(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-25
(54)【発明の名称】氷トレイを伴う可撓性容器
(51)【国際特許分類】
B65D 30/22 20060101AFI20220418BHJP
B65D 33/25 20060101ALI20220418BHJP
【FI】
B65D30/22 Z
B65D33/25 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021552883
(86)(22)【出願日】2020-02-12
(85)【翻訳文提出日】2021-09-06
(86)【国際出願番号】 US2020017893
(87)【国際公開番号】W WO2020185345
(87)【国際公開日】2020-09-17
(32)【優先日】2019-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520028771
【氏名又は名称】ジップ トップ, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】フィネル, レベッカ エム.
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AA20
3E064BA21
3E064BC20
3E064EA14
3E064EA30
3E064FA01
3E064FA04
3E064GA10
3E064HN14
3E064HT05
(57)【要約】
基部と、基部から延在し、基部の反対に口を画定する自立側とを有し、かつ、容器を少なくとも2つの製氷コンパートメントに分割するように基部および/または自立側から延在する分割器を有する製氷容器。容器は、口の内側から延在するジッパ部材を介した閉鎖可能な容器であり、口は、開放構成と閉鎖構成との間で変形可能であり、第1のジッパ部材および第2のジッパ部材は、口が開放しているとき、係脱可能であり、口が閉鎖されているとき、係合可能である。容器は、組み立てられた部品を伴わない一体型の全体容器として白金シリコーンから成型されてもよい。成型プロセスは、液体射出成型、圧縮成型、またはトランスファー成型を含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製氷容器であって、
基部と、前記基部から延在し、前記基部の反対に口を画定する自立側と、
前記容器を少なくとも2つの製氷コンパートメントに分割するように、前記基部および前記自立側のうちの少なくとも一方から延在する少なくとも1つの分割器と、
前記口の第1の内部から延在する第1のジッパ部材と、
前記口の第2の内部から延在する第2のジッパ部材と
を備え、
前記口は、開放構成と閉鎖構成との間で変形可能であり、前記第1のジッパ部材および前記第2のジッパ部材は、前記口が開放しているとき、係脱可能であり、前記口が閉鎖されているとき、係合可能であり、
前記基部、自立側、少なくとも1つの分割器、およびジッパ部材は、組み立てられた部品を伴わない一体型の全体容器である、製氷容器。
【請求項2】
前記分割器は、2つの壁を備え、前記2つの壁は、前記分割器の遠位端において継合し、前記壁が前記基部から延在する前記分割器の近位端に向かって相互から離れるように角度を成し、前記基部は、前記分割器によって分割され、少なくとも2つのコンパートメントは、前記基部に近接するほどより狭小である、請求項1に記載の製氷容器。
【請求項3】
前記分割器は、前記2つのコンパートメントの間に流体連通導管を備える、請求項1に記載の製氷容器。
【請求項4】
前記基部の一部、前記自立側の一部、および前記少なくとも1つの分割器の一部は、前記少なくとも2つの製氷コンパートメントを画定する、請求項1に記載の製氷容器。
【請求項5】
前記容器は、シリコーンを備える、請求項1に記載の製氷容器。
【請求項6】
前記第1のジッパ部材は、オス型であり、前記第2のジッパ部材は、メス型であり、前記第1のジッパ部材および前記第2のジッパ部材は、係合されると、前記口をシールする、請求項1に記載の製氷容器。
【請求項7】
前記第1のジッパ部材の断面外形は、胴部の遠位端において頭部を備え、前記頭部は、前記胴部の中心軸から略横方向に反対方向に延在する肩部を有し、前記第2のジッパ部材の断面外形は、2つのフランジを備え、前記2つのフランジは、前記フランジの間にチャネルを画定し、各フランジは、その遠位端において肩部を有する、請求項1に記載の製氷容器。
【請求項8】
前記第1のジッパ部材および前記第2のジッパ部材は、中央においてより大きく、端部に向かってより小さい、請求項1に記載の製氷容器。
【請求項9】
前記第1のジッパ部材および前記第2のジッパ部材、前記ジッパ部材の間に形成される注ぎ口を横断して延在しない、請求項1に記載の製氷容器。
【請求項10】
前記基部および側面は、0.5mmを上回る厚さを有する、請求項1に記載の製氷容器。
【請求項11】
成型プロセスによって作製される製氷容器であって、前記製氷容器は、
基部と、前記基部から延在し、前記基部の反対に口を画定する自立側と、
前記容器を少なくとも2つの製氷コンパートメントに分割するように、前記基部および前記自立側のうちの少なくとも一方から延在する少なくとも1つの分割器と、
前記口の第1の内部から延在する第1のジッパ部材と、
前記口の第2の内部から延在する第2のジッパ部材と
を備え、
前記口は、開放構成と閉鎖構成との間で変形可能であり、前記第1のジッパ部材および前記第2のジッパ部材は、前記口が開放しているとき、係脱可能であり、前記口が閉鎖されているとき、係合可能であり、
前記基部、自立側、少なくとも1つの分割器、およびジッパ部材は、組み立てられた部品を伴わない一体型の全体容器であり、
前記成型プロセスは、液体射出成型、圧縮成型、およびトランスファー成型から選択される成型プロセスを含む、製氷容器。
【請求項12】
前記成型プロセスは、前記第1のジッパ部材および前記第2のジッパ部材を成型することと、前記容器を成型する間に前記第1のジッパ部材および前記第2のジッパ部材をオーバーモールド加工することとをさらに含む、請求項11に記載の成型プロセスによって作製される製氷容器。
【請求項13】
前記分割器は、2つの壁を備え、前記2つの壁は、前記分割器の遠位端において継合し、前記壁が前記基部から延在する前記分割器の近位端に向かって相互から離れるように角度を成し、前記基部は、前記分割器によって分割され、少なくとも2つのコンパートメントは、前記基部に近接するほどより狭小である、請求項11に記載の成型プロセスによって作製される製氷容器。
【請求項14】
前記分割器は、前記2つのコンパートメントの間に流体連通導管を備える、請求項11に記載の成型プロセスによって作製される製氷容器。
【請求項15】
前記基部の一部、前記自立側の一部、および前記少なくとも1つの分割器の一部は、前記少なくとも2つの製氷コンパートメントを画定する、請求項11に記載の成型プロセスによって作製される製氷容器。
【請求項16】
前記容器は、シリコーンを備える、請求項11に記載の成型プロセスによって作製される製氷容器。
【請求項17】
前記第1のジッパ部材は、オス型であり、前記第2のジッパ部材は、メス型であり、前記第1のジッパ部材および前記第2のジッパ部材は、係合されると、前記口をシールする、請求項11に記載の成型プロセスによって作製される製氷容器。
【請求項18】
前記第1のジッパ部材の断面外形は、胴部の遠位端において頭部を備え、前記頭部は、前記胴部の中心軸から略横方向に反対方向に延在する肩部を有し、前記第2のジッパ部材の断面外形は、2つのフランジを備え、前記2つのフランジは、前記フランジの間にチャネルを画定し、各フランジは、その遠位端において肩部を有する、請求項11に記載の成型プロセスによって作製される製氷容器。
【請求項19】
前記第1のジッパ部材および前記第2のジッパ部材は、中央においてより大きく、端部に向かってより小さい、請求項11に記載の成型プロセスによって作製される製氷容器。
【請求項20】
前記第1のジッパ部材および前記第2のジッパ部材は、前記ジッパ部材の間に形成される注ぎ口を横断して延在しない、請求項11に記載の成型プロセスによって作製される製氷容器。
【請求項21】
前記基部および側面は、0.5mmを上回る厚さを有する、請求項11に記載の成型プロセスによって作製される製氷容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(継続の陳述)
本願は、2018年3月2日に出願された米国出願第15/910,757号の一部継続である2018年10月8日に出願された米国出願第16/154,134号の一部継続である。
【0002】
本開示は、概して、角氷製氷コンパートメントを伴うシリコーンから作製されるシール可能なカップ、ボウル、およびタンブラの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
参照により本明細書に援用される米国特許第6,197,359号は、菓子用金型および焼成受器の製造のためのシリコーンの使用を説明しており、シリコーン(特に、白金との架橋結合のプロセスによって取得されるメチルビニルポリシロキサン)が、食品と接触する用途のために使用され得る。シリコーンは、その鎖が交互の酸素およびシリコンの原子から構成される重合体性質の材料である。シリコーンは、通常、加水分解および後続のアルキルハロゲンシラン(酸触媒および塩基触媒の両方)の重合によって調製される。アルキルハロゲンシランは、実践では、直接プロセス(対応するハロゲン化アルキルとSiが反応するCu触媒)によって作製される。本プロセスは、その組成が再分配のプロセスによって改質されて所望のモノマーをもたらすことが可能である生成物の混合物を提供する。当技術分野において公知であるものは、線状重合体から構成されるシリコーンエラストマである。架橋相が、弾性性質を提供するために要求される。最も一般的なエラストマは、300,000~700,000の範囲に及ぶ分子量を伴うジクロロメチルシランに由来するものである。それらは、その精製物であるオクタメチルシクロテトラシロキサンを提供する予備重合、および、分子量を制御するための少量の単官能性材料の存在下での後続の重合、続いて、材料にその弾性性質を与える過酸化物の存在下での硬化に類似する架橋結合によって、作製される。他の重要なエラストマは、はるかにより効果的な硬化を受ける、シリコンに結合される少ない割合(0.1%モル)のビニル基を含有するもの、および、10~15%モルのフェニル基と低温における良好な弾性性質とを含有するものである。はるかにより低い分子量(10,000~100,000)のエラストマが、シラノール基内で終端する線状重合体鎖を使用することによって取得されることができ、これは、アルコキシランとの反応によって室温において硬化されることができる。一般に、シリコーンエラストマの最も重要な特性は、それらの性質の有意な改変を伴うことなくそれらが非常に広い熱的使用範囲(-50℃~200℃)を提示するという事実である。それらは、良好な電気的絶縁性質を有し、自己酸化したりまたは水性媒体中の化学薬品による腐食を受けたりせず、非極性有機溶媒の存在下で膨隆するが、フルオロ基またはシアノ基を含有するいくつかの特別なタイプは、本プロセスに対するより高い耐性をもたらす。シリコーンエラストマは、電気絶縁体、流体撥水剤、および酸化防止剤としての、ならびに密閉ガスケットの製造における、それらの最も広い産業用途を見出している。シリコーンは、非常に不活性な材料であり、それらは、水分をはじく。シリコーンは、強塩基および強酸を除いて、化学薬品に対して不活性であり、その毒性は、概して、低い。これらの性質の原点は、本質的には、Si-O結合の高い安定性(106Kcal/モル)およびその強力な部分的イオン特性にある。シリコーンの他の公知の使用は、(ワイン用皮袋等の)液体のための容器および(血液輸血のために使用される管等の)物質を搬送するための管の製造におけるものである。
【0004】
参照により本明細書に援用される米国公開第2014/0270579号は、シリコーンバッグを開示する。具体的には、本公開文書は、シリコーンまたは類似のエラストマから成る正面部と背面部とを有するバッグを教示する。正面部および背面部は、サイズが同じであり、上部に沿った口を用いて、それらの側面および底部に沿ってともにシールされる。口は、空洞を生成し、空洞から、物品が中に設置および貯蔵される、または、さらなる使用のために輸送される。バッグの上部上のシール機構(スロットの中に圧入されるリブ)が、バッグの中に物品をシールする。バッグは、水密であるように、シール機構も含めて、完全にシリコーンで成型される。
【0005】
参照により本明細書に援用される米国公開第2014/0245698号は、折畳可能な上部領域を有するパッケージを開示する。パッケージは、概して、その間に内部空洞を少なくとも部分的に画定しかつアクセス口を通してアクセス可能であるパネル部分を含む。上部は、材料内容物のためのボウルまたは他のカフ付き容器としてのパッケージの使用を促進するように折畳および伸展されることができるカフ部材またはカフ領域を提供することができる。パッケージは、ボウルまたはカフ付き容器としてのその形状を保持するように適合されることができる。再閉鎖部材が、パッケージの再シールを促進するために提供されることができる。折畳ストリップ、縁輪郭、および補剛部材もまた、提供されることができる。
【0006】
参照により本明細書に援用される米国公開第2009/0110335号は、環境的に敏感な材料から製造される、広い温度範囲に耐えることが可能な再閉鎖可能な食品貯蔵バッグを開示する。バッグは、シリコーンゴムおよび熱硬化性樹脂のような材料から製造されることができる。そのような材料を使用することによって、バッグは、冷凍機からオーブンまで及ぶ住宅の台所において被られる温度範囲、およびその間の全ての周囲温度に容易に耐えることができる。加えて、そのような材料からバッグを製造することによって、石油系重合体を使用することの環境的影響が、回避される。
【0007】
参照により本明細書に援用される米国特許第9,371,153号は、プレスフィット要素を有する統合された耐漏出シールを伴う、シリコーン等のエラストマから作製される容器を開示する。プレスフィット要素のサイズおよび形状が、口をシールし、容器の内側からの液体の漏出に耐える。外部クリップまたは留め金は、シールのために必要とされない。延在される皮弁が、側面を開放するように引き出すことを促進する。容器自体は、非対称的形状(例えば、台形)であってもよい。
【0008】
参照により本明細書に援用される米国特許第3,844,525号は、角氷を形成するための少なくとも1つの成型コンパートメントを有する1ピース型冷凍トレイを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第6,197,359号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2014/0270579号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2014/0245698号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2009/0110335号明細書
【特許文献5】米国特許第9,371,153号明細書
【特許文献6】米国特許第3,844,525号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の教示によると、角氷のためのコンパートメントを伴う、カップ、ボウル、およびタンブラ等の形状を有する製氷容器が、提供され、容器は、注ぎ口と、容器の口をシールするためのジッパ部材とを有する。容器は、シリコーンから作製されてもよい。容器は、緊密に閉鎖され、開口部をシールし、空気、液体、または他の材料が中に入らないようにまたは外に出ないように防止し得るまたは少なくとも限定し得る。
【0011】
本発明のある側面は、製氷容器を提供し、製氷容器は、基部と、基部から延在し、基部の反対に口を画定する自立側と、容器を少なくとも2つの製氷コンパートメントに分割するように、基部および自立側のうちの少なくとも一方から延在する少なくとも1つの分割器と、口の第1の内部から延在する第1のジッパ部材と、口の第2の内部から延在する第2のジッパ部材とを備え、口は、開放構成と閉鎖構成との間で変形可能であり、第1のジッパ部材および第2のジッパ部材は、口が開放しているとき、係脱可能であり、口が閉鎖されているとき、係合可能であり、基部、自立側、少なくとも1つの分割器、およびジッパ部材は、組み立てられた部品を伴わない一体型の全体容器であり、容器は、シリコーンを備える。
【0012】
本発明のさらなる側面は、成型プロセスによって作製される製氷容器を提供し、製氷容器は、基部と、基部から延在し、基部の反対に口を画定する自立側と、容器を少なくとも2つの製氷コンパートメントに分割するように、基部および自立側のうちの少なくとも一方から延在する少なくとも1つの分割器と、口の第1の内部から延在する第1のジッパ部材と、口の第2の内部から延在する第2のジッパ部材とを備え、口は、開放構成と閉鎖構成との間で変形可能であり、第1のジッパ部材および第2のジッパ部材は、口が開放しているとき、係脱可能であり、口が閉鎖されているとき、係合可能であり、基部、自立側、少なくとも1つの分割器、およびジッパ部材は、組み立てられた部品を伴わない一体型の全体容器であり、容器は、シリコーンを備え、成型プロセスは、液体射出成型、圧縮成型、およびトランスファー成型から選択されるシリコーン成型プロセスを含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本実施形態のより完全な理解が、付随の図面と併せて以下の説明を参照することによって得られ得、付随の図面では、同様の参照番号が同様の特徴を示す。
【0014】
【
図1A】
図1Aは、開放構成にある製氷容器の斜視図を図示する。
【
図1B】
図1Bは、
図1Aに示される開放構成にある製氷容器の側面図を示し、コンパートメントが、分割器によって画定される。
【
図1D】
図1Dは、
図1A~
図1Cの製氷容器の断面端面図であり、分割器が、角氷を製氷するための2つのコンパートメントを分離する。
【
図3】
図3は、開放構成にあり、側面間に懸吊される分割器を有するタンブラ形状の製氷容器の斜視図を示す。
【
図4】
図4は、
図3のタンブラ形状の製氷容器の平面図を示し、ジッパ部材は、交差し、注ぎ口において係合したままである。
【
図5】
図5は、
図3のタンブラ形状の製氷容器の平面図を示し、ジッパ部材は、交差し、注ぎ口において係合したままである。
【
図6A】
図6Aは、口の各端部における注ぎ口と、容器の底部における分割器とを有するタンブラ形状の製氷容器の斜視図である。
【
図6G】
図6Gは、
図6Aのタンブラ形状の製氷容器の断面正面図であり、ジッパ部材が注ぎ口において終端する様子を示す。
【
図7A】
図7Aは、口の各端部における注ぎ口と、ジッパ部材の代替実施形態とを有するタンブラ形状の製氷容器の斜視図である。
【
図8A】
図8Aは、口の各端部において注ぎ口を有する細長六角形状の製氷容器の斜視平面図である。
【
図8B】
図8Bは、基部と自立側とを伴う
図8Aの細長六角形状の製氷容器の斜視底面図を示す。
【
図8E】
図8Eは、
図8A~
図8Dの細長六角形状の製氷容器の平面図を示し、製氷コンパートメントは、基部、分割器、および自立側によって画定される容器の底部において可視である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
好ましい実施形態が、以下の一般的議論に照らして下記の
図1A~
図8Eを参照することによって最良に理解される。本開示は、ある実施形態の高レベルの説明の文脈においてより容易に理解され得る。
【0016】
本発明の実施形態は、カップまたはボウル氷トレイを提供し、カップまたはボウル氷トレイは、例えば、自立し、再シール可能なジッパ貯蔵バッグのように上部をジッパ留めする。流体(例えば、水、ジュース等)が、容器の中に傾注され、その底部においてコンパートメントを充填してもよく、容器は、ジッパで閉じられてもよく、容器は、流体が固化されるまで、冷凍庫の中に設置されてもよく、容器は、冷凍庫から除去され、変形され、コンパートメントから氷を解放するように破壊してもよく、さらなる液体または食品が、飲料物または食用処理のために容器に追加されてもよい。カップまたはボウル氷トレイ容器は、シリコーンで一体部品に作製され、可撓性であり、食品グレードであり、食洗器/マイクロ波対応であり得る。カップまたはボウル氷トレイ容器は、その底部においてコンパートメントが存在するにもかかわらず、皿/カップとして使用され得る。カップまたはボウル氷トレイ容器は、貯蔵容器として使用され得る。特に、カップまたはボウル製氷器は、旅行のために最適であり、氷箱またはクーラーボックスと併用され得る。
【0017】
容器の口を閉鎖するためにジッパシールを用いると、製氷コンパートメントの内容物は、清浄かつ残渣または冷凍庫焼けのないままであり得る。シールされた内容物は、新鮮な風味、食感、および栄養素を維持し得る。口のジッパシールを有する容器は、汚染、冷凍庫焼け、および食品/飲料の溢出を防止することに役立ち得る。
【0018】
製氷容器の実施形態は、離乳食を冷凍するために有用であり得、液体化された食品が、コンパートメントの中に設置され、冷凍され、次いで、給仕のためにコンパートメントから取り出され得る。
【0019】
製氷コンパートメントは、ユーザがコンパートメントの外部を圧搾、圧接、押動等し、コンパートメントの内部から角氷を取り除くことを可能にするように、実質的に可撓性であってもよい。一体化された氷トレイ/容器は、容器の口を閉鎖するためのジッパシールを有するため、固体の内容物は、他の容器が必要とされないように、閉鎖される容器の中に完全に捕捉されたままでありながら、角氷形成コンパートメントから取り出され得る。ジッパ閉鎖部は、次いで、固体の氷をグラス、カップ、または他の給仕用食器の中に傾注するために、開放され得る。
【0020】
カップの形状にある製氷容器は、カップとして使用されてもよく、角氷が、底部におけるコンパートメントの中で冷凍されてもよく、次いで、飲料物が、カップからの直接的な消費のために追加されてもよい。
【0021】
角氷を製氷するために理想的であり得るため、製氷容器と呼ばれるが、容器はまた、従来のオーブン、電子レンジの中で、または加熱された水の中に浸漬された状態で食品を調理するためにも理想的であり得る。例えば、コンパートメントは、カップケーキまたは他の個々の1人前の分量の食品の準備を促進し得、それらは、全て同一の容器の中で準備、調理、および貯蔵され得る。
【0022】
材料は、安定のために、および製氷コンパートメントを形成するために、基部においてより厚くてもよい。上部は、より薄く、より可撓性であってもよい。ジッパは、オス型部分がメス型部分と噛合されてシールを作製する凸部および溝構成であってもよい。ジッパは、二重ジッパまたは三重ジッパであってもよい。留め金が、ジッパに沿って摺動するためにジッパの外部に組み立てられ、口および/またはジッパの閉鎖を補助してもよい。ジッパは、口をシールするように係合するオス型部材およびメス型部材を備えてもよい。本開示の目的のために、口は、ジッパ部材が、いかなる外部の影響からも独立して閉鎖されたままとなり、上下逆の容器の内側において水を留保するように十分に係合すると、ジッパ部材によってシールされたと見なされる。容器は、1~20カップの水体積を保持してもよい。容器は、用途および製氷されるべき氷の量に応じて、より多くの流体を保持してもよい。
【0023】
ジッパ部材を伴う製氷容器は、特に、組み立てられた部品を伴わない1つの一体型の全体として成型され得る。例えば、組み立てられた部品を伴わない一体型の容器全体を作製するために、ジッパ部材を含むその部品全てを伴う容器の全体が、圧縮成型され得る、液体射出成型され得る、トランスファー成型され得る、または任意の類似のプロセスによって成型され得る。オーバーモールド加工は、これらの成型プロセスに含まれ得、ジッパ部材および/または分割器は、容器が成型されるとき、ジッパ部材および/または分割器が、容器を形成するように金型の中に注入されている液体シリコーンによって「オーバーモールド加工」または「カプセル化」された状態になり、それによって、容器を伴う一体型全体の状態になるように、最初に別個に成型され、次いで、容器金型の内側において設置されてもよい。ジッパ部材および容器は、別個に形成または成型し、次いで、シリコーン材料が完全に架橋結合(硬化)されていないときにそれらを接触するように設置し、次いで、部品を後焼成し、全体を加硫処理することによって、一体型全体の状態になるように作製され得る。ジッパ部材または容器の他の部分は、これが二重デュロメータまたは共成型製品であり得るように、金型の中に注入されるより硬質のデュロメータまたは異なる材料から作製されてもよい。
【0024】
シリコーン(特に、白金硬化シリコーン)が、使用されてもよい。例えば、30~80ショアAのデュロメータを有するシリコーンが、使用されてもよい。シリコーンは、290%~620%の破断時伸びを有し得る。シリコーンは、21~33N/mmの引裂強度を有し得る。他の実施例では、チタンシリコーンが、使用されてもよい。
【0025】
本発明の一側面は、液体シリコーンゴム射出成成型プロセスを使用し、容器を単一の一体型製品として作製することである。未硬化の液体シリコーンゴムが、2つの材料(基部形成材料および触媒)として開始し得る。材料は、混合チャンバの中に放出されてもよく、着色剤または他の添加剤もまた、混合チャンバの中に放出されてもよい。具体的な体積が、工程毎の適切なショットサイズとして金型の中に注入されてもよい。温度、圧力、注入率、およびサイクル時間が、成型されている容器のサイズおよび形状に応じて調節されてもよい。金型は、2つ以上のプレートを備えていてもよい。液体シリコーンゴムが、予熱された金型の中に注入され、材料を金型およびその中の空洞の中に押動し得る。液体シリコーンゴムは、固化するまで、熱および圧力の印加によって金型の中で硬化される。シリコーンの収縮率が、考慮されるべきである。シリコーンは、弾性材料であるため、金型の空洞から除去されるときに、ばりが、生じ得る。ばりは、成型された容器から自動的にまたは手動で除去されることができる。
【0026】
本発明の別の側面は、高稠度シリコーンゴム圧縮成型プロセスを使用し、容器を単一の一体型製品として作製することである。粒度の細かいバルクシリコーン材料が、粉末を添加することによって予め触媒される。容器を作製するために要求される厳密な量のシリコーンが、判定される。判定された量のシリコーンが、切断および計量され、金型空洞の中に戦略的に設置される。シリコーン材料は、金型の内部の部分全体を充填するように、容器の近似の構成に事前に成形されてもよい。金型は、金型のプレートの間でシリコーンを圧縮させることによって力が印加されるにつれて、摂氏300度またはそれより高い温度まで加熱され、シリコーンを金型の空洞の中に流入させる。シリコーンは、熱および圧力下で不可逆的化学反応によって硬化または加硫処理され、高度に架橋結合された分子構造を作製する。金型が、開放され、成型された容器が、除去される。ばりが、成型された容器から自動的にまたは手動で除去されることができる。
【0027】
本発明のある実施形態によると、1つの特徴は、上部において口のジッパシールを伴う自立型製氷容器を有することであり、口は、シールされていないとき、開放したままである。ユーザにとっての利点は、製氷容器の口が、自立位置において開放したままであり、そのため、ユーザが、製氷容器の口を開放している状態に保持する必要なく、製氷容器の中または外に内容物を傾注し得るまたはスプーンですくい得ることである。本特徴を可能にするために、製氷容器は、完成した製氷容器が自然に開放位置をとることを必要とするように、開放位置にシリコーン成型されてもよい。ジッパ部材は、それ自体で自然に直線位置をとる傾向になるように、直線金型の中でシリコーン成型されてもよい。ジッパ部材が、次いで、製氷容器のジッパスロット内に継合されると、その組み合わせは、製氷容器の口に、自立しているときに、自然に開いた眼の形状をとらせる傾向にある。製氷容器は、容器の内部で凍らされた氷が容易により小さい断片に破壊され得るように、外部に印加される力が容器を変形することを可能にするように十分に可撓性であり得る。
【0028】
図は、別個のカップ形状、ボウル形状、または他の製氷容器の斜視図、側面図、および端面図を示す。各カップ形状およびボウル形状の製氷容器は、自立するように基部領域において十分に堅性であるが、口が開放構成と閉鎖構成との間で遷移することを可能にするように閉鎖部領域において十分に可撓性である、可撓性材料から作製される。
【0029】
図1A~
図1Dは、ボウル形状の製氷容器の斜視図、側面図、平面図、および断面図を示す。
図1Aは、開放構成にある製氷容器の斜視図であり、図は、口を通して製氷容器の内部の中を見下ろしている。
図1Bは、開放構成にある製氷容器の側面図である。
図1Cは、開放構成にある製氷容器の平面図であり、角氷を製氷するためのコンパートメントを画定する分割器が、可視である。
図1Dは、開放構成にある製氷容器の断面側面図である。
【0030】
図1Aは、開放構成にある製氷容器の斜視図であり、図は、口を通して製氷容器の内部の中を見下ろしている。製氷容器10は、形状が略楕円形である基部11を備える。製氷容器10は、上部において口12をさらに備え、口は、開放しているとき、略円形であり、閉鎖されているとき、略線形である。基部11は、印加される力に応答して若干の変形に耐えるための十分な剛度または堅性を有する壁厚および材料組成を備える。口12は、口12が開放構成と閉鎖構成との間で変形されることを可能にするように十分に可撓性または柔軟である壁厚および材料組成を備える。一実施形態では、製氷容器10は、基部11から口12まで均一に変動する壁厚または堅性を有してもよく、壁厚は、基部11においてより厚いまたはより堅性であり、口12においてより薄いまたはあまり堅性ではない。製氷容器10は、口12の近傍にジッパ13を有し、口を閉鎖構成にシールしてもよく、ジッパ13は、オス型ジッパ要素およびメス型ジッパ要素(図示せず)を有してもよい。基部11は、氷を製氷するためのコンパートメントを画定するための分割器14を有してもよい。
【0031】
図1Bは、開放構成にある製氷容器の側面図である。本実施形態では、分割器14は、上部におけるものより底部において小さい角氷用コンパートメントを画定するような二重壁である。分割器の壁16は、上部において継合し、底部に向かって相互から離れるように角度を成す。角度を成した壁16を用いると、コンパートメント15は、それらの上部においてより広く、それらの底部において狭小であり、これは、角氷がコンパートメント15から外により容易に取り出されることを可能にする。代替実施形態では、分割器は、角氷の製氷を促進するような任意の形状または構成をとってもよい。
【0032】
図1Cは、開放構成にある製氷容器の平面図であり、角氷を製氷するためのコンパートメントを画定する分割器が、可視である。本実施形態では、ボウル形状の製氷容器10は、角氷を製氷するための12個のコンパートメント15を有する。代替実施形態では、任意の数のコンパートメントが、使用されてもよい。内部コンパートメント15は、略長方形であり、容器の端部におけるコンパートメントは、形状がより三角形である。代替実施形態では、コンパートメントは、角氷の製氷を促進するような任意の形状または構成をとってもよい。
【0033】
図1Dは、開放構成にある製氷容器の断面側面図である。容器10の口12において、オス型ジッパ部材57と、メス型ジッパ部材58とが、存在する。分割器14は、上部においてともに継合する2つの壁16を備える断面に示される。コンパートメント15は、分割器14および製氷容器10の外壁によって画定される。本実施形態では、分割器14は、それを通したポート17の形態にある流体導管を有し、流体が隣接するコンパートメント15間で自由に流動することを可能にする。コンパートメント15を流体的に接続するポート17が、各コンパートメント内の流体の量がおよそ同一になり得るように、流体がコンパートメント15間で自由に流動することを可能にし得る。コンパートメント15内の流体の均一な分布が、およそ同一のサイズの角氷を生産し得る。製氷容器10のいくつかの実施形態は、その分割器14においてポート17を有しない。製氷容器10の他の実施形態では、ポートではなく、流体導管は、流体が切り欠きを通して1つのコンパートメントから別のものに溢流することを可能にするための、分割器の上部において形成される切り欠き(図示せず)であってもよい。流体導管(ポート、切り欠き等)は、流体がコンパートメント間で流動することを可能にするほど十分に大きいが、隣接するコンパートメント内に形成される角氷を破壊および分離することを困難にするほど大きくなくてもよい。
【0034】
図2Aは、閉鎖構成にある
図1A~
図1Dのボウル形状の製氷容器10の斜視図であり、図は、製氷容器10の閉鎖された口12において見下ろしている。
図2Bは、閉鎖構成にある製氷容器10の端面図であり、各端部からの図は、同じである。
【0035】
代替実施形態では、製氷容器10の基部11は、任意の幾何学形状(例えば、正方形、長方形、三角形、八角形、六角形、楕円形等)であってもよい。さらに、口12もまた、任意の幾何学形状であってもよい。なおもさらに、基部11と口12との間の製氷容器10の断面も、任意の幾何学形状であってもよい。本発明のいくつかの実施形態では、基部11、口12、および基部11と口12との間の断面は全て、同一の幾何学形状を有する。本発明のさらに他の実施形態では、基部11、口12、および基部11と口12との間の断面は、異なる幾何学形状を有する。
【0036】
シリコーンから作製される本発明のいくつかの実施形態は、0.5mmを上回る基部および側壁の厚さを有する。シリコーンから作製される本発明の他の実施形態は、約0.7mm~約1.3mmの基部および側壁の厚さを有する。シリコーンから作製される本発明のなおもさらなる実施形態は、約1.0mmの基部および側壁の厚さを有する。
【0037】
製氷容器は、透明または不透明のいずれかであるシリコーン材料から作製され、任意の色になるように作製されてもよい。シリコーンは、食品と接触する用途のために適切な品質および組成であってもよい。特に、白金との架橋結合のプロセスによって取得されるメチルビニルポリシロキサンは、適切なシリコーンであり得る。材料は、ポリウレタンゴム、スズ硬化シリコーンゴム、および白金硬化シリコーンゴムを含んでもよい。数字のマーカが、製氷容器内に体積測定値を示すために追加されてもよい。
【0038】
図3は、タンブラ形状の製氷容器50の斜視図を示す。タンブラ形状の製氷容器50は、形状が円形である基部51を備える。タンブラ形状の製氷容器50は、上部において口52をさらに備え、口52は、開放しているとき、略円形であり、閉鎖されているとき、略線形である。タンブラ形状の製氷容器50は、基部51と口52との間に縁54をさらに備える。タンブラ形状の製氷容器50は、基部51と縁54との間に、その基部51上に垂直に自立するための十分な剛度または堅性を有する厚さおよび材料組成を有する下側壁55を備える。さらに、タンブラ形状の製氷容器50は、基部51と縁54との間に、口52が開放構成と閉鎖構成との間で変形されることを可能にするように十分に可撓性または柔軟な壁厚および材料組成を有する上側壁56を有する。一実施形態では、縁54の上方の上側壁56の円周は、上側壁56が縁54の下方の下側壁55の外部にわたって下向きに巻回または折畳され得るように、縁54の下方の下側壁55の円周より大きくてもよい。下向きに巻回または折畳された構成では、容器50は、従来的なボウルとしてより完全に機能し得る。タンブラ形状の製氷容器50をシールするために、上側壁56は、
図3に示されるように、伸長位置に解巻または伸展されてもよく、ジッパスロット53内のジッパが、ジッパ留めされ、シールを形成してもよい。
【0039】
分割器34は、単一壁ウェブとして、下側壁55の一側から下側壁55の他側まで延在するが、基部51と接続またはタッチしない。分割器34は、容器の下側部分を2つの製氷コンパートメントに分離する。分割器34は、流体がコンパートメント間の分割器の下で流動し得るように、基部にタッチしない。基部51と分割器34との間の空間は、流体が流動することを可能にするほど十分に大きいが固体の氷が2つのコンパートメントの間で容易に破壊されることを可能にするほど十分に小さい流体導管である。1つのみの分割器が、
図3に示されるが、任意の数の分割器が、空間を製氷コンパートメントに分離するように、下側壁55の側面および/または他の分割器から延在してもよい。さらに他の実施形態では、分割器は、下側壁55の一側から下側壁55の他側まで延々と延在せず、むしろ、それは、固化された氷が分割器において構造的脆弱性を有し、分割器に沿って氷が下側壁55の変形によって容易により小さい断片に破壊され得るように、液体の中に延在するように、下側壁の一側から突出するのみである。これらの実施形態では、分割器は、コンパートメントを完全に分離しない。ある実施形態によると、分割器は、コンパートメントが容器の反対側において画定され、容器の中心の近傍において完全に分割されないように、単に、壁または基部から、容器を半分未満横断した容器の内部の中に延在する。任意の数の分割器が、中心において相互にタッチすることなく、側面から中心に向かって延在し得、コンパートメントは、依然として、分割器間で画定されている。
【0040】
本発明の一側面によると、液体が、容器の中に挿入され、下側壁から分割器の上部あたりまで充填してもよい。容器は、ジッパ部材をジッパ留めし、口を閉鎖することによって、閉鎖され得る。容器は、次いで、液体が氷に固化されるまで、冷凍庫または他の氷点下環境の中に設置され得る。容器は、冷凍庫環境から除去され得る。口が依然としてジッパ部材によって閉鎖された状態で、粉砕力が、容器の外部に印加され、角氷を容器の下側部分におけるコンパートメントから外に破壊し得る。
【0041】
図4は、円形の口を有する
図3の製氷容器の断面平面図であり、オス型ジッパ部材57およびメス型ジッパ部材58が、示される。オス型ジッパ部材57は、口52のすぐ内側に位置付けられ、製氷タンブラ形状の製氷容器50の一方の内側から延在する。メス型ジッパ部材58は、口52のすぐ内側に位置付けられ、製氷タンブラ形状の製氷容器50の他方の側面から延在する。本実施形態では、製氷タンブラ形状の製氷容器50は、口52の両端部において比較的に厚い先端59を有し、各先端59は、口52の軸に対して横方向に内壁を形成する。先端59の外部表面は、ユーザが製氷タンブラ形状の製氷容器50を保持しながらジッパ部材57および58をともに閉鎖するための「取っ手」を提供する。ジッパ部材は、先端59の内壁において終端し、閉鎖されると、製氷タンブラ形状の製氷容器50の口52を完全にシールする。ジッパ部材57および58は、製氷タンブラ形状の製氷容器50の口52が
図3に示されるように開放しているときでも、オス型およびメス型ジッパ要素が先端59において完全に係合するように、先端59において相互に「交差」する。口52を閉鎖するために、ユーザは、単に、口52の側面をともに圧搾し、オス型ジッパ部材57およびメス型ジッパ部材58が先端59から先端59まで完全に係合されるまで、ジッパ部材57および58をともに挟持する。開放しているとき、口52は、各先端59において注ぎ口53を形成する。
【0042】
図5は、
図3のものに類似する、円形の口を有する代替の製氷タンブラ形状の製氷容器50の断面平面図であり、オス型ジッパ部材57およびメス型ジッパ部材58が、示される。
図4に示される実施形態と同様に、オス型ジッパ部材57は、口52のすぐ内側に位置付けられ、製氷タンブラ形状の製氷容器50の一方の内側から延在し、メス型ジッパ部材58は、口52のすぐ内側に位置付けられ、製氷タンブラ形状の製氷容器50の他方の側面から延在する。しかしながら、本実施形態では、口52の各端部において形成される先端59は、比較的に薄い壁厚を有し、各先端59は、口52の軸に対して横方向に内壁を形成しない。先端59の領域内の壁厚は、口52を形成する側壁とほぼ同一である。オス型ジッパ部材57およびメス型ジッパ部材58は、先端59の最極端まで延々と延在し、先端59において相互に「交差」する。ジッパ部材57および58の端部は、ジッパ部材57および58がともに閉鎖されると、それらが先端59においてジッパをシールするように、約45度に角度付けられる。
【0043】
図6A~
図6Eは、製氷容器60の斜視図、平面図、および断面端面図を示す。製氷容器60は、形状が略円形である基部61を備える。製氷容器60は、上部において口62をさらに備え、口は、開放しているとき、略円形であり、閉鎖されているとき、略線形である。口62の内部の各端部において、製氷容器60は、注ぎ口63を有する。本実施形態では、口62の各端部において形成される先端69は、口62を形成する側壁とほぼ同一の壁厚を有する。オス型ジッパ部材67は、口62のすぐ内側に位置付けられ、製氷容器60の一方の内側から突出し、一方の注ぎ口63から他方の注ぎ口63まで延在する。メス型ジッパ部材68は、口62のすぐ内側に位置付けられ、製氷容器60の他方の内側から突出し、一方の注ぎ口63から他方の注ぎ口63まで延在する。本実施形態では、分割器64は、上部におけるものより底部において小さい角氷用コンパートメント65を画定するような二重壁である。分割器の壁66は、上部において継合し、底部に向かって相互から離れるように角度を成す。角度を成した壁66を用いると、コンパートメント65は、それらの上部においてより広く、それらの底部において狭小であり、これは、角氷がコンパートメント65から外により容易に飛び出すことを可能にする。代替実施形態では、分割器は、角氷の製氷を促進するような任意の形状または構成をとってもよい。
【0044】
図6Bは、開放構成にある製氷容器60の平面図であり、角氷を製氷するためのコンパートメントを画定する分割器が、可視である。本実施形態では、カップ形状の製氷容器60は、分割器64によって分離される角氷を製氷するための4つのコンパートメント65を有する。代替実施形態では、任意の数のコンパートメントが、使用されてもよい。コンパートメント65は、形状が略三角形である。代替実施形態では、コンパートメントは、角氷の製氷を促進するような任意の形状または構成をとってもよい。
【0045】
図6Bは、断面を示し、断面C-C、D-D、およびE-Eが、それぞれ、
図6C~
図6Eに示される。オス型部材67およびメス型部材68の中間の実質的部分の全体を通して、部材は、完全に形成され、完全に定寸されている。
図6Cは、完全に形成されて完全に定寸されるオス型部材67およびメス型部材68を示す。本実施形態では、部材は、オス型ジッパ部材67がメス型ジッパ部材68の中に挿入されるとそれらをともに保持してシールを形成する相互係止特徴を有する。断面において、オス型ジッパ部材67は、胴部101の遠位端において頭部102を伴う胴部101を有するボタンまたはマッシュルーム外形を有する。頭部102は、2つの肩部103が胴部101から反対方向に延在するように、胴部101より広い。断面において、メス型ジッパ部材68は、2つの対向フランジ104を備え、各フランジ104は、反対のフランジ104に向かって延在する肩部105を有する。オス型部材67およびメス型部材68が、口62を閉鎖およびシールするために係合されると、頭部102は、オス型ジッパ部材67の肩部103がメス型ジッパ部材68の肩部105の背後で係止された状態になるまで、フランジ104の間に挿入される。オス型部材67およびメス型部材68は、可撓性材料から作製されるため、部材は、挿入の間に撓曲し、係合に応じて跳ね返る。
【0046】
オス型部材67およびメス型部材68は、注ぎ口63に向かって延在するにつれて、高さがより低い状態になるが、それらの形状を留保する。
図6Dは、比較的により短いオス型部材67およびメス型部材68を示す。特に、オス型ジッパ部材67の頭部102のサイズは、同一のサイズであり、メス型ジッパ部材68のフランジ104によって画定されるチャネルは、
図6Cに示される頭部およびチャネルと同一のサイズである。
【0047】
図6Cは、開放構成にあるカップ形状の製氷容器60の断面側面図である。分割器64は、上部においてともに継合する2つの壁66を備える断面に示される。コンパートメント65は、分割器64および製氷容器60の外壁によって画定される。
【0048】
オス型部材67およびメス型部材68は、ほぼ注ぎ口63まで延在するにつれて、高さがさらにより低い状態になり、それらの形状を変化させる。本実施形態では、部材は、頭部102のサイズを縮小し、フランジ104間のチャネルのサイズを縮小することによって、それらの形状を変化させる。
図6Eは、比較的により低いオス型部材67およびメス型部材68を示す。肩部103および105もまた、部材が注ぎ口63に向かってテーパ状になるにつれて、サイズが収縮する。オス型部材67およびメス型部材68は、注ぎ口63において存在しない状態になるまで、テーパ状であり続ける。
【0049】
図6Fは、
図6A~
図6Eに示される製氷容器60の底面図であり、口62の軸に沿った切取標高G-Gを示す。4つの別個のコンパートメント65が、分割器64および製氷容器60の外壁によって画定される。
図6Gは、製氷容器60の切取正面図であり、切取は、製氷容器60の内部が可視であるように断面G-Gにおいて行われている。メス型ジッパ部材68は、一方の注ぎ口63から他方まで延在する。メス型ジッパ部材68は、オス型ジッパ部材67(図示せず)の頭部102を受容するためのチャネルを間に画定する2つのフランジ104を有する。フランジ104は、注ぎ口63において終端するように、注ぎ口63に向かって延在するにつれて、テーパ状になり、より小さい状態になる。当然ながら、フランジ104間に画定されるチャネルもまた、注ぎ口63において終端する。分割器64は、上部においてともに継合する2つの壁66を備える断面において示される。コンパートメント65は、分割器64および製氷容器60の外壁によって画定される。
【0050】
再び
図6Aおよび6Bを参照すると、オス型部材67およびメス型部材68は、注ぎ口63に干渉しない。口62が開放しているとき、オス型部材67およびメス型部材68は、注ぎ口63において相互と係合しない。これは、製氷容器60内に含有される流体が、オス型部材67およびメス型部材68のうちのいずれかから越流することなく、いずれかの注ぎ口63から外に傾注されることを可能にする。むしろ、流体は、注ぎ口63のうちのいずれかを通してオス型部材67およびメス型部材68の間に流動し得る。さらに、ジッパ部材は、口62が開放しているときに係合しないため、残渣および残留物が、メス型ジッパ部材68のフランジ104の間に画定されるチャネルまたはオス型ジッパ部材67の頭部102の背後に画定されるチャネルの中に留まった状態になる機会は殆どない。
【0051】
図7A~
図7Dは、代替製氷タンブラ70の斜視断面端面図を示す。タンブラ70は、形状が略円形である基部71を備える。タンブラ70は、上部において口72をさらに備え、口は、開放しているとき、略円形であり、閉鎖されているとき、略線形である。口72の内部の各端部において、タンブラ70は、注ぎ口73を有する。本実施形態では、口72の各端部において形成される先端79は、口72を形成する側壁とほぼ同一の壁厚を有する。オス型ジッパ部材77は、口72のすぐ内側に位置付けられ、タンブラ70の一方の内側から突出し、一方の注ぎ口73から他方の注ぎ口73まで延在する。メス型ジッパ部材78は、口72のすぐ内側に位置付けられ、タンブラ70の他方の内側から突出し、一方の注ぎ口73から他方の注ぎ口73まで延在する。本実施形態では、オス型ジッパ部材77およびメス型ジッパ部材78は、注ぎ口73の近傍に、中間断面とはるかに異なる端部断面を有する。
【0052】
図7Aは、製氷タンブラ70の斜視図である。
図7Bは、示される断面を伴うタンブラ70の平面図であり、断面C-CおよびD-Dが、それぞれ、
図7Cおよび
図7Dに示される。
図7Cは、オス型ジッパ部材77が、胴部101の遠位端において頭部102を伴う胴部101を有するボタンまたはマッシュルーム外形を有することを示す。頭部102は、2つの肩部103が胴部101から反対方向に延在するように、胴部101より広い。断面において、メス型ジッパ部材78は、2つの対向フランジ104を備え、各フランジ104は、反対のフランジ104に向かって延在する肩部105を有する。オス型部材77およびメス型部材78が、口72を閉鎖およびシールするために係合されると、頭部102は、オス型ジッパ部材77の肩部103がメス型ジッパ部材78の肩部105の背後で係止された状態になるまで、フランジ104の間に挿入される。オス型ジッパ部材77およびメス型ジッパ部材78は両方とも、全中間断面の全体を通してそれらの断面外形を維持する。オス型ジッパ部材77およびメス型ジッパ部材78の端部は、中間断面と比較して異なる外形を有する。オス型ジッパ部材77の端部は、頭部のない胴部107の形状にある断面外形を有する。
図7Dを参照されたい。メス型ジッパ部材78の端部は、フランジ間にチャネルを画定する2つの肩部のないフランジ108の形状にある断面外形を有する。
図7Dを参照されたい。したがって、
図6A~
図6Fの実施形態と
図7A~
図7Dの実施形態との間の差異は、肩部103および105が、オス型ジッパ部材77およびメス型ジッパ部材78が注ぎ口73において終端するよりかなり前に終端することである。しかしながら、2つの実施形態の類似する特徴は、オス型ジッパ部材77およびメス型ジッパ部材78が、注ぎ口73に干渉しないことである。口72が開放しているとき、オス型ジッパ部材77およびメス型ジッパ部材78は、注ぎ口73において相互と係合しない。これは、タンブラ70内に含有される流体が、オス型ジッパ部材77およびメス型ジッパ部材78のうちのいずれかから越流することなく、いずれかの注ぎ口73から外に傾注されることを可能にする。むしろ、流体は、注ぎ口73のうちのいずれかを通して頭部のない胴部107と肩部のないフランジ108との間に流動し得る。さらに、ジッパ部材は、口72が開放しているときに係合しないため、残渣および残留物が、メス型ジッパ部材78の肩部のないフランジ108の間に画定されるチャネルまたはオス型ジッパ部材77の頭部のない胴部107の周囲に画定されるチャネルの中に留まった状態になる機会は殆どない。
【0053】
図7Cは、開放構成にある製氷容器の断面側面図である。容器70の口72において、オス型ジッパ部材77と、メス型ジッパ部材78とが、存在する。分割器74は、上部においてともに継合する2つの壁76を備える断面に示される。コンパートメント75は、分割器74および製氷容器70の外壁によって画定される。
【0054】
図8A~
図8Fは、代替製氷容器80の斜視図、端面図、側面図、平面図、および底面図を示す。製氷容器80は、形状が略細長六角形である基部81を備える。製氷容器80は、基部81から延在して上部において口82を形成する自立側86をさらに備え、口は、開放しているとき、形状が略細長六角形であり、閉鎖されているとき、略線形である。口82の内部の各端部において、製氷容器80は、注ぎ口83を有する。本実施形態では、口82の各端部において形成される先端89が、口82を形成する側壁とおよそ同一の壁厚を有する。オス型ジッパ部材87が、口82のすぐ内側に位置付けられ、製氷容器80の一方の内側から突出し、一方の注ぎ口83から他方の注ぎ口83まで延在する。メス型ジッパ部材88が、口82のすぐ内側に位置付けられ、製氷容器80の他方の内側から突出し、一方の注ぎ口83から他方の注ぎ口83まで延在する。本実施形態では、オス型ジッパ部材87およびメス型ジッパ部材88は、注ぎ口83の近傍に、中間断面とはるかに異なる端部断面を有する。特に、ジッパ部材は、注ぎ口83において終端するまで、サイズおよび形状を縮小させる。
【0055】
図8Eは、製氷容器80の平面図を図示する。分割器84は、基部81から上方に延在し、コンパートメント85を画定する。本実施形態では、コンパートメント85は、形状が斜方形および三角形であり、内部コンパートメント85は、斜方形であり、周界コンパートメント85は、三角形である。各内部コンパートメント85は、その底部において、基部81の一部、およびその側面において、分割器84によって画定される。各周界コンパートメント85は、基部81の一部、その側面において分割器84、および、その側面の残部において自立側86の一部によって画定される。分割器84は、コンパートメント85の幅寸法が底部の近傍において狭小でありかつ上部の近傍において広くなるように、基部81に向かって底部においてより厚くかつ上部に向かってより薄い壁厚を有する単一壁である。溝付きのコンパートメントの形状が、圧縮力が容器80の外部に印加されると、コンパートメントから角氷を遊離させることを促進し得る。
【0056】
開示される実施形態は、本開示において詳細に説明されているが、種々の変更、代用、および改変が、それらの精神および範囲から逸脱することなく、実施形態に成され得ることを理解されたい。
【国際調査報告】