(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-26
(54)【発明の名称】適応可能な質問応答のためのシステムと方法
(51)【国際特許分類】
G06F 16/90 20190101AFI20220419BHJP
G06N 5/04 20060101ALI20220419BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20220419BHJP
【FI】
G06F16/90 100
G06N5/04
G06N20/00 130
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2019521428
(86)(22)【出願日】2019-04-15
(85)【翻訳文提出日】2019-06-12
(86)【国際出願番号】 IB2019053080
(87)【国際公開番号】W WO2020178626
(87)【国際公開日】2020-09-10
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519140176
【氏名又は名称】カドル アーティフィシャル インテリジェンス プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】プラブガオンカー,ネハ
(72)【発明者】
【氏名】パラブ,アバイ
(72)【発明者】
【氏名】モール,ナタワル
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA01
5B175EA01
5B175GC03
(57)【要約】
本発明は、適応可能な質問応答のためのシステムおよび方法に関し、それらはユーザーインタラクションから継続的に学習し、コンテキストおよびデータ可視化の両方を適応させることにより、ユーザーの特性、目的およびニーズに適応可能である。適応可能な質問応答のためのシステムは、コンピューターネットワーク上で統合されたソフトウェアモジュールを含み、上記ソフトウェアモジュールは解釈エンジン、応答エンジンおよび学習エンジンを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
適応可能な質問応答エンジンシステムであって、該質問応答エンジンシステムは、コンピューターネットワーク上で統合されたソフトウェアモジュールを含み、ここで該ソフトウェアモジュールは;
自然言語でユーザーから質問を受け取り、学習エンジンから意味的知識および利用知識を取り入れることにより全体的な理解ための質問を処理し、および応答エンジンに渡される解釈を生成するための、解釈エンジン;
解釈に基づいて様々な中間クエリを考案し、個々の中間クエリのために応答および応答に関連したメタデータを検索し、学習エンジンから意味的知識および利用知識を取り入れることにより可視化の優先を決定し、フォローアップアクションを推奨することでユーザーがユーザーの情報のニーズおよび更なる分析の助けを行うことを可能にし、応答を集計しランク付けするための、応答エンジン;および
学習エンジンであって、学習エンジンにフィードバックされるユーザーインタラクションに基づいて知識を増加させ、適合し、改善するための、学習エンジンを含む、適応可能な質問応答エンジンシステム。
【請求項2】
ユーザーインタラクションはデータ照会、曖昧なエンティティの補正、解釈に対するアクション、応答に対するアクション、応答の追跡、データの掘り下げ部、可視化変化、応答に対するアップ投票/ダウン投票、提案された解析に対するアクション、および提案された質問に対するフォローアップを含む、請求項1に記載の適応可能な質問応答エンジンシステム。
【請求項3】
質問の全体的な理解は質問文およびユーザーの意図を含む、請求項1に記載の適応可能な質問応答エンジンシステム。
【請求項4】
解釈エンジンは、質問をパースし、質問からエンティティを特定するために意味的パーサアルゴリズムを使用する、請求項1に記載の適応可能な質問応答エンジンシステム。
【請求項5】
エンティティの特定は、期間特定、ビジネスオブジェクト特定、単位推測、条件特定および質問およびユーザーコンテキストからの他の重要な特徴を含む、請求項4に記載の適応可能な質問応答エンジンシステム。
【請求項6】
不十分に解明された質問の場合には質問についての全体的な理解がインテリジェントな推測をし、曖昧な表現の場合には曖昧性解消を行なう、請求項1に記載の適応可能な質問応答エンジンシステム。
【請求項7】
曖昧性解消は語彙的エンティティの曖昧性解消および意味的曖昧性解消を含む、請求項6に記載の適応可能な質問応答エンジンシステム。
【請求項8】
コンピューターネットワークはデータ処理のための第1サブネットワークおよびデータ記憶のための第2サブネットワークを含む、請求項1に記載の適応可能な質問応答エンジンシステム。
【請求項9】
データ処理のための第1サブネットワークは、上記解釈エンジン、上記応答エンジン、上記学習エンジン、データ同期または他のモジュールの実行ために、少なくとも1つの仮想もしくは物理的なサーバノードを含む、請求項8に記載の適応可能な質問応答エンジンシステム。
【請求項10】
データ処理のための第1サブネットワークはサーバレスアーキテクチャを含む、請求項8に記載の適応可能な質問応答エンジンシステム。
【請求項11】
データ処理のための第1サブネットワークは上記解釈エンジン、上記応答エンジン、上記学習エンジンおよび全ての他の必要とされるモジュールが配備されるマルチサーバノードクラスタ、およびデータ同期のための第2サーバノードを含む、請求項8に記載の適応可能な質問応答エンジンシステム。
【請求項12】
データストレージのための第2サブネットワークは、データ照会および検索のための、ビッグデータフレームワークおよびデータベースシステムを含む、請求項8に記載の適応可能な質問応答エンジンシステム。
【請求項13】
適応可能な質問応答のための方法であって、該方法は、
ユーザーから自然言語で解釈エンジンによって質問を受け取る工程;
学習エンジンから意味的知識および利用知識を取り入れることでユーザーの質問の全体的な理解をするための、解釈エンジンにより質問を処理する工程;
関連する応答を生成するために応答エンジンに渡す解釈エンジンによって解釈を生成する工程;
上記解釈に基づき、応答エンジンによって様々な中間クエリを考案する工程;
個々の中間クエリために、適切な応答と応答に関連したメタデータを検索する工程;
学習エンジンから意味的知識および利用知識を取り入れることにより、応答エンジンによる可視化の優先を決定する工程;
ユーザーの情報ニーズおよび詳しい解析でユーザーを支援するために、応答エンジンによってフォローアップアクションを推奨する工程;および
必要に応じて、応答を集計しランク付けする工程を含み;
ここで、上記学習エンジンは、データ照会、曖昧なエンティティの補正、解釈に対するアクション、応答に対するアクション、応答の追跡、データの掘り下げ部、可視化変化、応答に対するアップ投票/ダウン投票、提案された解析に対するアクション、あるいは提案された質問に対するフォローアップを含むユーザーインタラクションに基づき、知識を増加させ、適合し、改善する、方法。
【請求項14】
質問の全体的な理解が質問文およびユーザーの意図を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
解釈エンジンは、質問をパースし、質問からエンティティを特定するために意味的パーサアルゴリズムを使用する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
エンティティの特定は、期間特定、ビジネスオブジェクト特定、単位推測、条件特定および質問およびユーザーコンテキストからの他の重要な特徴を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
不十分に解明された質問の場合には質問についての全体的な理解がインテリジェントな推測をし、曖昧な表現の場合には曖昧性解消を行なう、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
曖昧性解消は語彙的エンティティの曖昧性解消および意味的曖昧性解消を含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願>
本出願は2019年3月1日に提出されたインドの特許出願第201921008186の優先権利益を請求し、これはあらゆる目的のため、ここでの参照によって完全に組込まれる。
【0002】
本発明は、ハードウェアとソフトウェアを含むコンピューターサイエンスと人工知能の分野のシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ビジネスインテリジェンスなどのデータドリブン意志決定状況は、複雑な高次元データセットを含んでいる。これは、様々なデータソースを見ること、それらを適切にスライシングすること、結果を審査し最も意味のあるインサイトを発見することをしばしば必要とする。ビジネスユーザーは、しばしば不相応な量の時間を非能率的な見せかけだけのデータ仕事(data busywork)に費やす。彼らは、これは最も自然な方法でビジネスクエリを尋ねることができかつ、クエリ言語および他の技術的な部分について心配することなく、関連するビジネス応答を得る非常に単純な要求を備えている。
【0004】
ほとんどの質問応答システムでは、アウトプットは使用者の特性、目的およびニーズと無関係にとどまる。典型的に、これらのシステムは静的でめったにユーザーと対話しないため、質問のコンテキストに基づいて応答を学習したり適応させることができない。したがって、ユーザーの特性、目的およびニーズに対して、その応答を合わせる適応学習システムのニーズがある。
【発明の概要】
【0005】
本開示は適応可能な質問応答エンジン(AQUAE)システムについて記載し、これはユーザーインタラクションから継続的に学習すること、コンテキストおよびデータ可視化の両方を適応させることにより、ユーザーの特性、目的およびニーズに適応し、それによりユーザーの資質と経験を向上させる。さらに自然言語インタフェースが、彼らが専門語を使用中に不自由と困難に直面する必要がない、専門外のビジネスユーザーのために、より自然な流れのビジネスクエリを可能にする。
【0006】
本明細書での1つの典型的なシステム実施形態は、コンピューターネットワーク上で統合されたソフトウェアモジュールを含む適応可能な質問応答エンジンシステムを提供し、ソフトウェアモジュールは解釈エンジン、応答エンジンおよび学習エンジンを含む。上記解釈エンジンはユーザーから自然言語で質問を受け取り、学習エンジンから意味的知識および利用知識を取り入れることにより、ユーザーの質問の全体的な理解ために質問を処理する。質問理解は質問文に限られず、ユーザーの意図も特定し、不十分に明確化された質問の場合にはインテリジェントな推測もし、曖昧な表現の場合には曖昧性解消も行なう。上記解釈エンジンは、関連する応答を生成するための応答エンジンに渡される解釈を生成する。応答エンジンは、解釈に基づいて様々な中間クエリを考案し、個々の中間クエリのために、適切な応答および応答に関連したメタデータを検索する。上記応答エンジンは、学習エンジンから意味的知識および利用知識を取り入れ、可視化の優先を決定し、必要に応じて、応答を集計しランク付けする。上記応答エンジンは、ユーザーの情報ニーズおよび詳しい解析でユーザーを支援するために、ユーザーが実行可能なフォローアップアクションも推奨する。上記学習エンジンにフィードバックされるユーザーインタラクションに基づいて、学習エンジンは知識を増加させ、適合し、改善する。ユーザーインタラクションは、データ照会、曖昧なエンティティの補正、解釈に対するアクション、応答に対するアクション、応答の追跡、データの掘り下げ部、可視化変化、応答に対するアップ投票/ダウン投票(up-vote/down-vote)、提案された解析に対するアクション、および提案された質問に対するフォローアップを含む。
【0007】
本明細書での1つの典型的な方法の実施形態は、適応可能な質問応答のための方法を提供し、該方法は、
ユーザーから自然言語で解釈エンジンによって質問を受け取る工程;
学習エンジンから意味的知識および利用知識を取り入れることで、ユーザーの質問の全体的な理解をするために、解釈エンジンによって質問を処理する工程;
関連する応答を生成するために応答エンジンに渡す解釈エンジンによって解釈を生成する工程;
上記解釈に基づき、応答エンジンで様々な中間クエリを考案する工程;
個々の中間クエリのために、適切な応答と応答に関連したメタデータを検索する工程;
上記学習エンジンから意味的知識および利用知識を取り入れることにより、応答エンジンによる可視化の優先を決定する工程;
必要に応じて、応答を集計しランク付けする工程;および
ユーザーの情報ニーズおよび詳しい解析でユーザーを支援するために、上記応答エンジンによってフォローアップアクションを推奨する工程を含み;
ここで、上記学習エンジンは、データ照会、曖昧なエンティティの補正、解釈に対するアクション、応答に対するアクション、応答の追跡、データの掘り下げ部、可視化変化、応答に対するアップ投票/ダウン投票、提案された解析に対するアクション、あるいは提案された質問に対するフォローアップを含むユーザーインタラクションに基づいて、知識を増加させ、適合し、改善する。
【0008】
本明細書での追加の実施形態は、適応可能な質問応答のためのコンピューターネットワークを含み、該コンピューターネットワークはデータ処理のための第1サブネットワークとデータストレージのための第2サブネットワークとを含む。データ処理のための第1サブネットワークの実施形態は、解釈エンジン、応答エンジン、学習エンジン、データ同期または他のモジュールの実行ために、少なくとも1つの仮想もしくは物理的なサーバノードを含む。データ処理のための第1サブネットワークの他の実施形態は、解釈エンジン、応答エンジン、学習エンジンおよび全ての他の必要とされるモジュールが配備されるマルチサーバノードクラスタ、およびデータ同期のための第2サーバノードを含む。データ処理のための第1サブネットワークのさらなる実施形態は、サーバレスアーキテクチャを提供する。データストレージのための第2サブネットワークの実施形態は、データ照会および検索ための、ビッグデータフレームワークおよびデータベースシステムを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明は、図面に基づいて、下記で更に詳細に記載され、典型的な実施形態を説明する。
【
図1】AQUAEの高レベルなプロセスフローを示す。
【
図2】AQUAEのハードウェアの詳細を図示する。
【
図3】質問を構成するものの高レベルな表現を示す。
【
図4】Analytics specific Meta Ontology(AMO)の高レベルな構成部分を詳述する。
【
図5】様々なユーザー/システムインタラクションから捉えられた高レベルなユーザー知識を詳述する。
【
図8】AQUAEの中の応答を構成するものの高レベルな表現を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、本明細書に記載される特定の方法論、プロトコル、およびシステム等に限定されず、したがって変更することができうることを理解されたい。本明細書で使用された用語は、特定の実施形態のみについて記載するためのものであり、且つ、請求項により単独で定義される本発明の範囲を制限するようには意図されていない。
【0011】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを記載するためのものであり、発明を制限するようには意図されていない。本明細書で使用されるように、単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」、および「その(the)」は、文脈上他の意味を明白に示すものでない限り、同様に複数形を含むことを意図している。用語「含む」及び/又は「含むこと」は、本明細書での使用時に、明示された特徴、整数、工程、操作、要素、及び/又は構成の存在を特定するが、1以上の他の特徴、整数、工程、操作、要素、構成、及び/又はそれらの群の存在又は追加を妨げないことが、更に理解される。
【0012】
下記の説明および図面は、当業者がそれらを実行することを可能にするために、特定の実施形態を十分に説明する。他の実施形態は、構造的、論理的、電気的、プロセス、および他の変更を組み込む場合がある。いくつかの実施形態の部分および特徴は他の実施形態のものに含まれているか、置き換えられても良い。
【0013】
図1は、AQUAEの高レベルのプロセスフローを詳述する。ユーザーは、モバイルアプリケーション、デスクトップアプリケーション、ウェブアプリケーション、音声ベースハードウェアなどのインタラクションのあらゆるシステムを使用して、AQUAEと自然言語で対話することができる。ユーザーからのインプットは質問として捉えられる。質問は、上記解釈エンジンによってさらに処理される。上記解釈エンジンは、ユーザーの質問の全体的な理解のために、組織のおよび利用知識を取り入れる。質問理解は質問文に限られず、ユーザーの意図も特定し、不十分に明確化された質問の場合にはインテリジェントな推測もし、曖昧な表現の場合には曖昧性解消等も行なう。質問コンテキストの意味論的理解は解釈と呼ばれる。
【0014】
解釈は、関連する応答を生成するために、応答エンジンにさらに渡される。応答エンジンはどのデータソースなのか、すなわちユーザーが興味を持っている可能性があるのはどのデータのスライスなのかを決定する。応答エンジンは基になるデータクラスタからデータを検索し、過去のインタラクションに基づいて可視化の優先を決定し、適合と思われるような追加のコンテキスト構築もする。ユーザーの情報ニーズにおいて詳しい解析でユーザーを支援するため、上記応答エンジンはユーザーが行なうことができるフォローアップアクションも推奨する。
【0015】
すべてのこれらの応答は、適切な方法でインタラクションのシステム上でユーザーに提示され、ユーザーにシステムと対話する機会も提供する。これらのユーザーインタラクションはすべて上記学習エンジンにフィードバックされる。ユーザーインタラクションは、質問に応答している間に作られた推測の補正にもなり、代替的な可視化または、応答に対するアップ投票やダウン投票のような単純なフィードバックの選択もする。AQUAEはこれらのインタラクションから適応し、それによって意味的知識と同様に利用知識も豊富にする。
【0016】
図2は、AQUAEのコンピューターネットワークの典型的なハードウェアの詳細を図示する。適応可能な質問応答のためのコンピューターネットワークは、データ処理のための第1サブネットワークとデータストレージのための第2サブネットワークとを含む。データ処理のための第1サブネットワークは、解釈エンジン、応答エンジン、学習エンジンおよび全ての他の必要とされるモジュールが配備されるマルチサーバノードクラスタ、およびデータ同期のための第2サーバノードを含む。データストレージのための第2サブネットワークは、データ照会および検索ためのビッグデータフレームワークおよびデータベースシステムを含む。表1は、AQUAEの典型的なハードウェアを提供する。
【0017】
【0018】
データ処理のための第1サブネットワークの他の実施形態は、解釈エンジン、応答エンジン、学習エンジン、データ同期または他のモジュールの実行ための少なくとも1つの仮想または物理的なサーバノードを含む。データ処理のための第1サブネットワークのさらなる実施形態は、サーバレスアーキテクチャを提供する。サーバレスアーキテクチャは、サードパーティ「Backend as a Service」(BaaS)サービスを取り入れる、および/または「Functions as a Service」(FaaS)プラットホーム上に管理される一時的なコンテナにおいて実行されたカスタムコードを含むアプリケーションデザインである。サーバレスアーキテクチャは、従来の常時オン状態のサーバコンポーネントの多くのニーズを取り除き、著しく下げられた運用コスト、複雑さおよびエンジニアリングリードタイムから利益を得る可能性がある。
【0019】
<質問>
図3は、質問を構成するものの高レベルな表現を示す。
【0020】
<知識>
インテリジェントなビジネスインテリジェンス(BI)システムは、人々が様々な組織のプロセスの予測をより良く理解するのを助け、人々が自身の組織にとって適切な機会を特定する能力を強化することで、人々が成功した未来を計画することを可能にする。BI解析論は、異なっていて複雑なデータランドスケープから、実行可能なインサイトを提供するために組織によって広く使用される。このデータは組織内および外部で拡散される。さらに、各々の組織は自身の専門語を持っており、そのデータはそれ自身で非常に固有なものである。組織に依存しない適応可能な質問応答エンジンは、この組織の特定の知識を理解する必要がある。組織の特定のオントロジーを構築することはドメインまたは組織に依存しないAQUAEを作ることに十分ではない可能性がある。
【0021】
<意味的知識>
様々な努力がメタオントロジーの生成においてなされたが、解析論ニーズの提供にはうまく行かなかった。この発明はAnalytics specific Meta Ontology -(AMO)を構築することにより、この問題を解決する。
図4は、AMOの高レベルな構成部分を詳述する。各々の概念は名前、ラベル、用語、シノニムおよび他の関連する特性を持つ。この発明は、この意味的知識におけるドメインおよび構成の特定の知識についての理解を捉える。意味的知識を、AMOから導き出された組織の特定の知識と見なす。例えば、「ブランド」は属性であり、「コルゲート(Colgate)」はタイプブランドのエンティティであり、「ユニットの総数」は「売られているアイテムの総数」としての用語を用いた単位である。
【0022】
<利用知識>
図5は、様々なユーザー/システムインタラクションから捉えられた高レベルのユーザー知識を詳述する。ユーザーモデルは、応答時にユーザーから提供されているフィードバック、想定されるエンティティの補正など、ユーザー特有のインタラクションをすべて捉える。組織モデルが同様のフィードバックに基づいて、組織に渡るメタ情報を捉えてる。可視化モデルは所与のインサイトに対するユーザーの可視化の優先を捉える。インサイト知識は、全ての有効なコンテキストに対しユーザーおよびAMOへのリンクに供給された全てのインサイトのレポジトリーである。ユーザーセッションは、ユーザーとシステムとの間で交換されたインタラクティブ情報をモニタリングすることで、ユーザーが何を行なっているか管理する。システムは、あらゆるユーザーインタラクションから、ユーザーの特定の興味を構築する。
【0023】
<解釈エンジン>
解釈エンジンの役割は、ユーザーの質問を、解釈と呼ばれる中間の構造化した表現に変換することである。
図6は、解釈エンジンの詳細を図示する。上記解釈は、質問のコンテキストを解析し理解した後に、質問から重要なエンティティを本質的に捉える。
【0024】
<エンティティの特定>
解釈エンジンは、質問をパースし、質問から重要な成分句およびトークンを特定するために、意味的パーサアルゴリズムを使用する。固有表現抽出は解釈エンジンにおいて極めて重要な役割を果たす。固有表現の例は、人または組織名称、場所、日付および時間でありうる。固有表現はその後、「期間」-相対的、特定的かつ定期的、「ビジネスオブジェクト」-カラム値、「単位」-数的な列、「フィルタおよび条件」、および質問とユーザーコンテキストからの他の重要な特徴などの、あらかじめ定められたカテゴリーの下で整理することができる。
【0025】
<語彙的エンティティの曖昧性解消>
表現抽出の後の次の工程は、語彙的エンティティの曖昧性解消または語義曖昧性解消(WSD)である。WSDは、所与のコンテキストにおける、曖昧な語の正確な意味を確定する作業である。自然言語テキストでは、語は本来、多義的(1つ以上の意味がある語)でありうる。ビジネスコンテキストにおいて、単位およびビジネスオブジェクトは多くの場合、本来多義的でありうる。そのような場合、エンティティの曖昧性を解消するためにコンテキストと利用知識を使用する。単位は、推論アルゴリズムおよび重みが加えられたコンテキスト類似性アプローチを使用し、曖昧性が解消されランク付けされる。例えば、「今月の東地域の売り上げ」という質問において、語「販売」には2つ以上の意味(「売上数量」、「合計ドル売上高」)がある。このようなAシナリオにおいて、利用知識および質問コンテキストごとでは、「売り上げ」が「合計ドル売上高」と連想することができる。
【0026】
<意味的曖昧性解消>
曖昧なエンティティの曖昧性を解消すると、次の工程は意味的曖昧性解消である。語彙の曖昧性解消は全て語レベルでのエンティティの曖昧性解消に関するものである一方、意味的曖昧性解消は質問の全コンテキストを考慮するエンティティの曖昧性解消を処理する。これは、単位のデータソース情報を考慮するエンティティの曖昧性解消に関与することに加えて、質問における他のエンティティにも関する。全ての単位とビジネスオブジェクトが曖昧性解消されると、適切なフィルタおよび条件は単位エンティティ上で適用される。
【0027】
アクセスコントロールのない企業アプリケーションはほぼ全て(すべてではない)組織にとって効き目がない。アクセスコントロールは、ユーザーが認可された情報のみにアクセスすることを保証するという重要な役割を行う。
【0028】
解釈エンジンの最後の工程は、応答エンジンによってさらに利用されうるユーザーの意図を特定することである。
【0029】
<応答エンジン>
応答エンジンの主なタスクは、質問から推定されるようなユーザーの意図を考慮する意味的解釈を使用して、適切な応答を生成することである。
図7は、応答エンジンの詳細を図示する。
【0030】
一旦、質問が解釈されると、コンテキストを考慮し、上記エンジンは、質問に応答するために要求される様々な中間クエリを考案する。クエリはユーザーの意図に基づいて、1から複数におよびうる。各々のクエリについては、応答は形成されたクエリに相当する。
【0031】
第2の工程として、個々の中間クエリについては、期間と単位は、それらが質問で言及されなかった場合、ベイズ式を使用して推論される。期間、単位および他のエンティティが適所であると、応答エンジンは、個々の中間クエリに対する応答に関連した適切な応答およびメタデータを得るために企業データを調べる。解釈を使用して、応答エンジンは応答と共に、最も頻繁かつ関連している情報を特定し、ユーザーへ推奨する。
【0032】
次の工程は応答の可視化を決定することである。この工程は、より建設的な方法で、隠れた情報を理解する能力を高めることを助ける。ビジネスリーダーは、どこを改善できるかを確かめ、処置を講じ、かつ彼らのビジネスを成長させるために容易にデータを掘り下げる能力を必要とする。データ可視化はビジネスインテリジェンスを活気づける。応答データおよび過去のユーザーインタラクションによって、上記AQUAEは上記ユーザーに最良の可視化を、応答に対して支持された代替の可視化と共に提供する。
【0033】
応答することは、ユーザーが尋ねる可能性のある次のセットの質問を誘発する。AQUAEは、発見および効果的な解析を容易にするために、フォローアップアクションを推奨する。最後の工程として、ユーザーに、尋ねられた質問に対しアセンブルされランク付けられた応答が供給される。
【0034】
<応答>
図8は、AQUAEの応答を構成するものの高レベルな表現を示す。
【0035】
<学習エンジンおよびインタラクション>
学習エンジンはユーザーインタラクションに基づいた知識の増加/適合の役割をする。続くユーザーインタラクションはAQUAEに支持される。学習エンジンは、AQUAEをより賢くするために各インタラクションに基づいて知識を改善する。
【0036】
<データ照会>
第1のインタラクションは自然言語でユーザーが質問を行うことで開始される。学習エンジンは、ユーザーセッションを構築する所定の時間において所与のユーザーのコンテキストを学習する。このユーザーセッションは最近の質問と共にユーザーの意図を理解するための重要な役割を果たす。
【0037】
<曖昧なエンティティの補正>
先に詳述されたように、エンティティは本来曖昧になりえ、そのような場合、AQUAEはコンテキストと利用知識に基づいて、エンティティを曖昧性解消する際に、インテリジェントな推測をする。曖昧なエンティティの補正は、学習エンジンがその知識を豊富にする機会を提供し、それによって、次のデータ照会(組織の全てのユーザーに対して)のためにエンティティの曖昧性解消を改善する。
【0038】
<解釈に対するアクション>
不完全な質問の場合、システムは、応答の生成のために、知識とコンテキストを使用して必要なかつ義務的なエンティティ(例えば単位)を推論する。AQUAEは、ユーザーがこのコンテキストを変更することを可能にする。このインタラクションは、次のデータ照会(組織の全てのユーザーに対して)用のフィードバックと見なされる。
【0039】
<応答に対するアクション>
AQUAEは期間のエンティティを特殊なケースと見なし、応答が供給されている場合、ユーザーがそれを変更することを可能にする。これは、異なる時間フレームに関したユーザーによるデータ調査を可能にする。学習エンジンは、このインタラクションから所与のコンテキストに対する関連する期間を学習する。上記の知識は後に、不完全な質問(組織の全てのユーザーに対して)の場合に期間を推論するために、AQUAEによって使用される。
【0040】
<応答の追跡>
応答は、ユーザーの変化するビジネスの嗜好性に基づいて、追跡できる/追跡できない。学習エンジンは、これらのインタラクションから、ユーザーの関心を捉える。この知識は、AQUAEがエンティティの曖昧性解消を助けることと同様に、応答をさらに良くランク付けするのを助ける。
【0041】
<データの掘り下げ部>
ユーザーは典型的に、ビジネスをより良く理解するためにデータの掘り下げ部を必要とする。AQUAEは上記と同じことを可能にし、ユーザーの関心領域を学習する。また、これらのインタラクションは、AQUAEがユーザーが有している可能性のあるフォローアップ質問を予測および先取りすることを可能にし、それによって、応答に基づいて、提案された解析を改善する。
【0042】
<可視化変化>
可視化の変化は、AQUAEが所与の応答に対して好ましい可視化は何かを理解するのを助ける。これは、AQUAEが、データ照会の場合、続く応答(組織の全てのユーザーに対する)に対する最良の可視化を学習し推奨するのを助ける。
【0043】
<応答に対するアップ投票/ダウン投票>
AQUAEは、ユーザーが、アップ投票/ダウン投票のアクションを使用して、応答の関連性および妥当性のフィードバックを提供することを可能にする。これは、AQUAEが、ユーザーモデルを学習し適応するのを助け、それによって、次のデータ照会(組織の全てのユーザーに対して)を用いて経験を向上させる。
【0044】
<提案された解析に対するアクション>
AQUAEは、関連した解析の推奨によって、応答が提示された際にユーザーが有している可能性のあるフォローアップ質問を先取りする。例えば、「全地域にわたるベンチマーク」は「2018年の西地域の売り上げ」という応答を推奨されるかもしれない。これらの推奨された分析の呼出しまたは非呼出しはコンテキストと共に、学習エンジンが、ユーザーのデータとのインタラクションの方法について学習し、それを向上する機会を与えるのを可能にする。
【0045】
<提案された質問に対するフォローアップ>
AQUAEは、データが所与のコンテキストに利用可能でない場合、ユーザーに対し、提案された質問を推奨する。この推奨は利用知識に基づく。
【国際調査報告】