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特表2022-523649購入行動を使用したリアルタイムユーザマッチング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-26
(54)【発明の名称】購入行動を使用したリアルタイムユーザマッチング
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/40 20120101AFI20220419BHJP
【FI】
G06Q20/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021541661
(86)(22)【出願日】2020-01-15
(85)【翻訳文提出日】2021-09-17
(86)【国際出願番号】 US2020013723
(87)【国際公開番号】W WO2020150376
(87)【国際公開日】2020-07-23
(31)【優先権主張番号】62/793,552
(32)【優先日】2019-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】521167822
【氏名又は名称】パンチ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴィヴェク ジャヤン
(72)【発明者】
【氏名】クマル ウジワル
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ダニエル マックエルロイ
(72)【発明者】
【氏名】シャム ラオ
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA73
(57)【要約】
複数の取引に関連する匿名ユーザ間の明確化のためのシステム及び方法が開示されている。一実施形態において、システムは、取引に関する情報を受信し、取引に関連付けられた匿名ユーザのプロファイルを生成する。別の取引に応答して、システムは取引を比較して、同一の匿名ユーザが両方の取引に関連付けられているかどうかを判断する。同一の匿名ユーザが両方の取引に関連付けられていると判断すると、システムは新しい取引に関する情報を匿名ユーザのプロファイルに追加する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
取引端末を使用する匿名ユーザによる第1の取引に関連して、第1のオブジェクト識別子及び第1の取引ツール情報を受信することと、
前記匿名ユーザのプロファイルを生成することであって、前記プロファイルは前記第1の取引ツール情報及び前記第1のオジェクト識別子を含む、ことと、
前記取引端末を使用して、第2の取引ツールを使用して行われた第2のオブジェクト識別子に関連する第2の取引を検出することと、
前記第2の取引が前記匿名ユーザによって実行されたかどうかを判断することと、
前記第2の取引が前記匿名ユーザによって実行されたと判断したことに応答し、前記第2のオブジェクト識別子を前記匿名ユーザのプロファイルに追加することと、を含む方法。
【請求項2】
前記匿名ユーザによって前記第2の取引が実行されたかどうかを判断することは、
前記第1の取引と前記第2の取引を比較することであって、前記比較は、前記第1の取引ツールと前記第2の取引ツールが一致するかどうかを判断することを含む、ことと、
前記第1の取引ツールが前記第2の取引ツールと一致することに応答し、前記第2の取引が前記匿名ユーザによって実行されたと判断することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の取引ツールが前記第2の取引ツールと一致するかどうかを判断することは、
前記第1及び前記第2の取引ツールのそれぞれに関連するユーザ識別子及び取引ツール識別子を判断することと、
前記第1及び第2の取引ツールのそれぞれに関連付けられた前記ユーザ識別子及び前記取引ツール識別子が同じであると判断することに応答して、前記第1の取引ツールが前記第2の取引ツールと一致すると判断することと、を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の取引と前記第2の取引の比較は、
前記第1の取引が発生した時刻が前記第2の取引が発生した時刻と一致するかどうかを判断することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の取引と前記第2の取引の比較は、
前記第1の取引ツールが前記第2の取引ツールと一致するとの判断に重みを適用することと、
前記第1の取引が発生した時刻が前記第2の取引が発生した時刻と一致するとの判断に第2の重みを適用することと、
前記適用された重みに基づいて、前記第2の取引が前記匿名ユーザによって実行された確率を判断することと、をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の取引が前記匿名ユーザによって実行されたかどうかを判断することは、前記取引端末で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の取引が前記匿名ユーザによって実行されたことを判断することは、サーバにおいて行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の取引が前記匿名ユーザによって実行されたと判断することに応答し、前記第1のオブジェクト及び前記第2のオブジェクトに関連する第3のオブジェクトを識別することと、
前記第3のオブジェクトを含む推奨事項を前記匿名ユーザに提供することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記匿名ユーザは、クライアント装置を経由して推奨事項にアクセスする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記推奨事項は、第3の取引における前記第1の取引ツールまたは前記第2の取引ツールの使用に応答して前記匿名ユーザに提供される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記推奨事項は、前記第2の取引を記録している証拠を介して前記匿名ユーザに提供される、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、1つまたは複数のプロセッサに動作を実行させるコンピュータ実行可能コードを含む、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記動作は、
取引端末を使用する匿名ユーザによる第1の取引に関連して、第1のオブジェクト識別子及び第1の取引ツール情報を受信することと、
前記匿名ユーザのプロファイルを生成することであって、前記プロファイルは前記第1の取引ツール情報及び前記第1のオジェクト識別子を含む、ことと、
前記取引端末を使用して、第2の取引ツールを使用して行われた第2のオブジェクト識別子に関連する第2の取引を検出することと、
前記第2の取引が前記匿名ユーザによって実行されたかどうかを判断することと、
前記第2の取引が前記匿名ユーザによって実行されたと判断したことに応答し、前記第2のオブジェクト識別子を前記匿名ユーザのプロファイルに追加することと、を含むコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項13】
前記匿名ユーザによって前記第2の取引が実行されたかどうかを判断することは、
前記第1の取引と前記第2の取引を比較することであって、前記比較は、前記第1の取引ツールと前記第2の取引ツールが一致するかどうかを判断することを含む、ことと、
前記第1の取引ツールが前記第2の取引ツールと一致することに応答し、前記第2の取引が前記匿名ユーザによって実行されたと判断することを含む、請求項12に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項14】
前記第1の取引ツールが前記第2の取引ツールと一致するかどうかを判断することは、
前記第1及び前記第2の取引ツールのそれぞれに関連するユーザ識別子及び取引ツール識別子を判断することと、
前記第1及び第2の取引ツールのそれぞれに関連付けられた前記ユーザ識別子及び前記取引ツール識別子が同じであると判断することに応答して、前記第1の取引ツールが前記第2の取引ツールと一致すると判断することと、を含む、請求項13に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
前記第1の取引と前記第2の取引の比較は、
前記第1の取引が発生した時刻が前記第2の取引が発生した時刻と一致するかどうかを判断することをさらに含む、請求項13に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
前記第1の取引と前記第2の取引の比較は、
第1の取引ツールが前記第2の取引ツールと一致するとの判断に重みを適用することと、
前記第1の取引が発生した時刻が前記第2の取引が発生した時刻と一致するとの判断に第2の重みを適用することと、
前記適用された重みに基づいて、前記第2の取引が前記匿名ユーザによって実行された確率を判断することと、をさらに含む、請求項15に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
前記第2の取引が前記匿名ユーザによって実行されたかどうかを判断することは、前記取引端末で行われる、請求項12に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
前記第2の取引が前記匿名ユーザによって実行されたかどうかを判断することは、サーバで行われる、請求項12に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
前記動作は、
前記第2の取引が前記匿名ユーザによって実行されたと判断することに応答し、前記第1のオブジェクト及び前記第2のオブジェクトに関連する第3のオブジェクトを識別することと、
前記第3のオブジェクトを含む推奨事項を前記匿名ユーザに提供することと、をさらに含む、請求項12に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
前記推奨事項は、前記第3の取引における前記第1の取引ツールまたは前記第2の取引ツールの使用に応答して前記匿名ユーザに提供される、請求項19に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、データ管理の分野、及びより具体的にはユーザ固有データの明確化に関する。
【背景技術】
【0002】
この出願は、2019年1月17日に出願された米国仮出願第62/793,552号の利益を主張し、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
ユーザのプロファイリング活動は、オンラインシステムでは一般的であり、ユーザ情報により、システムは、特定の活動を実行している人を判断し、識別された人によって実行された活動の履歴を構築することができる。オンラインシステムは、プロファイルされた行動に基づいて、各ユーザのオンラインシステム上の経験をカスタマイズする。物理的な場所には、ユーザの行動を追跡できるという利点はないが、サービスプロバイダでユーザが実行する行動は、ユーザが追跡される手順を自発的に実行しない限り、通常は匿名で実行される(例えば、何らかの利点と引き換えに)。したがって、物理サービスプロバイダでのユーザの経験をユーザごとにカスタマイズすることはできなかった。
【図面の簡単な説明】
【0004】
開示された実施形態は、詳細な説明、添付の特許請求の範囲、及び添付の図(または図面)からより容易に明らかとなる他の利点、及び特徴を有する。図の簡単な紹介を以下に示す。
【0005】
図1図1は、取引端末、クライアント装置、サーバ及びネットワークを含むシステム環境の一実施形態を示す図である。
図2図2は、取引端末内のモジュールの詳細な図の一実施形態を示す図である。
図3図3は、取引端末内のデータ収集モジュールによって記録された購買行動の一実施形態を示す図である。
図4図4は、機械可読媒体から命令を読み取り、それらをプロセッサ(またはコントローラ)で実行することができる例示的な装置の構成要素を含むブロック図を示す図である。
図5図5は、購買行動を使用してユーザマッチングを実行するための処理の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
[発明の詳細な説明]
図及び下記の説明は、あくまでも例示としての好適な実施形態に関する。以下の説明から、本明細書に開示される構造、及び方法の代替的な実施形態は、特許請求の範囲の原理から逸脱することなく、採用され得る実行可能な代替として容易に認識されることとなることに留意されたい。
【0007】
本明細書で、いくつかの実施形態が詳細に参照されることとなり、それらの例は、添付の図面に示されている。実現可能な限り、類似した参照番号または同様の参照番号が、図において使用されてもよく、類似した機能性または同様の機能性を示してもよいことに留意されたい。図は、例示のみを目的として、開示されているシステム(または方法)の実施形態を図示する。当業者は、本明細書で示される構造及び方法の代替的実施形態が、本明細書で説明される原理から逸脱せずに採用され得ることを、下記の説明から容易に認識するであろう。
【0008】
[構成の概要]
開示されたシステム、方法、及びコンピュータ可読記憶媒体の一実施形態は、物理的な場所での複数の取引活動にわたって同一のユーザを識別することに関する。システムは、取引データから、同一の匿名ユーザが物理的な場所で別の取引を実行するタイミングを識別する。
【0009】
例えば、ユーザは、モバイルウォレットアイテム等の同じ取引ツールを使用して品目を定期的に取得する習慣を持っている可能性がある。取引が発生する物理的な場所にはユーザを識別する情報がない場合があるが、プロセッサ(例えば、POS端末またはその周辺機器)は、各取引の試行を実行するのと同一の匿名ユーザであると識別できる。ユーザが匿名であるにもかかわらず、ユーザの経験をカスタマイズし得る(例えば、取引端末の出力をカスタマイズすることによって)。
【0010】
一実施形態において、受信プロセッサは、取引端末での匿名ユーザによる第1の取引に関連して、第1のオブジェクト識別子及び第1の取引ツール情報を受信する。プロセッサは、匿名ユーザについてのプロファイルを生成し、プロファイルは第1の取引ツール情報及び第1のオブジェクト識別子を含む。プロセッサは、取引端末を使用して、第2のオブジェクト識別子に関連する第2の取引を検出し、第2の取引は、第2の取引ツールを使用して行われる。プロセッサは、第2の取引が第1の取引と同一の匿名ユーザによって実行されたかどうかを判断し、それに応じて第2のオブジェクト識別子が匿名ユーザのプロファイルに追加される。
【0011】
他の実施形態において、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、プロセッサに動作を実行させるコンピュータ実行可能コードを含む。プロセッサ(例えば、販売場所の端末またはその販売時点端末またはその周辺機器)は、取引端末を使用する匿名ユーザによる第1の取引に関連して、第1のオブジェクト識別子及び第1の取引ツール情報を受信する。プロセッサは、匿名ユーザのプロファイルを作成し、プロファイルは、第1の取引ツール情報と第1のオブジェクト識別子を含む。プロセッサは、取引端末を使用して、第2のオブジェクト識別子に関連する第2の取引を検出し、第2の取引は、第2の取引ツールを使用して行われる。プロセッサは、第2の取引が匿名ユーザによって実行されたかどうかを判断し、それに応じて、プロセッサは第2のオブジェクト識別子を匿名ユーザのプロファイルに追加する。
【0012】
[取引端末システム環境]
図1は、取引端末110、クライアント装置120、サーバ130、及びネットワーク140を含むシステム環境100の一実施形態を示している。システム環境100の中で、取引端末110は、ユーザの取引(例えば、オブジェクトの購入)を処理してもよい。その取引を処理するため、取引端末110は、ユーザの取引ツールを検出する。取引端末110は、購入されたオブジェクト及び取引ツールに関する情報を含む、取引端末110で発生する第1の取引に関する情報を取得し、ネットワーク140を介してサーバ130に提供する。
【0013】
取引端末110は、取引を処理する店舗に物理的に配置してもよく、それにより、ユーザは、物理的なオブジェクトを取得するか、または提供されるサービスの対価を提供する。例えば、取引端末110は、物理的なオブジェクトの所有権を人に譲渡するために使用される販売時点管理端末であってもよい。このような取引の間、取引端末は、通常、購入ユーザのIDを識別しない。取引端末110は、ユーザの取引ツールを検出する。本明細書で使用される取引ツールという用語は、物理的オブジェクトを取得するための対価を提供するために使用されるツールを指す。取引ツールは、物理的または仮想的なものであってもよい。物理的な取引ツールの例には、物理的なクレジットカード、デビットカード、チャージカード、ギフトカード、ロイヤルティ還元カード等が含まれる。仮想取引ツールの例には、仮想クレジットカード、デビットカード、チャージカード、ギフトカード、ロイヤルティ還元カード等が含まれ、これらは電子ウォレットの一部を形成する場合がある(例えば、APPLE PAY(商標)、ANDROIDPAY(商標)等)。取引ツールには、通常、アカウントを識別するための番号(クレジットカード番号等)が含まれ、通常はユーザの名前も含まれる。これは、カードに印刷しても(物理的または仮想的に)、符号化してもよい(例えば、バーコード、QRコード等)。システム環境100は、複数の取引端末を含むものであってもよい。
【0014】
クライアント装置120は、ユーザに関する情報を取引端末110及び/またはサーバ130に提供する。クライアント装置120は、スマートフォン、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ)、及び/または物のインターネットデバイスであってもよい。いくつかの実施形態において、クライアント装置120は、1つまたは複数の仮想取引ツールを含むデジタルウォレットに結合してもよい。クライアント装置120は、ユーザの匿名化解除を容易にし得る。例えば、クライアント装置120は、ユーザに、彼らに本人であることを確認するように促し、及び/または将来の取引のための製品に関する推奨事項をユーザに提供してもよい。
【0015】
取引端末110は、ネットワーク140を介して、取引及びクライアント装置120に関する情報をサーバ130に提供する。サーバ130は、取引(例えば、取引端末110での取引)及び使用される取引ツールに関する情報を格納するデータベースを含む。いくつかの実施形態において、サーバ130は、取引端末110に加えて、複数の取引端末から情報を受信して格納する。サーバは、取引端末110と物理的に同じ場所に配置してもよい。いくつかの実施形態において、サーバはクラウドベースである。
【0016】
ネットワーク140は、取引端末110及びクライアント装置120からサーバ130にデータを送信する。ネットワーク140は、インターネット等の無線及び/または有線通信システムを使用するローカルエリア及び/またはワイドエリアネットワークであってもよい。いくつかの実施形態において、ネットワーク140は、単一の接続を介して(例えば、セルラー信号のデータコンポーネント、WiFi等)及び/または様々な接続を介して(例えば、取引端末情報はGPSを介する一方、取引ツール情報はデータネットワークを介して)データを送信してもよい。ネットワーク140は、消費者データのセキュリティを確保するための暗号化機能を含んでもよい。例えば、暗号化技術は、セキュアソケットレイヤー(SSL)、トランスポートレイヤーセキュリティ(TLS)、仮想プライベートネットワーク(VPN)、インターネットプロトコルセキュリティ(IPsec)等を含んでもよい。
【0017】
[取引システム環境内でのユーザの識別および明確化]
図2は、取引端末110内のモジュールの詳細図の一実施形態を示している。取引端末110は、取引間のユーザマッチングを実行して、同一の匿名ユーザが取引端末110で複数の取引を実行したかを判断してもよい。取引端末110は、プロファイルモジュール210、ユーザ識別モジュール220、ユーザ明確化モジュール230、及びデータ収集モジュール240を含む。いくつかの実施形態において、ユーザ識別モジュール220及びユーザ明確化モジュール230を組み合わせてもよい。いくつかの実施形態において、図1のサーバ130は、取引端末110に加えて、及び/またはその代わりに、ユーザマッチングを実行する。したがって、図2に示されているモジュールのサブセットは、サーバ130内に見出され得る。
【0018】
匿名ユーザによる取引の検出に応答して、取引端末110は、匿名ユーザに関する識別情報を取得し、匿名ユーザと一致するプロファイルをチェックする。一致するプロファイルが見つかった場合(例えば、以下でさらに詳細に説明されるユーザ識別モジュール220によって)、プロファイルモジュール210は、取引に関する情報を匿名ユーザのプロファイルに追加する。一致するプロファイルが見つからない場合、プロファイルモジュール210は、取引に関連付けられた匿名ユーザのプロファイルを作成する。
【0019】
プロファイルモジュール210は、物理オブジェクトを取得するために使用される取引ツールの一部またはすべての取引ツール情報を使用して、匿名ユーザプロファイルを生成する。ユーザプロファイルに格納される取引ツール情報は、ユーザ識別子(例えば、ユーザの名前)及び/または取引ツール識別子(例えば、クレジットカード番号のサブセット)を含む。例えば、取引ツール識別子はユーザのクレジットカード番号の下4桁であってもよい(例えば、クレジットカード番号の残りの部分がセキュリティまたはプライバシー上の理由でマスクされている可能性があるため)。いくつかの実施形態において、プロファイルモジュール210は、取引端末110がクライアント装置120に結合された取引ツールを検出したときに、ユーザのクライアント装置120から取引ツール情報を取得する。プロファイルモジュール210は、また、取引に関する情報をユーザのプロファイルに追加する。取引情報は、取引中に購入されたオブジェクト(例えば、在庫管理単位(SKU))、取引の日付及び/または時刻、あるいはそれらの何らかの組み合わせを指定するオブジェクト識別子を含んでもよい。匿名ユーザのプロファイルは、本明細書に記載されている以外の情報を含んでもよい。いくつかの実施形態において、匿名ユーザの取引ツール情報が、既存のユーザプロファイルに格納されている情報と一致する場合、プロファイルモジュール210は、匿名ユーザのプロファイルに取引情報を追加する。生成された匿名ユーザのプロファイルは、取引端末110及び/またはサーバ130に格納されてもよい。
【0020】
ユーザ識別モジュール220は、匿名ユーザが実行した取引を識別する。ユーザ識別モジュール220は、取引に関連付けられた取引ツール情報を識別し、ユーザプロファイルに格納された取引ツール情報と比較する。上記のように、プロファイルモジュール210は、匿名ユーザによる以前の取引に関連付けられたユーザプロファイルを生成する。取引の取引ツール情報と格納されたユーザプロファイルとの間の一致を見つけた後、ユーザ識別モジュール220は、格納されたユーザプロファイルに関連付けられた匿名ユーザ(例えば、同一の匿名ユーザ)を識別する。いくつかの実施形態において、取引が同一の匿名ユーザによって実行されたことを確認するために、ユーザ識別モジュール220は、取引ツール情報及び取引情報をユーザ明確化モジュール230に提供する。
【0021】
ユーザ識別モジュール220は、部分的なプロファイル一致を見つけ得て、本明細書で、取引ツール識別子及びユーザ識別子のうち、格納されたユーザプロファイル内の取引ツール情報のみが一致する。ユーザ識別モジュール220が部分的なプロファイル一致を見つけたとき、取引端末110の管理者によって設定された基準は、ユーザ識別モジュール220が、取引が同一の匿名ユーザによって実行されたと判断するかどうかを判断する。例えば、一実施形態において、ユーザ識別モジュール220は、取引の最後の90日以内に生成された、格納されたユーザプロファイルに対して部分的なプロファイルの一致が発生した場合、同一の匿名ユーザであると識別する。他の実施形態において、ユーザ識別モジュール220は、部分的なプロファイル一致を判断した後、取引ツール情報及び取引情報をユーザ明確化モジュール230に提供する。いくつかの実施形態において、ユーザ識別モジュール220は、取引ツール情報と格納されたユーザプロファイルとの間に一致がないと判断し、続いて同一の匿名ユーザが以前の取引を実行しなかったと判断し得る。
【0022】
ユーザ明確化モジュール230は、2つの取引が同一の匿名ユーザによって実行されたかを判断する。ユーザ識別モジュール220は、取引ツール情報と格納されたユーザプロファイル内の情報との間の一致及び/または部分一致を判断してもよいが、いくつかの場合、類似の名前及び/または取引ツール識別子を有する2人の異なるユーザが存在し得る。例えば、2人の異なるユーザの取引ツール情報には、同一の名前と同一の取引ツール識別子情報が含まれ得る(例えば、取引端末110によってクレジットカードの最後の4桁のみが収集される場合、これらも同一であり得る)。いくつかの実施形態において、同一の匿名ユーザは、異なる取引のために、例えば、異なる最後の4桁で、異なる取引ツールを使用してもよい。したがって、システムは、取引ツール情報だけに依存して、同一の匿名ユーザが2つの取引を実行しているかどうかを判断することはできない。
【0023】
ユーザ明確化モジュール230は、取引情報を使用して、ユーザ識別モジュール220によって少なくとも部分的に一致する取引ツール情報を有することが見出されたユーザ間の明確化を行う。いくつかの実施形態において、ユーザ明確化モジュール230は、取引が発生した時刻、取得されたオブジェクト間の類似性、及び/または匿名ユーザによって各取引中に購入されたオブジェクトの頻度を検討する。
【0024】
いくつかの実施形態において、ユーザ明確化モジュール230は、各取引が発生した時刻の間の一致を比較及び判断する。取引時刻は、様々な日の同じ時刻に発生する場合に一致し得る。例えば、ある取引が午前10時に発生し、別の取引が翌日の午前10時に発生する場合がある。いくつかの実施形態において、取引時刻は、第1の取引が実行されるときと比較して、しきい値時間内に取引が発生するときに一致し得る。例えば、しきい値時間の量が1時間に設定されていて、第1の取引が午前10時に発生し、第2の取引が翌日の午前10:25に発生する場合、取引時刻は一致する。いくつかの実施形態において、取引端末110及び/またはサーバ130は、何が取引時刻の一致を構成するかを判断する。
【0025】
ユーザ明確化モジュール230はまた、ユーザのプロファイルに格納されたオブジェクト識別子に基づいて、取引中に購入されたオブジェクト間の類似性を検討する。取引端末110及び/またはサーバ130に格納されたリレーショナルデータベースは、オブジェクト間の類似性を画定し得る。いくつかの実施形態において、リレーショナルデータベースは、製品タイプ(例えば、朝食用食品、飲料、冷菓)及び/またはオブジェクト識別子に基づいて、オブジェクト間の類似性を示す。
【0026】
他の実施形態において、ユーザ明確化モジュール230は、ある期間にわたって購入されたオブジェクトの頻度を計数する。例えば、ユーザ明確化モジュール230は、オレンジジュースが匿名ユーザによって毎日実行されることを判断し得る。
【0027】
ユーザ明確化モジュール230は、取引情報の判断された各一致に重みを適用して、2つの取引が同一の匿名ユーザによって実行された確率を判断する。以下の式(式)1は、ユーザ明確化モジュール230が使用することができる顧客確率アルゴリズムを示している。
【0028】
【数1】
【0029】
式1は、同一の匿名ユーザが両方の取引を実行した確率Pを示す。A、B、C、及びDは、取引ツール情報と取引情報との間の一致を示す。例えば、Aは一致するユーザ識別子であってよく、Bは一致する取引ツール識別子であってよく、Cは一致する取引時刻であってよく、Dは一致するオブジェクト識別子であってもよい。いくつかの実施形態において、式1は、本明細書に記載されているものに加えて、オブジェクトタイプ間の一致等の他の取引情報を説明している。一致する取引情報はW1、W2、W3及びW4等によって重み付けされ、これは、特定の取引情報に関して一致がどのように重要であるかを示す。取引端末110及び/またはサーバ130の管理者は、重みW1、W2、W3及びW4を判断してもよい。ユーザ明確化モジュール230は、重み付けされたマッチング情報を集約し、同一の匿名ユーザが両方の取引を実行した確率を判断する。ユーザ明確化モジュール230は、確率が閾値を超えたときに、同一の匿名ユーザが両方の取引を実行したことを確認し得る。例えば、60%の確率は、ユーザが一致すると判断するのに十分であり得る。いくつかの実施形態において、一致する取引ツール情報に適用される閾値確率及び重みは、取引ツール、販売されたオブジェクト、及び/または取引ツール110の管理者ごとに異なる。
【0030】
例えば、2つの取引の比較において、ユーザ明確化モジュール230は、ユーザ識別子とオブジェクトタイプとの間で一致するが、取引ツール識別子と取引時刻とは一致しないことを判断してよい。取引端末110の管理者は、同一の匿名ユーザが両方の取引を実行したことを判断するために、一致する取引ツール識別子を評価すると考えてもよく、したがって、一致する取引ツール識別子を一致するユーザ識別子よりも重く評価する。したがって、ユーザ明確化モジュール230は、同一の匿名ユーザが両方の取引を実行したことについて、より低い確率を出力し得る。
【0031】
上記のように、同一の匿名ユーザが両方の取引を実行したと判断すると、プロファイルモジュール210は、新しい取引ツール情報及び/または新しい取引情報を匿名ユーザの格納されたプロファイルに追加する。
【0032】
データ収集モジュール240は、ユーザに関する購入行動データを収集する。データ収集モジュール240は、プロファイルモジュール210によって生成された匿名ユーザのプロファイル及び/または取引に関する情報を格納し得る。いくつかの実施形態において、データ収集モジュール240は、様々な取引を実行したと判断された同一の匿名ユーザに関する情報をさらに収集する。いったんユーザ明確化モジュール230が同一の匿名ユーザが取引を実行したことを示す確率を出力すると、取引端末110は、匿名ユーザに関するより多くの情報を収集し得る。データ収集モジュール240は、例えば、匿名ユーザから様々な取引を実行したことの確認を得てもよい。例えば、いくつかの実施形態において、データ収集モジュール240は、匿名ユーザによる取引を記録する証拠(例えば、レシート)にクイックレスポンス(QR)コードを表示及び/または印刷して、匿名ユーザ自身を識別するように促してもよい。いくつかの実施形態において、データ収集モジュール240は、匿名ユーザに、ロイヤリティ及び/またはメンバーシッププログラムを介して自分自身についてのより多くの情報を提供するように促す。例えば、データ収集モジュール240は、匿名ユーザが彼らの識別を確認することに応答し、匿名ユーザに推奨事項を提供してもよい。いくつかの実施形態において、推奨事項は、匿名ユーザによる以前の取引に関連する購入のために提案されたオブジェクトを含み得る。データ収集モジュール240は、クライアント装置120及び/または取引を記録する証拠に関する推奨事項を提供してもよい。いくつかの実施形態において、データ収集モジュール240は、以前に使用された取引ツールが再び使用されることを検出することに応答し、ユーザに推奨事項を提示する。いくつかの実施形態において、推奨事項は、ユーザに提示された提案であってもよく、ユーザは、推奨事項と併せて提示されたQRコードをスキャンすることによってそれを引き換えてもよい。ユーザが提案を引き換えたことを検出した後、取引ツール110は、ユーザの識別を確認してもよい。いくつかの実施形態において、データ収集モジュール240は、ユーザデータをサーバ130に提供してもよい。
【0033】
図3は、取引端末110内のデータ収集モジュール240によって記録された購入行動の一実施形態を示す。すべての取引は、取引ID310に識別され、データ収集モジュール240は、取引日付315、取引時刻320、顧客名325、顧客姓330、取引ツール識別子335、製品在庫保持ユニット(SKU)340、及び製品タイプ345を追跡する。取引ツール識別子335は、図3に示されるように、クレジットカードの最後の4桁であってもよい。製品SKUは、オブジェクト識別子の一実施形態である。データ収集モジュール240は、本明細書で説明されているもの以外の情報を格納してもよい。
【0034】
図3に示されるデータは、第1のユーザ350、第2のユーザ355、及び第3のユーザ360に関する。ジェーン・スミスという名前の第1のユーザ350は、2018年3月1日の午前9時15分に第1の取引001を実行する。ジェーン・スミスの取引ツール識別子335は0989として記録される。ジェーン・スミスは、識別子BE12のジュースを購入する。2018年3月3日の午前9時17分に実行される取引003は、同じ取引ツール識別子0989を持つジェーン・スミスという名前の第2のユーザが、同じジュースBE12を購入したことを示す。図2に記載されているように、ユーザ識別モジュール220は、ユーザの名前と取引ツール識別子の間の一致を判断する。続いて、ユーザ明確化モジュール230は、入力として、取引001及び003に関する情報を取り、両方の取引が、第1のユーザ350である同じジェーン・スミスによって実行された確率を判断する。
【0035】
取引004もまたジェーン・スミスによって実行されるが、記録される取引ツール識別子は8867である。さらに、取引004は、SKUがPH09のシャンプーに関連付けられる。ユーザ識別モジュール220は、取引001、003、及び004とジェーン・スミスの名前と間の一致を判断するが、取引ツール識別子の間の一致がないと判断する。ユーザ明確化モジュール230は、取引の時間内に一致が存在し得るが、取引001、003、及び004の間のオブジェクトタイプ及び識別子も一致しないことを判断する。ユーザ明確化モジュール230は、取引時刻よりも製品識別子間の一致を比較検討してもよく、したがって、取引004が取引001及び003と同じジェーン・スミスによって実行されたことについて低い確率を出力してもよい。したがって、ユーザ明確化モジュール230は、取引004が第1のユーザ350によって実行されていないと判断してもよい。むしろ、取引004は、第3のユーザ360によって実行される。
【0036】
取引005は、異なる取引ツール識別子4434を使用してジェーン・スミスによって実行され、SKUがBE19のソーダに関連付けられる。取引001と005を比較して、ユーザ識別モジュール220は、名前間の一致を判断するが、取引ツール識別子間の一致は判断しない。ユーザ明確化モジュール230は、製品識別子が一致しないことを判断するが、リレーショナルデータベースに格納されたデータに従って、製品タイプが類似している(例えば、ソーダがジュースに類似している)ことを判断する。さらに、取引001の時刻は、取引005の時刻と一致する。ユーザ明確化モジュールは、取引ツールの識別子が一致しないという事実よりも、一致する時刻と製品タイプに大きな重みを付けてもよい。したがって、ユーザ明確化モジュールは、取引001と005を実行するユーザ間の一致、すなわち第1のユーザ350の一致を判断する。
【0037】
取引002は午後4時に発生し、ジョー・バーンの顧客名に関連付けられる。ユーザ識別モジュール220は、第1の取引001と第2の取引002の名前と取引ツール識別子との間に一致がないと判断し得る。したがって、ユーザ識別モジュール220は、同じユーザが両方の取引を実行しなかったと判断し得る。したがって、取引002は、第2のユーザ355によって実行され得る。
【0038】
[コンピュータ装置の構成]
図4は、機械可読媒体から命令を読み取り、それらをプロセッサ(またはコントローラ)で実行することができる例示的な機械の構成要素を含むブロック図を示している。具体的には、図4は、本明細書で説明される任意の1つまたは複数の方法を装置に実行させるため、プログラムコード(例えば、ソフトウェア)を内部に有するコンピュータシステム400の例示的な形態における装置の図式表現を示す。プログラムコードは、1つまたは複数のプロセッサ402によって実行可能な命令424から構成されてもよい。代替の実施形態において、装置は、スタンドアローンデバイスとして動作するか、または他の装置に接続(例えばネットワーク化)されてもよい。ネットワーク接続された展開において、装置は、サーバ・クライアントネットワーク環境内のサーバ装置もしくはクライアント装置として、またはピア・ツー・ピア(または分散)ネットワーク環境内のピアマシンとして動作し得る。
【0039】
装置は、サーバコンピューター、クライアントコンピューター、パーソナルコンピューター(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、スマートフォン、ウェブアプライアンス、ネットワークルータ、スイッチまたはブリッジ、またはその装置によって実行されるアクションを指定する命令424(シーケンシャルまたはその他)を実行することができる任意のマシンであってもよい。さらに、単一の装置のみが例示されているが、「装置」という用語は、本明細書で論じられる方法のうちのいずれか1つまたは複数を実行するために、個々にまたは共同で命令424を実行する、装置の任意の集合を含むようにも解釈されるべきである。
【0040】
コンピュータシステム400の例は、バス408を介して互いに通信するように構成されたプロセッサ402(例えば、中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、1つまたは複数のアプリケーション固有の集積回路(ASIC)、1つまたは複数の無線周波数集積回路(RFIC)、またはこれらの任意の組み合わせ)、メインメモリ404、及びスタティックメモリ406を含む。コンピュータシステム400は、ビジュアルディスプレイインターフェース410をさらに含んでよい。ビジュアルインターフェースは、ユーザインターフェースをスクリーン(またはディスプレイ)上に表示することを可能とするソフトウェアドライバを含んでもよい。ビジュアルインターフェースは、直接的に(例えば、スクリーン上に)、または間接的に表面上またはウィンドウ上等に(例えば、ビジュアルプロジェクションユニットを介して)ユーザインターフェースを表示してもよい。説明を容易にするために、ビジュアルインターフェースは、スクリーンとして説明される場合がある。ビジュアルインターフェース410は、タッチ可能スクリーンを含んでもよく、またはタッチ可能スクリーンとインターフェースで接続してもよい。コンピュータシステム400は、また、バス408を介して通信するように構成されている、英数字入力デバイス412(例えば、キーボードまたはタッチスクリーンキーボード)、カーソル制御装置414(例えば、マウス、トラックボール、ジョイスティック、モーションセンサー、または他のポインティングデバイス)、記憶ユニット416、信号生成装置418(例えば、スピーカー)、及びネットワークインターフェースデバイス420を含んでもよい。
【0041】
記憶ユニット416は、本明細書に記載の方法または機能のいずれか1つ、または複数を具体化する命令424(例えばソフトウェア)が格納された機械可読媒体422を含む。また、命令424(例えば、ソフトウェア)は、コンピュータシステム400によるその実行の間に、メインメモリ404内、またはプロセッサ402内(例えば、プロセッサのキャッシュメモリ内)に完全に、または少なくとも部分的に常駐してもよく、メインメモリ404及びプロセッサ402もまた、機械可読媒体を構成する。命令224(例えば、ソフトウェア)は、ネットワークインターフェースデバイス420を経由するネットワーク226を介して伝送、または受信されてもよい。
【0042】
例示的な実施形態において、機械可読媒体422は単一媒体として示されているが、「機械可読媒体」という用語は、命令(例えば、命令424)を格納することができる単一媒体または複数の媒体(例えば、集中型または分散型データベース、または関連するキャッシュ及びサーバ)と解釈されるべきである。また、「機械可読媒体」という用語は、機械による実行のために命令(例えば、命令224)を格納することが可能であり、本明細書に開示される任意の1つまたは複数の方法を実行させる任意の媒体を含むことを理解されたい。「機械可読媒体」という用語は、固体メモリ、光学媒体、及び磁気媒体の形のデータリポジトリを含むが、これらに限定されない。
【0043】
[取引間のユーザマッチング]
図5は、購入行動を使ってユーザマッチングを実行する処理500の一実施形態を示す図である。処理500は、取引端末(例えば、取引端末110)及び/またはサーバ(例えば、サーバ130)によって実行される。取引端末は、匿名ユーザによって実行された第1の取引(例えば、取引ID001)に関する情報を受信する510。第1の取引情報は、ユーザ識別子(例えば、顧客名325及び顧客姓330)、取引ツール識別子(例えば、取引ツール識別子335)、及び取引の時刻(例えば、取引時刻320)を含み得る。さらに、第1の取引情報は、購入された第1のオブジェクトを指定する第1のオブジェクト識別子(例えば、製品SKU340)及び第1のオブジェクトを特徴付ける製品タイプ(例えば、製品タイプ345)を含み得る。
【0044】
取引端末は、第1の取引情報を含む、第1の取引に関連付けられた(例えば、プロファイルモジュール210を使用して)ユーザプロファイルを生成する520。
【0045】
取引端末は、第2の取引(例えば、取引ID002)を検出し530、第2の取引に関する情報を受信する。第2の取引情報は、ユーザ識別子、取引ツール識別子、取引時刻、第2のオブジェクト識別子、及び第2の取引に関連する第2のオブジェクトタイプを含んでもよい。
【0046】
取引端末は、第2の取引が同一の匿名ユーザによって実行されたかどうかを判断する540。取引端末は、潜在的に一致するユーザを識別し(例えば、ユーザ識別モジュール220によって)、本明細書で、第1及び第2の取引にそれぞれ関連付けられた匿名ユーザのプロファイルは、一致するユーザ識別子及び/または取引ツール識別子を有する。取引端末は、第1の取引情報と第2の取引情報との間の一致をさらに判断することにより、潜在的に一致するユーザを明確にする。一致する情報を比較検討すると、取引ツールは、両方の取引が同一の匿名ユーザによるものである確率を出力する。確率がしきい値と超えると、取引端末は同一の匿名ユーザが両方の取引を実行したことを示す。
【0047】
第2の取引が同一の匿名ユーザによって実行されたことを確認するに際し、取引端末は、第2の取引に関する情報を匿名ユーザのプロファイルに追加する550。いくつかの実施形態において、取引端末は、プロファイルに格納された情報に基づいて匿名ユーザに推奨事項を提供する。推奨事項は、例えば、第1及び/または第2の取引で購入されたものと同様の製品であり得る。取引端末は、クライアント装置(例えば、クライアント装置120)及び/または取引端末での取引を記録する証拠(例えば、レシート)を介して、ユーザに推奨事項を提供してもよい。
【0048】
第2の取引が同一の匿名ユーザによって実行されていないと判断すると、取引端末は、第2の取引に関する情報を含む新しい匿名ユーザプロファイルを生成する560。
【0049】
[付加的な構成の考察]
本明細書を通し、様々な事例は、単一の事例として記述されたコンポーネント、操作、または構造を実装する場合がある。1つまたは複数の方法の個々の動作が別個の動作として図示、及び説明されているが、個々の動作の1つまたは複数を同時に実行してよく、動作を図示されている順序で実行する必要はない。例示的な構成において別個のコンポーネントとして提示された構造及び機能は、組み合わされた構造またはコンポーネントとして実装され得る。同様に、単一のコンポーネントとして提示される構造と機能は、個別のコンポーネントとして実装される。これら、及び他の変形例、修正、追加、及び改善は、本明細書の主題の範囲内にある。
【0050】
本明細書では、特定の実施形態は、論理もしくはいくつかのコンポーネント、またはモジュールもしくは機構を含むものとして説明される。モジュールは、ソフトウェアモジュール(例えば、機械可読媒体上、または伝送信号内で実施されるコード)、またはハードウェアモジュールのいずれかを構成してもよい。ハードウェアモジュールは、特定の動作で実行することが可能な有形のユニットであり、特定の方法で構成、または配置し得る。例示的な実施形態において、1つまたは複数のコンピュータシステム(例えば、スタンドアローン、クライアント、またはサーバコンピュータシステム)、またはコンピュータシステムの1つまたは複数のハードウェアモジュール(例えば、プロセッサ、またはプロセッサのグループ)は、本明細書に記載される特定の動作を実行するよう動作するハードウェアモジュールのように、ソフトウェア(例えば、アプリケーション、またはアプリケーションの一部)によって構成されてもよい。
【0051】
様々な実施形態において、ハードウェアモジュールは、機械的、または電子的に実装されるものでもよい。例えば、ハードウェアモジュールは、永続的に構成される専用の回路、または論理を(例えば、特定の動作を実行するフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または特定用途向け集積回路(ASIC)等の特定用途プロセッサとして)備えてもよい。また、ハードウェアモジュールは、特定の動作を実行するために、ソフトウェアによって一時的に構成されるプログラム可能な論理、または回路(例えば、汎用プロセッサ、または他のプログラム可能なプロセッサ内に包含されるもの)を含んでもよい。ハードウェアモジュールを機械的に、専用の永続的に構成される回路、または一時的に構成される回路(例えば、ソフトウェアによって構成される)に実装する判断は、コスト、及び時間を考慮して決められ得る。
【0052】
したがって、「ハードウェアモジュール」という用語は、特定の方法で動作するために、または、本明細書に記載の方法または特定の操作を実行するために物理的に構築された、恒久的に構成された(例えば、配線された)、または一時的に構成された(例えば、プログラムされた)実在物である有形の実在物を包含すると理解されるべきである。本明細書で用いられる「ハードウェア実装モジュール」は、ハードウェアモジュールを参照する。ハードウェアモジュールが一時的に構成(例えば、プログラム化)される実施形態を考慮すると、ハードウェアモジュールのそれぞれは、ある時点で、任意の1つの事例で構成され、または例示化される必要はない。例えば、ハードウェアモジュールがソフトウェアを用いて構成される汎用プロセッサを含む場合、汎用プロセッサは、それぞれ異なるハードウェアモジュールとして、異なる時間で構成されてもよい。したがって、ソフトウェアは、例えば、ある瞬間に特定のハードウェアモジュールを構成し、別の瞬間に異なるハードウェアモジュールを構成するようプロセッサを構成し得る。
【0053】
ハードウェアモジュールは、他のハードウェアモジュールに情報を提供する、他のハードウェアモジュールから情報を受信することができる。したがって、説明されるハードウェアモジュールは、通信可能に結合されているとみなし得る。様々なこのようなハードウェアモジュールが同時に存在する場合、ハードウェアモジュールを接続する信号伝送を通じて(例えば、適切な回路、及びバスを介して)通信を実現し得る。様々なハードウェアモジュールが異なる時間に構成、または実例化される実施形態において、そのようなハードウェアモジュール間の通信は、例えば、様々なハードウェアモジュールがアクセスするメモリ構造の中の情報の格納、及び取り出しを通じて達成し得る。例えば、1つのハードウェアモジュールは、操作を実行し、その操作の出力を、それが通信可能に結合されているメモリデバイスの中に格納し得る。次に、さらなるハードウェアモジュールが、その後メモリデバイスにアクセスし、格納された出力を取り出し、及び処理し得る。また、ハードウェアモジュールは、入力、または出力デバイスとの通信を開始し得て、リソース(例えば、情報の収集)を操作することができる。
【0054】
本明細書に記載の例示的な様々な方法は、少なくとも部分的に、関連する動作を実行するように一時的に構成された(例えば、ソフトウェアによって)、または永続的に構成された1つまたは複数のプロセッサによって実行され得る。一時的であろうと永続的に構成されていようと、そのようなプロセッサは、1つまたは複数の操作もしくは機能を実行するよう動作するプロセッサ実装モジュールを構成し得る。本明細書で参照されるモジュールは、いくつかの例示的な実施形態において、プロセッサ実装モジュールを含み得る。
【0055】
同様に、本明細書で説明される方法は、少なくとも部分的にプロセッサに実装し得る。例えば、方法の操作の少なくともいくつかは、1つまたは複数のプロセッサもしくはプロセッサ実装ハードウェアモジュールによって実行し得る。特定の操作の実行は、1つまたは複数のプロセッサの中で分散されてもよく、単一の装置内に存在するだけではなく、複数の装置にわたって展開される。いくつかの例示的な実施形態において、単一のプロセッサ、または複数のプロセッサは、単一の場所(例えば、家庭環境内に、オフィス環境内に、またはサーバファームとして)に配置してもよく、一方、他の実施形態おいて、プロセッサは、いくつかの場所に渡って分散し得る。
【0056】
1つまたは複数のプロセッサはまた、「クラウドコンピューティング」環境または「サービスとしてのソフトウェア」(SASG)における関連する動作の実行をサポートするように動作してもよい。例えば、少なくともいくつかの動作は、(プロセッサを含む装置の例として)コンピュータのグループによって実行されてよく、これらの動作は、ネットワーク(例えば、インターネット)、及び1つまたは複数の適切なインターフェース(例えば、アプリケーションプログラミングインターフェース(APIs))を介してアクセス可能である。
【0057】
特定の演算の性能は、1つまたは複数のプロセッサ間で分散されてもよく、単一の装置内に存在するだけではなく、複数の装置にわたり展開される。いくつかの例示的な実施形態において、1つまたは複数のプロセッサ、またはプロセッサ実装モジュールは、単一の地理的な場所(例えば、家庭環境内、オフィス環境内、またはサーバファーム内)に配置してもよい。他の例示的な実施形態において、1つまたは複数のプロセッサまたはプロセッサ実装モジュールは、複数の地理的ロケーションにわたり分散されてもよい。
【0058】
本明細書の一部は、機械メモリ(例えば、コンピュータメモリ)内のビット、またはバイナリデジタル信号として格納されたデータにおける動作のアルゴリズム、または記号表現の観点から提示される。これらのアルゴリズム、または記号表現は、データ処理分野における当業者が彼らの仕事の内容を他の当業者に伝えるように用いる技術の例である。本明細書で用いられるように、「アルゴリズム」は、所望の結果へ導く首尾一貫した一連の動作、または同様の処理である。この文脈において、アルゴリズム、及び動作は、物理量の物理的操作を伴う。通常、必ずしもそういうわけではないが、そのような量は、機械によって、格納すること、アクセスすること、変換すること、結合すること、比較すること、または、そうでなければ操作することが可能である電気的、磁気的、または光学的な信号の形態を取り得る。主に一般的な使用法の理由から、「データ」、「コンテンツ」、「ビット」、「値」、「要素」、「記号」、「文字」、「用語」、「数字」、「数詞」等の単語を使用してそのような信号を参照すると便利な場合がある。しかしながら、これらの単語は、単に便利なラベルに過ぎず、且つ適切な物理量に関連付けられている。
【0059】
特に明記しない限り、「処理」、「演算」、「計算」、「判断」、「提示」、「表示」等の単語を使用する本明細書での説明は、1つまたは複数のメモリ(例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、またはそれらの組み合わせ等)、レジスタ、または情報を受信、保存、送信、または表示するその他の機械コンポーネント内の物理的(電子的、磁気的、または光学的)量として表されるデータを操作または変換する機械(例えば、コンピュータ)の動作または処理を指す場合がある。
【0060】
本明細書で使用される場合、「一実施形態」または「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の要素、特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書におけるさまざまな場所において、「一実施形態において」という表現の説明は、必ずしも全てが同一の実施形態を参照しているわけではない。
【0061】
いくつかの実施形態は、「結合された」及び「接続された」という表現をそれらの派生語と共に使用して説明され得る。これらの用語は、互いに同義語として意図されていないことに理解されたい。例えば、ある実施形態は、「接続した」という用語を用いて説明し、2つまたはそれより多くの要素が互いに直接物理的、または電気的に接続していることを示し得る。別の例において、ある実施形態は、「結合した」という用語を用いて説明し、2つまたはそれより多くの要素が直接物理的、または電気的に接続していることを示し得る。しかしながら、また、「結合した」という用語は、2つまたはそれより多くの要素が互いに直接接触していないが、依然として互いに協働または相互作用することを意味し得る。本実施形態は、この文脈に限定されない。
【0062】
本明細書で使用される場合、「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」「有する」、「有している」またはそれらの他の任意の変形した用語は、非排他的な包含を包含することを意図する。例えば、要素のリストを備える処理、方法、条項、もしくは装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されるのではなく、そのような処理、方法、条項、もしくは装置に明示的に記載されていない、または内在する他の要素を含む場合がある。さらに、そうではないと明示的に述べられていない限り、「または」は、包括的な「または」を指し、排他的な「または」を指さない。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか1つによって満たされる。すなわち、Aは真(または存在する)及びBは偽(または存在しない)、Aは偽(または存在しない)及びBは真(または存在する)、ならびにA及びBの両方が真(または存在する)である。
【0063】
さらに、「a」または「an」の適用は、本明細書の実施形態の要素及び構成要素を説明するために使用される。これは、単に便宜上、及び本発明の一般的な意味を付与するために行われているに過ぎない。本説明は、1つまたは少なくとも1つを含むものであり、また、そうでないことを意味することが明らかでない限り、単数形が複数形を含むように読まれるべきである。
【0064】
本開示を読むにあたり、当業者は、本明細書に開示された原理を通じてユーザデータを明確にするためのシステム及びプロセスのためのさらに追加の代替の構造的及び機能的設計を理解するであろう。したがって、特定の実施形態及び適用例が例示され、説明されてきたが、開示される実施形態は、本明細書で開示される厳密な構造及び構成要素に限定されないことを、理解されたい。当業者には明らかであろう様々な変形、変更、及びバリエーションは、添付の特許請求の範囲において定義される趣旨及び範囲から逸脱せずに、本明細書で開示される方法及び装置の構成、動作及び詳細において行われることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】