(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-26
(54)【発明の名称】有機半導体材料を含む薄膜トランジスタ
(51)【国際特許分類】
H01L 29/786 20060101AFI20220419BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20220419BHJP
H01L 51/05 20060101ALI20220419BHJP
H01L 51/30 20060101ALI20220419BHJP
H01L 29/417 20060101ALI20220419BHJP
H01L 21/28 20060101ALI20220419BHJP
H01L 29/423 20060101ALI20220419BHJP
【FI】
H01L29/78 618B
H01L29/78 616V
H01L29/78 617M
H01L29/78 616K
H01L29/28 100A
H01L29/28 250G
H01L29/50 M
H01L21/28 301B
H01L29/58 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021528417
(86)(22)【出願日】2019-11-19
(85)【翻訳文提出日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 US2019062247
(87)【国際公開番号】W WO2020106742
(87)【国際公開日】2020-05-28
(32)【優先日】2018-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2018-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516388997
【氏名又は名称】フレックステッラ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アントニオ・ファッケッティ
(72)【発明者】
【氏名】ユ・シア
(72)【発明者】
【氏名】ジフア・チェン
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・チウ
(72)【発明者】
【氏名】シャオフェン・ル
【テーマコード(参考)】
4M104
5F110
【Fターム(参考)】
4M104AA08
4M104AA09
4M104AA10
4M104BB02
4M104BB04
4M104BB05
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4M104CC05
5F110AA01
5F110AA03
5F110AA05
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5F110GG05
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5F110GG58
5F110HK02
5F110HK04
5F110HK32
5F110HK33
(57)【要約】
本発明は、第1の側面、および対向する第2の面を有する誘電層と、ソース電極と、ソース電極から分離されたドレイン電極と、ソース電極とドレイン電極の間に、かつこれらに接触して配置された半導体コンポーネントであって、ソース電極、ドレイン電極および半導体コンポーネントが、誘電層の第1の側面に隣接して配置された、ソース電極、ドレイン電極、および半導体コンポーネントと、半導体コンポーネントに対向する誘電層の第2の側面に隣接して配置されたゲート電極と、を含み、半導体コンポーネントが、アレーンビス(ジカルボキシイミド)に基づく1つ以上のn型有機半導体材料を含み、薄膜トランジスタが、ソース電極からドレイン電極までの最短経路として測定される、20μm以下のチャネル長さを有する、薄膜トランジスタに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜トランジスタ(1a、1b、1c、1d)であって、
第1の側面、および前記第1の側面に対向する第2の側面を有する誘電層(8、8’、8’’、8’’’)と、
ソース電極(2、2’、2’’、2’’’)、前記ソース電極から分離されたドレイン電極(4、4’、4’’、4’’’)、および前記ソース電極と前記ドレイン電極の間に、かつこれらに接触して配置された半導体コンポーネント(6、6’、6’’、6’’’)であって、前記ソース電極、前記ドレイン電極および前記半導体コンポーネントが、前記誘電層の前記第1の側面に隣接して配置されている、ソース電極(2、2’、2’’、2’’’)、ドレイン電極(4、4’、4’’、4’’’)および半導体コンポーネント(6、6’、6’’、6’’’)と、
前記半導体コンポーネントに対向する、前記誘電層の前記第2の側面に隣接して配置されたゲート電極(10、10’、10’’、10’’’)と、を含み、
前記半導体コンポーネントが、
【化1】
から成るグループから選択された1つ以上の化合物を含み、
前記薄膜トランジスタが、20μm以下のチャネル長さを有し、前記チャネル長が、前記ソース電極から前記ドレイン電極までの最短経路として測定されている、薄膜トランジスタ(1a、1b、1c、1d)。
【請求項2】
前記1つ以上の化合物が、
【化2】
から選択される、請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項3】
前記1つ以上の化合物が、
【化3】
から選択される、請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項4】
前記1つ以上の化合物が、
【化4】
から選択される、請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項5】
前記半導体コンポーネントが、少なくとも75重量%の前記1つ以上の化合物から形成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のトランジスタ。
【請求項6】
前記チャネル長さが、3~20μmの範囲内にある、請求項1~4のいずれか一項に記載のトランジスタ。
【請求項7】
前記チャネル長さが、10μm以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載のトランジスタ。
【請求項8】
前記半導体コンポーネントが、10nm~100nmの範囲内の厚さを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のトランジスタ。
【請求項9】
前記チャネルが、前記半導体コンポーネントの厚さおよび前記チャネル長さに垂直な幅を有し、前記幅が、0.01mm~4mmの範囲内にある、請求項1~4のいずれか一項に記載のトランジスタ。
【請求項10】
前記ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極の各々が、独立して、金層、銀層、銅層、またはモリブデン層を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のトランジスタ。
【請求項11】
前記ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極のうちの1つ以上が、独立して、銀層を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のトランジスタ。
【請求項12】
前記半導体コンポーネント、前記誘電層、前記ソース電極、前記ドレイン電極、および前記ゲート電極を支持する基板をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のトランジスタ。
【請求項13】
前記ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極の各々が、独立して、前記半導体コンポーネント厚さ方向に、30nm~500nmの範囲の厚さを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のトランジスタ。
【請求項14】
前記誘電層が、2.5~25の範囲の誘電率を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のトランジスタ。
【請求項15】
50μmのチャネル長さを有する別の同一のトランジスタのキャリア移動度の少なくとも50%であるキャリア移動度を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のトランジスタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年11月20日に出願された米国仮特許出願第62/769756号、および2018年12月6日に出願された欧州特許出願第18210830.8号の優先権の利益を主張するものであり、これらの各々はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、有機半導体材料およびそれを含むデバイスの分野に関する。より具体的には、本発明は、アレーンビス(ジカルボキシイミド)に基づくn型有機半導体材料からなる薄膜トランジスタに関する。
【背景技術】
【0003】
電荷担持層のコンポーネントとして有機半導体を使用する電子デバイスは、機械的な適応性、製造コストの低減、印刷法を使用する低温環境製造プロセスなどの利点をもたらすことができる。このような利点により、電子ペーパ、フレキシブル有機発光ダイオード(OLED)、無線自動識別(RFID)技術、太陽電池、発光トランジスタ(OLET)、センサなどのデバイスが可能になる。これらの技術の鍵となるのは、薄膜トランジスタ(TFT)、より具体的には有機半導体に基づく電界効果トランジスタ(OFET)であり、半導体は独立した2つの電位を使用する際に、電流の変調器や切り替え器として機能する。
【0004】
電子輸送(n型)有機半導体材料に基づく薄膜トランジスタを開発するための現在の尽力は、化学的に不安定であり、および/またはデバイスの性能が低いことによって妨げられる。特に、従来のn型有機半導体材料は、環境状態(例えば、空気)および溶液処理に弱く、例えば、安価な印刷プロセス用インクへの材料の配合が妨げられる。そのため、このような材料を含むTFTは、高価で効率が悪く、および/または非効果的である。また、従来のn型有機半導体材料を含むTFTの小型化は、トランジスタのチャネル長さを短くするとキャリア移動度が制限される接触抵抗によって、現状では制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7,671,202号明細書
【特許文献2】米国特許第7,902,363号明細書
【特許文献3】米国特許第8,404,844号明細書
【特許文献4】米国特許第9,147,850号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そのため、一般的な溶媒で処理可能な堅牢なn型有機半導体材料への必要性が依然として求められる。さらに、短チャネルトランジスタにおいて高いキャリア移動度を有するn型有機半導体材料への必要性が依然として求められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様において、本発明は、薄膜トランジスタであって、
第1の側面、および第1の側面に対向する第2の側面を有する誘電層と、
ソース電極、ソース電極から分離されたドレイン電極、およびソース電極とドレイン電極の間に、かつこれらに接触して配置された半導体コンポーネントであって、ソース電極、ドレイン電極および半導体コンポーネントが、誘電層の第1の側面に隣接して配置されている、ソース電極、ドレイン電極および半導体コンポーネントと、
誘電層の第2の側面に隣接して、半導体コンポーネントと対向するように配置されたゲート電極と、を含み、
半導体コンポーネントが、
【化1】
から成るグループから選択された1つ以上の化合物を含み、
薄膜トランジスタが、ソース電極からドレイン電極までの最短経路として測定されるチャネル長さを有し、チャネル長さが20μm以下である、薄膜トランジスタを提供する。
【0008】
本発明の他の態様は、本明細書の開示内容を考慮して、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態による、ボトムゲートトップコンタクト構成を有する薄膜トランジスタの概略断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、ボトムゲートボトムコンタクト構成を有する薄膜トランジスタの概略断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態による、ボトムゲートボトムプコンタクト構造構成を有する薄膜トランジスタの概略断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による、トップゲートトップコンタクト構成を有する薄膜トランジスタの概略断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る薄膜トランジスタの部分概略トップダウン図である。
【
図6】本明細書に記載される様々なn型有機半導体材料を含むチャネル長さ50μmおよび10μmの薄膜トランジスタ間のキャリア移動度の変化(すなわち、チャネル長さが異なる別の同一の薄膜トランジスタ間のキャリア移動度の差であり、チャネル長さの長いトランジスタに対する変化率で表したもの)を示すグラフである。
【
図7】本明細書で説明する様々な薄膜トランジスタの出力特性を示す一連のグラフである。
【
図8】本明細書で説明する様々なn型有機半導体材料を含む50μm、および20μm、10μm、または5μmのチャネル長さを持つ薄膜トランジスタ間のキャリア移動度の変化を示す一連のグラフである。
【
図9】本明細書で説明する薄膜トランジスタの出力特性を示す一連のグラフである。
【
図10】本明細書で説明する様々なn型有機半導体材料を含む50μm、および20μm、または10μmのチャネル長さを持つ薄膜トランジスタ間のキャリア移動度の変化を示す一連のグラフである。
【
図11】本明細書で説明する薄膜トランジスタの出力特性を示す一連のグラフである。
【
図12】本明細書で説明する様々なn型有機半導体材料を含む50μm、および20μm、または10μmのチャネル長さを持つ薄膜トランジスタ間のキャリア移動度の変化を示す一連のグラフである。
【
図13】本明細書で説明する薄膜トランジスタの出力特性を示す一連のグラフである。
【
図14】本明細書で説明する様々なn型有機半導体材料を含む50μm、および20μm、または10μmのチャネル長さを持つ薄膜トランジスタ間のキャリア移動度の変化を示す一連のグラフである。
【
図15】本明細書で説明する薄膜トランジスタの出力特性を示す一連のグラフである。
【
図16】本明細書で説明する薄膜トランジスタの出力特性を示す一連のグラフである。
【
図17】様々な異性体比を持つ半導体材料を含む薄膜トランジスタ間のキャリア移動度の変化を示す一連のグラフである。
【
図18】本明細書で説明する様々なn型有機半導体材料を含む50μmまたは10μmのチャネル長さを持つ薄膜トランジスタ間のキャリア移動度の変化を示す一連のグラフである。
【
図19】本明細書で説明する薄膜トランジスタの出力特性を示す一連のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に示す詳細は、例示として、かつ本発明の好ましい実施形態を考察する目的でのみ示されており、本発明の様々な実施形態の原理および概念的な態様について、最も有用で容易に理解されると考えられる説明を提供するために提示される。この点に関して、本発明の構造的な詳細を、本発明の基本的な理解に対して必要以上に詳細に示そうとはせず、図面および/または例を用いる説明によって、本発明のいくつかの形式がどのように実施され得るかを当業者に明らかにする。したがって、開示されたプロセスおよびデバイスを説明する前に、本明細書に記載された態様は、特定の実施形態、装置、または構成に限定されるものではなく、そのようなものとして、もちろん、変化し得ることを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は、特定の態様を説明することを目的としておらず、本明細書で特に定義されない限り、限定することを意図したものではないことを理解されたい。
【0011】
本発明を説明する文脈(特に以下の特許請求の範囲の文脈において)で使用される用語「a」、「an」、「the」および同様の指示対象は、本明細書で別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形と複数形の両方を対象とするように解釈されるべきである。本明細書で値の範囲を記載することは、単にその範囲内にある各個別の値を個別に参照するための略記法として機能することを意図する。本明細書で特に示さない限り、各個別の値は、本明細書に個別に記載されるかのように本明細書に組み込まれる。本明細書では、ある特定の値の「約」から、および/または別の特定の値の「約」までの範囲を表すことができる。このような範囲を表す場合、別の態様としては、ある特定の値から、および/または他の特定の値までを含む。同様に、値が近似値として表現される場合、先行詞の「約」を使用することで、特定の値が別の態様を形成することが理解されよう。さらに、範囲の各々の終点は、他の終点および独立して他の終点と関連してどちらとも重要であることが理解されよう。
【0012】
本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に別段の記載がない限り、または文脈上明らかに矛盾しない限り、あらゆる好適なステップの順序で実行することができる。本明細書で提供されるありとあらゆる実施例、または例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、単に本発明をより容易に理解することを意図し、別の形で特許請求される本発明の範囲に制限を課すものではない。本明細書中のいかなる言語も、本発明の実施に不可欠な非特許請求要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0013】
文脈が明らかに他の方法が必要とされない限り、本明細書および特許請求の範囲を通じて、含む(「comprise」、「comprising」など)の語は、排他的または網羅的な意味ではなく、包括的な意味で解釈されるべきであり、すなわち、「~を含むが、~に限定されない」という意味で解釈されるべきである。また、単数形や複数形を使用する語には、それぞれ複数形や単数形も含まれる。さらに、本出願で使用される「本明細書」、「超」、「未満」という語および同様の意味を持つ語は、本出願の任意の特定の部分ではなく、本出願全体を指すものとする。
【0014】
当業者であれば理解することができるように、本明細書で開示される各実施形態は、その特定の記載された要素、ステップ、成分、またはコンポーネントを含み、本質的にこれらから成るか、またはこれらから成り得る。本明細書で使用される場合、移行語「含む」(「comprise」または「comprises」)は、主要な量であっても、不特定の要素、ステップ、成分、またはコンポーネントを含むことを意味するが、これらに限定されない。「から成る」という移行句は、指定されないあらゆる要素、ステップ、成分、またはコンポーネントを除外する。「から本質的に成る」という移行語は、実施形態の範囲を、指定された要素、ステップ、成分またはコンポーネントと、実施形態に重要な影響を与えないものに限定する。
【0015】
特に明記しない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される、成分の量、分子量などの特性、反応条件などを表す全ての数字は、全ての場合において「約」という言葉で修飾されていると理解されよう。したがって、反対の指示がない限り、明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明によって得ようとする所望の特性に応じて変化する可能性がある近似値である。少なくとも、特許請求の範囲の範囲への均等論の適用を制限するものではないが、各数値パラメータは少なくとも、報告された有効数字を考慮し、かつ通常の丸め技術を適用して解釈されるべきである。さらに明確にする必要がある場合、「約」という用語は、記載された数値または範囲と関連して使用されたときに、当業者によって合理的に与えられる意味を持つ、すなわち、当業者の通常の精度の範囲内で、記載された数値または範囲よりも幾分多いまたは幾分少ないことを示す。
【0016】
本発明の広い範囲を示す数値範囲やパラメータは近似値であるにもかかわらず、具体的例で示された数値は可能な限り正確に報告される。しかしながら、いずれの数値にも、それらのそれぞれの試験測定値内に見られる標準偏差に必然的に起因する一定の誤差が含まれる。
【0017】
本明細書に開示される本発明の代替要素または実施形態のグループ化は、制限として解釈されるものではない。各グループの構成要素は、個別に、またはグループの他の構成要素または本明細書に記載される他の要素との任意の組み合わせで参照され、特許請求され得る。利便性および/または特許性のために、グループの1つ以上の構成要素をグループに含め、またはグループから削除することが予想される。任意のこのような包含または削除が行われた場合、本明細書には修正されたグループが含まれるとみなされ、添付の特許請求の範囲で使用される全てのMarkushグループの記述が行われる。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態は、本発明を実施するために本発明者らに知られている最良の態様を含めて、本明細書に記載される。もちろん、これらの説明された実施形態の変形は、前述の説明を読むことで、当業者に明らかになるであろう。本発明者は、当業者が適宜そのような変形を採用することを期待しており、本発明者らは、本明細書に具体的に記載されない方法で本発明が実施されることを意図する。したがって、本発明には、適用法で認められる限り、添付の特許請求の範囲に記載された主題の全ての変更および同等物が含まれる。さらに、その全ての可能な変形における上述した要素のいずれの組み合わせも、本明細書に別段の記載がない限り、あるいは文脈上明らかに矛盾しない限り、本発明に包含される。
【0019】
さらに、本明細書を通じて、特許や出版物を数多く参照している。引用された文献および印刷された出版物の各々は、個々にそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0020】
最後に、本明細書に開示された本発明の実施形態は、本発明の原理を例示するものであることを理解されたい。用いられ得る他の変更は、本発明の範囲内である。したがって、限定ではなく例として、本発明の代替構成を、本明細書の教示に従って利用することができる。したがって、本発明は正確に示され、説明されたものに限定されるものではない。
【0021】
本開示は、式Iのn型有機半導体材料に関する。
【化2】
式中、
R
1は-C
2H
5、-C
3H
7、または-C
4H
9、および
R
2は、-CNおよびR
3は-H、または
R
2は-HおよびR
3は、-CNである。
本開示では、このような材料は、堅牢で溶液処理が可能であり、短チャネルの薄膜トランジスタで予想外に高いキャリア移動度を示すことができることを実証する。
【0022】
本明細書で使用される場合、「溶液処理可能」または「溶液処理された」とは、材料、例えば本発明の化合物が、様々な溶液相プロセス(すなわち、材料が溶液に溶解している)を用いて処理される能力を指す。本明細書で使用される場合、「p型半導体材料」または「p型半導体」とは、正孔を多数電流キャリアとして持つ半導体材料を指す。本明細書で使用される場合、「n型半導体材料」または「n型半導体」とは、電子を多数電流キャリアとして持つ半導体材料を指す。本明細書で使用される場合、「キャリア移動度」という用語は、電界の影響下で電荷キャリア(例えば、正孔または電子)が材料(例えば、それぞれp型半導体材料またはn型半導体材料)を通って移動する速度を指す。電界効果デバイスの場合、「キャリア移動度」は、「電界効果移動度」と同じ意味で使用することができる。
【0023】
したがって、本発明の一態様は、薄膜トランジスタである。このような薄膜トランジスタの一実施形態を、
図1の概略断面図で示す。
図1のトランジスタは、ボトムゲートトップコンタクト構造タイプの電界効果トランジスタ1aとして構成される。トランジスタ1aは、第1の側面18と、対向する第2の側面28とを有する誘電層8を含む。誘電層の第1の側面に隣接して(例えば、様々に接触して、または1ミクロン、500nm、または200nm以内に)配置されるのは、式Iによるn型有機半導体材料を含む半導体コンポーネント6、ソース電極2、およびドレイン電極4である。
図1の構成では、半導体コンポーネント6は誘電層8に対向して配置され、ソース電極2およびドレイン電極4は、誘電層8に対向する半導体コンポーネント6に対向して配置されるが、以下に示すように、また、当業者であれば理解することができるように、他の構成も可能である。半導体コンポーネント6は、ソース電極2とドレイン電極4との間に、かつこれらに接触して配置される。ゲート電極10は、半導体コンポーネントと対向する誘電層の第2の側面に隣接して(例えば、誘電層の第2の側面に接触して、または1ミクロン、500nm、または200nm以内に)配置される。薄膜トランジスタは、半導体コンポーネントにおいて、ソース電極からドレイン電極までの最短経路として測定されるチャネル長さを有しており、
図1では両矢印で示される。とりわけ、本開示の特に望ましい実施形態では、チャネル長さは20μm以下である。薄膜半導体デバイスでは一般的であるが、基板12上には様々なコンポーネントがまとまって配置される。
【0024】
図2、
図3、
図4は、それぞれ3つの一般的な電界効果トランジスタの構造である、ボトムゲートボトムコンタクト(1b)、トップゲートボトムコンタクト(1c)、トップゲートトップコンタクト(1d)を示しており、各々、ゲート誘電層(8′、8″、および8″′)、式Iによるn型有機半導体材料を含む半導体コンポーネント(6′、6″、および6″′)、ゲート電極(10′、10″、および10″′)、ソース電極(2′、2″、および2″′)、ドレイン電極(4′、4″、および4″′)を含む。
図2~4の構成の各々において、半導体コンポーネントはソースおよびドレイン電極に接触しており、ゲート絶縁体コンポーネントは片面が半導体コンポーネント、反対面がゲート電極に接触している。構造体は、基板(12′、12″、12″′)により支持される。各図では、チャネル長さは、両矢印で示されるが、20ミクロン以下であることが望ましい。
【0025】
当業者であれば、本明細書に別の形で記載されるように、他のコンポーネントを薄膜トランジスタに含めることができることを理解するであろう。例えば、トップゲート構成の薄膜トランジスタ(例えば、
図1および
図2)は、誘電層の反対側のゲート電極に対して配置されたブロッキングまたはパッシベーション層を含むことができる。別の例では、ボトムゲート構成の薄膜トランジスタ(例えば、
図3および
図4)は、誘電層に対向する半導体コンポーネントおよび/またはソースならびにドレイン電極に対して配置されたブロッキングまたはパッシベーション層を含むことができる。
【0026】
本発明の一実施形態による薄膜トランジスタデバイスの部分概略上面図を、
図5として提供する。この図は、ソースおよびドレイン電極(52、54)と半導体コンポーネント56との重なりのみを示す。矢印57は、チャネル長さを示す。チャネル幅は、矢印58で示され、長さに垂直な方向に、ソースとドレイン電極の間に半導体コンポーネントが配置される距離として測定される。
【0027】
半導体コンポーネントは、N,N’-ビス[1-メチルプロピル]-1,7-ジシアノペリレン-3,4:9,10-ビス(ジカルボキシイミド)(1A)、N,N’-ビス[1-メチルプロピル]-1,6-ジシアノペリレン-3,4:9,10-ビス(ジカルボキシイミド)(1B)、N,N’-ビス[1-メチルブチル]-1,7-ジシアノペリレン-3,4.9,10-ビス(ジカルボキシイミド)(2A)、N,N’-ビス[1-メチルブチル]-1,6-ジシアノペリレン-3,4:9,10-ビス(ジカルボキシイミド)(2B)、N,N’-ビス[1-メチルペンチル]-1,7-ジシアノペリレン-3,4:9,10-ビス(ジカルボキシイミド)(3A)、およびN,N’-ビス[1-メチルペンチル]-1,6-ジシアノペリレン-3,4:9,10-ビス(ジカルボキシイミド)(3B):、
【化3】
から選択される1つ以上の化合物を含む。
【0028】
このタイプの化合物の様々な合成方法、および薄膜半導体デバイスを形成するための溶液処理を含む、それらの使用のための様々な詳細は、米国特許第7,671,202号、同第7,902,363号、同第8,404,844号、および同第9,147,850号に記載されており、これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0029】
本明細書に別の形で記載される特定の実施形態では、半導体コンポーネントは、少なくとも75重量%の1つ以上の化合物から形成される。例えば、このような特定の実施形態では、半導体コンポーネントは、少なくとも80重量%、または少なくとも85重量%、または少なくとも90重量%、または少なくとも92.5重量%、または少なくとも95重量%、または少なくとも97.5重量%、または少なくとも98重量%、または少なくとも98.5重量%、または少なくとも99重量%、または少なくとも99.5重量%の1つ以上の化合物から形成される。本明細書に別の形で記載される特定の実施形態では、半導体コンポーネントは、本質的に1つ以上の化合物から成る。
【0030】
例えば、本明細書に別の形で記載される特定の実施形態では、半導体コンポーネントは、化合物1Aおよび/または1B、例えば、両レジオ異性体の化合物1Aおよび1Bの混合物を含む。特定のこのような実施形態では、半導体コンポーネントは、少なくとも75重量%(例えば、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも98重量%)の化合物1Aおよび/または1B、例えば、レジオ異性体の化合物1Aおよび1Bの混合物から形成される。特定のこのような実施形態では、半導体コンポーネントは本質的に、化合物1Aおよび/または1B、例えば、化合物1Aと1Bの混合物から成る。他の実施形態では、半導体コンポーネントは、少なくとも2重量%(例えば、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、または少なくとも25重量%または少なくとも40重量%)の化合物1Aおよび/または1B、例えば、両レジオ異性体の化合物1Aおよび1Bの混合物から形成される。特定のこのような実施形態では、半導体コンポーネントは、マトリックスポリマー、例えばポリスチレン、ポリ(アルファ-メチルスチレン)、ポリ(アルファ-ビニルナフタレン)、ポリ(ビニルトルエン)、ポリエチレン、シス-ポリブタジエン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)、ポリ(4-メチルスチレン)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)、ポリ(2-メチル-1,3-ブタジエン)、ポリ(P-キシリレン)、ポリ(Α-Α-Α′-Α′テトラフルオロ-P-キシリレン)、ポリ[1,1-ポリ(2-メチルプロパン)ビス(4-フェニル)カーボネート]、ポリ(シクロヘキシルメタクリレート)、ポリ(クロロスチレン)、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、ポリイソブチレン、ポリ(ビニルシクロヘキサン)、ポリ(ビニルシンナメート)、ポリ(4-ビニルビフェニル)、ポリカーボネート、ポリフェニレン、および「TOPAS」の商標で入手可能であるもののような環状オレフィンポリマーにおいて提供され得る。例えば、半導体コンポーネントは、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、さらには少なくとも95重量%の化合物1Aおよび/または1B、ならびにマトリックスポリマーで形成することができる。
【0031】
本明細書に別の形で記載される特定の実施形態では、化合物1Aと1Bのモル比(すなわち、1A:1B)は、少なくとも2:1、例えば、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、または少なくとも6:1である。特定のこのような実施形態では、モル比1A:1Bは、2:1~50:1の範囲内、例えば、3:1~50:1、または3.5:1~50:1、または4:1~50:1、または5:1~50:1、または6:1~50:1、または5:1~25:1、または6:1~10:1の範囲内である。
【0032】
別の例では、本明細書に別の形で記載される特定の実施形態において、半導体コンポーネントは、化合物2Aおよび/または2B、例えば、両レジオ異性体の化合物2Aおよび2Bの混合物を含む。特定のこのような実施形態では、半導体コンポーネントは、少なくとも75重量%(例えば、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも98重量%)の化合物2Aおよび/または2B、例えば、レジオ異性体の化合物1Aと2Bの混合物から形成される。特定のこのような実施形態では、半導体コンポーネントは、本質的に化合物2Aおよび/または2B、例えば、化合物2Aと2Bの混合物から成る。他の実施形態では、半導体コンポーネントは、少なくとも2重量%(例えば、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、または少なくとも25重量%または少なくとも40重量%)の化合物2Aおよび/または2B、例えば、両レジオ異性体の化合物2Aおよび2Bの混合物から形成される。特定のこのような実施形態では、半導体コンポーネントは、マトリックスポリマー、例えばポリスチレン、ポリ(アルファ-メチルスチレン)、ポリ(アルファ-ビニルナフタレン)、ポリ(ビニルトルエン)、ポリエチレン、シス-ポリブタジエン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)、ポリ(4-メチルスチレン)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)、ポリ(2-メチル-1,3-ブタジエン)、ポリ(P-キシリレン)、ポリ(α-α-α′-α′テトラフルオロ-P-キシリレン)、ポリ[1,1-ポリ(2-メチルプロパン)ビス(4-フェニル)カーボネート]、ポリ(シクロヘキシルメタクリレート)、ポリ(クロロスチレン)、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、ポリイソブチレン、ポリ(ビニルシクロヘキサン)、ポリ(ビニルシンナメート)、ポリ(4-ビニルビフェニル)、ポリカーボネート、ポリフェニレン、および「TOPAS」の商標で入手可能であるもののような環状オレフィンポリマーにおいて提供され得る。例えば、半導体コンポーネントは、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、さらには少なくとも95重量%の化合物1Aおよび/または1B、ならびにマトリックスポリマーで形成することができる。
【0033】
本明細書に別の形で記載される特定の実施形態では、化合物2Aと2Bのモル比(すなわち、2A:2B)は、少なくとも2:1、例えば、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、または少なくとも6:1である。特定のこのような実施形態では、モル比2A:2Bは、2.5:1~50:1の範囲内、例えば、3:1~50:1、または3.5:1~50:1、または4:1~50:1、または5:1~50:1、または6:1~50:1、または5:1~25:1、または6:1~10:1の範囲内である。
【0034】
別の例では、本明細書に別の形で記載される特定の実施形態において、半導体コンポーネントは、化合物3Aおよび/または3B、例えば、両レジオ異性体の化合物3Aおよび3Bの混合物を含む。特定のこのような実施形態では、半導体コンポーネントは、少なくとも75重量%(例えば、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも98重量%)の化合物3Aおよび/または3B、例えば、両レジオ異性体の化合物3Aと3Bの混合物から形成される。特定のこのような実施形態では、半導体コンポーネントは、本質的に化合物3Aおよび/または3B、例えば、化合物3Aと3Bの混合物から成る。他の実施形態では、半導体コンポーネントは、少なくとも2重量%(例えば、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、または少なくとも25重量%または少なくとも40重量%)の化合物3Aおよび/または3B、例えば、両レジオ異性体の化合物3Aおよび3Bの混合物から形成される。特定のこのような実施形態では、半導体コンポーネントは、マトリックスポリマー、例えばポリスチレン、ポリ(アルファ-メチルスチレン)、ポリ(アルファ-ビニルナフタレン)、ポリ(ビニルトルエン)、ポリエチレン、シス-ポリブタジエン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)、ポリ(4-メチルスチレン)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)、ポリ(2-メチル-1,3-ブタジエン)、ポリ(p-キシリレン)、ポリ(α-α-α′-α′テトラフルオロ-p-キシリレン)、ポリ[1,1-ポリ(2-メチルプロパン)ビス(4-フェニル)カーボネート]、ポリ(シクロヘキシルメタクリレート)、ポリ(クロロスチレン)、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、ポリイソブチレン、ポリ(ビニルシクロヘキサン)、ポリ(ビニルシンナメート)、ポリ(4-ビニルビフェニル)、ポリカーボネート、ポリフェニレン、および「TOPAS」の商標で入手可能であるもののような環状オレフィンポリマーにおいて提供され得る。例えば、半導体コンポーネントは、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、さらには少なくとも95重量%の化合物1Aおよび/または1B、ならびにマトリックスポリマーで形成することができる。
【0035】
本明細書に別の形で記載される特定の実施形態では、化合物3Aおよび/または3Bのモル比(すなわち、3A:3B)は、少なくとも2:1、例えば、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、または少なくとも6:1である。特定のこのような実施形態では、モル比3A:3Bは、2.5:1~50:1の範囲内、例えば、3:1~50:1、または3.5:1~50:1、または4:1~50:1、または5:1~50:1、または6:1~50:1、または5:1~25:1、または6:1~10:1の範囲内である。
【0036】
上述したように、本明細書に別の形で記載される有利な薄膜トランジスタのチャネル長さは、20μm以下であり、例えば、3~20μm、または5~20μm、または8~20μm、または10~20μmの範囲内である。本明細書に別の形で記載される特定の実施形態では、チャネル長さは18μm以下であり、例えば、3~18μm、または5~18μm、または8~18μm、または10~18μmの範囲内である。本明細書に別の形で記載される特定の実施形態では、チャネル長さは15μm以下であり、例えば、3~15μm、または5~15μm、または8~15μm、または10~15μmの範囲内である。本明細書に別の形で記載される特定の実施形態では、チャネル長さは14μm以下であり、例えば、3~14μm、または5~14μm、または8~14μm、または10~14μmの範囲内である。本明細書に別の形で記載される特定の実施形態では、チャネル長さは13μm以下であり、例えば、3~13μm、または5~13μm、または8~13μm、または10~13μmの範囲内である。本明細書に別の形で記載される特定の実施形態では、チャネル長さは12μm以下であり、例えば、3~12μm、または5~12μm、または8~12μm、または10~12μmの範囲内である。
【0037】
当業者であれば、所望のデバイス特性、化合物特性、デバイスアーキテクチャ、および製作プロセスを参照して、半導体コンポーネントの厚さを選択するであろう。本明細書に別の形で説明した特定の実施形態では、半導体コンポーネントは、10nm~100nmの範囲内の厚さを有する。例えば、特定のこのような実施形態では、半導体コンポーネントの厚さは、10nm~90nm、または10nm~80nm、または10nm~70nm、または10nm~60nm、または20nm~100nm、または30nm~100nm、または40nm~100nm、または20nm~90nm、または20nm~80nm、または20nm~70nm、または20nm~60nmの範囲内である。特定のこのような実施形態では、チャネル長さは18μm以下(例えば、15μm以下)である。
【0038】
本明細書に別の形で記載される薄膜トランジスタは、半導体コンポーネントの厚さとチャネル長さに垂直なチャネル幅を有する。本明細書に別の形で記載される特定の実施形態では、チャネル幅は最大4mm、例えば最大3mm、最大2mm、または最大1mmである。特定のこのような実施形態では、チャネル幅は、0.01mm~4mmの範囲内である。例えば、特定の実施形態では、チャネル幅は、0.01mm~3mm、または0.01mm~2mm、または0.01mm~1mm、または0.01mm~0.5mm、または0.01mm~0.3mm、または0.01mm~0.2mm、または0.01mm~0.15mm、または0.01mm~0.1mm、または0.015mm~4mm、または0.015mm~2mm、または0.015mm~1mm、または0.015mm~0.5mm、または0.015mm~0.2mm、または0.015mm~0.1mmの範囲内である。
【0039】
上述したように、本明細書に別の形で記載される薄膜トランジスタは、ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極を含む。本明細書に別の形で記載される特定の実施形態では、ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極のうちの1つ以上が、銅、アルミニウム、金、銀、プラチナ、パラジウム、モリブデン、ニッケル、またはそれらのいずれかの混合物を含む金属または金属合金、あるいはポリエチレンチオキシチオフェン(PEDOT)などの導電性ポリマーを含む。本明細書に別の形で記載される特定の実施形態では、ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極の各々は、独立して、金層、銀層、銅層、またはモリブデン層を含む。本明細書に別の形で記載される特定の実施形態では、ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極のうちの1つ以上が、独立して銀層を含む。このような特定の実施形態では、ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極の各々が、銀層を含む。このような特定の実施形態では、ソース電極およびドレイン電極のうちの1つ以上(例えば、その各々)が、自己組織化単分子膜などの、(例えば、半導体コンポーネントに隣接して配置され、電荷注入を容易にする)接触改質層をさらに含む。このような特定の実施形態では、ゲート電極は、(例えば、誘電層に隣接して配置された)接触改質層をさらに含む。
【0040】
本明細書に別の形で記載される薄膜トランジスタのソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極の各々は、独立して半導体コンポーネント厚さ方向に厚さを有する。本明細書に別の形で記載される特定の実施形態では、ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極の各々が、独立して30nm~500nmの範囲内の厚さを有する。
【0041】
上述したように、本明細書に別の形で記載される薄膜トランジスタは、誘電層を含む。特定の実施形態では、誘電層は、少なくとも2.5、あるいは少なくとも4の誘電率を有する。本明細書に別の形で記載される特定の実施形態では、誘電層は、2.5~25の範囲内、例えば、2.5~15、2.5~10、または2.5~7、または4~25、または4~15、または4~10、または4~7の範囲内の誘電率を有する。本明細書に別の形で記載される特定の実施形態では、誘電層のシート静電容量は、3nF/cm2~30nF/cm2の範囲内である。例えば、このような特定の実施形態では、誘電層のシート静電容量は、3nF/cm2~22.5nF/cm2、または3nF/cm2~20nF/cm2、または3nF/cm2~17.5nF/cm2、または3nF/cm2~15nF/cm2、または3nF/cm2~12.5nF/cm2、または3nF/cm2~10nF/cm2、または5nF/cm2~30nF/cm2、または7.5nF/cm2~30nF/cm2、または10nF/cm2~30nF/cm2、または12.5nF/cm2~30nF/cm2、または15nF/cm2~30nF/cm2、または17.5nF/cm2~30nF/cm2、または20nF/cm2~30nF/cm2、または5nF/cm2~25nF/cm2、または7.5nF/cm2~20nF/cm2、または10nF/cm2~15nF/cm2の範囲内である。本明細書に別の形で記載される特定の実施形態では、誘電層は、誘電ポリマーおよび無機(例えば、金属酸化物)誘電体から選択された1つ以上の誘電体(例えば、混合物として、または2つ以上の副層として)を含む。本明細書で使用されるように、「誘電体」という用語は、約10-6S・cm-1以下の導電率を持つ材料を指す。特定のそのような実施形態では、誘電ポリマー層と無機誘電体層を含む誘電層は、(すなわち、層の親和性を向上させるために)中間層をさらに含む。本明細書に別の形で記載される特定の実施形態では、誘電層は、フッ素化パラキシレン、フルオロポリアリルエーテル、フッ素化ポリイミド、ポリスチレン、ポリ(α-メチルスチレン)、ポリ(α-ビニルナフタレン)、ポリ(ビニルトルエン)、ポリエチレン、シス-ポリブタジエン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)、ポリ(2-メチル-1,3-ブタジエン)、ポリ(p-キシリレン)、ポリ(α-α-α’-α’-テトラフルオロ-p-キシリレン)、ポリ[1,1-(2-メチルプロパン)ビス(4-フェニル)カーボネート]、ポリ(メタクリル酸シクロヘキシル)、ポリ(4-クロロスチレン)、ポリ(2,6-ジクロロスチレン)、ポリ(4-ブロモスチレン)、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、ポリイソブチレン、ポリ(ビニルシクロヘキサン)、ポリ(アリレンエーテル)、ポリフェニレン、ポリ(エチレン/テトラフルオロエチレン)、ポリ(エチレン/クロロトリフルオロエチレン)、フッ素化エチレン/プロピレン共重合体、ポリスチレン-co-α-メチルスチレン、エチレン/酢酸エチル共重合体、ポリ(スチレン/ブタジエン)、ポリ(スチレン/2,4-ジメチルスチレン)、ポリプロピレン-co-1-ブテン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸ブチル)、ポリ(メタクリル酸ヘキシル)、ポリ(メタクリル酸ベンジル)、ポリ(ビニルフェノール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアルコール-co-エチレン)、ポリ(イソブチレン/メタクリル酸メチル)、ポリ(ビニルフェノール/メタクリル酸メチル)、ポリ(塩化ビニル)、2-ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアクテート、セルロースアセテートブチレート、エチルセルロースなどの多糖類、シアノプルランなどのシアノ化(エトキシ化)された多糖類(例えば、CYMM(登録商標))、ベンゾシクロブテン系ポリマー、ポリ(2-ビニルピリジン)、ポリ(4-ビニルピリジン)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-ブチルメタクリレート)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)、ポリ(1-ビニルピロリドン-co-スチレン)、ポリ(1-ビニルピロリドン-co-酢酸ビニル)、ポリ(フッ化ビニリデン)、ポリアクリロニトリル、ポリ(アクリロニトリル-co-ブタジエン-co-スチレン)、ポリ(アクリロニトリル-co-メチルアクリレート)、ポリアクリルアミド、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)、ポリビニルピロリドン、ポリ(ペンタフルオロスチレン)、ポリ(ジメチルシロキサン)、ポリ(テトラヒドロフラン)、ポリ(メチルビニルエーテル)、ポリ(メチルビニルエーテル-alt-無水マレイン酸)、ポリ(エチルビニルエーテル)、ポリ(エチレン-alt-無水マレイン酸)、ポリ(アリルアミン)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(桂皮酸ビニル)、ポリ(ステアリン酸ビニル)、ポリ(プロピオン酸ビニル)、ポリ(ギ酸ビニル)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(スチレン-co-アクリロニトリル)、ポリ(無水マレイン酸-alt-1-オクタデカン)、ポリ(テトラヒドロフリルメタクリレート)、ポリ(ビスフェノールAカーボネート)、ポリ(プロピレンカーボネート)、ポリ(1,4-ブチレンテレフタレート)、ポリ(ジアリルイソフタレート)、ポリ(ヘキサフルオロプロピレンオキシド)、ポリ(フルオロプロピレンオキシド-co-パーフルオロホルムアルデヒド)、およびパーフルオロ(1-ブテニルビニルエーテル)ホモシクロポリマー(例えば、CYTOP(登録商標))から選択される1つ以上の誘電ポリマーを含む。
【0042】
本明細書に別の形で記載される特定の実施形態では、薄膜トランジスタは、上述の様々なデバイスコンポーネントを支持する基板をさらに含む。当業者であれば、様々な材料を基板として使用することができることが理解されよう。本明細書に別の形で記載される特定の実施形態では、薄膜トランジスタは、プラスチック層、半導体層(例えば、シリコン層)、および/またはガラス層を含む基板を含む。例えば、このような特定の実施形態では、基板は、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネートなど)、ポリオレフィン(ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンなど)、ポリフェニレンサルファイド(ポリフェニレンサルファイドなど)、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレートのうちの1つ以上を含むプラスチック層を含む。別の例では、特定の実施形態では、基板は、例えば、ソーダライムガラス、石英、およびVYCOR(登録商標)などのガラス層を含む。シリコンなどの半導体基板も使用することができる。本明細書に別の形で記載される特定の実施形態では、基板は、バッファ層または平坦化層(例えば、層の親和性を向上させるために、デバイス層のスタックに隣接して配置された)をさらに含む。
【0043】
有利なことに、本発明者らは、本明細書に記載されるn型有機半導体材料を使用することで、(例えば、チャネル長さが最大で20μm、または最大で15μm、または最大で10μmの)短チャネルの薄膜トランジスタにおいて、比較的高いキャリア移動度を呈することができると判断した。例えば、特定の実施形態では、本明細書に別の形で記載される(すなわち、チャネル長さが20μm以下の)薄膜トランジスタは、チャネル長さが50μmの別の同一のトランジスタのキャリア移動度の少なくとも50%のキャリア移動度を有する。このような特定の実施形態では、本明細書に別の形で記載される薄膜トランジスタは、50μmのチャネル長さを有する別の同一のトランジスタのキャリア移動度の少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%のキャリア移動度を有する。
【0044】
本明細書に記載される薄膜トランジスタは、当業者に既知の様々な蒸着プロセスのうちの1つ以上によって製作することができる。例えば、本明細書で別の形で記載される薄膜トランジスタの半導体コンポーネント、ソース電極、ドレイン電極は、例えば、スパッタリング、イオンアシスト蒸着(IAD)、物理蒸着、印刷(例えば、フレキソ印刷、リソ印刷、グラビア印刷、インクジェット、パッド印刷)、ドロップキャスト、ディップコーティング、ドクターブレード、ロールコーティング、スピンコーティングなどのプロセスによって形成することができる。例えば、ソース電極とドレイン電極の間の基板上に、本明細書に記載される有機n型半導体材料を含むコーティング製剤を溶液相で成膜し、トップゲート薄膜トランジスタの半導体コンポーネントを形成することができる。様々な態様および実施形態では、電気接点(例えば、ソース、ドレイン、および/またはゲート電極)は、例えば、熱蒸着、高周波または電子ビームスパッタリング、フレキソ印刷、リソ印刷、グラビア印刷、インクジェット、パッド印刷、スクリーン印刷、ドロップキャスティング、ディップコーティング、ドクターブレード、ロールコーティング、スピンコーティングなどのプロセスによって形成することができる。当業者であれば、所望の構造(例えば、構成、半導体コンポーネントの厚さ、チャネル長さなど)を提供するプロセスおよびパラメータを選択するであろう。
【実施例】
【0045】
以下の実施例は、本発明の具体的な実施形態、およびその様々な使用を説明するものである。これらは説明のためだけに記載されており、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0046】
<デバイス製作>
n型有機半導体材料1~3および比較材料C4~C8(以下の表1を参照)を、既知の方法に従って調製した。材料は、トップゲートボトムコンタクトトランジスタの構成において評価した。基板材料は、ガラス(PGOガラス)、(例えば、DuPontにより提供される)PEN、PI基板であった。市販の誘電体(例えば、CYTOP(登録商標)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)など)を使用した。電気接点は、Au、Ag、Cu、またはMoであった。金属の蒸着とスパッタリング以外の全てのデバイス製作工程は、周囲条件の下で行った。
【0047】
【0048】
実施例1.薄膜トランジスタA
半導体材料1~3および比較材料C4~C8のうちの1つを含む、チャネル長さを変化させた別の同一のトップゲートボトムコンタクト薄膜トランジスタを、ポリエチレンナフタレート(PEN)基板上に製作した。基板は、平坦化フィルムでコーティングされた。平坦化材料のジオキサン溶液を基板上にスピンコート(80~110mg/mL、1500~2000rpm)し、300~500nm厚さの層を得た。このフィルムをUV光(=300nm)で架橋し、ホットプレート(110℃、10分)で乾燥させて、堅牢で完全に不溶性の平坦化層を得た。λスパッタリングされたAgソース-ドレインコンタクト(30~500nm厚さ)をフォトリソグラフィでパターン化した。チャネル長さおよび幅は、それぞれ10~50μmおよび1mmであった。半導体/コンタクトの界面を改善するために、コンタクト上にコンタクト改質層を適用した(エーテル溶媒で約1~5重量%、パドリング5分、スピンドライ)。これらの基板に、スピンコート(炭化水素混合液中の濃度約1~10mg/mL、700~2000rpm、約110℃のホットプレートで5分間の膜乾燥)で成膜した半導体材料をコーティングした。通常の半導体膜厚は20~60nmであった。次に、誘電層をスピンコートした(約20~200mg/mL、700~2000rpm)。膜の誘電率(ε)は約3.0~3.2で、膜のシート静電容量は約4nF/cm2であった。ゲートコンタクトを形成するために、デバイスA-1、A-2、A-3、A-C3、A-C4、A-C5、A-C6、A-C7、およびA-C8は、スパッタリングされたAg層(30~150nm厚さ)をフォトリソグラフィパターニングすることで完成させた(以下の表2を参照されたい)。
【0049】
実施例2.薄膜トランジスタB
半導体材料1~2および比較材料C5~C6のうちの1つを含む、チャネル長さを変化させた別の同一のトップゲートボトムコンタクト薄膜トランジスタを、ポリエチレンナフタレート(PEN)基板上に製作した。基板は、平坦化フィルムでコーティングされた。平坦化材料のジオキサン溶液を基板上にスピンコート(80~110mg/mL、1500~2000rpm)し、300~500nm厚さの層を得た。このフィルムをUV光(=300nm)で架橋し、ホットプレート(110℃、10分)で乾燥させて、堅牢で完全に不溶性の平坦化層を得た。λスパッタリングされたAgソース-ドレインコンタクト(30~500nm厚さ)をフォトリソグラフィでパターン化した。チャネル長さおよび幅は、それぞれ5~50μmおよび1mmであった。半導体/コンタクトの界面を改善するために、コンタクト上にコンタクト改質層を適用した(エーテル溶媒で約1~5重量%、パドリング5分、スピンドライ)。これらの基板に、スピンコート(炭化水素混合液中の濃度約1~10mg/mL、700~2000rpm、約110℃のホットプレートで5分間の膜乾燥)で成膜した半導体材料をコーティングした。通常の半導体膜厚は20~60nmであった。次に、CYTOP(登録商標)誘電層をスピンコートした(AGC CTL-809M、1500~3000rpm)。膜の誘電率(ε)は約2.4で、膜のシート静電容量は約3nF/cm2であった。デバイスB-1、B-2、B-C5、B-C6は、パターニングされたAuゲートコンタクト(約100nm厚さ)を、シャドウマスクを通して蒸着することで完成させた(以下の表3を参照されたい)。
【0050】
実施例3.薄膜トランジスタC
半導体材料2~3、比較材料C5、および比較材料C7のうちの1つを含む、チャネル長さを変化させた別の同一のトップゲートボトムコンタクト薄膜トランジスタを、ポリエチレンナフタレート(PEN)基板上に製作した。基板は、平坦化フィルムでコーティングされた。平坦化材料のジオキサン溶液を基板上にスピンコート(80~110mg/mL、1500~2000rpm)し、300~500nm厚さの層を得た。このフィルムをUV光(=300nm)で架橋し、ホットプレート(110℃、10分)で乾燥させて、堅牢で完全に不溶性の平坦化層を得た。λ熱蒸着したAu金属のソース-ドレインコンタクト(30~500nm厚さ)をフォトリソグラフィでパターン化した。チャネル長さおよび幅は、それぞれ10~50μmおよび1mmであった。半導体/コンタクトの界面を改善するために、コンタクト上にコンタクト改質層を適用した(エーテル溶媒中で約1~5重量%、パドリング5分、スピンドライ)。これらの基板に、スピンコート(炭化水素混合液中の濃度約1~10mg/mL、700~2000rpm、約110℃のホットプレートで5分間の膜乾燥)で成膜した半導体材料をコーティングした。通常の半導体膜厚は20~60nmであった。次に、PMMA誘電層をスピンコートした(アセテート混合液において30~100mg/ml、1500~3000rpm)。膜の誘電率(ε)は~3.3で、膜のシート静電容量は約4nF/cm2であった。デバイスC-2、C-3、C-C5、C-C7は、パターニングされたAuゲートコンタクト(約100nm厚さ)を、シャドウマスクを通して蒸着することで完成させた(以下の表4を参照されたい)。
【0051】
実施例4.薄膜トランジスタD
半導体材料3および比較材料C7のうちの1つを含む、チャネル長さを変化させた別の同一のトップゲートボトムコンタクト薄膜トランジスタを、金、銀、銅、およびモリブデンの電極を用いて、ポリエチレンナフタレート(PEN)基板上に製作した。基板は、平坦化フィルムでコーティングされた。平坦化材料のジオキサン溶液を基板上にスピンコート(80~110mg/mL、1500~2000rpm)し、300~500nm厚さの層を得た。このフィルムをUV光(=300nm)で架橋し、ホットプレート(110℃、10分)で乾燥させて、堅牢で完全に不溶性の平坦化層を得た。λ熱蒸着またはスパッタリングした(Au、Ag、Cu、またはMo)金属のソース-ドレインコンタクト(30~500nm厚さ)をフォトリソグラフィでパターン化した。チャネル長さおよび幅は、それぞれ10~50μmおよび1mmであった。半導体/コンタクト界面を改善するために、異なるコンタクト上にそれぞれ様々なコンタクト改質層を適用した。これらの基板に、スピンコート(炭化水素混合液中の濃度約1~10mg/mL、700~2000rpm、約110℃のホットプレートで5分間の膜乾燥)で成膜した半導体材料をコーティングした。通常の半導体膜厚は20~60nmであった。次に、PMMA誘電層をスピンコートした(アセテート混合液において30~100mg/ml、1500~3000rpm)。膜の誘電率(ε)は約3.3で、膜のシート静電容量は約4nF/cm2であった。デバイスD-3-Au、D-3-Ag、D-3-Cu、D-3-Mo、D-C7-Au、D-C7-Ag、D-C7-Cu、D-C7-Moは、シャドウマスクを通してパターニングされたゲートコンタクト(Au、Ag、Cu、またはMo、~100nm厚さ)を蒸着することで完成させた(以下の表5を参照されたい)。
【0052】
実施例5.薄膜トランジスタE
半導体材料2および比較材料C5のうちの1つを含む、チャネル長さの異なる他の同一のトップゲートボトムコンタクト薄膜トランジスタを、PEN基板上にグラビア印刷とインクジェット印刷を用いて製作した。基板は、平坦化フィルムでコーティングされた。平坦化材料のジオキサン溶液を基板上にスピンコート(80~110mg/mL、1500~2000rpm)し、300~500nm厚さの層を得た。このフィルムをUV光(=300nm)で架橋し、ホットプレート(110℃、10分)で乾燥させて、堅牢で完全に不溶性の平坦化層を得た。λスパッタリングされたAgソース-ドレインコンタクト(30~500nm厚さ)をフォトリソグラフィでパターン化した。チャネル長さおよび幅は、それぞれ10~50μmおよび1mmであった。半導体/コンタクトの界面を改善するために、コンタクト上にコンタクト改質層を適用した(エーテル溶媒中で約1~5重量%、パドリング5分、スピンドライ)。これらの基板に、グラビア印刷(炭化水素混合液における濃度約0.2~2%w/w、Norbert Schlafli Labratesterプリンタ、ピッチサイズ71um、メッシュサイズ140線/cm、セル容積7.2ml/m2、印刷速度0.1m/秒、)またはインクジェット印刷(炭化水素溶媒における濃度約0.2~2%w/w、Fujifilm Dimatix DMP-2850プリンタ、液滴サイズ=10pL)で蒸着した半導体材料でコーティングした。その後、半導体膜をホットプレート上で約110℃で5分間乾燥させた。通常の半導体膜厚は20~100nmであった。次に、CYTOP(登録商標)誘電層をスピンコートした(AGC CTL-809M、1500~3000rpm)。膜の誘電率(ε)は約2.4で、膜のシート静電容量は約3nF/cm2であった。デバイスE-2-Grav、E-2-Ink、E-C5-Grav、E-C5-Inkは、シャドウマスクを通してパターニングされたAuゲートコンタクト(約100nm厚さ)を蒸着することで完成させた(以下の表6を参照されたい)。
【0053】
実施例6.薄膜トランジスタF
半導体材料2および比較材料C7のうちの1つを含む、チャネル長さを変えた別の同一のトップゲートボトムコンタクト薄膜トランジスタを、ガラス基板上に製作した。基板は、平坦化フィルムでコーティングされた。平坦化材料のジオキサン溶液を基板上にスピンコート(80~110mg/mL、1500~2000rpm)し、300~500nm厚さの層を得た。このフィルムをUV光(=300nm)で架橋し、ホットプレート(110℃、10分)で乾燥させて、堅牢で完全に不溶性の平坦化層を得た。λスパッタリングされたAgソース-ドレインコンタクト(30~500nm厚さ)をフォトリソグラフィでパターン化した。チャネル長さおよび幅は、それぞれ10~50μmおよび0.1mmであった。これらの基板に、スピンコート(炭化水素混合液中の濃度約1~10mg/mL、700~2000rpm、約110℃のホットプレートで5分間の膜乾燥)で成膜した半導体材料をコーティングした。通常の半導体膜厚は20~60nmであった。次に、誘電層をスピンコート(20~200mg/mL、700~2000rpm)し、紫外線に晒した。膜の誘電率は約12、シート静電容量は約20nF/cm2で、実施例2~5の誘電層に比べて約5~7倍高かった。デバイスF-2およびF-C7は、パターニングされたAgゲートコンタクト(約100nm厚さ)を、シャドウマスクを通して蒸着することで完成させた(以下の表7を参照されたい)。
【0054】
実施例7.薄膜トランジスタG
約63~93mol.%N,N’-ビス[1-メチルブチル]-1,7-ジシアノペリレン-3,4:9,10-ビス(ジカルボキシイミド)(化合物2A)とバランスN,N’-ビス[1-メチルブチル]-1,6-ジシアノペリレン-3,4:9,10-ビス(ジカルボキシイミド)(化合物2B)との混合物、または72-94mol.%N,N’-ビス[2-エチルヘキシル]-1,7-ジシアノペリレン-3,4:9,10-ビス(ジカルボキシイミド)(化合物C5A)とバランスN,N’-ビス[2-エチルヘキシル]-1,6-ジシアノペリレン-3,4:9,10-ビス(ジカルボキシイミド)(化合物C5B)との比較混合物を含む別の同一のトップゲートボトムコンタクト薄膜トランジスタを、ガラス基板の上に製作した。基板は、平坦化フィルムでコーティングされた。平坦化材料のジオキサン溶液を基板上にスピンコート(80~110mg/mL、1500~2000rpm)し、300~500nm厚さの層を得た。このフィルムをUV光(=300nm)で架橋し、ホットプレート(110℃、10分)で乾燥させて、堅牢で完全に不溶性の平坦化層を得た。λ熱蒸着したAuソース-ドレインコンタクト(50nm厚さ)を、シャドウマスクを通してパターニングした。チャネル長さおよび幅は、それぞれ
50μmおよび0.1mmであった。半導体/コンタクトの界面を改善するために、コンタクト上にコンタクト改質層を適用した(エーテル溶媒中で約1~5重量%、パドリング5分、スピンドライ)。これらの基板に、スピンコート(炭化水素混合液中の濃度約1~10mg/mL、700~2000rpm、約110℃のホットプレートで5分間の膜乾燥)で成膜した半導体材料をコーティングした。通常の半導体膜厚は20~60nmであった。次に、誘電層をスピンコートした(約20~200mg/mL、700~2000rpm)。膜の誘電率(ε)は約3.0~3.2で、膜のシート静電容量は約4nF/cm2であった。このデバイスは、ゲートコンタクトを形成するために熱蒸着されたAu層(50nm厚さ)によって完成させた。
【0055】
実施例8.薄膜トランジスタH
半導体材料2含む、チャネル長さの異なる別の同一のトップゲートボトムコンタクト薄膜トランジスタを、PEN基板上にグラビア印刷を用いて製作した。基板は、平坦化層でコーティングされた。平坦化材料のジオキサン溶液を基板上にスピンコート(80~110mg/mL、1500~2000rpm)し、300~500nm厚さの層を得た。このフィルムをUV光(=300nm)で架橋し、ホットプレート(110℃、10分)で乾燥させて、堅牢で完全に不溶性の平坦化層を得た。λ Agソース-ドレインコンタクト(30~500nm厚さ)をグラビア印刷し(Inktek Agコロイドインク、Norbert Schlafli Labratesterプリンタ、ピッチサイズ71um、メッシュサイズ140線/cm、セル容量7.2ml/m2、印刷速度0.1m/秒)、その後、窒素オーブンで120℃/10分の熱アニールを行った。チャネル長さおよび幅は、それぞれ20~50μmおよび1mmであった。半導体/コンタクトの界面を改善するために、コンタクト上にコンタクト改質層を適用した(エーテル溶媒で約1~5重量%、パドリング5分、スピンドライ)。これらの基板に、グラビア印刷で蒸着した半導体材料をコーティングした(炭化水素混合物中の濃度約0.2~2%w/w、Norbert Schlafli Labratesterプリンタ、ピッチサイズ71um、メッシュサイズ140線/cm、セル容積7.2ml/m2、印刷速度0.1m/秒)。その後、半導体膜をホットプレート上で、約110℃で5分間乾燥させた。通常の半導体膜厚は20~100nmであった。次に、誘電層をグラビア印刷した(エーテル溶媒中の濃度約0.5~5%w/w、Norbert Schlafli Labratesterプリンタ、ピッチサイズ71um、メッシュサイズ140線/cm、セル容積7.2ml/m2、印刷速度0.1m/秒)。膜の誘電率(ε)は3.0~3.2で、膜のシート静電容量は約3.2nF/cm2であった。デバイスH-2は、パターニングされたAgゲートコンタクトをグラビア印刷することで完成させた(Inktek Agコロイドインク、Norbert Schlafli Labratesterプリンタ、約100nm厚さ)。
【0056】
実施例9.デバイスの特性解析
Keithley4200半導体特性化システムを使用して、ボトムゲートデバイスに関する全ての電気/TFT特性化を行った。4200SCSシステムは、3つのソース測定ユニット(SMU)から成り、その全てにリモートプリアンプが搭載されていた。テストシステムの他の主要コンポーネントは、Signatoneのプローブステーションであった。全ての電極にTriaxケーブルとプローブを使用し、第1の段階のシールドを提供した。光曝露を避け、かつ環境音をさらに減らすために、暗/金属ボックス型エンクロージャを使用した。
【0057】
トランジスタのキャリア移動度(μ)は、標準的な電界効果トランジスタの式で算出した。従来の金属-絶縁体-半導体FET(MISFET)では、異なるVGでのIDS対VDS曲線には、通常、線形で飽和した領域が存在する(ここで、IDSはソース-ドレイン間の飽和電流、VDSはソース-ドレイン間の電位、およびVGはゲート電圧である)。VDSが大きくなると電流は飽和し、次のようになる。
(IDS)sat=(WCi/2L)μ(VG-Vt)2 (1)
式中、LとWはそれぞれデバイスのチャネル長さと幅、Ciはゲート絶縁体の静電容量、Vtは閾値電圧である。飽和領域での移動度(μ)は、以下のように式(1)を配列し直して算出した。
μsat=(2IDSL)/[WCi(VG-Vt)2] (2)
【0058】
閾値電圧(Vt)は、VG対(IDS)1/2のプロットの直線部分のx切片として推定することができる。
【0059】
表2-9は、電界効果電子移動度(μ
e、飽和時)、電流オンオフ比(I
on:I
off)を含む、周囲条件下で測定されたデバイスA~FおよびHの性能パラメータをまとめたものである。様々な性能測定結果を、
図6~16および
図18~19に示す。
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
とりわけ、半導体材料2および3は、比較材料C4~C8に比べて著しく高いキャリア移動度を呈する。重要なことに、半導体材料1~3を含むデバイスの性能は、チャネル長さが50μm~<20μmに減少しても、実質的に維持され、比較材料C4~C8を含むデバイスよりも優れている。材料1~3を含む薄膜トランジスタは、優れた電界効果特性を実証する。特に、上記の表2~9および
図6~6、ならびに
図18~19の結果から、半導体材料1~3を含む短チャネルの薄膜トランジスタは、チャネル長さが長い(例えば、50μm)別の同一のトランジスタのキャリア移動度の少なくとも50%のキャリア移動度を呈するのに対し、従来のn型有機半導体を含む薄膜トランジスタのキャリア移動度は、チャネル長さが短くなるにつれて著しく低下することを実証する。とりわけ、この望ましい性能は、誘電体(例えば、実施例1~3、6を参照)、電極材料(例えば、実施例4を参照)、チャネル幅(例えば、実施例1、6を参照)、製作方法(例えば、実施例5、8を参照)とは無関係である。
【0069】
図17は、デバイスG(実施例7)の移動度性能を、デバイスの半導体材料中に存在するそれぞれの1,6-異性体のmol%の関数として示す。この結果は、キャリアの移動度が異性体比とはさらに無関係であることを実証する。
【0070】
データは、化合物1A、1B、2A、2B、3A、および3Bに対して、チャネル長さが50ミクロン~20ミクロンになっても、電子移動度は比較的小さい量しか変化しないことを実証する。対称的に、同様の化合物C4~C8は、チャネル長さが50ミクロン~20ミクロンになると、電子移動度が劇的に低下する。したがって、特許請求される化合物1A、1B、2A、2B、3A、および3Bから作られた比較的短いチャネル長さ(20ミクロン以下)を持つトランジスタデバイスは、非常に類似した構造と比較して予想外の利点がある。これは、特に分子構造の類似性を考慮すると、当業者には予想していないことである。
【0071】
本発明の様々な態様は、以下の番号付けされた実施形態によってさらに説明されるが、これらは、技術的にも論理的にも矛盾しないいずれかの組み合わせにおいて組み合わせることができる。
【0072】
実施形態1.薄膜トランジスタであって、
第1の側面、および対向する第2の側面を有する誘電層と、
ソース電極、ソース電極から分離されたドレイン電極、およびソース電極とドレイン電極の間に、かつこれらに接触して配置された半導体コンポーネントであって、ソース電極、ドレイン電極および半導体コンポーネントが、誘電層の第1の側面に隣接して配置された、ソース電極、ドレイン電極および半導体コンポーネントと、
半導体コンポーネントに対向する、誘電層の第2の側面に隣接して配置されたゲート電極と、を含み、
半導体コンポーネントが、
【化4】
から成るグループから選択された1つ以上の化合物を含み、
薄膜トランジスタが、ソース電極からドレイン電極までの最短経路として測定されるチャネル長さを有し、チャネル長さが20μm以下である、薄膜トランジスタ。
【0073】
実施形態2.1つ以上の化合物が、
【化5】
から選択される、実施形態1に記載のトランジスタ。
【0074】
実施形態3.化合物1Aと1Bのモル比(すなわち、1A:1B)が、少なくとも2:1、例えば、少なくとも3:1、少なくとも3.5:1、少なくとも4:1、少なくとも4.5:1、少なくとも5:1、または少なくとも6:1である、実施形態2に記載のトランジスタ。
【0075】
実施形態4.化合物1Aと1Bのモル比が、2:1~50:1の範囲内、例えば、3:1~50:1、または3.5:1~50:1、または4:1~50:1、または5:1~50:1、または6:1~50:1、または5:1~25:1、または6:1~10:1の範囲内である、実施形態2に記載のトランジスタ。
【0076】
実施形態5.1つ以上の化合物が、
【化6】
から選択される、請求項1に記載のトランジスタ。
【0077】
実施形態6.化合物2Aと2Bのモル比(すなわち、2A:2B)が、少なくとも2:1、例えば、少なくとも3:1、少なくとも3.5:1、少なくとも4:1、少なくとも4.5:1、少なくとも5:1、または少なくとも6:1である、請求項5に記載のトランジスタ。
【0078】
実施形態7.化合物2Aと2Bのモル比が、2:1~50:1の範囲内、例えば、3:1~50:1、または3.5:1~50:1、または4:1~50:1、または5:1~50:1、または6:1~50:1、または5:1~25:1、または6:1~10:1の範囲内である、実施形態5に記載のトランジスタ。
【0079】
実施形態8.1つ以上の化合物が、
【化7】
から選択される、請求項1に記載のトランジスタ。
【0080】
実施形態9.化合物3Aと3Bのモル比(すなわち、3A:3B)が、少なくとも2:1である、請求項8に記載のトランジスタ。
【0081】
実施形態10.化合物3Aと3Bのモル比が、2:1~50:1の範囲内、例えば、3:1~50:1、または3.5:1~50:1、または4:1~50:1、または5:1~50:1、または6:1~50:1、または5:1~25:1、または6:1~10:1の範囲内である、実施形態9に記載のトランジスタ。
【0082】
実施形態11.半導体コンポーネントが、少なくとも75重量%、例えば、少なくとも80重量%、または少なくとも85重量%の1つ以上の化合物から形成されている、実施形態1~10のいずれかに記載のトランジスタ。
【0083】
実施形態12.半導体コンポーネントが、少なくとも90重量%、例えば少なくとも95重量%または少なくとも98重量%の1つ以上の化合物から形成されている、実施形態1~10のいずれかに記載のトランジスタ。
【0084】
実施形態13.半導体コンポーネントが、少なくとも2%、例えば、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%または少なくとも35%の1つ以上の化合物から形成され、例えば、ポリマーマトリクス中に提供されている、実施形態1~10のいずれかに記載のトランジスタ。
【0085】
実施形態14.チャネル長さが、3~20μmの範囲内、例えば、5~20μm、または8~20μm、または10~20μmの範囲内である、実施形態1~13のいずれかに記載のトランジスタ。
【0086】
実施形態15.チャネル長さが、18μm以下であり、例えば、3~18μm、または5~18μm、または8~18μm、または10~18μmの範囲内である、実施形態1~13のいずれかに記載のトランジスタ。
【0087】
実施形態16.チャネル長さが、15μm以下であり、例えば、3~15μm、または5~15μm、または8~15μm、または10~15μmの範囲内である、実施形態1~13のいずれかに記載のトランジスタ。
【0088】
実施形態17.チャネル長さが、14μm以下であり、例えば、3~14μm、または5~14μm、または8~14μm、または10~14μmの範囲内である、実施形態1~13のいずれかに記載のトランジスタ。
【0089】
実施形態18.チャネル長さが、13μm以下であり、例えば、3~18μm、または5~18μm、または8~18μm、または10~18μmの範囲内である、実施形態1~13のいずれかに記載のトランジスタ。
【0090】
実施形態19.チャネル長さが、12μm以下であり、例えば、3~12μm、または5~12μm、または8~12μm、または10~12μmの範囲内である、実施形態1~13のいずれかに記載のトランジスタ。
【0091】
実施形態20.チャネル長さが、10μm以下であり、例えば3~10μm、または5~10μm、または8~10μmの範囲内である、実施形態1~13のいずれかに記載のトランジスタ。
【0092】
実施形態21.半導体コンポーネントが、10nm~100nmの範囲内の厚さを有する、実施形態1~20のいずれかに記載のトランジスタ。
【0093】
実施形態21.半導体コンポーネントが、10nm~90nm、または10nm~80nm、または10nm~70nm、または10nm~60nm、または20nm~100nm、または30nm~100nm、または40nm~100nm、または20nm~90nm、または20nm~80nm、または20nm~70nm、または20nm~60nmの範囲内の厚さを有する、実施形態1~20のいずれかに記載のトランジスタ。
【0094】
実施形態22.チャネルが、半導体コンポーネントの厚さおよびチャネル長さに垂直な幅を有し、この幅が、最大4mm、例えば、最大3mm、最大2mm、または最大1mmである、実施形態1~20のいずれかに記載のトランジスタ。
【0095】
実施形態23.チャネルが、半導体コンポーネントの厚さおよび前記チャネル長さに垂直な幅を有し、この幅が、0.01mm~4mmの範囲内、例えば、0.01mm~3mm、または0.01mm~2mm、または0.01mm~1mm、または0.01mm~0.5mm、または0.01mm~0.3mm、または0.01mm~0.2mm、または0.01mm~0.15mm、または0.01mm~0.1mm、または0.015mm~4mm、または0.015mm~2mm、または0.015mm~1mm、または0.015mm~0.5mm、または0.015mm~0.2mm、または0.015mm~0.1mmの範囲内にある、実施形態1~20のいずれかに記載のトランジスタ。
【0096】
実施形態24.ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極の各々は、独立して金層、銀層、銅層、またはモリブデン層を含む、実施形態1~23のいずれかに記載のトランジスタ。
【0097】
実施形態25.ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極のうちの1つ以上(例えば、その各々)が、独立して銀層を含む、実施形態1~24のいずれかに記載のトランジスタ。
【0098】
実施形態26.半導体コンポーネント、誘電層、ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極を支持する基板をさらに含む、実施形態1~25のいずれかに記載のトランジスタ。
【0099】
実施形態27.基板が、プラスチック(例えば、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、またはポリイミド)層またはガラス層を含む、実施形態25または実施形態26に記載のトランジスタ。
【0100】
実施形態28.ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極の各々が、独立して、半導体コンポーネント厚さ方向に、30nm~500nmの範囲の厚さを有する、実施形態1~17のいずれかに記載のトランジスタ。
【0101】
実施形態29.誘電層が、2.5~25の範囲内、例えば2.5~15、2.5~10、または2.5~7、または4~25、または4~15、または4~10、または4~7の範囲内の誘電率を有する、実施形態1~18のいずれかのトランジスタ。
【0102】
実施形態30.誘電層のシート静電容量が、3nF/cm2~30nF/cm2の範囲内である、実施形態1~29のいずれかに記載のトランジスタ。
【0103】
実施形態31.50μmのチャネル長さを有する別の同一のトランジスタのキャリア移動度の少なくとも50%であるキャリア移動度を有する、実施形態1~30のいずれかに記載のトランジスタ。
【0104】
実施形態32.50μmのチャネル長さを有する別の同一のトランジスタのキャリア移動度の少なくとも65%であるキャリア移動度を有する、実施形態1~30のいずれかに記載のトランジスタ。
【国際調査報告】