(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-25
(54)【発明の名称】情報通信の方法並びにそのシステム及び装置
(51)【国際特許分類】
H04W 48/10 20090101AFI20220418BHJP
H04W 48/16 20090101ALI20220418BHJP
【FI】
H04W48/10
H04W48/16 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021553346
(86)(22)【出願日】2020-03-06
(85)【翻訳文提出日】2021-09-08
(86)【国際出願番号】 FR2020050462
(87)【国際公開番号】W WO2020183096
(87)【国際公開日】2020-09-17
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】591034154
【氏名又は名称】オランジュ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル・ヴィゾ
(72)【発明者】
【氏名】ブノワ・グレイヴズ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067CC21
5K067DD11
5K067DD17
5K067DD25
5K067EE02
5K067EE10
5K067JJ71
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つのセルを有し、このセルの隣接セルを含む移動アクセス・ネットワークの一部分を形成する基地局によって実施される通信方法に関する。この方法は、SSBブロックと呼ばれるブロックを第1の周期性値でブロードキャストして、端末を同期させ、前記端末がSIBを受信できるようにすることを含み、前記SIBのうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの隣接セルの識別子と、前記隣接セルによってブロードキャストされるSSBブロックの第2の周期性値と、前記隣接セルのSSBブロックの周波数位置とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのセルを有する基地局によって実施される通信方法(1)であって、前記基地局が、前記セルに隣接するセルを含む移動アクセス・ネットワークの一部分であり、前記方法が、
- 端末の同期化を目的とし、この端末によるシステム情報ブロック(SIB)の受信を可能にすることを目的とする、いわゆるSSBブロックを、第1の周期性値においてブロードキャストする(11)ことであって、こうしたシステム情報ブロックのうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの隣接セルの識別子(Cell-Id)と、この隣接セルによってブロードキャストされるSSBブロックの第2の周期性値(T_SSB)と、この隣接セルのSSBブロックの周波数位置(GSCN)とを含む、ことを含む、通信方法(1)。
【請求項2】
前記隣接セルが前記セルと同期しており、こうしたシステム情報ブロックのうちの前記少なくとも1つが、この隣接セルによってブロードキャストされる前記SSBブロックの時間位置(T0)をさらに含む、請求項1に記載の通信方法(1)。
【請求項3】
端末によって実施される通信方法(2)であって、
- 第1の周期性において、セルによってブロードキャストされる、いわゆるSSBブロックを検出し(21)、その結果、前記端末がこのセルと同期することができることと、
- こうしたブロックを復号(22)して情報を得て、前記セルによってブロードキャストされるシステム情報ブロックを受信(23)できるようにすることであって、こうしたシステム情報ブロックのうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの隣接セルの識別子(Cell-Id)と、この隣接セルによってブロードキャストされるSSBブロックの第2の周期性値(T_SSB)と、この隣接セルのSSBブロックの周波数位置とを含むことと、
- 前記端末が、このセルを選択(24)することと
を含むことを特徴とする、通信方法(2)。
【請求項4】
端末によって実施される通信方法(2)であって、
- 第1の周期性において、セルによってブロードキャストされる、いわゆるSSBブロックを検出し(21)、その結果、前記端末がこのセルと同期することができることと、
- こうしたブロックを復号(22)して情報を得て、前記セルによってブロードキャストされるシステム情報ブロックを受信(23)できるようにすることであって、こうしたシステム情報ブロックのうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの隣接セルの識別子(Cell-Id)と、この隣接セルによってブロードキャストされるSSBブロックの第2の周期性値(T_SSB)と、この隣接セルのSSBブロックの周波数位置(GSCN)とを含むことと、
- この隣接セルの優先度が相対的に高い場合に、前記端末が前記隣接セルを再選択する(24)ことと
を含むことを特徴とする、通信方法(2)。
【請求項5】
前記システム情報ブロックのうちの前記少なくとも1つが、いわゆるSIB1ブロックであり、前記セルが4Gタイプ又は5Gタイプである、請求項1、2、及び4のいずれか一項に記載の送信方法(1)。
【請求項6】
前記システム情報ブロックのうちの前記少なくとも1つが、いわゆるSIB24ブロックであり、前記セルが4Gタイプであり、前記隣接セルが5Gタイプである、請求項1、2、及び4のいずれか一項に記載の送信方法(1)。
【請求項7】
前記システム情報ブロックのうちの前記少なくとも1つが、いわゆるSIB3ブロックであり、前記セル及び前記隣接セルが5Gタイプである、請求項1、2、及び4のいずれか一項に記載の送信方法(1)。
【請求項8】
前記システム情報ブロックのうちの前記少なくとも1つが、いわゆるSIB4ブロックであり、前記セル及び前記隣接セルが5Gタイプである、請求項1、2、及び4のいずれか一項に記載の送信方法(1)。
【請求項9】
- 端末の同期化を目的とし、この端末によるシステム情報ブロック(SIB)の受信を可能にすることを目的とするSSBブロックを、第1の周期性値においてブロードキャストするための送信機(EM)であって、こうしたシステム情報ブロックのうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの隣接セルの識別子(Cell-Id)と、この隣接セルによってブロードキャストされるSSBブロックの第2の周期性値(T_SSB)と、この隣接セルのSSBブロックの周波数位置(GSCN)とを含む送信機を備えることを特徴とする、基地局(BS)。
【請求項10】
- 受信機(REC)と、
- 第1の周期性で、セルによってブロードキャストされる、いわゆるSSBブロックを検出し(21)、その結果、端末がこのセルと同期することができるようになるための検出器(DET)と、
- こうしたブロックを復号して(22)情報を得て、前記セルによってブロードキャストされるシステム情報ブロックを、前記受信機(REC)を用いて受信(23)できるようにするための復号器(DEC)であって、こうしたシステム情報ブロックのうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの隣接セルの識別子(Cell-Id)と、この隣接セルによってブロードキャストされるSSBブロックの第2の周期性値(T_SSB)と、この隣接セルのSSBブロックの周波数位置とを含む復号器(DEC)と、
- この隣接セルの優先度が相対的に高い場合に、前記端末が前記隣接セルを選択又は再選択(24)できるようにするマイクロプロセッサ(μP)と
を備える、移動端末(EU)。
【請求項11】
データ媒体上のコンピュータ・プログラムであって、基地局においてロード及び実行されるときに、請求項1及び2のいずれか一項に記載の方法を実施するのに適したプログラム命令を含む、コンピュータ・プログラム。
【請求項12】
前記プログラムが基地局においてロード及び実行されるときに、請求項1及び2のいずれか一項に記載の方法を実施するのに適したプログラム命令を含む、データ媒体。
【請求項13】
データ媒体上のコンピュータ・プログラムであって、移動端末においてロード及び実行されるときに、請求項3~7のいずれか一項に記載の方法を実施するのに適したプログラム命令を含む、コンピュータ・プログラム。
【請求項14】
前記プログラムが移動端末においてロード及び実行されるときに、請求項3~7のいずれか一項に記載の方法を実施するのに適したプログラム命令を含む、データ媒体。
【請求項15】
端末の同期化を目的とし、この端末によるシステム情報ブロック(SIB)の受信を可能にすることを目的とし、第1の周期性値においてブロードキャストされるいわゆるSSBブロックを含む、送信又は受信されるデジタル信号であって、こうしたシステム情報ブロックのうちの少なくとも1つが、セルの少なくとも1つの隣接セルの識別子(Cell-Id)と、この隣接セルによってブロードキャストされるSSBブロックの第2の周期性値(T_SSB)と、この隣接セルのSSBブロックの周波数位置(GSCN)とを含む、送信又は受信されるデジタル信号。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔通信の分野に関する。この分野では、本発明は、より詳細には、アクセス・ネットワークに関連するシステム情報を伝達する方法に関する。これは、具体的には携帯用通信装置に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
アクセス・ネットワークは一般に、複数の基地局から構成され、この基地局によって、以下では端末又はUEとも呼ばれるユーザ装置(UE)が、遠隔通信ネットワークにアクセスし、データを交換する目的で接続をセットアップすることができるようになる。
【0003】
ネットワークについては、オンになっている端末は、アイドル・モードか、又は接続モードのいずれかにある。
【0004】
アイドル・モードとは、無線又はネットワークのリソースが、ユーザ装置に割り当てられていない場合を指す。端末は、いかなる基地局にも取り付けられていないが、ネットワークによって複数のセルを含む領域(登録区域)内に配置される。データ(DATA)を送信するように通信がセットアップされていない。
【0005】
概略的には、基地局は、たとえば複数の指向性アンテナを備えているときに、複数のセルを同時に有する場合があるので、セルとは、所与の無線アクセス技術(RAT)用の基地局(BS)がカバーする区域を表す。
【0006】
いわゆる5G規格のバージョン15に関連した3GPPが実行する研究との関連で、端末がアイドル・モードで在圏することになるセルを選択できるように、セル選択メカニズムとセル再選択メカニズムという、主要な2つのメカニズムが定義されてきた。
【0007】
選択メカニズムは、まだセルに在圏していない端末によって使用される。再選択メカニズムは、既にセルに在圏している端末によって使用される。再選択は、同じ無線周波数(RF)で発生する場合があり、その場合、このメカニズムは周波数内と呼ばれ、様々な無線周波数で発生する場合があり、その場合、このメカニズムは周波数間と呼ばれ、又は様々な無線アクセス技法間で発生する場合があり、その場合、このメカニズムはRAT間(inter-RAT)と呼ばれる。
【0008】
セルAによってブロードキャストされるシステム情報(とりわけ、セルAのページング・チャネルの構成を端末に提示する)を端末が読み取る場合、又セルAから端末に向けられる通信を知るために、このページング・チャネル(登録区域のあらゆるセルにブロードキャストされる)を待ち受ける場合に、この端末はセルAに在圏していると呼ばれる。さらに、アプリケーション層からの要求の後に、又はセルAからのページング・メッセージの通知を受信した後、セルAに在圏する端末は、通信をセットアップする目的で、セルAへの初期アクセスを実行する。
【0009】
このセル選択メカニズム又はセル再選択メカニズムを実施中に、端末は同期信号(SS)を検出しようと試みる。同期信号(SS)は、1次同期信号(PSS)及び2次同期信号(SSS)から構成される。SS(PSS及びSSS)を検出することによって、端末は、時間及び周波数において同期し、物理ブロードキャスト・チャネル(PBCH)を復号することができるようになる。このPBCHは、所与の周期性を有し、端末があらかじめ知っている時間/周波数のリソースを占有する。
【0010】
5Gでは、このPBCHは、同期信号(PSS及びSSS)とともに送信される。5G仕様書の専門用語集では、SSBブロック(SS/PBCHブロック)は、SSとPBCHの両方を含む。
【0011】
セル選択メカニズム及びセル再選択メカニズムのそれぞれにおいて、端末は、PBCH(5GではSSBブロックの一部分を形成する)に含まれるマスタ情報ブロック(MIB)を復号しなければならない。このMIBは、LTEではSIB1、又5GではRMSI(LTEのSIB1及びSIB2に対応)であり、以下ではSIB1と呼ばれる、ある特定のシステム情報ブロックを受信及び復号するために端末UEが必要とする情報を含む。SIB1は、公衆陸上移動網(PLMN)の識別情報及び物理セルの識別情報(Cell-Id)を含む。
【0012】
セルを選択している間、端末は、検出された各セルのシステム情報ブロック1(SIB1)を復号する。次いで、端末は、検出されたセルのSIB1ブロックに含まれる情報に応じて、選択メカニズムを用いて選択されたセル上に在圏する。
【0013】
セルを再選択している間、端末は、既にセル上に在圏している。この端末は、それ自体が在圏しているセルが送信するシステム情報ブロック(SIB)のうち、相対的に周期性が長く、又は要求に応じて送信される他のシステム情報ブロック(要求に応じて送信されるSIB)を復号しなければならず、ブロックSIB1は、こうした他のSIBを受信及び復号できるようにする情報を含む。
【0014】
いわゆる4G LTE仕様書では、SSBブロックという用語は使用されない。しかし、LTEでは、PSS及びSSSを含むSSを使用し、又PBCHを使用する。LTEでのSS及びPBCHの送信は、その周期性及び周波数の位置が設定されたパターンに従う。したがって、SSの周期性は5msであり、PBCHの周期性は10msである。LTEとNRの間のRAT間セル再選択においては、4G TS36.331 V15.4.0仕様書の6.3.1項「システム情報ブロック」により、隣接する5GセルのSSBの周波数当たりでの単一の周期性値が、システム情報ブロックSIB24を介してブロードキャストされる。周波数当たりのこの単一値は、ブロックSIB24において「measTimingConfig」と表される。「周波数」の意味するところは、「セルに関連付けられたSSBの中心周波数」である。
【0015】
5G NR仕様書によれば、SSBブロックは、ある特定の時間/周波数パターンに従って送信される。このパターンは、決定された1組の値から選択された特定の周期性、すなわち5ms、10ms、20ms、40ms、80ms、及び160msで繰り返され、そのデフォルト値は20msである。
図1には、周期性が20msで、SCS副搬送波間の間隔が互いに異なる2つの値での、5G技術仕様書38.213によるSSBブロックの実現可能な位置が示してある。SSBバースト・セットは、20msごとに最長5msの持続時間に制限され、複数のSSBブロックから構成され、各SSBブロックは、4つのOFDMシンボルへ時間的にマッピングされる。
図1において、小さいドットで描かれた1msの長方形が、バースト・セットのSSBブロックを含むサブフレームを表す。SSBブロックの周期性の選択に関して、5G NR仕様書においては柔軟性が許容されていることにより、ある程度までセル再選択メカニズムが適応されるようになって、端末が在圏しているセルが、所与の周波数において隣接セルのSSBの送信に関連する周期性の値をブロードキャストできるようになる。この適応は、隣接セルのSSBの送信周期性がデフォルト値の20ms以外の値に設定される場合を対象として含めようとするものである。したがって、3GPP技術仕様書TS38.331 V15.4.0の6.3.1項「システム情報ブロック」によれば、システム情報ブロックSIB2を介してSSBの単一の周期性値をブロードキャストして、周波数内のセル再選択を支援し、システム情報ブロックSIB4を介してSSBの単一の周期性値を周波数ごとにブロードキャストして、周波数間のセル再選択を支援する。周波数内のセル再選択では、ブロックSIB2においてSSB周期性値を「smtc」と表す。周波数間のセル再選択では、ブロックSIB4において周波数ごとのSSB周期性値を「smtc」と表す。
【0016】
したがって、セル再選択を実行する端末は、システム情報ブロックのうちの1つを介してブロードキャストされる単一のSSB周期性値を使用してその同期手順を適応させることを意図して、この端末が在圏しているセルによってブロードキャストされるこうした値を参照してもよい。
【0017】
5Gネットワークの仕様書は、5G通信がそれまでの世代よりもスループットが1000倍高いことの恩恵を受けるはずであるというものである。この性能は、具体的には基地局の高密度化によって実現する。
【0018】
基地局の数が増加すると、遠隔通信ネットワークの電力消費を低減するための技法がさらに複雑になる。こうした基地局のうちある基地局を、アドバンスト・スリープ・モード(ASM)に移行できるようにするには、ネットワーク・オペレータが、そのネットワーク内の各セル間の負荷の分散を制御できなければならない。さらに、局のASM効率を上げるには、時間的なSSBレートを可能な限り高く、すなわち160msにして、ASMでの時間を延長することがオペレータの関心事である。
【0019】
オペレータのアクセス・ネットワークへの負荷を制御できるようにするには、各端末は、正しいセル、すなわちネットワークの正しい管理に関するオペレータの判定基準を満たすことを可能にするセルに在圏することが不可欠である。選択又は再選択を行っている間、端末は、20msのデフォルト・ウィンドウで規格によって指定されたSSB周波数位置においてエネルギーを検出しようとする。検出エネルギーが十分でない場合、端末は、ネットワークが存在しないか、又はその20msの測定ウィンドウにおいてSSBが送信されなかったと結論付けてもよい。
【0020】
端末は、その20msの測定ウィンドウが、セルAの少なくとも1つのSSBの送信と一致しない場合、そのSSB周期性が20msよりも長いセルAを識別できない可能性がある。対照的に、端末が、セルBのサービスエリア内にある場合、周期性が20ms以上の(これにより、少なくとも1つのSSBが20msの任意の測定ウィンドウにおいて確実に送信される)セルBを間違いなく見つけることになる。セルが検出されない場合、端末がそのセルを選択できないのは明らかである。したがって、SSBレートが160msのASMをオペレータが実施する際に、非選択のこのリスクが重大な障害となる。
【0021】
セルBに在圏すると、端末は、たとえば優先度が相対的に高い別のセルを見つけるために、セル再選択を試みてもよい。(オペレータによって選択される様々な周波数の優先度が、セル再選択に関連するSIBにおいてブロードキャストされる)。160msに設定された周期性値をセルBがそのSIB内でブロードキャストする場合、端末は、セルAを確実に検出することができる。SIBを介して、1つの周期性値しかブロードキャストすることができないので、このことは、他のセルが、相対的に長い周期性を有し、端末の対象となる場合でも、端末は、160msの測定ウィンドウを必要とするこの周期性で系統的なスキャンを実行しなければならなくなることを意味する。具体的には、端末は、160msのウィンドウで構成される場合、適格なセルが存在しないと結論付けることができるように、160msの時間でそのエネルギー検出を実行しなければならず、これにより、多くの電力及び待ち時間が消費される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
したがって、選択及び再選択の手順を改善できるようにすることになる技法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は、少なくとも1つのセルを有する基地局によって実施される通信方法を提供し、この基地局は、このセルに隣接する各セルを含む移動アクセス・ネットワークの一部分である。この方法は、
- 端末の同期化を目的とし、この端末によるシステム情報ブロックの受信を可能にすることを目的とする、いわゆるSSBブロックを、第1の周期性値においてブロードキャストすることであって、こうしたシステム情報ブロックのうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの隣接セルの識別子と、この隣接セルによってブロードキャストされるSSBブロックの第2の周期性値と、この隣接セルのSSBブロックの周波数位置とを含むことを含む。
【0024】
本発明のさらなる主題は、端末によって実施される通信方法である。この方法は、
- 第1の周期性において、セルによってブロードキャストされる、いわゆるSSBブロックを検出し、その結果、端末がこのセルと同期することができることと、
-こうしたブロックを復号して情報を得て、このセルによってブロードキャストされるシステム情報ブロックを受信できるようにすることであって、こうしたシステム情報ブロックのうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの隣接セルの識別子と、この隣接セルによってブロードキャストされるSSBブロックの第2の周期性値と、この隣接セルのSSBブロックの周波数位置とを含むことと、
- 端末がこのセルを選択することと
を含む。
【0025】
本発明の1つの具体的な実施形態によれば、端末によって実施される方法は、
- 第1の周期性において、セルによってブロードキャストされる、いわゆるSSBブロックを検出し、その結果、端末がこのセルと同期することができることと、
- こうしたブロックを復号して情報を得て、このセルによってブロードキャストされるシステム情報ブロックを受信できるようにすることであって、こうしたシステム情報ブロックのうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの隣接セルの識別子と、この隣接セルによってブロードキャストされるSSBブロックの第2の周期性値と、この隣接セルのSSBブロックの周波数位置とを含むことと、
- この隣接セルの優先度が相対的に高い場合に、端末が隣接セルを再選択することと
を含む。
【0026】
本発明のさらなる主題は、本発明による方法を実施することができる移動端末である。この端末は、
- 受信機と、
- 第1の周期性で、セルによってブロードキャストされる、いわゆるSSBブロックを検出し、その結果、端末がこのセルと同期することができるようになるための検出器と、
- こうしたブロックを復号して情報を得て、このセルによってブロードキャストされるシステム情報ブロックを、この受信機を用いて受信できるようにするための復号器であって、こうしたシステム情報ブロックのうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの隣接セルの識別子と、この隣接セルによってブロードキャストされるSSBブロックの第2の周期性値と、この隣接セルのSSBブロックの周波数位置とを含む復号器と、
- この隣接セルの優先度が相対的に高い場合に、端末が隣接セルを選択又は再選択できるようにするマイクロプロセッサと
を備える。
【0027】
本発明のさらなる主題は、本発明による方法を実施することができる基地局である。この基地局は、
- 端末の同期化を目的とし、この端末によるシステム情報ブロックの受信を可能にすることを目的とするSSBブロックを、第1の周期性値においてブロードキャストするための送信機であって、こうしたシステム情報ブロックのうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの隣接セルの識別子と、この隣接セルによってブロードキャストされるSSBブロックの第2の周期性値と、この隣接セルのSSBブロックの周波数位置とを含む送信機を備える。
【0028】
本発明のさらなる主題は、端末の同期化を目的とし、この端末によるシステム情報ブロックの受信を可能にすることを目的とし、第1の周期性値においてブロードキャストされるいわゆるSSBブロックを含む、送信又は受信される信号伝送用デジタル信号であり、こうしたシステム情報ブロックのうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの隣接セルの識別子と、この隣接セルによってブロードキャストされるSSBブロックの第2の周期性値と、この隣接セルのSSBブロックの周波数位置とを含む。
【0029】
セルの無線カバレッジ内の端末は、このセルによってブロードキャストされるSSBブロックを受信することができる。こうしたSSBブロックの主な目的は、端末がセルと同期できるようにすることである。こうしたSSBブロックにより、端末はさらに、セルよりも優先度の高い隣接局を識別することができ、又端末に十分な情報、すなわち、この隣接セルの識別子と、この隣接セルのSSBブロックの周波数位置と、この隣接セルによってブロードキャストされるSSBブロックの周期性値とを提示することによって、前記局を効率的に探索することができるようになり、最終的には、この端末を容易に選択又は再選択できるようになる。ブロードキャスト情報を追加するには、(使用される時間及び周波数のリソース、並びにこの情報を管理するのに必要な電力に関する)コストがかかるので、追加する情報の量が制限される。したがって、セルの識別子、そのSSBブロックの周波数位置、及びそのSSBブロックの周期性を、任意選択として第2の隣接セルに追加することができる。この追加がシステム情報ブロック1(SIB1)へのものである場合、コストの理由から、第2のセルを超える他の隣接セルへの追加は考えられない。
【0030】
本発明の1つの具体的な実施形態によれば、各隣接セルはセルと同期しており、こうしたシステム情報ブロックのうちの少なくとも1つは、この隣接セルによってブロードキャストされるSSBブロックの時間位置をさらに含む。
【0031】
複数のビームに基づく送信、又は単一のビーム(複数のSSBにおいて繰り返してもよい)に基づく送信の場合、SSBブロックは、あるウィンドウ(3GPP NR仕様書では最長持続時間が5msだが、SSBブロックを含んでもよいフレームの数(システム・フレーム数)は、この規格において指定されていない)においてバースト(SSバースト・セット)で送信される。バースト・セットでの実現可能なSSBブロックの数Lは、周波数帯域に依存する(3GHz未満の帯域ではL=4、3GHz~6GHzの帯域ではL=8、6GHz~53GHzの帯域ではL=64である)。SSバースト・セットにおけるSSBブロックの実現可能な時間位置のセットは、たいていの場合に周波数帯域によって一義的に識別されるOFDMニューメロロジーに依存する。したがって、隣接セルによってブロードキャストされるSSBブロックの時間位置(フレーム内に占めるフレームの数、位置)を知ることにより、端末は、こうしたブロックを受信及び復号するのに正しい時間に、端末自体を正確に位置付けることができるようになる。したがって、選択又は再選択は、さらに一層効率的である。
【0032】
本発明の1つの具体的な実施形態によれば、システム情報ブロックのうちの少なくとも1つは、いわゆるSIB1ブロックであり、セルは4Gタイプ又は5Gタイプである。
【0033】
本発明の1つの具体的な実施形態によれば、システム情報ブロックのうち少なくとも1つは、いわゆるSIB24ブロックであり、セルは4Gタイプであり、隣接セルは5Gタイプである。
【0034】
本発明の1つの具体的な実施形態によれば、システム情報ブロックのうちの少なくとも1つは、いわゆるSIB3ブロックであり、セル及び隣接セルは5Gタイプである。
【0035】
本発明の1つの具体的な実施形態によれば、システム情報ブロックのうちの少なくとも1つは、いわゆるSIB4ブロックであり、セル及び隣接セルは5Gタイプである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】各SCSサブキャリア間の間隔の互いに異なる2つの値において、周期性が20msのSSBブロックのブロードキャストを示す概略図である。
【
図2】基地局によって実施される、本発明による通信方法の流れ図である。
【
図3】端末によって実施される、本発明による通信方法の流れ図である。
【
図4】本発明を実施するアクセス・ネットワークの一例の概略図である。
【
図5】本発明による通信方法を実施することができる、本発明による基地局の簡略化された構造の概略図である。
【
図6】本発明による通信方法を実施することができる、本発明による端末の簡略化された構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の一般的原理は、セルによって、優先度が相対的に高いセルへポインタをブロードキャストすることに基づいており、したがって、優先度が相対的に高いセルが、端末の同期ウィンドウのデフォルト・サイズよりも長い周期性でSSBブロックをブロードキャストしている場合でも、端末は、優先度が相対的に高いこのセルを選択又は再選択することができる。
【0038】
ポインタは、複数の情報項目、すなわち2次アイドル・セルと呼ばれる優先度が相対的に高い隣接セルの識別子Cell-Idと、この隣接セルのSSBブロックの周波数位置GSCNと、この隣接セルによってブロードキャストされるSSBブロックの周期性値T_SSBとを含む。
【0039】
各セル間の優先度は、オペレータによって規定され、セル再選択に関連するSIBを介してブロードキャストされる。セルと隣接セルが同期している状況では、ポインタは、この隣接セルによってブロードキャストされるSSBブロックの時間位置をさらに含んでもよい。
【0040】
もちろん、セルは、優先度が相対的に高い複数の隣接セルに、複数のポインタをブロードキャストしてもよい。しかし、ポインタの数は、こうしたポインタのブロードキャストのコストに依存する。
【0041】
図2は、基地局によって実施される、本発明による通信方法の流れ図を示す。この基地局は、少なくとも1つのセルを有する。基地局は、このセルに隣接する各セルを含む移動アクセス・ネットワークの一部分を形成する。
【0042】
方法1は、端末の同期化を目的とし、この端末がシステム情報ブロックを受信できるようにすることを目的とする、いわゆるSSBブロックを、第1の周期性値においてブロードキャストすること(11)を含む。こうしたシステム情報ブロックのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの隣接セルの識別子Cell-Idと、この隣接セルによってブロードキャストされるSSBブロックの第2の周期性値T_SSBと、この隣接セルのSSBブロックの周波数位置GSCNとを含む。
【0043】
一実施形態によれば、各隣接セルは、セルと同期している。この場合、こうしたシステム情報ブロックのうちの少なくとも1つは、この隣接セルによってブロードキャストされるSSBブロックの時間位置T0をさらに含む。
【0044】
図3は、端末によって実施される、本発明による通信方法の流れ図を示す。この端末は、アクセス・ネットワークを介して通信しようとする。このアクセス・ネットワークは、少なくとも1つのセルを有する、少なくとも1つの基地局を含む。このセルは、同じ基地局に属するか、又は場合によっては近接配置されてもよい様々な基地局に属する、1つ又は複数の隣接セルを有する。
【0045】
端末によって実施される方法2は、
- 第1の周期性において、セルによってブロードキャストされる、いわゆるSSBブロックを検出し(21)、その結果、端末がこのセルと同期することができることと、
- こうしたブロックを復号(22)して情報を得て、このセルによってブロードキャストされるシステム情報ブロックを受信(23)できるようにすることであって、こうしたシステム情報ブロックのうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの隣接セルの識別子Cell-Idと、この隣接セルによってブロードキャストされるSSBブロックの第2の周期性値T_SSBと、この隣接セルのSSBブロックの周波数位置GSCNとを含むことと、
- この隣接セルの優先度が相対的に高い場合に、端末が隣接セルを選択(24)し、又は端末がセルを選択(24)することと
を含む。
【0046】
図4に示す例示的な一実装形態によれば、遠隔通信システムのオペレータは、4G及び5Gのセルを配備してきた。第1の5Gセルは、帯域Aで動作し、又デフォルト値の20msよりも長い周期性、たとえば160msの周期性でのSSBブロックのブロードキャストで動作する。オペレータによる160msの周期性の選択は、5Gセルが関連付けられている基地局BSにおいて、アドバンスト・スリープ・モード(ASM)を実施したいという要望によって動機付けられてもよい。具体的には、SSBブロックのブロードキャストの周期性が長くなると、スリープが長く且つ深くなる場合がある。たとえば、IEEEスタンダード・アソシエーションは、最短スリープ時間が、それぞれ71μs、1ms、及び10msの3つのスリープ・モードを規定している。
【0047】
第1の5Gセルと近接配置された第2の5Gセルは、帯域B及びSSBブロックのブロードキャストで動作し、その周期性は、デフォルト値の20msに等しい。近接配置された別のセルは、周期性がデフォルト値の5msに等しいSSBブロックのブロードキャストで、帯域Cにおいて動作する4Gセルでもよい。
【0048】
近接配置されたセルについては、第1の5Gセルは、優先度の最も高い隣接セル、すなわちいわゆる2次アイドル・セルである。
【0049】
端末UEは、初めに帯域Bでの第2の5Gセル、又は帯域Cでの4Gの他のセルに在圏してもよい。したがって、この端末は、近接配置されたこうしたセルのうちの1つによってブロードキャストされるSSBブロックを検出し、したがって、近接配置されたこうしたセルのうちの1つと同期される。こうしたSSBブロックを復号することにより、端末が同期しているこのセルによってブロードキャストされるシステム情報ブロックを受信できるようになることを目的に、この端末が情報を取得できるようになる。
【0050】
こうしたシステム情報ブロックSIBを受信すると、端末は、第1の5Gセルの識別子Cell-Idと、この隣接セルがブロードキャストするSSBブロックの周期性の値160msと、この隣接セルのSSBブロックの周波数位置とについての情報を得る。識別子Cell-Idは、3GPP NR仕様書の物理的セルIdに対応する。SSBブロックの周波数位置は、3GPP NR仕様書でのグローバル同期チャネル番号(GSCN)によって与えられる。
【0051】
次いで、端末は、その同期ウィンドウをこの値160msに調整し、SSBブロックの周波数位置を反映するように周波数ごとにそれを配置する。場合によっては、端末はまた、システム情報ブロックSIBの1つを介して、この隣接セルによってブロードキャストされるこうしたSSBブロックの時間位置の情報を有し、これにより、端末は、その同期ウィンドウを時間内に配置できるようになる。
【0052】
したがって、確実に且つ高い成功率で、端末は、優先度が相対的に高い隣接セルのSSBブロックを検出し、このセルと同期し、したがって、この隣接セルを(ポインタがSIB1内にある場合には)選択するか、又は再選択してもよい。
【0053】
第1のプロトコルである4G又は5Gに準拠し、本発明による送信方法を実装することができる、本発明による基地局の簡略化された構造が、
図5に示してある。
【0054】
基地局BSは、その命令が本発明による通信方法を実施できるようにするプログラムPgの実行を介して、その動作が制御されるマイクロプロセッサμPと、送信機EMと、バッファ・メモリを含むメモリMemとを備える。
【0055】
初期化されると、プログラムPgのコード命令は、たとえば、バッファ・メモリMemにロードされ、その後にプロセッサμPによって実行される。マイクロプロセッサμPは、送信機を駆動する。
【0056】
送信機EMは、第1の周期性値でSSBブロックをブロードキャストする。こうしたSSBブロックは、端末の同期化を目的とし、この端末がシステム情報ブロックSIBを受信できるようにすることを目的とする。送信機は、少なくとも1つの隣接セルの識別子Cell-Idと、この隣接セルによってブロードキャストされるSSBブロックの第2の周期性値T_SSBと、この隣接セルのSSBブロックの周波数位置GSCNとを、入力として受信する。このシステム情報ブロックSIBのうちの少なくとも1つは、少なくとも隣接セルの識別子Cell-Idと、この隣接セルによってブロードキャストされるSSBブロックの第2の周期性値T_SSBと、この隣接セルのSSBブロックの周波数位置GSCNとを含む。
【0057】
本発明による通信方法を実施することができる、本発明による端末の簡略化された構造が、
図6に示してある。
【0058】
端末UEは、その命令が本発明による通信方法を実施できるようにするプログラムPgの実行を介して、その動作が制御されるマイクロプロセッサμPと、バッファ・メモリを含むMemメモリと、検出器DETと、復号器DECと、受信機RECとを備える。
【0059】
初期化されると、プログラムPgのコード命令は、たとえば、バッファ・メモリMemにロードされ、その後にマイクロプロセッサμPによって実行される。マイクロプロセッサμPは、検出器DET、復号器DEC、及び受信機RECを駆動する。
【0060】
検出器DETは、第1の周期性でセルによってブロードキャストされる、いわゆるSSBブロックと、セルによってブロードキャストされるシステム情報ブロックSIBとを、入力として受信する。検出器DETは、SSBブロックを検出し、その検出によって、端末がセルと同期できるようになる。
【0061】
復号器DECは、入力としてSSBブロックを受信し、これを復号して情報を取得し、これはセルによってブロードキャストされるシステム情報ブロックSIBを受信機RECを介して受信できるようになることを目的とするものである。
【0062】
システム情報ブロックSIBを受信機RECによって受信すると、端末は、少なくとも1つの隣接セルの識別子Cell-Idと、この隣接セルによってブロードキャストされるSSBブロックの第2の周期性値T_SSBと、この隣接セルのSSBブロックの周波数位置GSCNとについての情報を得ることができるようになる。
【0063】
少なくとも1つの隣接セルの識別子Cell-Idと、この隣接セルによってブロードキャストされるSSBブロックの第2の周期性値T_SSBと、この隣接セルのSSBブロックの周波数位置GSCNとを知ることにより、この隣接セルの優先度がセルよりも高い場合、マイクロプロセッサμPは、この隣接セルを選択又は再選択できるようになる。
【0064】
その結果、本発明はまた、1つ又は複数のコンピュータ・プログラム、具体的には、本発明を実施するのに適した、データ媒体上又はデータ媒体内のコンピュータ・プログラムに適用される。このプログラムは、任意のプログラミング言語を使用してもよく、部分的にコンパイルされた形式、又は本発明による方法を実装するための他の任意の望ましい形式などでの、ソース・コード、オブジェクト・コード、又はソース・コードとオブジェクト・コードの間の中間コードの形式としてもよい。
【0065】
データ媒体は、プログラムを記憶することのできるいかなる構成要素又は装置でもよい。たとえば、この媒体は、ROM、たとえばCD-ROM若しくは超小形電子回路ROM、或いは磁気記録手段、たとえばフロッピー・ディスク若しくはハード・ディスクなどの記憶手段を備えてもよい。
【0066】
さらに、データ媒体は、電気ケーブル又は光ケーブルを介して、無線又は他の手段によって送ってもよい、電気信号又は光信号などの伝送可能な媒体でもよい。本発明によるプログラムは、具体的には、インターネット網からダウンロードしてもよい。
【0067】
その代わりとして、データ媒体は、プログラムがその中に組み込まれ、対象となる方法を実行するように、又は実行する際に使用されるように設計された集積回路でもよい。
【国際調査報告】