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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-22
(54)【発明の名称】カラー・赤外線画像センサ
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20220415BHJP
   H01L 27/144 20060101ALI20220415BHJP
   H04N 5/33 20060101ALI20220415BHJP
   H04N 5/369 20110101ALI20220415BHJP
   H04N 5/3745 20110101ALI20220415BHJP
   H04N 9/07 20060101ALI20220415BHJP
   H01L 27/30 20060101ALI20220415BHJP
【FI】
H01L27/146 E
H01L27/144 K
H04N5/33
H04N5/369
H04N5/3745 700
H04N9/07 A
H01L27/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021551975
(86)(22)【出願日】2020-02-21
(85)【翻訳文提出日】2021-10-27
(86)【国際出願番号】 FR2020050336
(87)【国際公開番号】W WO2020178496
(87)【国際公開日】2020-09-10
(31)【優先権主張番号】1902153
(32)【優先日】2019-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513257535
【氏名又は名称】イソルグ
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】デュポイロン,カミーユ
(72)【発明者】
【氏名】ブティノン,ベンジャミン
【テーマコード(参考)】
4M118
5C024
5C065
【Fターム(参考)】
4M118AA10
4M118AB01
4M118BA07
4M118CA02
4M118CA14
4M118CA20
4M118CA22
4M118CA27
4M118CA40
4M118CB14
4M118CB20
4M118DD12
4M118FA06
4M118FB23
4M118GA10
4M118GC08
4M118GC14
4M118GC20
4M118GD04
4M118GD09
4M118GD10
4M118GD20
5C024AX01
5C024AX06
5C024CX41
5C024EX43
5C024EX52
5C024GX03
5C024GX14
5C024GX16
5C024GY39
5C024GY41
5C065AA01
5C065BB30
5C065CC01
5C065DD15
5C065DD17
5C065EE05
5C065EE11
(57)【要約】
【解決手段】本開示は、シリコンの基板と、基板に形成されたMOS トランジスタと、基板を覆って第1の感光層(26)、電気絶縁層(32)、第2の感光層(38)及びカラーフィルタ(46)を含む積層体とを備えたカラー・赤外線画像センサに関する。カラー・赤外線画像センサは、第1の感光層の両側に設けられて第1のフォトダイオード(2) を画定する電極(22, 28)と、第2の感光層の両側に設けられて第2のフォトダイオード(4) を画定する電極(34, 40)とを更に備えている。第1の感光層(26)は、可視スペクトルの電磁波及び赤外スペクトルの一部の電磁波を吸収し、第2の感光層(38)は、可視スペクトルの電磁波を吸収して、赤外スペクトルの一部の電磁波を通す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコンの基板(12)と、前記基板内及び前記基板上に形成されているMOS トランジスタ(16; 60, 62, 70, 72, 74)と、前記基板を覆って前記基板から第1の感光層(26)、電気絶縁層(32)、第2の感光層(38)及びカラーフィルタ(46)を含む積層体とを備えており、
前記第1の感光層の両側に設けられて前記第1の感光層に第1のフォトダイオード(2) を画定している第1の電極(22)及び第2の電極(28)と、前記第2の感光層の両側に設けられて前記第2の感光層に第2のフォトダイオード(4) を画定している第3の電極(34)及び第4の電極(40)とを更に備えており、
前記第1の感光層(26)は、可視スペクトルの電磁波及び赤外スペクトルの第1の部分の電磁波を吸収するように構成されており、前記第2の感光層(38)は、前記可視スペクトルの電磁波を吸収して、前記赤外スペクトルの第1の部分の電磁波を通すように構成されている、カラー・赤外線画像センサ(1) 。
【請求項2】
前記積層体を覆う赤外線フィルタ(52)を更に備えており、
前記第1の感光層(26)及び前記第2の感光層(38)は、前記基板(12)と前記赤外線フィルタとの間に配置されており、
前記赤外線フィルタは、前記可視スペクトルの電磁波を通して、前記赤外スペクトルの第1の部分の電磁波を通し、前記可視スペクトルと前記赤外スペクトルの第1の部分との間の前記赤外スペクトルの少なくとも第2の部分の電磁波を遮断するように構成されている、請求項1に記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項3】
前記積層体を覆うレンズ(48)のアレイを更に備えている、請求項1又は2に記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項4】
取得するカラー画像の画素毎に、少なくとも第1、第2及び第3のサブ画素(SPix)を備えており、前記第1、第2及び第3のサブ画素は、前記第2のフォトダイオード(4) の1つ、前記第1のフォトダイオード(2) の1つ又は前記第1のフォトダイオード(2) の1つの一部、及び前記カラーフィルタ(46)の1つを夫々有しており、前記第1、第2及び第3のサブ画素のカラーフィルタは、前記可視スペクトルの異なる周波数範囲の電磁波を通して、前記赤外スペクトルの電磁波を通す、請求項1~3のいずれか1つに記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項5】
取得するカラー画像の画素毎に、前記第4の電極(40)は前記第1、第2及び第3のサブ画素(SPix)に共通である、請求項4に記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項6】
取得する赤外線画像の画素毎に、前記第2の電極(28)は前記第1、第2及び第3のサブ画素(SPix)に共通である、請求項4又は5に記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項7】
取得する赤外線画像の画素毎に、前記第1の電極(22)は前記第1、第2及び第3のサブ画素(SPix)に共通である、請求項4~6のいずれか1つに記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項8】
取得するカラー画像の画素毎に、前記第2のフォトダイオード(4) の1つ及び前記カラーフィルタ(46)の1つを有する少なくとも1つの第4のサブ画素(SPix)を備えており、
前記第4のサブ画素のカラーフィルタは、前記可視スペクトルの電磁波を遮断して、前記可視スペクトルと前記赤外スペクトルの第1の部分との間の前記赤外スペクトルの第3の部分の電磁波を通すように構成されており、
前記第2の感光層(38)は、前記赤外スペクトルの第3の部分の電磁波を吸収するように構成されている、請求項4~7のいずれか1つに記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項9】
前記第1、第2及び第3のサブ画素(SPix)毎に、前記第2のフォトダイオード(4) 及び前記第1のフォトダイオード(2) に連結された読み出し回路(6-1) を備えている、請求項4~8のいずれか1つに記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項10】
前記読み出し回路(6-1) は、前記第1のフォトダイオード(2) で発生した第1の電荷を第1の導電性トラック(68; 90)に移すように構成されており、前記第2のフォトダイオード(4) で発生した第2の電荷を同一の第1の導電性トラック(68)又は前記第1の導電性トラックとは異なる第2の導電性トラック(90)に移すように構成されている、請求項9に記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項11】
前記第1のフォトダイオード(2) は行及び列に配置されており、
前記読み出し回路(6-1; 6-2; 6-3; 6-4; 6-5) は、前記カラー・赤外線画像センサの全ての第1のフォトダイオード(2) に関して同時的な第1の時間間隔で前記第1の電荷の収集を制御するように構成されている、請求項10に記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項12】
前記第2のフォトダイオード(4) は行及び列に配置されており、
前記読み出し回路(6-1; 6-2; 6-3; 6-4; 6-5) は、前記カラー・赤外線画像センサの全ての第2のフォトダイオードに関して同時的な時間間隔で又は1行の第2のフォトダイオードから別の行の第2のフォトダイオードに経時的にシフトして電荷の収集を制御するように構成されている、請求項10又は11に記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項13】
前記読み出し回路(6-1; 6-2; 6-3; 6-4; 6-5) は、第1の継続時間を有する、前記第1のフォトダイオード(2) のための第1の統合段階を制御して、前記第1の継続時間とは異なる第2の継続時間を有する、前記第2のフォトダイオード(4) のための第2の統合段階を制御するように構成されている、請求項10~12のいずれか1つに記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項14】
前記第1の感光層(26)及び/又は前記第2の感光層(38)は、有機材料で形成されている及び/又は量子ドットを含んでいる、請求項1~13のいずれか1つに記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項15】
カラー画像の解像度が赤外線画像の解像度とは異なる、請求項1~14のいずれか1つに記載のカラー・赤外線画像センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像センサ又は電子式撮像デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
画像センサは、多くの分野に、特に小型化のために電子デバイスに使用されている。画像センサは、マンマシンインタフェース又は画像取込の用途で設けられている。
【0003】
ある用途では、カラー画像及び赤外線画像を同時的に取得することができる画像センサを設けることが望ましい。このような画像センサは、以下の記載ではカラー・赤外線画像センサと称される。カラー・赤外線画像センサの適用例として、構造化された赤外パターンが投影される対象の赤外線画像の取得がある。このような画像センサを使用する分野は特に、自動車、ドローン、スマートフォン、ロボット及び拡張現実システムである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画素が入射放射光の作用下で電荷を収集する段階は、画素の統合段階と称される。統合段階の後に一般的に、画素によって収集された電荷の量を測定する読み出し段階が続く。
【0005】
カラー・赤外線画像センサの構成のために、複数の制約を考慮する必要がある。第一に、カラー画像の解像度は、従来のカラー画像センサで得られる解像度より低くすべきである。
【0006】
第二に、ある用途では、画像センサがグローバルシャッタタイプであることが望ましい場合があり、すなわち、画素の統合段階の開始及び終了が同時的である画像取得法を実行することが望ましい場合がある。これは特に、構造化された赤外パターンが投影される対象の赤外線画像の取得に当てはまる場合がある。
【0007】
第三に、画像センサの画素の大きさが可能な限り小さいことが望ましい。第四に、入射放射光の取り込みに能動的に関与する画素の領域の平面視での表面積対画素の平面視での全表面積の比に相当する各画素の充填率が可能な限り大きいことが望ましい。
【0008】
前述した全ての制約を満たすカラー・赤外線画像センサを設計することが困難な場合がある。
【0009】
実施形態は、前述したカラー・赤外線画像センサの不利点の全て又は一部を克服する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態によれば、カラー・赤外線画像センサによって取得するカラー画像の解像度は2,560 ppi より高く、好ましくは8,530 ppi より高い。
【0011】
実施形態によれば、赤外線画像を取得する方法はグローバルシャッタタイプである。
【0012】
実施形態によれば、カラー・赤外線画像センサの画素の大きさは10μm未満であり、好ましくは3μm未満である。
【0013】
実施形態によれば、カラー・赤外線画像センサの各画素の充填率は50%より高く、好ましくは80%より高い。
【0014】
実施形態は、シリコンの基板と、前記基板内及び前記基板上に形成されているMOS トランジスタと、前記基板を覆って前記基板から第1の感光層、電気絶縁層、第2の感光層及びカラーフィルタを含む積層体とを備えているカラー・赤外線画像センサを提供する。前記カラー・赤外線画像センサは、前記第1の感光層の両側に設けられて前記第1の感光層に第1のフォトダイオードを画定している第1の電極及び第2の電極と、前記第2の感光層の両側に設けられて前記第2の感光層に第2のフォトダイオードを画定している第3の電極及び第4の電極とを更に備えている。前記第1の感光層は、可視スペクトルの電磁波及び赤外スペクトルの第1の部分の電磁波を吸収するように構成されており、前記第2の感光層は、前記可視スペクトルの電磁波を吸収して、前記赤外スペクトルの第1の部分の電磁波を通すように構成されている。
【0015】
実施形態によれば、前記カラー・赤外線画像センサは、前記積層体を覆う赤外線フィルタを更に備えており、前記第1の感光層及び前記第2の感光層は、前記基板と前記赤外線フィルタとの間に配置されており、前記赤外線フィルタは、前記可視スペクトルの電磁波を通して、前記赤外スペクトルの第1の部分の電磁波を通し、前記可視スペクトルと前記赤外スペクトルの第1の部分との間の前記赤外スペクトルの少なくとも第2の部分の電磁波を遮断するように構成されている。
【0016】
実施形態によれば、前記カラー・赤外線画像センサは、前記積層体を覆うレンズのアレイを更に備えている。
【0017】
実施形態によれば、前記カラー・赤外線画像センサは、取得するカラー画像の画素毎に、少なくとも第1、第2及び第3のサブ画素を備えており、前記第1、第2及び第3のサブ画素は、前記第2のフォトダイオードの1つ、前記第1のフォトダイオードの1つ又は前記第1のフォトダイオードの1つの一部、及び前記カラーフィルタの1つを夫々有しており、前記第1、第2及び第3のサブ画素のカラーフィルタは、前記可視スペクトルの異なる周波数範囲の電磁波を通して、前記赤外スペクトルの電磁波を通す。
【0018】
実施形態によれば、取得するカラー画像の画素毎に、前記第4の電極は前記第1、第2及び第3のサブ画素に共通である。
【0019】
実施形態によれば、取得する赤外線画像の画素毎に、前記第2の電極は前記第1、第2及び第3のサブ画素に共通である。
【0020】
実施形態によれば、取得する赤外線画像の画素毎に、前記第1の電極は前記第1、第2及び第3のサブ画素に共通である。
【0021】
実施形態によれば、前記カラー・赤外線画像センサは、取得するカラー画像の画素毎に、前記第2のフォトダイオードの1つ及び前記カラーフィルタの1つを有する少なくとも1つの第4のサブ画素を備えており、前記第4のサブ画素のカラーフィルタは、前記可視スペクトルの電磁波を遮断して、前記可視スペクトルと前記赤外スペクトルの第1の部分との間の前記赤外スペクトルの第3の部分の電磁波を通すように構成されており、前記第2の感光層は、前記赤外スペクトルの第3の部分の電磁波を吸収するように構成されている。
【0022】
実施形態によれば、前記カラー・赤外線画像センサは、前記第1、第2及び第3のサブ画素毎に、前記第2のフォトダイオード及び前記第1のフォトダイオードに連結された読み出し回路を備えている。
【0023】
実施形態によれば、前記読み出し回路は、前記第1のフォトダイオードで発生した第1の電荷を第1の導電性トラックに移すように構成されており、前記第2のフォトダイオードで発生した第2の電荷を同一の第1の導電性トラック又は前記第1の導電性トラックとは異なる第2の導電性トラックに移すように構成されている。
【0024】
実施形態によれば、前記第1のフォトダイオードは行及び列に配置されており、前記読み出し回路は、前記カラー・赤外線画像センサの全ての第1のフォトダイオードに関して同時的な第1の時間間隔で前記第1の電荷の収集を制御するように構成されている。
【0025】
実施形態によれば、前記第2のフォトダイオードは行及び列に配置されており、前記読み出し回路は、前記カラー・赤外線画像センサの全ての第2のフォトダイオードに関して同時的な時間間隔で又は1行の第2のフォトダイオードから別の行の第2のフォトダイオードに経時的にシフトして電荷の収集を制御するように構成されている。
【0026】
実施形態によれば、前記読み出し回路は、第1の継続時間を有する、前記第1のフォトダイオードのための第1の統合段階を制御して、前記第1の継続時間とは異なる第2の継続時間を有する、前記第2のフォトダイオードのための第2の統合段階を制御するように構成されている。
【0027】
実施形態によれば、前記第1の感光層及び/又は前記第2の感光層は、有機材料で形成されている及び/又は量子ドットを含んでいる。
【0028】
実施形態によれば、カラー画像の解像度が赤外線画像の解像度とは異なる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
前述及び他の特徴及び利点は、添付図面を参照して本発明を限定するものではない実例として与えられる以下の特定の実施形態に詳細に記載されている。
【0030】
図1】カラー・赤外線画像センサの実施形態を示す部分的な分解斜視略図である。
図2】画像センサの電極の実施形態を示す図1の画像センサの部分的な断面略図である。
図3】電極の別の実施形態を示す図1の画像センサの部分的な断面略図である。
図4】電極の別の実施形態を示す図1の画像センサの部分的な断面略図である。
図5図1の画像センサのサブ画素の読み出し回路の実施形態を示す電気回路図である。
図6】読み出し回路の別の実施形態を示す電気回路図である。
図7】読み出し回路の別の実施形態を示す電気回路図である。
図8】読み出し回路の別の実施形態を示す電気回路図である。
図9】読み出し回路の別の実施形態を示す電気回路図である。
図10図5の読み出し回路を有する画像センサの動作方法の実施形態の信号のタイミング図である。
図11図5の読み出し回路を有する画像センサの動作方法の別の実施形態の信号のタイミング図である。
図12図9の読み出し回路を有する画像センサの動作方法の実施形態の信号のタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
同様の特徴が、様々な図面で同様の参照符号によって示されている。特に、様々な実施形態に共通する構造的特徴及び/又は機能的特徴は同一の参照符号を有してもよく、同一の構造特性、寸法特性及び材料特性を有してもよい。明瞭化のために、記載された実施形態の理解に有用なステップ及び要素のみが示され詳述されている。特に、以下に記載される画像センサの用途については詳述されていない。
【0032】
以下の開示では、特に示されていない場合、「前」、「後ろ」、「最上部」、「底部」、「左」、「右」などの絶対位置、若しくは「上方」、「下方」、「高」、「低」などの相対位置を限定する文言、又は「水平」、「垂直」などの向きを限定する文言を参照するとき、この文言は図面の向き、又は通常の使用中の画像センサの向きを指す。特に指定されていない場合、「約」、「略」、「実質的に」及び「程度」という表現は、該当する値の10%の範囲内、好ましくは5%の範囲内を表す。
【0033】
特に示されていない場合、共に接続された2つの要素を参照するとき、これは、導体以外のいかなる中間要素も無しの直接接続を表し、共に連結された2つの要素を参照するとき、これは、これら2つの要素が接続され得るか、又は一若しくは複数の他の要素を介して連結され得ることを表す。更に、第1の一定の状態、例えば「0」と示される低状態と、第2の一定の状態、例えば「1」と示される高状態との間で交互に生じる信号は「二値信号」と称される。同一の電子回路の異なる二値信号の高状態及び低状態は異なってもよい。特に、二値信号は、高状態又は低状態で完全には一定でなくてもよい電圧又は電流に対応してもよい。更に本明細書では、「絶縁」及び「導電」という用語は「電気絶縁」及び「電気導電」を夫々意味するとみなされる。
【0034】
層の透過率は、層から出る放射光の強度対層に入る放射光の強度の比に相当する。以下の記載では、層又は膜を通る放射光の透過率が10%未満であるとき、その層又は膜は放射光を通さないとする。以下の記載では、層又は膜を通る放射光の透過率が10%を超えるとき、その層又は膜は放射光を通すとする。以下の記載では、材料の屈折率は、画像センサによって取り込まれる放射光の波長領域に関する材料の屈折率に相当する。特に指定されていない場合、屈折率は、有用な放射光の波長領域に亘って実質的に一定とみなされ、例えば、画像センサによって取り込まれる放射光の波長範囲に亘る屈折率の平均と等しいとみなされる。
【0035】
以下の記載では、「可視光線」は、400 nm~700 nmの範囲内の波長を有する電磁放射線を示し、「赤外線」は、700 nm~1mmの範囲内の波長を有する電磁放射線を示す。赤外線では、700 nm~1.4 μmの範囲内の波長を有する近赤外線を特に識別することができる。
【0036】
画像の画素は、画像センサによって取り込まれる画像の単位素子に相当する。光電子デバイスがカラー画像センサである場合、光電子デバイスは一般に、取得するカラー画像の画素毎に少なくとも3つの要素を備えており、これらの要素は実質的に単一色、つまり100 nm未満の波長領域(例えば赤色、緑色及び青色)で放射光を夫々取得する。各要素は、特に少なくとも1つの光検出器を有してもよい。
【0037】
図1は、カラー・赤外線画像センサ1 の実施形態の部分的な分解斜視略図であり、図2は、カラー・赤外線画像センサ1 の実施形態の部分的な断面略図である。画像センサ1 は、赤外線画像を取り込むことができる光検出器とも称される第1の光子センサ2 のアレイと、カラー画像を取り込むことができる第2の光検出器4 のアレイとを備えている。光検出器2, 4のアレイは、光検出器2, 4によって取り込まれた信号を測定する読み出し回路6 のアレイに関連付けられている。読み出し回路は、対応する光検出器2, 4によって画定された画素又はサブ画素を読み出してアドレス指定し、制御するためのトランジスタの集合体を意味する。
【0038】
画像センサ1 では、カラー光検出器とも称される可視域の光検出器4 のアレイは、赤外光検出器とも称される赤外線の光検出器2 のアレイを覆っている。更に、赤外光検出器2 のアレイ及びカラー光検出器4 のアレイは、読み出し回路6 のアレイを覆っている。カラー画像と称される、取得する可視域の画像の画素毎に、画像センサ1 のサブ画素SPixという用語は、取得する画像の可視光線の限られた部分で放射光を取得することができる可視域の光検出器4 の一部、赤外光検出器2 を覆うカラー光検出器4 の一部、及びカラー光検出器4 及び赤外光検出器2 に関連付けられた読み出し回路6 を備えた画像センサ1 の部分を表す。
【0039】
4つのサブ画素SPixが図1及び図2に示されている。明瞭化のために、図2に示されている画像センサのある要素のみが図1に示されている。画像センサ1 は、図2の下から上に、
好ましくは平坦な上面14を有する半導体基板12、
基板12内及び/又は表面14に配置された読み出し回路6 の電子部品16(1つの電子部品16が図2に示されている)、
表面14を覆っている絶縁層の積層体18(導電性トラック20が積層体18上と積層体18の絶縁層間とに配置されている)、
サブ画素SPix毎に設けられて積層体18に載置され、導電ビア24によって基板12、電子部品16の1つ又は導電性トラック20の1つに連結されている電極22、
全ての電極22を覆って、電極22間で積層体18を覆っている第1のアクティブ層26、
サブ画素SPix毎に設けられて第1のアクティブ層26に載置され、導電ビア30によって基板12、電子部品16の1つ又は導電性トラック20の1つに連結されている電極28、
全ての電極28を覆って、電極28間で第1のアクティブ層26を覆っている絶縁層32、
サブ画素SPix毎に設けられて絶縁層32に載置され、導電ビア36によって基板12、電子部品16の1つ又は導電性トラック20の1つに連結されている電極34、
全ての電極34を覆って、電極34間で絶縁層32を覆っている第2のアクティブ層38、
サブ画素SPix毎に設けられて第2のアクティブ層38に載置され、導電ビア42によって基板12、電子部品16の1つ又は導電性トラック20の1つに連結されている電極40、
全ての電極40を覆って、電極40間で第2のアクティブ層38を覆っている絶縁層44、
サブ画素SPix毎に設けられて、絶縁層44を覆っているカラーフィルタ46、
サブ画素SPix毎に設けられて、カラーフィルタ46を覆っているマイクロレンズ48、
マイクロレンズ48を覆っている絶縁層50、並びに
絶縁層50を覆っているフィルタ52
を備えている。
【0040】
サブ画素SPixは行及び列に分散してもよい。本実施形態では、各サブ画素SPixは、表面14に垂直な方向に、辺の長さが0.1 μm~100 μmの範囲内であり、例えば略3μmである正方形又は矩形の基部を有している。しかしながら、各サブ画素SPixは、異なる形状、例えば六角形の基部を有してもよい。
【0041】
本実施形態では、第1のアクティブ層26は、画像センサ1 の全てのサブ画素SPixに共通である。各赤外光検出器2 のアクティブ領域は、有用な入射赤外線の大部分が吸収されて赤外光検出器2 によって電気信号に変換される領域に相当し、下部電極22と上部電極28との間にある第1のアクティブ層26の部分に実質的に相当する。更に本実施形態では、第2のアクティブ層38は、画像センサ1 の全てのサブ画素SPixに共通である。各カラー光検出器4 のアクティブ領域は、入射放射光の大部分が吸収されてカラー光検出器4 によって電気信号に変換される領域に相当し、下部電極34と上部電極40との間にあるアクティブ層38の部分に実質的に相当する。
【0042】
実施形態によれば、アクティブ層26は、400 nm~1,100 nmの波長領域の電磁放射線を取り込むことができる。実施形態によれば、アクティブ層38は、400 nm~700 nmの波長領域の電磁放射線を取り込むことができ、すなわち、可視光線のみを吸収することができる。別の実施形態によれば、アクティブ層38は、400 nm~920 nmの波長領域の電磁放射線を取り込むことができ、すなわち、可視光線及び近赤外線の一部を取り込むことができる。光検出器は有機材料で形成されてもよい。光検出器は、有機フォトダイオード(OPD) 又は有機フォトレジスタに相当してもよい。以下の記載では、光検出器がフォトダイオードに相当するとみなされる。
【0043】
フィルタ52は、可視光線を通すことができ、赤外線画像を取得するために着目する赤外波長領域に亘る赤外線の一部を通すことができ、入射放射光の残りの部分、特に着目する赤外波長領域を除いた赤外線の残りの部分を遮断することができる。実施形態によれば、着目する赤外波長領域は、赤外線の予測される波長、例えば940 nmの波長又は850 nmの波長を中心とする50nmの範囲に相当してもよい。フィルタ52は干渉フィルタであってもよく、並びに/又は吸収層及び/若しくは反射層を有してもよい。
【0044】
カラーフィルタ46は着色樹脂のブロックに相当してもよい。各カラーフィルタ46は、例えば700 nm~1mmの範囲の波長の赤外線を通すことができ、カラーフィルタの少なくとも一部では、可視光線の波長領域を通すことができる。取得するカラー画像の画素毎に、画像センサは、例えば430 nm~490 nmの波長領域の青色の光のみを通すことができるカラーフィルタ46を有するサブ画素SPix、例えば510 nm~570 nmの波長領域の緑色の光のみを通すことができるカラーフィルタ46を有するサブ画素SPix、及び例えば600 nm~720 nmの波長領域の赤色の光のみを通すことができるカラーフィルタ46を有するサブ画素SPixを備えてもよい。
【0045】
実施形態によれば、アクティブ層38は、400 nm~700 nmの範囲の波長領域の電磁放射線を取り込むことができ、すなわち、可視光線のみを吸収することができる。そのため、カラーフィルタ46はベイヤー配列に分散してもよい。従って、サブ画素SPix毎に、サブ画素のカラー光検出器4 は、サブ画素のカラーフィルタ46を横切った可視光線の部分のみを取り込む。
【0046】
別の実施形態によれば、アクティブ層38は、400 nm~920 nmの範囲の波長領域の電磁放射線を取り込むことができ、すなわち、可視光線及び近赤外線の一部を取り込むことができる。この場合、カラーフィルタ46の内の1つは赤外線のみを通すことができ、可視光線を遮断することができる。そのため、カラーフォトダイオード4 の内の1つが近赤外線のためのフォトダイオードの機能を果たす。これは、特に輝度が低い場合のカラー画像の取得、及びコントラストが強い画像の取得、例えばハイダイナミックレンジイメージング法、つまりHDRI法の実行に有利な場合がある。赤外フォトダイオード2 によって取り込まれる赤外線は、近赤外線のためのフォトダイオードの機能を果たすカラーフォトダイオード4 によって取り込まれる赤外線とは異なる波長領域に対応する。
【0047】
アクティブ層38は、可視光線の非常に大きな部分、好ましくは全て及び場合によっては近赤外線の一部を吸収するため、アクティブ層26は、フィルタ52及びアクティブ層38を横切る赤外線の一部のみを受ける。このため、有利にはアクティブ層26の設計を容易にすることができ、アクティブ層の吸収範囲を広げることができる。
【0048】
実施形態によれば、半導体基板12は、シリコン、好ましくは単結晶シリコンで形成されている。基板は、シリコン層の積層体を絶縁層上に有するシリコン・オン・インシュレータ、つまりSOI タイプの基板であってもよい。実施形態によれば、電子部品16はトランジスタ、特に金属酸化膜ゲート電界効果トランジスタ(MOS トランジスタとも称される)を有している。実施形態によれば、基板12はドープされていない、又は第1の導電型、例えばP型で低濃度にドープされている。
【0049】
導電性トラック20、導電ビア24, 30, 36, 42及び電極22は、金属材料、例えば銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)又はクロム(Cr)で形成されてもよい。導電性トラック20、導電ビア24, 30, 36, 42及び電極22は単層構造又は多層構造を有してもよい。積層体18の各絶縁層は無機材料で形成されてもよく、例えば酸化シリコン(SiO2)又は窒化シリコン(SiN) で形成されてもよい。
【0050】
各電極28, 34, 40は、各電極が受ける放射光を少なくとも部分的に通す。各電極28, 34, 40は透明な導電性材料で形成されてもよく、例えば透明導電性酸化物、つまりTCO 、カーボンナノチューブ、グラフェン、導電性ポリマー、金属又はこれらの化合物の少なくとも2つの混合物若しくは合金で形成されてもよい。各電極28, 34, 40は単層構造又は多層構造を有してもよい。
【0051】
各電極28, 34, 40を形成することができるTCO の例として、酸化インジウムスズ(ITO) 、酸化アルミニウム亜鉛(AZO) 、酸化ガリウム亜鉛(GZO) 、窒化チタン(TiN) 、酸化モリブデン(MoO3)及び酸化タングステン(WO3) がある。各電極28, 34, 40を形成することができる導電性ポリマーの例として、ポリ(3,4)-エチレンジオキシチオフェン及びポリ(スチレンスルホン酸)ナトリウムの混合物であるPEDOT:PSS として周知のポリマーと、PAniとも称されるポリアニリンとがある。各電極28, 34, 40を形成することができる金属の例として、銀、アルミニウム、金、銅、ニッケル、チタン及びクロムがある。各電極28, 34, 40を形成することができる多層構造の例として、AZO/Ag/AZOタイプの多層のAZO 及び銀の構造がある。
【0052】
各電極28, 34, 40の厚さは10nm~5μmの範囲内であってもよく、例えば30nm程度であってもよい。電極28、電極34又は電極40が金属製である場合、電極28、電極34又は電極40の厚さは20nm以下であり、好ましくは10nm以下である。
【0053】
各絶縁層32, 44, 50は、フッ素化ポリマー、特にBellexによって商標名Cytop で商品化されているフッ素化ポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP) 、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、ポリスチレン(PS)、パリレン、ポリイミド(PI)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS) 、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET) 、ポリ(エチレンナフタレート)(PEN) 、シクロオレフィンポリマー(COP) 、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、フォトリソグラフィ樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、又はこれらの化合物の少なくとも2つの混合物で形成されてもよい。変形例として、各絶縁層32, 44, 50は、無機誘電体材料、特に窒化シリコン、酸化シリコン又は酸化アルミニウム(Al2O3) で形成されてもよい。酸化アルミニウムは、原子層堆積法(ALD) によって堆積してもよい。各絶縁層32, 44, 50の最大の厚さは50nm~2μmの範囲内であってもよく、例えば100 nm程度であってもよい。
【0054】
各アクティブ層26, 38は小分子、オリゴマー又はポリマーを含んでもよい。これらは有機材料又は無機材料、特に量子ドットであってもよい。各アクティブ層26, 38は、両極性半導体材料を含んでもよく、つまり、例えば積層の形態又はバルクヘテロ接合を形成すべくナノメートルスケールで均質な混合物の形態でN型半導体材料及びP型半導体材料の混合物を含んでもよい。各アクティブ層26, 38の厚さは、50nm~2μmの範囲内であってもよく、例えば200 nm程度であってもよい。
【0055】
アクティブ層26又はアクティブ層38を形成することができるP型半導体ポリマーの例として、ポリ(3-ヘキシルチオフェン)(P3HT)、ポリ[N-9'-ヘプタデカニル-2,7-カルバゾール-alt-5,5-(4,7-di-2-チエニル-2',1',3'-ベンゾチアジアゾール)](PCDTBT)、ポリ[(4,8-bis-(2-エチルヘキシルオキシ)-ベンゾ[1,2-b;4, 5-b']ジチオフェン)-2,6-ジイル-alt-(4-(2-エチルヘキサノイル)-チエノ[3,4-b]チオフェン)-2,6-ジイル](PBDTTT-C)、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチル-ヘキシロキシ)-1,4-フェニレン-ビニレン](MEH-PPV) 、又はポリ[2,6-(4,4-bis-(2-エチルヘキシル)-4H-シクロペンタ[2,1-b;3,4-b']ジチオフェン)-alt-4,7(2,1,3-ベンゾチアジアゾール)](PCPDTBT) がある。
【0056】
アクティブ層26又はアクティブ層38を形成することができるN型半導体材料の例として、フラーレン、特にC60 、[6,6]-フェニル-C61- メチルブタノエート([60]PCBM)、[6,6]-フェニル-C71- メチルブタノエート([70]PCBM)、ペリレンジイミド、酸化亜鉛(ZnO) 、又は量子ドットの形成を可能にするナノ結晶がある。
【0057】
アクティブ層26又はアクティブ層38は、図示されていない第1の界面層と第2の界面層との間に夫々配置されてもよい。フォトダイオードの分極モードに応じて、界面層は、電極からアクティブ層26又はアクティブ層38への電荷の収集、注入又は遮断を容易にする。各界面層の厚さは0.1 nm~1μmの範囲内であることが好ましい。第1の界面層によって、隣接する電極の仕事関数を、アクティブ層26又はアクティブ層38に使用されるアクセプタ材料の電子親和力と合わせることが可能になる。第1の界面層は、炭酸セシウム(CSCO3) 、金属酸化物、特に酸化亜鉛(ZnO) 、又はこれらの化合物の少なくとも2つの混合物で形成されてもよい。第1の界面層は、自己組織化された単分子層又はポリマー、例えばポリエチレンイミン、エトキシ化ポリエチレンイミン、ポリ[(9,9-bis(3'-(N,N-ジメチルアミノ)プロピル)-2,7-フルオレン)-alt-2,7-(9,9-ジオクチルフルオレン)]を含んでもよい。第2の界面層によって、他方の電極の仕事関数を、アクティブ層26又はアクティブ層38に使用されるドナー材料のイオン化ポテンシャルと合わせることが可能になる。第2の界面層は、酸化銅(CuO) 、酸化ニッケル(NiO) 、酸化バナジウム(V2O5)、酸化マグネシウム(MgO) 、酸化タングステン(WO3) 、酸化モリブデン(MoO3)、PEDOT:PSS 又はこれらの化合物の少なくとも2つの混合物で形成されてもよい。
【0058】
マイクロレンズ48の大きさはマイクロメートルサイズである。本実施形態では、各サブ画素SPixはマイクロレンズ48を有している。変形例として、各マイクロレンズ48は、別のタイプのマイクロメートルサイズの光学素子、特にマイクロメートルサイズのフレネルレンズ、マイクロメートルサイズの屈折率分布型レンズ又はマイクロメートルサイズの回折格子と置き換えられてもよい。マイクロレンズ48は、焦点距離fが夫々1μm~100 μmの範囲、好ましくは1μm~10μmの範囲である集光レンズである。実施形態によれば、全てのマイクロレンズ48は実質的に同一である。
【0059】
マイクロレンズ48は、シリカ、PMMA、ポジ型感光性樹脂、PET 、PEN 、COP 、PDMS/シリコーン又はエポキシ樹脂で形成されてもよい。マイクロレンズ48は、感光性樹脂のブロックを変形することにより形成されてもよい。マイクロレンズ48は更に、PET 、PEN 、COP 、PDMS/シリコーン又はエポキシ樹脂の層上に成型により形成されてもよい。
【0060】
実施形態によれば、絶縁層50はマイクロレンズ48の形状に沿う層である。絶縁層50は、光学透明接着剤(OCA) 、特に液状光学透明接着剤(LOCA)、又は低屈折率の材料、又はエポキシ樹脂/アクリル系接着剤、又はガス若しくはガス状混合物、例えば空気の膜から形成されてもよい。絶縁層50がマイクロレンズ48の形状に沿う場合、絶縁層50は、マイクロレンズ48の材料の屈折率より低い低屈折率の材料で形成されていることが好ましい。絶縁層50は、非粘着性の透明な材料である充填材料で形成されてもよい。別の実施形態によれば、絶縁層50は、マイクロレンズ48のアレイに当接する膜、例えばOCA 膜に相当する。この場合、絶縁層50とマイクロレンズ48との接触領域は減少してもよく、例えばマイクロレンズの最上部に限定されてもよい。そのため、絶縁層50は、絶縁層50がマイクロレンズ48の形状に沿う場合より高い屈折率の材料で形成されてもよい。別の実施形態によれば、絶縁層50は、マイクロレンズ48のアレイに当接するOCA 膜に相当し、接着剤は、OCA 膜50がマイクロレンズの表面形状に完全に又は実質的に完全に沿うことができる特性を有する。
【0061】
対象とする材料に応じて、画像センサ1 の少なくともある層を形成する方法は、例えば、特にはソル-ゲル形態で所望の位置に有機層を形成する材料の直接印刷によるいわゆるアディティブ処理、例えばインクジェット印刷、グラビア印刷、シルクスクリーン、フレキソ印刷、スプレーコーティング又はドロップキャストによるアディティブ処理に相当してもよい。対象とする材料に応じて、画像センサ1 の層を形成する方法は、いわゆるサブトラクティブ法に相当してもよく、この方法では、有機層を形成する材料を構造全体に堆積させ、その後、例えばフォトリソグラフィ又はレーザアブレーションによって未使用部分を除去する。更に、対象とする層及び材料に応じて、アクティブ層26, 38を形成する材料を構造全体に堆積させて、部分的に除去しない。そのため、フォトダイオードのピッチは電極22, 34の位置によって得られる。対象とする材料に応じて、構造全体の堆積を、例えば液相成長法、カソードスパッタリング法又は蒸着法によって行ってもよい。スピンコーティング、スプレーコーティング、ヘリオグラフィ、スロットダイコーティング、ブレードコーティング、フレキソ印刷又はシルクスクリーンのような方法を特に使用してもよい。層が金属製であるとき、金属を、例えば支持体全体に蒸着法又はカソードスパッタリング法によって堆積させ、金属層をエッチングによって画定する。
【0062】
画像センサ1 の層の少なくとも一部を印刷技術によって形成してもよいことが有利である。前述した層の材料を、液体の形態で、例えばインクジェットプリンタにより導電性の半導体インクの形態で堆積させてもよい。ここで、「液体の形態の材料」は、印刷技術によって堆積可能なゲル材料を更に表す。アニール工程を異なる層の堆積間に行ってもよいが、アニール温度は150 ℃を超えないことが可能であり、堆積及び場合によってアニールを大気圧で行ってもよい。
【0063】
図3は、フォトダイオードの電極の配置の別の実施形態を示す画像センサ1 の断面図である。本実施形態では、電極40は画素の各カラーフォトダイオード4 に共通であり、電極28は画素の各赤外フォトダイオード2 に共通である。更に、電極40は、同一行の画素の全ての画素に共通であってもよい。更に電極28は、同一行の画素の全ての画素に共通であってもよい。そのため、ビア30, 42は、画素のサブ画素毎に設けられなくてもよく、サブ画素に対応しない領域、例えば画素の周縁部に設けられてもよい。サブ画素SPix毎に電極22, 34のみが異なる。
【0064】
図4は、フォトダイオードの電極の配置の別の実施形態を示す画像センサ1 の断面図である。本実施形態では、図3に示されている実施形態と同様に、電極40は画素の各カラーフォトダイオード4 に共通であり、電極28は画素の各赤外フォトダイオード2 に共通である。そのため、ビア30, 42はサブ画素毎に設けられなくてもよく、サブ画素に対応しない領域に設けられてもよい。更に本実施形態では、電極22は画素全体に亘って実質的に延びており、ひいては画素に対して1つの赤外フォトダイオード2 を画定する。そのため、ビア24は、サブ画素毎に設けられなくてもよく、サブ画素に対応しない領域、例えば画素の周縁部に設けられてもよい。サブ画素SPix毎に電極34のみが異なる。
【0065】
図5は、サブ画素SPixのカラーフォトダイオード4 及び赤外フォトダイオード2 に関連付けられた読み出し回路6-1 の実施形態を示す簡略化された電気回路図である。
【0066】
読み出し回路6-1 は、2つの端子64, 66間に選択MOS トランジスタ62と直列にフォロワ集合体のMOS トランジスタ60を有している。端子64は、読み出し回路を形成するトランジスタがNチャネルMOS トランジスタである場合、高基準電位VDD の電位源に連結されており、読み出し回路を形成するトランジスタがPチャネルMOS トランジスタである場合、低基準電位源、例えば接地に連結されている。端子66は導電性トラック68に連結されている。導電性トラック68は、同一列の全てのサブ画素に連結されてもよく、サブ画素の読み出し回路6-1 に属さない電流源69に連結されてもよい。選択MOS トランジスタ62のゲートは、サブ画素選択信号SEL を受けるように構成されている。MOS トランジスタ60のゲートはノードFDに連結されている。ノードFDは、VDD であってもよいリセット電位Vrstが与えられる端子にMOS リセットトランジスタ70を介して連結されている。MOS リセットトランジスタ70のゲートは、特にノードFDを実質的に電位Vrstにリセットすることを可能にする、サブ画素のリセットを制御するための信号RST を受信するように構成されている。V_FDをノードFDの電圧と称する。
【0067】
ノードFDは、MOS 転送トランジスタ72を介して、対象とするサブ画素のカラーフォトダイオード4 のカソード電極34に連結されている。サブ画素のカラーフォトダイオードのアノード電極40は基準電位V_RGB の電位源に連結されている。MOS 転送トランジスタ72のゲートは、サブ画素のカラーフォトダイオード4 を選択するための信号TG_RGBを受信するように構成されている。MOS トランジスタ60のゲートは、MOS 転送トランジスタ74を介して、対象とするサブ画素の赤外フォトダイオード2 のカソード電極22に更に連結されている。サブ画素の赤外フォトダイオード2 のアノード電極28は基準電位V_IRの電位源に連結されている。MOS 転送トランジスタ74のゲートは、サブ画素の赤外フォトダイオード2 を選択するための信号TG_IR を受信するように構成されている。本実施形態では、5つのMOS トランジスタを有する図5に示されている読み出し回路6-1 がサブ画素毎に設けられている。サブ画素の行毎に、信号SEL, TG_RGB, TG_IR, RST 及び電位V_RGB, V_IR が行の全てのサブ画素に伝えられてもよい。
【0068】
図6は、サブ画素のカラーフォトダイオード4 及び赤外フォトダイオード2 に関連付けられた読み出し回路6-2 の別の実施形態の簡略化された電気回路図を示す。読み出し回路6-2 は、図5に示されている読み出し回路6-1 の全ての要素を有しており、導電性トラック68毎に演算増幅器76を更に有しており、演算増幅器76は、導電性トラック68に連結された反転入力(-) 、基準電位Vrefの電位源に連結された非反転入力(+) 、及びリセットトランジスタ70の電力端子の内の1つに与えられる電位Vrstを供給する出力を有している。演算増幅器76は、導電性トラック68に連結されたサブ画素の全てのリセットトランジスタ70に連結されてもよい。演算増幅器76は、相関二重サンプリング(CDS) を実行する読み出し法によって通常抑制される、リセットトランジスタ70の熱雑音を減らす又は抑制することができるフィードバックループを形成する。
【0069】
図7は、サブ画素のカラーフォトダイオード4 及び赤外フォトダイオード2 に関連付けられた読み出し回路6-3 の別の実施形態の簡略化された電気回路図を示す。読み出し回路6-3 は、MOS 転送トランジスタ72が設けられていない点、カラーフォトダイオード4 のカソード電極34がフォロワトランジスタ60のゲートに連結されている点、及び読み出し回路6-3 が、2つの端子82, 84間にMOS 選択トランジスタ80と直列にフォロワ集合体のMOS トランジスタ78を更に有している点を除いて、図5に示されている読み出し回路6-1 の全ての要素を有している。端子82は高基準電位VDD の電位源に連結されている。端子84は導電性トラック68に連結されている。MOS 選択トランジスタ80のゲートは、赤外フォトダイオード2 を選択するための信号SEL'を受信するように構成されている。トランジスタ78のゲートは、リセット電位Vrstが与えられる端子にMOS リセットトランジスタ86によって連結されている。MOS リセットトランジスタ86のゲートは、リセット電位Vrstをカソード22に与えることにより赤外フォトダイオード2 の再充電を可能にする赤外フォトダイオード2 のリセットを制御するための信号RST'を受信するように構成されている。MOS トランジスタ78のゲートは、サブ画素の赤外フォトダイオード2 のカソード電極22に連結されている。
【0070】
図8は、サブ画素のカラーフォトダイオード4 及び赤外フォトダイオード2 に関連付けられた読み出し回路6-4 の別の実施形態の簡略化された電気回路図を示す。読み出し回路6-4 は、図7に示されている読み出し回路6-3 の全ての要素を有しており、図6に示されている読み出し回路6-2 の演算増幅器76を更に有しており、演算増幅器76は、導電性トラック68に連結された反転入力(-) 、基準電位Vrefの電位源に連結された非反転入力(+) 、及びリセットトランジスタ70, 86の電力端子の内の1つに与えられる電位Vrstを供給する出力を有している。
【0071】
図9は、サブ画素のカラーフォトダイオード4 及び赤外フォトダイオード2 に関連付けられた読み出し回路6-5 の別の実施形態の簡略化された電気回路図を示す。読み出し回路6-5 は、選択トランジスタ80が、導電性トラック68とは異なり電流源89に連結されている導電性トラック90に連結されている点を除いて、図7に示されている読み出し回路6-3 の全ての要素を有している。従って、本実施形態では、カラーサブ画素及び赤外サブ画素は列に連結されていない。このため、カラー画素及び赤外画素に関して、特に方法の連続するステップの継続時間によって異なる読み出し法を実行することが可能である。
【0072】
一般に、リセット電位Vrst, Vrst' は全ての画素に共通であってもよい。そのため、電位Vrstは電位Vrst' と等しい。変形例として、リセット電位は、対応する画素が読み取られる列に応じて異なってもよい。
【0073】
図10は、図5に示されている画像センサ6-1 の動作方法の実施形態中の二値信号RST, TG_IR, TG_RGB, SEL 及び電位V_IR, V_RGB, V_FD のタイミング図である。動作サイクルの連続的な時点をt0からt10 と称する。タイミング図は、読み出し回路6-1 のMOS トランジスタがNチャネルトランジスタであることを考慮して作成されている。
【0074】
時点t0で、信号SEL が低状態であるため、選択トランジスタ62はオフである。この動作サイクルはリセット段階を有する。このために、信号RST が高状態であるため、リセットトランジスタ70は導電性を有する。信号TG_IR が高状態であるため、転送トランジスタ74は導電性を有する。フォトダイオードは、電位源Vrstを介して電荷を注入することによって充電される。同様に、信号TG_RGBが高状態であるため、転送トランジスタ72は導電性を有する。その後、カラーフォトダイオード4 に蓄積された電荷は電位源Vrstに向かって放出される。
【0075】
時点t1の直前で、電位V_IRが低レベルに設定され、電位V_RGB が低レベルに設定される。ここで、電位V_IR, V_RGB の低レベルは同一であってもよく又は異なってもよい。新しい動作サイクルの開始を示す時点t1で、信号TG_IR が低状態に設定されるため、転送トランジスタ74はオフになり、信号TG_RGBが低状態に設定されるため、転送トランジスタ72はオフになる。時点t1の直後に、信号RST が低状態に設定されるため、リセットトランジスタ70はオフになる。その後、電位V_FDは第1の値V1に設定される。その後、時点t1と時点t2との間(フォトダイオード2, 4の入射光の強度に比例して電荷が発生する時間)に統合段階を行う。時点t2で、電位V_IRが高レベルに設定され、赤外フォトダイオード2 のカソード電位を一定のままにすることが可能な赤外フォトダイオード2 での電荷収集を停止し、電位V_RGB が高レベルに設定され、カラーフォトダイオード4 のカソード電位を一定のままにすることが可能なカラーフォトダイオード4 での電荷収集を停止する。電位V_IR, V_RGB の高レベルは同一であってもよく又は異なってもよい。
【0076】
時点t2と時点t3との間で、信号SEL が一時的に高状態に設定されるため、導電性トラック68の電位は記憶されているV1の値に達する。時点t3と時点t4との間で、信号TG_IR が高状態に設定されるため、転送トランジスタ74はオンになる。その後、赤外フォトダイオード2 に蓄えられた電荷はノードFD に移され、ノードFDの電位V_FDは値V2に減少する。時点t4と時点t5との間で、信号SEL が一時的に高状態に設定されるため、導電性トラック68の電位は記憶されているV2の値に達する。値V2と値V1との差は、統合段階中に赤外フォトダイオード2 で収集される電荷の量を表す。
【0077】
時点t5と時点t6との間で、信号RST が高状態に設定されるため、リセットトランジスタ70はオンになる。その後、電位V_FDは、V1と実質的に等しくてもよい値V3で安定する。時点t6と時点t7との間で、信号SEL が一時的に高状態に設定されるため、導電性トラック68の電位は記憶されているV3の値に達する。時点t7と時点t8との間で、信号TG_RGBが高状態に設定されるため、転送トランジスタ72はオンになる。その後、カラーフォトダイオード4 に蓄えられた電荷はノードFD に移され、ノードFDの電位V_FDは値V4に減少する。時点t8と信号t9との間で、信号SEL が一時的に高状態に設定されるため、導電性トラック68の電位は記憶されているV4の値に達する。値V4と値V3との差は、統合段階中にカラーフォトダイオード4 で収集される電荷の量を表す。時点t10 は動作サイクルの終了を示し、次の動作サイクルの時点t1に対応する。本実施形態では、カラーフォトダイオード4 で収集された電荷を移す前に、赤外フォトダイオード2 で収集された電荷を移す。しかしながら、赤外フォトダイオード2 で収集された電荷を移す前に、カラーフォトダイオード4 で収集された電荷を移してもよい。
【0078】
本実施形態により、全てのカラーフォトダイオードの統合段階を同時的に実行する、カラー画像の取得のためのグローバルシャッタタイプの読み出し法、及び全ての赤外フォトダイオードの統合段階を同時的に実行する、赤外線画像の取得のためのグローバルシャッタタイプの読み出し法を実行可能であることが有利である。
【0079】
図11は、図5に示されている画像センサ6-1 の動作方法の別の実施形態中の二値信号RST, TG_IR, TG_RGB, SEL 及び電位V_IR, V_RGB, V_FD のタイミング図である。本動作サイクルは、時点t2で、電位V_IRが、本実施形態では時点t5と時点t6との間の時点t5' まで低状態のままである点、時点t3と時点t4との間で、転送トランジスタ74がオフのままであり、転送トランジスタ72が導電性を有する点、及び時点t7と時点t8との間で、転送トランジスタ72がオフのままであり、転送トランジスタ74が導電性を有する点を除いて、図10に示されている動作サイクルと同一の一連の段階を有する。
【0080】
本実施形態では、サブ画素毎に、カラーフォトダイオード4 の統合段階は時点t1から時点t2まで延びており、赤外フォトダイオード2 の統合段階は時点t1から時点t5' まで延びている。本実施形態により、赤外フォトダイオードの統合段階の継続時間が、カラーフォトダイオードの統合段階の継続時間と異なることが可能になる。更に、本実施形態により、カラー画像の取得のためにグローバルシャッタタイプの読み出し法、及び赤外線画像の取得のためにグローバルシャッタタイプの読み出し法を実行可能であることが有利である。
【0081】
図12は、第1及び第2の連続的な画素行を考慮した、図9に示されている画像センサ6-5 の動作方法の別の実施形態中の信号RST'_1, RST'_2, RST_1, RST_2, SEL_1, SEL_2及び電位V_IR_1, V_IR_2, V_RGB_1, V_RGB_2のタイミング図であり、第1の行に関連付けられた信号及び電位は添え字「_1」を含み、第2の行に関連付けられた信号及び電位は添え字「_2」を含む。
【0082】
図12に示されているように、信号V_RGB_1, V_RGB_2は常に低状態に維持されている。信号V_IR_1, V_IR_2によって制御される2行の赤外フォトダイオードの統合段階は同時的に実行されるが、信号RST_1, SEL_1によって制御される第1の行のカラーフォトダイオードの統合段階は、信号RST_2, SEL_2によって制御される第2の行のカラーフォトダイオードの統合段階に対して経時的にシフトする。このため、赤外フォトダイオードのためのグローバルシャッタタイプの読み出し法、及び画素行の統合段階が互いに経時的にシフトする、カラーフォトダイオードのためのローリングシャッタタイプの読み出し法を実行することが可能になる。
【0083】
様々な実施形態及び変形例が述べられている。当業者は、これらの実施形態のある特徴を組み合わせることができると理解し、他の変形例が当業者に容易に想起される。特に、図6~9に示されている読み出し回路は、図2~4に示されているサブ画素構造のいずれかと共に実装されてもよい。更に、図10及び図11に関連して前述したタイミング図は更に、図6~9に示されている読み出し回路を用いて作成されてもよい。最後に、本明細書に記載されている実施形態及び変形例の実際の実施は、上記の機能的な記載に基づく当業者の技能の範囲内である。
【0084】
本特許出願は、本明細書の一部とみなされる仏国特許出願第19/02153 号明細書の優先権を主張している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2021-11-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコンの基板と
前記基板内及び前記基板上に形成されているMOS トランジスタと
前記基板を覆って前記基板から第1の感光層、電気絶縁層、第2の感光層及びカラーフィルタを含む積層体と
前記第1の感光層の両側に設けられて前記第1の感光層に第1のフォトダイオードを画定している第1の電極及び第2の電極と
前記第2の感光層の両側に設けられて前記第2の感光層に第2のフォトダイオードを画定している第3の電極及び第4の電極と
を備えており、
前記第1の感光層は、可視スペクトルの電磁波及び赤外スペクトルの第1の部分の電磁波を吸収するように構成されており、前記第2の感光層は、前記可視スペクトルの電磁波を吸収して、前記赤外スペクトルの第1の部分の電磁波を通すように構成されている、カラー・赤外線画像センサ。
【請求項2】
前記第1の感光層は、380 nm~900 nmの範囲の電磁波を吸収し、
前記第2の感光層は、380 nm~700 nmの範囲の電磁波を吸収する、請求項1に記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項3】
前記第1の感光層は、380 nm~1100nmの範囲の電磁波を吸収し、
前記第2の感光層は、380 nm~700 nmの範囲の電磁波を吸収する、請求項1に記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項4】
前記第1の感光層は、380 nm~1100nmの範囲の電磁波を吸収し、
前記第2の感光層は、380 nm~900 nmの範囲の電磁波を吸収する、請求項1に記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項5】
前記積層体を覆う赤外線フィルタを更に備えており、
前記第1の感光層及び前記第2の感光層は、前記基板と前記赤外線フィルタとの間に配置されており、
前記赤外線フィルタは、前記可視スペクトルの電磁波を通して、前記赤外スペクトルの第1の部分の電磁波を通し、前記可視スペクトルと前記赤外スペクトルの第1の部分との間の前記赤外スペクトルの少なくとも第2の部分の電磁波を遮断するように構成されている、請求項1に記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項6】
前記積層体を覆うレンズのアレイを更に備えている、請求項1に記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項7】
取得するカラー画像の画素毎に、少なくとも第1、第2及び第3のサブ画素を備えており、前記第1、第2及び第3のサブ画素は、前記第2のフォトダイオードの1つ、前記第1のフォトダイオードの1つ又は前記第1のフォトダイオードの1つの一部、及び前記カラーフィルタの1つを夫々有しており、前記第1、第2及び第3のサブ画素のカラーフィルタは、前記可視スペクトルの異なる周波数範囲の電磁波を通して、前記赤外スペクトルの電磁波を通す、請求項1に記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項8】
取得するカラー画像の画素毎に、前記第4の電極は前記第1、第2及び第3のサブ画素に共通である、請求項に記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項9】
取得する赤外線画像の画素毎に、前記第2の電極は前記第1、第2及び第3のサブ画素に共通である、請求項に記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項10】
取得する赤外線画像の画素毎に、前記第1の電極は前記第1、第2及び第3のサブ画素に共通である、請求項に記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項11】
取得するカラー画像の画素毎に、前記第2のフォトダイオードの1つ及び前記カラーフィルタの1つを有する少なくとも1つの第4のサブ画素を備えており、
前記第4のサブ画素のカラーフィルタは、前記可視スペクトルの電磁波を遮断して、前記可視スペクトルと前記赤外スペクトルの第1の部分との間の前記赤外スペクトルの第3の部分の電磁波を通すように構成されており、
前記第2の感光層は、前記赤外スペクトルの第3の部分の電磁波を吸収するように構成されている、請求項に記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項12】
前記第1、第2及び第3のサブ画素毎に、前記第2のフォトダイオード及び前記第1のフォトダイオードに連結された読み出し回路を備えている、請求項に記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項13】
前記読み出し回路は、前記第1のフォトダイオードで発生した第1の電荷を第1の導電性トラックに移すように構成されており、前記第2のフォトダイオードで発生した第2の電荷を同一の第1の導電性トラック又は前記第1の導電性トラックとは異なる第2の導電性トラックに移すように構成されている、請求項12に記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項14】
前記第1のフォトダイオードは行及び列に配置されており、
前記読み出し回路は、前記カラー・赤外線画像センサの全ての第1のフォトダイオードに関して同時的な第1の時間間隔で前記第1の電荷の収集を制御するように構成されている、請求項13に記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項15】
前記第2のフォトダイオードは行及び列に配置されており、
前記読み出し回路は、前記カラー・赤外線画像センサの全ての第2のフォトダイオードに関して同時的な時間間隔で又は1行の第2のフォトダイオードから別の行の第2のフォトダイオードに経時的にシフトして電荷の収集を制御するように構成されている、請求項13に記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項16】
前記読み出し回路は、第1の継続時間を有する、前記第1のフォトダイオードのための第1の統合段階を制御して、前記第1の継続時間とは異なる第2の継続時間を有する、前記第2のフォトダイオードのための第2の統合段階を制御するように構成されている、請求項13に記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項17】
前記第1の感光層及び/又は前記第2の感光層は、有機材料で形成されている及び/又は量子ドットを含んでいる、請求項1に記載のカラー・赤外線画像センサ。
【請求項18】
カラー画像の解像度が赤外線画像の解像度とは異なる、請求項1に記載のカラー・赤外線画像センサ。
【国際調査報告】