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特表2022-523578摩耗インジケータを有する取出しノズルを含むワイプディスペンサー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-25
(54)【発明の名称】摩耗インジケータを有する取出しノズルを含むワイプディスペンサー
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/08 20060101AFI20220418BHJP
【FI】
B65D83/08 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021552903
(86)(22)【出願日】2020-03-02
(85)【翻訳文提出日】2021-09-22
(86)【国際出願番号】 US2020020632
(87)【国際公開番号】W WO2020180775
(87)【国際公開日】2020-09-10
(31)【優先権主張番号】62/814,990
(32)【優先日】2019-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506190555
【氏名又は名称】ゴジョ・インダストリーズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】特許業務法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウルフ, ケイトリン アン
(72)【発明者】
【氏名】ビュエル,シェルビー ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】マン, クリストファー ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】ムーア, ジャニス リン
【テーマコード(参考)】
3E014
【Fターム(参考)】
3E014LB02
(57)【要約】
ワイプディスペンサーの例示的な実施形態が本明細書に開示されている。摩耗インジケータ付きのノズルを有する例示的なワイプディスペンサーは、容器と、容器内に収容された複数のワイプと、複数のワイプを湿らせるための流体と、容器に接続された受け部材と、エラストマー出口ノズルを保持するための出口ノズルハウジングとを含む。エラストマー出口ノズルは、ノズルを交換するべきという視覚的表示を提供する摩耗インジケータを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイプディスペンサーであって、
複数のワイプを保持するための容器と、
前記容器に固定された出口ノズルと、を備え、
前記出口ノズルが、
エラストマー部材と、
ワイプを通して引くための前記エラストマー部材内に位置する取出口と、
前記取出口に近接して位置する摩耗インジケータと、を備え、
前記摩耗インジケータが、前記取出口を少なくとも部分的に取り囲み、
複数のワイプが前記取出口を通して引かれた後、前記取出口が摩耗して拡張するように構成され、
前記摩耗インジケータが、前記出口ノズルが交換されるべきであるという表示を提供するように構成されている、ワイプディスペンサー。
【請求項2】
前記摩耗インジケータが、前記摩耗インジケータを囲む領域とは異なる色である、請求項1に記載のワイプディスペンサー。
【請求項3】
前記摩耗インジケータが、前記摩耗インジケータを囲む前記材料の厚さよりも厚い、請求項1に記載のワイプディスペンサー。
【請求項4】
前記摩耗インジケータが、前記出口ノズル上にオーバーモールドされている、請求項1に記載のワイプディスペンサー。
【請求項5】
前記摩耗インジケータが、丸い形状を有する、請求項1に記載のワイプディスペンサー。
【請求項6】
前記摩耗インジケータが、前記出口ノズル上に印刷されている、請求項1に記載のワイプディスペンサー。
【請求項7】
前記摩耗インジケータが、前記出口ノズルとは異なる材料である、請求項1に記載のワイプディスペンサー。
【請求項8】
前記摩耗インジケータが、開口部の長さを延在する、請求項1に記載のワイプディスペンサー。
【請求項9】
ワイプディスペンサーであって、
複数のワイプを保持するための容器と、
前記容器に固定されたノズルホルダと、
前記ノズルホルダによって保持される出口ノズルと、を備え、
前記出口ノズルが、前記ノズルホルダに対して回転するように構成され、
前記出口ノズルが、エラストマー部材を備え、
前記出口ノズルが、ワイプが通して引かれる取出口を有し、
摩耗インジケータが、前記取出口を少なくとも部分的に取り囲み、
複数のワイプが通して引かれた後、前記取出口が摩耗し、かつ前記取出口の前記開口部が広がり、
前記開口が広がった後、前記取出口の少なくとも一部分が、前記複数のワイプが前記取出口を通して引かれる前よりも、前記摩耗インジケータの縁部により近い、ワイプディスペンサー。
【請求項10】
前記摩耗インジケータが、前記摩耗インジケータを囲む領域とは異なる色である、請求項9に記載のワイプディスペンサー。
【請求項11】
前記摩耗インジケータが、前記摩耗インジケータを囲む前記材料の厚さより厚い、請求項9に記載のワイプディスペンサー。
【請求項12】
前記摩耗インジケータが、前記ノズル上にオーバーモールドされている、請求項9に記載のワイプディスペンサー。
【請求項13】
前記摩耗インジケータが、前記ノズル上に印刷されている、請求項9に記載のワイプディスペンサー。
【請求項14】
前記摩耗インジケータが、前記出口ノズルとは異なる材料である、請求項9に記載のワイプディスペンサー。
【請求項15】
ワイプディスペンサーであって、
複数のワイプを保持するための容器と、
出口ノズルと、を備え、
前記出口ノズルが、
エラストマー部材と、
前記エラストマー部材内の開口部と、
少なくとも部分的に前記開口部の周りに位置する摩耗インジケータと、を備え、
前記摩耗インジケータが、前記開口部が拡大しており、前記エラストマー部材を交換する必要があることを示す視覚的参照を提供する、ワイプディスペンサー。
【請求項16】
前記摩耗インジケータが、前記摩耗インジケータを囲む領域とは異なる色である、請求項1に記載のワイプディスペンサー。
【請求項17】
前記摩耗インジケータが、前記摩耗インジケータを囲む前記材料の厚さよりも厚い、請求項1に記載のワイプディスペンサー。
【請求項18】
前記摩耗インジケータが、前記出口ノズル上にオーバーモールドされている、請求項1に記載のワイプディスペンサー。
【請求項19】
前記摩耗インジケータが、前記出口ノズルとは異なる材料である、請求項1に記載のワイプディスペンサー。
【請求項20】
前記摩耗インジケータが、前記出口ノズルの前記摩耗を減速する、請求項1に記載のワイプディスペンサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連技術の相互参照
本出願は、「WIPES DISPENSING NOZZLES HAVING WEAR INDICATORS AND WIPES DISPENSERS HAVING THE SAME」と題され、2019年3月7日に出願された、米国仮特許出願第62/814,990号の優先権および利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は概して、ワイプまたは濡れナプキンを取出すための方法およびシステムに関する。より具体的には、本発明は、ワイプ取出しノズルおよびワイプ取出しノズルを有するディスペンサーに関する。
【背景技術】
【0003】
ワイプは典型的には、不織布材料などの多様な材料から作製される。ワイプは、洗浄溶液および/または抗菌溶液などの溶液で湿らされていることが多い。ワイプは、容器内に積み重ねられ、そして折り畳まれていてもよく、またはロールの形態であってもよい。ロールの形態のワイプは、典型的に、ワイプ間にミシン目を有する。二つのワイプ間の材料の強度は重要である。この強度は、後続ワイプの上部がディスペンサー出口ノズルを通して引き上げられるまで、ワイプが互いにつながったままになるほど十分に強く、かつ第二のワイプの先行端部が出口ノズルから十分に高くなった時に切れるほど十分に弱い必要があり、こうして、別のワイプが必要な時に、ユーザーが掴んで、容器から引き出してもよい。しかしながら、先行端部はしばしば、開口部を越えてユーザーが掴むのに十分な高さまで延在せず、これが顧客による「短い口取り(short tail)」の苦情につながる。さらに、二つのワイプの間の材料の強度は、ワイプの先行端部が出口ノズルより十分に上方にある時に材料が切れるように、十分に弱くなければならない。これが切れない場合、ただ1枚だけが必要な時に、「ローピング」が発生して、複数のワイプがノズルから引き出される。例えば、シリコンゴムなどの、より柔らかい弾性材料を使用することで、上記で特定された欠陥を克服することが見出されているが、より柔らかい弾性材料は、経時的にとともに摩耗する場合があり、そしてローピングを生じる可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
ワイプディスペンサーの例示的な実施形態が本明細書に開示されている。例示的ワイプディスペンサーは、複数のワイプを保持するための容器と、容器に固定された出口ノズルとを含む。出口ノズルは、エラストマー部材を備える。出口ノズルは、ワイプが通して引かれる取出口を含む。摩耗インジケータは、取出口に近接して位置する。摩耗インジケータは、ノズルを交換するべきであるという表示を提供するために使用される。
【0005】
別の例示的なワイプディスペンサーは、容器と、容器内に収容された複数のワイプと、複数のワイプを湿らせるための流体と、摩耗インジケータ付きの自己配向出口ノズルとを含む。自己配向出口ノズルは、移動可能な出口開口部を含む。移動可能な出口開口部は、ワイプが実質的に垂直ではない角度でディスペンサーから引き出される時、ワイプの引っ張り方向と整列する。
【0006】
ワイプディスペンサーの別の例示的な実施形態は、複数のワイプを保持するための容器と、容器に固定された自己配向出口ノズルとを含む。自己配向ノズルは、部分的球状形状を有するハウジングを有する。出口開口部および摩耗インジケータを有する弾性部材は、ハウジングに固定される。例示的な実施形態は、ハウジングを受けるためのソケットをさらに含む。ハウジングの少なくとも一部分は、ソケット内で回転することができる。
【0007】
自己配向出口ノズルを有する別の例示的なワイプディスペンサーは、複数のワイプを保持するための容器と、ワイプを湿らせるための液体と、摩耗インジケータ付きの自己配向出口ノズルとを含む。自己配向出口ノズルは、出口開口部を有する。自己配向出口ノズルを容器に接続するためのコネクタも含まれる。コネクタは、自己配向出口ノズルの出口が容器に対して移動可能であり、かつ、ワイプ引っ張り方向が垂直位置からずれている時に開口部がワイプ引っ張り方向と整列するように動くように構成される。
【0008】
ワイプを取出すための別の例示的なディスペンサーは、容器と、キャップと、容器内に収容された複数のワイプと、ソケットと、少なくとも部分的にソケット内に位置するハウジングと、ハウジングに固定された摩耗インジケータ付きのエラストマー出口ノズルとを含む。エラストマー出口ノズルは出口開口部を有し、またハウジングはソケット内で自己配向するように構成される。
【0009】
別の例示的なワイプディスペンサーは、複数のワイプを保持するための容器と、容器に固定された取出し用自己配向ノズルとを含む。取出し用自己配向ノズルは、部分的球状形状を有するハウジングと、ハウジングに固定された出口開口部を有する摩耗インジケータ付きの弾性部材とを含む。ディスペンサーは、取出し用自己配向ノズルのハウジングを受けるためのソケットを含む。
【0010】
ワイプ用の別の例示的な取出し用自己配向ノズルは、摩耗インジケータ付きの弾性ドーム形状部材と、ドーム形状部材内に位置する出口開口部と、部分的球状形状を有するハウジングとを含む。ハウジングは、ソケット内に受けられるように構成され、出口開口部は自己配向できるようになる。
【0011】
自己求心ノズルを有する例示的なワイプディスペンサーは、容器と、容器内に収容された複数のワイプと、複数のワイプを湿らせるための流体と、容器に接続された受け部材と、摩耗インジケータ付きのエラストマー出口ノズルを保持するための出口ノズルハウジングとを含む。ノズルハウジングは、ノズルハウジングが二つ以上の位置の間で移動可能なように、受け部材に接続される。付勢部材は、受け部材、ノズルハウジング、およびエラストマー出口ノズルのうち一つに接続される。エラストマー出口ノズルは、中央直立位置から移動し、付勢部材は、出口ノズルを中央位置に向けて偏向および付勢する。
【0012】
別の例示的なワイプディスペンサーは、複数のワイプを保持するための容器を含む。ディスペンサーは、容器に固定された出口ノズルを含む。出口ノズルは、エラストマー部材を含む。エラストマー部材は、それを通してワイプを引くことができるように構成された取出口を有する。摩耗インジケータは、取出口に近接して位置する。摩耗インジケータは、取出口を少なくとも部分的に取り囲む。取出口は、複数のワイプが取出口を通して引かれた後、摩耗するように構成され、摩耗インジケータは、ノズルを交換するべきであるという表示を提供するように構成される。
【0013】
別の例示的なワイプディスペンサーは、複数のワイプを保持するための容器と、容器に固定されたノズルホルダとを含む。出口ノズルは、ノズルホルダによって保持される。出口ノズルは、ノズルホルダに対して回転するように構成される。出口ノズルは、エラストマー部材を含む。出口ノズルは、それを通して引かれるワイプのための取出口を有する。摩耗インジケータは、取出口を少なくとも部分的に取り囲む。複数のワイプが取出口を通して引かれた後、取出口の摩耗と取出口の開口部は広がる。開口が広がった後、取出口の少なくとも一部分は、複数のワイプが取出口を通して引かれる前よりも、摩耗インジケータの縁部に近くなる。
【0014】
別の例示的なワイプディスペンサーは、複数のワイプを保持するための容器と、出口ノズルとを含む。出口ノズルは、エラストマー部材を含む。エラストマー部材は開口部を含む。摩耗インジケータは、少なくとも部分的に開口部の周りに位置する。摩耗インジケータは、開口部が拡大しており、エラストマー部材を交換する必要があることを示す視覚的参照を提供する。
【0015】
本発明のこれらおよびその他の特徴および利点は、以下の記述および添付図面に関してより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、自己配向ノズルが直立位置にある、摩耗インジケータ付きの自己配向ノズルを有するワイプディスペンサーの例示的な実施形態の断面図である。
図2図2は、自己配向ノズルが配向された位置にある、図1のワイプディスペンサーの例示的な実施形態の断面図である。
図3図3は、自己配向ノズルが直立位置にあり、ワイプがノズルを通って延在する、図1のワイプディスペンサーの例示的な実施形態の断面図である。
図4図4は、自己配向ノズルが、ワイプがノズルを通って延在している状態で配向された位置にある、図1のワイプディスペンサーの例示的な実施形態の断面図を図示する。
図4A図4Aは、自己配向ノズルおよび摩耗インジケータを有するワイプディスペンサーの別の例示的な実施形態の断面図を図示する。
図5図5は、ワイプディスペンサーと、摩耗インジケータを有するノズルの別の例示的な実施形態である。
図6図6は、摩耗インジケータを有するノズルの別の例示的な実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1および図2は、ワイプディスペンサー100の例示的な実施形態を図示する。ワイプディスペンサー100は容器102を含む。容器102の内側に位置するのは、ワイプのロール104である。この例示的な実施形態では、ワイプのロール104は、個々のワイプを分離し、かつワイプのロールからワイプを分離する分裂点を提供する周期的なミシン目140を有する。いくつかの実施形態では、ワイプ104は、二つのワイプが分離する前に先行ワイプが開口部を通して後続ワイプを引き出すような様態で、まとめて折り畳まれた個別のワイプである。ワイプディスペンサー100は、容器102に固定されたキャップ106を含む。キャップ106は、例えば、螺合、溶接、スナップフィット、接着接合、摩擦ばめ、など、任意の手段によって容器102に固定され得る。
【0018】
この例示的な実施形態では、キャップ106は、キャップ突出部材152によって形成される開口部132を含む。キャップ突出部材152は、部分的球状形状を有する。下側部材154は、キャップ突出部材152に固定される。下側部材154は、例えば、螺合、摩擦ばめ、接着接合、スナップフィットなどの任意の手段によって突出部材152に固定されてもよい。下側突出部材154も、部分的球状形状を有する。キャップ突出部材152および下側部材154は、球状形状の内側壁162を有するソケット170を形成する。ソケット170は、ソケット170の底部に位置する開口部160を含み、これにより、ワイプがソケット170を通して引き上げられ、自己配向出口110の出口ノズル111の開口部114から引き出せるようになる。また、環状突出部166がソケット170の底部に位置し、自己配向出口ノズルホルダ110の移動を制限する。
【0019】
自己配向ノズルハウジング156は、ソケット170内に位置し、同じく部分的球状形状を有し、ソケット170内で回転して自己配向し得るボール164の部分を形成する。環状突出部166は、自己配向出口ハウジング156が環状突出部166と接触する時に、自己配向出口ノズルホルダ110が遠くまで、例えば、開口部114がもはや開口部132内にない点まで回転することを防止する。
【0020】
自己配向出口ハウジング156は、環状突出部158を含む。環状突出部158は、エラストマー出口ノズルまたは弾性出口ノズル111を自己配向ノズルハウジング156内に保持する。エラストマー出口ノズルまたは弾性出口ノズル111は、例えば、シリコン、エラストマー、ゴム、プラスチック、TPEなどから作製されてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、エラストマー出口ノズルまたは弾性出口ノズル111は、自己配向ノズルなしでキャップに取り付けられる。
【0022】
この例示的な実施形態では、出口ノズル111は、貫通する狭い取出口または開口部114を有するドーム112を含む。いくつかの実施形態では、開口部114は、必要に応じて拡張し得る円形断面を有して、開口部114を通ってワイプ302(図3)を引き出せるようにする。本明細書に開示される全ての実施形態において、開口部は円形として示されているが、開口部は、例えば、楕円形、長方形、多面、星形、円錐形、多角形など、異なる断面形状であってもよい。いくつかの実施形態では、開口部の厚さは、ワイプが引いて通される際にワイプに加えられる望ましい抵抗を達成するために調整され得る。望ましい抵抗は、後続ワイプが先行ワイプから分離し、かつ後続ワイプの先端部が出口ノズル111上部の上方に延在するように選択されてもよい。
【0023】
この例示的な実施形態では、自己配向出口ノズルホルダ110は、任意の流体保持部材120を含む。流体保持部材120は、傾斜のない水平表面を有する環状部材である。いくつかの実施形態では、表面は上向きに傾斜してもよい。いくつかの実施形態では、水平表面120は、液体を捕捉し、かつ保持する。示したように、流体保持部材120は、ドーム112と一体成形されるが、流体保持部材120は、任意に別個のピースであってもよい。出口ノズル111は、ドーム112の下方に環状突出部121を有する。環状突出部121は、外端部上に上向きに延在するフランジ122を有し、自己配向出口ハウジング156の環状突出部158に接続される。
【0024】
出口ノズル111は、摩耗インジケータ180を含む。摩耗インジケータ180は、出口ノズル111を交換する必要があることをユーザーに通知するために使用される。ワイプがエラストマー出口ノズルまたはゴム出口ノズル111を通って引かれる際に、開口部114は摩耗し、サイズが増加する傾向があるため、出口ノズル111は定期的に交換される必要がある。ある期間の使用後、開口部114は大きすぎるようになり、ユーザーが先行ワイプを引くと、ローピングが発生する場合がある。ローピングとは、ワイプが互いに分離しない時、複数のワイプが容器102から引き出されることである。
【0025】
多くの場合、ユーザーは、出口ノズル111が摩耗し、定期的に交換する必要があることを知らない。出口ノズル111の例示的な摩耗インジケータ180は、出口ノズル111を交換する必要がある時の視覚的表示を提供する。この例示的な実施形態では、摩耗インジケータ180は、開口部114を少なくとも部分的に取り囲む。開口部114が摩耗すると、開口部は摩耗インジケータ180に近づく。開口部が摩耗インジケータ180に到達すると、出口ノズル111を交換する必要がある。いくつかの例示的な実施形態では、摩耗インジケータ180は、ドーム112の周囲の部分とは異なる色である。いくつかの実施形態では、摩耗インジケータ180は、ドーム112の表面上に印刷される。いくつかの実施形態では、摩耗インジケータ180は、ドーム112とは異なる材料で作製される。いくつかの実施形態では、摩耗インジケータ180は、ドーム112上のオーバーモールドである。いくつかの実施形態では、オーバーモールドは異なる色である。いくつかの実施形態では、オーバーモールドは異なる質感を有する。いくつかの実施形態では、摩耗インジケータ180は、開口部114の周りの隆起した部分である。いくつかの実施形態では、摩耗インジケータ180は、開口部114の周りの低い部分である。いくつかの実施形態では、摩耗インジケータ180は、開口部114を取り囲んでおり、摩耗インジケータ180、またはその一部分が擦り減ったり、擦り切れたりする時、ユーザーは、出口ノズル110を交換する必要があると容易に判断することができる。
【0026】
図3および図4は、上向き(図3)に、また非垂直方向(図4)になっている開口部114を通して引き上げられるワイプ302を有する例示的なディスペンサー100を示す。動作中、ワイプ302は、自己配向出口ノズルホルダ110を通して引き上げられる。ワイプ302が出口ノズル111の狭い開口部114を通して引き上げられる際、液体は、ワイプ302から絞られるか、または流出する。液体は、ドーム112の内側に沿って移動し、流体保持部材120へと流れ落ちる。液体は、流体保持部材120を通過中のワイプ302の一部分と接触して、ワイプ302を再び湿らせる。したがって、流体保持部材120は、全てのワイプ302が湿っていることを確保するのに役立つ。さらに、流体保持部材120は、より長い期間にわたり液体を保持し、かつ使用と使用の間にワイプ302が乾燥しないように保つのに役立つ場合がある。いくつかの実施形態では、流体保持部材120および開口部114のサイズは組み合わされて、出口ノズル111および支持リング150上に配置される再閉鎖可能カバー(図示せず)の必要性が排除される。
【0027】
さらに、ワイプ302が出口ノズル111から引き出される動作中、自己配向出口ノズルホルダ110は、ソケット170内で自由に回転または旋回する。したがって、出口ノズル111の開口部114は、引っ張り方向(P)と整列する。図3は、引っ張り方向(P)が上向きである時、自己配向出口ノズルホルダ110がどのように整列するかを図示する。図4は、引っ張り方向(P)が横にずれた時、自己配向出口ノズルホルダ110がどのように整列するかを図示する。
【0028】
自己配向出口ノズルホルダ110が、引っ張り方向と整列する時、短い口取り(すなわち、ワイプの先行端部が、ユーザーがワイプを容器から引き出すために掴んで保持できる部分が開口部114から十分外に出ていないこと)の数が減少することが発見されている。
【0029】
図4Aは、摩耗インジケータ480を有する自己配向出口400の別の例示的な実施形態の断面図である。自己配向出口ノズルホルダ400は、キャップ突出部材152によって形成される開口部132を含むキャップ106を含む。キャップ突出部材152は、部分的球状形状を有する。下側部材154は、キャップ突出部材152に固定される。下側部材154は、例えば、螺合、摩擦ばめ、接着接合、スナップフィットなどの任意の手段によって突出部材152に固定されてもよい。下側突出部材154も、部分的球状形状を有する。キャップ突出部材152および下側部材154は、球状形状の内側壁を有するソケット470を形成し、ソケット470の底部に位置する開口部160を形成して、ソケット470を通してワイプを引き上げられるようにする。ソケット470内に位置するのは、同じく部分的球状形状の自己配向出口ハウジング456であり、突出部材152および下側突出部材154によって形成されるソケット内で回転して自己配向し得るボール464の一部分を形成する。
【0030】
自己配向出口ハウジング400は、出口ノズル112を取り囲む上面部材470を含み、出口ノズル112の開口部114の上方および周りに位置する開口部を有する。上面部材470の開口部は、例示的な摩耗インジケータ480である。開口部114が摩耗し、上面部材470に達する時、ユーザーは、出口ノズル112を交換する時であることが分かる。この例示的な実施形態では、上面部材470は、開口部を囲む半硬質材料(例えば、プラスチックなど)である。いくつかの実施形態では、摩耗インジケータ480は、開口部が摩耗インジケータ480に到達するのに充分なだけ摩耗した時に、開口部114の摩耗を防止および/または減速するように構成される開口部である。したがって、いくつかの例示的な実施形態では、摩耗インジケータ480は、ノズル412の交換が必要であるという表示を提供し、また、ノズル412が交換されるまで、ワイプのローピングが発生し、かつ/または悪化するのを防止するのにも役立つ。
【0031】
図5は、出口ノズル512を備える湿らせたワイプのディスペンサー500の例示的な実施形態を図示する。出口ノズル512は固定されており、ワイプがそこを通って引かれた時に回転しない。ワイプディスペンサー100は容器502を含む。容器502の内側に位置するのは、ワイプのロール504である。ワイプのロール504は、ワイプのロールから個々のワイプを分離するために使用される周期的なミシン目540を有する。一つの実施形態では、ワイプは、先行ワイプが二つのワイプが分離する前に開口部を通して後続ワイプを引き出すようにまとめて折り畳まれた個別のワイプである。ワイプディスペンサー500は、容器502に固定されたキャップ506を含む。キャップ506は、例えば、螺合、溶接、スナップフィット、接着接合、など、任意の手段によって容器502に固定され得る。
【0032】
キャップ506は、取出口520を有する凹部532を含み、ワイプ104aがそれを通過できるようにする。さらに、凹部132は、支持レッジ530を有する。支持レッジ530は、取出しノズル510の環状突出部518を支持する。
【0033】
取出しノズル510は、例えば、シリコンなどの弾性材料から作製される。取出しノズル510は、貫通する狭い取出口または開口部514を有するドーム512を含む。開口部514は、必要に応じて拡張して、ワイプ504aを開口部514を通して引き出せるようにし得る円形断面を有する。ノズル510は、流体保持部材516を含む。流体保持部材516は、傾斜面を有する環状部材である。一つの実施形態では、傾斜面は液体を捕捉し保持する。示したように、流体保持部材516は、ドーム512と一体成形されるが、流体保持部材516は、任意に別個の部品であってもよい。
【0034】
さらに、ノズル510は摩耗インジケータ580を含む。摩耗インジケータ580は、ノズル510を交換する必要があることをユーザーに通知するために使用される。ワイプがエラストマー部材またはゴム部材を通って引かれる際に、開口部514は摩耗する傾向があるため、ノズル510は定期的に交換する必要がある。ある期間の使用後、開口部514は大きすぎるようになる場合があり、ローピングを発生させる可能性がある。例示的なノズル510は、ノズル510を交換する必要がある時に表示を提供する摩耗インジケータ580を含む。この例示的な実施形態では、摩耗インジケータ080は、開口部014を少なくとも部分的に取り囲んでおり、ノズル512とは異なる材料で作製されてもよい。開口部514が摩耗すると、開口部は摩耗インジケータ580に近づく。開口部が摩耗インジケータ580に達すると、ノズル510を交換する必要がある。いくつかの例示的な実施形態では、摩耗インジケータ580は、ドーム512の周囲の部分とは異なる色である。いくつかの実施形態では、摩耗インジケータ580は、ドーム512の表面上に印刷される。いくつかの実施形態では、摩耗インジケータ580は、ドーム512とは異なる材料で作製される。いくつかの実施形態では、摩耗インジケータ580は、ドーム512上のオーバーモールドである。いくつかの実施形態では、オーバーモールドは異なる色である。いくつかの実施形態では、オーバーモールドは異なる質感を有する。いくつかの実施形態では、摩耗インジケータ580は、開口部514の周りの隆起部分である。いくつかの実施形態では、摩耗インジケータ580は、開口部514の周りの低い部分である。いくつかの実施形態では、摩耗インジケータ580は、開口部514を取り囲んでおり、摩耗インジケータ580が擦り減ったり、擦り切れたりする時、ユーザーは、出口ノズル110を交換する必要があると容易に判断することができる。
【0035】
ワイプディスペンサー500は、保持リング536を含んでもよい。保持リング536は、取出しノズル510をキャップ506に固定する。保持リング536は、キャップ506にある突出部532および保持リング536にある突出部534によってスナップフィット接続で保持される。
【0036】
動作中、ワイプ504aは、取出しノズル510を通して引き上げられる。ワイプ504aが取出しノズル510の狭い開口部514を通して引き上げられる際、液体がワイプ504から絞られるか、または流出する。液体は、ドーム512の内側に沿って移動し、流体保持部材516へと流れ落ちる。液体は、流体保持部材516を通過中のワイプ504aの一部分と接触して、ワイプ504aを再び湿らせる。したがって、流体保持部材516は、全てのワイプ504aが湿っていることを確保するのに役立つ。さらに、流体保持部材516は、より長い時間にわたり液体を保持し、かつ使用と使用の間にワイプ504aが乾燥しないように保つのに役立つ場合がある。一つの実施形態では、流体保持部材516と開口部514のサイズとが組み合わされて、キャップ506上の再閉鎖可能カバー(図示せず)の必要性が排除される。
【0037】
さらに、動作中に、ワイプがオリフィスを通して引かれる時、特にワイプが容器から急速に引かれる時、液体は多くの場合、スプレーの形態でワイプから排出される。一つの実施形態では、流体保持部材516は、排出された液体がスプレーになるのを防止する。
【0038】
本明細書に図示した実施形態はドーム形状を有するが、例えば円錐形状など、他の形状が意図されている。さらに、流体保持部材516は、環状ではない形状を有してもよい。一つの例示的な実施形態では、流体保持部材516の開口部は長手方向スリットである。別では、流体保持部材116の開口部は、星形を有する。他の任意の形状としては、多角形開口部および正弦波状スリットが挙げられる。
【0039】
図6は、エラストマー出口ノズル部材または弾性出口ノズル部材600の別の例示的な実施形態である。エラストマー出口ノズル部材または弾性出口ノズル部材600は、例えば、シリコン、エラストマー、ゴム、プラスチック、TPEなどから作製されてもよい。
【0040】
この例示的な実施形態では、出口ノズル部材600は、貫通する開口部613を形成する狭い取出口614を有するドーム612を含む。いくつかの実施形態では、ワイプ(図示せず)を開口部613を通して引くことができるように、開口部613は、必要に応じて拡張し得る円形の断面を有する。本明細書に開示される全ての実施形態において、開口部は円形として示されているが、開口部は、例えば、楕円形、長方形、多面、星形、円錐形、多角形など、異なる断面形状であってもよい。いくつかの実施形態では、開口部の厚さは、ワイプが通って引かれる際にワイプ上に加えられる望ましい抵抗を達成するために調整され得る。
【0041】
この例示的な実施形態では、出口ノズル600は、任意の流体保持部材616を含む。流体保持部材616は、傾斜のない水平表面を有する環状部材である。いくつかの実施形態では、表面は上向きに傾斜してもよい。いくつかの実施形態では、水平表面616は、液体を捕捉し、かつ保持する。示したように、流体保持部材616は、ドーム612と一体成形されるが、流体保持部材616は、任意に別個のピースであってもよい。出口ノズル600は、ドーム612の下方に環状突出部622を有する。
【0042】
ワイプがエラストマー部材またはゴム部材を通して引かれると、開口部613は摩耗する傾向がある。ある期間の使用後、開口部613は摩耗し、大きすぎるようになる。これが起こると、例えば、ローピングなどの問題が発生する。ローピングとは、ワイプが互いに分離せず、複数のワイプが容器から引き出される時のことである。ほとんどのユーザーは、出口ノズル600が摩耗し、定期的に交換する必要があることを知らない。例示的な出口ノズル600は、出口ノズル600を交換する必要がある時に表示を提供する摩耗インジケータ650を含む。いくつかの実施形態では、摩耗インジケータ650は、ドーム612の周囲の部分とは異なる色である。この例示的な実施形態では、摩耗インジケータ650は、開口部614の奥行きに沿って延在する。いくつかの実施形態では、摩耗インジケータ650は、ドームの表面上に印刷される。いくつかの実施形態では、摩耗インジケータは、ドーム612とは異なる材料で作製される。いくつかの実施形態では、摩耗インジケータ650は、ドーム612上にオーバーモールドされる。いくつかの実施形態では、オーバーモールドは異なる色である。いくつかの実施形態では、オーバーモールドは異なる質感を有する。いくつかの実施形態では、摩耗インジケータ650は、開口部613の周りの隆起部分である。いくつかの実施形態では、摩耗インジケータ650は、開口部613の周りの低い部分である。摩耗インジケータ650が擦り減ったり、擦り切れたりしている時、ユーザーは、ノズル600を交換する必要があると容易に判断することができる。
【0043】
本発明はその実施形態の説明によって例示されており、実施形態はかなり詳細に記述されているが、これは、出願人がそのような詳細に対する添付の請求項の範囲を制限することを意図するものではない。追加的な利点および修正は、当業者には容易に見えるであろう。例えば、流体保持部材は、ドーム自己配向ノズルから分離されてもよい。したがって、本発明は、そのより広い態様において、示され、かつ説明されている具体的な詳細、代表的な装置、および図示的な例に限定されない。したがって、新しい試みは、出願人の一般的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、そのような詳細から作られうる。
図1
図2
図3
図4
図4A
図5
図6
【国際調査報告】