付けは以下に基づき決定され得る:
Diffa=|CPa重み付け-等しい重み付け|
Diffb=|CPb重み付け-等しい重み付け|
Diffc=|CPc重み付け-等しい重み付け|
if(Diffa≦Diffb&&Diffa≦Diffc)
アフィンマージ候補重み付け=CPa重み付け
そうでなければ、if(Diffb≦Diffa&&Diffb≦Diffc)
アフィンマージ候補重み付け=CPb重み付け
そうでなければ
アフィンマージ候補重み付け=CPc重み付け
【0073】
[0081] 代替的に、2つのCP(CPa,CPb)を有する構築されたアフィンマージ候補に関して、重み付けは以下に基づき決定され得る:
if(CPa重み付け≧等しい重み付け&&CPb重み付け≧等しい重み付け)
アフィンマージ候補重み付け=min(CPa重み付け,CPb重み付け)
そうでなければ、if(CPa重み付け≦等しい重み付け&&CPb重み付け≦等しい重み付け)
アフィンマージ候補重み付け=max(CPa重み付け,CPb重み付け)
【0074】
[0082] そして3つのCP(CPa,CPb,CPc)を有する構築されたアフィンマージ候補に関して、重み付けは以下に基づき決定され得る:
if(CPa重み付け≧等しい重み付け&&CPb重み付け≧等しい重み付け&&CPc重み付け≧等しい重み付け)
アフィンマージ候補重み付け=min(CPa重み付け,CPb重み付け,CPc重み付け)
そうでなければ、if(CPa重み付け≦等しい重み付け&&CPb重み付け≦等しい重み付け&&CPc重み付け≦等しい重み付け)
アフィンマージ候補重み付け=max(CPa重み付け,CPb重み付け,CPc重み付け)
そうでなければ
アフィンマージ候補重み付け=等しい重み付け、又は等しい重み付けの同じ側の2つの重み付けのうちのより近い重み付け
【0075】
[0083] 同様に、上記規則はまた、4個以上のCPを有する構築されたアフィンマージ候補に及び重み付け指標の決定に適用され得る。
【0076】
[0084] いくつかの実施形態では、CP重み付け又は重み付け指標の平均は、構築されたアフィンマージ候補の重み付けとして使用され得る。例えば、2つのCP(CPa,CPb)を有する構築されたアフィンマージ候補に関して、重み付けは以下に基づき決定され得る:
重み付け=(CPa重み付け+CPb重み付け)/2の整数部
res=(CPa重み付け+CPb重み付け)%2
if(res==0)
アフィンマージ候補重み付け=重み付け
そうでなければ
アフィンマージ候補重み付け=(CPa重み付け+CPb重み付け)/2の等しい重み付け方向への丸め込み
【0077】
[0085] さらに、3つのCP(CPa,CPb,CPc)を有する構築されたアフィンマージ候補に関して、重み付けは以下に基づき決定され得る:
重み付け=(CPa重み付け+CPb重み付け+CPc重み付け)/3の整数部
res=(CPa重み付け+CPb重み付け+CPc重み付け)%3
if(res==0)
アフィンマージ候補重み付け=重み付け
そうでなければ
アフィンマージ候補重み付け=(CPa重み付け+CPb重み付け+CPc重み付け)/3の等しい重み付け方向への丸め込み
【0078】
[0086] 同様に、上記規則はまた、4個以上のCPを有する構築されたアフィンマージ候補に及び重み付け指標の決定に適用され得る。
【0079】
[0087] 本開示のいくつかの実施形態によると、零MV候補に関してBWA重み付けを使用する方法も提供される。上に指摘したように、継承されたアフィンマージ候補及び構築されたアフィンマージ候補がアフィンマージ候補リストへ挿入された後(候補リストが一杯でなければ)、候補リストは、一杯になるまで零MVにより埋められることになる。本開示のいくつかの実施形態に整合して、候補リストは、満たされた零MV候補が異なる予測子を提供し得るように、異なるBWA重み付けを有する零MVで満たされ得る。
【0080】
[0088] 例えば、候補リスト内で満たされる零MVの重み付けの順番は{4,4}/8,{5,3}/8,{3,5}/8,{-2,10}/8,{10,-2}/8であり得る。継承されたアフィンマージ候補及び構築されたアフィンマージ候補が導出された後、候補リストが一杯でない場合、等しい重み付け{4,4}/8を有する零MVが最初に挿入され得る。リストが依然として一杯でない場合、{5,3}/8の重み付けを有する零MVが挿入され得る。その後、リストが依然として一杯でない場合、{3,5}/8、{-2,10}/8及び{10,-2}/8の重み付けを有する零MVが、リストが一杯になるまで挿入され得る。すべての重み付けを有する零MVが挿入された後、候補リストが依然として一杯でない場合、異なる基準指標を有する零MVが挿入され得る。
【0081】
[0089] VVCでは、いくつかの構築されたアフィンマージ候補が存在し得る。候補の制御点セット/組み合わせの順番は以下のとおりである:{CP1,CP2,CP3},{CP1,CP2,CP4},{CP1,CP3,CP4},{CP2,CP3,CP4},{CP1,CP2},{CP1,CP3}。符号器及び復号器は、最初の組み合わせから最後の組み合わせまでチェックし得る。利用可能であれば、組み合わせは候補リストへ入れられ得る。組み合わせが利用可能でなければ、次の組み合わせがチェックし得る。候補リスト内で選択される候補の指標は、可変長符号を有するビットストリームで示され得る。より小さな指標はより短い長さの符号により符号化され得る。したがって、リスト内の候補の順番は符号化効率に影響を与え得る。構築されたアフィンマージ候補の固定された順番は映像系列毎に最適化されないかもしれない。
【0082】
[0090] 上述の問題に対処するために、マージ候補の順番の適応化が実施され得る。例えば、組み合わせ内のCPの重み付けがチェックされる。チェック結果に従って、各組み合わせの順番が決定され得る。
【0083】
[0091] 本開示のいくつかの実施形態では、すべてのCPが同じ重み付け又は重み付け指標を有する組み合わせは最高優先度が割り当てられ、そしてリスト内の最初に置かれる。CPが最も多様な重み付け又は重み付け指標を有する組み合わせは低優先度を有し、そしてリスト内の後ろに置かれる。本開示のいくつかの実施形態では、CPはCP重み付けに従って様々なクラスへ分類され得る。すべてのCPが同じクラスに入る組み合わせは、最高優先度を割り当てられ得、そしてリスト内の最初に置かれ得る。CPが最も多様なクラス内に在る組み合わせは低優先度を割り当てられ得、そしてリスト内の後ろに置かれる。
【0084】
[0092] 上記に基づき、組み合わせ内のCPの重み付けが一貫していればいるほど、組み合わせはより高い優先度を有する。例えば、組み合わせ{CPMV1,CPMV2,CPMV3}及び{CPMV1,CPMV2,CPMV4}に関して、CP1、CP2及びCP3が同じ重み付け又は重み付け指標を有する場合又は同じクラスに属する場合、そしてCP4が異なる重み付け又は重み付け指標を有する場合又は異なるクラスに属する場合、{CPMV1,CPMV2,CPMV3}はより高い優先度を割り当てられ得る。すなわち、リスト内で、{CPMV1,CPMV2,CPMV3}は{CPMV1,CPMV2,CPMV4}の前に来る。代替的に、CP1,CP2及びCP3の重み付け又は重み付け指標又は対応クラスはすべて異なるが、CP4の重み付け又は重み付け指標又は対応クラスがCP1と同じある場合、{CPMV1,CPMV2,CPMV4}は、それほど多様ではなく、そしてより高い優先度を割り当てられ得る。すなわち、リスト内で、{CPMV1,CPMV2,CPMV4}は{CPMV1,CPMV2,CPMV3}の前に来る。2つの組み合わせが、重み付け又は重み付け指標又はクラスの観点で同じレベルの多様性を有する場合、デフォルト順番がこれらの2つの組み合わせに割り当てられ得る。
【0085】
[0093] VVCでは、構築されたアフィン候補は、各制御点の近隣モーション情報を組み合わせることにより構築される候補を指す。以下の組み合わせの制御点は、アフィンマージ候補を順に構築するために使用される:{CP1,CP2,CP3}、{CP1,CP2,CP4}、{CP1,CP3,CP4}、{CP2,CP3,CP4}、{CP1,CP2}、{CP1,CP3}。符号器及び復号器は、各組み合わせの可用性をチェックし得る。利用可能である場合、構築されたアフィンマージ候補は候補リストへ入れられ得る。組み合わせが利用可能でない場合、次の組み合わせの可用性がチェックされ得る。既存技術では、可用性条件は近隣CUがインター符号化されるか否かに焦点を当てる。BWA重み付けは考慮されない。
【0086】
[0094] 本開示のいくつかの実施形態に整合して、新しい可用性条件が適用され得る。組み合わせ内の各CPの重み付け又は重み付け指標がチェックされ得る。組み合わせの可用性は、チェック結果に従って決定され得る。
【0087】
[0095] いくつかの実施形態では、組み合わせ内の2つのCPの重み付けが異なる符号を有する場合、組み合わせは利用不能組み合わせとして設定され得る。例えば、組み合わせ{CP1,CP2,CP3)において、CP1の重み付けが(-2,10)でありそしてCP2の重み付けが(10,-2)である場合、この組み合わせは利用不能に設定され得る。別の例として、組み合わせ{CP1,CP2,CP3)において、CP1の重み付けが(-2,10)でありそしてCP2の重み付けが(4,4)である場合、この組み合わせは利用不能に設定され得る。
【0088】
[0096] VVCでは、BWA重み付けはCU又はPUレベルで適用される。これは、1つのCU又はPU内の各画素が予測処理において同じ重み付けを有するということを意味する。しかし、アフィン動き予測では、副ブロックベース動き補償が適用され得る。現在のCU内の各副ブロックのモーションベクトルは、現在のCUの制御点のモーションベクトルにより導出され得る。次に、動き補償補間フィルタが、導出されたモーションベクトルを有する各副ブロックの予測子を生成するために適用される。モーションベクトルとBWA重み付けとを整合させるために、副ブロックレベル重み付けが本開示のいくつかの実施形態に従って導出され得る。
【0089】
[0097] いくつかの実施形態では、現在のCU又はPU内の各副ブロックの重み付けは、現在のCU又はPUの制御点の重み付けにより導出され得る。したがって、各副ブロックは異なる重み付けを有し得る。
【0090】
[0098] いくつかの実施形態では、各画素の重み付けwx,yは、CPの重み付けwcp0、wcp1及びwcp2から補間され得、ここで、(x,y)は各画素の座標を示す。本明細書において限定されない様々な補間フィルタが使用さ得る。補間処理を単純化するために、重み付けは副ブロックレベルで導出され得る。例えば、(x,y)は各副ブロックの中心座標であり得る。さらに、副ブロックサイズはアフィン動き予測おいて使用されるものと同じであり得る。
【0091】
[0099] 本開示のいくつかの実施形態では、CU又はPUは、例えば2つ又は4つの副ブロックへ分割され得る。副ブロック毎に、副ブロックに含まれる制御点の重み付けが副ブロックのために使用され得る。現在の構築されたアフィンマージ候補の制御点組み合わせ内に制御点を有しない副ブロックに関して、予め規定された規則が重み付け値を導出するために使用され得る。例えば、
図9Aに示すように、2CP組み合わせ{CP
1,CP
3}に関して、CU又はPU910は、2つの副ブロック911、912へ水平方向に分割され得る。CP
1、W
1の重み付けは、上部副ブロック911のために使用され得る。CP
3、W
3の重み付けは、下部副ブロック912のために使用され得る。別の例として、
図9Bに示すように、2CP組み合わせ{CP
1,CP
2}に関して、CU又はPU920は、2つの副ブロック921、922内へ垂直方向に分割され得る。CP
1の重み付けは、左側副ブロック921のために使用され得る。CP
2の重み付けは、右側副ブロック922のために使用され得る。
【0092】
[00100] 代替的に、2CP組み合わせ{CP
1,CP
3}に関して、
図9Cに示すように、CU又はPU930は、4つの副ブロック931、932、933、934へ分割され得る。CP
1の重み付けは、左上副ブロック931のために使用され得る。CP
3の重み付けは、左下副ブロック932のために使用され得る。右上副ブロック933の重み付けは、CP
1の重み付けから導出されてもよいし、デフォルト値として設定されてもよい。右下副ブロック934の重み付けは、CP
3の重み付けから導出されてもよいし、デフォルト値として設定されてもよい。同様に、2つのCP組み合わせ{CP
1,CP
2}に関して、
図9Dに示すように、CU又はPU940は、4つの副ブロック941、942、943、944へ分割され得る。CP
1の重み付けは、左上副ブロック941のために使用され得る。CP
2の重み付けは、右上副ブロック942のために使用され得る。左下副ブロック943の重み付けは、CP
1の重み付けから導出されてもよいし、デフォルト値として設定されてもよい。右下副ブロック944の重み付けは、CP
2の重み付けから導出されてもよいし、デフォルト値として設定されてもよい。
【0093】
[00101] 3つのCPに関する例示的分割が以下にさらに提供される。
図10Aに示すように、3CP組み合わせ{CP
1,CP
2,CP
4}に関して、CU又はPU1010は、2つの副ブロック1011、1012へ垂直方向に分割され得る。CP
1の重み付けは、左側副ブロック1011のために使用され得る。CP
2の重み付けは、右側副ブロック1012のために使用され得る。3CP組み合わせ{CP
1,CP
3,CP
4}に関して、
図10Bに示すように、CU又はPU1020は、2つの副ブロック1021、1022へ水平方向に分割され得る。CP
1の重み付けは、上側副ブロック1021のために使用され得る。CP
3の重み付けは、下部副ブロック1022のために使用され得る。3CP組み合わせ合わせ{CP
2,CP
3(CP
4})に関して、
図10Cに示すように、CU又はPU1030は、副ブロック1031、1032へ水平方向に分割され得る。CP
2の重み付けは、上部副ブロック1031のために使用され得る。CP
3の重み付けは、下部副ブロック1032のために使用され得る。代替的に、
図10Dに示すように、CU又はPU1040は、副ブロック1041、1042へ垂直方向に分けられ得る。CP
2の重み付けは、右側副ブロック1042のために使用され得る。CP
3の重み付けは、左側副ブロック1041のために使用され得る。
【0094】
[00102] CU又はPUは、さらに4つの副ブロックに分けられ得る。
図10Eに示すように、3CP組み合わせ合わせ{CP
1,CP
2,CP
3}に関して、CU又はPU1050は、4つの副ブロック1051、1052、1053、1054へ分割され得る。CP
1の重み付けは、左上副ブロック1051のために使用され得る。CP
2の重み付けは、右上副ブロック1052のために使用され得る。CP
3の重み付けは、左下副ブロック1053のために使用され得る。右下副ブロック1054の重み付けは、以下のうちの1つとして設定され得る:CP
1、CP
2及びCP
3の3つの重み付けの平均値;CP
2の重み付け及びCP
3の重み付けの平均値;CP
1、CP
2及びCP
3の3つの重み付けの中央値;等しい重み付けからの最小差を有するCP
1、CP
2及びCP
3の3つの重み付けの1つ;等しい重み付けからより小さい差を有するCP
2の重み付け及びCP
3の重み付けの1つ;等しい重み付け;又は別のデフォルト値。
【0095】
[00103]
図10Fに示すように、3CP組み合わせ合わせ{CP
1,CP
2,CP
4}に関して、CU又はPU1060は4、つの副ブロック1061、1062、1063、1064へ分割され得る。CP
1の重み付けは、左上副ブロック1061のために使用され得る。CP
2の重み付けは、右上副ブロック1062のために使用され得る。CP
4の重み付けは、右下副ブロック1064のために使用され得る。左下副ブロック1063の重み付けは、以下のうちの1つとして設定され得る:3つのすべての重み付けの平均値;CP
1の重み付け及びCP
4の重み付けの平均値;3つの重み付けの中央値;等しい重み付けからの最小差を有するCP
1、CP
2,CP
4の3つの重み付けの1つ;等しい重み付けからより小さい差を有するCP
1の重み付け及びCP
4の重み付けの1つ;等しい重み付け;又は別のデフォルト値。
【0096】
[00104]
図10Gに示すように、3CP組み合わせ合わせ{CP
1,CP
3,CP
4}に関して、CU又はPU1080は、4つの副ブロック1071、1072、1073、1074へ分割され得る。CP
1の重み付けは、左上副ブロック1071のために使用され得、CP
3の重み付けは、左下副ブロック1073のために使用され得、CP
4の重み付けは、右下副ブロック1074のために使用され得る。右上副ブロック1072の重み付けは、以下の内の1つとして設定され得る:3つのすべての重み付けの平均値;CP
1の重み付け及びCP
4の重み付けの平均値;3つの重み付けの中央値;等しい重み付けからの最小差を有するCP
1、CP
3,CP
4の3つの重み付けの1つ;等しい重み付けからより小さい差を有するCP
1の重み付け及びCP
4の重み付けの1つ;等しい重み付け;又は別のデフォルト値。
【0097】
[00105]
図10Hに示すように、3CP組み合わせ合わせ{CP
2,CP
3,CP
4}に関して、CU又はPU1080は、4つの副ブロック1081、1082、1083、1084へ分割され得る。CP
2の重み付けは、右上副ブロック1082のために使用され得る。CP
3の重み付けは、左下副ブロック1083のために使用され得る。CP
4の重み付けは、右下副ブロック1084のために使用され得る。左上副ブロック1081の重み付けは、以下のうちの1つとして設定され得る:3つのすべての重み付けの平均値;CP
2の重み付け及びCP
3の重み付けの平均値;制御点の3つの重み付けの中央値;等しい重み付けからの最小差を有するCP
2、CP
3,CP
4の3つの重み付けの1つ;等しい重み付けからより小さい差を有するCP
2の重み付け及びCP
3の重み付けの1つ;等しい重み付け;又は別のデフォルト値。
【0098】
[00106] 4つのCPに関する例示的分割が以下にさらに提供される。
図11に示すように、組み合わせ{CP
1,CP
2,CP
3,CP
4}に関して、CU又はPU1100は、4つの副ブロック1101、1102、1103、1104へ分割され得る。CP
1の重み付けは、左上副ブロック1101のために使用され得る。CP
2の重み付けは、右上副ブロック1102のために使用され得る。CP
3の重み付けは、左下副ブロック1103のために使用され得る。CP
4の重み付けは、右下副ブロック1104のために使用され得る。
【0099】
[00107] いくつかの実施形態では、上述の方法を行うための装置(開示された符号器及び復号器など)により実行され得る命令を含む非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体も提供される。非一時的媒体の一般的形態は、例えばフロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、固体ドライブ、磁気テープ、又は任意の他の磁気データストレージ媒体、CD-ROM、任意の他の光データ記憶媒体、孔のパターンを有する任意の物理的媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH(登録商標)-EPROM又は任意の他のフラッシュメモリ、NVRAM、キャッシュ、レジスタ、任意の他のメモリチップ又はカートリッジ、及びこれらのネットワークバージョンを含む。本装置は1つ又は複数のプロセッサ(CPU)、入力/出力インターフェース、ネットワークインターフェース、及び/又はメモリを含み得る。
【0100】
[00108] 本明細書における「第1」、「第2」などの関係語はエンティティ又は操作と別のエンティティ又は操作とを識別するためだけに使用され、これらのエンティティ又は操作間のいかなる実際の関係又はシーケンスも必要としない又は意味しないということに注意すべきである。さらに、用語「含む」、「有する」及び他の同様な形式は、意味の点で等価となるように意図されるとともに、これらの用語の任意の1つに続くアイテム又はアイテム群がこのようなアイテム又はアイテム群の総記であることを意味しない又は列記されたアイテム又はアイテム群だけに限定されることを意味しないという点で開放的であるように意図されている。
【0101】
[00109] 本明細書で使用されるように、特記しない限り、用語「又は」は実現不能である場合を除いて全ての可能な組み合わせを包含する。例えば、データベースがA又はBを含み得るということが言明されれば、特記しない限り又は実現不能でない限り、データベースはA、又はB、又はA及びBを含み得る。第2の例として、データベースがA、B又はCを含み得るということが言明されれば、特記しない限り又は実現不能でない限り、データベースはA、又はB、又はC、又はA及びB、又はA及びC、又はB及びC、又はA及びB及びCを含み得る。
【0102】
[00110] 上記実施形態がハードウェア、ソフトウェア(プログラムコード)、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせにより実施され得るというが理解される。ソフトウェアにより実施されれば、それは上記コンピュータ可読媒体内に格納され得る。ソフトウェアはプロセッサにより実行されると開示方法を行い得る。本開示において説明したコンピュータユニット及び他の機能ユニットは、ハードウェア、又はソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせにより実現され得る。当業者は、上記モジュール/ユニットのうちの複数のものは1つのモジュール/ユニットとして組み合わせられ得、そして上記モジュール/ユニットのそれぞれはさらに複数の副モジュール/副ユニットに分割され得るということも理解することになる。
【0103】
[00111] 本開示のいくつかの実施形態は以下の項目を使用してさらに説明され得る:
1.映像データを処理する方法であって、
継承されたアフィンマージ候補、構築されたアフィンマージ候補、又は符号化単位の零モーションベクトルのうちの少なくとも1つのための重み付けを決定すること;及び
決定された重み付けに基づき符号化単位を双方向予測することを含む方法。
2.重み付けはビットストリームで信号伝達される重み付け指標に基づき決定される、項目1に記載の方法。
3.決定された重み付けは構築されたアフィンマージ候補の重み付けを含む項目1に記載の方法であって、
構築されたアフィンマージ候補に関連する複数の制御点が、1つ又は複数の重み付けを有することに応じて、構築されたアフィンマージ候補の重み付けを、左上制御点又は右上制御点に関連する重み付けに基づき決定することをさらに含む方法。
4.決定された重み付けは構築されたアフィンマージ候補の重み付けを含む項目1又は3に記載の方法であって、
構築されたアフィンマージ候補に関連する複数の制御点が、同じ重み付けを有することに応じて、構築されたアフィンマージ候補の重み付けとして複数の制御点の重み付けを決定すること;又は
複数の制御点が、異なる重み付けを有することに応じて、構築されたアフィンマージ候補の重み付けとしてデフォルト値を決定することをさらに含む方法。
5.決定された重み付けは構築されたアフィンマージ候補の重み付けを含む項目1又は3に記載の方法であって、
構築されたアフィンマージ候補に対応する複数の制御点の重み付けの中から複数の制御点のほとんどにより使用される重み付けを決定すること;及び
決定された重み付けを、構築されたアフィンマージ候補の重み付けとして設定することをさらに含む方法。
6.決定された重み付けは構築されたアフィンマージ候補の重み付けを含む項目1又は3に記載の方法であって、
等しい重み付けと複数の制御点の重み付けとの差をそれぞれ決定すること;
複数の制御点の中から、等しい重み付けからの最小差を有する重み付けを有する第1の制御点を決定すること;及び
構築されたアフィンマージ候補の重み付けとして、第1の制御点の重み付けを設定することをさらに含む方法。
7.決定された重み付けは構築されたアフィンマージ候補の重み付けを含む項目1又は3に記載の方法であって、
構築されたアフィンマージ候補に対応する複数の制御点の平均重み付けを決定すること;及び
構築されたアフィンマージ候補の重み付けとして平均重み付けを設定することをさらに含む方法。
8.決定された重み付けに基づき符号化単位を双方向予測することは、アフィンマージモードを使用して映像データを処理することを含む項目1乃至7のいずれかの一項目に記載の方法であって、
アフィンマージ候補リストを構築する場合に、等しくない重み付けを有する零モーションベクトルを挿入する前に、等しい重み付けを有する零モーションベクトルをアフィンマージ候補リストへ挿入することをさらに含む方法。
9.決定された重み付けに基づき符号化単位を双方向予測することは、アフィンマージモードを使用して映像データを処理することを含む項目1乃至7のいずれかの一項目に記載の方法であって、本方法はさらに、
アフィンマージ候補リストを構築する場合に、複数の構築されたアフィンマージ候補のそれぞれに対応する制御点の重み付けに基づき複数の構築されたアフィンマージ候補の順番を決定することを含み、
より多様でない重み付けを有する制御点を有する構築されたアフィンマージ候補は、より多様な重み付けを有する制御点を有する構築されたアフィンマージ候補より高い優先度を割り当てられる、方法。
10.複数の構築されたアフィンマージ候補の順番を決定することは:2つの構築されたマージ候補のそれぞれに対応する制御点の重み付けが、同じレベルの多様性を有することに応じて、2つの構築されたマージ候補のデフォルト順番を使用することを含む、項目9に記載の方法。
11.項目9又は10に記載の方法であって、
第1の構築されたアフィンマージ候補に対応する制御点の重み付けに基づき、第1の構築されたアフィンマージ候補の可用性を決定すること;及び
第1の構築されたアフィンマージ候補が利用可能であるという決定に応じて、第1の構築されたアフィンマージ候補をアフィンマージ候補リストへ加えることをさらに含む方法。
12.第1の構築されたアフィンマージ候補の可用性を決定することは、
第1の構築されたアフィンマージ候補に対応する2つの制御点の重み付けが、異なる符号を有するかどうかを決定すること;及び
第1の構築されたアフィンマージ候補に対応する2つの制御点の重み付けが、異なる符号を有するという決定に応じて、第1の構築されたアフィンマージ候補が利用可能ではないということを決定することを含む、項目11に記載の方法。
13.映像データを処理する方法であって、本方法は、
符号化単位の制御点の重み付けに基づき符号化単位内の第1の副ブロックの重み付けを決定すること;及び
決定された重み付けに基づき第1の副ブロックを双方向予測することを含む、方法。
14.符号化単位内の第1の副ブロックの重み付けを決定することは:
第1の副ブロックが制御点の1つを含むことに応じて、第1の副ブロックの重み付けとして制御点のうちの1つの制御点の重み付けを使用すること、又は
第1の副ブロックが制御点を含まないことに応じて、予め規定された規則に従って第1の副ブロックの重み付けを決定することを含む、項目13に記載の方法。
15.符号化単位は、4つの副ブロックへ分割され、2つの制御点を有する、項目13に記載の方法であって;符号化単位内の第1の副ブロックの重み付けを決定することは:
第1の副ブロックが2つの制御点の1つを含むことに応じて、第1の副ブロックの重み付けとして2つの制御点のうちの1つ制御点の重み付けを使用すること、又は
第1の副ブロックが2つの制御点を含まないことに応じて、第1の副ブロックの重み付けを、
第1の副ブロックへのより短い距離を有する2つの制御点のうちの1つの制御点の重み付け、又は
デフォルト値のうちの1つに設定することを含む、項目13に記載の方法。
16.符号化単位は、2つの副ブロックへ分割され、3つの制御点を有する項目13に記載の方法であって;符号化単位内の第1の副ブロックの重み付けを決定することは:
第1の副ブロックが3つの制御点のうちの1つのみを含むことに応じて、第1の副ブロックの重み付けとして、制御点のうちの1つの制御点の重み付けを使用すること、又は
第1の副ブロックが3つの制御点のうちの少なくとも2つを含むことに応じて、第1の副ブロックの重み付けとして、デフォルト値又は2つの制御点のうちの1つの制御点の重み付けを使用することを含む、方法。
17.符号化単位は、4つの副ブロックへ分割され、第1、第2、及び第3の重み付けそれぞれを有する3つの制御点を有し;符号化単位内の第1の副ブロックの重み付けを決定することは:
第1の副ブロックが3つの制御点のうちの少なくとも1つを含むことに応じて、第1の副ブロックの重み付けとして、制御点のうちの1つの制御点の重み付けを使用すること、又は
副ブロックが3つの制御点を含まないことに応じて、第1の副ブロックの重み付けを:
第1、第2、及び第3の重み付けの平均値、
第1、第2、及び第3の重み付けの中央値、
符号化単位の等しい重み付け、
等しい重み付けからの最小差を有する第1、第2、及び第3の重み付けの1つ、
等しい重み付けからより小さい差を有する第1及び第2の重み付けの1つ、又は
デフォルト値の1つに設定することを含む、項目13に記載の方法。
18.映像処理装置であって:本装置は、
命令を格納するメモリ;及び
本装置に:
継承されたアフィンマージ候補、構築されたアフィンマージ候補、又は符号化単位の零モーションベクトルのうちの少なくとも1つのための重み付けを決定すること;及び
決定された重み付けに基づき符号化単位を双方向予測することをさせる命令を実行するように構成されたプロセッサを含む映像処理装置。
19.重み付けはビットストリームで信号伝達される重み付け指標に基づき決定される、項目18に記載の装置。
20.決定された重み付けは、構築されたアフィンマージ候補の重み付けを含む項目18に記載の装置であって、プロセッサはさらに、装置に:
構築されたアフィンマージ候補に関連する複数の制御点が1つ又は複数の重み付けを有する場合、構築されたアフィンマージ候補の重み付けを、左上制御点に関連する重み付け又は右上制御点に関連する重み付けに基づき決定することをさせる命令を実行するように構成される、装置。
21.決定された重み付けは、構築されたアフィンマージ候補の重み付けを含む項目18又は20に記載の装置であって、プロセッサはさらに、装置に:
構築されたアフィンマージ候補に関連する複数の制御点が同じ重み付けを有する場合、構築されたアフィンマージ候補の重み付けとして複数の制御点の重み付けを決定すること;又は
複数の制御点が異なる重み付けを有する場合、構築されたアフィンマージ候補の重み付けとしてデフォルト値を決定することをさせる命令を実行するように構成される、装置。
22.決定された重み付けは、構築されたアフィンマージ候補の重み付けを含む項目18又は20に記載の装置であって、プロセッサはさらに、装置に:
構築されたアフィンマージ候補に対応する複数の制御点の重み付けの中から、複数の制御点のほとんどにより使用される重み付けを決定すること;及び
決定された重み付けを、構築されたアフィンマージ候補の重み付けとして設定することをさせる命令を実行するように構成される、装置。
23.決定された重み付けは、構築されたアフィンマージ候補の重み付けを含む項目18又は20に記載の装置であって、プロセッサはさらに、装置に:
等しい重み付けと複数の制御点の重み付けとの差をそれぞれ決定すること;
複数の制御点の中から、等しい重み付けからの最小差を有する重み付けを有する第1の制御点を決定すること;及び
構築されたアフィンマージ候補の重み付けとして、第1の制御点の重み付けを設定することをさせる命令を実行するように構成される、装置。
24.決定された重み付けは、構築されたアフィンマージ候補の重み付けを含む項目18又は20に記載の装置であって、プロセッサはさらに、装置に:
構築されたアフィンマージ候補に対応する複数の制御点の平均重み付けを決定すること;及び
構築されたアフィンマージ候補の重み付けとして平均重み付けを設定することをさせる命令を実行するように構成される、装置。
25.決定された重み付けに基づき符号化単位を双方向予測することは、アフィンマージモードを使用して映像データを処理することを含む、項目18乃至24のいずれか一項目に記載の装置であって、プロセッサはさらに、装置に:
アフィンマージ候補リストを構築する場合に、等しくない重み付けを有する零モーションベクトルを挿入する前に、等しい重み付けを有する零モーションベクトルをアフィンマージ候補リストへ挿入することをさせる命令を実行するように構成される、装置。
26.決定された重み付けに基づき符号化単位を双方向予測することは、アフィンマージモードを使用して映像データを処理することを含む項目18乃至24のいずれか一項目に記載の装置であって、プロセッサはさらに、装置に:
アフィンマージ候補リストを構築する場合に、複数の構築されたアフィンマージ候補のそれぞれに対応する制御点の重み付けに基づき複数の構築されたアフィンマージ候補の順番を決定することをさせる命令を実行するように構成され、
より多様でない重み付けを有する制御点を有する構築されたアフィンマージ候補は、より多様な重み付けを有する制御点を有する構築されたアフィンマージ候補より高い優先度を割り当てられる、装置。
27.項目26に記載の装置であって、複数の構築されたアフィンマージ候補の順番を決定する場合に、プロセッサはさらに、装置に:
2つの構築されたマージ候補のそれぞれに対応する制御点の重み付けが同じレベルの多様性を有することに応じて、2つの構築されたマージ候補のデフォルト順番を使用することをさせる命令を実行するように構成される、装置。
28.項目26又は27の装置であって、プロセッサはさらに、装置に:
第1の構築されたアフィンマージ候補に対応する制御点の重み付けに基づき、第1の構築されたアフィンマージ候補の可用性を決定すること;及び
第1の構築されたアフィンマージ候補が利用可能である場合、第1の構築されたアフィンマージ候補をアフィンマージ候補リストへ加えることをさせる命令を実行するように構成される、装置。
29.項目28に記載の装置であって、第1の構築されたアフィンマージ候補の可用性を決定する場合に、プロセッサはさらに、装置に:
第1の構築されたアフィンマージ候補に対応する2つの制御点の重み付けが、異なる符号を有するかどうかを決定すること;及び
第1の構築されたアフィンマージ候補に対応する2つの制御点の重み付けが異なる符号を有する場合、第1の構築されたアフィンマージ候補が利用可能ではないということを決定することをさせる命令を実行するように構成される、項目28に記載の装置。
30.映像処理装置であって:本装置は、
命令を格納するメモリ;及び
本装置に:
符号化単位の制御点の重み付けに基づき符号化単位内の第1の副ブロックの重み付けを決定すること;
決定された重み付けに基づき第1の副ブロックを双方向予測することをさせる命令を実行するように構成されたプロセッサを含む装置。
31.項目30に記載の装置であって、符号化単位内の第1の副ブロックの重み付けを決定する場合に、プロセッサはさらに、装置に:
第1の副ブロックが制御点の1つを含む場合、第1の副ブロックの重み付けとして制御点のうちの1つの制御点の重み付けを使用すること、又は
第1の副ブロックが制御点を含まない場合、予め規定された規則に従って第1の副ブロックの重み付けを決定することをさせる命令を実行するように構成される、装置。
32.符号化単位は、4つの副ブロックへ分割され、そして2つの制御点を有する、項目30に記載の装置であって;
符号化単位内の第1の副ブロックの重み付けを決定する場合に、プロセッサはさらに、装置に:
第1の副ブロックが2つの制御点の1つを含むことに応じて、第1の副ブロックの重み付けとして2つの制御点のうちの1つ制御点の重み付けを使用すること、又は
第1の副ブロックが2つの制御点を含まないことに応じて、第1の副ブロックの重み付けを、第1の副ブロックへのより短い距離を有する2つの制御点のうちの1つの制御点の重み付け、又はデフォルト値のうちの1つに設定することをさせる命令を実行するように構成される、装置。
33.符号化単位は、2つの副ブロックへ分割され、3つの制御点を有する、項目30に記載の装置であって;
符号化単位内の第1の副ブロックの重み付けを決定する際に、プロセッサはさらに、装置に:
3つの制御点のうちの1つだけを含む第1の副ブロックに応じて、第1の副ブロックの重み付けとして2つの制御点のうちの1つ制御点の重み付けを使用すること、又は
3つの制御点のうちの少なくとも2つを含む第1の副ブロックに応じて、第1の副ブロックの重み付けとしてデフォルト値又は2つの制御点のうちの1つの制御点の重み付けを使用することをさせる命令を実行するように構成される、装置。
34.符号化単位は、4つの副ブロックへ分割され、そして第1、第2、及び第3の重み付けそれぞれを有する3つの制御点を有する、項目30に記載の装置であって;
符号化単位内の第1の副ブロックの重み付けを決定する際に、プロセッサはさらに、装置に:
3つの制御点のうちの少なくとも1つだけを含む第1の副ブロックに応じて、第1の副ブロックの重み付けとして3つの制御点のうちの1つ制御点の重み付けを使用すること、又は
3つの制御点を含まない副ブロックに応じて、第1の副ブロックの重み付けを:
第1、第2、及び第3の重み付けの平均値、
第1、第2、及び第3の重み付けの中央値、
符号化単位の等しい重み付け、
等しい重み付けからの最小差を有する第1、第2、及び第3の重み付けの1つ、
等しい重み付けからより小さい差を有する第1及び第2の重み付けの1つ、又は
デフォルト値のうちの1つに設定することをさせる命令を実行するように構成される、装置。
35.方法を映像処理装置に行わせるために、映像処理装置の1つ又は複数のプロセッサにより実行可能である一組の命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、本方法は
継承されたアフィンマージ候補、構築されたアフィンマージ候補、又は符号化単位の零モーションベクトルのうちの少なくとも1つのための重み付けを決定すること;及び
決定された重み付けに基づき符号化単位を双方向予測することを含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
36.重み付けはビットストリームで信号伝達される重み付け指標に基づき決定される、項目35に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
37.決定された重み付けは、構築されたアフィンマージ候補の重み付けを含む、項目35に記載の非一時的コンピュータ可読媒体であって、
一組の命令は、装置にさらに:
構築されたアフィンマージ候補に関連する複数の制御点が1つ又は複数の重み付けを有する場合、構築されたアフィンマージ候補の重み付けを、左上制御点に関連する重み付け又は右上制御点に関連する重み付けに基づき決定することを行わせるために、装置の1つ又は複数のプロセッサにより実行可能である、非一時的コンピュータ可読媒体。
38.項目35又は37に記載の非一時的コンピュータ可読媒体であって、一組の命令は、装置にさらに:
構築されたアフィンマージ候補に関連する複数の制御点が同じ重み付けを有する場合、構築されたアフィンマージ候補の重み付けとして複数の制御点の重み付けを決定すること;及び
複数の制御点が異なる重み付けを有する場合、構築されたアフィンマージ候補の重み付けとしてデフォルト値を決定することをさせるために装置の1つ又は複数のプロセッサにより実行可能である、非一時的コンピュータ可読媒体。
39.項目35又は37に記載の非一時的コンピュータ可読媒体であって、一組の命令は、装置にさらに:
構築されたアフィンマージ候補に対応する複数の制御点の重み付けの中から複数の制御点のほとんどにより使用される重み付けを決定すること;及び
決定された重み付けを、構築されたアフィンマージ候補の重み付けとして設定することをさせるために装置の1つ又は複数のプロセッサにより実行可能である、非一時的コンピュータ可読媒体。
40.項目35又は37に記載の非一時的コンピュータ可読媒体であって、一組の命令は、装置にさらに:
等しい重み付けと複数の制御点の重み付けとの差をそれぞれ決定すること;
複数の制御点の中から、等しい重み付けからの最小差を有する重み付けを有する第1の制御点を決定すること;及び
構築されたアフィンマージ候補の重み付けとして、第1の制御点の重み付けを設定することをさせるために装置の1つ又は複数のプロセッサにより実行可能である、非一時的コンピュータ可読媒体。
41.項目35又は37に記載の非一時的コンピュータ可読媒体であって、一組の命令は、装置にさらに:
構築されたアフィンマージ候補に対応する複数の制御点の平均重み付けを決定すること;及び
構築されたアフィンマージ候補の重み付けとして平均重み付けを設定することをさせるために装置の1つ又は複数のプロセッサにより実行可能である、非一時的コンピュータ可読媒体。
42.項目35乃至41のいずれか一項目に記載の非一時的コンピュータ可読媒体であって、一組の命令は、装置にさらに:
アフィンマージ候補リストを構築する場合に、等しくない重み付けを有する零モーションベクトルを挿入する前に、等しい重み付けを有する零モーションベクトルをアフィンマージ候補リストへ挿入することをさせるために装置の1つ又は複数のプロセッサにより実行可能である、非一時的コンピュータ可読媒体。
43.項目35乃至41のいずれか一項目に記載の非一時的コンピュータ可読媒体であって、一組の命令は、装置にさらに:
アフィンマージ候補リストを構築する場合に、複数の構築されたアフィンマージ候補のそれぞれに対応する制御点の重み付けに基づき複数の構築されたアフィンマージ候補の順番を決定することをさせるために装置の1つ又は複数のプロセッサにより実行可能であり、
より多様でない重み付けを有する制御点を有する構築されたアフィンマージ候補は、より多様な重み付けを有する制御点を有する構築されたアフィンマージ候補より高い優先度を割り当てられる、非一時的コンピュータ可読媒体。
44.項目43に記載の非一時的コンピュータ可読媒体であって、一組の命令は、装置にさらに:
それぞれの2つの構築されたマージ候補に対応する制御点の重み付けが同じレベルの多様性を有する場合、2つの構築されたマージ候補のデフォルト順番を使用することをさせるために装置の1つ又は複数のプロセッサにより実行可能である、非一時的コンピュータ可読媒体。
45.項目43又は44に記載の非一時的コンピュータ可読媒体であって、一組の命令は、装置にさらに:
第1の構築されたアフィンマージ候補に対応する制御点の重み付けに基づき、第1の構築されたアフィンマージ候補の可用性を決定すること;及び
第1の構築されたアフィンマージ候補が利用可能である場合、第1の構築されたアフィンマージ候補をアフィンマージ候補リストへ加えることをさせるために装置の1つ又は複数のプロセッサにより実行可能である、非一時的コンピュータ可読媒体。
46.項目45に記載の非一時的コンピュータ可読媒体であって、一組の命令は、装置にさらに:
第1の構築されたアフィンマージ候補に対応する2つの制御点の重み付けが、異なる符号を有するかどうかを決定すること;及び
第1の構築されたアフィンマージ候補に対応する2つの制御点の重み付けが異なる符号を有する場場合、第1の構築されたアフィンマージ候補が利用可能ではないということを決定することをさせるために装置の1つ又は複数のプロセッサにより実行可能である、非一時的コンピュータ可読媒体。
47.方法を映像処理装置に行わせるために、映像処理装置の1つ又は複数のプロセッサにより実行可能である一組の命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、本方法は、
符号化単位の制御点の重み付けに基づき符号化単位内の第1の副ブロックの重み付けを決定すること;及び
決定された重み付けに基づき第1の副ブロックを双方向予測することを含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
48.項目47に記載の非一時的コンピュータ可読媒体であって、符号化単位内の第1の副ブロックの重み付けを決定することは:
第1の副ブロックが制御点の1つを含む場合、第1の副ブロックの重み付けとして制御点のうちの1つの制御点の重み付けを使用すること、又は
第1の副ブロックが制御点を含まない場合、予め規定された規則に従って第1の副ブロックの重み付けを決定することを含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
49.項目47に記載の非一時的コンピュータ可読媒体であって、一組の命令は、装置にさらに:2つの制御点を有する符号化単位を4つの副ブロックへ分割することをさせるために装置の1つ又は複数のプロセッサにより実行可能であり;
符号化単位内の第1の副ブロックの重み付けを決定することは:
副ブロックが2つの制御点の1つを含む場合、第1の副ブロックの重み付けとして2つの制御点のうちの1つ制御点の重み付けを使用すること、又は
第1の副ブロックが2つの制御点を含まない場合、第1の副ブロックの重み付けを、第1の副ブロックへのより短い距離を有する2つの制御点のうちの1つの制御点の重み付け、又はデフォルト値のうちの1つに設定することを含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
50.項目47に記載の非一時的コンピュータ可読媒体であって、一組の命令は、装置にさらに、3つの制御点を有する2つの副ブロックへ符号化単位を分割することをさせるために装置の1つ又は複数のプロセッサにより実行可能であり;
符号化単位内の第1の副ブロックの重み付けを決定することは:
第1の副ブロックが3つの制御点のただ1つを含む場合、第1の副ブロックの重み付けとして制御点のうちの1つの制御点の重み付けを使用すること、又は
第1の副ブロックが3つの制御点のうちの2つを含む場合、第1の副ブロックの重み付けとしてデフォルト値又は2つの制御点のうちの1つの制御点の重み付けを使用すること
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
51.項目47に記載の非一時的コンピュータ可読媒体であって、一組の命令は、装置にさらに、4つの副ブロックへ符号化単位を分割することをさせるために装置の1つ又は複数のプロセッサにより実行可能であり、
符号化単位は、第1、第2、及び第3の重み付けを有する3つの制御点を有し;
符号化単位内の第1の副ブロックの重み付けを決定することは:
第1の副ブロックが3つの制御点の少なくとも1つを含む場合、第1の副ブロックの重み付けとして制御点のうちの1つの制御点の重み付けを使用すること、又は
第1の副ブロックが3つの制御点を含まない場合、第1の副ブロックの重み付けを:
第1、第2、及び第3の重み付けの平均値、
第1、第2、及び第3の重み付けの中央値、
符号化単位の等しい重み付け、
等しい重み付けからの最小差を有する第1、第2、及び第3の重み付けの1つ、
等しい重み付けからより小さい差を有する第1及び第2の重み付けの1つ、又は
デフォルト値のうちの1つに設定することを含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【0104】
[00112] 上述の明細書では、実施形態は、実施形態毎に変化し得る多数の特定の詳細を参照し説明された。説明された実施形態のいくつかの適応化及び修正がなされ得る。他の実施形態は本明細書に開示された発明の仕様及び実行の考察から当業者にとって明らかになり得る。本明細書及び例は例示的に過ぎないと考えられ、本発明の真の範囲と精神は以下の特許請求の範囲により指示されるということが意図されている。添付図面に示される工程のシーケンスは例示的目的だけのためであり工程の任意特定シーケンスへ制限されるように意図されていないということも意図されている。したがって、当業者は、これらの工程が同じ方法を実施しながら異なる順序で行われ得るということを理解し得る。
【0105】
[00113] 本添付図面と明細書では、例示的実施形態が開示された。しかし、多くの変形及び修正がこれらの実施形態に対してなされ得る。したがって、特定用語が採用されるが、これらは、一般的及び記述的意味においてだけ使用されており、制限の目的のためには使用されない。開示された実施形態は、上述の例に限定されるのではなく、その代りに、等価物のそれらの全範囲に照らして添付の特許請求の範囲により定義される。
【国際調査報告】