(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-22
(54)【発明の名称】呼吸フロー療法システムにおける患者接続検出
(51)【国際特許分類】
A61M 16/00 20060101AFI20220415BHJP
A61M 16/06 20060101ALI20220415BHJP
A61M 16/04 20060101ALI20220415BHJP
A61M 16/16 20060101ALI20220415BHJP
【FI】
A61M16/00 370Z
A61M16/00 315
A61M16/06 C
A61M16/06 A
A61M16/04 Z
A61M16/16 Z
A61M16/00 345
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021552144
(86)(22)【出願日】2020-03-04
(85)【翻訳文提出日】2021-09-02
(86)【国際出願番号】 IB2020051816
(87)【国際公開番号】W WO2020178746
(87)【国際公開日】2020-09-10
(32)【優先日】2019-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】504298349
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】エドワーズ ブリン アラン
(72)【発明者】
【氏名】ガリー アントン キム
(57)【要約】
システム及び方法は、時間領域での流れパラメータ信号を分析することにより、患者が(患者インタフェース等を介して)呼吸デバイスに接続されているか否かを判断することができる。さらに、プロセスは、患者接続ステータスを4つのカテゴリ、すなわち、切り離されている、接続中、接続されている、又は切離し中のうちの1つに分類することができる。システムは、ネーザルハイフロー療法における鼻カニューレ等の非密閉患者インタフェース、又は他の任意の患者インタフェースを含むことができる。患者による呼吸システムの使用のデータは、治療コンプライアンスと、使用情報の長期傾向並びに/又は患者の呼吸機能及び/若しくは他の生理学的機能の経過とを提供することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に呼吸療法を提供するように構成された呼吸システムであって、患者の呼吸に関連する情報を提供するようにも構成され、
コントローラを備える呼吸デバイスであって、前記コントローラが、
ガスの流れの又は前記デバイスの構成要素の性能を表す第1パラメータのデータを受信することであって、前記第1パラメータが前記患者の呼吸を示す、受信することと、
前記データにおける傾向を分析することにより、前記第1パラメータの前記データの相関値を求めることと、
前記相関値を使用して、前記患者が前記デバイスの患者インタフェースに接続されていると決定することと、
を行うように構成されている、呼吸デバイス
を備える、システム。
【請求項2】
前記コントローラが、前記第1パラメータの前記データのサブセットに対して相関値を評価するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記サブセットのサイズが、典型的な呼吸周波数範囲内の周波数により、前記典型的な呼吸周波数範囲を上回る別の周波数よりも高い相関がもたらされるように選択される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記サブセットの前記サイズが、前記サブセットが所定タイムスパンからのデータを含むように選択される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記相関値が、前記第1パラメータの前記データと1つ又は複数の特徴ベクトルとの相関を分析することによって求められる、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記コントローラが、経時的に前記相関値をフィルタリングしてフィルタリングされた相関値を与えるように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記コントローラが、前記フィルタリングされた相関値が第1閾値を上回る場合、前記患者は前記患者インタフェースに接続されていると決定するように構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記コントローラが、前記フィルタリングされた相関値が一定量の時間、第2閾値を上回る場合、前記患者は前記患者インタフェースに接続されていると決定するように構成されている、請求項6又は7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1閾値が前記第2閾値を上回る、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
接続されていると決定されると、前記フィルタリングされた特徴値が第3閾値を下回る場合、前記患者が切り離されていると決定される、請求項7~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
接続されていると一度決定されると、前記フィルタリングされた特徴値が一定量の時間、第4閾値を下回る場合、前記患者が切り離されていると決定される、請求項7~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記第3閾値が前記第4閾値を下回る、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第4閾値が前記第2閾値に等しい、請求項11又は12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第4閾値が前記第2閾値を下回る、請求項11又は12に記載のシステム。
【請求項15】
前記コントローラが、前記患者がまだ、接続されていると想定されなかった場合で、前記フィルタリングされた相関値が、前記一定量よりも短い時間、前記第1閾値と前記第2閾値との間である場合、前記患者は接続中であると決定されるように構成されている、請求項11~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
接続中であると一度決定されると、前記相関値が前記第2閾値を下回った場合、前記患者が切り離されていると決定される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記コントローラが、前記患者がまだ、切り離されていると想定されなかった場合で、前記フィルタリングされた相関値が、前記一定量よりも短い時間、前記第3閾値と前記第4閾値との間である場合、前記患者は切離し中であると決定されるように構成されている、請求項11~16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
切離し中であると一度決定されると、前記相関値が前記第4閾値を上回った場合、前記患者が接続されていると決定される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記コントローラが、前記患者が接続されているか否かの決定を使用して、ある特定のパラメータを表示するか否かを判断する、請求項1~18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記コントローラが、前記患者が接続されていると決定された場合に、前記患者の呼吸数の推定値を受信し、呼吸数推定を表示する、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記デバイスが、前記患者が接続されていると決定された場合、ガスの送達を前記患者の呼吸と同期させるように構成されている、請求項1~20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記コントローラが、各患者接続ステータスの時間をログ記録する、請求項1~21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
前記デバイスが、前記患者が切り離されると警報を発生させる、請求項1~22のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
前記デバイスが、前記患者が切り離されているときにのみ、ある特定の患者パラメータの記録を一時停止する、請求項1~23のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項25】
前記患者パラメータが酸素効率を含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記酸素効率がSpO
2及びFdO
2に基づく、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記第1パラメータの前記データが、前記第1パラメータの絶対値を含む、請求項1~26のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項28】
前記第1パラメータの前記データが、前記第1パラメータの変化を含む、請求項1~26のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項29】
前記変化が、前記第1パラメータの測定値から前記第1パラメータの目標値を引くことによって求められる、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記変化が、前記第1パラメータの前記測定値から第2パラメータの推定される影響を差し引くことによって求められる、請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
前記第1パラメータが流量である、請求項1~30のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項32】
前記第1パラメータが圧力である、請求項1~30のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項33】
前記第2パラメータがモータ速度である、請求項31又は32に記載のシステム。
【請求項34】
前記第2パラメータが圧力である、請求項31に記載のシステム。
【請求項35】
非密閉システムである、請求項1~34のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項36】
前記患者インタフェースを備え、前記患者インタフェースが、鼻カニューレ又は気管切開インタフェースを含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
ネーザルハイフロー療法を提供するように構成されている、請求項35又は36に記載のシステム。
【請求項38】
密閉システムである、請求項1~34のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項39】
前記患者インタフェースを備え、前記患者インタフェースが、フェイスマスク、鼻マスク、気管内チューブ又は気管切開インタフェースである、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
患者への前記ガス流を加湿するように構成された加湿器を備える、請求項1~39のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項41】
前記患者が前記システムに接続されているか否かに関連する情報を、前記1つ又は複数のプロセッサから受け取るとともに表示するように構成されたディスプレイを備える、請求項1~40のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項42】
患者に呼吸療法を提供するように構成された呼吸システムであって、患者の呼吸に関連する情報を提供するようにも構成され、
コントローラを備える呼吸デバイスであって、前記コントローラが、
ガスの流れの又は前記呼吸デバイスの構成要素の性能を表す第1パラメータのデータを受信することであって、前記第1パラメータが前記患者の呼吸を示す、受信することと、
前記第1パラメータの前記データに基づいて流れパラメータ変化データを生成することと、
前記流れパラメータ変化データの一部分を選択することと、
前記流れパラメータ変化データの前記部分に基づき、瞬間的な患者換気量の尺度を生成することと、
を行うように構成されている、呼吸デバイス
を備える、呼吸システム。
【請求項43】
前記コントローラが、前記流れパラメータ変化データの前記選択された部分に1つ又は複数の関数を当てはめるようにさらに構成され、前記瞬間的な患者換気量の尺度を生成することが、前記1つ又は複数の関数によって生成される曲線の下の面積を求めることを含む、請求項42に記載の呼吸システム。
【請求項44】
前記コントローラが、前記流れパラメータ変化データの前記選択された部分に1つ又は複数の関数を適用するようにさらに構成され、前記瞬間的な患者換気量の尺度を生成することが、前記1つ又は複数の関数によって生成される曲線の下の面積を求めることを含む、請求項42に記載の呼吸システム。
【請求項45】
前記第1パラメータが、流量を示すか又は流量である、請求項42~44のいずれか一項に記載の呼吸システム。
【請求項46】
前記流量が総流量である、請求項45に記載の呼吸システム。
【請求項47】
前記流れパラメータ変化データが、前記第1パラメータの測定値から前記第1パラメータの目標値を引くことによって生成される、請求項42~46のいずれか一項に記載の呼吸システム。
【請求項48】
前記コントローラが、前記ガスの流れの又は前記デバイスの第2構成要素の性能を表す第2パラメータのデータを受信するようにさらに構成され、前記流れパラメータ変化データが、前記第1パラメータの測定値から前記第2パラメータの推定される影響を差し引くことによって生成される、請求項42~46のいずれか一項に記載の呼吸システム。
【請求項49】
前記第2パラメータが、モータ速度を示すか又はモータ速度である、請求項48に記載の呼吸システム。
【請求項50】
前記第2パラメータが、圧力を示すか又は圧力である、請求項48に記載の呼吸システム。
【請求項51】
前記流れパラメータ変化データが、前記第1パラメータの第2平均値から前記第1パラメータの第1平均値を引くことによって生成される、請求項42~45のいずれか一項に記載の呼吸システム。
【請求項52】
前記第2平均値が、前記第1パラメータの測定値に基づく、請求項51に記載の呼吸システム。
【請求項53】
前記第1パラメータの前記第1平均値が、前記第1パラメータに進行中のフィルタを適用することによって求められる、請求項51又は52に記載の呼吸システム。
【請求項54】
前記流れパラメータ変化データの前記部分が、事前定義された期間内の期間に関連するデータを含む、請求項42~53のいずれか一項に記載の呼吸システム。
【請求項55】
前記流れパラメータ変化データの前記部分が、時間の長さを表す、請求項42~53のいずれか一項に記載の呼吸システム。
【請求項56】
前記時間の長さが、信号ノイズが前記瞬間的な患者換気量の尺度からフィルタリングで除去されるようなものである、請求項55に記載の呼吸システム。
【請求項57】
前記時間の長さが、予測された呼吸周波数により、瞬間的な患者換気量の尺度が増大することになるようなものである、請求項55に記載の呼吸システム。
【請求項58】
前記時間の長さが、0.5~2秒間の範囲である、請求項55~57のいずれか一項に記載の呼吸システム。
【請求項59】
前記コントローラが、最小二乗適合を実施して、前記流れパラメータ変化データの前記選択された部分に前記1つ又は複数の関数を当てはめるように構成されている、請求項43~58のいずれか一項に記載の呼吸システム。
【請求項60】
前記1つ又は複数の関数によって生成される前記曲線が直線である、請求項43~58のいずれか一項に記載の呼吸システム。
【請求項61】
前記1つ又は複数の関数によって生成される前記曲線が水平線である、請求項43~58のいずれか一項に記載の呼吸システム。
【請求項62】
前記1つ又は複数の関数が代数関数である、請求項43~58のいずれか一項に記載の呼吸システム。
【請求項63】
前記1つ又は複数の関数が超越関数である、請求項43~58のいずれか一項に記載の呼吸システム。
【請求項64】
前記1つ又は複数の関数が最良適合線を生成する、請求項43~58のいずれか一項に記載の呼吸システム。
【請求項65】
前記瞬間的な患者換気量の尺度が、前記1つ又は複数の関数によって生成される前記曲線の絶対値の下の面積に基づいて生成される、請求項43~64のいずれか一項に記載の呼吸システム。
【請求項66】
前記曲線の下の前記面積が、前記1つ又は複数の関数によって生成される前記曲線の前記絶対値の積分を見つけることによって求められる、請求項43~65のいずれか一項に記載の呼吸システム。
【請求項67】
患者に呼吸療法を提供するように構成された呼吸システムであって、患者の呼吸に関連する情報を提供するようにも構成され、
コントローラを備える呼吸デバイスであって、前記コントローラが、
ガスの流れの又は前記デバイスの構成要素の性能を表す第1パラメータのデータを受信することであって、前記第1パラメータが前記患者の呼吸を示す、受信することと、
前記第1パラメータの前記データに基づいて流れパラメータ変化データを生成することと、
前記流れパラメータ変化データに基づいて患者換気量の尺度を生成することと、
前記流れパラメータ変化データに基づいて総信号変動の尺度を生成することと、
前記患者換気量の尺度と前記総信号変動の尺度との比較に基づいて、患者接続を決定することと、
を行うように構成されている、呼吸デバイス
を備える、システム。
【請求項68】
前記第1パラメータが、流量を示すか又は流量である、請求項67に記載のシステム。
【請求項69】
前記流れパラメータ変化データが、前記第1パラメータの測定値から前記第1パラメータの目標値を引くことによって生成される、請求項67又は68に記載のシステム。
【請求項70】
前記コントローラが、前記ガスの流れの又は前記デバイスの第2構成要素の性能を表す第2パラメータのデータを受信するようにさらに構成され、前記流れパラメータ変化データが、前記第1パラメータの測定値から前記第2パラメータの推定される影響を差し引くことによって生成される、請求項67又は68に記載のシステム。
【請求項71】
前記第2パラメータが、モータ速度を示すか又はモータ速度である、請求項70に記載のシステム。
【請求項72】
前記第2パラメータが、圧力を示すか又は圧力である、請求項70に記載のシステム。
【請求項73】
前記流れパラメータ変化データが、前記第1パラメータの第2平均値から前記第1パラメータの第1平均値を引くことによって生成される、請求項67又は68に記載のシステム。
【請求項74】
前記第2平均値が、前記第1パラメータの測定値に基づく、請求項73に記載のシステム。
【請求項75】
前記第1パラメータの前記第1平均値が、前記第1パラメータに進行中のフィルタを適用することによって求められる、請求項73又は74に記載のシステム。
【請求項76】
前記コントローラが、前記流れパラメータ変化データから瞬間的な患者換気量の尺度を生成するようにさらに構成され、前記患者換気量の尺度が、前記瞬間的な患者換気量の尺度をフィルタリングすることによって生成される、請求項67~75のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項77】
前記コントローラが、前記流れパラメータ変化データの一部分を選択するようにさらに構成されている、請求項76に記載のシステム。
【請求項78】
前記流れパラメータ変化データの前記部分が、0.5~2秒間の範囲の時間の長さを表す、請求項77に記載のシステム。
【請求項79】
前記瞬間的な患者換気量の尺度が、前記流れパラメータ変化データの前記選択された部分に1つ又は複数の関数を当てはめ、前記1つ又は複数の関数によって生成される曲線の絶対値の下の面積を求めることによって生成される、請求項76~78のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項80】
前記コントローラが、最小二乗適合を実施して、前記流れパラメータ変化データの前記選択された部分に前記1つ又は複数の関数を当てはめるように構成されている、請求項79に記載のシステム。
【請求項81】
前記1つ又は複数の関数によって生成される前記曲線が直線である、請求項79又は80に記載のシステム。
【請求項82】
前記1つ又は複数の関数によって生成される前記曲線が水平線である、請求項79又は80に記載のシステム。
【請求項83】
前記曲線の前記絶対値の下の前記面積を求めることが、前記1つ又は複数の関数によって生成される前記曲線の前記絶対値の積分を見つけることを含む、請求項79~82のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項84】
前記コントローラが、前記流れパラメータ変化データから瞬間的な総信号変動の尺度を生成するようにさらに構成され、前記総信号変動の尺度が、前記瞬間的な総信号変動の尺度をフィルタリングすることによって生成される、請求項67~83のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項85】
前記瞬間的な総信号変動の尺度が、前記流れパラメータ変化データの絶対値を取ることによって求められる、請求項84に記載のシステム。
【請求項86】
前記瞬間的な総信号変動の尺度が、前記流れパラメータ変化データの二乗を取ることによって求められる、請求項84に記載のシステム。
【請求項87】
前記患者換気量の尺度と前記総信号変動の尺度とを比較することが、前記患者換気量の尺度と前記総信号変動の尺度との比を取ることを含む、請求項67~86のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項88】
接続されていると一度決定されると、前記コントローラが、前記比が接続閾値を下回った場合、前記患者が切り離されていると決定するように構成されている、請求項87に記載のシステム。
【請求項89】
接続されていると一度決定されると、前記コントローラが、前記比が接続閾値を下回らない場合、前記患者が接続されていると決定するように構成されている、請求項87に記載のシステム。
【請求項90】
切り離されていると一度決定されると、前記コントローラが、前記比が接続閾値を超える場合、前記患者が接続されていると決定するように構成されている、請求項87に記載のシステム。
【請求項91】
切り離されていると一度決定されると、前記コントローラが、前記比が接続閾値を超えない場合、前記患者が切り離されていると決定するように構成されている、請求項87に記載のシステム。
【請求項92】
前記コントローラが、前記比が第1閾値を上回る場合、前記患者が接続されていると決定するように構成されている、請求項87に記載のシステム。
【請求項93】
前記コントローラが、前記比が一定量の時間、第2閾値を上回る場合、前記患者が接続されていると決定するように構成されている、請求項92に記載のシステム。
【請求項94】
前記第1閾値が前記第2閾値を上回る、請求項93に記載のシステム。
【請求項95】
接続されていると一度決定されると、前記比が第3閾値を下回る場合、前記患者が切り離されていると決定される、請求項92~94のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項96】
接続されていると一度決定されると、前記比が一定量の時間、第4閾値を下回る場合、前記患者が切り離されていると決定される、請求項92~95のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項97】
前記第3閾値が前記第4閾値を下回る、請求項96に記載のシステム。
【請求項98】
前記第4閾値が前記第2閾値に等しい、請求項96又は97に記載のシステム。
【請求項99】
前記第4閾値が前記第2閾値を下回る、請求項96又は97に記載のシステム。
【請求項100】
前記コントローラが、前記患者がまだ、接続されていると想定されなかった場合で、前記比が、前記一定量よりも短い時間、前記第1閾値と前記第2閾値との間である場合、前記患者は接続中であると決定されるように構成されている、請求項96~99のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項101】
接続中であると一度決定されると、前記比が前記第2閾値を下回った場合、前記患者が切り離されていると決定される、請求項100に記載のシステム。
【請求項102】
前記コントローラが、前記患者がまだ、切り離されていると想定されなかった場合で、前記比が、前記一定量よりも短い時間、前記第3閾値と前記第4閾値との間である場合、前記患者は切離し中であると決定されるように構成されている、請求項96~101のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項103】
切離し中であると一度決定されると、前記比が前記第4閾値を上回った場合、前記患者が接続されていると決定される、請求項102に記載のシステム。
【請求項104】
前記コントローラが、前記患者が接続されているか否かの決定を使用して、ある特定のパラメータを表示するか否かを判断するように構成されている、請求項67~103のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項105】
前記コントローラが、前記患者が接続されていると決定された場合に、前記患者の呼吸数の推定値を受信するように構成され、呼吸数推定を表示する、請求項104に記載のシステム。
【請求項106】
前記呼吸デバイスが、前記患者が接続されていると決定された場合、ガスの送達を前記患者の呼吸と同期させるように構成されている、請求項67~105のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項107】
前記コントローラが、各患者接続ステータスの時間をログ記録するように構成されている、請求項67~106のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項108】
前記呼吸デバイスが、前記患者が切り離されると警報を発生させる、請求項67~107のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項109】
前記呼吸デバイスが、前記患者が切り離されているときにのみ、ある特定の患者パラメータの記録を一時停止する、請求項67~108のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項110】
前記患者パラメータが酸素効率を含む、請求項109に記載のシステム。
【請求項111】
前記酸素効率がSpO
2及びFdO
2に基づく、請求項110に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、患者に呼吸フロー療法を提供する方法及びシステムに関する。特に、本開示は、患者が呼吸フローシステムに接続されている(attached)か否かを検出することに関する。
【背景技術】
【0002】
呼吸補助装置は、ユーザ又は患者にガスの流れを送達するために、病院、医療施設、在宅ケア又は家庭環境等のさまざまな環境で使用されている。ガスの流れとともに補給酸素又は他のガスを送達するために呼吸補助又は呼吸療法装置(まとめて、「呼吸装置」又は「呼吸デバイス」)が使用される場合があり、且つ/又は、加熱及び加湿ガスを送達するために加湿装置が使用される場合がある。呼吸装置により、流量、温度、ガス濃度、湿度、圧力等を含む、ガス流の特徴に対する調整及び制御が可能になり得る。流量センサ及び/又は圧力センサ等のセンサを使用して、ガス流の特徴が測定される。
【0003】
呼吸デバイスは、患者によるデバイスの使用に関するさまざまなパラメータを監視及び決定することができる。パラメータデータは、患者の健康、呼吸デバイスの使用、及び/又は患者の呼吸機能の経過に関して臨床医に通知することができる。そうしたデータを使用して、呼吸デバイス自体の機能性を向上させることも可能である。
【0004】
呼吸デバイスを使用する患者による吸気及び呼気は、デバイス内のガス流に影響を及ぼす可能性がある。これは、患者が、マスク又は鼻カニューレ等の患者インタフェースを通して息を吸うとき、患者インタフェース内のガス流に対する抵抗が低下し、患者が息を吐くとき、患者インタフェース内のガス流に対する抵抗が上昇するためである。呼吸数等、いくつかのパラメータは、流れパラメータ信号における吸気及び呼気に起因する変化を監視することによって決定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
密閉システムでは、この吸気及び呼気は、比較的容易に測定される。しかしながら、ネーザルハイフローシステム等の非密閉システムでは、患者吸気及び呼気は、システムの開放した性質により、確定することがより困難である。信号、特に時間領域信号における不規則性を、呼吸トリガイベントとして間違って解釈し易い可能性がある。こうした分析から決定されたパラメータは、(たとえば、患者が切り離されている(detached)、鼻を通して呼吸していない、及び/又は他の理由により)呼吸がないときに、呼吸デバイスが信号に呼吸を検出する可能性がある場合、判断を誤らせる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、ガス流パラメータの時間領域分析を実施して、流れパラメータのデータの相関値を求め、その相関値を1つ又は複数の閾値と比較することにより、患者の呼吸システムに対する接続及び切離しを検出するプロセスを提供する。さらに、本明細書に記載するプロセスは、患者接続ステータスを4つのカテゴリ、すなわち、切り離されている(detached)、接続中(attaching)、接続されている(attached)又は切離し中(detaching)のうちの1つに分類することができる。
【0007】
患者接続ステータスの決定は、たとえば、患者が接続されているときのガスの送達を同期させ、患者が患者インタフェースを取り外したときに、酸素送達制御、並びに/又はデバイス内の加熱素子への流量及び/若しくは電力の制御を中断し、呼吸数等の他のパラメータの決定の精度を向上させ、且つ/又は、治療コンプライアンスと使用情報の長期傾向及び/又は患者の呼吸機能の経過とを提供する等のために、呼吸デバイスの他の制御機能及び/又は他の患者モニタリングデバイスに供給することができる。本明細書に開示するプロセスは、患者インタフェースが、ネーザルハイフロー療法における鼻カニューレ等の非密閉デバイス、又は、(持続陽圧呼吸(CPAP)療法及び/又は二相式気道陽圧療法等における)フェイスマスク、鼻マスク、鼻ピローマスク、気管内チューブ、気管切開インタフェース等、他の任意の患者インタフェースである場合に、使用することができる。
【0008】
一構成では、患者に呼吸療法を提供するように、且つ患者の呼吸に関連する情報を提供するように構成された呼吸システムは、コントローラを備える呼吸デバイスを備えることができ、コントローラは、ガスの流れの又はデバイスの構成要素の性能を表す第1パラメータのデータを受信することであって、第1パラメータが患者の呼吸を示す、受信することと、データにおける傾向を分析することにより、第1パラメータのデータの相関値を求めることと、相関値を使用して、患者がデバイスの患者インタフェースに接続されていると決定することとを行うように構成することができる。
【0009】
一構成では、コントローラは、第1パラメータのデータのサブセットに対して相関値を評価するように構成することができる。
【0010】
一構成では、サブセットのサイズは、典型的な呼吸周波数範囲内の周波数により、典型的な呼吸周波数範囲を上回る別の周波数よりも高い相関がもたらされるように選択することができる。
【0011】
一構成では、サブセットのサイズは、サブセットが所定タイムスパンからのデータを含むように選択することができる。
【0012】
一構成では、相関値は、第1パラメータのデータと1つ又は複数の特徴ベクトルとの相関を分析することによって求めることができる。
【0013】
一構成では、コントローラは、経時的に相関値をフィルタリングしてフィルタリングされた相関値を与えるように構成することができる。
【0014】
一構成では、コントローラは、フィルタリングされた相関値が第1閾値を上回る場合、患者は患者インタフェースに接続されていると決定するように構成することができる。
【0015】
一構成では、コントローラは、フィルタリングされた相関値が一定量の時間、第2閾値を上回る場合、患者は患者インタフェースに接続されていると決定するように構成することができる。
【0016】
一構成では、第1閾値は第2閾値を上回ることができる。
【0017】
一構成では、接続されていると決定されると、フィルタリングされた特徴値が第3閾値を下回る場合、患者は切り離されていると決定することができる。
【0018】
一構成では、接続されていると決定されると、フィルタリングされた特徴値が一定量の時間、第4閾値を下回る場合、患者は切り離されていると決定することができる。
【0019】
一構成では、第3閾値は第4閾値を下回ることができる。
【0020】
一構成では、第4閾値は第2閾値と等しくすることができる。一構成では、第4閾値は第2閾値を下回ることができる。
【0021】
一構成では、コントローラは、患者がまだ、接続されていると想定されなかった場合で、フィルタリングされた相関値が、一定量よりも短い時間、第1閾値と第2閾値との間である場合、患者は接続中であると決定されるように構成することができる。
【0022】
一構成では、接続中であると決定されると、相関値が第2閾値を下回った場合、患者は切り離されていると決定することができる。
【0023】
一構成では、コントローラは、患者がまだ、切り離されていると想定されなかった場合で、フィルタリングされた相関値が、一定量よりも短い時間、第3閾値と第4閾値との間である場合、患者は切離し中であると決定されるように構成することができる。
【0024】
一構成では、切離し中であると決定されると、関値が前第4閾値を上回った場合、患者は接続されていると決定することができる。
【0025】
一構成では、コントローラは、患者が接続されているか否かの決定を使用して、ある特定のパラメータを表示するか否かを判断することができる。
【0026】
一構成では、コントローラは、患者が接続されていると決定された場合に、患者の呼吸数の推定値を受信し、呼吸数推定を表示することができる。
【0027】
一構成では、デバイスは、患者が接続されていると決定された場合、ガスの送達を患者の呼吸と同期させるように構成することができる。
【0028】
一構成では、コントローラは、各患者接続ステータスの時間をログ記録することができる。
【0029】
一構成では、デバイスは、患者が切り離されると警報を発生させることができる。
【0030】
一構成では、デバイスは、患者が切り離された直後に警報を発生させるように構成される。1つの例では、デバイスは、患者が切り離されているとして検出される際にリアルタイムに警報を発生させるように構成される。
【0031】
一構成では、デバイスは、患者が切り離された後、事前設定時間(すなわち、所定時間)に続いて警報を発生させるように構成される。
【0032】
一構成では、事前設定時間は、約10秒間~約10分間であり得る。1つの例では、デバイスは、デバイスが事前設定時間、患者を切り離されているとして検出した場合に、警報を発生させるように構成される。1つの例では、事前設定時間は少なくとも1分間である。
【0033】
1つの例では、事前設定時間は、約30秒間~約5分間であり得る。
【0034】
1つの例では、事前設定時間は、約1分間~約2分間であり得る。1つの例では、2分間~3分間の事前設定時間。デバイスは、患者又は医療専門家が、カニューレが不用意に外れた場合に取り外された鼻カニューレの状態を直すことができるために、所定時間(すなわち、事前設定時間)待機するように構成される。デバイスは、カニューレが事前設定時間外れているとして検出された場合、患者がガスの流れを受け取っていないことを患者及び/又は医療専門家に警告するために、警報を伝えるように構成される。警報は、患者が治療を受けていない場合に警告を提供し、それにより、システムの安全性を向上させるとともに、取り外されていることで患者が治療を受けない可能性を低減させる。
【0035】
一構成では、警報は、ナースコールポートを通して出力することができる。
【0036】
一構成では、警報に、デバイスが、患者が依然として接続されているか否かを確認するオプションをユーザに提供することを、付随させることができる。このオプションは、グラフィカルユーザインタフェースに提示することができる。このオプションは、ユーザインタフェースを介して選択することができるボタン又はウィンドウとして提示することができる。
【0037】
一構成では、患者が依然として接続されているか否かを確認するオプションを使用して、患者が切り離されたという決定を無効にすることができる。
【0038】
一構成では、デバイスは、患者が切り離されているときにのみ、ある特定の患者パラメータの記録を一時停止することができる。
【0039】
一構成では、患者パラメータは酸素効率を含むことができる。
【0040】
一構成では、酸素効率はSpO2及びFdO2に基づくことができる。
【0041】
一構成では、デバイスは、補給ガス入口及び弁を備えることができ、弁は、補給ガス入口を通る補給ガスの流量を調節するようにコントローラによって調整することができる。1つの例では、補給ガスは、酸素であり得るか又は窒素であり得る。
【0042】
一構成では、コントローラは、患者が切り離されると弁を閉鎖することができる。これにより、患者が接続されていない、すなわち、患者が切り離されている場合に、補給ガスの無駄が低減する。コントローラは、弁を閉鎖するように構成することができ、患者が接続されているとして検出されると、弁を再度開放するように構成することができる。
【0043】
一構成では、コントローラは、流量を達成するように流れ発生器を制御することができ、コントローラは、患者が切り離されると流量を調整することができる。流れ発生器はブロワであり得る。
【0044】
一構成では、流量の調整は、流量を低減させることを含むことができる。
【0045】
一構成では、流量の調整は、流量を増大させることを含むことができる。コントローラは、たとえば、鼻カニューレが部分的に外された場合、部分的取外しを打開するために流量を増大させるように構成することができる。増大した流量は、患者が呼吸療法を受けることができるように、患者に呼吸ガスを提供し続けるのに役立つ。呼吸療法は、1つの例では、ハイフロー療法であり得る。増大した流量は、患者インタフェースが部分的に外れて取り外されたとして検出された場合であっても、患者に適切な量のガス流を送達することができる。
【0046】
一構成では、流量の増大は、初期期間、続くことができる。
【0047】
一構成では、初期期間は、約10秒間~約10分間であり得る。
【0048】
一構成では、初期期間は、約30秒間~約5分間であり得る。
【0049】
一構成では、初期期間は、約1分間~約2分間であり得る。
【0050】
一構成では、コントローラは、患者が初期期間の後に依然として切り離されていると決定されたとき、流量を低減させることができる。初期期間の後の流量の低減は、流れ発生器(たとえば、ブロワ)を過度の作業から保護するのに役立つ。これは、呼吸療法デバイスがバッテリを使用して動作している場合に有用であり得る。ブロワの電源がオフになるか又は流量が低減することは、バッテリ電力を節約するのに役立つことができる。
【0051】
一構成では、第1パラメータのデータは、第1パラメータの絶対値を含むことができる。一構成では、第1パラメータのデータは、第1パラメータの変化を含むことができる。
【0052】
一構成では、上記変化は、第1パラメータの測定値から第1パラメータの目標値を引くことによって求めることができる。一構成では、上記変化は、第1パラメータの測定値から第2パラメータの推定される影響を差し引くことによって求めることができる。
【0053】
一構成では、第1パラメータは流量であり得る。一構成では、第1パラメータは圧力であり得る。
【0054】
一構成では、第2パラメータはモータ速度であり得る。一構成では、第2パラメータは圧力であり得る。
【0055】
一構成では、システムは、非密閉システムであり得る。
【0056】
一構成では、患者インタフェースは、鼻カニューレ又は気管切開インタフェースを含むことができる。
【0057】
一構成では、システムは、ネーザルハイフロー療法を提供するように構成することができる。
【0058】
一構成では、システムは密閉システムであり得る。
【0059】
一構成では、システムは、患者インタフェースを備えることができ、患者インタフェースは、フェイスマスク、鼻マスク、気管内チューブ又は気管切開インタフェースである。
【0060】
一構成では、システムは、患者へのガス流を加湿するように構成された加湿器を備えることができる。
【0061】
一構成では、コントローラは、患者が切り離されると加湿器への電力を低減させるように構成される。
【0062】
一構成では、コントローラは、患者が切り離されると加湿器への電力をオフにするように構成される。1つの構成では、加湿器は、ヒータプレート及び加湿チャンバを備える。チャンバは、作動構成にあるとき、ヒータプレート上に位置決めされる。コントローラは、患者が切り離されているとして検出された場合、ヒータプレートへの電力をオフにするように構成される。これにより、デバイスがバッテリを使用して動作している場合にバッテリ電力が節約される。電力をオフにすることにより、チャンバが長期の加熱に起因して過熱するか又は損傷することも低減する。さらに、これは、ヒータプレート及びチャンバの状態を保存するのにも役立つ。さらにヒータプレートへの電力をオフにすることにより、加熱が低減するため、患者に送達されるガスのエンタルピを増大させる可能性が低減し、それにより、加湿チャンバ内の熱の量が低減する。
【0063】
一構成では、システムは、患者へのガス流を加熱するように構成された加熱素子を有する患者呼吸導管を備えることができる。加熱素子は、ヒータ線であり得る。ヒータ線は、導管の壁内に埋め込むことができ、螺旋状に巻回することができる。別法として、ヒータ線は、導管の内腔内に位置決めすることができる。
【0064】
一構成では、コントローラは、患者が切り離されているとき、患者呼吸導管の加熱素子への電力を低減させるように構成される。これは、呼吸導管が過熱すること又は加熱から導管への損傷の可能性が低減するため、有利である。導管加熱素子(たとえば、導管内の)ヒータ線)への電力を低減させるか又は電力をオフにすることによってもまた、ガスの過度のエンタルピを低減させるか又は阻止することができる。
【0065】
一構成では、コントローラは、患者が切り離されているとき、患者呼吸導管の加熱素子への電力をオフにするように構成される。電力をオフにすることには、上述したものと同様の利点がある。
【0066】
一構成では、システムは、患者がシステムに接続されているか否かに関連する情報を、1つ又は複数のプロセッサから受け取るとともに表示するように構成されたディスプレイを備えることができる。
【0067】
一構成では、患者に呼吸療法を提供するように構成されるとともに、患者の呼吸に関連する情報を提供するようにも構成された呼吸システムからの患者切離し及び/又は呼吸システムへの接続を決定する方法は、呼吸デバイスのコントローラを使用して、ガスの流れの又はデバイスの構成要素の性能を表す第1パラメータのデータを受信するステップであって、第1パラメータが患者の呼吸を示す、ステップと、データにおける傾向を分析することにより、第1パラメータのデータの相関値を求めるステップと、相関値を使用して、患者がシステムの患者インタフェースに接続されていると決定するステップとを含むことができる。
【0068】
一構成では、決定は、第1パラメータのデータの最近のサブセットに対して相関値を評価することを含むことができる。
【0069】
一構成では、本方法は、典型的な呼吸周波数範囲内の周波数により、典型的な呼吸周波数範囲を上回る別の周波数よりも高い相関がもたらされるように、サブセットのサイズを選択するステップを含むことができる。
【0070】
一構成では、サブセットのサイズは、サブセットが所定タイムスパンからのデータを含むように選択することができる。
【0071】
一構成では、相関値を求めることは、第1パラメータのデータと1つ又は複数の特徴ベクトルとの相関を分析することを含むことができる。
【0072】
一構成では、本方法は、経時的に相関値をフィルタリングしてフィルタリングされた相関値を与えるステップをさらに含むことができる。
【0073】
一構成では、フィルタリングされた相関値が第1閾値を上回る場合、患者は患者インタフェースに接続されていると決定することができる。
【0074】
一構成では、フィルタリングされた相関値が一定量の時間、第2閾値を上回る場合、患者は患者インタフェースに接続されていると決定することができる。
【0075】
一構成では、第1閾値は第2閾値を上回ることができる。
【0076】
一構成では、接続されていると決定されると、フィルタリングされた特徴値が第3閾値を下回る場合、患者は切り離されていると決定することができる。
【0077】
一構成では、接続されていると決定されると、フィルタリングされた特徴値が一定量の時間、第4閾値を下回る場合、患者は切り離されていると決定することができる。
【0078】
一構成では、第3閾値は第4閾値を下回ることができる。
【0079】
一構成では、第4閾値は第2閾値と等しくすることができる。一構成では、第4閾値は第2閾値を下回ることができる。
【0080】
一構成では、患者がまだ、接続されていると想定されなかった場合で、フィルタリングされた相関値が、一定量よりも短い時間、第1閾値と第2閾値との間である場合、患者は接続中であると決定することができる。
【0081】
一構成では、接続中であると決定されると、相関値が第2閾値を下回った場合、患者は切り離されていると決定することができる。
【0082】
一構成では、患者がまだ、切り離されていると想定されなかった場合で、フィルタリングされた相関値が、一定量よりも短い時間、第3閾値と第4閾値との間である場合、患者は切離し中であると決定することができる。
【0083】
一構成では、切離し中であると決定されると、相関値が第4閾値を上回った場合、患者は接続されていると決定することができる。
【0084】
一構成では、本方法は、患者が接続されているか否かの決定を使用して、ある特定のパラメータを表示するか否かを判断するステップをさらに含むことができる。
【0085】
一構成では、本方法は、患者が接続されていると決定された場合に、患者の呼吸数の推定値を受信し、呼吸数推定を表示するステップをさらに含むことができる。
【0086】
一構成では、本方法は、患者が接続されていると決定された場合、デバイスによるガスの送達を患者の呼吸と同期させるステップをさらに含むことができる。
【0087】
一構成では、本方法は、各患者接続ステータスの時間をログ記録するステップをさらに含むことができる。
【0088】
一構成では、本方法は、患者が切り離されると警報を発生させるステップをさらに含むことができる。
【0089】
一構成では、本方法は、患者が切り離された直後に警報を発生させるステップをさらに含むことができる。
【0090】
一構成では、本方法は、患者が切り離された後、事前設定時間に続いて警報を発生させるステップをさらに含むことができる。
【0091】
一構成では、事前設定時間は、約10秒間~約10分間であり得る。
【0092】
一構成では、事前設定時間は、約30秒間~約5分間であり得る。
【0093】
1つの例では、事前設定時間は、約1分間~約2分間であり得る。
【0094】
一構成では、本方法は、ナースコールポートを通して警報を出力するステップをさらに含むことができる。
【0095】
一構成では、本方法は、警報に、デバイスが、患者が依然として接続されているか否かを確認するオプションをユーザに提供することを付随させるステップをさらに含むことができる。
【0096】
一構成では、本方法は、患者が依然として接続されているか否かを確認するオプションを使用して、患者が切り離されたという決定を無効にするステップをさらに含むことができる。
【0097】
一構成では、本方法は、患者が切り離されているときにのみ、ある特定の患者パラメータの記録を一時停止するステップをさらに含むことができる。
【0098】
一構成では、患者パラメータは酸素効率を含むことができる。
【0099】
一構成では、酸素効率はSpO2及びFdO2に基づくことができる。
【0100】
一構成では、デバイスは、補給ガス入口及び弁を備えることができ、本方法は、弁が、補給ガス入口を通る補給ガスの流量を調節するようにコントローラによって調整されるステップをさらに含むことができる。
【0101】
一構成では、本方法は、コントローラが、患者が切り離されると弁を閉鎖するステップをさらに含むことができる。
【0102】
一構成では、本方法は、コントローラが、流量を達成するように流れ発生器を制御するステップをさらに含むことができ、コントローラは、患者が切り離されると流量を調整する。
【0103】
一構成では、流量の調整は、流量を低減させることを含むことができる。
【0104】
一構成では、流量の調整は、流量を増大させることを含むことができる。
【0105】
一構成では、流量の増大は、初期期間、続くことができる。
【0106】
一構成では、初期期間は、約10秒間~約10分間であり得る。
【0107】
一構成では、初期期間は、約30秒間~約5分間であり得る。
【0108】
一構成では、初期期間は、約1分間~約2分間であり得る。
【0109】
一構成では、本方法は、コントローラが、患者が初期期間の後に依然として切り離されていると決定されたとき、流量を低減させるステップをさらに含むことができる。
【0110】
一構成では、第1パラメータのデータは、第1パラメータの絶対値を含むことができる。一構成では、第1パラメータのデータは、第1パラメータの変化を含むことができる。
【0111】
一構成では、本方法は、第1パラメータの測定値から第1パラメータの目標値を引くことによって上記変化を求めるステップをさらに含むことができる。
【0112】
一構成では、本方法は、第1パラメータの測定値から第2パラメータの推定される影響を差し引くことによって上記変化を求めるステップをさらに含むことができる。
【0113】
一構成では、第1パラメータは流量であり得る。一構成では、第1パラメータは圧力であり得る。
【0114】
一構成では、第2パラメータはモータ速度であり得る。一構成では、第2パラメータは圧力であり得る。
【0115】
一構成では、システムは非密閉システムであり得る。
【0116】
一構成では、システムは、ネーザルハイフロー療法を提供するように構成することができる。
【0117】
一構成では、システムは、患者インタフェースを備えることができ、患者インタフェースは、鼻カニューレ又は気管切開インタフェースである。
【0118】
一構成では、システムは密閉システムであり得る。
【0119】
一構成では、システムは、患者インタフェースを備えることができ、患者インタフェースは、フェイスマスク、鼻マスク、気管内チューブ又は気管切開インタフェースである。
【0120】
一構成では、システムは、患者へのガス流を加湿するように構成された加湿器を備えることができる。
【0121】
一構成では、本方法は、コントローラが、患者が切り離されると加湿器への電力を低減させるステップをさらに含むことができる。
【0122】
一構成では、本方法は、コントローラが、患者が切り離されると加湿器への電力をオフにするステップをさらに含むことができる。
【0123】
一構成では、システムは、患者へのガス流を加熱するように構成された加熱素子を有する患者呼吸導管を備えることができる。
【0124】
一構成では、本方法は、コントローラが、患者が切り離されているとき、患者呼吸導管の加熱素子への電力を低減させるステップをさらに含むことができる。
【0125】
一構成では、本方法は、コントローラが、患者が切り離されているとき、患者呼吸導管の加熱素子への電力をオフにするステップをさらに含むことができる。
【0126】
一構成では、システムは、患者がシステムに接続されているか否かに関連する情報を、1つ又は複数のプロセッサから受け取るとともに表示するように構成されたディスプレイを備えることができる。
【0127】
一構成では、患者に呼吸療法を提供するように構成することができる呼吸システムであって、本システムは、患者の呼吸に関連する情報を提供するようにも構成することができ、本システムは、コントローラを有する呼吸デバイスを含むことができ、コントローラは、ガスの流れの又は呼吸デバイスの構成要素の性能を表す第1パラメータのデータを受信することであって、第1パラメータが患者の呼吸を示す、受信することと、第1パラメータのデータに基づいて流れパラメータ変化データを生成することと、流れパラメータ変化データの一部分を選択することと、流れパラメータ変化データの上記部分に基づき、瞬間的な患者換気量の尺度を生成することとを行うように構成することができる。
【0128】
一構成では、コントローラは、流れパラメータ変化データの選択された部分に1つ又は複数の関数を当てはめるか、又は、流れパラメータ変化データの選択された部分に1つ又は複数の関数を適用するように構成することができ、瞬間的な患者換気量の尺度を生成することは、1つ又は複数の関数によって生成される曲線の下の面積を求めることを含むことができる。一構成では、コントローラは、流れパラメータ変化データの選択された部分に1つ又は複数の関数を適用するように構成することができ、瞬間的な患者換気量の尺度を生成することは、1つ又は複数の関数によって生成される曲線の下の面積を求めることを含む。1つ又は複数の関数は、直線若しくは非線形線又はそれらの組合せであり得る。1つ又は複数の関数によって生成される曲線は、直線、非線形線、又はそれらの組合せであり得る。一構成では、流れパラメータ変化データに1つ又は複数の関数を適用して、瞬間的な患者換気量又は他の同様の値等の特定の値を出力することができる。
【0129】
一構成では、第1パラメータは、流量を示すことができる。一構成では、流量は総流量である。
【0130】
一構成では、流れパラメータ変化データは、第1パラメータの測定値から第1パラメータの目標値を引くことによって生成することができる。
【0131】
一構成では、コントローラは、ガスの流れの又はデバイスの第2構成要素の性能を表す第2パラメータのデータを受信するようにさらに構成することができ、流れパラメータ変化データは、第1パラメータの測定値から第2パラメータの推定される影響を差し引くことによって生成することができる。
【0132】
一構成では、第2パラメータは、モータ速度を示すことができ、又はモータ速度である。
【0133】
一構成では、第2パラメータは、圧力を示すことができ、又は圧力である。
【0134】
一構成では、流れパラメータ変化データは、第1パラメータの第2平均値から第1パラメータの第1平均値を引くことによって生成することができる。
【0135】
一構成では、第2平均値は、第1パラメータの測定値に基づくことができる。
【0136】
一構成では、第1パラメータの第1平均値は、第1パラメータに進行中のフィルタを適用することによって求めることができる。
【0137】
一構成では、流れパラメータ変化データの上記部分は、事前定義された期間内の期間に関連するデータを含む。
【0138】
一構成では、流れパラメータ変化データの上記部分は、時間の長さを表すことができる。
【0139】
一構成では、時間の長さは、信号ノイズが瞬間的な患者換気量の尺度からフィルタリングで除去されるようなものであり得る。
【0140】
一構成では、時間の長さは、予測された呼吸周波数により、瞬間的な患者換気量の尺度が増大することになるようなものであり得る。
【0141】
一構成では、0.5~2秒間の長さ。
【0142】
一構成では、コントローラは、最小二乗適合を実施して、流れパラメータ変化データの選択された部分に1つ又は複数の関数を当てはめるように構成することができる。
【0143】
一構成では、1つ又は複数の関数によって生成される曲線は直線であり得る。
【0144】
一構成では、1つ又は複数の関数によって生成される曲線は水平線であり得る。
【0145】
一構成では、1つ又は複数の関数は代数関数であり得る。
【0146】
一構成では、1つ又は複数の関数は超越関数であり得る。
【0147】
一構成では、1つ又は複数の関数は最良適合線を生成することができる。
【0148】
一構成では、瞬間的な患者換気量の尺度は、1つ又は複数の関数によって生成される曲線の絶対値の下の面積に基づいて生成することができる。
【0149】
一構成では、曲線の下の面積は、1つ又は複数の関数によって生成される線の絶対値の積分を見つけることによって求めることができる。
【0150】
一構成では、患者に呼吸療法を提供するように構成することができる呼吸システムによる瞬間的な患者換気量の尺度を生成する方法であって、本方法は、呼吸デバイスムのコントローラを使用して、ガスの流れの又はデバイスの構成要素の性能を表す第1パラメータのデータを受信するステップあって、第1パラメータが患者の呼吸を示すことができる、ステップと、第1パラメータのデータに基づいて流れパラメータ変化データを生成するステップと、流れパラメータ変化データの一部分を選択するステップと、流れパラメータ変化データの上記部分に基づき、瞬間的な患者換気量の尺度を生成するステップとを含むことができる。
【0151】
一構成では、本方法は、流れパラメータ変化データの選択された部分に1つ又は複数の関数を当てはめるステップをさらに含むことができ、瞬間的な患者換気量の尺度を生成することは、1つ又は複数の関数によって生成される曲線の下の面積を求めることを含むことができる。一構成では、本方法は、流れパラメータ変化データの選択された部分に1つ又は複数の関数を適用するステップをさらに含むことができ、瞬間的な患者換気量の尺度を生成することは、1つ又は複数の関数によって生成される曲線の下の面積を求めることを含む。
【0152】
一構成では、第1パラメータは、流量を示すことができ、又は流量である。一構成では、流量は総流量である。
【0153】
一構成では、本方法は、第1パラメータの測定値から第1パラメータの目標値を引くことを含むことができる、流れパラメータ変化データを生成するステップをさらに含むことができる。
【0154】
一構成では、本方法は、呼吸デバイスのコントローラを使用して、ガスの流れの又はデバイスの第2構成要素の性能を表す第2パラメータのデータを受信するステップをさらに含むことができ、流れパラメータ変化データを生成することは、第1パラメータの測定値から第2パラメータの推定される影響を差し引くことを含むことができる。
【0155】
一構成では、第2パラメータは、モータ速度を示すことができ、又はモータ速度である。
【0156】
一構成では、第2パラメータは、圧力を示すことができ、又は圧力である。
【0157】
一構成では、流れパラメータ変化データを生成することは、第1パラメータの第2平均値から第1パラメータの第1平均値を引くことを含むことができる。
【0158】
一構成では、第2平均値は、第1パラメータの測定値に基づくことができる。
【0159】
一構成では、第1パラメータの第1平均値は、第1パラメータに進行中のフィルタを適用することによって求めることができる。
【0160】
一構成では、流れパラメータ変化データの上記部分は、事前定義された期間内の期間に関連するデータを含む。
【0161】
一構成では、流れパラメータ変化データの上記部分は、時間の長さを表すことができる。
【0162】
一構成では、時間の長さは、信号ノイズが瞬間的な患者換気量の尺度からフィルタリングで除去されるようなものであり得る。
【0163】
一構成では、時間の長さは、予測された呼吸周波数により、瞬間的な患者換気量の尺度が増大することになるようなものであり得る。
【0164】
一構成では、時間の長さは0.5~2秒間であり得る。
【0165】
一構成では、コントローラは、最小二乗適合を実施して、流れパラメータ変化データの選択された部分に1つ又は複数の関数を当てはめることができる。
【0166】
一構成では、1つ又は複数の関数によって生成される曲線は直線であり得る。
【0167】
一構成では、1つ又は複数の関数によって生成される曲線は水平線であり得る。
【0168】
一構成では、1つ又は複数の関数は代数関数であり得る。
【0169】
一構成では、1つ又は複数の関数は超越関数であり得る。
【0170】
一構成では、1つ又は複数の関数は最良適合線を生成することができる。
【0171】
一構成では、瞬間的な患者換気量の尺度は、1つ又は複数の関数によって生成される曲線の絶対値の下の面積に基づいて生成することができる。
【0172】
一構成では、曲線の下の面積は、1つ又は複数の関数によって生成される線の絶対値の積分を見つけることによって求めることができる。
【0173】
一構成では、呼吸システムを、患者に呼吸療法を提供するように構成することができ、本システムは、患者の呼吸に関連する情報を提供するようにも構成され、本システムは、コントローラを備えることができる呼吸デバイスを備えることができ、コントローラは、ガスの流れの又はデバイスの構成要素の性能を表す第1パラメータのデータを受信することであって、第1パラメータが患者の呼吸を示すことができる、受信することと、第1パラメータのデータに基づいて流れパラメータ変化データを生成することと、流れパラメータ変化データに基づいて患者換気量の尺度を生成することと、流れパラメータ変化データに基づいて総信号変動の尺度を生成することと、患者換気量の尺度と総信号変動の尺度との比較に基づいて、患者接続を決定することとを行うように構成することができる。
【0174】
一構成では、第1パラメータは、流量を示すことができ、又は流量である。
【0175】
一構成では、流れパラメータ変化データは、第1パラメータの測定値から第1パラメータの目標値を引くことによって生成することができる。
【0176】
一構成では、コントローラは、ガスの流れの又はデバイスの第2構成要素の性能を表す第2パラメータのデータを受信するようにさらに構成することができ、流れパラメータ変化データは、第1パラメータの測定値から第2パラメータの推定される影響を差し引くことによって生成することができる。
【0177】
一構成では、第2パラメータは、モータ速度を示すことができ、又はモータ速度である。
【0178】
一構成では、第2パラメータは、圧力を示すことができ、又は圧力である。
【0179】
一構成では、流れパラメータ変化データは、第1パラメータの第2平均値から第1パラメータの第1平均値を引くことによって生成することができる。
【0180】
一構成では、第2平均値は、第1パラメータの測定値に基づくことができる。
【0181】
一構成では、第1パラメータの第1平均値は、第1パラメータに進行中のフィルタを適用することによって求めることができる。
【0182】
一構成では、コントローラは、流れパラメータ変化データから瞬間的な患者換気量の尺度を生成するようにさらに構成することができ、患者換気量の尺度は、瞬間的な患者換気量の尺度をフィルタリングすることによって生成することができる。
【0183】
一構成では、コントローラは、流れパラメータ変化データの一部分を選択するようにさらに構成することができる。
【0184】
一構成では、流れパラメータ変化データの上記部分は、0.5~2秒間を表すことができる。
【0185】
一構成では、瞬間的な患者換気量の尺度は、流れパラメータ変化データの選択された部分に1つ又は複数の関数を当てはめ、1つ又は複数の関数によって生成される曲線の絶対値の下の面積を求めることによって生成することができる。1つ又は複数の関数は、直線若しくは非線形線又はそれらの組合せであり得る。1つ又は複数の関数によって生成される曲線は、直線、非線形線、又はそれらの組合せであり得る。一構成では、流れパラメータ変化データに1つ又は複数の関数を適用して、瞬間的な患者換気量又は他の同様の値等の特定の値を出力することができる。
【0186】
一構成では、コントローラは、最小二乗適合を実施して、流れパラメータ変化データの選択された部分に1つ又は複数の関数を当てはめるように構成することができる。
【0187】
一構成では、1つ又は複数の関数によって生成される曲線は直線であり得る。
【0188】
一構成では、1つ又は複数の関数によって生成される曲線は水平線であり得る。
【0189】
一構成では、曲線の絶対値の下の面積を求めることは、1つ又は複数の関数によって生成される曲線の絶対値の積分を見つけることを含むことができる。
【0190】
一構成では、コントローラは、流れパラメータ変化データから瞬間的な総信号変動の尺度を生成するようにさらに構成することができ、総信号変動の尺度は、瞬間的な総信号変動の尺度をフィルタリングすることによって生成することができる。
【0191】
一構成では、瞬間的な総信号変動の尺度は、流れパラメータ変化データの絶対値を取ることによって求めることができる。
【0192】
一構成では、瞬間的な総信号変動の尺度は、流れパラメータ変化データの二乗を取ることによって求めることができる。
【0193】
一構成では、患者換気量の尺度と総信号変動の尺度とを比較することは、患者換気量の尺度と総信号変動の尺度との比を取ることを含むことができる。
【0194】
一構成では、接続されていると決定されると、コントローラは、上記比が接続閾値を下回った場合、患者が切り離されていると決定するように構成することができる。一構成では、接続されていると決定されると、コントローラは、上記比が接続閾値を下回らない場合、患者が接続されていると決定するように構成される。
【0195】
一構成では、切り離されていると決定されると、コントローラは、上記比が接続閾値を超える場合、患者が接続されていると決定するように構成することができる。
【0196】
一構成では、切り離されていると決定されると、コントローラは、上記比が接続閾値を超えない場合、患者が切り離されていると決定するように構成することができる。
【0197】
一構成では、コントローラは、上記比が第1閾値を上回る場合、患者が接続されていると決定するように構成することができる。
【0198】
一構成では、コントローラは、上記比が一定量の時間、第2閾値を上回る場合、患者が接続されていると決定するように構成することができる。
【0199】
一構成では、第1閾値は第2閾値を上回ることができる。
【0200】
一構成では、接続されていると決定されると、上記比が第3閾値を下回る場合、患者は切り離されていると決定することができる。
【0201】
一構成では、接続されていると決定されると、上記比が一定量の時間、第4閾値を下回る場合、患者は切り離されていると決定することができる。
【0202】
一構成では、第3閾値は第4閾値を下回ることができる。
【0203】
一構成では、第4閾値は第2閾値に等しくすることができる。
【0204】
一構成では、第4閾値は第2閾値を下回ることができる。
【0205】
一構成では、コントローラは、患者がまだ、接続されていると想定されなかった場合で、上記比が、一定量よりも短い時間、第1閾値と第2閾値との間である場合、患者は接続中であると決定されるように構成することができる。
【0206】
一構成では、接続中であると決定されると、上記比が第2閾値を下回った場合、患者は切り離されていると決定することができる。
【0207】
一構成では、コントローラは、患者がまだ、切り離されていると想定されなかった場合で、上記比が、一定量よりも短い時間、第3閾値と第4閾値との間である場合、患者は切離し中であると決定されるように構成することができる。
【0208】
一構成では、切離し中であると決定されると、上記比が第4閾値を上回った場合、患者は接続されていると決定することができる。
【0209】
一構成では、コントローラは、患者が接続されているか否かの決定を使用して、ある特定のパラメータを表示するか否かを判断するように構成することができる。
【0210】
一構成では、コントローラは、患者が接続されていると決定された場合に、患者の呼吸数の推定値を受信するように構成することができ、呼吸数推定を表示する。
【0211】
一構成では、呼吸デバイスは、患者が接続されていると決定された場合、ガスの送達を患者の呼吸と同期させるように構成することができる。
【0212】
一構成では、コントローラは、各患者接続ステータスの時間をログ記録するように構成することができる。
【0213】
一構成では、呼吸デバイスは、患者が切り離されると警報を発生させることができる。
【0214】
一構成では、デバイスは、患者が切り離された直後に警報を発生させることができる。
【0215】
一構成では、デバイスは、患者が切り離された後、事前設定時間に続いて警報を発生させることができる。
【0216】
一構成では、事前設定時間は、約10秒間~約10分間であり得る。
【0217】
一構成では、事前設定時間は、約30秒間~約5分間であり得る。
【0218】
一構成では、事前設定時間は、約1分間~約2分間であり得る。
【0219】
一構成では、警報は、ナースコールポートを通して出力することができる。
【0220】
一構成では、警報に、デバイスが、患者が依然として接続されているか否かを確認するオプションをユーザに提供することを、付随させることができる。
【0221】
一構成では、患者が依然として接続されているか否かを確認するオプションを使用して、患者が切り離されたという決定を無効にすることができる。
【0222】
一構成では、呼吸デバイスは、患者が切り離されているときにのみ、ある特定の患者パラメータの記録を一時停止することができる。
【0223】
一構成では、患者パラメータは酸素効率を含むことができる。
【0224】
一構成では、酸素効率はSpO2及びFdO2に基づくことができる。
【0225】
一構成では、デバイスは、補給ガス入口及び弁を備えることができ、弁は、補給ガス入口を通る補給ガスの流量を調節するようにコントローラによって調整することができる。
【0226】
一構成では、コントローラは、患者が切り離されると弁を閉鎖することができる。
【0227】
一構成では、コントローラは、流量を達成するように流れ発生器を制御することができ、コントローラは、患者が切り離されると流量を調整することができる。
【0228】
一構成では、流量の調整は、流量を低減させることを含むことができる。
【0229】
一構成では、流量の調整は、流量を増大させることを含むことができる。
【0230】
一構成では、流量の増大は、初期期間、続くことができる。
【0231】
一構成では、初期期間は、約10秒間~約10分間であり得る。
【0232】
一構成では、初期期間は、約30秒間~約5分間であり得る。
【0233】
一構成では、初期期間は、約1分間~約2分間であり得る。
【0234】
一構成では、コントローラは、患者が初期期間の後に依然として切り離されていると決定されたとき、流量を低減させることができる。
【0235】
一構成では、呼吸システムからの患者切離し及び/又は呼吸システムへの接続を決定する方法を、患者に呼吸療法を提供するように構成することができ、本システムは、患者の呼吸に関連する情報を提供するようにも構成され、本方法は、呼吸デバイスのコントローラを使用して、ガスの流れの又はデバイスの構成要素の性能を表す第1パラメータのデータを受信するステップであって、第1パラメータが患者の呼吸を示す、ステップと、第1パラメータのデータに基づいて流れパラメータ変化データを生成するステップと、流れパラメータ変化データに基づいて患者換気量の尺度を生成するステップと、流れパラメータ変化データに基づいて総信号変動の尺度を生成するステップと、患者換気量の尺度と総信号変動の尺度との比較に基づいて、患者接続を決定するステップとを含むことができる。
【0236】
一構成では、第1パラメータは、流量を示すことができ、又は流量である。
【0237】
一構成では、流れパラメータ変化データを生成することは、第1パラメータの測定値から第1パラメータの目標値を引くことを含むことができる。
【0238】
一構成では、本方法は、呼吸デバイスのコントローラを使用して、ガスの流れの又はデバイスの第2構成要素の性能を表す第2パラメータのデータを受信するステップをさらに含むことができ、流れパラメータ変化データを生成することは、第1パラメータの測定値から第2パラメータの推定される影響を差し引くことを含むことができる。
【0239】
一構成では、第2パラメータは、モータ速度を示すことができ、又はモータ速度である。
【0240】
一構成では、第2パラメータは、圧力を示すことができ、又は圧力である。
【0241】
一構成では、流れパラメータ変化データを生成することは、第1パラメータの第2平均値から第1パラメータの第1平均値を引くことを含むことができる。
【0242】
一構成では、第2平均値は、第1パラメータの測定値に基づくことができる。
【0243】
一構成では、第1パラメータの第1平均値は、第1パラメータに進行中のフィルタを適用することによって求めることができる。
【0244】
一構成では、本方法は、呼吸デバイスのコントローラを使用して、流れパラメータ変化データから瞬間的な患者換気量の尺度を生成するステップをさらに含むことができ、患者換気量の尺度を生成することは、瞬間的な患者換気量の尺度をフィルタリングすることを含むことができる。
【0245】
一構成では、本方法は、呼吸デバイスのコントローラを使用して、流れパラメータ変化データの一部分を選択するステップをさらに含むことができる。
【0246】
一構成では、流れパラメータ変化データの上記部分は、0.5~2秒間を表すことができる。
【0247】
一構成では、瞬間的な患者換気量の尺度を生成することは、流れパラメータ変化データの選択された部分に1つ又は複数の関数を当てはめ、1つ又は複数の関数によって生成される曲線の絶対値の下の面積を求めることを含むことができる。
【0248】
一構成では、1つ又は複数の関数によって生成される曲線の絶対値の下の面積を求めることは、コントローラが、最小二乗適合を実施して、流れパラメータ変化データの選択された部分に1つ又は複数の関数を当てはめることを含むことができる。
【0249】
一構成では、1つ又は複数の関数によって生成される曲線は直線であり得る。
【0250】
一構成では、1つ又は複数の関数によって生成される曲線は水平線であり得る。
【0251】
一構成では、曲線の絶対値の下の面積は、1つ又は複数の関数によって生成される曲線の絶対値の積分を見つけることによって求めることができる。
【0252】
一構成では、本方法は、呼吸デバイスのコントローラを使用して、流れパラメータ変化データから瞬間的な総信号変動の尺度を生成するステップをさらに含むことができ、総信号変動の尺度を生成することは、瞬間的な総信号変動の尺度をフィルタリングすることを含むことができる。
【0253】
一構成では、瞬間的な総信号変動の尺度を生成することは、流れパラメータ変化データの絶対値を取ることを含むことができる。
【0254】
一構成では、瞬間的な総信号変動の尺度を生成することは、流れパラメータ変化データの二乗を取ることを含むことができる。
【0255】
一構成では、患者換気量の尺度と総信号変動の尺度とを比較することは、患者換気量の尺度と総信号変動の尺度との比を取ることを含むことができる。
【0256】
一構成では、接続されていると決定されると、上記比が接続閾値を下回った場合、患者は切り離されていると決定することができる。
【0257】
一構成では、接続されていると決定されると、上記比が接続閾値を下回らない場合、患者は接続されていると決定することができる。
【0258】
一構成では、切り離されていると決定されると、上記比が接続閾値を超える場合、患者は接続されていると決定することができる。
【0259】
一構成では、切り離されていると決定されると、上記比が接続閾値を超えない場合、患者は切り離されていると決定することができる。
【0260】
一構成では、上記比が第1閾値を上回る場合、患者は接続されていると決定することができる。
【0261】
一構成では、上記比が一定量の時間、第2閾値を上回る場合、患者は接続されていると決定することができる。
【0262】
一構成では、第1閾値は第2閾値を上回ることができる。
【0263】
一構成では、接続されていると決定されると、上記比が第3閾値を下回る場合、患者は切り離されていると決定することができる。
【0264】
一構成では、接続されていると決定されると、上記比が一定量の時間、第4閾値を下回る場合、患者は切り離されていると決定することができる。
【0265】
一構成では、第3閾値は第4閾値を下回ることができる。
【0266】
一構成では、第4閾値は第2閾値に等しくすることができる。
【0267】
一構成では、第4閾値は第2閾値を下回ることができる。
【0268】
一構成では、患者がまだ、接続されていると想定されなかった場合で、上記比が、一定量よりも短い時間、第1閾値と第2閾値との間である場合、患者は接続中であると決定することができる。
【0269】
一構成では、接続中であると決定されると、上記比が第2閾値を下回った場合、患者は切り離されていると決定することができる。
【0270】
一構成では、患者がまだ、切り離されていると想定されなかった場合で、上記比が、一定量よりも短い時間、第3閾値と第4閾値との間である場合、患者は切離し中であると決定することができる。
【0271】
一構成では、切離し中であると決定されると、上記比が第4閾値を上回った場合、患者は接続されていると決定することができる。
【0272】
一構成では、本方法は、呼吸デバイスのコントローラを使用して、患者が接続されているか否かに基づいて、ある特定のパラメータを表示するべきか否かを判断するステップをさらに含むことができる。
【0273】
一構成では、呼吸デバイスのコントローラを使用して、患者が接続されていると決定された場合に、患者の呼吸数の推定値を受信して、呼吸数推定を表示するステップをさらに含むことができる。
【0274】
一構成では、本方法は、呼吸デバイスのコントローラを使用して、患者が接続されていると決定された場合、ガスの送達を患者の呼吸と同期させるステップをさらに含むことができる。
【0275】
一構成では、本方法は、呼吸デバイスのコントローラを使用して、各患者接続ステータスの時間をログ記録するステップをさらに含むことができる。
【0276】
一構成では、本方法は、呼吸デバイスのコントローラを使用して、患者が切り離されると警報を発生させるステップをさらに含むことができる。
【0277】
一構成では、本方法は、患者が切り離された直後に警報を発生させるステップをさらに含むことができる。
【0278】
一構成では、本方法は、患者が切り離された後、事前設定時間に続いて警報を発生させるステップをさらに含むことができる。
【0279】
一構成では、事前設定時間は、約10秒間~約10分間であり得る。
【0280】
一構成では、事前設定時間は、約30秒間~約5分間であり得る。
【0281】
一構成では、事前設定時間は、約1分間~約2分間であり得る。
【0282】
一構成では、本方法は、ナースコールポートを通して警報を出力するステップをさらに含むことができる。
【0283】
一構成では、本方法は、警報に、患者が依然として接続されているか否かを確認するオプションをユーザに提供することを付随させるステップをさらに含むことができる。
【0284】
一構成では、患者が依然として接続されているか否かを確認するオプションを使用して、患者が切り離されたという決定を無効にすることができる。
【0285】
一構成では、本方法は、呼吸デバイスのコントローラを使用して、患者が切り離されているときにのみ、ある特定の患者パラメータの記録を一時停止するステップをさらに含むことができる。
【0286】
一構成では、患者パラメータは酸素効率を含むことができる。
【0287】
一構成では、酸素効率はSpO2及びFdO2に基づくことができる。
【0288】
一構成では、デバイスは、補給ガス入口及び弁を備えることができ、本方法は、弁が、補給ガス入口を通る補給ガスの流量を調節するようにコントローラによって調整されるステップをさらに含むことができる。
【0289】
一構成では、本方法は、コントローラが、患者が切り離されると弁を閉鎖するステップをさらに含むことができる。
【0290】
一構成では、本方法は、コントローラが、流量を達成するように流れ発生器を制御するステップをさらに含むことができ、コントローラは、患者が切り離されると流量を調整するように構成される。
【0291】
一構成では、流量の調整は、流量を低減させることを含むことができる。
【0292】
一構成では、流量の調整は、流量を増大させることを含むことができる。
【0293】
一構成では、流量の増大は、初期期間、続くことができる。
【0294】
一構成では、初期期間は、約10秒間~約10分間であり得る。
【0295】
一構成では、初期期間は、約30秒間~約5分間であり得る。
【0296】
一構成では、初期期間は、約1分間~約2分間であり得る。
【0297】
一構成では、本方法は、コントローラが、患者が初期期間の後に依然として切り離されていると決定されたとき、流量を低減させるステップをさらに含むことができる。
【0298】
さらなる構成では、呼吸デバイスは、患者が接続されているとして検出される時間の量に基づいて、呼吸デバイスの使用を決定するように構成される、コントローラを備える。コントローラは、患者が接続されているとして検出される時間の量を追跡するように構成される。コントローラは、さらに、事前定義された期間内で、患者が切り離されているとして検出される回数を決定及び計数することができる。事前定義された期間は、たとえば、治療セッションであり得る。コントローラは、患者が接続されているとして検出される時間の量を、リモートコンピューティングデバイス、たとえばサーバに送信するように構成することができる。さらなる構成では、サーバは、患者が接続されているとして検出される時間の量又は回数に基づき、患者が呼吸デバイスを使用した時間の量を決定することができる。コントローラ又はサーバは、所定期間、患者が接続されているとして検出された場合、患者が療法(たとえば、ハイフロー療法)に対してコンプライアンスが良好であると判断することができる。患者検出方法を使用して、治療に対するコンプライアンス、すなわち治療に対するアドヒアランスを決定することができる。患者が接続されているとして検出されることを使用して、患者による呼吸デバイスの使用を判断することができる。この使用情報又はコンプライアンス情報は、呼吸デバイスを介するか又はサーバを介して、医療専門家が共有又はアクセスすることができる。
【0299】
本開示のこれら及び他の特徴、態様及び利点について、いくつかの実施形態の図面を参照して説明し、これらの図面は、いくつかの実施形態を概略的に例示するように意図されており、本開示を限定するようには意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0300】
【
図1】患者に呼吸療法を提供するように構成された呼吸システムを概略的に示す。
【
図2】加湿チャンバが適所にあるとともにハンドル/レバーが上昇している状態の呼吸デバイス例の正面図である。
【
図10】呼吸デバイスの空気及び酸素入口配置の構成例を示す。
【
図11】呼吸デバイスの空気及び酸素入口配置の別の構成例を示す。
【
図12】
図11の空気及び酸素入口配置のさらなる詳細を示す横断面図である。
【
図13】
図11の空気及び酸素入口配置のさらなる詳細を示す別の横断面図である。
【
図14】
図11の空気及び酸素入口配置のさらなる詳細を示す縦断面図である。
【
図15】呼吸デバイスの主ハウジングの上部シャシ構成要素及び下部シャシ構成要素の分解図である。
【
図16】モニタ/センサモジュールサブアセンブリを受け入れるハウジングを示す主ハウジングの下部シャシの正面左側斜視図である。
【
図17】モニタ/センサモジュールサブアセンブリ用のハウジングの内側の凹部を示す、呼吸デバイスの主ハウジングの第1下側斜視図である。
【
図18】モニタ/センサモジュールサブアセンブリ用の凹部を示す、呼吸デバイスの主ハウジングの第2下側斜視図である。
【
図19A】呼吸システムの構成要素と相互作用し且つ/又はそうした構成要素に制御及び指示を提供する制御システムのブロック図を示す。
【
図20】モータ及びセンサモジュールのブロック図を示す。
【
図21】モータ及びセンサモジュール例の検知チャンバを示す。
【
図22】患者呼吸検出のために瞬間的な特徴を評価するフローチャート例を示す。
【
図23A-C】流れパラメータデータが患者接続及び/又は呼吸の決定に使用するのに好適であるか否かを判断する例を示す。
【
図23D】モータ速度の想定された影響を除去するように流量データを修正するフローチャート例を示す。
【
図24】さまざまな周波数が評価される(信号ノイズなし)ときの瞬間的な特徴例を示す。
【
図25A】患者接続決定のためにフィルタリングされた特徴を求めるフローチャート例を示す。
【
図25B】フィルタリングされた特徴を使用して患者接続ステータスを決定するフローチャート例を示す。
【
図26】呼吸システムへの患者接続を決定するための尺度を生成するフローチャート例を示す。
【
図27】患者連結尺度を使用して患者接続を決定するフローチャート例を示す。
【
図28】患者連結尺度を使用して患者接続ステータスを決定する別のフローチャート例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0301】
以下、いくつかの例について記載するが、当業者であれば、本開示が具体的に開示する例及び/又は使用並びにそれらの明らかな変更形態及び均等物を超えて拡大することが理解されよう。したがって、本明細書に開示する本開示の範囲は、以下に記載するいかなる特定の例によっても限定されるべきではないことが意図されている。
【0302】
呼吸システム例の概説
図1に、呼吸システム10の概略図を提供する。呼吸システム10は、主デバイスハウジング100を含むことができる。主デバイスハウジング100は、モータ/インペラ配置構成の形態であり得る流れ発生器11と、任意に加湿器又は加湿チャンバ12と、コントローラ13と、ユーザインタフェース14とを含むことができる。ユーザインタフェース14は、ディスプレイと、ボタン、タッチスクリーン、タッチスクリーン及びボタンの組合せ等の入力デバイスとを含むことができる。コントローラ13は、1つ又は複数のハードウェア及び/又はソフトウェアプロセッサを含むことができ、限定されないが、患者に送達するガスの流れを生成するように流れ発生器11を動作させることと、ガス流を加湿及び/又は加熱するように加湿器又は加湿チャンバ12(存在する場合)を動作させることと、呼吸システム10の再構成及び/又はユーザが定義した動作のためにユーザインタフェース14からユーザ入力を受け取ることと、ユーザに情報を(たとえば、ディスプレイ上に)出力すること等、システムの構成要素を制御するように構成又はプログラムすることができる。ユーザは、患者、医療専門家、又はシステム10等であり得る。
【0303】
続けて
図1を参照すると、呼吸システム10の主デバイスハウジング100におけるガス流出口21に、患者呼吸導管16を結合することができ、患者呼吸導管16は、マニホールド19及び鼻プロング18を備えた鼻カニューレのような非密閉インタフェース等の患者インタフェース17に結合することができる。患者呼吸導管16は、フェイスマスク、鼻マスク又は鼻ピローマスク、気管内チューブ、気管切開インタフェース等にも結合することができる。
【0304】
ガス流は、流れ発生器11によって発生させることができ、患者呼吸導管16を介して患者インタフェース17を通して患者に送達する前に、加湿することができる。コントローラ13は、所望の流量のガス流を発生させるように流れ発生器11を制御し、且つ/又は、空気及び酸素又は他の呼吸可能ガスの混合を制御するように1つ又は複数の弁を制御することができる。コントローラ13は、存在する場合は加湿チャンバ12における加熱素子を、患者に送達するための所望のレベルの温度及び/又は湿度を達成する所望の温度までガスを加熱するように制御することができる。患者呼吸導管16は、患者まで通過して流れるガス流を加熱する、ヒータ線等の加熱素子16aを有することができる。加熱素子16aもまた、コントローラ13の制御下であり得る。
【0305】
システム10は、コントローラ13と通信する超音波トランスデューサ、サーミスタ流量センサ等の流量センサ、圧力センサ、温度センサ、湿度センサ又は他のセンサを使用して、ガス流の特徴を監視し且つ/又は好適な療法を提供するようにシステム10を動作させることができる。ガス流の特徴としては、ガス濃度、流量、圧力、温度、湿度等を挙げることができる。圧力センサ、温度センサ、湿度センサ及び/又は流量センサ等のセンサ3a、3b、3c、20、25は、主デバイスハウジング100、患者導管16及び/又は患者インタフェース17内のさまざまな場所に配置することができる。コントローラ13は、ガス流の好適な目標温度、流量及び/又は圧力を決定する等、コントローラ13が好適な療法を提供するように呼吸システム10を動作させるのに役立つ出力を、センサから受信することができる。好適な療法を提供することは、患者の吸気要求を満たすことを含むことができる。
【0306】
システム10は、コントローラ13が、動作センサからデータ信号8を無線で受信し且つ/又はシステム10のさまざまな構成要素を制御するのを可能にする、無線データ送信器及び/若しくは受信器、又は送受信器15を含むことができる。さらに又は別法として、データ送信器及び/又は受信器15は、リモートサーバにデータを送出するか又はシステム10のリモート制御を可能にすることができる。システム10は、コントローラ13が動作センサからデータ信号8を受信し且つ/又はシステム10のさまざまな構成要素を制御するのを可能にする、たとえばケーブル又は電線を使用する、有線接続も含むことができる。
【0307】
呼吸システム10は、ハイフロー治療装置を含むことができる。本明細書で考察するハイフロー療法は、概して、ユーザの吸気流を満たすか又は超えるように概して意図された流量で、意図的に密閉されていない患者インタフェースを介して目標とする加湿呼吸ガスの流れを送達する呼吸システムを指す、当業者には理解されるような、その典型的な通常の意味が与えられるように意図される。典型的な患者インタフェースは、限定されないが、鼻又は気管患者インタフェースを含む。成人用の典型的な流量は、約15リットル/分~約60リットル/分又はそれを超える範囲であることが多いが、それに限定されない。小児科ユーザ(新生児、幼児及び小児等)用の典型的な流量は、ユーザ体重の1キログラムあたり約1リットル/分~ユーザ体重の1キログラムあたり約3リットル/分又はそれを超える範囲であることが多いが、それに限定されない。ハイフロー療法はまた、酸素補給及び/又は治療薬の投与を含む、ガス混合組成物を含んでもよい。ハイフロー療法は、他の一般的な名称もあるがとりわけ、ネーザルハイフロー(NHF)、加湿ハイフローネーザルカニューレ(カニューラ)(humidified high flow nasal cannula)(HHFNC)、高流量経鼻酸素(HFNO)、ハイフロー療法(HFT)又は気管切開用ハイフロー(tracheal high flow)(THF)とも称されることが多い。たとえば、いくつかの構成では、成人患者の場合、「ハイフロー療法」は、約10リットル/分(10LPM)以上、たとえば、約10LPM~約100LPM、又は約15LPM~約95LPM、又は約20LPM~約90LPM、又は約25LPM~約85LPM、又は約30LPM~約80LPM、又は約35LPM~約75LPM、又は約40LPM~約70LPM、又は約45LPM~約65LPM、又は約50LPM~約60LPMの流量での患者へのガスの送達を指すことができる。いくつかの構成では、新生児、幼児又は小児患者の場合、「ハイフロー療法」は、1LPMを超える、たとえば、約1LPM~約25LPM、又は約2LPM~約25LPM、又は約2LPM~約5LPM、又は約5LPM~約25LPM、又は約5LPM~約10LPM、又は約10LPM~約25LPM、又は約10LPM~約20LPM、又は約10LPM~15LPM、又は約20LPM~25LPMの流量での患者へのガスの送達を指すことができる。成人患者、新生児、幼児又は小児患者でのハイフロー療法装置は、約1LPM~約100LPMの流量で、又は上記で概説した部分範囲のうちの任意の範囲の流量で、患者にガスを送達することができる。
【0308】
ハイフロー療法は、患者の吸気要求を満たすか若しくは超え、患者の酸素化を増大させ、且つ/又は呼吸の仕事量を低減させるのに有効であり得る。さらに、ハイフロー療法は、上気道の解剖学的死腔が入ってくる高流量のガス流によってフラッシングされるように、鼻咽腔においてフラッシング効果を発生させることができる。フラッシング効果は、二酸化炭素、窒素等の再呼吸を最小限にしながら、毎回の呼吸の利用可能な新鮮なガスの貯蔵所をもたらすことができる。
【0309】
ハイフロー療法で使用される患者インタフェースは、大気に対する圧力の差に起因する患者の呼吸系の肺又は他の器官への組織損傷を含む可能性がある、気圧障害を防止するように、非密閉インタフェースであり得る。患者インタフェースは、マニホールド及び鼻プロングを備える鼻カニューレ、及び/又はフェイスマスク、及び/又は鼻ピローマスク、及び/又は鼻マスク、及び/又は気管切開インタフェース、又は他の任意の好適なタイプの患者インタフェースであり得る。
【0310】
図2~
図17Bは、主ハウジング100を有する呼吸システム10の呼吸デバイス例を示す。主ハウジング100は、主ハウジング上部シャシ102及び主ハウジング下部シャシ202を有する。主ハウジング上部シャシ102は、周壁配置構成106(
図15を参照)を有する。周壁配置構成は、取外し可能な加湿チャンバ300を受け入れる加湿器又は加湿チャンバベイ108を画定している。取外し可能な加湿チャンバ300は、患者に送達することができるガスを加湿する水等の好適な液体を収容する。
【0311】
図示する形態では、主ハウジング上部シャシ102の周壁配置構成106は、主ハウジング100の前後方向に向けられる実質的に垂直な左側外壁110と、主ハウジング100の前後方向に向けられる実質的に垂直な左側内壁112と、左側内壁110及び左側外壁112の上端部の間に延在するとともにそれらを相互接続する相互接続壁114とを含むことができる。主ハウジング上部シャシ102は、主ハウジング100の前後方向に向けられる実質的に垂直な右側外壁116と、主ハウジング100の前後方向に向けられる実質的に垂直な右側内壁118と、右側内壁116及び右側外壁118の上端部の間に延在するとともにそれらを相互接続する相互接続壁120とをさらに含むことができる。相互接続壁114、120は、主ハウジング100のそれぞれの外縁部に向かって角度が付けられているが、別法として、実質的に水平であるか又は内向きに角度が付けられ得る。
【0312】
主ハウジング上部シャシ102は、実質的に垂直な後外壁122をさらに含むことができる。主ハウジング上部シャシ102の上部が、前方に角度が付けられた表面124を含むことができる。表面124は、ディスプレイ及びユーザインタフェースモジュール14を受け入れる凹部126を有することができる。ディスプレイは、検知されたガスの特徴をリアルタイムに表示するように構成することができる。システムは、患者インタフェースの患者検出ステータスを表示することができる。患者が検出されない場合、コントローラは、呼吸数の値及び/又は他のパラメータを表示するために出力しない場合があり、又は、出力を停止することができる。コントローラはまた、ブロック2708において患者が検出されないというメッセージを表示するために出力してもよい。メッセージの一例は、「--」アイコンであり得る。相互接続壁128が、後外壁122の上端部と表面124の後縁部との間に延在するとともに、それらを相互接続することができる。
【0313】
実質的に垂直な壁部分130が、表面124の前端部から下向きに延在することができる。実質的に水平な壁部分132が、壁部分130の下端部から前方に延在して棚状部を形成することができる。実質的に垂直な壁部分134が、壁部分132の前端部から下向きに延在するとともに、加湿チャンバベイ108の実質的に水平な床部分136で終端することができる。左側内壁112、右側内壁118、壁部分134及び床部分136は、合わせて、加湿チャンバベイ108を画定することができる。加湿チャンバベイ108の床部分136は、加湿プロセス中に使用される加湿チャンバ300内の液体を加熱するために、ヒータプレート140又は他の好適な加熱素子等のヒータ配置構成を受け入れる凹部138を有することができる。
【0314】
主ハウジング下部シャシ202は、たとえばクリップ等の好適な締結具又は組み込まれた取付特徴部のいずれかにより、上部シャシ102に取付可能であり得る。主ハウジング下部シャシ202は、主ハウジング100の前後方向に向けられるとともに、上部シャシ102の左側外壁110と隣接する、実質的に垂直な左側外壁210と、主ハウジング100の前後方向に向けられるとともに、上部シャシ102の右側外壁116と隣接する、実質的に垂直な右側外壁216とを含むことができる。主ハウジング下部シャシ202は、上部シャシ102の後外壁122と隣接する実質的に垂直な後外壁222をさらに含むことができる。
【0315】
下部ハウジングシャシ202はリップ242を有することができ、リップ242は、上部ハウジングシャシ102のリップ142と隣接し、レバー500のハンドル部分506を受け入れる凹部の一部も形成している。下部リップ242は、レバー500のハンドル部分506のための保持部として作用する、前方に向けられた突出部243を含むことができる。レバー500の代わりに、システムは、加湿チャンバベイ108内に加湿チャンバ300を保持するばね式ガードを有することができる。
【0316】
下部ハウジングシャシ202の下側は、底壁230を含むことができる。それぞれの相互接続壁214、220、228は、実質的に垂直な壁210、216、222と底壁230との間に延在するとともに、それらを相互接続することができる。底壁230は、加湿チャンバ300からの(たとえば、こぼれからの)漏れの場合に液体の排出を可能にする複数のアパーチャを備えた、グリル232を含むことができる。底壁230は、さらに、長尺状の前後に向けられたスロット234を含むことができる。スロット234は、さらに、加湿チャンバ300からの漏れの場合に、液体が電子回路ハウジングに入ることなく、液体の排出を可能にすることができる。図示する構成では、スロット234は、液体の排出を最大限にするために、グリル232のアパーチャに対して幅広く且つ細長くすることができる。
【0317】
図17及び
図18に示すように、下部シャシ202は、モータ及びセンサモジュールを受け入れるモータ凹部250を有することができる。モータ及びセンサモジュールは、主ハウジング100から取外し不可能であってもよい。モータ及びセンサモジュールは、
図17及び
図18に示すように、主ハウジング100から取外し可能であり得る。モータ/センサモジュールを受け入れるために、底壁230にその後縁部に隣接して、凹部開口部251を設けることができる。下部シャシ202の底壁230と一体的に、連続するガス不透過性の中断のない周壁252が形成され、開口部251の周辺部から外向きに延在し得る。周壁252の後方部分254が第1高さを有し、周壁252の前方部分256が、第1高さよりも大きい第2高さを有する。周壁252の後方部分254は、実質的に水平な段258で終端し、段258はさらに、周壁252の上部補助後方部分260で終端する。周壁252の前方部分256と上部補助後方部分260とは、天井262で終端する。壁のすべて及び天井262は、ガス流路以を除いて、連続的であり、ガス不透過性であり、中断がないものであり得る。したがって、モータ凹部250全体は、ガス流路を除いて、ガス不透過性であり且つ中断がないものであり得る。
【0318】
モータ及びセンサモジュールは、凹部250内に挿入可能であるとともに、下部シャシ202に取付可能であり得る。モータ及びセンサモジュールが下部シャシ202内に挿入されると、ガス流路チューブ264が、下方伸長チューブ133を通って延在し、軟質シールによって封止され得る。
【0319】
加湿チャンバ300は、ハウジング100の前部の位置からハウジング100の後部に向かう方向において、加湿チャンバ300のチャンバベイ108内への後方向において、線形摺動運動で装置10に流体的に結合することができる。ガス出口ポート322が、モータと流体連通することができる。
【0320】
図8に示すようなガス入口ポート340(加湿ガス戻り)は、取外し可能L字型エルボを含むことができる。取外し可能エルボは、患者インタフェースにガスを送達する患者導管16に結合する患者出口ポート344をさらに含むことができる。ガス出口ポート322、ガス入口ポート340及び患者出口ポート344は、各々、装置10と、加湿チャンバ300と、患者導管16との間に密閉ガス通路を提供するように、Oリングシール又はTシール等の軟質シールを有することができる。
【0321】
加湿チャンバガス入口ポート306は、ガス出口ポート322と相補的とすることができ、加湿チャンバガス出口ポート308は、ガス入口ポート340と相補的とすることができる。それらのポートの軸は、互いに平行であって、加湿チャンバ300が線形運動でチャンバベイ108内に挿入されるのを可能にすることができる。
【0322】
呼吸デバイスは、モータが、空気、酸素(又は代替的な補助ガス)、又はそれらの混合物を加湿チャンバ300に、それにより患者に送達することができるように、モータと流体連通している空気及び酸素(又は代替的な補助ガス)入口を有することができる。
図10に示すように、デバイスは、結合された空気/酸素(又は代替的な補助ガス)入口配置構成350を有することができる。この配置構成は、ハウジング100内への結合された空気/酸素ポート352と、フィルタ354と、ヒンジ358を備えたカバー356とを含むことができる。ガスチューブもまた、横方向に又は別の適切な方向に延在し、酸素(又は代替的な補助ガス)源と流体連通してもよい。ポート352は、モータ402に流体的に結合することができる。たとえば、ポート352は、ポート352と、モータ及びセンサモジュール400の入口アパーチャ又はポート(それはさらに、モータに通じる)との間のガス流路を介して、モータ/センサモジュール400に結合することができる。
【0323】
デバイスは、モータが、空気、酸素(又は、代替的な補助ガス)、又はそれらの好適な混合物を、加湿チャンバ300に、それにより患者に送達することができるようにする、
図11~
図14に示す配置構成を有することができる。この配置構成は、ハウジング100の下部シャシ202の後壁222に空気入口356’を含むことができる。空気入口356’は、アパーチャ及び/又はスロットの好適なグリル配置構成を有する剛性プレートを備える。プレートの内側面にプレートに隣接して、消音フォームを設けることができる。主ハウジング100の内部に空気入口356’に隣接して、空気フィルタボックス354’が位置決めされ、それは、ろ過された空気をモータ/センサモジュール400の空気入口ポート404を介してモータに送達する空気出口ポート360を含むことができる。空気フィルタボックス354’は、ガス流から粒子(たとえば、塵埃)及び/又は病原体(たとえば、ウイルス又は細菌)を除去するように構成された、フィルタを含むことができる。空気出口ポート360と空気入口ポート404との間に、それら構成要素の間を封止するために、Oリングシール等の軟質シールを設けることができる。デバイスは、ハウジング100の1つの側面に隣接してその後端部に位置決めされた別個の酸素入口ポート358’を含むことができ、酸素ポート358’は、パイプ輸送される酸素のタンク又は供給源等、酸素源から酸素を受け取るためのものである。酸素入口ポート358’は、弁362と流体連通している。弁362は、好適には、加湿チャンバ300に送達されるガス流に添加される酸素の量の制御を可能にするソレノイド弁であり得る。酸素ポート358’及び弁362は、他の補助ガスとともに使用されて、ガス流への他の補助ガスの添加を制御することができる。他の補助ガスは、限定されないがヘリオックス及び一酸化窒素を含む、ガス療法に有用な多数のガスのうちの任意の1種又は複数種を含むことができる。
【0324】
図13~
図16に示すように、下部ハウジングシャシ202は、検知回路基板等、好適な電子回路基板を含むことができる。電子回路基板は、下部ハウジングシャシ202のそれぞれの外側側壁210、216に隣接して位置決めすることができる。電子回路基板は、限定されないが、マイクロプロセッサ、コンデンサ、抵抗器、ダイオード、演算増幅器、比較器及びスイッチ等、好適な電気又は電子部品を含むことができ、又はそれらと電気通信することができる。電子回路基板とともにセンサを使用することができる。電子回路基板の部品(限定されないが、1つ又は複数のマイクロプロセッサ等)は、装置のコントローラ13として作用することができる。
【0325】
電子回路基板の一方又は両方は、ディスプレイユニット及びユーザインタフェース14、モータ、弁362及びヒータプレート140を含む装置10の電気部品と電気通信して、所望の流量のガスを提供するようにモータを動作させ、ガス流を適切なレベルまで加湿及び加熱するように加湿チャンバ300を動作させ、適切な量の酸素(又は適切な量の代替的な補助ガス)をガス流に供給することができる。
【0326】
電子回路基板は、上部ハウジングシャシ102の後壁122から突出しているコネクタ配置構成274と電気通信することができる。コネクタ配置構成274は、警報装置、パルスオキシメトリポート及び/又は他の好適な付属品に結合することができる。電子回路基板は、電気コネクタ276とも電気通信することができ、電気コネクタ276もまた、AC電源又はバッテリ電力をデバイスの構成要素に提供するために、上部ハウジングシャシ102の後壁122に設けることができる。
【0327】
上述したように、流量センサ、温度センサ、湿度センサ及び/又は圧力センサ等、動作センサは、
図1に示すような、呼吸デバイス、患者呼吸導管16及び/又はカニューレ17内のさまざまな場所に配置することができる。電子回路基板は、それらのセンサと電気通信することができる。コントローラ13が、吸気要求を満たす等、最適な療法を提供するように呼吸システム10を動作させるのに役立つように、コントローラ13により、センサからの出力を受信することができる。
【0328】
上記に概説したように、電子回路基板並びに他の電気及び電子部品は、安全性を向上させるために、ガス流路から空気圧式に隔離することができる。封止によってもまた、水の侵入が防止される。
【0329】
制御システム
図19Aは、患者状態を検出するとともに、ガス源を含む呼吸システムの動作を制御することができる(
図1におけるコントローラ13であり得る)制御システム920例のブロック
図900を示す。制御システム920は、患者に送達される際に呼吸システムを通って流れるガスの流量を管理することができる。たとえば、制御システム920は、ブロワ(以降、「ブロワモータ」とも称する)930のモータ速度の出力、又は混合器の弁932の出力を制御することにより、流量を増減させることができる。制御システム920は、後に考察するように、特定の患者に対する流量の設定値又は個人向けの値を自動的に決定することができる。流量は、制御システム920により、患者の快適さ及び療法を改善するように最適化することができる。
【0330】
制御システム920は、音声938及び/又は表示/視覚的出力939を生成することができる。たとえば、フロー療法装置は、ディスプレイ及び/又はスピーカを含むことができる。ディスプレイは、制御システム920によって生成される任意の警告又は警報を医師に示すことができる。ディスプレイは、医師が調整することができる制御パラメータも示すことができる。たとえば、制御システム920は、特定の患者に対して流量を自動的に推奨することができる。制御システム920はまた、限定されないが、患者の呼吸数を生成する等、患者の呼吸状態を決定し、それをディスプレイに送信することができ、これについてはより詳細に後述する。
【0331】
制御システム920は、(たとえば、患者に送達されるガスの温度設定値を維持するために)加熱素子のうちの1つ又は複数を制御するようにヒータ制御出力を変更することができる。制御システム920は、加熱素子の動作又はデューティサイクルも変更することができる。ヒータ制御出力は、ヒータプレート制御出力934と加熱呼吸チューブ制御出力936とを含むことができる。
【0332】
制御システム920は、1つ又は複数の受け取った入力901~916に基づき、出力930~939を決定することができる。入力901~916は、(
図19Bに示す)コントローラ600によって自動的に受信されるセンサ測定値に対応することができる。制御システム920は、限定されないが、温度センサ入力901、流量センサ入力902、モータ速度入力903、圧力センサ入力904、ガス分画センサ入力905、湿度センサ入力906、パルスオキシメータ(たとえば、SpO
2)センサ入力907、格納された若しくはユーザパラメータ908、デューティサイクル若しくはパルス幅変調(PWM)入力909、電圧入力910、電流入力911、音響センサ入力912、電力入力913、抵抗入力914、CO
2センサ入力915及び/又は肺活量計入力916を含むセンサ入力を受け取ることができる。制御システム920は、ユーザからの入力又は(
図19Bに示す)メモリ624内の格納されたパラメータ値を受け取ることができる。制御システム920は、患者に対する流量を患者の治療の時間にわたって動的に調整することができる。制御システム920は、システムパラメータ及び患者パラメータを連続的に検出することができる。当業者であれば、本明細書の開示に基づき、制御システム920とともに他の任意の好適な入力及び/又は出力を使用することができることを理解するであろう。
【0333】
コントローラ
図19Bは、(
図1のコントローラ13であり得る)コントローラ600の一実施形態のブロック図を示す。コントローラ600は、入力状態の検出及び出力状態の制御のプログラミング命令を含むことができる。プログラミング命令は、コントローラ600のメモリ624に格納することができる。プログラミング命令は、本明細書に記載する方法、プロセス及び機能に対応することができる。プログラミング命令は、コントローラ600の1つ又は複数のハードウェアプロセッサ622によって実行することができる。プログラミング命令は、C、C++、JAVA、又は他の任意の好適なプログラミング言語で実装することができる。プログラミング命令の部分のうちのいくつか又はすべてを、ASIC及びFPGA等の特定用途向け回路678で実装することができる。
【0334】
コントローラ600は、センサ信号を受信する回路628も含むことができる。コントローラ600は、患者及び呼吸補助システムのステータスを伝えるディスプレイ630をさらに含むことができる。ディスプレイ630は、警告及び/又は他の警報も表示することができる。ディスプレイ630は、検知されたガスの特徴をリアルタイムで又は他の方法で表示するように構成することができる。コントローラ600はまた、ディスプレイ680等のユーザインタフェースを介して、ユーザ入力を受け取ることができる。ユーザインタフェースは、ボタン又はダイヤルを含むことができる。ユーザインタフェースは、タッチスクリーンを備えることができる。
【0335】
モータ/センサモジュール
限定されないが、加湿チャンバ、流れ発生器、ユーザインタフェース、コントローラ、及び呼吸システムのガス流出口を患者インタフェースに結合するように構成された患者呼吸導管を含む、本明細書に記載する呼吸システムの特徴のうちの任意のものを、本明細書に記載するセンサモジュールのうちの任意のものと組み合わせることができる。
【0336】
図20は、(
図17及び
図18に示す)呼吸デバイスにおける凹部260によって受け入れることができる、モータ/センサモジュール2000のブロック図を示す。モータ及びセンサモジュールは、患者に送達するために室内空気を取り込むブロワ2001を含むことができる。ブロワ2001は、遠心ブロワであり得る。
【0337】
1つ又は複数のセンサ(たとえば、ホール効果センサ)を使用して、ブロワモータのモータ速度を測定することができる。ブロワモータはブラシレスDCモータを含むことができ、別個のセンサを使用することなく、そこからモータ速度を測定することができる。たとえば、ブラシレスDCモータの動作中、モータの非通電巻線から逆起電力を測定することができ、そこから、モータ位置を求めることができ、さらにそれを使用して、モータ速度を計算することができる。さらに、モータドライバを使用して、モータ電流を測定することができ、モータ電流を測定されたモータ速度と使用して、モータトルクを計算することができる。ブロワモータは、低慣性モータを含むことができる。
【0338】
室内空気は、入口ポート2003を通してブロワ2001に入る室内空気入口2002に入ることができる。入口ポート2003は弁2004を含むことができ、弁2004を通って、加圧ガスがブロワ2001に入ることができる。弁2004は、ブロワ2001内への酸素(又は他の補助ガス)の流量を制御することができる。弁2004は、比例弁又はバイナリ弁を含む任意のタイプの弁であり得る。いくつかの実施形態では、入口ポートは、弁を含まない。
【0339】
ブロワ2001は、1,000RPM超且つ30,000RPM未満、2,000RPM超且つ25,000RPM未満、3,000RPM超且つ24,000RPM未満、又は上述した値のうちの任意の値の間のモータ速度で動作することができる。ブロワ2001の動作は、入口ポート2003を通ってブロワ2001に入るガスを混合する。混合がエネルギーを必要とするため、混合器としてのブロワ2001の使用により、バッフルを備える静止型混合器等の別個の混合器を備えるシステムで本来発生する圧力降下を、低減させることができる。
【0340】
混合空気は、導管2005を通ってブロワ2001から出ることができ、センサチャンバ2007内の流路2006に入る。センサチャンバ2007内に、センサ2008を備える検知回路基板を、ガス流内に少なくとも部分的に浸されるように位置決めすることができる。検知回路基板上のセンサ2008のうちの少なくともいくつかを、ガス流内のガス特性を測定するようにガス流内に位置決めすることができる。ガスは、センサチャンバ2007内の流路2006を通過した後、加湿チャンバ210に出ることができる(2009)。
【0341】
結合されたブロワ及び混合器2001の下流にセンサ2008を位置決めすることにより、ブロワ及び/又は混合器の上流にセンサを位置決めするシステムと比較して、酸素濃度を含むガス分画濃度の測定等、測定の精度を向上させることができる。こうした位置決めにより、反復可能な流れプロファイルを与えることができる。さらに、結合されたブロワ及び混合器の下流にセンサを位置決めすることにより、ブロワの前に検知が発生する場合、入口と検知システムとの間にバッフルを備える静止型混合器等の別個の混合器が必要であるため、本来発生する可能性がある、圧力降下が回避される。混合器は、混合器の前後に圧力降下を生じさせる可能性がある。ブロワの後に検知を位置決めすることにより、ブロワを混合器とすることができ、静止型混合器は圧力を低下させるが、対照的に、ブロワは圧力を上昇させる。また、検知回路基板及びセンサ2008の少なくとも一部を流路内に浸すことにより、測定の精度を向上させることができ、それは、センサが流れ内に浸されることが、センサが、ガスが流れる際の温度及び圧力等、同じ条件下におかれ、したがって、ガス流の特徴のより適切な表現を提供する可能性がより高いことを意味するためである。
【0342】
図21を参照すると、ブロワを出るガスは、センサチャンバ400内の流路402に入ることができ、センサチャンバ400は、モータ及びセンサモジュール内に位置決めすることができ、
図20のセンサチャンバ2007であり得る。流路402は、湾曲形状を有することができる。流路402は、急カーブを有さない湾曲形状を有するように構成することができる。流路402は、湾曲端部と湾曲端部の間のより直線状の区画とを有することができる。湾曲流路形状により、測定領域を流路に部分的に一致させて流路の測定部分を形成することによって、流量測定の感度を低下させることなく、ガス流における圧力降下を低減させることができ、それについては、
図23A及び
図23Bを参照して後述する。
【0343】
センサチャンバ400内に、音響送信器/受信器、湿度センサ、温度センサ、サーミスタ等のセンサを備えた検知回路基板404を、少なくとも部分的に流路402内に浸されるように、位置決めすることができる。検知回路基板及びセンサの少なくとも一部を流路内に浸すことにより、測定の精度を向上させることができ、それは、流れに浸されたセンサが、ガスが流れる際の温度及び圧力等、同じ条件下におかれ、したがって、ガス流の特徴のより適切な表現を提供する可能性がより高いためである。ガスは、センサチャンバ400内の流路402を通過した後、加湿チャンバに出ることができる。
【0344】
少なくとも2つの異なるタイプのセンサを使用して、ガス流量を測定することができる。第1タイプのセンサは、サーミスタを含むことができ、それは、ガス流とサーミスタとの間の熱伝達を監視することにより、流量を決定することができる。サーミスタ流量センサは、ガスがサーミスタの周囲を且つそれを通過して流れるときに、流れ内に一定目標温度でサーミスタを通すことができる。センサは、サーミスタを目標温度で維持するために必要な電力の量を測定することができる。高流量であるほど、サーミスタを目標温度で維持するために、より多くの電力が必要であるように、目標温度をガス流の温度よりも高いように構成することができる。
【0345】
サーミスタ流量センサは、目標温度とガス流温度との差が小さすぎるか又は大きすぎるのを回避するために、サーミスタにおいて複数の(たとえば、2つ、3つ又はそれより多い)一定温度も維持することができる。複数の異なる目標温度により、サーミスタ流量センサを、ガスの広い温度範囲にわたって正確にすることができる。たとえば、サーミスタ回路は、ガス流の温度が常に、2つの目標温度のうちの一方に対して一定の範囲内にある(たとえば、近すぎず且つ遠すぎない)ように、2つの異なる目標温度の間で切り替わることができるように構成することができる。サーミスタ回路は、約50℃~約70℃、又は約66℃の第1目標温度で動作するように構成することができる。第1目標温度は、約0℃~約60℃又は約0℃~約40℃の望ましい流れ温度範囲に関連付けることができる。サーミスタ回路は、約90℃~約110℃又は約100℃の第2目標温度で動作するように構成することができる。第2目標温度は、約20℃~約100℃又は約30℃~約70℃の望ましい流れ温度範囲に関連付けることができる。
【0346】
コントローラは、サーミスタ回路内の抵抗器を接続又はバイパスすることにより、少なくとも第1目標温度モードと第2目標温度モードとの間で変化するように、サーミスタ回路を調整するように構成することができる。サーミスタ回路は、第1分圧器アームと第2分圧器アームとを備えるホイートストンブリッジ構成として配置することができる。サーミスタは、分圧器アームのうちの1つに位置することができる。サーミスタ流量センサのより詳細は、全体が参照により本明細書に援用される、2017年9月3日に出願されたPCT出願PCT/NZ2017/050119号明細書に記載されている。
【0347】
第2タイプのセンサは、音響センサアセンブリを含むことができる。音響送信器及び/又は受信器を含む音響センサを使用して、フロー療法装置で使用することができるガス速度及び/又は組成を決定する音響信号の飛行時間を測定することができる。(超音波送信器及び/又は受信器を含む)1つの超音波検知トポロジでは、ドライバが、超音波トランスデューサ等の第1センサに、第1方向において超音波パルスを生成させる。第2超音波トランスデューサ等の第2センサが、このパルスを受信し、第1超音波トランスデューサと第2超音波トランスデューサとの間のパルスの飛行時間の測定値を提供する。この飛行時間測定値を使用して、呼吸システムのプロセッサ又はコントローラにより、超音波トランスデューサの間のガス流の音速を計算することができる。第1方向とは反対の第2方向におけるパルスを、第2センサが送信し、第1センサが受信して、飛行時間の第2測定値を提供することができ、流量又は速度等、ガス流の特徴が決定されるようにすることができる。別の音響検知トポロジでは、超音波トランスデューサ等の音響送信器によって送信される音響パルスは、マイクロフォン等の音響受信器によって受信することができる。音響流量センサのより詳細は、全体が参照により本明細書に援用される、2016年12月2日に出願されたPCT出願PCT/NZ2016/050193号明細書に記載されている。
【0348】
第1タイプのセンサ及び第2タイプのセンサの両方からの読取値を結合して、より正確な流量測定値を求めることができる。たとえば、事前に決定された流量と、タイプのうちの一方のセンサからの1つ又は複数の出力とを使用して、予測された現流量を求めることができる。そして、最終流量を計算するために、第1タイプのセンサ及び第2タイプのセンサのうちの他方からの1つ又は複数の出力を使用して、予測された現流量を更新することができる。
【0349】
患者検出プロセス例
上述したように、患者が、自身の鼻を通して呼吸システムの患者インタフェース内に呼吸しているとき、吸気及び呼気によってもたらされる流れ抵抗変動により、流量又は他の流れパラメータにおいて呼吸信号が検出される。ガス流パラメータに呼吸信号がないように、患者が呼吸システムから切り離されている場合がある。
【0350】
呼吸システムが、ガス流パラメータの周波数分析の卓越周波数が呼吸数であるか否かをコントローラが判断するのに役立つために患者接続決定を使用する等、患者が接続されているか又は切り離されているかを決定することができることが有利であり得る。患者切離しの検出は他の応用も有することができ、それについてはより詳細に後述する。患者が呼吸システムに接続されているか又は呼吸システムから切り離されているかを判断することに加えて、患者が、呼吸デバイスに以前は接続されており、且つ呼吸デバイスから切り離すプロセスにあるか、又は、以前は呼吸デバイスから切り離されており、且つ呼吸デバイスに接続するプロセスにあるかを知ることも有用である場合がある。
【0351】
本明細書に開示するプロセスは、患者が接続されているか又は切り離されているかを判断するために、流れパラメータデータの時間領域特徴を評価する。さらに、プロセスは、患者接続ステータスを4つのカテゴリ、すなわち、切り離されている、接続中、接続されている又は切離し中のうちの1つに分類することができる。
【0352】
流量又は他のガス流パラメータ信号は、前処理ステップを通して供給することができる。このステップにより、コントローラは、ガス流パラメータが患者接続を決定するために使用するのに好適であるか否かを判断し、且つ/又は、患者接続検出プロセスに供給される流れパラメータ信号が、患者の呼吸がガス流パラメータ(流量、圧力等)に与えている何らかの影響をより適切に表すことができるように、流れパラメータからいくつかの特徴を除去することができる。前処理ステップの詳細については、
図23A~
図23Dを参照してより詳細に後述する。
【0353】
瞬間的な且つフィルタリングされた特徴の決定
上述したように、患者が呼吸システムに接続されており、且つ患者インタフェースを通して呼吸している場合、前処理済み流量又は他の流れパラメータデータにおける変動が、ランダムな未相関ノイズと患者によって発生する相関呼吸信号とから構成されると想定される。
図22に示すように、プロセスは、ステップ2202において、コントローラが流れパラメータデータ(未処理データ等)を受信することで開始することができる。判断ステップ2204において、コントローラは、たとえば、流れパラメータデータが使用に適している又は好適であるか否かを判断することにより、前処理ステップを実施することができる。データが使用に好適でない場合、コントローラは、ステップ2206においてそのデータを破棄し、ステップ2202に戻ることができる。
【0354】
図23A~
図23Cは、データの適性を判断するプロセス例を示す。流れパラメータは流量であり得る。流れパラメータは、圧力、又は本明細書に開示する他のタイプのパラメータでもあり得る。流れパラメータデータは、ガス流パラメータの絶対値であり得る。別法として、流れパラメータデータは、ガス流パラメータの変化であり得る。この変化は、ガス流パラメータの測定値からガス流パラメータの目標値を引くことによって求めることができる。変化は、第1ガス流パラメータの測定値から第2ガス流パラメータの推定される影響を差し引くことによっても求めることができる。変化は、流れパラメータデータが使用に好適であると判断した後に計算することができる。一構成では、変化は、流れパラメータデータが使用に好適であると判断する前にも計算することができる。
【0355】
図23Aに示すように、ステップ2322において、コントローラは、
図22のステップ2202において受信された流れパラメータデータ等、第1流れパラメータデータとは異なるタイプである第2流れパラメータデータを受信することができる。第2パラメータは、第1パラメータに対して影響を及ぼすと推定される。たとえば、モータ速度、圧力及び/又は酸素流量若しくは濃度は、ガス流量に対する患者の呼吸の影響とは別個のガス流量に対する影響を及ぼす可能性がある。判断ステップ2324において、コントローラは、想定された影響が有効であるか否かを判断することができる。たとえば、想定された影響は、最小閾値よりも大きい場合、有効であり得る。想定された影響は、最小閾値よりも低いこと等により、有効でない場合、第1パラメータに対する第2パラメータの影響を正確に予測することが困難である可能性がある。したがって、ステップ2328において、コントローラは、
図22のステップ2202において受信された流れパラメータデータであり得る第1パラメータデータが、使用に好適ではないと判断することができ、第1パラメータデータを破棄してもよい。想定された影響が、最小閾値よりも大きいこと等により、有効である場合、ステップ2326において、コントローラは、第1パラメータデータが使用に好適であると判断することができる。
【0356】
図23B及び
図23Cのプロセスにおいて、第1パラメータは、流量データを含むことができ、第2パラメータは、モータ速度、酸素流量及び/又は酸素濃度を含むことができる。いくつかの構成では、
図23B及び
図23Cのプロセスをともに実施して、流れパラメータデータが使用に好適であるか否かを判断することができる。
図23Bのステップ2340において、コントローラは、モータ速度データを受信することができる。流量データにおいて患者の呼吸を同定するために、モータは十分な速度で動作している必要がある。モータ速度が低すぎる場合、流れデータ(流量データ等)に対するモータ速度の影響は、正確に予測されない可能性がある。したがって、ステップ2342において、コントローラは、モータ速度を最低モータ速度閾値と比較することができる。モータ速度が閾値を下回る場合、ステップ2344において、コントローラは、流れパラメータデータが不適当であるとみなすことができ、流れパラメータデータの一部又はすべてを破棄することができる。モータ速度が閾値を上回る場合、ステップ2346において、コントローラは、モータ速度の最近の変化を計算することができる。モータ速度の変化により、流れパラメータが変化する結果となる可能性があり、それにより、流れパラメータデータにおいて患者の呼吸を同定することがより困難となる。流れパラメータデータからモータ速度の影響をある程度除去することができるが、モータ速度の変化が大きいほど、患者の呼吸を同定するのにデータの信頼性が低くなり過ぎる可能性がある。したがって、ステップ2348において、コントローラは、モータ速度における最近の相対変化を表す第1値を生成するために、モータ速度の相対変化に移動フィルタを適用することができる。判断ステップ2350において、コントローラは、第1値を第1閾値と比較することができる。第1値が第1閾値を上回る場合、コントローラは、流れパラメータ値を不適当であるとみなすことができ、ステップ2344において、流れデータ点を破棄することができる。第1値が第1閾値を下回る場合、コントローラは、ステップ2345において、流れパラメータ値を好適であるとみなすことができる。
【0357】
流れパラメータ(流量等)は、補給酸素源からの酸素等、補給ガス源からの補給ガスの流量又は濃度によっても影響を受ける可能性がある。
図23Cは、一例として酸素を使用して示すが、酸素の流量又は濃度に関連して実施されるステップは、周囲空気と混合される他の任意の補給ガスの流量又は濃度に対しても実施することができる。ステップ2352において、コントローラは、酸素流量データ又は酸素濃度データを受信することができる。ステップ2354において、コントローラは、酸素流量又は酸素濃度の最近の変化を計算することができる。酸素の流量又は濃度が変化した場合、結果としての総流量の変化により、流量信号又は他の流れパラメータ信号において患者の呼吸を同定することがより困難となる可能性がある。したがって、ステップ2356において、コントローラは、酸素濃度又は流量の最近の変化を表す第2値を生成するために、ガス又は酸素流量の酸素濃度の変化に対して移動フィルタを適用することができる。判断ステップ2358において、コントローラは、第2値を第2閾値と比較することができる。第2値が第2閾値を上回る場合、コントローラは、流れパラメータ値が不適当であると判断することができ、ステップ2344において、流れパラメータデータ点を破棄することができる。第2値が閾値未満である場合、ステップ2360において、コントローラは、流れパラメータデータを好適であるとみなすことができる。
【0358】
上記判断に対して、酸素(若しくは他の補給ガス)の濃度データ又は酸素(若しくは他の補給ガス)の流量データのいずれかを使用することができる。酸素濃度データは、超音波センサ等、呼吸デバイス内の1つ又は複数のセンサを使用して決定することができる。酸素源からの酸素流量は、酸素源の下流に位置する酸素流量センサによって決定することができる。
【0359】
上述したように、コントローラがデータを好適であるとみなす場合、流量(又は他の任意の流れパラメータデータ)を、モータの影響(又は、酸素濃度若しくは流量等、他の要素)を除去するように修正することも可能である。ガス流パラメータを修正することは、ガス流パラメータから他の変数の想定される影響(モータ速度等)を除去することを含むことができる。この想定される影響は、ガス流パラメータデータがある一定の基準を満たす場合にのみ、有効である。上述したように、これらの基準が満たされない場合、データを破棄してもよい。
【0360】
図23Dは、モータ速度の影響を除去するように流量データを修正するプロセス例を示す。モータの影響は、モータ速度及び流れコンダクタンスを使用して推定することができる。ステップ2380において、コントローラは、瞬間的な流れコンダクタンスを測定することができる。流れコンダクタンスは、経時的におよそ一定であり、したがって、ローパスフィルタを使用して推定することができる。コントローラは、現モータ速度と測定された流量とを使用して、各反復時に瞬間的な流れコンダクタンスを測定する。ステップ2382において、コントローラは、フィルタリングされた流れコンダクタンスを求めるために、瞬間的な流れコンダクタンスをフィルタリングする。
【0361】
判断ステップ2384において、コントローラは、瞬間的な流れコンダクタンスをフィルタリングされた流れコンダクタンスと比較して、差が著しく異なるか否かを判断することができる。差が著しい場合、カニューレが取り付けられるか又は取り外される等、何かが物理的系を変化させた可能性がある。判断ステップ2386において、瞬間的な流れコンダクタンスをフィルタリングされた流れコンダクタンスと、それら2つの変数の差をとり、それを最小閾値と比較することによって、比較することができる。差が閾値を超える場合、差は著しいとみなされ、コントローラは、ステップ2388において、フィルタリングされた流れコンダクタンスをリセットすることができる。リセットにより、デバイスは、カニューレが患者に取り付けられたとき及び患者から取り外されたときに、流れコンダクタンスのその推定値を迅速に調整することができる。
【0362】
ステップ2390において、コントローラはまた、瞬間的な流れコンダクタンスとフィルタリングされた流れコンダクタンスとの差に基づき、フィルタリングされた流れコンダクタンス計算のフィルタ係数を変更することができる。これにより、カニューレが最初に取り付けられたとき等、流れコンダクタンスの変動性が高いとき、フィルタリングされた流れコンダクタンスをより迅速に変化させることができる。そして、コントローラは、ステップ2380に戻って、プロセスの新たな反復を開始することができる。
【0363】
差が閾値を超えない場合、差は著しくないとみなされ、コントローラは、ステップ2392において流量に対するモータの影響を推定することができる。コントローラは、フィルタリングされた流れコンダクタンスとモータ速度とを使用して、影響の値を出力することができる。ステップ2394において、その値を流量データから引くか又は他の方法で除去して、前処理済み流量データに達することができる。前処理済み流量データは、患者の呼吸流をより正確に示すことができる(ただし、前処理済み流量データは依然として信号ノイズを含む可能性がある)。
【0364】
コントローラはまた、流れコンダクタンスの最近の変化を追跡することができる。変化は、経時的に減少する累積合計に少なくとも2つの瞬間的な流れコンダクタンス値の差を加えることによって、追跡することができる。減衰する累積合計がフィルタリングされて、流れ伝導性のフィルタリングされた最近の変化が得られる。流れ伝導性のフィルタリングされた最近の変化は、周波数分析アルゴリズムのさらなる部分において、前処理済み流量データとともに使用することができる。
【0365】
図22に戻ると、流れパラメータデータが使用に好適である場合、ステップ2208において、コントローラは、最近のデータの瞬間的な特徴を評価することができ、それは、最近のデータに傾向があるか否かを分析することによって行うことができる。最近のデータの時間尺度は、たとえば、予測される最小値又は典型的な呼吸期間未満、好ましくは最小の予測される若しくは典型的な呼吸期間~最小の予測された若しくは典型的な呼吸期間の1/4、又は、最小の予測された若しくは典型的な呼吸期間の半分~最小の予測された若しくは典型的な呼吸期間の1/4、又は好ましくは、最小の予測された若しくは典型的な呼吸期間の半分未満、又はより好ましくは、最小の予測された若しくは典型的な呼吸期間の1/4未満に固定することができる。評価は、2つのベクトルを使用して行うことができ、瞬間的な特徴は、2つのベクトルのうちの1つ又はそれらの組合せに最近のデータ点がいかに十分に相関するかの尺度である。評価は、単一のベクトル又は3つ以上のベクトルを使用することによって行うことも可能である。
【0366】
患者が患者インタフェースを通して呼吸していない場合、前処理済み流れデータにおけるランダムな変動は、患者が患者インタフェースを通して呼吸しているときよりも、2つのベクトルのうちの一方又は両方との相関が低い可能性がある。さらに、周波数が高いデータほど、周波数が低いデータよりも相関が低い可能性があり、それは、評価されるデータの期間が、前記高い方の周波数の複数の振動を有するためである。相関が高くなる(したがって、瞬間的な特徴が大きい)結果となる可能性がある信号は、患者の呼吸信号等、低周波数の信号である。
【0367】
図24は、(正弦波を含む可能性がある)データのさまざまな周波数が(信号ノイズなしに)評価されるときの瞬間的な特徴の一例を示す。陰付き領域2402は、(正弦波の異なる位相に起因する)瞬間的な特徴のあり得る値を表す。実線2404は、その周波数に対する瞬間的な特徴の平均を示す。続けて22を参照すると、判断ステップ2210において、コントローラは、瞬間的な特徴がある一定の瞬間的な特徴の閾値を上回るか否かを判断する。
図24に示すような構成では、閾値は、点線2406として示されている。
【0368】
一構成では、60min
-1未満の周波数の正弦波は、1に近い瞬間的な特徴を有する可能性がある。この周波数は、大部分、成人患者等の患者の典型的な呼吸周波数に相関することができる。呼吸信号は、基本(呼吸)周波数と高調波とに分解することができる。高調波は、典型的には、高調波次数により小さくなる(たとえば、第1高調波は基本周波数よりも小さい周波数振幅を有し、第2高調波は、第1高調波よりも小さい周波数振幅を有する)。これらの高調波のすべてが、最高振幅、すなわち、大部分の影響を及ぼす基本周波数振幅を有する瞬間的な特徴に寄与する。いくつかの構成では、閾値は1よりも低い(
図24では約0.4等)である可能性があり、それにより、60~120min
-1の周波数もまたその閾値を超える可能性がある。これらの周波数は、依然として、特に幼児の場合、患者の呼吸によってもたらされる可能性がある。上述した相対的に高い周波数は、典型的には、閾値を上回る瞬間的な特徴を発生させない。
【0369】
図22に戻ると、瞬間的な特徴が閾値を上回る場合、ステップ2212において、コントローラは、呼吸が検出されたこと、又は患者が接続されていることを出力することができる。瞬間的な特徴が閾値を上回らない場合、ステップ2214において、コントローラは、呼吸が検出されないこと、又は患者が切り離されていることを出力することができる。
【0370】
瞬間的な特徴が瞬間的な特徴の閾値を上回ることは、呼吸している患者が(カニューレに接続されていること等により)患者インタフェースに接続されていることを示すことができる。さらに、瞬間的な特徴の変動をもたらす信号ノイズを低減させるために、呼吸システムの患者接続ステータスを決定するそれらの特徴を使用する前に、瞬間的な特徴をフィルタリングすることも可能である。
【0371】
図25Aに示すように、フィルタリングされた特徴を得るプロセスにおいて、瞬間的な特徴に対して2つのフィルタを適用することができる。プロセスは、ステップ2502においてコントローラが流れパラメータデータ(未処理データ等)を受信することで開始することができる。判断ステップ2504において、コントローラは、流れパラメータデータが使用に適している又は好適であるか否かを判断すること等により、前処理ステップを実施することができる。データが使用に好適でない場合、コントローラは、ステップ2506においてデータを破棄し、ステップ2502に戻ることができる。データが使用に好適である場合、ステップ2508において、コントローラは、データの瞬間的な特徴を評価することができる。
【0372】
ステップ2510において、コントローラは、瞬間的な特徴に対して2つの異なるフィルタを適用して、主なフィルタリングされた特徴と短いフィルタリングされた特徴とをそれぞれ生成することができる。ステップ2512において、コントローラは、短いフィルタリングされた特徴を使用して、主なフィルタリングされた特徴に対するフィルタ係数を求めることができる。ステップ2514において、フィルタリングされた特徴を使用して、
図25Bに示すような患者接続ステータスを決定することができる。2つのフィルタの適用により、主なフィルタリングされた特徴は、瞬間的な特徴が1に近づくとより迅速に変化することができ、それにより、強力な呼吸信号があるとき、患者接続決定をより迅速に行うことができる。さらに、患者が患者インタフェース(カニューレ等)で呼吸していないとき、瞬間的な特徴は0の近づくように低下し、それにより、主なフィルタリングされた特徴に対するフィルタ係数を増大させ、主なフィルタリングされた特徴の変化をより緩やかにし、それにより、患者接続決定を遅くすることができる。コントローラは、患者が切り離されていると決定するには(患者が接続され、患者インタフェースを介して呼吸されているときよりも)比較的長い時間がかかる可能性があるが、患者が接続されていると決定するのにかかる時間は比較的短い可能性がある。
【0373】
患者が依然としてシステムに接続されているときに患者が切り離されていると決定する間違いよりも、患者が呼吸システムに接続されていないときに患者が接続されていると決定する間違いの方がより好ましい。これは、一部には、呼吸デバイスの流量及び/又はモータ速度を制御する複数のアルゴリズムが、機能するために接続されている患者に依るためである。患者が切り離されていると誤って決定することにより、これらのアルゴリズムが必要な場合に機能することが阻止される可能性がある。これにより、デバイスは、患者の呼吸とガスの送達とを同期させることが阻止され、且つ/又は呼吸療法の効果が低減する可能性がある。さらに、患者が切り離されていると誤って決定することにより、依然として患者インタフェースに接続されている患者に対して、間違った流量及び/又はモータ速度に起因する不快感がもたらされる可能性がある。
【0374】
図26に示すように、流れパラメータデータに、患者換気量の尺度と総信号変動の尺度とを得るプロセスを適用することができる。本明細書に記載する他のプロセスと同様に、このプロセスは、ステップ2602において、コントローラが(第1パラメータ又は第2パラメータの未処理データを含むことができる)流れパラメータのデータを受信することで開始することができる。流れパラメータは、流量、又は流量を示すパラメータであり得る。一構成では、流量は、呼吸流量、補給ガス流量等を含む、総流量を指すことができる。一構成では、流れパラメータは、ガス流の直接の尺度であり得る。流れパラメータは、圧力、モータ速度、又は本明細書に開示する他のタイプのパラメータであり得る。流れパラメータは、圧力、モータ速度、又は本明細書に開示する他のタイプのパラメータの尺度若しくはそれを示すパラメータであり得る。流れパラメータは、デバイスの構成要素の性能を表すことができる。判断ステップ2604において、コントローラは、流れパラメータデータが使用に適しているか又は好適であるか否かを判断すること等により、前処理ステップを実施することができる。データが使用に好適でない場合、コントローラは、ステップ2606においてデータを破棄し、ステップ2602に戻ることができる。
【0375】
データが使用に好適である場合、ステップ2608において、コントローラは、流れパラメータ変化データを生成することができる。流れパラメータ変化データは、流れパラメータデータの測定値から流れパラメータデータの目標値を引くことによって求めることができる。流れパラメータ変化データは、第1パラメータの測定値から第2パラメータの推定される影響を差し引くことによって求めることができる。一構成では、第1流れパラメータ又は第1パラメータは、ガス流量、又はガス流量を示すパラメータである。一構成では、第2流れパラメータ又は第2パラメータは、圧力、モータ速度若しくは別の流れの尺度、又はそれを示すパラメータである。第1パラメータに対する第2パラメータの推定される影響は、現モータ速度等、第2パラメータの現在値に基づいて予測することができる、流量の変化であり得る。この推定される影響は、ノイズ又は患者の相互作用がないと想定することができる。推定される影響は、現モータ速度等の第2パラメータの現在値とともに、モータ速度と流量との関係の移動平均を使用して計算することができ、後者は、第1流れパラメータと第2流れパラメータとの関係を特徴付けるために使用することができる。一構成では、流れパラメータ変化データは、流れパラメータデータの第2平均値から流れパラメータデータの第1平均値を引くことによって求めることができる。第1平均値は、第2平均値よりも時間的に後であり得る。第1平均値はまた、第2平均値よりも長いデータの窓に基づくことができる。一構成では、第2平均値は、第1平均値よりも長いデータの窓に基づくことができる。データの窓は、相互に時間的に排他的であるか、又は時間的に部分的に重なり得る。データの窓は、同じ時間の長さ又は異なる時間の長さに関連することができる。流れパラメータデータの第1平均値は、流れパラメータデータにフィルタ又は進行中のフィルタを適用することによって求めることができる。流れパラメータデータの第1平均値は、常に又は連続的に更新することができる。第2平均値は、測定値に基づくことができる。流れパラメータ変化データは、流れパラメータデータが使用に好適であると決定した後に計算することができる。一構成では、流れパラメータ変化データは、流れパラメータデータが使用に好適であると決定する前に計算することができる。
【0376】
ステップ2610において、コントローラは、分析するために流れパラメータ変化データの一部分を選択する。選択される流れパラメータ変化データの部分は、最後に測定された流れパラメータ変化データ、又は分析と同時に又は時間的に近接して測定された流れパラメータ変化データであり得る。流れパラメータ変化データの部分は、事前定義された期間内の一期間に関連することができる。その部分は、所定の時間の長さを表すか又はそれに関連するデータセットを得るように選択することができる。より長い期間に関連する処理済み流れパラメータデータの部分を選択することにより、より短い期間に関連する処理済み流れパラメータデータの部分を選択することと比較して、処理済み流れパラメータデータからより多くのノイズを確実にフィルタリングによって除去することができる。しかしながら、より長い期間に関連する処理済み流れパラメータデータの部分を選択することにより、より短い期間に関連する処理済み流れパラメータデータの部分を選択することと比較して、相対的に高い周波数の呼吸信号をフィルタリングによって除去することになる可能性がある。したがって、時間の長さを表す処理済み流れパラメータデータの部分を選択するときに、ノイズをフィルタリングで除去することと、瞬間的な変化を検出するか又は取り込むこととの間にトレードオフがあり得る。一構成では、呼吸期間よりも短い時間の長さを表す処理済み流れパラメータデータの部分を選択することが有利であり得る。一構成では、0.5~2秒間の範囲で表す処理済み流れパラメータデータの部分を選択することは、その部分が、ランダムノイズに起因する患者の接続又は相互作用の間違った決定を発生させる可能性を低くする長さである一方で、予測される呼吸周波数の大部分に対して患者の相互作用又は接続を(会話、咳等とともに)検出するのに信頼性を提供することができる。一構成では、処理済み流れパラメータデータの選択される部分は、0.5秒未満、0.5~1、1~1.5、1.5~2、2~2.5、2.5~3、3~3.5、3.5~4、4~4.5、4.5~5、5~5.5、5.5~6秒、又は6秒を超え得る。
【0377】
一構成では、コントローラは、ステップ2608において流れパラメータ変化データを生成する前に、処理済み流れパラメータデータの一部分を選択する。一構成では、コントローラは、信号ノイズが後述する瞬間的な患者換気量の尺度からフィルタリングによって除去されるような、所定の時間の長さに関連する処理済み流れパラメータデータの部分(又は窓)を選択する。一構成では、コントローラは、すべての予測される呼吸周波数を含むことができる予測される呼吸周波数により、瞬間的な患者換気量の尺度が増大することになるような、所定の時間の長さに関連する処理済み流れパラメータデータの部分を選択する。
【0378】
ステップ2612において、コントローラは、流れパラメータ変化データの選択された部分に対して1つ又は複数の関数を当てはめる。1つ又は複数の関数は、多項式(たとえば、定数、線形、非線形、二次、三次等)、有理、平方根等、代数関数であり得る。1つ又は複数の関数は、指数、双曲線、対数、冪、周期(たとえば、三角等)等、超越関数であり得る。コントローラは、流れパラメータ変化データの選択された部分に対して、回帰分析、内挿法、外挿法、線形最小二乗法、非線形最小二乗法、全体最小二乗法、線形単回帰分析、ロバスト線形単回帰分析、多項式回帰、直交回帰、デミング回帰、線形セグメント化回帰、回帰希釈等の非限定的な技法例を含むことができる、1つ又は複数の関数を当てはめる種々の直線及び/又は曲線当てはめ技法を実施することができる。少なくとも上記のものを含む1つ又は複数の関数は、曲線を生成することができる。曲線は、線であり得る。本明細書に記載する線又は曲線は、複数の湾曲部、頂点及び/又は他の特徴を含むことができる。本明細書に記載する線は、直線、角度付き及び/又は水平であり得る。本明細書に記載する線は、最良適合線であり得る。
【0379】
一構成では、コントローラは、流れパラメータ変化データの選択された部分に、直線等の線形関数を当てはめることを含むことができる、線の最小二乗適合を実施することができる。たとえば、直線は
【数1】
によって表すことができ、式中、mは線の平均値であり、sは傾きであり、tは線形に増加する正規化された時間パラメータである。一構成では、tは、使用される最も古いデータ点においてマイナス1に等しく、且つ使用される最新のデータ点において1に等しい、線形に増加する正規化された時間パラメータであり得る。一構成では、コントローラは、流れパラメータ変化データの選択された部分に、水平線を当てはめることができる。水平性は、選択された部分を表すか又はそれに関連する流れパラメータ変化データの平均であり得る。たとえば、水平線は、mが平均値である場合、
【数2】
によって表すことができる。
【0380】
ステップ2614において、コントローラは、患者換気量の尺度を生成する。患者換気量の尺度は、主に、患者換気量に関連することができるが、幾分かのノイズを含む可能性がある。コントローラは、ステップ2612において、流れパラメータ変化データの選択された部分に対する関数当てはめの下の面積を求めることにより、フローボリュームパラメータ又はボリューム測定値とも称する、瞬間的な患者換気量の尺度を生成することができる。一構成では、コントローラは、ステップ2612において、流れパラメータ変化データに対する関数当てはめによって生成される曲線の下の面積を求めることにより、瞬間的な患者換気量の尺度を生成することができる。一構成では、コントローラは、ステップ2612において、1つ若しくは複数の関数又は1つ若しくは複数の関数によって生成される曲線の絶対値の下の面積を求めることにより、瞬間的な患者換気量の尺度を生成することができる。これは、ステップ2612において1つ若しくは複数の関数又は1つ若しくは複数の関数によって生成される曲線の絶対値の積分を取ることによって求めることができる。1つの非限定的な例では、これは、以下に示す式で表される。
【数3】
【0381】
毎分患者換気量を表すように、瞬間的な患者換気量の尺度(V
O)に1分を掛けることができる。瞬間的な患者換気量の尺度を経時的にフィルタリングして、患者接続を決定するために使用することができる患者換気量の尺度を生成することができる。患者換気量の尺度は、ボリュームの尺度であり得る。患者換気量の尺度は、
【数4】
によって表すことができる。フィルタ係数は、およそ1分に関連するデータが使用されるように設定することができる。より長いフィルタ係数を使用して、患者接続の決定をより信頼性の高いものとすることができるが、その構成は、患者の接続及び切離しに反応するのにより低速である可能性がある。
【0382】
ステップ2616において、コントローラは、総信号変動の尺度を生成する。総信号変動の尺度は、呼吸システムの電子回路、信号ノイズ、環境、患者呼吸、患者換気、患者の動きからもたらされるノイズ、及び/又は患者から生じるか若しくは生じない他のノイズを含む可能性がある。コントローラは、ステップ2608において生成された流れパラメータ変化データから、瞬間的な総信号変動の尺度を生成することができる。コントローラは、流れパラメータ変化データの絶対値を取ることにより、変動又は平均変動とも述べることができる、瞬間的な総信号変動の尺度を生成することができる。1つの非限定的な例では、これは、以下の式に表される。
【数5】
【0383】
一構成では、代わりに、流れパラメータ変化データの二乗を取ることにより、オフセットに対する各データ点を正にすることができる。しかしながら、流れパラメータ変化データの二乗を取ることにより、流れパラメータ変化データにおけるランダムな外れ値に起因して、間違った患者接続決定がもたらされる可能性がある。絶対値を利用することは、咳、あくび等からもたらされる可能性がある、流れパラメータ変化データにおける外れ値に対してより耐性があり得る。瞬間的な総信号変動の尺度(Vshort)に、VOと同様に1分を掛けることができる。瞬間的な総信号変動の尺度は、患者信号及びランダムノイズの両方からもたらされる流れパラメータ変化データにおける総変動を表すように見なすことができる。
【0384】
V
Oと同様に、瞬間的な総信号変動の尺度(V
short)を経時的にフィルタリングして、患者接続の決定を容易にするように総信号変動の尺度を生成することができる。総信号変動の尺度は、
【数6】
によって表すことができる。フィルタ係数は、およそ1分に関連するデータが使用されるように設定することができる。より長い係数を使用して患者接続の決定をより信頼性の高いものとすることができるが、その構成は、患者の接続及び切離しに反応するのにより低速である可能性がある。一構成では、患者換気量の尺度
【数7】
は、0以上であり得る総信号変動の尺度
【数8】
以上であり得る。患者換気量の尺度
【数9】
は、主に患者の毎分換気量に関連する可能性があり、総信号変動の尺度
【数10】
は、患者の毎分換気量及びランダムノイズの両方に関連する可能性があるため、コントローラは、ステップ2618において、
図27及び
図28に示すように2つの値を比較することにより患者接続を決定することができる。
【0385】
接続ステータスの決定
図25Bに示すように、コントローラは、上述したフィルタリングされた特徴を使用して、患者接続ステータスの4つのカテゴリ、すなわち、患者が呼吸システムから切り離されているか、呼吸システムに接続中であるか、接続されているか、又は呼吸システムから切離し中であるかを決定することができる。この評価は、主なフィルタリングされた特徴を1つ又は複数の特徴閾値(上述したような1に近いか又は1よりもわずかに小さい閾値等)と比較することによって行うことができる。患者が接続されているか又は切り離されているという決定に達するために、主なフィルタリングされた特徴は、閾値を上回るか又は下回らなければならない。閾値は、主なフィルタリングされた特徴における最近の変化、流れコンダクタンスにおける最近の変化に先行して計算された和、及び/又は、信号が純粋なノイズ、すなわち、患者が接続されていないときの特徴の既知の値を含む場合の特徴の値をさらに分析することによって、決定することができる。
【0386】
判断ステップ2530において、コントローラは、患者が呼吸システムに以前は接続されていた又は切離しのプロセスにある(すなわち、依然として接続されている)か否かを判断することができる。患者が以前は接続されていた又は切離し中ではない場合、すなわち、患者が切り離されているか又は接続中である場合、ステップ2542において、コントローラは、主なフィルタリングされた特徴が第1閾値よりも大きい又は患者が所定量の時間接続中であるか否かを判断することができる。主なフィルタリングされた特徴が第1閾値よりも大きい場合、又は患者が少なくとも所定量の時間呼吸システムに接続中である場合、ステップ2550において、コントローラは、患者が呼吸システムに接続されていると決定することができる。
【0387】
主なフィルタリングされた特徴が第1閾値以下である場合、且つ/又は、患者が少なくとも所定量の時間呼吸デバイスに接続中ではない場合、ステップ2544において、コントローラは、主なフィルタリングされた特徴が、第1閾値よりも低い第2閾値よりも大きいか否かを判断することができる。主なフィルタリングされた特徴が第2閾値未満である場合、ステップ2546において、コントローラは、患者が切り離されていると決定することができる。主なフィルタリングされた特徴が第2閾値よりも大きいが、第1閾値以下である(すなわち、第1閾値と第2閾値との間である)場合、ステップ2548において、コントローラは、患者が呼吸システムに接続中であると決定することができる。
【0388】
患者が以前は接続されていたか又は切離し中である場合、ステップ2532において、コントローラは、主なフィルタリングされた特徴が第3閾値未満であるか又は患者が所定量の時間切離しのプロセスにあるか否かを判断することができる。主なフィルタリングされた特徴が第3閾値よりも低い場合、又は患者が所定量の時間切離し中である場合、ステップ2543において、コントローラは、患者が切り離されていると決定することができる。
【0389】
主なフィルタリングされた特徴が第3閾値以上である場合、且つ/又は患者が所定量の時間切離し中ではない場合、ステップ2536において、コントローラは、主なフィルタリングされた特徴が、第3閾値よりも高い第4閾値よりも低いか否かを判断することができる。主なフィルタリングされた特徴が、第4閾値よりも低いが、第3閾値以上である(すなわち、第3閾値と第4閾値との間である)場合、ステップ2538において、コントローラは、患者が呼吸システムから切離し中であると決定することができる。主なフィルタリングされた特徴が第4閾値以上である(又はそれよりも高い)場合、ステップ2540において、コントローラは、患者が接続されていると決定することができる。
【0390】
第1閾値及び第4閾値は、同じであっても異なっていてもよい(たとえば、第4閾値は第1閾値よりも低くてもよい)。第2閾値及び第4閾値は、同じであっても異なっていてもよい(たとえば、第4閾値は第2閾値よりも低くてもよい)。第1閾値と第2閾値との差及び第3閾値と第4閾値との差の絶対値は、同じであっても異なっていてもよい。
【0391】
図25Bに示すプロセスにより、コントローラが、たとえば、患者が依然として呼吸システムへの接続又は呼吸システムからの切離しのプロセスにあると決定することにより、主なフィルタリングされた特徴が少量だけ閾値を一時的に超えることに基づいて患者が接続されているか又は切り離されていると決定しないことが確実になる。主なフィルタリングされた特徴が閾値を超えるが、著しい量は超えない場合、患者は、接続中又は切離し中であると決定される。さらに、患者が、ある一定量の時間、接続中であるか又は切離し中であると決定される場合、その決定は、主なフィルタリングされた特徴が特徴閾値を著しく上回るか又は下回る必要なしに、接続されているか又は切り離されているという決定に切り替わることができる。
【0392】
図27に示すように、コントローラは、
図26を参照して上述した生成された患者換気量の尺度
【数11】
と総信号変動の尺度
【数12】
とを使用して、患者接続ステータス、たとえば、患者が呼吸システムに接続されているか又は呼吸システムから切り離されているかを決定することができる。この決定は、
患者換気量の尺度
【数13】
と総信号変動の尺度
【数14】
とを比較することによって行うことができる。患者換気量の尺度
【数15】
と総信号変動の尺度
【数16】
とが同様である場合、コントローラは、信号変化の大部分が患者によってもたらされ、したがって、患者は接続又は連結されていると決定することができる。患者換気量の尺度
【数17】
と総信号変動の尺度
【数18】
とが著しく異なる(たとえば、
【数19】
である)場合、コントローラは、信号変化の大部分がランダムノイズによってもたらされ、したがって、患者は接続又は連結されていないと決定することができる。
【0393】
一構成では、瞬間的な患者換気量の尺度(V
O)と総信号変動の尺度(V
short)とが同様である場合、コントローラは、信号変化の大部分が患者によってもたらされ、したがって、患者は接続又は連結されていると決定することができる。一構成では、瞬間的な患者換気量の尺度(V
O)と総信号変動の尺度(V
short)とが著しく異なる(たとえば、V
short>>V
Oである)場合、コントローラは、信号変化の大部分がランダムノイズによってもたらされ、したがって、患者は接続又は連結されていないと決定することができる。患者換気量の尺度
【数20】
と総信号変動の尺度
【数21】
との関係は、
【数22】
と
【数23】
との比(又は一部それを含むこと)によって求めることができる、患者連結尺度(σ)によって表すことができる。非限定的な例では、以下の式を使用して、患者連結尺度(σ)を計算することができる。
【数24】
【0394】
患者連結尺度(σ)は、一部、補正係数を使用することによって求めることができる。補正係数は、各々が異なる方法で計算される、瞬間的な患者換気量の2つ以上の尺度(V
O)を比較することによって、求めることができる。補正係数は、各々が異なる方法で計算される、患者換気量の2つ以上の尺度
【数25】
を比較することによって、求めることができる。一構成では、補正係数は、患者の呼吸流の円滑さを示すものとして使用することができる。患者連結尺度(σ)は、信号対雑音比(SNR)に関連することができる。1つの非限定的な例では、この関係は以下の式によって表すことができる。
【数26】
【0395】
信号対雑音比(SNR)がゼロであるとき、患者連結尺度(σ)はゼロであり得る。信号対雑音比(SNR)がゼロに近づくと、患者連結尺度(σ)はゼロに近づくことができる。信号対雑音比(SNR)が無限であるとき、患者連結尺度(σ)は1であり得る。信号対雑音比(SNR)が無限に近づくと、患者連結尺度(σ)は1に近づくことができる。患者連結尺度(σ)を使用して、患者連結尺度(σ)を1つ又は複数の閾値と比較することによって患者接続を決定することができる。コントローラはまた、別法として、患者連結尺度、補正係数、患者毎分換気量の任意の尺度、又はそれらの任意の組合せを所定の閾値に対して比較することにより、患者が呼吸システムに接続されているか否かを判断することができる。この組合せは、平均値又は任意の重み付き平均値に基づくことができる。補正係数及び/又は毎分換気量の尺度は、患者が切り離されているときは0に向かう傾向があり、したがって、患者が呼吸システム接続されている場合はある一定の閾値を超えるはずである。
【0396】
図27に示すように、コントローラは、判断ステップ2702において、患者が以前は呼吸システムに接続されていたか又は呼吸システムから切り離されていたか否かを判断することができる。患者が以前は切り離されていた場合、ステップ2704において、コントローラは、たとえば、患者換気量の尺度
【数27】
と総信号変動の尺度
【数28】
との比であり得る患者連結尺度(σ)が、接続閾値を超えるか否かを判断することができる。患者連結尺度(σ)が接続閾値を超える場合、コントローラは、ステップ2706において、患者が接続されていると決定する。患者連結尺度(σ)が接続閾値を超えない場合、コントローラは、ステップ2708において、患者が切り離されていると決定する。接続閾値は、信号対雑音比に対応する値に設定することができ、その値を上回ると、変動がすべてランダムノイズによって生成されるわけではないことを確実に想定することができる。
【0397】
一構成では、接続閾値は、33%の信号対雑音比に対応する値に設定することができる。一構成では、接続閾値は、33%を下回るか又は上回る信号対雑音比に対応する値に設定することができる。一構成では、ステップ2704において、コントローラは、患者連結尺度(σ)が、接続閾値又は別の閾値を設定期間連続的に超えるか否かを判断することができる。この期間は、数秒間等、短い期間のデータが、期間の最後までに、約80%の減衰等、減衰することになるというものであり得る。これにより、有利に、数秒間の誤ったデータが、患者接続の間違った決定をもたらすのを防止することができる。
【0398】
患者が以前は接続されていた場合、ステップ2710において、コントローラは、患者連結尺度(σ)が切離し閾値を下回っているか否かを判断することができる。患者連結尺度(σ)が切離し閾値を下回っている場合、コントローラは、ステップ2714において、患者が切り離されていると決定する。患者連結尺度(σ)が切離し閾値を下回っていない場合、コントローラは、ステップ2712において、患者が接続されていると決定する。切離し閾値は、接続閾値を下回る。切離し閾値は、変化が、ランダムノイズによってのみもたされていると確実に想定することができる値に設定することができる。一構成では、ステップ2710において、コントローラは、患者連結尺度(σ)が設定期間連続的に切離し閾値を下回るか否かを判断することができる。この期間は、数秒間等、短期間のデータが、期間の最後までに減衰することになるものであり得る。これにより、有利に、数秒間の誤ったデータが、患者接続の間違った決定をもたらすのを防止することができる。
【0399】
図28に示すように、コントローラは、上述した患者連結尺度(σ)を使用して、患者接続ステータスの4つのカテゴリ、すなわち、患者が、呼吸システムから切り離されているか、呼吸システムに接続中であるか、接続されているか、又は呼吸システムから切離し中であるかを決定することができる。この評価は、比ととも述べられる患者連結尺度(σ)を1つ又は複数の閾値と比較することによって行うことができる。患者が接続されているか又は切り離されているという決定に達するために、患者連結尺度(σ)は、閾値を上回るか又は下回らなければならない。
【0400】
判断ステップ2830において、コントローラは、患者が、呼吸システムに以前は接続されていた又は切離しのプロセスにある(すなわち、依然として接続されている)か否かを判断することができる。患者が以前は接続されていた又は切離し中ではない場合、すなわち、患者が切り離されているか又は接続中である場合、ステップ2842において、コントローラは、患者連結尺度(σ)が第1閾値よりも大きい又は患者が所定量の時間接続中であるか否かを判断することができる。患者連結尺度(σ)が第1閾値よりも大きい場合、又は患者が少なくとも所定量の時間呼吸システムに接続中である場合、ステップ2850において、コントローラは、患者が呼吸システムに接続されていると決定することができる。
【0401】
患者連結尺度(σ)が第1閾値以下である場合、且つ/又は、患者が少なくとも所定量の時間呼吸システムに接続中ではない場合、ステップ2844において、コントローラは、患者連結尺度(σ)が、第1閾値よりも低い第2閾値よりも大きいか否かを判断することができる。主なフィルタリングされた特徴が第2閾値未満である場合、ステップ2846において、コントローラは、患者が切り離されていると決定することができる。患者連結尺度(σ)が第2閾値よりも大きいが、第1閾値以下である(すなわち、第1閾値と第2閾値との間にある)場合、ステップ2848において、コントローラは、患者が呼吸システムに接続中であると決定することができる。
【0402】
患者が以前は接続されていたか又は切離し中である場合、ステップ2832において、コントローラは、患者連結尺度(σ)が第3閾値未満であるか又は患者が所定量の時間切離しのプロセスにあるか否かを判断することができる。患者連結尺度(σ)が第3閾値よりも低い場合、又は患者が所定量の時間切離し中である場合、ステップ2834において、コントローラは、患者が切り離されていると決定することができる。
【0403】
患者連結尺度(σ)が第3閾値以上である場合、且つ/又は、患者が所定量の時間切離し中でない場合、ステップ2836において、コントローラは、患者連結尺度(σ)が、第3閾値よりも高い第4閾値よりも低いか否かを判断することができる。患者連結尺度(σ)が、第4閾値よりも低いが、第3閾値以上である(すなわち、第3閾値と第4閾値との間である)場合、ステップ2838において、コントローラは、患者が呼吸システムから切離し中であると決定することができる。患者連結尺度(σ)が第4閾値以上である(又はそれよりも高い)場合、ステップ2840において、コントローラは、患者が接続されていると決定することができる。
【0404】
第1閾値及び第4閾値は、同じであっても異なっていてもよい(たとえば、第4閾値は第1閾値よりも低くてもよい)。第2閾値及び第4閾値は、同じであっても異なっていてもよい(たとえば、第4閾値は第2閾値よりも低くてもよい)。第1閾値と第2閾値との差及び第3閾値と第4閾値との差の絶対値は、同じであっても異なっていてもよい。
【0405】
図28に示すプロセスにより、コントローラが、たとえば、患者が依然として呼吸システムへの接続又は呼吸システムからの切離しのプロセスにあると決定することにより、患者連結尺度(σ)が少量だけ閾値を一時的に超えることに基づいて患者が接続されているか又は切り離されていると決定しないことが確実になる。患者連結尺度(σ)が閾値を超えるが、著しい量は超えない場合、患者は、接続中又は切離し中であると決定される。さらに、患者が、ある一定量の時間、接続中であるか又は切離し中であると決定される場合、その決定は、患者連結尺度(σ)が特徴閾値を著しく上回るか又は下回る必要なしに、接続されているか又は切り離されているという決定に切り替わることができる。
【0406】
図27及び
図28を参照して説明したシステム及び方法は、
図25A及び
図25Bを参照して説明したシステム及び方法よりも、患者接続を決定するのに信頼性が高いものであり得る。
【0407】
患者換気量の代理(proxy)尺度の生成
コントローラは、患者換気量の尺度
【数29】
に基づいて患者換気量の代理尺度(V)を生成することができる。別法として、コントローラは、以下の関数に表すように、患者連結尺度(σ)と総信号変動の尺度
【数30】
とに基づいて、患者換気量の代理尺度(V)を生成することができる。患者の毎分換気量は、以下のように、処理済みの流れの変化の絶対を使用して、患者自身によってもたらされたこれらの変化の推定された比を考慮することによって、推定することができる。
【数31】
【0408】
使用される関数は、患者換気量の実際の尺度とともに本明細書で詳述した尺度を利用することにより、機械学習を通して生成することができる。
【0409】
患者換気量の代理尺度(V)は、実際の毎分患者換気量とともに、カニューレと患者の鼻との間等、呼吸システムにおける流路及び/又は流れ制限のプロファイル等の他の要素に関連することができる。一構成では、実際の患者毎分換気量は、患者換気量の代理尺度(V)のみからは計算することができず、要素の尺度を必要とする。一構成では、患者換気量の代理尺度(V)は、呼吸システムにおける流路、流れ制限のプロファイル及び/又は他の要素等の他の要素とともに、実際の毎分患者換気量に変換されるか又は近いものであり得る。患者換気量の代理尺度(V)の変化は、同じ鼻カニューレを用いる同じ患者に対する実際の患者毎分換気量の実際の変化に相関することができる。したがって、患者換気量の代理尺度(V)における傾向を使用して、患者の実際の毎分換気量における同様の傾向を示すことができる。さらに、毎分換気量における傾向を分析することにより患者接続の決定を組み込むことができ、それにより、毎分換気量における傾向は、患者が接続されていると決定された期間に対応する患者換気量の代理尺度(V)のみを使用して評価される。患者換気量の代理尺度(V)は、呼吸システムの有効な使用に役立つさらなる用途を有することができる。
【0410】
呼吸検出プロセスの応用例
患者が患者インタフェースに接続されているか否かの判断は、呼吸数決定の精度について、且つ/又は他の目的で通知することができる。他の目的のうちの1つは、アドヒアランス追跡のプロセスのためである。アドヒアランス追跡は、特に保険金支払いの目的で、患者コンプライアンスを測定するための重要な要素である。アドヒアランス追跡は、ユーザ、臨床医、保険会社等に、患者が接続されているか否かを通知し、患者が意図されるように指示された療法を使用しているか否かを通知する、コンプライアンス測定の一部である。患者コンプライアンスの側で誤りがあるために、すなわち、患者コンプライアンスを過小評価するよりも過大評価する方が好ましく、患者が患者インタフェースに接続されているものとして検出されるいかなる時点も、療法が遵守された瞬間として呼吸デバイスの電子メモリにログ記録することができる。
【0411】
呼吸デバイスは、患者がデバイスに接続されていた時間の総量のログ、及び/又はデバイスがどれくらいの間オンとなっていたかのログを維持することができ、アドヒアランスは、デバイスがオンとなっていた持続時間の割合である。デバイスは、患者接続ステータスカテゴリの各々の持続時間をログ記録することができる。アドヒアランスに関連するデータは、より高レベルの設定メニューを通してアクセス可能であってもよい。メニューは、患者がアクセスしないようにパスワードで暗号化し、且つ/又は他の方法で保護することができる。コンプライアンスデータは、サーバに伝送されるようにログ記録され、且つ/又は呼吸デバイスを第2デバイス(コンピュータ又はUSB等)に接続することによりダウンロードされるように利用可能であってもよい。
【0412】
呼吸デバイスは、患者が切り離されたときに警報を発生させることができる。警報は、即座に、又は患者が切り離されたという決定の事前設定時間後に発生させることができる。事前設定時間は、約10秒~約10分、又は約30秒~5分、又は約1分~約2分であり得る。警報は、さらに、ナースコールポートに出力することができる。警報が発生した後、デバイスは、たとえば呼吸デバイスのユーザインタフェースを介して、患者がデバイスから切り離されたか否かを確認するオプションをユーザに提供することができる。患者が依然としてデバイスに接続されている場合、ユーザは、患者が切り離されたというコントローラの決定を手動で無効にするオプションを使用することができる。無効オプションにより、たとえば、患者がデバイスに接続されているが浅く呼吸している可能性がある場合、誤検知検出を低減させることができる。デバイスのコントローラは、患者接続決定を使用して、ある特定のパラメータを表示するべきか否かを判断することができる。たとえば、コントローラは、患者の呼吸数の推定値を受信することができ、患者が接続されていると決定された場合に呼吸数推定を表示することができる。コントローラは、患者が接続されているか否かの決定が表示されるようにすることも可能である。たとえば、デバイスは、患者が接続されていると判断された場合に呼吸数推定値を表示し、患者が接続されていると判断されない場合に、患者接続を確認することができないという記号及び/又は通知を表示することができる。これにより、表示される呼吸数推定値の信頼性を向上させることができる。
【0413】
デバイスはまた、患者が接続されていると決定された場合、ガスの送達を患者の呼吸と同期させようとすることも可能である。呼吸同期は、患者が息を吸っているときに流量を増大させ、且つ/又は患者が息を吐いているときに流量を低減させること等により、患者の呼吸周期の位相と一致する位相を有するように、流れ供給源(流れ発生器等)を調整することを含むことができる。流量、ブロワモータ速度及び/又はシステム圧等、1つ又は複数の測定されたパラメータを使用して、患者呼吸周期を決定することができる。呼吸同期のさらなる詳細は、全体が参照により本明細書に援用される、2017年5月17日に出願された国際公開第2017/200394号に見い出すことができる。
【0414】
デバイスは、患者が切り離されているときにのみある特定の患者パラメータの記録を一時停止するように構成することができる。そうした患者パラメータとして酸素効率を上げることができ、それは、患者の測定された血中酸素飽和度(SpO2)の値と患者に送達される酸素の測定分画(FdO2)の値とに基づいて計算することができる。酸素効率は又は、患者の測定されたSpO2を測定されたFdO2によって割った値に基づいて求めることができる。酸素効率は、患者の測定されたSpO2と測定されたFdO2との非線形関係に基づいて求めることができる。デバイスは、酸素効率を使用してガスの流量を制御する1つ又は複数の閉ループ制御システムを実装することができる。患者切離し検出もまた、閉ループ制御等、酸素送達制御に供給することができる。患者が一時的に患者インタフェースを外す場合、患者の酸素飽和度が低下する可能性があり、呼吸デバイスのコントローラは、患者に送達すべきガスの混合物における酸素濃度を上昇させ始めることができる。デバイスは、患者に対して目標SpO2値を達成するために、FdO2を自動的に調整することができる。患者インタフェースが患者に再度取り付けられると、ガス流における酸素濃度は高い可能性があり、それにより患者の酸素飽和度が急上昇することになり、それは患者に有害である可能性がある。患者切離し検出を、デバイスの酸素送達制御を考慮することができ、それにより、コントローラは、患者がデバイスから切り離されたと決定されたとき、酸素送達の増大を開始しないか、又は、コントローラは、所定の値に切り替わる。デバイスはまた、患者が切り離されたと決定されると、空気と混合される酸素又は他の呼吸可能ガスの送達を停止するように弁を閉鎖するように構成することができる。酸素又は他の呼吸可能ガスの入口への弁を閉鎖することにより、治療を提供するコストを削減し且つ/又はユーザの安全性を向上させることができる。
【0415】
さらに又は別法として、デバイスは、患者が切り離されていると決定されると、流量を低減させ、加湿チャンバの加熱素子への電力を低減させるか若しくはオフにし、且つ/又は患者呼吸導管の加熱素子への電力を低減させるか若しくはオフにするように構成することができる。流量の低減によりノイズを低減させることができる。流量の低減、並びに/又は加湿チャンバ及び/若しくは患者呼吸導管の加熱素子への電力の低減若しくはオフにすることにより、デバイスの電力消費量を低減させることができ、それにより、バッテリ寿命及び/又はデバイスの別の電源の寿命を長くすることができる。さらに又は別法として、デバイスは、患者が切り離されていると決定されると、初期期間、流量を増大させるように構成することができる。流量の増大により、患者検出プロセスの信頼性を向上させることができる。流量増大の初期期間を使用して、患者がデバイスから実際に切り離されたことを確認し、すなわち、誤検出を低減させることができる。コントローラが、患者が相対的に高い流量で切り離されていると決定した場合、デバイスは、上述したように他の措置を取ることができる(たとえば、いくつかの制御アルゴリズムを停止する、警報を出力する、流量を低減させる、加湿チャンバ及び/又は患者呼吸導管の加熱素子への電力を低減させるか又はオフにする等)。初期期間は、たとえば、約10秒間~約10分間、又は約30秒間~5分間、又は約1分間~2分間であり得る。デバイスは、患者がデバイスに再度接続されたと決定されると、通常の動作、たとえば、流量を増大させること並びに/又は加湿チャンバ及び/若しくは患者呼吸導管の加熱素子への電力をオンにすること等を再開することができる。
【0416】
用語
別段文脈から明らかに必要でない限り、明細書及び特許請求の範囲を通して、「備える、含む」、「備えている、含んでいる」等の語は、排他的又は網羅的な意味とは対照的な包括的な意味で、すなわち、「含むが限定されない」という意味で解釈されるべきである。
【0417】
本開示は、いくつかの実施形態及び例に関して記載したが、当業者であれば、本開示が、具体的に開示した実施形態を超えて他の代替実施形態及び/又は使用並びにそれらの明らかな変更形態及び均等物まで拡大することが理解されよう。さらに、本開示の実施形態のいくつかの変形形態を詳細に示し且つ記載したが、当業者には、本開示の範囲内にある他の実施形態が容易に明らかとなろう。実施形態の所定の特徴及び態様のさまざまなコンビネーション又はサブコンビネーションが作成され、依然として本開示の範囲内にあり得ることも企図されている。たとえば、1つの実施形態に関連して上述した特徴を、本明細書に記載する異なる実施形態で使用することができ、そのコンビネーションは依然として本開示の範囲内にある。本開示の実施形態のさまざまなモードを形成するために、開示した実施形態のさまざまな特徴及び態様を互いに組み合わせるか又は置き換えることができることが理解されるべきである。したがって、本明細書における開示の範囲は、上述した特定の実施形態によって限定されるべきではないことが意図されている。したがって、別段の定めのない限り、又は明確に矛盾しない限り、本発明の各実施形態は、本明細書に記載したその本質的な特徴に加えて、本明細書に記載した本発明の各他の実施形態からの本明細書に記載した1つ又は複数の特徴を含むことができる。
【0418】
特定の態様、実施形態又は例に関連して記載した特徴、材料、特性又は群は、本セクション又は本明細書の他の部分に記載したいかなる他の態様、実施形態又は例にも、矛盾しない限り適用可能であると理解されるべきである。(任意の添付の特許請求の範囲、要約及び図面を含む)本明細書に開示する特徴のすべて、及び/又はそのように開示する任意の方法若しくはプロセスのステップのすべては、そうした特徴及び/又はステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組合せを除いて、任意の組合せで組み合わせることができる。保護は、いかなる上述した実施形態の詳細にも制限されない。保護は、(任意の添付の特許請求の範囲、要約及び図面を含む)本明細書に開示する特徴のうちの任意の新規なもの若しくは任意の新規な組合せ、又はそのように開示する任意の方法若しくはプロセスのステップのうちの任意の新規なもの若しくは任意の新規な組合せに及ぶ。
【0419】
さらに、別個の実装態様に関連して本開示に記載したいくつかの特徴は、単一の実装態様で組み合わせて実施することも可能である。逆に、単一の実装態様に関連して記載したさまざまな特徴は、複数の実装態様で個別に又は任意の好適なサブコンビネーションで実施することも可能である。さらに、特徴について、いくつかコンビネーションで機能するものとして上述している場合があるが、請求項に係るコンビネーションからの1つ又は複数の特徴は、場合によりそのコンビネーションから削除することができ、そのコンビネーションは、サブコンビネーション又はサブコンビネーションの変形形態として特許請求することができる。
【0420】
さらに、動作は、特定の順序で図面に示すか又は明細書に記載している場合があるが、所望の結果を達成するために、こうした動作は、示されている特定の順序で又は連続した順序で実施されること、又はすべての動作が実施されることは必須ではない。図示も記載もされていない他の動作を、方法及びプロセス例に組み込むことができる。たとえば、記載した動作のうちの任意のものの前に、後に、それと同時に、又はそれらの間に、1つ又は複数の追加の動作を実施することができる。さらに、他の実施態様において、動作を配置し直すか又は順序を設定し直すことができる。当業者であれば、いくつかの実施形態において、例示及び/又は開示したプロセスにおいて行われる実際のステップが、図に示したものとは異なる場合があることが理解されよう。実施形態に応じて、上述したステップのうちのいくつかを除去することができ、他のものを追加することができる。さらに、上に開示した具体的な実施形態の特徴及び属性を異なる方法で組み合わせて、追加の実施形態を形成することができ、それらのすべてが本開示の範囲内にある。また、上述した実施態様におけるさまざまなシステム構成要素の分離は、すべての実施態様においてこうした分離が必要であるものと理解されるべきではなく、記載した構成要素及びシステムは、概して、単一製品に併せて組み込むか又は複数の製品にパッケージ化することができることが理解されるべきである。
【0421】
本開示の目的で、本明細書において、いくつかの態様、利点及び新規な特徴を記載している。こうした利点の必ずしもすべてが、任意の特定の実施形態に従って達成され得るとは限らない。したがって、たとえば、当業者であれば、本開示を、本明細書において教示又は示唆されている可能性がある他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書に教示する1つの利点又は利点群を達成するように、具現化又は実施することができることが理解されよう。
【0422】
「できる」、「場合がある」、「可能性がある」等、条件付きの言い回しは、特に別段の定めのない限り、又は使用される文脈で別段の理解のない限り、概して、ある特徴、要素及び/又はステップを、ある実施形態は含むが、他の実施形態は含まないことを意味するように意図される。したがって、こうした条件付きの言い回しは、概して、特徴、要素及び/又はステップが1つ又は複数の実施形態にいかなるようにも必須であり、又は、1つ又は複数の実施形態が、ユーザ入力又は指示の有無にかかわらず、これらの機能、要素及び/又はステップが任意の特定の実施形態において含まれるか若しくは実施されるか否かを判定するロジックを必ず含むことを意味するようには意図されない。
【0423】
本明細書で用いる場合の「およそ」、「約」、「概して」及び「実質的に」という用語等、本明細書で用いる程度の言い回しは、述べられている値、量又は特徴に近い、依然として所望の機能を実施するか又は所望の結果を達成する、値、量又は特徴を表す。たとえば、「およそ」、「約」、「概して」及び「実質的に」という用語は、述べられている量の10%未満の範囲内、5%未満の範囲内、1%未満の範囲内、0.1%未満の範囲内、0.01%未満の範囲内にある量を指すことができる。
【0424】
本開示の範囲は、このセクションにおける又は本明細書の別の部分における実施形態の具体的な開示によって限定されるようには意図されておらず、このセクションで若しくは本明細書の別の部分で提示される、又は今後提示される、特許請求の範囲によって規定され得る。特許請求の範囲の言い回しは、特許請求の範囲で採用されている言い回しに基づいて広く解釈され、本明細書において又は本出願の手続き中に記載される例に限定されるべきではなく、これらの例は非排他的であると解釈されるべきである。
【国際調査報告】