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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-22
(54)【発明の名称】ピストン機構
(51)【国際特許分類】
   F01B 9/04 20060101AFI20220415BHJP
   F02B 67/00 20060101ALI20220415BHJP
【FI】
F01B9/04
F02B67/00 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021552695
(86)(22)【出願日】2020-02-24
(85)【翻訳文提出日】2021-10-18
(86)【国際出願番号】 GB2020050434
(87)【国際公開番号】W WO2020183127
(87)【国際公開日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】1903301.8
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516060314
【氏名又は名称】ニューレノアー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】ライアン ボーウェン
(57)【要約】
ピストンと、軸の周りに回転可能であり、第1の係合プロフィールを有する回転要素と、ピストンに連結された第1の連結要素、固定点の周りに枢動可能であり、第1の連結要素に枢動式に連結された第2の連結要素、および第1および/または第2の連結要素に結合され、回転要素の第1の係合プロフィールと機械的に係合および係合解除するように構成された第2の係合プロフィールを備える機構とを具備するピストン機構を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピストンと、
軸の周りに回転可能であり、第1の係合プロフィールを有する回転要素と、
前記ピストンに連結された第1の連結要素、
固定点の周りに枢動可能であり、前記第1の連結要素に枢動式に連結された第2の連結要素、及び
前記第1および/または第2の連結要素に結合され、前記回転要素の前記第1の係合プロフィールと機械的に係合および係合解除するように構成された第2の係合プロフィール
を有する
機構と、
を備えているピストン機構。
【請求項2】
前記第2の係合プロフィールが、複数の第2の歯を備えている請求項1に記載のピストン機構。
【請求項3】
前記第2の歯の少なくとも2つが、異なる寸法を有している請求項2に記載のピストン機構。
【請求項4】
前記複数の第2の歯が、ラックとして配置されている請求項1から3のいずれか一項に記載のピストン機構。
【請求項5】
前記第1の係合プロフィールが、複数の第1の歯を備えている請求項1から4のいずれか一項に記載のピストン機構。
【請求項6】
前記回転要素が扇形歯車とされている請求項1から5のいずれか一項に記載のピストン機構。
【請求項7】
前記第1の係合プロフィールと前記第2の係合プロフィールとが、前記固定点と前記軸との間の箇所で係合している請求項1から6のいずれか一項に記載のピストン機構。
【請求項8】
前記第1の係合プロフィールと前記第2の係合プロフィールとが係合したとき、前記第2の連結部材が前記固定点周りに第1の角度方向に回転し、前記回転要素が前記軸周りに第2の角度方向に回転し、前記第1の角度方向が前記第2の角度方向とは反対である請求項1から7のいずれか一項に記載のピストン機構。
【請求項9】
トラック軸の周りに回転するように配置されたトラックをさらに備え、
前記ピストンが前記トラックに結合され、
前記トラックと前記回転要素とが、共に回転する請求項1から8のいずれか一項に記載のピストン機構。
【請求項10】
前記ピストンが、前記第1および/または第2の連結要素に結合されたフォロアを介して前記トラックに結合され、
前記フォロアが、前記トラックの表面に沿って走行するように配置されている請求項9に記載のピストン機構。
【請求項11】
前記フォロアが、前記第1の連結要素と前記第2の連結要素との間の前記枢動連結部において前記第1の連結要素および前記第2の連結要素に結合されている請求項10に記載のピストン機構。
【請求項12】
前記トラックが、前記トラックに結合された前記ピストンの運動が実質的に非単調和になるように形状設定されている請求項9から11のいずれか一項に記載のピストン機構。
【請求項13】
前記ピストンが、前記回転要素の回転毎に往復運動を2回行う請求項1から12のいずれか一項に記載のピストン機構。
【請求項14】
前記ピストンが第1のピストンであり、
第2のピストンと、
前記第2のピストンに連結された別の第1の連結要素と、
第2の固定点の周りに枢動可能であり、前記別の第1の連結要素に枢動式に連結された別の第2の連結要素と、
をさらに備え、
前記回転要素が、両前記第1の連結要素のそれぞれと機械的に係合および係合解除するように構成されている請求項1から13のいずれか一項に記載のピストン機構。
【請求項15】
前記第2のピストンと前記第1のピストンとが、対向関係に配置されている請求項14に記載のピストン機構。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載のピストン機構を備えている内燃機関。
【請求項17】
ピストンと、
トラックを備え、軸の周りに回転可能な回転要素と、
前記ピストンに連結された第1の連結要素、
固定点の周りに枢動可能であり、前記第1の連結要素に枢動式に連結された第2の連結要素、及び
前記トラックを辿るように配置され、前記第2の連結要素に結合された第1のフォロア
を有する
機構と、
を備えているピストン機構。
【請求項18】
前記第1のフォロアが、前記トラックの半径方向内側表面に係合することによって前記トラックを辿り、
前記第1および/または第2の連結要素に結合された第2のフォロアをさらに備え、
前記第2のフォロアが、前記トラックの半径方向外側表面上で前記トラックを辿る請求項17に記載のピストン機構。
【請求項19】
前記第2のフォロアが、前記第1の連結要素と前記第2の連結要素との間の前記枢動連結部において前記第1の連結要素および前記第2の連結要素に結合されている請求項18に記載のピストン機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピストン機構に関し、当該機構を取り入れた内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
流体の膨張を利用してピストンを駆動するエンジンの殆どが、コネクティングロッドを介してピストンに結合されたクランクシャフトを用いて、ピストンの往復運動を回転運動に変換する。ピストンから回転シャフトへ動力を伝達する別の機構が、開示されており、この開示では、ピストンが、フォロアによってトラック(track)に連結されている(特許文献1参照)。しかしながら、ピストンから回転シャフトへの動力伝達の向上が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2015/107330号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の態様によれば、請求項1で定義されるピストン機構が提供される。
【0005】
そのような機構によって、ピストンと回転要素とは、ピストンの駆動行程のより多くの部分について結合することができ、すなわち、ピストンからの動力のより多くの部分を回転要素に伝達することができる。これによって、全体として、より高効率の動力伝達を達成することができる。
【0006】
第2の係合プロフィールが、複数の第2の歯を備え得る。そのような機構は、第2の係合プロフィールの摩耗を低減させることができる。
【0007】
当該歯の少なくとも2つが、異なる寸法を有し得る。そのような構成によって、表面は、それぞれが第2の係合プロフィールと最適な角度で係合するように構成することができる。
【0008】
同様に、第1の係合プロフィールは、複数の第1の歯を備え得る。複数の第2の歯は、各歯の摩耗を低減させることを可能にする。
【0009】
第1および第2の係合プロフィールは、ラックおよび扇形歯車機構を形成することができる。
【0010】
第1の係合プロフィールと第2の係合プロフィールとが係合するとき、係合が、固定点と回転要素の回転軸との間の箇所で行われるようにすることができる。そのような配置は、2つの係合プロフィールをより確実に係合状態に保つために、第2の連結要素を圧縮することを可能にする。
【0011】
第1の係合プロフィールと第2の係合プロフィールとが係合したとき、第2の連結部材が、固定点周りに第1の角度方向に回転することができ、回転要素が、軸周りに第2の角度方向に回転することができ、第1の角度方向が第2の角度方向とは反対である。そのような機構によって、2つの係合プロフィールは円弧状に動くことができ、それら円弧は、ピストンサイクル中、必要な箇所でのみ係合し、その結果、2つのプロフィールの係合の向上を達成することができる。
【0012】
ピストン機構は、トラック軸の周りに回転するように配置されたトラックをさらに備え得、ピストンが前記トラックに結合され、トラックと回転要素とは共に回転する。そのような機構によって、トラックは、駆動行程以外の行程中のピストンをよりカスタマイズして動かすことを可能にする。
【0013】
ピストンが、第1および/または第2の連結要素に結合されたフォロアを介してトラックに結合され得、フォロアは、トラックの表面に沿って走行するように配置される。トラックをピストンに結合するのに第1の連結要素を使用することは、ピストンをトラックに結合するために固有の追加部材を必要とせず、したがって、そのような機構が重量軽減を実現することができることを意味する。
【0014】
フォロアは、第1の連結要素と第2の連結要素との間の枢動結合部において第1の連結要素および第2の連結要素に結合されるように配置され得る。別法として、フォロアは、第1の連結要素と第2の連結要素との間の枢動連結部から離れた点において、第2の連結要素に連結され得る。
【0015】
ピストン機構は、別の複数のフォロアをさらに備え得、各フォロアは、単一のトラックおよび/または複数の同軸トラックの表面に沿って走行するように配置される。複数のフォロアおよび複数のトラックを用いることによって、各トラックおよび各フォロアの摩耗を低減することを可能にすることができる。
【0016】
ピストン機構は、半径方向外側トラックと半径方向内側トラックとの間に配置された単一のフォロアを有し得、または、半径方向外側表面および半径方向内側表面を有する単一のトラックと、そのトラックの各表面に沿って少なくとも1つのフォロアが走行する2つの以上のフォロアとを有し得る。
【0017】
トラックは、プレートからの細長い突起として形成することができ、プレートは、トラック軸に対して垂直な面内で実質的に平坦である。したがって、トラックは、弾性的に形成することができる。別法として、トラックは、プレート内に陥凹させたチャネルとして形成してもよい。
【0018】
トラックは、トラックに結合されたピストンの運動が実質的に非単調和になるように形状設定することができる。これにより、ピストンの運動をよりカスタマイズすることを可能にすることができる。
【0019】
ピストンは、回転要素の回転毎に往復運動を2回行うことができる。これにより、本ピストン機構を4行程エンジンに使用することを可能にすることができる。
【0020】
上記ピストンが第1のピストンであり得、ピストン機構が、それぞれのシリンダ内で運動可能な第2のピストンと、第2のピストンに連結された別の第1の連結要素と、第2の固定点の周りに枢動可能な別の第2の連結要素とをさらに備え、回転要素が、両第1の連結要素のそれぞれと機械的に係合および係合解除するように構成される。
【0021】
第2のピストンと第1のピストンとは、対向関係に配置され得る。そのような配置によって、バランス状態のピストン機構を形成することができる。
【0022】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様によるピストン機構を備える内燃機関が提供される。
【0023】
本発明の第3の態様によれば、ピストンと、トラックを備え、軸の周りに回転可能な回転要素と、ピストンに連結された第1の連結要素、固定点の周りに枢動可能であり、第1の連結要素に枢動式に連結された第2の連結要素、およびトラックを辿るように配置され、第2の連結要素に結合された第1のフォロアを備える機構とを具備するピストン機構が提供される。
【0024】
そのような機構では、ピストン機構の回転要素は、連結要素と係合および係合解除する要素を有さなくてよい。その代わり、回転要素への力の伝達は、一回転全体に亘ってトラックと係合するフォロアによって行うことができる。
【0025】
本発明の第3の態様は、必要に応じ、本発明の第1の態様のいかなる特徴も組み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】エンジンの図である。
図2】様々な構成要素を省略したエンジンの図である。
図3】第1のピストン機構の図である。
図4】第2のピストン機構の図である。
図5】第3のピストン機構の図である。
図6】第4のピストン機構の図である。
図7】第5のピストン機構の図である。
図8】第6のピストン機構の図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次いで、本発明の諸実施形態が、添付図面を参照して説明される。
【0028】
図1は、シリンダブロックアセンブリ12および2つのヘッドアセンブリ14を備える内燃機関10を示す。ブロックアセンブリ12は、複数のケーシング部材またはプレートを備え、それらケーシング部材またはプレートは、組み合わされるとシリンダブロック12を形成するように、様々な形状を有する。
【0029】
図2は、ヘッドアセンブリ14が取り除かれたエンジン10を示す。ヘッドアセンブリはシリンダボアを有し、各シリンダボアは、それぞれのシリンダライナを受け入れ、各シリンダライナは、それぞれのピストンを受け入れる。この図では、ピストン18が、シリンダブロック12から突出しているところを見ることができる。エンジン10は、2つのトラックに対向関係で連結された(図2では示されず)合計4つのピストンを有する。したがって、エンジン10は、4つのピストンアセンブリを備え、第1のピストンアセンブリの構造および機能が詳細に説明されるが、第2、第3、および第4のピストンアセンブリが、構造上も機能上も第1のピストンアセンブリと同様であることを理解されたい。4つのピストン18が図2に示されているが、任意の他の数のピストン、たとえば2つのピストンまたは8つのピストンを使用してもよいことを理解されたい。
【0030】
図3は、本発明によるピストン機構を示す。図3には、シリンダ内で往復運動をするピストン118が示される。ピストン118は、枢動ピン119を介して第1の連結部材120に結合される。第1の連結部材120の反対側の端部で、細長い連結部材120は、第2の摺動ピン121によって第2の連結部材130に結合される。第2の連結部材130は、点132において枢動的に固定され、それによって、第1の連結部材120およびピストン118と共に一機構を形成する。
【0031】
点132は、ピストン118がその中で往復運動をするシリンダに対して固定される。エンジンは、車両内などで動くことができるが、点132とシリンダとは相対運動をしないことを理解されたい。
【0032】
第1の連結部材120は、第2の係合プロフィール124と係合する係合プロフィール122をさらに備え、第2の係合プロフィール124は、軸A1周りに回転可能な回転要素123に結合される。
【0033】
点132と軸A1とは相対的に動かない。
【0034】
第1の係合プロフィール122は、複数の係合面122Aおよび1次係合面122Bを備える。見て分かるように、係合面122Aは、様々なピッチで分離され、様々な大きさ、および第1の連結要素120に対して様々な傾斜を有する。係合プロフィールの両端間でのこの特性の変化は、ピストン118、第1の連結部材120、および第2の連結部材130によって形成される機構が、ピストン駆動ストアによって動くとき、第1の係合プロフィール122と第2の係合プロフィール124とが係合状態を保つことを可能にする。第1の1次係合面122Bが、第1の連結部材120の最も端の箇所にあり、その結果、第2の1次係合プロフィール124Aとの係合および動力伝達を、ピストンの駆動または膨張行程内の早い段階で生じることができることも見ることができる。
【0035】
回転要素123は、第1の係合プロフィールのそれぞれの係合面122Aと係合する複数の第2の係合面124Aを備える第2の係合プロフィール124を具備する。係合プロフィール124は、また、第1の係合プロフィールの1次係合面122Bと係合する第2の1次係合面124Bを備える。第2の係合プロフィール122は、回転要素123の外周の約25%を廻って延在することを見ることができる。
【0036】
図示の係合プロフィールはそれぞれ複数の係合面を有するが、単一の歯およびスロット機構など、第1の連結部材120上の単一の係合面および回転要素123上の単一の係合面でも動力伝達を行うのに十分であり得る。
【0037】
本ピストン機構は、また、トラック126と、トラック126に沿って転動するように構成されたフォロア128とを備える。トラック126に沿って摺動する摺動フォロアを使用することもできる。フォロア128は、第1の連結部材120に結合され、トラック126とフォロア128との作用によって、戻り行程においてピストン118を動かすことができ、トラック126は、サイクルの様々な行程に対して様々な速度を持たせるようにどのようにでも形状設定することができる。たとえば、ピストンの実質的な非単調和運動が、当該トラックおよびフォロア機構によって可能になる。
【0038】
図4は、図3に示されたピストン機構のさらに別の発展形態を示す。この機構では、同様な部品は対応する参照番号を付し、簡潔にするために、変わっていない部品の説明はここでは繰り返さない。
【0039】
軸A2の周りに回転する回転要素223は、係合プロフィール224と一体に作られている。ただし、図3の回転要素123を、この場合にも同様に使用することができる。
【0040】
第2の連結要素230は、第3の係合プロフィール225を有するように変更されている。第3の係合プロフィール225および第1の係合プロフィール222が第1の係合プロフィール224と係合する時点で、第3の係合プロフィール225は、第1の係合プロフィール222と整合する。それによって、回転要素223に掛かる力は、第2および第3の係合プロフィール222、225の両方に分散させることができる。
【0041】
連結部219は、ピン結合部として示されているが、結合部を、回転式でなく、ピストンの運動方向に垂直な方向の並進運動式にすることも、同様に可能である。
【0042】
図5に移ると、図4に示された機構が、第3の係合プロフィール325のみが、軸A3周りに回転可能な回転要素323と係合するように改造されている。第2の連結部材330は、個々の3つの部材から形成される。第1の部材330aは、枢動点332から、第1の連結部材320に連結するピン結合部まで延在し、第2の部材330bは、枢動点332と第3の係合プロフィール325との間に延在し、第3の部材330cは、係合プロフィール325と、第1の連結部材320と第2の連結部材330との間の結合点321との間に延在する。重量を軽減するために、第1、第2、および第3の部材330a、330b、330cの間には中空の空間がある。第2の連結部材330の枢動点332は、軸A3において測った角度で、ピストンから約45°離れている。枢動点332をピストン318に近づけると、ピストン318の駆動行程が始まる時点でのレバーアームが長くなる。
【0043】
図5から分かるように、回転要素323の第1の係合部分324が、第3の係合部分325と係合するように変えられている。
【0044】
図6に示される機構では、第2の連結部材430が、第3の係合部分425を持つ中央ブロックを有するように形状を変えられ、第1の部材430aが中央部分から枢動点432まで延在し、第2の部材430bが中央部分からピン結合部421まで延在する。また、フォロア428が、第1の連結部材420ではなく、第2の部材430に配置されていることにも留意されたい。
【0045】
第1の係合部分425は、第2の係合部分424に適合できるように形状を変えられ、第2の係合部分424は、実質的に円筒ベアリングとして形成されている。
【0046】
第1の係合部分425をローラとして形成し、第2の係合部分424をトラックとして形成してもよい。
【0047】
上記の実施形態のいずれにおいても、フォロアは、第1の連結部材と第2の連結部材との間の枢動ピンに配置された1つまたは複数のローラの形態にすることができる。フォロアは、2つのトラック(すなわち、半径方向内側のトラックおよび半径方向外側のトラック)の間に配置される単一のローラにすることができ、または1つがトラックの半径方向内面と係合し、1つが半径方向外側のトラックに係合する2つのローラにすることができる。
【0048】
たとえば、図7は、枢動点521で第2の連結部材530に枢動可能に結合された第1の連結部材520と、枢動点521に配置されたフォロア528とを有し、フォロアがトラック526を辿るように配置されている、ピストン機構を示す。フォロア528は、枢動ピンに装着された車輪またはローラでよく、枢動ピンは、第1および第2の連結部材520、530も通って延在する。
【0049】
第2の連結部材530は、また、係合プロフィール524と係合する係合プロフィール525を有し、係合プロフィール524は、軸A5周りにトラック526と共に回転する。
【0050】
第2の連結部材530は、固定枢動点532周りに枢動可能であり、穴531によって重量を軽減することができる。
【0051】
図8は、第1もしくは第2の連結要素または回転要素に係合プロフィールを有さないピストン機構を示す。図8に示された機構では、回転要素とピストン618との間の力の伝達は、フォロア628、628aおよびトラック626によって行われる。
【0052】
第1のフォロア628は、第1の連結部材620と第2の連結部材630との間の枢動結合部621に配置され、第2のフォロア628aは、第2の連結部材630に配置され、第2の部材630を貫通して延在する枢動ピン629を介して装着される。枢動ピン629が第1の連結部材620を貫通して延在していないことに留意されたい。
【0053】
当該ピストン機構は、単一のトラック626を有し、このトラックには、両側に第1のおよび第2のフォロア628、628aが配置されている。本発明が、上記で、1つまたは複数の好ましい実施形態を参照して説明されてきたが、添付特許請求の範囲で定義される本発明の範囲を逸脱することなく様々な変更または改変を加えることができることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】