(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-26
(54)【発明の名称】金貨認識による電子マネー発行方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/06 20120101AFI20220419BHJP
【FI】
G06Q20/06 300
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021521929
(86)(22)【出願日】2019-07-05
(85)【翻訳文提出日】2021-01-05
(86)【国際出願番号】 KR2019008309
(87)【国際公開番号】W WO2020013535
(87)【国際公開日】2020-01-16
(31)【優先権主張番号】10-2018-0079823
(32)【優先日】2018-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521007241
【氏名又は名称】スマート ゴールドコイン カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100146639
【氏名又は名称】船本 康伸
(72)【発明者】
【氏名】キム,セオン ジン
(72)【発明者】
【氏名】カン,ヨン ス
(72)【発明者】
【氏名】カン,ス イェオン
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA14
5L055AA15
(57)【要約】
本発明の実施形態に係る、金貨認識による電子マネー発行方法は、汎用端末が、表面に固有識別パターンが加工処理された金貨を撮影し、金貨の表面に形成された固有識別パターンを読み取る固有識別パターン読み取り過程と;撮影された金貨の表面から固有識別パターンが読み取られる場合、前記汎用端末が、読み取られた固有識別パターンを電子マネー管理サーバに送信する固有識別パターン送信過程と;前記電子マネー管理サーバが、受信した固有識別パターンを読み取り、読み取られた固有識別パターンにマッチする登録文字列がデータベースに登録されているか否かを判定する登録有無判定過程と;前記電子マネー管理サーバが、固有識別パターンにマッチする登録文字列がデータベースに登録されている場合、固有の電子マネーアドレスを生成し、読み取られた固有識別パターンに割り当てて保存し、生成された電子マネーアドレスを前記汎用端末に提供する電子マネーアドレス提供過程と;前記汎用端末により読み取られた金貨が実際に入庫された場合、前記電子マネー管理サーバが、入庫された金貨の市場価値に対応する電子マネーを、金貨に割り当てられた電子マネーアドレスに発行する電子マネー発行過程と;を含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
汎用端末が、表面に固有識別パターンが加工処理された金貨を撮影し、金貨の表面に形成された固有識別パターンを読み取る固有識別パターン読み取り過程と;
撮影された金貨の表面から固有識別パターンが読み取られる場合、前記汎用端末が、読み取られた固有識別パターンを電子マネー管理サーバに送信する固有識別パターン送信過程と;
前記電子マネー管理サーバが、受信した固有識別パターンを読み取り、読み取られた固有識別パターンにマッチする登録文字列がデータベースに登録されているか否かを判定する登録有無判定過程と;
前記電子マネー管理サーバが、固有識別パターンにマッチする登録文字列がデータベースに登録されている場合、固有の電子マネーアドレスを生成し、読み取られた固有識別パターンに割り当てて保存し、生成された電子マネーアドレスを前記汎用端末に提供する電子マネーアドレス提供過程と;
前記汎用端末により読み取られた金貨が実際に入庫された場合、前記電子マネー管理サーバが、入庫された金貨の市場価値に対応する電子マネーを、金貨に割り当てられた電子マネーアドレスに発行する電子マネー発行過程と;
を含むことを特徴とする、金貨認識による電子マネー発行方法。
【請求項2】
前記固有識別パターンは、
化学技法および機械加工法の少なくとも一方の手法により形成され、人の目では識別できない不可視の固有識別パターンであることを特徴とする、請求項1に記載の金貨認識による電子マネー発行方法。
【請求項3】
前記化学技法は、金貨の表面に蛍光インクを噴射して、固有のインク模様パターンの固有識別パターンを形成する手法であり、
前記機械加工法は、金貨の表面に陰刻を施して、固有の陰刻模様パターンの固有識別パターンを形成する手法であることを特徴とする、請求項2に記載の金貨認識による電子マネー発行方法。
【請求項4】
前記固有識別パターン読み取り過程は、
読み取られた金貨の形状が円形状であるか否かを判定し、円形状でない場合、固有識別パターンの読み取りを終了する過程と;
読み取られた金貨の形状が円形状である場合、金貨の表面に形成された固有識別パターンが化学技法により形成されたか否かを判定し、化学技術による形成であると判定された場合、金貨の表面に形成されたインク模様パターンを固有識別パターンとして読み取る過程と;
金貨の表面に形成された固有識別パターンが機械加工法により形成されたか否かを判定し、機械加工法による形成であると判定された場合、金貨の表面に形成された陰刻模様パターンを固有識別パターンとして読み取る過程と;
を含むことを特徴とする、請求項2に記載の金貨認識による電子マネー発行方法。
【請求項5】
金貨の表面に形成された固有識別パターンが化学技法により形成されたか否かを判定することは、
金貨の表面に特殊な光を照射してインク反射光が存在するか否かを判定することにより、化学技法による形成であるか否かを判定することであることを特徴とする、請求項4に記載の金貨認識による電子マネー発行方法。
【請求項6】
金貨の表面に形成された固有識別パターンが機械加工法により形成されたか否かを判定することは、
撮影された金貨の表面を拡大認識した後、設定されたサイズのマイクロ直径以下の微細孔が存在するか否かを判定することにより、機械加工法による形成であるか否かを判定することであることを特徴とする、請求項4に記載の金貨認識による電子マネー発行方法。
【請求項7】
前記金貨の表面に形成された陰刻模様パターンを固有識別パターンとして読み取ることは、
金貨の表面を第1倍率で1次拡大撮影することにより、微細孔が存在する機械加工法による形成であると判定される場合、金貨の表面を第1倍率よりも高い第2倍率で2次拡大撮影することにより、陰刻模様パターンを読み取ることであることを特徴とする、請求項6に記載の金貨認識による電子マネー発行方法。
【請求項8】
金貨の表面にインク模様パターン及び陰刻模様パターンのいずれか一方が形成されるか、または、金貨の表面にインク模様パターン及び陰刻模様パターンの両方が形成されることを特徴とし、
前記金貨の表面にインク模様パターン及び陰刻模様パターンの両方が形成される場合には、金貨の同じ表面にインク模様パターン及び陰刻模様パターンの両方が形成されるか、または、金貨の互いに異なる表面にインク模様パターン及び陰刻模様パターンがそれぞれ別個に形成されることを特徴とする、請求項3に記載の金貨認識による電子マネー発行方法。
【請求項9】
金貨の同じ表面にインク模様パターン及び陰刻模様パターンの両方が形成される場合、
インク模様パターンの間ごとに陰刻模様パターンが形成され、市場価値の高い金貨ほどインク模様パターンの間に位置する陰刻模様パターンのサイズを小さくするか、陰刻模様パターンの数が増加するように形成されることを特徴とする、請求項8に記載の金貨認識による電子マネー発行方法。
【請求項10】
前記電子マネー発行過程は、
前記電子マネー管理サーバが、入庫された金貨の表面に形成された固有識別パターンを読み取る過程と;
前記電子マネー管理サーバが、読み取られた固有識別パターンにマッチする登録文字列に割り当てられた電子マネーアドレスを抽出し、入庫された金貨の市場価値に対応する電子マネーを、抽出された電子マネーアドレスに記録する過程と;
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の金貨認識による電子マネー発行方法。
【請求項11】
前記電子マネーアドレスは、電子マネーが記録される電子マネーフィールドと;入庫された金貨の所有者情報が記録される所有者情報フィールドと;を含み、
前記電子マネー保存過程では、前記電子マネーフィールドに入庫された金貨の市場価値に対応する電子マネーを記録し、前記所有者情報フィールドに金貨を入庫した所有者の情報を記録し、
発行された電子マネーの振込が発生した場合、振込を受けた所有者の情報を前記所有者フィールドに更新して保存することを特徴とする、請求項10に記載の金貨認識による電子マネー発行方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実物を担保にした新たな電子マネー発行方法であり、実際に存在する金貨を認識して電子マネーに変換発行する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビットコインで代表される仮想電子マネー(Virtual currency:仮想通貨)は、ブロックチェーン(Blockchain)という仕組みによって取引台帳を共有している。
【0003】
その概要として、一般ユーザは、電子マネー(電子貨幣)のウォレットプログラムを自分のコンピュータにダウンロードする。次いで、それを自分のコンピュータにインストールする。次に、そのプログラムは、実行されるに伴い、ネットワーク上に記録されているブロックチェーンと同期化(一致)させる作業を優先して進める。そのデータが数十ギガバイトに達するため、通常は約3~7日の時間がかかる。同期化が完了したら、ユーザは、自分のウォレットに自分のアドレス(銀行の口座の概念)を生成し、そのアドレスを介してビットコインを送受信することができる。ビットコインの場合、アドレスは1から始まる34桁の英字(大小文字)と数字の組み合わせである。この方法の難しさのために、全ノードを含むサーバが、ウェブウォレットサービスで、全ノードが下がらないサービスも多く行われている。
【0004】
このように、従来の仮想電子マネーは、実体のない貨幣を実物として証明するために、暗号(乱数)をリアルタイムで解く必要があるブロックチェーン技術を必ず適用しなければならない構造であって、このため、採掘者集団が必要であり、採掘者は365日、コンピュータやASIC機器を稼動させなければならないので、かなりの量の電力を消費している。
【0005】
また、ブロックチェーンの形成で上記の機器をネットワーク上の確率的に連結することになるので、取引時間が長くなる等の技術的な問題が発生し、さらに、仮想の特性のために通貨として認められず、電子マネー商取引技術自体が違法とされるなどの限界があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の技術的課題は、世界が「商品」として認定する財貨である「金」をベースにして、当該実際の財貨としての金貨を電子マネーに変換発行する技術概念で、実際に存在するものであるため、暗号検証式ブロックチェーン技術が不要であり、これにより電気消費、取引時間の長期化の問題もなく、電子マネーの技術を根本的に脅かしていた仮想という無形の特殊性の問題をも技術的に克服する、金貨認識による電子マネー発行方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係る、金貨認識による電子マネー発行方法は、汎用端末が、表面に固有識別パターンが加工処理された金貨を撮影し、金貨の表面に形成された固有識別パターンを読み取る固有識別パターン読み取り過程と;撮影された金貨の表面から固有識別パターンが読み取られる場合、前記汎用端末が、読み取られた固有識別パターンを電子マネー管理サーバに送信する固有識別パターン送信過程と;前記電子マネー管理サーバが、受信した固有識別パターンを読み取り、読み取られた固有識別パターンにマッチする登録文字列がデータベースに登録されているか否かを判定する登録有無判定過程と;前記電子マネー管理サーバが、固有識別パターンにマッチする登録文字列がデータベースに登録されている場合、固有の電子マネーアドレスを生成し、読み取られた固有識別パターンに割り当てて保存し、生成された電子マネーアドレスを前記汎用端末に提供する電子マネーアドレス提供過程と;前記汎用端末により読み取られた金貨が実際に入庫された場合、前記電子マネー管理サーバが、入庫された金貨の市場価値に対応する電子マネーを、金貨に割り当てられた電子マネーアドレスに発行する電子マネー発行過程と;を含むことを特徴としてもよい。
【0008】
前記固有識別パターンは、化学技術および機械加工法の少なくとも一方の手法により形成され、人の目では識別できない不可視の固有識別パターンであることを特徴としてもよい。
【0009】
前記化学技法は、金貨の表面に蛍光インクを噴射して、固有のインク模様パターンの固有識別パターンを形成する手法であり、前記機械加工法は、金貨の表面に陰刻を施して、固有の陰刻(彫り込み)模様パターンの固有識別パターンを形成する手法であることを特徴としてもよい。
【0010】
前記固有識別パターン読み取り過程は、読み取られた金貨の形状が円形状であるか否かを判定し、円形状でない場合、固有識別パターンの読み取りを終了する過程と;読み取られた金貨の形状が円形状である場合、金貨の表面に形成された固有識別パターンが化学技法により形成されたか否かを判定し、化学技術による形成であると判定された場合、金貨の表面に形成されたインク模様パターンを固有識別パターンとして読み取る過程と;金貨の表面に形成された固有識別パターンが機械加工法により形成されたか否かを判定し、機械加工法による形成であると判定された場合、金貨の表面に形成された陰刻模様パターンを固有識別パターンとして読み取る過程と;を含むことを特徴としてもよい。
【0011】
金貨の表面に形成された固有識別パターンが化学技法により形成されたか否かを判定することは、金貨の表面に特殊な光を照射してインク反射光が存在するか否かを判定することにより、化学技法による形成であるか否かを判定することであることを特徴としてもよい。
【0012】
金貨の表面に形成された固有識別パターンが機械加工法により形成されたか否かを判定することは、撮影された金貨の表面を拡大認識した後、設定されたサイズのマイクロ直径以下の微細孔が存在するか否かを判定することにより、機械加工法による形成であるか否かを判定することであることを特徴としてもよい。。
【0013】
前記金貨の表面に形成された陰刻模様パターンを固有識別パターンとして読み取ることは、金貨の表面を第1倍率で1次拡大撮影することにより、微細孔が存在する機械加工法による形成であると判定される場合、金貨の表面を第1倍率よりも高い第2倍率で2次拡大撮影することにより、陰刻模様パターンを読み取ることであることを特徴としてもよい。
【0014】
金貨の表面にインク模様パターン及び陰刻模様パターンのいずれか一方が形成されるか、または、金貨の表面にインク模様パターン及び陰刻模様パターンの両方が形成されることを特徴としてもよい。
【0015】
金貨の表面にインク模様パターン及び陰刻模様パターンの両方が形成される場合には、金貨の同じ表面にインク模様パターン及び陰刻模様パターンの両方が形成されるか、または、金貨の互いに異なる表面にインク模様パターン及び陰刻模様パターンがそれぞれ別個に形成されることを特徴としてもよい。
【0016】
金貨の同じ表面にインク模様パターン及び陰刻模様パターンの両方が形成される場合、インク模様パターンの間ごとに陰刻模様パターンが形成され、市場価値の高い金貨ほどインク模様パターンの間に位置する陰刻模様パターンのサイズを小さくするか、陰刻模様パターンの数が増加するように形成されることを特徴としてもよい。
【0017】
前記電子マネー発行過程は、前記電子マネー管理サーバが、入庫された金貨の表面に形成された固有識別パターンを読み取る過程と;前記電子マネー管理サーバが、読み取られた固有識別パターンにマッチする登録文字列に割り当てられた電子マネーアドレスを抽出し、入庫された金貨の市場価値に対応する電子マネーを、抽出された電子マネーアドレスに記録する過程と;を含むことを特徴としてもよい。
【0018】
前記電子マネーアドレスは、電子マネーが記録される電子マネーフィールドと;入庫された金貨の所有者情報が記録される所有者情報フィールドと;を含み、前記電子マネー保存過程では、前記電子マネーフィールドに入庫された金貨の市場価値に対応する電子マネーを記録し、前記所有者情報フィールドに金貨を入庫した所有者の情報を記録し、発行された電子マネーの振込が発生した場合、振込を受けた所有者の情報を前記所有者フィールドに更新して保存することを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の実施形態によれば、従来の仮想電子マネーによる金融市場の不安定性や混乱などを新たな技術概念で防止し、且つ、新たな先端電子マネーによる取引のしやすさ等の時代の要求に応えることができる。また、実物ベースの電子マネーの新たな例として標準を提示することも期待されている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態による、金貨認識による電子マネー発行システムの構成図である。
【
図2】本発明の実施形態による金貨の例示図である。
【
図3】本発明の実施形態による、固有識別パターン別に登録文字列が割り当てられたデータベース(DB)の例示図である。
【
図4】本発明の実施形態による、金貨認識による電子マネー発行方法を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の実施形態により固有識別パターンを読み取るプロセスを示す詳細フローチャートである。
【
図6】本発明の実施形態により電子マネーアドレスが生成されてDBに保存されることを示す例示図である。
【
図7】本発明の実施形態による電子マネーアドレスに記録されるフィールドの例示構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の利点及び特徴並びにこれらを達成する方法は、添付図面と結び付けて詳細に後述する実施形態を参照すれば明らかになるであろう。しかしながら、本発明は、後述する実施形態に何ら限定されるものではなく、異なる様々な形態に実現可能であり、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範囲により定義される。なお、本発明を説明するに当たり、関連した公知技術などが本発明の要旨を曖昧にすることがあると判定される場合、それに関する詳細な説明は省略することにする。
【0022】
図1は、本発明の実施形態による、金貨認識による電子マネー発行システムの構成図であり、
図2は、本発明の実施形態による金貨の例示図であり、
図3は、本発明の実施形態による、固有識別パターン別に登録文字列が割り当てられたDBの例示図である。
【0023】
本発明は、伝統的な金製造業と化学・機械工学および情報通信技術を組み合わせた電子金融サービスである。100%純金からなる3.75g(1匁基準;韓国では、金などは、3.75gが1匁(ドン)となる)重量の金貨にコードである固有識別パターンを形成し、このような固有識別パターンがアナログからデジタルへの連結媒体となり、実際に金貨は電子マネー(DON単位)に変換して発行され、発行された電子マネーは、国籍に関係なく全世界を対象に商取引(電子マネーの送金、財貨の支払い・買取など)に利用できる。
【0024】
このために、金貨認識による電子マネー発行システムは、固有識別パターンでパターン化された金貨(以下、「金貨」という)、有無線通信網100、汎用端末200、電子マネー管理サーバ300を含んでもよい。
【0025】
金貨は、表面に固有識別パターンが形成された、金で作られた貨幣(コイン)であり、100%純金からなる3.75g(1匁基準)重量の金貨である。金貨の表面に、人の目では識別できない不可視の固有識別パターンを形成することで、金貨自体の価値を識別できるようにする。固有識別パターンの模様形状は各手法(化学・機械加工)によって異なり(処理情報量の違い)、模様形状を重複しないように形成する必要がある。
【0026】
固有識別パターンは、化学技法および機械加工法の少なくとも一方の手法により形成される。
【0027】
化学技法により金貨の表面に固有識別パターンを形成することは、金貨の表面に蛍光インクを噴射して、固有のインク模様パターンの固有識別パターンを形成することである。
【0028】
機械加工法により金貨の表面に固有識別パターンを形成することは、金貨の表面に陰刻を施して、固有の陰刻(彫り込み)模様パターンの固有識別パターンを形成することである。このような陰刻の微細サイズは、最小マイクロサイズが基本である。
【0029】
固有識別パターンを形成するための手法としては、1つの手法を選択してもよいが、精度の向上/セキュリティの強化を図るために2つの手法を同時に並行して採用してもよい。
【0030】
例えば、金貨の表面にインク模様パターン及び陰刻模様パターンを形成するにあたり、
図2(a)および
図2(b)に示すように、金貨の表面にインク模様パターン及び陰刻模様パターンのいずれか一方が形成されてもよい。
【0031】
または、
図2(c)及び
図2(d)に示すように、金貨の表面にインク模様パターン及び陰刻模様パターンの両方が形成されてもよい。この場合、
図2(c)に示すように、金貨の互いに異なる表面にインク模様パターン及び陰刻模様パターンがそれぞれ別個に形成されてもよく、または、
図2(d)に示すように、金貨の同じ表面にインク模様パターン及び陰刻模様パターンの両方が形成されてもよい。
【0032】
このとき、金貨の同じ表面にインク模様パターン及び陰刻模様パターンの両方が形成される場合、インク模様パターンの間ごとに陰刻模様パターンが形成され、市場価値の高い金貨ほどインク模様パターンの間に位置する陰刻模様パターンの数が多くなるように形成されてもよい。
【0033】
市場価値の高い金貨ほどセキュリティのためにインク模様パターンと陰刻模様パターンとを互いに組み合わせて1つの同じ面に形成し、インク模様パターンの間に位置する陰刻模様パターンの数が増加するように形成する。
【0034】
有無線通信網100は、汎用端末200と電子マネー管理サーバ300との間に有線通信または無線通信をサポートする通信システムである。このような有無線通信網100が、無線通信網として実現される場合、基地局(BTS;Base Transceiver Station)、移動交換局(MSC;Mobile Switching Center)、およびホームロケーションレジスタ(HLR;Home Location Register)からなる無線移動通信網を用いてデータ通信を行うことができる。また、有無線通信網100が有線通信網として実現される場合、ネットワーク通信網として実現でき、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol:伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル)などのインターネットプロトコルによってデータ通信を行うことができる。
【0035】
汎用端末200は、カメラを備え、金貨の表面を撮影して、金貨の表面に形成された固有識別パターンを読み取る機器であって、同図ではスマートフォンを示しているが、スマートフォンだけでなく、デスクトップPC(desktop PC)、タブレットPC(tablet PC)、スレートPC(slate PC)、ノートパソコン(notebook computer)、PDA(Personal Digital Assistants:携帯情報端末)、PMP(Portable Multimedia Player;ポータブルマルチメディアプレーヤ)などが該当できる。もちろん、本発明
【0036】
勿論、本発明が適用可能な端末は、上記の種類に限定されず、外部装置と通信できるすべての端末を含み得ることはいうまでもない。
【0037】
電子マネー管理サーバ300は、ハードウェア的には、通常のWebサーバと同じ構成を有し、ソフトウェア的には、C、C++、Java、Visual Basic、Visual Cなどの様々な形態の言語を介して実現されて各種の機能をするプログラムモジュールを含む。また、一般的なサーバ用ハードウェアに、ドス(dos)、ウィンドウズ(windows)、リナックス(linux)、ユニックス(unix)、マッキントッシュOS(Mac OS)などのオペレーティングシステムにより提供される様々なWebサーバプログラムを利用して実現されてもよい。
【0038】
電子マネー管理サーバ300は、汎用端末200から受信した固有識別パターンを読み取り、読み取った固有識別パターンにマッチする登録文字列がデータベースに登録されているか否かを判定する。また、固有識別パターンにマッチする登録文字列がデータベースに登録されている場合、固有の電子マネーアドレスを生成し、読み取られる固有識別パターンに割り当てて保存し、生成された電子マネーアドレスを汎用端末200に提供する。
【0039】
その後、汎用端末200により読み取られた金貨が実際に電子マネー管理運営金融機関に入庫された場合、入庫された金貨の市場価値に対応する電子マネーを、金貨に割り当てられた電子マネーアドレスに発行する。
【0040】
ちなみに、上記の固有識別パターンにマッチする登録文字列が登録されたデータベースでは、
図3に示すように、固有の識別パターンごとに固有の登録文字列が登録されている。固有識別パターンの模様形状は各手法(化学・機械加工)によって異なり(処理情報量の違い)、模様形状を重複しないように形成する必要があり、登録文字列もまた、例えば、30桁の英字と数字の組み合わせで、重複しない固有文字列である必要がある。データベースは記憶媒体に記録される。この場合、記憶媒体は、SSDドライブ(Solid State Drive)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、CFカード(Compact Flash Card)、SDカード(Secure Digital Card)、SMカード(Smart Media Card )、MMCカード(Multi-Media Card)またはメモリスティック(Memory Stick)などの情報の入出力が可能なモジュールであり、装置内に備えられてもよく、別の装置に備えられてもよい。
【0041】
図4は、本発明の実施形態による、金貨認識による電子マネー発行方法を示すフローチャートであり、
図5は、本発明の実施形態により固有識別パターンを読み取るプロセスを示す詳細フローチャートであり、
図6は、本発明の実施形態により電子マネーアドレスが生成されてDBに保存されることを示す例示図であり、
図7は、本発明の実施形態による電子マネーアドレスに記録されるフィールドの例示構成図である。
【0042】
本発明の金貨認識による電子マネー発行方法は、
図4に示すように、汎用端末200が、表面に固有識別パターンが加工処理された金貨を撮影し、金貨の表面に形成された固有識別パターンを読み取る固有識別パターン読み取り過程(S410)と;撮影された金貨の表面から固有識別パターンが読み取られる場合、汎用端末200が、読み取られた固有識別パターンを電子マネー管理サーバ300に送信する固有識別パターン送信過程(S420)と;電子マネー管理サーバ300が、受信した固有識別パターンを読み取り、読み取られた固有識別パターンにマッチする登録文字列がデータベースに登録されているか否かを判定する登録有無判定過程(S430)と;電子マネー管理サーバ300が、固有識別パターンにマッチする登録文字列がデータベースに登録されている場合、固有の電子マネーアドレスを生成し、読み取られた固有識別パターンに割り当てて保存し、生成された電子マネーアドレスを前記汎用端末200に提供する電子マネーアドレス提供過程(S440)と;汎用端末200により読み取られた金貨が実際に入庫された場合、電子マネー管理サーバ300が、入庫された金貨の市場価値に対応する電子マネーを、金貨に割り当てられた電子マネーアドレスに発行する電子マネー発行過程(S450)と;を含んでもよい。以下、詳述する。
【0043】
固有識別パターン読み取り過程(S410)は、汎用端末200が、表面に固有識別パターンが加工処理された金貨を撮影し、金貨の表面に形成された固有識別パターンを読み取る過程である。
【0044】
人の目では識別できない不可視の固有識別パターンが金貨の表面に形成されており、このような固有識別パターンにより金貨自体の価値を識別可能である。各手法(化学/機械加工)によって固有識別パターンの模様形状が異なり(処理情報量の違い)、模様形状を重複しないように形成する。
【0045】
固有識別パターンは、化学技術および機械加工法の少なくとも一方の手法により形成される。
【0046】
化学技法により金貨の表面に固有識別パターンを形成することは、金貨の表面に蛍光インクを噴射して、固有のインク模様パターンの固有識別パターンを形成することである。
【0047】
機械加工法により金貨の表面に固有識別パターンを形成することは、金貨の表面に陰刻を施して、固有の陰刻模様パターンの固有識別パターンを形成することである。このような陰刻の微細サイズは、最小マイクロサイズが基本である。
【0048】
固有識別パターンを形成するための手法としては、1つの手法を選択してもよいが、精度の向上/セキュリティの強化を図るために2つの手法を同時に並行して採用してもよい。
【0049】
例えば、金貨の表面にインク模様パターン及び陰刻模様パターンを形成するにあたり、
図2(a)および
図2(b)に示すように、金貨の表面にインク模様パターン及び陰刻模様パターンのいずれか一方が形成されてもよい。または、
図2(c)及び
図2(d)に示すように金貨の表面にインク模様パターン及び陰刻模様パターンの両方が形成されてもよい。この場合、
図2(c)に示すように、金貨の互いに異なる表面にインク模様パターン及び陰刻模様パターンがそれぞれ別個に形成されてもよく、または、
図2(d)に示すように、金貨の同じ表面にインク模様パターン及び陰刻模様パターンの両方が形成されてもよい。
【0050】
このとき、金貨の同じ表面にインク模様パターン及び陰刻模様パターンの両方が形成される場合、インク模様パターンの間ごとに陰刻模様パターンが形成され、市場価値の高い金貨ほどインク模様パターンの間に位置する陰刻模様パターンのサイズを小さくするか、陰刻模様パターンの数が多くなるように形成されてもよい。市場価値の高い金貨ほどセキュリティのためにインク模様パターンと陰刻模様パターンとを互いに組み合わせて1つの同じ面に形成し、インク模様パターンの間に位置する陰刻模様パターンのサイズを小さくするか、陰刻模様パターンの数が増加するように形成する。
【0051】
このように固有識別パターンがインク模様パターンおよび/または陰刻模様パターンとして形成されるので、固有識別パターンがインク模様パターンとして形成される場合、固有識別パターンが陰刻模様パターンとして形成される場合、読み取り方法がそれぞれ異なる。
【0052】
このために、
図5に基づいて、固有識別パターンを読み取る過程(S410)について説明する。撮影して読み取られた(S411)金貨の形状が円形状であるか否かを判定し(S412)、円形状でない場合は、固有識別パターンの読み取りを終了する過程を有する。汎用端末200により撮影された画像情報に入力された反射体が丸い円/四角形であるか否かを確認し(S412)、丸い円/四角形でない場合は、直ちに認識対象から除外する。
【0053】
読み取られた金貨の形状がサーバのデータベースの情報と一致する円形状である場合、金貨の表面に形成された固有識別パターンが化学技法により形成されたか否かを判定し、化学技術による形成であると判定された場合は、金貨の表面に形成されたインク模様パターンを固有識別パターンとして読み取る過程を有する。
【0054】
ここで、金貨の表面に形成された固有識別パターンが化学技法により形成されたか否かを判定することは、金貨の表面に特殊な光を照射して(S413)、インク反射光が存在するか否かを判定する(S414)ことにより、化学技法による形成であるか否かを判定することであり、インク反射光が存在する場合は、インク模様パターンを固有識別パターンとして抽出する(S415)。
【0055】
化学手法でない場合、金貨の表面に形成された固有識別パターンが機械加工法により形成されたか否かを判定し、機械加工法による形成であると判定された場合は、金貨の表面に形成された陰刻模様パターンを固有識別パターンとして読み取る過程を有する。
【0056】
ここで、金貨の表面に形成された固有識別パターンが機械加工法により形成されたか否かを判定することは、撮影された金貨の表面を拡大認識し(S416)、設定されたサイズのマイクロ直径以下の微細孔が存在するか否かを判定する(S417)ことにより、機械加工法による形成であるか否かを判定することである。
【0057】
機械加工法による形成であると判定される場合に、金貨の表面に形成された陰刻模様パターンを固有識別パターンとして読み取ることは、金貨の表面を第1倍率(例えば、2倍)で1次拡大撮影する(S416)ことにより、微細孔が存在する機械加工法による形成であると判定される(S417)場合、金貨の表面を第1倍率よりも高い第2倍率(例えば、5倍)で2次拡大撮影する(S418)ことにより、陰刻模様パターンを読み取ることであり、この場合、陰刻模様パターンを固有識別パターンとして抽出する(S419)ことができる。
【0058】
固有識別パターン送信過程(S420)は、撮影された金貨の表面から固有識別パターンが読み取られる場合、汎用端末200が、読み取られた固有識別パターンを電子マネー管理サーバ300に送信する過程である。
【0059】
登録有無判定過程(S430)は、電子マネー管理サーバ300が、受信した固有識別パターンを読み取り、読み取られた固有識別パターンにマッチする登録文字列がデータベースに登録されているか否かを判定する過程である。登録文字列がデータベースに存在しない場合、未認証で違法な金貨として扱われる。
【0060】
電子マネーアドレス提供過程(S440)は、固有識別パターンにマッチする登録文字列がデータベースに登録されている場合、固有の電子マネーアドレスを生成し、読み取られた固有識別パターンに割り当てて保存し、生成された電子マネーアドレスを汎用端末200に提供する。
【0061】
例えば、読み取られた固有識別パターンが第1パターンであり、第1パターンにマッチする第1登録文字列が存在する場合、
図6に示すように、固有の電子マネーアドレスを生成し、第1パターンの電子マネーアドレスとして生成して保存し、汎用端末200に認識成功を通知し、生成された電子マネーアドレスを案内する。
【0062】
このような電子マネーアドレスは、例えば、25桁の重複しない、記憶媒体内の固有のメモリアドレスになる。したがって、電子マネーアドレスからなるメモリアドレス別にそれぞれ固有の情報が記録されてもよい。
【0063】
電子マネー発行過程(S450)は、汎用端末200により読み取られた金貨が実際に入庫された場合、電子マネー管理サーバ300が、入庫された金貨の市場価値に対応する電子マネーを、金貨に割り当てられた電子マネーアドレスに発行する過程である。すなわち、発行者により読み取られて登録された金貨が物理的に預けられると、電子マネー管理サーバ300は、金貨を読み取り、既に生成されたアドレス(または電子マネー管理サーバ300が金貨預け段階で認識して生成)に電子マネーGLDを発行する。
【0064】
このために、電子マネー発行過程(S450)は、電子マネー管理サーバ300が、入庫された金貨の表面に形成された固有識別パターンを読み取る過程(S451)と;電子マネー管理サーバが、読み取られた固有識別パターンにマッチする登録文字列に割り当てられた電子マネーアドレスを抽出し、入庫された金貨の市場価値に対応する電子マネーを、抽出された電子マネーアドレスに記録する過程(S452)と;から構成されてもよい。例えば、入庫された金貨が1匁であれば、1匁の市場価値に対応する電子マネーを、抽出された電子マネーアドレスに記録し、入庫された金貨が2匁であれば、2匁の市場価値に対応する電子マネーを、抽出された電子マネーアドレスに記録し、入庫された金貨が3匁であれば、3匁の市場価値に対応する電子マネーを、抽出された電子マネーアドレスに記録する。
【0065】
図7に示すように、電子マネーアドレスは、電子マネーが記録される電子マネーフィールドと;入庫された金貨の所有者情報が記録される所有者情報フィールドと;を含んでもよい。
【0066】
したがって、電子マネー保存過程では、前記電子マネーフィールドに入庫された金貨の市場価値に対応する電子マネーを記録し、前記所有者情報フィールドに金貨を入庫した所有者の情報を記録する。
【0067】
さらに、買取、支払い、送金などにより発行された電子マネーの振込が発生した場合、振込を受けた最後の所有者情報を所有者フィールドに更新して保存する。そのため、電子マネーだけでなく、電子マネーの所有者情報も電子マネーアドレスに記録され、所有者以外の第3者による電子マネーの不正使用を防止することができる。
【0068】
上述した本発明の説明における実施形態は、様々な実施可能な例の中から当業者の理解を助けるために最も好適な例を選定して提示したものであって、本発明の技術的思想が必ずしもこの実施形態に限定あるいは制限されるものではない。本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内において様々な変化、変更及び均等な他の実施形態が可能である。
【国際調査報告】